JP2018106011A - 像ブレ補正装置、レンズ装置、撮像装置、撮像システム、および、プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度な流し撮り撮影を実現することが可能な像ブレ補正装置を提供する。【解決手段】像ブレ補正装置は、像ブレ補正を行う補正手段(127)と、被写体に追従するための基準角速度と角速度センサ(135)の出力信号との差に基づいて流し撮りに伴う像ブレを補正するように補正手段を制御する制御手段(124)とを有し、制御手段は、基準角速度と角速度センサの出力信号とに基づいて、補正手段の基準位置を変更する。【選択図】図1
Description
本発明は、流し撮り補助機能を有するレンズ装置に関する。
特許文献1には、カメラに加わる振動を検出し、この振動よる像劣化を補正光学手段にて補正する機能を備えた防振装置が開示されている。特許文献2には、主被写体の撮像面上の移動速度と撮影者が行う流し撮り速度との差から主被写体移動速度を算出し、主被写体移動速度と撮影者が行う流し撮り速度との差を補正するように光学偏心する撮像装置が開示されている。
ところで、特許文献2に開示されているような撮像装置を用いて流し撮り撮影を行う場合、一般的にはシャッタ速度を遅くする。また、きれいな流し撮り写真を撮影するには、露光中において画角上の主被写体の位置が動かないように補正光学系を駆動する必要がある。しかし、シャッタ速度が遅いため、補正光学系がその可動範囲の端にぶつかってしまう可能性がある。補正光学系が可動範囲の端にぶつかると、補正光学系の駆動が制限されるため、十分な像ブレ補正を行うことができない。その結果、高精度な流し撮り撮影を実現することが難しい。
そこで本発明は、高精度な流し撮り撮影を実現することが可能な像ブレ補正装置、レンズ装置、撮像装置、撮像システム、および、プログラムを提供することを目的とする。
本発明の一側面としての像ブレ補正装置は、像ブレ補正を行う補正手段と、被写体に追従するための基準角速度と角速度センサの出力信号との差に基づいて流し撮りに伴う像ブレを補正するように前記補正手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記基準角速度と前記角速度センサの前記出力信号とに基づいて、前記補正手段の基準位置を変更する。
本発明の他の側面としてのレンズ装置は、像ブレ補正を行う補正手段と、流し撮り角速度を検出する角速度センサと、前記角速度センサの出力信号と動きベクトルとを用いて算出された被写体角速度と、該角速度センサの該出力信号との差に基づいて流し撮りに伴う像ブレを補正するように前記補正手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記基準角速度と前記角速度センサの前記出力信号とに基づいて、前記補正手段の基準位置を変更する。
本発明の他の側面としての撮像装置は、像ブレ補正を行う補正手段と、流し撮り角速度を検出する角速度センサと、動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、前記角速度センサの出力信号と前記動きベクトルとを用いて算出された被写体角速度と、該角速度センサの該出力信号との差に基づいて流し撮りに伴う像ブレを補正するように前記補正手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記基準角速度と前記角速度センサの前記出力信号とに基づいて、前記補正手段の基準位置を変更する。
本発明の他の側面としての撮像システムは、前記レンズ装置と、前記レンズ装置を介して形成された光学像を光電変換する撮像素子とを有する。
本発明の他の側面としてのプログラムは、角速度センサの出力信号と動きベクトルとを用いて、被写体に追従するための基準角速度を算出するステップと、前記基準角速度と前記角速度センサの前記出力信号とに基づいて、像ブレ補正を行う補正手段の基準位置を変更するステップと、前記基準角速度と前記角速度センサの前記出力信号との差に基づいて流し撮りに伴う像ブレを補正するように、前記基準位置を制御中心として前記補正手段を制御するステップと、コンピュータに実行させる。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
本発明によれば、高精度な流し撮り撮影を実現することが可能な像ブレ補正装置、レンズ装置、撮像装置、撮像システム、および、プログラムを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態におけるカメラシステム(撮像システム)の構成について説明する。図1は、カメラシステム100のブロック図である。カメラシステム100は、カメラ本体101(撮像装置)と、カメラ本体101に着脱可能な交換レンズ102(レンズ装置)とを備えて構成される。ただし本実施形態は、これに限定されるものではなく、撮像装置本体とレンズ装置とが一体的に構成された撮像システムにも適用可能である。
被写体からの撮影光束は、交換レンズ102の撮像光学系を通過し、撮影準備中は中央部分がハーフミラーとなっているクイックリターン主ミラー103により光束の一部が反射され、ペンタプリズム104により正立像となる。撮影者は、この正立像を、光学ファインダ105を介して被写体像として確認することができる。測光回路106は、複数のエリアに分割された多画素の素子を有するセンサを備え、被写体の照度を測定(測光)するとともに、被写体の経時的な移動方向と移動速度とを示すベクトル情報を算出(取得)する。測光回路106は、センサによる測光結果およびベクトル情報をカメラMPU107へ出力する。カメラMPU107は、測光回路106から入力された測光結果およびベクトル情報に基づいて、露光時間や絞り状態などの撮影条件を決定する。
サブミラー108は、クイックリターン主ミラー103の裏面に配置されており、クイックリターン主ミラー103のハーフミラー面を通過した光束を測距手段109に入射させる。測距手段109は、入射した光束を光電変換して信号処理を行うことにより測距データを作成し、カメラMPU107へ出力する。
撮影動作に入ると(撮影動作中において)、クイックリターン主ミラー103およびサブミラー108はペンタプリズム104側へ退避し、フォーカルプレーンシャッタ110がシャッタ駆動回路(SH)111により駆動される。その結果、撮影光束は撮影光学画像として、CCDセンサやCMOSセンサなどを含む撮像部112(撮像面上)に結像する。その撮影光学画像は、撮像部112によって光電変換され撮像信号となる。撮像部112は、交換レンズ102(撮像光学系)を介して形成された光学像を光電変換する撮像センサ(撮像素子)であり、前述の測光回路106のセンサと同様に多画素の素子を有するセンサである。このため撮像部112も被写体の経時的な移動方向と移動速度とを示すベクトル情報を算出(取得)することができる。撮像部(ベクトル検出手段)112から得られたベクトル情報は、カメラMPU107へ出力される。
タイミングジェネレータ(TG)113は、撮像部112の蓄積動作、読み出し動作、および、リセット動作などの各種動作を制御する。CDS回路(2重相関サンプリング回路)114は、撮像部112の蓄積電荷ノイズを低減する。ゲインコントロール回路(GC)115は、撮像部112からの撮像信号(CDS回路114からの出力信号)を増幅する。A/D変換器116は、ゲインコントロール回路115により増幅された撮像信号をアナログ信号からデジタル信号(画像データ)へ変換する。映像信号処理回路117は、A/D変換器116によりデジタル化された画像データに対して、フィルタ処理、色変換処理、および、ガンマ処理などの各種信号処理を行う。映像信号処理回路117により信号処理された画像信号は、バッファメモリ118に格納され、表示部としてのLCD119に表示され、または、着脱可能な記録媒体としてのメモリカード120に記録される。
操作部121は、カメラ本体101の撮影モードの設定、記録画像ファイルサイズの設定、および、撮影時のレリーズを行うためのスイッチ群である。カメラMPU(制御手段)107は、カメラ本体101の前述の各動作を制御するとともに、カメラ本体101のインターフェース回路(IF)122および交換レンズ102のインターフェース回路(IF)123を介してレンズMPU124と相互に通信する。カメラMPU107は、この通信を介して、カメラ本体101と交換レンズ102との間における種々のデータのやり取りを行う。
温度センサ140は、サーミスタなどを含む。温度センサ140からの出力信号は、カメラMPU107に入力され、カメラ本体101の制御に利用され、または、インターフェース回路122、123を介してレンズMPU124に入力されて交換レンズ102の制御に利用される。
交換レンズ102は、撮像光学系を構成する光学素子として、フォーカスレンズ125、ズームレンズ126、像ブレ補正レンズ127、および、絞り128を有する。 フォーカスレンズ125は、レンズMPU(制御手段)124からの制御信号に基づいて、フォーカス制御回路129およびフォーカスレンズ駆動用モータ130を介して駆動される。フォーカス制御回路129は、フォーカスレンズ駆動回路に加えて、フォーカスレンズ125の光軸に沿った方向(光軸方向)の移動に応じたゾーンパターン信号やパルス信号を出力するフォーカスエンコーダを含む。被写体距離は、このフォーカスエンコーダを用いて検知することができる。
ズームレンズ126は、撮影者が交換レンズ102のズーム操作環(不図示)を操作することにより、光軸方向に移動する。ズームエンコーダ131は、ズームレンズ126の移動に応じたゾーンパターン信号を出力する。撮影像倍率は、レンズMPU124がフォーカスエンコーダからの出力信号とズームエンコーダ131からの出力信号とを読み取り、被写体距離と焦点距離との組み合わせに応じて予め記憶されている撮影像倍率データを読み出すことにより得られる。
像ブレ補正レンズ127(補正光学系または補正手段)は、像ブレ補正制御回路132およびリニアモータ133により、光軸OAと直交する方向(光軸直交方向)に移動(シフト)することにより、像ブレ補正を行う。具体的には、像ブレ補正は次のようにして行われる。すなわち、角速度センサ135(ジャイロ)が手振れなどによる交換レンズ102の回転振れを検出する。そして、A/D変換器(ADC)136が角速度センサ135から出力されたアナログ信号(角速度情報を示す振れ信号)をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号がレンズMPU124へ入力される。
レンズMPU124は、このデジタル信号に対して各種信号処理を行い、補正レンズ駆動目標信号を算出する。そしてレンズMPU124は、この補正レンズ駆動目標信号と補正レンズエンコーダ134から出力される補正レンズ位置信号との差に応じた駆動信号を像ブレ補正制御回路132へ出力する。像ブレ補正は、このように補正レンズエンコーダ134から出力される補正レンズ位置信号を像ブレ補正制御回路132にフィードバックすることで行われる。本実施形態において、例えば、レンズMPU124、像ブレ補正レンズ127、および、角速度センサ135により像ブレ補正装置が構成される。
本実施形態において、像ブレ補正(像ブレ補正制御)は、カメラ本体101を中心として、上下方向の傾きを検出するためのピッチ軸、左右方向の傾きを検出するためのヨー軸の2軸(光軸直交面内における第1の方向と第2の方向)のそれぞれにおいて行われる。なお本実施形態において、像ブレ補正レンズ127に代えて、光軸OAと直交する方向(光軸直交方向)に移動可能な撮像部112(撮像素子)を補正手段として用いて像ブレ補正を行うこともできる。
絞り128は、レンズMPU124からの制御信号に基づいて、絞り制御回路137およびステッピングモータ138を介して、開口サイズ(F値)を変更するように駆動される。
スイッチ(SW)139は、像ブレ補正ON/OFFおよび像ブレ補正動作モードの選択を行うためのスイッチである。撮影者は、像ブレ補正モードとして、例えば、通常の像ブレ補正動作(通常防振モード)と流し撮り動作(流し撮りモード)とを選択することができる。
次に、図2および図3を参照して、本実施形態における流し撮りモードでのカメラシステム100の動作について説明する。図2は、流し撮り撮影の説明図であり、撮影者の目の前を通過する被写体を流し撮りモードで撮影した際の、被写体およびカメラシステム100のそれぞれの動きを図2(a)、(b)、(c)の順に時系列で示している。
流し撮りモードでは、露光期間中も被写体移動速度に合わせるようにカメラシステム100を振ることにより、被写体300の動きを止めた状態で背景を流した写真が撮影可能となる。しかし、撮影者が不慣れである場合、撮影者は図2のように被写体300の動きに合わせてカメラシステム100を振っているつもりでも、実際にはカメラシステム100を振る流し撮り速度と被写体移動速度とが完全には一致せず、それらの速度には差が生じる。ここで、被写体移動速度の変動と角速度センサ135の出力信号の変動との間は相関関係がある。図2(b)に示されるように、変動の角変位(被写体300とカメラシステム100との間の相対的な角変位)をθ[deg]、被写体距離をL、撮影倍率をβ、被写体ブレ変位をDとするとき、以下の(1)が成り立つ。
D=βLπθ/180 … (1)
したがって、被写体移動速度をVa、変動角速度をωaとすると、以下の式(2)が成り立つ。
したがって、被写体移動速度をVa、変動角速度をωaとすると、以下の式(2)が成り立つ。
Va=βLπωa/180 … (2)
ここで、角速度センサ135により検出された角速度ω(角速度センサ135の出力信号、すなわち流し撮り角速度)から、変動角速度ωaを差し引く。これにより、きれいに流し撮りを行うため、すなわち移動する被写体に正確に追従するための角速度(基準角速度)ω0は、以下の式(3)のように算出される。
ここで、角速度センサ135により検出された角速度ω(角速度センサ135の出力信号、すなわち流し撮り角速度)から、変動角速度ωaを差し引く。これにより、きれいに流し撮りを行うため、すなわち移動する被写体に正確に追従するための角速度(基準角速度)ω0は、以下の式(3)のように算出される。
ω0=ω−ωa
=ω−180Va/(βLπ) … (3)
このように、被写体移動速度Vaと流し撮り角速度ω0との差をキャンセル(低減)するように像ブレ補正レンズ127を駆動することにより、流し撮り時の被写体ブレが無くなり(低減され)、きれいな流し撮り写真を撮影することが可能となる。
=ω−180Va/(βLπ) … (3)
このように、被写体移動速度Vaと流し撮り角速度ω0との差をキャンセル(低減)するように像ブレ補正レンズ127を駆動することにより、流し撮り時の被写体ブレが無くなり(低減され)、きれいな流し撮り写真を撮影することが可能となる。
図3は、流し撮り撮影時の信号波形図である。図3の上段は、図2の方法による流し撮りの際の被写体移動速度を角速度に換算した値(被写体に追従するための基準角速度、すなわち被写体角速度)、および、交換レンズ102の角速度センサ135により検出された角速度(流し撮り角速度)を示している。図3の上段の縦軸は角速度、横軸は時間をそれぞれ示す。図3の下段は、像ブレ補正レンズ127を駆動するための駆動信号を示しており、縦軸は像ブレ補正レンズ127の駆動量、横軸は時間をそれぞれ示す。駆動信号は、角速度センサ135からの角速度信号に基づいて生成される。例えば、図3中の駆動信号SA、SBは、流し撮り角速度A、Bに基づいてそれぞれ生成される。
図3において、被写体速度が一定であれば、被写体角速度すなわち流し撮りを行うための理想的な流し撮り基準角速度は、点線のように一定の角速度となる。すなわち、流し撮りを行う際、露光期間中に流し撮り角速度が理想的な流し撮り基準角速度と一致するように追従することができれば、理想的な流し撮り写真を撮影することができる。しかしながら、理想的な流し撮り基準角速度に対して厳密に一致させるように追従するのは困難であり、通常は理想的な流し撮り基準角速度に対して少なからず追従進みや追従遅れが生じる。
例えば図2に示されるように、露光中に理想的な流し撮り基準角速度よりも速い速度でカメラシステム100が振られて流し撮りをしている場合、露光中の被写体ブレをキャンセルするため、像ブレ補正レンズ127は図2中のプラス方向へ駆動される。このように露光中に追従進みが発生している状態は、図3中の流し撮り角速度Aと流し撮り基準角速度との関係に相当し、これら2つの信号に基づいて駆動信号SAが生成されることになる。
一方、露光中に理想的な流し撮り基準角速度よりも遅い速度でカメラシステム100が振られて流し撮りをしている場合、露光中の被写体ブレをキャンセルするため、像ブレ補正レンズ127は図2中のマイナス方向へ駆動される。このように露光中に追従遅れが発生している状態は、図3中の流し撮り角速度Bと流し撮り基準角速度との関係に相当し、これら2つの信号に基づいて駆動信号SBが生成されることになる。このような制御により、露光中に理想的な流し撮り角速度からのずれを補正することができるため、流し撮りにおける被写体ブレを補正することが可能となる。
次に、図4乃至図8を参照して、本実施形態におけるカメラシステム100の動作を説明する。まず、図4を参照して、カメラ本体101の撮影動作を説明する。図4は、カメラ本体101の撮影動作を示すフローチャートである。図4の各ステップは、主にカメラMPU107の指令に基づいて実行される。
カメラ本体101のメインスイッチがONされると、ステップS401から動作を開始する。まずステップS401において、カメラMPU107は、操作部121のレリーズスイッチが半押し(SW1ON)されたか否かを判定する。レリーズスイッチが半押しされた場合、ステップS402へ進む。一方、レリーズスイッチが半押しされていない場合、レリーズスイッチが半押しステップS401の判定を繰り返す。なお本実施形態において、SW1ONの状態は、LIVEVIEW(ミラーUP)状態も含む。
ステップS402において、カメラMPU107は、インターフェース回路122、123を介して、レンズMPU124とステータス通信(カメラ−レンズステータス通信)を行う。本実施形態において、カメラMPU107は、カメラ本体101の状態(レリーズスイッチの状態(SW1ON)、撮影モード、シャッタ速度など)をレンズMPU124へ送信する。またカメラMPU107は、交換レンズ102の状態(焦点距離、絞り128の状態、フォーカスレンズ125の駆動状態など)をレンズMPU124から受信する。なお図4では、ステップS402にてステータス通信を行うとして記載されているが、実際にはステータス通信は、カメラ本体101の状態が変化した場合や、カメラ本体101が交換レンズ102の状態を確認しようとする場合などに随時行われる。
続いてステップS403において、カメラMPU107は、測距手段109を用いて測距(焦点検出)を行い、被写体にピントを合わせるために必要なフォーカスレンズ125の駆動量(フォーカスレンズ駆動量)を算出する。続いてステップS404において、カメラMPU107は、フォーカスレンズ駆動量に関するデータ(フォーカスレンズ駆動命令)を交換レンズ102(レンズMPU124)へ送信する。このデータは、例えばフォーカスエンコーダの駆動目標パルス量として送信される。フォーカスレンズ駆動が完了すると、続いてステップS405において、カメラMPU107は、再測距を行う。
続いてステップS406において、カメラMPU107は、被写体に関する焦点状態が合焦深度内(合焦状態)であるか否かを判定する。焦点状態が合焦深度内である場合、ステップS407へ進む。一方、焦点状態が合焦深度内でない場合、ステップS401へ戻る。
ステップS407において、焦点状態が合焦深度内であるため、カメラMPU107は合焦表示を行う。カメラMPU107は、合焦表示として、例えば、カメラ本体101の光学ファインダ105内にLEDを点灯させ、または、音を発生させる。またLIVEVIEW状態の場合、カメラMPU107は、LCD119上の測距枠(焦点検出枠)の色を変更し、音を発生させることにより合焦表示を行う。続いてステップS408において、カメラMPU107は、測光回路106から測光結果(輝度)を取得し、露光時間Tvおよび絞り値(絞り駆動量)を算出する。
続いてステップS409において、前述のとおり、カメラMPU107は、測光回路106からの出力信号(画像信号)から被写体の動きベクトル情報を検出する(動きベクトルを算出する)。続いてステップS410において、カメラMPU107は、ステップS409にて検出されたベクトル情報に基づいて、被写体の画面内(画像内)での位置を検出する(被写体位置を算出する)。続いてステップS411において、カメラMPU107は、ステップS409にて検出された動きベクトル情報に基づいて、流し撮り基準角速度(被写体速度)を算出する。カメラMPU107は、ステップS411にて算出された被写体速度をレンズMPU124へ送信する。
続いてステップS412において、カメラMPU107は、操作部121のレリーズスイッチが全押し(SW2ON)されたか否かを判定する。レリーズスイッチが全押しされた場合、ステップS413へ進む。一方、レリーズスイッチが全押しされていない場合、ステップS401へ戻る。
ステップS413において、カメラMPU107は、クイックリターン主ミラー103のミラーアップを行う。このときサブミラー108もクイックリターン主ミラー103とともにペンタプリズム104側へ駆動される。このとき、測距手段109へ入射していた被写体像は遮断される。ただし、LIVEVIEW状態の場合、既にミラーアップされた状態であるため、ここでは何も行われない。
続いてステップS414において、カメラMPU107は、ステップS408にて求めた絞り駆動量(絞り駆動命令)をレンズMPU124へ送信する。レンズMPU124は、カメラMPU107から送信された絞り駆動量に基づいて、絞り128を駆動する。続いてステップS415において、カメラMPU107は、撮像部112の先幕シャッタを駆動する。続いてステップS416において、カメラMPU107は、被写体像を撮像部112に露光して各画素に電荷を蓄積する。続いてステップS417において、露光時間が経過すると、カメラMPU107は後幕シャッタを駆動して、露光を終了する。
続いてステップS418において、カメラMPU107は、撮像部112から電荷転送(撮影画像信号の読み出し)を行う。続いてステップS419において、ステップS418にて読み出されれた撮影画像信号は、CDS回路114、ゲインコントロール回路115、および、A/D変換器116を経てデジタルデータへ変換され、バッファメモリ118に保存される。
続いてステップS420において、カメラMPU107は、絞り開放命令(絞り駆動命令)をレンズMPU124へ送信し、絞り128を開放状態に戻す。続いてステップS421において、カメラMPU107は、クイックリターン主ミラー103およびサブミラー108のミラーダウンを行う。続いてステップS422において、カメラMPU107は、映像信号処理回路117を制御し、撮影画像信号に対してガンマ補正や圧縮処理などの画像補正処理を行う。続いてステップS423において、画像補正処理された画像データは、LCD119に表示されるとともにメモリカード120に記録される(画像表示・記録)。これにより、撮影の一連の動作は終了する。
次に、図5乃至図8を参照して、交換レンズ102の動作を説明する。図5は、交換レンズ102の動作を示すフローチャートである。図5の各ステップは、主にレンズMPU124の指令に基づいて実行される。
交換レンズ102をカメラ本体101に装着すると、カメラMPU107からレンズMPU124へシリアル通信がなされ、図5のステップS501から動作が開始する。まず、ステップS501において、レンズMPU124は、レンズ制御および像ブレ補正制御のための初期設定を行う。続いてステップS502において、レンズMPU124は、スイッチ139の状態を検出するとともに、ズームレンズ126の位置およびフォーカスレンズ125の位置を検出する。スイッチ139は、例えば、オートフォーカスとマニュアルフォーカスとの切り換えスイッチや、像ブレ補正機能のON/OFFスイッチなどを含むが、これらに限定されるものではない。
続いてステップS503において、レンズMPU124は、カメラMPU107からフォーカス駆動命令(フォーカス駆動要求)を受信したか否かを判定する。レンズMPU124がフォーカス駆動命令を受信した場合、ステップS504へ進む。一方、レンズMPU124がフォーカス駆動命令を受信していない場合、ステップS508へ進む。
フォーカス駆動命令の通信において、レンズMPU124はカメラMPU107からフォーカスレンズ125の目標駆動量(目標パルス数)を受信する。そしてステップS504において、レンズMPU124は、フォーカス制御回路129のフォーカスエンコーダのパルス数(フォーカスパルス)を検出する。そしてレンズMPU124は、フォーカスエンコーダのパルス数が目標パルス数となるまでフォーカスレンズ125を駆動するようにフォーカス駆動制御を行う。ステップS505において、レンズMPU124は、フォーカスエンコーダのパルス数が目標パルス数Pに達したか否かを判定する。パルス数が目標パルス数Pに達した場合、ステップS506へ進む。一方、パルス数が目標パルス数Pni達していない場合、ステップS507へ進む。
ステップS506において、パルス数が目標パルス数に達したため、レンズMPU124はフォーカスレンズ125の駆動を停止する。一方、ステップS507において、パルス数が目標パルス数に達していないため、レンズMPU124は、残り駆動パルス数に応じて、フォーカスレンズ駆動用モータ130の速度設定を行う。残り駆動パルス数が少なくなっていくに従って、フォーカスレンズ駆動用モータ130の速度を低下させる(減速する)。
ステップS508において、ステップS502にて像ブレ補正機能ON/OFFスイッチのOFFが検出された場合、レンズMPU124は、像ブレ補正レンズ127を光軸中心にロックする(像ブレ補正レンズ127の中心位置を光軸OAに固定する)。そしてレンズMPU124は、像ブレ補正機能ON/OFFスイッチのONを検出して、レリーズスイッチの半押し状態(SW1ON)をステップS402のステータス通信により検出した場合、像ブレ補正レンズ127のロックを解除(アンロック)する。これにより、像ブレ補正動作が実行可能な状態となる。
続いてステップS509において、レンズMPU124は、カメラMPU107から全駆動停止(交換レンズ102内の全てのアクチュエータの駆動を停止する)命令を受信したか否かを判定する。レンズMPU124が全駆動停止命令を受信した場合、ステップS510へ進む。一方、レンズMPU124が全駆動停止命令を受信していない場合、ステップS509を繰り返す。本実施形態において、撮影者がカメラ本体101の操作部121を介して何も操作を行わない場合、しばらくしてからカメラMPU107からレンズMPU124へ全駆動停止命令が送信される。
ステップS510において、レンズMPU124は、全駆動停止制御を行う。すなわちレンズMPU124は、全てのアクチュエータの駆動を停止し、レンズMPU124をスリープ(停止)状態にする。またレンズMPU124は、像ブレ補正制御回路132などの像ブレ補正装置への給電も停止する。その後、撮影者がカメラ本体101の操作部121を介して何らかの操作を行うと、カメラMPU107はレンズMPU124に通信信号を送信し、レンズMPU124はスリープ状態を解除する。そしてステップS502へ戻る。
これらの動作の間に、レンズMPU124は、カメラMPU107からの通信によるシリアル通信割り込みおよび像ブレ補正制御割り込みの要求を受信した場合、それぞれの割り込み処理を行う。シリアル通信割り込み処理では、通信データのデコードを行い、デコード結果に応じて絞り駆動やフォーカスレンズ駆動などの各処理を行う。レンズMPU124は、通信データのデコードによって、SW1ON、SW2ON、シャッタ速度、および、カメラ本体101の機種などを判定することができる。像ブレ補正割り込みは、一定周期ごとに発生するタイマー割り込みである。像ブレ補正割り込み処理では、ピッチ方向(縦方向)制御およびヨー方向(横方向)の像ブレ補正制御を行う。
次に、図6を参照して、シリアル通信割り込みについて説明する。図6は、交換レンズ102の通信割り込み動作を示すフローチャートである。図6の各ステップは、主にレンズMPU124により実行される。
レンズMPU124は、カメラMPU107からの通信を受信すると、ステップS601から通信割り込み動作を開始する。まず、ステップS601において、レンズMPU124は、カメラMPU107からの命令(コマンド)解析を行う。本実施形態において、カメラMPU107からの命令は、フォーカス駆動命令、絞り駆動命令、ステータス通信、流し撮り補正情報通信、または、その他の命令であり、命令解析の結果に応じた処理へ分岐する。
ステップS602において、レンズMPU124がフォーカス駆動命令を受信した場合、ステップS603へ進む。ステップS603において、レンズMPU124は、目標駆動パルス数に応じてフォーカスレンズ駆動用モータ130の速度設定を行い、フォーカスレンズ駆動を開始する。
ステップS604において、レンズMPU124が絞り駆動命令を受信した場合、ステップS605へ進む。ステップS605において、レンズMPU124は、カメラMPU107から送信された絞り駆動データに基づいて絞り128を駆動するため、ステッピングモータ138の駆動パターンを設定する。そしてレンズMPU124は、設定した駆動パターンを絞り制御回路137を介してステッピングモータ138に出力して絞り128を駆動する。
ステップS606において、レンズMPU124がステータス通信(カメラレンズステータス通信)を受信した場合、ステップS607へ進む。ステップS607において、レンズMPU124は、交換レンズ102の焦点距離情報や像ブレ補正状態(IS動作状態)などをカメラMPU107へ送信する。またレンズMPU124は、カメラ本体101のステータス(レリーズスイッチの状態、撮影モード、シャッタ速度など)をカメラMPU107から受信する。
ステップS608において、レンズMPU124が流し撮り補正情報通信を受信した場合、ステップS609へ進む。ステップS609において、レンズMPU124は、カメラMPU107から流し撮り基準角速度(被写体速度)を受信し、レンズMPU124内のRAM(記憶部)に格納する。またレンズMPU124は、その他の流し撮り補正情報の送受信を行う。
ステップS610において、レンズMPU124がその他の命令を受信した場合、ステップS611へ進む。ステップS611において、レンズMPU124は、命令に応じた各処理を行う。なお、ステップS610にて受信するその他の命令とは、例えば、交換レンズ102に関するフォーカス敏感度データ通信や光学データ通信などである。
次に、図7を参照して、像ブレ補正割り込みについて説明する。図7は、交換レンズ102の像ブレ補正割り込み動作を示すフローチャートである。図7の各ステップは、主にレンズMPU124により実行される。
レンズMPU124のメイン動作中に像ブレ補正割り込みが発生すると、レンズMPU124は、ステップS701から像ブレ補正制御を開始する。まず、ステップS701において、レンズMPU124は、角速度センサ135からの出力信号を、ADC136でA/D変換する。続いてステップS702において、レンズMPU124は、スイッチ139の状態に基づいて、流し撮りモードまたは通常防振モードのいずれに設定されているかを判定する。通常防振モードに設定されている場合、ステップS703へ進む。一方、流し撮りモードに設定されている場合、ステップS706へ進む。
ステップS703において、レンズMPU124は、低周波成分をカットするため、ステップS701にて取得された角速度センサ135からのデジタル信号に対して、ハイパスフィルタ演算(HPF演算)を行う。ここで、演算開始から所定期間においては、レンズMPU124は、ハイパスフィルタの時定数切り換えを行い、早急に信号が安定するための動作を行う。続いてステップS704において、レンズMPU124は、ハイパスフィルタの演算結果を入力として積分演算を行う。この結果は角変位データである。続いてステップS705において、レンズMPU124は、ズーム位置やフォーカス位置に応じた防振敏感度を読み出し、像ブレ補正レンズ127の目標駆動量を算出する。続いてステップ706において、レンズMPU124は、流し撮りモードリセットを未完状態に設定する。具体的には、例えばリセット完了フラグなどを用意し、そのフラグを落とす。
ステップS707において、レンズMPU124は、流し撮りモードリセットが完了しているか否かを判定する。流し撮りモードリセットが完了している場合、ステップS710へ進む。一方、流し撮りモードリセットが完了していない場合、ステップS708へ進む。ステップS708において、レンズMPU124は、流し撮りモードリセットを行う。流し撮りモードリセットとは、例えば、流し撮りモードで用いられるフラグやカウンタの0クリアである。続いてステップS709において、レンズMPU124は、流し撮りモードリセットを完了状態とする。具体的には、例えばリセット完了フラグなどを用意し、そのフラグを立てる。
ステップS710において、レンズMPU124は、レリーズスイッチが全押し(SW2−1ON)されたか否か、すなわち露光動作が選択されたか否かを判定する。レリーズスイッチが全押しされていない場合、ステップS711へ進む。一方、レリーズスイッチが全押しされた場合、ステップS714へ進む。なお、SW2−1ON信号は、露光中は常に立ち上がった状態を維持し、露光が終了すると立ち下がり、再度露光動作が行われると立ち上がる信号である。
ステップS711において、レンズMPU124は、目標駆動量を0に設定する。これは、像ブレ補正レンズ127を電気的に中心保持状態にするためである。続いてステップS712において、レンズMPU124は、流し撮り基準ずらし量をリセットし、流し撮り基準ずらし量を未決定状態とする。具体的には、レンズMPU124は、流し撮り基準ずらし量をゼロクリアし、ずらし量決定済フラグを落とす。続いてステップ713において、レンズMPU124は、流し撮りモードリセットを未完状態に設定する。具体的には、例えばリセット完了フラグなどを用意し、そのフラグを落とす。
ステップS714において、レンズMPU124は、流し撮り基準位置ずらし量が決定済であるか否かを判定する。流し撮り基準位置ずらし量が決定済である場合、ステップS717へ進む。一方、流し撮り基準位置ずらし量が未決定である場合、ステップS715へ進む。ステップS715において、レンズMPU124は、流し撮り基準位置ずらし量の算出処理を行う。この処理については、図8を参照して後述する。続いてステップS716において、レンズMPU124は、流し撮り基準位置ずらし量を決定済とする。具体的には、レンズMPU124は、ずらし量決定済フラグを立てる。
ステップS717において、レンズMPU124は、露光動作が選択されてカメラ本体101の露光開始準備が整った(SW2−2ON)か否かを判定する。カメラ本体101の露光開始準備が整っていない場合、ステップS718へ進む。一方、カメラ本体101の露光開始準備が整った(SW2−2ON)場合、ステップS719へ進む。なお、SW2−2ON信号もSW2−1ON信号と同様に、露光中は常に立ち上がった状態を維持し、露光が終了すると立ち下がり、再度露光動作が行われてカメラ本体101の露光開始準備が整えば立ち上がる信号である。
ステップS718において、レンズMPU124は、流し撮りモードリセットを未完状態に設定する。具体的には、例えばリセット完了フラグなどを用意し、そのフラグを落とす。
ステップS719において、レンズMPU124は、カメラ本体101にて算出されて通知された流し撮り基準角速度と、角速度センサ135から取得された流し撮り角速度(角速度センサ135の出力信号)との差を算出する。続いてステップS720において、レンズMPU124は、ステップS719にて算出した角速度を積分演算し、角変位データを算出する。続いてステップS721において、レンズMPU124は、ズーム位置やフォーカス位置に応じた防振敏感度を読み出し、像ブレ補正レンズ127の目標駆動量を算出する。このように流し撮り基準角速度と現在の流し撮り角速度との偏差をキャンセル(低減)するように像ブレ補正レンズ127を駆動することにより、流し撮り時に被写体ブレがなくなり(低減し)、高精度の流し撮り写真を撮影することが可能となる。
続いてステップS722において、レンズMPU124は、流し撮り基準位置ずらし処理を行う。具体的には、ステップS715にて決定された流し撮り基準位置ずらし量を、目標駆動量に加算する。一度決定されたずらし量は、一度の露光が終了して次回の露光が開始されるまで更新されない。このため、一度の露光におけるずらし量は、固定のデータである。なお、ステップS722をステップS717の直前(ステップS714またはステップS716の直後)に挿入してもよい。
続いてステップS723において、レンズMPU124は、像ブレ補正レンズ127の偏心量を検出する補正レンズエンコーダ134の信号(レンズ変位信号)をA/D変換し、A/D変換結果をレンズMPU124内のRAM(記憶部)に格納する。続いてステップS724において、レンズMPU124はフィードバック演算を行う。続いてステップS725において、レンズMPU124は、安定な制御系にするために位相補償演算を行う。続いてステップS726において、レンズMPU124は、ステップS725の位相補償演算結果をPWM信号としてレンズMPU124のポートに出力し、像ブレ補正割り込みが終了する。レンズMPU124は、そのPWM信号を像ブレ補正制御回路132内のドライバ回路へ出力し、リニアモータ133を用いて像ブレ補正レンズ127を駆動することにより像ブレ補正を行う。
次に、図8を参照して、流し撮り基準位置ずらし量の算出処理(ステップS715)について説明する。図8は、流し撮り基準位置ずらし量の算出処理を示すフローチャートである。図8の各ステップは、主にレンズMPU124により実行される。
まずステップS801において、レンズMPU124は、カメラMPU107から送信された流し撮り基準角速度と、角速度センサ135の出力信号に基づき取得された流し撮り角速度との差を算出する。流し撮り補助の機能を用いて像ブレ補正レンズ127を駆動する場合、レンズMPU124は、この差を低減するように像ブレ補正レンズ127を駆動する。このため、この差に基づいて、像ブレ補正レンズ127の駆動方向および駆動量を判定することができる。
続いてステップS802において、レンズMPU124は、ステップS801にて算出された差に基づいて像ブレ補正レンズ127の駆動方向および駆動量を算出し、その算出結果に応じて流し撮り基準位置ずらし量を算出する。流し撮り基準位置ずらし量は、ずらし量(シフト量)だけでなくずらす方向(シフト方向)に関する情報を含む。ずらし量は、ステップS801にて取得された差に基づいて算出されるため、この差が大きいほどずらし量が大きくなる。差の大きさは、撮影者の流し撮り撮影技量によるところであり、流し撮りの追従ずれが大きいほどその差が大きくなり、ずらし量も大きくなる。また、露光前の流し撮り基準角速度の変化を見ることで、露光中の流し撮り基準角速度を予測することも効果的である。また、その際の予測誤差を考慮してずらし量を決定してもよい。
以上のように本実施形態において、レンズMPU124は、流し撮り基準角速度と流し撮り角速度との差に基づいて流し撮り基準位置ずらし量(像ブレ補正レンズ127の制御中心としての基準位置)を決定する。これにより、交換レンズ102で流し撮り補助駆動を行う際に、これから駆動を行う方向とは逆の方向に像ブレ補正レンズ127をずらして駆動を開始することができる。このため、流し撮り撮影時にシャッタ速度を遅くした場合でも、レンズ可動範囲の端に当たりにくいように像ブレ補正レンズ127を制御することが可能である。
本実施形態において、SW2−1ON中は目標駆動量を0にしているが、通常の手振れ補正制御を行うようにしてもよい。また本実施形態において、SW1ON中のレンズ制御については説明していないが、例えばフレーミングを重視して通常の手振れ補正制御を行うことができる。または、流し撮り補助で使用可能な補正角をより多く確保するために目標駆動量を0にしてもよい。また、SW1ON中のレンズ制御を撮影者が選択できるようにしてもよい。
また本実施形態において、流し撮り動作モードの選択は、交換レンズ102のスイッチ139を介して行われるが、例えばカメラ本体101のスイッチを介して、または、メニュー画面(LCD119)上で選択するように構成してもよい。また本実施形態において、流し撮り基準角速度と流し撮り角速度との差の算出処理を、流し撮り基準位置ずらし量の算出処理と、流し撮り補助時の目標駆動信号の算出処理とで別々に行っている。ただし、これらの算出処理を1回の処理として行ってもよい。1回の算出処理とすることにより、レンズMPU124の処理負荷を低減することができる。
このように本実施形態において、制御手段(レンズMPU124)は、被写体に追従するための基準角速度と角速度センサ135の出力信号との差に基づいて流し撮りに伴う像ブレを補正するように補正手段(像ブレ補正レンズ127)を制御する。また制御手段は、基準角速度と角速度センサ135の出力信号とに基づいて、補正手段の基準位置を変更する。すなわち、補正手段の基準位置を光軸OAから予めシフトさせた状態で、流し撮り(露光)を開始する。基準位置は、流し撮りの際(露光中)における補正手段の制御中心である。基準角速度は、動きベクトルを用いて算出された被写体角速度に相当する。角速度センサ135の出力信号は、流し撮り角速度に相当する。
好ましくは、制御手段は、基準角速度と角速度センサの出力信号とに基づいて、流し撮りの際における補正手段の駆動方向とは逆の方向に基準位置をずらす(基準位置をシフトする)。また好ましくは、制御手段は、流し撮りの際に必要な補正手段の駆動量が第1の駆動量であると判定した場合、補正手段の基準位置を第1のずらし量だけ変更する。また制御手段は、補正手段の駆動量が第1の駆動量よりも大きい第2の駆動量であると判定した場合、補正手段の基準位置を第1のずらし量よりも大きい第2のずらし量だけ変更する。
好ましくは、制御手段は、撮像光学系の光軸OAに相当する基準位置を、基準角速度と角速度センサの出力信号とに基づいて決定されたずらし量(流し撮り基準位置ずらし量)だけ光軸OAに直交する方向にずらす(シフトさせる)ことにより、基準位置を変更する。また好ましくは、制御手段は、流し撮りのための露光前に、補正手段の基準位置を設定し、流し撮りのための露光中に、補正手段の基準位置を制御中心として流し撮りを行うように補正手段を制御する。また制御手段は、角速度センサの出力信号および動きベクトルの少なくとも一方を用いて静止状態であるか否かを判定する状態判定手段を含んでもよい。このとき制御手段は、状態判定手段の判定結果と、基準角速度と、角速度センサの出力信号とに基づいて、補正手段の基準位置を変更することができる。
本実施形態では、流し撮り速度誤差を検出して補正するため、角速度センサ135の出力信号と動きベクトルの検出結果とに基づいて露光開始時の像ブレ補正レンズ127の流し撮り基準位置ずらし量を決定する(制御中心としての基準位置を変更する)。これにより、流し撮り誤差を補正するための像ブレ補正レンズ127の駆動方向および駆動量を予測し、像ブレ補正レンズ127をその可動範囲の端に当たることを回避するように制御をすることができる。その結果、像ブレ補正レンズ127の端当たりによる流し撮り撮影画像のブレ(像ブレ)を回避(または低減)することが可能となる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本実施形態によれば、高精度な流し撮り撮影を実現することが可能な像ブレ補正装置、レンズ装置、撮像装置、撮像システム、および、プログラムを提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
124 レンズMPU(制御手段)
127 像ブレ補正レンズ(補正手段)
127 像ブレ補正レンズ(補正手段)
Claims (14)
- 像ブレ補正を行う補正手段と、
被写体に追従するための基準角速度と角速度センサの出力信号との差に基づいて流し撮りに伴う像ブレを補正するように前記補正手段を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記基準角速度と前記角速度センサの前記出力信号とに基づいて、前記補正手段の基準位置を変更することを特徴とする像ブレ補正装置。 - 前記基準位置は、前記流し撮りの際における前記補正手段の制御中心であることを特徴とする請求項1に記載の像ブレ補正装置。
- 前記制御手段は、前記基準角速度と前記角速度センサの前記出力信号とに基づいて、前記流し撮りの際における前記補正手段の駆動方向とは逆の方向に前記基準位置をずらすことを特徴とする請求項1または2に記載の像ブレ補正装置。
- 前記制御手段は、前記基準角速度と前記角速度センサの前記出力信号とに基づいて、
前記流し撮りの際に必要な前記補正手段の駆動量が第1の駆動量であると判定した場合、該補正手段の前記基準位置を第1のずらし量だけ変更し、
前記補正手段の前記駆動量が前記第1の駆動量よりも大きい第2の駆動量であると判定した場合、該補正手段の前記基準位置を前記第1のずらし量よりも大きい第2のずらし量だけ変更することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。 - 前記制御手段は、撮像光学系の光軸に相当する前記基準位置を、前記基準角速度と前記角速度センサの前記出力信号とに基づいて決定されたずらし量だけ該光軸と直交する方向にシフトさせることにより、該基準位置を変更することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。
- 前記制御手段は、
前記流し撮りのための露光前に、前記補正手段の前記基準位置を設定し、
前記流し撮りのための露光中に、前記補正手段の前記基準位置を制御中心として前記流し撮りを行うように該補正手段を制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。 - 前記基準角速度は、動きベクトルを用いて算出された被写体角速度に相当し、
前記角速度センサの前記出力信号は、流し撮り角速度に相当することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。 - 前記制御手段は、前記角速度センサの前記出力信号および動きベクトルの少なくとも一方を用いて静止状態であるか否かを判定する状態判定手段を含み、
前記状態判定手段の判定結果と、前記基準角速度と、前記角速度センサの前記出力信号とに基づいて、前記補正手段の前記基準位置を変更することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。 - 像ブレ補正を行う補正手段と、
流し撮り角速度を検出する角速度センサと、
前記角速度センサの出力信号と動きベクトルとを用いて算出された被写体角速度と、該角速度センサの該出力信号との差に基づいて流し撮りに伴う像ブレを補正するように前記補正手段を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記被写体角速度と前記角速度センサの前記出力信号とに基づいて、前記補正手段の基準位置を変更することを特徴とするレンズ装置。 - 像ブレ補正を行う補正手段と、
流し撮り角速度を検出する角速度センサと、
動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、
前記角速度センサの出力信号と前記動きベクトルとを用いて算出された被写体角速度と、該角速度センサの該出力信号との差に基づいて流し撮りに伴う像ブレを補正するように前記補正手段を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記被写体角速度と前記角速度センサの前記出力信号とに基づいて、前記補正手段の基準位置を変更することを特徴とする撮像装置。 - 前記補正手段は、撮像光学系の光軸と直交する方向に移動可能な像ブレ補正レンズであることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
- 前記補正手段は、撮像光学系の光軸と直交する方向に移動可能な撮像素子であることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
- 請求項9に記載のレンズ装置と、
前記レンズ装置を介して形成された光学像を光電変換する撮像素子と、を有することを特徴とする撮像システム。 - 角速度センサの出力信号と動きベクトルとを用いて、被写体に追従するための基準角速度を算出するステップと、
前記基準角速度と前記角速度センサの前記出力信号とに基づいて、像ブレ補正を行う補正手段の基準位置を変更するステップと、
前記基準角速度と前記角速度センサの前記出力信号との差に基づいて流し撮りに伴う像ブレを補正するように、前記基準位置を制御中心として前記補正手段を制御するステップと、コンピュータに実行させるプログラム。
Priority Applications (1)
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JP2016252305A JP2018106011A (ja) | 2016-12-27 | 2016-12-27 | 像ブレ補正装置、レンズ装置、撮像装置、撮像システム、および、プログラム |
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