JP2018105667A - 腐食センサ、被測定部材および腐食評価システム - Google Patents
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Abstract
【課題】高温環境で使用される被測定部材(例えば内燃機関の排気系部材)等の腐食状況をモニタリングできる腐食センサを提供する。【解決手段】本発明の腐食センサ1は、絶縁層3と、絶縁層の一方面に設けられ被測定部材よりも貴な電位を示す対極2を備える。絶縁層の他方面は被測定部材に接着または貼着される。被測定部材を卑な金属の電極として利用しているため、本発明の腐食センサは被測定部材へ容易に取り付けできる。また、セラミックス接着剤、耐熱接着剤、耐熱樹脂テープ等からなる絶縁層を用いると、高温環境で使用しても腐食センサの被測定部材からの剥離を防止できる。被測定部材がアルミニウム合金からなる場合、対極は純アルミニウム合金からなると、長期的な腐食状況のモニタリングが可能となって好ましい。【選択図】図1
Description
本発明は、金属部材(被測定部材)の腐食状況を評価する腐食センサ等に関する。
多様な気象環境に曝される部材の耐食性を評価するために、貴な金属と卑な金属の間に流れる腐食電流を検知する腐食センサが開発されている。このような腐食センサは、大気腐食モニタ(Atmospheric Corrosion Monitor)、あるいはガルバニック型腐食センサと称される。大気中の湿気等により、その貴な金属と卑な金属の間が薄い水膜により短絡されると、卑な金属の腐食速度に対応する腐食電流が流れる。その腐食電流を検出することにより、卑な金属の腐食量等を測定することができる。
このような腐食センサに関連する記載が下記の特許文献にある。特許文献1は、移動体の構成材料を主成分とした金属電極と、これに対して電気化学序列が貴となる金属電極を予め一対とした腐食センサを、移動体の各所に設置して、その定量的な腐食環境計測を行うことを提案している。特許文献2は、電気化学的に電位が卑な金属片と貴な金属片と両者に挟まれた絶縁材とからなる腐食センサを、大気環境中に設けて、大気環境中における金属材の腐食量や寿命を高精度に予測する方法を提案している。
しかし、特許文献1、2に記載された腐食センサは、予め用意された自然電位の異なる一対の金属からなる従来のガルバニック型腐食センサと基本的な構造や、それによる腐食環境の評価方法は同じである。また、それら腐食センサは、いずれも大気中での腐食をモニタリングできるものに過ぎない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来とは異なるタイプの腐食センサ等を提供する。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究した結果、実用されている現物(被測定部材)の腐食状況を直接的に評価できる腐食センサを新たに着想した。それを具現化し発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《腐食センサ》
(1)本発明は、金属からなる被測定部材の腐食状況を評価するために用いられる腐食センサであって、前記被測定部材よりも貴な電位を示す金属からなる電極と、該被測定部材の表面に該電極を貼着または接着できる絶縁体と、を備える腐食センサ。
(1)本発明は、金属からなる被測定部材の腐食状況を評価するために用いられる腐食センサであって、前記被測定部材よりも貴な電位を示す金属からなる電極と、該被測定部材の表面に該電極を貼着または接着できる絶縁体と、を備える腐食センサ。
(2)本発明の腐食センサを用いれば、現物の腐食状況でも、比較的簡易に直接評価することが可能となる。
《被測定部材》
本発明は、上述した腐食センサとしてのみならず、腐食センサを備えた被測定部材としても把握できる。すなわち本発明は、金属からなる基材と、該基材よりも貴な電位を示す金属からなる電極と、該基材の表面に該電極を貼着または接着した絶縁体と、を備える被測定部材でもよい。
本発明は、上述した腐食センサとしてのみならず、腐食センサを備えた被測定部材としても把握できる。すなわち本発明は、金属からなる基材と、該基材よりも貴な電位を示す金属からなる電極と、該基材の表面に該電極を貼着または接着した絶縁体と、を備える被測定部材でもよい。
ここでいう被測定部材は、腐食評価等のみに用いられる卑な金属からなる試験用電極ではなく、腐食状況を把握したい各種装置の実際の部材である。また、被測定部材上に構成されている腐食センサは、一方面に予め電極が接合されている絶縁体の他方面を腐食センサを被測定部材の表面に貼着または接着したものでもよいし、被測定部材の表面に絶縁性を有する接着剤や粘着体(テープ等)を用いて、電極を別途接着または貼着したものでもよい。
《腐食評価システム/腐食評価方法》
本発明は、さらに腐食評価システムまたは腐食評価方法としても把握できる。例えば、本発明は、上述した腐食センサを表面側に備えた被測定部材と、該被測定部材と前記腐食センサの電極との間に流れる腐食電流を検出する検出装置とを備え、該被測定部材の腐食状況を評価できる腐食評価システムでもよい。
本発明は、さらに腐食評価システムまたは腐食評価方法としても把握できる。例えば、本発明は、上述した腐食センサを表面側に備えた被測定部材と、該被測定部材と前記腐食センサの電極との間に流れる腐食電流を検出する検出装置とを備え、該被測定部材の腐食状況を評価できる腐食評価システムでもよい。
《その他》
特に断らない限り本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。
特に断らない限り本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。
上述した本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を付加し得る。本明細書で説明する内容は、本発明の腐食センサのみならず、それを用いた被測定部材や腐食評価システムにも適宜該当し得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《腐食評価システム》
本発明の一実施形態である腐食評価システムの概要を図1に模式的に示した。腐食評価システムは、腐食センサ1と、腐食センサ1を貼り付けた被測定部材4と、その腐食をモニタリングする測定部5(検出装置)とを備える。腐食センサ1は、対極2(電極)と絶縁層3(絶縁体)を備える。絶縁層3の一方面に対極2があり、その一方面と対向する(反対面側にある)他方面に被測定部材4がある。絶縁層3により、腐食センサ1が被測定部材4に貼り付けられた段階において、対極2と被測定部材4は電気的に絶縁されている。
本発明の一実施形態である腐食評価システムの概要を図1に模式的に示した。腐食評価システムは、腐食センサ1と、腐食センサ1を貼り付けた被測定部材4と、その腐食をモニタリングする測定部5(検出装置)とを備える。腐食センサ1は、対極2(電極)と絶縁層3(絶縁体)を備える。絶縁層3の一方面に対極2があり、その一方面と対向する(反対面側にある)他方面に被測定部材4がある。絶縁層3により、腐食センサ1が被測定部材4に貼り付けられた段階において、対極2と被測定部材4は電気的に絶縁されている。
対極2と被測定部材4は、測定部5に電気的に接続される。測定部5は、例えば無抵抗電流計である。対極2と被測定部材4が腐食液6により短絡されると、対極2と被測定部材4を流れる腐食電流が腐食センサ1の出力として、測定部5により検出可能となる。
《腐食センサ》
腐食センサ1は、被測定部材4を卑な金属からなる電極として利用するため、絶縁層3と貴な金属からなる対極2とがあればよく、小型化や簡素化が図られる。また絶縁層3は、粘着層または接着層としても機能するため、腐食センサ1を被測定部材4に直接貼り付けたり、接着することが容易である。したがって、腐食状況の測定のために被測定部材4に特別な加工等を行う必要は基本的にない。このため、腐食センサ1を被測定部材4に簡単に取り付けでき、短時間内に測定準備を行える。
腐食センサ1は、被測定部材4を卑な金属からなる電極として利用するため、絶縁層3と貴な金属からなる対極2とがあればよく、小型化や簡素化が図られる。また絶縁層3は、粘着層または接着層としても機能するため、腐食センサ1を被測定部材4に直接貼り付けたり、接着することが容易である。したがって、腐食状況の測定のために被測定部材4に特別な加工等を行う必要は基本的にない。このため、腐食センサ1を被測定部材4に簡単に取り付けでき、短時間内に測定準備を行える。
《被測定部材》
被測定部材4は、種々の金属部材が対象となり、高温環境に曝される部材でもよい。例えば、内燃機関用部材(シリンダブロック、排気バルブ等)のように、運転中に高温となる部材でもよい。内燃機関用部材は、アルミニウム合金(基材)からなる部材でも100℃以上で使用され得る。
被測定部材4は、種々の金属部材が対象となり、高温環境に曝される部材でもよい。例えば、内燃機関用部材(シリンダブロック、排気バルブ等)のように、運転中に高温となる部材でもよい。内燃機関用部材は、アルミニウム合金(基材)からなる部材でも100℃以上で使用され得る。
《絶縁体》
本発明に係る絶縁体は、上述のように高温環境下で使用される被測定部材の腐食状況も評価できるように、十分な耐熱性を備えると好適である。すなわち絶縁体は、被測定部材が曝される環境温度で、被測定部材から剥離せずに被測定部材と電極の絶縁を維持できる耐熱性を備えると好ましい。具体的にいうと、絶縁体は、例えば、100℃以上、130℃以上さらには150℃以上となる環境温度下でも、消失(焼失)等せずに、電極を被測定部材に接合した状態と両者間の絶縁性とを維持できるものが好ましい。具体的にいうと、絶縁体は、被測定部材(さらには電極)との熱膨張係数差が15×10-6/K以下、10×10-6/K以下さらには5×10-6/K以下であると、高温環境下でも耐剥離性が確保されて好ましい。さらに絶縁体は、100℃に絶縁抵抗が106Ω・cm2以上さらには1012Ω・cm2以上となる材質からなると、高温環境下でも絶縁性が維持され好ましい。
本発明に係る絶縁体は、上述のように高温環境下で使用される被測定部材の腐食状況も評価できるように、十分な耐熱性を備えると好適である。すなわち絶縁体は、被測定部材が曝される環境温度で、被測定部材から剥離せずに被測定部材と電極の絶縁を維持できる耐熱性を備えると好ましい。具体的にいうと、絶縁体は、例えば、100℃以上、130℃以上さらには150℃以上となる環境温度下でも、消失(焼失)等せずに、電極を被測定部材に接合した状態と両者間の絶縁性とを維持できるものが好ましい。具体的にいうと、絶縁体は、被測定部材(さらには電極)との熱膨張係数差が15×10-6/K以下、10×10-6/K以下さらには5×10-6/K以下であると、高温環境下でも耐剥離性が確保されて好ましい。さらに絶縁体は、100℃に絶縁抵抗が106Ω・cm2以上さらには1012Ω・cm2以上となる材質からなると、高温環境下でも絶縁性が維持され好ましい。
このような耐熱性を有する絶縁体として、例えば、セラミックス接着剤、耐熱樹脂接着剤、又は耐熱樹脂テープ等がある。例えば、上述した被測定部材4がアルミニウム合金部材である場合、絶縁層3は、その被測定部材4と熱膨張係数が近くて耐熱性に優れたマグネシア系セラミックス接着剤、耐熱エポキシ樹脂系接着剤、ポリイミド基材等の耐熱樹脂系基材とシリコン系粘着剤とからなる耐熱(両面粘着)テープ等であると好ましい。
それら耐熱性は、特に、150℃以上の環境においても接着力または粘着力の低下が少なく、電極と被測定部材の位置関係をずらすことなく両者の接着状態を維持できるものであると好ましい。耐熱テープなら、基材も変形、変色、変質等を生じないものが好ましい。また、被測定部材4の熱膨張係数に対して絶縁層3の熱膨張係数は、3倍以下、2倍以下さらには1.5倍以下であると好ましい。
《電極》
本発明に係る電極は被測定部材の対極であり、それを構成する卑な金属は、被測定部材を構成する貴な金属との相関により定まる。例えば、被測定部材がアルミニウム合金(例えばAl-Zn系アルミニウム合金)からなる場合、電極は純アルミニウム、銅または白金等からなると好ましい。なお、電極の形態は、金属箔等でも十分である。
本発明に係る電極は被測定部材の対極であり、それを構成する卑な金属は、被測定部材を構成する貴な金属との相関により定まる。例えば、被測定部材がアルミニウム合金(例えばAl-Zn系アルミニウム合金)からなる場合、電極は純アルミニウム、銅または白金等からなると好ましい。なお、電極の形態は、金属箔等でも十分である。
《基礎実験/基礎データ》
Al-Zn系アルミニウム合金を基材とする被測定部材4に対して、純アルミニウム、銅、白金を対極2に用いた腐食センサ1を用い、腐食液6に接触させたときのセンサ出力を図2に示した。また、被測定部材4の基材であるAl-Zn系アルミニウム合金と、対極2の材料である純アルミニウム、銅、白金の自然電位を図3に示した。
Al-Zn系アルミニウム合金を基材とする被測定部材4に対して、純アルミニウム、銅、白金を対極2に用いた腐食センサ1を用い、腐食液6に接触させたときのセンサ出力を図2に示した。また、被測定部材4の基材であるAl-Zn系アルミニウム合金と、対極2の材料である純アルミニウム、銅、白金の自然電位を図3に示した。
図2の縦軸であるセンサ出力は、被測定部材4の腐食反応量に比例する。図2から腐食センサ1の対極2の材料は、純アルミニウム、銅、白金の何れの場合でも、腐食液6の接触時には腐食電流が生じてセンサ出力が得られていることがわかる。
但し、対極2が銅または白金からなるときのセンサ出力(腐食反応量)は大きい。この場合、短期間の測定で被測定部材4の外観が腐食により損なわれ易くなる。一方、対極2が純アルミニウムからなるときのセンサ出力は小さく腐食反応量も小さい。この場合、その外観は損なわれ難く、高温環境中に置かれた被測定部材4の腐食を長期間に渡ってモニタリングすることに適している。
被測定部材4に過度な腐食を生じることなく、長期間被測定部材4の腐食をモニタリングするためには、対極2の材料は、被測定部材4との自然電位差が同等か、これ以下であるものが望ましい。具体的には、対極2は、被測定部材4との電位差が大きい銅または白金よりも、純アルミニウムからなると好ましい。そして、図3に示した基材(Al-Zn系アルミニウム合金)と純アルミニウムの自然電位差から、対極2の材料は被測定部材4よりも電位差が+600mV以下で貴な電位を示すものが好ましいといえる。
従って、被測定部材の腐食状況の把握と過度な腐食進行の抑制を両立するため、電極は、被測定部材に対する自然電位差が100〜600mVさらには200〜500mVとなる金属からなると好ましい。特に、被測定部材と電極は、主成分である金属元素(質量割合が最大である元素/例えばAl)が同じであると好ましい。この場合、両者間の熱膨張係数差も小さくなり、絶縁体を介した耐剥離性の向上を図られる。
Al-Zn系アルミニウム合金製の内燃機関用排気部材を被測定部材4として、下記試料1〜3、試料C1〜3の腐食センサ1を用いて腐食測定を行った。
《試料》
(試料1)
対極2を純アルミニウム箔、絶縁層3を耐熱両面テープ(ポリイミド基材、シリコン系粘着材:3M製「4390」)とした腐食センサ1を作成した。対極2と絶縁層3の形状は7mm×1mmの長方形とした。
(試料1)
対極2を純アルミニウム箔、絶縁層3を耐熱両面テープ(ポリイミド基材、シリコン系粘着材:3M製「4390」)とした腐食センサ1を作成した。対極2と絶縁層3の形状は7mm×1mmの長方形とした。
(試料2)
絶縁層3をマグネシア系セラミックス接着剤(AREMCO製「セラマボンド571」)とした他は、試料1と同じ構造である腐食センサ1を作成した。
絶縁層3をマグネシア系セラミックス接着剤(AREMCO製「セラマボンド571」)とした他は、試料1と同じ構造である腐食センサ1を作成した。
(試料3)
絶縁層3をエポキシ系接着材(セメダイン製「PM165」)とした他は、試料1と同じ構造である腐食センサ1を作成した。
絶縁層3をエポキシ系接着材(セメダイン製「PM165」)とした他は、試料1と同じ構造である腐食センサ1を作成した。
(試料C1)
絶縁層3をフッ素系接着材(フロロテクノロジー製「フロロサーフFG−3020C−30」)とした他は、試料1と同じ構造である腐食センサ1を作成した。
絶縁層3をフッ素系接着材(フロロテクノロジー製「フロロサーフFG−3020C−30」)とした他は、試料1と同じ構造である腐食センサ1を作成した。
(試料C2)
絶縁層3をフッ素系接着材(フロロテクノロジー製「フロロサーフFG−5040H−8.0」)とした他は、試料1と同じ構造である腐食センサ1を作成した。
絶縁層3をフッ素系接着材(フロロテクノロジー製「フロロサーフFG−5040H−8.0」)とした他は、試料1と同じ構造である腐食センサ1を作成した。
(試料C3)
絶縁層3をアルミナ系セラミックス接着剤(東亜合成製「アロンセラミック6−517−01」)とした他は、試料1と同じ構造である腐食センサ1を作成した。
絶縁層3をアルミナ系セラミックス接着剤(東亜合成製「アロンセラミック6−517−01」)とした他は、試料1と同じ構造である腐食センサ1を作成した。
《試験》
各試料に係る腐食センサ1について、密着性と出力安定性を評価するための試験を行った。具体的にいうと、先ず、各腐食センサ1を、それぞれ内燃機関用部材の内壁面に接着し、各腐食センサ1に腐食液を塗布した。このときの各腐食センサ出力(腐食電流)を測定後、150℃の環境中で168時間放置し、再び腐食液を塗布して腐食センサ出力を測定した。
各試料に係る腐食センサ1について、密着性と出力安定性を評価するための試験を行った。具体的にいうと、先ず、各腐食センサ1を、それぞれ内燃機関用部材の内壁面に接着し、各腐食センサ1に腐食液を塗布した。このときの各腐食センサ出力(腐食電流)を測定後、150℃の環境中で168時間放置し、再び腐食液を塗布して腐食センサ出力を測定した。
次に、試験後の腐食センサ1の接着状態を目視により観察した。腐食センサ1の剥離が認められないものを○、腐食センサ1の剥離が生じたものを×として、密着性を評価した。
さらに、腐食液を塗布後の腐食センサ出力測定中に、2倍以上の出力差が無かったものを○、2倍以上の出力差が生じたものを×として、腐食センサ1の出力安定性を評価した。各腐食センサ1の評価結果を表1にまとめて示した。
試料1〜3の腐食センサ1では、絶縁層3がAl-Zn系アルミニウム合金製内燃機関用排気部材の熱膨張に追随でき、内燃機関用排気部材が高温環境に曝されても腐食センサ1の剥離は発生せず、安定した腐食センサ出力が得られ、被測定部材4の高温環境中における腐食をモニタできた。
試料C1〜3の腐食センサ1では、内燃機関用排気部材の熱膨張に絶縁層3が追随できず、内燃機関用排気部材からの剥離が発生した。さらに、試料C1、2では絶縁層3のフッ素成分の撥水性により、腐食センサ1の出力も不安定となった。
なお、上述した試料C1〜C3は、必ずしも耐熱性が十分ではないが、常温域では十分に腐食センサとして機能する。従って、試料C1〜C3も本発明の実施例となり得ることを断っておく。
以上、本発明を実施の形態に基づき説明したが、本発明は実施の形態例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
1 腐食センサ
2 対極(電極)
3 絶縁層(絶縁体)
4 被測定部材
5 測定部(検出装置)
2 対極(電極)
3 絶縁層(絶縁体)
4 被測定部材
5 測定部(検出装置)
Claims (8)
- 金属からなる被測定部材の腐食状況を評価するために用いられる腐食センサであって、
前記被測定部材よりも貴な電位を示す金属からなる電極と、
該被測定部材の表面に該電極を貼着または接着できる絶縁体と、
を備える腐食センサ。 - 前記被測定部材に対する前記電極の自然電位差は100〜600mVである請求項1に記載の腐食センサ。
- 前記被測定部材と前記電極は、主成分である金属元素が同じである請求項2に記載の腐食センサ。
- 前記絶縁体は、前記被測定部材が曝される環境温度で、該被測定部材から剥離せずに該被測定部材と前記電極の絶縁を維持できる耐熱性を備える請求項1〜3のいずれかに記載の腐食センサ。
- 前記環境温度は100℃以上である請求項4に記載の腐食センサ。
- 前記絶縁体は、前記電極が予め配設された一方面と、前記被測定部材に貼着または接着される他方面とを有する請求項1〜5のいずれかに記載の腐食センサ。
- 金属からなる基材と、
該基材よりも貴な電位を示す金属からなる電極と、
該基材の表面に該電極を貼着または接着した絶縁体と、
を備える被測定部材。 - 請求項7に記載の被測定部材と、
該被測定部材と前記電極との間に流れる腐食電流を検出する検出装置とを備え、
該被測定部材の腐食状況を評価できる腐食評価システム。
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JP2016250551A JP2018105667A (ja) | 2016-12-26 | 2016-12-26 | 腐食センサ、被測定部材および腐食評価システム |
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
CN111812018A (zh) * | 2020-08-11 | 2020-10-23 | 珠海市高新区中城粤能科技有限公司 | 一种金属大气腐蚀在线监测传感器及监测方法 |
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- 2016-12-26 JP JP2016250551A patent/JP2018105667A/ja active Pending
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CN111812018A (zh) * | 2020-08-11 | 2020-10-23 | 珠海市高新区中城粤能科技有限公司 | 一种金属大气腐蚀在线监测传感器及监测方法 |
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