JP2018105397A - ボールねじ - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストの増加を抑えながら、組立時にボールが誤って非転動路に入ることが防止されたボールねじを提供する。【解決手段】このボールねじは、ねじ軸1の螺旋溝11とナット2の螺旋溝とからなる軌道を有する。軌道はボール3が転動する転動路Tを含む。ナット2の転動路Tの位置に、ボール3より大径で、軸方向に垂直に延びる貫通穴23が形成されている。貫通穴23を塞ぐ蓋5は、ねじ軸1の螺旋溝11と対向して転動路Tの一部を形成する転動路形成面51aを有する。【選択図】図2
Description
この発明は、ボールねじに関する。
ボールねじは、ねじ軸とナットと複数のボールを有する。ねじ軸はナット内に配置されている。ねじ軸の螺旋溝とナットの螺旋溝とで、ボールが転動する転動路を含む軌道が形成される。
ナットは、ボールを転動路の終点から始点に戻すボール戻し路を備えている。ボールは転動路とボール戻し路内とからなる循環経路(サーキット)内に配置されている。ボールねじは、循環経路を循環し転動路内を負荷状態で転動するボールを介して、ねじ軸とナットとが相対移動する装置である。ボール戻し路は、ナットにリターンチューブやコマ等の循環部品を取り付けることで形成される。
ナットは、ボールを転動路の終点から始点に戻すボール戻し路を備えている。ボールは転動路とボール戻し路内とからなる循環経路(サーキット)内に配置されている。ボールねじは、循環経路を循環し転動路内を負荷状態で転動するボールを介して、ねじ軸とナットとが相対移動する装置である。ボール戻し路は、ナットにリターンチューブやコマ等の循環部品を取り付けることで形成される。
循環経路を複数有するボールねじでは、軌道の隣り合う転動路間に、ボールが配置されない非転動路(ボールの転動路ではない空間)が存在する。そして、非転動路にボールが入った状態で使用されると、ボールねじがロックする恐れがある。そのため、循環経路を複数有するボールねじを組み立てる際には、ボールが誤って非転動路に入ることを防止する必要があり、従来よりその対策が提案されている。
特許文献1には、コマ(蓋)を本体(ボール案内部材)と蓋(ボール挿入穴閉塞部材)とに分割し、本体にボール挿入穴を設け、本体をナットの貫通穴に装着した状態でボールを循環経路内に挿入した後に、蓋でボール挿入穴を塞ぐことが提案されている。これにより、ボール案内機能を発揮させつつボール挿入を行うことが可能となるため、ボール挿入の際にボールが予定外の位置に外れることを防止できると記載されている。
特許文献2には、ナットのリターンチューブ取付穴からボールを挿入した後に、リターンチューブ内にボールを入れて、このリターンチューブをナットに取り付ける従来の方法では、ボールが誤って非転動路に入る恐れがあることと、これを防止する提案が記載されている。その提案では、リターンチューブにボール挿入穴(ボール挿入用の開口部)を設けている。そして、ボールを挿入する前にこのリターンチューブをナットに取り付け、ボール挿入穴から循環経路内に決められた数のボールを挿入した後に、ボール挿入穴を蓋で塞いでいる。
特許文献3には、ナットのサーキット外溝(螺旋溝のうち隣り合うサーキット間の非転動路となる部分)の斜径寸法を、ナットのサーキット内溝(螺旋溝のうち転動路を成す部分)の斜径寸法より小さくすることが提案されている。また、サーキット外溝のサーキット内溝に接続する箇所に斜径寸法を連続的に変化させて形成した区間を設けて、サーキット外溝とサーキット内溝との間の段差を無くすことが記載されている。
特許文献1および2の提案では、循環部品をボール挿入穴を有する本体と蓋に分けていルため、循環部品毎に本体と蓋を用意する必要があり、部品コストや組み立てコストが高くなる問題がある。
特許文献3の提案では、溝の加工が困難であるとともに、加工コストが高くなる問題がある。
この発明の課題は、製造コストの増加を抑えながら、組立時にボールが誤って非転動路に入ることが防止されたボールねじを提供することである。
特許文献3の提案では、溝の加工が困難であるとともに、加工コストが高くなる問題がある。
この発明の課題は、製造コストの増加を抑えながら、組立時にボールが誤って非転動路に入ることが防止されたボールねじを提供することである。
上記課題を解決するために、この発明の一態様のボールねじは、下記の構成要件(1)(2)を有する。
(1) 外周面に螺旋溝を有するねじ軸と、内周面に螺旋溝を有する円筒状のナットと、複数のボールを有する。前記ねじ軸は前記ナットを貫通し、前記ねじ軸の螺旋溝と前記ナットの螺旋溝とにより、前記ボールが転動する転動路を含む軌道が形成されている。前記ナットは、前記ボールを前記転動路の終点から始点に戻すボール戻し路を備えている。前記ボールは、前記転動路と前記ボール戻し路とからなる循環経路内に配置されている。前記循環経路を循環し前記転動路内を負荷状態で転動する前記ボールを介して、前記ねじ軸と前記ナットとが相対移動する。
(2) 前記ナットの前記転動路の位置に、前記ボールより大径で、軸方向に垂直に延びる貫通穴が形成されている。前記貫通穴を塞ぎ、前記ねじ軸の螺旋溝と対向して前記転動路の一部を形成する転動路形成面を有する蓋を有する。
(1) 外周面に螺旋溝を有するねじ軸と、内周面に螺旋溝を有する円筒状のナットと、複数のボールを有する。前記ねじ軸は前記ナットを貫通し、前記ねじ軸の螺旋溝と前記ナットの螺旋溝とにより、前記ボールが転動する転動路を含む軌道が形成されている。前記ナットは、前記ボールを前記転動路の終点から始点に戻すボール戻し路を備えている。前記ボールは、前記転動路と前記ボール戻し路とからなる循環経路内に配置されている。前記循環経路を循環し前記転動路内を負荷状態で転動する前記ボールを介して、前記ねじ軸と前記ナットとが相対移動する。
(2) 前記ナットの前記転動路の位置に、前記ボールより大径で、軸方向に垂直に延びる貫通穴が形成されている。前記貫通穴を塞ぎ、前記ねじ軸の螺旋溝と対向して前記転動路の一部を形成する転動路形成面を有する蓋を有する。
この発明のボールねじは、製造コストの増加を抑えながら、組立時にボールが誤って非転動路に入ることが防止される。
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、この発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定はこの発明の必須要件ではない。
[第一実施形態]
図1および2に示すように、第一実施形態のボールねじは、二つ(複数)の循環経路を有し、ねじ軸1、ナット2、複数のボール3、二つのリターンチューブ(ボール戻し路を形成する部品)4、二つの蓋5、二つのシール6、およびチューブ押え7で構成されている。図2ではチューブ押え7が省略されている。
ねじ軸1の外周面とナット2の内周面に、螺旋溝11,21が形成されている。ねじ軸1はナット2を貫通している。ねじ軸1の螺旋溝11とナット2の螺旋溝21とにより、軌道が形成されている。軌道はボール3が配置されている二つの転動路Tを含み、軌道の二つの(隣り合う)転動路Tの間に、ボール3が配置されない非転動路Hが存在する。図2に示すように、ナット2の螺旋溝21は、転動路Tを形成する部分(転動路部)21aと、非転動路Hを形成する部分(非転動路部)21bとに分けられる。
図1および2に示すように、第一実施形態のボールねじは、二つ(複数)の循環経路を有し、ねじ軸1、ナット2、複数のボール3、二つのリターンチューブ(ボール戻し路を形成する部品)4、二つの蓋5、二つのシール6、およびチューブ押え7で構成されている。図2ではチューブ押え7が省略されている。
ねじ軸1の外周面とナット2の内周面に、螺旋溝11,21が形成されている。ねじ軸1はナット2を貫通している。ねじ軸1の螺旋溝11とナット2の螺旋溝21とにより、軌道が形成されている。軌道はボール3が配置されている二つの転動路Tを含み、軌道の二つの(隣り合う)転動路Tの間に、ボール3が配置されない非転動路Hが存在する。図2に示すように、ナット2の螺旋溝21は、転動路Tを形成する部分(転動路部)21aと、非転動路Hを形成する部分(非転動路部)21bとに分けられる。
リターンチューブ4は略門形に形成され、両脚部がナット2の円筒部の平坦部20に設けた各貫通穴22内に挿入されている。リターンチューブ4のナット2の外側に配置された部分が、チューブ押え7でナット2に固定されている。リターンチューブ4内にもボール3が配置されている。つまり、各循環経路は、転動路Tとリターンチューブ4内のボール戻し路41とからなる。
ナット2の各転動路Tの位置に一つずつ(つまり、ナット2の螺旋溝21の各転動路部21aの各一箇所に)、軸方向に垂直に延びる貫通穴23が形成されている。貫通穴23は、図3に示すように、直径が変化する三段の円柱状で、ナット2の径方向内側部に存在する奥側部231と、径方向中央部に存在する雌ねじ部232と、径方向外側部に存在する座ぐり部233とからなる。図5に示すように、奥側部231の断面円の直径は、ボール3の直径より少し大きい。
ナット2の各転動路Tの位置に一つずつ(つまり、ナット2の螺旋溝21の各転動路部21aの各一箇所に)、軸方向に垂直に延びる貫通穴23が形成されている。貫通穴23は、図3に示すように、直径が変化する三段の円柱状で、ナット2の径方向内側部に存在する奥側部231と、径方向中央部に存在する雌ねじ部232と、径方向外側部に存在する座ぐり部233とからなる。図5に示すように、奥側部231の断面円の直径は、ボール3の直径より少し大きい。
蓋5は、ナット2の貫通穴23に対応させた三段の円柱状で、図2および図4に示すように、貫通穴23の奥側部231に配置される先端部51と、雌ねじ部232に配置される雄ねじ部52と、座ぐり部233に配置される頭部53とからなる。
雄ねじ部52には、貫通穴23の雌ねじ部232に螺合する雄ねじが形成されている。頭部53の直径は、貫通穴23の座ぐり部233より少し大きい。頭部53の軸方向端面に六角穴53aが形成されている。蓋5の先端部51の端面51aは平面である。
雄ねじ部52には、貫通穴23の雌ねじ部232に螺合する雄ねじが形成されている。頭部53の直径は、貫通穴23の座ぐり部233より少し大きい。頭部53の軸方向端面に六角穴53aが形成されている。蓋5の先端部51の端面51aは平面である。
図5に示すように、先端部51の端面51aが、ねじ軸1の螺旋溝11と対向して転動路Tの一部を形成する。つまり、先端部51の端面51aが転動路形成面である。先端部51の断面円の直径は、ボール3の直径より少し大きく、貫通穴23の奥側部231の断面円の直径より少し小さい。
蓋5がナット2の外側から貫通穴23に挿入されて、先端部51が貫通穴23の奥側部231に配置され、雄ねじ部52が雌ねじ部232に螺合され、頭部53が座ぐり部233に配置されている。
蓋5がナット2の外側から貫通穴23に挿入されて、先端部51が貫通穴23の奥側部231に配置され、雄ねじ部52が雌ねじ部232に螺合され、頭部53が座ぐり部233に配置されている。
シール6は、ナット2の軸方向両端に固定され、ねじ軸1とナット2の隙間を塞ぐ部品である。
このボールねじは、各循環経路(転動路T+リターンチューブ4)を循環し各転動路Tを負荷状態で転動するボール3を介して、ナット2がねじ軸1に対して相対移動する。各転動路Tの終点に達したボール3は、各リターンチューブ4を通って転動路Tの始点に戻される。
このボールねじは、各循環経路(転動路T+リターンチューブ4)を循環し各転動路Tを負荷状態で転動するボール3を介して、ナット2がねじ軸1に対して相対移動する。各転動路Tの終点に達したボール3は、各リターンチューブ4を通って転動路Tの始点に戻される。
このボールねじの組立方法を以下に説明する。
先ず、ナット2の軸方向一端からねじ軸1を挿入することで、ねじ軸1をナット2に貫通させる。
次に、各リターンチューブ4の両脚部をナット2の平坦部20の各貫通穴22内に挿入し、両リターンチューブ4をチューブ押え7でナット2に固定する。図3は、この状態を示す。
次に、図3の状態から上下を反対にしてナット2の貫通穴23の開口を上に向け、ねじ軸1の軸線を水平に配置した状態で、ねじ軸1を回転しながら、循環経路(転動路T+リターンチューブ4)毎に決められた数のボール3を貫通穴23から挿入する。なお、この実施形態では貫通穴23が転動路Tの中間位置に形成されているため、転動路Tに入る分の半分のボール3をねじ軸1を回転させながら挿入した後に、ねじ軸1を逆方向に回転させながら残りのボール3を挿入する。
先ず、ナット2の軸方向一端からねじ軸1を挿入することで、ねじ軸1をナット2に貫通させる。
次に、各リターンチューブ4の両脚部をナット2の平坦部20の各貫通穴22内に挿入し、両リターンチューブ4をチューブ押え7でナット2に固定する。図3は、この状態を示す。
次に、図3の状態から上下を反対にしてナット2の貫通穴23の開口を上に向け、ねじ軸1の軸線を水平に配置した状態で、ねじ軸1を回転しながら、循環経路(転動路T+リターンチューブ4)毎に決められた数のボール3を貫通穴23から挿入する。なお、この実施形態では貫通穴23が転動路Tの中間位置に形成されているため、転動路Tに入る分の半分のボール3をねじ軸1を回転させながら挿入した後に、ねじ軸1を逆方向に回転させながら残りのボール3を挿入する。
次に、ナット2の貫通穴23に先端部51側から蓋5を挿入し、頭部53の六角穴53aに六角レンチを入れて蓋5を回転する。これにより、蓋5の雄ねじ部52を貫通穴23の雌ねじ部232に螺合させて、先端部51の端面51aをボール3に接触させ、頭部53を座ぐり部233に配置する。その結果、蓋5で貫通穴23が塞がれる。
この実施形態のボールねじによれば、リターンチューブ4を取り付けた後に、循環経路内にボール3を挿入することで組立を行うため、組立時にボールが誤って非転動路に入ることが防止される。
この実施形態のボールねじによれば、リターンチューブ4を取り付けた後に、循環経路内にボール3を挿入することで組立を行うため、組立時にボールが誤って非転動路に入ることが防止される。
また、この実施形態のボールねじは、ナット2に貫通穴23を設け、貫通穴23を蓋5で塞ぐ構造を有するため、循環部品(ボール戻し路形成部品)であるリターンチューブ4は従来品と同じものが使用できる。よって、従来品と同じ循環部品が使用できない特許文献1および2に記載されたボールねじや、溝の加工が困難である特許文献3に記載されたボールねじと比較して、製造コストを低く抑えることができる。
また、この実施形態のボールねじでは、蓋の転動路形成面(先端部51の端面)51aを平面にすることで、蓋5を先端部51、雄ねじ部52、および頭部53からなる構造として、ナット2の貫通穴23にねじ止めで容易に固定することができる。
また、この実施形態のボールねじでは、蓋の転動路形成面(先端部51の端面)51aを平面にすることで、蓋5を先端部51、雄ねじ部52、および頭部53からなる構造として、ナット2の貫通穴23にねじ止めで容易に固定することができる。
また、平面からなる転動路形成面(先端部51の端面)51aを有することで、ボールねじのボール軌道円(軌道に沿ったナット2の内側断面円)の寸法に応じた蓋を用意する必要がない。つまり、ボール3の直径に応じた寸法の蓋5を用意すればよい。
なお、第二実施形態のボールねじでは、図6に示すように、蓋5の先端部51の端面(転動路形成面)51aが平面であり、ナット2の螺旋溝21の溝底ラインと一致しないため、転動路Tの貫通穴23の位置に段差が生じる。しかし、貫通穴23の直径は螺旋溝21の円周(ボール軌道円)の直径より極端に小さいため、特に問題は生じない。
なお、第二実施形態のボールねじでは、図6に示すように、蓋5の先端部51の端面(転動路形成面)51aが平面であり、ナット2の螺旋溝21の溝底ラインと一致しないため、転動路Tの貫通穴23の位置に段差が生じる。しかし、貫通穴23の直径は螺旋溝21の円周(ボール軌道円)の直径より極端に小さいため、特に問題は生じない。
[第二実施形態]
第二実施形態のボールねじは、図7に示すように、蓋5Aを用いてナット2の貫通穴23を塞いでいる。それ以外の点は第一実施形態と同じである。
図7および図8に示すように、蓋5Aは、第一実施形態の蓋5と同様の三段の円柱状であり、ナット2の貫通穴23の奥側部231に配置される先端部51Aと、雌ねじ部232に配置される雄ねじ部52と、座ぐり部233に配置される頭部53とからなる。雄ねじ部52と頭部53は第一実施形態の蓋5と同じである。
第二実施形態のボールねじは、図7に示すように、蓋5Aを用いてナット2の貫通穴23を塞いでいる。それ以外の点は第一実施形態と同じである。
図7および図8に示すように、蓋5Aは、第一実施形態の蓋5と同様の三段の円柱状であり、ナット2の貫通穴23の奥側部231に配置される先端部51Aと、雌ねじ部232に配置される雄ねじ部52と、座ぐり部233に配置される頭部53とからなる。雄ねじ部52と頭部53は第一実施形態の蓋5と同じである。
先端部51Aは、第一実施形態の蓋5の先端部51とは異なり、先端部51Aの端面(転動路形成面)51bが、中心が最も深い球状の凹面になっている。図9に示すように、先端部51Aの断面円の直径は、ボール3の直径より少し大きく、貫通穴23の奥側部231の断面円の直径より少し小さい。
この実施形態のボールねじは、蓋5の代わりに蓋5Aを用いることを除いて、第一実施形態のボールねじと同じ方法で組み立てることができる。
この実施形態のボールねじによれば、リターンチューブ4を取り付けた後に、循環経路内にボール3を挿入することで組立を行うため、組立時にボールが誤って非転動路に入ることが防止される。また、第一実施形態のボールねじと同様に、リターンチューブ4は従来品と同じものが使用できるため、製造コストを低く抑えることができる。
この実施形態のボールねじは、蓋5の代わりに蓋5Aを用いることを除いて、第一実施形態のボールねじと同じ方法で組み立てることができる。
この実施形態のボールねじによれば、リターンチューブ4を取り付けた後に、循環経路内にボール3を挿入することで組立を行うため、組立時にボールが誤って非転動路に入ることが防止される。また、第一実施形態のボールねじと同様に、リターンチューブ4は従来品と同じものが使用できるため、製造コストを低く抑えることができる。
また、この実施形態のボールねじでは、蓋5Aの先端部51Aの端面51bを球状凹面にすることで、蓋5Aを先端部51A、雄ねじ部52、および頭部53からなる構造として、ナット2の貫通穴23にねじ止めで容易に固定することができる。
また、球状凹面からなる転動路形成面(先端部51Aの端面)51bを有することで、ボールねじのボール軌道円(軌道に沿ったナット2の内側断面円)の寸法に応じた蓋を用意する必要がない。つまり、ボール3の直径に応じた寸法の蓋5Aを用意すればよい。
なお、第二実施形態のボールねじでは、図10に示すように、蓋5Aの先端部51Aの端面(転動路形成面)51bが球状の凹面であり、ナット2の螺旋溝21の溝底ラインと一致しないため、転動路Tの貫通穴23の位置に段差が生じる。しかし、貫通穴23の直径は螺旋溝21の円周(ボール軌道円)の直径より極端に小さいため、特に問題は生じない。また、第一実施形態のボールねじと比較して、転動路Tの貫通穴23の位置に生じる段差が小さくなる。
また、球状凹面からなる転動路形成面(先端部51Aの端面)51bを有することで、ボールねじのボール軌道円(軌道に沿ったナット2の内側断面円)の寸法に応じた蓋を用意する必要がない。つまり、ボール3の直径に応じた寸法の蓋5Aを用意すればよい。
なお、第二実施形態のボールねじでは、図10に示すように、蓋5Aの先端部51Aの端面(転動路形成面)51bが球状の凹面であり、ナット2の螺旋溝21の溝底ラインと一致しないため、転動路Tの貫通穴23の位置に段差が生じる。しかし、貫通穴23の直径は螺旋溝21の円周(ボール軌道円)の直径より極端に小さいため、特に問題は生じない。また、第一実施形態のボールねじと比較して、転動路Tの貫通穴23の位置に生じる段差が小さくなる。
[第三実施形態]
第三実施形態のボールねじは、図11に示すように、蓋5Bを用いてナット2の貫通穴23を塞ぎ、蓋5Bをナットに対して固定部品8で固定している。貫通穴23の形状は、蓋5Bと固定部品8に対応させている。これら以外の点は第一実施形態と同じである。
貫通穴23は、ナット2の径方向内側部に存在する奥側部234と、径方向中間部に存在する座ぐり部235と、径方向外側部に存在する雌ねじ部236とからなる。
蓋5Bは、二段の円柱状であり、ナット2の貫通穴23の奥側部234に配置される軸部54と、座ぐり部235に配置される頭部55とからなる。軸部54の断面円の直径は、ボール3の直径より少し大きく、貫通穴23の奥側部234の断面円の直径より少し小さい。蓋5Bの軸部54の端面(転動路形成面)54aは、ナット2の螺旋溝21に合わせた形状を有する。
固定部品8は、雌ねじ部236に螺合する雄ねじ部81を有する。
第三実施形態のボールねじは、図11に示すように、蓋5Bを用いてナット2の貫通穴23を塞ぎ、蓋5Bをナットに対して固定部品8で固定している。貫通穴23の形状は、蓋5Bと固定部品8に対応させている。これら以外の点は第一実施形態と同じである。
貫通穴23は、ナット2の径方向内側部に存在する奥側部234と、径方向中間部に存在する座ぐり部235と、径方向外側部に存在する雌ねじ部236とからなる。
蓋5Bは、二段の円柱状であり、ナット2の貫通穴23の奥側部234に配置される軸部54と、座ぐり部235に配置される頭部55とからなる。軸部54の断面円の直径は、ボール3の直径より少し大きく、貫通穴23の奥側部234の断面円の直径より少し小さい。蓋5Bの軸部54の端面(転動路形成面)54aは、ナット2の螺旋溝21に合わせた形状を有する。
固定部品8は、雌ねじ部236に螺合する雄ねじ部81を有する。
この実施形態のボールねじの組立方法を以下に説明する。
先ず、第一実施形態のボールねじと同じ方法で、各貫通穴23から各循環経路内へのボール3の挿入を行う。
次に、ナット2の貫通穴23に軸部54側から蓋5Bを挿入して、奥側部234に軸部54を配置し、座ぐり部235に頭部55を配置した後、固定部品8を回転しながら雌ねじ部236に螺合させる。その結果、蓋5Bで貫通穴23が塞がれ、固定部品8で蓋5Bが貫通穴23に固定される。
先ず、第一実施形態のボールねじと同じ方法で、各貫通穴23から各循環経路内へのボール3の挿入を行う。
次に、ナット2の貫通穴23に軸部54側から蓋5Bを挿入して、奥側部234に軸部54を配置し、座ぐり部235に頭部55を配置した後、固定部品8を回転しながら雌ねじ部236に螺合させる。その結果、蓋5Bで貫通穴23が塞がれ、固定部品8で蓋5Bが貫通穴23に固定される。
この実施形態のボールねじによれば、リターンチューブ4を取り付けた後に、循環経路内にボール3を挿入することで組立を行うため、組立時にボールが誤って非転動路に入ることが防止される。また、第一実施形態のボールねじと同様に、リターンチューブ4は従来品と同じものが使用できるため、製造コストを低く抑えることができる。
また、この実施形態のボールねじでは、図12に示すように、軸部54の端面54aがナット2の螺旋溝21の溝底ラインと一致するため、転動路Tの貫通穴23の位置に段差が生じない。よって、第三実施形態のボールねじは、ボール3を転動路T内で滑らかに転動させるという点では好ましい。
また、この実施形態のボールねじでは、図12に示すように、軸部54の端面54aがナット2の螺旋溝21の溝底ラインと一致するため、転動路Tの貫通穴23の位置に段差が生じない。よって、第三実施形態のボールねじは、ボール3を転動路T内で滑らかに転動させるという点では好ましい。
しかし、転動路形成面となる蓋5Bの端面54aを正確に形成し、貫通穴23に固定する際に厳密な位置合わせが必要である。また、第一および第二実施形態のボールねじのように、蓋5,5Aに雄ねじ部52を設けて、蓋5,5Aをナット2の貫通穴23に、直接固定することは難しい。さらに、ボール3の直径だけでなく、ボールねじのリードにも対応させた蓋5Bを用意する必要がある。よって、蓋5,5Aよりもコスト面では不利である。
なお、上記各実施形態では、循環部品(ボール戻し路形成部品)としてリターンチューブを有するボールねじについて記載されているが、この発明は、コマやエンドキャップを有するボールねじに対しても適用できる。
また、蓋の転動路形成面を凹面とする場合には、転動路形成面の中心を中心とした回転対称凹面であれば、球状凹面以外の凹面であってもよい。
なお、上記各実施形態では、循環部品(ボール戻し路形成部品)としてリターンチューブを有するボールねじについて記載されているが、この発明は、コマやエンドキャップを有するボールねじに対しても適用できる。
また、蓋の転動路形成面を凹面とする場合には、転動路形成面の中心を中心とした回転対称凹面であれば、球状凹面以外の凹面であってもよい。
1 ねじ軸
11 螺旋溝
2 ナット
20 ナットの円筒部の平坦部
21 ナットの螺旋溝
21a 転動路を形成する部分(転動路部)
21b 非転動路を形成する部分(非転動路部)
22 リターンチューブ取り付け用の貫通穴
23 貫通穴
231 貫通穴の奥側部
232 貫通穴の雌ねじ部
233 貫通穴の座ぐり部
234 貫通穴の奥側部
235 貫通穴の座ぐり部
236 貫通穴の雌ねじ部
3 ボール
4 リターンチューブ(ボール戻し路を形成する部品)
41 ボール戻し路
5 蓋
5A 蓋
5B 蓋
51 蓋の先端部
51A 蓋の先端部
51a 先端部の端面(転動路形成面)
51b 先端部の端面(転動路形成面)
52 蓋の雄ねじ部
53 蓋の頭部
54 蓋の軸部
54a 軸部の端面(転動路形成面)
55 蓋の頭部
6 シール
7 チューブ押え
8 固定部品
81 雄ねじ部
T 転動路
H 非転動路
11 螺旋溝
2 ナット
20 ナットの円筒部の平坦部
21 ナットの螺旋溝
21a 転動路を形成する部分(転動路部)
21b 非転動路を形成する部分(非転動路部)
22 リターンチューブ取り付け用の貫通穴
23 貫通穴
231 貫通穴の奥側部
232 貫通穴の雌ねじ部
233 貫通穴の座ぐり部
234 貫通穴の奥側部
235 貫通穴の座ぐり部
236 貫通穴の雌ねじ部
3 ボール
4 リターンチューブ(ボール戻し路を形成する部品)
41 ボール戻し路
5 蓋
5A 蓋
5B 蓋
51 蓋の先端部
51A 蓋の先端部
51a 先端部の端面(転動路形成面)
51b 先端部の端面(転動路形成面)
52 蓋の雄ねじ部
53 蓋の頭部
54 蓋の軸部
54a 軸部の端面(転動路形成面)
55 蓋の頭部
6 シール
7 チューブ押え
8 固定部品
81 雄ねじ部
T 転動路
H 非転動路
Claims (5)
- 外周面に螺旋溝を有するねじ軸と、内周面に螺旋溝を有する円筒状のナットと、複数のボールを有し、
前記ねじ軸は前記ナットを貫通し、
前記ねじ軸の螺旋溝と前記ナットの螺旋溝とにより、前記ボールが転動する転動路を含む軌道が形成され、
前記ナットは、前記ボールを前記転動路の終点から始点に戻すボール戻し路を備え、
前記ボールは、前記転動路と前記ボール戻し路とからなる循環経路内に配置され、
前記ナットの前記転動路の位置に、前記ボールより大径で、軸方向に垂直に延びる貫通穴が形成され、
前記貫通穴を塞ぎ、前記ねじ軸の螺旋溝と対向して前記転動路の一部を形成する転動路形成面を有する蓋を有し、
前記循環経路を循環し前記転動路内を負荷状態で転動する前記ボールを介して、前記ねじ軸と前記ナットとが相対移動するボールねじ。 - 前記循環経路を複数有し、
前記軌道の隣り合う前記転動路間に、前記ボールが配置されない非転動路が存在する請求項1記載のボールねじ。 - 前記貫通穴に雌ねじが形成され、前記蓋は前記雌ねじに螺合する雄ねじ部を有する請求項1または2記載のボールねじ。
- 前記転動路形成面が平面である請求項1〜3のいずれか一項に記載のボールねじ。
- 前記転動路形成面は凹面であり、前記凹面は、前記転動路形成面の中心を回転中心とした回転対称形状を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のボールねじ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016251512A JP2018105397A (ja) | 2016-12-26 | 2016-12-26 | ボールねじ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016251512A JP2018105397A (ja) | 2016-12-26 | 2016-12-26 | ボールねじ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018105397A true JP2018105397A (ja) | 2018-07-05 |
Family
ID=62786941
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016251512A Pending JP2018105397A (ja) | 2016-12-26 | 2016-12-26 | ボールねじ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018105397A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019230095A1 (ja) | 2018-05-31 | 2019-12-05 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | カメラ装置、画像処理方法およびカメラシステム |
WO2023139787A1 (ja) * | 2022-01-24 | 2023-07-27 | 株式会社ジェイテクト | ボール螺子装置及びステアリング装置 |
Citations (3)
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JP2009074982A (ja) * | 2007-09-21 | 2009-04-09 | Nsk Ltd | 転がり装置、転がり装置の異常検出装置および異常検出方法 |
JP2010060100A (ja) * | 2008-09-05 | 2010-03-18 | Nsk Ltd | ボールねじ機構 |
JP2011169434A (ja) * | 2010-02-22 | 2011-09-01 | Jtekt Corp | ボールねじ |
-
2016
- 2016-12-26 JP JP2016251512A patent/JP2018105397A/ja active Pending
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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A02 | Decision of refusal |
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