JP2018104801A - Fe−Al合金材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性の高いFe−Al合金材及びその製造方法を提供。【解決手段】Al含有量6〜12重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金母材11を、800℃以上に加熱した加熱炉内に投入して所定時間加熱し、該所定時間経過後に冷却することで、合金母材11の表面に、Al2O3を主たる成分とするAl被膜12が形成された単層被膜Fe−Al合金材10。【選択図】図2

Description

この発明は、例えば、耐食性に優れたFe−Al合金材及びFe−Al合金材の製造方法に関する。
従来より、特許文献1に開示されているように、例えば、優れた制振性を有する制振合金として、所定量のAlを含有するFe−Al合金が知られている。このようなFe−Al合金材は、塑性加工及び焼鈍処理を行った後に、所定の冷却速度で冷却することによって製造することができる。
しかしながら、所定量のAlを含有するFe−Al合金材は、Feを主たる成分とする酸化被膜が合金母材の表面に形成されているため、耐食性や耐薬品性などの耐久性が低く、長期間にわたって使用できないおそれがあった。
特開2001−59139号公報
そこで本発明では、耐久性の高いFe−Al合金材及びその製造方法を提供することを目的とする。
この発明は、Al含有量6〜12重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金母材の表面に、Alを主たる成分とする被膜が最外層となる被膜層が形成されたFe−Al合金材であることを特徴とする。
この発明により、耐久性の高いFe−Al合金材を製造することができる。
詳述すると、Al含有量6〜12重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金母材の表面に、Alを主たる成分とする被膜が最外層となる被膜層が形成されているため、つまり、Alを主たる成分とする緻密な酸化被膜が最外層に形成されていることにより、それ以上の酸化などを防止し、耐久性の高いFe−Al合金材を製造することができる。
この発明の態様として、前記被膜層がAlを主たる成分とする単層被膜であってもよい。
この発明により、よりAlを主たる成分とする緻密な酸化被膜のみで構成される単層被膜が形成されるため、耐久性をより向上することができる。
またこの発明の態様として、前記単層被膜が、前記Alのみからなってもよい。
この発明により、単層被膜が緻密なAl及び不可避的不純物からなる酸化被膜のみで構成されるため、緻密性に加えて、密着性及び均一性の高い保護膜が形成されるため、耐久性をさらに向上することができる。
またこの発明は、Al含有量6〜12重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金母材を、800℃以上に加熱した加熱炉内に投入して所定時間加熱し、該所定時間経過後に冷却するFe−Al合金材の製造方法であることを特徴とする。
この発明により、緻密な酸化被膜が形成され、耐久性の高いFe−Al合金材を製造することができる。
詳述すると、AlとOとが結合して形成されたAlからなる酸化被膜(以下において、Al酸化被膜という)の生成温度範囲(Al被膜生成温度範囲)が800以上であるのに対し、FeとOとが結合して形成されたFeからなる酸化被膜(以下において、Fe酸化被膜という)の生成温度範囲(Fe被膜生成温度範囲)は約600〜750℃であり、Al含有量6〜12重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金母材を、加熱炉内温度が800℃以下の加熱炉内に投入すると、合金母材の表面には、Fe酸化被膜が形成され、加熱炉内温度を、Al被膜生成温度範囲まで上げたとしても、合金母材の表面に形成されたFe酸化被膜によって、緻密なAl酸化被膜が形成されず、耐久性を向上することができない。
これに対し、加熱炉内温度がFe被膜生成温度範囲を超える800℃以上に加熱した加熱炉内に合金母材を投入して所定時間加熱することで、Fe酸化被膜が形成されることなく、緻密なAl酸化被膜を合金母材の表面に形成して、耐久性の高い耐久性の高いFe−Al合金材を製造することができる。
またこの発明の態様として、前記加熱炉内の温度を950℃以上に加熱して前記合金母材を投入してもよい。
この発明により、加熱炉内に合金母材を投入することで加熱炉内温度が低下したとして、Fe被膜生成温度範囲まで加熱炉内温度が低下するおそれが低く、Fe酸化被膜が形成されることなく、緻密なAl酸化被膜を合金母材の表面に形成して、耐久性の高い耐久性の高いFe−Al合金材を製造することができる。
またこの発明の態様として、加熱炉内温度を800℃以上に保持してもよい。
合金母材を800℃以上に加熱した加熱炉内に投入すると、加熱炉内温度は低下するが、加熱炉内温度がAl被膜生成温度範囲における下限温度である800℃より低くなると、緻密なAl酸化被膜が形成されず、耐久性が低下するおそれがあるが、Al酸化被膜の生成温度である800℃以上に加熱炉内温度を保持することによって、緻密な酸化被膜が形成され、耐久性の高いFe−Al合金材を製造することができる。
本発明により、耐久性の高いFe−Al合金材及びその製造方法を提供することができる。
被膜Fe−Al合金材の概略断面図。 被膜Fe−Al合金材の製造における加熱炉内温度のグラフ。 被膜の形成についての拡大説明図。 被膜Fe−Al合金材の概略断面図。 被膜Fe−Al合金材の耐久性について効果確認試験についての説明写真。 効果確認試験後の被膜Fe−Al合金材及びSUS403ついての説明写真。
この発明の一実施形態を以下図1乃至図3と共に説明する。
図1は単層被膜Fe−Al合金材10の概略断面図を示し、図2は単層被膜Fe−Al合金材10の製造における加熱炉内温度のグラフを示し、図3は被膜の形成についての拡大説明図を示し、図4は別の実施形態の被膜Fe−Al合金材20の概略断面図を示している。なお、図3(a)は、Al被膜12が形成される際のイメージ図を示し、図3(b)はAl被膜12が形成された後のイメージ図を示し、図3(c)はFe被膜100が形成される際のイメージ図を示し、図3(d)はFe被膜100が形成された後のイメージ図を示している。
図1に示すように、単層被膜Fe−Al合金材10は、Al含有量6〜12重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金母材11の表面に、Al及び不可避的不純物(SiO0.1重量%以下;Mn0.1重量%以下:その他C、N、S、0など併せて0.1重量%以下)からなる単層のAl被膜12が形成されている。
Al含有量は、6〜12重量%の範囲内であればよいが、好ましくは7〜10重量%であり、さらに好ましくは7.5〜8.5重量%である。
より具体的には、本実施形態の単層被膜Fe−Al合金材10は、Al含有量8重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金母材11の表面に、Al及び不可避的不純物からなる単層のAl被膜12が10μmで形成されている。
続いて、本実施形態のFe−Al合金の製造方法について説明する。本実施形態のFe−Al合金の製造方法は、まず、Al含有量6〜12重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金を塑性加工する。具体的には、まず、Fe−Al合金中のAl含有量が所定値となる割合に予め調整したAlとFe素材とを、窒素及び酸素の侵入を防止するために、0.1〜0.01Pa程度の減圧下で溶融した後、鋳型に流し込んで、Fe−Al合金鋳塊を得る。
その後、得られた合金鋳塊を圧延、鍛造などの塑性加工(熱間加工)と機械加工により、所定の形状の合金母材11に仕上げる。
このようにして生成した合金母材11の表面にAl被膜12を形成する被膜形成処理を行う被膜形成工程を実行する。
この被膜形成工程は、合金母材11を加熱する加熱炉内の温度を800℃以上に加熱し、800℃以上に加熱された加熱炉内(図示省略)に合金母材11を投入して所定時間加熱し、該所定時間経過後に冷却する工程である。
詳述すると、図2のグラフにおけるAに示すように、加熱炉内の温度を800℃以上である950℃に加熱した後、合金母材11を投入する。合金母材11の投入により、加熱炉内温度は低下するものの、加熱炉内温度が800℃を下回ることのないようにし、そのうえで加熱炉内温度を約850℃まで再加熱する。
そして、Al被膜12が確実に形成されるように、約850℃になってから所定時間(本実施形態では5分問)の加熱後、合金母材11の表面にAl被膜12が形成された単層被膜Fe−Al合金材10を加熱炉から取り出し、常温になるまで冷却する。
なお、加熱炉から取り出し後の常温になるまでの冷却については、単層被膜Fe−Al合金材10に求められる性状によって、例えば、空冷、強制空冷、油冷、水冷など適宜の冷却方法によって冷却すればよい。
あるいは、所定時間経過後ただちに単層被膜Fe−Al合金材10を加熱炉から取り出さずとも、例えば、約500〜600℃程度まで炉内で炉冷し、その後加熱炉より取出して適宜の冷却方法によって常温まで冷却してもよい。
上述のような製造方法で製造された単層被膜Fe−Al合金材10は、Al含有量6〜12重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金母材11の表面に、Alを主たる成分とする被膜が最外層となる被膜層であるAl被膜12が形成されているため、耐久性の高い単層被膜Fe−Al合金材10を製造することができる。
詳述すると、Al含有量6〜12重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金母材11の表面に、Alを主たる成分とするAl被膜12が最外層となる被膜層が形成されているため、Alを主たる成分とする緻密な酸化被膜が最外層に形成されるため、それ以上の酸化などを防止し、耐久性の高いFe−Al合金材を製造することができる。
また、Al被膜12はAlのみからなる単層被膜であるため、緻密性に加えて、密着性及び均一性の高い保護膜が形成されるため、耐久性をさらに向上することができる。
さらに、Al含有量6〜12重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金母材11を、800℃以上に加熱した加熱炉内に投入して所定時間加熱し、該所定時間経過後に冷却する上述のFe−Al合金材の製造方法により、緻密なAl被膜12が形成され、耐久性の高い単層被膜Fe−Al合金材10を製造することができる。
詳述すると、AlとOとが結合して形成されたAlからなるAl被膜12の生成温度範囲が800℃以上であるのに対し、FeとOとが結合して形成されたFeからなるFe被膜100の生成温度範囲は約600〜約750℃であるため、Al含有量6〜12重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金母材11を、加熱炉内温度が800℃以下の加熱炉内に投入すると、図2のグラフにおいてLine一C、及び、図3(c),(d)に示すように、合金母材11の表面には、FeからなるFe被膜100が形成され、加熱炉内温度を、AlからなるAl被膜12の生成温度範囲まで上げたとしても、合金母材11の表面に形成されたFe304からなるFe被膜100によって、Alからなる緻密なAl被膜12が形成されず、耐久性を向上することができない。
これに対し、加熱炉内温度がFeからなるFe被膜100の生成温度範囲を超える800℃以上に加熱した加熱炉内に合金母材11を投入して所定時間加熱することで、図3(a),(b)に示すように、FeからなるFe被膜100が形成されることなく、Alからなる緻密な酸化被膜であるAl被膜12を合金母材11の表面に形成して、耐久性の高い耐久性の高い単層被膜Fe−Al合金材10を製造することができる。
また、加熱炉内の温度を950℃以上に加熱して合金母材11を投入するため、加熱炉内に合金母材11を投入することで加熱炉内温度が低下したとして、FeからなるFe被膜100の生成温度範囲まで加熱炉内温度が低下するおそれが低く、FeからなるFe被膜100が形成されることなく、Alからなる緻密なAl被膜12を合金母材11の表面に形成して、耐久性の高い耐久性の高い単層被膜Fe−Al合金材10を製造することができる。
また、加熱炉内温度を800℃以上に保持するため、合金母材11を800℃以上に加熱した加熱炉内に投入すると、加熱炉内温度は低下するが、加熱炉内温度がAlからなるAl被膜12の生成温度範囲における下限温度である800℃より低くなると、Alからなる緻密なAl被膜12が形成されず、耐久性が低下するおそれがあるが、AlからなるAl被膜12の生成温度である800℃以上に加熱炉内温度を保持することによって、緻密なAl被膜12が形成され、耐久性の高い単層被膜Fe−Al合金材10を製造することができる。
上記製造方法について検証した検証実験について以下で説明する。
まず、試料として、Al含有量8重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなるFe−Al合金鋳塊に800℃圧延を施して仕上げた12.5mmの棒材(日本高周波鋼業株式会社製)を機械加工によりφ10mm×50mm(長さ)に形成して試験片とした。なお、試験片はそれぞれ洗剤及びエチルアルコールで洗浄した。
これらの試験片に対して、下記3パターンの酸化膜形成方法で酸化膜を形成し、形成された酸化膜を比較した。なお、各パターンにおいて3本ずつ試験片に酸化膜を形成した。
パターン1は、炉内温度が室温である加熱炉内に3本の試験片を投入し、炉内温度を850℃まで上昇させ、10分間保持した後、空冷した。
パターン2は、炉内温度を850℃まで上昇させた加熱炉内に3本の試験片を投入し、炉内温度を10分間保持した後、空冷した。
パターン3は、炉内温度を950℃まで上昇させた加熱炉内に3本の試験片を投入し、炉内温度を10分間保持した後、空冷した。
なお、試験中、パターン2では、試験片の投入によって、炉内温度は一旦、750℃まで低下したので、再加熱によって炉内温度を850℃まで上昇させてから10分間保持した。つまり、パターン2では、800〜900℃で試験片を急速酸化させて酸化皮膜を形成している。
同様に、パターン3では、試験片の投入によって、炉内温度は一旦、850℃まで低下したので、再加熱によって炉内温度を950℃まで上昇させてから10分間保持した。つまり、パターン3では、900℃以上で試験片を急速酸化させて酸化皮膜を形成している。
≪外観確認≫
上記実証試験の結果、パターン1によって表面全体が灰色の酸化皮膜が形成され、パターン2によって表面全体が薄い金色の酸化皮膜が形成され、パターン3によって表面全体が青及び金色の酸化皮膜が形成されていることが確認された。
≪表面分析≫
上記酸化皮膜について電子線マイクロアナライザ(EPMA)を用いて各パターンで形成された酸化皮膜の表面を分析した。その結果、パターン1で形成された灰色の酸化皮膜はFeからなる酸化物であることが確認され、パターン2及びパターン3で形成された酸化皮膜はAlからなる酸化物であることが確認された。
さらに詳しく深さ方向についても分析するため、パターン2及びパターン3で形成されたAlからなる酸化物である酸化皮膜をオージェ電子分光(AES)で分析した。
その結果、パターン2で形成された酸化皮膜も、パターン3で形成された酸化皮膜もともに、EPMAによる分析と同様、形成された酸化皮膜はAlからなる酸化物であることが確認されたが、パターン3で形成された酸化皮膜は、パターン2で形成された酸化皮膜よりも、Alの含有量が多く、炭素の含有量が少ないことが確認された。
これらの結果より、炉内温度が室温である加熱炉内に3本の試験片を投入し、炉内温度を850℃まで上昇させ、10分間保持した後、空冷したパターン1によって形成された酸化皮膜は、FeからなるFe酸化皮膜であることが確認できた。
これに対し、炉内温度を850℃まで上昇させた加熱炉内に3本の試験片を投入し、炉内温度を10分間保持した後、空冷したパターン2、つまり、800〜900℃で試験片を急速酸化させて酸化皮膜を形成したパターン2によって形成された酸化皮膜は、FeAlからなる単層の混合Al酸化皮膜であることが確認できた。
また、炉内温度を950℃まで上昇させた加熱炉内に3本の試験片を投入し、炉内温度を10分間保持した後、空冷したパターン3、つまり、900℃以上で試験片を急速酸化させて酸化皮膜を形成したパターン3によって形成された酸化皮膜は、Alからなる単層のAl酸化皮膜であることが確認できた。
さらに、これらの試験片に形成された酸化皮膜について、定量分析を行った分析値を下表1に示す。
表1に示すように、パターン1で形成された酸化皮膜は、Feが大量に含有することが確認され、FeからなるFe酸化皮膜であることが確認できた。
これに対し、パターン2で形成された酸化皮膜は、表1に示すように、FeとAlとが略同程度の原子量で含まれており、つまり組成比換算するとFeはAlより多く含まれており、FeAlからなる単層の混合Al酸化皮膜であることが確認できた。
さらに、パターン3で形成された酸化皮膜は、表1に示すように、Feに比べてAlが多く含まれており、つまり組成比換算するとFeに比べてAlがはるかに多く含まれており、Alからなる単層のAl酸化皮膜であることが確認できた。
次に、上記実証試験で、AlからなるAl酸化皮膜が形成されることが確認されたパターン3で酸化させた単層被膜Fe−Al合金材の耐久性について実施した効果確認試験について説明する。
効果確認試験では、図5に示すように、強アルカリ性のアンモニア溶液及び強酸性の塩酸溶液にパターン3で酸化させた単層被膜Fe−Al合金材を漬けるとともに、より過酷な状況を再現するため加熱して、その変化を、耐久性が高いといわれているSUS304及びSUS403と比較して、パターン3で酸化させた単層被膜Fe−Al合金材におけるAlからなる単層のAl酸化皮膜の耐久性効果を確認した。
まずは、図5(a)に示すように、強アルカリ性のアンモニア溶液が入ったビーカに、パターン3で酸化させた単層被膜Fe−Al合金材、SUS304及びSUS403の試験片を投入し、ビーカごとホットプレートで加熱し、時間経過に伴う状態変化を確認した。
試験開始5分間加熱したが、何ら変化は確認できなかった。
図6に示す試験完了後の試験片の写真から分かるように、単層被膜Fe−Al合金材(図6(a))とSUS304(図6(b))との両方とも表面に変化がなく同程度の耐久性があることが確認できた。SUS403ももちろん表面に変化がなく同程度の耐久性があることが確認できた。
次に、図5(b)に示すように、強酸性の塩酸溶液が入ったビーカに、パターン3で酸化させた単層被膜Fe−Al合金材、SUS304及びSUS403の試験片を投入し、ビーカごとホットプレートで加熱し、時間経過に伴う状態変化を確認した。
試験開始3分間後ごろから各試験片から泡が発生し、酸化皮膜が損傷していることが確認できた。
図6に示す試験完了後の試験片の写真からわかるように、単層被膜Fe−Al合金材(図6(c))の表面は荒れており、SUS304(図6(d))の表面が変色していることが確認できた。なお、SUS403もSUS304と同様の変色が確認された。SUS304及びSUS403は表面が変色しているだけであるがこれはクロムが漏出したことによる変色であるため、SUSとしての耐久性は低下していることが分かる。したがって、単層被膜Fe−Al合金材、SUS304及びSUS403は同程度の耐久性があることが確認できた。
以上、本発明の構成と、前述の実施態様との対応において、合金母材は合金母材11に対応し、以下同様に、
被膜層はAl被膜12に対応し、
Fe−Al合金材は単層被膜Fe−Al合金材10に対応するも、上記実施形態に限定するものではない。
なお、上述の説明では、Alのみからなる緻密なAl被膜12を合金母材11の表面に形成して、耐久性の高い耐久性の高い単層被膜Fe−Al合金材10を製造したが、Alのみからなる緻密なAl被膜12ほどではないものの、単層被膜であれば、Alを主たる成分とする混合Al被膜13を合金母材11の表面に形成した単層被膜Fe−Al合金材10aであってもよい
(図4参照)。
混合Al被膜13は、図4に示すように、主たる成分であるAlに加え、Feが一部含有された単層被膜である。
これは、図2のグラフにおいてLine一Bで示すように、合金母材11の投入によって加熱炉内温度が、FeとOとが結合して形成されたFe被膜生成温度範囲である約600〜約750℃まで下がることはないものの、800℃を下回り、Fe酸化被膜の生成温度の上限750℃付近まで近づくため、Al被膜12の形成とともに、一部のFeが0と結合することで、主たる成分であるAlに加え、Feが一部含有された単層被膜である混合Al被膜13が形成されることとなる。
このように合金母材11の表面に混合Al被膜13が形成された単層被膜Fe―Al合金材10aは、混合Al被膜13にFeが一部含有されているため、AlのみからなるAl被膜12ほど緻密ではないが、Alを主たる成分とした単層被膜である混合Al被膜13が合金母材11の表面に係止されているため、耐久性の高い単層被膜Fe−Al合金材10aを形成することができる。
10,10a…単層被膜Fe−Al合金材
11…合金母材
12…Al被膜
13…混合Al被膜

Claims (6)

  1. Al含有量6〜12重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金母材の表面に、
    Alを主たる成分とする被膜が最外層となる被膜層が形成された
    Fe−Al合金材。
  2. 前記被膜層がAlを主たる成分とする単層被膜である
    請求項1に記載のFe−Al合金材。
  3. 前記単層被膜が、前記Al及び不可避的不純物からなる
    請求項2に記載のFe−Al合金材。
  4. Al含有量6〜12重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金母材を、800℃以上に加熱した加熱炉内に投入して所定時間加熱し、該所定時間経過後に冷却する
    Fe−Al合金材の製造方法。
  5. 前記加熱炉内の温度を950℃以上に加熱して前記合金母材を投入する
    請求項4に記載のFe−Al合金材の製造方法。
  6. 加熱炉内温度を800℃以上に保持する
    請求項4または5に記載のFe−Al合金材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20200061147A (ko) * 2018-11-23 2020-06-02 한국과학기술연구원 급냉 분말 코어 및 그 제조 방법
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