JP2018104767A - 耐蟻の巣状腐食性銅管 - Google Patents

耐蟻の巣状腐食性銅管 Download PDF

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Abstract

【課題】蟻の巣状腐食に対して、より一層高い耐食性を発揮することの出来る、空調機器や冷凍機器における伝熱管や冷媒配管等として好適に用いられ得る、防食性に優れた銅管を提供すること。【解決手段】P(りん)を0.15〜0.50質量%の割合で含有すると共に、Zn(亜鉛),Sn(スズ)及びNi(ニッケル)のうちの少なくとも何れか一つの元素を、合計量で、0.1〜5.0質量%含有するCu材質を用いて、耐蟻の巣状腐食性銅管を形成した。【選択図】なし

Description

本発明は、耐蟻の巣状腐食性銅管の改良に係り、特に、空調機器や冷凍機器における伝熱管、冷媒配管等に好適に用いられる銅管の、蟻の巣状腐食に対する耐食性向上技術に関するものである。
従来から、空調機器の伝熱管や冷凍機器の冷媒配管(機内配管)等の管材には、耐食性、ろう付け性、熱伝導性及び曲げ加工性等において優れた特徴を発揮する、りん(P)脱酸銅(JIS−H3300−C1220T)が、主として用いられてきている。
ところで、そのような空調機器や冷凍機器に使用される管材であるりん脱酸銅管には、管表面から管肉厚方向に蟻の巣状に進行する異常な腐食、所謂、蟻の巣状腐食が発生することがあることが認められている。この蟻の巣状腐食は、蟻酸や酢酸等といった低級カルボン酸を腐食媒として、湿潤環境中で発生するとされ、また1,1,1−トリクロロエタン等の塩素系有機溶剤や、ある種の潤滑油、ホルムアルデヒド等が存在する環境下においても、同様な腐食の発生が確認されている。特に、空調機器や冷凍機器における結露が惹起される管路として用いられた場合には、その発生が顕著となることが知られている。そして、そのような蟻の巣状腐食は、それが発生すると、腐食の進行速度が早く、短期間で銅管を貫通するまでに進行し、機器が使用出来なくなってしまうという問題を惹起することとなる。
このため、特許文献1(WO2014/148127)においては、P(りん)を0.05〜1.0重量%の割合で含有し、残部がCu(銅)と不可避的不純物となるCu材質からなることを特徴とする高耐食性銅管が提案され、それによって、蟻の巣状腐食に対する耐食性が向上せしめられ得ることが、明らかにされている。即ち、そこでは、従来のりん脱酸銅からなる管材よりも、P含有量の大なる領域において、蟻の巣状腐食に対する耐食性がより一層向上せしめられ得る銅管を、実用的に有利に得ることが出来る事実が、指摘されているのである。
しかしながら、このようなPの含有量を増大せしめてなる銅管においても、より厳しい腐食環境下においては、蟻の巣状腐食が発生することがあり、このため、蟻の巣状腐食に対する耐腐食性がより一層高い銅管の開発が、望まれてきている。
WO2014/148127
本発明は、かくの如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、蟻の巣状腐食に対して、より一層高い耐食性を発揮することの出来る、空調機器や冷凍機器における伝熱管や冷媒配管等として好適に用いられ得る、防食性に優れた銅管を提供することにあり、また、そのような銅管を用いて構成される機器の寿命を有利に向上せしめることにもある。
そこで、本発明者らは、空調機器や冷凍機器等において用いられる管材としての銅管における蟻の巣状腐食について鋭意検討を重ねた結果、Pを0.15〜0.50質量%の割合で含有するCu材質の銅管に対して、Zn,Sn及びNiのうちの少なくとも何れか一つの元素を、合計量で、0.1〜5.0質量%の割合で更に含有せしめることにより、蟻の巣状腐食に対する耐食性がより一層向上せしめられ得る事実を見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、かくの如き知見に基づいて完成された本発明にあっては、P(りん)を0.15〜0.50質量%の割合で含有すると共に、Zn(亜鉛),Sn(スズ)及びNi(ニッケル)のうちの少なくとも一つの元素を、合計量で、0.1〜5.0質量%含有するCu材質からなることを特徴とする耐蟻の巣状腐食性に優れた銅管を、その要旨とするものである。
なお、このような本発明に従う耐蟻の巣状腐食性に優れた銅管においては、より好ましくは、Pを0.15〜0.50質量%の割合で含有すると共に、Zn,Sn又はNiの含有量が0.1〜4.0質量%となるように調整されたCu材質にて、銅管を構成するようにすることによって、蟻の巣状腐食に対する耐食性に優れた銅管が、有利に形成され得ることとなる。
また、本発明に従う耐蟻の巣状腐食性銅管の望ましい態様の他の一つによれば、湿潤環境下に配置されて、低級カルボン酸からなる腐食媒により、管表面から管肉厚方向に蟻の巣状に進行する腐食作用にさらされる銅管であることを特徴とする耐蟻の巣状腐食性銅管が、提供される。
そして、本発明にあっては、上述したような耐蟻の巣状腐食性銅管からなる、空調機器や冷凍機器における伝熱管や冷媒配管(機内配管)をも、その要旨とするものである。
このような本発明によれば、蟻の巣状腐食に対する耐食性において、従来から公知の銅管よりも更に優れた防食性を発揮し得る実用的な銅管が、有利に提供され得ることとなったのであり、また、そのような高耐食性の銅管を、空調機器や冷凍機器における伝熱管、冷媒配管(機内配管)等として用いることにより、それら機器の寿命が、更に効果的に高められ得ることとなるのである。
実施例において製造する内面溝付管の横断面の部分拡大説明図である。 図1における内面溝付管の管軸を含む縦断面を示す部分説明図である。 実施例で用いた耐食性試験装置の概要を示す断面説明図である。
ところで、本発明に従う耐蟻の巣状腐食性銅管においては、それを構成するCu材料におけるP含有量が、0.15〜0.50質量%の範囲内にあると共に、Zn,Sn,Niのうちの少なくとも何れか一つの元素が、合計含有量において、0.1〜5.0質量%の割合となるように、含有せしめられているところに、大きな特徴を有しているのである。そして、そのような高濃度のPの含有と特定の元素の含有とによって、より厳しい腐食環境下においても、蟻の巣状に管肉厚方向に腐食が進行する選択的腐食形態の発生が、効果的に抑制乃至は阻止され、且つ公知の耐食性銅管よりも更に優れた耐食性が、長期間に亘って有利に発揮され得ることとなるのである。
なお、このような本発明に従う銅管において、そのP含有量が、0.15質量%よりも少なくなると、選択的腐食形態が惹起されるようになるところから、本発明にあっては、P含有量は0.15質量%以上とされる必要がある。一方、P含有量が増大して、0.50質量%を超えるようになっても、蟻の巣状腐食に対する耐食性には殆ど変化がなく、むしろ、銅管の製造に際して、加工性が低下して、割れ等の問題が惹起され易くなるところから、P含有量の上限は、0.50質量%に止める必要がある。
また、このような本発明に従う銅管において、上述の如き高いP含有量と組み合わされるZnの含有量が、0.1質量%よりも少なくなると、より厳しい腐食環境下において選択的腐食形態が惹起されるようになるところから、本発明にあっては、Zn含有量は0.1質量%以上とされる必要がある。一方、Zn含有量が増大して、5.0質量%を超えるようになると、蟻の巣状腐食に対する耐食性には殆ど変化がなく、Znの添加による銅素材の融点低下から、硬ろう付けが難しくなることから、Zn含有量の上限は、5.0質量%、好ましくは4.0質量%とされることとなる。
同様に、そのような高含有量のPと組み合わされるSnの含有量が、0.1質量%よりも少なくなると、より厳しい腐食環境下において選択的腐食形態が惹起されるようになるところから、本発明にあっては、Sn含有量は0.1質量%以上とされる必要がある。一方、Sn含有量が増大して、5.0質量%を超えるようになると、蟻の巣状腐食に対する耐食性には殆ど変化がなく、むしろ、銅管の製造に際して、熱間加工性が低下するようになるために、素材の割れ等の問題が惹起され易くなるところから、Sn含有量の上限は、5.0質量%、好ましくは4.0質量%とされる。
さらに、本発明に従う銅管において、高含有量のPと組み合わされるNiの含有量が、0.1質量%よりも少なくなると、より厳しい腐食環境下において選択的腐食形態が惹起されるようになるところから、本発明にあっては、Ni含有量は0.1質量%以上とされる必要がある。一方、Ni含有量が増大して、4.0質量%を超えるようになると、蟻の巣状腐食に対する耐食性には殆ど変化がなく、むしろ、銅管の製造に際して、冷間加工等における塑性加工性が低下して、転造加工において割れや溝付け加工ができないといった問題が惹起され易くなるところから、Ni含有量の上限としては、5.0質量%、好ましくは4.0質量%が採用される。
そして、本発明にあっては、上述の如きZn,Sn及びNiを単独にて添加、含有せしめる他、それらの2種又は3種を組み合わせて、添加・含有せしめることも可能であり、その場合において、それら組み合わされた元素の合計含有量が、0.1〜5.0質量%の範囲内となるように、望ましくは0.1〜4.0質量%の範囲内となるように調整されることとなる。
なお、本発明に従う耐蟻の巣状腐食性銅管は、上述の如きP含有量とZn及び/又はSn及び/又はNiの含有量の他、残部がCu(銅)と不可避的不純物からなる材質にて、構成されるものであって、そこで、Fe,Pb,Si,S,Bi等の不可避的不純物は、一般に、合計量で、0.05重量%以下となるように調整される。
このように,本発明に従う銅管においては、特定量のP含有量に加えて、添加されるZn及び/又はSn及び/又はNiの合計含有量が、特定の範囲内に保持されるようにすることで、耐蟻の巣状腐食性の向上に有利に寄与せしめられるのであるが、その理由としては、現在までのところ、以下のように考えられている。即ち、蟻の巣状腐食の発生においては、亜酸化銅の形成が重要な役割を果たしていると推定されており、そしてそこにおいて、本発明にあっては、合金成分として、Zn,Sn及びNiのうちの少なくとも何れか一つの元素を所定量添加することにより、そのような亜酸化銅の形成を抑制して、蟻の巣状腐食の発生と進行が効果的に抑制され得るようになるものと考えられている。
このため、本発明に従う銅管は、そのような特性を利用して、湿潤環境下に配置されて、低級カルボン酸からなる腐食媒により、管表面から管肉厚方向に蟻の巣状に進行する腐食作用にさらされる管材として、有利に用いられることとなるのである。
また、上述の如き本発明に従う銅管は、空調機器における伝熱管や冷媒配管等として好適に用いられ得るものであり、同様に、冷凍機器における伝熱管又は冷媒配管(機内配管)等としても、好適に用いられ得るものである。
ところで、かくの如き構成からなる本発明に従う銅管を製造するに際しては、上述したP含有量(濃度)及び、Zn,Sn及び/又はNi含有量(濃度)のCu材質からなるインゴットやビレットを用い、その鋳造、均質化処理、管の熱間押出、管の抽伸等の、従来と同様な工程を経て、目的とする銅管を得る手法が採用されることとなるが、その際、塑性加工である熱間押出工程における予備加熱を、均質化処理と兼ねさせることも可能である。
なお、上記のようにして得られる本発明に従う銅管において、その外径や肉厚(管壁厚)等のサイズは、かかる銅管の用途に応じて適宜に選定されるものである。例えば、本発明に従う銅管が、伝熱管として用いられる場合にあっては、管押出加工にて形成される表面形態である平坦な内面や外面が採用される他、よく知られているように、公知の各種の内面加工や外面加工が施されて、各種形態の内面溝や外面溝が設けられてなる伝熱管とすることも有効である。
以下に、本発明に従う幾つかの実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には、上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
先ず、Cu含有量が99.999質量%以上である高純度の電気銅を用いて、これに、下記表1に示される割合のPを添加せしめると共に、更に、添加元素たるZn,Sn及びNiのうちの少なくとも何れか一つの元素の含有による作用を調べるために、それら添加元素の少なくとも何れか一つを、下記表1に示される割合において含有せしめて、供試銅管No.1〜29に対応する各種のビレットを鋳造した。
Figure 2018104767
次いで、かかる各種のビレットを用い、それらの均質化処理の後、常法に従って、それぞれ、熱間押出を行い、外径:102mm、内径:75mmの各種の押出素管を得た。更に、この得られた押出素管を、ピルガーミル圧延機によって冷間圧延して、外径:46mm、内径:39.8mmの圧延素管を得た。なお、この冷間圧延における加工度(断面減少率)は、88.9%であった。ここで、断面減少率は、下式によって求められたものである。
断面減少率(%)=[(加工前の断面積−加工後の断面積)/加工前の断面積]×100
その後、上記で得られた各種圧延素管に対して、それぞれ、冷間にて抽伸操作を複数回実施して、外径:7.8〜10.0mm、底肉厚:0.25〜0.30mmの抽伸素管を得た。なお、この冷間抽伸全体での加工度は、断面減少率で95.1〜97.0%であった。また、冷間圧延及び冷間抽伸での総加工度、即ち冷間加工の総加工度は、断面減少率で98.9〜99.3%であった。更に、上記の抽伸過程において、1回或いは複数回の中間焼鈍を行なった。そして、最終の抽伸加工後には、中間焼鈍を行なって、転造加工に供するための原管を製造した。
かくして得られた各種の原管に対して、従来と同様にして、それぞれボール転造加工を実施して、図1及び図2に示される如き、螺旋状内面溝形態並びに形状を有する各種の内面溝付管を得た。なお、それら内面溝付管は、それぞれ、外径:7.0mm、肉厚(t):0.23mm、フィン高さ(h):0.22mm、フィン頂角(γ):13°、溝条数:44条、リード角(α):28°の寸法諸元を有するように形成された。
次いで、この得られた各種の内面溝付管を、焼鈍温度:550℃にて最終焼鈍を行った後(但し、Niを0.1%以上添加した銅合金では再結晶温度が上がるため、焼鈍温度を650℃とした)、クロスフィンチューブ型熱交換器の伝熱管用の継目無管として、それぞれ、供試銅管No.1〜29を得た。
なお、供試銅管No.19、23及び27の場合にあっては、P含有量が多いCu材料を用いているために、造管工程において、クラック等の不具合が発生して、最後まで加工することが出来ず、腐食試験に供し得る銅管を得ることが出来なかった。また、供試銅管No.24の場合にあっては,Sn含有量が多いCu材料を用いているために,熱間工程においてクラック等の不具合が発生して、最後まで加工することが出来ず、腐食試験に供し得る銅管を得ることが出来なかった。更に、供試銅管No.28の場合にあっては,Ni含有量が多いCu材料を用いているために,冷間工程においてクラック等の不具合が発生して、最後まで加工することが出来ず、腐食試験に供し得る銅管を得ることが出来なかった。
そして、かかる準備された各種の内面溝付管(供試銅管No.1〜29)について、図3に示す試験装置を用いて、蟻の巣状腐食試験を実施した。なお、図3において、2は、キャップ4にて密閉することの出来る2Lのポリ容器であり、そのキャップ4を貫通して取り付けられたシリコン栓6を貫通するように、供試銅管10が、ポリ容器2内に所定深さ差し込まれている一方、供試銅管10の下端開口部は、シリコン栓8にて閉塞せしめられている。ここで、供試銅管10は18cmの長さを有し、ポリ容器2内に曝露されている部分の長さは15cmとされている。また、ポリ容器2内には、所定濃度の蟻酸水溶液の100mlが、供試銅管10に接触しない形態において収容されている。
また、蟻の巣状腐食試験においては、蟻酸水溶液12の蟻酸濃度を、0.1%として、その蟻酸水溶液12が収容されたポリ容器2に、所定の供試銅管10をセットした状態において、40℃の恒温槽内に放置すると共に、2時間/日だけ槽外に取り出して、室温(15℃)下において保持することにより、その温度差によって供試銅管10の表面への結露を促した。そして、そのような条件下での腐食試験を、80日間実施した。
そして、かかる腐食試験の実施された各供試銅管について、図3に示されるポリ容器2内に曝露されていた部分の切断面を調べ、最大腐食深さを測定して、その結果を、下記表2に示した。
Figure 2018104767
かかる表2の結果から明らかな如く、0.1%濃度の蟻酸水溶液を用いた腐食試験の場
合において、本発明に従って、Pを0.15〜0.5質量%の範囲内で含有し、且つZn,Sn及びNiのうちの少なくとも何れか一つの元素を、合計量で、1.0〜5.0質量%の範囲内で含有する供試銅管No.1〜17においては、何れも、蟻の巣状腐食の発生は無く、管表面が軽微に腐食されているのみであることを認めた。
これに対して、比較例である供試銅管No.21,25,29は、P含有量が0.15重量%未満となるために、著しい蟻の巣状腐食が生じていることが認められた。更に、供試銅管No.18,20,22,26にあっては,P含有量は本発明の範囲内であるものの、Zn,Sn,Ni,それぞれの添加元素の濃度が規定範囲外のものとなるために、何れも、著しい蟻の巣状腐食が発生した。
2 ポリ容器
4 キャップ
6 シリコン栓
8 シリコン栓
10 供試銅管
12 蟻酸水溶液

Claims (7)

  1. Pを0.15〜0.50質量%の割合で含有すると共に、Zn,Sn及びNiのうちの少なくとも何れか一つの元素を、合計量で、0.1〜5.0質量%含有するCu材質からなることを特徴とする耐蟻の巣状腐食性銅管。
  2. 前記Znの含有量が、0.1〜4.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の耐蟻の巣状腐食性銅管。
  3. 前記Snの含有量が、0.1〜4.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の耐蟻の巣状腐食性銅管。
  4. 前記Niの含有量が、0.1〜4.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の耐蟻の巣状腐食性銅管。
  5. 湿潤環境下に配置されて、低級カルボン酸からなる腐食媒により、管表面から管肉厚方向に蟻の巣状に進行する腐食作用にさらされる銅管であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の耐蟻の巣状腐食性銅管。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の耐蟻の巣状腐食性銅管からなることを特徴とする空調機器又は冷凍機器における伝熱管。
  7. 請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の耐蟻の巣状腐食性銅管からなることを特徴とする空調機器又は冷凍機器における冷媒配管。
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