JP2018104745A - シリコンターゲット材 - Google Patents

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Abstract

【課題】スパッタリング初期の放電が安定するまでに要する時間を短縮し、これにより薄膜付き基材の生産安定性を向上できるシリコンターゲット材の提供。【解決手段】長方形板状のターゲット材10の表面に、設計上スパッタリングされない仮想領域として、ターゲット材10の幅方向の中央に長手方向に延びる溝部13が形成され、溝部13の幅W2は、ターゲット材10表面の幅W1を100%とするとき20〜40%であり、また、溝部13のコーナ部14は湾曲面に形成され、このコーナ部14の口元の曲率半径は1.0mm以上であるシリコンターゲット材。【選択図】図1

Description

本発明は、スパッタリングによりSiO2膜等の薄膜を形成するためのシリコンターゲット材に関するものである。
従来、プラズマ化した陽イオンをターゲット材に当てて、跳ね返った原子や分子を基板に付着させるスパッタリング法が知られている。このスパッタリング法では、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等に比べて、面積の広い基板全体を短時間で均一に薄膜を形成できるという利点がある。具体的には、上記スパッタリング法では、ターゲットに対向してウェーハ等の基板を配置し、ターゲット表面を荷電粒子によって衝撃してターゲット成分を叩き出し、これを基板表面に付着させて薄膜を形成する。
しかし、ターゲット材表面は荷電粒子のビームが照射されるエロージョン部と、ビームが照射されない非エロージョン部とが存在し、エロージョン部は上記ビームの照射によって次第に浸食されるけれども、非エロージョン部は浸食されずに残る。このため、スパッタリング法によって放出されたターゲット成分は、基板表面の他に基板周囲や非エロージョン部にも付着し、スパッタリングの進行に伴って堆積する。この結果、ターゲット表面の非エロージョン部に堆積した薄膜によって異常放電が発生し、堆積した薄膜が剥離してパーティクルを生じ、これが基板表面に再付着すると局所的な不良原因となる問題点があった。
この点を解消するために、ターゲット材表面のエロージョン部に挟まれた非エロージョン部が溝状に形成されたシリコンターゲット材が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。このシリコンターゲット材では、非エロージョン部の溝の深さが1mm以上であってターゲット材厚さの5%〜50%である。また、非エロージョン部の溝の両端コーナ部が湾曲面に形成され、その底部コーナ部の湾曲面の曲率が0.5mm以上である。
このように構成されたシリコンターゲット材では、ターゲット材表面のエロージョン部に挟まれた非エロージョン部が、隣接するエロージョン部よりも深く形成され、かつ非エロージョン部全体が溝状に形成されており、非エロージョン部の溝の底部はエロージョン部表面よりも後退した位置にあるので、エロージョン部から叩きだされたターゲット成分粒子が非エロージョン部表面に付着し難くなって、非エロージョン部表面に薄膜が形成され難くなる。この結果、スパッタリング時における異常放電及びパーティクルの発生が大幅に低減されるので、基板表面に高品質の薄膜を形成することができる。また、非エロージョン部の溝の深さを1mm以上であってターゲット材厚さの5%〜50%に形成し、この溝の底部コーナ部の曲率を0.5mm以上に形成したので、異常放電及びパーティクルの発生を効果的に抑制できるようになっている。
特許第4821999号公報(請求項1、段落[0008]、[0009]、図1、図2)
しかし、上記従来の特許文献1に示されたシリコンターゲット材では、非エロージョン部の溝幅がターゲット材の幅100mmに対して15mm(15%)と狭いため、即ち設計上スパッタリングされない仮想領域の溝の幅が実際にスパッタリングされない非エロージョン部の幅より狭くなってしまうため、スパッタリング初期の放電が安定するまでに要する時間が長くなって、生産安定性が低下する不具合があった。また、上記従来の特許文献1に示されたシリコンターゲット材では、非エロージョン部の底部コーナ部の曲率半径が0.5mm以上であるけれども、コーナ部の口元の曲率半径が規定されておらず、このコーナ部の口元の曲率半径が鋭利であると、この部分が起点となって異常放電が発生して、ターゲット材表面に堆積物が堆積する問題点もあった。
本発明の目的は、スパッタリング初期の放電が安定するまでに要する時間を短縮でき、これにより薄膜付き基材の生産安定性を向上できる、シリコンターゲット材を提供することにある。本発明の別の目的は、スパッタリング時における異常放電を抑制でき、これによりターゲット材表面への堆積物の堆積の抑制を向上できる、シリコンターゲット材を提供することにある。
本発明の第1の観点は、長方形板状のターゲット材の表面に設計上スパッタリングされない仮想領域として、ターゲット材の幅方向の中央に長手方向に延びる溝部が形成されたシリコンターゲット材であって、溝部の幅W2がターゲット材表面の幅W1を100%とするとき20〜40%であることを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に溝部のコーナ部が湾曲面に形成され、コーナ部の口元の曲率半径R1が1.0mm以上であることを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更にターゲット材がその長手方向に分割された複数のターゲット素片を1列に配置して構成され、この溝部が上記1列に配置された複数のターゲット素片にわたって形成されたことを特徴とする。
本発明の第1の観点のシリコンターゲット材では、溝部の幅W2がターゲット材表面の幅W1を100%とするとき20〜40%であるので、磁力線の発生に寄与するスパッタリング装置のマグネットの配置から、設計上スパッタリングされない仮想領域と溝部の幅が一致し易くなって、堆積物がターゲット材表面に堆積し難い。この結果、上記堆積物に起因する異常放電を抑制できるので、スパッタリング初期の放電が安定するまでに要する時間を短縮でき、スパッタリングによる薄膜付き基材の生産安定性を向上できる。
本発明の第2の観点のシリコンターゲット材では、溝部のコーナ部を湾曲面に形成し、コーナ部の口元の曲率半径R1が1.0mm以上であるので、上記コーナ部の口元が鋭利でなく、異常放電の起点になり難くなって、異常放電を抑制できる。この結果、上記ターゲット材を用いてスパッタリングにより基材上に均一に安定して薄膜を形成できるので、薄膜付き基材の生産性を向上できるとともに、シリコンターゲット材表面に堆積物が堆積し難いため、シリコンターゲット材の寿命を延ばすことができる。
本発明の第3の観点のシリコンターゲット材では、複数のターゲット素片を1列に配置してシリコンターゲット材を構成し、溝部を上記1列に配置された複数のターゲット素片にわたって形成したので、大型のディスプレイの液晶画面や大型の太陽電池などの薄膜をスパッタリング法で作製する場合に好適である。
本発明第1実施形態のシリコンターゲット材を示す図3のA−A線断面図である。 図1のB部拡大断面図である。 そのシリコンターゲット材の平面図である。 図3のC−C線断面図である。 図4のD部拡大断面図である。 図4のE部拡大断面図である。 そのシリコンターゲット材を用いてスパッタリングを行っている状態を示す模式図である。 本発明第2実施形態のシリコンターゲット材の製造手順を示す図である。 図8(c)のF−F線断面図である。 本発明実施例1のシリコンターゲット材を示す図1に対応する断面図である。 図10のG部拡大断面図である。 図10のH部拡大断面図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図1〜図4に示すように、シリコンターゲット材10は、その表面が、スパッタリング時に実際にスパッタリングされるエロージョン部11と、このエロージョン部11に挟まれスパッタリング時に実際にスパッタリングされない非エロージョン部12とを有する。上記ターゲット材10は、この実施の形態では、シリコンを削り出すことにより、1枚の横長の長方形板状に形成される。シリコンとしては多結晶シリコンや単結晶シリコン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、非エロージョン部12はターゲット材10の幅方向の中央に長手方向に延びる略横長四角形状に浸食されずに残り、その周囲にエロージョン部11がターゲット材10の長手方向に延びる横長のドーナツ状に浸食されて凹む。また、ターゲット材10の表面には、設計上非エロージョン部12と一致するように溝部13が形成される。即ち、ターゲット材の表面には、設計上スパッタリングされない仮想領域として、ターゲット材10の幅方向の中央に長手方向に延びる溝部13が形成される。なお、図1、図3及び図4中の符号15は、ターゲット材10表面のうちエロージョン部11の外周縁に沿って略長方形枠状に形成され、かつエロージョン部11の外周縁から離れるに従って次第に下る4つの傾斜面からなり、スパッタリング時にスパッタリングされない面取り部である。即ち、これらの面取り部15のうち、ターゲット材10の幅方向の両側に長手方向に延びて形成された面取り部15において、ターゲット材10の横断面における水平線に対する角度は10〜70度の範囲内であり、その傾斜長さは5mm以上であることが好ましい(図1及び図3)。また、これらの面取り部15のうち、ターゲット材10の長手方向の両側に幅方向に延びて形成された面取り部15は、ターゲット材10の幅方向の両側に長手方向に延びて形成された面取り部15と同様に形成されることが好ましい(図3及び図4)。但し、ターゲット材10の長手方向の両側に幅方向に延びて形成された面取り部15は、スパッタリング装置やスパッタリング条件等によっては形成しなくてもよい。また、ターゲット材10の表面は、スパッタリング装置の構造上の理由から、エロージョン部11と非エロージョン部12と面取り部15に必然的に区画される。但し、実際にスパッタリングされない非エロージョン部12は、スパッタリング時の電力やガスの圧力などの条件によりエロージョン部の領域が異なるため、設計上スパッタリングされない仮想領域の溝部13に常に一致するとは限らない。更に、スパッタリングとしては、マグネットを用いて磁場の中に電子を囲い込むことにより濃いプラズマ領域を作り、Ar陽イオンがターゲット材に衝突する確率を高くすることができるマグネトロンスパッタリングを用いることが好ましい。
一方、図1に示すように、溝部13の幅W2は、ターゲット材10表面の幅W1を100%とするとき20〜40%であり、好ましくは25〜35%である。また、溝部13のコーナ部14は湾曲面に形成されることが好ましい(図1及び図2)。このコーナ部14の口元の曲率半径をR1とするとき、R1は1.0mm以上であることが好ましく、1.5〜3mmであることが更に好ましい(図2)。ここで、溝部13の幅W2をターゲット材10表面の幅W1の20〜40%の範囲内に限定したのは、20%未満では設計上スパッタリングされない仮想領域の溝部13の幅が実際にスパッタリングされない非エロージョン部12の幅より狭くなり、これにより溝部とエロージョン部の間に残った非エロージョン部に堆積した堆積物に起因する異常放電が発生してしまい、スパッタリング初期の放電が安定するまでに要する時間を短縮できず、40%を超えると実際にスパッタリングされるエロージョン部11と設計上スパッタリングされない仮想領域の溝部13とが一部重複し溝部13もスパッタリングされてしまいターゲット材10の寿命が短くなるからである。また、溝部13のコーナ部14の口元の曲率半径R1として好ましい範囲を1.0mm以上に限定したのは、1.0mm未満ではコーナ部14の口元が鋭利になりここを起点として異常放電が発生し易くなるからである。なお、上記曲率半径R1は、ターゲット材10の横断面における曲率半径R1(図2)と、ターゲット材10の縦断面における曲率半径R1(図5及び図6)とからなり、これらの曲率半径R1は同一に形成されることが好ましい。また、溝部13の長手方向の両端部は平面視で略チャンネル状(略溝形鋼状)に形成される(図3)。但し、溝部13の長手方向の両端部を平面視で円弧状に形成してもよい。
溝部13のコーナ部14の奧部の曲率半径をR2とするとき、R2は3mm以上であることが好ましく、3〜9mmであることが更に好ましい(図2)。また、ターゲット材10の横断面において、上記コーナ部14の奧部の曲率半径R2の曲面と、溝部13の底壁上面(平面)とをなだらかに・ぐ曲面の曲率半径をR3とするとき、R3は10mm以上であることが好ましいが(図2)、コーナ部14の口元の曲率半径R1とコーナ部14の奧部の曲率半径R2との組合せによっては、曲率半径R3の曲面はなくてもよい。即ち、曲率半径R2の曲面を溝部13の底壁上面(平面)に直接なだらかに・いでもよい。ここで、上記曲率半径R2として好ましい範囲を3mm以上に限定したのは、3mm未満ではコーナ部14の傾斜が急になるため応力が集中し割れ易くなってしまうからである。また、上記曲率半径R3として好ましい範囲を10mm以上に限定したのは、10mm未満では上記曲率半径R2との関係で段差を生じ、その部分に堆積物が堆積し易くなって割れの原因になるからである。なお、上記曲率半径R2は、ターゲット材10の横断面における曲率半径R2(図2)と、ターゲット材10の縦断面における曲率半径R2(図5及び図6)とからなり、これらの曲率半径R2は同一に形成されることが好ましい。また、上記曲率半径R3は、ターゲット材10の横断面における曲率半径R3(図2)と、ターゲット材10の縦断面における曲率半径R3(図5及び図6)とからなり、これらの曲率半径R3は同一に形成されることが好ましい。
このように構成されたシリコンターゲット材10をスパッタリング装置(成膜装置)に取付けてスパッタリングを行う方法を図7に基づいて説明する。先ず、ターゲット材10の裏面を、インジウムやインジウム合金等にて形成されたボンディング材(図示せず)を介して、銅製のバッキングプレート16に積層して積層体を作製する。この状態で積層体を200℃程度に加熱することにより、ターゲット材10をバッキングプレート16にボンディング材を介して接着する。次に、このバッキングプレート16に接着されたターゲット材10の表面を、基材17の表面に所定の間隔をあけて対向させる。そして、成膜装置内を十分に排気した後、所定のArガスを導入し、ターゲット材にスパッタリング電力を印加すると、Arガスが高温プラズマ化されて、Ar陽イオンと電子に分離される。上記Ar陽イオン(プラスに帯電)が、マイナスに帯電しているターゲット材10に激しく衝突する。このときAr陽イオンが当たった部分のターゲット材10を構成する元素(Si)が跳ね返されて飛び、基材17表面に付着する。なお、スパッタリングする際に、例えば、ArガスとともにO2ガスを導入し、このO2ガスをターゲット材10を構成するSiと反応させることで反応性スパッタリングが実現され、基材17表面にSiO2膜(図示せず)を形成することができる。
このように構成されたシリコンターゲット材10では、溝部13の幅W2(図1及び図2)がターゲット材10表面の幅W1(図1)を100%とするとき20〜40%であるので、磁力線の発生に寄与するスパッタリング装置のマグネットの配置から、設計上スパッタリングされない仮想領域と溝部13の幅が一致し易くなり、堆積物がターゲット材10上に堆積し難い。この結果、上記堆積物に起因する異常放電を抑制できるので、スパッタリング初期の放電が安定するまでに要する時間を短縮でき、スパッタリングによる薄膜付き基材の生産安定性を向上できる。また、溝部13のコーナ部14の口元の曲率半径R1が1.0mm以上であるので(図2)、上記コーナ部14の口元が鋭利でなく、異常放電の起点になり難くなって、異常放電を抑制できる。この結果、上記ターゲット材10を用いてスパッタリングにより基材上に均一に安定して薄膜を形成できるので、薄膜付き基材の生産性を向上できるとともに、ターゲット材10表面に堆積物が堆積し難いため、ターゲット材10の寿命を延ばすことができる。
<第2の実施の形態>
図8及び図9は本発明の第2の実施の形態を示す。この実施の形態では、シリコンターゲット材50が、その長手方向に分割された複数のターゲット素片51〜54を1列に配置して構成され、上記1列に配置された複数のターゲット素片51〜54にわたって溝部55が形成される。具体的には、ターゲット材50が、横長の長方形板状のターゲット素片51〜54を4枚長手方向に隙間をあけて一列に並べることにより形成される。即ち、4枚のターゲット素片51〜54を一列に隙間をあけて並べることにより1枚のターゲット材50とみなされる。また、スパッタリング時に実際にスパッタリングされるエロージョン部56は、上記1枚とみなされたターゲット材50の表面に、1つの横長のドーナツ状に浸食されて凹む。また、スパッタリング時に実際にスパッタリングされない非エロージョン部57は、上記1枚とみなされたターゲット材50の表面のうちエロージョン部56の内側に位置するように略横長四角形状に浸食されずに残る。更に、上記溝部55は、スパッタリング前のエロージョン部56の平面より凹んだ4本の凹溝部分55a〜55dにより形成される。なお、図8及び図9中の符号58は、1枚とみなされたターゲット材50表面のうちエロージョン部56の幅方向の両側に長手方向に延びて形成され、かつエロージョン部56の外周縁から離れるに従って次第に下る2つの傾斜面からなり、スパッタリング時にスパッタリングされない面取り部である。これらの面取り部58において、ターゲット材50の横断面における水平線に対する角度は10〜70度の範囲内であり、その傾斜長さは5mm以上であることが好ましい。また、上記面取り部は、1枚とみなされたターゲット材50表面のうちエロージョン部56の長手方向の両側に幅方向に延びて形成された面には形成されていない(図8及び図9)。但し、これらの面にも、上記面取り部58と同様の面取り部を形成してもよい。更に、4枚のターゲット素片51〜54を一列に並べるときに隙間59をあけたのは、各ターゲット素片51〜54の熱膨張を考慮したものである。
一方、1枚とみなされたターゲット材50の溝部55の幅W2は、1枚とみなされたターゲット材50表面の幅W1を100%とするとき20〜40%であり、好ましくは25〜35%である。また、溝部55のコーナ部は湾曲面に形成されることが好ましい。このコーナ部の口元の曲率半径をR1とするとき、R1は1.0mm以上であることが好ましく、1.5〜3mmであることが更に好ましい。また、コーナ部の奧部の曲率半径をR2とするとき、R2は3mm以上であることが好ましく、3〜9mmであることが更に好ましい。また、ターゲット材50の横断面における溝部55の底壁上面の曲率半径をR3とするとき、R3は10mm以上であることが好ましいが、コーナ部の口元の曲率半径R1とコーナ部の奧部の曲率半径R2との組合せによっては、曲率半径R3の曲面はなくてもよい。即ち、曲率半径R2の曲面を溝部55の底壁上面(平面)に直接なだらかに・いでもよい。これらの数値範囲の限定理由は、第1の実施の形態の数値範囲の限定理由と同一であるので、繰返しの説明を省略する。更に、溝部55の長手方向の両端面の形状、即ち4本の凹溝部分55a〜55dのうち凹溝部分55a,55dの端部は、平面視で円弧状に形成される(図8)。但し、凹溝部分55a,55dの端部を平面視で略チャンネル状(略溝形鋼状)に形成してもよい。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
このように構成されたターゲット材50を製造するには、先ず四角柱状の多結晶シリコン又は円柱状の単結晶シリコンから正方形板状のシリコンを切り出す。次いでこの正方形板状のシリコンから複数枚の短冊状のターゲット素片を切り出す。この実施の形態では、正方形板状のシリコン61から4枚の短冊状のターゲット素片51〜54を切り出す(図8(a))。次に、これらのターゲット素片51〜54の表面に溝部55及び面取り部58を形成する(図8(b))。更に、これら4枚のターゲット素片51〜54をバッキングプレート62に隙間59をあけて一列に並べてボンディング材により接着する(図8(c)及び図9)。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
このように構成されたシリコンターゲット材50では、4枚のターゲット素片51〜54を一列に並べて1枚のターゲット材50を構成したので、大型のディスプレイの液晶画面や大型の太陽電池などの薄膜をスパッタリング法で作製する場合に好適である。上記以外の作用及び効果は、第1の実施の形態の作用及び効果と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
図10〜図12に示すように、先ず、多結晶シリコンを削り出すことにより、板長、板幅及び板厚がそれぞれ800mm、100mm及び5mmである長方形板状のシリコンターゲット材110を作製した。次に、このターゲット材110に、溝部113(設計上、溝部113は非エロージョン部112と一致するように形成される。)及び面取り部115を機械加工により形成した。具体的には、長方形板状のターゲット材110の表面に、設計上スパッタリングされない仮想領域として、ターゲット材110の幅方向の中央に長手方向に延びる溝部113を形成し、面取り部115をターゲット材110の外周縁に沿って略四角枠状に形成しかつターゲット材110の表面から離れるに従って次第に下る傾斜面状(傾斜角度:45度)に形成した。このとき、溝部113の幅(溝幅)W2を27mmとしたので、溝部113の幅(溝幅)W2はターゲット材110の幅(板幅:100mm)W1に対して27%となった。即ち、板幅W1に対する溝幅W2の比率(溝幅比率)は27%となった。更に、溝部113のコーナ部114を湾曲面に形成した(図10〜図12)。このとき、コーナ部114の口元の曲率半径R1を1.5mmに形成し、コーナ部114の奧部の曲率半径R2を4.0mmに形成し、ターゲット材110の横断面における曲率半径R2の曲面と溝部113の底壁上面(平面)とをなだらかに・ぐ曲面の曲率半径R3を12.0mmに形成した(図11及び図12)。このターゲット材110を実施例1とした。なお、溝部113の深さ(溝深)を2.5mmに形成したので、ターゲット材110の厚さ(板厚)に対する溝部113の深さの比率(溝深比率)は50%となった。
<実施例2〜22及び比較例1〜5>
実施例2〜22及び比較例1〜5のターゲット材は、各部寸法が表1及び表2に示す数値になるように形成した。なお、表1に示した数値以外の各部寸法は、実施例1と同様にして、ターゲット材を作製した。また、実施例22のターゲット材は、実施例14の長さ800mmのターゲット材を、それぞれの長さが400mmとなるように2分割したものである。
<比較試験1及び評価>
実施例1〜22及び比較例1〜5のターゲット材について、スパッタリング初期の放電が安定するまでに要した時間Tと、所定厚まで使用できたセット数Nをそれぞれ測定した。
(1)スパッタリング初期の放電が安定するまでに要した時間Tの測定方法
先ず、ターゲット材を用いてスパッタリングにより次の条件で基材表面に成膜を開始した。
(a) 電源入力はDC1000Wとした。
(b) 全圧は0.4Paとした。
(c) スパッタリングガスとしては、流量28.5sccmのArガスと、流量1.5sccmのO2ガスを用いた。
(d) ターゲット材と基材の距離は70mmとした。
次に、スパッタリング時の電圧、電流及び圧力の変動を電圧計、電流計及び圧力計でそれぞれ確認し、電圧、電流及び圧力の全てが変動しなくなった時点を、スパッタリング初期の放電が安定したと判断した。そして、放電を開始したときから上記放電が安定するまでの時間を測定した。上記操作を3回行ってその平均値を算出した。この平均値をスパッタリング初期の放電が安定するまでに要した時間Tとした。
(2)所定厚まで使用できたセット数Nの測定方法
先ず、ターゲット材(1セット)を用いてスパッタリングにより上記(1)(a)〜(d)の条件で基材表面に成膜し、ターゲット材が割れるまで成膜を行った。次に、ターゲット材が割れたときの板厚を測定し、使用開始前の板厚に対する使用後の板厚を百分率で算出した。この算出値が50%以下であったものを、所定厚さまで使用できたセット数Nとしてカウントした。上記操作を実施例1〜22及び比較例1〜5のターゲット材について10セットずつ行った。これらの結果を表1に示す。
Figure 2018104745
Figure 2018104745
表1及び表2から明らかなように、溝部の溝幅比率が15%及び18%と小さかった比較例1及び2では、スパッタリング初期の放電が安定するまでに要した時間Tが79分及び93分と長く、所定厚まで使用できたセット数Nがいずれも5セットと少なかった。また、溝部の溝幅比率が42〜50%と大きかった比較例3〜5では、スパッタリング初期の放電が安定するまでに要した時間Tが81〜96分と長く、所定厚まで使用できたセット数Nが4〜5セットと少なかった。これらに対し、溝部の溝幅比率が20〜40%と適切な範囲内であった実施例1〜22では、スパッタリング初期の放電が安定するまでに要した時間Tが20〜38分と短くなり、所定厚まで使用できたセット数Nが7〜10セットと多くなった。
また、溝部の溝幅比率が40%及び23%と適切な範囲内であったけれども、溝部のコーナ部口元の曲率半径(R1)が0.4mm及び0.8mmと小さかった実施例20及び21では、スパッタリング初期の放電が安定するまでに要した時間Tが38分及び36分と短かったけれども、所定厚まで使用できたセット数Nがいずれも7セットと多い中でも少ない方であった。これらに対し、溝部の溝幅比率が20〜40%と適切な範囲内であり、溝部のコーナ部口元の曲率半径(R1)が1.0〜3.3mmと適切な範囲(1.0mm以上)内であった実施例1〜19及び22では、スパッタリング初期の放電が安定するまでに要した時間Tが20〜33分と実施例20及び21より短くなり、所定厚まで使用できたセット数Nが8〜10セットと実施例20及び21より多くなった。
更に、長さ800mmの1枚のターゲット材を用いた実施例14と、長さ400mmの2枚に分割したターゲット材を用いた実施例22では、スパッタリング初期の放電が安定するまでに要した時間Tはそれぞれ31分及び33分と殆ど同じであり、所定厚まで使用できたセット数Nはいずれも9セットと同じであった。この結果、ターゲット材の長手方向の分割は、スパッタリング初期の放電が安定するまでに要した時間Tや、所定厚まで使用できたセット数Nに殆ど影響しないことが分かった。
本発明のシリコンターゲット材は、スパッタリングのターゲット材に利用できる。
10,50,110 シリコンターゲット材
13,55,113 溝部
14,114 コーナ部
51〜54 ターゲット素片
溝部13のコーナ部14の奧部の曲率半径をR2とするとき、R2は3mm以上であることが好ましく、3〜9mmであることが更に好ましい(図2)。また、ターゲット材10の横断面において、上記コーナ部14の奧部の曲率半径R2の曲面と、溝部13の底壁上面(平面)とをなだらかに繋ぐ曲面の曲率半径をR3とするとき、R3は10mm以上であることが好ましいが(図2)、コーナ部14の口元の曲率半径R1とコーナ部14の奧部の曲率半径R2との組合せによっては、曲率半径R3の曲面はなくてもよい。即ち、曲率半径R2の曲面を溝部13の底壁上面(平面)に直接なだらかに繋いでもよい。ここで、上記曲率半径R2として好ましい範囲を3mm以上に限定したのは、3mm未満ではコーナ部14の傾斜が急になるため応力が集中し割れ易くなってしまうからである。また、上記曲率半径R3として好ましい範囲を10mm以上に限定したのは、10mm未満では上記曲率半径R2との関係で段差を生じ、その部分に堆積物が堆積し易くなって割れの原因になるからである。なお、上記曲率半径R2は、ターゲット材10の横断面における曲率半径R2(図2)と、ターゲット材10の縦断面における曲率半径R2(図5及び図6)とからなり、これらの曲率半径R2は同一に形成されることが好ましい。また、上記曲率半径R3は、ターゲット材10の横断面における曲率半径R3(図2)と、ターゲット材10の縦断面における曲率半径R3(図5及び図6)とからなり、これらの曲率半径R3は同一に形成されることが好ましい。
一方、1枚とみなされたターゲット材50の溝部55の幅W2は、1枚とみなされたターゲット材50表面の幅W1を100%とするとき20〜40%であり、好ましくは25〜35%である。また、溝部55のコーナ部は湾曲面に形成されることが好ましい。このコーナ部の口元の曲率半径をR1とするとき、R1は1.0mm以上であることが好ましく、1.5〜3mmであることが更に好ましい。また、コーナ部の奧部の曲率半径をR2とするとき、R2は3mm以上であることが好ましく、3〜9mmであることが更に好ましい。また、ターゲット材50の横断面における溝部55の底壁上面の曲率半径をR3とするとき、R3は10mm以上であることが好ましいが、コーナ部の口元の曲率半径R1とコーナ部の奧部の曲率半径R2との組合せによっては、曲率半径R3の曲面はなくてもよい。即ち、曲率半径R2の曲面を溝部55の底壁上面(平面)に直接なだらかに繋いでもよい。これらの数値範囲の限定理由は、第1の実施の形態の数値範囲の限定理由と同一であるので、繰返しの説明を省略する。更に、溝部55の長手方向の両端面の形状、即ち4本の凹溝部分55a〜55dのうち凹溝部分55a,55dの端部は、平面視で円弧状に形成される(図8)。但し、凹溝部分55a,55dの端部を平面視で略チャンネル状(略溝形鋼状)に形成してもよい。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
<実施例1>
図10〜図12に示すように、先ず、多結晶シリコンを削り出すことにより、板長、板幅及び板厚がそれぞれ800mm、100mm及び5mmである長方形板状のシリコンターゲット材110を作製した。次に、このターゲット材110に、溝部113(設計上、溝部113は非エロージョン部112と一致するように形成される。)及び面取り部115を機械加工により形成した。具体的には、長方形板状のターゲット材110の表面に、設計上スパッタリングされない仮想領域として、ターゲット材110の幅方向の中央に長手方向に延びる溝部113を形成し、面取り部115をターゲット材110の外周縁に沿って略四角枠状に形成しかつターゲット材110の表面から離れるに従って次第に下る傾斜面状(傾斜角度:45度)に形成した。このとき、溝部113の幅(溝幅)W2を27mmとしたので、溝部113の幅(溝幅)W2はターゲット材110の幅(板幅:100mm)W1に対して27%となった。即ち、板幅W1に対する溝幅W2の比率(溝幅比率)は27%となった。更に、溝部113のコーナ部114を湾曲面に形成した(図10〜図12)。このとき、コーナ部114の口元の曲率半径R1を1.5mmに形成し、コーナ部114の奧部の曲率半径R2を4.0mmに形成し、ターゲット材110の横断面における曲率半径R2の曲面と溝部113の底壁上面(平面)とをなだらかに繋ぐ曲面の曲率半径R3を12.0mmに形成した(図11及び図12)。このターゲット材110を実施例1とした。なお、溝部113の深さ(溝深)を2.5mmに形成したので、ターゲット材110の厚さ(板厚)に対する溝部113の深さの比率(溝深比率)は50%となった。
(2)所定厚まで使用できたセット数Nの測定方法
先ず、ターゲット材(1セット)を用いてスパッタリングにより上記(1)(a)〜(d)の条件で基材表面に成膜し、ターゲット材が割れるまで成膜を行った。次に、ターゲット材が割れたときの板厚を測定し、使用開始前の板厚に対する使用後の板厚を百分率で算出した。この算出値が50%以下であったものを、所定厚さまで使用できたセット数Nとしてカウントした。上記操作を実施例1〜22及び比較例1〜5のターゲット材について10セットずつ行った。これらの結果を表1及び表2に示す。

Claims (3)

  1. 長方形板状のターゲット材の表面に設計上スパッタリングされない仮想領域として、前記ターゲット材の幅方向の中央に長手方向に延びる溝部が形成されたシリコンターゲット材であって、
    前記溝部の幅(W2)が前記ターゲット材の幅(W1)を100%とするとき20〜40%であることを特徴とするシリコンターゲット材。
  2. 前記溝部のコーナ部が湾曲面に形成され、前記コーナ部の口元の曲率半径(R1)が1.0mm以上である請求項1記載のシリコンターゲット材。
  3. 前記ターゲット材がその長手方向に分割された複数のターゲット素片を1列に配置して構成され、前記溝部が前記1列に配置された複数のターゲット素片にわたって形成された請求項1記載のシリコンターゲット材。
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