JP2018100713A - 歯車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】補強部によって歯車の歯に生じる歯元応力を低減でき、2つの歯車装置を噛み合わせる場合に互いの補強部が干渉することを抑制すること。
【解決手段】歯列の円周ピッチが互いに等しい2つの歯車片と、2つの歯車片の間に設けられ、外周径が歯車片における歯底の外周径よりも小さい継ぎ目部と、を備え、2つの歯車片における互いの歯車片の歯列が円周方向に沿って略半位相ずれて配置された歯車装置において、2つの歯車片のうちの少なくとも一方の歯車片の歯における継ぎ目側の面の内側の部分に補強部が設けられ、補強部が、一方の歯車片に設けられた歯における継ぎ目部側の面から、他方の歯車片に設けられた歯における継ぎ目側の歯底よりも他方の歯車片の回転中心からの距離が短い点に向かう裾野形状に設けられている。
【選択図】図4

Description

本発明は、複数の歯車を組み合わせて構成される歯車装置に関する。
例えば特許文献1には、円筒粗材の外周面に、左右に捩じれ方向が逆向きの一対の斜歯を同一軸上に形成し、一対の斜歯の間に境界域を設け、境界域は溝またはリブから構成されるやまば歯車である歯車装置が開示されている。特許文献1に記載の技術においては、一対のはすば歯車の間の境界域となる継ぎ目部に、継ぎ目部の全円周に亘ってはすば歯車の歯底よりも大きな外径を有するリブを設けることによって、歯車装置において、斜歯における歯元に生じる応力(歯元応力)を低減させて、斜歯の歯元の強度を向上させている。
特開2014−098438号公報
しかしながら、上述した従来の歯車装置においては、やまば歯車における一対の斜歯の間の継ぎ目部にリブを設けていることにより、2つのやまば歯車を噛み合わせる場合に、リブ同士が衝突して干渉するという問題があった。この干渉の問題を回避するために、互いに噛み合う2つのやまば歯車において、一方のやまば歯車の継ぎ目部にリブを設け、他方のやまば歯車の継ぎ目部にはリブを設けない方法が考えられる。
この場合、継ぎ目部にリブが設けられない他方のやまば歯車においては、歯元の強度を向上できないという問題が生じる。さらに、リブの外径が歯底の外径よりも大きいため、2つのやまば歯車に、製造誤差、組み付け誤差、または駆動時の変形などによって噛み合いの誤差が生じると、一方のやまば歯車のリブと、他方のやまば歯車の歯先とが衝突して干渉する可能性がある。この問題を回避する方法としては、リブが設けられていない他方のやまば歯車の継ぎ目部を広くする方法が考えられる。ところが、リブが設けられていない他方のやまば歯車においては、継ぎ目部を広くすることで歯の幅が小さくなることから、やまば歯車自体の強度が低下するという問題が生じる。以上の問題は、継ぎ目部を介して一対の平歯車を組み合わせた歯車装置においても、同様に生じる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、補強部によって歯車の歯に生じる歯元応力を低減でき、2つの歯車装置を噛み合わせた場合に互いの補強部が干渉することを抑制できる歯車装置を提供することにある。
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明に係る歯車装置は、歯列の円周ピッチが互いに等しい2つの歯車片と、前記2つの歯車片の間に設けられ、外周径が前記歯車片における歯底の外周径よりも小さい継ぎ目部と、を備え、前記2つの歯車片における互いの歯車片の歯列が円周方向に沿って略半位相ずれて配置された歯車装置において、前記2つの歯車片のうちの少なくとも一方の歯車片の歯における前記継ぎ目部側の面の内側の部分に補強部が設けられ、前記補強部が、前記一方の歯車片に設けられた歯における前記継ぎ目部側の面から、他方の歯車片に設けられた歯における前記継ぎ目部側の歯底よりも前記他方の歯車片の回転中心からの距離が短い点に向かう裾野形状に設けられていることを特徴とする。
本発明に係る歯車装置によれば、少なくとも一方の歯車片の継ぎ目部側の面の内側の部分に設けられる補強部が、一方の歯車片の継ぎ目部側の面から他方の歯車片の歯底より回転中心からの距離が小さい点に向かう裾野形状に設けられていることにより、補強部によって歯車の歯に生じる歯元応力を低減でき、2つの歯車装置を噛み合わせた場合に、互いの補強部が干渉することを抑制可能になる。
図1は、本発明の一実施形態の歯車装置が搭載される車両の要部を示すスケルトン図である。 図2は、2つの歯車の歯列が円周方向に沿って互いに略半位相ずれて配置された歯車装置の部分斜視図である。 図3は、従来技術による歯車を示す略線図であり、図3(A)が一方の歯車の歯の部分を示し、図3(B)が他方の歯車の歯の部分を示し、図3(C)が一方の歯車と他方の歯車との噛み合い状態を示す図である。 図4は、本発明の一実施形態による歯車装置の一例を示す斜視図である。 図5は、斜歯の継ぎ目部側の面および補強部を模式的に示す側面図である。 図6は、歯車装置の噛み合い状態を説明するための円周方向から見たギヤの略線図であり、図6(A)が一方の歯車の歯の部分を示し、図6(B)が他方の歯車の歯の部分を示し、図6(C)が一方の歯車と他方の歯車との噛み合い状態を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の一実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する一実施形態によって限定されるものではない。
まず、本発明の一実施形態による歯車装置が搭載される車両について説明する。図1は、一実施形態による車両の要部を示すスケルトン図である。
図1に示すように、車両Veにおいては、第1モータMG1、第2モータMG2、エンジン1、オイルポンプ2、第1ワンウェイクラッチ3、および第2ワンウェイクラッチ4と、遊星歯車機構10とを備える。車両Veの動力伝達装置は、遊星歯車機構10、第1モータMG1、第2モータMG2、カウンタドライブギヤ15、カウンタドリブンギヤ23、ドライブピニオンギヤ24、リダクションギヤ25、デフリングギヤ26および差動機構27を含む。
エンジン1は、燃料の燃焼エネルギーを回転運動に変換して出力軸1aに出力する。遊星歯車機構10は、エンジン1のトルクを駆動輪29と第1モータMG1とに分割する動力分割プラネタリギヤである。遊星歯車機構10は、サンギヤ11、ピニオンギヤ12、リングギヤ13、およびキャリア14を有する例えばシングルピニオン式である。サンギヤ11は、第1モータMG1のロータシャフト5と接続されている。第1モータMG1は、出力軸1aと同軸上であって、かつ遊星歯車機構10を挟んでエンジン1側と反対側に配置されている。ロータシャフト5は、第1モータMG1のロータの回転軸であってエンジン1の軸方向に延在した中空の円筒形状を有し、軸方向に沿って中空の円筒形状の内部を出力軸1aが貫通している。リングギヤ13は、リング状歯車の内歯歯車からなり、リング状歯車の外周面には、カウンタドライブギヤ15が配置されている。リングギヤ13とカウンタドライブギヤ15とは一体回転する複合ギヤを構成している。
カウンタドライブギヤ15は、カウンタドリブンギヤ23と噛み合っている。また、カウンタドリブンギヤ23は、リダクションギヤ25と噛み合っている。リダクションギヤ25は、第2モータMG2のロータシャフト30に連結されたギヤである。リングギヤ13は、カウンタドライブギヤ15、カウンタドリブンギヤ23、およびリダクションギヤ25を介して第2モータMG2と接続されている。ドライブピニオンギヤ24は、カウンタドリブンギヤ23と同軸上に配置されて一体回転する。ドライブピニオンギヤ24は、デフリングギヤ26と噛み合っている。デフリングギヤ26は差動機構27を介して出力軸28と接続されている。出力軸28は、車両Veの駆動輪29と接続されている。リングギヤ13は、カウンタドライブギヤ15、カウンタドリブンギヤ23、ドライブピニオンギヤ24、デフリングギヤ26、差動機構27および出力軸28を介して駆動輪29に接続されている。
第1モータMG1および第2モータMG2はそれぞれ、例えば交流同期型のモータジェネレータからなり、電動機としての機能と発電機としての機能とを備え、インバータを介してバッテリ(いずれも図示せず)に接続されている。オイルポンプ2は、ポンプシャフト8が回転駆動されることによって潤滑油を吐出する。ポンプシャフト8は、オイルポンプ2の本体からエンジン1側に向けて軸方向に延在されている。ポンプシャフト8には、第1ワンウェイクラッチ3および第2ワンウェイクラッチ4が配置されている。
第1ワンウェイクラッチ3は、ロータシャフト5とポンプシャフト8との間に介在している。第1ワンウェイクラッチ3の内輪はポンプシャフト8と連結され、外輪はポンプドリブンギヤ7と連結されている。ポンプドライブギヤ6は、第1モータMG1のロータシャフト5と連結されたギヤである。ポンプドリブンギヤ7は、ポンプシャフト8と同軸上に配置され、ポンプドライブギヤ6と噛み合っている。第2ワンウェイクラッチ4は、ドライブスプロケット20とドリブンスプロケット21とに、無端のチェーン22が掛け渡されて構成されている。第2ワンウェイクラッチ4は、ポンプシャフト8とエンジン1の出力軸1aとを接続している。第2ワンウェイクラッチ4の内輪はポンプシャフト8と連結され、外輪はドリブンスプロケット21と連結されている。ドライブスプロケット20とドリブンスプロケット21との動力の伝達がチェーン22を介してなされる。
(歯車装置)
次に、上述のように構成された車両Veに搭載される、本発明の一実施形態による歯車装置について説明する。なお、以下の説明において、ギヤとは、動力の伝達を行う歯を含む機械要素であり、歯車とは、動力の伝達を行う歯の歯列が形成されたホイールを含む概念である。また、歯車の歯すじの捩れ方向は、歯車の基準面の直線母線に沿って眺めている観察者からの距離が増加していくにつれて、連続する正面歯形が時計方向に移動する場合に「右ねじれ」といい、その反対の場合に「左ねじれ」という(JIS B0102−1)。
まず、一実施形態による歯車装置についての理解を容易にするために、本発明者による鋭意検討について説明する。図2は、2つの歯車の歯列が円周方向に沿って互いに略半位相ずれて配置された歯車装置の部分斜視図である。
図2に示すように、従来の歯車装置としてのやまば歯車215においては、所定の斜歯の歯列を有する歯車片215A,215Bが、継ぎ目部215dを介して一体成形されて構成されている。歯車片215Aは、歯すじの捩れ方向が左ねじれ(以下、左ねじれ)の斜歯215aが所定の円周ピッチで円周状に並べられて歯列をなしている。歯車片215Bは、歯すじの捩れ方向が右ねじれ(以下、右ねじれ)の斜歯215bが所定の円周ピッチに円周状に並べられて歯列をなしている。歯車片215Aの歯列と歯車片215Bの歯列とは、それぞれの円周ピッチが互いに等しく、かつ円周方向に沿って略半位相ずれて配置されている。
以上のように構成されたやまば歯車215においては、他のやまば装置(図示せず)と噛み合って回転が伝達される際に、歯底215cの部分に、噛み合い力(図2中、矢印)による斜歯215a,215bの倒れによって歯元応力が生じる。図2においては、斜歯215a,215bにおいて生じる歯元応力が大きい部分ほどハッチングを濃くしている。歯元応力が生じることにより、やまば歯車215の歯元強度が低下して、耐曲げ疲労強度が低下する可能性があった。
そこで、やまば歯車を冷間鍛造で成形し、2つの歯車片の境界部分である継ぎ目部にリブを設けて歯元強度を向上させる方法が提案された(特許文献1)。図3は、特許文献1に記載された従来技術による歯車を示す略線図である。図3(A)は一方の歯車の歯の部分を示す。図3(B)は他方の歯車の歯の部分を示す。図3(C)は一方の歯車と他方の歯車との噛み合い状態を示す。
まず、図3(A)に示すように、例えばカウンタドライブギヤを構成する一方の歯車115は、所定の斜歯の歯列を有する歯車片115A,115Bが、継ぎ目部115dを介して一体成形され、回転軸OD1を中心に自転可能に構成される。歯車片115Aは、例えば左ねじれの斜歯115aが所定の円周ピッチで円周状に並べられている。歯車片115Bは、例えば右ねじれの斜歯115bが所定の円周ピッチに円周状に並べられている。歯車片115Aの斜歯115aと歯車片115Bの斜歯115bとの間には、継ぎ目部115dに亘ってリブ141が設けられている。リブ141によって斜歯115a,115bの歯元強度を向上させている。なお、符号115cおよび符号115eはそれぞれ、歯底および歯先を示す。
また、図3(B)に示すように、例えばカウンタドリブンギヤを構成する他方の歯車123は、所定の斜歯の歯列を有する歯車片123A,123Bが、継ぎ目部123dを介して一体成形され、回転軸OD2を中心に自転可能に構成される。歯車片123Aは、例えば左ねじれの斜歯123aが所定の円周ピッチで円周状に並べられている。歯車片123Bは、例えば右ねじれの斜歯123bが所定の円周ピッチに円周状に並べられている。歯車片123Aの斜歯123aと歯車片123Bの斜歯123bとの間には、継ぎ目部123dに亘ってリブ142が設けられている。リブ142によって斜歯123a,123bの歯元強度を向上させている。なお、符号123cおよび符号123eはそれぞれ、歯底および歯先を示す。
しかしながら、図3(C)に示すように、歯車115,123を噛み合い部において互いに噛み合わせる場合、歯車115のリブ141と歯車123のリブ142とが互いに干渉してしまう(図3中、干渉部)。そのため、歯車115のリブ141と歯車123のリブ142とは、ともに設けることができない。そこで、歯車123のリブ142を設けないようにすると、歯車123の歯元強度を向上できない。また、一般に、やまば歯車は、互いに逆の捩れ方向の歯車片が一体に構成されているため、2つのやまば歯車を噛み合わせて、実際に使用すると、製造誤差、組み付け誤差、または駆動力による変形により、軸方向ずれやアライメント誤差が生じる。すなわち、図3(C)において、軸方向に沿って歯車115,123が互いにずれる(図3中、軸方向ずれ)と、一方の歯車115のリブ141と他方の歯車123の斜歯123a,123bとが干渉する可能性もあった。この干渉を回避するために、他方の歯車123における継ぎ目部123dの軸方向に沿った幅を広げると、歯車123における斜歯123a,123bの歯幅が狭くなるため、強度が低下してしまう。
そこで、本発明者は、円周ピッチが互いに等しい2つの歯車片を、互いの歯列を半位相ずらして継ぎ目部を介して一体化したやまば歯車やノブシック歯車について、互いに干渉することなく歯元強度を向上できる技術について鋭意検討を行った。そして、本発明者は、互いに半位相ずれて設けられる歯列において、歯列を構成する斜歯や平歯の継ぎ目部側の側面内から、歯車の噛み合い時に干渉しない範囲に、例えば略三角錐形の裾野部からなる補強部を設ける構成を想到するに至った。以下に説明する一実施形態は、以上の鋭意検討によって案出されたものである。
図4は、一実施形態による歯車装置の一例を示す部分斜視図である。図4に示す例においては、カウンタドライブギヤ15を例に示している。図5は、カウンタドライブギヤ15を例とした斜歯の継ぎ目部側の面および補強部を模式的に示す側面図である。
図4に示すように、一実施形態による歯車装置としてのカウンタドライブギヤ15となる一方の第1歯車40Aは、互いに略同径の第1歯車片15Aと第2歯車片15Bとが、継ぎ目部15dを介して一体成形されて構成されている。第1歯車片15Aの歯列の円周ピッチと、第2歯車片15Bの歯列の円周ピッチとは互いに略等しい。第1歯車片15Aは、例えば左ねじれの第1斜歯15aの歯列を有する。第2歯車片15Bは、例えば右ねじれの第2斜歯15bの歯列を有する。第1歯車片15Aと第2歯車片15Bとは、互いの歯列が円周方向に沿って略半位相ずれて配置されている。半位相ずれているとは、一方の歯車である第1歯車片15Aの歯先15eがある位置に対応する、他方の歯車である第2歯車片15Bの部分が、歯底15cになることを意味する。換言すると、半位相ずれているとは、第1歯車片15Aと第2歯車片15Bとにおいて、軸方向に平行に歯先15eと歯底15cとが並び、互いの歯車片の歯先15eが円周方向に円周ピッチの半分だけずれることを意味する。
第1歯車片15Aと第2歯車片15Bとの間の継ぎ目部15dは、外周径が第1歯車片15Aおよび第2歯車片15Bにおける歯底15cの外周径よりも小さい外周径の溝形状を有する。
第1歯車片15Aにおける第1斜歯15aの継ぎ目部15d側の側面には、補強部41aが設けられている。なお、補強部41aは、第1歯車片15Aの円周に沿った全ての第1斜歯15aに設けても、必要な第1斜歯15aの側面に選択的に設けても良い。図4および図5に示すように、第1斜歯15aに設けられた補強部41aは、第1斜歯15aの継ぎ目部15d側の側面から、第2歯車片15Bの歯底15cの点に向かって集約する形状、具体的に例えば略三角錐形状をなす裾野形状を有する。これにより、略三角錐形状の補強部41aの外形は、第1斜歯15aの歯面より外部に飛び出さないように形成できる。なお、第1歯車片15Aが一方の歯車片、第2歯車片15Bが他方の歯車片を構成する。
同様に、第2歯車片15Bにおける第2斜歯15bの継ぎ目部15d側の側面には、補強部41bが設けられている。なお、補強部41bは、第2歯車片15Bの円周に沿った全ての第2斜歯15bに設けても、必要な第2斜歯15bの側面に選択的に設けても良い。第2斜歯15bに設けられた補強部41bは、第2斜歯15bの継ぎ目部15d側の側面から、第1歯車片15Aの歯底15cの点に向かって集約する形状、具体的に例えば略三角錐形状をなす裾野形状を有する。これにより、略三角錐形状の補強部41bの外形は、第2斜歯15bの歯面より外部に飛び出さないように形成できる。なお、第2歯車片15Bが一方の歯車片、第1歯車片15Aが他方の歯車片を構成する。
ここで、第1斜歯15aおよび第2斜歯15bの継ぎ目部15d側の側面とはそれぞれ、互いに対向する面であって、歯先15eと歯底15cから歯先15eに向かう稜線とを含む形状に囲まれた部分である。また、歯底15cの点とは、それぞれの歯車片(15A,15B)に設けられた斜歯(15a,15b)における継ぎ目部15d側の歯底15cよりも、歯車片の回転中心からの距離が短い点である。換言すると、歯底15cと継ぎ目部15dとの間の面の部分において歯底15cより回転中心に近い位置の点である。これにより、補強部41a,41bはそれぞれ、互いに一方の歯車片に設けられた歯における継ぎ目部15d側の面から、他方の歯車片における歯底15cの点に向かう裾野形状に設けられている。
次に、上述したカウンタドライブギヤ15を構成する第1歯車40Aと同様の構成を有するカウンタドリブンギヤ23を構成する第2歯車40Bとの噛み合い状態について説明する。図6は、歯車装置の噛み合い状態を説明するための円周方向から見たギヤの略線図であり、図6(A)がカウンタドライブギヤ15の歯の部分を示し、図6(B)がカウンタドリブンギヤ23の歯の部分を示し、図6(C)がカウンタドライブギヤ15とカウンタドリブンギヤ23との噛み合い状態を示す。
まず、図6(A)に示すように、例えばカウンタドライブギヤ15を構成する第1歯車40Aは、回転軸OD1を中心に自転可能に構成される。
図6(B)に示すように、例えばカウンタドリブンギヤ23を構成する第2歯車40Bは、第1歯車40Aと外径が異なるはすば歯車から構成され、回転軸OD2を中心に自転可能に構成される。第2歯車40Bは、互いに略同径の第3歯車片23Aと第4歯車片23Bとが、継ぎ目部23dを介して一体成形されている。第3歯車片23Aと第4歯車片23Bとの歯列の円周ピッチは互いに略等しい。第3歯車片23Aは、例えば左ねじれの第3斜歯23aの歯列を有する。第4歯車片23Bは、例えば右ねじれの第4斜歯23bの歯列を有する。第3歯車片23Aと第4歯車片23Bとは、互いの歯列が円周方向に沿って略半位相ずれて配置されている。第3歯車片23Aと第4歯車片23Bとの間の継ぎ目部23dは、外周径が第3歯車片23Aおよび第4歯車片23Bにおける歯底23cの外周径よりも小さい外周径の溝形状を有する。なお、符号23eは、歯先を示す。
第3斜歯23aの継ぎ目部23d側の側面には、補強部42aが設けられている。補強部42aは、第3歯車片23Aの円周に沿った全ての第3斜歯23aに設けても、必要な第3斜歯23aの側面に選択的に設けても良い。第3斜歯23aに設けられた補強部42aは、第3斜歯23aの継ぎ目部23d側の側面から、第4歯車片23Bの歯底23cの点に向かって集約する形状、具体的に例えば略三角錐形状をなす裾野形状を有する。なお、この場合、第3歯車片23Aが一方の歯車片、第4歯車片23Bが他方の歯車片を構成する。同様に、第4斜歯23bの継ぎ目部23d側の側面には、補強部42bが設けられている。補強部42bは、第4歯車片23Bの円周に沿った全ての第4斜歯23bに設けても、必要な第4斜歯23bの側面に選択的に設けても良い。第4斜歯23bに設けられた補強部42bは、第4斜歯23bの継ぎ目部23d側の側面から、第3歯車片23Aの歯底23cの点に向かって集約する形状、具体的に例えば略三角錐形状をなす裾野形状を有する。なお、この場合、第4歯車片23Bが一方の歯車片、第3歯車片23Aが他方の歯車片を構成する。
図6(C)に示すように、第1歯車40Aと第2歯車40Bとを互いに噛み合わせる。この場合、第1歯車40Aにおける左ねじれの第1斜歯15aと、第2歯車40Bにおける右ねじれの第4斜歯23bとが噛み合う。また、半位相ずれて、第1歯車40Aにおける右ねじれの第2斜歯15bと、第2歯車40Bにおける左ねじれの第3斜歯23aとが噛み合う。噛み合い時において、第1斜歯15aの側面に設けられた補強部41aの略三角錐形状の軸方向に沿った斜面が、第3斜歯23aの側面に設けられた補強部42aの斜面と対向する。この場合、補強部41aの斜面は、補強部42aの斜面と対向するため、第3斜歯23aや補強部42aとほとんど干渉することがない。補強部41bと補強部42bとにおいても同様である。さらに、これらが干渉する可能性をより一層低減するために、補強部41a,41b,42a,42bを、対向する斜面どうしが軸方向に沿って所定の隙問(図6中、軸方向変位)が生じるように形成することが望ましい。これにより、補強部41aと補強部42aまたは第3斜歯23aとの干渉、補強部42aと第1斜歯15aとの干渉、補強部41bと補強部42bまたは第4斜歯23bとの干渉、および補強部42bと第2斜歯15bとの干渉を抑制することができる。
以上説明した本発明の一実施形態によれば、分離された2つの歯車片における歯列の位相がずれて構成された1つの歯車装置において、歯の噛み合いによって生じる歯元応力を5〜10%低減でき、歯車装置における歯元強度を5〜10%向上することができる。
以上、本発明の一実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば上述の一実施形態においては、本発明の歯車装置をカウンタドライブギヤ15およびカウンタドリブンギヤ23に適用した例について説明したが、本発明による歯車装置は、カウンタドライブギヤ15やカウンタドリブンギヤ23以外の種々のギヤを構成する歯車に適用することが可能である。
上述の一実施形態においては、第1歯車40Aおよび第2歯車40Bをはすば歯車とした例について説明したが、第1歯車40A,第2歯車40Bとしてノブシック歯車を採用することも可能である。
上述の一実施形態においては、第1歯車40Aおよび第2歯車40Bに補強部41a〜42bを設けているが、駆動歯車に対してのみ補強が必要な場合など、第1歯車40Aおよび第2歯車40Bのうちの駆動歯車側にのみ補強部を設け、従動歯車側に設けない構成にしても良い。
上述の一実施形態においては、例えば第1歯車40Aにおいて、第1斜歯15aの側面と第2斜歯15bの側面との継ぎ目部15dの軸方向に面する両側面に補強部を設けているが、ミスアライメントなどによって一方の歯車片の歯列のみに強化が必要な場合、第1斜歯15aと第2斜歯15bとの一方の側面にのみ補強部を設けてもよく、第2歯車40Bにおいても同様である。
上述の一実施形態においては、補強部41a〜42bを、それぞれの歯車片の円周の全周に沿った全ての歯の側面、または必要な歯の側面に選択的に設けているが、補強部は、歯車片の全周に沿った歯の側面に不均等に設けても良く、補強部の大きさや形状も不均等な大きさや形状にしても良い。
15 カウンタドライブギヤ
15A 第1歯車片
15B 第2歯車片
15a 第1斜歯
15b 第2斜歯
15c,23c 歯底
15d,23d 継ぎ目部
15e,23e 歯先
23 カウンタドリブンギヤ
23A 第3歯車片
23B 第4歯車片
23a 第3斜歯
23b 第4斜歯
40A 第1歯車
40B 第2歯車
41a,41b,42a,42b 補強部

Claims (1)

  1. 歯列の円周ピッチが互いに等しい2つの歯車片と、
    前記2つの歯車片の間に設けられ、外周径が前記歯車片における歯底の外周径よりも小さい継ぎ目部と、を備え、
    前記2つの歯車片における互いの歯車片の歯列が円周方向に沿って略半位相ずれて配置された歯車装置において、
    前記2つの歯車片のうちの少なくとも一方の歯車片の歯における前記継ぎ目部側の面の内側の部分に補強部が設けられ、
    前記補強部が、前記一方の歯車片に設けられた歯における前記継ぎ目部側の面から、他方の歯車片に設けられた歯における前記継ぎ目部側の歯底よりも前記他方の歯車片の回転中心からの距離が短い点に向かう裾野形状に設けられている
    ことを特徴とする歯車装置。
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