JP2018098376A - 反射波シールドによるはんだ付け方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電子部品と金属導体とをはんだ材料ではんだ付けする場合に、金属導体による反射波からコイル状カーボン混載はんだ材料をシールドすることができるはんだ付け方法を提供する。【解決手段】 金属導体63と電子部品52とをはんだ付けするはんだ付け方法であって、金属導体に備えられたザグリ部61の底面61aにコイル状カーボン混載はんだ材料10を塗布し、その後、電磁波86を金属導体に照射することで、コイル状カーボン混載はんだ材料の周囲において、電磁波が、金属導体の表面よりも低いザグリ部の底面でコイル状カーボン混載はんだ材料に到達しない角度で反射しつつコイル状カーボン混載はんだ材料を加熱して溶融することで、金属導体と電子部品とをコイル状カーボン混載はんだ材料ではんだ付けする。【選択図】 図6
Description
本発明は、電子部品と半導体装置などの金属基板の金属導体とをはんだ材料ではんだ付けする場合の、反射波シールドによるはんだ付け方法に関するものである。
近年、パワーデバイスの進化に伴い、大電流又は高温動作に対応したパワーモジュールが必要とされている。大電流に対応した厚銅基板、又は、高放熱を目的とした高熱容量基板には、金属板を主材としたメタルベース基板又はバスバー基板が用いられる。
従来、前記メタルベース基板又はバスバー基板と、電子部品のリードとのはんだ付けには、はんだゴテ又はディップ槽によるフローはんだ付けが用いられているが、メタルベース基板又はバスバー基板は、熱容量が大きく、はんだ付けのために与えた熱が、基板に直ちに拡散してしまうため、熱の拡散を考慮したはんだ付け方法が必要となる。
はんだゴテによるはんだ付けの場合には、はんだ融点以上に十分に加熱したはんだゴテを、メタルベース基板又はバスバー基板と電子部品のリードとに接触させて加熱し、糸はんだを溶融させて、はんだ付けを行う。しかし、はんだゴテによるはんだ付けの場合には、はんだゴテをはんだ溶融温度よりも十分に加熱する必要があり、加熱されたはんだゴテが、メタルベース基板又はバスバー基板のレジストなど基板部分に接触すると、基板が焼けて外観不良となってしまう。
また、フローはんだ付けの場合には、ディップ槽の溶融はんだがバスバーと電子部品のリードとの接続部分に行き渡るにように基板に丸穴を設け、フローはんだ付けを行っている。しかしながら、例えば電解コンデンサのような弱耐熱部品を実装する場合において、バスバーに熱が伝わる際に弱耐熱部品にも熱が伝わることで、弱耐熱部品の破壊又は短寿命化につながる場合がある。さらに、3次元に配線形成された立体構造のバスバー基板に対しては、同一基板内ではんだ付け高さが異なるため、ディップ槽によるフローはんだ付けができない。
図10に特許文献1による金属接合材料の模式図を示す。特許文献1においては、金属部品とセラミック部材とを接合する場合、又は、基板と電子部品とを接合する場合に、高周波誘導加熱による接合が提案されている。図10の金属接合材料141は、接合金属部143と位置決め金属部142とで構成されており、位置決め金属部142は、はんだ付け温度で溶融不能かつ誘導加熱可能な金属を含んでいる。高周波誘導加熱では、発生させた電磁波が、位置決め金属部142内を貫通した際に、誘導電流が位置決め金属部142に発生する。誘導電流によってジュール熱が発生し、位置決め金属部142が加熱されることで、接合金属部143が加熱され、溶融し、はんだ付けが行われる。これにより、高温のはんだゴテを接触させる必要がなく、基板焼けによる外観不良を発生させることがない。また、弱耐熱部品に対するはんだ付けにおいても、誘導加熱による短時間のはんだ付けプロセスが可能となるため、ディップ槽によるフローはんだ付けのように、バスバー基板又はリードを長時間高温に浸けたことによる部品の破壊又は短寿命化を発生させずにはんだ付けが可能となる。
しかしながら、前記従来の構成では、図11の(a)のような金属基板151Aと、部品リード152とを接合する場合、位置決め金属部142を含む接合金属部143以外の金属基板151A上で電磁波が全反射し、図11の(b)に示すように、入射波86とは逆位相の反射波83が位置決め金属部142を貫くため、入射波86により発生した誘導電流153を打ち消す逆方向の誘導電流154が発生し、ジュール熱が発生しなくなるため、位置決め金属部142は加熱されず、接合金属部143が溶融しないため、はんだ付けされないという課題を有している。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、コイル状カーボン混載はんだ材料に電磁波を照射することで、電子部品と金属導体とをはんだ材料ではんだ付けする場合に、金属導体による反射波からコイル状カーボン混載はんだ材料をシールドすることができる、反射波シールドによるはんだ付け方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の1つの態様にかかるはんだ付け方法は、
金属導体と電子部品とをはんだ付けするはんだ付け方法であって、
前記金属導体に備えられたザグリ部の底面にコイル状カーボン混載はんだ材料を塗布し、
その後、電磁波を前記金属導体に照射することで、前記コイル状カーボン混載はんだ材料の周囲において、前記電磁波が、前記金属導体の表面よりも低い前記ザグリ部の前記底面で前記コイル状カーボン混載はんだ材料に到達しない角度で反射しつつ前記コイル状カーボン混載はんだ材料を加熱して溶融することで、前記金属導体と前記電子部品とを前記コイル状カーボン混載はんだ材料ではんだ付けする。
金属導体と電子部品とをはんだ付けするはんだ付け方法であって、
前記金属導体に備えられたザグリ部の底面にコイル状カーボン混載はんだ材料を塗布し、
その後、電磁波を前記金属導体に照射することで、前記コイル状カーボン混載はんだ材料の周囲において、前記電磁波が、前記金属導体の表面よりも低い前記ザグリ部の前記底面で前記コイル状カーボン混載はんだ材料に到達しない角度で反射しつつ前記コイル状カーボン混載はんだ材料を加熱して溶融することで、前記金属導体と前記電子部品とを前記コイル状カーボン混載はんだ材料ではんだ付けする。
以上のように、本発明の前記態様にかかるはんだ付け方法によれば、コイル状カーボン混載はんだ材料に電磁波を照射することで、電子部品と金属導体とをコイル状カーボン混載はんだ材料ではんだ付けする場合に、前記電磁波を前記金属導体に照射することで、前記コイル状カーボン混載はんだ材料の周囲において、前記電磁波が、前記金属導体の表面よりも低い前記ザグリ部の前記底面で前記コイル状カーボン混載はんだ材料に到達しない角度で反射するように構成する。この結果、前記コイル状カーボン混載はんだ材料をシールドして、コイル状カーボン混載はんだ材料の加熱を阻害する金属導体による反射波の発生を抑制し、誘導電流によりジュール熱が発生することで、金属導体上であっても、はんだ付けすることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態におけるはんだ付け方法で使用しているコイル状カーボン混載はんだ材料10の概略図である。
図1は本発明の実施の形態におけるはんだ付け方法で使用しているコイル状カーボン混載はんだ材料10の概略図である。
図1において、コイル状カーボン混載はんだ材料10は、コイル状カーボン11と金属粒子12とフラックス13とで構成される。従来のはんだペーストが金属粒子12とフラックス13で構成されているのに対し、コイル状カーボン混載はんだ材料10は、コイル状カーボン11を混合させ、ペースト化している。
次に、図2は本発明の実施の形態におけるはんだ付け方法に関連した電磁波照射状態の概略図である。ここでは、コイル状カーボン混載はんだ材料10が金属基板151A(例えば図3の(a)に示すような金属基板151A)上でのはんだ付け方法を想定している。
図2を用いて、金属基板151Aからの反射波の影響がない場合、すなわち、基板材料としてガラス又はセラミックといった誘電体を主成分とする基板上における電磁波照射によるコイル状カーボン混載はんだ材料10の加熱原理、及び、はんだ付けプロセスを説明する。
図2において、電磁波21がはんだ材料10に照射された場合、照射された電磁波21の一部が、コイル状カーボン11内を貫通する。電磁波21が貫通したコイル状カーボン11には、誘導加熱の原理により誘導電流22が発生し、誘導電流22によるジュール熱によってコイル状カーボン11が発熱する。コイル状カーボン11に発生した熱は、コイル状カーボン混載はんだ材料10内の金属粒子12に伝わり、金属粒子12の融点以上となったときに、金属粒子12が溶融する。
その後、電磁波21が停止されると、コイル状カーボン11に発生する誘導電流22が消滅し、コイル状カーボン混載はんだ材料10は冷却され始め、金属粒子12は凝固点を超えて冷却され、はんだ付けが完了する。
図3の(a)及び(b)は、本発明の実施の形態における金属基板151A上でのコイル状カーボン混載はんだ材料10が加熱されない状態を示す図及び1つのコイル状カーボン11の状態を示す拡大説明図である。
図3の(a)を用いて、金属基板151Aからの反射波83の影響がある場合の電磁波照射によるコイル状カーボン混載はんだ材料10の加熱原理、及び、はんだ付けプロセスを説明する。
電磁波21は金属基板151A上で全反射するため、金属基板151A上に到達した電磁波21(ここでは、入射波86として表す。)は、入射角31と等しい反射角32で、逆位相の反射波83となる。図3の(a)において、入射波86がコイル状カーボン混載はんだ材料10に照射された場合、図3の(b)のように、照射された入射波86の一部が、コイル状カーボン11内を貫通する。入射波86が貫通したコイル状カーボン11には、誘導加熱の原理により誘導電流22が発生する。一方で、金属基板151Aからの反射波83がコイル状カーボン混載はんだ材料10を貫通した場合、図3の(b)のように、反射波83が貫通したコイル状カーボン11には、誘導加熱の原理により誘導電流22と逆方向の誘導電流34が発生し、互いに打ち消しあうため、ジュール熱が発生せずコイル状カーボン11の発熱が抑制される。このため、コイル状カーボン混載はんだ材料10内の金属粒子12に熱が伝わらず、金属粒子12の温度が上昇しないため、金属粒子12は未溶融となる。
その後、電磁波21が停止され、未溶融状態で、はんだ付けが完了する。
図4は、本発明の実施の形態における反射波の影響がある場合の電磁波加熱によるはんだ材料の温度測定値を示す図である。
図4において、横軸は加熱電力を示し、縦軸はコイル状カーボン混載はんだ材料の温度を示している。温度測定値41は、本発明の実施の形態における反射波の影響がある場合のコイル状カーボン混載はんだ材料10の温度測定値を示している。本実施の形態においては、コイル状カーボン混載はんだ材料10の金属粒子12の組成は、一例として、Sn−Ag−Bi−Inを用いて実験を行っている。一例として、金属粒子12の粒径は直径30μmを平均粒径とするものを使用し、各加熱電力における電磁波の照射時間は、20秒間とした。温度測定値41は、金属基板151A上に照射された電磁波21の反射波83の影響でほとんど上昇しておらず、フラックス13に到達した電磁波21は、電磁誘導の作用によりわずかに加熱される。
図5は、本発明の実施の形態におけるはんだ付け方法で使用する電磁波加熱装置によるはんだ付けの概略図である。
図5において、電磁波加熱装置は、電磁波発生装置55と、出力電力検出装置56と、制御装置57と、温度検出装置58とシールド部材59とを備えている。
電磁波発生装置55は、例えばMHz帯以上の周波数の電磁波を発生させる装置である。
出力電力検出装置56は、電磁波発生装置55に供給される電力を検出して、電磁波発生装置55の出力を制御する。
制御装置57は、温度検出装置58からの検出結果を基に、電磁波発生装置55と出力電力検出装置56との動作をそれぞれ制御する。
温度検出装置58は、コイル状カーボン混載はんだ材料10の温度を測定して、制御装置57に出力する。
シールド部材59は、電磁波がシールド部材59外に漏れるのを防止している。
はんだ付けを行う際に、高熱容量基板54と電子部品52のリード53との接合部に、コイル状カーボン混載はんだ材料10をディスペンス又は印刷により塗布供給し、電磁波加熱装置のシールド部材59内に設置する。
その後、制御装置57の制御の下に、電磁波発生装置55から所定の電磁波をシールド部材59内に発生させ、コイル状カーボン混載はんだ材料10を加熱する。
その後、電磁波加熱装置には、備えられた温度検出装置58でコイル状カーボン混載はんだ材料10の温度を測定し、測定結果を基に制御装置57で出力電力検出装置56を制御する。その結果、出力電力検出装置56によって電磁波発生装置55の出力を制御することで、任意の温度で電磁波の出力を制御しながら、コイル状カーボン混載はんだ材料10を加熱し、電子部品52のリード53と高熱容量基板54とのはんだ付けを行う。
図6の(a)及び(b)は、本発明の実施の形態におけるはんだ付け方法で使用する反射波シールドザグリ部付き金属基板151の概略斜視図及び断面図である。
図6の(a)及び(b)において、反射波シールドザグリ部付き金属基板151は、金属導体63の接合部に対応する位置(言い換えれば、コイル状カーボン混載はんだ材料10を配置する位置)に、例えば円形底面61aを有するザグリ部61を設けた構成である。電磁波は、金属導体63の表面では全反射するため、金属導体63の表面と同一面(すなわち、同一高さの面)にコイル状カーボン混載はんだ材料10が塗布されている場合、コイル状カーボン混載はんだ材料10に反射波83が到達してコイル状カーボン混載はんだ材料10が反射波83の影響を受ける。しかしながら、ザグリ部61の深さ以下の高さでコイル状カーボン混載はんだ材料10を反射波シールド用のザグリ部61の底面61aに塗布した場合は、ザグリ部61内のコイル状カーボン混載はんだ材料10と、ザグリ部61の内側面の端面61bとの距離によっては、ザグリ部61の底面61aで反射した反射波83がコイル状カーボン混載はんだ材料10に到達せず、コイル状カーボン混載はんだ材料10が反射波83の影響を受けにくくなる。これについて、以下に説明する。
図7の(a)及び(b)は、本発明の実施の形態におけるコイル状カーボン混載はんだ材料10と反射波シールドザグリ部端面61bとの距離を異ならせた場合のコイル状カーボン混載はんだ材料10の加熱原理を示す図である。
図7の(a)及び(b)においてコイル状カーボン混載はんだ材料10の高さをHとし、金属基板ザグリ部61の深さをWとし、コイル状カーボン混載はんだ材料10の端面10bから反射点87までの距離をaとし、反射波シールドザグリ部61の端面61bから反射点87までの距離をbとし、入射波86の反射点87における角度をθ1とし、反射波83の反射点87における角度をθ2とする。
図7の(a)は、反射波83がコイル状カーボン混載はんだ材料10の加熱に影響しない場合を示した図である。
図7の(a)において、金属基板ザグリ部61の深さWがコイル状カーボン混載はんだ材料10の高さH以上の場合、すなわち、W≧Hのときに、コイル状カーボン混載はんだ材料10の周囲において入射波86が金属基板ザグリ部61の深さWより高い位置から入射した場合、すなわち、b*tanθ1>Wの場合は、入射波86が金属基板ザグリ部61の近傍の金属導体63の表面で反射されずに、金属基板ザグリ部61の底面61aの反射点87に入射角θ1で到達し、反射点87において反射波83が反射角θ2で発生する。その際、反射波83がコイル状カーボン混載はんだ材料10の高さHより高い位置に向かうように反射した場合、すなわち、a*tanθ2>Hの場合は、反射波83がコイル状カーボン混載はんだ材料10に到達せず、コイル状カーボン混載はんだ材料10の加熱には影響を与えないため、コイル状カーボン混載はんだ材料10の加熱が可能となり、より好ましい。このように、コイル状カーボン混載はんだ材料10の周囲において、金属導体63に照射する電磁波86が、金属導体63の表面よりも低いザグリ部61の底面61aでコイル状カーボン混載はんだ材料10に到達しない角度で反射させるように構成すれば、コイル状カーボン混載はんだ材料10をシールドしつつコイル状カーボン混載はんだ材料10を加熱して溶融することができる。よって、コイル状カーボン混載はんだ材料10の加熱を阻害する金属導体63による反射波83の発生を抑制し、誘導電流によりジュール熱が発生することで、金属導体63上であっても、はんだ付けすることが可能となる。
これに対して、図7の(b)において、金属基板ザグリ部61の深さWよりコイル状カーボン混載はんだ材料10の高さHが高い場合、すなわち、W<Hのときに、コイル状カーボン混載はんだ材料10の周囲において入射波86が金属基板ザグリ部61の深さWより高い位置から入射した場合、すなわち、b*tanθ1>Wの場合は、入射波86が金属導体63の表面で反射されずに、金属基板ザグリ部61の底面61aの反射点87に入射角θ1で到達し、反射点87において反射波83が反射角θ2で発生する。その際、反射波83がコイル状カーボン混載はんだ材料10の高さHより低い位置に向けて反射した場合、すなわち、a*tanθ2<Hの場合は、反射波83がコイル状カーボン混載はんだ材料10に到達する。また、金属基板ザグリ部61の近傍の金属導体63の表面で反射した反射波83もコイル状カーボン混載はんだ材料10に到達する。このため、これらの反射波83は、コイル状カーボン混載はんだ材料10の加熱に悪影響を与える。よって、コイル状カーボン混載はんだ材料10の加熱に悪影響を与えないためには、金属基板ザグリ部61の深さWがコイル状カーボン混載はんだ材料10の高さH以上の場合、すなわち、W≧Hであることが好ましい。
また、金属基板ザグリ部61の端面61bとザグリ部61の底面61asで構成される角度、すなわち、ザグリ角度θ3が90°より小さい場合、ザグリ部端面61bで発生した反射波83も、コイル状カーボン混載はんだ材料10に到達してコイル状カーボン混載はんだ材料10の加熱に影響を与えるため、ザグリ角度θ3は90°以上であることが、より好ましい。
図8は、図7の原理に基づき、本発明の実施の形態におけるコイル状カーボン混載はんだ材料10と金属基板ザグリ部端面61bとの距離が異なる場合の加熱影響指数を示した図である。
図8において、コイル状カーボン混載はんだ材料10の高さHを0.4mm、金属基板ザグリ部深さWを0.5mm、コイル状カーボン混載はんだ材料10と金属基板ザグリ部端面61bとの間の距離すなわち(a+b)を0.3mm、0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、3mm、5mmと異なる場合の加熱影響指数で、コイル状カーボン混載はんだ材料10と金属基板ザグリ部端面61bとの間の距離(a+b)が0mmを越えて2mm(図8の縦線91を参照)以下の場合では、反射波83のコイル状カーボン混載はんだ材料10の加熱への影響が少ないため、コイル状カーボン混載はんだ材料10の加熱が可能となり、より好ましいことがわかる。
図9は、本発明の実施の形態におけるコイル状カーボン混載はんだ材料10と金属基板ザグリ部端面61bとの間の距離(a+b)が異なる場合のコイル状カーボン混載はんだ材料10の加熱特性を示す図である。
図9において、横軸は加熱電力を示し、縦軸はコイル状カーボン混載はんだ材料10の到達温度指数を示している。コイル状カーボン混載はんだ材料10の高さHを0.4mm、金属基板ザグリ部深さWを0.5mm、コイル状カーボン混載はんだ材料10と金属基板ザグリ部端面61bとの間の距離(a+b)を0mm、2mm、3mmの状態で塗布されている。これらの場合の到達温度指数は、距離が0mmのときはグラフ101で示し、距離が2mmのときはグラフ102で示し、距離が3mmのときはグラフ103で示している。また、ザグリ部61のない場合の到達温度指数は、グラフ104である。
従って、図7の原理と同様に、コイル状カーボン混載はんだ材料10と金属基板ザグリ部端面61bとの間の距離(a+b)が0mmを越えて2mm以下の場合は、反射波83が与える到達温度への影響が少ないため、コイル状カーボン混載はんだ材料10の加熱が可能となり、より好ましいことがわかる。
本実施の形態によれば、コイル状カーボン混載はんだ材料10に電磁波86を照射することで、電子部品52と金属導体63とをコイル状カーボン混載はんだ材料10ではんだ付けする場合に、電磁波86を金属導体63に照射することで、コイル状カーボン混載はんだ材料10の周囲において、電磁波86が、金属導体63の表面よりも低いザグリ部61の底面61aでコイル状カーボン混載はんだ材料10に到達しない角度で反射するように、コイル状カーボン混載はんだ材料10をシールドして、コイル状カーボン混載はんだ材料10の加熱を阻害する金属導体63による反射波83の発生を抑制し、誘導電流によりジュール熱が発生することで、金属導体63上であっても、はんだ付けすることが可能となる。
なお、本実施の形態では、金属粒子12に組成がSn−Ag−Bi−Inのものを用いたが、公知のはんだ材料を用いても同様の効果を得ることができる。また、ザグリ部61においても、本実施の形態で用いた形状に限定するものではない。
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
本発明の前記態様に係るはんだ付け方法は、コイル状カーボン混載はんだ材料に電磁波を照射することで電子部品と金属導体とをはんだ材料ではんだ付けする場合に、コイル状カーボン混載はんだ材料の周囲において、電磁波が、金属導体の表面よりも低いザグリ部の底面でコイル状カーボン混載はんだ材料に到達しない角度で反射するようにコイル状カーボン混載はんだ材料をシールドして、コイル状カーボン混載はんだ材料の加熱を阻害する金属導体による反射波の発生を抑制しつつ電磁波を用いた局所加熱によるはんだ付けを行うことが可能であり、大電流対応の厚銅基板又は高熱容量基板だけでなく、はんだゴテ又はフローはんだ付けが困難な3次元基板へのはんだ付け又は、弱耐熱部品へのはんだ付けに対して、特に有用である。
10:コイル状カーボン混載はんだ材料
10b:コイル状カーボン混載はんだ材料の端面
11:コイル状カーボン
12:金属粒子
13:フラックス
21:電磁波
22:誘導電流
31:入射角
32:反射角
34:逆方向誘導電流
52:電子部品
53:リード
54:高熱容量基板
55:電磁波発生装置
56:出力電力検出装置
57:制御装置
58:温度検出装置
59:シールド部材
61:ザグリ部
61a:ザグリ部の底面
61b:ザグリ部の端面
63:金属導体
83:反射波
86:入射波
87:反射点
91:コイル状カーボン混載はんだ材料と反射波シールドザグリ部端面との距離が2mmの場合の縦線
101:コイル状カーボン混載はんだ材料と反射波シールドザグリ部端面との距離0mmの場合の到達温度指数のグラフ
102:コイル状カーボン混載はんだ材料と反射波シールドザグリ部端面との距離2mmの場合の到達温度指数のグラフ
103:コイル状カーボン混載はんだ材料と反射波シールドザグリ部端面との距離3mmの場合の到達温度指数のグラフ
104:ザグリ部のない場合の到達温度指数のグラフ
141:金属接合材料
142:位置決め金属部
143:接合金属部
151:金属基板
152:部品リード
a:コイル状カーボン混載はんだ端面から反射点までの距離
b:反射波シールドザグリ部端面から反射点までの距離
H:コイル状カーボン混載はんだ高さ
W:金属基板ザグリ部深さ
θ1:反射波の反射点における角度
θ2:入射波の反射点における角度
θ3:ザグリ部角度
10b:コイル状カーボン混載はんだ材料の端面
11:コイル状カーボン
12:金属粒子
13:フラックス
21:電磁波
22:誘導電流
31:入射角
32:反射角
34:逆方向誘導電流
52:電子部品
53:リード
54:高熱容量基板
55:電磁波発生装置
56:出力電力検出装置
57:制御装置
58:温度検出装置
59:シールド部材
61:ザグリ部
61a:ザグリ部の底面
61b:ザグリ部の端面
63:金属導体
83:反射波
86:入射波
87:反射点
91:コイル状カーボン混載はんだ材料と反射波シールドザグリ部端面との距離が2mmの場合の縦線
101:コイル状カーボン混載はんだ材料と反射波シールドザグリ部端面との距離0mmの場合の到達温度指数のグラフ
102:コイル状カーボン混載はんだ材料と反射波シールドザグリ部端面との距離2mmの場合の到達温度指数のグラフ
103:コイル状カーボン混載はんだ材料と反射波シールドザグリ部端面との距離3mmの場合の到達温度指数のグラフ
104:ザグリ部のない場合の到達温度指数のグラフ
141:金属接合材料
142:位置決め金属部
143:接合金属部
151:金属基板
152:部品リード
a:コイル状カーボン混載はんだ端面から反射点までの距離
b:反射波シールドザグリ部端面から反射点までの距離
H:コイル状カーボン混載はんだ高さ
W:金属基板ザグリ部深さ
θ1:反射波の反射点における角度
θ2:入射波の反射点における角度
θ3:ザグリ部角度
Claims (4)
- 金属導体と電子部品とをはんだ付けするはんだ付け方法であって、
前記金属導体に備えられたザグリ部の底面にコイル状カーボン混載はんだ材料を塗布し、
その後、電磁波を前記金属導体に照射することで、前記コイル状カーボン混載はんだ材料の周囲において、前記電磁波が、前記金属導体の表面よりも低い前記ザグリ部の前記底面で前記コイル状カーボン混載はんだ材料に到達しない角度で反射しつつ前記コイル状カーボン混載はんだ材料を加熱して溶融することで、前記金属導体と前記電子部品とを前記コイル状カーボン混載はんだ材料ではんだ付けする、はんだ付け方法。 - 前記コイル状カーボン混載はんだ材料を塗布するとき、前記コイル状カーボン混載はんだ材料の高さは、前記ザグリ部の前記底面から前記金属導体の表面までの深さ以下であるように前記コイル状カーボン混載はんだ材料を塗布し、
前記電磁波を前記金属導体に照射するとき、前記電磁波が、前記高さの前記コイル状カーボン混載はんだ材料に到達しない角度で、前記ザグリ部の前記底面で反射する、請求項1に記載のはんだ付け方法。 - 前記コイル状カーボン混載はんだ材料を塗布するとき、前記ザグリ部の端面と前記コイル状カーボン混載はんだ材料の端面との間の距離は、0mmより大きくかつ2mm以下であるように前記コイル状カーボン混載はんだ材料を塗布し、
前記電磁波を前記金属導体に照射するとき、前記電磁波が、前記ザグリ部の前記端面から前記距離だけ前記端面が離れた前記コイル状カーボン混載はんだ材料に到達しない角度で、前記ザグリ部の前記底面で反射する、
請求項1又は2に記載のはんだ付け方法。 - 前記コイル状カーボン混載はんだ材料を塗布するとき、前記ザグリ部の端面と前記ザグリ部の前記底面とで構成される角度は90°以上である前記ザグリ部の前記底面に前記コイル状カーボン混載はんだ材料を塗布し、
前記電磁波を前記金属導体に照射するとき、前記電磁波が、前記コイル状カーボン混載はんだ材料に到達しない角度で、前記ザグリ部の前記角度の前記端面で反射する、
請求項1〜3のいずれか1つに記載のはんだ付け方法。
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JP2016242158A JP2018098376A (ja) | 2016-12-14 | 2016-12-14 | 反射波シールドによるはんだ付け方法 |
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- 2016-12-14 JP JP2016242158A patent/JP2018098376A/ja active Pending
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