JP2018096742A - シロキサン除去材、シロキサン類を除去する方法、フィルター、ガスセンサーおよびガス検出装置。 - Google Patents
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Abstract
Description
基材に微粒子を添着させてなるシロキサン除去材であって、
前記微粒子は、金属酸化物または半金属の酸化物であり、かつ酸修飾されており、
前記基材は、金属酸化物または半金属の酸化物であり、かつ疎水性でない点にある。
前記シロキサン除去材は疎水性ではなく、
基材に微粒子を添着させてなるシロキサン除去材であって、
前記微粒子は、金属酸化物または半金属の酸化物であり、かつ酸修飾されており、
前記基材は、金属酸化物または半金属の酸化物である点にある。
酸修飾の酸としては様々なものを用い得るが、スルホン酸基修飾が好ましい。具体的には次の式(1)で表される官能基で修飾されることが好ましい。
HOS(=O)2−R−Si(CH3)n(−O−)3−n(1)
{式中、Rは炭素数1〜10のアルキレン基(本アルキレン鎖中に、ウレタン結合又はウレア結合を含有していても良い)であり、nは0又は1を表す。}
すなわち、微粒子を含むゾルに、化学的にスルホン酸基に変換できる官能基を有する下記式(SC1)または(SC2)で表されるシランカップリング剤を添加して金属酸化物ゾル上のシラノールと上記シランカップリング剤を反応させた後、チオール基をスルホン酸基に変換する方法によって得られる。
(Y−)3-n(CH3)Si−R−S−S−R−Si(CH3)n(−Y)3-n・・(SC2)
これらのうち好ましいのは、アルコール系溶媒であり、これらの溶媒は1種又は2種以上で使用できる。
反応温度も限定されないが、常温(約20℃)から沸点が好ましい。
反応時間も限定されないが、10分から48時間が好ましく、6時間から24時間が特に好ましい。
過酸化物は前段階の製造工程(金属酸化物ゾルに化学的にスルホン酸基に変換できる官能基を有するシランカップリング剤を結合させる工程)の中に一度に或は分割して投入することが出来る。
反応温度も限定されないが、常温(約20℃)から沸点が好ましい。
反応時間も限定されないが、10分から48時間が好ましく、6時間から24時間が特に好ましい。
本実施形態に係るシロキサン除去材は、上述のスルホン酸基修飾金属酸化物ゾル(酸修飾された微粒子)を基材に添着させて構成される。
疎水化度(%)={メタノールの導入量(cc)×100}/{50+メタノール導入量(cc)}
ここで、メタノールの導入量とは、シリカが完全に沈んだことが確認できた時点までに導入したメタノール量のことである。
バインダー成分としては、基材を適当な形状(例えば、粒状、シート状、ハニカム状など)に賦形又は成形できればよく、例えば、セピオライト、ゼオライト、アタパルジャイト、タルク、モンモリロナイトなどの無機粘土鉱物、フェノール系樹脂、ピッチ系樹脂などの結合剤に限らず、繊維成分なども含まれる。これらのバインダー成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用でき、必要により、結合剤と繊維成分とを組み合わせて用いてもよい。
被処理流体(又は被処理ガス)は、加圧してシロキサン除去材と接触させてもよいが、通常、被処理流体(又は被処理ガス)の処理は常圧で行われる。吸着処理は、例えば、温度0〜100℃(好ましくは10〜50℃、さらに好ましくは15〜35℃)程度で行うことができる。
このようなガスセンサによる検知成分は、ガスセンサの用途に応じて選択できるが、シロキサン除去材は、検知成分(メタン、プロパン、ブタン等)を吸着することなく、シロキサン類を選択的に効率よく吸着する。そのため、ガスセンサのフィルターをシロキサン除去材で構成すると、シロキサン類の通過又は透過を長期間に亘り抑制でき、被検知成分に対する検知応答性を低下させることなく、誤警報の発生を防止できる。なお、ガスセンサとしては、被検知成分の種類に応じて選択でき、一酸化炭素では、慣用のガスセンサ(例えば、接触燃焼式、半導体式、電気化学式ガスセンサ)、メタン、プロパン、ブタンなどの可燃性成分では、慣用のガスセンサ(例えば、接触燃焼式、半導体式ガスセンサ)などが利用できる。
ガスセンサーの構造は、図2に示すように、加熱手段としての膜状ヒーター2を備えた絶縁基板3(例えばアルミナ基板)上に、膜状酸化物半導体(例えば酸化スズ)からなる感応層4を備えると共に、この感応層4を覆うように、触媒層5を設けて形成される。この感応層4の両端部には、この層4の抵抗値の変化を検出するための一対の電極6(6a,6b)が設けられる。
LPガス検出を目的とした場合、酸化物半導体として、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化鉄から選ばれる一つ以上の金属酸化物またはその混合物あるいは固溶体を用いることが好ましい。とりわけLPガス感度が大きく発現する酸化スズが好ましい。金属酸化物として酸化スズを用いた場合は、柱状構造粒子は5〜20nm程度の微細結晶の集合体(2次粒子)として形成される。
酸化物半導体の形態としては、LPガスに対する感度を大きくするため、酸化物半導体を膜状とし、径0.005〜0.5μmの柱状構造粒子の集合体として形成されていることが好ましい。ここで、径が0.005μmより大きいと酸化物半導体の抵抗値が小さくなり、抵抗検出が容易である。一方、径が0.5μmより小さいと、緻密構造では無いため、柱状構造をとる感度増大の効果を得やすい。
触媒層における触媒の担体成分としてアルミナ、酸化チタン、ジルコニア、シリカから選ばれる一つ以上の金属酸化物またはその混合物あるいは固溶体を用いることが好ましい。
触媒としては、パラジウムや白金が好ましく用いられる。
さて、電圧出力VoutはA/D変換器14によりA/D変換し、この様にして得られるデジタルデーターに基づいて、採用されているガスセンサーの感度特性(抵抗値またはこれに基づく電圧出力と検出対象ガスのガス濃度との関係を示す感度特性)から、ガス濃度を求める。一方、ガス濃度あるいは抵抗値は、予め設定される閾値と比較され、これが閾値を越えた場合に、ガスが検出された等の警報を発生するものとする。この操作は、マイクロプロセッサー15によって行われる。さらに、処理された情報は、濃度表示手段17、警報発生、表示手段16等に送られ、外部出力される。本願にあっては、マイクロプロセッサー15、表示手段16、17等を纏めて出力手段と称する。この例の場合は、検出対象ガスとしてのLPガスの濃度、警報が、本願にいうガス情報となる。このようなガス情報としては、ガスの有無のみを示す情報も含まれる。
このようにして、ガス検出装置を構成することができる。
このように、ガスセンサーにおける検出対象ガスとの接触による抵抗値の変化を電気的出力として取り出す構成としては、公知の任意の構成を採用でき、例えば、ブリッジ回路の一片にガスセンサーの抵抗を用いる構成や、定電流源を利用し電圧を検出する構成等も採用できる。図3には、A/D変換器14を用いた回路を示したが、オペアンプ等を用いたアナログデーターに基づいて濃度表示手段、警報発生、表示手段等により外部出力してもよい。また、ここでは、抵抗値の変化を出力として取り出す構成としたが、電流値、電圧値、温度等、他の特性の変化を出力として取り出す構成としてもよい。
3−(トリメトキシシリル)プロパン−1−チオール(チッソ製S810)6g(30.6mmol)、エタノール204g、水29g、オルガノシリカゾル(日産化学製、30%メタノール溶液)21g(シリカゾル6.3g相当)、を混合し、バス温90℃で一晩加熱還流した。30%過酸化水素水21g(185mmol)を加えさらに一晩加熱還流した。得られたスルホン酸基修飾シリカゾル分散液(酸修飾された微粒子の分散液)の重量は223gであった。
キャリアクトQ−30(シリカ、基材)20gをエタノール200mLに懸濁し、上記のスルホン酸基修飾シリカゾル分散液66.8gを加え室温で一晩攪拌して微粒子を添着した。スルホン酸基修飾シリカゾル(酸修飾された微粒子)の添着量は0.400mmol/gであった。
なおキャリアクトQ−30は疎水性でなく、かつ、親水性である。キャリアクトQ−30の疎水化度は、測定の結果、基材および微粒子添着後のいずれも場合も15%であった。キャリアクトQ−30の比表面積は100m2/gであり、細孔径は30μmである。
実施例1と同条件で、スルホン酸基修飾シリカゾル分散液を得た。
キャリアクトQ−6(シリカ、基材)20gをエタノール200mLに懸濁し、上記のスルホン酸基修飾シリカゾル分散液66.8gを加え室温で一晩攪拌して微粒子を添着した。スルホン酸基修飾シリカゾル(酸修飾された微粒子)の添着量は0.400mmol/gであった。
なおキャリアクトQ−6は疎水性でなく、かつ、親水性である。キャリアクトQ−6の疎水化度は、測定の結果、基材および微粒子添着後のいずれも場合も10%であった。キャリアクトQ−6の比表面積は450m2/gであり、細孔径は6μmである。
実施例1と同条件で、スルホン酸基修飾シリカゾル分散液を得た。
キャリアクトQ−3(シリカ、基材)20gをエタノール200mLに懸濁し、上記のスルホン酸基修飾シリカゾル分散液66.8gを加え室温で一晩攪拌して微粒子を添着した。スルホン酸基修飾シリカゾル(酸修飾された微粒子)の添着量は0.400mmol/gであった。
なおキャリアクトQ−3は疎水性でなく、かつ、親水性である。キャリアクトQ−3の疎水化度は、測定の結果、基材および微粒子添着後のいずれも場合も10%であった。キャリアクトQ−3の比表面積は550m2/gであり、細孔径は3μmである。
実施例1と同条件で、スルホン酸基修飾シリカゾル分散液を得た。
ODS−A(疎水性シリカ、基材)20gをエタノール200mLに懸濁し、上記のスルホン酸基修飾シリカゾル分散液66.8gを加え室温で一晩攪拌して微粒子を添着した。スルホン酸基修飾シリカゾル(酸修飾された微粒子)の添着量は0.400mmol/gであった。
ODS−Aの疎水化度は、測定の結果、65%であった。
実施例1と同条件で、スルホン酸基修飾シリカゾル分散液を得た。
サイロホ−ビック505(疎水性シリカ、基材)20gをエタノール200mLに懸濁し、上記のスルホン酸基修飾シリカゾル分散液66.8gを加え室温で一晩攪拌して微粒子を添着した。スルホン酸基修飾シリカゾル(酸修飾された微粒子)の添着量は0.400mmol/gであった。
サイロホ−ビック505の疎水化度は、測定の結果、基材および微粒子添着後のいずれも場合も65%であった。サイロホ−ビック505の比表面積は700m2/gであり、細孔径は6μmである。
ゼオライト(比較例3、疎水化度10%)およびシリカ(比較例4、疎水化度20%)を微粒子添着せずにそのまま使用した。なおゼオライトは疎水性でなく、かつ親水性である。シリカは疎水性でなく、かつ親水性である。
実施例1〜3および比較例1〜4の試料をフィルタ材として筒の内部に設置し、フィルタ材の一方から試験ガスを常圧で接触させ、フィルタ材の他方で透過する試験ガスを測定した。試験は30℃50%RH雰囲気中で行った。まず、100ppmのD4(シロキサンの環状4量体(又は8員環シロキサン)[(CH3)2SiO]4)をフィルタ材の一方に3日間常圧で接触させ、その後に250ppbのD4をフィルタ材の一方に2日間常圧で接触させ、フィルタ材の他方で透過するD4の濃度を測定した。結果を表1に示す。
試験1と同様に、実施例1〜3および比較例1〜4の試料をフィルタ材として筒の内部に設置し、フィルタ材の一方から試験ガスを常圧で接触させ、フィルタ材の他方で透過する試験ガスを測定した。試験は30℃の恒温槽の内部で行った。100ppmのD4をフィルタ材の一方に常圧で接触させ、フィルタ材の他方に透過するD4の濃度を測定した。測定を1日に1回行い、破過してD4が測定されるまでの日数を観測した。試験2の結果は表1に示されている。
2 :膜状ヒーター
3 :絶縁基板
4 :感応層
5 :触媒層
6 :電極
10 :定電圧源
13 :端子
14 :A/D変換器
15 :マイクロプロセッサー
16 :表示手段
17 :濃度表示手段
Claims (10)
- 基材に微粒子を添着させてなるシロキサン除去材であって、
前記微粒子は、金属酸化物または半金属の酸化物であり、かつ酸修飾されており、
前記基材は、金属酸化物または半金属の酸化物であり、かつ疎水性でないシロキサン除去材。 - 前記基材が親水性である請求項1に記載のシロキサン除去材。
- 基材に微粒子を添着させてなるシロキサン除去材であって、
前記シロキサン除去材は疎水性ではなく、
前記微粒子は、金属酸化物または半金属の酸化物であり、かつ酸修飾されており、
前記基材は、金属酸化物または半金属の酸化物であるシロキサン除去材。 - 親水性である請求項3に記載のシロキサン除去材。
- 前記基材の比表面積が300m2/g以上である請求項1から4のいずれか1項に記載のシロキサン除去材。
- 前記基材がシリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニアのいずれかである請求項1〜5のいずれか1項に記載のシロキサン除去材。
- シロキサン類を含む被処理流体を、請求項1〜6のいずれかに記載のシロキサン除去材と接触させ、シロキサン類を除去する方法。
- ガスセンサーの上流側に配設されるフィルターであって、請求項1〜6のいずれかに記載のシロキサン除去材を含むフィルター。
- 請求項8に記載のフィルターを配設した、ガスセンサー。
- 請求項9に記載のガスセンサーを備え、前記ガスセンサーの特性の変化を電気的出力として検出する検出回路を備え、前記検出回路により検出される前記電気的出力に基づいて、検知対象ガスに関係したガス情報を出力する出力手段を備えたガス検出装置。
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竹内雅人 他: "酸化物表面の親水性・疎水性と表面濡れ性の評価", 表面科学, vol. 30, no. 3, JPN6020016390, 2009, pages 148 - 156, ISSN: 0004266762 * |
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