JP2018096242A - 燃圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械式供給ポンプが要求噴射量分の燃料をより確実に吐出することができるとともに、エミッションの悪化、及び燃費の悪化を抑制可能な燃圧制御装置を提供する。【解決手段】内燃機関(10)の燃焼に供する燃料を噴射する燃料噴射弁(12)と、内燃機関の駆動力により内燃機関の回転速度に応じた回転速度で駆動され、燃料の圧力である燃圧が目標燃圧となるように制御した上で燃料を燃料噴射弁に供給する機械式供給ポンプ(11)と、を備える内燃機関に適用される燃圧制御装置(14)であって、燃料噴射弁により噴射させるように要求される要求噴射量と、内燃機関の回転速度と、に基づいて、目標燃圧の上限値を設定する設定部と、設定部により設定された上限値を上限として目標燃圧を制限する制限部と、を備える燃圧制御装置。【選択図】 図1

Description

エンジンによって直接駆動される高圧ポンプから供給される燃料の燃圧を制御する燃圧制御装置に関する。
従来より、内燃機関の燃焼に用いる燃料を加圧し、加圧した燃料を燃料噴射弁に供給する高圧ポンプを備えた燃料供給装置が知られている。この高圧ポンプは、エンジンによって直接駆動するものと、電動モータで駆動するものの二種類が存在する。
電動モータで駆動する高圧ポンプとしては、例えば特許文献1に記載の高圧ポンプが挙げられる。特許文献1では、エンジンが所定以上の高出力運転状態となっている間は、高圧ポンプ(燃料ポンプに該当)を駆動制御することで維持される燃料圧力値(以降、燃圧と呼称)が通常運転用の圧力よりも所定レベル低い圧力になるように、高圧ポンプの駆動を制御する技術が開示されている。そして、特許文献1に開示される制御を実施することで、燃料噴射弁(インジェクタに該当)からの燃料噴射量を増加させることが可能となり、エンジンの最大要求流量に対応する燃料噴射量を確保するのに、従来の燃料供給装置よりも最大燃料吐出能力の小さな小型の高圧ポンプでも対応できるとしている。
特開2007−309199号公報
ところで、エンジンによって直接駆動される高圧ポンプは、エンジンの回転速度に依存して制御可能な最大燃圧が変化する。つまり、エンジンによって直接駆動される高圧ポンプは、電動モータにより駆動される高圧ポンプと異なり、所望の燃圧の燃料を安定して供給できるわけではない。したがって、エンジンによって直接駆動される高圧ポンプに対して特許文献1に記載の技術を適用すると、エンジンが所定以上の高出力運転状態となっている期間中に、エンジンの回転速度が低くなり、それに伴って高圧ポンプから供給される燃圧が低くなった場合に、その燃圧に対して所定レベル低い燃圧になるよう制御される状況が生じうる。この際、高圧ポンプから供給される燃料の燃圧が過剰に低くなり、燃料噴射弁より要求噴射量分の燃料が噴射されるまでの噴射時間が長くなることが考えられる。この場合、燃料噴射弁より噴射された燃料が点火プラグに生じた放電により着火されるまでの、燃料が燃焼室内に拡散したり気化したりする時間が十分に取れず、その結果、燃料の燃焼状態が悪化し、ひいてはエミッションの悪化、燃費の悪化を招くおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、機械式供給ポンプが要求噴射量分の燃料をより確実に吐出することができるとともに、エミッションの悪化、及び燃費の悪化を抑制可能な燃圧制御装置を提供することにある。
本発明は、内燃機関の燃焼に供する燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記内燃機関の駆動力により前記内燃機関の回転速度に応じた回転速度で駆動され、前記燃料の圧力である燃圧が目標燃圧となるように制御した上で前記燃料を前記燃料噴射弁に供給する機械式供給ポンプと、を備える内燃機関に適用される燃圧制御装置であって、前記燃料噴射弁により噴射させるように要求される要求噴射量と、前記内燃機関の回転速度と、に基づいて、前記目標燃圧の上限値を設定する設定部と、前記設定部により設定された前記上限値を上限として前記目標燃圧を制限する制限部と、を備える。
機械式供給ポンプにより、内燃機関の燃焼に用いる燃料が加圧され、加圧された燃料が燃料噴射弁に供給される。このとき、機械式供給ポンプ内で加圧された燃料の圧力(以降、燃圧と呼称)が高いほど、機械式供給ポンプ内の燃料を燃料噴射弁に供給するために大きな力が必要となる。機械式供給ポンプ内で加圧された燃料の燃圧は、燃料噴射弁に供給される燃料の燃圧と同等であることから、燃料噴射弁に供給される燃料の燃圧が高いほど、機械式供給ポンプ内の燃料を燃料噴射弁に供給するために大きな力が必要となると換言することができる。よって、機械式供給ポンプ内の燃料を燃料噴射弁に供給するための力の大きさが一定である場合、燃料噴射弁に供給される燃料の燃圧が高いほど、機械式供給ポンプが燃料噴射弁に向けて吐出する燃料の最大吐出量は少なくなる。機械式供給ポンプ内の燃料を燃料噴射弁に供給するための力は、内燃機関の駆動力に依存することを考慮すると、燃料噴射弁に供給される燃料の燃圧が高い状態では、機械式供給ポンプが吐出可能な最大吐出量が、燃料噴射弁により噴射させるように要求される要求噴射量よりも少なくなる場合が生じうる。
この対策として、機械式供給ポンプの吐出量が要求噴射量以上となるように燃圧を低下させる制御が考えられる。ただし、機械式供給ポンプでは、内燃機関の駆動力、ひいては内燃機関の回転速度に依存して機械式供給ポンプの吐出量も変化することになるので、機械式供給ポンプでは、要求噴射量のみならず内燃機関の回転速度も考慮して燃料噴射弁に供給される燃料の燃圧を制御する必要がある。
したがって、機械式供給ポンプを備える内燃機関に適用される本燃圧制御装置には、設定部が備わっており、設定部により要求噴射量と、内燃機関の回転速度と、に基づいて、目標燃圧の上限値が設定される。そして、設定部により設定された上限値を上限として制限部により目標燃圧が制限される。これにより、要求噴射量が機械式供給ポンプの最大吐出量よりも多くなる状況であっても、上限値を上限として目標燃圧が制限されることで、機械式供給ポンプの吐出量を増加させることができる。また、上限値を上限として目標燃圧が制限されるということは、目標燃圧が上限値よりも低い場合には、目標燃圧がそれ以上低く変更されることはない。これにより、目標燃圧を必要以上に下げることが抑制されるため、燃料噴射弁による燃料の噴射時間が過剰に短くなる可能性は低い。よって、燃料噴射弁より噴射された燃料が着火されるまでの、燃料が燃焼室内に拡散したり気化したりする時間が短縮される可能性を低く抑えることができ、その結果、燃料の燃焼状態の悪化を抑制する事ができる。ひいては、エミッションや燃費の悪化を抑制することができる。
本実施形態に係る燃圧制御システムの概略構成図である。 エンジンの回転速度と、燃圧と、燃料ポンプの最大吐出量と、の関係を示す図である。 上限値の設定方法を示した図である。 目標燃圧が上限値に制限された場合の噴射開始時期の設定方法を示した模式図である。 本実施形態に係るECUにより実施される制御フローチャートである。 エンジンの回転速度と、燃温と、燃料ポンプの最大吐出量と、の関係を示す図である。 燃圧制御系統の異常判定方法を示す模式図である。 本燃圧制御を実施している期間中において図7に示す異常判定を実施する場合に行われる処理を示した図である。 別例に係るECUにより実施される制御フローチャートである。 図8に係る処理の別例を示した図である。
図1に示すように、本実施形態にかかる燃圧制御システムは、内燃機関であるエンジン10と、燃料ポンプ11と、筒内噴射弁12と、燃料配管13と、ECU14が備わっている。
エンジン10に備わる図示しないクランク軸の回転に伴って駆動される機関駆動式の燃料ポンプ11によって、図示しない燃料タンク内の燃料が汲み上げられる。したがって、燃料ポンプ11は、機械式供給ポンプに該当する。
燃料ポンプ11には、調量弁11Aが備わっている。本実施形態において、調量弁11Aは、常閉式の電磁ソレノイド弁にて構成されていることを想定しており、この電磁ソレノイドの通電によって弁開度が調節され、燃料ポンプ11に吸入される燃料の調量が行われる。この調量弁11Aの開度を調整することにより燃料ポンプ11による筒内噴射弁12への燃料の圧送量が調整され、筒内噴射弁12に供給される燃料の燃圧を所望とする圧力に調整する。
燃料ポンプ11により高圧化された燃料は、燃料配管13を介して筒内噴射弁12に供給される。この燃料配管13には、燃料の圧力(燃圧)を検出するための燃圧センサ13Aと、燃料の温度(燃温)を検出するための燃温センサ13Bが設けられている。
エンジン10には、筒内噴射弁(燃料噴射弁に該当)12が設けられており、筒内噴射弁12は、燃料ポンプ11により供給された高圧燃料を、エンジン10に備わる図示しない燃焼室内(気筒内)に直接噴射する筒内燃料噴射を実施する。
エンジン10には、エンジン10の回転に伴い所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)矩形状のクランク角信号をECU14に出力するクランク角度センサ10Aが取り付けられている。
本制御システムは、エンジン制御の中枢をなすECU(電子制御装置)14を備えている。このECU14は、周知の通りCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成されている。ECU14は、クランク角度センサ10A等の各種センサの出力に基づいて取得したエンジン10の運転状態に応じて、ROMに記憶された筒内噴射弁12を含む各部の動作を制御する制御プログラムを実施することで、エンジン運転状態に応じてエンジン10の各種制御を行う。例えば、エンジン負荷(例えばアクセル開度)や、クランク角度センサ10Aの出力信号から取得したエンジン10の(クランク軸の)回転速度に基づいて、噴射指令信号を生成するとともに、筒内噴射弁12に燃料を噴射させるべく、筒内噴射弁12に対して生成した噴射指令信号を出力する。このECU14は、設定部と、制限部と、進角制御部と、燃圧取得部と、判定部と、燃温取得部と、に該当する。
ところで、燃料ポンプ11内で加圧された燃料の燃圧が高いほど、燃料ポンプ11内の燃料を筒内噴射弁12に供給するために大きな駆動力が必要となる。したがって、図2に記載されるように筒内噴射弁12に供給される燃料の燃圧が高いほど、クランク軸1回転あたりの燃料ポンプ11が筒内噴射弁12に向けて吐出する燃料の最大吐出量(以降、燃料ポンプ11の最大吐出量と呼称)は少なくなる。また、クランク軸の回転速度に依存して燃料ポンプ11の最大吐出量が変化する。したがって、筒内噴射弁12に供給される燃料の燃圧が高く、且つ、クランク軸の回転速度が燃料ポンプ11の最大吐出量が比較的少なくなる回転速度であった場合には、燃料ポンプ11の最大吐出量が特に少なくなり、エンジン10の運転状態によっては筒内噴射弁12により噴射させるように要求される要求噴射量よりも燃料ポンプ11の最大吐出量が少なくなる場合が生じうる。
この対策として、燃料ポンプ11内で加圧された燃料の燃圧(筒内噴射弁12に供給される燃料の燃圧と換言してもよい)が低いほど、燃料ポンプ11の最大吐出量が増大することから、燃料ポンプ11の吐出量が要求噴射量以上となるように筒内噴射弁12に供給される燃料の燃圧を低下させる制御が考えられる。ただし、燃料ポンプ11では、上述したようにクランク軸の回転速度に依存してエンジン10の最大吐出量も変化することになるので、要求噴射量のみならずクランク軸の回転速度も考慮して筒内噴射弁12に供給される燃料の燃圧を制御する必要がある。
したがって、ECU14は、要求噴射量と、クランク角度センサ10Aにより検出されたクランク軸の回転速度と、に基づいて、筒内噴射弁12に供給される燃料の目標燃圧の上限値を設定し、設定した上限値を上限として目標燃圧を制御する。そして、筒内噴射弁12に供給される燃料の燃圧が制御した目標燃圧となるように、調量弁11Aに調整させるための指令信号を生成し、生成した指令信号を調量弁11Aに対して出力する。
ところで、筒内噴射弁12に供給される燃料の燃圧を低下させることで、以下に記載する不都合が生じる場合がある。燃料ポンプ11から供給される燃料の燃圧を低くすると、燃料ポンプ11より要求噴射量分の燃料が噴射されるまでの噴射時間が長くなる。この噴射時間の長くなる度合いが大きいと、筒内噴射弁12より噴射された燃料が着火されるまでの、燃料が燃焼室内に拡散したり気化したりする時間が十分に取れず、その結果、燃料の燃焼状態が悪化し、ひいてはエミッションの悪化、燃費の悪化を招くおそれがある。
上述の懸念から、上限値は、燃料ポンプ11が要求噴射量分の燃料を噴射可能な燃圧の範囲内で、可能な限り高く設定することが望ましい。目標燃圧を上限値に設定した場合の燃料ポンプ11の最大吐出量は、上限値を上限として制限される目標燃圧の範囲内で最小の最大吐出量である。このことから、目標燃圧を上限値に設定した場合の燃料ポンプ11の最大吐出量が要求噴射量と同等となるように、上限値を設定する。より具体的には、図3に記載されるような、筒内噴射弁12に供給される燃料の燃圧と、燃料ポンプ11の最大吐出量と、の関係を示したマップを予めECU14も記憶させておき、ECU14は該マップを参照してそのときの要求噴射量と同量の燃料ポンプ11の最大吐出量に対応する燃圧を求め、求めた燃圧を上限値として設定する。これにより、燃料ポンプ11が要求噴射量分の燃料を噴射可能な燃圧の範囲内で、上限値を可能な限り高く設定することができる。なお、前記マップに記載の燃料ポンプ11の最大吐出量は、クランク軸の回転速度を考慮した吐出量である。
ところで、上限値を上限として目標燃圧を制御する前に設定される目標燃圧が上限値よりも高い場合には、目標燃圧を上限値に設定する。このとき、目標燃圧を上限値に低く設定した分だけ、筒内噴射弁12の噴射時間が長くなることになる。換言すれば、筒内噴射弁12の噴射時間が長くなる度合いは、目標燃圧を上限値に設定する前に設定される目標燃圧と上限値との差が大きいほど、長くなる関係にあるといえる。そして、筒内噴射弁12の噴射時間が長くなるほど、燃料噴射終了時から燃料が着火されるまでの時間が短くなるため、燃料の燃焼状態が悪化するおそれがある。
上記を考慮し、上限値を上限として目標燃圧を制御する前に設定される目標燃圧が上限値よりも高いことを条件として、目標燃圧を上限値に設定する前に設定される目標燃圧と上限値との差が大きいほど、図4に記載されるように、目標燃圧を上限値に制御したときの筒内噴射弁12の燃料噴射開始時期を、目標燃圧を上限値に制御しなかったときの筒内噴射弁12の燃料噴射開始時期よりも進角させる。なお、目標燃圧を上限値に制御したときの筒内噴射弁12の燃料噴射終了時期は、目標燃圧を上限値に制御しなかったときの筒内噴射弁12の燃料噴射終了時期から変更しない(目標燃圧を上限値に制御しなかったときの筒内噴射弁12の燃料噴射終了時期と同時期に設定される)。これにより、燃料噴射終了時から燃料が着火されるまでの時間を十分長くすることができ、燃料の燃焼状態の悪化を抑制することができる。ただし燃料噴射開始時期を進角しすぎると、ピストンが上死点に近い位置で噴射が開始されるため、ピストンに燃料が付着するピストンウェットが増加し、かえってエミッションを悪化する場合もある。その場合は、噴射開始時期が過度に進角されないように、エミッションが悪化しない範囲で噴射終了時期を遅角してもよい。
本実施形態では、ECU14により図5の燃圧制御を実施する。図5に示す燃圧制御は、筒内噴射弁12による燃料噴射が実施される前に実施される。
まずステップS100にて、クランク角度センサ10Aにより検出されたクランク軸の回転速度(エンジン10の回転速度)を取得する。そして、ステップS110にて、クランク軸の回転速度やエンジン負荷に基づいて、目標燃圧を算出する。ステップS120では、クランク軸の回転速度やエンジン負荷に基づいて、要求噴射量を算出する。ステップS130では、ステップS100で取得したクランク軸の回転速度において、燃料ポンプ11が吐出可能な最大吐出量が要求噴射量と同量となる燃圧をマップを参照して算出し、算出した燃圧を上限値として設定する。
ステップS140では、ステップS110で算出した目標燃圧がステップS130で設定した上限値よりも高いか否かを判定する。ステップS110で算出した目標燃圧がステップS130で設定した上限値よりも高くないと判定した場合には、(S140:NO)、後述のステップS170に進む。ステップS110で算出した目標燃圧がステップS130で設定した上限値よりも高いと判定した場合には、(S140:YES)、ステップS150に進む。
ステップS150では、ステップS110で設定した目標燃圧を上限値に低く設定しなおす。ステップS160では、目標燃圧を上限値に設定する前に設定した目標燃圧(S110で設定した目標燃圧)と上限値との差が大きいほど、目標燃圧を上限値に制御しなかったときの筒内噴射弁12の燃料噴射開始時期よりも、燃料噴射開始時期を進角させる。
ステップS170では、筒内噴射弁12に供給される燃料の燃圧が設定した目標燃圧となるように、調量弁11Aに調整させるための指令信号を生成し、生成した指令信号を調量弁11Aに対して出力する。そして、本制御を終了する。
上記構成により、本実施形態は、以下の効果を奏する。
・要求噴射量が燃料ポンプ11の最大吐出量よりも多くなる状況であっても、上限値を上限として目標燃圧が制限されることで、燃料ポンプ11の吐出量を増加させることができる。また、上限値を上限として目標燃圧が制限されるということは、目標燃圧が上限値よりも低い場合には、目標燃圧がそれ以上低く変更されることはない。これにより、目標燃圧を必要以上に下げることが抑制されるため、筒内噴射弁12による燃料の噴射時間が過剰に短くなる可能性は低い。よって、筒内噴射弁12より噴射された燃料が着火されるまでの、燃料が燃焼室内に拡散したり気化したりする時間が短縮される可能性を低く抑えることができ、その結果、燃料の燃焼状態の悪化を抑制する事ができる。ひいては、エミッションや燃費の悪化を抑制することができる。
上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。
・筒内噴射弁12に供給される燃料の燃温が高い(燃温センサ13Bにより検出される燃温が高い)ほど、燃料の粘性は低下する。燃料の粘性が低下すると、燃料ポンプ11内で生じる燃料漏れ量が増加する。つまり、図6に示すように、筒内噴射弁12に供給される燃料の燃温が高いほど、燃料ポンプ11の最大吐出量が減少する関係にある。したがって、クランク軸の回転速度、及び、筒内噴射弁12に供給される燃料の燃圧に加え、筒内噴射弁12に供給される燃料の燃温も考慮して、燃料ポンプ11の最大吐出量を算出してもよい。この場合、燃料ポンプ11の最大吐出量をより正確に求めることができ、ひいては燃料ポンプ11の最大吐出量が要求噴射量と同量となる燃圧(上限値)の算出精度を向上させることができる。
燃料ポンプ11の最大吐出量は、筒内噴射弁12に供給される燃圧及び燃温や、クランク軸の回転速度以外にも、燃料ポンプ11の使用年数によっても変化する。燃料ポンプ11の使用年数が長くなるほど、燃料ポンプ11は劣化し(経年劣化)、燃料ポンプ11内において燃料漏れ量が増大するなど生じて、燃料ポンプ11の最大吐出量が減少することが想定される。したがって、燃料ポンプ11の最大吐出量を算出する際は、燃料ポンプ11の使用年数を考慮することで、燃料ポンプ11の最大吐出量の算出精度をより向上させることができる。
なお、燃料ポンプ11の使用年数に代えて、クランク軸の回転数の積算値に基づいて、燃料ポンプ11の劣化度合いを推定してもよい。あるいは、燃圧センサ13Aにより検出される燃圧が目標燃圧となるように制御値を算出し、算出した制御値に基づいて調量弁11Aを制御するフィードバック制御(PID制御)をECU14が実施する場合を想定する。この場合には、制御値が大きくなるほど、燃料ポンプ11の吐出能力が低下していると考えられるため、制御値に基づいて、燃料ポンプ11の劣化度合いを推定してもよい。
・上記実施形態では、目標燃圧を上限値に設定した場合の燃料ポンプ11の最大吐出量が要求噴射量と同等となるように、上限値を設定していた。このことについて、目標燃圧を上限値に設定した場合の燃料ポンプ11の最大吐出量が要求噴射量よりも大きくなるように、上限値を設定してもよい。
・上記実施形態では、予め記憶されたマップから、そのときの要求噴射量と同量の燃料ポンプ11の最大吐出量に対応する燃圧を求め、求めた燃圧を上限値として設定していた。このことについて、マップに代えて、物理モデルを用いて、そのときの要求噴射量と同量の燃料ポンプ11の最大吐出量に対応する燃圧を求めてもよい。
[1]燃圧が目標燃圧となるように、調量弁11Aに対して指令信号を送信してから、目標燃圧と、燃圧センサ13Aにより検出された燃圧と、の差が閾値よりも大きい状態が所定時間継続したか否かで、燃料ポンプ11及び燃圧センサ13Aを含む燃圧を制御するための制御系統(以降、燃圧制御系統と呼称)に異常が生じているか否かを判定する図7に記載の異常判定処理を実施するECU14に本燃圧制御を実施させた場合を想定する。このとき、目標燃圧における燃料ポンプ11の最大吐出量と、要求噴射量との差が小さい状態では、要求噴射量分の燃料を吐出するために燃料ポンプ11は最大吐出量に近い量の燃料を筒内噴射弁12に供給しているということになる。この場合、燃料ポンプ11内に存在する燃料の多くは筒内噴射弁12に供給されることとなり、必然的に筒内噴射弁12に供給される燃料の燃圧を昇圧するための燃料が少なくなるため、燃圧センサ13Aにより検出される燃圧の上昇が遅れることが考えられる。このような状況では、燃圧制御系統に異常が生じていなかったとしても、燃圧上昇が遅れることで、目標燃圧と燃圧センサ13Aにより検出される燃圧との差が閾値よりも大きい状態が所定時間継続する状況が生じ、燃圧制御系統に異常が生じているとECU14が誤判定するおそれがある(図8参照)。
上記を考慮し、目標燃圧における燃料ポンプ11が吐出可能な燃料の最大吐出量と、要求噴射量と、の差が小さいほど、図8に記載されるように所定時間を長く設定する。
図9に記載のフローチャートを参照して、ECU14が実施する異常判定制御を説明する。図9に示す異常判定制御は、図5に記載のステップS170の実施期間中にECU14によって所定周期で繰り返し実施される。
まず、ステップS200では、目標燃圧における燃料ポンプ11の最大吐出量を算出する。ステップS210では、ステップS200で算出した最大吐出量と、要求噴射量と、の差に基づいて、所定時間を設定する。具体的には、ステップS200で算出した最大吐出量と、要求噴射量と、の差が小さいほど、所定時間を長く設定する。ステップS220では、燃圧センサ13Aにより検出された燃圧を取得する。
ステップS230では、目標燃圧と、ステップS220で取得した燃圧と、の差が閾値よりも大きいか否かを判定する。目標燃圧と、ステップS220で取得した燃圧と、の差が閾値よりも大きいと判定した場合には(S230:YES)、ステップS240に進む。
ステップS240では、目標燃圧と、ステップS220で取得した燃圧と、の差が閾値よりも大きい状態である時間を継続時間として積算する。ステップS250では、ステップS240で積算した継続時間が所定時間よりも長いか否かを判定する。ステップS240で積算した継続時間が所定時間よりも長いと判定した場合には(S250:YES)、ステップS260に進み、燃圧制御系統に異常が生じていると判定し、本制御を終了する。
目標燃圧と、ステップS220で取得した燃圧と、の差が閾値よりも大きくないと判定した場合(S230:NO)、又は、ステップS240で積算した継続時間が所定時間よりも長くないと判定した場合(S250:NO)には、本制御を終了する。
上述のように、燃圧センサ13Aにより検出される燃圧の上昇遅れが想定される状況では、所定時間を長く設定することで、目標燃圧と、燃圧センサ13Aにより検出された燃圧と、の差が閾値よりも小さくなるまで、燃圧上昇を待つことができる。ひいては、燃圧制御系統に異常が生じていると誤判定することを抑制することが可能となる。
[1]の別例では、目標燃圧における燃料ポンプ11が吐出可能な燃料の最大吐出量と、要求噴射量と、の差が小さいほど、所定時間を長く設定していた。このことについて、上限値と、上限値を上限として制限された目標燃圧と、の差が小さいほど、所定時間を長く設定してもよい。上限値と、上限値を上限として制限された目標燃圧と、の差が小さいということは、上限値を上限として制限された目標燃圧は上限値に近い値であるということになる。上限値は、目標燃圧を上限値に設定した場合の燃料ポンプ11の最大吐出量が要求噴射量と同等の量となるように、設定されたものである。つまり、上限値を上限として制限された目標燃圧が上限値に近い値である場合、制限された目標燃圧における燃料ポンプ11の最大吐出量もまた要求噴射量に近い値となっている。このように、上限値と、上限値を上限として制限された目標燃圧と、の差から、制限された目標燃圧における燃料ポンプ11が吐出可能な燃料の最大吐出量と、要求噴射量と、の差を推測することができる。ひいては、上限値と、上限値を上限として制限された目標燃圧と、の差に基づいて、燃圧センサ13Aにより検出される燃圧の上昇に遅れが生じる状況であるか否かを判断することができる。本判定方法の場合、目標燃圧に基づく燃料ポンプ11の吐出量を算出する必要がなくなるため、より簡便に所定時間を設定することができる。
[1]の別例では、目標燃圧における燃料ポンプ11が吐出可能な燃料の最大吐出量と、要求噴射量と、の差が小さいほど、所定時間を長く設定していた。このことについて、目標燃圧における燃料ポンプ11が吐出可能な燃料の最大吐出量と、要求噴射量と、の差が小さいほど、図10に示されるように閾値を大きく設定してもよい。これにより、燃圧制御系統が正常であっても、燃圧センサ13Aにより検出される燃圧の上昇が遅れる状況下において、所定時間が経過するよりも前に、目標燃圧と、燃圧センサ13Aにより検出された燃圧と、の差を閾値よりも小さくすることができる。ひいては、燃圧制御系統に異常が生じていると誤判定されることを抑制することが可能となる。
本別例では、目標燃圧における燃料ポンプ11が吐出可能な燃料の最大吐出量と、要求噴射量と、の差が小さいほど、閾値が小さく設定されていた。このことについて、上限値と、上限値を上限として制限された目標燃圧と、の差が小さいほど、閾値を大きく設定してもよい。
10…エンジン、11…燃料ポンプ、12…筒内噴射弁、14…ECU。

Claims (8)

  1. 内燃機関(10)の燃焼に供する燃料を噴射する燃料噴射弁(12)と、前記内燃機関の駆動力により前記内燃機関の回転速度に応じた回転速度で駆動され、前記燃料の圧力である燃圧が目標燃圧となるように制御した上で前記燃料を前記燃料噴射弁に供給する機械式供給ポンプ(11)と、を備える内燃機関に適用される燃圧制御装置(14)であって、
    前記燃料噴射弁により噴射させるように要求される要求噴射量と、前記内燃機関の回転速度と、に基づいて、前記目標燃圧の上限値を設定する設定部と、
    前記設定部により設定された前記上限値を上限として前記目標燃圧を制限する制限部と、
    を備える燃圧制御装置。
  2. 前記設定部は、前記目標燃圧を前記上限値に設定した場合の前記機械式供給ポンプが吐出可能な燃料の最大吐出量が前記要求噴射量以上に大きくなるように、前記上限値を設定する請求項1に記載の燃圧制御装置。
  3. 前記制限部による制限処理が実施される前に設定される前記目標燃圧が前記上限値よりも高いことを条件として、前記制限部により前記目標燃圧が前記上限値に制限される前に設定される前記目標燃圧と前記上限値との差が大きいほど、前記制限部による制限処理後の前記燃料噴射弁の噴射開始時期を前記制限部による制限処理が実施されない場合の前記噴射開始時期よりも進角させる進角制御部を備える請求項1又は2に記載の燃圧制御装置。
  4. 前記燃料噴射弁に供給される前記燃料の前記燃圧を取得する燃圧取得部と、
    前記目標燃圧と前記燃圧取得部により取得された前記燃圧との差が閾値よりも大きい状態が所定時間継続した場合に、前記機械式供給ポンプを含む前記燃圧を制御するための制御系統に異常が生じていると判定する判定部と、
    を備え、
    前記判定部は、前記目標燃圧における前記機械式供給ポンプが吐出可能な燃料の最大吐出量と、前記要求噴射量と、の差が小さいほど、前記所定時間を長く設定する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃圧制御装置。
  5. 前記燃料噴射弁に供給される前記燃料の前記燃圧を取得する燃圧取得部と、
    前記目標燃圧と前記燃圧取得部により取得された前記燃圧との差が閾値よりも大きい状態が所定時間継続した場合に、前記機械式供給ポンプを含む前記燃圧を制御するための制御系統に異常が生じていると判定する判定部と、
    を備え、
    前記判定部は、前記目標燃圧における前記機械式供給ポンプが吐出可能な燃料の最大吐出量と、前記要求噴射量と、の差が小さいほど、前記閾値を大きく設定する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃圧制御装置。
  6. 前記燃料噴射弁に供給される前記燃料の前記燃圧を取得する燃圧取得部と、
    前記目標燃圧と前記燃圧取得部により取得された前記燃圧との差が閾値よりも大きい状態が所定時間継続した場合に、前記機械式供給ポンプを含む前記燃圧を制御するための制御系統に異常が生じていると判定する判定部と、
    を備え、
    前記設定部は、前記目標燃圧を前記上限値に設定した場合の前記機械式供給ポンプが吐出可能な燃料の最大吐出量が前記要求噴射量以上に大きくなるように、前記上限値を設定し、
    前記判定部は、前記上限値と、前記制限部により前記上限値を上限として制限された前記目標燃圧と、の差が小さいほど、前記所定時間を長く設定する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃圧制御装置。
  7. 前記燃料噴射弁に供給される前記燃料の前記燃圧を取得する燃圧取得部と、
    前記目標燃圧と前記燃圧取得部により取得された前記燃圧との差が閾値よりも大きい状態が所定時間継続した場合に、前記機械式供給ポンプを含む前記燃圧を制御するための制御系統に異常が生じていると判定する判定部と、
    を備え、
    前記設定部は、前記目標燃圧を前記上限値に設定した場合の前記機械式供給ポンプが吐出可能な燃料の最大吐出量が前記要求噴射量以上に大きくなるように、前記上限値を設定し、
    前記判定部は、前記上限値と、前記制限部により前記上限値を上限として制限された前記目標燃圧と、の差が小さいほど、前記閾値を大きく設定する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃圧制御装置。
  8. 前記燃料噴射弁に供給される前記燃料の温度を取得する燃温取得部を備え、
    前記燃温取得部により取得された前記燃料の温度が高いほど、前記最大吐出量が少なく算出される請求項1乃至7のいずれか1項に記載の燃圧制御装置。
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