JP2018095758A - 油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】3−クロロプロパン−1,2−ジオール、及び3−クロロプロパン−1,2−ジオールの脂肪酸エステルの少ない精製グリセリド組成物を得ること。【解決手段】脱臭工程を経ていないグリセリド組成物と、白土及び炭酸カリウムを含む混合物とを接触させる白土処理工程を含む、精製グリセリド組成物の製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、精製グリセリド組成物及び該精製グリセリド組成物の製造方法に関する。
近年、風味や安定性等、油脂の品質を向上させるための試みが種々行われている。油脂の品質の低下には、様々な要素が関係している。例えば、3員環のエーテルであるオキシラン構造は、化学的に不安定であるため反応性に富み、重合等の化学反応を起こしやすいことが知られている。このような化学反応が、油脂の品質の低下を引き起こす可能性がある。
一部のグリセリド組成物には、かかるオキシラン構造を有するエポキシドの1種であるグリシドールの脂肪酸エステルから誘導される可能性がある3−クロロプロパン−1,2−ジオールの脂肪酸エステルが極微量であるが存在する。3−クロロプロパン−1,2−ジオールは、3−MCPDとも呼ばれる。3−クロロプロパン−1,2−ジオールの脂肪酸エステルは、脂肪酸の遊離により、3−クロロプロパン−1,2−ジオールを生じる可能性がある。3−クロロプロパン−1,2−ジオール及びその誘導体が高濃度で存在すると健康に悪影響を及ぼすといわれている。しかし、長年にわたって摂取されてきた植物油等の油脂中に存在する微量の3−クロロプロパン−1,2−ジオールが健康に直ちに悪影響を及ぼすとは考えられず、また、3−クロロプロパン−1,2−ジオールの摂取基準値等は定められていないものの、グリセリド組成物中におけるその存在を可能な限り下げることが求められている。
上記課題に対して、例えば特許文献1には、3−クロロプロパン−1,2−ジオール、3−クロロプロパン−1,2−ジオールの脂肪酸エステル、グリシドール及びグリシドールの脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有し、及び/又は、ジグリセリドを3質量%以上含有するグリセリド組成物を、特定の温度条件にて脱臭処理等する方法が開示されている。この方法によれば、グリセリド組成物中のグリシドールの脂肪酸エステルや3−クロロプロパン−1,2−ジオールの脂肪酸エステル等の含有量を低減できる。また、特許文献2には、脱臭工程を経ていないグリセリド組成物とアルカリ白土とを接触させることにより、3−クロロプロパン−1,2−ジオール、及び3−クロロプロパン−1,2−ジオールの脂肪酸エステルの少ない精製グリセリド組成物、及び該精製グリセリド組成物の製造方法を提供することを開示する。しかし、グリセリド組成物は、精製後の加工等により3−クロロプロパン−1,2−ジオール等が増加することもあるため、更なる3−クロロプロパン−1,2−ジオール、及び3−クロロプロパン−1,2−ジオールの脂肪酸エステルの除去が求められている。また、上記特許文献1及び2は、3−クロロプロパン−1,2−ジオール、及び3−クロロプロパン−1,2−ジオールの脂肪酸エステルの生成を抑えるために240℃或いは260℃以下で脱臭しなければならず、風味をよくするために更に高温で脱臭することや、その後の工程で260℃以上のような高温に加熱することができなかった
このように、グリセリド組成物中の3−クロロプロパン−1,2−ジオール、及び3−クロロプロパン−1,2−ジオールの脂肪酸エステルの含有量をさらに効果的に低減する方法が検討されている。
特開2011−74358号公報 国際公開第2013/018412号公報
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、3−クロロプロパン−1,2−ジオール、及び3−クロロプロパン−1,2−ジオールの脂肪酸エステルの少ない精製グリセリド組成物、及び該精製グリセリド組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、脱臭工程を経ていないグリセリド組成物と、白土及び炭酸カリウムを含む混合物とを接触させることで、精製グリセリド組成物中の3−クロロプロパン−1,2−ジオール、及び3−クロロプロパン−1,2−ジオールの脂肪酸エステルの生成が抑制され、これらの含有量が低減することを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、以下のようなものを提供する。
本発明の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕 脱臭工程を経ていないグリセリド組成物と、白土及び炭酸カリウムを含む混合物とを接触させる白土処理工程を含む、精製グリセリド組成物の製造方法。
〔2〕 前記白土がアルカリ白土である、前記〔1〕に記載の精製グリセリド組成物の製造方法。
〔3〕 前記炭酸カリウムの含有量が、前記脱臭工程を経ていないグリセリド組成物の全体の質量に対し、0.01〜10質量%である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の精製グリセリド組成物の製造方法。
〔4〕 前記グリセリド組成物が、パーム由来の油脂である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の精製グリセリド組成物の製造方法。
〔5〕 前記白土処理工程の前に、さらに前記グリセリド組成物の脱ガム工程を含む、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の精製グリセリド組成物の製造方法。
〔6〕 前記脱ガム工程が、前記グリセリド組成物と、リン酸又はクエン酸の水溶液、又はリン酸とを接触させ、前記白土処理工程でガム質を除去することを含む、前記〔5〕に記載の精製グリセリド組成物の製造方法。
〔7〕 前記白土処理工程が脱色工程であり、前記白土処理工程の後に、さらに脱臭工程を含む、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の精製グリセリド組成物の製造方法。
〔8〕 前記脱臭工程が、100〜260℃の温度条件下にて行われる、前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の精製グリセリド組成物の製造方法。
〔9〕 脱臭工程を経ていないグリセリド組成物と、白土及び炭酸カリウムを含む混合物とを接触させる白土処理工程を含む、グリセリド組成物の処理方法。
〔10〕 前記グリセリド組成物が、パーム由来の油脂であり、前記白土がアルカリ白土であり、及び、前記炭酸カリウムの含有量が、前記脱臭工程を経ていないグリセリド組成物の全体の質量に対し、0.3〜1.0質量%である、前記〔9〕に記載のグリセリド組成物の処理方法。
〔11〕 前記白土処理工程の前に、さらに前記グリセリド組成物の脱ガム工程を含み、前記脱ガム工程が、前記グリセリド組成物とリン酸又はクエン酸の水溶液、又はリン酸とを接触させ、前記白土処理工程でガム質を除去することを含む、前記〔9〕又は〔10〕に記載のグリセリド組成物の処理方法。
〔12〕 前記脱臭工程が、100〜260℃の温度条件下にて行われる、前記〔9〕〜〔11〕のいずれか1項に記載のグリセリド組成物の処理方法。
〔13〕 3−クロロプロパン−1,2−ジオール及び3−クロロプロパン−1,2−ジオールの脂肪酸エステルの含有量が、精製グリセリド組成物全体の質量に対し、1ppm以下である、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の製造方法により得られることを特徴とする精製グリセリド組成物。
本発明によれば、3−クロロプロパン−1,2−ジオール、及び3−クロロプロパン−1,2−ジオールの脂肪酸エステルの少ない精製グリセリド組成物を得ることができる。
本発明により白土と炭酸カリウムの混合物で処理されたグリセリド組成物は、その後の脱臭工程で例えば100℃以上の高温に晒されても、3−クロロプロパン−1,2−ジオール、及び3−クロロプロパン−1,2−ジオールの脂肪酸エステルの生成を抑えることができる。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
[精製グリセリド組成物の製造方法]
本発明の精製グリセリド組成物の製造方法は、脱臭工程を経ていないグリセリド組成物の任意の脱ガム工程、前記任意に脱ガムしたグリセリド組成物と白土及び炭酸カリウムを含む混合物とを接触させる白土処理工程、前記接触後のグリセリド組成物の任意の脱臭工程を含む。以下、各工程について説明する。
[白土処理工程]
本発明の精製グリセリド組成物の製造方法は、脱臭工程を経ていないグリセリド組成物と、白土及び炭酸カリウムを含む混合物とを接触させる白土処理工程を含む。なお、本発明の白土処理工程は、脱色工程であってもよい。
(脱臭工程を経ていないグリセリド組成物)
本発明の脱臭工程を経ていないグリセリド組成物は、精製完了前の組成のグリセリド組成物を意味する。ここで、本発明で言うグリセリド組成物は、グリセリンに脂肪酸が1〜3個エステル結合したグリセリドを含むものであり、油脂の主要成分であるトリグリセリド(トリアシルグリセロール)の他、ジグリセリド(ジアシルグリセロール)、モノグリセリド(モノアシルグリセロール)も含むものとする。また、動植物油脂由来のグリセリド以外の成分、例えば、植物ステロール、レシチン、抗酸化成分、色素成分等が含まれてもよいが、95質量%以上はグリセリドであることが好ましく、より好ましくは、97質量%以上、更に好ましくは99質量%以上、特に好ましくは100質量%がグリセリドであることが適当である。なお、グリセリド中のトリグリセリドは、90質量%以上が好ましく、より好ましくは93質量%〜100質量%であることが適当である。
具体的なグリセリド組成物としては、未精製の粗油、定法に従って精製された脱ガム油、脱酸油、もしくは脱色油が好ましく、脱酸油もしくは脱色油がより好ましい。例えば、菜種油、大豆油、米油、サフラワー油、ぶどう油、ひまわり油、小麦はい芽油、とうもろこし油、綿実油、ごま油、落花生油、フラックス油、エゴマ油、オリーブ油、パーム油、ヤシ油等の植物油、これら2種以上を混合した調合植物油、又は、これらを分別したパームオレイン、パームステアリン、パームスーパーオレイン、パームミッドフラクション等の食用分別油、これらの粗油、水素添加油、エステル交換油等のほか、中鎖脂肪酸トリグリセリドのような直接エステル化反応により製造された食用油を用いることができる。なお、3−MCPD、及び/又は3−MCPDの脂肪酸エステルは、部分グリセリドが比較的多い油脂において多く発生する傾向にあることから、パーム由来の油脂、米油、エステル交換油等を原料に用いることが本発明の3−MCPD、及び/又は3−MCPDの脂肪酸エステルの低減効果が高いという理由から特に好ましい。パーム由来の油脂としては、パーム油、パーム核油、パームオレイン、パームステアリン、パームスーパーオレイン、パームミッドフラクション等が挙げられる。本発明の白土処理工程の前後の精製方法は、定法を用いることができる。具体的には、ケミカル精製(ケミカルリファイニング)と、フィジカル精製(フィジカルリファイニング)とがあるが、いずれの精製方法を用いてもよい。なお、前者のケミカル精製は、原料となる植物を圧搾・抽出した原油が、脱ガム処理、脱酸処理、脱色処理、脱ろう処理、脱臭処理を経ることで精製され、精製油となる。これに対し、後者のフィジカル精製は、パーム油やヤシ油等にてよく行われている方法であり、原料となるパームやヤシ等を圧搾した原油が、脱ガム処理、脱色処理、脱酸・脱臭処理を経ることで精製され、精製油となる。
「脱臭工程を経ていない」とは、後述する脱臭工程で処理する前、を意味するものであるが、具体的には、例えば100℃以上、好ましくは150℃以上、より好ましくは180℃以上、更に好ましくは200℃以上、特に好ましくは240℃以上の温度で加熱されていないことを意味する。当該脱臭工程、特に、このような温度で加熱される脱臭工程を経ることにより、3−クロロプロパン−1,2−ジオール及び3−クロロプロパン−1,2−ジオールの脂肪酸エステルが増加するため、本発明は、これらの温度に加熱する前に後述する白土処理を行い、3−クロロプロパン−1,2−ジオール及び3−クロロプロパン−1,2−ジオールの脂肪酸エステルが生成する原因物質(塩素化合物等)を除去するものである。脱臭工程を経ていなければ、脱ガム工程、脱酸工程、水洗工程等の他の精製工程を経た精製油を用いてもよい。脱臭工程を経ていないグリセリド組成物は、3−MCPD、及び/3−MCPDの脂肪酸エステルが生成していない点で好ましい。
(白土)
本発明で用いられる白土としては、活性白土、中性白土、酸性白土、アルカリ白土が挙げられる。白土としては、活性白土及びアルカリ白土がより好ましく、アルカリ白土が特に好ましい。
活性白土としては、例えば、白土や酸性白土を酸で活性化したものを挙げることができる。活性白土および酸性白土のpHは、例えば1.0以上、好ましくはpHが2.0以上、より好ましくはpHが3.0以上であって、例えばpHが6.0以下、好ましくはpHが5.0以下、より好ましくはpHが4.0以下を呈する白土が、3−MCPDの原因物質となり得る塩素化合物に対する吸着能及び分解能が高いため好ましい。上記pHの上限及び下限は適宜組み合わせた範囲としてもよく、また、例えば、pH=1.0〜6.0の範囲が好ましく、より好ましくはpH=2.0〜5.0、特に好ましくはpH=3.0〜4.0であることが適当である。
特に、アルカリ白土としては、水中に白土を添加した場合に、当該アルカリ白土を含む水溶液のpHがアルカリ性を呈する白土(すなわち、アルカリ性の白土)であれば特に限定されるものではないが、例えばpHが7.5以上、好ましくはpHが8.0以上、より好ましくはpHが8.5以上であって、例えばpHが12以下、好ましくはpHが11以下、より好ましくはpHが10以下を呈する白土が、3−MCPDの原因物質となり得る塩素化合物に対する吸着能及び分解能が高いため好ましい。上記pHの上限及び下限は適宜組み合わせた範囲としてもよく、また、例えば、pH=7.5〜12の範囲が好ましく、より好ましくはpH=8.0〜10、特に好ましくはpH=8.5〜9であることが適当である。
本発明で使用されるアルカリ白土としては、特に限定されないが、例えば、下記の組成(単位:アルカリ白土全量に対する質量%)を有するものを使用できる。
SiO2 (50〜60質量%)
Al23 (10〜20質量%)
Fe23 (3〜10質量%)
MgO (2〜9質量%)
CaO (1〜5質量%)
白土処理工程において使用される白土の量は、グリセリド組成物中の塩素化合物を有効に吸着もしくは分解し、精製グリセリド組成物中の3−MCPD及び/又は3−MCPDの脂肪酸エステルの生成を抑制し、これらの含有量についての十分な低減効果を得るために、原料となる脱臭工程を経ていないグリセリド組成物の量に対して、例えば0.5質量%以上、好ましくは0.6質量%以上、より好ましくは0.7質量%以上、更に好ましくは0.8質量%以上、特に好ましくは1質量%以上、ことさら好ましくは1.5質量%以上であり、例えば10質量%以下、好ましくは9質量%以下、より好ましくは7質量%以上、更に好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下、ことさら好ましくは2%質量以下であることが好ましい。上記白土の量の上限及び下限は適宜組み合わせた範囲としてもよく、また、例えば、0.5〜10質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.7〜7質量%、特に好ましくは1〜3質量%であることが適当である。
(炭酸カリウム)
本発明では、炭酸カリウムを白土と共に使用して白土処理工程が行われる。炭酸カリウムの含有量としては、前記脱臭工程を経ていないグリセリド組成物の全体の質量に対し、例えば0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上であり、また、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下である。これら炭酸カリウムの量の上限及び下限は適宜組み合わせた範囲としてもよく、例えば、0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜1質量%、更に好ましくは0.1〜0.5質量%、特に好ましくは0.3〜0.5質量%であることが適当である。
(白土及び炭酸カリウムを含む混合物)
本発明で使用する白土及び炭酸カリウムを含む混合物は、上述の白土及び炭酸カリウムを含み、かつそれぞれの活性を損なわない限り、いかなる混合物であってもよい。本発明の混合物には、白土及び炭酸カリウムの他、活性炭、シリカ等を含み得る。
混合物中の白土と炭酸カリウムとの質量比は、例えば、白土:炭酸カリウム=50:1〜1:10、好ましくは40:1〜1:5であり、より好ましくは30:1〜1:1であり、更に好ましくは25:1〜2:1であり、特に好ましくは20:1〜4:1であることが適当である。
(白土処理工程の条件)
白土処理工程における各種条件は特に制限されず、通常の油脂の製造方法で使用される脱色工程の条件を用いることができる。例えば、原料である脱臭工程を経ていないグリセリド組成物に白土及び炭酸カリウムを含む混合物を加えた後、例えば、70〜200℃、好ましくは80〜150℃、より好ましくは90〜120℃の温度で、例えば、5〜120分間、好ましくは10〜90分間、より好ましくは15〜60分間加熱してもよい。白土処理工程を終えた後は、ろ過又は遠心分離等により白土及び炭酸カリウムを含む混合物を除去し、白土処理されたグリセリド組成物(脱色油)を得ることができる。白土に含まれる水分を除去して、吸着能力を高めるために減圧下で脱色することが好ましい。圧力(減圧度)は、例えば、20000Pa以下、好ましくは、300〜13000Pa、より好ましくは2000〜10000Paの減圧下が好ましい。
原料のグリセリド組成物と、白土及び炭酸カリウムを含む混合物とを接触させる方法は特に限定されず、例えば、白土や活性炭で脱色工程を行った後に、白土を用いて処理を行うこともできる。例えば、上記接触される原料を脱色処理槽等に投入し、原料を任意に撹拌することによって行われてもよい。脱色処理槽としては、例えば、タンク、カラム、ろ過器などを用いることができる。タンクの場合は、攪拌機付のタンクであることが好ましく、原料のグリセリド組成物と白土及び炭酸カリウムを含む混合物を接触した後、ろ過もしくは遠心分離機等で上記混合物を分離することが好ましい。ろ過を容易にするために、白土処理工程を、ろ過助剤等の助剤の存在下で行われていてもよい。ろ過助剤としては、例えば、セライトなどの無機ろ過助剤及びセルロースなどの繊維やその粉砕物などの有機ろ過助剤が挙げられる。また、カラムやろ過器に白土を充填・保持し、原料のグリセリド組成物を当該カラムやろ過器に通液してもよい。原料のグリセリド組成物を通液することにより、通液と同時に上記混合物も分離でき、装置もタンクに比べてコンパクトになるので好ましい。ろ過器としては、例えば、単板ろ過器、フィルタープレス、アマフィルター等を用いることが好ましい。タンク、カラム、ろ過器は、ガラス製、プラスチック製もしくは鉄、ステンレスなどの金属製を用いることができるが、耐久性の点から金属製であることが好ましい。本白土処理工程は、原料のグリセリド組成物の脱色も行うことができる。
[脱ガム工程]
上記白土処理工程に先立って、脱臭工程を経ていないグリセリド組成物を脱ガムする任意の脱ガム工程を含んでもよい。
脱ガム工程としては、油脂の脱ガムで通常使用されている工程を採用することができるが、例えば、上記グリセリド組成物と酸とを水中で接触させ、その後得られた水相を分離除去することによって行われてもよい。酸としては、例えば、リン酸、クエン酸、シュウ酸、コハク酸等が挙げられ、好ましくはリン酸又はクエン酸である。酸は、1種の酸又は2種以上の酸を組み合わせて使用してもよい。酸の含有量は、接触されるグリセリド組成物の質量を100質量%とした場合、例えば、0.001質量%以上、好ましくは、0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.02質量%以上であり、また、例えば、1質量%以下、好ましくは、0.5質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.07質量%以下であることが適当である。これら上限値及び下限値は適宜組み合わせて任意の範囲としてもよい。酸の含有量として特に好ましくは0.04質量%又は0.05質量%である。
上記酸は、水溶液として添加することが、充分に油脂と接触させるためには好ましい。上記酸に水を添加する場合、接触されるグリセリド組成物の質量を100質量%とした場合、水の添加量は、例えば、0.002〜1質量%であることが適当である。
脱ガム工程で析出するガム質は、次の工程である前述の白土処理工程で、白土とともに除去するか、脱ガム工程で分離除去することができる。脱ガム工程で分離除去する場合は、上記水相の分離除去により、水相に溶解するガム成分及び不純物を除去し、油相に存在するグリセリド組成物を得ることができる。分離方法としては、例えば、ろ過又は遠心分離法を挙げることができる。ろ過及び遠心分離の諸条件は、上述の白土処理工程におけるろ過及び遠心分離の条件を使用してもよい。ここで、ガム質とは、パーム粗油に含まれているリン脂質等である。
[脱臭工程]
上記白土処理工程の後、白土及び炭酸カリウムを含む混合物と接触させて得た接触後のグリセリド組成物をさらに脱臭する、任意の脱臭工程を含んでもよい。
脱臭工程を含む場合、上記白土処理工程は、グリセリド組成物の脱色工程に相当し得る。脱臭は、上記接触後のグリセリド組成物を加熱し、任意に水蒸気を適用することによって行われる。加熱条件は、通常の油脂の製造方法で用いられる100〜260℃の温度条件下で行ってもよく、従来の3−MCPD及び/又は3−MCPDの脂肪酸エステルが増大する条件の245〜270℃、あるいは250〜270℃で行ってもよい。また、より低い100〜250℃の温度条件にて行ってもよい。脱臭工程において好ましい温度条件は150〜250℃であり、より好ましくは180〜250℃であり、さらに好ましくは180〜230℃である。好ましくは、通常の油脂の製造方法で用いられる温度条件よりも低い温度条件下でグリセリド組成物の脱臭を行うことにより、精製グリセリド組成物中の3−MCPD及び/又は3−MCPDの脂肪酸エステルの生成抑制効果、及びこれらの含有量の低減効果が大きくなることが期待できる。
脱臭時間は、15〜150分であることが好ましく、20〜100分であることがより好ましい。
前記加熱は、任意に減圧下で行ってもよい。減圧の条件は、例えば、10〜1300Pa、好ましくは、400〜1300Pa、より好ましくは670〜1300Paであることが適当である。
前記加熱は、水蒸気を精製グリセリド中に吹き込みながら行うことが好ましい。吹込む水蒸気量は、0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
(再精製工程)
本発明の精製グリセリド組成物の製造方法においては、上記白土処理工程又は任意の脱臭工程を経た精製グリセリド組成物を再度精製してもよい。再精製工程は、前述の精製工程を行うことができ、例えば、再ガム工程、再脱色工程、又は再脱臭工程を含むことができる。特に、再脱色工程を行うことが好ましい。再脱色工程において使用される白土としては特に制限されず、上記白土処理工程で使用した各種白土を使用することができる。
再脱色工程の前の最初の脱色工程(上記白土処理工程)において、グリセリド組成物と白土及び炭酸カリウムを含む混合物とを接触させていれば、精製グリセリド組成物中の3−MCPDの原因物質と考えられる塩素化合物の残留量が十分に低減される。そのため、再脱色工程において使用する白土の種類に関わらず、再脱色工程後の再脱臭工程において生成する可能性のある3−MCPDの量を顕著に低減できる。
再脱色工程における条件は特に制限されず、再脱色工程の前の最初の白土処理工程同様、通常の油脂の製造方法で使用される条件であってもよい。例えば、精製グリセリド組成物に白土を加えた後に、減圧下、80〜150℃で5〜60分間加熱してもよい。再脱色を終えた後は、ろ過等により白土を除去し、再脱色したグリセリド組成物を得ることができる。
再脱色工程後に得られた再脱色グリセリド組成物を、さらに再脱臭してもよい。再脱臭工程における条件は特に制限されず、最初の脱臭工程同様、通常の油脂の製造方法で使用される条件であってもよい。
[精製グリセリド組成物]
本発明の精製グリセリド組成物は、3−クロロプロパン−1,2−ジオール及び3−クロロプロパン−1,2−ジオール(3−MCPD)の脂肪酸エステルの含有量が、精製グリセリド組成物全体の質量に対し、1ppm以下であることを特徴とする。
3−MCPDの脂肪酸エステルの含有量は、好ましくは0.9ppm以下、より好ましくは0.8ppm以下、更に好ましくは0.7ppm以下、特に好ましくは0.6ppm以下、ことさら好ましくは0.5ppm以下であることが適当である。3−MCPDの脂肪酸エステルの含有量は低ければ低いほどよいので、その下限値を特に設ける必要はないが、例えば、好ましくは0.2ppm以上、より好ましくは0.1ppm以上、更に好ましくは0.05ppm以上、特に好ましくは0.01ppm以上、ことさら好ましくは0.005ppm以上である。本発明の精製グリセリド組成物は、上述の本発明の精製グリセリド組成物の製造方法により得られる。本発明の精製グリセリド組成物は、精製グリセリド組成物中の3−MCPD、及び3−MCPDの脂肪酸エステルの含有量が好適に低減された組成物である。
[精製グリセリド組成物中の3−MCPD及び/又は3−MCPDの含有量の特定]
本発明においては、上記白土処理工程により、精製グリセリド組成物中の3−MCPD及び/又は3−MCPDの脂肪酸エステルの生成を抑制し、これらの含有量を低減させることができる。精製グリセリド組成物中の3−MCPD及び/又は3−MCPDの脂肪酸エステルの含有量は、アメリカ油化学会公定法(AOCS Official Method Cd29c−13)に準拠して行うことができる。具体的には、精製グリセリド組成物中に含まれる3−MCPD及び3−MCPDの脂肪酸エステルの量を、3−MCPDの量として換算した総量(以下、「True MCPD」という)を求め、これを3−MCPDの含有量とした。なお、精製グリセリド組成物中には、3−MCPD及び3−MCPDの脂肪酸エステルに類似する化合物として、グリシドール及びグリシドールの脂肪酸エステルが含まれるが、上記方法により測定される3−MCPDの含有量の中にこれらグリシドール及びその脂肪酸エステルは含まれない。
以下、本発明の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら限定されるものではない。
下記条件にて、精製グリセリド組成物中の3−MCPD、及び3−MCPDの脂肪酸エステルの生成抑制効果、及びこれらの含有量の低減可能性の検討を行った。
(試験1)
[実施例1]
原料となるグリセリド組成物として、パーム粗油(Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.社製)を使用した。当該パーム粗油100gを90℃にて5分間加熱し、その後リン酸30μl(パーム粗油全体に対して0.04質量%)を加え、10分間撹拌した。撹拌後、得られた脱ガムグリセリド組成物(脱ガムパーム粗油)に、アルカリ白土(Natural Bleach SDN.BHD社製、NB14000、pH=8.6)200mg(脱ガムパーム粗油全体に対して2質量%)、及び、炭酸カリウム10mg(脱ガムパーム粗油全体に対して0.1質量%)をさらに加え、90℃で20分間撹拌し、脱ガムグリセリド組成物(脱ガムパーム粗油)と白土及び炭酸カリウムの混合物を接触させた。その後得られた接触後の組成物をろ紙にてろ過し、精製されたグリセリド組成物(精製パーム油)を得た。
[比較例1]
脱ガムグリセリド組成物を、白土及び炭酸カリウムの混合物と接触させない以外は、実施例1と同様に実験を繰り返し、比較例1のグリセリド組成物(パーム油)を得た。
[比較例2〜6]
炭酸カリウムの代わりに表1に示す各種アルカリを使用した以外は、実施例と同様に実験を繰り返し、比較例2〜6のグリセリド組成物(パーム油)を得た。
(白土のpHの測定)
蒸留水100gに、実施例及び比較例において使用する白土を5g加え、振り混ぜた後25℃で16時間インキュベートした。その後水相を取り、携帯型pHメータ(機種名:FEP−20、メトラートレド社製)を用いて、白土のpHを測定した。その結果、アルカリ白土(Natural Bleach SDN.BHD社製、NB14000)のpHは8.6であり、活性白土(製品名:SUPER PLUS、TAIKO CLAY MARKETING SDN.BHD.社製)のpHは3.9だった。
(3−MCPD生成試験)
脱臭工程で使用される温度にて加熱した場合に、実施例及び比較例のグリセリド組成物がどの程度3−MCPDを生成するかを試験するため、3−MCPD生成試験を行った。具体的には、実施例及び比較例で得られた各グリセリド組成物を2g計り取り、250℃で1時間加熱し、当該加熱前後の3−MCPDの含有量を測定した。
精製グリセリド組成物中の3−MCPD及び/又は3−MCPDの脂肪酸エステルの含有量は、上述したアメリカ油化学会公定法(AOCS Official Method Cd29c−13)に準拠して行った。
具体的には、実施例及び比較例のグリセリド組成物中に含まれる3−MCPD及び3−MCPDの脂肪酸エステルの量を、3−MCPDの量として換算した総量を求め、これを3−MCPDの含有量とした。なお、AOCS Official Method Cd29c−13で用いた、ガスクロマトグラフ質量分析装置の分析条件は次のとおりである。
(ガスクロマトグラフ質量分析装置の分析条件)
分析装置:島津製作所株式会社製、機種名:QP−2010
カラム:製品名:HP−5MS、Agilent Technology社製(長さ30m、径0.25mm)
カラム温度:60℃(1分)〜120℃(昇温速度10℃/分)〜190℃(昇温速度6℃/分)〜280℃(昇温速度20℃/分)
検出器:MS(EI,SIMモード)
スプリットレス:1μL注入
キャリアガス:He
上記実施例1及び比較例1〜6の試験結果を表1に示す。以下、表中の「3−MCPD換算量」は、遊離3−MCPD量に換算された、精製グリセリド組成物中の3−MCPD、及び3−MCPDの脂肪酸エステルの総量を示す。
表1
Figure 2018095758
上記表1に示したように、白土と炭酸カリウムとの混合物を使用した場合(実施例1)、炭酸ナトリウム等の他のアルカリを使用した場合に比べて3−MCPDの生成を大幅に低減することができることがわかった。
(試験2)
[実施例2〜13]
リン酸30μlの代わりに、10%リン酸水溶液を0.5ml(パーム粗油全体に対して0.05質量%)又は10%クエン酸水溶液を0.5ml(パーム粗油全体に対して0.05質量%)使用した以外は、実施例1と同様にして、脱ガムグリセリド組成物(脱ガムパーム粗油)を得た。得られた脱ガムグリセリド組成物(脱ガムパーム粗油)を10g計り取り、アルカリ白土(Natural Bleach SDN.BHD社製、NB14000)200mg(脱ガムパーム粗油全体に対して2質量%)又は活性白土(TAIKO CLAY MARKETING SDN.BHD.社製、SUPER PLUS、pH=3.9)200mg(脱ガムパーム粗油全体に対して2質量%)、及び、炭酸カリウムを10mg(脱ガムパーム粗油全体に対して0.1質量%)、30mg(脱ガムパーム粗油全体に対して0.3質量%)又は50mg(脱ガムパーム粗油全体に対して0.5質量%)さらに加え、90℃で20分間撹拌し、脱ガムグリセリド組成物(脱ガムパーム粗油)と白土及び炭酸カリウムの混合物を接触させた。その後得られた接触後の組成物をろ紙にてろ過し、精製されたグリセリド組成物(精製パーム油)を得た。使用した白土や炭酸カリウムの含有量等、詳細は表2に示す。
[比較例7〜10]
アルカリを使用しない以外は、上記実施例2〜13と同様にして精製されたグリセリド組成物(精製パーム油)を得た。なお、比較例7は実施例2〜4に対応し、比較例8は実施例5〜7に対応し、比較例9は実施例8〜10に対応し、比較例10は実施例11〜13にそれぞれ対応する。
上記3−MCPD生成試験及び上記ガスクロマトグラフ質量分析装置の分析条件に基づいて、実施例2〜13及び比較例7〜10を試験した試験結果を表2に示す。以下、表中の「3−MCPD換算量」は、遊離3−MCPD量に換算された、精製グリセリド組成物中の3−MCPD、及び3−MCPDの脂肪酸エステルの総量を示す。
表2
Figure 2018095758
表2に示すように、特定量の炭酸カリウムを使用することにより、3−MCPDの生成を大幅に低減することができることがわかった。特に、0.3〜0.5質量%の範囲で炭酸カリウムを使用すると、好適に3−MCPDの生成を低減できることがわかった。

Claims (13)

  1. 脱臭工程を経ていないグリセリド組成物と、白土及び炭酸カリウムを含む混合物とを接触させる白土処理工程を含む、精製グリセリド組成物の製造方法。
  2. 前記白土がアルカリ白土である、請求項1に記載の精製グリセリド組成物の製造方法。
  3. 前記炭酸カリウムの含有量が、前記脱臭工程を経ていないグリセリド組成物の全体の質量に対し、0.01〜10質量%である、請求項1又は2に記載の精製グリセリド組成物の製造方法。
  4. 前記グリセリド組成物が、パーム由来の油脂である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の精製グリセリド組成物の製造方法。
  5. 前記白土処理工程の前に、さらに前記グリセリド組成物の脱ガム工程を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の精製グリセリド組成物の製造方法。
  6. 前記脱ガム工程が、前記グリセリド組成物と、リン酸又はクエン酸の水溶液、又はリン酸とを接触させ、前記白土処理工程でガム質を除去することを含む、請求項5に記載の精製グリセリド組成物の製造方法。
  7. 前記白土処理工程が脱色工程であり、前記白土処理工程の後に、さらに脱臭工程を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の精製グリセリド組成物の製造方法。
  8. 前記脱臭工程が、100〜260℃の温度条件下にて行われる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の精製グリセリド組成物の製造方法。
  9. 脱臭工程を経ていないグリセリド組成物と、白土及び炭酸カリウムを含む混合物とを接触させる白土処理工程を含む、グリセリド組成物の処理方法。
  10. 前記グリセリド組成物が、パーム由来の油脂であり、前記白土がアルカリ白土であり、及び、前記炭酸カリウムの含有量が、前記脱臭工程を経ていないグリセリド組成物の全体の質量に対し、0.3〜1.0質量%である、請求項9に記載のグリセリド組成物の処理方法。
  11. 前記白土処理工程の前に、さらに前記グリセリド組成物の脱ガム工程を含み、前記脱ガム工程が、前記グリセリド組成物とリン酸又はクエン酸の水溶液、又はリン酸とを接触させ、前記白土処理工程でガム質を除去することを含む、請求項9又は10に記載のグリセリド組成物の処理方法。
  12. 前記脱臭工程が、100〜260℃の温度条件下にて行われる、請求項9〜11のいずれか1項に記載のグリセリド組成物の処理方法。
  13. 3−クロロプロパン−1,2−ジオール及び3−クロロプロパン−1,2−ジオールの脂肪酸エステルの含有量が、精製グリセリド組成物全体の質量に対し、1ppm以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法により得られることを特徴とする精製グリセリド組成物。
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