本開示の1つまたは複数の特定の実施形態を以下で説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するため、実際の実施態様のすべての特徴を本明細書で説明するわけではない。いかなるこうした実際の実施態様の開発に際しても、あらゆるエンジニアリングプロジェクトまたは設計プロジェクトにおけるように、システム関連およびビジネス関連の制約を遵守することなど、実施態様ごとに変わり得る開発者の特定の目標を達成するために、実施態様特有の多くの決定を行われなければならないことを認識すべきである。さらに、このような開発の取り組みは、複雑であり時間を要する場合があるが、それにもかかわらず、この開示の恩恵を受ける当業者にとっては、設計、製作、および製造の定常作業であることを認識すべきである。
本発明の様々な実施形態の要素を導入するときに、冠詞「1つ(a)」、「1つ(an)」、「その(the)」、および「前記(said)」は、それらの要素のうちの1つまたは複数があることを意味することを意図する。用語「備える、含む(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」は、包括的であることを意図し、列挙した要素以外に追加の要素があり得ることを意味する。
開示する実施形態は、荷物を安定させながら(例えば、バランスをとりながら)、少なくとも4つの自由度で荷物(例えば、大型機械)の移動を容易にする荷物移動システムを対象とする。例えば、荷物は、ターボ機械(例えば、タービン、圧縮機、またはポンプ)、発電機、または往復動内燃機関を含むことができる。下記で詳細に論じるように、荷物移動システムの実施形態は、第1および第2のレール案内構造体による各第1および第2の交差する方向への水平移動、吊り上げ部による鉛直移動、ならびに回転部による回転移動を可能にすることができる。全体として、これらのシステムは、制御された動きと安定性で4つの自由度を可能にして、確実に荷物および周囲の構造物(例えば、船の甲板)を保護する。
第1および第2のレール案内構造体は、枠に配置された第1および第2のレールの対に移動可能に結合することができる。ここでは、各レール案内構造体は、レールのそれぞれに配置された複数の車輪を含むことができる(例えば、水平方向および鉛直方向の車輪)。いくつかの実施形態では、第1のレール案内構造体は、第2のレール案内構造体に移動可能に取り付けることができる。例えば、第2のレール案内構造体は、第1のレール案内構造体の車輪を支持する第1のレールを含むことができる。第2のレール案内構造体は、枠に移動可能に取り付けることができる。例えば、枠は、第2のレール案内構造体の車輪を支持する第2のレールを含むことができる。第1および第2のレール案内構造体は、駆動システム(例えば、電気または流体駆動装置)に結合することができる。例えば、駆動システムは、液体または気体駆動のピストンとシャフト組立体、電気モータ駆動のシャフト、ラックピニオンシステム、回転ねじシステム、またはこれらを任意に組み合わせたものを含むことができる。第1のレール案内構造体はまた、回転部、吊り上げ部、および荷物に結合するように構成されたスプレッダバーを含むことができる。
回転部は、第1の部分を第2の部分に対して回転するように構成された駆動システム(例えば、電気または流体駆動装置)を含むことができる。ここでは、第1の部分は回転部分であり、第2の部分は静止部分である。例えば、第1および第2の部分は、互いに同軸または同心とすることができ、駆動システムは、第1の部分を第2の部分の周りの外側を、または第2の部分の中の内側を回転させるように構成することができる。第1の部分はまた、吊り上げ部および/またはスプレッダバーに結合することができる。吊り上げ部は、駆動システム(例えば、電気または流体駆動装置、ウィンチ、ケーブル、およびプーリーなど)に応答して互いに対して伸縮するように構成された複数の同心のスリーブを有する伸縮継手を含むことができる。吊り上げ部は。第1の板に結合されかつ第2の板を移動可能に通る第1、第2、および第3の安定化ガイドなどの1つまたは複数の安定化ガイドを含むことができる。例えば、第1の安定化ガイドはスプレッダバーの溝に配置することができ、一方、第2および第3の安定化ガイドはスプレッダバーの両側に配置することができる。
次に、図面を参照すると、図1は、荷物11を複数の並進/直線方向および複数の回転方向(例えば、水平方向、鉛直方向、および1つまたは複数の軸の周りの回転方向)に動かすように構成された荷物移動システム10の実施形態の概略図である。ここでの説明のため、第1の水平軸または方向2、第1の軸2に交差して(例えば、実質的に直角に)配置された第2の水平軸または方向4、鉛直軸または方向6、および鉛直軸6の周りに配置された回転または周方向8を参照する場合がある。本明細書で使用するとき、水平および鉛直という用語は、水平および鉛直からのある程度の偏差(例えば、5、10、15、20、25、または30度)を含む場合があり、これらの用語は、軸、方向、および/または面が互いに概ね交差している(例えば、実質的に直角をなしている)ことを示すために便宜上使用する場合がある。荷物移動システム10は、第1の水平軸2、第2の水平軸4、鉛直軸6、および回転方向8に沿って対向方向に、制御されかつ安定させた様態で荷物11を動かすように構成される。
荷物移動システム10は、海上の船、自動車組立ライン、工業プラント、発電プラント、化学プラント、またはこれらを任意に組み合わせたものの中に荷物11を移動することなどの様々な用途に使用することができる。荷物11は、ターボ機械(例えば、タービン、圧縮機、またはポンプ)、発電機、往復動内燃機関、他の大型機械、またはこれらを任意に組み合わせたものを含むことができる。荷物11はまた、車両または車両構成部品、船、燃焼システム、反応装置、あるいはエンジン補助構成部品(例えば、フィルタ装置、排気筒、潤滑システムなど)を含むことができる。特定の実施形態では、荷物11は、1つまたは複数の圧縮機段を有する圧縮機セクション、1つまたは複数の燃焼器を有する燃焼器セクション、および1つまたは複数のタービン段を有するタービンセクションを有するガスタービンエンジンを含むことができる。
荷物移動システム10は、可動組立体16を支持する枠14を有する荷物移動機械12を含む。枠14は、方向2、4、および6に延在する複数の構造支持体を含み、それによって荷物11の周りに3次元の枠組みを画定する。可動組立体16は、枠14の周囲の内外で、様々な方向2、4、6、および8に荷物11を支持する、吊り上げる、かつ移動するように構成される。荷物移動システム10は、可動組立体16に結合した駆動システム18を含み、ここで、駆動システム18は、様々な方向2、4、6、および8への移動を駆動するように構成された複数の駆動装置17および伝動装置19を備える。
駆動システム18の駆動装置17は、電気駆動装置(例えば、電気モータ)、流体駆動装置(例えば、液体または油圧駆動装置、ならびに/あるいは気体または空圧駆動装置)、またはこれらを組み合わせたものを含むことができる。流体駆動装置は、シリンダ内に配置されたピストンを有するピストン駆動組立体を含むことができる。伝動装置19は、並進または回転シャフト、歯車装置または歯車組立体、互いに対して伸縮する複数の同心のスリーブまたはシャフトを有する伸縮組立体、ウィンチを有するケーブルプーリーシステム、ウォームギア組立体、遊星歯車組立体、ラックピニオン歯車組立体、あるいはこれらを任意に組み合わせたものを含むことができる。駆動システム18は、方向2、4、6、および8のそれぞれの方向に動かすための独立した駆動装置17および伝動装置19を含むことができる、または、駆動システム18は、方向2、4、6、および8のうちの2つ以上の方向に動かすための駆動装置17および/または伝動装置19を共有することができる。
駆動システム18は制御システム20に接続され、制御システム20は、プロセッサ22および記憶装置23(例えば、ランダムアクセスメモリ、読出専用メモリ、フラッシュメモリ、揮発性または不揮発性メモリ、ハードドライブなど)を有する1つまたは複数の制御装置21(例えば、電子制御装置)を含むことができる。制御装置21は、命令を記憶装置23内に保存し、プロセッサ22によってそれらの命令を実行して駆動システム18の動作を制御するように構成される。具体的には、制御装置21は、荷物11の寸法、重量、形状、または他の特性、場所の安定性(例えば、船に搭載する場合)などに基づいて、荷物11のバランスを取って、方向2、4、6、および8に安定した速度で移動するように駆動装置17を制御するように命令を実行することができる。例えば、制御装置21は、吊り上げ部26、回転部28、第1の並進部30、および第2の並進部32を含む可動組立体16による荷物11の動きを制御するように構成される。制御システム20は、荷物移動システム10全体にわたって様々なセンサに通信可能に接続することができ、センサのフィードバックを使用して荷物11の動きを改善することを助けることができる。センサは、速度センサ、加速度計、風センサ、湿度センサ、振動センサ、騒音または音響センサ、力または抵抗センサ、荷重レベルセンサ、荷物の傾きまたは角度センサ、荷物の重量センサ、場所の安定性のセンサ(例えば、波によって生じる動揺)、水センサ(例えば、吊り上げ区域近傍での降雨または水を検知する)、あるいはこれらを任意に組み合わせたものを含むことができる。制御システム20はまた、ディスプレイ(例えば、LED、LCD、またはタッチスクリーンディスプレイ)、ユーザ入力(例えば、押しボタン、キーパッド、またはキーボード、タッチパッド、マウスなど)、出力または警報(例えば、音声または視覚警報)、あるいはこれらを任意に組み組み合わせたものを有するユーザインターフェースまたは制御盤を含むことができる。
下記でさらに詳細に説明するように、可動組立体16は、スプレッダバー24、吊り上げ部26、回転部28、第1の並進部30、および第2の並進部32を含むことができる。第1の並進部30は、1つまたは複数の第1のレール36(例えば、第1および第2の平行なレール36)に沿って配置された第1のレール案内構造体34を含むことができ、一方、第2の並進部32は、1つまたは複数の第2のレール40(例えば、第1および第2の平行なレール40)に沿って配置された第2のレール案内構造体38を含むことができる。特定の実施形態では、第1および第2の並進部30および32(例えば、第1および第2のレール案内構造体34および38)は互いに独立した別体とすることができる。図示の実施形態では、第1および第2の並進部30および32(例えば、第1および第2のレール案内構造体34および38)は入れ子構成で相互に依存しており、ここでは、第1のレール案内構造体34は、第2のレール案内構造体38に沿って動くように構成され、一方、第2のレール案内構造体38は枠14に沿って動くように構成される。その結果、第2のレール案内構造体38の部分は第1のレール案内構造体34を支持する。
図示の実施形態では、第1のレール案内構造体34は、第1の枠組みまたは支持構造体42(例えば、スパイダートロリー)を含み、一方、第2のレール案内構造体38は、第2の枠組みまたは支持構造体44を含む。第1のレール案内構造体34の第1の枠組み42は荷物11、スプレッダバー24、吊り上げ部26、および回転部28を支持し、ここでは、要素11、24、26、および28は任意の適切な配置で結合して一緒になることができる。例えば、スプレッダバー24は1つまたは複数の荷物結合部25によって荷物11に結合することができ、吊り上げ部26は1つまたは複数の吊り上げ結合部27(図2に示す)によってスプレッダバー24に結合することができ、回転部28は1つまたは複数の結合部および/または安定化ガイド76(図2に示す)によって吊り上げ部26に結合することができ、回転部28は1つまたは複数の結合部78(図2に示す)によって第1の枠組み42に結合することができる。第1のレール案内構造体34の第1の枠組み42はまた、第1のレール36に沿って転がるように構成された複数の車輪46(例えば、水平方向および鉛直方向の車輪)、および第1のレール36に沿う動きを選択的に妨げるために1つまたは複数の可動ロック組立体47を含む。例えば、制御システム20は、第1のレール36に対するロック位置とアンロック位置との間をロック構造体または停止構造体を回転させる、かつ/または伸縮させるアクチュエータ制御のロック組立体47に接続することができる。図示の実施形態では、第1のレール36は、第2の枠組み44に結合している、第2の枠組み44と一体化している、かつ/または第2の枠組み44の一部分となっている。例えば、第2の枠組み44の平行梁は、第1のレール36を画定するようにC字形の断面を含むことができる。図示の実施形態では、第1のレール36は、第1の水平軸2に沿った、またはそれと平行な方向を向いている。第2のレール案内構造体38の第2の枠組み44は第1のレール案内構造体34を支持し、したがって、荷物11、スプレッダバー24、吊り上げ部26、回転部28、および第1の枠組み42を支持する。第2のレール案内構造体38の第2の枠組み44はまた、第2のレール40に沿って転がるように構成された複数の車輪48(例えば、図2に示すように、鉛直方向の車輪84および水平方向の車輪86)、および第2のレール40に沿う動きを選択的に妨げるために1つまたは複数の可動ロック組立体49を含む。例えば、制御システム20は、第2のレール40に対するロック位置とアンロック位置との間をロック構造体または停止構造体を回転させる、かつ/または伸縮させるアクチュエータ制御のロック組立体49に接続することができる。図示の実施形態では、第2のレール40は、枠14に結合している、枠14と一体化している、かつ/または枠14の一部分となっている。例えば、枠14の平行梁は、第2のレール40を画定するようにC字形の断面を含むことができる。図示の実施形態では、第2のレール40は、第2の水平軸4に沿った、またはそれと平行な方向を向いている。その結果、第1と第2のレール36および40は、水平面で互いに交差する(例えば、互いに実質的に直角をなす)方向を向いている。
特定の実施形態では、制御システム20は、第1の駆動装置17、50および第1の伝動装置19、51、第2の駆動装置17、52および第2の伝動装置19、53、第3の駆動装置17、54および第3の伝動装置19、55、ならびに第4の駆動装置17、56および第4の伝動装置19、57によって、可動組立体16の動きを同時に、順番に、依存的に、かつ/または独立して制御するように構成される。例えば、第1の駆動装置17、50および第1の伝動装置19、51は、第1のレール案内構造体34に駆動可能に結合して、第1のレール案内構造体34を第1のレール36に沿って、第1の水平軸2に沿う対向する第1および第2の方向58、59に選択的に並進(例えば、直線移動)させる。さらなる例では、第2の駆動装置17、52および第2の伝動装置19、53は、第2のレール案内構造体38に駆動可能に結合して、第2のレール案内構造体38を第2のレール40に沿って、第2の水平軸4に沿う対向する第1および第2の方向60、61に選択的に並進(例えば、直線移動)させる。さらなる例では、第3の駆動装置17、54および第3の伝動装置19、55は、回転部28、吊り上げ部26、スプレッダバー24、および/または荷物11に駆動可能に結合して、これらの構成部品28、26、および/または11を鉛直軸6の周りの対向する第1および第2の方向62、63に選択的に回転させる。さらなる例では、第4の駆動装置17、56および第4の伝動装置19、57は、吊り上げ部26、スプレッダバー24、および/または荷物11(および、任意に回転部28)に駆動可能に結合して、これらの構成部品26、24、および/または11(および、任意に28)を鉛直軸6に沿う対向する第1および第2の方向64、65(図2に示す)に選択的に並進(例えば、直線移動)させる。改めて言うと、制御システム20は、これらの駆動装置17を制御して、荷物11を、同時に、順番に、依存的に、かつ/または独立して動かして望むように安定して移動できるように構成することができる。
下記で詳細に説明するように、駆動装置17および伝動装置19のそれぞれは、様々な構造および構成部品を有して、可動組立体16を所望の方向に動かすことができる。例えば、第1の伝動装置19、51は、第1のレール案内構造体34および/または枠14の一部分内にねじ込まれた細長い構造体66(例えば、ねじ付シャフト)を含むことができ、その結果、シャフト66を回転させると第1のレール案内構造体34が並進運動する。しかしながら、図9〜11を参照して下記で詳細に説明するように、第1の伝動装置19、51は、第1のレール案内構造体34を第1の駆動装置17、50に応答して動かすために様々な機構を含むことができる。図示の実施形態では、第1の駆動装置17、50は摺動支持構造体68に結合され、摺動支持構造体68は一対の第3のレール70(または摺動案内支持体)に摺動可能に取り付けられ、それに沿って対向する第1および第2の方向67、69に直線的に動く。いくつかの実施形態では、第1の駆動装置17、50および第1の伝動装置19、51は、摺動支持構造体68を第3のレール70に沿って(例えば、破線で示す第1の位置71と実線で示す第2の位置72との間を)動かしながら、同時に第1のレール案内構造体34を第1のレール36に沿って並進させるように構成することができる。図示の実施形態では、第1のレール案内構造体34がロック組立体47によって第1のレール36に対して適位置でロックされている間、摺動支持構造体68はまず、第1の位置71から第2の位置72まで第3のレール70の長さに沿って少なくとも部分的に、または全部を動くことができる。例えば、摺動支持構造体68が第1の位置71に配置されている間、制御システム20は、第1のレール36に係合するように(例えば、ロック構造体を伸ばして)ロック組立体47を選択的に作動させ、それによって第1のレール案内構造体34を適位置に固定することができる。構造体34が適位置に固定されると、第1の駆動装置17、50および第1の伝動装置19、51は、ねじ付シャフト66を第1のレール案内構造体34に対して回転させ、それによって摺動支持構造体68を第1の位置71から第2の位置72まで駆動するように構成することができる。構造体68が第2の位置72にあるとき、制御システム20は、第1のレール36への係合を解除するように(例えば、ロック構造体を引っ込ませて)ロック組立体47を選択的に作動させ、それによって第1のレール案内構造体34を解放して第1のレール36に沿って自由に動けるようにすることができる。さらに、制御システム20は、第3のレール70に係合するように(例えば、ロック構造体を伸ばして)ロック組立体73を選択的に作動させ、それによって摺動支持構造体68をロックして第3のレール70に沿って自由に動くことを妨げることができる。この時点で、制御システム20は、ねじ付シャフト66を第1のレール案内構造体34に対して回転させるように第1の駆動装置17、50を選択的に作動させ、それによって第1のレール案内構造体34が第1のレール36に沿って第1の方向59に動くことを駆動することができる。制御システム20はまた、第1の駆動装置17、50、ロック組立体47、およびロック組立体73を逆の順序に操作して第1のレール案内構造体34を第2の方向58に動かすことができる。第1のレール案内構造体34の移動に関して、特定の制御手順を説明したが、第1のレール案内構造体34と摺動支持構造体68を、同時に、または順番に、任意に動かして、スプレッダバー24に結合した荷物11の移動を実行することができる。
特定の実施形態では、第2の伝動装置19、53は、第2のレール案内構造体38および/または枠14の一部分内にねじ込まれた細長い構造体74(例えば、ねじ付シャフト)を含むことができ、その結果、シャフト74を回転させると第2のレール案内構造体38が並進運動する。ここでもまた、制御システム20は、第2のレール40に係合するように(例えば、ロック構造体を伸ばして)、または第2のレール40への係合を解除するように(例えば、ロック構造体を引っ込ませて)、ロック組立体49を選択的に作動させ、それによって、選択的に第2のレール案内構造体38を第2のレール40に沿って自由に動くことを妨げる、または可能にすることができる。ロック構造体は、選択的にロックハウジングを出入りするロッキングペグを含んで、それによって各レールに対してロッキングペグを伸縮することができる。図9〜11を参照して下記で詳細に論じるように、第2の伝動装置19、53は、第2の駆動装置17、52に応答して第2のレール案内構造体38を動かすために様々な機構を含むことができる。同様に、第3および第4の伝動装置19、55、57もまた、スプレッダバー24、したがって荷物11を回転させる、かつ吊り上げるために様々な機構を含むことができる。図2〜6を参照して、これらの伝動装置19、55、57の実施形態を示し、説明する。
図2は、図1の可動組立体16の実施形態の概略側面図であり、荷物11がスプレッダバー24によって支持(例えば、荷物結合部25によって結合)され、スプレッダバー24が吊り上げ結合部27によって吊り上げ部26に結合され、回転部28が1つまたは複数の結合部76によって吊り上げ部26に結合され、かつ、第1の枠組み42が1つまたは複数の結合部78によって回転部28に結合されていることを示している。結合部25、27、76、および78は、溝、ダブテール継手、ねじ付フランジ、クランプ、溶接継手、またはこれらを任意に組み合わせたものに適合するねじ付締結具(例えば、ボルトおよび/またはナット)、ブラケット、フックを含むことができる。図示の実施形態では、回転部28は吊り上げ部26の鉛直上方に配置されている。いくつかの実施形態では、回転部28は吊り上げ部26の鉛直下方に配置される。回転部28は駆動装置17、54によって駆動されて、吊り上げ部26、スプレッダバー24、および荷物11を鉛直軸6の周りに対向方向62、63に回転させる。吊り上げ部26は駆動装置17、56によって駆動されて、吊り上げ部26、スプレッダバー24、および荷物11を鉛直軸6に沿って対向する鉛直方向64、65に鉛直移動させる。第1のレール案内構造体34(第1の枠組み42、回転部28、吊り上げ部26、スプレッダバー24、および荷物11を含む)は、駆動装置17、50および伝動装置19、51(例えば、図1に示すシャフト66)によって第1のレール36に沿って動くように駆動される。例えば、シャフト66は、受口80(例えば、ねじ付受口)に結合され、その結果、シャフト66が回転すると、第1のレール案内構造体34を第1のレール36に沿って第1の水平方向2に第1の水平面内を並進させることができる。第1のレール36は、鉛直方向の複数の車輪84および水平方向の複数の車輪86など複数の第1の車輪46を支持するように構成されたC字形の断面82(または、C字形の突出部)を有する。鉛直方向の車輪84は、第1のレール案内構造体34を鉛直方向に安定させるように構成され、一方、水平方向の車輪86は、第1のレール案内構造体34を水平方向に安定させるように構成される。
図3は、図1〜2の可動組立体16の回転部28の実施形態の透視図である。上記のように、回転部28は第1の枠組み42に結合することができる。回転部28は、第1の部分90および第2の部分92を入れ子配置で含むことができ、例えば、部分90および92が互いの周りに、かつ中心軸94の周りに同軸または同心に配置される。例えば、第1および第2の部分90および92は、少なくとも一方が他方に対して回転する同心の環状部分とすることができる。図示の実施形態では、第1の部分90は固定部(例えば、固定ハウジングまたはケーシング)を含み、第2の部分92は回転部を含む。第1および第2の部分90および92は、環状レールおよび/または軸受組立体96に沿って一緒に結合され、それによって、部分90と部分92との間の回転運動を許容しながら軸方向の動きを妨げることができる。第1の部分90(例えば、固定部)は、ねじ付締結具(例えば、ねじ付受口、ボルト、ナットなど)、クランプ、ロッド、受口、溶接、またはこれらを任意に組み合わせたものを含むことができる複数の結合部78によって第1の枠組み42に結合することができる。同様に、第2の部分92(例えば、回転部)は、ねじ付締結具(例えば、ねじ付受口、ボルト、ナットなど)、クランプ、ロッド、受口、溶接、またはこれらを任意に組み合わせたものを含むことができる複数の結合部76によって吊り上げ部26に結合することができる。図示の実施形態では、第3の伝動装置19、55は、第3の駆動装置17、54に結合された、またはそれと一体になった第1または駆動歯車98、および回転部28の第2の部分92(例えば、回転部)に結合された、またはそれと一体となった第2または被駆動歯車100を含む。例えば、駆動歯車98は、ねじ付シャフトまたはウォームを含むことができ、一方、被駆動歯車100は、外向きの歯を有するウォーム歯車または環状歯車を含むことができる。作動中、第3の駆動装置17、54は、駆動歯車98を回転させ、さらに被駆動歯車100の回転を駆動するように制御システム20によって制御される。被駆動歯車100が回転するとき、第3の伝動装置19、55は、吊り上げ部26、スプレッダバー24、および荷物11の回転を駆動する。第1の部分90は、第1の枠組み42に固定または静止位置で結合することができ、一方、第2の部分92は第3の駆動装置17、54および第3の伝動装置19、55に応答して回転する。制御システム20に応答して、回転部28の第2の部分92を、対向方向62および63に滑らかに連続して、または段階的に(例えば、0.1、1、2、3、4、5、または10度の増分)、またはこれらを任意に組み合わせて回転するように駆動することができる。回転範囲は45、60、90、180、270、または360度、または任意の適切な回転距離とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の部分90および/または第2の部分92を、第1の枠組み42と部分的に、または全体的に一体化する、あるいは、第1の枠組み42内に引っ込める、または第1の枠組み42によって収容することができる。第1の部分90は、第2の部分92、軸受組立体96、ならびに歯車98および100を含んでそれらを保護するように構成された外側ハウジング壁102(例えば、密閉容器)を含んで、それによって、細片、水、ごみ、および/または他の外部汚染物質のいかなる侵入をも妨げることができる。いくつかの実施形態では、第1の部分90、第2の部分92、軸受組立体96、壁102、および/または第3の駆動装置17、54は、潤滑剤フィッティング104(例えば、グリースフィッティング)を含んで回転構成部品に潤滑剤(例えば、グリ−ス)を供給することができる。
図4〜6は、可動組立体16の吊り上げ部26の特徴を示す。例えば、図4は、図1〜2のスプレッダバー24に結合した可動組立体16の吊り上げ部26の実施形態の概略側面図である。吊り上げ部26は、鉛直方向6に動く伸縮継手110を含むことができる。伸縮継手110は、接続部材との溶接、ろう付け、フランジ結合によって、または任意の他の適切な方法によって、第1の端部106において吊り上げ部26に結合することができる。伸縮継手110は、伸縮継手110の長手方向の軸の周りに同心に配置された複数の同心のスリーブ112(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個以上)を含むことができる。伸縮継手110が縮むとき、より小さな同心のスリーブ112がより大きな同心のスリーブ112内に重なることができる。同心のスリーブ112は円筒、正方形、長方形、または任意の他の適切な形状とすることができる。同心のスリーブ112が互いに対して軸方向に伸縮して、荷物11を鉛直方向6に並進させることができる。同心のスリーブ112は、制御システム20に応答して、鉛直方向6の対向方向64および65に伸縮して、荷物11を様々な位置に移動することができる。同心のスリーブ112はまた、荷物11を吊り上げおよび吊り降しする間の安定性を改善するような寸法(例えば、直径、壁厚など)および間隔(例えば、隙間)にすることができる。例えば、同心のスリーブ112は、吊り上げ部26および荷物11の水平方向2および4の横方向の動きを概ね妨げることができる。機械的な止め具または突起が同心のスリーブ112の側面の周りに配置されて、同心のスリーブ112が並進するときにそれらの伸縮を制御することができる。同心のスリーブ112の内側および外側の表面は、グリースなどの材料で覆われて、同心のスリーブ112が互いに対して動くときに、同心のスリーブ112の間の摩擦の影響を小さくすることができる。第4の駆動装置17、56および第4の伝動装置19、57は、伸縮継手110を鉛直方向6に並進させるために利用することができる。第4の伝動装置19、57は、電動チェーンホイスト、電動ワイヤロープホイスト、油圧ウィンチ、または他の適切な吊り上げ機構などの様々な吊り上げ組立体を含んで、荷物11を吊り上げ、および/または吊り降しすることができる。例えば、第4の伝動装置19、57は、第4の駆動装置17、56に結合したスプール116を有するホイストまたはウィンチシステム114を含み、さらに、スプール116の周りに巻かれ、結合部27(例えば、吊り上げ結合部)でスプレッダバー24に結合した線118を含むことができる。線118は、金属、織物、プラスチックなどよりなるケーブル、チェーン、ロープ、またはこれらを任意に組み合わせたものを含むことができる。結合部は、伸縮継手110の端部108に結合した第1の板119、およびスプレッダバー24に結合した第2の板120などの複数の取付フランジまたは取付板を含むことができる。板119、120は、ねじ付締結具、溶接、クランプ、または任意の適切な継手によって結合して合体することができる。
図5は、図1〜2のスプレッダバー24に結合した可動組立体16の吊り上げ部26の実施形態の概略側面図である。上記のように、回転部28は、第1の部分90、および複数の結合部76(例えば、ねじ付締結具、フック、クランプ、溶接など)によって吊り上げ部26に結合することができる第2の部分92を含むことができる。図示の実施形態では、吊り上げ部26は、反対側にある第1および第2の板122および124(例えば、上部および下部の支持部)を含み、これらは互いに間隔を置いて実質的に平行に配置され、第4の駆動装置17、56および第4の伝動装置19、57によって互いに接近および離間するように動く。第1の板122は、結合部76によって回転部28の第2の部分92に結合され、一方、第2の板124は、結合部27(例えば、ねじ付締結具、フック、クランプ、溶接など)によってスプレッダバー24に結合される。
吊り上げ部26はまた、第1の板122に結合した第1、第2、および第3の安定化ガイド125、126、および127などの複数の安定化ガイド123(例えば、鉛直方向の安定化ガイド)を含む。例えば、安定化ガイド123は、固定結合部(例えば、溶接継手または一体構造)、取外し可能な結合部(例えば、ねじ継手、ねじ付締結具、クランプ、フックなど)、またはこれらを任意に組み合わせたものによって第1の板122に結合することができる。安定化ガイド123は、互いに対しては平行な向きに、かつ第1および第2の板122、124に対しては交差する(例えば、直角の)向きに、鉛直軸6に沿って概ね延在する鉛直方向を向くシャフト、ロッド、または構造支持体とすることができる。安定化ガイド123はまた、互いにずらして、(図6に示すような)三角配置などの安定化配置121にすることができる。
図示の実施形態では、第2の板124は、安定化ガイド123の長さに沿って鉛直方向の対向方向64、65に動くように構成される。例えば、第2の板124は、複数の安定化ガイド支持部または受口128(例えば、孔付きの環状支持部)を含み、これらは複数の安定化ガイド123(例えば、安定化ガイド125、126、および127)を受け入れるように構成される。安定化ガイド123は、吊り上げおよび吊降しの間、受口128を通って鉛直方向64、65に滑るように構成される。安定化ガイド123および受口128は円筒、楕円、正方形、長方形、または任意の他の多角形とすることができる。図示の実施形態では、安定化ガイド支持部または受口128は、固定された結合部(例えば、溶接継手または一体構造)、取外し可能な結合部(例えば、ねじ継手、ねじ付締結具、クランプ、フックなど)、またはこれらを任意に組み合わせたものによって第2の板124に結合することができる。図示の安定化ガイド支持部または受口128はまた、その中に受け入れた安定化ガイド123に対してより長い長さとより大きな安定性を与えるように第2の板124から突き出る。例えば、安定化ガイド支持部または受口128は、ブッシュ、スリーブ、円筒軸受、またはこれらを任意に組み合わせたものを含むことができる。安定化ガイド支持部または受口128はまた、安定化ガイド123の安定化配置121に合うように、互いにずらして三角配置などの(図6に示すような)安定化配置129にすることができる。
図示のように、安定化ガイド123のうちの1つまたは複数は、スプレッダバー24に沿って(例えば、中心線に沿って)長さ方向に延在するスプレッダバーの溝136を通ってスプレッダバー24に配置することができる。例えば、スプレッダバー24は、対応する安定化ガイド123を受け入れる1、2、3、4、5、または6個以上のスプレッダバーの溝136を含むことができる。図示の実施形態では、第1の安定化ガイド123、125は、スプレッダバーの溝136に配置され、一方、第2の安定化ガイド123、126および第3の安定化ガイド123、127はスプレッダバー24の両側の第1および第2の側面135および137に配置される。安定化ガイド123をスプレッダバー24の溝136の内側に配置することと、スプレッダバー24の側面135、137に沿って外側に配置することは両方とも、スプレッダバー24および荷物11の吊り上げ、および吊り降し中での安定性を増すことに役立つ。安定化ガイド123は、安定性を与えるために、スプレッダバー24を部分的な深さに、全深さまで、または全深さを超えて延在することができる。さらに、第1の安定化ガイド123、125および第2の安定化ガイド123、126は、様々な荷物11の重心が中心に来るように、スプレッダバーの溝136に対して軸4上を滑ることができる。
図示の実施形態では、制御システム20は、第1の板122および安定化ガイド123が概ね静止したまま(例えば、鉛直方向に動かないで)、第2の板124を受口128、スプレッダバー24、およびに荷物11とともに昇降するように、第4の駆動装置17、56および第4の伝動装置19、57を選択的に操作するように構成される。このように動いている間、第2の板124の安定化ガイド支持部または受口128は安定化ガイド123を上下に滑り、一方、スプレッダバー24は、スプレッダバーの溝136およびスプレッダバー24の両側135および137において、安定化ガイド123を上下に滑る。このようにして、安定化ガイド123は安定性と横方向の支持を与え、それによって、鉛直軸6から離れるように横方向に動くこと、傾くこと、旋回することに対する抵抗となる。第4の伝動装置19、57は、電動チェーンホイスト、電動ワイヤロープホイスト、油圧ウィンチ、または他の適切な吊り上げ機構などの様々な吊り上げ組立体を含んで、荷物11を吊り上げ、および/または吊り降しすることができる。例えば、第4の伝動装置19、57は、第4の駆動装置17、56に結合したスプール116を有するホイストまたはウィンチシステム114を含み、さらに、スプール116の周りに巻かれ、結合部27(例えば、受口132のフック130などの吊り上げ結合部)でスプレッダバー24に結合した線118を含むことができる。線118は、金属、織物、プラスチックなどよりなるケーブル、チェーン、ロープ、またはこれらを任意に組み合わせたものを含むことができる。ホイストまたはウィンチシステム114はまた、線118をスプール116から結合部27まで送るために1つまたは複数のプーリー134を含むことができる。
吊り上げ部26および回転部28の構成部品の姿勢は、図6および7に関して、さらに理解することができる。図6は、図5の線6−6内を切り取った吊り上げ部26の実施形態の概略部分切断図であり、スプレッダバー24の溝136に配置された第1の安定化ガイド123、125、ならびにスプレッダバー24の両側135、137に配置された第2および第3の安定化ガイド123、126、127を示している。具体的には、図6は、安定化ガイド123を切断し、第2の板124およびスプレッダバー24を下方に見る第1の板122と第2の板124との間にある面から見た第2の板124を示している。図示のように、安定化ガイド123(例えば、125、126、127)は、吊り上げおよび吊り降し中の吊り上げ部26の安定性を向上させることに役立つ三角配置121、129の安定化ガイド支持部または受口128を移動可能に通って延在する。第1および/または第2の板122、124はまた、図示のような三角形、あるいは長方形、円形、楕円形、またはこれらを組み合わせた形状とすることができる。図示の実施形態では、第1の安定化ガイド123、125は、第2の板124の第1の端部(例えば、先端部または幅の狭い部分)に配置され、一方、第2および第3の安定化ガイド123、126、127は両方とも、第2の板124の第2の端部(例えば、幅の広い部分)で、第1の安定化ガイド123、125から長手方向にずれた位置に配置される。第1の安定化ガイド123、125は、鉛直方向64、65の上下に動くことができる十分な隙間を残しつつ、溝136およびガイド支持部または受口128の中にぴったり合う寸法にして安定性を改善することができる。同様に、第2および第3の安定化ガイド123、126、127は、鉛直方向64、65の上下に動くことができる十分な隙間を残しつつ、ガイド支持部または受口128の中にぴったり合う寸法で、かつスプレッダバー24の幅にぴったり合う間隔にして安定性を改善することができる。図示の実施形態では、安定化ガイド123、およびガイド支持部または受口128は、円形断面または円筒形である。いくつかの実施形態では、安定化ガイド123、およびガイド支持部または受口128は、長方形、正方形、三角形、楕円形、六角形、円形、またはこれらを任意に組み合わせたものとすることができる。
図7は、図2の線7−7内を切り取った第1のレール案内構造体34の実施形態の概略上面図であり、回転部28、吊り上げ部26、および一対の第1のレール36に沿って配置された複数の車輪46を示している。図示のように、第1の枠組み42(例えば、スパイダートロリー)は、回転部28から一対の第1のレール36に向かって外向きに広がる複数の構造支持体138(例えば、X字形構造体を画定する第1および第2のV字形構造体の対)を有する。第1の枠組み42は、第1のレール36の対のそれぞれの上で、車輪46の複数の組を支持し、それによって、第1のレール36に沿う第1のレール案内構造体34の安定性および動きを改善することに役立つ。例えば、構造支持体138のそれぞれは、隣接した第1のレール36に配置された、1つまたは複数の鉛直方向の車輪84および1つまたは複数の水平方向の車輪86などの複数の車輪46を含むことができる。さらに、構造支持体138のうちの1つまたは複数はロック組立体47を含むことができ、ロック組立体47は、破線で示すように第1のレール36内に選択的に伸び、実線で示すように第1のレール36から選択的に引っ込む可動ロック構造体139を有することができる。制御システム20は、ロック組立体47のそれぞれに通信可能に接続することができ、それによって、駆動装置(例えば、電気駆動装置、流体駆動装置、ソレノイド、またはこれらを任意に組み合わせたもの)による可動ロック構造体139の作動を選択的に制御する。上記で詳細に論じたように、ロック組立体47が、第1のレール案内構造体34を第1のレール36に対して固定すると、駆動装置17、50は、ねじ付シャフト66をねじ付受口140に沿って回転させ、それによって、図1に示すように、摺動支持構造体68を駆動することができる。ロック組立体47が、第1のレール案内構造体34を第1のレール36に対して解放すると、駆動装置17、50は、ねじ付シャフト66をねじ付受口140に沿って回転させ、それによって、矢印58、59で示すように、第1のレール案内構造体34を第1のレール36に沿って駆動することができる。
図8は、図1の線8−8内を切り取った第2のレール案内構造体38の実施形態の概略部分上面図であり、一対の第2のレール40のうちの1つに沿って配置された複数の車輪48を示している。図示のように、第2の枠組み44は、第2のレール40に延びる複数の構造支持体138を有し、ここでは、各支持体138は一組の車輪48(例えば、1つまたは複数の鉛直方向の車輪84、および1つまたは複数の水平方向の車輪86)を含んで、第2のレール40に沿う第2のレール案内構造体38の安定性および動きを改善することができる。さらに、1つまたは複数の構造支持体138はロック組立体49を含むことができ、ロック組立体49は、破線で示すように第2のレール40内に選択的に伸び、実線で示すように第2のレール40から選択的に引っ込む可動ロック構造体139を有することができる。制御システム20は、ロック組立体49のそれぞれに通信可能に接続することができ、それによって、駆動装置(例えば、電気駆動装置、流体駆動装置、ソレノイド、またはこれらを任意に組み合わせたもの)による可動ロック構造体139の作動を選択的に制御する。上記で詳細に論じたように、ロック組立体49が、第2のレール案内構造体38を第2のレール40に対して解放すると、駆動装置17、52は、ねじ付受口141に沿う別のねじ付シャフト74でもある伝動装置19、53を回転させ、それによって、第2の枠または支持構造体44(図1に示す)を駆動して矢印60、61で示すように並進運動させることができる。
図9〜11は、図1〜8に示したレール案内構造体34、38、駆動システム18、および伝動装置19の実施形態の図である。各実施形態では、駆動システム18(例えば、駆動装置17)は、伝動装置19を動かすこと(例えば、軸方向に動かす、回転方向に動かす、またはこれらを組み合わせたもの)によってレール案内構造体34、38を選択的に動かすように構成される。伝動装置19は、軌道、案内、ロッドまたはシャフト、ねじ付シャフト、歯車、歯車付構造体、ラックピニオン組立体、ウォームとウォーム歯車組立体、ピストンとシリンダ組立体、チェーン、ケーブル、あるいはこれらを任意に組み合わせたものを含むことができる。駆動システム18(例えば、駆動装置17)は、回転運動または直線運動を生じることができ、これらの運動を使用して、回転運動、軸方向運動、またはこれらを組み合わせたものによって伝動装置19を駆動することができる。駆動装置17は、流体駆動装置(例えば、空圧または油圧駆動装置)、電気駆動装置またはモータ、あるいはこれらを任意に組み合わせたものを含むことができる。
図9は、第1および/または第2のレール案内構造体34、38、ならびにラックピニオン組立体142に結合した駆動装置17を有する駆動システム18の実施形態の図である。図示の実施形態では、ラックピニオン組立体142は、直線歯車またはラック144、および駆動システム18の駆動装置17に結合した円形歯車またはピニオン146を含む。作動時、駆動装置17はピニオン146を回転させるように構成され、ピニオン146は、ラック144を回転方向に応じて対向する第1および第2の方向147に動かす。ラック144は、レール案内構造体34、38に結合され、したがって、ラック144が動くと、レール案内構造体34、38は方向147に動く。
図10は、第1および/または第2のレール案内構造体34、38、ならびにモータ150(例えば、電気モータ)、およびモータ150によって駆動されるポンプ152を備えた流体駆動装置148と、ポンプ152からの流体によって駆動される流体駆動組立体153を有する伝動装置19とを有する駆動システム18の実施形態の図である。図示の実施形態では、流体駆動組立体153は、ポンプ152に流体結合したピストン−シリンダ組立体154を含む。ピストン−シリンダ組立体154は、シリンダ158内に配置されたピストン156を含み、ピストン156はさらにシャフト159に結合される。作動時、制御装置21はモータ150を制御してポンプ152を駆動し、ポンプ152は流体(例えば、液体または気体)をピストン−シリンダ組立体154のシリンダ158内に送り込むことができる。次いで、流体は、ピストン156を駆動して方向147のうちの1つの方向に動かすように駆動し、それによって、レール案内構造体34、38を方向147のうちの1つの方向に駆動する。例えば、シリンダ158の右側に送り込まれた流体は、ピストン156、シャフト159、およびレール案内構造体34、38を左方向147に動かす。あるいは、シリンダ158の左側に送り込まれた流体は、ピストン156、シャフト159、およびレール案内構造体34、38を右方向147に動かす。制御装置21はモータ150およびポンプ152の速度を変えるように構成し、それによって、ピストン156およびレール案内構造体34、38の移動速度を変えることができる。例えば、制御装置21は、流体駆動装置148を、移動の第1段階では第1の速度で、移動の第2段階では第2の速度で、移動の第3段階では第3の速度になるように操作することができる。ここで、第1、第2、および第3の速度は互いに対して徐々に速くなる、または遅くなる速度である。
図11は、第1および/または第2のレール案内構造体34、38、ならびに伝動装置19の回転ねじ、またはねじ付シャフト160に結合した駆動装置17を有する駆動システム18の実施形態の図である。図示の実施形態では、シャフト160は、レール案内構造体34、38における相手のねじ162(例えば、ねじ付受口)の中にねじ込むことができ、その結果、シャフト160を回転(161)すると、レール案内構造体34、38は対向方向147のうちの1つの方向に軸方向に動くことができる。駆動装置17は、シャフト160を回転させるように構成された電気モータ、流体駆動装置、またはこれらを任意に組み合わせたものを含むことができる。特定の実施形態では、伝動装置19は、ウォームとウォーム歯車組立体を含むことができる。駆動システム18はまた、ねじ付シャフト160の周り、例えば、シャフト160のねじのない部分に配置された複数の軸受164を含むことができる。
開示した実施形態の技術的効果には、枠14と、枠14に結合した可動組立体16とを含む荷物移動機械12を含み、可動組立体16は、荷物11を複数の方向(例えば、第1および第2の水平方向、鉛直方向、および1つまたは複数の軸の周りの回転方向)に動かすように構成される。これらの4つの自由度によって、荷物11を、バランスを取って吊り上げ、吊り降し、動かし、またはその他並進させて、荷物11を動的に動かすことが可能になる。荷物移動機械12はまた、複数の安定化構造体を含んで、駆動システム18、伝動装置19、および制御システム20によって動きを制御している間、望まない動き、回転、傾き、旋回、またはこれらを任意に組み合わせたものに対する抵抗となることを助ける。
本明細書では、最良の態様を含む例を用いて本発明を開示し、また、任意の装置またはシステムの作製および使用、ならびに任意の組み入れられた方法の実施を含め、当業者が本発明を実施できるように本発明を開示している。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が想到する他の例を含むことができる。このような他の例は、特許請求の範囲の文言と相違ない構成要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に相違ない等価の構成要素を含む場合、特許請求の範囲内であることを意図されている。