JP2018095277A - 液ダレ防止キャップおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、このようなスリットバルブを備える注出口は、一般的に、弾性の高い材料から作られ、単に注出口と押さえ部材に挟んで固定するだけの注出口が一般的であった。
しかし、このようなスリットバルブを備える口筒部を有していると、バルブが外れやすく、かつ、部品点数も多く、組立工程が面倒で、価格が高くなる問題があった。さらに、吐出容器の長期保管時にはスリットの相接するカット面同士がブロッキングを生じ、使用時にスリットが開かず、吐出容器が使用できない恐れもあった。
前記スリットバルブは、外側表面を球面の凹部とし、中央に端部を補強リブで囲んだスリットを刻設し、フラップを形成させたオリフィス形成壁を備え、
前記キャップは、スリットバルブを取着し容器口筒部に螺着されたキャップ基体と、該キャップ基体に被嵌される被せ蓋とからなり、
被せ蓋は、その下面にオリフィス形成壁の周縁に係合する押圧面と突出部とを備え、被せ蓋の閉蓋時にオリフィス形成壁に係合し、オリフィス形成壁表面の湾曲度を大きくして、スリットを開くようにしたことを特徴とするスリットバルブを取着した吐出容器のキャップを提案している。
蓋体は、その内面に逆凸形状の押込み部が形成され、
押込み部は、蓋体を閉じたときにスリットバルブのスリット端から中心側のみに当接してスリットバルブを内方にわずかに押し開く形状をなすことを特徴とするスリットバルブ付
きキャップを提案している。
可撓性を有する容器口元に取り付けられる注出口本体と、注出口本体の注出口を覆い開閉可能な蓋部と、からなり、
注出口本体の注出口内部に、内容物を注出後瞬時に閉鎖可能なスリットを有する液止弁を、一体的に設けたことを特徴とする液ダレ防止キャップである。
また、注出を止めた時には、液止弁が瞬時に閉鎖し、糸引きが発生しないので、注出口や蓋部を汚しにくい。
本発明の液ダレ防止キャップは、可撓性を有する容器に用いられるキャップである。
すなわち、注出口を下方にした状態で、容器胴部を押すことによって、内容物が押し出される容器に用いられる。
図1−1は、容器口元に螺合した本発明の液ダレ防止キャップにおける縦断面図で、蓋部
をヒンジキャップとした、注出口本体と一体で成形されるタイプの液ダレ防止キャップにおける実施形態例である。容器本体1の口元11に、液ダレ防止キャップ2が螺嵌している。もちろん、打栓式の嵌合であってもかまわない。
液ダレ防止キャップは、液止弁21と、注出口本体22と、蓋部23と、から構成され、液止弁21と、注出口本体22とがインサート成形によって一体になるように製造されている。
注出口天板221には、天板中央から飛び出した注出筒2211があって、注出筒2211内部には、液止弁21が形成されている。
また、注出筒2211先端内側は、大きな曲率を持つ曲面を有し、蓋部23の蓋インナーリング2311がやや斜めから、円を描くように挿入して来ても、スムースに挿嵌できるようになっている。
そして、注出口側壁222の外側には、螺嵌するネジを締めやすくする為のローレット2222を設けておくと良い。
さらに、容器口元に挿嵌し、高い密封性を確保し易いように、注出口天板221の内側に、インナーリング2212やコンタクトリング2213を設けておくことが好ましい。
液止弁21は、天然ゴムやシリコンゴムや、ポリエステル系エラストマーなど、折り曲げられても、曲げ癖がつかない、ゴム弾性を有する樹脂から成形されている。
液止弁21は、内圧によって容易に動き、大きな圧力を掛ければ、その分、大きく開口し、たくさんの内容物を短時間で注出可能となる。
蓋天板231の中央内側には、円筒状の蓋インナーリング2311があって、注出筒2211先端に挿嵌可能としている。
また、挿入突起2312が、蓋インナーリング2311の中央にあり、蓋インナーリング2311先端より下方に飛び出している。
この図では、蓋部23はヒンジで注出口本体22と繋がり、一体的になっているが、注出口側壁222外側に更に雄ネジを設けたり、注出筒外側に雄ネジを設け、それに螺嵌する雌ネジを蓋部内側に設けるようにして、取り外し可能にしてもよい。
図2−1は、蓋部23を完全に閉める手前の状態で、まだ、挿入突起2312が、液止弁体212のスリット211を押し広げ始めていない。この時点で液止弁21自体は閉じているが、注出筒2211の内側に蓋インナーリング2311がすでに挿嵌し始めているので、液止された状態を確保している。
このように、挿入突起2312が液止弁体212に到達する前に、注出筒2211に蓋インナーリング2311が挿嵌して密閉しているので、その後、挿入突起2312が液止弁
21を押し広げて、開封しても、内容物が注出口本体22外側に漏れ出る恐れは無い。
挿入突起2312が液止弁21のスリット211を押し広げると、隣り合う液止弁体212同士の間に隙間が生じ、長い間、注出しないで、内容物が固化しかかっても、隣り合う液止弁体212と液止弁体212とがくっついて、しまう問題が発生しにくい。
さらに、この状態で、蓋インナーリング2311が注出筒2211内面に挿嵌し、密閉されているので、内容物の揮発成分が抜けにくくなっている。
蓋インナーリング2311先端にアンダーカットからなる嵌合リングを設け、注出筒2211内側に凹部を設けたり、蓋側壁232と注出口側壁222との間に嵌合部を作るなどして、蓋部23が注出口本体22から抜けにくくして、嵌合状態を保持しやすくすることも併用してもよい。
蓋部23を開けると、液止弁21から挿入突起2312が離れ、液止弁21が閉じる。この時点では、液止弁21は開いていないので、内容物は注出しない。
この液止弁21は、注出用容器胴部の外側から押圧して内圧を掛けると開口し、内圧が下がれば、閉鎖することができる。
ただ、液止弁21のスリット211は、完全に閉鎖する必要は無い。液止弁21のスリット211は、非常に隙間が狭くなれば、内容物は表面張力によって、液止弁の内側に留まることができる。その為、粘性を有する内容物の糸引きを切って、液切れさせることができるからである。
この図のように容器本体1の胴部を押圧し、内圧が掛かると、液止弁21が開口し、内容物が注出される。しかし、内圧が低下すると、液止弁21は閉鎖し、図3−1の状態になるので、液切れしにくい高粘度の液体内容物であっても、容易に液切れし、注出筒2211は内容物によって汚れにくい。
図4−1は、液止弁21の周縁において、注出方向に対して並行な上下に、筒状の座を設けた実施形態例である。この液止弁21をインサート成形すると、注出方向に対して並行な周縁の上下に設けた筒状の座を、注出筒2211の成形樹脂が包み込むように覆い、容易に液止弁21を抜けないように、密封した状態で固定することができる。
この液止弁21は、挿入突起によって大きく変形させても、注出筒2211から抜けたりすることが無い。また、スリット211の切れ目が外側の周縁部に広がり、液止弁21が割れるように切れてしまうなどが発生しにくい。
この時、根元側の細くなった挿入軸23122は、一番狭いスリット211によって挟まれ、挿入軸23122の先の大きな断面を持つ挿入突起先端23121はそこから拡がり始めたスリット211の端面に当接して係止する。
この為、液止弁21が閉じようとする力が働きやすく、その力によって、蓋部が開けにくくなり、落下などで、簡単に蓋部23が開いてしまう恐れが無い。
この時、蓋部23に蓋インナーリング2311が有り、蓋インナーリング2311が、注出口2211先端に挿嵌しており、この蓋インナーリングの抜け止めの作用にもなっていて、これにより密封性が得られているので、内容物が漏れる恐れも無い。
この図で示すように、コア側コアとキャビ側コアによって、液止弁21を挟んで固定し、インサート射出成形する。この注出口本体22のインサート射出成形時に、注出口本体22を形成する射出成形樹脂は、液止弁21の周縁を包み込むように覆って、一体化することができる。
このように、インサート成形することで、液止弁21を、成形時に注出口本体と一体的に製造できるので、成形後の組み立て作業がなくなり、その為、組み立てロスがなく、密封性も高く維持できると共に、製造原価を抑えることができる。
インサートする液止弁は、ゴムシートやエラストマーシートを予め成形し、それをプレス成形で抜いて、製造することができる。
もちろん、図4−1で示すような、注出方向に対して並行な上下に、筒状の座を設けた液止弁21の場合は、ゴム成形で予め成形し、架橋したものをインサート成形する。
その場合も、インサート成形後、スリットを入れても良いし、インサート成形前にスリットを入れておいても良い。
そして、液ダレ防止キャップは、射出成形金型を用い、一般的な射出成形機で量産できるので、生産性も高い。
製造には、射出成形金型に液止弁を挿入し、インサート成形で一体的に射出成形することができるので、成形後キャップを閉じるだけで、組立てがほとんど必要としない。
特に、液止弁がキャップ本体と一体でできているので、容器内部に脱落するなどの問題も発生しないので、衛生的にも問題が発生しにくい。また、液止弁が外側に脱落して、飲み込んでしまったり、装置に入って故障の原因になるなどの問題も発生しない。
さらに、通常の射出成形機で製造できるので、生産性も高く、安価に量産可能であり、本発明のメリットは高い。
11・・・・・・・口元
2・・・・・・・・液ダレ防止キャップ
21・・・・・・・液止弁
211・・・・・・スリット
212・・・・・・液止弁体
2121・・・・・薄肉部
22・・・・・・・注出口本体
221・・・・・・注出口天板
2211・・・・・注出筒
2212・・・・・インナーリング
2213・・・・・コンタクトリング
222・・・・・・キャップ側壁
2221・・・・・内ネジ
2222・・・・・ローレット
23・・・・・・・蓋部
231・・・・・・蓋天板
2311・・・・・蓋インナーリング
2312・・・・・挿入突起
23121・・・・挿入突起先端
23122・・・・挿入軸
232・・・・・・蓋側壁
2321・・・・・庇
24・・・・・・・ヒンジ
Claims (8)
- 可撓性を有する容器口元に取り付けられる注出口本体と、注出口本体の注出口を覆い開閉可能な蓋部と、からなり、
注出口本体の注出口内部に、内容物を注出後瞬時に閉鎖可能なスリットを有する液止弁を、一体的に設けたことを特徴とする液ダレ防止キャップ。 - 蓋部内側に挿入突起を設け、蓋部を閉じた時に、前記挿入突起が、液止弁のスリットに挿入し、スリットを開くことを特徴とする請求項1に記載の液ダレ防止キャップ。
- 蓋部内側に設けた挿入突起の先端を、その根元側断面より大きな断面とし、
蓋部を閉めた時、前記大きな断面の挿入突起先端部分が、スリットを突き抜けた位置に来ることを特徴とする請求項2に記載の液ダレ防止キャップ。 - 液止弁のスリットに挿入突起が挿入する時点で、蓋部と注出口本体とが密閉されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液ダレ防止キャップ。
- 蓋部にインナーリングを設け、前記インナーリングが、注出口先端に挿嵌して、密封性が得られることを特徴とする請求項4に記載の液ダレ防止キャップ。
- 液止弁の周縁において、注出方向に対して並行な上下に、筒状の座を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液ダレ防止キャップ。
- 蓋部が、ヒンジによって注出口本体と一体としたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液ダレ防止キャップ。
- 液止弁を注出口本体の成形金型内部に挿入して、請求項1〜7に記載の液ダレ防止キャップを一体的に製造することを特徴とする液ダレ防止キャップの製造方法。
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