JP2018094832A - 記録媒体製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】特性(性状)が異なる種々の記録層を基材上に容易かつ迅速に形成することができたり、また、比較的厚い記録層を基材上に容易かつ迅速に形成することができる記録媒体製造装置を提供する。
【解決手段】記録媒体製造装置1は、セルロース繊維と樹脂とを含む繊維含有材料を基材901上に静電気力で付着させて記録層902を形成する複数の層形成部13を有し、複数の層形成部13は、基材901に対して互いに異なるタイミングで記録層902を形成する。
【選択図】図7
【解決手段】記録媒体製造装置1は、セルロース繊維と樹脂とを含む繊維含有材料を基材901上に静電気力で付着させて記録層902を形成する複数の層形成部13を有し、複数の層形成部13は、基材901に対して互いに異なるタイミングで記録層902を形成する。
【選択図】図7
Description
本発明は、記録媒体製造装置に関する。
近年では、環境への意識が高まり、職場での紙の使用量の削減だけではなく、職場での紙の再生や、その他、再利用可能な「リユース対応型」の印刷を紙に対して行なうことが求められている。
例えば特許文献1には、水性液が付着した剥離用基材の表面に繊維を層状に付着させて形成した後、当該層状の繊維を剥離用基材から剥離して、紙を製造する方法が開示されている。この方法では、繊維として、例えば、紙を解繊して繊維に戻した再生繊維を用いることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、層状の繊維としては、1種のものしか付着させることができず、例えば、特性(性状)が異なる種々の繊維を用いて紙を製造することができなかった。また、特許文献1に記載の方法では、層状の繊維をできる限り厚く形成して、厚い紙を得ようとしても、その製造を容易に行なうことができず、また、製造に時間がかかると考えられる。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、特性(性状)が異なる種々の記録層を基材上に容易かつ迅速に形成することができる記録媒体製造装置を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、比較的厚い記録層を基材上に容易かつ迅速に形成することができる記録媒体製造装置を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下のものとして実現することが可能である。
本発明の記録媒体製造装置は、セルロース繊維と樹脂とを含む繊維含有材料を基材上に静電気力で付着させて記録層を形成する複数の層形成部を有し、
前記複数の層形成部は、前記基材に対して互いに異なるタイミングで前記記録層を形成することを特徴とする。
前記複数の層形成部は、前記基材に対して互いに異なるタイミングで前記記録層を形成することを特徴とする。
これにより、層形成条件に応じて、特性(性状)が異なる種々の記録層を基材上に容易かつ迅速に形成することができる。また、記録層となる層を順に積層することができ、よって、比較的厚い記録層を基材上に容易かつ迅速に形成することができる。
本発明の記録媒体製造装置では、前記基材を搬送する搬送部を有し、
前記複数の層形成部は、前記基材の搬送方向に沿って配置されているのが好ましい。
前記複数の層形成部は、前記基材の搬送方向に沿って配置されているのが好ましい。
これにより、例えば、各層形成部での層形成条件を異ならせたい場合に迅速に対応することができる。
本発明の記録媒体製造装置では、前記各層形成部は、それぞれ、前記繊維含有材料を供給する材料供給部と、前記材料供給部から供給された前記繊維含有材料を基材に転写するために担持する担持部と、前記担持部からの前記繊維含有材料を前記基材に転写する転写部と、を有するのが好ましい。
これにより、記録層となる層を順に円滑に積層することができる。
これにより、記録層となる層を順に円滑に積層することができる。
本発明の記録媒体製造装置では、前記基材を搬送する搬送部と、
前記複数の層形成部を支持し、前記基材の搬送方向を接線方向として回転する回転機構部と、を有し、
前記複数の層形成部は、前記回転機構部の回転に伴って、前記基材に対して接近、離間するのが好ましい。
前記複数の層形成部を支持し、前記基材の搬送方向を接線方向として回転する回転機構部と、を有し、
前記複数の層形成部は、前記回転機構部の回転に伴って、前記基材に対して接近、離間するのが好ましい。
これにより、例えば、各層形成部での層形成条件を異ならせたい場合に迅速に対応することができる。
本発明の記録媒体製造装置では、前記各層形成部は、それぞれ、前記繊維含有材料を供給する材料供給部と、前記材料供給部から供給された前記繊維含有材料を基材に転写するために担持する担持部と、を有し、前記基材に対して接近したときに、前記各担持部からの前記繊維含有材料を前記基材に転写する転写部を共有しているのが好ましい。
これにより、各層形成部が転写部をそれぞれ有する場合よりも、記録媒体製造装置の構成を簡単にすることができる。
本発明の記録媒体製造装置では、前記複数の層形成部には、前記セルロース繊維と前記樹脂との比率が異なる前記繊維含有材料を前記基材上に静電気力で付着させて前記記録層を形成する層形成部が含まれるのが好ましい。
これにより、層形成に際し、複数の層形成部の中から、目的とする、すなわち、製造したい記録媒体に適した層形成部を適宜選択して、その記録媒体を容易に得ることができる。
本発明の記録媒体製造装置では、前記複数の層形成部には、添加物をさらに含む前記繊維含有材料を前記基材上に静電気力で付着させて前記記録層を形成する層形成部が含まれるのが好ましい。
これにより、層形成に際し、複数の層形成部の中から、目的とする、すなわち、製造したい記録媒体に適した層形成部を適宜選択して、その記録媒体を容易に得ることができる。
本発明の記録媒体製造装置では、前記複数の層形成部は、前記記録層の形成に使用するか否かが選択されるのが好ましい。
これにより、例えば層形成条件に応じて、複数の層形成部を適宜選択することができ、よって、特性(性状)が異なる種々の記録層を基材上に容易かつ迅速に形成することができる。
本発明の記録媒体製造装置では、前記各層形成部は、前記繊維含有材料を供給する材料供給部と、前記材料供給部から供給された前記繊維含有材料を基材に転写するために担持する担持部と、を有し、
前記材料供給部および前記担持部のうちの少なくとも一方は、前記記録層の形成が可能な第1位置と、前記第1位置から退避した第2位置とに変位可能であるのが好ましい。
前記材料供給部および前記担持部のうちの少なくとも一方は、前記記録層の形成が可能な第1位置と、前記第1位置から退避した第2位置とに変位可能であるのが好ましい。
材料供給部および担持部のうちの少なくとも一方に対して、例えば交換、修理、整備、点検等の各種メンテナンスを行ないたい場合がある。この場合、メンテナンスを行ないたいもの、すなわち、メンテナンス対象が第1位置と第2位置とに変位することにより、第2位置でそのメンテナンスを容易に行なうことができる。
本発明の記録媒体製造装置では、前記材料供給部および前記担持部のうちの前記第1位置と前記第2位置とに変位可能である方は、前記第2位置で交換可能であるのが好ましい。
これにより、メンテナンス対象の交換を容易に行うことができる。
これにより、メンテナンス対象の交換を容易に行うことができる。
本発明の記録媒体製造装置は、セルロース繊維と樹脂とを含む繊維含有材料を基材上に静電気力で付着させて第1記録層を形成する第1層形成部と、
前記繊維含有材料を前記基材上に静電気力で付着させて第2記録層を形成する第2層形成部と、を有し、
前記第1層形成部と前記第2層形成部とは、異なる条件で層形成を行なうものであることを特徴とする。
前記繊維含有材料を前記基材上に静電気力で付着させて第2記録層を形成する第2層形成部と、を有し、
前記第1層形成部と前記第2層形成部とは、異なる条件で層形成を行なうものであることを特徴とする。
これにより、層形成条件に応じて、特性(性状)が異なる種々の記録層を基材上に容易かつ迅速に形成することができる。また、記録層となる層を順に積層することができ、よって、比較的厚い記録層を基材上に容易かつ迅速に形成することができる。
以下、本発明の記録媒体製造装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、記録媒体製造装置(第1実施形態)の主要部を示すブロック図である。図2は、図1に示す記録媒体製造装置で行なわれる各ステップを順に示す図(フローチャート)である。図3は、図1に示す記録媒体製造装置で製造される記録媒体の一例を示す平面図である。図4は、図3中のA−A線断面図である。図5および図6は、それぞれ、図1に示す記録媒体製造装置で製造される記録媒体の他の一例を示す断面図である。図7および図8は、それぞれ、図1に示す記録媒体製造装置で記録媒体を製造する過程を順に示す垂直断面側面図である。なお、以下では、説明の便宜上、互いに直交する3つの座標軸、すなわち、x軸、y軸およびz軸が描かれた図面がある。この図面では、x軸とy軸を含むxy平面が水平方向となっており、z軸が鉛直方向となっている。また、x軸に平行な方向を「x軸方向(第1の方向)」とも言い、y軸に平行な方向を「y軸方向(第2の方向)」とも言い、z軸に平行な方向を「z軸方向(第3の方向)」とも言う。また、各方向の矢印が向いた方向を「正」、その反対方向を「負」と言う。また、座標軸が描かれた図面では、その上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言うことがある。また、座標軸が描かれた図面では、その左側を「上流側」、右側を「下流側」と言うことがある。また、図7〜図15および図19において、図示の都合上、インク受容層902は、1層でも複数層の積層体でも、1つのインク受容層902として表示する。
図1は、記録媒体製造装置(第1実施形態)の主要部を示すブロック図である。図2は、図1に示す記録媒体製造装置で行なわれる各ステップを順に示す図(フローチャート)である。図3は、図1に示す記録媒体製造装置で製造される記録媒体の一例を示す平面図である。図4は、図3中のA−A線断面図である。図5および図6は、それぞれ、図1に示す記録媒体製造装置で製造される記録媒体の他の一例を示す断面図である。図7および図8は、それぞれ、図1に示す記録媒体製造装置で記録媒体を製造する過程を順に示す垂直断面側面図である。なお、以下では、説明の便宜上、互いに直交する3つの座標軸、すなわち、x軸、y軸およびz軸が描かれた図面がある。この図面では、x軸とy軸を含むxy平面が水平方向となっており、z軸が鉛直方向となっている。また、x軸に平行な方向を「x軸方向(第1の方向)」とも言い、y軸に平行な方向を「y軸方向(第2の方向)」とも言い、z軸に平行な方向を「z軸方向(第3の方向)」とも言う。また、各方向の矢印が向いた方向を「正」、その反対方向を「負」と言う。また、座標軸が描かれた図面では、その上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言うことがある。また、座標軸が描かれた図面では、その左側を「上流側」、右側を「下流側」と言うことがある。また、図7〜図15および図19において、図示の都合上、インク受容層902は、1層でも複数層の積層体でも、1つのインク受容層902として表示する。
本発明の記録媒体製造装置1は、セルロース繊維と樹脂とを含む繊維含有材料を基材901上に静電気力で付着させてインク受容層902(記録層907)を形成する複数のインク受容層形成部13(層形成部)を有し、複数のインク受容層形成部13(層形成部)は、基材901に対して互いに異なるタイミングでインク受容層902(記録層907)を形成する。
また、観点を変えると、本発明の記録媒体製造装置1は、セルロース繊維と樹脂とを含む繊維含有材料を基材901上に静電気力で付着させて1層目のインク受容層902(第1記録層)を形成するインク受容層形成部13A(第1層形成部)と、繊維含有材料を基材901上に静電気力で付着させて2層目のインク受容層902(第2記録層)を形成するインク受容層形成部13B(第2層形成部)と、を有し、インク受容層形成部13A(第1層形成部)とインク受容層形成部13B(第2層形成部)とは、異なる条件で層形成を行なうものである。
このような本発明によれば、後述するように、積層するインク受容層902に応じて、特性(性状)が異なる種々の記録層907を基材901上に容易かつ迅速に形成することができる。また、インク受容層902を順に積層することができ、よって、比較的厚い記録層907を基材901上に容易かつ迅速に形成することができる。
そして、一例として、図3に示す記録媒体90を製造することができる。図4に示すように、記録媒体90は、シート状の基材901と、基材901上に形成された複数(本実施形態では4つ)のインク受容層902と、を有している。そして、未使用状態の記録媒体90は、複数のインク受容層902が記録層907を構成し、この記録層907に印刷を施して使用することができる。この印刷により、記録層907には、各種情報が記録されることとなる。各種情報には、例えば、文字、記号、図形、模様、色彩またはこれらの組み合わせ等が含まれる。なお、インク受容層902の形成数は、本実施形態では4つであるが、これに限定されず、2つ、3つまたは5つ以上であってもよい。
また、インク受容層902には、インク受容層902に関する情報を含んだマーキング部も記録することができる。マーキング部は、バーコード(1次元バーコード)であってもよいが、QRコード(2次元コード)(「QRコード」は登録商標)であるのがより好ましい。
また、印刷が施されて使用済みとなった記録媒体90が例えば不要となった場合には、この記録媒体90は、古紙として再利用される。この場合、記録媒体90からインク受容層902を除去して基材901を得る。そして、基材901上にインク受容層902を再度形成することにより、未使用状態の記録媒体90が再生される(製造される)。なお、基材901としては、特に限定されず、例えば、使用済みとなった記録媒体90からインク受容層902を除去したものであってもよいし、一般的に市販されているPPC(Plain Paper Copier)用紙であってもよい。また、インク受容層902の除去は、切削、スクレイプ、研削および研磨のうちの少なくとも1つで行なうことができる。
まず、記録媒体製造装置1の各部の構成について説明する前に、記録媒体90について説明する。
前述したように、記録媒体90は、基材901と、複数のインク受容層902と、を有している。
基材901は、例えば、前記PPC用紙である。なお、基材901は、古紙を解繊して製造されたリサイクルペーパーであってもよいし、OHP(Over Head Projector)に用いるOHPシート(トレンスペアレンシ)であってもよい。基材901は、このように可撓性を有するものであるが、これに限定されず、剛体であってもよい。また、図3に示す構成では、基材901の平面視での形状(基材901の厚さ方向からみた形状)は、長方形であるが、これに限定されない。基材901が平面視で長方形の場合、そのサイズとしては、特に限定されず、例えば、A判サイズであってもよいし、B判サイズであってもよい。
基材901は、平面視で、基材901の縁部の少なくとも一部に、インク受容層902が設けられていない余白部903を有している。図3に示す構成では、余白部903は、基材901の縁部の全周にわたって帯状に設けられている。このような余白部903が設けられていることにより、例えば記録媒体90を再利用する際に、インク受容層902を除去する場合、余白部903からインク受容層902を容易に除去することができる。
なお、余白部903の幅は、例えば、1mm以上10mm以下が好ましく、3mm以上7mm以下がより好ましい。余白部903の幅が前記下限値以上であれば、余白部903からインク受容層902を容易に除去することができる。また、余白部903の幅が前記上限値以下であれば、基材901上でのインク受容層902の面積を、印刷可能な程度に十分に確保することができる。なお、余白部903は、基材901の縁部の全周にわたって設けられているが、これに限定されず、基材901の縁部の一部に設けられていてもよい。
基材901上には、複数のインク受容層902が設けられている。インク受容層902は、図4に示す構成では基材901の一方側の面(図4中の上側の第1面905)に設けられている。また、インク受容層902の平面視での形状は、長方形であるが、これに限定されない。
インク受容層902は、インクジェット方式によって(例えばインクジェットプリンターによって)印刷される部分であり、セルロース繊維と、セルロース繊維の少なくとも一部を被覆している疎水性材料とを含む複合体(繊維含有材料)で構成された繊維含有層である。このような繊維含有層がインクを受容するインク受容層902であることにより、インク受容層902は、インクジェットプリンターの印刷ヘッドから吐出されたインクを容易に受容し浸透させることができる。その結果、インク受容層902に印刷が施されることとなる。前述したように、インク受容層902には、印刷によって例えば文字等の各種情報が記録される。そして、インク受容層902の構成材料である複合体は、情報の記録に供される材料であるため、「情報記録材料」と言うこともできる。なお、図4に示す構成では、各インク受容層902の厚さは、同じとなっている。
また、複数のインク受容層902の厚さの総厚、すなわち、記録層907の厚さは、例えば、20μm以上100μm以下が好ましく、30μm以上70μm以下がより好ましい。記録層907の厚さが前記下限値以上であれば、インクジェットプリンターによって吐出されたインクがインク受容層902の下側の基材901にまで浸透することを抑制することができる。また、記録層907の厚さが前記上限値以下であれば、記録媒体90の製造コストを抑えることができる。なお、例えば、記録層907の厚さを50μmよりも厚くした場合には、記録層907でのインクの吸収性および保持性がより優れた記録媒体90を得ることができる。
インク受容層902は、セルロース繊維と、セルロース繊維の少なくとも一部を被覆している疎水性材料とを含む複合体(繊維含有材料)で構成されている。インク受容層902は、後述するように、電子写真方式に類する方式による静電塗布(静電気力を利用した塗布)により、複合体を基材901上に付着させて、加圧加熱されることにより形成される。セルロース繊維は、セルロースによって構成されている繊維である。セルロース繊維は、天然繊維であってもよいし、再生繊維であってもよいし、半合成繊維であってもよい。言い換えると、セルロース繊維は、例えば、バージンパルプ由来のものであってもよいし、紙等(古紙、再生紙等を含む)のセルロース製品由来のものであってもよいし、上記のようなセルロースを含む材料に対し化学処理を施すことにより得られた半合成繊維であってもよい。疎水性材料がセルロース繊維を被覆する前の状態において、セルロース繊維は、粉体状の繊維であってもよい。
なお、本発明において、セルロース繊維とは、化合物としてのセルロース(狭義のセルロース)を主成分とし繊維状をなすものであればよく、セルロース(狭義のセルロース)の他に、ヘミセルロース、リグニンを含むものであってもよい。
インク受容層902に含まれるセルロース繊維の大きさは、例えば、平均(個数平均)で長さ(長径)が1μm以上100μm以下、幅(短径)が1μm以上30μm以下であるのが好ましく、長さが5μm以上30μm以下、幅が5μm以上20μm以下であるのがより好ましい。セルロース繊維の長さを前記下限値より小さくした場合には、セルロース繊維の製造コストが高くなってしまうが、上記の範囲であれば製造コストを抑えることができる。さらに、セルロース繊維の大きさが前記数値範囲内であれば、セルロース繊維の長さを乾式方式で調整することができる。セルロース繊維の長さが前記上限値以下であれば、セルロース繊維同士が絡み合うことを抑制することができる。これにより、インク受容層902を形成する複合体からなる粉体の帯電量の分布の均一性を向上させることができ、よって、複合体を基材901上に均一に静電塗布することができる。
なお、セルロース繊維の大きさ(長さ、幅)は、例えば、マルバーン社(Malvern Instruments)製の粒子画像分析装置モフォロギG3(Morphologi G3)を用いて測定される。この装置は、自動乾式分散ユニットにより試料を均一に分散させ、該試料の静止画像を解析することにより、粒度および粒子形状を測定する装置である。
インク受容層902を構成する繊維含有材料には、疎水性材料が含まれており、その疎水性材料がセルロース繊維の少なくとも一部を被覆している。そして、このインク受容層902に含まれるセルロース繊維の平均アスペクト比は、3未満であるのが好ましく、2以下であるのがより好ましい。セルロース繊維の平均アスペクト比が3未満であれば、セルロース繊維同士が絡み合うことを抑制することができる。これにより、インク受容層902を形成する複合体からなる粉体の帯電量の分布の均一性を向上させることができ、よって、複合体を基材901上に均一に静電塗布させることができる。また、セルロース繊維の平均アスペクト比を2以下とすることにより、インク受容層902を、印刷時にインクが浸透するのにより適した多孔質にすることができる。このように、特に、インク受容層902においてインクの吸収性を高くすることができる。なお、セルロース繊維の平均アスペクト比は、例えば、粒子画像分析装置モフォロギG3で測定されたセルロース繊維の平均長さを平均幅で割った値である。
なお、セルロース繊維の平均長さは、1μm以上100μm以下であるのが好ましい。これにより、記録媒体90では、乾式方式でセルロース繊維の長さを小さくすることができ、かつ、セルロース繊維同士が絡み合うことを抑制することができる。これにより、インク受容層902を形成する複合体からなる粉体の帯電量の分布の均一性を向上させることができ、よって、複合体を基材901上に均一に静電塗布することができる。
疎水性材料は、例えば、加熱処理によりセルロース繊維に融着されて、複合体を形成する。疎水性材料は、セルロース繊維の表面の一部を被覆していてもよいし、セルロース繊維の表面全面を被覆していてもよい。なお、疎水性材料は、全体としてセルロースよりも疎水性の高いものであればよく、例えば、セルロースよりも疎水性の低い成分(親水性の高い成分)を含んでいてもよい。
疎水性材料は、セルロース繊維同士を結着させて、多孔質のインク受容層902を形成する。また、疎水性を有することにより、インク受容層902の疎水性、親水性のバランスを調整することができ、インク受容層902にインクを付与した際のインクの過度な濡れ広がりや弾き等を抑制し、インク受容層902におけるインクの吸収性を優れたものとすることができる。さらに、疎水性材料は、セルロース繊維を被覆することにより、複合体の帯電特性の安定性を優れたものとすることができる。これにより、静電塗布によりインク受容層902を好適に形成することができる。例えば、疎水性材料が被覆されていないセルロース繊維では、環境(具体的には湿度)によって帯電性が変化しやすく、静電塗布によりインク受容層902を形成することが困難な場合がある。また、疎水性材料が被覆されていないセルロース繊維では、インクとの親和性が高く、インクが滲んでしまう場合がある。疎水性材料をセルロースに被覆させることにより、セルロース繊維の帯電性を安定させることができ、インクの滲みを抑えることができる。
疎水性材料は、少なくとも樹脂を含む。樹脂は、セルロース繊維同士を結着させて、多孔質のインク受容層902を形成する。セルロース繊維を被覆する前の状態において、樹脂は、粉体状のものであってもよい。なお、インク受容層902中の樹脂の含有量は、10質量%以上40質量%未満であるのが好ましく、15質量%以上30質量%以下であるのがより好ましい。
疎水性材料は、セルロース繊維同士を結着させる機能を有するとともに、セルロース繊維を被覆することにより、複合体の帯電特性を安定化させる機能も有している。また、疎水性材料は、概ね後述するような樹脂で構成されている。この樹脂は、正帯電性のものであってもよいし、負帯電性のものであってもよいが、負帯電性のものであるのが好ましい。負帯電性の樹脂は、一般に、帯電特性の安定性が特に優れている。また、負帯電性の樹脂は、正帯電性の樹脂に比べて、種類が豊富で、樹脂の特性(例えば、融点、ガラス転移温度、セルロース繊維との接合強度、帯電量、疎水性の程度等)の調整を容易に行うことができるとともに、記録媒体90の製造コストの抑制等の観点からも有利である。
疎水性材料を構成する樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等を用いることができるが、熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。特に、疎水性材料が熱可塑性樹脂を含むものであると、一般に、より安定した帯電特性(特に、負帯電性)が得られる。なお、疎水性材料が硬化性樹脂を含むものであると、記録媒体90の耐熱性、耐久性等を特に優れたものとすることができる。よって、疎水性材料としては、熱可塑性樹脂を単独で含むものの他、熱可塑性樹脂と硬化性樹脂とを含むものでもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66等のポリアミド(ナイロン)、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましくは、熱可塑性樹脂としては、ポリエステルまたはこれを含むものを用いる。
熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、例えば、50℃以上200℃以下であるのが好ましく、55℃以上160℃以下であるのがより好ましい。熱可塑性樹脂のガラス転移温度が前記下限値以上であれば、摩擦程度の加熱でインク受容層902が剥がれることを抑制することができ、インク受容層902の強度が低下することを抑制することができる。熱可塑性樹脂のガラス転移温度が前記上限値以下であれば、例えばインク受容層902となる複合体を加熱加圧して固着させる際に、記録媒体90を前記上限値よりも高い温度まで加熱する必要がなく、セルロース繊維が熱によりダメージを受けることを抑制することができる。また、前述したようにインク受容層902を剥離する場合にも、インク受容層902を加熱により軟化させることができ、その際、記録媒体90を前記上限値よりも高い温度まで加熱する必要がない。
硬化性樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられ、より具体的には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂(ポリウレタン)、アクリル樹脂等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
インク受容層902(繊維含有層)中の樹脂(熱可塑性樹脂)の含有量をWaとしたとき、Waは、10質量%以上40質量%未満であるのが好ましく、15質量%以上30質量%以下であるのがより好ましい。含有量Waが前記下限値以上であれば、セルロース繊維の結着力を確保することができ、セルロース繊維がインク受容層902から脱落することを抑制することができる。含有量Waが前記上限値未満であれば、インク受容層902の疎水性が高くなりすぎてインクを弾いてしまうことを抑制することができ、印刷品質を向上させることができる。複合体が基材901上に付着される前の状態であっても、複合体が基材901上に付着されてインク受容層902を形成している状態であっても、含有量Waは、前記数値範囲内であることが好ましい。
疎水性材料は、帯電制御剤(電荷制御剤)を含むものであってもよい。これにより、インク受容層902となる複合体は、安定した帯電性、より大きな帯電性を有することができる。なお、複合体が帯電制御剤を含んでいるか否かは、複合体の帯電量の変化の他、複合体の安息角の減少によっても確認することができる。帯電制御剤は、複合体が凝集することを抑制する凝集抑制剤としての機能を有していてもよい。疎水性材料中において、帯電制御剤は、通常、少なくともその一部が、前述した樹脂の表面に露出している。これにより、帯電制御剤を含むことによる効果がより効果的に発揮される。
帯電制御剤としては、例えば、シリカ(二酸化珪素)、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、炭酸カルシウム、安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、ニグロシン染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、塩素化ポリエステル、ニトロフニン酸等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、帯電制御剤は、例えば、帯電特性の調整、疎水性の調整等を目的とする表面処理が施されたものであってもよい。帯電制御剤の表面処理には、例えば、シラン化合物を用いることができる。これにより、帯電制御剤に対して好適に疎水処理することができる。帯電制御剤の疎水処理に用いられるシラン化合物としては、例えば、トリメチルシラン、ジメチルシラン、トリエチルシラン、トリイソプロピルシラン、トリイソブチルシラン等のアルキルシラン類、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等が挙げられる。
帯電制御剤の形態は、特に限定されないが、粒子状(微粒子状)をなすものであるのが好ましい。帯電制御剤の体積基準の平均粒子径(体積平均粒子径)は、例えば、1nm以上100nm以下であるのが好ましく、5nm以上50nm以下であるのがより好ましい。帯電制御剤の粒子径が前記数値範囲内であれば、より良好な帯電効果を得ることができる。さらに、帯電制御剤の粒子径が前記数値範囲内であれば、樹脂の表面により良好にコーティングを行なうことができる。なお、帯電制御剤の体積平均粒子径は、例えば、レーザー回折・散乱法や、動的光散乱法等により求めることができる。
帯電制御剤の含有量は、セルロース繊維および樹脂の混合物100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上10質量部以下であるのが好ましく、1質量部以上5質量部以下であるのがより好ましい。帯電制御剤の含有量の範囲が前記数値範囲内であれば、インク受容層902となる複合体は、より良好で安定した帯電性を発揮することができる。
疎水性材料は、白色顔料を含むものであってもよい。これにより、インク受容層902の白色度を好適に調整することができる。例えば、白色顔料によって、白色度が低い基材901に対しても、あるいは白色度の低いセルロース繊維を用いた場合でも、白色度の高いインク受容層902を形成することができ、印刷の見栄え(品質)を向上させることができる。
白色顔料の材料としては、例えば、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、リトポン、酸化アルミニウム、酸化珪素、三酸化アンチモン、燐酸チタニウム、酸化亜鉛、鉛白、酸化ジルコニウム等の無機顔料やポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等の有機微粉末等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましくは、白色顔料としては、二酸化チタンや炭酸カルシウムを用いる。
白色顔料の配合量としては、例えば、樹脂90質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であるのが好ましく、3質量部以上20質量部以下であるのがより好ましい。これにより、記録媒体90の製造コストの上昇を抑制しつつ、インク受容層902の白色度をより好適に高めることができる。白色顔料は、樹脂の表面、内部のいずれに配されていてもよい。
例えば、ポリエステル90質量部に対して、白色顔料である炭酸カルシウムを10質量部だけホッパー内で混合した後、二軸混練押出機に投入し溶融混練して白色の樹脂ペレットを製造した場合、この樹脂ペレットから形成されるインク受容層902は、より白色度の高いものとなる。
疎水性材料は、上記以外の成分を含むものであってもよい。例えば、疎水性材料は、白色顔料以外の顔料や染料を含んでもよい。この場合、静電塗布により、色紙を簡単に低コストで得ることができる。
また、インク受容層902を形成する複合体の平均帯電量の絶対値は、3μC/g以上であるのが好ましい。複合体の平均帯電量の絶対値が高い方が、静電塗布により、容易に複合体を基材901上に付着させてインク受容層902を形成することができる。なお、複合体の帯電量は、複合体同士を摩擦帯電させて測定することができる。帯電量の測定は、例えば、標準キャリアと称する粉体と複合体とを空気中で撹拌(混合)し、その粉体の帯電量を測定することにより行うことができる。標準キャリアとしては、例えば、日本画像学会から購入可能(正帯電極性または負帯電極性トナー用標準キャリア、「P−01またはN−01」として入手可能)な、フェライトコアを表面処理した球形キャリアで、正帯電極性トナー用または負帯電極性トナー用の標準キャリア、パウダーテック株式会社から入手可能なフェライトキャリア等を用いることができる。より具体的には、複合体の平均帯電量は、例えば、次のようにして求めることができる。上記キャリアを80質量%、および複合体を20質量%の混合粉体を、アクリル製の容器に投入し、60秒間100rpmで容器をボールミル架台に載せて容器を回転させ、キャリアと複合体(粉体)との混合を行う。混合を行った複合体とキャリアとの混合物について吸引式小型帯電量測定装置(例えば、トレック社製「Model210Hs-2」)により測定することで、平均帯電量の絶対値を求めることができる。
例えば、平均長さ(長径)が18μm、平均幅(短径)が9μmのセルロース繊維と、ポリエステル樹脂(ガラス転移温度:56℃、分子量:10000)で構成され、粒径が1μm〜40μmの粉体とを、2:8(重量比)で空気中で混合した後、加熱処理によってポリエステル樹脂をセルロース繊維に融着させて複合化した。次いで、この複合化したものに、表面が疎水化処理された二酸化珪素微粒子を重量比で1.5%になるように加えて、卓上ブレンダーに投入し、翼端速度30m/sで60秒間攪拌処理した。なお、疎水化処理した無機微粒子の効果は、安息角の減少および帯電量の変化により確認することができる。通常、セルロース繊維は、比較的正帯電し易い材料であるが、ポリエステル樹脂と複合化し、この複合体を無機微粒子でコーティングすることにより負帯電し易くなる。この場合、平均帯電量は、−6μC/gとなる。
次に、記録媒体製造装置1の各部の構成について説明する。図1に示すように、記録媒体製造装置1は、制御部11と、インク受容層形成部13と、インク受容層固化部15と、搬送部16と、を備えている。
図2に示すように、記録媒体製造装置1は、ステップS101〜ステップS104を順に実行することができる。ステップS101は、繊維含有材料を基材901の第1面905に静電気力で付着させて、1層目のインク受容層902(第1層)を形成し、その形成が完了するまでのステップ(第1ステップ)である。ステップS102は、繊維含有材料を1層目のインク受容層902(第1層)に静電気力で付着させて2層目のインク受容層902(第2層)を形成し、その形成が完了するまでのステップ(第2ステップ)である。ステップS103は、繊維含有材料を2層目のインク受容層902(第2層)に静電気力で付着させて3層目のインク受容層902(第3層)を形成し、その形成が完了するまでのステップ(第3ステップ)である。ステップS104は、繊維含有材料を3層目のインク受容層902(第3層)に静電気力で付着させて4層目のインク受容層902(第4層)を形成し、その形成が完了するまでのステップ(第4ステップ)である。
制御部11は、記録媒体製造装置1の各部の作動を制御する制御装置である。この制御部11は、CPU(中央演算処理部)111と、記憶部112とを有している。記憶部112には、前記作動を制御する制御プログラムや各種データー等が記憶されている。記録媒体製造装置1は、これらの制御プログラム等に基づいて、ステップS101〜ステップS104を順に実行することができる。
なお、図示はしないが、制御部11は、例えば、キーボードやタッチパネル等のような入力部と、LCDモニター等のような画像表示部とを有しているのが好ましい。後述する各部の作動条件は、制御プログラムに予め入力されていてもよいし、入力部を介してその都度入力されてもよい。また、この入力情報は、画像表示部を介して確認することもできる。また、制御部11には、入力部や画像表示部がそれぞれ接続される接続部が設けられていてもよい。
図7、図8に示すように、搬送部16は、インク受容層902が形成される以前の基材901、または、インク受容層902が形成された基材901を搬送するものである。
搬送部16は、搬送ローラー163を有している。この搬送ローラー163は、2つで1組となって、これらの間で基材901を挟持しつつ搬送するよう構成されている。また、各組の搬送ローラー163は、基材901の搬送方向に沿って間隔を置いて配置されている。なお、隣り合う各組の搬送ローラー163同士の間隔は、基材901のx軸方向(搬送方向)の長さよりも小さいのが好ましい。
そして、各搬送ローラー163がそれぞれ矢印α163方向に回転することによって基材901を搬送することができる。なお、本実施形態では、搬送部16は、全ての搬送ローラー163がモーターに接続された駆動ローラーである必要はなく、基材901の搬送が可能であれば、どの搬送ローラー163が駆動ローラーであるかについては任意である。また、搬送部16は、基材901を搬送する搬送速度を変更可能に構成されている。この変更方法としては、特に限定されず、例えば、搬送ローラー163に接続されるモーターに対して印加する電圧を調整する方法等が挙げられる。
また、図7に示すように、搬送部16には、インク受容層902が形成される以前の基材901が、トレイ17から供給される。この供給は、自動的に行なわれてもよいし、手動で行なわれてもよい。また、搬送部16には、基材901を1枚ごとに(毎葉に)供給するのが好ましい。また、インク受容層902が形成された基材901は、その搬送方向下流側で搬送部16から別途回収される。この回収も、自動的に行なわれてもよいし、手動で行なわれてもよい。
基材901の搬送方向の途中には、インク受容層形成部13とインク受容層固化部15とが基材901の搬送方向に沿って複数(本実施形態では4つ)ずつ配置されている。これら4つのインク受容層形成部13を、基材901の搬送方向上流側から順に、「インク受容層形成部13A」(図7参照)、「インク受容層形成部13B」(図7参照)、「インク受容層形成部13C」(図8参照)、「インク受容層形成部13D」(図8参照)と言うことがある。また、4つのインク受容層固化部15を、基材901の搬送方向上流側から順に、「インク受容層固化部15A」(図7参照)、「インク受容層固化部15B」(図7参照)、「インク受容層固化部15C」(図8参照)、「インク受容層固化部15D」(図8参照)と言うことがある。そして、インク受容層固化部15Aは、インク受容層形成部13Aとインク受容層形成部13Bとの間に配置され、インク受容層固化部15Bは、インク受容層形成部13Bとインク受容層形成部13Cとの間に配置され、インク受容層固化部15Cは、インク受容層形成部13Cとインク受容層形成部13Dとの間に配置され、インク受容層固化部15Dは、インク受容層形成部13Dに対して下流側、すなわち、x軸方向正側に配置されている。
インク受容層形成部13Aは、基材901上に1層目のインク受容層902を形成する。インク受容層固化部15Aは、1層目のインク受容層902を固化する。
インク受容層形成部13Bは、前記固化した1層目のインク受容層902上に2層目のインク受容層902を形成する。インク受容層固化部15Bは、2層目のインク受容層902を固化する。
インク受容層形成部13Cは、前記固化した2層目のインク受容層902上に3層目のインク受容層902を形成する。インク受容層固化部15Cは、3層目のインク受容層902を固化する。
インク受容層形成部13Dは、前記固化した3層目のインク受容層902上に4層目のインク受容層902を形成する。インク受容層固化部15Dは、4層目のインク受容層902を固化する。
4つのインク受容層形成部13は、配置箇所が異なること以外は、同じ構成であるため、以下、1つのインク受容層形成部13の構成について代表的に説明する。同様に、4つのインク受容層固化部15も、配置箇所が異なること以外は、同じ構成であるため、以下、1つのインク受容層固化部15について代表的に説明する。
インク受容層形成部13は、繊維含有材料(インク受容層902となる複合体)でインク受容層902を基材901に形成する装置である。各インク受容層形成部13は、第1担持体24等を有する材料供給部2と、第2担持体(感光体)131と、帯電部132と、露光部133と、転写部134と、を備え、静電塗布により、基材901上にインク受容層902を形成する装置である。
材料供給部2は、繊維含有材料を第2担持体131の外周面131aに移動付着させる。材料供給部2は、貯留部21と、攪拌機(アジテーター)22と、供給ローラー23と、第1担持体24と、ブレード25と、を有している。
貯留部21は、粉体状の繊維含有材料を内部に貯留している。
貯留部21は、粉体状の繊維含有材料を内部に貯留している。
攪拌機22は、貯留部21内で矢印α22方向に回転することができる。これにより、貯留部21内で繊維含有材料を攪拌し、帯電させることができる。この繊維含有材料は、矢印α23方向に回転する供給ローラー23を介して、第1担持体24に供給される。
第1担持体24は、供給ローラー23を介して供給された繊維含有材料との間に電位差を有し、矢印α24方向に回転しつつ、繊維含有材料が静電付着するローラーである。
ブレード25は、第1担持体24上に付着した繊維含有材料の厚さ(付着量)を調整して薄膜化し、摩擦帯電させる。
また、第1担持体24上の繊維含有材料は、第1担持体24と第2担持体131との間の電位差により、第2担持体131の外周面131aに移動付着する。なお、第2担持体131の外周面131a上での繊維含有材料の厚さは、例えば、10μm以上60μm以下であるのが好ましく、10μm以上40μm以下であるのがより好ましい。また、第1担持体24と第2担持体131との電位は、適宜設定される。また、この電位の設定は、制御部11によって制御されている。
第2担持体131は、外周面131aに繊維含有材料を担持して、この繊維含有材料を基材901に転写させるローラーである。また、第2担持体131は、モーターに接続され、矢印α131方向(反時計回り)に回転することができる。これにより、第2担持体131は、基材901の搬送に伴って矢印α131方向に回転しつつ、基材901に繊維含有材料を安定して転写することができる。なお、第2担持体131は、その回転速度を変更可能に構成されている。この変更方法としては、特に限定されず、例えば、第2担持体131に接続されるモーターに印加する電圧を変更することにより可能である。また、第2担持体131の外周面131aは、例えば、有機感光体によって形成されているのが好ましい。第2担持体131の回転は、制御部11によって制御されている。また、第2担持体131は、アース線(図示せず)を介して接地されているのが好ましい。
第2担持体131の外周側には、第2担持体131の矢印α131に沿って、帯電部132、露光部133、材料供給部2、および転写部134がこの順に配列されている。
帯電部132は、第2担持体131の回転に伴って矢印α132方向(時計回り)に回転しつつ、第2担持体131の外周面131aを一様に帯電させるローラーである。本実施形態では、帯電部132は、第2担持体131の外周面131aを、例えば負電位に帯電させることができる。なお、帯電部132としては、例えば、オゾンを照射するコロナ帯電器、帯電ブラシ、帯電フィルム等で構成することができる。また、この帯電部132の作動は、制御部11によって制御されている。
露光部133は、第2担持体131の外周面131aを露光し、第2担持体131の外周面131aの電位を調整する。本実施形態では、露光部133は、第2担持体131の外周面131aにレーザー光LB133を照射し、繊維含有材料が第2担持体131の外周面131aに移動付着するような電位に調整することができる。なお、電位の調整は、例えば、前記一様に帯電した第2担持体131の外周面131aの一部を徐電することにより可能である。また、この露光部133の作動は、制御部11によって制御されている。
転写部134は、第2担持体131の下側に配置され、第2担持体131との間で基材901を挟持することができる。これにより、第2担持体131の外周面131aに付着された繊維含有材料を基材901に転写することができる。この転写部134は、矢印α134方向(時計回り)に回転するアイドルローラーであり、第2担持体131との間で、間隙(空間)である転写ニップ135を形成している。また、転写部134の外周面134aは、所定の電位を有している。これにより、転写ニップ135では、第2担持体131と転写部134との間に電位差が生じ、よって、第2担持体131上の繊維含有材料が転写部134側に静電的に移動して、基材901に転写される。そして、転写された繊維含有材料は、基材901の移動に伴って層状に形成されて、インク受容層902となる。なお、転写部134の外周面134aの電位は、例えば、300V以上3000V以下であるのが好ましく、1000V以上1500V以下であるのがより好ましい。また、転写部134は、搬送部16の搬送ローラー163とともに基材901を搬送する搬送ローラーとしての機能を有している。このように転写部134は、第2担持体131との間の電位差で生じる静電気力によって繊維含有材料を転写するものである。このように静電気力を用いる(静電塗布)という簡単な方法で、繊維含有材料を基材901に容易かつ適正に付着させることができる。
インク受容層固化部15は、2つの固化ローラー151を有している。これら2つの固化ローラー151は、上下に配置されており、矢印α151方向に回転する。また、各固化ローラー151には、それぞれ、ヒーター152が内蔵されている。ヒーター152は、通電により発熱する発熱体で構成されているのが好ましく、例えば、ハロゲンヒーター(ハロゲンランプ)を用いることができる。なお、ヒーター152の出力は、500W以上1000W以下であるのが好ましく、600W以上800W以下であるのがより好ましい。そして、2つの固化ローラー151の間をインク受容層902が通過する際に、インク受容層902を加熱しつつ、インク受容層902に対して層厚が減少する方向に加圧することができる。これにより、インク受容層902内の熱可塑性樹脂を全体的に十分に溶融することができる。そして、インク受容層902が2つの固化ローラー151の間を通過した後は、前記溶融した熱可塑性樹脂は、例えば自然に冷却されて、結着し、固化する。これにより、過不足なく固化したインク受容層902が形成され、よって、インク受容層902を基材901に固着することができる。なお、2つの固化ローラー151がインク受容層902を加圧する力は、例えば、好ましくは1kg以上100kg以下であり、より好ましくは10kg以上30kg以下である。そして、加圧されて厚さが減少したインク受容層902の厚さは、例えば、前述した第2担持体131の外周面131a上での繊維含有材料の厚さの1/10以上1/2以下となるのが好ましく、1/5以上1/4以下となるのがより好ましい。また、インク受容層902を加熱する温度は、好ましくは100℃以上200℃以下であり、より好ましくは120℃以上180℃以下である。なお、インク受容層902を加熱する温度は、前記数値範囲に限定されず、熱可塑性樹脂の種類に応じて、変更することもできる。この場合、熱可塑性樹脂が軟化または溶融するまで加熱するのが好ましい。
また、2つの固化ローラー151のうちの上側の固化ローラー151による加熱温度と、下側の固化ローラー151による加熱温度とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、下側の固化ローラー151は、ヒーター152が省略されたものであってもよい。また、2つの固化ローラー151は、それぞれ、搬送部16の搬送ローラー163とともに基材901を搬送する搬送ローラーとしての機能を有している。また、2つの固化ローラー151は、中心間距離が可変に構成されていてもよい。これにより、加圧力を調整することができる。この調整も、制御部11によって制御される。
また、インク受容層902の固化を多段階で行なってもよい。この場合、2つの固化ローラー151を、x軸方向に沿って複数組設置することができる。そして、各組での加熱温度をx軸方向正側に向かって下げてもよいし、上げてもよい。また、各組での加圧力を、x軸方向正側に向かって下げてもよいし、上げてもよい。さらに、これらの条件を適宜組み合わせてもよい。
このようなインク受容層固化部15により、インク受容層902の固化を加熱および加圧により行なうことができ、よって、記録媒体90は、インク受容層902が基材901に固着したものとして得られる。そして、この記録媒体90は、インク受容層902に印刷が可能なものとなって記録媒体製造装置1から排出される。
次に、記録媒体製造装置1によって、図3に示す記録媒体90が製造される過程について、主に図7、図8を参照しつつ説明する。
図7に示すように、基材901を1枚ずつトレイ17から搬送部16に供給していく。そして、この供給された基材901は、搬送部16によって順に搬送されていく。
基材901は、インク受容層形成部13Aを通過するときに、前述したようにインク受容層902が形成される(ステップS101開始)。このインク受容層902は、1層目のインク受容層902であり、未だ固化するまでには至っていない。その後、基材901がインク受容層固化部15Aを通過するときに、1層目のインク受容層902が前述したように固化する(ステップS101終了)。
次に、基材901は、インク受容層形成部13Bを通過する。このときも、前述したようにインク受容層902が形成される(ステップS102開始)。このインク受容層902は、2層目のインク受容層902であり、未だ固化するまでには至っていない。その後、基材901がインク受容層固化部15Bを通過するときに、2層目のインク受容層902が前述したように固化する(ステップS102終了)。
次に、図8に示すように、基材901は、インク受容層形成部13Cを通過する。このときも、前述したようにインク受容層902が形成される(ステップS103開始)。このインク受容層902は、3層目のインク受容層902であり、未だ固化するまでには至っていない。その後、基材901がインク受容層固化部15Cを通過するときに、3層目のインク受容層902も前述したように固化する(ステップS103終了)。
次に、基材901は、インク受容層形成部13Dを通過する。このときも、前述したようにインク受容層902が形成される(ステップS104開始)。このインク受容層902は、4層目のインク受容層902であり、未だ固化するまでには至っていない。その後、基材901がインク受容層固化部15Dを通過するときに、4層目のインク受容層902も前述したように固化する(ステップS104終了)。
そして、4つのインク受容層902が積層された基材901、すなわち、記録媒体90は、記録媒体製造装置1から速やかに排出される。
以上のように、記録媒体製造装置1は、基材901を搬送する搬送部16を有し、前記4つ(複数)のインク受容層形成部13(層形成部)は、基材901の搬送方向に沿って配置されている。また、前述したように、各インク受容層形成部13(層形成部)は、それぞれ、繊維含有材料を供給する材料供給部2と、材料供給部2から供給された繊維含有材料を基材901に転写するために担持する第2担持体(担持部)と、第2担持体(担持部)からの繊維含有材料を基材901に転写する転写部134を有している。
このような構成により、複数のインク受容層902を順に積層することができ、よって、比較的厚い記録層907を基材901上に容易かつ迅速に形成することができる。
また、各インク受容層902は、形成されるごとに、その表面902aに例えば筋ムラ等の各種のムラやうねり等(以下「筋ムラ」を代表する)が生じた状態となる場合がある。このような状態は、その程度にもよるが、例えば、インク受容層902(記録層907)でのインクの受容を多少なりとも阻害する可能性がある。しかしながら、インク受容層902が複数積層されるのに従って、筋ムラがランダムになり、その結果、4層目のインク受容層902の表面902aは、筋ムラが解消されたような状態となる。これにより、製造された記録媒体90は、記録層907がインクを安定して受容することができるものとなる。
また、各インク受容層902は、十分に薄い層であるため、各インク受容層固化部15で固化する際、与える熱量を比較的小さく抑えることができる。これにより、省エネルギー化を図ることができる。例えば厚さが40μmの記録層907を形成する場合、本実施形態のようにインク受容層902を4回積層した構成とすると、各インク受容層固化部15での加熱に必要とされる出力は、800W程度で済む。一方、積層せずに、一度に厚さが40μmの記録層907(インク受容層902)を形成した構成とすると、インク受容層固化部15での加熱に必要とされる出力は、2000W程度となる。
また、各インク受容層902は、十分に薄い層であるため、インク受容層固化部15で加圧する際、その加圧力を比較的小さく抑えることができる。また、加圧力が小さくても、インク受容層902を過不足なく加圧することができる。これにより、各インク受容層902での強度が向上するとともに、インク受容層902同士間での密着性も向上する。
また、記録媒体製造装置1では、1層目のインク受容層902を形成する形成条件と、2層目のインク受容層902を形成する形成条件と、3層目のインク受容層902を形成する形成条件と、4層目のインク受容層902を形成する形成条件とが異なるよう、例えばインク受容層形成部13、インク受容層固化部15、搬送部16等の各部の作動条件を調整することができる。これにより、特性(性状)が異なる種々の記録層907を基材901上に容易かつ迅速に形成することができる。なお、各部の作動条件の調整は、制御部11によって制御される。
例えば、インク受容層形成部13Aで1層目のインク受容層902を形成するときの静電気力と、インク受容層形成部13Bで2層目のインク受容層902を形成するときの静電気力と、インク受容層形成部13Cで3層目のインク受容層902を形成するときの静電気力と、インク受容層形成部13Dで4層目のインク受容層902を形成するときの静電気力とが異なるよう、各インク受容層形成部13の転写部134での電位(または電界強度)を調整することができる。電位の大小関係は、「(1層目のインク受容層902形成時の電位)<(2層目のインク受容層902形成時の電位)<(3層目のインク受容層902形成時の電位)<(4層目のインク受容層902形成時の電位)」となるのが好ましい。インク受容層902が積層されるのに従って、基材901上でのインク受容層902の総厚が増加する。このため、前記電位の大小関係により、各インク受容層902形成時の転写効率を向上させることができる。
また、ステップS101(第1ステップ)は、1層目のインク受容層902をインク受容層固化部15Aで加熱する処理を含み、ステップS102(第2ステップ)は、2層目のインク受容層902をインク受容層固化部15Bで加熱する処理を含み、ステップS103は、3層目のインク受容層902をインク受容層固化部15Cで加熱する処理を含み、ステップS104は、4層目のインク受容層902をインク受容層固化部15Dで加熱する処理を含んでいる。
この場合、1層目のインク受容層902を加熱する加熱温度と、2層目のインク受容層902を加熱する加熱温度と、3層目のインク受容層902を加熱する加熱温度と、4層目のインク受容層902を加熱する加熱温度とが異なるよう、各インク受容層固化部15のヒーター152の温度を調整することができる。加熱温度の大小関係は、「(1層目のインク受容層902固化時の加熱温度)<(2層目のインク受容層902固化時の加熱温度)<(3層目のインク受容層902固化時の加熱温度)<(4層目のインク受容層902固化時の加熱温度)」となるのが好ましい。前記と同様に、インク受容層902が積層されるのに従って、基材901上でのインク受容層902の総厚が増加する。このため、前記加熱温度の大小関係により、上側のインク受容層902ほど樹脂の溶融を向上させて、その後の固化を過不足なく行なうことができる。
加熱温度を異ならせることの他に、1層目のインク受容層902を加熱する加熱時間と、2層目のインク受容層902を加熱する加熱時間と、3層目のインク受容層902を加熱する加熱時間と、4層目のインク受容層902を加熱する加熱時間とが異なるように、各インク受容層固化部15を通過するときの、搬送部16による基材901の搬送速度を調整してもよい。加熱時間の大小関係は、「(1層目のインク受容層902固化時の加熱時間)<(2層目のインク受容層902固化時の加熱時間)<(3層目のインク受容層902固化時の加熱時間)<(4層目のインク受容層902固化時の加熱時間)」となるのが好ましい。このような加熱時間の大小関係により、上側のインク受容層902ほど樹脂の溶融を向上させて、その後の固化を過不足なく行なうことができる。
また、ステップS101(第1ステップ)は、1層目のインク受容層902をインク受容層固化部15Aで加圧する処理を含み、ステップS102(第2ステップ)は、2層目のインク受容層902をインク受容層固化部15Bで加圧する処理を含み、ステップS103は、3層目のインク受容層902をインク受容層固化部15Cで加圧する処理を含み、ステップS104は、4層目のインク受容層902をインク受容層固化部15Dで加圧する処理を含んでいる。
この場合、1層目のインク受容層902を加圧する加圧力と、2層目のインク受容層902を加圧する加圧力と、3層目のインク受容層902を加圧する加圧力と、4層目のインク受容層902を加圧する加圧力とが異なるよう、インク受容層固化部15の加圧力を調整することができる。加圧力の大小関係は、「(1層目のインク受容層902固化時の加圧力)<(2層目のインク受容層902固化時の加圧力)<(3層目のインク受容層902固化時の加圧力)<(4層目のインク受容層902固化時の加圧力)」となるのが好ましい。前記と同様に、インク受容層902が積層されるのに従って、基材901上でのインク受容層902の総厚が増加する。このため、前記加圧力の大小関係により、上側のインク受容層902ほど圧縮を向上させることができる。これにより、上側の層ほど薄くなって、ヒーター152からの熱を伝え易くすることができ、よって、樹脂の溶融をさらに向上させることができる。
図5に示すように、1層目のインク受容層902の厚さと、2層目のインク受容層902の厚さと、3層目のインク受容層902の厚さと、4層目のインク受容層902の厚さとが異なる記録媒体90も製造することができる。図5に示す構成では、厚さの大小関係は、「(1層目のインク受容層902の厚さ)>(2層目のインク受容層902の厚さ)>(3層目のインク受容層902の厚さ)>(4層目のインク受容層902の厚さ)」となっている。
この場合、インク受容層形成部13Aで1層目のインク受容層902を形成するときの繊維含有材料の転写量と、インク受容層形成部13Bで2層目のインク受容層902を形成するときの繊維含有材料の転写量と、インク受容層形成部13Cで3層目のインク受容層902を形成するときの繊維含有材料の転写量と、インク受容層形成部13Dで4層目のインク受容層902を形成するときの繊維含有材料の転写量とが異なるよう、各インク受容層形成部13の作動を調整することができる。
そして、図5に示す構成の記録媒体90では、最大厚さを有する1層目のインク受容層902が、例えばインクの基材901への到達を防止するインクストップ層として機能することができる。これにより、基材901でのインクのにじみを防止することができる。
また、記録媒体製造装置1では、各インク受容層形成部13の材料供給部2を、例えば適宜次の複数種(例えば6種)のものとしてもよい。
1つ目の種類の材料供給部2(以下この材料供給部2を有するインク受容層形成部13を「タイプA」と言う)は、繊維含有材料におけるセルロース繊維と樹脂との比が重量比で9:1の繊維含有材料を貯留したものである。なお、セルロース繊維を被覆する前の樹脂は、平均粒径が12μmのポリエステルの粉体である。
2つ目の種類の材料供給部2(以下この材料供給部2を有するインク受容層形成部13を「タイプB」と言う)は、繊維含有材料におけるセルロース繊維と樹脂との比が重量比で8:2の繊維含有材料を貯留したものである。なお、セルロース繊維を被覆する前の樹脂は、平均粒径が12μmのポリエステルの粉体である。
3つ目の種類の材料供給部2(以下この材料供給部2を有するインク受容層形成部13を「タイプC」と言う)は、繊維含有材料におけるセルロース繊維と樹脂との比が重量比で2:8の繊維含有材料を貯留したものである。
4つ目の種類の材料供給部2(以下この材料供給部2を有するインク受容層形成部13を「タイプD」と言う)は、平均粒径が12μmのポリエステルの粉体に色材としての顔料が分散した材料を貯留したものである。顔料の色としては、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)が挙げられ、これらから適宜選択される。
5つ目の種類の材料供給部2(以下この材料供給部2を有するインク受容層形成部13を「タイプE」と言う)は、繊維含有材料におけるセルロース繊維と樹脂との比が重量比で9:1であり、さらに、色材としての前記顔料が分散した繊維含有材料を貯留したものである。なお、セルロース繊維を被覆する前の樹脂は、平均粒径が12μmのポリエステルの粉体である。
6つ目の種類の材料供給部2(以下この材料供給部2を有するインク受容層形成部13を「タイプF」と言う)は、繊維含有材料におけるセルロース繊維と樹脂との比が重量比で8:2であり、さらに、色材としての前記顔料が分散した繊維含有材料を貯留したものである。なお、セルロース繊維を被覆する前の樹脂は、平均粒径が12μmのポリエステルの粉体である。
そして、例えば、インク受容層形成部13AをタイプCとし、インク受容層形成部13BをタイプBとし、インク受容層形成部13CをタイプAとし、インク受容層形成部13DをタイプDとすることができる。この状態(以下「第1状態」と言う)で記録媒体製造装置1を作動させることができる。第1状態での作動パターンとしては、例えば、次のパターンがある。
・パターン1:タイプC、タイプBでそれぞれインク受容層902を形成し、タイプA、タイプDでのインク受容層902の形成は停止する。
・パターン2:タイプC、タイプAでそれぞれインク受容層902を形成し、タイプB、タイプDでのインク受容層902の形成は停止する。
・パターン3:タイプC、タイプB、タイプDでそれぞれインク受容層902を形成し、タイプAでのインク受容層902の形成は停止する。
・パターン4:タイプC、タイプA、タイプDでそれぞれインク受容層902を形成し、タイプBでのインク受容層902の形成は停止する。
・パターン2:タイプC、タイプAでそれぞれインク受容層902を形成し、タイプB、タイプDでのインク受容層902の形成は停止する。
・パターン3:タイプC、タイプB、タイプDでそれぞれインク受容層902を形成し、タイプAでのインク受容層902の形成は停止する。
・パターン4:タイプC、タイプA、タイプDでそれぞれインク受容層902を形成し、タイプBでのインク受容層902の形成は停止する。
また、第1状態に対して、例えば、タイプBに代えて、インク受容層形成部13BをタイプFとし、タイプAに代えて、インク受容層形成部13CをタイプEとすることができる。この状態(以下「第2状態」と言う)で記録媒体製造装置1を作動させることができる。第2状態での作動パターンとしては、例えば、次のパターンがある。
・パターン5:タイプC、タイプEでそれぞれインク受容層902を形成し、タイプA、タイプDでのインク受容層902の形成は停止する。
・パターン6:タイプC、タイプFでそれぞれインク受容層902を形成し、タイプB、タイプDでのインク受容層902の形成は停止する。
・パターン6:タイプC、タイプFでそれぞれインク受容層902を形成し、タイプB、タイプDでのインク受容層902の形成は停止する。
パターン1の作動により、まず、基材901上にタイプCで1層目のインク受容層902(以下「インク受容層902b」と言う)が形成される(図6参照)。次に、インク受容層902b上にタイプBで2層目のインク受容層902(以下「インク受容層902c」と言う)が形成される(図6参照)。このように製造された記録媒体90では、インクは、主にインク受容層902cで保持され、それ以上のインクの浸透、すなわち、インクの基材901への到達は、インク受容層902bで防止される。これにより、記録媒体90は、裏面でのインクのにじみ、すなわち、裏うつりが防止されたものとなる。また、この記録媒体90は、主にグラフィック画像や写真画像等のようなインクドットの配置密度が比較的高い画像の印刷に適したものとなる。
パターン2の作動により、まず、基材901上にタイプCでインク受容層902bが形成される(図6参照)。次に、インク受容層902b上にタイプAでインク受容層902cが形成される。このように製造された記録媒体90も、インクは、主にインク受容層902cで保持され、それ以上のインクの浸透は、インク受容層902bで防止される。また、この記録媒体90は、主に文字の印刷に適したものとなる。
パターン3の作動により、パターン1で得られた記録媒体90に、さらにタイプDで3層目のインク受容層902(以下「インク受容層902d」と言う)が積層された記録媒体90が得られる。この記録媒体90は、パターン1で得られた記録媒体90と同じ機能を有し、さらに顔料の色が反映されたカラーの記録媒体90となる。
パターン4の作動により、パターン2で得られた記録媒体90に、さらにタイプDで3層目のインク受容層902dが積層された記録媒体90が得られる。この記録媒体90は、パターン2で得られた記録媒体90と同じ機能を有し、さらに顔料の色が反映されたカラーの記録媒体90となる。
パターン5の作動により、タイプCでインク受容層902bが形成され、タイプEでインク受容層902cが形成される。このように製造された記録媒体90は、主にグラフィック画像等の印刷に適し、インクの浸透がインク受容層902cで防止されるカラーの記録媒体90となる。
パターン6の作動により、タイプCでインク受容層902bが形成され、タイプFでインク受容層902cが形成される。このように製造された記録媒体90は、主に文字の印刷に適し、インクの浸透がインク受容層902cで防止されるカラーの記録媒体90となる。
以上のように、前記4つ(複数)のインク受容層形成部13(層形成部)には、セルロース繊維と樹脂との比率が異なる繊維含有材料を基材901上に静電気力で付着させてインク受容層902(記録層907)を形成するインク受容層形成部13(層形成部)が含まれる(例えばタイプA、タイプB、タイプC)。また、前記4つ(複数)のインク受容層形成部13(層形成部)には、添加物をさらに含む繊維含有材料を基材901上に静電気力で付着させてインク受容層902(記録層907)を形成するインク受容層形成部13(層形成部)が含まれる(例えばタイプE、タイプF)。そして、インク受容層902を形成するに際し、記録媒体製造装置1では、前記4つ(複数)のインク受容層形成部13(層形成部)は、インク受容層902(記録層907)の形成に使用するか否かが選択される(例えばパターン1〜パターン6)。
このような構成により、前記のように層形成に際し、異なる条件で層形成を行なうことができる、すなわち、選択して用いられるインク受容層形成部13に応じて、特性(性状)が異なるインク受容層902を形成することができる。例えば、各インク受容層902を形成するタイミングを異なせることができる。また、基材901上での各インク受容層902の形成位置(形成領域)を異ならせることができる。また、各インク受容層902を構成する材料の組成を異ならせることができる。また、各インク受容層902を形成する速度を異なせることができる。このようなことにより、種々の記録層907を基材901上に容易かつ迅速に形成して、記録媒体90を得ることができる。
以上のような構成の記録媒体製造装置1により、記録媒体90を製造することができる。この記録媒体90は、例えばインクジェット方式で印刷が良好に行なわれる。また、記録媒体90は、トナーを用いるレーザープリンターやコピー機でも印刷が良好に行なわれる。また、記録媒体90は、手書きでも良好に用いられる。手書きの場合、例えば、油性インクや水性インクのペン、鉛筆等を用いることができる。
また、記録媒体製造装置1は、例えば、オフィス、工場、家庭やスーパー、コンビニエンスストア等のような店舗、学校、病院、駅、公民館等のような公共機関等、いかなる場所にも設置することができる。
<第2実施形態>
図9は、本発明の記録媒体製造装置(第2実施形態)で記録媒体を製造する過程を順に示す垂直断面側面図である。
図9は、本発明の記録媒体製造装置(第2実施形態)で記録媒体を製造する過程を順に示す垂直断面側面図である。
以下、この図を参照して本発明の記録媒体製造装置の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態では、基材901を搬送する搬送部16と、複数(本実施形態では4つ)のインク受容層形成部13(層形成部)を支持し、基材901の搬送方向CD16を転写ニップ135(転写部134上)での接線方向として矢印α18方向(反時計回り)に回転する回転機構部18と、を有している。これら4つの(複数)のインク受容層形成部13(層形成部)は、回転機構部18の回転に伴って、転写ニップ135の基材901に対して接近、離間する。また、各インク受容層形成部13では、材料供給部2と、第2担持体131と、帯電部132とがユニット化されており、これらが一括して矢印α18方向に回転することができる。また、各インク受容層形成部13は、回転したときの位置に関わらず、姿勢は維持される。
なお、図9中の4つのインク受容層形成部13を、基材901に対して最も接近した、すなわち、最下部に位置するインク受容層形成部13から時計回りに順に、「インク受容層形成部13A」、「インク受容層形成部13B」、「インク受容層形成部13C」、「インク受容層形成部13D」と言うことがある。インク受容層形成部13Aは、基材901上に1層目のインク受容層902を形成する。インク受容層形成部13Bは、1層目のインク受容層902上に2層目のインク受容層902を形成する。インク受容層形成部13Cは、2層目のインク受容層902上に3層目のインク受容層902を形成する。インク受容層形成部13Dは、3層目のインク受容層902上に4層目のインク受容層902を形成する。
このような構成の記録媒体製造装置1では、まず、基材901は、インク受容層形成部13Aを通過するときに、1層目のインク受容層902が形成される。その後、このインク受容層902は、第1実施形態と同様に、インク受容層固化部15で固化する。
次に、1層目のインク受容層902が形成された基材901を再度トレイ17に戻すとともに、回転機構部18を矢印α18方向に回転させて、インク受容層形成部13Bを最下部に配置する。
次に、1層目のインク受容層902が形成された基材901を、インク受容層形成部13Bを通過させる。これにより、2層目のインク受容層902が形成される。その後、このインク受容層902は、インク受容層固化部15で固化する。
次に、2層目のインク受容層902が形成された基材901を再度トレイ17に戻すとともに、回転機構部18を矢印α18方向に回転させて、インク受容層形成部13Cを最下部に配置する。
次に、2層目のインク受容層902が形成された基材901を、インク受容層形成部13Cを通過させる。これにより、3層目のインク受容層902が形成される。その後、このインク受容層902は、インク受容層固化部15で固化する。
次に、3層目のインク受容層902が形成された基材901を再度トレイ17に戻すとともに、回転機構部18を矢印α18方向に回転させて、インク受容層形成部13Dを最下部に配置する。
次に、3層目のインク受容層902が形成された基材901を、インク受容層形成部13Dを通過させる。これにより、4層目のインク受容層902が形成される。その後、このインク受容層902は、インク受容層固化部15で固化する。これにより、4つのインク受容層902が積層された基材901、すなわち、記録媒体90が得られる。
各インク受容層形成部13(層形成部)は、それぞれ、繊維含有材料を供給する材料供給部2と、材料供給部2から供給された繊維含有材料を基材901に転写するために担持する第2担持体(担持部)と、を有している。本実施形態では、各インク受容層形成部13(層形成部)は、転写ニップ135の基材901に対して接近したときに、各第2担持体(担持部)からの繊維含有材料を基材901に転写する転写部134を共有している。また、露光部133も共有している。これにより、各インク受容層形成部13が転写部134や露光部133をそれぞれ有する場合よりも、記録媒体製造装置1の構成を簡単にすることができる。
<第3実施形態>
図10は、本発明の記録媒体製造装置(第3実施形態)で記録媒体を製造する過程を順に示す垂直断面側面図である。図11は、図10中の二点鎖線で囲まれた領域[B]の拡大図である。
図10は、本発明の記録媒体製造装置(第3実施形態)で記録媒体を製造する過程を順に示す垂直断面側面図である。図11は、図10中の二点鎖線で囲まれた領域[B]の拡大図である。
以下、これらの図を参照して本発明の記録媒体製造装置の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態では、各インク受容層形成部13と各インク受容層固化部15との間に、表面性状処理部14が配置されている(図10では、代表的に、インク受容層形成部13と、表面性状処理部14と、インク受容層固化部15とが1つずつ描かれている)。表面性状処理部14は、インク受容層形成部13でインク受容層902を形成してから、インク受容層固化部15でインク受容層902を固化するまでの間に、インク受容層902の表面性状を整える処理(表面性状処理)を行なうものである。すなわち、表面性状処理部14は、ステップS101〜ステップS104の各ステップの途中で、表面性状を整える表面性状処理を行なうものである。
ところで、前述したように、インク受容層形成部13で形成された直後のインク受容層902は、例えば筋ムラが生じた状態となっている。そこで、ムラが生じたインク受容層902に対して表面性状を整える処理を行なうのが好ましい場合があり、この表面性状処理を表面性状処理部14で行なう。本実施形態では、表面性状処理として、インク受容層902の表面902aを均す均し処理と、インク受容層902を加圧する加圧処理と、インク受容層902の表面902aを半固化する半固化処理とが含まれる。なお、インク受容層902にムラが生じる原因としては、例えば、インク受容層形成部13を構成する部品同士の組み立て誤差(例えば層形成時や転写時の駆動歯車ピッチの誤差)によるもの、転写時の放電によるもの、転写後の搬送振動でインク受容層902が崩れたことによるもの等が挙げられる。
図10に示すように、表面性状処理部14は、均し処理部3と、加圧処理部4と、半固化処理部5と、を有している。また、均し処理部3と、加圧処理部4と、半固化処理部5とは、基材901の搬送方向に沿ってこの順に配置されている。
前述したように、表面性状処理は、インク受容層902の表面902aを均して平坦化する、すなわち、平滑化する均し処理(平坦化処理)を含む。均し処理により、インク受容層902の表面902aを平滑な状態とすることができる。
表面性状処理部14では、均し処理を均し処理部3で行なう。図10、図11に示すように、均し処理部3は、均しローラー31と、支持ローラー32とを有している。
均しローラー31は、その駆動源であるモーター(図示せず)によって、y軸回りに矢印α31方向(反時計回り)に回転することができる。また、均しローラー31は、インク受容層902の表面902aに接することができる。そして、図11に示すように、均しローラー31は、表面902aとの接点での接線方向の速度をV31とし、搬送部16が基材901を搬送する速度をV16としたとき、V31<V16なる関係を満足するよう回転が調整されている。これにより、インク受容層902の表面902aは、x軸方向正側に移動するのに従って、筋ムラを形成する微小な凹凸等が潰されるとともに、繊維含有材料が基材901の搬送方向の上流側に押し戻される。これにより、インク受容層902の表面902aは、うねりや凹凸等が均されて減少し、平滑化(平坦化)される。また、インク受容層902から押し戻された材料は、別途回収されて、破棄されてもよいし、再利用されてもよい。また、均しローラー31の回転は、制御部11によって制御されている。
なお、均しローラー31の外周面は、例えば、ステンレス鋼等のような金属材料で構成されているのが好ましい。また、均しローラー31の外周面の表面粗さ(中心線平均粗さRa)は、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上100μm以下であるのが好ましい。
また、インク受容層902には、均しローラー31との摩擦によって生じた静電気が帯びる。そこで、図10に示すように、均しローラー31は、アース線33を介して接地されている。これにより、均しローラー31を除電することができ、よって、インク受容層902を構成する繊維含有材料の粉体が均しローラー31に付着するのを防止することができる。このように表面性状処理部14では、インク受容層902を形成する各ステップ中に、インク受容層902に対して除電を行なうことができる。
支持ローラー32は、均しローラー31の下側に配置されている。この支持ローラー32は、y軸回りに矢印α32方向(時計回り)に回転するアイドルローラーである。これにより、支持ローラー32は、インク受容層902が形成された基材901を下方から支持することができ、よって、インク受容層902の表面902aに対する均し処理(平坦化処理)を十分に行なうことができる。なお、支持ローラー32は、搬送部16の搬送ローラー163とともに基材901を搬送する搬送ローラーとしての機能を有している。
表面性状処理部14では、加圧処理を加圧処理部4で行なう。図10に示すように、加圧処理部4は、外周部411がステンレス鋼等のような金属材料で構成された2つの加圧ローラー41を有するカレンダー機である。これら2つの加圧ローラー41は、上下に配置されており、矢印α41方向に回転するアイドルローラーである。そして、2つの加圧ローラー41の間をインク受容層902が通過する際に、インク受容層902に対して層厚が減少する方向に加圧することができる。これにより、加圧処理が施され、よって、インク受容層902内で繊維含有材料同士が結合する。また、加圧されたインク受容層902内では、繊維含有材料の密度が増加するとともに、その密度も均一化される。なお、2つの加圧ローラー41がインク受容層902を加圧する力は、例えば、好ましくは5kg以上200kg以下であり、より好ましくは20kg以上80kg以下である強加圧となっている。なお、インク受容層902に対する加圧は、本実施形態では1回であるが、これに限定されず、例えば複数回にわたって段階的に行なわれてもよい。また、2つの加圧ローラー41は、搬送部16の搬送ローラー163とともに基材901を搬送する搬送ローラーとしての機能を有している。また、2つの加圧ローラー41は、中心間距離が可変に構成されていてもよい。これにより、加圧力を調整することができる。この調整も、制御部11によって制御される。
表面性状処理部14では、半固化処理を半固化処理部5で行なう。図10に示すように、半固化処理部5は、チャンバー51と、ヒーター52とを有している。
チャンバー51は、断熱材で構成された断熱壁511を有している。また、チャンバー51は、入口512と、出口513とを有している。これにより、基材901がインク受容層902とともにチャンバー51内を通過することができる。
ヒーター52は、チャンバー51内の上側に配置されている。ヒーター52は、通電により発熱する発熱体で構成されているのが好ましく、例えば、ハロゲンヒーター(ハロゲンランプ)を用いることができる。その他、ヒーター52としては、電磁波を発するもので構成されていてもよい。これにより、インク受容層902は、チャンバー51内を通過する間に上側から非接触で加熱される。この加熱により、インク受容層902の表面902a側では、熱可塑性樹脂が一旦溶融される。そして、インク受容層902がチャンバー51内から出ると、前記溶融した熱可塑性樹脂は、例えば自然に冷却されて、結着し、固化する。この固化により、表面902aには、インク受容層902の層厚に対して薄い膜が形成される。この膜化により、例えば、搬送による振動でインク受容層902の形状が崩れてしまったり、表面性状処理部14の次に配置されたインク受容層固化部15との接触で生じる静電気でインク受容層902から繊維含有材料が飛び散ったりするのを防止することができる。
なお、半固化処理部5での加熱温度は、例えば、熱可塑性樹脂の前記ガラス転移温度以上であり、熱可塑性樹脂の好ましくは融点以上である。この加熱温度は、制御部11によって制御される。また、半固化処理部5での加熱時間は、例えば、チャンバー51内をインク受容層902が移動する距離と、速度V16との関係で求められる。
前述したように、ステップS101〜ステップS104の各ステップの途中で、表面性状を整える処理(表面性状処理)が行なわれる。すなわち、ステップS101(第1ステップ)は、1層目のインク受容層902(第1層)の表面性状を整える処理(表面性状処理)を含み、ステップS102(第2ステップ)は、2層目のインク受容層902(第2層)の表面性状を整える表面性状処理を含み、ステップS103(第3ステップ)は、3層目のインク受容層902の表面性状を整える表面性状処理を含み、ステップS104(第4ステップ)は、4層目のインク受容層902の表面性状を整える表面性状処理を含む。そして、表面性状処理により、記録層907に例えば筋ムラ等が生じるのを防止することができ、よって、記録層907に各種情報を安定して容易に記録することができる。
<第4実施形態>
図12は、本発明の記録媒体製造装置(第4実施形態)が備える表面性状処理部を示す平面図である。図13は、図12中のC−C線断面図である。
図12は、本発明の記録媒体製造装置(第4実施形態)が備える表面性状処理部を示す平面図である。図13は、図12中のC−C線断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の記録媒体製造装置の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図12に示すように、本実施形態では、表面性状処理部14の均し処理部3は、スクレイパー(スキージー)34を有している。スクレイパー34は、長尺状をなす板部材で構成されている。このスクレイパー34は、x軸方向、すなわち、基材901の搬送方向CD16に対して傾斜して配置されている。また、スクレイパー34の両端部は、それぞれ、台座35に支持されている。これにより、スクレイパー34は、両持ち支持された状態となり、安定して載置される。このように載置されたスクレイパー34は、インク受容層902の表面902aがx軸方向正側に移動するのに従って、表面902aの筋ムラを形成する微小な凹凸等を搬送方向CD16の上流側に押し戻す。また、押し戻された余分な部分は、スクレイパー34の傾斜方向に沿って矢印α34方向に移動して行き、その移動先で回収される。
なお、スクレイパー34は、搬送方向CD16に対する傾斜角度を変更可能に構成されていてもよい。
また、図13に示すように、均し処理部3は、3つの支持ローラー32も有している。これら3つの支持ローラー32は、x軸方向に沿って間隔を置いて配置されている。また、図12に示すように、3つの支持ローラー32は、いずれも、平面視でスクレイパー34と交差している、すなわち、一部が重なって配置されているのが好ましい。これにより、前記微小な凹凸の解消を過不足なく安定して行なうことができる。
なお、スクレイパー34と各支持ローラー32とのz軸方向の距離を変更可能になっていてもよい。
<第5実施形態>
図14は、本発明の記録媒体製造装置(第5実施形態)が備える表面性状処理部を示す平面図である。
図14は、本発明の記録媒体製造装置(第5実施形態)が備える表面性状処理部を示す平面図である。
以下、この図を参照して本発明の記録媒体製造装置の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図14に示すように、本実施形態では、表面性状処理部14の均し処理部3は、均しローラー36と、支持ローラー32とを有している。
均しローラー36は、回転支持部37に回転可能に支持されている。この均しローラー36は、その駆動源であるモーター(図示せず)によって、インク受容層902の表面902aに接しつつ回転することができる。また、均しローラー36の外周部には、螺旋状の溝361が形成されている。この溝361により、インク受容層902の表面902aは、x軸方向正側に移動するのに従って、筋ムラを形成する微小な凹凸等が削ぎ取られて解消される。また、削ぎ取られた余分な材料は、溝361に沿って回転支持部37側に向かって移動して行き、その移動先で回収される。
<第6実施形態>
図15は、本発明の記録媒体製造装置(第6実施形態)が備える表面性状処理部を示す垂直断面図である。
図15は、本発明の記録媒体製造装置(第6実施形態)が備える表面性状処理部を示す垂直断面図である。
以下、この図を参照して本発明の記録媒体製造装置の第6実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図15に示すように、本実施形態では、表面性状処理部14の半固化処理部5は、チャンバー51と、ヒーター53とを有している。
ヒーター53は、チャンバー51内の下側に配置されている。ヒーター53は、通電により発熱する発熱体で構成されているのが好ましく、例えば、ハロゲンヒーター(ハロゲンランプ)を用いることができる。これにより、インク受容層902は、チャンバー51内を通過する間にヒーター53からの熱が基材901を介して伝わって、表面902aに薄膜が形成される。この薄膜化により、インク受容層902の構成材料である繊維含有材料の飛散防止やインク受容層902の形状維持等を図ることができる。
また、本実施形態では、前記第3実施形態と同様に、チャンバー51内の上側にヒーター52が配置されていてもよい。この場合、ヒーター52とヒーター53との加熱条件(加熱時間等)を異ならせてもよい。
<第7実施形態>
図16〜図18は、それぞれ、本発明の記録媒体製造装置(第7実施形態)に対して材料供給部を変位させる過程を順に示す垂直断面側面図である。
図16〜図18は、それぞれ、本発明の記録媒体製造装置(第7実施形態)に対して材料供給部を変位させる過程を順に示す垂直断面側面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の記録媒体製造装置の第7実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
前述したように、各インク受容層形成部13(層形成部)は、繊維含有材料を供給する材料供給部2と、材料供給部2から供給された繊維含有材料を基材901に転写するために担持する第2担持体131(担持部)と、を有している。そして、材料供給部2および第2担持体131(担持部)のうちの少なくとも一方(本実施形態では材料供給部2)は、インク受容層902(記録層907)の形成が可能な第1位置と、第1位置から退避した第2位置とに変位可能である。これにより、後述するように、材料供給部2に対するメンテナンスが可能となる。
さて、記録媒体製造装置1では、長期間使用を継続するに際し、例えば材料供給部2に対して、交換、修理、整備、点検等の各種メンテナンスを行なうのが好ましい。そこで、記録媒体製造装置1は、材料供給部2に対して、前記各種メンテナンスを行なうことができる構成となっている。
材料供給部2は、例えば箱状をなすハウジング26をさらに有している。このハウジング26は、攪拌機22を内蔵した貯留部21と、供給ローラー23と、第1担持体24と、ブレード25とを一括して収納する収納部である。この材料供給部2は、図16に示す状態と、図16に示す状態から移動した図17、図18に示す状態とを取り得るカートリッジとなっている。図16に示す状態では、材料供給部2は、インク受容層902(記録層907)の形成が可能な第1位置に位置している。一方、図17、図18に示す状態では、材料供給部2は、第1位置から退避した第2位置に変位している。
そして、各インク受容層形成部13には、材料供給部2の第1位置と第2位置との間の変位を可能とする支持部6が設けられている。支持部6は、材料供給部2をx軸方向(水平方向)に移動可能に支持する第1ガイド部61と、材料供給部2をz軸方向(鉛直方向)に移動可能に支持する第2ガイド部62と、を有している。
図16に示すように、材料供給部2は、第1位置では、記録媒体製造装置1に装填された装填状態となり、第2担持体131に繊維含有材料を移行させて、基材901に対するインク受容層902の形成が可能となる。そして、メンテナンスを行なう場合には、記録媒体製造装置1を、インク受容層902の形成を停止した状態として、材料供給部2を第2位置に変位させる。この操作は、まず、図17に示すように、材料供給部2を第1ガイド部61に沿わせてx軸方向負側、すなわち、矢印α61方向に移動させる。次に、図18に示すように、材料供給部2を第2ガイド部62に沿わせてz軸方向正側、すなわち、矢印α62に移動させると、遂には、この材料供給部2を記録媒体製造装置1から離脱させることができる。このように、材料供給部2は、第2位置では、記録媒体製造装置1から離脱可能な離脱状態となる。そして、この離脱状態の材料供給部2に対して、メンテナンスを行なうことができる。また、材料供給部2は、離脱状態となっているため、例えば第2ガイド部62に支持されたままの状態に比べて、メンテナンスを容易に行なうことができる。
前述したように、メンテナンスの種類には、例えば、交換、修理、整備、点検がある。材料供給部2が例えば経時的な劣化により故障した場合には、材料供給部2の交換や修理が行われる。また、材料供給部2の貯留部21に貯留されている繊維含有材料が使い切られた、すなわち、空になった場合には、材料供給部2の交換が行われる。また、材料供給部2に故障等の不具合が生じるのを未然に防止する場合には、材料供給部2の整備や点検が行われる。
材料供給部2および第2担持体131のうちの第1位置と第2位置とに変位可能である方、すなわち、本実施形態では材料供給部2は、離脱状態で交換可能である。これにより、故障時の材料供給部2の交換や、繊維含有材料が空になったときの材料供給部2の交換を容易かつ迅速に行うことができる。
また、材料供給部2は、離脱状態で交換可能であることの他に、離脱状態で修理、整備、点検も可能である。これにより、修理、整備、点検も容易かつ迅速に行うことができる。
メンテナンス後は、前記とは反対に材料供給部2を移動させることにより、材料供給部2を第1位置に戻すことができる。これにより、材料供給部2が第1位置に戻り、記録媒体製造装置1を継続して使用することができる。
なお、各インク受容層形成部13には、第1位置にある材料供給部2を固定するロック部(図示せず)が設けられているのが好ましい。これにより、例えば記録媒体90を製造している最中の記録媒体製造装置1に、各部の作動による振動が生じたとしても、材料供給部2の位置ズレを防止することができ、よって、インク受容層902の形成を安定して行なうことができる。また、材料供給部2を第2位置に移動させるときには、前記ロック部による固定状態を解除することができる。
また、メンテナンス対象は、本実施形態では材料供給部2および第2担持体131のうちの材料供給部2であったが、これに限定されない。例えば、メンテナンス対象が第2担持体131である場合、第2担持体131は、インク受容層902の形成が可能な第1位置と、第1位置から退避した第2位置とに変位可能なカートリッジとなっている。この場合、ローラーで構成された第2担持体の幅が異なるものを複数用意し、これらを適宜選択して用いることができる。これにより、選択された第2担持体に応じて、幅が異なるインク受容層902を形成することができる。また、メンテナンス対象が材料供給部2および第2担持体131の双方である場合、材料供給部2および第2担持体131は、一括してまたは互いに独立して、インク受容層902の形成が可能な第1位置と、第1位置から退避した第2位置とに変位可能なカートリッジとなっている。
<第8実施形態>
図19は、本発明の記録媒体製造装置(第8実施形態)が有する材料供給部を示す垂直断面側面図である。
図19は、本発明の記録媒体製造装置(第8実施形態)が有する材料供給部を示す垂直断面側面図である。
以下、この図を参照して本発明の記録媒体製造装置の第8実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図19に示すように、本実施形態では、各インク受容層形成部13は、前記各実施形態と異なり、第2担持体131、帯電部132、露光部133が省略された構成となっている。これにより、第1担持体24から直接的に基材901に繊維含有材料を転写して、平面視での形状が長方形(または正方形)のインク受容層902を形成することができる。
以上のように、本実施形態では、平面視での形状が長方形(または正方形)のインク受容層902を形成する際、各インク受容層形成部13から第2担持体131、帯電部132、露光部133を省略した簡単な構成で、その形成を行なうことができる。
以上、本発明の記録媒体製造装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、記録媒体製造装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の記録媒体製造装置は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、第1層と第2層とは、循環経路によって連続的に形成されているが、これに限定されない。例えば、第1層が形成された基材を複数枚得られるごとに、これらを一旦ストックしておいて、その後、この基材をインク受容層形成部を超えた位置まで記録媒体製造装置内を逆走させる。そして、再度、インク受容層形成部を通過させることにより、第2層を形成してもよい。その他、第1層が形成された基材を複数枚ストックした後、この基材を例えば手動によりトレイに戻す。そして、この基材を搬送部によって搬送して、再度、インク受容層形成部を通過させることにより、第2層を形成してもよい。
また、基材を搬送する搬送部としては、例えば、無端ベルトを有する構成のものであってもよし、プラテン(ステージ)を有する構成のものであってもよい。
また、インク受容層形成部の配置数は、4つであったが、これに限定されず、1つ〜3つまたは5つ以上であってもよい。
また、材料供給部および担持部のうちの第1位置と第2位置とに変位可能である方は、離脱状態で交換可能であったが、これに限定されず、第2位置で交換可能であってもよい。これにより、メンテナンス対象の交換を容易に行うことができる。
また、記録層は、例えば、第1層と第2層との間に、繊維含有材料と異なる材料で構成された中間層が配置されたものであってもよい。中間層の機能としては、特に限定されず、例えば、第1層と第2層との密着性を高める機能、第1層の表面を改質する機能等が挙げられる。また、この場合、中間層を構成する材料を第1層上に供給する中間層材料供給部の配置箇所としては、特に限定されず、例えば、第1担持体と第2担持体との間の上側、第2担持体に対して下流側等が挙げられる。また、供給方法としては、特に限定されず、例えば、噴射による方法等を用いることができる。
1…記録媒体製造装置、2…材料供給部、21…貯留部、22…攪拌機(アジテーター)、23…供給ローラー、24…第1担持体、25…ブレード、26…ハウジング、3…均し処理部、31…均しローラー、32…支持ローラー、33…アース線、34…スクレイパー、35…台座、36…均しローラー、361…溝、37…回転支持部、4…加圧処理部、41…加圧ローラー、411…外周部、5…半固化処理部、51…チャンバー、511…断熱壁、512…入口、513…出口、52…ヒーター、53…ヒーター、6…支持部、61…第1ガイド部、62…第2ガイド部、11…制御部、111…CPU(中央演算処理部)、112…記憶部、13…インク受容層形成部、13A…インク受容層形成部、13B…インク受容層形成部、13C…インク受容層形成部、13D…インク受容層形成部、131…第2担持体(感光体)、131a…外周面、132…帯電部、133…露光部、134…転写部、134a…外周面、135…転写ニップ、14…表面性状処理部、15…インク受容層固化部、15A…インク受容層固化部、15B…インク受容層固化部、15C…インク受容層固化部、15D…インク受容層固化部、151…固化ローラー、152…ヒーター、16…搬送部、163…搬送ローラー、17…トレイ、18…回転機構部、90…記録媒体、901…基材、902…インク受容層、902a…表面、902b…インク受容層、902c…インク受容層、902d…インク受容層、903…余白部、905…第1面、907…記録層、CD16…搬送方向、LB133…レーザー光、S101〜S104…ステップ、V31…速度、V16…速度、α18…矢印、α22…矢印、α23…矢印、α24…矢印、α31…矢印、α32…矢印、α34…矢印、α41…矢印、α61…矢印、α62…矢印、α131…矢印、α132…矢印、α134…矢印、α151…矢印、α163…矢印
Claims (11)
- セルロース繊維と樹脂とを含む繊維含有材料を基材上に静電気力で付着させて記録層を形成する複数の層形成部を有し、
前記複数の層形成部は、前記基材に対して互いに異なるタイミングで前記記録層を形成することを特徴とする記録媒体製造装置。 - 前記基材を搬送する搬送部を有し、
前記複数の層形成部は、前記基材の搬送方向に沿って配置されている請求項1に記載の記録媒体製造装置。 - 前記各層形成部は、それぞれ、前記繊維含有材料を供給する材料供給部と、前記材料供給部から供給された前記繊維含有材料を基材に転写するために担持する担持部と、前記担持部からの前記繊維含有材料を前記基材に転写する転写部と、を有する請求項2に記載の記録媒体製造装置。
- 前記基材を搬送する搬送部と、
前記複数の層形成部を支持し、前記基材の搬送方向を接線方向として回転する回転機構部と、を有し、
前記複数の層形成部は、前記回転機構部の回転に伴って、前記基材に対して接近、離間する請求項1に記載の記録媒体製造装置。 - 前記各層形成部は、それぞれ、前記繊維含有材料を供給する材料供給部と、前記材料供給部から供給された前記繊維含有材料を基材に転写するために担持する担持部と、を有し、前記基材に対して接近したときに、前記各担持部からの前記繊維含有材料を前記基材に転写する転写部を共有している請求項4に記載の記録媒体製造装置。
- 前記複数の層形成部には、前記セルロース繊維と前記樹脂との比率が異なる前記繊維含有材料を前記基材上に静電気力で付着させて前記記録層を形成する層形成部が含まれる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の記録媒体製造装置。
- 前記複数の層形成部には、添加物をさらに含む前記繊維含有材料を前記基材上に静電気力で付着させて前記記録層を形成する層形成部が含まれる請求項1ないし6のいずれか1項に記載の記録媒体製造装置。
- 前記複数の層形成部は、前記記録層の形成に使用するか否かが選択される請求項1ないし7のいずれか1項に記載の記録媒体製造装置。
- 前記各層形成部は、前記繊維含有材料を供給する材料供給部と、前記材料供給部から供給された前記繊維含有材料を基材に転写するために担持する担持部と、を有し、
前記材料供給部および前記担持部のうちの少なくとも一方は、前記記録層の形成が可能な第1位置と、前記第1位置から退避した第2位置とに変位可能である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の記録媒体製造装置。 - 前記材料供給部および前記担持部のうちの前記第1位置と前記第2位置とに変位可能である方は、前記第2位置で交換可能である請求項9に記載の記録媒体製造装置。
- セルロース繊維と樹脂とを含む繊維含有材料を基材上に静電気力で付着させて第1記録層を形成する第1層形成部と、
前記繊維含有材料を前記基材上に静電気力で付着させて第2記録層を形成する第2層形成部と、を有し、
前記第1層形成部と前記第2層形成部とは、異なる条件で層形成を行なうものであることを特徴とする記録媒体製造装置。
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