JP2018094690A - 工作機械の制御装置および工作機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業者の負担を減らす工作機械の制御装置および工作機械を提供する。【解決手段】ワークWを切削加工する切削工具130と、ワークと切削工具とを相対的に回転させる回転手段(主軸モータで例示)と、ワークまたは切削工具を、ワークと切削工具との相対的な回転に対する所定の振動回数で往復移動させる振動手段(Z軸方向送り機構160で例示)とを備え、切削工具との接触による切粉を伴ってワークを切削加工する工作機械の制御装置180である。ワークの直径および切粉の設定長さに基づいて振動回数を決定する振動回数決定手段(振動回数決定部192で例示)を有し、振動回数決定手段が、切粉の設定長さになる振動回数を振動手段の目標振動回数に決定する。【選択図】図5

Description

本発明は、工作機械の制御装置および工作機械に関する。
工具でワークを旋削する場合、いわゆる流れ形の連続的な切屑が生成されて周囲に排出される。この連続的な切屑がワークや工具に巻きつくと、ワークや工具の損傷を招く。そのため、例えば特許文献1,2には、ワークを工具に対して往復移動させ、切屑を分断した切粉の状態で排出可能な振動切削加工の技術が開示されている。
ここで、切粉の長さはワーク径やワークの回転数の変化に応じて変わり、短すぎる切粉は周囲に飛散し、長すぎる切粉はワークや工具の損傷を招く。特許文献1には、ワーク径の変化に応じて振動周波数を変更し、切粉の長さを所定長に調整することが開示されている。また、特許文献2には、切粉の長さを調整するために、振動の振幅を変更することが開示されている。
特開2001−150201号公報 特開2009−190119号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術では、切削加工を開始する前に、ワーク径の変化に応じた振動周波数をそれぞれ求めており、これら求めた振動周波数をワーク径毎に予め入力しなければならないので、工作機械の作業者にとって不便であった。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、作業者の負担を減らす工作機械の制御装置および工作機械を提供することを目的とする。
本発明は、第1に、ワークを切削加工する切削工具と、前記ワークと前記切削工具とを相対的に回転させる回転手段と、前記ワークまたは前記切削工具を、前記ワークと前記切削工具との相対的な回転に対する所定の振動回数で往復移動させる振動手段とを備え、前記切削工具との接触による切粉を伴って前記ワークを切削加工する工作機械の制御装置であって、前記ワークの直径および前記切粉の設定長さに基づいて前記振動回数を決定する振動回数決定手段を有し、該振動回数決定手段が、前記切粉の設定長さになる振動回数を前記振動手段の目標振動回数に決定することを特徴とする。
第2に、前記振動回数決定手段が、前記ワークの直径と前記切粉の設定長さから前記振動回数を計算し、該計算した振動回数の整数部分に0.5を加算または減算して振動回数を補正し、該補正後の振動回数を前記振動回数に決定する第1の振動回数決定モードを有することを特徴とする。
第3に、前記振動回数決定手段が、前記ワークの直径と前記切粉の設定長さから前記振動回数を計算し、該計算した振動回数によるn回目(nは1以上の整数)の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡とが、前記回転手段が1回転する間に交差するか否かを判別し、各前記切削軌跡が交差する場合、前記計算した振動回数を前記振動回数に決定する第2の振動回数決定モードを有することを特徴とする。
第4に、前記振動回数決定手段が、前記ワークの直径と前記切粉の設定長さから前記振動回数を計算し、該計算した振動回数によるn回目(nは1以上の整数)の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡とが、前記回転手段が1回転する間に交差するか否かを判別し、各前記切削軌跡が交差する場合、前記計算した振動回数を前記振動回数に決定し、各前記切削軌跡が交差しない場合、前記往復移動の振幅を補正してから、前記計算した振動回数によるn回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡とが、前記回転手段が1回転する間に交差するか否かを判別し、前記往復移動の振幅を補正した後の各前記切削軌跡が交差する場合、前記計算した振動回数を前記振動回数に決定する第3の振動回数決定モードを有することを特徴とする。
第5に、上記の第1の振動回数決定モード、第2の振動回数決定モード、第3の振動回数決定モードのいずれかを選択可能に形成されていることを特徴とする。
第6に、前記切粉の設定長さが所定の範囲で設定されることを特徴とする。
第7に、上記の工作機械の制御装置を備えた工作機械であることを特徴とする。
本発明は以下の効果を得ることができる。
(1)振動回数決定手段が、切粉の設定長さが得られるように、ワーク径に応じた回転毎の振動回数を決定するので、例えば、所望の切粉長さ、加工前のワーク径、切削速度を一旦入力すれば、ワーク径の変更に伴う振動回数の新たな入力が不要になる。よって、工作機械の作業者の負担を減らすことができる。
(2)整数部分に0.5を加算または減算した値を新たな振動回数に決定しており、n回目(nは1以上の整数)の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡は、回転手段の位相の反転によって確実に交差するので、切屑を分断しやすくなる。よって、ワークの加工精度の向上を図ることができる。
(3)振動回数に決定するために、n回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡とが回転手段の1回転する間に交差するか否かの判別式を用いており、この判別式を満たす場合、計算値を振動回数に決定するので、切粉の長さを設定長さにより近づけることができる。また、この計算値を振動回数に決定すれば、切削速度を当初の設定速度により近づけることができる。
(4)振動回数に決定するために、n回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡とが回転手段の1回転する間に交差するか否かの判別式を用いており、この判別式を満たす場合、計算値を振動回数に決定するので、切粉の長さを設定長さにより近づけることができる。また、この計算値を振動回数に決定すれば、切削速度を当初の設定速度により近づけることができる。一方、この判別式を満たさない場合、往復移動の振幅を変更してから上記の判別式を用いており、往復移動の振幅の変更によってこの判別式を満たす場合、計算値を振動回数に決定するので、切粉の長さを設定長さにより近づけることができるとともに、切削速度を当初の設定速度により近づけることができる。
(5)作業者の利便性をさらに向上させることができる。
(6)切粉の設定長さを範囲で指定可能にすれば、作業者が切粉の設定長さを指定しやすくなるので、この点も作業者の利便性向上に貢献する。
(7)工作機械の作業者の負担を減らすことが可能な工作機械を提供することができる。
本発明の一実施例による工作機械の概略を示す図である。 切削工具とワークとの関係を示す概略図である。 切削工具の往復移動および位置を説明する図である。 主軸のn回転目、n+1回転目、n+2回転目の各回転時の刃先経路の関係を示す図である。 制御装置の構成図である。 制御部による加工工程のフローチャートである。 実施例1による目標振動回数の決定工程のフローチャートである。 振動回数、主軸回転数、振動周波数の一例を説明する図である。 実施例1によるワーク径、振動周波数、振動回数、切削速度の設定例を説明する図である。 実施例2による目標振動回数の決定工程のフローチャートである。 実施例2によるワーク径、振動周波数、振動回数、切削速度の設定例を説明する図である。 実施例3による目標振動回数の決定工程のフローチャートである。 実施例3によるワーク径、振動周波数、振動回数、切削速度の設定例を説明する図である。 他の実施例による目標振動回数の決定工程のフローチャートである。 他の実施例による目標振動回数の決定工程のフローチャートである。 他の実施例による目標振動回数の決定工程のフローチャートである。 さらに他の実施例によるワーク径、振動回数、主軸回転数、切削速度の設定例を説明する図である。
以下、図面を参照しながら本発明の工作機械の制御装置および工作機械について説明する。図1に示すように、工作機械100は、主軸110と、ワークWを加工するバイト等の切削工具130と、制御装置180とを備えている。
主軸110の先端にはチャック120が設けられており、ワークWはチャック120を介して主軸110に保持されている。主軸110は、主軸台110Aに回転自在に支持され、例えば主軸台110Aと主軸110との間に設けられた主軸モータ(例えばビルトインモータ)の動力によって回転する。
工作機械100のベッドには、Z軸方向送り機構160が設けられている。Z軸方向送り機構160は、ベッドと一体のベース161と、ベース161に設置されたZ軸方向ガイドレール162とを備えている。Z軸方向ガイドレール162には、Z軸方向送りテーブル163がZ軸方向ガイド164を介してスライド自在に支持されている。
主軸台110AはZ軸方向送りテーブル163に搭載され、主軸110の軸線方向はZ軸方向ガイドレール162の延出方向と一致している。
リニアサーボモータ165は可動子165aおよび固定子165bを有し、可動子165aはZ軸方向送りテーブル163に設けられ、固定子165bはベース161に設けられている。Z軸方向送りテーブル163が、リニアサーボモータ165の駆動によってZ軸方向ガイドレール162に沿って移動すると、主軸台110Aが主軸110の軸線方向(図示のZ軸方向)に移動し、主軸110がZ軸方向に沿って移動する。
切削工具130は切削工具台130Aに装着されている。
工作機械100のベッドには、X軸方向送り機構150も設けられている。X軸方向送り機構150は、ベッドと一体のベース151と、ベース151に設置されたX軸方向ガイドレール152とを備えている。X軸方向ガイドレール152には、X軸方向送りテーブル153がX軸方向ガイド154を介してスライド自在に支持されている。
切削工具台130AはX軸方向送りテーブル153に搭載され、切削工具台130Aの軸線方向はX軸方向ガイドレール152の延出方向と一致している。
リニアサーボモータ155は可動子155aおよび固定子155bを有し、可動子155aはX軸方向送りテーブル153に設けられ、固定子155bはベース151に設けられている。X軸方向送りテーブル153が、リニアサーボモータ155の駆動によってX軸方向ガイドレール152に沿って移動すると、切削工具台130Aが、図示のZ軸方向に対して直交するX軸方向に移動し、切削工具130がX軸方向に移動する。
なお、Y軸方向送り機構を工作機械100に設けてもよい。Y軸方向は図示のZ軸方向およびX軸方向に直交する方向である。Y軸方向送り機構もリニアサーボモータによって駆動可能なY軸方向送りテーブルを有する。X軸方向送り機構150をY軸方向送り機構を介して工作機械100のベッドに搭載すると、切削工具130をX軸方向に加えてY軸方向にも移動させることができる。Y軸方向送り機構をX軸方向送り機構150を介して工作機械100のベッドに搭載し、Y軸方向送りテーブルに切削工具台130Aを搭載してもよい。
主軸110の回転、および、Z軸方向送り機構160、X軸方向送り機構150やY軸方向送り機構(以下、Z軸方向送り機構160等と称する)の移動は、制御装置180で制御され、制御装置180は、主軸モータを駆動してワークWと切削工具130とを相対的に回転させ、Z軸方向送り機構160等を駆動してワークWと切削工具130とを相対的に移動させる。
主軸台110Aと切削工具台130Aの両方が移動できるように説明したが、本発明はこの例に限定されない。主軸台110Aをベッドに固定し、切削工具台130AをX、Y、Z軸方向に移動可能にしてもよい。あるいは、切削工具台130Aをベッドに固定し、主軸台110AをX、Y、Z軸方向に移動可能にしてもよい。
Z軸方向送り機構160等にリニアサーボモータを用いた例を挙げて説明したが、公知のボールネジとサーボモータを用いてもよい。
図2では、例えば、ワークWが切削工具130に対して回転し、かつ、ワークWが切削工具130に対してZ軸方向に往復移動する例を示している。この場合には、主軸モータが本発明の回転手段に相当し、Z軸方向送り機構160が本発明の振動手段に相当する。
制御装置180は、ワークWをZ軸の正方向に向けて所定の前進量で移動(往動)させた後、ワークWをZ軸の負方向に向けて所定の後退量で移動(復動)させる。これにより、図3に示すように、切削工具130をワークWに対して前進量と後退量との差(進行量)だけ送ることができる。
上記では、ワークWが切削工具130に対してZ軸方向に往復移動する例を説明したが、X軸方向送り機構150やY軸方向送り機構、あるいは切削工具130用のZ軸方向送り機構を含めた送り手段によって振動手段が構成され、主軸台110Aと切削工具130とを往動移動および復動移動させることにより、ワークWに対して切削工具130を振動させることができる。その場合、切削工具130は、振動手段を兼用した送り手段によって、ワークWに対して送り方向に沿った振動を伴って送られ、ワークWを加工することもできる。
切削工具130は、所定の切込み量で図2に示したX軸方向に送られる。一方、ワークWは、主軸モータにより、所定の方向に回転されるとともに、Z軸方向送り機構160により往動と復動とを繰り返しながら、Z軸の正方向に向けて送られており、ワークWの1回転分、すなわち、主軸位相0°から360°まで変化する間の上記進行量の合計が送り量になる。
これにより、ワークWの周面は、切削工具130によって正弦曲線状に加工される。図4は、ワークWが1回転する間にワークWが往復移動する回数(回転毎の振動回数Dともいう)が3.5(回/r)の例を示す。
切削工具130で加工された、主軸110のn(nは1以上の整数)回転目におけるワークWの周面形状(図4に実線で示す)と、主軸110のn+1回転目におけるワークWの周面形状(図4に破線で示す)とは、振動の位相が反転しており、主軸位相方向(図4のグラフの横軸方向)でずれている。詳しくは、各正弦曲線状の波形が逆になっているので、同じ主軸位相において、図4に破線で示したワークWの周面形状の谷の最低点(切削工具130における山の最高点)の位置が、図4に実線で示したワークWの周面形状の山の最高点(切削工具130における谷の最低点)の位置に対向している。
この結果、切削工具130の刃先軌跡は、今回の往動時の切削加工部分と次回の復動時の切削加工部分とが確実に重複し、例えば主軸110のn+1回転目におけるワークWの周面形状に、主軸110のn回転目におけるワークWの周面形状が含まれるので、切削工具130にはワークWを加工しない空振り動作が生じる。この空振り動作時に、ワークWから生じた切屑は分断されて切粉(chips)になる。このように、工作機械100は切粉を生成しながらワークWの外形を加工する。
回転毎の振動回数Dは、例えば1.1や1.25(回/r)等とすることができ、また1(回/r)よりも小さな値に設定することもできる。振動回数Dを1(回/r)よりも小さな値、例えば0.5に設定した場合、主軸110がZ軸方向で1往復する間に、主軸110は2回転する。
本実施形態では、切削工具130に対してワークWを回転させているが、切削工具130にドリル等を用いた場合、ワークWを回転させてもよいし、ワークWに対して切削工具130を回転させてもよい。
図5に示されるように、制御装置180は、制御部181、入力部182、記憶部183を有し、これらはバスを介して接続される。
制御部181は、CPU等からなり、各モータの作動を制御するモータ制御部190や、振動周波数f、回転毎の振動回数D、主軸回転数R、切削速度Vの補正値を計算するパラメータ演算部191を備える。パラメータ演算部191には、使用する振動回数Dを決定する振動回数決定部192を有する。振動回数決定部192が本発明の振動回数決定手段に相当する。
制御部181は、記憶部183の例えばROMに格納されている各種プログラムやデータをRAMにロードし、各種プログラムを実行することにより、モータ制御部190やパラメータ演算部191を介して、工作機械100の動作を制御することができる。
ワークWの往復移動は、所定の指令周期Tに基づく振動周波数fで実行される。
制御部181が、例えば1秒間に250回の動作指令を送ることが可能であった場合、動作指令は1÷250=4(ms)周期(基準周期ITともいう)で出力可能である。一般的には、指令周期Tはこの基準周期ITの整数倍である。
指令周期Tが例えば基準周期4(ms)の4倍の16(ms)である場合、モータ制御部190は、ワークWが16(ms)毎に往復移動を実行するように、Z軸方向送り機構160に駆動信号を出力する。この場合、ワークWは振動周波数f=1/T=1÷(0.004×4)=62.5(Hz)で往復移動を行える。
指令周期Tは、基準周期ITの例えば3.5倍の14(ms)、3倍の12(ms)、2.5倍の10(ms)に設定することができる。この場合、振動周波数f=1÷(0.004×3.5)=71.4(Hz)、1÷(0.004×3)=83.3(Hz)、1÷(0.004×2.5)=100(Hz)を使用し、ワークWの往復移動を行うことができる。
また、指令周期Tを、基準周期ITの例えば4.5倍の18(ms)、5倍の20(ms)、5.5倍の22(ms)、6倍の24(ms)、6.5倍の26(ms)、7倍の28(ms)、7.5倍の30(ms)、8倍の32(ms)に設定した場合、振動周波数f=1÷(0.004×4.5)=55.6(Hz)、1÷(0.004×5)=50(Hz)、1÷(0.004×5.5)=45.5(Hz)、1÷(0.004×6)=41.7(Hz)、1÷(0.004×6.5)=38.5(Hz)、1÷(0.004×7)=35.7(Hz)、1÷(0.004×7.5)=33.3(Hz)、1÷(0.004×8)=31.3(Hz)を使用することができる。
このように、ワークWを往復移動させるための振動周波数は、これら使用可能な限られた値(指令周波数fcともいう)の中から選択される。
制御装置180では、作業者が入力部182で、ワークWの切削速度をV(m/min)、加工前のワーク径をL(mm)、例えばユーザが所望する切粉の設定長さをX(mm)や、切込み量等の切削条件の入力を行うとすると(図6のステップS1)、パラメータ演算部191が振動周波数f(Hz)を、振動回数決定部192が振動回数D(回/r)を計算する(ステップS2)。各算出結果は記憶部183に格納される。
振動周波数はf=V/Xで求められ、パラメータ演算部191は、上記限られた複数の値(指令周波数fc)のうち、この求めた振動周波数に最も近い値を選択し、使用可能な振動周波数fに補正する(ステップS3)。例えば、ワークWの切削速度V=50(m/min)、切粉の設定長さX=20(mm)を入力した場合、振動周波数f=50×1000/(20×60)=41.66・・・(Hz)と求まるので、この求めた値に最も近い値41.7(Hz)に補正する。
一方、回転毎の振動回数はD=π×L/Xで求められる。例えば、加工前のワーク径L=8(mm)を入力した場合、振動回数D=π×8/20=1.26(回/r)が求まる。振動回数決定部192は、この求めた振動回数を後述のように補正して、使用する振動回数Dを決定する(ステップS4)。
次に、パラメータ演算部191は、使用可能な振動周波数f、決定した振動回数Dから主軸回転数R(r/min)を計算する(ステップS5)。主軸回転数はR=f/Dで求められる。その後、パラメータ演算部191は、求めた主軸回転数R、およびワーク径LからワークWの切削速度V(m/min)を求める。切削速度はV=R×π×Lで求められ、入力した切削速度をこの求めた切削速度Vに補正する(ステップS6)。
そして、ワークWの加工を開始し(ステップS7)、モータ制御部190は、主軸回転数RでワークWを回転させるとともに、基準周期IT毎に、リニアサーボモータ165に対して動作指令を出力し、ワークWを動作指令による座標位置に追従させて振動周波数fで振動させる。
図7は、実施例1(第1の振動回数決定モード)による目標振動回数の決定工程のフローチャートである。
振動回数決定部192は、作業者が入力した加工前のワーク径Lから計算した振動回数Dを記憶部183から呼び出し(ステップS10)、作業者が入力した切粉の設定長さXになる振動回数を、使用する振動回数D(本発明の目標振動回数に相当する)に決定する。
例えば、計算した振動回数Dが1.26(回/r)であった場合、直近の整数部分とは1であるので、振動回数決定部192は、この直近の整数部分1に0.5を加算した値1.5に補正し(ステップS11)、使用する振動回数Dを1.5(回/r)に決定する(ステップS12)。
上記のように、使用可能な振動周波数fを41.7(Hz)とし、使用する振動回数Dを1.5(回/r)に決定した場合、図8に示すように、主軸回転数Rは1668(r/min)と求められ、モータ制御部190がこの主軸回転数Rで主軸モータを駆動する。
そして、ワーク径Lを8(mm)に入力した場合、図9に示すように、ワークWの切削速度Vは41.92(m/min)と求められる。よって、切削速度の入力値50(m/min)を41.92(m/min)に補正する。
振動回数決定部192が、入力した切粉の設定長さXが得られるように、ワーク径Lに応じた回転毎の振動回数Dを決定するので、例えば、所望の切粉長さ、加工前のワーク径、切削速度を一旦入力すれば、ワーク径の細径化に伴う振動回数の新たな入力が不要になる。
具体的には、加工が進んでワーク径Lが7(mm)になる場合には、振動回数Dが1.1と求まり、直近の整数部分とは1であるので、使用する振動回数Dを1.5(回/r)に決定できる。図9に示すように、この場合のワークWの切削速度Vは36.68(m/min)と求められる。よって、切削速度Vを41.92(m/min)から36.68(m/min)に補正すればよい。
その後、加工が進んでワーク径Lが6(mm)に変わる場合、振動回数Dが0.94と求まり、直近の整数部分とは0であるので、使用する振動回数Dを0.5(回/r)に決定できる。図8に示すように、この場合の主軸回転数Rは5004(r/min)と求められ、図9に示すように、この場合のワークWの切削速度Vは94.32(m/min)と求められる。よって、切削速度Vを36.68(m/min)から94.32(m/min)に補正すればよい。
以降、ワーク径が細くなることを予測して振動回数Dや切削速度Vを設定できる。この結果、工作機械の作業者の負担を減らすことができる。
また、整数部分に0.5を加算した値を新たな振動回数に決定しており、n回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡は、主軸110の位相の反転によって確実に交差するので、切屑を分断しやすくなる。よって、ワークの加工精度の向上を図ることができる。
図10は、実施例2(第2の振動回数決定モード)による目標振動回数の決定工程のフローチャートである。第2の振動回数決定モードは、上記第1の振動回数決定モードと同様に、切粉の設定長さXになる振動回数を、使用する振動回数Dに決定するものであるが、計算した振動回数によるn回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡とが、ワークWの1回転する間に交差するか否かを判別している点で、上記第1の振動回数決定モードと異なっている。
具体的には、加工前のワーク径Lから計算した振動回数Dが1.26(回/r)であった場合、この振動回数Dの値を呼び出し(ステップS20)、振動回数Dが1.26(回/r)のときのn回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡がワークWの1回転(0≦θ<2π)中に交差するか否かについて、以下に示す判別式を満足するかで判別する(ステップS21)。
n回目の切削軌跡は数1に示すような正弦曲線で、n+1回目の切削軌跡は数2に示すような正弦曲線でそれぞれ近似できる。
Qは振幅送り比率、Fは送り量であり、送り量Fに振幅送り比率Qを乗ずると、振幅を求めることができる。振幅送り比率Qや送り量Fは加工プログラムに記載して設定可能である。
そして、A=An+1を満たすθ(0≦θ<2π)が存在するか否かを判別するために、D=Dn+1=D(一定)とし、n=1を代入すると、数3を得ることができる。
数3においてθ(0≦θ<2π)が存在する場合、判別式を満足したとして(ステップS21のYES)、呼び出した振動回数D=1.26(回/r)を、使用する振動回数Dに決定する(ステップS22)。
これに対し、θ(0≦θ<2π)が存在しない場合、判別式を満足しなかったとして(ステップS21のNO)、ステップS23に進む。計算した振動回数Dが1.26(回/r)であった場合、直近の整数部分とは1であるので、振動回数決定部192は、この直近の整数部分1に0.5を加算した値1.5に近づくような値(例えば1.4)に補正して(ステップS23)、ステップS21に戻る。
そして、振動回数Dを1.4(回/r)に補正したときのn回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡がワークWの1回転中に交差するか否かについて、上記の判別式を満足するか否かで判別する(ステップS21)。θ(0≦θ<2π)が存在する場合、判別式を満足したとして(ステップS21のYES)、補正した振動回数D=1.4(回/r)を、使用する振動回数Dに決定する(ステップS22)。
使用する振動回数Dを1.4(回/r)に決定できた場合、ワーク径Lを8(mm)に入力したので、図11に示すように、ワークWの切削速度Vは44.92(m/min)と求められる。よって、この場合には、切削速度の入力値50(m/min)を44.92(m/min)に補正する。
振動回数に決定するために、n回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡とがワークWの1回転する間に交差するか否かの判別式を用いており、この判別式を満たす場合、計算値を振動回数に決定するので、整数部分に0.5を加算した値のような一義的な値に決定する場合に比べて、切粉の長さを設定長さXにより近づけることができる。また、この計算値を振動回数に決定すれば、切削速度Vを当初の設定速度により近づけることができる。
一方、この判別式を満たさない場合、整数部分に0.5を加算した値に近づくように補正して振動回数に決定しており、n回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡が交差しやすくなる。そして、振動回数を1.4(回/r)に補正すれば、ワーク径Lが8(mm)の場合、切削速度Vが44.92(m/min)になり、上記第1の振動回数決定モードのとき(図9に示した、ワーク径Lが8(mm)の場合、切削速度Vが41.92(m/min))に比べて、切削速度Vを入力値50(m/min)により近づけることができる。
図12は、実施例3(第3の振動回数決定モード)による目標振動回数の決定工程のフローチャートである。第3の振動回数決定モードは、上記第1,2の振動回数決定モードと同様に、切粉の設定長さXになる振動回数を、使用する振動回数Dに決定するものであるが、計算した振動回数によるn回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡とが、ワークWの1回転する間に交差するか否かを判別する際に、往復移動の振幅を補正している点で、上記第2の振動回数決定モードと異なっている。
具体的には、加工前のワーク径Lから計算した振動回数Dが1.26(回/r)であった場合、この振動回数Dの値を呼び出し(ステップS30)、上記第2の振動回数決定モードと同様に、振動回数Dが1.26(回/r)のときのn回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡がワークWの1回転(0≦θ<2π)中に交差するか否かについて、先の判別式を満足するかで判別する(ステップS31)。
数3においてθ(0≦θ<2π)が存在する場合、判別式を満足したとして(ステップS31のYES)、呼び出した振動回数D=1.26(回/r)を、使用する振動回数Dに決定する(ステップS32)。
これに対し、θ(0≦θ<2π)が存在しない場合、判別式を満足しなかったとして(ステップS31のNO)、ステップS33に進み、数3の振幅送り比率Qを補正してからn回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡がワークWの1回転(0≦θ<2π)中に交差するか否かについて、先の判別式を満足するかで判別する(ステップS34)。
そして振幅送り比率Qを変更すればθ(0≦θ<2π)が存在する場合、判別式を満足したとして(ステップS34のYES)、呼び出した振動回数D=1.26(回/r)を、使用する振動回数Dに決定する(ステップS32)。
これに対し、振幅送り比率Qを変更してもθ(0≦θ<2π)が存在しない場合、判別式を満足しなかったとして(ステップS34のNO)、ステップS35に進む。計算した振動回数Dが1.26(回/r)であった場合、直近の整数部分とは1であるので、振動回数決定部192は、この直近の整数部分1に0.5を加算した値1.5に近づくような値(例えば1.3)に補正して(ステップS35)、ステップS34に戻る。
次いで、振幅送り比率Qを変更し、かつ、振動回数Dを1.3(回/r)に補正したときのn回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡がワークWの1回転中に交差するか否かについて、先の判別式を満足するかで判別する(ステップS34)。θ(0≦θ<2π)が存在する場合、判別式を満足したとして(ステップS34のYES)、補正した振動回数D=1.3(回/r)を、使用する振動回数Dに決定する(ステップS22)。
一方、θ(0≦θ<2π)が存在しない場合、判別式を満足しなかったとして(ステップS34のNO)、振動回数決定部192は、補正した値1.3の次に上記値1.5に近づくような値(例えば1.4)に補正して(ステップS35)、ステップS34に戻る。続いて、振幅送り比率Qを変更し、かつ、振動回数Dを1.4(回/r)に補正したときのn回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡がワークWの1回転中に交差するか否かについて、先の判別式を満足するかで判別する(ステップS34)。以降、θ(0≦θ<2π)が存在するまで、つまり判別式を満足するまで(ステップS34のYES)、ステップS34の判別と、ステップS35の補正とを繰り返す。
使用する振動回数Dを仮に1.3(回/r)に決定できた場合、ワーク径Lを8(mm)に入力したので、図13に示すように、ワークWの切削速度Vは48.37(m/min)と求められる。よって、この場合には、切削速度の入力値50(m/min)を48.37(m/min)に補正する。
振動回数に決定するために、n回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡とがワークWの1回転する間に交差するか否かの判別式を用いており、この判別式を満たす場合、計算値を振動回数に決定するので、整数部分に0.5を加算した値のような一義的な値に決定する場合に比べて、切粉の長さを設定長さXにより近づけることができる。また、この計算値を振動回数に決定すれば、切削速度Vを当初の設定速度により近づけることができる。
一方、この判別式を満たさない場合、往復移動の振幅を変更してから上記の判別式を用いており、往復移動の振幅の変更によってこの判別式を満たす場合、計算値を振動回数に決定するので、切粉の長さを設定長さにより近づけることができるとともに、切削速度を当初の設定速度により近づけることができる。
往復移動の振幅を変更しても判別式を満たさない場合、整数部分に0.5を加算した値に近づくように補正して振動回数に決定しており、n回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡が交差しやすくなる。そして、振動回数を1.3(回/r)に補正すれば、ワーク径Lが8(mm)の場合、切削速度Vが48.37(m/min)になり、上記第2の振動回数決定モードのとき(図11に示した、ワーク径Lが8(mm)の場合、切削速度Vが44.92(m/min))に比べて、切削速度Vを入力値50(m/min)により近づけることができる。
ところで、入力部182では、第1の振動回数決定モード、第2の振動回数決定モード、第3の振動回数決定モードのいずれかを選択可能に形成してもよい。
第1の振動回数決定モードでは、振動回数Dを、常に整数部分に0.5を加算した値に決定しており、図9に示したように、ワーク径Lが7(mm)のときに切削速度Vが最小値36.68(m/min)になり、ワーク径Lが6(mm)のときに切削速度Vが最大値94.32(m/min)になっている。
一方、第2の振動回数決定モードでは、ワークWの1回転中に交差しない場合にだけ振動回数Dを1.5に近づけており、図11に示したように、ワーク径Lが7(mm)のときに切削速度Vが最小値39.30(m/min)になり、ワーク径Lが6(mm)のときに切削速度Vが最大値78.60(m/min)になっている。
これに対し、第3の振動回数決定モードでは、振幅を変更し、かつ、ワークWの1回転中に交差しない場合にのみ振動回数Dを1.5に近づけており、図13に示したように、ワーク径Lが7(mm)のときに切削速度Vが最小値45.85(m/min)になり、ワーク径Lが6(mm)のときに切削速度Vが最大値58.95(m/min)になっている。
ワーク径Lが10(mm)から3(mm)に細くなる場合に、切削速度Vの最大値と最小値の差は、第1の振動回数決定モード、第2の振動回数決定モード、第3の振動回数決定モードの順に小さくなっており、また、切削速度Vの入力値50(m/min)との差も、第1の振動回数決定モード、第2の振動回数決定モード、第3の振動回数決定モードの順に小さくなっている。よって、第3の振動回数決定モードは、第1の振動回数決定モードに比べて、ワークWや切削工具130に加わる負荷が小さくて済むことが分かる。
作業者が、ワークWの面精度や切削工具130の寿命の要求度合に応じて、第1の振動回数決定モード、第2の振動回数決定モード、第3の振動回数決定モードのいずれかを選択できるようにすれば、作業者の利便性をさらに向上させることができる。
上記各実施例では、切粉の設定長さXをピンポイントで設定する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこの例に限定されるものではなく、切粉の設定長さXを上限値から下限値までの所定の範囲で設定してもよい。作業者は切粉の設定長さを設定しやすくなるので、この点も作業者の利便性向上に貢献する。
具体的には、切粉の設定長さをX=20(mm)〜18(mm)の所定の範囲で入力し、加工前のワーク径L=8(mm)を入力した場合、振動回数決定部192は、振動回数の最小値Dmin=π×8/20=1.26(回/r)、最大値Dmax=π×8/18=1.40(回/r)をそれぞれ求める。各算出結果は記憶部183に格納される。
振動回数決定部192は、加工前のワーク径Lから計算した振動回数の最小値Dmin、最大値Dmaxを記憶部183から呼び出し(図14のステップS40)、この場合の直近の整数部分とは1であるので、最小値Dminから最大値Dmaxまでの間に、整数部分1に0.5を加算した値1.5が含まれるか否かを判別する(ステップS41)。
ここで、最小値Dminから最大値Dmaxまでの間に、整数部分1に0.5を加算した値1.5は含まれないと判別された場合(ステップS41のNO)、最小値Dmin(または最大値Dmax)を、整数部分1に0.5を加算した値1.5に補正し(ステップS43)、使用する振動回数Dを1.5(回/r)に決定する(ステップS42)。
あるいは、振動回数決定部192は、図15の決定工程を採用することもできる。計算した振動回数の最小値Dmin、最大値Dmaxを記憶部183から呼び出す(図15のステップS50)。最小値Dminから最大値Dmaxまでの間に、整数部分1に0.5を加算した値1.5が含まれない場合(ステップS51のNO)、ステップS53に進み、最小値Dminと最大値Dmaxのうち、整数部分1に0.5を加算した値1.5に近い方の値を選択する。振動回数の最小値Dmin=1.26(回/r)、最大値Dmax=1.40(回/r)である場合、最大値Dmaxが選択される。
続いて、振動回数Dが1.40(回/r)のときのn回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡がワークWの1回転(0≦θ<2π)中に交差するか否かについて、先の判別式を満足するかで判別する(ステップS54)。
数3においてθ(0≦θ<2π)が存在する場合、判別式を満足したとして(ステップS54のYES)、選択した振動回数D=1.40(回/r)を、使用する振動回数Dに決定する(ステップS52)。
これに対し、θ(0≦θ<2π)が存在しない場合、判別式を満足しなかったとして(ステップS54のNO)、ステップS55に進む。計算した振動回数Dが1.40(回/r)であった場合、直近の整数部分とは1であるので、振動回数決定部192は、この直近の整数部分1に0.5を加算した値1.5に近づくような値(例えば1.5)に補正して(ステップS55)、ステップS54に戻る。
そして、振動回数Dを1.5(回/r)に補正したときのn回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡がワークWの1回転中に交差するか否かについて、先の判別式を満足するかで判別する(ステップS54)。θ(0≦θ<2π)を満たす場合、判別式を満足したとして(ステップS54のYES)、補正した振動回数D=1.5(回/r)を、使用する振動回数Dに決定する(ステップS52)。
あるいは、振動回数決定部192は、図16の決定工程を採用することもできる。計算した振動回数の最小値Dmin、最大値Dmaxを記憶部183から呼び出し(図16のステップS60)、最小値Dminから最大値Dmaxまでの間に、整数部分1に0.5を加算した値1.5が含まれない場合(ステップS61のNO)、ステップS63に進み、最小値Dminと最大値Dmaxのうち、整数部分1に0.5を加算した値1.5に近い方の値を選択する。振動回数の最小値Dmin=1.26(回/r)、最大値Dmax=1.40(回/r)である場合、最大値Dmaxが選択される。
続いて、振動回数Dが1.40(回/r)のときのn回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡がワークWの1回転(0≦θ<2π)中に交差するか否かについて、先の判別式を満足するかで判別する(図16のステップS64)。
数3においてθ(0≦θ<2π)が存在する場合、判別式を満足したとして(ステップS64のYES)、選択した振動回数D=1.40(回/r)を、使用する振動回数Dに決定する(ステップS62)。
これに対し、θ(0≦θ<2π)が存在しない場合、判別式を満足しなかったとして(ステップS64のNO)、数3の振幅送り比率Qを変更し(ステップS65)、n回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡がワークWの1回転(0≦θ<2π)中に交差するか否かについて、先の判別式を満足するかで判別する(ステップS66)。
そして振幅送り比率Qを変更すればθ(0≦θ<2π)が存在する場合、判別式を満足したとして(ステップS66のYES)、選択した振動回数D=1.40(回/r)を、使用する振動回数Dに決定する(ステップS62)。
これに対し、振幅送り比率Qを変更してもθ(0≦θ<2π)が存在しない場合、判別式を満足しなかったとして(ステップS66のNO)、図15で説明した例と同様に、振動回数決定部192は、この直近の整数部分1に0.5を加算した値1.5に近づくような値(例えば1.5)に補正して(ステップS67)、ステップS66に戻る。
次いで、振幅送り比率Qを変更し、かつ、振動回数Dを1.5(回/r)に補正したときのn回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡がワークWの1回転中に交差するか否かについて、先の判別式を満足するかで判別する(ステップS66)。θ(0≦θ<2π)を満たす場合、判別式を満足したとして(ステップS66のYES)、補正した振動回数D=1.5(回/r)を、使用する振動回数Dに決定する(ステップS62)。
ところで、上記各実施例では、整数部分に0.5を加算する例で説明したが、本発明は、必ずしもこの例に限定されない。例えば、整数部分に0.5を減算した値を新たな振動回数に決定してもよい。この場合にも、n回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡は、主軸110の位相の反転によって確実に交差するからである。
例えば、ワークWの切削速度V=50(m/min)、切粉の設定長さX=15.71(mm)、加工前のワーク径L=20(mm)を入力した場合、振動回数D=π×20/15.71=4.0(回/r)と求まる。
振動回数Dが4.0(回/r)と求められ、整数部分に0.5を加算した値、つまり4.5(回/r)を、使用する振動回数Dに決定した場合、図17に示すように、主軸回転数Rは556.00(r/min)と求められ、ワークWの切削速度Vは34.93(m/min)と求められる。
一方、振動回数Dが4.0(回/r)と求められ、整数部分に0.5を減算した値、つまり3.5(回/r)を、使用する振動回数Dに決定した場合には、図17に示すように、主軸回転数Rは714.86(r/min)と求められ、ワークWの切削速度Vは44.92(m/min)と求められる。
使用する振動回数Dを4.5(回/r)に決定した場合と、使用する振動回数Dを3.5(回/r)に決定した場合とを比較すると、切削速度Vの入力値50(m/min)の差は、後者の切削速度Vの方が小さな値になる。
また、加工前のワーク径L=10(mm)を入力し、振動回数D=π×10/15.71=2.0(回/r)と求められた場合にも、整数部分に0.5を加算した値、つまり2.5(回/r)を、使用する振動回数Dに決定すると、図17に示すように、主軸回転数Rは1000.80(r/min)と求められ、ワークWの切削速度Vは31.44(m/min)と求められる。
一方、整数部分に0.5を減算した値、つまり1.5(回/r)を、使用する振動回数Dに決定すると、図17に示すように、主軸回転数Rは1668.00(r/min)と求められ、ワークWの切削速度Vは52.40(m/min)と求められる。
よって、この場合にも、切削速度Vの入力値50(m/min)との差は、整数部分に0.5を減算した後者の切削速度Vの方が小さな値になっており、計算した振動回数Dが整数になる場合には、この整数部分に0.5を減算した値を、使用する振動回数Dに決定してもよい。
100 ・・・ 工作機械
110 ・・・ 主軸
110A・・・ 主軸台
120 ・・・ チャック
130 ・・・ 切削工具
130A・・・ 切削工具台
150 ・・・ X軸方向送り機構
151 ・・・ ベース
152 ・・・ X軸方向ガイドレール
153 ・・・ X軸方向送りテーブル
154 ・・・ X軸方向ガイド
155 ・・・ リニアサーボモータ
155a・・・ 可動子
155b・・・ 固定子
160 ・・・ Z軸方向送り機構
161 ・・・ ベース
162 ・・・ Z軸方向ガイドレール
163 ・・・ Z軸方向送りテーブル
164 ・・・ Z軸方向ガイド
165 ・・・ リニアサーボモータ
165a・・・ 可動子
165b・・・ 固定子
180 ・・・ 制御装置
181 ・・・ 制御部
182 ・・・ 入力部
183 ・・・ 記憶部
190 ・・・ モータ制御部
191 ・・・ パラメータ演算部
192 ・・・ 振動回数決定部

Claims (7)

  1. ワークを切削加工する切削工具と、前記ワークと前記切削工具とを相対的に回転させる回転手段と、前記ワークまたは前記切削工具を、前記ワークと前記切削工具との相対的な回転に対する所定の振動回数で往復移動させる振動手段とを備え、前記切削工具との接触による切粉を伴って前記ワークを切削加工する工作機械の制御装置であって、
    前記ワークの直径および前記切粉の設定長さに基づいて前記振動回数を決定する振動回数決定手段を有し、
    該振動回数決定手段が、前記切粉の設定長さになる振動回数を前記振動手段の目標振動回数に決定する、工作機械の制御装置。
  2. 前記振動回数決定手段が、前記ワークの直径と前記切粉の設定長さから前記振動回数を計算し、該計算した振動回数の整数部分に0.5を加算または減算して振動回数を補正し、該補正後の振動回数を前記振動回数に決定する第1の振動回数決定モードを有する、請求項1に記載の工作機械の制御装置。
  3. 前記振動回数決定手段が、前記ワークの直径と前記切粉の設定長さから前記振動回数を計算し、該計算した振動回数によるn回目(nは1以上の整数)の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡とが、前記回転手段が1回転する間に交差するか否かを判別し、各前記切削軌跡が交差する場合、前記計算した振動回数を前記振動回数に決定する第2の振動回数決定モードを有する、請求項1に記載の工作機械の制御装置。
  4. 前記振動回数決定手段が、前記ワークの直径と前記切粉の設定長さから前記振動回数を計算し、該計算した振動回数によるn回目(nは1以上の整数)の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡とが、前記回転手段が1回転する間に交差するか否かを判別し、各前記切削軌跡が交差する場合、前記計算した振動回数を前記振動回数に決定し、各前記切削軌跡が交差しない場合、前記往復移動の振幅を補正してから、前記計算した振動回数によるn回目の切削軌跡とn+1回目の切削軌跡とが、前記回転手段が1回転する間に交差するか否かを判別し、前記往復移動の振幅を補正した後の各前記切削軌跡が交差する場合、前記計算した振動回数を前記振動回数に決定する第3の振動回数決定モードを有する、請求項1に記載の工作機械の制御装置。
  5. 請求項2に記載の第1の振動回数決定モード、請求項3に記載の第2の振動回数決定モード、請求項4に記載の第3の振動回数決定モードのいずれかを選択可能に形成されている、工作機械の制御装置。
  6. 前記切粉の設定長さが所定の範囲で設定される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の工作機械の制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の工作機械の制御装置を備えた工作機械。
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