JP2018093325A - 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】各種データの保存先としてネットワーク上の記憶領域が利用される状況下において、システムの運用の継続性と運用コストの低減とを両立する。【解決手段】第1のデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含む第1の信号を、所定の条件に応じて生成された行列に基づき、前記第1の信号よりも信号長の短い第2の信号に符号化する信号処理部と、前記第2の信号の各信号要素に対して、当該第2の信号中における当該信号要素の位置を示す情報が関連付けることで、1以上の第2のデータを生成するデータ生成部と、生成された1以上の前記第2のデータそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の装置に送信する送信部と、を備える、情報処理装置【選択図】図2

Description

本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
近年、通信技術の発展に伴い、スマートフォンやタブレット端末等のような通信端末による各種データの保存先として、当該端末に内蔵または装着された記録メディア(例えば、SDメモリーカード等)に限らず、所謂クラウドストレージのようなネットワーク上の記憶領域も利用可能となってきている。
また、上述したようなネットワークストレージとして、複数の通信端末との間の通信に伴うネットワークの輻輳の影響を回避または軽減するために、所謂分散技術が導入された分散ストレージシステムも各種提案されている。例えば、特許文献1には、分散ストレージシステムを実現するための技術の一例が開示されている。
特許第5498875号公報
一方で、分散ストレージシステムにおいては、一部のサーバ(ストレージノード)やネットワークパスの故障等により、ネットワークストレージへのデータの記録や、ネットワークストレージからのデータの読み出しが困難となる場合が想定され得る。そのため、分散ストレージシステムにおいては、所謂RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)等のようなデータを再構成するための技術の導入、ストレージノードの追加、及び、当該追加に伴うストレージノードの保守等の対策が必要となる場合がある。
このような状況から、分散ストレージシステムにおいては、当該システムの運用に係るコストが比較的高くなる傾向にある。特に、近年では、分散ストレージシステムの規模は増大する傾向にあり、システムの運用に係るコストもさらに増大することが見込まれる。
そこで、本開示では、各種データの保存先としてネットワーク上の記憶領域が利用される状況下において、システムの運用の継続性と運用コストの低減とを両立することが可能な、情報処理装置、情報処理方法、及び記録媒体を提案する。
本開示によれば、第1のデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含む第1の信号を、所定の条件に応じて生成された行列に基づき、前記第1の信号よりも信号長の短い第2の信号に符号化する信号処理部と、前記第2の信号の各信号要素に対して、当該第2の信号中における当該信号要素の位置を示す情報が関連付けることで、1以上の第2のデータを生成するデータ生成部と、生成された1以上の前記第2のデータそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の装置に送信する送信部と、を備える、情報処理装置が提供される。
また、本開示によれば、第1のデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含む第1の信号が、所定の条件に応じて生成された行列に基づき符号化された、前記第1の信号よりも信号長の短い第2の信号の各信号要素のうち少なくとも一部の信号要素に対して、当該第2の信号中における当該信号要素の位置を示す情報が関連付けられた1以上の第2のデータそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の装置から取得する取得部と、取得された1以上の前記第2のデータと、前記行列の各行成分のうち少なくとも当該第2のデータに関連付けられた前記信号要素に対応する行成分に応じた制約条件と、に基づき、前記第1のデータを復号する信号処理部と、を備える、情報処理装置が提供される。
また、本開示によれば、コンピュータが、第1のデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含む第1の信号を、所定の条件に応じて生成された行列に基づき、前記第1の信号よりも信号長の短い第2の信号に符号化することと、前記第2の信号の各信号要素に対して、当該第2の信号中における当該信号要素の位置を示す情報が関連付けられた1以上の第2のデータそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の装置に送信することと、を含む、情報処理方法が提供される。
また、本開示によれば、コンピュータが、第1のデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含む第1の信号が、所定の条件に応じて生成された行列に基づき符号化された、前記第1の信号よりも信号長の短い第2の信号の各信号要素のうち少なくとも一部の信号要素に対して、当該第2の信号中における当該信号要素の位置を示す情報が関連付けられた1以上の第2のデータそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の装置から取得することと、取得された1以上の前記第2のデータと、前記行列に応じた制約条件と、に基づき、前記第1のデータを復号することと、を含む、情報処理方法が提供される。
また、本開示によれば、コンピュータに、第1のデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含む第1の信号を、所定の条件に応じて生成された行列に基づき、前記第1の信号よりも信号長の短い第2の信号に符号化することと、前記第2の信号の各信号要素に対して、当該第2の信号中における当該信号要素の位置を示す情報が関連付けられた1以上の第2のデータそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の装置に送信することと、を実行させるプログラムが記録された記録媒体が提供される。
また、本開示によれば、コンピュータに、第1のデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含む第1の信号が、所定の条件に応じて生成された行列に基づき符号化された、前記第1の信号よりも信号長の短い第2の信号の各信号要素のうち少なくとも一部の信号要素に対して、当該第2の信号中における当該信号要素の位置を示す情報が関連付けられた1以上の第2のデータそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の装置から取得することと、取得された1以上の前記第2のデータと、前記行列に応じた制約条件と、に基づき、前記第1のデータを復号することと、を実行させるプログラムが記録された記録媒体が提供される。
以上説明したように本開示によれば、各種データの保存先としてネットワーク上の記憶領域が利用される状況下において、システムの運用の継続性と運用コストの低減とを両立することが可能な、情報処理装置、情報処理方法、及び記録媒体が提供される。
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
本開示の一実施形態に係る情報処理システムの概略的なシステム構成の一例について示した図である。 同実施形態に係る情報処理システムの動作の基本原理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る情報処理システムにおける、符号化前後のデータと当該符号化のための情報との一例を示した図である。 リーフレットの生成方法の概要について説明するための説明図である。 観測行列の生成に用いられる乱数表の一例を示している。 観測行列の生成に用いられる乱数表の一例を示している。 リーフレットのデータ構造の一例を示した図である。 リーフレットのデータの一例を示した図である。 Scatterの役割を担うノードについて説明するための説明図である。 Scatterの役割を担うノードについて説明するための説明図である。 Holderの役割を担うストレージノードについて説明するための説明図である。 Holderの役割を担うストレージノードについて説明するための説明図である。 Rakerの役割を担うノードについて説明するための説明図である。 実施形態に係る情報処理システムの機能構成の一例について示したブロック図である。 同実施形態に係る符号化処理装置の一連の処理の流れの一例を示したフローチャートである。 同実施形態に係る復号処理装置の一連の処理の流れの一例を示したフローチャートである。 同実施形態に係る情報処理システムの実施例について説明するための説明図である。 原信号を再構成可能か否かを判断するための判断条件の一例について説明するための説明図である。 変形例2に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示した図である。 同実施形態に係る情報処理システムを構成する情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す機能ブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.はじめに
1.1.システム構成
1.2.ネットワークストレージシステムに関する検討
2.技術的特徴
2.1.システムの論理的な構成
2.2.圧縮センシング
2.3.リーフレット
2.4.リーフレットの配信(Scatter)
2.5.リーフレットの保持(Holder)
2.6.リーフレットの回収(Raker)
2.7.機能構成
2.8.処理
3.実施例
4.変形例
4.1.変形例1:原信号を再構成可能か否かの判断条件の一例
4.2.変形例2:システム構成の一例
4.3.変形例3:Scatterの役割を担うストレージノードの動作の一例
5.ハードウェア構成
6.むすび
<<1.はじめに>>
<1.1.システム構成>
まず、図1を参照して、本開示の一実施形態に係る情報処理システムの概略的なシステム構成の一例について説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理システムの概略的なシステム構成の一例について示した図である。
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、複数の情報処理装置100と、1以上の端末装置200とを含む。情報処理装置100は、所定のネットワークを介して端末装置200と通信可能に構成されている。即ち、図1に示す例では、例えば、情報処理装置100がサーバとして動作し、端末装置200がクライアントとして当該情報処理装置100にネットワークを介して接続される。また、情報処理装置100は、所定のネットワークを介して他の情報処理装置100と通信可能に構成されていてもよい。なお、情報処理装置100と端末装置200との間のネットワークの種別や、複数の情報処理装置100間のネットワークの種別は特に限定されない。例えば、当該ネットワークは、インターネット、専用線、LAN(Local Area Network)、または、WAN(Wide Area Network)等により構成されていてもよい。また、当該ネットワークは、無線のネットワークにより構成されていてもよく、有線のネットワークにより構成されていてもよい。また、当該ネットワークは、複数のネットワークを含んでもよく、少なくとも一部が有線のネットワークとして構成されていてもよい。
このような構成の基で、本実施形態に係る情報処理システム1では、各情報処理装置100は、端末装置200に対して各種ネットワークサービスを提供する。また、当該情報処理システム1では、複数の情報処理装置100が一連のサーバ群10として動作することで、端末装置200に対して各種ネットワークサービス(例えば、クラウドサービス)を提供してもよい。
特に、本実施形態に係る情報処理システム1は、複数の情報処理装置100のうち少なくとも一部の情報処理装置100がストレージノードとして動作することで、ネットワーク上の記憶領域を利用可能とするネットワークストレージサービス(例えば、クラウドストレージサービス)を提供する。具体的な一例として、ストレージノードとして動作する情報処理装置100は、例えば、他の装置(例えば、端末装置200や他の情報処理装置100)から送信された保存対象となるデータを取得し、取得したデータを所定の記憶領域に保持する。また、ストレージノードとして動作する情報処理装置100は、他の装置(例えば、端末装置200や他の情報処理装置100)からの依頼に基づき、所定の記憶領域に保持されたデータを読み出し、当該データを依頼元となる装置に送信する。このような構成により、端末装置200は、各種データの保存先として、自身に内蔵または装着された記録メディア(例えば、SDメモリーカード等)に限らず、ネットワーク上の記憶領域を利用することが可能となる。
また、本実施形態に係る情報処理システム1は、ストレージノードとして動作する2以上の情報処理装置100にデータを分散させて記憶させる、所謂分散ストレージシステムとして構成されていてもよい。なお、分散ストレージシステムの説明については別途後述する。このように、情報処理システム1が分散ストレージシステムとして構成されることで、ネットワークストレージを利用する端末装置200の数が増大したとしても、ネットワークの輻輳に伴う影響を回避または軽減することが可能となる。
なお、図1に示した情報処理システム1のシステム構成はあくまで一例であり、ネットワークを介して接続された複数の装置に基づきネットワークストレージサービスを提供することが可能であれば、情報処理システム1のシステム構成は限定されない。なお、本実施形態に係る情報処理システム1のシステム構成の他の一例については変形例として別途後述する。
以上、図1を参照して、本開示の一実施形態に係る情報処理システムの概略的なシステム構成の一例について説明した。
<1.2.ネットワークストレージシステムに関する検討>
続いて、ネットワークストレージシステムについて概要を説明したうえで、本実施形態に係る情報処理システム1の技術的課題について整理する。
前述したように、端末装置200(例えば、スマートフォンやタブレット端末等のような通信端末)による各種データの保存先として、当該端末装置200に内蔵または装着された記録メディアに限らず、クラウドストレージのようなネットワーク上の記憶領域を利用することが可能となってきている。このような仕組みが提供されることで、例えば、ユーザは、スマートフォン等の端末に内蔵されたカメラにより撮像した画像のデータを、ネットワーク上の記憶領域に保存することも可能となる。
ここで、クラウドストレージについて概要を説明する。クラウドストレージは、例えば、ネットワーク上にセンターサーバを配置し、あらかじめ登録されたクライアント(換言すると、ユーザ)に対して専用の暗号化プロトコルに基づき各種データをアップロード及びダウンロードできる仕組みを提供する。即ち、クラウドストレージは、所謂クライアント・サーバ方式を基軸としてセキュリティ対策を施したデータストレージシステムに相当する。
また、画像データ等のような大容量のデータを1対1のトランザクションで通信するクライアント・サーバ方式のネットワークストレージシステムにおいては、複数のクライアントからの要求を受け付ける場合に、ネットワークの輻輳が生じ、当該クライアントとの通信に影響が生じる場合がある。このような状況から、近年では、データを複数のストレージノードに分散して記憶させることでネットワークの輻輳の影響を回避または軽減させる、所謂分散技術が導入された分散ストレージシステムも各種提案されている。
一方で、分散ストレージシステムにおいては、ストレージノードの故障やネットワークパスの故障に伴い、一部のストレージノードに対するアクセスが制限されるような状況が想定され得る。このような場合には、アクセスが制限されたストレージノードへのデータの記録や、当該ストレージノードに記録されたデータの読み出しが困難となり、ひいてはネットワークストレージシステム自体を利用することが困難となる場合もある。そのため、分散ストレージシステムにおいては、運用の継続性を実現するために、RAID等のようなデータを再構成するための技術の導入、ストレージノードの追加、及び、当該追加に伴うストレージノードの保守等の対策が必要となる場合がある。
このような状況から、分散ストレージシステムにおいては、当該システムの運用に係るコストが比較的高くなる傾向にある。特に、近年では、所謂ビックデータの活用が求められており、分散ストレージシステムの規模も増大する傾向にあるため、システムの運用に係るコストもさらに増大することが見込まれる。
以上のような状況を鑑み、本開示では、各種データの保存先としてネットワーク上の記憶領域が利用される状況下において、システムの運用の継続性と運用コストの低減とを両立することが可能な仕組みの一例について提案する。
<<2.技術的特徴>>
以下に、本実施形態に係る情報処理システム1の技術的特徴について説明する。
<2.1.システムの論理的な構成>
まず、図2を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の論理的な構成の一例について説明する。図2は、本実施形態に係る情報処理システム1の動作の基本原理について説明するための説明図であり、当該情報処理システム1の論理的な構成の一例を示している。
図2に示すように、情報処理システム1は、符号化処理装置300と、復号処理装置400と、保持装置500とを含む。また、情報処理システム1を構成する各装置は、「Scatter」、「Holder」、及び「Raker」の3つの役割のうち少なくともいずれかの役割を担う。なお、「Scatter」、「Holder」、及び「Raker」のそれぞれについては別途後述する。
符号化処理装置300は、ネットワークストレージへの保存対象となるデータに対して、所定の条件に基づき生成された情報(例えば、乱数)に基づき符号化処理を施すことで1以上のデータ片を生成し、各データ片を1以上の保持装置500に配信する。このとき、符号化処理装置300は、各データ片の配信先となる保持装置500を、任意のプロトコルで決められたルールに基づき決定してもよいし、ランダムに決定してもよい。なお、生成された1以上のデータ片を、他の装置(例えば、保持装置500)に配信する役割が、「Scatter」に相当する。即ち、符号化処理装置300は、「Scatter」の役割を担う。また、以降の説明では、当該データ片を「リーフレット」とも称する。なお、リーフレットの詳細については別途後述する。
保持装置500は、分散ストレージシステムにおいて各種データを保持するストレージノードに相当する。具体的には、符号化処理装置300により配信された1以上のリーフレットを、当該符号化処理装置300または他の保持装置500から取得する。なお、保持装置500は、取得したリーフレットを、自身の状態(例えば、内部状態)に応じて保持、破棄、または他の保持装置500へ転送してもよい。具体的な一例として、保持装置500は、取得したリーフレットを、自身に関連付けられた記憶領域に保持してもよい。また、保持装置500は、取得したリーフレットや、当該記憶領域に保持された少なくとも一部のリーフレットを、他の保持装置500に転送してもよいし、破棄してもよい。このように、保持装置500は、自身に配信されたリーフレットの取扱いを、他の装置に依存することなく独立して決定してもよい。換言すると、前述した符号化処理装置300は、リーフレットの転送先となる保持装置500の動作や状態を必ずしも認識する必要がなく、各リーフレットの配信先を把握する必要もない。なお、配信されたリーフレットを保持する役割が「Holder」に相当する。即ち、保持装置500は、「Holder」の役割を担う。また、上述したように、保持装置500は、リーフレットを他の保持装置500に転送してもよいため、「Scatter」の役割を担い得る。
復号処理装置400は、1以上の保持装置500それぞれから、当該保持装置500により保持されたリーフレットを回収する。具体的な一例として、復号処理装置400は、任意のブロードキャストまたはマルチキャストのプロトコルにより、反応した保持装置500から当該保持装置500が保持するリーフレットを回収してもよい。なお、各保持装置500(Holder)が保持するリーフレットを回収する役割が「Raker」に相当する。即ち、復号処理装置400は、「Raker」の役割を担う。
そして、復号処理装置400は、回収したリーフレットに基づき、元となるデータを復号する。なお、このとき復号処理装置400は、必ずしも元データが符号化されることで生成されたすべてのリーフレットを回収する必要がなく、所定の条件を満たせば一部のリーフレットのみからでも元データを復号することが可能である。なお、本機能を実現するための符号化処理及び復号処理の詳細については別途後述する。
以上のような構成に基づき、本実施形態に係る情報処理システム1は、以下に示すような特徴を有する。
・特徴1:配信元となるノード(即ち、符号化処理装置300や保持装置500)は、どの配信先に各リーフレットが存在するかを認識する必要が無い。
・特徴2:各ストレージノード(保持装置500)は、他の装置の状態に依存することなく、独立して動作することが可能である。
・特徴3:リーフレットから元データの復元には、当該リーフレットの生成時に使用した符号化のための情報(乱数)を要し、リーフレットのみでは元データを復元することが困難であるため、情報の秘匿性を担保することが可能である。
・特徴4:元データの復元時に、必ずしもリーフレットが配信されたすべてのストレージノード(保持装置500)が動作している必要はないため、個々のストレージノードの保守を、他のストレージノードに依存することなく独立して行うことが可能である。
なお、符号化処理装置300、復号処理装置400、及び保持装置500は、例えば、図1に示した複数の情報処理装置100のうち少なくともいずれかにより実現され得る。換言すると、複数の情報処理装置100のうち少なくともいずれかが、「Scatter」、「Holder」、及び「Raker」の3つの役割のうち少なくともいずれかの役割を担うことが可能である。即ち、本実施形態に係る情報処理システム1において、情報処理装置100は、リーフレットの取扱いに関する状態として、「保持」、「破棄」、「転送」、「配信」、及び「回収」の5つの状態を取ることが可能である。なお、「Scatter」、「Holder」、及び「Raker」の3つの役割と、「保持」、「破棄」、「転送」、「配信」、及び「回収」の5つの状態との対応関係は以下の通りである。
・Scatter:配信、転送
・Holder:保持、破棄
・Raker:回収
なお、情報処理装置100は、符号化処理装置300、復号処理装置400、及び保持装置500それぞれのうち複数の装置の役割を担ってもよい。具体的な一例として、一部の情報処理装置100は、符号化処理装置300として動作するとともに、保持装置500として動作してもよい。また、他の一例として、一部の情報処理装置100は、符号化処理装置300として動作するとともに、復号処理装置400として動作してもよい。
以上、図2を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の論理的な構成の一例について説明した。
<2.2.圧縮センシング>
続いて、本実施形態に係る情報処理システム1におけるデータの符号化及び復号を実現するための技術について説明する。本実施形態に係る情報処理システム1では、データの符号化及び復号に、圧縮センシング(Compressed sensing)と呼ばれる技術を利用する。
圧縮センシングとは、スパースに表現可能な信号に対して、わずかな観測結果から元となる信号(以降では、「原信号」とも称する)の再構成を可能とするパラダイムである。例えば、圧縮センシングに関する参考文献として、参考文献1:「EJ Candes、外2名、“Robust Uncertainty Principles: Exact Signal Reconstruction From Highly Incomplete Frequency Information”、[online]、2006年2月、IEEE TRANSACTIONS ON INFORMATION THEORY, VOL.52, NO.2、p489−502、[平成28年11月1日検索]、インターネット<URL: http://people.ee.duke.edu/~lcarin/01580791.pdf>」が挙げられる。参考文献1によると、原画像の空間変化率がスパースである(まばらである)ことを前提として、ナイキストレートのおよそ1/50のサンプリングにより、原画像を完全復元することが可能な例が示されている。
また、他の参考文献として、参考文献2:「Gang Huang、外3名、“Lensless Compressive Sensing Imaging” 、[online]、2013年1月、Bell Labs., Alcatel−Lucent, Murray Hill, NJ, USA、[平成28年11月1日検索]、インターネット<URL: https://arxiv.org/ftp/arxiv/papers/1302/1302.1789.pdf>」が挙げられる。参考文献2には、ランダムに被写体からの光を遮断・透過できる格子状のAperture assembly(例えば、透過型LCDパネル)を利用して、遮断・透過のパターンごとに光を1点に集光し、その先に1個のフォトダイオードなどのセンサを設置したうえで、集光した光を電気信号として繰り返し読み取るカメラについて開示されている。参考文献2では、このような構成の基で、パターンごとに読み取られた信号値をもとに、圧縮センシングの技法を用いて被写体画像を復元することが可能であることが開示されている。
このように圧縮センシングとは、あるスパースな状態(数学的には適当な基底を用いるとゼロ成分がほとんどであるような状態)の信号に対して、少ない観測数で、元の信号を復元できる数学的理論に基づく考え方である。そこで、以下に、圧縮センシングによる信号の復元について概要レベルで説明する。なお、圧縮センシング自体は上述のように公知であるため、理論の詳細については公知の文献に委ねるものとし、詳細な説明は省略する。
圧縮センシングの問題は、以下に(式1)として示すように、「サンプル数(観測数)M<元の信号長N」を条件とした観測において、非ゼロ成分の数Kが少ない場合(即ち、K−スパースな状態)に、適当な観測行列を用いて元の信号と観測結果とが結びつくとき、元の信号を復元することである。換言すると、圧縮センシングの問題は、スパースな信号xを求める連立一次不定方程式の問題とも言える。ここで、観測結果をy(M次元)、元の信号をx(N次元)とし、これらの関係が適当な観測行列Aに基づき表すことが可能な問題を考える。
Figure 2018093325
圧縮センシングの問題を解く方法は、以下に(式2)として示すように、観測値による制約のもとで適当なコスト関数J(x)の最小化(換言すると、正則化)を行うことに帰結することが一般的に知られている。
Figure 2018093325
なお、コスト関数J(x)として何を使うかや、制約条件のもとでどのようなアルゴリズムに基づき最小化を行うかという点については、多様な議論が成されている。例えば、参考文献3:「“Imaging via Compressive Sampling”、[online]、2008年3月、IEEE SIGNAL PROCESSING MAGAZINE、p14、[平成28年11月1日検索]、インターネット<URL:http://authors.library.caltech.edu/10093/1/ROMieeespm08.pdf>」では、コスト関数J(x)と一般的な解法とについて論じられている。具体的には、参考文献3では、画像に対してDCT等の基底変換を施したものと画素値そのものとの間の変化率をベースにコスト関数を導入し、L1ノルムの最小化問題を解いている。もちろん、参考文献3が開示する解法はあくまで一例であり、上記(式2)として示した数式の解法は多数存在し、本開示で提案する技術においては、当該解法は必ずしも限定されない。換言すると、本開示は、圧縮センシング全域に共通する一般的性質を適用することで、新たな効果を創出することを目的としている。
ここで、具体的な例について以下に示す。例えば、自然画は、隣接する画素間の相関が強く、画素間の差分をL1ノルム最小の目的関数(即ち、上記コスト関数J(x))とすることで、原画像の復元が可能であることが示されている。ある静止画xを適当な観測行列Aを用いて観測することで、観測結果yが得られるものとする。この場合に、(式2)として上述した数式は、以下に(式3)及び(式4)として示す数式で表すことが可能である。
Figure 2018093325
Figure 2018093325
なお、上記コスト関数を利用した具体的な例が提示された参考文献として、参考文献4:垣内友希、外1名、“制限されたX線投影における圧縮センシングを用いたCT画像再構成に関する検討”、[online]、2015年、第77回全国大会1S05、p2−361−2−362、[平成28年11月1日検索]、インターネット<URL: http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~kano/pdf/paper/2015%20IPSJ77%201S-05.pdf>」が挙げられる。なお、上記(式3)及び(式4)に示したコスト関数は、一般的にはTotalVarianceとも称される。以上のように、圧縮センシングは、少ない観測値に基づき、元のデータ(例えば、原画像)を復元するための一般的な技術として知られている。
以上、本実施形態に係る情報処理システム1におけるデータの符号化及び復号を実現するための技術として、圧縮センシングについて概要を説明した。
<2.3.リーフレット>
続いて、本実施形態に係る情報処理システム1におけるリーフレットについて概要を説明する。前述したように、本実施形態に係る情報処理システム1では、符号化処理装置300(Scatter)は、元となるデータに対して符号化処理を施すことで1以上のリーフレットを生成し、生成したリーフレットを任意の保持装置500(Holder)に配信する。復号処理装置400(Raker)は、任意の保持装置500(Holder)から、当該保持装置500が保持するリーフレットを回収し、回収したリーフレットに基づき元となるデータを復元する。
例えば、図3は、本実施形態に係る情報処理システム1における、符号化前後のデータと当該符号化のための情報との一例を示した図である。図3において、原信号xは元となるデータに基づく信号に相当する。また、行列Aは、原信号xを符号化するための情報に相当し、信号yは、原信号xが行列Aに基づき符号化された信号に相当する。ここで、信号yの各行成分は、原信号xと、行列Aの対応する行成分とに基づき算出される。具体的な一例として、信号yの1行目の行成分は、原信号xと、行列Aの1行目の行成分とに基づき算出される。換言すると、信号yの各信号成分の当該信号y中の位置を示す情報(即ち、Y座標)は、当該信号成分の生成に用いた、行列Aの行成分と対応している。そのため、信号yの各信号成分の当該信号y中の位置を示す情報に基づき、当該信号成分の生成に際し、行列A中のどの行成分が用いられたかを特定することが可能である。このような特性に基づき、符号化処理装置300は、原信号xを行列Aに基づき符号化することで算出される信号yの信号成分それぞれを、当該信号成分の信号y中における位置(例えば、行)を示す情報と関連付けることでリーフレットを生成する。
次いで、図4を参照して、リーフレットの生成方法の概要について説明する。図4は、リーフレットの生成方法の概要について説明するための説明図である。なお、本説明では、画像データを符号化することでリーフレットを生成する場合を例に説明するが、必ずしも、符号化の対象となるデータを画像データに限定するものではない。
図4に示すように、元となる画像データに基づく原信号x(スパースな信号)に対して、観測行列Aに基づき符号化処理が施されることで信号yが生成され、当該信号yの各信号成分yに基づきリーフレットが生成される。なお、原信号xは、例えば、元となる画像データ自体の情報であってもよいし、当該画像データに対して所定の演算処理(例えば、エッジの抽出等のような画像処理)を施すことで得られる情報であってもよい。また、原信号xと観測行列Aとに基づき、信号yを生成する方法については、(式1)を参照して前述したとおりである。
また、観測行列Aとしては、例えば、各成分を再現可能な疑似乱数生成器に基づき生成された係数行列を適用することが可能である。なお、再現可能な(例えば、周期性をもつ)疑似乱数生成器は多数存在するが、簡単な例として、リーフレットを生成するノード(例えば、符号化処理装置300)に対してあらかじめ乱数表を保持させることで実現してもよい。
例えば、図5及び図6は、観測行列Aの生成に用いられる乱数表の一例を示している。例えば、図5に示す例は、0〜2の実数乱数を用いた乱数表の一例を示している。また、図6に示す例は、0または1の乱数を用いた乱数表の一例である。もちろん、図5及び図6に示す例はあくまで一例であり、観測行列Aの各成分を再現可能であれば、当該観測行列Aの生成に用いられる乱数の種別は特に限定されない。また、観測行列Aについては、各成分を再現可能であればよく、観測行列Aの生成方法は、必ずしも乱数に基づく生成方法のみには限定されない。
続いて、図7及び図8を参照して、リーフレットのデータ構造(フォーマット)の一例について説明する。図7は、リーフレットのデータ構造の一例を示した図である。また、図8は、リーフレットのデータの一例を示した図である。
図7に示すように、リーフレットのデータ構造(フォーマット)は、ヘッダ部とペイロード部とを含む。ヘッダ部には、主にリーフレットに関する各種制御情報が含まれる。具体的な一例として、ヘッダ部には、ノード識別子と、システムオプションを示す情報とが含まれる。また、ペイロード部には、リーフレット生成IDと、Y座標を示す情報と、Y値を示す情報とが含まれる。
ノード識別子は、原信号xを保有するノード(例えば、符号化処理装置300)を特定するための識別子を示している。ノード識別子の具体的な一例としては、例えば、図8に示すように、原信号xを保有するノードのIPアドレスが挙げられる。もちろん、原信号xを保有するノードを特定することが可能であれば、ノード識別子として保持される情報の種別は特に限定されない。
Y値を示す情報は、x信号が観測行列Aに基づき符号化されることで生成されたy信号の信号成分yに相当する。また、Y座標を示す情報は、Y値を示す情報としてリーフレットに関連付けられた当該信号成分yの、y信号中における位置(即ち、y=Axの行番号)を示している。
リーフレット生成IDは、y信号の生成に利用した観測行列Aの係数(乱数)パターンを特定するための情報である。具体的な一例として、リーフレット生成IDは、y信号の生成に利用した観測行列Aのうち、Y値(即ち、信号成分y)の算出に用いた行成分の係数パターンを特定するための情報(例えば、図5及び図6に示した乱数のパターンID等)であってもよい。また、他の一例として、リーフレット生成IDは、y信号の生成に利用した観測行列A自体を特定するための情報であってもよい。
システムオプションは、補足的に付加される任意の情報を示している。例えば、HolderやRakerの役割を担う他のノード(例えば、保持装置500や復号処理装置400)がリーフレットの取扱いに利用可能な情報等が、システムオプションとしてリーフレットに関連付けられてもよい。より具体的な一例として、リーフレットがストレージ上に滞在する期間、リーフレットのライフタイム等のような、システム制御に利用可能な情報や、拡張変数に相当する情報等が、システムオプションとしてリーフレットに関連付けられてもよい。
また、図7に示す例では、1つのリーフレットのデータ構造に対して1つのペイロード部が設けられている例について示しているが、1つのリーフレットに対して複数のペイロード部が設けられていてもよい。このような場合には、例えば、ペイロード部が複数含まれていることを示す情報、ペイロード部の数、複数連続して結合されたペイロード部それぞれの開始位置等のような拡張指示子が、システムオプションとしてリーフレットに関連付けられてもよい。
このように、リーフレットは、元となるデータに基づく原信号xに対して、再現可能な乱数を係数として構成される観測行列Aを乗じることで得られるy信号の信号成分yそれぞれに対して、当該信号成分yのY座標を関連付けてパッケージ化することで生成される。
以上、図3〜図8を参照して、リーフレットの生成に係る処理について説明した。
<2.4.リーフレットの配信(Scatter)>
続いて、Scatterの役割を担うノードによるリーフレットの配信に係る処理について説明する。例えば、図9及び図10は、Scatterの役割を担うノードについて説明するための説明図であり、リーフレットの配信に係る処理の概要について示している。
図9に示すように、Scatterの役割を担うノード(例えば、符号化処理装置300や保持装置500)は、ランダムに選ばれたストレージノードや、あらかじめ転送プロトコル等で決められたストレージノードにリーフレットを配信または転送する。また、リーフレットの配信元となる各ノードは、当該リーフレットの配信先となるストレージノードを決定する転送プロトコルを、状況に応じて自由に決定してもよい。即ち、リーフレットの転送先の決定について自由度を有するという点が、本実施形態に係る情報処理システム1の特徴の1つでもある。なお、詳細は後述するが、リーフレットが重複して転送されたとしても、当該リーフレットに基づく原信号xの復元には影響しない。このような構成により、例えば、各ストレージノードの記憶領域の容量に応じて、リーフレットを比例分配されるように転送プロトコルを定義することも可能となる。
また、図10に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1では、リーフレットが配信された各ストレージノードは、新たなScatterとして、当該リーフレットを他のストレージノード(例えば、他の保持装置500)に転送してもよい。即ち、リーフレットが配信された各ストレージノードは、状況に応じてリーフレットの転送制御を各自が独立して行ってもよい。また、リーフレットが配信された各ストレージノードは、当該リーフレットを保持したうえで、当該リーフレットの複製を他のストレージノードに転送してもよい。
具体的な一例として、図10に示す例では、符号化処理装置300は、1st Scatterとして、生成したリーフレットyを保持装置500aに配信し、リーフレットyを保持装置500bに配信している。また、符号化処理装置300からリーフレットyの配信を受けた保持装置500aは、2nd Scatterとして、当該リーフレットyを保持装置500e及び500gに転送している。同様に、保持装置500aからリーフレットyが転送された保持装置500eは、3rd Scatterとして、当該リーフレットyを保持装置500fに転送している。このとき、保持装置500a、500e、500g、及び500fのそれぞれは、配信または転送されたリーフレットyを保持してもよい。これにより、リーフレットyは、保持装置500a、500e、500g、及び500fに点在することとなる。なお、符号化処理装置300からリーフレットyの配信を受けた保持装置500bについても、保持装置500aと同様に、2nd Scatterとして、当該リーフレットyを他の保持装置500に転送してもよい。
このように、少なくとも一部のリーフレットについて重複を許す(即ち、リーフレットの複製を可能とする)ことで、各ストレージノードそれぞれにおけるリーフレットの取扱いに関して自由度を上げることが可能となり、さらにリーフレットの拡散性及び分散性をさらに向上させることが可能となる。
以上、図9及び図10を参照して、Scatterの役割を担うノードによるリーフレットの配信に係る処理について説明した。
<2.5.リーフレットの保持(Holder)>
続いて、Holderの役割を担うストレージノードの構成の一例について説明する。例えば、図11及び図12は、Holderの役割を担うストレージノードについて説明するための説明図である。
前述したように、Holderの役割を担うストレージノード(例えば、保持装置500)は、Scatterの役割を担うノードからリーフレットの配信または転送を受けて、当該リーフレットを保持する。そのため、Holderの役割を担うストレージノードは、配信または転送されたリーフレットを保持するための記憶領域を有する。なお、当該記憶領域としては、リーフレットを少なくとも1つ保持することが可能な容量が確保されていればよく、デバイスの種別も特に限定されない。具体的な一例として、図11の参照符号510bに示すように、Holderの役割を担うストレージノードの記憶領域が、少なくとも1つのリーフレットを保持することが可能なFIFO(First−In First−Out)型のメモリとして構成されていてもよい。また、他の一例として、図11の参照符号510aに示すように、Holderの役割を担うストレージノードの記憶領域が、複数のリーフレットを保持することが可能なメモリとして構成されていてもよい。
また、図12に示すように、Holderの役割を担うストレージノードは、Scatterの役割を担ってもよい。即ち、当該ストレージノードは、配信または転送されたリーフレットを自身の記憶領域に保持し、自身の都合で、当該リーフレット自体または当該リーフレットの複製を、他のストレージノードに転送してもよい。
以上、図11及び図12を参照して、Holderの役割を担うストレージノードの構成の一例について説明した。
<2.6.リーフレットの回収(Raker)>
続いて、Rakerの役割を担う装置によるリーフレットの回収に係る処理について説明する。例えば、図13は、Rakerの役割を担うノードについて説明するための説明図であり、リーフレットの配信に係る処理の概要について示している。
Rakerの役割を担うノード(例えば、復元処理装置400)は、ネットワーク上の各ストレージノード(例えば、保持装置500)からリーフレットをかき集めて、当該リーフレットに基づき元となるデータを再構成(復号)する。なお、リーフレットの生成元であるノード(即ち、符号化処理装置300)が、Rakerの役割を担ってもよい。
具体的な一例として、図13に示すように、Rakerの役割を担うノードは、所定のプロトコルに基づき各ストレージノードに対してブロードキャスト(または、マルチキャスト)を行うことで、当該ストレージノードが保持するリーフレットの送信を呼びかけてもよい。このとき、Rakerの役割を担うノードは、ノード識別子や、システムオプションに含まれる情報(例えば、ユニークな識別子等)等に基づく条件を指定することで、送信対象となるリーフレットを指定してもよい。このような構成により、Rakerの役割を担うノードは、当該ブロードキャストに反応したストレージノードからリーフレットを回収することが可能となる。
また、他の一例として、各ストレージノード(例えば、保持装置500)が、各リーフレットの転送先を示すアクセスリストを生成しておくことで、Rakerの役割を担うノードは、当該アクセスリストに基づきリーフレットを回収してもよい。例えば、参考文献5:特開2003−6087号公報には、当該アクセスリストの生成に係る技術と、当該アクセスリストを利用することで対象となるコンテンツのダウンロードを可能とする技術と、が開示されており、当該技術をリーフレットの回収に応用してもよい。
また、図13に示すように、Rakerの役割を担うノードから各ストレージノードに向けたブロードキャストが多層化されてもよい。即ち、Rakerの役割を担うノードからのブロードキャストが、1以上のストレージノードを介して他のストレージノードに送信されてもよい。このような構成により、Rakerの役割を担うノードは、より多くのストレージノードに対して、リーフレットの送信を呼びかけることが可能となる。
なお、上記ブロードキャストを受けたストレージノードは、Rakerの役割を担うノードに対して、リーフレットを直接送信(ユニキャスト)してもよい。また、Rakerの役割を担うノードの負荷を軽減するために、ブロードキャストの発信元にリーフレットを転送するプロトコル等が新たに規定されてもよい。
そして、Rakerの役割を担うノードは、回収したリーフレットを利用して、前述した圧縮センシング技術に基づき、元となるデータ(例えば、画像データ)を復号する。回収されたリーフレットから元となるデータの復号する処理については、詳細を別途後述する。
以上、図13を参照して、Rakerの役割を担う装置によるリーフレットの回収に係る処理について説明した。
<2.7.機能構成>
続いて、本実施形態に係る情報処理システム1の機能構成の一例について、特に、Scatterの役割を担う符号化処理装置300と、Rakerの役割を担う復号処理装置400とに着目して説明する。例えば、図14は、本実施形態に係る情報処理システム1の機能構成の一例について示したブロック図であり、符号化処理装置300と復号処理装置400とのそれぞれの機能構成の一例を示している。なお、本説明では、撮像部250により撮像された画像データに基づくスパースな原信号xを符号化の対象とするものとして説明する。
(a)符号化処理装置(Scatter)
まず、Scatterの役割を担う符号化処理装置300の機能構成の一例について説明する。図14に示すように、符号化処理装置300は、疑似乱数生成部301と、観測行列生成部303と、符号化処理部305と、リーフレット生成部307と、リーフレット配信部309とを含む。
疑似乱数生成部301は、前述した再現可能な疑似乱数生成器に相当する。疑似乱数生成部301は、あらかじめ決められた条件に基づき再生可能な疑似乱数を生成し、生成した疑似乱数を観測行列生成部303に出力する。また、疑似乱数生成部301は、図5及び図6を参照して説明したように、あらかじめ生成された乱数表を保持し、当該乱数表に基づき疑似乱数を観測行列生成部303に出力してもよい。
観測行列生成部303は、疑似乱数生成部301から出力される疑似乱数に基づき、図3を参照して説明した観測行列Aを生成し、生成した観測行列Aを符号化処理部305に出力する。
符号化処理部305は、疑似乱数に基づき生成された観測行列Aを観測行列生成部303からあらかじめ取得して保持する。また、符号化処理部305は、符号化の対象となる信号として、撮像部250により撮像された画像データに基づくスパースな原信号xの入力を受ける。符号化処理部305は、入力された原信号xを観測行列Aに基づき符号化することで、符号化処理後の信号yを生成する。なお、信号yの生成方法については、(式1)を参照して前述したとおりである。そして、符号化処理部305は、原信号xを符号化することで生成した信号yを、リーフレット生成部307に出力する。なお、符号化処理部305が、Scatterの役割を担う情報処理装置100における「信号処理部」の一例に相当する。
リーフレット生成部307は、符号化処理部305により生成された信号yに基づき、1以上のリーフレットを生成する。具体的には、リーフレット生成部307は、図7を参照して説明したように、信号yの各信号要素(Y値)に対して、当該信号要素の当該信号y中の位置を示す情報(Y座標)を関連付けることでリーフレットyを生成する。なお、このときリーフレット生成部307は、リーフレットyに対して、前述した、リーフレット生成ID、ノード識別子、及びシステムオプション等の情報を関連付けてもよい。そして、リーフレット生成部307は、信号yに基づき生成した1以上のリーフレットyをリーフレット配信部309に出力する。なお、前述したように、リーフレット生成IDは、観測行列Aのうち、Y値(即ち、信号yの信号成分)の算出に用いた行成分の係数パターンを特定するための情報であってもよいし、当該観測行列A自体を特定するための情報であってもよい。また、リーフレット生成部307が、「データ生成部」の一例に相当する。
リーフレット配信部309は、リーフレット生成部307により生成された1以上のリーフレットyを、所定のネットワークを介してHolderの役割を担う他のストレージノード(例えば、保持装置500)に配信する。以上のようにして、符号化処理装置300により生成された1以上のリーフレットyが、ネットワーク上のストレージノードに拡散及び分散される。なお、リーフレット配信部309が、「送信部」の一例に相当する。
以上、Scatterの役割を担う符号化処理装置300の機能構成の一例について説明した。
(b)復号処理装置(Raker)
続いて、Rakerの役割を担う復号処理装置400の機能構成の一例について説明する。図14に示すように、復号処理装置400は、リーフレット回収部401と、回収メモリ403と、観測行列再構成部405と、復号処理部407とを含む。
リーフレット回収部401は、ネットワーク上の各ストレージノードからリーフレットを回収するための構成である。前述したように、リーフレット回収部401は、例えば、所定のプロトコルに基づき各ストレージノードに対してブロードキャスト(または、マルチキャスト)を行うことでリーフレットの送信を呼びかけ、反応したストレージノードから当該ストレージノードが保持するリーフレットを取得する。リーフレット回収部401は、回収した各リーフレットを回収メモリ403に記憶させる。回収メモリ403は、回収されたリーフレットを一時的または恒久的に保持するための記憶領域である。なお、リーフレット回収部401が、「取得部」の一例に相当する。
また、前述したように、本実施形態に係る情報処理システム1では、少なくとも一部のリーフレットについて重複が許されており、リーフレット回収部401は、既に回収したリーフレットを再度回収する場合も想定され得る。そのため、リーフレット回収部401は、既に回収したリーフレットと同様のリーフレットを再度回収した場合には、改めて回収した当該リーフレットを破棄してもよい。なお、リーフレットの重複については、例えば、リーフレット生成ID等のような、当該リーフレットに関連付けられた各リーフレットにユニークな情報に基づき判別することが可能である。
また、リーフレット回収部401は、リーフレットを回収した場合に、当該リーフレットに基づく観測行列Aの再構成を観測行列再構成部405に指示する。
観測行列再構成部405は、リーフレット回収部401によるリーフレットの回収結果に基づき、当該リーフレットの生成に用いられた観測行列Aの再構成を行う。具体的な一例として、観測行列再構成部405は、符号化処理装置300(疑似乱数生成部301)と同様の疑似乱数生成器(例えば、乱数表)を有し、リーフレットに関連付けられたリーフレット生成ID(乱数パターンID)に基づき観測行列Aを再構成する。このとき、観測行列再構成部405は、リーフレット生成IDが、観測行列Aの行成分を特定するための情報である場合には、複数のリーフレットそれぞれに関連付けられたリーフレット生成IDに基づき、観測行列Aを再構成する。なお、この場合には、再構成される観測行列Aは、回収されたリーフレットに関連付けられたY値に対応する行成分が再構成されれば、その他の行成分については再構成されなくてもよい。また、他の一例として、観測行列再構成部405は、リーフレット生成IDが、観測行列A自体を特定するための情報である場合には、当該情報に基づき当該観測行列Aを再構成すればよい。
また、観測行列再構成部405は、リーフレット回収部401により新たにリーフレットが回収された場合には、当該リーフレットの回収結果に基づき、改めて観測行列Aを再構成してもよい。具体的な一例として、観測行列再構成部405は、新たにリーフレットが回収された場合には、事前に再構成した観測行列Aの各行成分のうち、当該リーフレットに関連付けられたY値に対応する行成分(換言すると、その時点で再構成されていない行成分)を再構成してもよい。
そして、観測行列再構成部405は、再構成した観測行列Aを示す情報を復号処理部407に出力する。
なお、上述した観測行列再構成部405による観測行列Aの再構成に係る処理は、復号処理装置400が、回収されたリーフレットの生成に用いられた観測行列Aを認識するための一例に過ぎない。即ち、復号処理装置400が、回収されたリーフレットの生成に用いられた観測行列Aを認識することが可能であれば、その方法は特に限定されない。具体的な一例として、符号化処理装置300と復号処理装置400とに、あらかじめ共通の観測行列Aを示す情報、または当該観測行列Aを再生するための情報(例えば、乱数表)が保持されていてもよい。また、他の一例として、符号化処理装置300と復号処理装置400とが、観測行列Aを示す情報、または当該観測行列Aを再生するための情報を、所謂暗号化通信に基づき事前に送受信することで、符号化処理装置300と復号処理装置400との間で共通の当該情報が保持されてもよい。このような場合には、復号処理装置400は、上述した観測行列Aの再構成に係る処理を実行しなくてもよいことは言うまでもない。
復号処理部407は、回収メモリ403に保持されたリーフレット(即ち、リーフレットの回収結果)と、観測行列再構成部405により再構成された観測行列Aとに基づき原信号xを復号する。なお、復号処理部407が、Rakerの役割を担う情報処理装置100における、「信号処理部」の一例に相当する。
具体的には、復号処理部407は、まずリーフレットの回収結果に基づき原信号xを復号することが可能か否かを判断する。例えば、復号処理部407は、回収されたリーフレットの数が閾値以上の場合に、原信号xを復号可能と判断する。そして、復号処理部407は、回収されたリーフレットに関連付けられたY値及びY座標に基づき信号yを再構成し、当該信号yと再構成された観測行列Aとに基づき原信号xを再構成する。具体的な一例として、復号処理部407は、(式1)〜(式4)を参照して前述したように、y=Axの制約条件のもとで、所定のコスト関数J(x)の最小化(換言すると、正則化)を行うことにより原信号xを復号する。より具体的な一例として、復号処理部407は、L1ノルムの最小化問題を解くことにより、再構成された信号y及び観測行列Aに基づき原信号xを復号(再構成)してもよい。
なお、原信号xを復号(即ち、再構成)することが可能か否かの判断については、例えば、参考文献6:「D L.Donoho、“High−dimensional centrally−symmetric polytopes with neighborliness proportional to dimension,”、[online]、2006年、Discrete&Computational Geometry, vol.35, no.4, 617、p15、[平成28年11月1日検索]、インターネット<URL:
https://pdfs.semanticscholar.org/c802/03f0dd27dd5c15726543b01f4c919529d4a8.pdf>」に背景となる理論が開示されている。具体的には、参考文献6には、圧縮センシングの完全復元可能・不可能境界についてランダム高次元幾何学の立場から考察が与えられている。また、前述した参考文献1の著者であるCandesらは、制限等長性という条件を導入することで、より精度の高い再構成を可能とする指針を提示している。即ち、本実施形態において、ランダム係数行列として生成された観測行列Aを再構成可能とするための十分条件については、上述した考察や指針に基づき数学的に示されている。
また、上記では、L1ノルムの最小化問題を例に説明したが、一般的には、圧縮センシングの解法はLpノルム(p>0)の最小化問題が考えられており、L1ノルムの最小化問題はp=1として規定した場合の例に相当する。なお、L1ノルム(p=1)の最小化問題を解く場合の指標の一例については、参考文献7:「Y.Kabashima、外2名“A typical reconstruction limit for compressed sensing,”、[online]、2009年、Journal of Statistical Mechanics; Theory and Experiments, 109003、p6−7、[平成28年11月1日検索]、インターネット<URL:
http://iopscience.iop.org/article/10.1088/1742-5468/2009/09/L09003/pdf>」に開示されている。
なお、復号処理部407がリーフレットの回収結果に基づき信号yを復号可能か否かを判断するための基準を示す情報については、例えば、当該復号処理部407が参照可能な記憶領域に保持させておけばよい。具体的な一例として、前述した各文献が開示する内容に基づき、信号yを復号可能か否かの境界を示す閾値をテーブル化した情報を、上記基準を示す情報として利用してもよい。また、他の一例として、事前の実験等に基づき、上記基準を示す情報が生成されてもよい。
なお、上述した各種文献では、主に完全復元という可能性について論じている。その一方で、例えば、画像データ等のような一部のデータについては、状況によっては完全に復元がされなくとも比較的高いPSNR(Peak signal−to−noise ratio)が得られれば十分な場合もあり、数学的モデルに従うか否かについては、扱うデータに依存し得る。具体的な一例として、自然画のような画像データの場合には、経験的には圧縮率(即ち、サンプル数/全データ数、または、リーフレット数/全データ数)が40%程度あれば、完全には復元されなくとも、比較的高いPSNRで再構成することが十分可能である。従って、例えば、原信号xの信号長N(例えば、画像データの全画素数)に対して、信号y(観測値)の信号要素の総数にあたるサンプル数M=0.4Nとして、M×N=0.4N×Nの観測行列A(例えば、ランダム行列)を定義し、当該観測行列Aに基づきリーフレットの生成が行われればよい。即ち、再構成が可能か否かの判断については、自然画の場合には、0.4N程度を閾値として判断条件が設定されていればよい。また、Scatterの役割を担う符号化処理装置300は、ネットワークの状況等を考慮して、リーフレットの生成数が0.4N以上となるように制御すればよい(例えば、0.5N×Nの観測行列Aに基づきリーフレットを生成すればよい)。このような構成により、データの圧縮性を損なうことなく、冗長性(例えば、Holderの役割を担うストレージノードの故障や、当該ストレージノードへのネットワークパスの故障等に対する耐性)を持たせることが可能となる。
なお、以降の説明では、上述した事情を鑑み、リーフレットから復号(再構成)される原信号xを、当該リーフレットの生成元となる原信号xと明示的に区別する場合には、「信号x’」と称する場合がある。
以上、図14を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の機能構成の一例について、特に、Scatterの役割を担う符号化処理装置300と、Rakerの役割を担う復号処理装置400とに着目して説明した。
<2.8.処理>
続いて、本実施形態に係る情報処理システム1の一連の処理の流れの一例について、特に、Scatterの役割を担う符号化処理装置300と、Rakerの役割を担う復号処理装置400とに着目して説明する。
(a)符号化処理装置(Scatter)
まず、図15を参照して、Scatterの役割を担う符号化処理装置300の一連の処理の流れの一例について、特に、リーフレットの生成及び配信に係る処理に着目して説明する。図15は、本実施形態に係る符号化処理装置の一連の処理の流れの一例を示したフローチャートである。
図15に示すように、符号化処理装置300(観測行列生成部303)は、あらかじめ決められた条件に基づき再生可能な疑似乱数を基に、観測行列Aを生成する(S101)。
次いで、符号化処理装置300(符号化処理部305)は、符号化の対象となる信号として入力されたスパースな原信号xを、疑似乱数を基に生成した観測行列Aに基づき符号化することで、符号化処理後の信号yを生成する。また、符号化処理装置300(リーフレット生成部307)は、生成した信号yの各信号要素(Y値)に対して、当該信号要素の当該信号y中の位置示す情報(Y座標)を関連付けることでリーフレットyを生成する。なお、このとき符号化処理装置300は、生成したリーフレットyに対して、リーフレット生成ID、ノード識別子、及びシステムオプション等の情報を関連付けてもよい(S103)。
そして、符号化処理装置300(リーフレット配信部309)は、生成した1以上のリーフレットyを、所定のネットワークを介してHolderの役割を担う他のストレージノード(例えば、保持装置500)に配信する(S105)。以上のようにして、符号化処理装置300により生成された1以上のリーフレットyが、ネットワーク上のストレージノードに拡散及び分散される。
以上、図15を参照して、Scatterの役割を担う符号化処理装置300の一連の処理の流れの一例について、特に、リーフレットの生成及び配信に係る処理に着目して説明した。
(b)復号処理装置(Raker)
続いて、図16を参照して、Rakerの役割を担う復号処理装置400の一連の処理の流れの一例について、特に、リーフレットの回収と原信号xの復号(再構成)とに着目して説明する。図16は、本実施形態に係る復号処理装置の一連の処理の流れの一例を示したフローチャートである。
図16に示すように、復号処理装置400(リーフレット回収部401)は、例えば、ネットワーク上の各ストレージノードに対してブロードキャスト(または、マルチキャスト)を行うことでリーフレットの送信を呼びかけ、反応したストレージノードから当該ストレージノードが保持するリーフレットを取得する(S201)。
このとき、復号処理装置400は、既に回収したリーフレットと同様のリーフレットを再度回収した場合には(S203、YES)、改めて回収した当該リーフレットを破棄してもよい(S205)。
一方で、復号処理装置400(復号処理部407)は、既に回収したリーフレットと異なる他のリーフレットを新たに回収した場合には(S203、NO)、回収した一連のリーフレットに基づき、信号x’(例えば、原信号x)を再構成可能か否かを判定する(S207)。例えば、復号処理装置400は、回収した一連のリーフレットの数が閾値以上の場合に、信号x’を再構成可能と判断してもよい。
信号x’の再構成が困難と判断した場合には(S207、NO)、復号処理装置400(リーフレット回収部401)は、回収したリーフレットを回収メモリ403に記憶させる。このとき復号処理装置400は、各リーフレットに関連付けられたY座標を示す情報に基づき、回収メモリ403に記憶された一連のリーフレットを並び替えてもよい(S209)。また、復号処理装置400(観測行列再構成部405)は、リーフレットの回収結果に基づき、当該リーフレットの生成に用いられた観測行列Aの再構成を行ってもよい。例えば、復号処理装置400は、新たにリーフレットを回収した場合には、観測行列Aの各行成分のうち、当該リーフレットに関連付けられたY値に対応する行成分(換言すると、その時点で再構成されていない行成分)を再構成してもよい(S211)。また、このとき復号処理装置400は、従前に回収したリーフレットに基づき、既に一部の行成分について観測行列Aを再構成している場合には、当該観測行列Aのうち、新たに回収したリーフレットに関連付けられたY値に対応する行成分を追加で再構成してもよい。
以上のようにして、復号処理装置400は、信号x’を再構成可能と判断するまで、リーフレットの回収(S201)、当該リーフレットの保持(S209)、及び観測行列Aの再構成(S211)を繰り返し実行する。
そして、信号x’の再構成が可能と判断した場合には(S207、YES)、復号処理装置400(復号処理部407)は、回収メモリ403に保持されたリーフレットと、再構成した観測行列Aとに基づき、信号x’を復号(再構成)する。具体的には、復号処理装置400は、回収されたリーフレットに関連付けられたY値及びY座標に基づき信号yを再構成する。そして、復号処理装置400は、y=Axの制約条件の基で、所定のコスト関数J(x)の最小化を行うことにより(例えば、Lpノルムの最小化問題を解くことにより)、信号x’を復号する(S213)。
以上、図16を参照して、Rakerの役割を担う復号処理装置400の一連の処理の流れの一例について、特に、リーフレットの回収と原信号xの復号(再構成)とに着目して説明した。
<<3.実施例>>
続いて、本実施形態に係る情報処理システムの実施例として、原信号x及び観測行列Aと、当該原信号x及び観測信号Aを基に圧縮センシングにより算出される信号yの具体的な一例について説明する。例えば、図17は、本実施形態に係る情報処理システム1の実施例について説明するための説明図であり、原信号x、観測行列A、及び信号yの具体的な一例を示している。
具体的には、図17に示す例では、原信号xの信号要素の数は16であり(即ち、信号長N=16)、当該信号要素のうち非ゼロ成分の数は4となる。ここで、原信号xにおいて、全信号要素の数に対する非ゼロ成分の数の割合をスパース度ρとして示すと、図17に示す原信号xのスパース度ρは、ρ=4/16=25%となる。
また、図17に示す例において、観測行列Aの行成分の数は9である(即ち、観測数M=9)。ここで、原信号xの全データ数(信号要素の数N)に対するサンプル数(観測数M)の割合を圧縮率σとして示すと、圧縮率σは、σ=M/N=9/16=56.25%となる。
また、図17に示す信号yは、同図に示された原信号x及び観測行列Aに基づき生成される信号の一例を示している。
なお、前述した参考文献6及び7には、圧縮率σとスパース度ρとの間の関係について開示されており、圧縮率σ及びスパース度ρを、原信号xが再構成可能か否かを判断するための指標として利用することが可能である。即ち、本開示は、この原理に従い、信号yを生成することで当該信号yに基づき一連のリーフレットを生成し、当該一連のリーフレットのうち少なくとも一部のリーフレットに基づき信号x’(例えば、原信号x)を再構成するための技術を提案するものである。
なお、図17に示す例は、例えば、L1ノルムの最小化問題を解くことにより、原信号xを完全に再構成することが可能である。即ち、図17に示す例においては、スパースな原信号xに対して、当該原信号xの信号長(N=16)に等しい数の方程式を必要とせず、例えば、9個の連立一次不定方程式に基づき完全に再構成可能な例を示している。
以上、図17を参照して、本実施形態に係る情報処理システムの実施例として、原信号x及び観測行列Aと、当該原信号x及び観測信号Aを基に圧縮センシングにより算出される信号yの具体的な一例について説明した。
<<4.変形例>>
続いて、本実施形態に係る情報処理システムの変形例について説明する。
<4.1.変形例1:原信号を再構成可能か否かの判断条件の一例>
まず、変形例1として、Rakerの役割を担うノード(例えば、復号処理装置400)が、リーフレットの回収結果に基づき、原信号xを再構成可能か否かについて判断するための条件の一例について説明する。
例えば、前述した参考文献1の著者であるCandesらにより、原信号xを完全復元するための十分条件として、以下に(式5)として示す条件が提示されている。
Figure 2018093325
上記(式5)において、pは観測行列Aの行数を示している。また、mは原信号xの信号長を示しており、Sはスパース度を示している。即ち、Candesらにより、観測行列Aの行数pが、上記(式5)に示す条件を満たすならば、L1最小化問題を利用することにより、原信号xの完全再現を十分に高い確率で達成されることが数学的に証明されている。
そのため、例えば、Rakerの役割を担うノードは、上記(式5)として示した条件に基づき、リーフレットの回収結果に応じて原信号xを再構成可能か否かを判断してもよい。
また、他の一例として、Rakerの役割を担うノードは、圧縮センシングの性質を利用することで、リーフレットの回収結果に応じて原信号xを再構成可能か否かを判断してもよい。
例えば、参考文献8:「大関真之、“今日からできるスパースモデリング”、[online]、平成28年3月3日、京都大学大学院情報研究学科 Adaptive System Theory Group、[平成28年11月1日検索]、インターネット<URL: http://www-adsys.sys.i.kyoto-u.ac.jp/mohzeki/Presentation/lecturenote20160304.pdf>」には、圧縮センシングの性質に関する情報が開示されている。具体的には、一般に観測行列Aが各成分の平均0、分散1のガウス分布Φから生成されるとき、以下に(式6)〜(式8)として示す条件を満たす曲線を境界として、L1ノルム最小化により非常に高い確率で原信号の推定に成功することが知られている。即ち、圧縮率αとスパース度ρとの間には、媒介変数τを介して、以下に(式6)〜(式8)として示す式を満たすことが分かっている。
Figure 2018093325
Figure 2018093325
Figure 2018093325
例えば、図18は、原信号xを再構成可能か否かを判断するための判断条件の一例について説明するための説明図である。図18において、横軸はスパース度ρを示しており、縦軸は圧縮率σを示している。図18において、曲線を境界として上側に位置するSuccess領域は、原信号xを再構成可能な条件に対応している。即ち、スパース度ρと圧縮率σとの条件に応じてプロットされるサンプルがSuccess領域に位置する場合には、原信号xを非常に高い確率で再構成することが可能となる。これに対して、曲線を境界として下側に位置するFailure領域は、原信号xを再構成することが困難な条件に対応している。
以上のような特性を利用し、Rakerの役割を担うノードは、リーフレットの回収結果が、図18に示すグラフ中のSuccess領域に位置するための条件を満たすか否かに応じて、原信号xを再構成可能か否かを判断してもよい。
なお、図18に示す条件はあくまで一例であり、Rakerの役割を担うノードが、リーフレットの回収結果に応じて原信号xを再構成可能か否かを判断するための条件は、必ずしも図18に示す例のみには限定されない。具体的な一例として、再構成の対象となるデータの種別によっては、許容されるPSNRの条件が異なる。図18に示す例では、Failure領域においても、曲線のより近傍に位置する程、PSNRがより低くなる傾向にある。そのため、例えば、Rakerの役割を担うノードは、許容されるPSNRがより高くなるほど、図18に示す例に比べて、原信号xを再構成可能か否かを判断するための条件をより緩和することも可能である。
以上、変形例1として、Rakerの役割を担うノードが、リーフレットの回収結果に基づき、原信号xを再構成可能か否かについて判断するための条件の一例について説明した。
<4.2.変形例2:システム構成の一例>
続いて、変形例2として、本実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例について説明する。
前述した実施形態では、例えば、図1を参照しながら、複数の情報処理装置100が一連のサーバ群10として動作することで、端末装置200に対してネットワークストレージサービス(例えば、クラウドストレージサービス)を提供する場合の一例について説明した。この場合には、Scatterの役割を担う情報処理装置100により元となるデータから生成された複数のリーフレットは、Holderの役割を担う複数の情報処理装置100に分散して保持されることとなる。また、データを復号する場合には、Rakerの役割を担う一部の情報処理装置100が、Holderの役割を担う他の情報処理装置100からリーフレットを回収し、当該リーフレットの回収結果に基づき元となるデータを復号(再構成)する。
一方で、複数の装置がネットワークを介して互いに情報を送受信可能であり、当該複数の装置に、Scatter、Holder、及びRakerそれぞれの役割を担う装置が含まれていれば、当該装置の種別は必ずしも図1に示す情報処理装置100のような所謂サーバのみには限定されない。例えば、図19は、変形例2に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示した図である。図19に示す例では、スマートフォン等のような端末装置200が、サーバ等のような情報処理装置100を介さずに、他の端末装置200との間でネットワークを構築している場合の一例である。より具体的な一例として、複数の端末装置200が、所謂アドホックネットワークを構築している場合が挙げられる。
このような場合には、参照符号10’として示された複数の端末装置200が、図1を参照して説明した一連のサーバ群10と同様に動作してもよい。具体的には、ネットワークを介して接続された複数の端末装置200のそれぞれが、「Scatter」、「Holder」、及び「Raker」の3つの役割のうち少なくともいずれかの役割を担えばよい。以上のような構成により、前述した実施形態と同様に、対象となるデータから生成されたリーフレットを複数の端末装置200に分散して保持させるとともに、複数の端末装置200からリーフレットを回収することで元となるデータを再構成することも可能となる。
以上、変形例2として、図19を参照して、本実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例について説明する。
<4.3.変形例3:Scatterの役割を担うストレージノードの動作の一例>
続いて、変形例3として、Scatterの役割を担うストレージノード(例えば、保持装置500)の動作の一例として、当該ストレージノードにRakerの機能を設けた場合の一例について説明する。
前述したように、Holderの役割を担うとともにScatterの役割をも担うストレージノードは、配信されたリーフレットを、他のストレージノードに配信してもよい。一方で、当該ストレージノードには、複数のリーフレットが保持される場合も想定され、保持されたリーフレットに基づき原信号xを再構成(復号)可能となる状況も想定され得る。
そこで、変形例3に係る情報処理システムでは、Holder及びScatterの役割を担うストレージノードのうち少なくとも一部に対してRakerの機能を設ける。なお、この場合には、Rakerの機能が設けられたストレージノードは、リーフレットの生成元となる観測行列Aを再構成可能とする。このような構成の基で、Rakerの機能が設けられたストレージノードは、自身が保持するリーフレット(即ち、配信されたリーフレット)に基づき原信号xを再構成したうえで、当該原信号xに基づきリーフレットを再生成し、再生成した当該リーフレットを他のストレージノードに配信してもよい。
前述したように、本実施形態に係る情報処理システムに依れば、原信号xから生成された全てのリーフレットが回収されていない場合においても、リーフレットの回収結果が所定の条件を満たせば、当該原信号xを完全復元可能な場合がある。このことは、Rakerの機能が設けられたストレージノードが原信号xを再構成する場合についても同様である。
以上のような構成により、変形例3に係る情報処理システムに依れば、原信号xから観測行列Aに基づき生成されるリーフレットの分散性及び拡散性をより向上させることが可能となる。そのため、例えば、Rakerの役割を担うノード(例えば、復号処理装置400)は、オリジナルの原信号xから生成されたリーフレットのみでは当該原信号xを再構成(復号)することが困難な場合においても、他のストレージノードにより再生成されたリーフレットの回収結果を補間することで、当該原信号xを再構成することが可能となる。即ち、変形例3に係る情報処理システムに依れば、Rakerの役割を担うノードにおける原信号xの再構成の可能性をより高めることが可能となる。
以上、変形例3として、Scatterの役割を担うストレージノードの動作の一例として、当該ストレージノードにRakerの機能を設けた場合の一例について説明した。
<<5.ハードウェア構成>>
次に、図20を参照しながら、本開示の一実施形態に係る情報処理システム1を構成する情報処理装置100(即ち、符号化処理装置300、復号処理装置400、及び保持装置500等)や端末装置200等のような情報処理装置900のハードウェア構成について、詳細に説明する。図20は、本開示の一実施形態に係る情報処理システムを構成する情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す機能ブロック図である。
本実施形態に係る情報処理システムを構成する情報処理装置900は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、情報処理装置900は、更に、ホストバス907と、ブリッジ909と、外部バス911と、インタフェース913と、入力装置915と、出力装置917と、ストレージ装置919と、ドライブ921と、接続ポート923と、通信装置925とを備える。
CPU901は、演算処理装置及び制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919又はリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般又はその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。なお、図14を参照して前述した、疑似乱数生成部301、観測行列生成部303、符号化処理部305、及びリーフレット生成部307や、観測行列再構成部405及び復号処理部407は、例えば、CPU901により実現され得る。
ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。また、外部バス911には、インタフェース913を介して、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート923及び通信装置925が接続される。
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、レバー及びペダル等、ユーザが操作する操作手段である。また、入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器929であってもよい。さらに、入力装置915は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。情報処理装置900のユーザは、この入力装置915を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置及びランプ等の表示装置や、スピーカ及びヘッドホン等の音声出力装置や、プリンタ装置等がある。出力装置917は、例えば、情報処理装置900が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、情報処理装置900が行った各種処理により得られた結果を、テキスト又はイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ等を格納する。なお、図14を参照して前述した回収メモリ403は、例えば、ストレージ装置919により実現され得る。
ドライブ921は、記録媒体用リーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体927は、例えば、DVDメディア、HD−DVDメディア又はBlu−ray(登録商標)メディア等である。また、リムーバブル記録媒体927は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CF:CompactFlash)、フラッシュメモリ又はSDメモリカード(Secure Digital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体927は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)又は電子機器等であってもよい。
接続ポート923は、情報処理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート923の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート等がある。接続ポート923の別の例として、RS−232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)ポート等がある。この接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、情報処理装置900は、外部接続機器929から直接各種のデータを取得したり、外部接続機器929に各種のデータを提供したりする。
通信装置925は、例えば、通信網(ネットワーク)931に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。通信装置925は、例えば、有線若しくは無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)又はWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置925は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ又は各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置925に接続される通信網931は、有線又は無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信又は衛星通信等であってもよい。なお、図14を参照して前述したリーフレット配信部309やリーフレット回収部401は、例えば、ストレージ装置919により実現され得る。
以上、本開示の実施形態に係る情報処理システムを構成する情報処理装置900の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。なお、図20では図示しないが、本実施形態に係る情報処理システムを構成する情報処理装置900に対応する各種の構成を当然備える。
なお、上述のような本実施形態に係る情報処理システムを構成する情報処理装置900の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。また、当該コンピュータプログラムを実行させるコンピュータの数は特に限定されない。例えば、当該コンピュータプログラムを、複数のコンピュータ(例えば、複数のサーバ等)が互いに連携して実行してもよい。なお、単数のコンピュータ、または、複数のコンピュータが連携するものを、「コンピュータシステム」とも称する。
<<6.むすび>>
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システムは、ネットワークを介して接続された複数のノード(例えば、情報処理装置100)を含み、当該複数のノードのそれぞれが、「Scatter」、「Holder」、及び「Raker」の3つの役割のうち少なくともいずれかの役割を担う。このような構成の基で、Scatterの役割を担うノード(例えば、符号化処理装置300)は、元となるデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含むスパースな原信号xを、所定の条件に応じて生成された観測行列Aに基づき符号化することで、原信号xよりも信号長の短い信号yを生成する。また、Scatterの役割を担うノードは、信号yの各信号要素(Y値)に対して、当該信号要素の当該信号y中の位置を示す情報(Y座標)を関連付けることで1以上のリーフレットyを生成する。そして、Scatterの役割を担うノードは、生成した1以上のリーフレットyそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の他のノード(即ち、Holderの役割を担うストレージノード)に送信する。ここで、元なるデータが、「第1のデータ」の一例に相当し、原信号xが「第1の信号」の一例に相当する。また、信号yが「第2の信号」の一例に相当し、リーフレットyが「第2のデータ」の一例に相当する。
また、Rakerの役割を担うノード(例えば、復号処理装置400)は、ネットワークを介して接続された1以上のノード(即ち、Holderの役割を担うストレージノード)から、1以上のリーフレットyを取得する。そして、Rakerの役割を担うノードは、取得した1以上のリーフレットyと、観測行列Aの各行成分のうち少なくとも当該リーフレットyに関連付けられた信号要素(Y値)に対応する行成分に応じた制約条件と、に基づき元となるデータを復号する。なお、このときRakerの役割を担うノードは、上述したように、必ずしも元となるデータが符号化されることで生成されたすべてのリーフレットyを回収する必要がなく、所定の条件を満たせば一部のリーフレットのみからでも元となるデータを再構成することが可能である。
以上のような構成により、本実施形態に係る情報処理システムに依れば、リーフレットyの配信元となるノードは、どの配信先(ストレージノード)に各リーフレットyが存在するかを認識する必要が無くなる。また、各ストレージノードは、他の装置の状態に依存することなく、独立して動作することが可能である。また、リーフレットyから原信号x(ひいては、元となるデータ)の再構成には、当該リーフレットyの生成時に使用した符号化のための情報(乱数)を要し、リーフレットyのみでは原信号xを再構成することが困難であるため、情報の秘匿性を担保することが可能である。また、原信号x(ひいては、元となるデータ)の再構成時に、必ずしもリーフレットが配信されたすべてのストレージノードが動作している必要はないため、個々のストレージノードの保守を、他のストレージノードに依存することなく独立して行うことが可能となる。即ち、本実施形態に係る情報処理システムに依れば、各種データの保存先としてネットワーク上の記憶領域(即ち、ストレージノード)が利用される状況下において、システムの運用の継続性と運用コストの低減とをより好適な態様で両立することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、前述したように、本実施形態に係る情報処理システムは、スパース度や圧縮率の条件を満たせば、画像に限らず多様なデータに対して適用することが可能である。具体的な一例として、ファクシミリ等のように文字情報等を画像化したデータや、音響(音声、楽曲等)等のような一般的なコーデックに使われるデータは、冗長度が比較的高く、データの相関性も比較的高い。そのため、本実施形態に係る情報処理システムのように、Total varianceを使ったコスト関数に基づき最小化を行うことで、データの再現(復元)がよりしやすい傾向にある。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
第1のデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含む第1の信号を、所定の条件に応じて生成された行列に基づき、前記第1の信号よりも信号長の短い第2の信号に符号化する信号処理部と、
前記第2の信号の各信号要素に対して、当該第2の信号中における当該信号要素の位置を示す情報が関連付けることで、1以上の第2のデータを生成するデータ生成部と、
生成された1以上の前記第2のデータそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の装置に送信する送信部と、
を備える、情報処理装置。
(2)
前記データ生成部は、前記第2のデータに対して、送信元を示す情報を関連付ける、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記データ生成部は、前記第2のデータに対して、前記行列の各行成分のうち当該第2のデータに関連付けられた前記信号要素に対応する行成分を特定するための識別情報を関連付ける、前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記データ生成部は、前記第2のデータに対して、前記行列を特定するための識別情報を関連付ける、前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(5)
前記第2の信号の信号長は、前記第1の信号の信号長と、前記第1のデータに応じた圧縮率と、に基づき決定される、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(6)
前記第1の信号は、前記第1のデータを入力とした所定の演算処理に基づき生成される、前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(7)
前記行列は、乱数の算出結果に基づき生成される、前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(8)
前記データ生成部は、複数の前記第2のデータを生成し、
前記送信部は、生成された複数の前記第2のデータのそれぞれを、複数の前記装置のうち少なくともいずれかの装置に送信する、
前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(9)
前記第1のデータは、画像データである、前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(10)
第1のデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含む第1の信号が、所定の条件に応じて生成された行列に基づき符号化された、前記第1の信号よりも信号長の短い第2の信号の各信号要素のうち少なくとも一部の信号要素に対して、当該第2の信号中における当該信号要素の位置を示す情報が関連付けられた1以上の第2のデータそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の装置から取得する取得部と、
取得された1以上の前記第2のデータと、前記行列の各行成分のうち少なくとも当該第2のデータに関連付けられた前記信号要素に対応する行成分に応じた制約条件と、に基づき、前記第1のデータを復号する信号処理部と、
を備える、情報処理装置。
(11)
前記取得部は、共通の送信元を示す情報が関連付けられた1以上の前記第2のデータを、前記1以上の装置から取得する、前記(10)に記載の情報処理装置。
(12)
前記信号処理部は、前記第1の信号における前記非ゼロ成分の数と前記ゼロ成分の数とに基づく係数と、前記第1の信号の信号長と前記第2の信号の信号長とに基づく圧縮率と、前記第2のデータの取得結果に応じた前記信号要素の数と、に基づき、前記第1のデータを復号することが可能か否かを判定する、前記(10)または(11)に記載の情報処理装置。
(13)
前記信号処理部は、前記係数と、前記圧縮率と、前記取得結果に応じた前記信号要素の数と、前記第1のデータの復号に対して許容される信号対雑音比と、に基づき、前記第1のデータを復号することが可能か否かを判定する、前記(12)に記載の情報処理装置。
(14)
前記信号処理部は、前記第2のデータに関連付けられた識別情報に基づき、前記行列のうち少なくとも当該第2のデータに関連付けられた前記信号要素に対応する行成分を特定する、前記(10)〜(13)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(15)
前記信号処理部は、前記第2のデータに関連付けられた識別情報に基づき、前記行列を特定する、前記(10)〜(13)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(16)
前記取得部は、ネットワークを介して接続された複数の装置それぞれから、複数の前記第2のデータのうち少なくとも一部の前記第2のデータを取得する、前記(10)〜(15)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(17)
コンピュータが、
第1のデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含む第1の信号を、所定の条件に応じて生成された行列に基づき、前記第1の信号よりも信号長の短い第2の信号に符号化することと、
前記第2の信号の各信号要素に対して、当該第2の信号中における当該信号要素の位置を示す情報が関連付けられた1以上の第2のデータそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の装置に送信することと、
を含む、情報処理方法。
(18)
コンピュータが、
第1のデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含む第1の信号が、所定の条件に応じて生成された行列に基づき符号化された、前記第1の信号よりも信号長の短い第2の信号の各信号要素のうち少なくとも一部の信号要素に対して、当該第2の信号中における当該信号要素の位置を示す情報が関連付けられた1以上の第2のデータそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の装置から取得することと、
取得された1以上の前記第2のデータと、前記行列に応じた制約条件と、に基づき、前記第1のデータを復号することと、
を含む、情報処理方法。
(19)
コンピュータに、
第1のデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含む第1の信号を、所定の条件に応じて生成された行列に基づき、前記第1の信号よりも信号長の短い第2の信号に符号化することと、
前記第2の信号の各信号要素に対して、当該第2の信号中における当該信号要素の位置を示す情報が関連付けられた1以上の第2のデータそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の装置に送信することと、
を実行させるプログラムが記録された記録媒体。
(20)
コンピュータに、
第1のデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含む第1の信号が、所定の条件に応じて生成された行列に基づき符号化された、前記第1の信号よりも信号長の短い第2の信号の各信号要素のうち少なくとも一部の信号要素に対して、当該第2の信号中における当該信号要素の位置を示す情報が関連付けられた1以上の第2のデータそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の装置から取得することと、
取得された1以上の前記第2のデータと、前記行列に応じた制約条件と、に基づき、前記第1のデータを復号することと、
を実行させるプログラムが記録された記録媒体。
1 情報処理システム
100 情報処理装置
200 端末装置
250 撮像部
300 符号化処理装置
301 疑似乱数生成部
303 観測行列生成部
305 符号化処理部
307 リーフレット生成部
309 リーフレット配信部
400 復号処理装置
401 リーフレット回収部
403 回収メモリ
405 観測行列再構成部
407 復号処理部
500 保持装置

Claims (20)

  1. 第1のデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含む第1の信号を、所定の条件に応じて生成された行列に基づき、前記第1の信号よりも信号長の短い第2の信号に符号化する信号処理部と、
    前記第2の信号の各信号要素に対して、当該第2の信号中における当該信号要素の位置を示す情報が関連付けることで、1以上の第2のデータを生成するデータ生成部と、
    生成された1以上の前記第2のデータそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の装置に送信する送信部と、
    を備える、情報処理装置。
  2. 前記データ生成部は、前記第2のデータに対して、送信元を示す情報を関連付ける、請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記データ生成部は、前記第2のデータに対して、前記行列の各行成分のうち当該第2のデータに関連付けられた前記信号要素に対応する行成分を特定するための識別情報を関連付ける、請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 前記データ生成部は、前記第2のデータに対して、前記行列を特定するための識別情報を関連付ける、請求項1に記載の情報処理装置。
  5. 前記第2の信号の信号長は、前記第1の信号の信号長と、前記第1のデータに応じた圧縮率と、に基づき決定される、請求項1に記載の情報処理装置。
  6. 前記第1の信号は、前記第1のデータを入力とした所定の演算処理に基づき生成される、請求項1に記載の情報処理装置。
  7. 前記行列は、乱数の算出結果に基づき生成される、請求項1に記載の情報処理装置。
  8. 前記データ生成部は、複数の前記第2のデータを生成し、
    前記送信部は、生成された複数の前記第2のデータのそれぞれを、複数の前記装置のうち少なくともいずれかの装置に送信する、
    請求項1に記載の情報処理装置。
  9. 前記第1のデータは、画像データである、請求項1に記載の情報処理装置。
  10. 第1のデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含む第1の信号が、所定の条件に応じて生成された行列に基づき符号化された、前記第1の信号よりも信号長の短い第2の信号の各信号要素のうち少なくとも一部の信号要素に対して、当該第2の信号中における当該信号要素の位置を示す情報が関連付けられた1以上の第2のデータそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の装置から取得する取得部と、
    取得された1以上の前記第2のデータと、前記行列の各行成分のうち少なくとも当該第2のデータに関連付けられた前記信号要素に対応する行成分に応じた制約条件と、に基づき、前記第1のデータを復号する信号処理部と、
    を備える、情報処理装置。
  11. 前記取得部は、共通の送信元を示す情報が関連付けられた1以上の前記第2のデータを、前記1以上の装置から取得する、請求項10に記載の情報処理装置。
  12. 前記信号処理部は、前記第1の信号における前記非ゼロ成分の数と前記ゼロ成分の数とに基づく係数と、前記第1の信号の信号長と前記第2の信号の信号長とに基づく圧縮率と、前記第2のデータの取得結果に応じた前記信号要素の数と、に基づき、前記第1のデータを復号することが可能か否かを判定する、請求項10に記載の情報処理装置。
  13. 前記信号処理部は、前記係数と、前記圧縮率と、前記取得結果に応じた前記信号要素の数と、前記第1のデータの復号に対して許容される信号対雑音比と、に基づき、前記第1のデータを復号することが可能か否かを判定する、請求項12に記載の情報処理装置。
  14. 前記信号処理部は、前記第2のデータに関連付けられた識別情報に基づき、前記行列のうち少なくとも当該第2のデータに関連付けられた前記信号要素に対応する行成分を特定する、請求項10に記載の情報処理装置。
  15. 前記信号処理部は、前記第2のデータに関連付けられた識別情報に基づき、前記行列を特定する、請求項10に記載の情報処理装置。
  16. 前記取得部は、ネットワークを介して接続された複数の装置それぞれから、複数の前記第2のデータのうち少なくとも一部の前記第2のデータを取得する、請求項10に記載の情報処理装置。
  17. コンピュータが、
    第1のデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含む第1の信号を、所定の条件に応じて生成された行列に基づき、前記第1の信号よりも信号長の短い第2の信号に符号化することと、
    前記第2の信号の各信号要素に対して、当該第2の信号中における当該信号要素の位置を示す情報が関連付けられた1以上の第2のデータそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の装置に送信することと、
    を含む、情報処理方法。
  18. コンピュータが、
    第1のデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含む第1の信号が、所定の条件に応じて生成された行列に基づき符号化された、前記第1の信号よりも信号長の短い第2の信号の各信号要素のうち少なくとも一部の信号要素に対して、当該第2の信号中における当該信号要素の位置を示す情報が関連付けられた1以上の第2のデータそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の装置から取得することと、
    取得された1以上の前記第2のデータと、前記行列に応じた制約条件と、に基づき、前記第1のデータを復号することと、
    を含む、情報処理方法。
  19. コンピュータに、
    第1のデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含む第1の信号を、所定の条件に応じて生成された行列に基づき、前記第1の信号よりも信号長の短い第2の信号に符号化することと、
    前記第2の信号の各信号要素に対して、当該第2の信号中における当該信号要素の位置を示す情報が関連付けられた1以上の第2のデータそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の装置に送信することと、
    を実行させるプログラムが記録された記録媒体。
  20. コンピュータに、
    第1のデータに基づく1以上の非ゼロ成分と、1以上のゼロ成分と、を含む第1の信号が、所定の条件に応じて生成された行列に基づき符号化された、前記第1の信号よりも信号長の短い第2の信号の各信号要素のうち少なくとも一部の信号要素に対して、当該第2の信号中における当該信号要素の位置を示す情報が関連付けられた1以上の第2のデータそれぞれを、ネットワークを介して接続された1以上の装置から取得することと、
    取得された1以上の前記第2のデータと、前記行列に応じた制約条件と、に基づき、前記第1のデータを復号することと、
    を実行させるプログラムが記録された記録媒体。
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