JP2014036436A - 情報伝送装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】計算コストを増大させることなく、安定した復号が可能で、分散システムにも適用させる。
【解決手段】乱数生成部16が、予め定めた乱数発生器及び乱数シードSを用いて乱数列を生成し、観測行列生成部18が、乱数列の各値をシフト量として、各行及び各列の非零の要素を表す行重み及び列重みが共に1の基本行列を巡回置換した巡回置換行列を生成し、これらの巡回置換行列を横方向にwR個並べることにより、行重みwR及び列重み1の基本符号化行列を生成し、基本符号化行列を縦方向にwC個並べることにより、行重みwR及び列重みwCの観測行列Φを生成し、圧縮センシング符号化部20が、入力ベクトルθに観測行列Φを掛け合わせて符号化ベクトルνを生成し、パケット生成部22が、パケット伝送方式に応じて定まるパケットサイズに応じて、かつ観測行列Φを構成する基本符号化行列の単位で、符号化ベクトルνを分割した分割パケットを生成する。
【選択図】図1
【解決手段】乱数生成部16が、予め定めた乱数発生器及び乱数シードSを用いて乱数列を生成し、観測行列生成部18が、乱数列の各値をシフト量として、各行及び各列の非零の要素を表す行重み及び列重みが共に1の基本行列を巡回置換した巡回置換行列を生成し、これらの巡回置換行列を横方向にwR個並べることにより、行重みwR及び列重み1の基本符号化行列を生成し、基本符号化行列を縦方向にwC個並べることにより、行重みwR及び列重みwCの観測行列Φを生成し、圧縮センシング符号化部20が、入力ベクトルθに観測行列Φを掛け合わせて符号化ベクトルνを生成し、パケット生成部22が、パケット伝送方式に応じて定まるパケットサイズに応じて、かつ観測行列Φを構成する基本符号化行列の単位で、符号化ベクトルνを分割した分割パケットを生成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、情報伝送装置及びプログラムに係り、特に、圧縮センシング技術を用いた情報伝送装置及びプログラムに関する。
従来、周波数領域に疎である性質を持つ信号の圧縮と復元を行うために、AD変換部と、ランダム測定行列生成パラメータの生成と、重み付け行列生成パラメータの生成を行なう制御部と、ランダム測定行列生成パラメータに基づきランダム測定行列を生成するランダム測定行列生成部と、重み付け行列生成パラメータに基づき重み付け行列を生成する重み付け行列生成部と、重み付け行列とランダム測定行列を用いて重み付け測定行列を生成する重み付け測定行列生成部と、重み付け測定行列を用いてAD変換部から出力されるデジタル信号の圧縮を行う圧縮センシング部と、圧縮されたデジタル信号を重み付け測定行列を用いてデジタル信号の復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を制御部に通知する信号復元部とを具備する信号処理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、信号xを再構築するための方法であって、測定値yiのベクトルyとして信号xを測定するステップであって、測定値yiは歪みを受け、各測定値yiは、関連した値を有するものと、関連した値に従ってベクトルyにおける測定値yiを順序付けるステップであって、各ソートされた測定値は、順序付けられたインデックスシーケンスを形成する順序付けに対応するインデックスを有するものと、順序付けられたインデックスシーケンスに再構築方法を適用するステップであって、信号xの推定値x^を生成し、信号xはスパースであるものと、を含むスパース信号を再構築するための方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、データの再構成に関する方法として、ベイズ推定を用いた高速な再構成アルゴリズムや、更なる高速化を図るために、疎な観測行列による観測とBP(Belief Propagation)アルゴリズムとによる再構成手法が提案されている。また、誤り訂正符号で用いられている手法を利用することで、特性の良い観測行列を生成する手法が提案されている(例えば、非特許文献1〜3参照)。
Shihao Ji, Ya Xue, and Lawrence Carin, "Bayesian Compressive Sensing," IEEE Trans. Signal. Process., vol.56, no.6, pp.2346-2356, 2008.
Dror Baron, Shriram Sarvatham, and Richard G. Baraniuk, "Bayesian Compressive Sensing Via Belief Propagation," IEEE Trans. Signal. Process., vol.58, no.1, pp.269-279, 2010.
Mehmet Akcakaya Jinsoo Park, and Vahid Tarokh, "A Coding Theory Approach to Noisy Compressive Sensing Using Low Density Frames," IEEE Trans. Signal. Process., vol.59, no.11, pp.5369-5379, 2011.
しかしながら、上記特許文献1の技術は、再構成時の品質を向上させるための観測行列の生成方法の発明であり、生成にランダムパターンとパラメータによる重み付けとを併用している。この重み付けのためのパラメータは中央局から取得する必要があり、分散化されたシステムには適用することができない、という問題がある。
また、上記特許文献2の技術も、再構成時の品質を向上させるための手法であり、観測された測定値を順序付けすることで再構成品質の向上を狙ったものである。しかし、測定値の順序付けのためのソート作業が必要であり、計算コストが大きくなる、という問題がある。
また、上記非特許文献1の技術は、観測行列については特別な対策を行っていないため、行列が密であり、十分な高速化が図れない、という問題がある。
また、上記非特許文献2の技術は、通信品質が考慮されていないため、通信品質が悪い場合、すなわち復号のためのデータが少ない場合には、復号が安定しない、という問題がある。
また、上記非特許文献3の技術は、観測行列の生成そのものに大きな計算コストがかかる、という問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、計算コストを増大させることなく、安定した復号が可能で、分散システムにも適用可能な情報伝送装置及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の発明の情報伝送装置は、行重み及び列重みが共に1の基本行列を乱数列に基づいて巡回置換させた複数の行列を、入力情報のサイズ及び圧縮率に基づいて並べて観測行列を生成する符号化時観測行列生成手段と、前記符号化時観測行列生成手段により生成された観測行列を用いて、前記入力情報を符号化する符号化手段と、前記符号化手段により符号化された符号化情報を含むパケットを、行重み及び列重みが一定となる単位で、かつ伝送方式に応じたサイズに分割して伝送する伝送手段と、を含んで構成されている。
第1の発明の情報伝送装置によれば、符号化時観測行列生成手段が、行重み及び列重みが共に1の基本行列を乱数列に基づいて巡回置換させた複数の行列を、入力情報のサイズ及び圧縮率に基づいて並べて観測行列を生成する。このように生成された観測行列は、行重み及び列重みがいずれの位置においても一定となる。そして、符号化手段が、符号化時観測行列生成手段により生成された観測行列を用いて、入力情報を符号化し、伝送手段が、符号化手段により符号化された符号化情報を含むパケットを、行重み及び列重みが一定となる単位で、かつ伝送方式に応じたサイズに分割して伝送する。行重み及び列重みが一定となる単位とは、基本行列の行数に対応した単位である。
このように、基本行列を乱数列に基づいて巡回置換させて、行重み及び列重みが一定となる観測行列を生成し、行重み及び列重みが一定となる単位で符号化情報を分割したパケットを生成するため、計算コストを増大させることなく、安定した復号が可能で、分散システムにも適用可能となる。
また、第1の発明の情報伝送装置は、乱数シードを初期値として、前記符号化時観測行列生成手段で用いる乱数列を生成する符号化時乱数生成手段を含んで構成することができ、前記伝送手段は、前記パケットに前記乱数シードを付加することができる。これにより、送信側及び受信側で同一の乱数生成器を用いることにより、観測行列生成のための情報として乱数シードのみを付加すればよく、伝送する情報量を削減することができる。
また、第2の発明の情報伝送装置は、伝送されたパケットを取得する取得手段と、行重み及び列重みが共に1の基本行列を乱数列に基づいて巡回置換させた複数の行列を並べた観測行列であって、符号化時に用いた観測行列と同一の観測行列を生成する復号時観測行列生成手段と、前記復号時観測行列生成手段により生成された観測行列を用いて、前記取得手段により取得したパケットに含まれる符号化情報を復号する復号手段と、を含んで構成されている。
第2の発明の情報伝送装置によれば、取得手段が、伝送されたパケットを取得し、復号時観測行列生成手段が、行重み及び列重みが共に1の基本行列を乱数列に基づいて巡回置換させた複数の行列を並べた観測行列であって、符号化時に用いた観測行列と同一の観測行列を生成し、復号手段が、復号時観測行列生成手段により生成された観測行列を用いて、前記取得手段により取得したパケットに含まれる符号化情報を復号する。
このように、送信側の情報伝送装置に応じた復号を行うことで、計算コストを増大させることなく、安定した復号が可能で、分散システムにも適用可能となる。
また、第2の発明において、前記取得手段は、前記復号時観測行列生成手段で用いる乱数列を発生するための乱数シードを含むパケットを取得し、前記乱数シードを初期値として、前記復号時観測行列生成手段で用いる乱数列を発生する復号時乱数発生手段を含んで構成することができる。これにより、送信側及び受信側で同一の乱数生成器を用いることにより、観測行列生成のための情報として乱数シードのみを付加すればよく、伝送する情報量を削減することができる。
また、第3の発明の情報伝送プログラムは、コンピュータを、上記の情報伝送装置を構成する各手段として機能させるためのプログラムである。
以上説明したように、本発明の情報伝送装置及びプログラムによれば、基本行列を乱数列に基づいて巡回置換させて、行重み及び列重みが一定となる観測行列を生成し、行重み及び列重みが一定となる単位で符号化情報を分割したパケットを生成するため、計算コストを増大させることなく、安定した復号が可能で、分散システムにも適用可能となる、という効果が得られる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、本実施の形態では、複数の端末間で無線通信を行って、情報の符号化、伝送、及び復号を行う情報伝送システムにおける各端末に、本発明の情報伝送装置を適用した場合を例に説明する。以下では、送信側の情報伝送装置を送信側情報伝送装置、受信側の情報伝送装置を受信側情報伝送装置として、各々について説明する。
まず、送信側情報伝送装置10は、送信側情報伝送装置10全体の制御を司るCPU、後述する送信側処理ルーチンのプログラム等を記憶した記憶媒体としてのROM、ワークエリアとしてデータを一時格納するRAM、及びこれらを接続するバスを含んで構成されている。このような構成の場合には、各構成要素の機能を実現するためのプログラムをROMに記憶しておき、これをCPUが実行することによって、各機能が実現されるようにする。
このコンピュータをハードウエアとソフトウエアとに基づいて定まる機能実現手段毎に分割した機能ブロックで説明すると、図1に示すように、周波数変換部12と、1次元変換部14と、乱数生成部16と、観測行列生成部18と、圧縮センシング符号化部20と、パケット生成部22とを含んだ構成で表すことができる。なお、パケット生成部22は本発明の伝送手段の一例である。
周波数変換部12は、入力された空間領域の情報である2次元の入力画像を、例えば、離散コサイン変換やウェーブレット変換を用いて、2次元の周波数領域の情報に変換する。
1次元変換部14は、周波数変換部12で変換された2次元の周波数領域の情報を、1次元の入力ベクトルθに変換する。例えば、入力画像が512×512画素の場合、入力ベクトルθは、512×512=262144(約26万)の要素を持つベクトルとなる。
乱数生成部16は、予め定めた乱数発生器に所定の乱数シードSを初期値として入力し、後述する観測行列生成部18で必要な長さの乱数列を生成する。乱数シードは、端末毎に予め定めた値としてもよいし、時刻や端末の位置に応じた値を取得して用いるようにしてもよい。
観測行列生成部18は、各行及び各列の非零の要素を表す行重み及び列重みが共に1の基本行列を、乱数生成部16により生成された乱数列に基づいて巡回置換させて複数の行列を生成し、この複数の行列を入力ベクトルθのサイズ及び圧縮率に基づいて並べることにより、入力ベクトルθを圧縮センシングにより符号化するための観測行列Φを生成する。観測行列ΦはM×Nの行列で、Mは入力ベクトルθの符号化後の要素数、すなわち入力ベクトルθの要素数×圧縮率であり、Nは入力ベクトルθの要素数である。
図2を参照して、観測行列の生成についてより具体的に説明する。図2に示すように、乱数生成部16から発生された乱数列の各値をシフト量として、基本行列を巡回置換した巡回置換行列を生成する。基本行列は、例えば単位行列とすることができる。これらの巡回置換行列を横方向にwR個並べることにより、行重みwR及び列重み1の基本符号化行列を生成する。また、圧縮率をa(a=M/N=wC/wR)とした場合、基本符号化行列を縦方向にwC個並べることにより、行重みwR及び列重みwCの観測行列を生成する。wR=8、圧縮率a=0.5(50%)とした場合の観測行列の一例を図3に示す。図3の例では、基本行列(各巡回置換行列)のサイズを表示の簡略化のため5×5としているが、実際には、基本行列のサイズ(行数及び列数)はN/wRとする。なお、観測行列のサイズ(M×N)は巨大であるので、観測行列のインデックス(1の場所)のみを情報として保持しておくようにするとよい。
このように生成された観測行列は、図4に示すように、いずれの位置においても行重みがwR、列重みがwCで一定となる。一方、従来手法のように、行重みが一定となるように乱数を発生させて観測行列を生成する場合には、図5に示すように、列重みに偏りが生じてしまい、この偏り解消するためのチェックに計算コストを要するため、トータルの計算コストが大きくなる。
より具体的には、従来手法による観測行列の生成では、(1)wR×M個の乱数[1,N]を生成、及び(2)行毎に重複する乱数をチェック(ソート:O(wRlogwR)、比較:wR−1)という処理が必要であり、トータルの計算量はO(wRMlogwR)となる。一方、本実施の形態の手法による観測行列の生成では、(1)巡回置換のためのwC×wR個の乱数[1,N/wR]の生成、及び(2)巡回置換行列を生成してwR×M個の要素を設定という処理を行うため、トータルの計算量は、O(wRM)である。このように、本実施の形態によれば、従来手法に比べて、観測行列生成の計算コストを削減することができる。
圧縮センシング符号化部20は、1次元変換部14で変換された入力ベクトルθに、観測行列生成部18で生成された観測行列Φを掛け合わせて、符号化ベクトルνを生成する。符号化ベクトルνは、N×圧縮率の要素数の1次元ベクトルである。
パケット生成部22では、パケット伝送方式に応じて定まるパケットサイズに応じて、圧縮センシング符号化部20で符号化された符号化ベクトルνを分割する。このとき、観測行列Φを構成する基本符号化行列の単位で符号化ベクトルνを分割する。基本符号化行列の単位で分割するとは、符号化ベクトルνを、基本符号化号列の行数の倍数毎に分割することである。例えば、図6に示すように、観測行列Φが、(5×5)の巡回置換行列を4つ横に並べた基本符号化行列を、縦に3つ並べて構成されている場合、符号化ベクトルνを5要素ずつに分割して、それぞれ、パケット1、2、3を生成することができる。なお、この例は、1パケットのデータ量が最小になる例であるが、1パケットにより多くのデータを含めることができる場合には、5×2要素ずつ、5×3要素ずつのように分割してもよい。
従来手法のようにランダムに観測行列を生成した場合には、図5に示したように、列重みに偏りが生じるため、パケット分割を行った場合には、各パケットに対応する観測行列の分割部分に偏りが生じる。このような場合には、受信側で各パケットを取得する際に、通信状況の悪化などにより一部のパケットを取得できなかった場合には、収集されたデータに偏りが生じることになり、安定したデータの復元を行うことができない。
一方、図4に示したように、本実施の形態において生成される観測行列は、行重みwR及び列重みwCがいずれの位置においても一定であるため、基本符号化行列を単位として符号化ベクトルνを分割した場合には、観測行列の各分割部分の行重み及び列重みも一定となる。このため、受信側で一部のパケットを取得できなかった場合でも、取得できたパケットが偏りのない情報を有しているため、安定したデータの復元を行うことができる。
また、パケット生成部22は、分割した符号化ベクトルを含む各パケットに、乱数生成部16で用いた乱数シードの情報を付加する。さらに、パケット番号、入力画像のサイズや識別情報等の必要な情報を各パケットに付加して、図示しない送信手段を介して各パケットを伝送する。
次に、受信側情報伝送装置30は、受信側情報伝送装置30全体の制御を司るCPU、後述する受信側処理ルーチンのプログラム等を記憶した記憶媒体としてのROM、ワークエリアとしてデータを一時格納するRAM、及びこれらを接続するバスを含んで構成されている。このような構成の場合には、各構成要素の機能を実現するためのプログラムをROMに記憶しておき、これをCPUが実行することによって、各機能が実現されるようにする。
このコンピュータをハードウエアとソフトウエアとに基づいて定まる機能実現手段毎に分割した機能ブロックで説明すると、図7に示すように、パケット解析部32と、乱数生成部34と、観測行列生成部36と、圧縮センシング復号部38と、2次元変換部40と、周波数逆変換部42とを含んだ構成で表すことができる。なお、パケット解析部32は本発明の取得手段の一例である。
パケット解析部32は、図示しない受信手段を介して分割されて伝送された各パケットを受信し、各パケットの内容を解析して、パケットに含まれる分割された符号化ベクトルν’を圧縮センシング復号部38へ、乱数シードSを乱数生成部34へ受け渡す。
乱数生成部34は、送信側情報伝送装置10の乱数生成部16の乱数発生器と同一の乱数発生器に、パケット解析部32から受け取った乱数シードSを初期値として入力して、乱数列を生成する。これにより、送信側情報伝送装置10の乱数生成部16と同一の乱数列が生成される。
観測行列生成部36は、乱数生成部34により生成された乱数列、及び送信側情報伝送装置10の観測行列生成部18と同一の基本行列、及び同一の圧縮率を用いて、観測行列Φを生成する。観測行列Φの生成方法の詳細は、送信側情報伝送装置10の観測行列生成部18と同様であり、送信側情報伝送装置10の観測行列生成部18で生成される観測行列と同一の観測行列が生成される。
圧縮センシング復号部38は、1つの入力画像を基にした複数の分割パケットが収集されると、観測行列生成部36で生成された観測行列Φを用いて、収集された符号化ベクトルν’を復号して、復号ベクトルθ’を得る。上述のように、一部の分割パケットが取得できなかった場合でも復号は可能であり、特に、本実施の形態では、一部の分割パケットが取得できない場合でも、安定した復号が可能である。
2次元変換部40は、圧縮センシング復号部38で復号された1次元の復号ベクトルθ’を、入力画像の縦横サイズに応じた2次元の情報に変換する。
周波数逆変換部42は、2次元変換部40で変換された周波数領域の2次元の情報を、例えば、離散コサイン変換やウェーブレット変換を用いた逆変換により、2次元の空間領域の情報(復元画像)に変換して、出力する。
次に、図8を参照して、送信側情報伝送装置10において実行される送信側処理ルーチンについて説明する。
ステップ100で、空間領域の情報である2次元の入力画像を取得し、次に、ステップ102で、周波数変換部12が、入力画像を2次元の周波数領域の情報に変換する。次に、ステップ104で、1次元変換部14が、上記ステップ102で変換された2次元の周波数領域の情報を、1次元の入力ベクトルθに変換する。
次に、ステップ106で、乱数生成部16が、予め定めた乱数発生器に所定の乱数シードSを初期値として入力し、乱数列を生成する。
次に、ステップ108で、観測行列生成部18が、上記ステップ106で生成された乱数列の各値をシフト量として、各行及び各列の非零の要素を表す行重み及び列重みが共に1の基本行列を巡回置換した巡回置換行列を生成し、これらの巡回置換行列を横方向にwR個並べることにより、行重みwR及び列重み1の基本符号化行列を生成する。
次に、ステップ110で、観測行列生成部18が、基本符号化行列を縦方向にwC個並べることにより、行重みwR及び列重みwCの観測行列Φを生成する。
次に、ステップ112で、圧縮センシング符号化部20が、上記ステップ104で変換された入力ベクトルθに、上記ステップ110で生成された観測行列Φを掛け合わせて、符号化ベクトルνを生成する。
次に、ステップ114で、パケット生成部22が、パケット伝送方式に応じて定まるパケットサイズに応じて、かつ観測行列Φを構成する基本符号化行列の単位で、上記ステップ112で符号化された符号化ベクトルνを分割し、分割した符号化ベクトルを含む各パケットに、上記ステップ106で用いた乱数シードの情報、その他必要な情報を付加して、各分割パケットを生成し、次に、ステップ116で、生成した分割パケットを送信して、送信側処理ルーチンを終了する。
次に、図9を参照して、受信側情報伝送装置30において実行される受信側処理ルーチンについて説明する。
ステップ120で、パケット解析部32が、図示しない受信手段を介して受信した分割パケットを取得し、次に、ステップ122で、各分割パケットの内容を解析して、パケットに含まれる分割された符号化ベクトルν’を圧縮センシング復号部38へ、乱数シードSを乱数生成部34へ受け渡す。
次に、ステップ124で、乱数生成部34が、パケット解析部32から受け取った乱数シードSを初期値として、送信側処理ルーチンのステップ106と同一の処理により、ステップ106と同一の乱数列を生成する。次に、ステップ126及び128で、送信側処理ルーチンのステップ108及び110と同一の処理により、観測行列Φを生成する。
次に、ステップ130で、圧縮センシング復号部38が、上記ステップ128で生成された観測行列Φを用いて、収集された符号化ベクトルν’を復号して、復号ベクトルθ’を得る。
次に、ステップ132で、2次元変換部40が、上記ステップ130で復号された1次元の復号ベクトルθ’を、入力画像の縦横サイズに応じた2次元の情報に変換し、次に、ステップ134で、周波数逆変換部42が、上記ステップ132で変換された周波数領域の2次元の情報を、2次元の空間領域の情報(復元画像)に変換して、次に、ステップ136で、復元画像を出力して、受信側処理ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施の形態の情報伝送装置によれば、行重み及び列重みが一定となる観測行列を生成し、行重み及び列重みが一定となる単位で符号化情報を分割したパケットを生成するため、受信側で一部のパケットを取得できなかった場合でも、計算コストを増大させることなく、安定した復号が可能となる。
また、上記の観測行列を、基本行列を乱数により巡回置換して生成するため、容易かつ高速な処理が可能となる。
また、観測行列の生成に乱数を用いることで、符号化の都度観測行列を変更することができる。すなわち、分散化システムに適用することができる。
ここで、図10に、乱数により観測行列を生成する従来手法(上段)及び本実施の形態の手法(下段)における復元画像の一例を示す。図10の例では、圧縮率を25%としている。また、左から順に、(行重みwR,列重みwC)=(8,2)、(16,4)、(32,8)としている。また、図11に、従来手法(上段)及び本実施の形態の手法(下段)における復元画像のPSNRを示す。
図10及び11に示すように、本実施の形態の手法は、従来手法と比較して、安定して精度良く復元が行われていることが分かる。
なお、上記の実施の形態では、送信側情報伝送装置10と受信側情報伝送装置30とを別々に構成する場合について説明したが、送信側情報伝送装置10と受信側情報伝送装置30とを同一の端末として構成し、1つの端末が送信側情報伝送装置10及び受信側情報伝送装置30として機能するように構成することも可能である。
また、上記では、プログラムが予め装置にインストールされている実施の形態として説明したが、当該プログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。また、本発明の情報伝送装置を、上記処理を実現するための半導体集積回路等のハードウエアにより構成してもよい。
10 送信側情報伝送装置
12 周波数変換部
14 1次元変換部
16 乱数生成部(送信側)
18 観測行列生成部(送信側)
20 圧縮センシング符号化部
22 パケット生成部
30 受信側情報伝送装置
32 パケット解析部
34 乱数生成部(受信側)
36 観測行列生成部(受信側)
38 圧縮センシング復号部
40 2次元変換部
42 周波数逆変換部
12 周波数変換部
14 1次元変換部
16 乱数生成部(送信側)
18 観測行列生成部(送信側)
20 圧縮センシング符号化部
22 パケット生成部
30 受信側情報伝送装置
32 パケット解析部
34 乱数生成部(受信側)
36 観測行列生成部(受信側)
38 圧縮センシング復号部
40 2次元変換部
42 周波数逆変換部
Claims (5)
- 行重み及び列重みが共に1の基本行列を乱数列に基づいて巡回置換させた複数の行列を、入力情報のサイズ及び圧縮率に基づいて並べて観測行列を生成する符号化時観測行列生成手段と、
前記符号化時観測行列生成手段により生成された観測行列を用いて、前記入力情報を符号化する符号化手段と、
前記符号化手段により符号化された符号化情報を含むパケットを、行重み及び列重みが一定となる単位で、かつ伝送方式に応じたサイズに分割して伝送する伝送手段と、
を含む情報伝送装置。 - 乱数シードを初期値として、前記符号化時観測行列生成手段で用いる乱数列を生成する符号化時乱数生成手段を含み、
前記伝送手段は、前記パケットに前記乱数シードを付加する
請求項1記載の情報伝送装置。 - 伝送されたパケットを取得する取得手段と、
行重み及び列重みが共に1の基本行列を乱数列に基づいて巡回置換させた複数の行列を並べた観測行列であって、符号化時に用いた観測行列と同一の観測行列を生成する復号時観測行列生成手段と、
前記復号時観測行列生成手段により生成された観測行列を用いて、前記取得手段により取得したパケットに含まれる符号化情報を復号する復号手段と、
を含む情報伝送装置。 - 前記取得手段は、前記復号時観測行列生成手段で用いる乱数列を発生するための乱数シードを含むパケットを取得し、
前記乱数シードを初期値として、前記復号時観測行列生成手段で用いる乱数列を発生する復号時乱数発生手段を含む
請求項3記載の情報伝送装置。 - コンピュータを、請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の情報伝送装置を構成する各手段として機能させるための情報伝送プログラム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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