JP2018092638A - タッチ操作位置判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】タッチパネル入力装置において利用者の快適なタッチ操作を可能とするタッチ操作位置判定装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置10において、画面上のタッチ操作位置を検出するタッチパネル入力装置300のタッチ操作位置を判定するタッチ操作位置判定装置100は、タッチ操作の開始から終了までのタッチ操作期間に検出された複数の前記タッチ操作位置に対し平均化処理を施し、平均タッチ操作位置を算出する算出して、算出された平均タッチ操作位置に基づいて前記タッチ操作期間のタッチ操作位置を判定するタッチ操作位置判定部(120)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば画面上におけるタッチ操作位置を判定可能な、タッチ操作位置判定装置の技術分野に関する。
近年、例えば、スマートフォン、カーナビゲーション装置或いはタブレット型コンピュータ等、多用な分野において、画面上でのタッチ操作(端的には、指で画面上に触れる操作)により情報を入力する仕組みが採用されている。
ところで、このような仕組みを採用する装置においては、例えば操作対象が小さい場合や密集している等の理由から、タッチ操作位置の誤判定が頻繁に発生する。このような誤判定を防止する技術については、例えば、特許文献1及び2に開示がある。
特許文献1に開示された携帯端末装置によれば、ユーザがタッチ操作した領域に複数の選択対象(当該文献中ではリンクと表現される)が存在する場合に、それらが拡大表示された後、再度ユーザにタッチ操作が要求される。従って、目的の選択対象を指でタッチして適切かつ確実に指定することができるとされている。
特許文献2に開示された情報処理装置によれば、ユーザがタッチ位置におけるタッチ状態を維持しつつ当該タッチ位置を移動させた場合に、移動先となる移動先タッチ位置に基づいて選択可能な操作対象(当該文献中では操作対象項目)が決定され、移動先タッチ位置に基づいて操作対象項目を示す表示情報がタッチパネルディスプレイに表示される。また、タッチ状態から非タッチ状態となった場合に、操作対象項目に基づいた処理が行われる。従って、ユーザは、所望の操作対象項目が選択されるまで指を動かすことによって、所望の操作対象を確実に操作できるとされている。
特開2012−73908号公報 特開2011−192173号公報
このような仕組みを利用する装置においては、一般的に複数のタッチ操作が連続して行われることが多い。
ここで、特許文献1及び2に開示される装置は、いずれも、タッチ操作位置の誤判定を防止するに際して利用者の多段階操作を必要とする。従って、複数のタッチ操作が連続して行われる場合において、利用者の身体的負担及び精神的負担の度合いが大きくなり易い。即ち、上記従来技術には、少なくとも、快適性が損なわれ易いという技術的問題点がある。
本発明は、例えば、このような技術的問題点に鑑みてなされたものであり、利用者の快適なタッチ操作を可能とするタッチ操作位置判定装置を提供することを、解決すべき課題の少なくとも一つとする。
上述した課題を解決するため、タッチ操作位置判定装置は、画面上のタッチ操作位置を検出するタッチパネル入力装置のタッチ操作位置を判定するタッチ操作位置判定装置であって、タッチ操作の開始から終了までのタッチ操作期間に検出された複数の前記タッチ操作位置に対し平均化処理を施し、平均タッチ操作位置を算出する算出手段と、前記算出された平均タッチ操作位置に基づいて前記タッチ操作期間のタッチ操作位置を判定する第1判定手段とを備える。
上述した課題を解決するため、タッチ操作位置判定方法は、画面上のタッチ操作位置を検出するタッチパネル入力装置のタッチ操作位置を判定するタッチ操作位置判定方法であって、タッチ操作の開始から終了までのタッチ操作期間に検出された複数の前記タッチ操作位置に対し平均化処理を施し、平均タッチ操作位置を算出する算出工程と、前記算出された平均タッチ操作位置に基づいて前記タッチ操作期間のタッチ操作位置を判定する判定工程とを備える。
上述した課題を解決するため、コンピュータプログラムは、コンピュータシステムを上述したタッチ操作位置判定装置として機能させることを特徴とする。
上述した課題を解決するため、記録媒体は、上述したコンピュータプログラムが記録されることを特徴とする。
本発明の第1実施例に係る情報処理装置のブロック図である。 タッチパネル入力装置を介した入力の一場面を例示する図である。 図1の情報処理装置におけるタッチ操作位置判定処理のフローチャートである。 タッチ操作位置座標が記憶される際のタイミングチャートの一例である。 タッチ操作位置判定処理の効果に係り、タッチパネル入力装置を介した入力の一場面を例示する図である。 第2実施例に係るタッチ操作位置判定処理のフローチャートである。 図6のタッチ操作位置判定処理におけるフィルタ処理を説明する図である。 第3実施例に係るタッチ操作位置判定処理のフローチャートである。 第3実施例の効果に係り、タッチパネル入力装置の一表示状態を例示する図である。
<タッチ操作位置判定装置の実施形態>
本発明のタッチ操作位置判定装置に係る実施形態は、画面上のタッチ操作位置を検出するタッチパネル入力装置のタッチ操作位置を判定するタッチ操作位置判定装置であって、タッチ操作の開始から終了までのタッチ操作期間に検出された複数の前記タッチ操作位置に対し平均化処理を施し、平均タッチ操作位置を算出する算出手段と、前記算出された平均タッチ操作位置に基づいて前記タッチ操作期間のタッチ操作位置を判定する第1判定手段とを備える。
タッチ操作位置判定装置に係る実施形態によれば、タッチパネル装置に対してなされる一のタッチ操作に係るタッチ操作期間において検出された複数のタッチ操作位置に対して平均化処理が施され、平均タッチ操作位置が算出される。タッチ操作位置は、この算出された平均タッチ操作位置に基づいて判定される。
平均化処理とは、タッチ操作期間において検出された複数のタッチ操作位置を、所定の基準に従って処理結果(ここでは、平均タッチ操作位置)に反映させる処理を包括する概念である。この際、個々のタッチ操作位置相互間の重み付けは、等しくても異なっていてもよい。前者の場合、平均化処理とは、例えばこれら複数のタッチ操作位置の加算平均処理であってもよい。
このような平均化処理が行われることによって、タッチ操作期間において検出される複数のタッチ操作位置の各々が最終的なタッチ操作位置の判定に与える影響は緩和される。例えば、タッチ操作開始時点におけるタッチ操作位置が利用者の所望する位置から乖離するといった事態は、一種の外乱として頻繁に起こり得る事象である。然るに、平均化処理の概念を有さぬ装置構成、即ち、時間軸上の一点で検出されたタッチ操作位置に基づいた判定を行う装置構成においては、このような利用者の意図しない誤入力の影響を緩和することができない。時間軸上の複数点で検出されたタッチ操作位置が考慮される本実施形態によれば、このような外乱に対して高いロバスト性を有する。また、通常、利用者は明確な意思をもってタッチ操作を行うのであるから、複数のタッチ操作位置に対して平均化処理を施して得られる平均タッチ操作位置には、利用者の意思や意図が明確に反映される。即ち、本発明のタッチ操作位置判定装置に係る実施形態によれば、平均化処理により、タッチ操作位置が誤判定される可能性は大きく低減する。
また、平均化処理に供されるサンプル(即ち、タッチ操作位置)の個数は自由であるが、人間の操作速度を考慮してタッチ操作位置の検出周期を設定すれば、操作速度が速い利用者であっても、平均化処理に供されるサンプルの個数は十分に確保される。即ち、本発明のタッチ操作位置判定装置に係る実施形態によれば、タッチ操作位置の判定精度が利用者の操作速度により大きく揺らぐことはない。
一方、タッチ操作位置判定装置に係る実施形態によれば、利用者が所望の入力を実現するために行うタッチ操作が、多段階操作ではなく一の連続した操作となる。従って、利用者は自然な操作が可能であり、また一のタッチ操作に係るタッチ操作位置が最終的に確定するまでのタイムラグが少なくて済む。即ち、利用者の快適な操作が実現されるのである。
本発明のタッチ操作位置判定装置に係る実施形態の一の態様では、前記算出手段は、前記複数のタッチ操作位置を加算平均することにより前記平均タッチ操作位置を算出する。
この態様によれば、算出手段の演算負荷が軽くて済み好適である。
尚、この態様では、前記算出手段は、前記タッチ操作期間の開始時点におけるタッチ操作位置と、前記タッチ操作期間の終了時点におけるタッチ操作位置とを加算平均してもよい。
このようにすれば、算出手段の演算負荷を一層軽減することができる。
尚、「タッチ操作期間の終了時点に対応するタッチ操作位置」とは、厳密な意味でのタッチ操作終了時点のタッチ操作位置を含みつつ、一のタッチ操作期間において検出手段により最後に検出されたタッチ操作位置を含む趣旨である。
本発明のタッチ操作位置判定装置に係る実施形態の他の態様では、前記検出された複数のタッチ操作位置の中から、所定の基準に従って前記平均化処理に供すべき複数のタッチ操作位置を選択する選択手段を備え、前記算出手段は、前記選択された複数のタッチ操作位置に対して前記平均化処理を施すことにより前記平均タッチ操作位置を算出する。
この態様によれば、選択手段により、平均化処理に供すべきサンプルとして適したタッチ操作位置を選択することができる。従って、より高精度にタッチ操作位置を判定することができる。
例えば、平均化処理に適したタッチ操作位置とは、検出された複数のタッチ操作位置を時系列に沿って配列したサンプル点群において、操作初期及び操作終期を除く操作中期の点群等であってもよい。タッチ操作初期においては利用者が自身の意図せぬ位置をタッチ操作する場合があり、タッチ操作終期においては利用者が次のタッチ操作位置をタッチ操作すべく指を動かしている場合がある。いずれもタッチ操作位置の判定精度を低下させる要因となり得る。
本発明のタッチ操作位置判定装置に係る実施形態の他の態様では、前記タッチ操作期間の開始時点に対応するタッチ操作位置と、前記タッチ操作期間の終了時点に対応するタッチ操作位置と、前記算出された平均タッチ操作位置とに基づいて、タッチ操作が有効であるか否かを判定する第2判定手段を備える。
タッチ操作により情報入力を行う装置構成においては、平均タッチ操作位置に対する複数のタッチ操作位置の分布は、ある程度の期間についてみれば、規模の大小はあっても、偏りは少ない。従って、平均タッチ操作位置と、その算出に利用されたタッチ操作位置との位置関係を、タッチ操作の有効/無効の判定に利用することができる。
この態様によれば、タッチ操作期間の開始時点に対応するタッチ操作位置と、タッチ操作期間の終了時点に対応するタッチ操作位置と、算出された平均タッチ操作位置とに基づいて、タッチ操作が有効であるか否かが判定される。従って、利用者は意図的にタッチ操作を無効化することができ、快適性が向上する。
尚、「開始時点に対応するタッチ操作位置」とは、典型的な一例として開始時点のタッチ操作位置を含み、更には、例えば、開始時点近傍における一又は複数の(例えば、数サンプル分の)タッチ操作位置を含み得る。また、この際、開始時点近傍における複数のタッチ操作位置には、開始時点のタッチ操作位置は必ずしも含まれなくてもよい。終了時点に対応するタッチ操作位置についても同様である。
尚、この態様では、前記第2判定手段は、前記タッチ操作期間の開始時点に対応するタッチ操作位置と前記算出された平均タッチ操作位置との距離と、前記タッチ操作期間の終了時点に対応するタッチ操作位置と前記算出された平均タッチ操作位置との距離との比較に基づいてタッチ操作が有効であるか否かを判定してもよい。
タッチ操作の無効化が所望される場合、タッチ操作期間のどの時点において利用者が無効化の意思を有したかに関係なく、タッチ操作期間開始時点のタッチ操作位置と平均タッチ操作位置との距離と、タッチ操作期間終了時点のタッチ操作位置と平均タッチ操作位置との距離とは異なる場合が多い。
従って、これらの比較結果に基づいて、タッチ操作の有効/無効判定を精度良く行うことができる。
<タッチ操作位置判定方法の実施形態>
本発明のタッチ操作位置判定方法に係る実施形態は、画面上のタッチ操作位置を検出するタッチパネル入力装置のタッチ操作位置を判定するタッチ操作位置判定方法であって、タッチ操作の開始から終了までのタッチ操作期間に検出された複数の前記タッチ操作位置に対し平均化処理を施し、平均タッチ操作位置を算出する算出工程と、前記算出された平均タッチ操作位置に基づいて前記タッチ操作期間のタッチ操作位置を判定する判定工程とを備える。
タッチ操作位置判定方法に係る実施形態によれば、上記タッチ操作位置判定装置に係る実施形態の各手段と同等の作用を実現する各工程により、上記タッチ操作位置判定装置に係る実施形態と同様に、快適な操作が実現される。
<コンピュータプログラムの実施形態>
本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態は、コンピュータシステムをタッチ操作位置判定装置に係る実施形態として機能させる。
本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態によれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体或いはUSB(Universal Serial Bus)メモリ等コンピュータシステムに着脱可能な固体型記憶装置から、当該コンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、例えば、通信手段等を介してコンピュータシステムにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明のタッチ操作位置判定装置に係る実施形態を比較的簡単に実現できる。
<記録媒体の実施形態>
本発明の記録媒体に係る実施形態は、コンピュータプログラムに係る実施形態が記録される。
本発明の記録媒体に係る実施形態によれば、コンピュータシステムに装着又は接続することによって、或いはコンピュータシステムに備わる又は接続された然るべき読取装置に挿入することによって、記録している本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態を、コンピュータシステムに読み込ませて実行させることができ、上述した本発明のタッチ操作位置判定装置に係る実施形態を比較的簡単に実現できる。
本発明のこのような作用及び他の利得は、これ以降に説明する実施例により明らかにされる。
以下、適宜図面を参照し、本発明を実現するにあたって好適な各種の実施例について説明する。
以下に説明する実施例においては、本発明に係るタッチ操作位置判定装置が、情報処理装置10に備わるものとする。情報処理装置10は、スマートフォン等の携帯型電話機、タブレット型パーソナルコンピュータ装置、カーナビゲーション装置等の各種態様を採り得る。これらを単に情報処理装置として包括的に表現するのは、本発明に係るタッチ操作位置判定装置が、入力手段としてのタッチパネル入力装置を介した利用者のタッチ操作位置の判定に用いられる装置であって、情報処理装置の具体的な機能用途がその効果と無関係なためである。従って、実施例において、情報処理装置10は、ある特定の機能を有する情報処理装置であるという表現に留める。ある特定の機能、とは、例えば、情報処理装置10が携帯型電話機であれば、通話機能、WEBブラウザ機能、メール機能及び撮像機能等を含む形態型電話機としての機能を意味する。他の実施態様についても、同様である。
<第1実施例>
<実施例の構成>
始めに、図1を参照し、情報処理装置10の構成について説明する。ここに、図1は、情報処理装置10のブロック図である。
図1において、情報処理装置10は、制御装置100、表示装置200及びタッチパネル入力装置300を備える。
制御装置100は、制御部110、タッチ操作位置判定部120、表示制御部130及び機能制御部140を含む、情報処理装置10の制御装置であり、本発明に係る「タッチ操作位置判定装置」の一例である。
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備えたコンピュータ装置であり、制御装置100の各部の動作を統括的に制御可能に構成されている。
制御部110のROMには、制御部110により実行される各種の制御に関する制御プログラムが格納されている。この制御プログラムの中には、後述するタッチ操作位置判定処理に関する制御プログラムも含まれる。このタッチ操作位置判定処理に関する制御プログラムは、本発明に係る「コンピュータプログラム」の一例である。
また、このROMは、本発明に係る「記録媒体」の一例である。尚、ROMは不揮発性記憶装置であるから、本実施例において、タッチ操作位置判定処理に関する制御プログラムは予め制御部110に備わることになるが、この制御プログラムは、RAM若しくはハードディスク或いは制御装置100に備わり得る他の揮発性記憶装置に書き込まれていてもよい。この場合、タッチ操作位置判定処理の制御プログラムのアップデート及びメンテナンス等が比較的簡便になされ得る。また、このタッチ操作位置判定処理に関する制御プログラムをネットワークで配信する、或いはタッチ操作位置判定処理に関する制御プログラムが記録された記録媒体を配布する等の措置を講じることも可能となる。
タッチ操作位置判定部120は、タッチ操作位置判定処理が実行される場合において、タッチパネル入力装置300を介した利用者のタッチ操作位置を判定可能に構成された、本発明に係る「算出手段」及び「第1判定手段」の一例たる制御ユニットである。
表示制御部130は、表示装置200の表示内容を制御可能に構成された処理装置である。
機能制御部140は、情報処理装置10が備える機能用途に応じた機能(例えば、上述したように携帯型電話機としての機能等)を制御する処理装置である。
表示装置300は、表示画面を備えたディスプレイ装置である。
タッチパネル入力装置300は、表示装置300の表示画面上に構築される、本発明に係る「タッチパネル入力装置」の一例たる接触型入力装置であり、利用者のタッチ操作を電気信号として検出し、そのタッチ操作位置の二次元座標、即ち、x座標とy座標からなるタッチ操作位置座標Lに相当するタッチ操作位置信号を所定周期で出力することができる構成となっている。尚、タッチパネル入力装置300の構成は周知であるから、ここではその詳細を割愛する。
<実施例の動作>
次に、本実施例の動作について説明する。
<タッチ操作位置判定処理の概要>
図2は、タッチパネル入力装置300を介した入力の一場面を例示する図である。即ち、利用者の手指により、タッチパネル入力装置300の一点がタッチ操作されている。
ここで、タッチパネル入力装置300のように、タッチパネル入力装置300を介して選択可能な選択肢(図2では、一例として擬似的キーボード装置の個々のキーである)の各々が物理的に区画されていない構成では、利用者のタッチ操作位置が誤判定される可能性がある。特に、この選択肢が手指に対して小さく、また密集している場合等には特にその傾向は強くなる。本実施例では、このタッチ操作位置の誤判定に係る問題が、制御部110により実行されるタッチ操作位置判定処理により解決される。
<タッチ操作位置判定処理の詳細>
次に、図3を参照し、タッチ操作位置判定処理の詳細について説明する。ここに、図3は、タッチ操作位置判定処理のフローチャートである。尚、タッチ操作位置判定処理は、情報処理装置10の稼動期間において常時実行される処理である。
図3において、先ずタッチ操作が開始されたか否かが判定される(ステップS110)。タッチ操作が開始されていない場合(ステップS110:NO)、処理はステップS110で待機状態となる。
タッチ操作が開始された場合(ステップS110:YES)、タッチ操作位置座標Lが記憶される(ステップS120)。
ここで、タッチパネル装置300は、予め定められた周期Tspl毎にタッチ操作位置座標Lを検出し、タッチ操作位置座標Lに対応するタッチ操作位置信号を制御装置100に送出している。制御装置100では、この送出されるタッチ操作位置信号が取得され、タッチ操作位置座標Lが取得される。この動作は、例えば、制御部110により実行される。
タッチ操作位置判定部120は、時系列に従って、この取得されたタッチ操作位置座標Lを一時的に記憶する。このタッチ操作位置座標の記憶には、タッチ操作位置判定部120に備わるバッファ等が使用される。
その時点の最新のタッチ操作位置座標Lが記憶されると、タッチ操作が終了したか否かが判定される(ステップS130)。タッチ操作が終了していない場合(ステップS130:NO)、処理はステップS120に戻され、タッチパネル入力装置300から順次送出されるタッチ操作位置信号に応じてタッチ操作位置座標Lが順次記憶される。
この様子が図4に示される。図4は、タッチ操作位置座標が記憶される際のタイミングチャートの一例である。
図4において、検出周期Tspl毎に、タッチ操作位置座標Lが制御装置100に送出される。ここで、本実施例では、この送出されるタッチ操作位置座標Lの各々を識別するために、識別子を使用することとする。即ち、図4において、タッチ操作位置座標Lは、タッチ操作開始時点のタッチ操作位置座標Ls(xs,ys)を先頭に、L1(x1,y1)、L2(x2,y2)、・・・、Ln(xn,yn)の合計n+1個について、タッチ操作位置判定部120に記憶される。
タッチ操作が終了した場合(ステップS130:YES)、平均化処理が行われる。本実施例に係る平均化処理は、タッチ操作位置判定部120に一時的に記憶される複数のタッチ操作位置座標Lを加算平均する処理である。より具体的には、平均化処理では、x座標の加算平均値x_ave、y_aveが求められ、平均タッチ操作位置座標L_ave(x_ave,y_ave)が決定される。平均タッチ操作位置座標L_aveは、一のタッチ操作期間におけるタッチ操作位置の判定結果として、制御部110に送出され、処理はステップS110に復帰する。タッチ操作位置判定処理は、このように行われる。
尚、平均タッチ操作位置座標L_aveが出力されると、引き続く次のタッチ操作位置判定のため、タッチ操作位置判定部120に一時的に記憶されたタッチ操作位置座標は全て破棄される。
尚、制御部110は、平均タッチ操作位置座標L_aveを取得すると、表示画面に表示された複数の選択肢のうち、この平均タッチ操作位置座標L_aveに該当する選択肢が選択されたものとして、表示制御部130及び機能制御部140に当該選択された選択肢に対応する処理を指示する。例えば、表示画面において平均タッチ操作位置座標L_aveが「G」なるキーに該当していれば、表示制御部130により表示画面上の然るべき箇所に「G」なる文字が表示される。或いは、表示画面において平均タッチ操作位置座標L_aveが何らかの機能選択ボタンに該当していれば、機能制御部130により該当する機能が実行される。
尚、平均化処理に供されるタッチ操作位置座標の個数は、主として利用者の操作速度とタッチ操作の検出周期Tsplとにより決まる。例えば、一のタッチ操作が行われる時間、即ち、タッチ操作開始時点からタッチ操作終了時点までのタッチ操作期間の長さ(即ち、利用者の操作速度に対応する)を1secとし、検出周期Tsplを50msecとすれば、概ね20個程度のタッチ操作位置座標が得られる。
<タッチ操作位置判定処理の効果>
次に、図5を参照して、タッチ操作位置判定処理の効果について説明する。ここに、図5は、タッチ操作位置判定処理の効果に係り、タッチパネル入力装置300を介した入力(タッチ操作)の一場面を例示する図である。
図5において、(a)は、利用者が、タッチパネル入力装置300における所望の目標位置p(図示白抜き○参照)近傍をランダムに指でなぞった状態を示している。このタッチ操作の軌跡は、太い実線で表示されている。
タッチ操作の軌跡が図5(a)のようにランダムである場合、平均化処理により得られる平均タッチ操作位置座標L_aveは、元々利用者の意思が目標位置pにあることから、概ね目標位置pの位置座標に一致する。
図5において、(b)は、利用者が、タッチパネル入力装置300における所望の目標位置p(図示白抜き○参照)を、目標位置pを中心とした円状に指でなぞった状態を示している。このタッチ操作の軌跡は、太い実線で表示されている。
タッチ操作の軌跡が図5(b)のように円を描く場合、平均化処理により得られる平均タッチ操作位置座標L_aveは、概ね円の中心、即ち、目標位置pの位置座標に一致する。
図5において、(c)は、利用者が、タッチパネル入力装置300における所望の目標位置p(図示白抜き○参照)を、目標位置pを通過する直線状に指でなぞった状態を示している。このタッチ操作の軌跡は、太い実線で表示されている。
タッチ操作の軌跡が図5(c)のように直線を描く場合、平均化処理により得られる平均タッチ操作位置座標L_aveは、概ね直線の中心、即ち、目標位置pの位置座標に一致する。
このように、本実施例に係るタッチ操作位置判定処理によれば、利用者のタッチ操作に係るタッチ操作位置は、タッチ操作期間に検出された複数のタッチ操作位置座標に基づいて判定される。即ち、タッチ操作位置は、時間軸上の一点のみで判定されない。従って、タッチ操作位置の誤判定が生じる可能性を著しく低減することができる。利用者が元々目標位置へのタッチ操作を所望する前提においては、目標位置への正確なタッチ操作は難しい一方で、利用者のタッチ操作が目標位置を中心とした近傍領域へ集中することは自然である。従って、ある程度の個数のサンプルがあれば、利用者が所望する位置を推定することができるのである。
また、本実施例に係るタッチ操作位置判定処理によれば、利用者側に要求される動作は、シームレスな一連のタッチ操作に過ぎない。即ち、拡大処理後の再タッチ操作やポップアップ表示される選択肢からの選択操作等、多段階な操作は一切必要とされない。従って、利用者が違和感を覚える可能性は低く、また時間的なロスも少なくて済む。即ち、本実施例に係るタッチ操作位置判定処理によれば、タッチ操作により情報を入力するにあたって、利用者の快適性を向上させることが可能となるのである。
尚、図5(c)に示されるタッチ操作の場合、平均タッチ操作位置L_aveを目標位置pの位置座標に一致させるためには、厳密には、目標位置pを通過する直線の開始位置と目標位置pとの距離と、目標位置pを通過する直線の終了位置と目標位置pとの距離とが等しい必要がある。即ち、直線の中心に目標位置pが位置するようにタッチ操作を行う必要がある。その点において、図5(a)及び図5(b)の場合と較べて利用者側の負担は若干増加する。
一方、直線の中心に目標位置pが位置することが予め既知であれば、平均化処理に要するタッチ操作位置座標は、タッチ操作開始時点の座標と終了時点の座標のみでよい。図4を参照すれば、平均化処理は、タッチ操作位置座標Ls及びタッチ操作位置座標Lnのみを参照して行われる。即ち、平均タッチ操作位置座標L_ave(x_ave,y_ave)において、x_ave=(xs+xn)/2であり、y_ave=(ys+yn)/2である。
従って、この場合、利用者側の若干の負担の増加と引き換えに、タッチ操作位置判定部120の処理負荷は軽減される。
<第2実施例>
次に、図6を参照し、本発明の第2実施例に係るタッチ操作位置判定処理について説明する。ここに、図6は、本発明の第2実施例に係るタッチ操作位置判定処理のフローチャートである。尚、同図において、図3と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図6において、タッチ操作が終了すると(ステップS130:YES)、フィルタ処理が実行される(ステップS131)。
フィルタ処理は、記憶された複数のタッチ操作位置座標の中から、平均化処理に適したタッチ操作位置座標を選択する処理、或いは、平均化処理に適さないタッチ操作位置座標を除外する処理である。即ち、第2実施例においては、タッチ操作位置判定部120が更に、本発明に係る「選択手段」の一例として機能する。
ここで、図7を参照し、フィルタ処理について説明する。ここに、図7は、フィルタ処理を説明する図である。
図7の左側には、一のタッチ操作期間において得られたタッチ操作位置座標が時系列順に示される。ここで、この複数のタッチ操作位置座標を、第一群G1、第二群G2及び第三群G3の三群に分割する。第一群G1は、タッチ操作開始時点のタッチ操作位置座標Lsからタッチ操作位置座標Lp−1(pは自然数)までのp個の点群である。第二群G2は、タッチ操作位置座標Lpからタッチ操作位置座標Lq(q>p)までの(q−p)個の点群である。第三群G3は、タッチ操作位置座標Lq+1からタッチ操作終了時点のタッチ操作位置座標Lnまでの(n−q)個の点群である。定性的には、第一群G1はタッチ操作初期の点群であり、第二群G2はタッチ操作中期の点群であり、第三群G3はタッチ操作終期の点群である。尚、p、qは任意に設定することができる。
図7の右側には、フィルタ処理後のタッチ操作位置座標が示される。ハッチング表示されたタッチ操作位置座標が、フィルタ処理により削除された座標を意味する。即ち、図7には、フィルタ処理として、第一群G1及び第三群G3に属するタッチ操作位置座標が50%削除された場合が示される。尚、図示の通り、座標の削除は、相互いに連続する座標の双方が削除されないように、交互に行われる。
このようなフィルタ処理が行われると、結果的に、平均化処理において求められる平均タッチ操作位置座標L_aveに対する、第二群G2の影響が、第一群G1及び第三群G3と較べて強くなる。別言すれば、平均タッチ操作位置座標L_aveに第一群G1及び第三群G3に属するタッチ操作位置が反映され難くなる。即ち、このようなフィルタ処理は、個々のタッチ操作位置座標に重み付けを付与する処理の一例である。
第2実施例に係るタッチ操作位置判定処理によれば、フィルタ処理によって、タッチ操作位置が目標位置pから乖離し易いタッチ操作初期及び終期のタッチ操作位置座標が反映され難くなる。従って、タッチ操作位置をより高精度に判定することができる。
補足すると、第2実施例に係るタッチ操作位置判定処理によれば、第1実施例と較べて、利用者は、タッチ操作の開始位置や終了位置を意識せずにタッチ操作を行うことができる。従って、利用者側の心理的負担を軽減することができる。
尚、本実施例では、タッチパネル入力装置300において検出される、一のタッチ操作に係るタッチ操作位置座標が三分割されるものとした。但しこれは一例であり、フィルタ処理の採り得る実践的態様は多義的である。例えば、フィルタ処理は、タッチ操作開始時点から所定個数のタッチ操作位置座標と、タッチ操作終了時点から遡って所定個数のタッチ操作位置座標とを削除する処理であってもよい。或いは、フィルタ処理は、タッチ操作位置座標をより細かく分割して、座標を間引く割合を段階的に変化させてもよい。
<第3実施例>
第1及び第2実施例では、タッチ操作がなされた場合に、そのタッチ操作について、必ず平均タッチ操作位置座標がタッチ操作位置として最終的に確定する。しかしながら、実践的には、利用者が誤ってタッチ操作を行った場合等、タッチ操作を無効とすることが望まれる場合がある。このような場合について、平均タッチ操作位置をタッチ操作位置と判定してしまうと、元々が誤入力であることから、如何にタッチ操作位置を正確に判定したところで、利用者の意思には沿わない結果となる。即ち、このような状況もまた、広い意味ではタッチ操作の誤判定となる。
第3実施例では、図8を参照し、このような問題に対処するためのタッチ操作位置判定処理について説明する。ここに、図8は、第3実施例に係るタッチ操作位置判定処理のフローチャートである。尚、同図において、図3と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図8において、平均化処理が行われると(ステップS140)、タッチ操作位置の位置偏差が算出される(ステップS141)。タッチ操作位置の位置偏差は、開始点位置偏差Ldsと終了点位置偏差Ldeとから構成される。
開始点位置偏差Ldsは、タッチ操作開始時点のタッチ操作位置(即ち、タッチ操作位置座標Lsに相当するタッチ操作位置)と平均タッチ操作位置L_aveとの距離である。開始点位置偏差Ldsは、周知の幾何学計算により求めることができる。
終了点位置偏差Ldeは、タッチ操作終了時点のタッチ操作位置(即ち、タッチ操作位置座標Lnに相当するタッチ操作位置)と平均タッチ操作位置L_aveとの距離である。終了点位置偏差Ldeは、周知の幾何学計算により求めることができる。
位置偏差が算出されると、タッチ操作が有効であるか否かを判断するための判断指標値aが算出される(ステップS142)。本実施例に係る判断指標値aは、Lde/Ldsとして定義される。
判断指標値aが算出されると、この算出された判断指標値aが基準値a1よりも大きいか否かが判定される(ステップS143)。
判断指標値aが基準値a1以下である場合(ステップS143:NO)、このタッチ操作期間におけるタッチ操作は有効であると判定され、ステップS140で求められた平均タッチ操作位置L_aveが、最終的なタッチ操作位置として出力される(ステップS150)。即ち、第3実施例では、タッチ操作位置判定部120が、本発明に係る「第2判定手段」の一例として機能する。
一方、判断指標値aが基準値a1よりも大きい場合(ステップS143:YES)、このタッチ操作期間におけるタッチ操作は無効であると判定され、ステップS140で求められた平均タッチ操作位置L_aveは破棄される(ステップS144)。タッチ操作の無効判定がなされると、処理はステップS110に復帰する。第3実施例に係るタッチ操作位置判定処理はこのようにして行われる。
ここで、第3実施例の効果について、図9を参照して説明する。ここに、図9は、タッチパネル入力装置300の一表示状態を例示する図である。
図9において、タッチ操作開始時点のタッチ操作位置を開始点s、タッチ操作終了時点のタッチ操作位置を終了点e、平均化処理により得られた平均タッチ操作位置座標に相当する平均タッチ操作位置を、平均点aveとする。平均点aveは開始点s側に寄っており、タッチ操作終了間際にタッチ操作位置が終了点eまで大きく変化したこと(言い換えれば、タッチ操作位置を大きく変化させてタッチ操作を終了したこと)を意味している。図8のステップS143は、例えば、このような動作が行われた場合に「YES」側に分岐する。即ち、タッチ操作は無効となる。
ここで、例えば図5に例示される軌跡を採り得る利用者のタッチ操作は、利用者が所望の位置をタッチする目的でタッチ操作を行っている場合には、当該所望の位置の近傍に集中する。従って、図9に例示するようなタッチ操作が無効操作と判定されるように判断指標値aの基準値a1を定義すれば、通常のタッチ操作位置の判定精度に影響を与えることなく、利用者がタッチ操作を意図的に無効化することができる。例えば、基準値a1は、「2」程度の値であってもよい。
尚、利用者がタッチ操作の開始以降、どの時点でタッチ操作の無効を欲するかは不定であり、また、タッチ操作無効化の意思をもって終了点を意図的に且つ比較的短時間で大きく動かさない限り、平均点aveは図示位置よりも終了点e側に寄って、無効化条件が成立しなくなる可能性もある。その点に鑑みれば、タッチ操作の無効化に係る判定は、図8のステップS143に例示される条件に替えて、或いは加えて、単に終了点位置偏差Ldeが所定値以上であること及び/又は開始点sと終了点eとの距離が所定値以上であること等が採用されてもよい。
いずれにせよ、第3実施例に係る無効化判定機能によれば、利用者がタッチ操作を意図的に無効化することができる。従って、タッチパネル入力装置300のより快適な操作が担保される。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うタッチ操作位置判定装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10…情報処理装置、100…制御装置、110…制御部、120…タッチ操作位置判定部、200…表示装置、300…タッチパネル入力装置。

Claims (1)

  1. 画面上のタッチ操作位置を検出するタッチパネル入力装置のタッチ操作位置を判定するタッチ操作位置判定装置であって、
    タッチ操作の開始から終了までのタッチ操作期間に検出された複数の前記タッチ操作位置に対し平均化処理を施し、平均タッチ操作位置を算出する算出手段と、
    前記算出された平均タッチ操作位置に基づいて前記タッチ操作期間のタッチ操作位置を判定する第1判定手段と
    を備えるタッチ操作位置判定装置。
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