JP2018090758A - カーボンナノチューブ/ゴム複合体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、これらのいずれの文献も湿式法の一例であり、本発明のCNT/ゴム複合体及びその製造方法を示すものではない。
まず本発明のCNT/ゴム複合体を製造方法について説明する。
本発明で用いるCNTは、繊維直径が細く、アスペクト比(長さ/直径)が大きく、繊維長が長いものが好ましい。ここでいうアスペクト比とはCNTの長さの直径に対する比である。
又、水スラリー中のCNTは水に対し、1.0重量%未満とすることが好ましい。
本発明に好適なCNTの空気中で800℃まで昇温後の灰分は5重量%以下、より好ましくは、0.01〜5重量%である。
CNTの水スラリーの製造方法は特に制限はないが、次のようにして、まず、比較的CNT濃度の高い水スラリーを調製し、この水スラリーに分散剤を添加して撹拌した後、更に水を添加して希釈することで、所定のCNT水スラリーとすることが好ましい。
ただし、CNT水スラリーのCNT濃度が過度に低いと凝固時のクラム(粒)が小さくなり脱水機にかかりづらく、また生産性が低下することから、ゴムラテックスと混合するCNT水スラリーのCNT濃度は、CNT水スラリー中の水に対するCNT濃度で0.3重量%以上とすることが好ましい。
本発明で用いるゴムラテックスのゴム種としては、ラテックス化が可能なものであれば特に制限はなく、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)等の1種または2種以上が挙げられる。
特にスチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)が好ましく、とりわけSBRが好ましい。
乳化剤としては、例えば炭素数10〜18程度の長鎖直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。中でもナトリウム塩、特にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
本発明では、上記のゴムラテックスとCNT水スラリーとを混合した混合液に凝固剤を添加して凝固させる際に、混合液中のゴム固形分100重量部に対するCNTの含有量が10〜80重量部、好ましくは10〜50重量部となるように、ゴムラテックスとCNT水スラリーとを混合する。このゴム固形分に対するCNTの混合量が少な過ぎると、CNTの配合効果を十分に得ることができず、逆に多過ぎると得られるCNT/ゴム複合体の加工性が低下する。
上記凝固工程の後は、生成した塊状の凝固クラムを分離して水洗、脱水し、80〜110℃程度で乾燥することで本発明のCNT/ゴム複合体を得ることができる。
次に、本発明のCNT/ゴム複合体の諸物性について説明する。
なお、本発明のCNT/ゴム複合体は、以下の好適な物性を満たすものが得られる方法であれば、上記の本発明のCNT/ゴム複合体の製造方法に限らず、いかなる方法で製造されてもよい。
本発明のCNT/ゴム複合体は、パルス法NMRを用いてソリッドエコー法によって150℃で測定したスピン−スピン緩和時間T2Sが35μ秒以下であることを特徴とする。
なお、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は、具体的には、後掲の実施例の項に記載される方法で測定される。
本発明のCNT/ゴム複合体は、好ましくはバウンドラバーの含有量が20重量%以上、より好ましくは22重量%以上と、バウンドラバー量の多いものである。
ここでいうバウンドラバーとは、未加硫のCNT/ゴム複合体を溶剤(たとえばトルエン)で抽出した時、CNTと結合したまま抽出されずに残ったゴムであり、バウンドラバー量が多いということは、CNTとゴムの接点が多い、いわゆるアロイ化された相溶性および密着力の強いCNT/SBR複合体を形成していることを意味する。
バウンドラバー量は多い程好ましいが、通常その上限は35重量%である。
なお、バウンドラバー量は、具体的には、後掲の実施例の項に記載される方法で測定される。
本発明のCNT/ゴム複合体は、ASTM D2663に準拠して測定したCNT分散度が好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上の、CNTの均一分散性に優れるものである。CNTの分散度は大きい程好ましく、通常、その上限は100%である。
なお、CNTの分散度は、具体的には、後掲の実施例の項に記載される方法で測定される。
本発明のCNT/ゴム複合体の体積固有抵抗値は、好ましくは106Ω・cm以下、より好ましくは103Ω・cm以下である。体積固有抵抗値は、小さい程導電性に優れCNT/ゴム複合体としての性能に優れる。
なお、CNT/ゴム複合体の体積固有抵抗値は、具体的には、後掲の実施例の項に記載される方法で測定される。
本発明のCNT/ゴム複合体に、架硫剤、架硫促進剤、その他、熱安定剤、老化防止剤、充填材、可塑剤、着色剤等の添加剤を所定の割合で添加して加熱混練し、混練物をゴムの加硫条件で成形、加硫することにより、各種のCNT/ゴム複合体よりなる製品とすることができる。
以下の実施例及び比較例において、用いたCNTは以下の通りである。
CNT−1:クムホペトロケミカル社製「K−Nanos100T」
直径:10nm
長さ:26μm、
アスペクト比(長さ/直径):2,600
空気中で800℃まで昇温後の灰分:4.8重量%
CNT−2:Nanocyl社製「NC7000」
直径:9.5nm
長さ:1.5μm
アスペクト比(長さ/直径):158
空気中で800℃まで昇温後の灰分:16重量%
CNT−3:昭和電工社製「VGCF−S」
直径:80nm
長さ:10μm
アスペクト比(長さ/直径):125
空気中で800℃まで昇温後の灰分:1.1重量%
以下の実施例及び比較例において得られたCNT/ゴム複合体の特性の評価方法は以下の通りである。
ASTM D2663(METHOD B)に準拠し、CNT(又はCB)分散度を算出した。すなわち5μm以上の未分散凝集塊の面積パーセンテージを測定し、複合体中のCNT(又はCB)の総面積から5μm以下に分散しているCNT(又はCB)のパーセントを求めたものがCNT(又はCB)分散度%となる(5μm以上の未分散凝集塊の面積パーセントを100%からさし引いた値がCNT(又はCB)分散度%)。例えば5μm以上の未分散塊が全くない場合、CNT(又はCB)分散度は100%、CNT(又はCB)量10%が未分散塊として存在する場合のCNT(又はCB)分散度は90%となる。未分散塊が多いほどCNT(又はCB)分散度の値は小さくなる。
約0.5gのCNT/ゴム複合体(又はCB/ゴム複合体)を1mm角に切断した後、精秤し、325メッシュの金網に包み60ccのトルエン中に浸漬させた。25℃で24時間浸漬した後、該325メッシュを取り出しトルエンを廃棄した。さらに新しいトルエン60ccを加えて24時間浸漬させた後、同様にトルエンを廃棄し、風乾、乾燥機で乾燥させた後、トルエンに溶出しなかったゴムの重量パーセントとして算出した。測定はn=2で行い、平均値をとった。
測定は日本電子社製パルスNMR装置「JNM−MU25」を用い、ソリッドエコー法でH共鳴周波数25MHz、H90°パルス幅2μs、エコータイム10μs、FID観測時間領域500μs、繰り返し時間1s、測定温度150℃、積算回数128回で行った。上記測定法にて得られた自由誘導減衰(FID)について、Weibull関数を用いて非線形最小2乗法による理論式の最適化計算を行い、各パラメータを算出した。ここで言うWeibull関数はFIDがローレンツ関数とガウス関数の2成分の和であると仮定するモデル関数である。
JISK7194に準拠し、試験片の抵抗が106Ωを超える場合は、ハイレスターUP(MCP−HT450)(三菱化学(株)製)を、また106Ω以下の場合はロレスターGP(MCP−T600)(三菱化学(株)製)を用いて25℃、湿度60%の雰囲気で測定し、これより下記式に従って算出した。
体積固有抵抗(Ω・cm)=試験片の抵抗×RCF×t(cm)
RCF:抵抗率補正係数
t :試験片の厚み(cm)
<CNT水スラリーの調製>
CNT−1の100gに水2400gを加えて4重量%の水スラリーとし、分散剤としてリグニンスルホン酸ソーダとナフタレンスルホン酸ソーダをそれぞれ水に対して1重量%ずつ加え、ホモジナイザーにて30分撹拌した後、ウォータージェット型湿式微細化装置(スギノマシン製アルチティイザーHJP−25005)でCNTを水中に分散させた。このCNT水スラリーに水14.17kgを加えて水に対するCNT濃度0.60重量%とし、さらに撹拌してCNT水スラリーを調製した。得られたCNT水スラリーの500メッシュ篩残は1.7重量%であった。
表1に示す配合に従ってCNT/SBR複合体を作製した。
ゴム固形分22重量%のSBR1502ゴムラテックス(三菱化学(株)製、ムーニー粘度:ML1+4(100℃)52)2273gに、上記で調製したCNT濃度0.60重量%のCNT水スラリー16.67kgを加えた(CNT量100g、SBRラテックス中の水とCNT水スラリーの水も加えて系全体の水に対するCNT濃度が0.55重量%となる)。これを撹拌しながら塩類は加えず、0.8重量%硫酸水溶液688g(SBR固形分当たり1.1重量%となる)と2重量%のH2NC2H4(NHC2H4)nNH2(nは5以上の整数)のポリアミン/ペンタエチレンヘキサミン(直鎖)=70/30重量%混合物水溶液113g(SBR固形分当たり0.45重量%となる)を滴下してpH3.2として凝固を行った。その結果、2〜3mmの良好な凝固クラムが得られた。生成した凝固クラムを水洗し、脱水機で水を絞り90℃の乾燥機で乾燥して、塊(クラム)状のCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体を薄膜にプレスし光学顕微鏡で断面を観察し、ゴム中のCNTの分散状態を調べた。図1にその光学顕微鏡写真を示す。CNTの未分散塊は全く見られずSBR中にCNTが良好に分散していた。
また、このCNT/SBR複合体のCNT分散度は100%と良好であり、バウンドラバー量は29.8重量%であった。また、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は30.8μ秒であった。また、体積固有抵抗値は5.42×100Ω・cmであった。
<CNT水スラリーの調製>
CNT−1の100gに水2400gを加えて4重量%の水スラリーとし、分散剤としてリグニンスルホン酸ソーダとナフタレンスルホン酸ソーダをそれぞれ水に対して1重量%ずつ加え、ホモジナイザーにて30分撹拌した後、ウォータージェット型湿式微細化装置(スギノマシン製アルチティイザーHJP−25005)でCNTを水中に分散させた。この水スラリーに水9.0kgを加え、水に対するCNT濃度0.88重量%とし、さらに撹拌してCNT水スラリーを調製した。
表1に示す配合に従ってCNT/SBR複合体を作製した。
ゴム固形分22重量%のSBR1502ゴムラテックス(三菱化学(株)製、ムーニー粘度:ML1+4(100℃)52)2273gに、上記で調製したCNT濃度0.88重量%のCNT水スラリー11.36kgを加えた(CNT量100g、SBRラテックス中の水とCNT水スラリーの水も加えて系全体の水に対するCNT濃度が0.76重量%となる)。これを撹拌しながら塩類は加えず、0.8重量%硫酸水溶液688g(SBR固形分当たり1.1重量%となる)と2重量%のH2NC2H4(NHC2H4)nNH2(nは5以上の整数)のポリアミン/ペンタエチレンヘキサミン(直鎖)=70/30重量%混合物水溶液113g(SBR固形分当たり0.45重量%となる)を滴下してpH3.3として凝固を行った。その結果、2〜3mmの良好な凝固クラムが得られた。生成した凝固クラムを水洗し、脱水機で水を絞り90℃の乾燥機で乾燥して、塊(クラム)状のCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体の分散状態は良好であり、CNT分散度は98.1%であった。また、バウンドラバー量は28.1重量%で、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は31.5μ秒であった。
<CNT水スラリーの調製>
CNT−1の100gに水2400gを加えて4重量%の水スラリーとし、分散剤としてリグニンスルホン酸ソーダとナフタレンスルホン酸ソーダをそれぞれ水に対して1重量%ずつ加え、ホモジナイザーにて30分撹拌した後、ウォータージェット型湿式微細化装置(スギノマシン製アルチティイザーHJP−25005)でCNTを水中に分散させた。この水スラリーに水30kgを加え、水に対するCNT濃度0.31重量%とし、さらに撹拌してCNT水スラリーを調製した。
表1に示す配合に従ってCNT/SBR複合体を作製した。
ゴム固形分22重量%のSBR1502ラテックス(三菱化学(株)製、ムーニー粘度:ML1+4(100℃)52)2273gに、上記で調製したCNT濃度0.31重量%のCNT水スラリー32.5kgを加えた(CNT量100g、SBRラテックス中の水とCNT水スラリーの水も加えて系全体の水に対するCNT濃度が0.29重量%となる)。撹拌しながら塩類は加えず、0.8重量%硫酸水溶液688g(SBR固形分当たり1.1重量%となる)と2重量%のH2NC2H4(NHC2H4)nNH2(nは5以上の整数)のポリアミン/ペンタエチレンヘキサミン(直鎖)=70/30重量%混合物水溶液113g(SBR固形分当たり0.45重量%となる)を滴下してpH3.3として凝固を行った。その結果、2〜3mmの良好な凝固クラムが得られた。生成した凝固クラムを水洗し、脱水機で水を絞り90℃の乾燥機で乾燥して、塊(クラム)状のCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体の分散状態は良好であり、CNT分散度は99.7%であった。また、バウンドラバー量は30.0重量%で、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は28.8μ秒であった。
<CNT水スラリーの調製>
CNT−1の50gに水1200gを加えて4重量%の水スラリーとし、分散剤としてリグニンスルホン酸ソーダとナフタレンスルホン酸ソーダをそれぞれ水に対して1重量%ずつ加え、ホモジナイザーにて30分撹拌した後、ウォータージェット型湿式微細化装置(スギノマシン製アルチティイザーHJP−25005)でCNTを水中に分散させた。この水スラリーに水7133gを加え、水に対するCNT濃度0.60重量%とし、さらに撹拌してCNT水スラリーを調製した。
表1に示す配合に従ってCNT/SBR複合体を作製した。
ゴム固形分22重量%のSBR1502ラテックス(三菱化学(株)製、ムーニー粘度:ML1+4(100℃)52)2273gに、上記で調製したCNT濃度0.60重量%のCNT水スラリー8.33kgを加えた(CNT量50g、SBRラテックス中の水とCNT水スラリーの水も加えて系全体の水に対するCNT濃度が0.49重量%となる)。これを撹拌しながら塩類は加えず、0.8重量%硫酸水溶液563g(SBR固形分当たり0.9重量%となる)と2重量%のH2NC2H4(NHC2H4)nNH2(nは5以上の整数)のポリアミン/ペンタエチレンヘキサミン(直鎖)=70/30重量%混合物水溶液75g(SBR固形分当たり0.3重量%となる)を滴下してpH3.5として凝固を行った。その結果、2〜3mmの良好な凝固クラムが得られた。生成した凝固クラムを水洗し、脱水機で水を絞り90℃の乾燥機で乾燥して、塊(クラム)状のCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体の分散状態は良好であり、CNT分散度は97.9%であった。また、バウンドラバー量は22.3重量%で、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は25.1μ秒であった。また、体積固有抵抗値は6.43×101Ω・cmであった。
<CNT水スラリーの調製>
CNT−1の75gに水1800gを加えて4重量%の水スラリーとし、分散剤としてリグニンスルホン酸ソーダとナフタレンスルホン酸ソーダをそれぞれ水に対して1重量%ずつ加え、ホモジナイザーにて30分撹拌した後、ウォータージェット型湿式微細化装置(スギノマシン製アルチティイザーHJP−25005)でCNTを水中に分散させた。この水スラリーに水10.7kgを加え、水に対するCNT濃度0.60重量%とし、さらに撹拌してCNT水スラリーを調製した。
表1に示す配合に従ってCNT/SBR複合体を作製した。
ゴム固形分22重量%のSBR1502ラテックス(三菱化学(株)製、ムーニー粘度:ML1+4(100℃)52)2273gに、上記で調製したCNT濃度0.60重量%のCNT水スラリー12.5kgを加えた(CNT量75g、SBRラテックス中の水とCNT水スラリーの水も加えて系全体の水に対するCNT濃度が0.53重量%となる)。撹拌しながら塩類は加えず、0.8重量%硫酸水溶液625g(SBR固形分当たり1.0重量%となる)と2重量%のH2NC2H4(NHC2H4)nNH2(nは5以上の整数)のポリアミン/ペンタエチレンヘキサミン(直鎖)=70/30重量%混合物水溶液100g(SBR固形分当たり0.4重量%となる)を滴下してpH3.5として凝固を行った。その結果、2〜3mmの良好な凝固クラムが得られた。生成した凝固クラムを水洗し、脱水機で水を絞り90℃の乾燥機で乾燥して、塊(クラム)状のCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体の分散状態は良好であり、CNT分散度は98.2%であった。また、バウンドラバー量は27.0重量%で、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は26.2μ秒であった。また、体積固有抵抗値は1.38×101Ω・cmであった。
<CNT水スラリーの調製>
CNT−1の150gに水3600gを加えて4重量%の水スラリーとし、分散剤としてリグニンスルホン酸ソーダとナフタレンスルホン酸ソーダをそれぞれ水に対して1重量%ずつ加え、ホモジナイザーにて30分撹拌した後、ウォータージェット型湿式微細化装置(スギノマシン製アルチティイザーHJP−25005)でCNTを水中に分散させた。この水スラリーに水21.4kgを加え、水に対するCNT濃度0.60重量%とし、さらに撹拌してCNT水スラリーを調製した。
表1に示す配合に従ってCNT/SBR複合体を作製した。
ゴム固形分22重量%のSBR1502ラテックス(三菱化学(株)製、ムーニー粘度:ML1+4(100℃)52)2273gに、上記で調製したCNT濃度0.60重量%のCNT水スラリー25kgを加えた(CNT量150g、SBRラテックス中の水とCNT水スラリーの水も加えて系全体の水に対するCNT濃度が0.56重量%となる)。撹拌しながら塩類は加えず、0.8重量%硫酸水溶液750g(SBR固形分当たり1.2重量%となる)と2重量%のH2NC2H4(NHC2H4)nNH2(nは5以上の整数)のポリアミン/ペンタエチレンヘキサミン(直鎖)=70/30重量%混合物水溶液125g(SBR固形分当たり0.5重量%となる)を滴下してpH3.2として凝固を行った。その結果、2〜3mmの良好な凝固クラムが得られた。生成した凝固クラムを水洗し、脱水機で水を絞り90℃の乾燥機で乾燥して、塊(クラム)状のCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体の分散状態は良好であり、CNT分散度は98.8%であった。また、バウンドラバー量は30.2重量%で、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は34.0μ秒であった。また、体積固有抵抗値は、0.11×100Ω・cmであった。
<CNT水スラリーの調製>
CNT−1の250gに水6000gを加えて4重量%の水スラリーとし、分散剤としてリグニンスルホン酸ソーダとナフタレンスルホン酸ソーダをそれぞれ水に対して1重量%ずつ加え、ホモジナイザーにて30分撹拌した後、ウォータージェット型湿式微細化装置(スギノマシン製アルチティイザーHJP−25005)でCNTを水中に分散させた。この水スラリーに水35.7kgを加え、水に対するCNT濃度0.60重量%とし、さらに撹拌してCNT水スラリーを調製した。
表1に示す配合に従ってCNT/SBR複合体を作製した。
ゴム固形分22重量%のSBR1502ラテックス(三菱化学(株)製、ムーニー粘度:ML1+4(100℃)52)2273gに、上記で調製したCNT濃度0.60重量%のCNT水スラリー41.7kgを加えた(CNT量250g、SBRラテックス中の水とCNT水スラリーの水も加えて系全体の水に対するCNT濃度が0.58重量%となる)。撹拌しながら塩類は加えず、0.8重量%硫酸水溶液1188g(SBR固形分当たり1.9重量%となる)と2重量%のH2NC2H4(NHC2H4)nNH2(nは5以上の整数)のポリアミン/ペンタエチレンヘキサミン(直鎖)=70/30重量%混合物水溶液150g(SBR固形分当たり0.6重量%となる)を滴下してpH3.1として凝固を行った。その結果、2〜3mmの良好な凝固クラムが得られた。生成した凝固クラムを水洗し、脱水機で水を絞り90℃の乾燥機で乾燥して、塊(クラム)状のCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体の分散状態は良好であり、CNT分散度は98.4%であった。また、バウンドラバー量は32.3重量%で、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は25.8μ秒であった。
<CNT水スラリーの調製>
CNT−1の250gに水6000gを加えて4重量%の水スラリーとし、分散剤としてリグニンスルホン酸ソーダとナフタレンスルホン酸ソーダをそれぞれ水に対して1重量%ずつ加え、ホモジナイザーにて30分撹拌した後、ウォータージェット型湿式微細化装置(スギノマシン製アルチティイザーHJP−25005)でCNTを水中に分散させた。この水スラリーに水35.7kgを加え、水に対するCNT濃度0.60重量%とし、さらに撹拌してCNT水スラリーを調製した。
表1に示す配合に従ってCNT/SBR複合体を作製した。
ゴム固形分22重量%のSBR1502ラテックス(三菱化学(株)製、ムーニー粘度:ML1+4(100℃)52)2273gに、上記で調製したCNT濃度0.60重量%のCNT水スラリー41.7kgを加えた(CNT量250g、SBRラテックス中の水とCNT水スラリーの水も加えて系全体の水に対するCNT濃度が0.58重量%となる)。一方、伸展油である安全性アロマオイル「ネオSオイル」(新日本石油(株)製)100gに、乳化剤として「エトール7D」(ハリマ化成(株)製)に苛性ソーダを加えたもので乳化して加えた。これらを撹拌しながら塩類は加えず、0.8重量%硫酸水溶液1250g(SBR固形分当たり2.0重量%となる)と2重量%のH2NC2H4(NHC2H4)nNH2(nは5以上の整数)のポリアミン/ペンタエチレンヘキサミン(直鎖)=70/30重量%混合物水溶液175g(SBR固形分当たり0.7重量%となる)を滴下してpH3.1として凝固を行った。その結果、2〜3mmの良好な凝固クラムが得られた。生成した凝固クラムを水洗し、脱水機で水を絞り90℃の乾燥機で乾燥して、塊(クラム)状のCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体の分散状態は良好であり、CNT分散度は97.8%で、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は34.5μ秒であった。
<CNT水スラリーの調製>
CNT−1の50gに水1200gを加えて4重量%の水スラリーとし、分散剤としてリグニンスルホン酸ソーダとナフタレンスルホン酸ソーダをそれぞれ水に対して1重量%ずつ加え、ホモジナイザーにて30分撹拌した後、ウォータージェット型湿式微細化装置(スギノマシン製アルチティイザーHJP−25005)でCNTを水中に分散させた。この水スラリーに水7133gを加え、水に対するCNT濃度0.60重量%とし、さらに撹拌してCNT水スラリーを調製した。
表1に示す配合に従ってCNT/SBR複合体を作製した。
ゴム固形分22重量%のSBR1502ゴムラテックス(三菱化学(株)製、ムーニー粘度:ML1+4(100℃)52)2273gに、上記で調製したCNT濃度0.60重量%のCNT水スラリー8.33kgを加えた。さらにカーボンブラックN234(三菱化学(株)製)150gを2850gの水中で撹拌してスラリーとしたものを加えた(CNT量50g、SBRラテックス中の水とCB水スラリーの水とCNT水スラリーの水も加えて系全体の水に対するCNT濃度が0.39重量%となる)。これらを撹拌しながら塩類は加えず、0.8重量%硫酸水溶液563g(SBR固形分当たり0.9重量%となる)と2重量%のH2NC2H4(NHC2H4)nNH2(nは5以上の整数)のポリアミン/ペンタエチレンヘキサミン(直鎖)=70/30重量%混合物水溶液75g(SBR固形分当たり0.3重量%となる)を滴下してpH3.5として凝固を行った。その結果、2〜3mmの良好な凝固クラムが得られた。生成した凝固クラムを水洗し、脱水機で水を絞り90℃の乾燥機で乾燥して、塊(クラム)状のCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体の分散状態は良好であり、CNT分散度は98.2%で、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は30.7μ秒であった。
<CNT水スラリーの調製>
CNT−1の100gに水2400gを加えて4重量%の水スラリーとし、分散剤としてリグニンスルホン酸ソーダとナフタレンスルホン酸ソーダをそれぞれ水に対して1重量%ずつ加え、ホモジナイザーにて30分撹拌した後、ウォータージェット型湿式微細化装置(スギノマシン製アルチティイザーHJP−25005)でCNTを水中に分散させ。水に対するCNT濃度4重量%のCNT水スラリーを調製した。
表2に示す配合に従ってCNT/SBR複合体を作製した。
ゴム固形分22重量%のSBR1502ラテックス(三菱化学(株)製、ムーニー粘度:ML1+4(100℃)52)2273gに、上記で調製したCNT濃度4重量%のCNT水スラリー2500gを加えた(CNT量100g、SBRラテックス中の水とCNT水スラリーの水も加えて系全体の水に対するCNT濃度が2.40重量%となる)。撹拌しながら塩類は加えず、0.8重量%硫酸水溶液688g(SBR固形分当たり1.1重量%となる)と2重量%のH2NC2H4(NHC2H4)nNH2(nは5以上の整数)のポリアミン/ペンタエチレンヘキサミン(直鎖)=70/30重量%混合物水溶液113g(SBR固形分当たり0.45重量%となる)を滴下してpH3.4として凝固を行った。その結果、CNTだけが先に自己凝集し良好な凝固クラムは得られなかった。SBRとCNTのまだら状のクラムを水洗し、脱水機で水を絞り90℃の乾燥機で乾燥して、塊(クラム)状のCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体を薄膜にプレスし光学顕微鏡で断面を観察し、ゴム中のCNTの分散状態を調べた。図2はその光学顕微鏡写真を示す。CNTの未分散塊が多く見られ、分散状態は悪かった。このCNT/SBR複合体のCNT分散度を測定したところ、CNT分散度は89.3%であった。また、バウンドラバー量は16.2重量%で、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は54.2μ秒であった。
<CNT水スラリーの調製>
CNT−1の100gに水2400gを加えて4重量%の水スラリーとし、分散剤としてリグニンスルホン酸ソーダとナフタレンスルホン酸ソーダをそれぞれ水に対して1重量%ずつ加え、ホモジナイザーにて30分撹拌した後、ウォータージェット型湿式微細化装置(スギノマシン製アルチティイザーHJP−25005)でCNTを水中に分散させた。この水スラリーに水4900gを加え、水に対するCNT濃度1.37重量%とし、さらに撹拌してCNT水スラリーを調製した。
表2に示す配合に従ってCNT/SBR複合体を作製した。
ゴム固形分22重量%のSBR1502ラテックス(三菱化学(株)製、ムーニー粘度:ML1+4(100℃)52)2273gに、上記で調製したCNT濃度1.37重量%のCNT水スラリー7299gを加えた(CNT量100g、SBRラテックス中の水とCNT水スラリーの水も加えて系全体の水に対するCNT濃度が1.10重量%となる)。撹拌しながら塩類は加えず、0.8重量%硫酸水溶液688g(SBR固形分当たり1.1重量%となる)と2重量%のH2NC2H4(NHC2H4)nNH2(nは5以上の整数)のポリアミン/ペンタエチレンヘキサミン(直鎖)=70/30重量%混合物水溶液113g(SBR固形分当たり0.45重量%となる)を滴下してpH3.4として凝固を行った。その結果、クラムは得られたが1〜2mmと少し小さかった。このクラムを水洗し、脱水機で水を絞り90℃の乾燥機で乾燥して、塊(クラム)状のCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体の分散状態はやや不良でCNT分散度は96.8%であった。また、バウンドラバー量は18.5重量%で、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は39.2μ秒であった。
<CNT水スラリーの調製>
CNT−1の150gに水3600gを加えて4重量%の水スラリーとし、分散剤としてリグニンスルホン酸ソーダとナフタレンスルホン酸ソーダをそれぞれ水に対して1重量%ずつ加え、ホモジナイザーにて30分撹拌した後、ウォータージェット型湿式微細化装置(スギノマシン製アルチティイザーHJP−25005)でCNTを水中に分散させて、水に対するCNT濃度4重量%のCNT水スラリーを調製した。
表2に示す配合に従ってCNT/SBR複合体を作製した。
ゴム固形分22重量%のSBR1502ラテックス(三菱化学(株)製、ムーニー粘度:ML1+4(100℃)52)2273gに、上記で調製したCNT濃度4重量%のCNT水スラリー3750gを加えた(CNT量150g、SBRラテックス中の水とCNT水スラリーの水も加えて系全体の水に対するCNT濃度が2.79重量%となる)。撹拌しながら塩類は加えず、0.8重量%硫酸水溶液750g(SBR固形分当たり1.2重量%となる)と2重量%のH2NC2H4(NHC2H4)nNH2(nは5以上の整数)のポリアミン/ペンタエチレンヘキサミン(直鎖)=70/30重量%混合物水溶液125g(SBR固形分当たり0.5重量%となる)を滴下してpH3.2として凝固を行った。その結果、CNTだけが先に自己凝集し良好な凝固クラムは得られなかった。SBRとCNTのまだら状のクラムを水洗し、脱水機で水を絞り90℃の乾燥機で乾燥して、塊(クラム)状のCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体の分散状態は不良で、CNT分散度は87.4%であった。また、バウンドラバー量は15.8重量%で、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は40.3μ秒であった。
<CNT水スラリーの調製>
CNT−1の250gに水6000gを加えて4重量%の水スラリーとし、分散剤としてリグニンスルホン酸ソーダとナフタレンスルホン酸ソーダをそれぞれ水に対して1重量%ずつ加え、ホモジナイザーにて30分撹拌した後、ウォータージェット型湿式微細化装置(スギノマシン製アルチティイザーHJP−25005)でCNTを水中に分散させて、水に対するCNT濃度4重量%のCNT水スラリーを調製した。
表2に示す配合に従ってCNT/SBR複合体を作製した。ゴム固形分22重量%のSBR1502ラテックス(三菱化学(株)製、ムーニー粘度:ML1+4(100℃)52)2273gに、上記で調製したCNT濃度4重量%のCNT水スラリー6250gを加えた(CNT量250g、SBRラテックス中の水とCNT水スラリーの水も加えて系全体の水に対するCNT濃度が3.21重量%となる)。撹拌しながら塩類は加えず、0.8重量%硫酸水溶液1188g(SBR固形分当たり1.9重量%となる)と2重量%のH2NC2H4(NHC2H4)nNH2(nは5以上の整数)のポリアミン/ペンタエチレンヘキサミン(直鎖)=70/30重量%混合物水溶液150g(SBR固形分当たり0.6重量%となる)を滴下してpH3.3として凝固を行った。その結果、CNTだけが先に自己凝集し良好な凝固クラムは得られなかった。SBRとCNTのまだら状のクラムを水洗し、脱水機で水を絞り90℃の乾燥機で乾燥して、塊(クラム)状のCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体の分散状態は不良で、CNT分散度は90.2%であった。また、バウンドラバー量は18.2重量%で、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は38.7μ秒であった。
<CNT水スラリーの調製>
CNT−1の350gに水8400gを加えて4重量%の水スラリーとし、分散剤としてリグニンスルホン酸ソーダとナフタレンスルホン酸ソーダをそれぞれ水に対して1重量%ずつ加え、ホモジナイザーにて30分撹拌した後、ウォータージェット型湿式微細化装置(スギノマシン製アルチティイザーHJP−25005)でCNTを水中に分散させて、水に対するCNT濃度4重量%のCNT水スラリーを調製した。
表2に示す配合に従ってCNT/SBR複合体を作製した。
ゴム固形分22重量%のSBR1502ラテックス(三菱化学(株)製、ムーニー粘度:ML1+4(100℃)52)2273gに、上記で調製したCNT濃度4重量%のCNT水スラリー8750gを加えた(CNT量350g、SBRラテックス中の水とCNT水スラリーの水も加えて系全体の水に対するCNT濃度が3.44重量%となる)。撹拌しながら塩類は加えず、0.8重量%硫酸水溶液1750g(SBR固形分当たり2.8重量%となる)と2重量%のH2NC2H4(NHC2H4)nNH2(nは5以上の整数)のポリアミン/ペンタエチレンヘキサミン(直鎖)=70/30重量%混合物水溶液200g(SBR固形分当たり0.8重量%となる)を滴下してpH3.5として凝固を行った。その結果、CNTだけが先に自己凝集し良好な凝固クラムは得られなかった。SBRとCNTのまだら状のクラムを水洗し、脱水機で水を絞り90℃の乾燥機で乾燥して、塊(クラム)状のCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体の分散状態は不良で、CNT分散度は86.7%であった。また、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は37.9μ秒であった。
<CNT水スラリーの調製>
CNT−1の100gに水2400gを加えて4重量%の水スラリーとし、分散剤としてリグニンスルホン酸ソーダとナフタレンスルホン酸ソーダをそれぞれ水に対して1重量%ずつ加え、ホモジナイザーにて30分撹拌した後、ウォータージェット型湿式微細化装置(スギノマシン製アルチティイザーHJP−25005)でCNTを水中に分散させた。この水スラリーに水14.17kgを加え、水に対するCNT濃度0.60重量%とし、さらに撹拌してCNT水スラリーを調製した。
表2に示す配合に従ってCNT/SBR複合体を作製した。
ゴム固形分22重量%のSBR1502ラテックス(三菱化学(株)製、ムーニー粘度:ML1+4(100℃)52)2273gに、上記で調製したCNT濃度0.60重量%のCNT水スラリー16.67kgを加えた(CNT量100g、SBRラテックス中の水とCNT水スラリーの水も加えて系全体の水に対するCNT濃度が0.55重量%となる)。撹拌しながら4%塩化ナトリウム水溶液100gを加え、0.8重量%硫酸水溶液688g(SBR固形分当たり1.1重量%となる)と2重量%のH2NC2H4(NHC2H4)nNH2(nは5以上の整数)のポリアミン/ペンタエチレンヘキサミン(直鎖)=70/30重量%混合物水溶液113g(SBR固形分当たり0.45重量%となる)を滴下してpH3.8として凝固を行った。その結果、凝固はできたが凝固クラムは1〜2mmと小さかった。生成した凝固クラムを水洗し、脱水機で水を絞り90℃の乾燥機で乾燥して、塊(クラム)状のCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体の分散度は非常に悪く、CNT分散度は76.3%で、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は42.5μ秒であった。この結果から、凝固時に塩類を加えるとCNTの分散性が著しく悪化することがわかる。
CNT−1の代りにCNT−2を用いたこと以外は実施例1と同様にしてCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体の分散状態は不良で、CNT分散度は95.4%であった。また、バウンドラバー量は11.1重量%で、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は50.2μ秒であった。
CNT−1の代りにCNT−3を用いたこと以外は実施例1と同様にしてCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体の分散状態は良好であり、CNT分散度は97.7%であったが、バウンドラバー量は9.4重量%であった。また、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は55.5μ秒であった。
CNT−1に換えて、三菱化学製カーボンブラック「N234」を用いた以外は、実施例7と同様にしてCB/SBR複合体を得た。
得られたCB/SBR複合体の分散状態は良好であり、CB分散度は99.2%であったが、バウンドラバー量は21.9重量%で、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は166μ秒であった。
<SBRゴムの調製>
実施例1で使用したゴム固形分22重量%のSBR1502ラテックス(三菱化学(株)製、ムーニー粘度:ML1+4(100℃)52)2273gに、4重量%塩化ナトリウム水溶液100gを加え、0.8重量%硫酸水溶液688g(SBR固形分当たり1.1重量%となる)と2重量%のH2NC2H4(NHC2H4)nNH2(nは5以上の整数)のポリアミン/ペンタエチレンヘキサミン(直鎖)=70/30重量%混合物水溶液113g(SBR固形分当たり0.45重量%となる)を滴下してpH3.9として凝固を行った。生成した凝固クラムを水洗し、脱水機で水を絞り90℃の乾燥機で乾燥して、塊(クラム)状のSBR1502を得た。
表3に示す配合でSBR1502にCNTを練り込んだ。
上記で調製したクラム状のSBR1502の100重量部に、CNT−1を10重量部加え、1.7リットルのバンバリーミキサーで5分間混練し、140℃に達したときに放出した。このコンパウンドを6インチオープンロール(ロール温度20℃)でロール間隔0.3mmで5分間混練し、シート状のCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体のバウンドラバー量は5.5重量%であった。また、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は38.8μ秒であった。
クラム状のSBR1502の100重量部に添加したCNT−1を15重量部としたこと以外は比較例10と同様にしてCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体のバウンドラバー量は9.0重量%で、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は41.2μ秒であった。
クラム状のSBR1502の100重量部に添加したCNT−1を20重量部としたこと以外は比較例10と同様にしてCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体のバウンドラバー量は11.9重量%で、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は40.4μ秒であった。
クラム状のSBR1502の100重量部に添加したCNT−1を30重量部としたこと以外は比較例10と同様にしてCNT/SBR複合体を得た。
得られたCNT/SBR複合体のバウンドラバー量は19.7重量%で、スピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)は37.9μ秒であった。
すなわち、本発明による実施例1〜9では、CNT水スラリーを、SBRラテックス中の水も併せて水に対するCNT濃度が1.0重量%未満となるようにSBRラテックスと混合し、塩類を加えることなく、硫酸と特定の凝集剤をSBRゴム(ゴム固形分)に対し、それぞれ0.9〜2.2重量%、0.3〜0.9重量%加えて凝固させることで、CNTがSBR中に均一に分散し、且つCNTとSBRとの接点が多く、いわゆるアロイ化された相溶性および密着力の強いCNT/SBR複合体が得られたことが分かる。こうして得られたCNT/SBR複合体は、CNT分散度が良好(ASTM D2663に準拠したCNT分散度が97%以上)で、バウンドラバー量が多く(20重量%以上)、パルスNMR法のスピン−スピン緩和時間(T2S/150℃)が35μ秒以下のCNTに結合あるいは吸着されたSBRが多いCNT/SBR複合体であることが分かる。
CNTとしてアスペクト比(長さ/直径)の小さいものを用いた比較例7,8では、分散状態は良好であるが、バウンドラバー量が小さく、CNTとの接点の多い、いわゆるアロイ化された相溶性および密着力の強いCNT/SBR複合体を得ることはできない。
CBを用いた比較例9でも、同様にいわゆるアロイ化された相溶性および密着力の強いCB/SBR複合体を得ることはできない。
比較例10〜13は、乾式法で、予め凝固させたSBRにCNTを練り込んでCNT/SBR複合体を作製したものであり、バウンドラバー量が少なく、いわゆるアロイ化された相溶性および密着力の強いCNT/SBR複合体を得ることはできない。
Claims (10)
- パルス法NMRを用いてソリッドエコー法によって150℃で測定したスピン−スピン緩和時間T2Sが35μ秒以下である、カーボンナノチューブ/ゴム複合体。
- バウンドラバーを20重量%以上含む、請求項1に記載のカーボンナノチューブ/ゴム複合体。
- ASTM D2663に準拠したカーボンナノチューブ分散度が97%以上である、請求項1又は2に記載のカーボンナノチューブ/ゴム複合体。
- 体積固有抵抗値が106Ω・cm以下である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ/ゴム複合体。
- ゴムラテックスとカーボンナノチューブ(CNT)の水分散液とを混合した混合液に、凝固剤を添加して凝固させる工程を有するカーボンナノチューブ/ゴム複合体の製造方法であって、
該混合液中のゴム固形分100重量部に対するカーボンナノチューブの含有量が10〜80重量部であり、
該混合液中の水に対するカーボンナノチューブ濃度が1.0重量%未満であり、
該凝固剤が無機酸及びポリアミンを含み、塩を含まない、カーボンナノチューブ/ゴム複合体の製造方法。 - 前記カーボンナノチューブの繊維直径が8nm〜14nmであり、アスペクト比が1800以上であり、且つ灰分が5重量%以下である、請求項5に記載のカーボンナノチューブ/ゴム複合体の製造方法。
- 前記混合液中の水に対するカーボンナノチューブの含有量が0.8重量%未満である、請求項5又は6に記載のカーボンナノチューブ/ゴム複合体の製造方法。
- 前記無機酸が硫酸である、請求項5乃至7のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ/ゴム複合体の製造方法。
- 前記ポリアミンがH2NC2H4(NHC2H4)nNH2(nは5以上の整数)で表される化合物である、請求項5乃至8のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ/ゴム複合体の製造方法。
- 前記カーボンナノチューブの水分散液が、リグニンスルホン酸塩とナフタレンスルホン酸塩を含有し、500メッシュ(目開き25μm)の篩残量が該カーボンナノチューブの水分散液中のカーボンナノチューブ重量に対し、2.0重量%以下である、請求項5乃至9のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ/ゴム複合体の製造方法。
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