JP2018089743A - クーラント液の浄化方法及び浄化装置 - Google Patents

クーラント液の浄化方法及び浄化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018089743A
JP2018089743A JP2016235008A JP2016235008A JP2018089743A JP 2018089743 A JP2018089743 A JP 2018089743A JP 2016235008 A JP2016235008 A JP 2016235008A JP 2016235008 A JP2016235008 A JP 2016235008A JP 2018089743 A JP2018089743 A JP 2018089743A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coolant liquid
air
filter member
coolant
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016235008A
Other languages
English (en)
Inventor
直慎 茂谷
Naonori Shigetani
直慎 茂谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MERUTEKKU KK
Original Assignee
MERUTEKKU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MERUTEKKU KK filed Critical MERUTEKKU KK
Priority to JP2016235008A priority Critical patent/JP2018089743A/ja
Publication of JP2018089743A publication Critical patent/JP2018089743A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Water Treatment By Sorption (AREA)
  • Auxiliary Devices For Machine Tools (AREA)
  • Physical Water Treatments (AREA)

Abstract

【解決手段】 クーラント液内に気泡状のエアを供給することにより該クーラント液を一定方向に循環させ、この循環の中でクーラント液をフィルターに通過させる際、クーラント液に含まれる金属微粒子等の金属成分をフィルターに吸着させると共に、該フィルターに添着した金属化合物によりクーラント液中に存在する嫌気性細菌を減菌又は殺菌し、更に、クーラント液中の油分を上記気泡状のエアにより浮上させることにより該油分を回収可能にすることを特徴とするクーラント液の浄化方法、及びクーラント液の浄化装置。【効果】 本発明の浄化方法及び浄化装置によれば、金属微粒子や油分等を除去すると同時に微生物の繁殖を可及的に防止して、クーラント液の品質を長期に亘り良好に維持でき、これらの分離及び回収を効率良く、且つ、容易に行うことができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、特に、精密加工現場の切削加工機や研削加工機等に用いられる切削液又は研削液(以下、「クーラント液」と言う。)の浄化方法及び浄化装置に関する。
各種の精密加工分野では、金属の研削加工や切削加工を行う際、摩擦抑制と冷却のためにクーラント液、特に、水溶性クーラント液が多量に使用される。このクーラント液は、長期間使用すると、嫌気性細菌類(特に硫黄還元菌に代表される嫌気性細菌)の微生物が繁殖するようになる。また、クーラント液を工作機械等の加工時に絶えず使用するため、その際、非削材の金属イオンが混入したり、摺動面油、作動油等の切削を目的としていない油分が混入するなどの問題がある。即ち、クーラント液は、悪臭や油分の付着、微細な金属の混入等により、次第に劣化することなる。
クーラント液の微生物による腐敗の防止策としては、従来より、殺菌剤を投入する方法、またはpH向上剤を投入する方法があった。しかし、このような方法は、クーラント液の腐敗の進行を遅らせることが可能であったが、腐敗を効果的に防止することは困難であった。このようなクーラント液の腐敗防止策を改善するため、例えば、特開平9−14077号公報には、悪臭を除く方法としてオゾンによる殺菌方法が提案されている。しかし、この方法では、使用するオゾンにより設備コストが高くなり、またオゾンは人体に害があることが気になり健康上の問題がある。また、この方法を使用するには、密閉空間が必要であり実用的ではない。
また、クーラント液中の金属微粒子や異物微粒子を除去する方法としては、例えば、特開2009−166176号公報の技術が提案されている。しかし、この方法は、複雑で高価であり経済的に不利であり、実用的ではない。また、上記方法では、金属微粒子や異物微粒子を除去しても依然として微生物による悪臭が生じており問題がある。
更に、特開2013−158901号公報には、クーラント液中に陽極及び陰極を備え、電圧印加によりクーラント液に含まれる嫌気性細菌類の殺菌効果を高める方法が提案されている。しかし、このような電気分解による方法では、クーラント液の組成に影響を及ぼし、クーラント液の品質の劣化を招くおそれがある。また、上記の提案は、クーラント液に存在する微生物の繁殖を防止する目的だけであり、クーラント液中の金属微粒子や不純油分の回収がされておらず、クーラント液の品質を良好に維持し得るものではない。
また、特開2015−223692号公報には、クーラント液に含まれる不要な油分を回収するための浮上油回収システムが提案されている。しかし、この提案は、あくまでも浮上する油分のみを回収するものであって、微生物による悪臭や金属微粒子等の不純物を回収してクーラント液全体の劣化を防止するシステムではない。
特開平9−14077号公報 特開2009−166176号公報 特開2013−158901号公報 特開2015−223692号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、金属微粒子や油分等を除去すると同時に微生物の繁殖を可及的に防止して、クーラント液の品質を長期に亘り良好に維持できるクーラント液の浄化方法及び浄化装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、クーラント液全体の劣化を防止するシステムを構築する手段として、クーラント液内に気泡状のエアを供給することによりクーラント液全体を対流・循環させ、その循環の中で、金属微粒子等の金属成分を除去するためのフィルター部材を配備すると共に、該フィルター部材に金属化合物を添着又は充填させることにより、この金属化合物の酸化還元反応により生じる活性酸素・フリーラジカルが嫌気性細菌類等の微生物の繁殖を抑制又は不活性化させることができ、更には、クーラント液中の油分を上記気泡状のエアにより浮上させて、クーラント液の浴槽の上方で油分を容易に除去できることを知見し、本発明を完成するに至ったものである。
従って、本発明は、下記のクーラント液の浄化方法及び浄化装置を提供する。
[1]クーラント液内に気泡状のエアを供給することにより該クーラント液を循環させ、この循環の中でクーラント液をフィルター部材に通過させる際、クーラント液に含まれる金属成分をフィルター部材に吸着させると共に、該フィルター部材に添着又は充填される金属化合物によりクーラント液中に存在する嫌気性細菌を減菌又は殺菌し、更に、クーラント液中の油分を上記気泡状のエアにより浮上させることにより該油分を回収可能にすることを特徴とするクーラント液の浄化方法。
[2]クーラント液内に気泡状のエアを供給する際のエア供給量が200〜5000ml/分である[1]記載のクーラント液の浄化方法。
[3]上記フィルター部材に添着又は充填される金属化合物が2価と3価とを有する金属酸化物又は金属水酸化物である[1]又は[2]記載のクーラント液の浄化方法。
[4]上記金属化合物の金属が、鉄、コバルト又はニッケルである[3]記載のクーラント液の浄化方法。
[5]クーラント液を収容した浴槽内に設置され、該クーラント液の浄化を実施するために用いられるクーラント液の浄化装置であって、
クーラント液内に気泡状のエアを供給するエア供給手段、及び
該エア供給手段から供給されるエアを装置本体内部に噴出させるエア噴出部と、エアを外部に排出するエア排出部を有すると共に、金属化合物を添着又は充填させたフィルター部材を配備した装置本体
を具備してなり、上記エア噴出部から上記エア排出部へ気泡状のエアが移動することによりクーラント液を循環させ、この循環の中で上記フィルター部材によりクーラント液に含まれる金属成分を吸着除去すると共に、該フィルター部材に添着又は充填される金属化合物によりクーラント液中に存在する嫌気性細菌を減菌又は殺菌し、更に、クーラント液中の油分を上記気泡状のエアにより浮上させることにより該油分を回収可能にすることを特徴とするクーラント液の浄化装置。
[6]上記装置本体に配備されるフィルター部材は、少なくとも外側及び内側の2種類の部材により構成される[5]記載のクーラント液の浄化装置。
[7]上記フィルター部材が、粒状の金属化合物を多数個充填したカラムフィルターである[5]又は[6]記載のクーラント液の浄化装置。
[8]上記気泡状のエアにより浮上した油分を回収する回収装置を設置する[5]〜[7]のいずれか1項記載のクーラント液の浄化装置。
本発明の浄化方法及び浄化装置によれば、金属微粒子等の金属成分や油分を除去すると同時に微生物の繁殖を可及的に防止して、クーラント液の品質を長期に亘り良好に維持できる。また、クーラント液のメンテナンスに要求される微生物の不活性化、金属成分の回収、及び混入した油分の分離及び回収を効率良く、且つ、容易に行うことができる。
本発明の一実施例に係るクーラント液の浄化装置を示す概略断面図である。 上記浄化装置をクーラント液の浴槽中に設置する様子を示した概略図である。 上記浄化装置を用いて実施されるクーラント液の浄化方法のフローチャートである。 本発明の他の実施例に係るクーラント液の浄化装置を示す概略断面図である。 実施例の浄化装置を用いてクーラント液の臭いを測定したグラフである。
以下、図面を参照して、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のクーラント液の浄化方法は、クーラント液内に気泡状のエアを供給することにより該クーラント液を対流・循環させるものである。気泡状のエアを供給する手段としては、特に制限はないが、例えば、市販品の水中濾過ポンプ等を好適に使用することができる。この際、気泡状のエアを供給する際、そのエアの供給量は、クーラント液の量に合わせた条件で行うことが好ましい。即ち、クーラント液内に気泡状のエアを供給することは、クーラント液全体を対流・循環させだけではなく、気泡状のエアは、後述するように、液中の微細な油分と微細な金属粒子とを取り込み浮上させる役目も有する。なお、クーラント液内に気泡状のエアを供給する際のエア供給量については、特に制限はないが、200〜5000ml/分であることが好適であり、より好ましくは1000〜4000ml/分である。
次に、本発明の浄化方法では、クーラント液が充填される浴槽内にフィルター部材を配備するものである。この目的は、金属微粒子等の金属成分をフィルター部材に吸着させ回収するためである。本発明では、上述したように、気泡状のエアを供給することによりクーラント液を対流・循環させているので、クーラント液全体がフィルター部材を通過することになり効率よく且つ確実に金属成分及び油分を除去することが可能である。クーラント槽内の水溶性研磨剤と油は一般的に油分が水より軽いので放置しておいても油は浮上し得る。金属も比重によっては沈降し、この沈降した金属は分離回収容易である。しかし、水溶性溶剤に溶け込んだ微細な金属粒子は、採集できず混濁油として劣化が進行することとなる。本発明では、特に、このような微細な混濁油並びに金属粒子をフィルター部材で捕集し、結合・凝集させることにより、本発明の機能である循環(対流)する泡(気泡状エア)により浮上させることによって液中の微細な油分金属粒子を捕集し、黒色の混濁液を元の溶剤の状態に戻すことを可能にするものである。また、本発明に用いるフィルター部材に添着した水酸化鉄等の金属化合物が油分等を凝集させる役目を担っている。本発明の浄化装置本体の配設位置としては、クーラント液を収容する浴槽の中央であってもそれ以外であってもよく、クーラント液の使用量に応じて機種を適宜選定することができる。例えば、浄化装置のサイズやエアポンプの容量(エア供給量)を適宜変更することが可能である。
また、本発明では、上記フィルター部材には、金属化合物を添着又は充填させてクーラント液中に存在する嫌気性細菌類を滅菌又は殺菌し得るものである。具体的には、上記フィルター部材の片面又は両面に金属化合物を添着させる。または、上記フィルター部材としてカラムフィルターを用い、即ち、金属化合物を含有する粒状充填物を多数個収容した収容体を採用することもできる。金属化合物としては、鉄、コバルト、ニッケル等の金属酸化物や金属水酸化物等が挙げられる。上記の金属は、2価と3価とを有することが好適である。即ち、上記の金属化合物中の金属イオンは、クーラント液中(水溶液)において、上記の気泡状のエアに含まれる空気(酸素)の存在により、Fe,Co,Ni等の金属イオンが3価から2価になる還元反応と、2価から3価に戻る化学反応(酸化反応)とを繰り返すこととなり、このような一種の触媒的反応を繰り返すことにより生じうる活性酸素・フリーラジカルが、細菌類、特に、硫黄還元菌に代表される嫌気性細菌類を不活性化する作用(即ち、殺菌又は減菌を含めて少なくとも細菌類の増殖を抑制可能にする作用)を及ぼすものである。
上記フィルター部材の大きさは、特に制限はないが、クーラント液の使用量に応じて適宜選定することができ、例えば、10〜100L用のクーラント液の浴槽に用いる場合、フィルター部材の大きさは、0.01〜0.1m2、好ましくは0.02〜0.05m2程度である。
上記フィルター部材に金属化合物を添着させる量は、特に制限はないが、フィルター材1m2あたり10〜1000g、好ましくは20〜500g、より好ましくは50〜300g程度で金属化合物を添着させることができる。また、上記フィルター部材内に金属化合物を充填させる場合も上記と同様である。
更に、本発明では、上述したように、気泡状のエアを供給することによりクーラント液を対流・循環させており、クーラント液中の油分が上記気泡状のエアにより浮上されるものである。具体的には、上記の気泡状のエアが油分を取り込んだ状態で浮上することになる。そして、浮上した油分は、公知の方法に回収することができる。例えば、市販品の油吸着材を使用し、浮上した油分を該油吸着材により選択除去することができる。
このように、本発明の浄化方法は、クーラント液に含まれる金属微粒子等の金属成分を吸着・除去し、嫌気性細菌等の微生物を殺菌又は不活性化させ、その上、浮上した油分を回収・除去し得るものであり、クーラント液の脱臭・油泡分離・金属成分の除去を一連の方法により、効率良く且つ確実に行うことができ、この方法は比較的に簡便(シンプル)なものであり、それ故、経済的であり実用性が高いものである。
次に、本発明の浄化方法を具体的に実現させた浄化装置の一例として、図1に示した装置について説明する。
図1の浄化装置1は、装置本体10と、エア噴出手段(エアポンプ)20、及びこれらを連結する吸気パイプ30により構成される。エア噴出手段20は、特に図示してはいないが電源により接続されている。
装置本体10は、図2に示すように、クーラント液を収容した浴槽(タンク)T内に設置される。この装置本体は、図1に示すように、フィルター部材12と該フィルター部材12を収容する収納体13とから構成されている。この収納体13は透明又は半透明の略筒状容器であり、その容器の底部中央には、浴槽Tのクーラント液に対してエアを噴射するためのエア噴射部13aが形成されると共に、上記容器の上部には、噴射した気泡状エアを浄化装置の外側へ排出するための開口部を有する筒状のエア排出部13bが形成されている。
また、収納体13の底部には、クーラント液が収納体13内部に流入するための切り込み部130が筒状収納の周方向に沿って多数個形成されると共に、収納体13の筒状のエア排出部13bのやや下側には、筒状収納体の外壁の周方向に沿って、クーラント液が収納体13内部に流入するための多数個の切り込み部131が形成されている。
上記フィルター部材12は、図1では、3個のフィルター部材12a,12b,12cにより構成される。即ち、装置本体10の外側には第1フィルター部材12aが形成されており、また、装置本体10の内側には第2フィルター部材12bが形成されている。この第2フィルター部材12bは第1フィルター部材12aと接触し連通している。第1フィルター部材12aは、フィルター材として不織布により形成されるフィルター層であり、このフィルター層には、その全部又は一部に、特定の金属化合物が展着されている。一方、第2フィルター部材12bは、所謂、筒状のカラムフィルターであり、金属化合物を含有した多孔質材料等の充填物が粒状又はビーズ状で多数個収容されている。これらの金属化合物の詳細については、上記の段落番号[0015]で説明したものと同様である。また、特に図示してはいないが、第2フィルター部材12bの筒状体中央部は空洞になっており、この空洞部から第2フィルター部材12bでフィルタリングされたクーラント液をエアと共に上方へ移動させ排出させるための連通孔が第2フィルター部材12bの筒状体内側壁に多数形成されている。
更に、上記第1フィルター部材12aの下部又は底部には、第3フィルター部材12cが設けられている。この第3フィルター部材12cには、多数個の粒状又はビーズ状充填物が収容されている。
上記装置本体10のエア噴射部13aからエアが噴射され、上方のエア排出部13bに移動すると、浴槽T内のクーラント液に対流が生じ、循環するようになる。この循環において、図中矢印で示されるように、収納体13の底部の切り込み部130からクーラント液が収納体13内部に流入し、上記フィルター部材12a,12b,12cと接触することになる。
先ず、図1に示すように、最下層である第3フィルター部材12cがクーラント液と接触することになる。そして、第1フィルター部材12aにおいては、この第3フィルター部材12cでフィルター処理されたクーラント液を再度フィルター処理することができる。
第2フィルター部材12bは、収納体13の底部の切り込み部130から流入するクーラント液と接触する。そして、第2フィルター部材12bは、上記切り込み部130,131を通して収納体13内部に流入したクーラント液をフィルター処理し得るものである。また、第2フィルター部材12bは、収納体13の上方に形成された切り込み部131から流入するクーラント液とは直接接触はしないが、その外側に存する第1フィルター部材12aでフィルター処理されたクーラント液を再度フィルター処理するものである。
そして、上記の構成により、エアポンプ20を介して接続されたエア噴出部13aから浴槽T内にエアが気泡状で噴出される。気泡状で噴出したエアは、装置本体10の上方に設けられたエア排出部13bから排出される。この際、気泡状エアの上昇により液流が生じ、クーラント液は、第1フィルター12aを経由して第2フィルター部材12bへ流れ、エア排出部13aから排出される。或いは、クーラント液は、第3フィルター12cを経由してから第1フィルター部材12aへと流れ、次いで、第2フィルター部材12bへと流れ、エア排出部13bから排出される。このように気泡状のエアの噴出及び排出を繰り返すことにより、クーラント液内に気泡状のエアが一定方向に流れると共に、クーラント液が一定方向に循環することになる。そして、これらのフィルター部材によりクーラント液を連続的にフィルター処理することが可能である。
なお、上記浄化装置1を用いた方法については上述したとおりであるが、簡単にまとめると、図3に示したような各工程(i)〜(v)のフローチャートとなる。
以上説明したように、上記の浄化装置1は、第1フィルター部材12a、第2フィルター部材12b,必要に応じて第3フィルター部材12cを備えた装置本体10をクーラント液の浴槽T内に配備して使用するものであり、この装置だけで、クーラント液に含まれる金属微粒子等の金属成分の回収と微生物の不活性化とを同時に行うと共に、気泡状のエアにより混入した油分を浮上させて回収することができる。特に、上記の浄化装置1では、3種類のフィルター部材で構成されており、これにより、金属成分の回収と微生物の不活性化とを非常に効率よく且つ確実に行うことができ、より浄化効果の高い浄化装置を提供することできる。
なお、上記の浄化装置1は、上記のとおり、3種類のフィルター部材12a,12b,12cにより構成したが、これに代えて、例えば、図4に示すように、装置本体の大部分を1種類のみの単一フィルター部材12dにて形成することもできる。このような装置本体は比較的シンプルな構造となるので、装置本体の製作が低コストとなり簡単に行うことができる利点がある。
また、上記の浄化装置1は、消費電力としてエアポンプを作動させてクーラント液を循環させるだけであり、安価であり経済的及び実用的である。また、この装置は、特に、作業員の人体の影響を及ぼすような化学物質や自然環境を悪化させるような化学物質や設備・装置を構成としているものではなく、無害で環境に優しい装置である。
〔実験例〕
クーラント液を約3ヶ月使用し、臭気が強く使用できなくなった。そこで、このクーラント液15Lに、図1に示した上記浄化装置(本発明品)を用いて、毎分3500ccの空気を吹き込み、クーラント液を浄化させた。図1の符号12aのフィルター部材(ポリエステル不織布)の大きさは約0.02m2である。鉄の水酸化物10〜30質量%とニッケルの水酸化物10〜30質量%とを含む材料をフィルター12aに350g/m2程度で添着させ、更に、図中符号12bのカラムフィルターの上記の材料の充填物として約45g程度充填させた。また、図中の符号12cのフィルターは約50gの充填物を充填させた。上記クーラント液を上記浄化装置により浄化させ、長期に使用した。上記クーラント液の臭いについては、神栄社製の機種「OMX−GR」により測定した「におい強度」の表示値に基づいて評価し、図5示す本発明品のグラフを得た。また、上記の3個のフィルター部材12a、12b、12cには、上記の金属化合物(鉄の水酸化物及びニッケルの水酸化物)を全く添加着又は充填しないで、それ以外は本発明品と同様の構成とする浄化装置(参考品)を用い、本発明品と比較対象させた。そのグラフも図5中に併せて示す。なお、図5のグラフの縦軸はクーラン液臭いの係数(Log)を示し、横軸は測定日を示す。
また、上記浄化装置により処理されたクーラント液については、油分については使用に問題があるような粘度はなく、十分に使用することが可能であった。また、油分がサラサラとしている状態であり、金属微粒子等の金属成分は十分に洗降され、使用に耐えられるものであった。
上記浄化装置により処理されたクーラント液は、通常、3ヶ月であるが、6〜12ヶ月の間、十分に使用することができた。
以上、本発明の浄化装置の具体例を示したが、本発明は上記例に限定されるものではなく、各部の構成や組み合わせは、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々変更して差し支えない。例えば、装置本体やフィルター部材の形状や大きさ等は本発明の作用効果を奏する限り、適宜選定することが可能である。また、フィルター部材の種類や数、フィルターに展着又は充填される金属化合物の量や形態・形状等の制限はなく、本発明の要旨である限り適宜選定することができる。
1 浄化装置
10 装置本体
20 エア噴出手段(エアポンプ)
30 吸気パイプ
12 フィルター部材
12a 第1フィルター部材
12b 第2フィルター部材
12c 第3フィルター部材
13 収納体
13a エア噴出部
13b エア排出部
130 切り込み部(底部側)
131 切り込み部(上方側)

Claims (8)

  1. クーラント液内に気泡状のエアを供給することにより該クーラント液を循環させ、この循環の中でクーラント液をフィルター部材に通過させる際、クーラント液に含まれる金属成分をフィルター部材に吸着させると共に、該フィルター部材に添着又は充填される金属化合物によりクーラント液中に存在する嫌気性細菌を減菌又は殺菌し、更に、クーラント液中の油分を上記気泡状のエアにより浮上させることにより該油分を回収可能にすることを特徴とするクーラント液の浄化方法。
  2. クーラント液内に気泡状のエアを供給する際のエア供給量が200〜5000ml/分である請求項1記載のクーラント液の浄化方法。
  3. 上記フィルター部材に添着又は充填される金属化合物が2価と3価とを有する金属酸化物又は金属水酸化物である請求項1又は2記載のクーラント液の浄化方法。
  4. 上記金属化合物の金属が、鉄、コバルト又はニッケルである請求項3記載のクーラント液の浄化方法。
  5. クーラント液を収容した浴槽内に設置され、該クーラント液の浄化を実施するために用いられるクーラント液の浄化装置であって、
    クーラント液内に気泡状のエアを供給するエア供給手段、及び
    該エア供給手段から供給されるエアを装置本体内部に噴出させるエア噴出部と、エアを外部に排出するエア排出部を有すると共に、金属化合物を添着又は充填させたフィルター部材を配備した装置本体
    を具備してなり、上記エア噴出部から上記エア排出部へ気泡状のエアが移動することによりクーラント液を循環させ、この循環の中で上記フィルター部材によりクーラント液に含まれる金属成分を吸着除去すると共に、該フィルター部材に添着又は充填される金属化合物によりクーラント液中に存在する嫌気性細菌を減菌又は殺菌し、更に、クーラント液中の油分を上記気泡状のエアにより浮上させることにより該油分を回収可能にすることを特徴とするクーラント液の浄化装置。
  6. 上記装置本体に配備されるフィルター部材は、少なくとも外側及び内側の2種類の部材により構成される請求項5記載のクーラント液の浄化装置。
  7. 上記フィルター部材が、粒状の金属化合物を多数個充填したカラムフィルターである請求項5又は6記載のクーラント液の浄化装置。
  8. 上記気泡状のエアにより浮上した油分を回収する回収装置を設置する請求項5〜7のいずれか1項記載のクーラント液の浄化装置。
JP2016235008A 2016-12-02 2016-12-02 クーラント液の浄化方法及び浄化装置 Pending JP2018089743A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016235008A JP2018089743A (ja) 2016-12-02 2016-12-02 クーラント液の浄化方法及び浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016235008A JP2018089743A (ja) 2016-12-02 2016-12-02 クーラント液の浄化方法及び浄化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018089743A true JP2018089743A (ja) 2018-06-14

Family

ID=62564166

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016235008A Pending JP2018089743A (ja) 2016-12-02 2016-12-02 クーラント液の浄化方法及び浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018089743A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110776203A (zh) * 2019-11-16 2020-02-11 江苏九洲环保技术有限公司 一种高效环保处理过滤装置
CN114227370A (zh) * 2021-12-30 2022-03-25 徐州市元杰智能制造研究院有限公司 一种可循环利用的切削液冷凝系统

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110776203A (zh) * 2019-11-16 2020-02-11 江苏九洲环保技术有限公司 一种高效环保处理过滤装置
CN114227370A (zh) * 2021-12-30 2022-03-25 徐州市元杰智能制造研究院有限公司 一种可循环利用的切削液冷凝系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104926034B (zh) 臭氧催化氧化组合生物滤池处理焦化废水工艺和装置
JP3974929B1 (ja) 排水処理方法および排水処理装置
CN108271730A (zh) 一种基于厌氧反硝化的低碳零排放工厂化循环水养殖系统
CN104150707A (zh) 一种生物转盘处理污水的装置和方法
JP2018089743A (ja) クーラント液の浄化方法及び浄化装置
KR20210091951A (ko) 바이오플락 양식장용 자동 침전 순환 사육수조
KR101782735B1 (ko) 에너지 절감용 순환 여과식 어류 양식시스템
MX2012014889A (es) Metodo y sistema para la limpieza de filtros de membrana.
CN206320858U (zh) 过滤网清洗组件及其空气净化、除烟装置
KR101367642B1 (ko) 오폐수 정화장치
JP2002210488A (ja) 清浄化処理装置
CN208029987U (zh) 一种基于厌氧反硝化的低碳零排放工厂化循环水养殖系统
CN115974305A (zh) 一种集成式膜法水处理系统及处理方法
JP2013022586A (ja) 酵母による油含有廃水処理システム
JP4817082B2 (ja) 浄水器及びその使用方法
JP2003024930A (ja) 雑排水浄化装置及び浄化システム
KR20170029853A (ko) 하 폐수 처리의 탈인 시스템
CN103482826A (zh) 污水处理装置
KR102170073B1 (ko) 천일염 제조장치 및 제조방법
JP6371970B2 (ja) 水処理装置
KR101599797B1 (ko) 정화조 등의 고도의 수처리방법
KR101507710B1 (ko) 마이크로 버블을 이용한 해수처리 시스템 및 이를 이용한 해수처리 방법
KR101300655B1 (ko) 염수 또는 세척수 살균 정화장치
CN102653429A (zh) 用于矿井的便携净水装置及其净水工艺
IE20150066A1 (en) Waste water treatment apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20170116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170116