JP2018089058A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】排泄物の横漏れが起こりにくい吸収性物品を提供すること。【解決手段】一対の防漏カフ5,5は、それぞれ、表面シート2の肌対向面に部分的に固定された固定部52を有し、且つ該固定部52よりも横方向Yの内方に自由端部55を有する、疎水性の防漏カフ形成用シート50を具備する。表面シート2は、横方向Yの中央部に、吸収性物品1Aの展開且つ伸長状態における平面視においてシート50と重ならない、防漏カフ非重複領域2Mを有する。表面シート2における、固定部52の横方向最内方位置52aから横方向Yの外方に延出するサイド領域2Sは、その肌対向面がシート50で被覆され、且つ防漏カフ非重複領域2Mに比して親水度が低い(水との接触角が大きい)。【選択図】図3

Description

本発明は、吸収体の肌対向面を被覆する表面シートと、着用時に着用者の肌に向かって起立する防漏カフとを備えた吸収性物品に関する。
使い捨ておむつ等の吸収性物品において、尿などの排泄物の股下からの横漏れを防止する防漏壁として、着用時に股下部において着用者の肌に向かって起立する防漏カフを備えたものが知られている。典型的な防漏カフは、疎水性の防漏カフ形成用シートの横方向一端側が表面シートなどの他の部材に接合されて固定部を形成し、他端側が折り返されその折り返し部分の内部に弾性部材が伸長状態で固定された構成を有する。斯かる構成の防漏カフにおいて、防漏カフ形成用シートの折り返し部分は、股下部の前後に延在する腹側部及び背側部では表面シートなどの他の部材に接合され、股下部では他の部材と非接合の自由端部とされている。これにより吸収性物品の着用時には、横方向と直交する縦方向即ち着用者の前後方向に弾性部材の収縮力が働き、股下部で防漏カフが、防漏カフ形成用シートの表面シートなどとの固定部を起点としてその自由端部側を着用者の肌に向けて起立する。起立した防漏カフと表面シートとの間にポケットが形成され、股下からの体液の横漏れが防止される。
特許文献1には、防漏カフを備えた吸収性物品において、横漏れ防止の観点から、周囲よりも横方向外方に延びる防漏性の幅広部を形成することが記載されており、該幅広部が、表面シートの横方向外方への延出部から構成され得ることも記載されている。この防漏性の幅広部が表面シートから構成される場合、その表面シートの横方向中央部は、相対的に親水度が高い領域、横方向両端部は、相対的に親水度の低い領域である。但し、特許文献1には、表面シートや防漏カフの各部の親水度についての相互の関係については具体的に記載されていない。
また特許文献2には、幼児におむつ離れをさせるときに使用するトレーニングパンツにおいて、トレーニング用途に適するよう、排尿量が少量であっても表面シートが十分に湿った状態となるようにする観点から表面シートの横方向両端部を親水部、横方向中央部を疎水部とすることが記載されている。
また従来、吸収性物品用の表面シートとして、着用者の肌側に向けられる肌対向面に、エンボス加工等の押圧処理により凹凸形状を形成したものが知られている。また、表面シートの肌対向面に凹凸形状を形成することで、着用者の肌との間に空間を形成して、排泄された尿や経血から生じる湿気を放散させる技術も知られている。例えば特許文献3には、第1不織布と第2不織布とが部分的に熱融着されて接合部が形成され、第1不織布が、該接合部に囲まれた非接合部において第2不織布から離れる方向に突出して、内部が中空の凸部を多数形成している2層構造の表面シートが記載され、また、第2不織布が第1不織布よりも親水度が高いことも記載されている。
特開2015−217067号公報 特開平10−234778号公報 特開2016−60995号公報
従来の防漏カフを備えた吸収性物品は、依然として排泄物の横漏れ防止の点で改善の余地がある。例えば従来、特に着用者の脚周りのクッション性の向上などを目的として、表面シートを防漏カフ形成用シートの固定部よりも横方向外方に延出させることが行われているが、斯かる構成を有する吸収性物品においては、該固定部の近傍に排泄物が存在する場合、親水度の高い表面シートが駆動力となって、その排泄物が該固定部から横方向外方に染み出し、横漏れの原因となることがあった。
従って本発明の課題は、排泄物の横漏れが起こりにくい吸収性物品を提供することに関する。
本発明は、着用者の前後方向に対応する縦方向及びこれに直交する横方向を有すると共に、着用者の股間部に配される股下部並びにその前後に延在する腹側部及び背側部を有し、液保持性の吸収体と、該吸収体よりも着用者の肌に近い位置で該吸収体と重なる表面シートと、該吸収体の横方向両端部に沿って配され、該股下部において着用者の肌に向かって起立する一対の防漏カフとを備える吸収性物品であって、前記一対の防漏カフは、それぞれ、前記表面シートの肌対向面に部分的に固定された固定部を有し、且つ該固定部よりも横方向内方に自由端部を有する、疎水性の防漏カフ形成用シートを具備し、該固定部は、横方向に所定の長さを持って縦方向に延在しており、前記表面シートは、横方向中央部に、前記吸収性物品の展開且つ伸長状態における平面視において前記防漏カフ形成用シートと重ならない、防漏カフ非重複領域を有し、前記表面シートにおける、前記固定部の横方向最内方位置から横方向外方に延出するサイド領域は、その肌対向面が前記防漏カフ形成用シートで被覆され、且つ前記防漏カフ非重複領域に比して親水度が低い吸収性物品である。
本発明によれば、排泄物の横漏れが起こりにくい吸収性物品が提供される。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である展開型使い捨ておむつの肌対向面即ち表面シート側を模式的に示す平面図であり、各部の弾性部材を伸張させて平面状に拡げた展開状態における平面図である。 図2は、図1のI−I線断面を模式的に示す横断面図である。 図3は、図2の要部を拡大して模式的に示す拡大横断面図である。 図4は、本発明の吸収性物品の他の実施形態の図2相当図である。 図5は、図4に示すおむつにおける表面シートの肌対向面を模式的に示す平面図であり、図5(a)は防漏カフ非重複領域、図5(b)はサイド領域である。 図6は、本発明の吸収性物品のさらに他の実施形態の図3相当図である。
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい一実施形態である展開型使い捨ておむつに基づき図面を参照して説明する。図1及び図2には、第1実施形態の展開型使い捨ておむつ1Aが示されている。おむつ1Aは、着用者の前後方向に対応する縦方向X及びこれに直交する横方向Yを有すると共に、着用者の股間部に配される股下部B並びにその前後に延在する腹側部A及び背側部Cを有する。腹側部A、股下部B及び背側部Cは、おむつ1Aを縦方向Xに三等分した場合の各領域に相当する。股下部Bは、おむつ1Aの着用時に着用者のペニス、肛門等の排泄部に対向配置される排泄部対向部を有しており、該排泄部対向部は通常、おむつ1Aの縦方向Xの中央部又はその近傍に位置している。
おむつ1Aは、図1及び図2に示すように、液保持性の吸収体4と、吸収体4の肌対向面側に配され、該吸収体4よりも着用者の肌に近い位置で該吸収体4と重なる表面シート2と、吸収体4の非肌対向面側に配され、該吸収体4よりも着用者の肌から遠い位置で該吸収体4と重なる裏面シート3とを具備し、図1に示す如き平面視において、股下部Bに位置する縦方向Xの中央部が内方に括れ且つ一方向即ち縦方向Xに長い、縦長の砂時計状をなしている。表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、両シート2,3間に介在配置された吸収体4よりも大きな寸法を有し、図1に示す如き展開且つ伸張状態のおむつ1Aの外形を形成している。表面シート2及び裏面シート3としては、この種の吸収性物品において通常用いられているものを適宜用いることができる。
尚、本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば表面シート2)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌から遠い側である。尚、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置が維持された状態を意味し、吸収性物品が適正な着用位置からずれた状態にある場合は含まない。
吸収体4は、図1に示す如き平面視において縦方向Xに長い形状をなし、腹側部Aから背側部Cにわたって延在している。吸収体4は、吸収性材料を含む液保持性の吸収性コア40と、該吸収性コア40の肌対向面及び非肌対向面を被覆するコアラップシート41とを含んで構成されている。吸収性コア40とコアラップシート41との間は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により接合されている。吸収性コア40は図1に示す如き平面視において、長手方向即ち縦方向Xの中央部が内方に括れた砂時計状をなしている。吸収性コア40は吸収性材料を含むコア形成材料が積繊されてなる。吸収性材料としては、この種の吸収性コアの形成材料として通常用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えば、木材パルプ、親水化剤により処理された合繊繊維等の親水性繊維や吸水性ポリマー粒子が挙げられる。即ち、吸収性コア40は、親水性繊維の積繊体、あるいは該積繊体に吸水性ポリマー粒子を担持させたものであり得る。コアラップシート41としては、透水性のシート材を用いることができ、例えば、紙、不織布等を用いることができる。おむつ1Aにおいては、コアラップシート41は、吸収性コア40の横方向Yの長さの2倍以上3倍以下の幅を有する1枚の連続したコアラップシート41であり、この1枚のコアラップシート41は、図2に示すように、吸収性コア40の肌対向面の全域を被覆し、且つ吸収性コア40の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出し、その延出部が、吸収性コア40の下方に巻き下げられて、吸収性コア40の非肌対向面の全域を被覆している。尚、コアラップシート41の形態はこれに限定されず、例えば、吸収性コア40の肌対向面を被覆する肌側コアラップシートと、吸収性コア40の非肌対向面を被覆する非肌側コアラップシートとを含み、且つ両シートがそれぞれ別体のシートであっても良い。
図1に示すように、腹側部A及び背側部Cそれぞれのウエスト部、即ち縦方向Xの端部における表面シート2と裏面シート3との間には、帯状の弾性部材11が、おむつ1Aの横方向Yの略全長にわたって横方向Yに伸長状態で固定されており、これにより、おむつ1Aの着用時における該ウエスト部には、弾性部材11の収縮によりウエストギャザーが形成される。また、背側部Cにおける着用者の胴周りに対応する胴周り部における表面シート2と裏面シート3との間には、糸状の弾性部材12が横方向Yに伸長状態で複数固定されており、これにより、おむつ1Aの着用時における該胴周り部には、弾性部材12の収縮により胴回りギャザーが形成される。また、着用者の脚周りに配される左右のレッグ部における防漏カフ形成用シート50と裏面シート3との間には、糸状の弾性部材13が縦方向Xに沿って伸長状態で固定されており、これにより、おむつ1Aの着用時におけるレッグ部には、弾性部材13の収縮により一対のレッグギャザーが形成される。表面シート2、裏面シート3、吸収体4、シート50及び各弾性部材11〜13は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により互いに接合されている。
図1に示すように、おむつ1Aの背側部Cの縦方向Xに沿う両側縁部には、一対のファスニングテープ6,6が設けられている。ファスニングテープ6には、機械的面ファスナーのオス部材からなる止着部61が取り付けられている。また、おむつ1Aの腹側部Aの非肌対向面には、機械的面ファスナーのメス部材からなる被止着領域7が形成されている。被止着領域7は、腹側部Aの非肌対向面を形成する裏面シート3の非肌対向面に、機械的面ファスナーのメス部材を公知の接合手段、例えば接着剤やヒートシール等で接合固定して形成されており、ファスニングテープ6の止着部61を着脱自在に止着可能になされている。
おむつ1Aは、図1及び図2に示すように、吸収体4の横方向Yの両端部に沿って配され、おむつ1Aの着用時に少なくとも股下部Bにおいて着用者の肌に向かって起立する一対の防漏カフ5,5を具備する。一対の防漏カフ5,5は、それぞれ、おむつ1Aの縦方向Xの全長にわたって連続する1枚の疎水性の防漏カフ形成用シート50と、該シート50に縦方向Xに伸張状態で固定された1本又は複数本(第1実施形態では2本)の糸状の防漏カフ形成用弾性部材51とを含んで構成されている。
防漏カフ形成用シート50は、表面シート2の肌対向面に部分的に固定され且つその固定部52よりも横方向Yの内方に自由端部55を有する。さらに説明すると、防漏カフ形成用シート50は、図2に示すように、吸収体4の縦方向Xに沿う側縁4Sを横方向Yに跨ぐように配され、縦方向Xに沿う内側縁部53と、該内側縁部53よりも横方向Yの外方に位置して縦方向Xに沿う外側縁部54とを有し、図1に示す如き展開且つ伸長状態のおむつ1Aの平面視において、内側縁部53は吸収体4と重なり、外側縁部54は吸収体4の側縁4Sよりも横方向Yの外方に位置している。内側縁部53は、少なくとも股下部B、具体的には例えば、股下部B並びに腹側部A及び背側部Cにおける股下部B寄りの部分においては、表面シート2をはじめとするおむつ1Aの他の構成部材と非接合の自由端部55とされ、腹側部A及び背側部Cにおける縦方向Xの前後端部においては、表面シート2に接合されている(図示せず)。外側縁部54は、縦方向Xの全長にわたって裏面シート3に接合されている。防漏カフ形成用弾性部材51は、縦方向Xに伸長状態でシート50の内側縁部53(自由端部55)に固定されている。以上の構成により、おむつ1Aの着用時には縦方向Xに弾性部材51の収縮力が働き、防漏カフ5は、少なくとも内側縁部53が自由端部55とされている領域である股下部Bにおいて、シート50の表面シート2との固定部52を起点として、その自由端部55側を着用者の肌に向けて起立する(防漏カフ5の起立状態は図示せず)。
防漏カフ形成用シート50としては、疎水性のシート材料を用いることができる。ここでいう「疎水性」とは、後述する方法で測定される水との接触角が90度以上の場合を意味する。疎水性のシート材料としては、例えば、疎水性の不織布として、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布、SMMS不織布、SSMS不織布等を用いることができ、その他にも、疎水性の樹脂フィルム、該樹脂フィルムと該不織布との積層体等を用いることができる。ここでいう「S」はスパンボンド不織布、「M」はメルトブローン不織布を意味する。
防漏カフ形成用シート50の表面シート2との固定部52は、前記の通り、防漏カフ5(シート50)が起立する際の起点となるもので、横方向Yに所定の長さを持って縦方向Xに延在している。おむつ1Aにおいて固定部52は、ホットメルト接着剤等の疎水性接着剤が塗布されて形成されており、図1に示す如き平面視において縦方向Xに延びる連続した直線状をなしている。固定部52は、平面視において縦方向Xに延在していれば良く、その平面視形状は直線状に限定されず、例えば、波線、湾曲線、ジグザグ線などでも良く、また、1本の連続線でなくても良く、比較的長さの短い小固定部と非固定部とが縦方向Xに交互に配置された構成の破断線でも良い。
以上のような構成のおむつ1Aにおいて、表面シート2は、横方向Yの中央部に、おむつ1Aの展開且つ伸長状態における平面視において防漏カフ形成用シート50と重ならない、防漏カフ非重複領域2Mを有している。つまり防漏カフ非重複領域2Mは、表面シート2における、おむつ1Aの図1に示す如き展開且つ伸長状態即ち一対の防漏カフ5,5の非起立状態での、一対のシート50,50の自由端部55,55(内側縁部53,53間)どうし間に位置する中央領域である。おむつ1Aにおける防漏カフ非重複領域2Mは、図1に示すように、横方向Yの中央部に位置しておむつ1Aの縦方向Xの全長にわたる平面視長方形形状の領域である。
また表面シート2は、図3に示すように、防漏カフ形成用シート50の固定部52の横方向最内方位置52aから横方向Yの外方に延出するサイド領域2Sを有している。固定部52は、図1に示すように、横方向Yに所定の長さを持って縦方向Xに延在しており、その横方向Yの内側端(縦方向Xに沿う内側縁)が横方向最内方位置52aであり、該内側端とは反対側に位置する外側端(縦方向Xに沿う外側縁)が横方向最外方位置52bであり、両位置52a,52b間の離間距離が、固定部52の横方向Yの長さ即ち幅である。つまりサイド領域2Sは、左右一対の固定部52,52それぞれの横方向最内方位置52aから表面シート2の横方向Yの両端(縦方向Xに延びる両側縁)にわたる、表面シート2の横方向両端部である。サイド領域2Sは、その肌対向面が防漏カフ形成用シート50で被覆されている。
防漏カフ非重複領域2Mは、表面シート2の横方向Yの全長即ち全幅に対して、好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上、そして、好ましくは70%以下、さらに好ましくは60%以下である。
防漏カフ非重複領域2Mの横方向Yの長さ即ち幅は、好ましくは20mm以上、さらに好ましくは30mm以上、そして、好ましくは90mm以下、さらに好ましくは80mm以下である。
サイド領域2Sは、表面シート2の横方向Yの全長即ち全幅に対して、好ましくは3%以上、さらに好ましくは5%以上、そして、好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下である。
サイド領域2Sの横方向Yの長さ即ち幅は、好ましくは3mm以上、さらに好ましくは5mm以上、そして、好ましくは30mm以下、さらに好ましくは25mm以下である。
おむつ1Aの主たる特徴の1つとして、表面シート2において、サイド領域2Sは防漏カフ非重複領域2Mに比して親水度が低い点が挙げられる。本発明において、表面シートなどのシートあるいは所定の面積を有する領域の親水度は、下記方法で測定される水との接触角に基づき判断される。水との接触角が小さいほど親水性が高く(疎水性が低く)、該接触角が大きいほど親水性が低い(疎水性が高い)。また、水との接触角が90度未満であれば親水性、90度以上の場合であれば疎水性である。例えば、防漏カフ形成用シート50は疎水性であり、水との接触角が90度以上である。
<接触角の測定方法>
吸収性物品における測定対象(表面シート等)の股下部に位置する部分から、測定する位置(防漏カフ非重複領域、サイド領域等)において、該吸収性物品の縦方向長さ20mm及び横方向長さ50mmの平面視矩形形状を切り出して試験片とする。試験片に対する接触角の測定にはイオン交換水を用いる。
接触角の測定は例えば、下記のようにして行うことができる。まず、試験片をその肌対向面を上に向けて水平面上に載置し、該試験片の側方に光学顕微鏡(キーエンス製デジタルマイクロスコープ「VHX−1000」)を配置して、該光学顕微鏡の倍率を、該試験片の測定対象部位が十分に視野に入り観察できる大きさ(10〜100倍)になるように調整する。次いで、20マイクロリットルの評価液(イオン交換水)を、試験片の測定対象部位に対してその真上から滴下し、その液滴が該測定対象部位に着液してから10秒経過後の画像を光学顕微鏡により撮影する。そして、撮影された液滴の空気に触れる面と試験片の表面(肌対向面等)とのなす角を算出し、接触角とする(解析方法はθ/2法。小数点以下2桁まで計測。)。
試験片の任意の20箇所について、前記方法により接触角を測定し、その20個の測定値の合計を平均した値を、当該測定対象の水との接触角と定義する。
尚、吸収性物品からその構成部材(例えば表面シート)を取り出して評価測定する場合において、その構成部材が、接着剤、融着などによって他の構成部材に固定されている場合には、その固定部分を、溶剤の塗布、ドライヤーによる熱風吹き付けなどによって除去してから取り出す。
防漏カフ非重複領域2M及び/又はサイド領域2Sが複数のシートの積層体から構成される場合において、前記「サイド領域2Sの親水度<防漏カフ非重複領域2Mの親水度」なる大小関係の成立性を検証する際には、防漏カフ非重複領域2M及びサイド領域2Sそれぞれにおいて、親水度が最も高いシートどうし即ち水との接触角が最小のシートどうしを対比する。例えば、後述する表面シート2A(図4参照)は、サイド領域2Sが単一のシート(第2シート21)から構成されるのに対し、防漏カフ非重複領域2Mが親水度の異なる2枚のシート(第1シート20及び第2シート21)から構成されているところ、この表面シート2Aについて前記大小関係の成立性を検証する際には、サイド領域2Sの第2シート21と、防漏カフ非重複領域2Mにおいて相対的に親水度の高い第2シート21とを対比する。
前記「サイド領域2Sの親水度<防漏カフ非重複領域2Mの親水度」なる大小関係が成立することによる作用効果は次の通りである。
おむつ1Aにおいては、表面シート2がサイド領域2Sを有している、即ち表面シート2が防漏カフ形成用シート50の固定部52よりも横方向Yの外方に延出していることにより、特に股下部Bを中心として着用者の脚周りのクッション性が良好で、着用感に優れる。ここで、この種の吸収性物品における表面シートとしては従来、その主たる役割に鑑みて親水度の比較的高いシートが使用されているところ、仮に、表面シート2のサイド領域2Sの親水度が従来通りに高いものであると、サイド領域2Sの肌対向面を被覆する防漏カフ形成用シート50が疎水性即ち水との接触角が90度以上であっても、排泄物が固定部52よりも横方向Yの内方且つ近傍に存在する場合に、この高親水度のサイド領域2Sが駆動力となって、該排泄物が固定部52を越えて横方向Yの外方に染み出し、横漏れの原因となるおそれがある。これに対し、おむつ1Aにおいては前述した通り、防漏カフ形成用シート50が疎水性であることに加えてさらに、前記大小関係が成立するように、表面シート2の親水度が横方向Yにおいて制御されているため、排泄物が固定部52を越えて横方向Yの外方に染み出しにくく、横漏れが効果的に抑制される。従っておむつ1Aは、着用者の脚周りのクッション性が良好で着用感に優れ、且つ横漏れ防止性にも優れる。
また、おむつ1Aにおいては、固定部52が疎水性接着剤によって形成されていることから、固定部52自体が疎水性(水との接触角が90度以上)であり、そのため、前記大小関係による作用効果と相俟って、排泄物の横漏れがより効果的に防止される。固定部52を形成する疎水性接着剤としては、この種の吸収性物品において通常用いられている接着剤のうちで疎水性のものを特に制限なく用いることができる。固定部52の横方向Yの長さ即ち幅は、好ましくは1mm以上、さらに好ましくは2mm以上、そして、好ましくは30mm以下、さらに好ましくは25mm以下である。疎水性の固定部52の幅が長いと、横漏れ防止の点で有利であり、また、防漏カフ形成用シート50の固定性の点でも有利であるが、該幅が長すぎると、サイド領域2Sが硬くなり、おむつ1Aの風合いが低下するおそれがある。
前記「サイド領域2Sの親水度<防漏カフ非重複領域2Mの親水度」なる大小関係による作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、サイド領域2Sは、これよりも親水度の高い(水との接触角が小さい)防漏カフ非重複領域2Mに比して、水との接触角が20度以上大きいことが好ましく、30度以上大きいことがさらに好ましい。
サイド領域2Sの水との接触角(サイド領域2Sが複数のシートの積層体から構成される場合は、水との接触角が最小のシートの該接触角)は、好ましくは100度以上、さらに好ましくは110度以上である。サイド領域2Sの水との接触角の上限については特に制限はないが、該接触角が大きすぎると表面シート2の通気性が低下する場合があることから、この点を考慮して該接触角は、好ましくは150度以下、さらに好ましくは140度以下である。
防漏カフ非重複領域2Mの水との接触角(防漏カフ非重複領域2Mが複数のシートの積層体から構成される場合は、水との接触角が最小のシートの該接触角)は、好ましくは85度以下、さらに好ましくは80度以下である。防漏カフ非重複領域2Mの水との接触角の下限については特に制限はないが、該接触角が小さすぎると表面シート2の親水性が過大となって、吸収性コア40に一旦吸収された尿等の体液が表面シート2側に移行するいわゆる液戻りの発生が懸念されることから、この点を考慮して該接触角は、好ましくは40度以上、さらに好ましくは50度以上である。
前記「サイド領域2Sの親水度<防漏カフ非重複領域2Mの親水度」なる大小関係を満たす表面シート2の一例として、表面シート2全体が、低親水性又は疎水性の繊維(例えば合成繊維)を主体とする不織布を含んで構成され、且つ該不織布における防漏カフ非重複領域2Mに相当する部位に親水化処理が施され、該不織布におけるサイド領域2Sに相当する部位には親水化処理が施されていないものが挙げられる。つまり、斯かる表面シート2の具体例におけるサイド領域2Sの構成繊維は、本来的に低親水性又は疎水性の合成繊維である。尚、表面シート2における防漏カフ非重複領域2Mとサイド領域2Sとに挟まれた中間領域については、親水度(水との接触角)の程度に関して特に制限はなく、親水性でも疎水性でも良く、例えば、防漏カフ非重複領域2Mと同程度でも良いし、サイド領域2Sと同程度でも良い。
表面シート2を構成する、低親水性又は疎水性の繊維としては、合成繊維が典型的である。合成繊維を形成する合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。表面シート2を構成する合成繊維は、1種類の合成樹脂又は2種類以上の合成樹脂を混合したブレンドポリマーからなる単一繊維でも良く、あるいは複合繊維でも良い。ここでいう複合繊維は、成分の異なる2種類以上の合成樹脂を紡糸口金で複合し、同時に紡糸して得られる合成繊維で、複数の成分がそれぞれ繊維の長さ方向に連続した構造で単繊維内で相互接着しているものをいう。複合繊維の形態には、芯鞘型、サイドバイサイド型等があり、特に制限されない。
前記の防漏カフ非重複領域2Mに施される親水化処理としては、この種の吸収性物品において通常行われているものを特に制限なく用いることができ、例えば、防漏カフ非重複領域2Mの構成繊維(合成繊維)の表面に界面活性剤などの親水化剤を付着させる処理、あるいは該構成繊維中への親水化剤の練り込み、あるいはコロナ放電処理又はプラズマ放電処理などが挙げられ、これらの2種以上を組み合わせても良い。1枚の連続した低親水性又は疎水性の不織布に対し、該不織布における防漏カフ非重複領域2Mに相当する部位に対してこのような親水化処理を施す一方で、サイド領域2Sに相当する部位には親水化処理を施さないことで、前記「サイド領域2Sの親水度<防漏カフ非重複領域2Mの親水度」なる大小関係を満たす表面シート2が得られる。
表面シート2としては、不織布以外に、織布及び編み地等の繊維シートや、樹脂製フィルム等を用いることもできるが、肌触り等の観点から繊維シートを用いることが好ましく、特に不織布を用いることが好ましい。表面シート2を構成する不織布としては、尿や便などの体液を透過し得る液透過性シートであることを前提として、この種の吸収性物品において通常使用されているものを特に制限なく用いることができ、例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、メルトブローン不織布、レジンボンド不織布、ニードルパンチ不織布等が挙げられ、これらの不織布を2種以上組み合わせた積層体を用いることもできる。表面シート2の坪量は、好ましくは10g/m以上、さらに好ましくは12g/m以上、そして、好ましくは30g/m以下、さらに好ましくは25g/m以下である。
以下、本発明の吸収性物品の他の実施形態について図4〜図6を参照して説明する。後述する他の実施形態については、前述した第1実施形態のおむつ1Aと異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、おむつ1Aについての説明が適宜適用される。
図4には、本発明の吸収性物品の第2実施形態としての展開型使い捨ておむつ1Bが示され、また、図5には、おむつ1Bにおける表面シート2Aの防漏カフ非重複領域2M(図5(a)参照)及びサイド領域2S(図5(b)参照)が示されている。おむつ1Aの表面シート2Aは、層数が均一で且つ肌対向面及び非肌対向面の何れもその全域が実質的に凹凸の無い平坦なシートであったが、おむつ1Bの表面シート2Aは、複数のシートの積層体を一部に含み且つ肌対向面に凹凸を有する凹凸シートである。
おむつ1Bの表面シート2Aは、図4に示すように、横方向Yの中央部に、第1シート20と第2シート21との積層体を含み、該積層体において両シート20,21がエンボス加工により部分的に接合されて複数の平面視四角形形状の接合部22が形成され、第1シート20が、接合部22以外の部位において第2シート21から離れる方向に突出して、着用者の肌側に向かって突出する複数の凸部23を形成している。
図4に示すように、第1シート20は、おむつ1Bの横方向Yの中央部に配置された吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁4S,4Sに挟まれた領域、即ち平面視において吸収体4と重なる吸収体重複領域に配されていて、該吸収体重複領域から横方向Yの外方には延出しておらず、第1シート20の横方向Yの長さ即ち幅は、吸収体4の幅とほぼ同じである。一方、第2シート21は、第1シート20よりも幅広であり、前記吸収体重複領域を横方向Yに横断し、さらに第1シート20の横方向Yの両端部(縦方向Xに沿う両側縁)それぞれから横方向Yの外方に延出している。つまり、表面シート2Aにおいて、前記吸収体重複領域(おむつ1Bの横方向Yの中央部)に位置するのは両シート20,21の積層体であり、該吸収体重複領域以外の他の領域(おむつ1Bの横方向Yの両端部)に位置するのは第2シート21のみである。そして、第2シート21における第1シート20の横方向Yの両端からの延出部の肌対向面に、防漏カフ形成用シート50が部分的に固定されて固定部52が形成されており、従って表面シート2Aのサイド領域2Sは、第2シート21を含んで構成されている。つまり表面シート2Aは、横方向Yの中央領域たる防漏カフ非重複領域2Mが、肌対向面に凹凸を有する、両シート20,21の積層体からなり、横方向Yの両端部たる一対のサイド領域2S,2Sが、それぞれ、第2シート21からなる。
おむつ1Bにおいても、表面シート2Aにおいて前記「サイド領域2Sの親水度<防漏カフ非重複領域2Mの親水度」なる大小関係が成立している。即ち、サイド領域2Sの第2シート21は、防漏カフ非重複領域2Mの前記積層体を構成する2枚のシート20,21のうち相対的に親水度の高い(水との接触角が小さい)第2シート21に比して、水との接触角が大きい。従っておむつ1Bによっても、おむつ1Aと同様の効果が奏される。
表面シート2Aについてさらに説明すると、防漏カフ非重複領域2M(前記吸収体重複領域)においては、第1シート20が相対的に着用者の肌に近い側に位置し、第2シート21が相対的に着用者の肌から遠い側に位置し、両シート20,21が部分的に形成された多数の接合部22によって厚さ方向に一体化されて両シート20,21の積層体が構成され、また、第1シート20における、複数の接合部22どうし間に位置する部分が凸状に隆起して、該積層体の肌対向面側の凸部23を形成している。両シート20,21の積層体は、非肌対向面即ち吸収体4との対向面が略平坦であり、肌対向面に起伏の大きな凹凸が形成されている。
接合部22においては、第1シート20と第2シート21とがエンボス加工により一体的に加圧されているため、表面シート2Aにおけるエンボス加工が施されていない他の部位に比して高密度化しており、好ましくは、両シート20,21の一方又は両方の構成樹脂の溶融及びその後の固化により両シート20,21間が熱融着している。両シート20,21を接合し、接合部22を形成するエンボス加工としては、熱を伴うか又は伴わないエンボス加工、超音波エンボス加工等の公知のエンボス加工を利用することができる。
複数の凸部23は、図4に示す形態では中空であるが、凸部23は中空構造ではなく、内部に表面シート2Aの形成材料が充填された中実構造でも良い。凸部23は、図5(a)に示すように、防漏カフ非重複領域2M(前記吸収体重複領域)において、複数の接合部22(凹部)に囲まれた領域内に形成されており、縦方向X及び横方向Yの何れの方向での断面においても頂部を有する形状を有し、具体的には平面視長楕円形状を有し、その長軸方向が横方向Yに一致している。
防漏カフ非重複領域2M(前記吸収体重複領域)において、複数の接合部22は、図5に示すように、該領域2Mの全域にわたって散点状に且つ規則的に分散配置されており、それによって該領域2Mにおいては、複数の凸部23が、それぞれ、複数の接合部22によって囲まれ、各凸部23を囲んでいる複数の接合部22が、当該凸部23の周囲に間欠的に配置されている。凸部23の突出を一層顕著なものとする観点からは、図5(a)に示すように、凸部23は3つ以上の接合部22によって囲まれていることが好ましく、その場合、凸部23は、複数の接合部22によって囲まれた領域の略中央部に頂部を有していることが好ましい。接合部22はエンボス加工によって表面シート2Aの形成材料が圧密化されているため、周辺部に比して高密度で剛性が高く硬い部位であるところ、そのような比較的硬い複数の接合部22が、防漏カフ非重複領域2Mにおいて、図5(a)に示す如く散点状に形成されていることにより、各凸部23の全周囲にわたって接合部22による硬い部位が連続することがなく、そのため、凸部23の柔軟性が一層向上すると共に、凸部23の形状の自由度が高まる。
おむつ1Bにおいては、図4に示すように、第1シート20の横方向Yの両端(縦方向Xに沿う両側縁)が、一対の防漏カフ形成用シート50の一方の固定部52と他方の固定部52との間に位置している。第1シート20は、少なくともサイド領域2Sの第2シート21に比して接触角が小さく親水度の高いシートであるところ、このような比較的親水度の高い第1シート20が、おむつ1Bの着用時に起立する一対の防漏カフ5,5に挟まれた領域に配されていることで、尿などの排泄物が第1シート20によって速やかに表面シート2Aに引き込まれ、吸収体4に取り込まれるようになる。そして、このように表面シート2Aによる排泄物の引き込み性が向上すると、第1シート20に引き込まれずにその肌対向面を流れて固定部52又はその近傍に到達する排泄物が低減するため、該排泄物の横漏れ防止に繋がる。従っておむつ1Bによれば、この固定部52近傍の排泄物の低減効果と、サイド領域2Sにおる該排泄物の横方向Yの外方への漏れ出し防止効果とが相俟って、横漏れがより一層効果的に防止される。
前記の表面シート2Aによる排泄物の引き込み性の向上の観点から、第1シート20は、サイド領域2Sを構成する第2シート21に比して、親水度が高い即ち水との接触角が小さいことが好ましい。
また同様の観点から、第1シート20は、該第1シート20と共に前記積層体を構成する第2シート21に比して、親水度が低い即ち水との接触角が大きいことが好ましい。つまり、防漏カフ非重複領域2M(前記吸収体重複領域)では、着用者の肌に近い側に位置する第1シート20が相対的に親水度が低く、着用者の肌から遠い側に位置する第2シート21が相対的に親水度が高いことが好ましい。これにより、着用者の排泄物を最初に受け取る領域である防漏カフ非重複領域2Mの厚み方向において、厚み方向内方に向かうに従って親水度が高くなる親水度勾配が形成されるため、排泄物の引き込み性が向上し、排泄物がより一層速やかに表面シート2Aを透過して吸収体4に取り込まれるようになり、横漏れがより一層確実に防止されるようになる。
以上述べた表面シート2Aの各部の親水度の大小関係を総合すると、親水度に関して、「防漏カフ非重複領域2Mの第2シート21>第1シート20(防漏カフ非重複領域2M)>サイド領域2Sの第2シート21」なる大小関係が成立することが好ましいということになる。この親水度の大小関係を水との接触角として捉えた場合には序列が逆になり、サイド領域2Sの第2シート21が最大、防漏カフ非重複領域2Mの第2シート21が最小、第1シート20がそれらの中間値という序列が好ましいということになる。
サイド領域2Sの第2シート21は、これよりも親水度の高い(水との接触角が小さい)第1シート20に比して、水との接触角が25度以上大きいことが好ましく、35度以上大きいことがさらに好ましい。
防漏カフ非重複領域2Mの第2シート21は、これよりも親水度の低い(水との接触角が大きい)第1シート20に比して、水との接触角が5度以上小さいことが好ましく、10度以上小さいことがさらに好ましい。
表面シート2Aの防漏カフ非重複領域2M(前記吸収体重複領域)において、相対的に親水度の低い(水との接触角が大きい)第1シート20の水との接触角は、好ましくは40度以上、さらに好ましくは50度以上、そして、好ましくは85度以下、さらに好ましくは80度以下である。
表面シート2Aの防漏カフ非重複領域2M(前記吸収体重複領域)において、相対的に親水度の高い(水との接触角が小さい)第2シート21の水との接触角は、好ましくは40度以上、さらに好ましくは50度以上、そして、好ましくは80度以下、さらに好ましくは75度以下である。
表面シート2Aのサイド領域2Sには、図5(b)に示すように、周辺部に比して密度の高い高密度部22Aが複数散在している。高密度部22Aは、エンボス加工による加圧部位であり、該エンボス加工が熱や超音波などによる樹脂の溶融を伴うものである場合には、高密度部22Aにおいて表面シート2Aの形成材料(構成繊維)が溶融固化し、フィルム状になっている場合がある。おむつ1Bにおいては、高密度部22Aのパターンは、防漏カフ非重複領域2M(前記吸収体重複領域)における接合部22のパターンと同じである。表面シート2Aの製造方法の一例においては、幅狭の第1シート20と幅広の第2シート21とを重ね合わせて、両シート20,21の積層体を部分的に有する被加工物を得、該被加工物全体を加熱下に挟圧することで接合部22を形成して両シート20,21を一体化するところ、このとき、該被加工物における第2シート21のみからなる部分に、接合部22と同じパターンで高密度部22Aが形成される。
このように、高密度部22Aが複数散在しているサイド領域2Sでは、構成繊維の繊維密度が相対的に高い部分である高密度部22Aと、構成繊維の繊維密度が相対的に低いその他の部分とが混在し、該サイド領域2S全体として繊維密度の分布にムラがあるため、サイド領域2S全体として繊維密度の分布が均一な場合に比して液拡散性が低く、そのため、排泄物がサイド領域2Sにおいて横方向Yの外方へ拡散し難いため、横漏れがより一層確実に防止されるようになる。
前記の高密度部22Aによる作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、サイド領域2Sから縦15mm、横10mmの平面視長方形形状の領域を任意に選択した場合、その任意領域に存する高密度部22Aの総数は、好ましくは100個以上、さらに好ましくは120個以上、そして、好ましくは300個以下、さらに好ましくは250個以下である。
同様の観点から、サイド領域2Sの前記任意領域の全面積に対する、該任意領域に存する高密度部22Aの総面積の割合(任意領域に存する高密度部22Aの総面積/任意領域の全面積)は、好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上、そして、好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下である。
同様の観点から、サイド領域2Sにおける複数の高密度部22Aそれぞれの面積は、好ましくは100mm以上、さらに好ましくは120mm以上、そして、好ましくは300mm以下、さらに好ましくは250mm以下である。尚、高密度部22Aの平面視形状は、図示の如き四角形形状に限定されず、円形状などの任意の形状を選択できる。
第1シート20及び第2シート21としては、それぞれ、前述した表面シート2として使用可能な不織布が好ましく用いられる。特に、両シート20,21共にエアスルー不織布又はスパンボンド不織布が好ましく、とりわけ、着用者の肌に最も近い側に配される第1シート20はエアスルー不織布が好ましい。第1シート20と第2シート21とは、それらを構成するシート材料の種類が同じでも良く、あるいは異なっていても良いが、両シート20,21の接合部22の接合強度をより一層強固にする観点から、同じ種類のシートであることが好ましい。両シート20,21共に坪量は、好ましくは10g/m以上、さらに好ましくは12g/m以上、そして、好ましくは30g/m以下、さらに好ましくは25g/m以下である。
表面シート2Aにおける第1シート20と第2シート21との積層体は、例えば特開2015−112343号公報に記載の複合シートの製造方法に準じて製造することができる。具体的には例えば、帯状の第1シート20を、周面が互いに噛み合い形状となっている第1ロールと第2ロールとの間に供給して、第1シート20を凹凸形状に変形させた後、第1シート20を第1ロールの周面部に沿わせて噛み合い部分から移動させ、次いで、第2シート21を第1シート20に重ね合わせるように供給して、両シート20,21を、第1ロールにおける凸部とヒートロールとの間で加熱下に挟圧して部分的に接合させることによって得られる。第1ロールと第2ロールとの噛み合い部に噛み込ませて第1シート20を凹凸形状に変形させる際には、第1シート20をロール内部方向に向けて吸引して、第1シート20の凹凸形状への変形を促進させることが好ましい。
図6には、第2実施形態の展開型使い捨ておむつ1Bの変形例である、展開型使い捨ておむつ1Cの要部が示されている。おむつ1Cにおいては、少なくとも股下部Bにおいて、図6に示すように、固定部52の横方向最外方位置52bが、サイド領域2Sの横方向外側端(サイド領域2Sの横方向Yの両端のうち、吸収体4から相対的に遠い側)即ち表面シート2Aの横方向端(縦方向Xに沿う側縁)と一致している。即ち、少なくとも股下部Bにおいては、表面シート2Aのサイド領域2Sの肌対向面の全域と防漏カフ形成用シート50とが疎水性接着剤を介して接合されて固定部52が形成されている。このように、疎水性接着剤が全体に塗布されたサイド領域2Sは、該サイド領域2Sの構成繊維が本来有する親水度の如何を問わず、疎水性であり、水との接触角が90度以上であるから、おむつ1Cにおいても、前記「サイド領域2Sの親水度<防漏カフ非重複領域2Mの親水度」なる大小関係が成立し、おむつ1Aと同様の効果が奏される。
また、サイド領域2Sの構成繊維が低親水性又は疎水性の繊維であることを前提として、疎水性接着剤を含む固定部52の横方向最外方位置52bがサイド領域2Sの横方向外側端に達していない形態(図3参照)よりも、固定部52の横方向最外方位置52bがサイド領域2Sの横方向外側端に達している形態(図6参照)の方がさらに好ましい。
またしかしながら、サイド領域2Sの親水度を相対的に低下させて前記大小関係をより確実に成立させるようにする観点から、サイド領域2Sの親水度の低下方法としては、疎水性接着剤の塗布による方法よりも、サイド領域2Sの構成繊維として親水度の低い低親水性又は疎水性の繊維を使用する方法の方が好ましい。
以上、本発明をその実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に制限されることなく適宜変更が可能である。例えば、吸収性や防漏性等の向上の観点から、表面シート2と吸収体4(コアラップシート41)との間に、サブレイヤーなどとも呼ばれる、紙あるいは各種不織布からなる液透過性シートが介在配置されていても良い。同様の観点から、おむつ1の肌対向面に、表面シート2及び吸収体4が一体的に圧密化されてなる溝が形成されていても良い。
本発明は、前記実施形態の如き展開型の使い捨ておむつに制限されず、人体から排出される体液(尿、軟便、経血、汗等)の吸収に用いられる物品を広く包含し、パンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、生理用ショーツ等も包含される。
前述した一の実施形態のみが有する部分は、すべて適宜相互に利用できる。前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
<1>
着用者の前後方向に対応する縦方向及びこれに直交する横方向を有すると共に、着用者の股間部に配される股下部並びにその前後に延在する腹側部及び背側部を有し、液保持性の吸収体と、該吸収体よりも着用者の肌に近い位置で該吸収体と重なる表面シートと、該吸収体の横方向両端部に沿って配され、該股下部において着用者の肌に向かって起立する一対の防漏カフとを備える吸収性物品であって、
前記一対の防漏カフは、それぞれ、前記表面シートの肌対向面に部分的に固定された固定部を有し、且つ該固定部よりも横方向内方に自由端部を有する、疎水性の防漏カフ形成用シートを具備し、該固定部は、横方向に所定の長さを持って縦方向に延在しており、
前記表面シートは、横方向中央部に、前記吸収性物品の展開且つ伸長状態における平面視において前記防漏カフ形成用シートと重ならない、防漏カフ非重複領域を有し、
前記表面シートにおける、前記固定部の横方向最内方位置から横方向外方に延出するサイド領域は、その肌対向面が前記防漏カフ形成用シートで被覆され、且つ前記防漏カフ非重複領域に比して親水度が低い吸収性物品。
<2>
前記表面シートは、第1シートと、該第1シートに比して横方向長さが長い第2シートとの積層体を含み、該積層体において該第1シートと該第2シートとが部分的に接合されて複数の接合部が形成され、該第1シートが、該接合部以外の部位において該第2シートから離れる方向に突出して、着用者の肌側に向かって突出する複数の凸部を形成しており、
前記防漏カフ非重複領域が、前記積層体を含んで構成され、
前記第2シートは、前記第1シートの横方向両端それぞれから横方向外方に延出し、その延出部の肌対向面に前記防漏カフ形成用シートが部分的に固定されて前記固定部が形成され、前記サイド領域が、該第2シートの延出部を含んで構成されている前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記第1シートの横方向両端が、一対の前記防漏カフ形成用シートの一方の前記固定部と他方の前記固定部との間に位置している前記<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記表面シートにおいて、平面視において前記吸収体と重なる吸収体重複領域に前記積層体が位置し、該吸収体重複領域以外の他の領域に前記第2シートが位置する前記<2>〜<3>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<5>
前記表面シートは、横方向の中央領域たる前記防漏カフ非重複領域が、肌対向面に凹凸を有する前記積層体からなり、横方向の両端部たる一対の前記サイド領域が、それぞれ、前記第2シートからなる前記<2>〜<4>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<6>
前記第1シートにおける、複数の前記接合部どうし間に位置する部分が凸状に隆起して、前記積層体の肌対向面側の前記凸部を形成しており、
前記積層体は、肌対向面に起伏の大きな凹凸が形成され、非肌対向面が略平坦である前記<2>〜<5>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<7>
前記第1シート及び前記第2シートがそれぞれ不織布である前記<2>〜<6>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<8>
前記第1シート及び前記第2シートの坪量は、それぞれ、好ましくは10g/m以上、さらに好ましくは12g/m以上、そして、好ましくは30g/m以下、さらに好ましくは25g/m以下である前記<2>〜<7>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<9>
前記第1シートは、前記サイド領域を構成する前記第2シートに比して親水度が高い前記<2>〜<8>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<10>
前記第1シートは、該第1シートと共に前記積層体を構成する前記第2シートに比して親水度が低い前記<2>〜<9>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<11>
親水度に関して、前記防漏カフ非重複領域の前記第2シート>前記第1シート(前記防漏カフ非重複領域)>前記サイド領域の前記第2シート、なる大小関係が成立する前記<2>〜<10>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<12>
前記サイド領域の前記第2シートは、前記第1シートに比して、水との接触角が好ましくは25度以上大きく、さらに好ましくは35度以上大きい前記<2>〜<11>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<13>
前記防漏カフ非重複領域の前記第2シートは、前記第1シートに比して、水との接触角が好ましくは5度以上小さく、さらに好ましくは10度以上小さい前記<2>〜<12>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<14>
前記表面シートの前記防漏カフ非重複領域において、相対的に親水度の低い前記第1シートの水との接触角は、好ましくは40度以上、さらに好ましくは50度以上、そして、好ましくは85度以下、さらに好ましくは80度以下である前記<2>〜<13>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<15>
前記表面シートの前記防漏カフ非重複領域において、相対的に親水度の高い前記第2シートの水との接触角は、好ましくは40度以上、さらに好ましくは50度以上、そして、好ましくは80度以下、さらに好ましくは75度以下である前記<2>〜<14>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<16>
前記サイド領域に、周辺部に比して密度の高い高密度部が複数散在している前記<1>〜<15>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<17>
前記サイド領域から縦15mm、横10mmの平面視長方形形状の領域を任意に選択した場合、その任意領域に存する前記高密度部の総数は、好ましくは100個以上、さらに好ましくは120個以上、そして、好ましくは300個以下、さらに好ましくは250個以下である前記<16>に記載の吸収性物品。
<18>
前記サイド領域の前記任意領域の全面積に対する、該任意領域に存する前記高密度部の総面積の割合(前記任意領域に存する前記高密度部の総面積/前記任意領域の全面積)は、好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上、そして、好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下である前記<17>に記載の吸収性物品。
<19>
前記サイド領域における複数の前記高密度部それぞれの面積は、好ましくは100mm以上、さらに好ましくは120mm以上、そして、好ましくは300mm以下、さらに好ましくは250mm以下である前記<16>〜<18>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<20>
前記防漏カフ形成用シートは、前記吸収体の縦方向に沿う側縁を横方向に跨ぐように配され、縦方向に沿う内側縁部と、該内側縁部よりも横方向外方に位置して縦方向に沿う外側縁部とを有し、
前記吸収性物品の展開且つ伸長状態における平面視において、前記防漏カフ形成用シートの前記内側縁部が前記吸収体と重なり、前記外側縁部が該吸収体の前記側縁よりも横方向外方に位置している前記<1>〜<19>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<21>
前記防漏カフ形成用シートの前記内側縁部は、少なくとも前記股下部(具体的には例えば、前記股下部並びに前記腹側部及び前記背側部における該股下部寄りの部分)においては、前記吸収性物品の他の構成部材と非接合の自由端部とされ、前記腹側部及び前記背側部における該吸収性物品の縦方向前後端部においては、前記表面シートに接合されている前記<20>に記載の吸収性物品。
<22>
前記一対の防漏カフは、それぞれ、前記防漏カフ形成用シートに固定された1本又は複数本の糸状の防漏カフ形成用弾性部材を含んでおり、該防漏カフ形成用弾性部材は、縦方向に伸長状態で該防漏カフ形成用シートの前記内側縁部即ち前記自由端部に固定されている前記<21>に記載の吸収性物品。
<23>
さらに、前記吸収体よりも着用者の肌から遠い位置で該吸収体と重なる裏面シートを備え、前記防漏カフ形成用シートの前記外側縁部は、その縦方向の全長にわたって該裏面シートに接合されている前記<20>〜<22>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<24>
前記防漏カフ非重複領域は、前記表面シートの横方向の全長即ち全幅に対して、好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上、そして、好ましくは70%以下、さらに好ましくは60%以下である前記<1>〜<23>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<25>
前記防漏カフ非重複領域の横方向長さ即ち幅は、好ましくは20mm以上、さらに好ましくは30mm以上、そして、好ましくは90mm以下、さらに好ましくは80mm以下である前記<1>〜<24>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<26>
前記サイド領域は、前記表面シートの横方向の全長即ち全幅に対して、好ましくは3%以上、さらに好ましくは5%以上、そして、好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下である前記<1>〜<25>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<27>
前記サイド領域の横方向長さ即ち幅は、好ましくは3mm以上、さらに好ましくは5mm以上、そして、好ましくは30mm以下、さらに好ましくは25mm以下である前記<1>〜<26>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<28>
前記固定部の横方向長さ即ち幅は、好ましくは1mm以上、さらに好ましくは2mm以上、そして、好ましくは30mm以下、さらに好ましくは25mm以下である前記<1>〜<27>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<29>
前記サイド領域は、前記防漏カフ非重複領域に比して、水との接触角が好ましくは20度以上大きく、さらに好ましくは30度以上大きい前記<1>〜<28>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<30>
前記サイド領域の水との接触角(前記サイド領域が複数のシートの積層体から構成される場合は、水との接触角が最小のシートの該接触角)は、好ましくは100度以上、さらに好ましくは110度以上、そして、好ましくは150度以下、さらに好ましくは140度以下である前記<1>〜<29>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<31>
前記防漏カフ非重複領域の水との接触角(前記防漏カフ非重複領域が複数のシートの積層体から構成される場合は、水との接触角が最小のシートの該接触角)は、好ましくは85度以下、さらに好ましくは80度以下、そして、好ましくは40度以上、さらに好ましくは50度以上である前記<1>〜<30>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<32>
前記表面シート全体が、低親水性又は疎水性の繊維を主体とする不織布を含んで構成され、且つ該不織布における前記防漏カフ非重複領域に相当する部位に親水化処理が施され、該不織布における前記サイド領域に相当する部位には親水化処理が施されていない前記<1>〜<31>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<33>
前記表面シートが不織布である前記<1>〜<32>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<34>
前記表面シートの坪量は、好ましくは10g/m以上、さらに好ましくは12g/m以上、そして、好ましくは30g/m以下、さらに好ましくは25g/m以下である前記<1>〜<33>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<35>
前記固定部が疎水性接着剤によって形成されている前記<1>〜<34>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<36>
前記股下部において、前記固定部の横方向最外方位置が前記サイド領域の横方向外側端と一致している前記<1>〜<35>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<37>
前記サイド領域の構成繊維が、前記防漏カフ非重複領域の構成繊維に比して親水度の低い低親水性又は疎水性の繊維である前記<1>〜<36>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<38>
前記防漏カフ形成用シートが疎水性のシート材料を含んで構成されている前記<1>〜<37>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<39>
前記固定部は、平面視において縦方向に延びる連続した直線状をなしている前記<1>〜<38>の何れか1項に記載の吸収性物品。
1A,1B,1C 展開型使い捨ておむつ(吸収性物品)
2,2A 表面シート
2M 防漏カフ非重複領域(中央領域)
2S サイド領域
20 第1シート
21 第2シート
22 接合部
22A 高密度部
23 凸部
3 裏面シート
4 吸収体
5 防漏カフ
50 防漏カフ形成用シート
51 防漏カフ形成用弾性部材
52 固定部
52a 固定部の横方向最内方位置
52b 固定部の横方向最外方位置
53 防漏カフ形成用シートの内側縁部
54 防漏カフ形成用シートの外側縁部
55 防漏カフ形成用シート自由端部
A 腹側部
B 股下部
C 背側部
X 縦方向
Y 横方向

Claims (8)

  1. 着用者の前後方向に対応する縦方向及びこれに直交する横方向を有すると共に、着用者の股間部に配される股下部並びにその前後に延在する腹側部及び背側部を有し、液保持性の吸収体と、該吸収体よりも着用者の肌に近い位置で該吸収体と重なる表面シートと、該吸収体の横方向両端部に沿って配され、該股下部において着用者の肌に向かって起立する一対の防漏カフとを備える吸収性物品であって、
    前記一対の防漏カフは、それぞれ、前記表面シートの肌対向面に部分的に固定された固定部を有し、且つ該固定部よりも横方向内方に自由端部を有する、疎水性の防漏カフ形成用シートを具備し、該固定部は、横方向に所定の長さを持って縦方向に延在しており、
    前記表面シートは、横方向中央部に、前記吸収性物品の展開且つ伸長状態における平面視において前記防漏カフ形成用シートと重ならない、防漏カフ非重複領域を有し、
    前記表面シートにおける、前記固定部の横方向最内方位置から横方向外方に延出するサイド領域は、その肌対向面が前記防漏カフ形成用シートで被覆され、且つ前記防漏カフ非重複領域に比して親水度が低い吸収性物品。
  2. 前記表面シートは、第1シートと、該第1シートに比して横方向長さが長い第2シートとの積層体を含み、該積層体において該第1シートと該第2シートとが部分的に接合されて複数の接合部が形成され、該第1シートが、該接合部以外の部位において該第2シートから離れる方向に突出して、着用者の肌側に向かって突出する複数の凸部を形成しており、
    前記防漏カフ非重複領域が、前記積層体を含んで構成され、
    前記第2シートは、前記第1シートの横方向両端それぞれから横方向外方に延出し、その延出部の肌対向面に前記防漏カフ形成用シートが部分的に固定されて前記固定部が形成され、前記サイド領域が、該第2シートの延出部を含んで構成されている請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記第1シートの横方向両端が、一対の前記防漏カフ形成用シートの一方の前記固定部と他方の前記固定部との間に位置している請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記第1シートは、前記サイド領域を構成する前記第2シートに比して親水度が高い請求項2又は3に記載の吸収性物品。
  5. 前記第1シートは、該第1シートと共に前記積層体を構成する前記第2シートに比して親水度が低い請求項2〜4の何れか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記サイド領域に、周辺部に比して密度の高い高密度部が複数散在している請求項1〜5の何れか1項に記載の吸収性物品。
  7. 前記固定部が疎水性接着剤によって形成されている請求項1〜6の何れか1項に記載の吸収性物品。
  8. 前記股下部において、前記固定部の横方向最外方位置が前記サイド領域の横方向外側端と一致している請求項1〜7の何れか1項に記載の吸収性物品。
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