以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、作物の作付けの依頼を受け付ける栽培受注システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。以下の実施形態において、作付け可能な作物は野菜などの食用の草本を含む。しかしながら、作付け可能な作物は観賞用の草本を含んでもよい。
[1.第1実施形態]
[1−1.栽培受注システムの構成及び機能概要]
先ず、本実施形態に係る栽培受注システムSの構成及び機能概要について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る栽培受注システムSの概要構成の一例を示す図である。
図1に示すように、栽培受注システムSは、管理サーバ1と、1又は複数の農園主端末2と、1又は複数のユーザ端末3と、を含んで構成されている。そして、管理サーバ1と各農園主端末2及び各ユーザ端末3とは、ネットワークNWを介して、例えば、通信プロトコルにTCP/IP等を用いて相互にデータの送受信が可能になっている。なお、ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築されている。
管理サーバ1は、ユーザ端末3からの要求に応じて、1又は複数の農地に含まれる複数の区画の中から、ユーザにより指定された作付希望作物の作付けが可能な区画を検索する。管理サーバ1は、作付けが可能な区画の中から1又は複数の区画に作付希望作物を作付けする作付依頼をユーザ端末3から受け付ける。管理サーバ1は、作付依頼に基づいて、作付け可能な1又は複数の区画を有する農園主の農園主端末2へ栽培指示を送信する。
農園主端末2は、農園主が利用する端末装置である。各農園主は、農業を営む世帯又は事業者である。各農園主は農地を有する。農園主が賃借している農地も、農園主が有する農地に含まれてもよい。各農地は複数の区画に分割されている。全区画の面積は同一又は略同一であってもよい。或いは、農地ごとに又は区画ごとに、区画の面積が異なっていてもよい。管理サーバ1からの栽培指示に従って、農園主は、栽培指示に示された区画に作付希望作物を作付けする。そして、農園主は作付希望作物を栽培及び収穫して、収穫した作物を、作付けを依頼したユーザへ発送する。農園主端末2は、農園主からの操作に基づいて管理サーバ1にアクセスすることにより、管理サーバ1からウェブページを受信して表示する。
ユーザ端末3は、作物の作付けを依頼することが可能なユーザが利用する端末装置である。ユーザ端末3は、ユーザからの操作に基づいて管理サーバ1にアクセスすることにより、管理サーバ1からウェブページを受信して表示する。
農園主端末2及びユーザ端末3には、ブラウザや電子メールクライアント等のソフトウェアが組み込まれている。農園主端末2及びユーザ端末3としては、例えば、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン等の携帯情報端末、携帯電話機等が用いられる。
[1−2.管理サーバの構成]
次に、管理サーバ1の構成について、図2及び図3を用いて説明する。図2は、本実施形態に係る管理サーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、管理サーバ1は、通信部11と、記憶部12と、入出力インターフェース13と、システム制御部14と、を備えている。そして、システム制御部14と入出力インターフェース13とは、システムバス15を介して接続されている。
通信部11は、ネットワークNWに接続して、農園主端末2やユーザ端末3等との通信状態を制御するようになっている。
記憶部12は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。記憶部12には、会員DB12a、作物DB12b、作付可能期間DB12c、農園主DB12d、区画利用状況DB12e等のデータベースが構築されている。「DB」は、データベースの略語である。
図3は、データベースに記憶される内容の一例を示す図である。会員DB12aには、栽培受注システムSを利用可能なユーザに関する会員情報が記憶される。具体的に、会員DB12aには、ユーザID、パスワード、氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス等のユーザの属性が、ユーザごとに対応付けて記憶される。ユーザIDは、ユーザの識別情報である。
作物DB12bには、栽培受注システムSにより作付けの依頼を受付可能な作物に関する作物情報が記憶される。具体的に、作物DB12bには、作物名、必要栽培日数、休栽年数、後作可能作物リスト、隣接区画作付け可能作物リスト等の作物の属性が、作物の種類ごとに対応付けて記憶される。作物名は、作物の種類の識別名である。必要栽培日数は、作物名が示す作物の作付けからその収穫までに必要な期間の長さを示す。休栽年数は、作物の休栽期間の長さを示す。休栽期間は、連作障害を防ぐための期間である。具体的に休栽年数は、作物名が示す作物を作付けした日から何年間、その作物と同一の作物を作付けるべきではないかを示す。
後作可能作物リストは、作物情報の作物名が示す作物が前作である場合に、後作として作付け可能な作物の作物名のリストである。後作可能作物リストは、前作と後作との相性に起因する後作の生育不良を防ぐための情報である。例えば、前作の栽培による土壌中の特定の害虫又は細菌の増加又は減少、土壌中の特定の養分又は成分の増加又は減少が、後作の生育に影響を及ぼす場合がある。後作可能作物リストには、前作との相性がよい作物のみが登録されてもよい。前作との相性がよい作物は、何も栽培されていなかった区画にその作物を作付けした場合よりも、その前作が栽培された後にその作物を作付けした方が所定程度以上育成状態が良くなる作物であってもよい。或いは、後作可能作物リストには、前作との相性が良い作物と、前作との相性が良くも悪くもない作物とが登録されてもよい。前作との相性が良くも悪くもない作物は、何も栽培されていなかった区画にその作物を作付けした場合と、その前作が栽培された後にその作物を作付けした場合とで、育成状態が変わらない作物であってもよい。なお、前作との相性が悪い作物は、何も栽培されていなかった区画にその作物を作付けした場合よりも、その前作が栽培された後にその作物を作付けした方が所定程度以上育成状態が悪くなる作物であってもよい。
隣接区画作付可能作物リストは、作物情報の作物名が示す作物が、注目する区画から所定範囲内にある区画で栽培されているときに、注目する区画に作付け可能な作物の作物名のリストである。隣接区画作付可能作物リストは、同時に栽培される2種類の作物間の相性に起因する、2種類の作物の少なくとも何れか一方の生育不良を防ぐための情報である。例えば、或る区画で或る種類の作物が栽培されることによる特定の害虫の発生又は発生の抑制が、その区画から所定範囲内にある区画で別の種類の作物の育成に影響を及ぼす場合がある。注目する区画から所定範囲内にある区画で栽培される作物を第1作物とし、注目する区画で栽培される作物を第2作物とする。隣接区画作付可能作物リストには、第1作物との相性が良い第2作物のみが登録されてもよい。第1作物との相性が良い第2作物は、所定範囲内にある区画で何も栽培されていない場合よりも、所定範囲内にある区画で第1作物が栽培されている方が所定程度以上育成状態が良くなる作物であってもよい。或いは、隣接区画作付可能作物リストには、第1作物との相性が良い第2作物と、第1作物との相性が良くも悪くもない第2作物とが登録されてもよい。第1作物との相性が良くも悪くもない第2作物は、所定範囲内にある区画で何も栽培されていない場合と、所定範囲内にある区画で第1作物が栽培されている場合とで、育成状態が変わらない作物であってもよい。なお、第1作物との相性が悪い第2作物は、所定範囲内にある区画で何も栽培されていない場合よりも、所定範囲内にある区画で第1作物が栽培されている方が所定程度以上育成状態が悪くなる作物であってもよい。所定範囲内にある区画は、例えば注目する区画に隣接する区画であってもよいし、注目する区画から所定区画数内又は所定距離内にある区画であってもよい。この場合の区画数は、注目する区画から或る区画へ到達するまでに通過する区画の数である。本実施形態において所定範囲内にある区画は、注目する区画に隣接する区画とする。
作付可能期間DB12cには、作物を作付け可能な期間に関する情報が記憶される。具体的に、作付可能期間DB12cには、地域ID、作物名及び作付可能期間が、地域と作物の種類との組み合わせごとに記憶される。地域IDは、地域の識別名である。地域は、例えば地方、都道府県又は市区町村等であってもよい。作付可能期間は、1年のうち、地域IDが示す地域で作物名が示す作物の作付けが可能な期間を示す。この期間は、地域の気象に基づく。作物の作付けが可能な期間は、例えば作物の作付けに適した期間であってもよい。作物の作付けが可能な期間は、例えばその期間内に作付けした場合に作物が十分に生育することを期待することができるような期間であってもよい。作物によって作付可能期間は異なる場合がある。また同一の作物を作付けする場合であっても、作物が作付けされる農地がある地域の気象によって作付可能期間は異なる場合がある。地域の気象は、例えば気候、天候又は特定の期間の気象状況の少なくとも1つを含んでもよい。
農園主DB12dには、農園主に関する農園主情報が記憶される。具体的に、農園主DB12dには、農園主ID、農園主名、住所、電話番号、電子メールアドレス、地域ID、区画情報等の農園主の属性が、農園主ごとに対応付けて記憶される。農園主IDは、農園主の識別情報である。農園主名は、農業を営む世帯の代表者の氏名又は農業を営む事業者の名称である。地域IDは、農園主が有する農地がある地域を示す。区画情報は、農園主が有する農地に含まれる区画に関する情報である。例えば、区画情報は、各区画の区画ID、各区画の農地内における位置、区画同士の隣接関係を示す情報を含んでもよい。区画IDは、区画の識別情報である。
区画利用状況DB12eには、区画の利用状況を示す区画利用情報が記憶される。区画の利用状況は、過去、現在及び未来の少なくとも何れかにおける区画の利用状況であってもよい。区画の利用状況は、如何なる区画が利用区画であり、如何なる作物が利用区画における栽培作物であるかを含む。利用区画とは、或る時点で作物の栽培に利用されている区画である。或る時点で作物の栽培に利用されていない区画はその時点では空き区画である。区画利用状況DB12eには、作付希望作物の作付依頼が受け付けられた区画ごとに区画利用情報が記憶される。具体的に、区画利用状況DB12eには、農園主ID、区画ID、作物名、作付依頼ユーザID、栽培開始日及び栽培終了日が対応付けて記憶される。農園主IDは、作付希望作物の作付依頼が受け付けられた区画を有する農園主を示す。区画IDは、作付希望作物の作付依頼が受け付けられた区画を示す。作物名は、作付希望作物を示す。作付依頼ユーザIDは、作付希望作物の作付けを依頼したユーザを示す。栽培開始日は、区画IDが示す区画で作付希望作物の栽培が開始された日又は栽培の開始が予定される日である。栽培開始日は、作付希望作物が作付けされる日である。栽培終了日は、区画IDが示す区画で作付希望作物の栽培が終了した日又は栽培の終了が予定される日である。栽培終了日は、作付希望作物が収穫される日である。栽培開始日から栽培終了日までの期間は、作付希望作物の栽培期間である。栽培期間中、区画IDが示す区画は利用区画である。栽培期間の日数は、作付希望作物の必要栽培日数に基本的に一致する。栽培開始日が今日以前の何れかの日である区画利用情報は、作物の作付けの履歴を示す。栽培開始日が明日以降の何れかの日である区画利用情報は、作物の作付けの予定を示す。
記憶部12には、更にウェブページを表示するための各種データ、例えばHTML(HyperText Markup Language)文書、XML(Extensible Markup Language)文書、画像データ、テキストデータ、電子文書等が記憶されている。また、記憶部12には、各種の設定値が記憶されている。
また、記憶部12には、オペレーティングシステム、DBMS(Database Management System)、サーバプログラム等の各種プログラムが記憶されている。サーバプログラムは、区画の検索、作付依頼の受付等に関する各種処理をシステム制御部14に実行させるプログラムである。各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークNWを介して取得されるようにしてもよいし、磁気テープ、光ディスク、メモリカード等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。また、サーバプログラム等は、プログラム製品であってもよい。
入出力インターフェース13は、通信部11及び記憶部12とシステム制御部14との間のインターフェース処理を行うようになっている。
システム制御部14は、CPU(Central Processing Unit)14a、ROM(Read Only Memory)14b、RAM(Random Access Memory)14c等により構成されている。CPU14aは、プロセッサの一例である。なお、本発明は、CPUと異なる様々なプロセッサに対しても適用可能である。記憶部12、ROM14b及びRAM14cは、それぞれメモリの一例である。なお、本発明は、ハードディスク、ROM及びRAMと異なる様々なメモリに対しても適用可能である。
なお、管理サーバ1が、複数のサーバ装置で構成されてもよい。例えば、区画の検索、作付依頼の受付の処理を行うサーバ装置、ウェブページを送信するサーバ装置、及びデータベースを管理するサーバ装置等が、互いにLAN等で接続されてもよい。
[1−3.システム制御部の機能概要]
次に、図4乃至図8を用いて、システム制御部14の機能概要について説明する。図4は、本実施形態に係る管理サーバ1のシステム制御部14の機能ブロックの一例を示す図である。システム制御部14は、CPU14aが、サーバプログラム等のプログラムに含まれる各種コードを読み出し実行することにより、図4に示すように、希望情報取得部141、区画利用状況取得部142、区画特定部143、特定結果出力部144、作付依頼受付部145等として機能する。希望情報取得部141は、本発明における指定情報取得手段の一例である。区画利用状況取得部142は、本発明における状況情報取得手段の一例である。区画特定部143は、本発明における特定手段、休栽期間情報取得手段、作付可能作物情報手段、第2作付可能作物情報取得手段、及び作付可能期間取得手段のそれぞれの一例である。特定結果出力部144は、本発明における出力手段の一例である。作付依頼受付部145は、本発明における受付手段の一例である。
希望情報取得部141は、区画の検索条件としてユーザにより指定された情報を、ユーザ端末3から取得する。具体的に、希望情報取得部141は、ユーザにより指定された作付希望作物を示す情報を取得する。作付希望作物は、ユーザが作付を希望する作物である。作付希望作物を示す情報は、例えば作物名であってもよい。
希望情報取得部141は、ユーザにより指定された希望農園主を示す情報を取得してもよいし取得しなくてもよい。希望農園主は、作付希望作物を栽培する農園主としてユーザが希望する農園主である。
希望情報取得部141は、ユーザにより指定された発送希望期間を取得してもよいし取得しなくてもよい。発送希望期間は、収穫された作付希望作物の発送が行われる期間としてユーザが希望する期間である。ユーザは、発送希望期間の初日と末日の両方を指定してもよいし、初日のみを指定してもよいし、末日のみを指定してもよい。
図5(a)は、区画検索条件指定ページの一例を示す図である。区画検索条件指定ページは、区画の検索条件を指定するためのウェブページである。ユーザ端末3からの要求に応じて、管理サーバ1が区画検索条件指定ページをユーザ端末3へ送信する。図5(a)に示すように、区画検索条件指定ページは、作付希望作物選択領域101、及び検索ボタン105を少なくとも含んでもよい。作付希望作物選択領域101は、栽培受注システムSが作付の依頼を受付可能な作物のリストから作付希望作物を選択するためのプルダウンリストである。検索ボタン105は、管理サーバ1へ区画の検索を要求するためのボタンである。区画検索条件指定ページは、更に、希望農園主選択領域102、発送希望期間初日選択領域103及び発送希望期間末日選択領域104を含んでもよい。希望農園主選択領域102は、作物の栽培を委託可能な農園主のリストから希望農園主を選択するためのプルダウンリストである。発送希望期間初日選択領域103は、発送希望期間の初日を選択するためのプルダウンリストである。発送希望期間末日選択領域104は、発送希望期間の末日を選択するためのプルダウンリストである。ユーザは少なくとも作付希望作物を選択する。ユーザは、希望農園主、発送希望期間の初日及び末日それぞれについては選択してもよいし選択しなくてもよい。
区画利用状況取得部142は、1又は複数の農地に含まれる複数の区画の利用状況を示す情報を、区画利用状況DB12eから取得する。区画の利用状況を示す情報は、基本的に区画利用情報である。例えば、区画利用状況取得部142は、利用状況に基づいて、所定の基準時点で如何なる区画が空き区画であるかを特定する。基準時点は、例えば現時点、又は作付希望作物の作付依頼が受け付けられたと仮定した場合において作付が行われる未来の時点である。本実施形態における基準時点は、主に現時点である。基準時点で空き区画である区画の中から、作付希望作物が作付可能な区画が特定される。区画利用状況取得部142は、区画利用状況DB12eから、基準時点で空き区画である区画において、基準時点よりも前における栽培作物を示す情報と、基準時点で利用区画である区画の基準時点の栽培作物を示す情報との少なくとも一方を特定する。空き区画において基準時点よりも前における栽培作物を示す情報は、連作障害及び前作と後作との相性問題に関連する。利用区画において基準時点の栽培作物を示す情報は、同時に栽培される作物間の相性問題に関連する。
区画特定部143は、区画利用状況取得部142により取得された区画利用情報に基づいて、複数の区画のうち空き区画の中から、作付希望作物の作付けが可能な区画を特定する。連作障害、前作と後作との相性問題、及び同時に栽培される作物間の相性問題のそれぞれに対応して、作付希望作物の作付けが可能な区画の特定方法が存在する。区画特定部143は、3種類の特定方法の全部を用いて、作付希望作物の作付けが可能な区画を特定してもよいし、1又は2種類の特定方法のみを用いて、作付希望作物の作付けが可能な区画を特定してもよい。
連作障害に関し、区画特定部143は、作付希望作物の休栽期間に関する情報を取得する。休栽期間に関する情報は、例えば休栽期間の長さであってもよい。区画特定部143は、区画利用情報に基づいて、空き区画ごとに、空き区画で基準時点より前に作付希望作物と同一種類の作物が作付けされたか否かを判定する。区画特定部143は、基準時点より前に作付希望作物と同一種類の作物が作付けされていない区画を、連作障害に関して作付希望作物の作付けが可能な区画として特定する。基準時点より前に作付希望作物と同一種類の作物が作付けされている場合、区画特定部143は、基準時点より前に作付希望作物の休栽期間が終了していない区画を、作付希望作物の作付けが可能な区画から除外する。区画特定部143は、基準時点より前に作付希望作物の休栽期間が終了している区画を、連作障害に関して作付希望作物の作付けが可能な区画として特定する。区画特定部143は、作付希望作物と同一種類の作物の栽培開始日から休栽年数後の日を、休栽期間が終了する日に決定する。
図6(a)は、連作障害に関し作付希望作物が作付可能であるか否かの一例を示す図である。作付希望作物はトマトである。今日の時点で空き区画である或る区画に、過去にトマトが栽培されていた。トマトの休栽年数は5年である。今日の日付が2016年8月1日であるとする。過去のトマトの栽培開始日が2011年8月1日以降である場合、区画特定部143は、その区画を、作付希望作物を作付可能な区画から除外する。
前作と後作との相性問題に関し、区画特定部143は、区画利用情報に基づいて、空き区画で基準時点よりも前における栽培作物を前作として特定する。区画特定部143は、前作として特定した作物の後作可能作物リストを取得する。区画利用状況取得部142は、後作可能作物リストが作付希望作物を含む空き区画を、前作と後作との相性問題に関して作付希望作物の作付けが可能な区画として特定する。後作可能作物リストが作付希望作物を含まない空き区画は、作付けが可能な区画から除外される。
図6(B)は、前作と後作との相性問題に関し作付希望作物が作付可能であるか否かの一例を示す図である。作付希望作物はトマトである。今日の時点で空き区画である或る区画に、過去にたまねぎとにんじんが栽培されていた。直近に栽培されていた作物はにんじんである。にんじんを前作とした場合、後作可能な作物ははくさい、たまねぎ及びキャベツである。にんじんの後にトマトを作付けすることはできない。従って、区画特定部143は、その区画を、作付希望作物を作付可能な区画から除外する。
同時に栽培される作物間の相性問題に関し、区画特定部143は、空き区画から所定範囲内にある区画の中に利用区画があるか否かを判定する。区画特定部143は、所定範囲内にある区画の中に利用区画がない空き区画を、同時に栽培される作物間の相性問題に関して作付希望作物の作付けが可能な区画として特定する。所定範囲内にある区画の中に利用区画がある場合、区画特定部143は、区画利用情報に基づいて、利用区画における基準時点における栽培作物を特定する。区画特定部143は、特定した栽培作物の隣接区画作付可能作物リストを取得する。区画特定部143は、所定範囲内にある区画の中の全ての利用区画の栽培作物の隣接区画作付可能作物リストが作付希望作物を含む空き区画を、同時に栽培される作物間の相性問題に関して作付希望作物の作付けが可能な区画として特定する。少なくとも1つの利用区画の栽培作物の隣接区画作付可能作物リストが作付希望作物を含まない空き区画は、作付けが可能な区画から除外される。上述したように、所定範囲内にある区画は、注目する区画に隣接する区画であってもよいし、注目する区画から所定区画数内又は所定距離内にある区画であってもよい。本実施形態において所定範囲内にある区画は、注目する区画に隣接する区画とする。
図7は、同時に栽培される作物間の相性問題に関し作付希望作物が作付可能であるか否かの一例を示す図である。作付希望作物はトマトである。区画1〜16のうち空き区画は区画1、2、5、7である。区画4、6、9、10及び13の栽培作物はきゅうりである。区画8、11、12、14〜16の栽培作物はとうもろこしである。きゅうりが栽培されている区画に隣接する区画で、きゅうりと同時に栽培可能な作物は、トマト、まめ類、とうもろこし及びラディッシュである。とうもろこしが栽培されている区画に隣接する区画で、とうもろこしと同時に栽培可能な作物は、きゅうり、じゃがいも、かぼちゃ、まめ類及びパセリである。区画1に隣接する区画は、空き区画である区画2及び5である。従って、区画1には、トマトの作付けが可能である。区画2に隣接する区画は、空き区画である区画1と、きゅうりが栽培されている区画3及び6である。従って、区画2には、トマトの作付けが可能である。区画5に隣接する区画は、空き区画である区画1と、きゅうりが栽培されている区画6及び9である。従って、区画5には、トマトの作付けが可能である。区画7に隣接する区画は、きゅうりが栽培されている区画3及び6と、とうもろこしが栽培されている区画8及び11である。従って、区画7には、トマトの作付けが不可能である。
区画特定部143は、空き区画について、その空き区画を含む農地がある地域において、作付希望作物に対応する作付可能期間を作付可能期間DB12cから取得してもよい。区画特定部143は、作付希望作物の作付依頼が受け付けられたと仮定した場合において作付希望作物の作付が行われる時期が、作付可能期間に含まれる区画の中から、作付希望作物の作付が可能な区画を特定してもよい。これにより、作付希望作物を期間的に作付可能な区画を特定することが可能である。作付希望作物の作付が行われる時期は、基準時点であってもよい。
ユーザにより指定された希望農園主を示す情報が希望情報取得部141により取得された場合、区画特定部143は、指定された希望農園主が有する農地に含まれる区画の中から、作付希望作物の作付けが可能な区画を特定する。この場合、区画特定部143は、作付希望作物に対応する作付可能期間として、希望農園主が有する農地がある地域における作付可能期間を取得する。
本実施形態においては、基準時点は原則として現時点であり、区画特定部143は、現時点で空き区画である区画の中から、作付希望作物が作付け可能な区画を特定する。しかしながら、区画特定部143は、現時点で利用区画である区画のうち、現在栽培中の作物の栽培が終了した後で、作付希望作物が作付け可能な区画も更に特定してもよいし、特定しなくてもよい。この場合の基準時点は、栽培中の作物の栽培が終了する日の次の日であってもよいし、栽培中の作物の栽培が終了する日から所定日数後の日であってもよい。具体的に、区画特定部143は、現時点で利用区画である区画で現在栽培されている作物の栽培に必要な期間を取得する。区画特定部143は、区画利用状況DB12eから、栽培終了日を、栽培に必要な期間の末日として取得することができる。或いは、区画特定部143は、作物DB12bに記憶されている必要栽培日数に基づいて、栽培に必要な期間を取得することができる。
区画特定部143は、現時点で利用区画である区画において、作付希望作物に対応する作付可能期間を取得してもよい。区画特定部143は、利用区画のうち、現在栽培されている作物の収穫が終わった後で且つ作付可能期間内に作付希望作物の作付けが可能であると判定され、且つ、区画の利用状況を示す情報に基づいて、作付希望作物が作付け可能であると判定される区画を、作付希望作物の作付が可能な区画に含めてもよい。これにより、現時点で利用区画である区画であっても、空き区画になったときに作付希望作物の作付けが可能な区画を特定することができる。
図8(a)は、作付希望作物が作付可能であるか否かの一例を示す図である。作付希望作物はトマトである。或る区画は今日の時点で利用区画である。この区画でたまねぎが現在栽培中である。たまねぎの後作可能作物はトマト、キャベツ、だいこん、スイカである。たまねぎの栽培が終了する日は4月30日である。従って基準時点は5月1日である。基準時点において、作付希望作物の前作はたまねぎである。前作と後作との相性問題において、作付希望作物の作付けは可能である。この区画を含む農地がある地域において、トマトの作付可能期間は、4月1日〜6月10日である。基準時点が作付可能期間に含まれるので、作付希望作物の作付けは可能である。
ユーザにより指定された発送希望期間が希望情報取得部141により取得された場合、区画特定部143は、作付希望作物の必要栽培日数を取得してもよい。区画特定部143は、現時点で利用区画である区画のうち、現在栽培されている作物の収穫が終わった後で作付希望作物が作付けされるという条件の下で、発送希望期間内に作付希望作物の配送が可能であると判定され、且つ区画利用情報に基づいて、作付希望作物が作付け可能であると判定される区画を、作付希望作物の作付が可能な区画に含めてもよい。これにより、現時点で利用区画である区画であっても、作付希望作物を収穫して発送希望期間内に発送可能な区画も、作付希望作物の作付が可能な区画に含めることができる。作付希望作物の作付が可能な日は、例えば作付希望作物の栽培が終了する日であってもよいし、作付希望作物の栽培が終了する日の次の日であってもよいし、作付希望作物の栽培が終了する日から所定日数後の日であってもよい。
図8(b)は、作付希望作物が作付可能であるか否かの一例を示す図である。作付希望作物はトマトである。或る区画は今日の時点で利用区画である。この区画でたまねぎが現在栽培中である。たまねぎの栽培が終了する日は4月30日であるので、基準時点は5月1日である。上述したように、前作と後作との相性問題において、作付希望作物の作付けは可能である。トマトの必要栽培日数は90日である。従って、作付希望作物の栽培が終了する日は7月30日である。栽培が終了する日を、発送が可能な日とする。ユーザは、発送希望期間として、8月31日以前を指定した。発送が可能な日が発送希望期間に含まれるので、作付希望作物の作付けは可能である。
特定結果出力部144は、区画特定部143により特定された、作付希望作物を作付可能な区画に関する情報を出力する。例えば特定結果出力部144は、特定された区画の数、特定された区画を示す情報、特定された区画を有する農園主の情報、特定された区画を含む農地がある地域の情報の少なくとも何れか1つを出力してもよい。
図5(b)は、検索結果ページの一例を示す情報である。検索結果ページは、区画の検索結果を示すウェブページである。特定結果出力部144は、検索結果ページをユーザ端末3へ送信してもよい。検索結果ページは、作付可能区画数111、作付依頼区画数選択領域112、及び作付依頼ボタン113を含んでもよい。作付可能区画数111は、作付希望作物を作付可能な区画の数を示す。作付依頼区画数選択領域112は、作付希望作物の作付けを依頼する区画の数を選択するためのプルダウンリストである。作付依頼ボタン113は、作付希望作物の作付を依頼するためのボタンである。ユーザが作付依頼ボタン113を押すと、ユーザ端末3は、作付依頼を管理サーバ1へ送信する。作付依頼は、作付依頼区画数選択領域112を用いてユーザにより選択された区画数を含む。
作付依頼受付部145は、作付希望作物の作付依頼を受け付ける。このとき、作付依頼受付部145は、区画特定部143により特定された、作付希望作物の作付けが可能な区画の数を越える分の区画への作付けの依頼を受け付けない。これにより、実際には作付希望作物を作付けすることができない区画に、作付希望作物が作付けされるように処理されることが回避される。
作付依頼受付部145は、作付依頼に設定された区画数が、作付希望作物の作付けが可能な区画の数を越える場合、ユーザに区画数の入力の再入力を要求してもよい。例えば、作付依頼受付部145は、特定結果出力部144により検索結果ページを再送信させてもよい。或いは、特定結果出力部144が、作付希望作物の作付けが可能な区画の数を越える区画数を選択することができないように、検索結果ページを生成してもよい。
作付依頼受付部145は、作付依頼を受け付けると、区画利用状況DB12eを更新する。例えば、作付依頼受付部145は、作付希望作物の作付けが可能な区画の中から、作付依頼に設定された区画数分の区画を選択する。作付依頼受付部145は、選択した区画ごとに、区画利用情報を生成して区画利用状況DB12eに記憶させる。このとき、作付依頼受付部145は、栽培開始日を、基準時点の日に設定する。基準時点の日は原則として今日である。しかしながら、上述したように、現時点で栽培中の作物の栽培が終了した後に、作付希望作物の作付けが可能な区画については、栽培中の作物の栽培が終了した後の日が栽培開始日となる。作付依頼受付部145は、作付希望作物の必要栽培日数を作物DB12bから取得する。作付依頼受付部145は、栽培開始日と必要栽培日数に基づいて、栽培終了日を計算する。
[1−4.栽培受注システムの動作]
次に、栽培受注システムSの動作について、図9乃至図11を用いて説明する。サーバプログラムに含まれる様々なコードに従って、システム制御部14は、図9乃至図11に示す処理を実行する。
図9は、本実施形態に係る管理サーバ1のシステム制御部14の検索処理の一例を示すフローチャートである。例えば図5(a)に示すような区画検索条件指定ページがユーザ端末3に表示されているとき、ユーザは少なくとも作付希望作物を指定する。ユーザが検索ボタン105を押すと、ユーザ端末3は、検索要求を管理サーバ1へ送信する。検索要求は、検索を要求するユーザのユーザID、及び作付希望作物の作物名を含む。ユーザが希望農園主を指定した場合、検索要求は、更に希望農園主の農園主IDを含む。ユーザが発送希望期間を指定した場合、検索要求は、更に発送希望期間の初日及び末日の少なくとも何れか一方の日付を含む。ユーザ端末3から検索要求を受信したとき、区画特定部143は、検索処理を実行する。
図9に示すように、区画特定部143は、区画数Nを0に設定する(ステップS11)。区画数Nは、作付希望農作物の作付けが可能な区画の数を示す。また、区画特定部143は、作付可能区画リストを初期化して、作付可能区画リストを、検索を要求するユーザのユーザIDに関連付ける。作付可能区画リストは、作付希望作物の作付けが可能な区画のリストである。次いで、希望情報取得部141は、検索要求に基づいて、希望農園主の指定があるか否かを判定する(ステップS12)。このとき、希望情報取得部141は、希望農園主の指定があると判定した場合には(ステップS12:YES)、処理をステップS17に進める。一方、希望情報取得部141は、希望農園主の指定がないと判定した場合には(ステップS12:NO)、処理をステップS13に進める。
ステップS13において、システム制御部14は、番号iを1に設定する。次いで、区画特定部143は、農園主対応検索処理を実行する(ステップS14)。農園主対応検索処理において、システム制御部14は、農園主iが有する農地に含まれる区画から、作付希望農作物の作付けが可能な区画を検索する。農園主iは、栽培受注システムSを通じて作物の栽培を委託可能な農園主のうちi番目の農園主である。
図10は、本実施形態に係る管理サーバ1のシステム制御部14の農園主対応検索処理の一例を示すフローチャートである。図10に示すように、区画特定部143は、農園主iの農地がある地域において作付可能農作物に対応する作付可能期間を取得する(ステップS21)。具体的に、区画特定部143は、農園主DB12dから、農園主iの農園主IDに対応する地域IDを取得する。次いで、区画特定部143は、作付可能期間DB12cから、作付可能農作物の作物名及び取得された地域IDとの組み合わせに対応する作付可能期間を取得する。
次いで、区画特定部143は、番号jを1に設定する(ステップS22)。次いで、利用状況取得部142は、区画ijは現在空き区画であるか否かを判定する(ステップS23)。区画ijは、農園主iが有する農地に含まれる区画のうちj番目の区画である。具体的に、区画特定部143は、区画利用状況DB12eから、農園主iの農園主ID及び区画ijの区画IDに対応する区画利用情報のうち、栽培期間が今日を含む区画利用情報を検索する。区画利用情報に含まれる栽培開始日及び栽培終了日が栽培期間を示す。栽培期間が今日を含む区画利用情報がない場合、区画特定部143は、区画ijは現在空き区画であると判定する(ステップS23:YES)。この場合、利用状況取得部142は、処理をステップS24に進める。一方、栽培期間が今日を含む区画利用情報がある場合、区画特定部143は、区画ijは現在空き区画ではないと判定する(ステップS23:NO)。この場合、利用状況取得部142は、処理をステップS25に進める。
ステップS24において、区画特定部143は、栽培開始基準日を今日に設定して、処理をステップS28に進める。栽培開始基準日は、基準時に対応する日である。
ステップS25において、区画特定部143は、区画ijで現在栽培中の作物の栽培が終了後に既に別の作物の作付けの予定があるか否かを判定する。具体的に、区画特定部143は、区画利用状況DB12eから、農園主iの農園主ID及び区画ijの区画IDに対応する区画利用情報のうち、栽培開始日が明日以降である区画利用情報を検索する。栽培開始日が明日以降である区画利用情報がある場合、区画特定部143は、別の作物の作付けの予定があると判定する(ステップS25:YES)。この場合、区画特定部143は、処理をステップS33に進める。一方、栽培開始日が明日以降である区画利用情報がない場合、区画特定部143は、別の作物の作付けの予定がないと判定する(ステップS25:YES)。この場合、区画特定部143は、処理をステップS26に進める。
ステップS26において、区画特定部143は、今日が栽培期間中である区画利用情報から、区画ijで現在栽培中の作物の栽培終了日を取得する。次いで、区画特定部143は、栽培開始基準日を、取得した栽培終了日の次の日に設定して(ステップS27)、処理をステップS28に進める。
ステップS28において、区画特定部143は、栽培開始基準日が、ステップS21で取得された作付可能期間内であるか否かを判定する。このとき、区画特定部143は、栽培開始基準日が作付可能期間内であると判定した場合には(ステップS28:YES)、処理をステップS29に進める。一方、区画特定部143は、栽培開始基準日が作付可能期間内ではないと判定した場合には(ステップS28:NO)、処理をステップS33に進める。
ステップS29において、区画特定部143は、検索要求に基づいて、発送希望期間の指定があるか否かを判定する。このとき、区画特定部143は、発送希望期間の指定があると判定した場合には(ステップS29:YES)、処理をステップS30に進める。一方、区画特定部143は、発送希望期間の指定がないと判定した場合には(ステップS29:NO)、処理をステップS32に進める。
ステップS30において、区画特定部143は、作物DB12bから、作付希望農作物の必要栽培日数を取得する。そして、区画特定部143は、栽培開始基準日に必要栽培日数を加算することにより、栽培終了基準日を計算する。栽培終了基準日は、作付希望農作物が栽培開始基準日に作付けされたと仮定した場合に作付希望農作物の栽培が終了する日である。次いで、区画特定部143は、栽培終了基準日が発送希望期間内であるか否かを判定する(ステップS31)。このとき、区画特定部143は、栽培終了基準日が発送希望期間内ではないと判定した場合には(ステップS31:NO)、処理をステップS33に進める。一方、区画特定部143は、栽培終了基準日が発送希望期間内であると判定した場合には(ステップS31:YES)、処理をステップS32に進める。ステップS32において、システム制御部14は、作付可能判定処理を実行する。作付可能判定処理において、システム制御部14は、連作障害、前作と後作との相性問題、及び同時に栽培される作物間の相性問題に関して、区画利用情報に基づいて、区画ijに作付希望作物の作付けが可能であるか否かを判定する。システム制御部14は、作付けが可能である場合、区画ijを作付可能区画リストに追加する。
図11は、本実施形態に係る管理サーバ1のシステム制御部14の作付可能判定処理の一例を示すフローチャートである。図11に示すように、利用状況取得部142は、区画ijで作付けの履歴があるか否かを判定する(ステップS41)。具体的に、利用状況取得部142は、区画利用状況DB12eから、農園主iの農園主ID及び区画ijの区画IDに対応する区画利用情報を検索する。区画利用情報がある場合、区画特定部143は、作付けの履歴があると判定する(ステップS41:YES)。この場合、利用状況取得部142は、処理をステップS42に進める。一方、区画利用情報がない場合、区画特定部143は、作付けの履歴がないと判定する(ステップS41:NO)。この場合、利用状況取得部142は、処理をステップS48に進める。
ステップS42において、区画特定部143は、区画ijで作付希望作物と同一の作物が作付けされたか否かを判定する。ステップS42で検索された区画利用情報の中に、作付希望作物の作物名と同一の作物名を含む区画利用情報がある場合、区画特定部143は、作付希望作物と同一の作物が作付けされたと判定する(ステップS42:YES)。この場合、区画特定部143は、処理をステップS43に進める。一方、作付希望作物の作物名と同一の作物名を含む区画利用情報がない場合、区画特定部143は、作付希望作物と同一の作物が作付けされなかったと判定する(ステップS42:NO)。この場合、区画特定部143は、処理をステップS45に進める。
ステップS43において、区画特定部143は、作付希望作物の作物名と同一の作物名を含む区画利用情報のうち栽培開始日が最も遅い区画利用情報から、栽培開始日を取得する。また、区画特定部143は、作物DB12bから、作付希望作物の休栽年数を取得する。そして、区画特定部143は、取得された栽培開始日から休栽年数後の日を、休栽期間の終了日として決定する。次いで、区画特定部143は、休栽期間の終了日が栽培開始基準日よりも前の日であるか否かを判定する(ステップS44)。このとき、区画特定部143は、休栽期間の終了日が栽培開始基準日よりも前の日であると判定した場合には(ステップS44:YES)、処理をステップS45へ進める。一方、区画特定部143は、休栽期間の終了日が栽培開始基準日よりも前の日ではないと判定した場合には(ステップS44:NO)、作付可能判定処理を終了させる。
ステップS45において、利用状況取得部142は、農園主iの農園主ID及び区画ijの区画IDに対応する区画利用情報のうち、栽培開始日が最も遅い区画利用情報を取得する。そして、利用状況取得部142は、取得した区画利用情報に含まれる作物名を、区画ijの前作の作物名として特定する。次いで、区画特定部143は、作物DB12bから、特定した前作の作物名に対応する後作可能作物リストを取得する(ステップS46)。次いで、区画特定部143は、作付希望作物の作物名が後作可能作物リストに含まれるか否かを判定する(ステップS47)。このとき、区画特定部143は、作付希望作物の作物名が後作可能作物リストに含まれると判定した場合には(ステップS47:YES)、処理をステップS48に進める。一方、区画特定部143は、作付希望作物の作物名が後作可能作物リストに含まれないと判定した場合には(ステップS47:NO)、作付可能判定処理を終了させる。
ステップS48において、区画特定部143は、番号kを1に設定する。次いで、利用状況取得部142は、区画kが栽培開始基準日の時点で利用中であるか否かを判定する(ステップS49)。区画kは、区画ijに隣接する区画のうちk番目の区画である。利用状況取得部142は、農園主DB12dに記憶されている区画情報に基づいて、区画ijに隣接する区画を特定することが可能である。利用状況取得部142は、区画利用状況DB12eから、農園主iの農園主ID及び区画kの区画IDに対応する区画利用情報のうち、栽培期間が栽培開始基準日を含む区画利用情報を検索する。栽培期間が栽培開始基準日を含む区画利用情報がある場合、利用状況取得部142は、区画kが利用中であると判定する(ステップS49:YES)。この場合、利用状況取得部142は、処理をステップS50に進める。一方、栽培期間が栽培開始基準日を含む区画利用情報がない場合、利用状況取得部142は、区画kが利用中ではないと判定する(ステップS49:NO)。この場合、利用状況取得部142は、処理をステップS54に進める。
ステップS50において、利用状況取得部142は、栽培期間が栽培開始基準日を含む区画利用情報に含まれる作物名を、栽培開始基準日の時点における区画kの栽培作物の作物名として特定する。次いで、区画特定部143は、作物DB12bから、特定された栽培作物の作物名に対応する隣接区画作付け可能作物リストを取得する(ステップS51)。次いで、区画特定部143は、作付希望作物が隣接区画作付け可能作物リストに含まれるか否かを判定する(ステップS52)。このとき、区画特定部143は、作付希望作物が隣接区画作付け可能作物リストに含まれると判定した場合には(ステップS52:YES)、処理をステップS53に進める。一方、区画特定部143は、作付希望作物が隣接区画作付け可能作物リストに含まれないと判定した場合には(ステップS52:NO)、作付可能判定処理を終了させる。
ステップS53において、区画特定部143は、番号kが区画ijに隣接する区画の数未満であるか否かを判定する。このとき、区画特定部143は、番号kが区画ijの隣接する区画の数未満であると判定した場合には(ステップS53:YES)、処理をステップS54に進める。ステップS54において、区画特定部143は、番号kを1増加させて、処理をステップS49に進める。一方、区画特定部143は、番号kが区画ijの隣接する区画の数未満ではないと判定した場合には(ステップS53:NO)、処理をステップS55に進める。
ステップS55において、区画特定部143は、農園主iの農園主ID、区画ijの区画ID、及び栽培開始基準日を含むレコードを生成する。そして、区画特定部143は、生成したレコードを作付可能区画リストに追加する。次いで、区画特定部143は、区画数Nを1増加させて(ステップS56)、作付可能判定処理を終了させる。
作付可能判定処理を終えると、図10に示すように、区画特定部143は、番号jが、農園主iが有する農地に含まれる区画の数未満であるか否かを判定する(ステップS33)。このとき、区画特定部143は、番号jが区画の数未満であると判定した場合には(ステップS33:YES)、処理をステップS34に進める。ステップS34において、区画特定部143は、番号jを1増加させて、処理をステップS23に進める。一方、区画特定部143は、番号jが区画の数未満ではないと判定した場合には(ステップS33:NO)、農園主対応検索処理を終了させる。
農園主対応検索処理を終えると、図9に示すように、区画特定部143は、番号iが、栽培受注システムSを通じて作物の栽培を委託可能な農園主の人数未満であるか否かを判定する(ステップS15)。このとき、区画特定部143は、番号iが農園主の人数未満であると判定した場合には(ステップS15:YES)、処理をステップS16に進める。ステップS16において、区画特定部143は、番号iを1増加させて、処理をステップS14に進める。一方、区画特定部143は、番号iが農園主の人数未満ではないと判定した場合には(ステップS15:NO)、処理をステップS19に進める。
ステップS17において、区画特定部143は、番号iを、指定された希望農園主に対応する番号に設定する。次いで、区画特定部143は、農園主対応検索処理を実行して、処理をステップS19に進める。
ステップS19において、特定結果出力部144は、検索結果ページを生成する。具体的に、特定結果出力部144は、区画数Nを、作付可能区画数111として検索結果ページに含める。特定結果出力部144は、1からNまでの中からのみ区画数を選択可能なように作付依頼区画数選択領域112を検索結果ページに含めてもよい。特定結果出力部144は、生成された検索結果ページを、検索要求を送信してきたユーザ端末3へ送信して、検索処理を終了させる。
ユーザ端末3は、管理サーバ1から受信した検索結果ページを表示する。ユーザは、区画数を選択して作付依頼ボタン113を押す。すると、ユーザ端末3は、作付依頼を管理サーバ1へ送信する。作付依頼は、作付けを依頼するユーザのユーザID、選択された区画数、及び作付希望作物の作物名を含む。管理サーバ1は作付依頼を受信する。作付依頼受付部145は、作付けを依頼するユーザのユーザIDに関連付けられた作付可能区画リストから、作付依頼に含まれる区画数分のレコードを選択する。作付依頼受付部145は、選択されたレコードごとに、レコードに含まれる農園主ID、区画ID及び栽培開始基準日と、作付依頼に含まれるユーザID及び作付希望作物の作物名に基づいて、区画利用情報を生成する。このとき、作付依頼受付部145は、区画利用情報の栽培開始日を栽培開始基準日に設定する。また、作付依頼受付部145は、区画利用情報の栽培終了日を、栽培開始日から作付希望作物の必要栽培日数後の日に設定する。作付依頼受付部145は、生成された区画利用情報を区画利用状況DB12eに記憶させる。作付依頼受付部145は、区画利用情報に含まれる農園主IDに基づいて、栽培が委託される農園主へ栽培指示を行う。例えば、作付依頼受付部145は、農園主宛ての電子メールを送信することで、栽培指示を行ってもよい。栽培指示は、例えば作付希望作物の作物名、作付けされる区画、栽培開始日、栽培終了日、作付けを依頼したユーザの名前、住所、電話番号等を含んでもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、システム制御部14が、作付希望作物を示す作物名を取得する。また、システム制御部14が、区画利用情報を取得する。また、システム制御部14が、区画利用情報に基づいて、複数の区画のうち空き区画の中から、作付希望作物の作付けが可能な区画を特定する。また、システム制御部14が、特定された区画に関する情報を出力する。従って、作付けされたことがある作物との関係で、ユーザが希望する作物の作付けが可能な区画を特定することが可能となる。
また、システム制御部14が、作付希望作物の休栽期間に関する情報を取得してもよい。また、システム制御部14が、区画利用情報及び休栽期間に関する情報に基づいて、作付希望作物の休栽期間が終了していない区画を、作付希望作物の作付けが可能な区画から除外してもよい。この場合、システム制御部14は、連作障害が生じないように、作付希望作物の作付けが可能な区間を特定することができる。
また、システム制御部14が、基準時点で空き区画である区画において、基準時点よりも前における栽培作物を示す区画利用情報を取得してもよい。また、システム制御部14が、基準時点よりも前における栽培作物の栽培の後に作付け可能な作物を示す後作可能作物リストを取得してもよい。また、システム制御部14が、後作可能作物リストに基づいて、作付希望作物が、基準時点よりも前における栽培作物の栽培の後に作付け可能な作物である区画を、作付希望作物の作付けが可能な区画として特定してもよい。この場合、システム制御部14は、作付希望作物が後作であると仮定した場合において、前作と後作との相性問題が生じないように、作付希望作物の作付けが可能な区間を特定することができる。
また、システム制御部14が、作付希望作物の作付依頼を受け付けてもよい。このとき、システム制御部14は、特定された区画の数を越える分の区画への作付けの依頼を受け付けなくてもよい。この場合、システム制御部14は、作付希望作物を実際には作付けすることができない区画に、作付希望作物を作付けするように処理が行われることを防止することができる。
また、システム制御部14が、空き区画において作付希望作物の作付けが可能な作付可能期間であって、空き区画を含む地域の気象に基づく作付可能期間を取得してもよい。また、システム制御部14が、作付希望作物の作付けが行われる時期が、作付可能期間に含まれる区画の中から、作付希望作物の作付けが可能な区画を特定してもよい。この場合、システム制御部14は、地域によって作付けが可能な期間が異なることを考慮して、作付希望作物の作付けが可能な区間を特定することができる。
また、システム制御部14が、複数の農園主のうち、ユーザにより指定された希望農園主を示す農園主IDを取得してもよい。また、システム制御部14が、作付希望作物の作付けが可能な作付可能期間であって、希望農園主が有する農地がある地域の気象に基づく作付可能期間を取得してもよい。また、システム制御部14が、希望農園主が有する農地に含まれる区画の中から、作付けが可能な区画を特定してもよい。この場合、ユーザは作物の栽培を委託する農園主を指定することができる。また、システム制御部14は、農園主が有する農地がある地域によって作付けが可能な期間が異なることを考慮して、作付希望作物の作付けが可能な区間を特定することができる。
また、システム制御部14が、利用区画で現在栽培されている作物の作付けから収穫までに必要な栽培期間を取得してもよい。また、システム制御部14が、利用区画において作付希望作物の作付けが可能な作付可能期間であって、利用区画を含む地域の気象に基づく作付可能期間を取得してもよい。また、システム制御部14が、利用区画のうち、栽培期間及び作付可能期間に基づいて、現在栽培されている作物の収穫が終わった後で且つ作付可能期間内に作付希望作物の作付けが可能であると判定され、且つ、区画利用情報に基づいて、作付希望作物が作付け可能であると判定される区画を、作付希望作物の作付けが可能な区画に含めてもよい。この場合、システム制御部14は、現時点で利用区画である区画であっても、地域によって作付けが可能な期間が異なることを考慮して、空き区画になったときに、作付希望作物の作付けが可能な区画を特定することができる。
また、システム制御部14が、ユーザにより指定された発送希望期間を取得してもよい。また、システム制御部14が、利用区画で現在栽培されている作物の作付けから収穫までに必要な栽培期間を取得してもよい。また、システム制御部14が、作付希望作物の作付けから収穫までに必要な必要栽培日数を取得してもよい。また、システム制御部14が利用区画のうち、栽培期間、必要栽培日数及び発送希望期間に基づいて、現在栽培されている作物の収穫が終わった後で作付希望作物が作付けされるという条件の下で、発送希望期間内に作付希望作物の発送が可能であると判定され、且つ区画利用情報に基づいて、作付希望作物が作付け可能であると判定される区画を、作付希望作物の作付けが可能な区画に含めてもよい。この場合、システム制御部14は、現時点で利用区画である区画であっても、空き区画になったときに作付けした場合に、指定された発送希望期間内に作付希望作物の発送が可能となる区画を特定することができる。
また、システム制御部14が、空き区画から所定範囲内にある区画のうち利用区画における栽培作物を示す区画利用情報を取得してもよい。また、システム制御部14が、利用区画における栽培作物の隣接区画作付可能作物リストを取得してもよい。また、システム制御部14が、隣接区画作付可能作物リストに基づいて、作付希望作物が、所定範囲内にある区画で栽培が可能な作物ではない利用区画から所定範囲内にある空き区画を、作付希望作物の作付けが可能な区画から除外してもよい。この場合、システム制御部14は、周囲の区画で栽培される作物との相性問題が生じないように、作付希望作物の作付けが可能な区間を特定することができる。
[2.第2実施形態]
[2−1.システム制御部の機能概要]
次に、図12を用いて、第2実施形態におけるシステム制御部14の機能概要について説明する。以下に説明する点を除き、第2実施形態は第1実施形態と同様である。第1実施形態においては、基本的には栽培開始日が今日以前の何れかの日である作付けの履歴を示す区画利用情報が区画利用状況DB12eに記憶されていた。現在利用区画である区画の栽培作物の栽培が終了した後で作付希望作物の作付けが可能な場合にのみ、その区画については栽培開始日が明日以降の何れかの日である区画利用情報、すなわち作付けの予定を示す区画利用情報が記憶される場合があった。以下に説明する第2実施形態は、栽培開始日が明日以降の任意の日である作付けの予定を示す区画利用情報が区画利用状況DB12eに記憶されていることを前提とする。
例えばユーザが、作付希望作物の栽培開始時期又は栽培終了時期を指定して、作付可能な区画の検索を要求することができるように、システム制御部14が機能する。例えば、検索条件指定ページにおいて栽培開始時期又は栽培終了時期の指定が可能である。これにより、ユーザは、明日以降の何れかの日が栽培開始日となる作付希望作物の作付けの予約を行うことができる。
例えば、ユーザは希望栽培開始日又は希望栽培開始月の指定が可能であってもよい。この場合、区画特定部143は、希望栽培開始日又は希望栽培開始月の何れかの日から、作付希望作物の必要栽培日数後の日までの期間、空いている区画があるかを判定する。或いは、ユーザは発送希望期間の指定が可能であってもよい。この場合、区画特定部143は、発送希望期間の何れかの日から、作付希望作物の必要栽培日数前の日までの期間、空いている区画があるかを判定する。これらの期間を空き期間という。空き期間は、栽培が予定されていない期間である。
区画特定部143は、空き期間のある区画のうち、区画利用情報に基づいて、その空き時期の前の栽培作物の栽培の後に作付希望作物の作付けが可能であり、且つ作付希望作物の栽培の後にその空き期間の後の栽培作物の作付けが可能であると判定される区画を、その空き時期に作付希望作物の作付けが可能である区画として特定する。空き時期の前の栽培作物の栽培の後に作付希望作物の作付けが可能な区画を特定する点については、第1実施形態における連作障害、及び前作と後作との相性問題に関して、作付希望作物の作付けが可能な区画を特定することと基本的に同様である。その一方で、本実施形態においては、空き期間の後に別の作物の作付けが既に予定されている区画が存在する場合がある。そのため、区画特定部143は、作付希望作物が栽培された後で作付希望作物と同一の作物が作付けが予定されることによる連作障害、及び作付希望作物を前作とする前作と後作との相性問題を考慮する必要がある。そこで、区画特定部143は、区画利用情報に基づいて、作付希望作物の栽培の後にその空き期間の後の栽培作物の作付けが可能な区画を特定する。
図12は、作付希望作物が作付可能であるか否かの一例を示す図である。作付希望作物はトマトである。図12に示すように、空き期間Pがある区画が存在する。空き期間Pの日数は100日である。トマトの必要栽培日数は90日である。従って、空き期間Pの日数はトマトを栽培することが可能な日数である。空き期間Pの前には、たまねぎの作付けが予定されているのみである。たまねぎの後作可能作物はトマト、キャベツ、だいこん、スイカである。従って、連作障害、及び前作と後作との相性問題に関して、空き期間Pにトマトの作付けが可能である。一方、空き期間Pの後には、なすの作付けが予定されている。トマトの後作可能作物は、キャベツ、ブロッコリー、ねぎである。従って、前作と後作との相性問題に関しては、空き期間Pにトマトを栽培した場合、その後になすを作付けすることができない。そのため、区画特定部143は、その区画を、空き期間Pに作付希望作物を作付可能な区画から除外する。
[2−2.栽培受注システムの動作]
次に、栽培受注システムSの動作について、図13乃至図15を用いて説明する。以下においては、ユーザが希望栽培開始日を指定可能とした場合の動作について説明する。ユーザ端末3から管理サーバ1へ送信される検索要求は、ユーザに指定された希望栽培開始日を含む場合がある。本実施形態における検索処理は、第1実施形態の検索処理と同様である。
図13は、本実施形態に係る管理サーバ1のシステム制御部14の農園主対応検索処理の一例を示すフローチャートである。図13において図10と同様の処理については同様の符号が付されている。図10に示すように、区画特定部143は、農園主iの農地がある地域において作付可能農作物に対応する作付可能期間を取得する(ステップS21)。次いで、希望情報取得部141は、検索要求に基づいて、希望栽培開始日の指定があるか否かを判定する(ステップS61)。このとき、希望情報取得部141は、希望栽培開始日の指定があると判定した場合には(ステップS61:YES)、処理をステップS62に進める。ステップS62において、区画特定部143は、栽培開始基準日を希望栽培開始日に指定して、処理をステップS64に進める。一方、希望情報取得部141は、希望栽培開始日の指定がないと判定した場合には(ステップS61:NO)、処理をステップS63に進める。ステップS63において、区画特定部143は、栽培開始基準日を今日の日付に指定して、処理をステップS64に進める。
ステップS64において、区画特定部143は、栽培開始基準日が作付可能期間内であるか否かを判定する。このとき、区画特定部143は、栽培開始基準日が作付可能期間内であると判定した場合には(ステップS64:YES)、処理をステップS65に進める。一方、区画特定部143は、栽培開始基準日が作付可能期間内ではないと判定した場合には(ステップS64:NO)、農園主対応検索処理を終了させる。
ステップS65において、区画特定部143は、栽培開始基準日に、作付希望農作物の必要栽培日数を加算することにより、栽培終了基準日を計算する。次いで、区画特定部143は、番号jを1に設定する(ステップS22)。次いで、利用状況取得部142は、栽培開始基準日から栽培終了基準日までの期間、区画ijが空き区画であるか否かを判定する(ステップS66)。具体的に、利用状況取得部142は、区画利用状況DB12eから、農園主iの農園主ID及び区画ijの区画IDに対応する区画利用情報のうち、栽培期間の少なくとも一部が、栽培開始基準日から栽培終了基準日までの期間の少なくとも一部と重複する区画利用情報を検索する。栽培期間の少なくとも一部が、栽培開始基準日から栽培終了基準日までの期間の少なくとも一部と重複する区画利用情報がない場合、利用状況取得部142は、区画ijが空き区画であると判定する(ステップS66:YES)。この場合、システム制御部14は、作付可能判定処理を実行して(ステップS32)、処理をステップS33に進める。一方、栽培期間の少なくとも一部が、栽培開始基準日から栽培終了基準日までの期間の少なくとも一部と重複する区画利用情報がある場合、利用状況取得部142は、区画ijが空き区画ではないと判定する(ステップS66:NO)。この場合、システム制御部14は、処理をステップS33に進める。
ステップS33において、区画特定部143は、番号jが、農園主iが有する農地に含まれる区画の数未満であるか否かを判定する。このとき、区画特定部143は、番号jが区画の数未満であると判定した場合には(ステップS33:YES)、処理をステップS34に進める。ステップS34において、区画特定部143は、番号jを1増加させて、処理をステップS66に進める。一方、区画特定部143は、番号jが区画の数未満ではないと判定した場合には(ステップS33:NO)、農園主対応検索処理を終了させる。
図14及び図15は、本実施形態に係る管理サーバ1のシステム制御部14の作付可能判定処理の一例を示すフローチャートである。図14及び図15において図11と同様の処理については同様の符号が付されている。図14に示すように、利用状況取得部142は、区画ijで栽培開始基準日前の作付けの履歴及び予定の少なくとも何れか一方があるか否かを判定する(ステップS71)。具体的に、利用状況取得部142は、区画利用状況DB12eから、農園主iの農園主ID及び区画ijの区画IDに対応する区画利用情報のうち、栽培開始日が栽培開始基準日よりも前である区画利用情報を検索する。栽培開始日が栽培開始基準日よりも前である区画利用情報がある場合、区画特定部143は、作付けの履歴及び予定の少なくとも何れか一方があると判定する(ステップS71:YES)。この場合、利用状況取得部142は、処理をステップS72に進める。一方、栽培開始日が栽培開始基準日よりも前である区画利用情報がない場合、区画特定部143は、作付けの履歴及び予定の何れもないと判定する(ステップS71:NO)。この場合、利用状況取得部142は、処理をステップS48に進める。
ステップS72において、区画特定部143は、区画ijで作付希望作物と同一の作物の作付けの履歴及び予定の少なくとも何れか一方があるか否かを判定する。ステップS71で検索された区画利用情報の中に、作付希望作物の作物名と同一の作物名を含む区画利用情報がある場合、区画特定部143は、作付希望作物と同一の作物の作付けの履歴及び予定の少なくとも何れか一方があると判定する(ステップS72:YES)。この場合、区画特定部143は、処理をステップS43に進める。一方、作付希望作物の作物名と同一の作物名を含む区画利用情報がない場合、区画特定部143は、作付希望作物と同一の作物の作付けの履歴及び予定の何れもないと判定する(ステップS72:NO)。この場合、区画特定部143は、処理をステップS73に進める。
ステップS43において、区画特定部143は、作付希望作物の休栽期間の終了日を決定する。次いで、区画特定部143は、休栽期間の終了日が栽培開始基準日よりも前の日であるか否かを判定する(ステップS44)。このとき、区画特定部143は、休栽期間の終了日が栽培開始基準日よりも前の日であると判定した場合には(ステップS44:YES)、処理をステップS73へ進める。一方、区画特定部143は、休栽期間の終了日が栽培開始基準日よりも前の日ではないと判定した場合には(ステップS44:NO)、作付可能判定処理を終了させる。
ステップS73において、利用状況取得部142は、農園主iの農園主ID及び区画ijの区画IDに対応する区画利用情報であって、栽培開始日が栽培開始基準日よりも前である区画利用情報のうち、栽培開始日が最も遅い区画利用情報を取得する。そして、利用状況取得部142は、取得した区画利用情報に含まれる作物名を、区画ijの前作の作物名として特定する。次いで、区画特定部143は、作物DB12bから、特定した前作の作物名に対応する後作可能作物リストを取得する(ステップS46)。次いで、区画特定部143は、作付希望作物の作物名が後作可能作物リストに含まれるか否かを判定する(ステップS47)。このとき、区画特定部143は、作付希望作物の作物名が後作可能作物リストに含まれると判定した場合には(ステップS47:YES)、処理をステップS48に進める。一方、区画特定部143は、作付希望作物の作物名が後作可能作物リストに含まれないと判定した場合には(ステップS47:NO)、作付可能判定処理を終了させる。
ステップS48において、区画特定部143は、番号kを1に設定する。次いで、利用状況取得部142は、区画kが栽培開始基準日から栽培終了基準日までの期間の少なくとも何れかの時期で利用中であるか否かを判定する(ステップS74)。利用状況取得部142は、区画利用状況DB12eから、農園主iの農園主ID及び区画kの区画IDに対応する区画利用情報のうち、栽培期間の少なくとも一部が、栽培開始基準日から栽培終了基準日までの期間の少なくとも一部と重複する区画利用情報を検索する。栽培期間の少なくとも一部が、栽培開始基準日から栽培終了基準日までの期間の少なくとも一部と重複する区画利用情報がある場合、利用状況取得部142は、区画kが利用中であると判定する(ステップS74:YES)。この場合、利用状況取得部142は、処理をステップS75に進める。一方、そのような区画利用情報がない場合、利用状況取得部142は、区画kが利用中ではないと判定する(ステップS74:NO)。この場合、利用状況取得部142は、処理をステップS54に進める。
ステップS75において、利用状況取得部142は、栽培期間の少なくとも一部が、栽培開始基準日から栽培終了基準日までの期間の少なくとも一部と重複する区画利用情報に含まれる作物名を、栽培開始基準日から栽培終了基準日前までの期間内における区画kの栽培作物の作物名として特定する。次いで、区画特定部143は、作物DB12bから、特定された栽培作物の作物名に対応する隣接区画作付け可能作物リストを取得する(ステップS51)。次いで、区画特定部143は、作付希望作物が隣接区画作付け可能作物リストに含まれるか否かを判定する(ステップS52)。このとき、区画特定部143は、作付希望作物が隣接区画作付け可能作物リストに含まれると判定した場合には(ステップS52:YES)、処理をステップS53に進める。一方、区画特定部143は、作付希望作物が隣接区画作付け可能作物リストに含まれないと判定した場合には(ステップS52:NO)、作付可能判定処理を終了させる。栽培開始基準日から栽培終了基準日までの期間内に区画kで複数の作物が順次栽培される場合がある。この場合、区画特定部143は、栽培作物ごとにステップS75、S51及びS52を実行する。少なくとも1つの栽培作物について作付希望作物が隣接区画作付け可能作物リストに含まれないと判定した場合、区画特定部143は作付可能判定処理を終了させる。
ステップS53において、区画特定部143は、番号kが区画ijの隣接する区画の数未満であるか否かを判定する。このとき、区画特定部143は、番号kが区画ijの隣接する区画の数未満であると判定した場合には(ステップS53:YES)、処理をステップS54に進める。ステップS54において、区画特定部143は、番号kを1増加させて、処理をステップS74に進める。一方、区画特定部143は、番号kが区画ijの隣接する区画の数未満ではないと判定した場合には(ステップS53:NO)、処理をステップS81に進める。
図15に示すように、ステップS81において、利用状況取得部142は、区画ijで栽培終了基準日より後の作付けの予定があるか否かを判定する。具体的に、利用状況取得部142は、区画利用状況DB12eから、農園主iの農園主ID及び区画ijの区画IDに対応する区画利用情報のうち、栽培開始日が栽培終了基準日よりも後である区画利用情報を検索する。栽培開始日が栽培終了基準日よりも後である区画利用情報がある場合、区画特定部143は、作付けの予定があると判定する(ステップS81:YES)。この場合、利用状況取得部142は、処理をステップS82に進める。一方、栽培開始日が栽培終了基準日よりも後である区画利用情報がない場合、区画特定部143は、作付けの予定はないと判定する(ステップS81:NO)。この場合、利用状況取得部142は、処理をステップS55に進める。
ステップS82において、区画特定部143は、区画ijで栽培終了基準日より後に作付希望作物と同一の作物の作付けの予定があるか否かを判定する。ステップS81で検索された区画利用情報の中に、作付希望作物の作物名と同一の作物名を含む区画利用情報がある場合、区画特定部143は、作付希望作物と同一の作物の作付けの予定があると判定する(ステップS82:YES)。この場合、区画特定部143は、処理をステップS83に進める。一方、作付希望作物の作物名と同一の作物名を含む区画利用情報がない場合、区画特定部143は、作付希望作物と同一の作物の作付けの予定はないと判定する(ステップS82:NO)。この場合、区画特定部143は、処理をステップS85に進める。
ステップS83において、区画特定部143は、栽培開始基準日から作付希望作物の休栽年数後の日を、休栽期間の終了日として決定する。次いで、区画特定部143は、作付希望作物の作物名と同一の作物名を含む区画利用情報のうち栽培開始日が最も早い区画利用情報から、栽培開始日を取得する。次いで、区画特定部143は、休栽期間の終了日が、取得された栽培開始日よりも前の日であるか否かを判定する(ステップS84)。このとき、区画特定部143は、休栽期間の終了日が栽培開始日よりも前の日であると判定した場合には(ステップS84:YES)、処理をステップS85へ進める。一方、区画特定部143は、休栽期間の終了日が栽培開始日よりも前の日ではないと判定した場合には(ステップS84:NO)、作付可能判定処理を終了させる。
ステップS85において、利用状況取得部142は、農園主iの農園主ID及び区画ijの区画IDに対応する区画利用情報であって、栽培開始日が栽培終了基準日よりも後である区画利用情報のうち、栽培開始日が最も早い区画利用情報を取得する。そして、利用状況取得部142は、取得した区画利用情報に含まれる作物名を、区画ijの後作の作物名として特定する。次いで、区画特定部143は、作物DB12bから、作付希望作物の作物名に対応する後作可能作物リストを取得する(ステップS86)。次いで、区画特定部143は、後作として特定された作物の作物名が後作可能作物リストに含まれるか否かを判定する(ステップS87)。このとき、区画特定部143は、作物名が後作可能作物リストに含まれると判定した場合には(ステップS87:YES)、処理をステップS55に進める。一方、区画特定部143は、作付希望作物の作物名が後作可能作物リストに含まれないと判定した場合には(ステップS87:NO)、作付可能判定処理を終了させる。
ステップS55において、区画特定部143は、農園主iの農園主ID、区画ijの区画ID、及び栽培開始基準日を含むレコードを作付可能区画リストに追加する。次いで、区画特定部143は、区画数Nを1増加させて、作付可能判定処理を終了させる。
以上説明したように、本実施形態によれば、システム制御部14が、作付けが予定される作物及び時期を示す区画利用情報を取得する。また、システム制御部14が、この区画利用情報に基づいて、作付希望作物の作付けが可能な区画を特定する。従って、作付けが予定されている作物との関係で、ユーザが希望する作物の作付けが可能な区画を特定することが可能となる。
また、システム制御部14が、作付希望作物の作物名及び区画利用情報に基づいて、作付けが予定されていない空き時期がある区画のうち、空き時期の前の作付作物の栽培の後に、作付希望作物の作付けが可能であり、且つ作付希望作物の栽培の後に、空き時期の後の作付作物の作付けが可能であると判定される区画を、空き時期に作付希望作物の作付けが可能である区画として特定してもよい。従って、システム制御部14は、既に別の作物の作付けが予定されている状況において、空き期間に作付希望作物の作付けが可能であり、且つ作付希望作物が空き期間に栽培されたと仮定した場合に、作付希望作物との関係で、作付けが予定されている作物の作付けが可能となる区画を特定することができる。