JP2018087532A - 蒸気タービン - Google Patents
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Abstract
【課題】蒸気タービンの効率を向上可能な蒸気タービンを提供する。
【解決手段】蒸気タービンは、排気室と、前記排気室の上流側に設けられる動翼と、前記排気室の上流側に設けられる静翼と、を備え、前記排気室は、ケーシングと、前記ケーシング内に設けられるフローガイドと、を含み、前記排気室は、下方側に排気室出口を有し、前記フローガイドの軸方向に沿った断面内における前記フローガイドの内表面の長さ、または、前記フローガイドの下流端と該下流端に対向する前記ケーシングの内壁面との間の前記軸方向に沿った距離の少なくとも一方の分布が、前記フローガイドの中心軸を通る鉛直線に関して非線対称である。
【選択図】 図3
【解決手段】蒸気タービンは、排気室と、前記排気室の上流側に設けられる動翼と、前記排気室の上流側に設けられる静翼と、を備え、前記排気室は、ケーシングと、前記ケーシング内に設けられるフローガイドと、を含み、前記排気室は、下方側に排気室出口を有し、前記フローガイドの軸方向に沿った断面内における前記フローガイドの内表面の長さ、または、前記フローガイドの下流端と該下流端に対向する前記ケーシングの内壁面との間の前記軸方向に沿った距離の少なくとも一方の分布が、前記フローガイドの中心軸を通る鉛直線に関して非線対称である。
【選択図】 図3
Description
本開示は、蒸気タービンの排気室、蒸気タービン排気室用のフローガイド、及び蒸気タービンに関する。
蒸気タービンのタービン車室からの蒸気は、通常、排気室を介して蒸気タービンから排出される。また、排気室には、排気室の入口から出口へ向かう蒸気流れを案内するフローガイドが設けられることがある。
例えば、特許文献1には、タービン排気室において、タービン最終段の出口側にて、動翼の頂部側(外周側)に設けられたチップフローガイドと、動翼の根本側(内周側)に設けられたルートフローガイド及びベアリングコーンとによってタービン排気通路が形成された蒸気タービンが記載されている。
また、特許文献2には、排気室から下方に向けて蒸気が排出されるとともに、排気室において外周側のフローガイドと内周側のベアリングコーンで形成される蒸気の流路が、上側部位に比べて下側部位の方が長く形成された蒸気タービンが記載されている。
ところで、排気室内において蒸気の流れに偏りが生じると、流体損失が生じ、蒸気タービン全体としての効率が低下する場合がある。典型的な排気室では、下方に向けて蒸気を排出するため、通常、排気室の下側に蒸気の流れが偏る。この点、特許文献2に記載の蒸気タービンでは、排気室内における蒸気の流れを上下方向において均一化するために、フローガイドの下側部位の方を長く形成して(即ち、フローガイドの下側部位の面積を大きくして)、蒸気流路の下側における摩擦抵抗を増大させている。
ここで、排気室内における蒸気の流れは、上下方向以外においても偏りが生じる可能性があると考えられる。そこで、蒸気タービンの排気室における蒸気流れの均一化を図るためのさらなる対策が望まれる。
ここで、排気室内における蒸気の流れは、上下方向以外においても偏りが生じる可能性があると考えられる。そこで、蒸気タービンの排気室における蒸気流れの均一化を図るためのさらなる対策が望まれる。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、蒸気タービンの効率を向上可能な蒸気タービンの排気室、フローガイド、及び、これらを備えた蒸気タービンを提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る蒸気タービンの排気室は、
ケーシングと、
前記ケーシング内に設けられるフローガイドと、を備え、
前記排気室は、下方側に排気室出口を有し、
前記フローガイドの軸方向に沿った断面内における前記フローガイドの内表面の長さ、または、前記フローガイドの下流端と該下流端に対向する前記ケーシングの内壁面との間の前記軸方向に沿った距離の少なくとも一方の分布が、前記フローガイドの中心軸を通る鉛直線に関して非線対称である。
ケーシングと、
前記ケーシング内に設けられるフローガイドと、を備え、
前記排気室は、下方側に排気室出口を有し、
前記フローガイドの軸方向に沿った断面内における前記フローガイドの内表面の長さ、または、前記フローガイドの下流端と該下流端に対向する前記ケーシングの内壁面との間の前記軸方向に沿った距離の少なくとも一方の分布が、前記フローガイドの中心軸を通る鉛直線に関して非線対称である。
タービン車室から排気室内に入った蒸気流れは旋回成分を持つため、排気室内において上下方向のみならず、左右方向(水平方向)にも流れの偏りが生じる場合がある。
この点、上記(1)の構成によれば、フローガイドの内表面の長さ、または、フローガイドの下流端とケーシング内壁面との間の距離の少なくとも一方の分布を、フローガイドの中心軸を通る鉛直線に関して非線対称としたので、排気室内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。すなわち、フローガイドの内表面の長さの分布を前記鉛直線に対して非線対称とする場合、フローガイドの内表面における摩擦抵抗が排気室内で左右非対称となり、旋回成分に起因した流れの偏りを抑制できる。また、フローガイドの下流端とケーシング内壁面との間の距離の分布を前記鉛直線に対して非線対称とする場合、フローガイドとケーシング内壁面との間に形成される流路の断面積が排気室内で左右非対称となり、旋回成分に起因した流れの偏りを抑制できる。よって、排気室内における蒸気流れを均一化して流体の圧力損失を低減し、これにより蒸気タービン全体としての効率を向上させることができる。
この点、上記(1)の構成によれば、フローガイドの内表面の長さ、または、フローガイドの下流端とケーシング内壁面との間の距離の少なくとも一方の分布を、フローガイドの中心軸を通る鉛直線に関して非線対称としたので、排気室内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。すなわち、フローガイドの内表面の長さの分布を前記鉛直線に対して非線対称とする場合、フローガイドの内表面における摩擦抵抗が排気室内で左右非対称となり、旋回成分に起因した流れの偏りを抑制できる。また、フローガイドの下流端とケーシング内壁面との間の距離の分布を前記鉛直線に対して非線対称とする場合、フローガイドとケーシング内壁面との間に形成される流路の断面積が排気室内で左右非対称となり、旋回成分に起因した流れの偏りを抑制できる。よって、排気室内における蒸気流れを均一化して流体の圧力損失を低減し、これにより蒸気タービン全体としての効率を向上させることができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記排気室の排気室入口における蒸気流れの旋回方向の接線方向が鉛直上向きとなる周方向角度位置を0度とする前記旋回方向に沿った角度座標系において90度以上270度以下の角度範囲に、前記フローガイドの前記内表面の前記長さが最大値となる角度位置、または、前記フローガイドの前記下流端と前記ケーシングの前記内壁面との間の前記距離が最小値となる角度位置が含まれる。
前記排気室の排気室入口における蒸気流れの旋回方向の接線方向が鉛直上向きとなる周方向角度位置を0度とする前記旋回方向に沿った角度座標系において90度以上270度以下の角度範囲に、前記フローガイドの前記内表面の前記長さが最大値となる角度位置、または、前記フローガイドの前記下流端と前記ケーシングの前記内壁面との間の前記距離が最小値となる角度位置が含まれる。
本発明者らの鋭意検討の結果、排気室内において、蒸気流れが下向きの旋回成分を有する領域に蒸気流れが偏る傾向があることが明らかとなった。この点、上記(2)の構成によれば、上記角度座標系において、90度以上270度以下の角度範囲(即ち、蒸気流れが下向きの旋回成分を有する領域)において、フローガイドの内表面の長さが最大値、または、フローガイドの下流端とケーシングの内壁面との間の距離が最小値をとるので、排気室内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを効果的に抑制することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記角度座標系において180度以上270度以下の角度範囲に、前記フローガイドの前記内表面の前記長さが最大値となる角度位置、または、前記フローガイドの前記下流端と前記ケーシングの前記内壁面との間の前記距離が最小値となる角度位置が含まれる。
前記角度座標系において180度以上270度以下の角度範囲に、前記フローガイドの前記内表面の前記長さが最大値となる角度位置、または、前記フローガイドの前記下流端と前記ケーシングの前記内壁面との間の前記距離が最小値となる角度位置が含まれる。
下方側に排気室出口を有し、下方に向けて蒸気を排出する排気室では、通常、排気室の下側に蒸気の流れが偏る。この点、上記(3)の構成によれば、上記角度座標系において、90度以上270度以下の角度範囲(即ち、蒸気流れが下向きの旋回成分を有する領域のうち、下方側の領域)において、フローガイドの内表面の長さが最大値、または、フローガイドの下流端とケーシングの内壁面との間の距離が最小値をとるので、排気室内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りをより効果的に抑制することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、
前記排気室の排気室入口における蒸気流れの旋回方向の接線方向が鉛直上向きとなる周方向角度位置を0度とする前記旋回方向に沿った角度座標系において0度以上90度以下の角度範囲に、前記フローガイドの前記内表面の前記長さが最小値となる角度位置、または、前記フローガイドの前記下流端と前記ケーシングの前記内壁面との間の前記距離が最大値となる角度位置が含まれる。
前記排気室の排気室入口における蒸気流れの旋回方向の接線方向が鉛直上向きとなる周方向角度位置を0度とする前記旋回方向に沿った角度座標系において0度以上90度以下の角度範囲に、前記フローガイドの前記内表面の前記長さが最小値となる角度位置、または、前記フローガイドの前記下流端と前記ケーシングの前記内壁面との間の前記距離が最大値となる角度位置が含まれる。
上述したように、排気室内において蒸気流れが下向きの旋回成分を有する領域又は排気室の下側に蒸気流れが偏る傾向がある。この点、上記(4)の構成によれば、上記角度座標系において、蒸気流れが下向きの旋回成分を有する領域又は排気室の下側のいずれにも属さない0度以上90度以下の角度範囲において、フローガイドの内表面の長さが最小値、または、フローガイドの下流端とケーシングの内壁面との間の距離が最大値をとる。よって、排気室内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りをより効果的に抑制することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、
前記フローガイドの前記下流端の前記軸方向における位置の分布が、前記フローガイドの前記中心軸を通る鉛直線に関して非線対称であることを特徴とする。
前記フローガイドの前記下流端の前記軸方向における位置の分布が、前記フローガイドの前記中心軸を通る鉛直線に関して非線対称であることを特徴とする。
フローガイドの下流端の軸方向における位置は、該軸方向に沿ったフローガイドの内表面の長さ、又は、フローガイドの下流端とケーシング内壁面との間の該軸方向に沿った距離と関連する。よって、上記(5)の構成によれば、フローガイドの下流端の軸方向における位置の分布を、フローガイドの中心軸を通る鉛直線に関して非線対称としたので、フローガイドの内表面における摩擦抵抗、又は、フローガイドとケーシング内壁面との間に形成される流路の断面積が排気室内で左右非対称となり、排気室内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の構成において、
前記ケーシングの前記内壁面は、少なくとも前記フローガイドに対向する領域が前記軸方向に直交する平面に沿って設けられる。
前記ケーシングの前記内壁面は、少なくとも前記フローガイドに対向する領域が前記軸方向に直交する平面に沿って設けられる。
上記(6)の構成によれば、フローガイドの下流端の軸方向における位置の分布が、フローガイドの中心軸を通る鉛直線に関して非線対称であるとともに、ケーシングの内壁面は、少なくともフローガイドに対向する領域が軸方向に直交する平面に沿って設けられるので、フローガイドの下流端とケーシング内壁面との間の距離の分布が、フローガイドの中心軸を通る鉛直線に関して非線対称となる。よって、フローガイドとケーシング内壁面との間に形成される流路の断面積が排気室内で左右非対称となり、排気室内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。
また、上記(5)の特徴を有するフローガイドを、ケーシングの内壁面に対して軸方向が直交するように適用することで、上記(6)の構成が得られる。よって、既存の蒸気タービンプラントにおいても、上記(5)の特徴を有するフローガイドを交換等により適用することで、フローガイドとケーシング内壁面との間に形成される流路の断面積を排気室内で左右非対称とすることができ、排気室内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。
また、上記(5)の特徴を有するフローガイドを、ケーシングの内壁面に対して軸方向が直交するように適用することで、上記(6)の構成が得られる。よって、既存の蒸気タービンプラントにおいても、上記(5)の特徴を有するフローガイドを交換等により適用することで、フローガイドとケーシング内壁面との間に形成される流路の断面積を排気室内で左右非対称とすることができ、排気室内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、
前記ケーシング内において前記フローガイドの内周側に設けられ、前記ケーシングの前記内壁面に接続される下流端を有するベアリングコーンをさらに備える。
前記ケーシング内において前記フローガイドの内周側に設けられ、前記ケーシングの前記内壁面に接続される下流端を有するベアリングコーンをさらに備える。
上記(7)の構成によれば、ケーシング内に設けられるフローガイドとベアリングコーンとにより、排気室における蒸気流路を形成することができる。
(8)本発明の少なくとも一実施形態に係る蒸気タービンは、
上記(1)乃至(7)の何れかに記載の排気室と、
前記排気室の上流側に設けられる動翼と、
前記排気室の上流側に設けられる静翼と、
を備える。
上記(1)乃至(7)の何れかに記載の排気室と、
前記排気室の上流側に設けられる動翼と、
前記排気室の上流側に設けられる静翼と、
を備える。
上記(8)の構成によれば、フローガイドの内表面の長さ、または、フローガイドの下流端とケーシング内壁面との間の距離の少なくとも一方の分布を、フローガイドの中心軸を通る鉛直線に関して非線対称としたので、排気室内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。すなわち、フローガイドの内表面の長さの分布を前記鉛直線に対して非線対称とする場合、フローガイドの内表面における摩擦抵抗が排気室内で左右非対称となり、旋回成分に起因した流れの偏りを抑制できる。また、フローガイドの下流端とケーシング内壁面との間の距離の分布を前記鉛直線に対して非線対称とする場合、フローガイドとケーシング内壁面との間に形成される流路の断面積が排気室内で左右非対称となり、旋回成分に起因した流れの偏りを抑制できる。よって、排気室内における蒸気流れを均一化して流体の圧力損失を低減し、これにより蒸気タービン全体としての効率を向上させることができる。
(9)本発明の少なくとも一実施形態に係るフローガイドは、
上記(1)乃至(7)の何れかに記載の蒸気タービンの排気室に用いられる。
上記(1)乃至(7)の何れかに記載の蒸気タービンの排気室に用いられる。
上記(9)の構成によれば、フローガイドの内表面の長さ、または、フローガイドの下流端とケーシング内壁面との間の距離の少なくとも一方の分布を、フローガイドの中心軸を通る鉛直線に関して非線対称としたので、排気室内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。すなわち、フローガイドの内表面の長さの分布を前記鉛直線に対して非線対称とする場合、フローガイドの内表面における摩擦抵抗が排気室内で左右非対称となり、旋回成分に起因した流れの偏りを抑制できる。また、フローガイドの下流端とケーシング内壁面との間の距離の分布を前記鉛直線に対して非線対称とする場合、フローガイドとケーシング内壁面との間に形成される流路の断面積が排気室内で左右非対称となり、旋回成分に起因した流れの偏りを抑制できる。よって、排気室内における蒸気流れを均一化して流体の圧力損失を低減し、これにより蒸気タービン全体としての効率を向上させることができる。
(10)本発明の少なくとも一実施形態に係るフローガイドは、
蒸気タービンの排気室のためのフローガイドであって、
前記フローガイドの軸方向に沿った断面内における前記フローガイドの内表面の長さが、前記フローガイドの中心軸に直交する任意の直線に関して非線対称である。
蒸気タービンの排気室のためのフローガイドであって、
前記フローガイドの軸方向に沿った断面内における前記フローガイドの内表面の長さが、前記フローガイドの中心軸に直交する任意の直線に関して非線対称である。
上記(10)の構成によれば、フローガイドの内表面の長さがフローガイドの中心軸に直交する任意の直線に対して非線対称であるから、該フローガイドを適切な配向で排気室内に設置すれば、排気室内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。例えば、排気室内の流れが左側(前述の角度座標系における90度以上270度以下の角度範囲)に偏っている場合、フローガイドの内表面の長さが比較的長い領域が排気室の左側に位置するようにフローガイドを配向させることで、フローガイドの内表面における摩擦抵抗が排気室内で左右非対称となり、旋回成分に起因した流れの偏りを抑制できる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(10)の構成において、
前記フローガイドの前記軸方向における両端部のうち内径が大きい前記フローガイドの下流端の前記軸方向における位置の分布が、前記フローガイドの前記中心軸に直交する任意の直線に関して非線対称である。
前記フローガイドの前記軸方向における両端部のうち内径が大きい前記フローガイドの下流端の前記軸方向における位置の分布が、前記フローガイドの前記中心軸に直交する任意の直線に関して非線対称である。
上記(11)の構成によれば、フローガイドの下流端の軸方向における位置の分布が、フローガイドの中心軸に直交する任意の直線に関して非対称であるので、該フローガイドを適切な配向で排気室内に設置すれば、排気室内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。例えば、排気室内の流れが左側(前述の角度座標系における90度以上270度以下の角度範囲)に偏っている場合、フローガイドの下流端の軸方向における位置が、該軸方向において比較的下流端側である領域が排気室の左側に位置するようにフローガイドを配向させることで、フローガイドの内表面における摩擦抵抗が排気室内で左右非対称となり、旋回成分に起因した流れの偏りを抑制できる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、蒸気タービンの効率を向上可能な蒸気タービンの排気室、フローガイド、及び、これらを備えた蒸気タービンが提供される。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
まず、幾つかの実施形態に係る蒸気タービンの全体構成について説明する。
図1は、一実施形態に係る蒸気タービンの軸方向に沿った概略断面図である。図1に示すように、蒸気タービン1は、軸受部6によって回転自在に支持されるロータ2と、ロータ2に取付けられた複数段の動翼8と、ロータ2及び動翼8を収容する内側ケーシング10と、動翼8に対向するように内側ケーシング10に取付けられた複数段の静翼9と、を備える。また、内側ケーシング10の外側には、外側ケーシング12が設けられている。
このような蒸気タービン1において、蒸気入口3から内側ケーシング10に蒸気が導入されると、蒸気が静翼9を通過する際に膨張して増速され、動翼8に対して仕事をしてロータ2を回転させるようになっている。
図1は、一実施形態に係る蒸気タービンの軸方向に沿った概略断面図である。図1に示すように、蒸気タービン1は、軸受部6によって回転自在に支持されるロータ2と、ロータ2に取付けられた複数段の動翼8と、ロータ2及び動翼8を収容する内側ケーシング10と、動翼8に対向するように内側ケーシング10に取付けられた複数段の静翼9と、を備える。また、内側ケーシング10の外側には、外側ケーシング12が設けられている。
このような蒸気タービン1において、蒸気入口3から内側ケーシング10に蒸気が導入されると、蒸気が静翼9を通過する際に膨張して増速され、動翼8に対して仕事をしてロータ2を回転させるようになっている。
また、蒸気タービン1は排気室14を備える。排気室14は、動翼8及び静翼9の下流側に位置する。すなわち、動翼8及び静翼9は、排気室14の上流側に設けられる。内側ケーシング10内にて動翼8及び静翼9を通過した蒸気(蒸気流れS)は、排気室入口11から排気室14に流入し、排気室14の内部を通って、排気室14の下方側に設けられた排気室出口13から蒸気タービン1の外部に排出されるようになっている。
なお、排気室14の下方には、復水器(不図示)が設けられていてもよい。蒸気タービン1で動翼8に対して仕事をし終えた蒸気は、排気室14から排気室出口13を介して復水器に流入するようになっていてもよい。
なお、排気室14の下方には、復水器(不図示)が設けられていてもよい。蒸気タービン1で動翼8に対して仕事をし終えた蒸気は、排気室14から排気室出口13を介して復水器に流入するようになっていてもよい。
次に、図2〜図7を参照して、幾つかの実施形態に係る排気室14の構成について、より具体的に説明する。
図2は、一実施形態に係る排気室の概略断面図である。なお、図2は、排気室のフローガイド(後述)の軸方向に沿った概略断面図である。
図3及び図5は、それぞれ、一実施形態に係る排気室の概略断面図であり、図2におけるA−A線に沿った断面図である。
図4は、図3に示す排気室14における、周方向角度位置θに対するフローガイド20の内表面20aの長さLの分布を示すグラフ(即ち、図3に示す排気室14における、周方向角度位置θと、フローガイド20の内表面20aの長さLとの関係を示すグラフ)である。
図6は、図5に示す排気室14内において、フローガイド20を側面視した概略図である。
図7は、図5に示す排気室14における、周方向角度位置θに対するフローガイド20の下流端20bと排気室14のケーシング15の内壁面15aとの間の距離Dの分布を示すグラフ(即ち、図5に示す排気室14における、周方向角度位置θと、フローガイド20の下流端20bと排気室14のケーシング15の内壁面15aとの間の距離Dとの関係を示すグラフ)である。
ここで、上述の周方向角度位置θは、排気室14の排気室入口11(図2参照)における蒸気流れSの旋回方向(図3参照)の接線方向が鉛直上向きとなる周方向角度位置を0度とする旋回方向に沿った角度座標系(図3及び図5参照;即ち、図3及び図5において、フローガイド20の中心軸Oを中心として右方向が0度であり、反時計回りが正方向となる)における角度位置である。
また、フローガイド20の下流端20bとは、フローガイド20の軸方向における両端部のうち、蒸気流れの下流側に配置される端部であり、内径が大きいほうの端部のことをいう。
図2は、一実施形態に係る排気室の概略断面図である。なお、図2は、排気室のフローガイド(後述)の軸方向に沿った概略断面図である。
図3及び図5は、それぞれ、一実施形態に係る排気室の概略断面図であり、図2におけるA−A線に沿った断面図である。
図4は、図3に示す排気室14における、周方向角度位置θに対するフローガイド20の内表面20aの長さLの分布を示すグラフ(即ち、図3に示す排気室14における、周方向角度位置θと、フローガイド20の内表面20aの長さLとの関係を示すグラフ)である。
図6は、図5に示す排気室14内において、フローガイド20を側面視した概略図である。
図7は、図5に示す排気室14における、周方向角度位置θに対するフローガイド20の下流端20bと排気室14のケーシング15の内壁面15aとの間の距離Dの分布を示すグラフ(即ち、図5に示す排気室14における、周方向角度位置θと、フローガイド20の下流端20bと排気室14のケーシング15の内壁面15aとの間の距離Dとの関係を示すグラフ)である。
ここで、上述の周方向角度位置θは、排気室14の排気室入口11(図2参照)における蒸気流れSの旋回方向(図3参照)の接線方向が鉛直上向きとなる周方向角度位置を0度とする旋回方向に沿った角度座標系(図3及び図5参照;即ち、図3及び図5において、フローガイド20の中心軸Oを中心として右方向が0度であり、反時計回りが正方向となる)における角度位置である。
また、フローガイド20の下流端20bとは、フローガイド20の軸方向における両端部のうち、蒸気流れの下流側に配置される端部であり、内径が大きいほうの端部のことをいう。
図1、図2、図4及び図5に示すように、幾つかの実施形態に係る排気室14は、ケーシング15と、ケーシング15内において、軸受部6を覆うように設けられるベアリングコーン16と、ケーシング15内においてベアリングコーン16の外周側に設けられるフローガイド20と、を備える。すなわち、ベアリングコーン16は、ケーシング15内において、フローガイド20の内周側に設けられている。また、図2に示すように、ベアリングコーン16の下流端16aは、ケーシング15の内壁面15aに接続されている。
なお、排気室14のケーシング15は、図1に示すように、蒸気タービン1の外側ケーシング12の少なくとも一部を形成していてもよい。
なお、排気室14のケーシング15は、図1に示すように、蒸気タービン1の外側ケーシング12の少なくとも一部を形成していてもよい。
排気室14は下方側に排気室出口13を有し、この排気室出口13を介して、蒸気タービン1から蒸気が排出されるようになっている。
ケーシング15の内部には、ベアリングコーン16とフローガイド20とによって、環状のディフューザ通路18(蒸気流路)が形成されている。
ディフューザ通路18は、断面積が徐々に大きくなる形状を有し、蒸気タービン1の最終段の動翼8Aを通過した高速の蒸気流れSが該ディフューザ通路18に流入すると、蒸気流れSが減速されて、その運動エネルギーが圧力へと変換(静圧回復)されるようになっている。
ディフューザ通路18は、断面積が徐々に大きくなる形状を有し、蒸気タービン1の最終段の動翼8Aを通過した高速の蒸気流れSが該ディフューザ通路18に流入すると、蒸気流れSが減速されて、その運動エネルギーが圧力へと変換(静圧回復)されるようになっている。
幾つかの実施形態では、フローガイド20の軸方向(中心軸Oの方向)に沿ったフローガイド20の内表面20aの長さ、または、フローガイド20の下流端20bと、該下流端20bに対向するケーシング15の内壁面15aとの間のフローガイド20軸方向に沿った距離の少なくとも一方の分布が、フローガイド20の中心軸Oを通る鉛直線に関して非線対称である。なお、図1〜図3、図5及び図6に示すように、フローガイド20の中心軸Oは、ロータ2の中心軸と同一の直線上に存在してもよく、あるいは、ベアリングコーン16の中心軸と同一の直線上に存在していてもよい。
例えば、図3に示す実施形態では、フローガイド20の軸方向に沿ったフローガイド20の内表面20aの長さL(図2参照)の分布は、フローガイド20の中心軸Oを通る鉛直線Lvに関して非線対称(すなわち、左右非対称)である。
これは、例えば以下のことから説明できる。すなわち、図4のグラフに示されるように、図3に示す実施形態では、上述の角度座標系において、角度位置θが0度以上90度以下及び270度以上360度以下の範囲(即ち、右半部)では、上述の内表面20aの長さLがLmin以上L270以下の範囲で変化しているのに対して、角度位置θが90度以上270度以下の範囲(即ち、左半部)では、上述の内表面20aの長さLがLmin以上Lmax以下の範囲で変化している。ただし、図4のグラフにおいて、Lminは内表面20aの長さの最小値であり、Lmaxは内表面20aの長さの最大値であり、L270は角度位置θが270度であるときの内表面20aの長さ(但し、Lmin<L270<Lmax)である。
また、例えば、図5及び図6に示す実施形態では、フローガイド20の下流端20bと、該下流端20bに対向するケーシング15の内壁面15aとの間のフローガイド20軸方向に沿った距離D(図6参照)の分布は、フローガイド20の中心軸Oを通る鉛直線Lvに関して非線対称(すなわち、左右非対称)である。
これは、例えば以下のことから説明できる。すなわち、図7のグラフに示されるように、図5及び図7に示す実施形態では、上述の角度座標系(図5参照)において、角度位置θが0度以上90度以下及び270度以上360度以下の範囲(即ち、右半部)では、上述の距離DがD270以上Dmax以下の範囲で変化しているのに対して、角度位置θが90度以上270度以下の範囲(即ち、左半部)では、上述の距離DがDmin以上Dmax以下の範囲で変化している。ただし、図7のグラフにおいて、Dminは上述の距離Dの最小値であり、Dmaxは上述の距離Dの最大値であり、D270は角度位置θが270度であるときの上述の距離D(但し、Dmin<D270<Dmax)である。
なお、幾つかの実施形態では、フローガイド20の軸方向に沿ったフローガイド20の内表面20aの長さL(図2参照)の分布、及び、フローガイド20の下流端20bと、該下流端20bに対向するケーシング15の内壁面15aとの間のフローガイド20軸方向に沿った距離D(図6参照)の分布の両方が、フローガイド20の中心軸Oを通る鉛直線Lvに関して非線対称(すなわち、左右非対称)となっていてもよい。
蒸気タービン1の静翼9及び動翼8を通過して排気室14内に入った蒸気流れSは旋回成分を持つため、排気室14内において上下方向のみならず、左右方向(水平方向)にも流れの偏りが生じる場合がある。
この点、図3又は図5〜図6に示す実施形態のように、フローガイド20の内表面20aの長さL、または、フローガイド20の下流端20bとケーシング15の内壁面15aとの間の距離Dの少なくとも一方の分布を、フローガイド20の中心軸Oを通る鉛直線Lvに関して非線対称とすることにより、排気室14内における蒸気流れSの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。
この点、図3又は図5〜図6に示す実施形態のように、フローガイド20の内表面20aの長さL、または、フローガイド20の下流端20bとケーシング15の内壁面15aとの間の距離Dの少なくとも一方の分布を、フローガイド20の中心軸Oを通る鉛直線Lvに関して非線対称とすることにより、排気室14内における蒸気流れSの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。
すなわち、図3に示す実施形態のように、フローガイド20の内表面20aの長さLの分布を鉛直線Lvに対して非線対称とする場合、フローガイド20の内表面20aにおける摩擦抵抗が排気室14内で左右非対称となり、旋回成分に起因した流れの偏りを抑制できる。
また、図5〜図6に示す実施形態のように、フローガイド20の下流端20bとケーシング15の内壁面15aとの間の距離Dの分布を鉛直線Lvに対して非線対称とする場合、フローガイド20とケーシング15の内壁面15aとの間に形成される流路(ディフューザ通路18)の断面積が排気室内で左右非対称となり、旋回成分に起因した流れの偏りを抑制できる。
よって、排気室14内における蒸気流れを均一化して流体の圧力損失を低減し、これにより蒸気タービン1全体としての効率を向上させることができる。
また、図5〜図6に示す実施形態のように、フローガイド20の下流端20bとケーシング15の内壁面15aとの間の距離Dの分布を鉛直線Lvに対して非線対称とする場合、フローガイド20とケーシング15の内壁面15aとの間に形成される流路(ディフューザ通路18)の断面積が排気室内で左右非対称となり、旋回成分に起因した流れの偏りを抑制できる。
よって、排気室14内における蒸気流れを均一化して流体の圧力損失を低減し、これにより蒸気タービン1全体としての効率を向上させることができる。
幾つかの実施形態では、上述の角度座標系において、例えば図3に示す実施形態のように、角度位置θが90度以上270度以下の角度範囲(即ち、左半部)に、フローガイド20の内表面20aの長さLが最大値Lmaxとなる角度位置が含まれてもよく、または、例えば図5〜図6に示す実施形態のように、角度位置θが90度以上270度以下の角度範囲(即ち、左半部)に、フローガイド20の下流端20bとケーシング15の内壁面15aとの間の距離Dが最小値Dminとなる角度位置が含まれていてもよい。
排気室14内においては、蒸気流れSが下向きの旋回成分を有する領域、即ち、図3又は図5に示す実施形態では、上記角度座標系において周方向角度位置θが90度以上270度以下の角度範囲(左半部)に、蒸気流れが偏る傾向があることが明らかとなった。
この点、上述の角度座標系において、90度以上270度以下の角度範囲において、フローガイド20の内表面20aの長さLが最大値Lmax、または、フローガイド20の下流端20bとケーシング15の内壁面15aとの間の距離Dが最小値Dminをとるようにすれば、排気室14内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを効果的に抑制することができる。
この点、上述の角度座標系において、90度以上270度以下の角度範囲において、フローガイド20の内表面20aの長さLが最大値Lmax、または、フローガイド20の下流端20bとケーシング15の内壁面15aとの間の距離Dが最小値Dminをとるようにすれば、排気室14内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを効果的に抑制することができる。
幾つかの実施形態では、上述の角度座標系において、例えば図3に示す実施形態のように、角度位置θが180度以上270度以下の角度範囲(即ち、左下部)に、フローガイド20の内表面20aの長さLが最大値Lmaxとなる角度位置が含まれてもよく、または、例えば図5〜図6に示す実施形態のように、角度位置θが180度以上270度以下の角度範囲(即ち、左下部)に、フローガイド20の下流端20bとケーシング15の内壁面15aとの間の距離Dが最小値Dminとなる角度位置が含まれていてもよい。
図3又は図5に示す実施形態のように、下方側に排気室出口13を有し、下方に向けて蒸気を排出する排気室14では、通常、排気室14の下側に蒸気の流れが偏る。この点、上述の角度座標系において、90度以上270度以下の角度範囲(即ち、蒸気流れが下向きの旋回成分を有する領域のうち、下方側の領域)において、フローガイド20の内表面20aの長さLが最大値Lmax、または、フローガイド20の下流端20bとケーシング15の内壁面15aとの間の距離Dが最小値Dminをとるようにすれば、排気室14内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りをより効果的に抑制することができる。
なお、図3に示す実施形態では、図4のグラフに示されるように、角度位置θが180度以上270度以下のθ1において、フローガイド20の内表面20aの長さLが最大値Lmaxとなる。また、図5及び図6に示す実施形態では、図7のグラフに示されるように、角度位置θが180度以上270度以下のθ2において、フローガイド20の下流端20bとケーシング15の内壁面15aとの間の距離Dが最小値Dminとなる。
幾つかの実施形態では、上述の角度座標系において、角度位置θが0度以上90度以下及び270度以上360度以下の範囲(即ち、右半部)における前記内表面20aの長さLの平均値は、角度位置θが90度以上270度以下の範囲(即ち、左半部)における前記内表面20aの長さLの平均値よりも小さい、又は、角度位置θが0度以上90度以下及び270度以上360度以下の範囲(即ち、右半部)における前記距離Dの平均値は、角度位置θが90度以上270度以下の範囲(即ち、左半部)における前記距離Dの平均値よりも大きい。
また、幾つかの実施形態では、上述の角度座標系において、角度位置θが270度以上360度以下の範囲(即ち、右下部)における前記内表面20aの長さLの平均値は、角度位置θが180度以上270度以下の範囲(即ち、左下部)における前記内表面20aの長さLの平均値よりも小さい、又は、角度位置θが270度以上360度以下の範囲(即ち、右下部)における前記距離Dの平均値は、角度位置θが180度以上270度以下の範囲(即ち、左下部)における前記距離Dの平均値よりも小さい。
幾つかの実施形態では、例えば図3に示す実施形態のように、上述の角度座標系において、角度位置θが0度以上90度以下の角度範囲に、フローガイド20の内表面20aの長さLが最小値Lminとなる角度位置が含まれてもよく、または、例えば図5〜図6に示す実施形態のように、角度位置θが0度以上90度以下の角度範囲に、フローガイド20の下流端20bとケーシング15の内壁面15aとの間の距離Dが最大値Dmaxとなる角度位置が含まれてもよい。
このように、蒸気流れが下向きの旋回成分を有する領域又は排気室の下側のいずれにも属さない0度以上90度以下の角度範囲において、フローガイド20の内表面20aの長さLが最小値Lmin、または、フローガイド20の下流端20bとケーシング15の内壁面15aとの間の距離Dが最大値Dmaxをとるようにすれば、排気室14内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りをより効果的に抑制することができる。
幾つかの実施形態では、フローガイド20の下流端20bの軸方向における位置の分布が、フローガイド20の中心軸Oを通る鉛直線に関して非線対称である。
例えば、図5〜図6に示す実施形態では、図6のうち中心軸Oよりも下側の領域における下流端20bの軸方向位置に着目すると、中心軸Oを通る鉛直線Lv(図5参照)よりも左側(下流端20bが実線で示されている部分)と、鉛直線Lvよりも右側(下流端20bが破線で示されている部分)とでは、下流端20bを示す実線と破線とが重なっていない。よって、この実施形態では、下流端20bの軸方向における位置の分布が、鉛直線Lvに関して非線対称となっている。
例えば、図5〜図6に示す実施形態では、図6のうち中心軸Oよりも下側の領域における下流端20bの軸方向位置に着目すると、中心軸Oを通る鉛直線Lv(図5参照)よりも左側(下流端20bが実線で示されている部分)と、鉛直線Lvよりも右側(下流端20bが破線で示されている部分)とでは、下流端20bを示す実線と破線とが重なっていない。よって、この実施形態では、下流端20bの軸方向における位置の分布が、鉛直線Lvに関して非線対称となっている。
このように、フローガイド20の下流端20bの軸方向における位置の分布を、フローガイド20の中心軸Oを通る鉛直線Lvに関して非線対称とすることで、フローガイド20の内表面20aにおける摩擦抵抗、又は、フローガイド20とケーシング15の内壁面15aとの間に形成される流路(ディフューザ通路18)の断面積が排気室14内で左右非対称となり、排気室14内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。
図5〜図6に示す実施形態では、さらにケーシング15の内壁面15aは、少なくともフローガイド20に対向する領域がフローガイド20の軸方向(中心軸Oの方向)に直交する平面に沿って設けられている。
この場合、フローガイド20の下流端20bの軸方向における位置の分布が、フローガイド20の中心軸Oを通る鉛直線Lvに関して非線対称であることと相まって、フローガイド20の下流端20bとケーシング15の内壁面15aとの間の距離Dの分布が、フローガイド20の中心軸Oを通る鉛直線Lvに関して非線対称となる。よって、フローガイド20とケーシング15の内壁面15aとの間に形成される流路(ディフューザ通路18)の断面積が排気室14内で左右非対称となり、排気室14内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。
この場合、フローガイド20の下流端20bの軸方向における位置の分布が、フローガイド20の中心軸Oを通る鉛直線Lvに関して非線対称であることと相まって、フローガイド20の下流端20bとケーシング15の内壁面15aとの間の距離Dの分布が、フローガイド20の中心軸Oを通る鉛直線Lvに関して非線対称となる。よって、フローガイド20とケーシング15の内壁面15aとの間に形成される流路(ディフューザ通路18)の断面積が排気室14内で左右非対称となり、排気室14内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。
また、下流端20bの軸方向における位置の分布が、中心軸Oを通る鉛直線に関して非線対称である、との特徴を有するフローガイド20を、ケーシング15の内壁面15aに対して軸方向が直交するように適用することで、ケーシング15の内壁面15aが、少なくともフローガイド20に対向する領域がフローガイド20の軸方向(中心軸Oの方向)に直交する平面に沿って設けられた排気室14を得ることができる。
よって、既存の蒸気タービンプラントにおいても、上述の特徴を有するフローガイド20を交換等により適用することで、フローガイド20とケーシング15の内壁面15aとの間に形成される流路(ディフューザ通路18)の断面積を排気室14内で左右非対称とすることができ、排気室14内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。
よって、既存の蒸気タービンプラントにおいても、上述の特徴を有するフローガイド20を交換等により適用することで、フローガイド20とケーシング15の内壁面15aとの間に形成される流路(ディフューザ通路18)の断面積を排気室14内で左右非対称とすることができ、排気室14内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。
幾つかの実施形態において、蒸気タービン1の排気室14の部品としてのフローガイド20は、フローガイド20の軸方向に沿った断面内におけるフローガイド20の内表面20aの長さL(図2参照)が、フローガイド20の中心軸Oに直交する任意の直線に関して非線対称である。
このように、フローガイド20の内表面20aの長さLがフローガイド20の中心軸Oに直交する任意の直線に対して非線対称であれば、フローガイド20を適切な配向で排気室14内に設置することで、排気室14内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。
このように、フローガイド20の内表面20aの長さLがフローガイド20の中心軸Oに直交する任意の直線に対して非線対称であれば、フローガイド20を適切な配向で排気室14内に設置することで、排気室14内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。
また、幾つかの実施形態では、フローガイド20の軸方向における両端部のうち内径が大きい下流端20bの軸方向における位置の分布が、フローガイド20の中心軸Oに直交する任意の直線に関して非線対称である。
このように、フローガイド20の下流端20bの軸方向における位置の分布が、フローガイド20の中心軸Oに直交する任意の直線に関して非対称であるので、フローガイド20を適切な配向で排気室14内に設置すれば、排気室14内における蒸気流れの旋回成分に起因した流れの偏りを抑制することができる。
なお、排気室14における旋回流れの強さや、排気室14において流れの偏りが大きくなる角度位置θは、蒸気タービンの運転条件によって変化し得る。例えば、旋回流れの強さは真空度によって変化し、真空度は温度に依存するため、蒸気タービンを設置する場所の温度等に応じて、旋回流れの強さは変化し得る。そこで、蒸気タービンの運転条件(例えば設置場所の温度等)に応じた適切な形状となるように、フローガイド20を設計するようにしてもよく、例えば、フローガイド20の軸方向に沿った断面内におけるフローガイド20の内表面20aの長さLの分布、又は、フローガイド20の下流端20bと該下流端20bに対向するケーシング15の内壁面15aとの間の軸方向に沿った距離Dの分布等を決定してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 蒸気タービン
2 ロータ
3 蒸気入口
6 軸受部
8 動翼
8A 最終段動翼
9 静翼
10 内側ケーシング
11 排気室入口
12 外側ケーシング
13 排気室出口
14 排気室
15 ケーシング
15a ケーシングの内壁面
16 ベアリングコーン
16a ベアリングコーンの下流端
18 ディフューザ通路
20 フローガイド
20a フローガイドの内表面
20b フローガイドの下流端
Lv 鉛直線
O 中心軸
2 ロータ
3 蒸気入口
6 軸受部
8 動翼
8A 最終段動翼
9 静翼
10 内側ケーシング
11 排気室入口
12 外側ケーシング
13 排気室出口
14 排気室
15 ケーシング
15a ケーシングの内壁面
16 ベアリングコーン
16a ベアリングコーンの下流端
18 ディフューザ通路
20 フローガイド
20a フローガイドの内表面
20b フローガイドの下流端
Lv 鉛直線
O 中心軸
Claims (7)
- 排気室と、前記排気室の上流側に設けられる動翼と、前記排気室の上流側に設けられる静翼と、を備える蒸気タービンであって、
前記排気室は、
ケーシングと、
前記ケーシング内に設けられるフローガイドと、を含み、
前記排気室は、下方側に排気室出口を有し、
前記フローガイドの軸方向に沿った断面内における前記フローガイドの内表面の長さ、または、前記フローガイドの下流端と該下流端に対向する前記ケーシングの内壁面との間の前記軸方向に沿った距離の少なくとも一方の分布が、前記フローガイドの中心軸を通る鉛直線に関して非線対称である
ことを特徴とする蒸気タービン。 - 前記排気室の排気室入口における蒸気流れの旋回方向の接線方向が鉛直上向きとなる周方向角度位置を0度とする前記旋回方向に沿った角度座標系において90度以上270度以下の角度範囲に、前記フローガイドの前記内表面の前記長さが最大値となる角度位置、または、前記フローガイドの前記下流端と前記ケーシングの前記内壁面との間の前記距離が最小値となる角度位置が含まれることを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービン。
- 前記角度座標系において180度以上270度以下の角度範囲に、前記フローガイドの前記内表面の前記長さが最大値となる角度位置、または、前記フローガイドの前記下流端と前記ケーシングの前記内壁面との間の前記距離が最小値となる角度位置が含まれることを特徴とする請求項2に記載の蒸気タービン。
- 前記排気室の排気室入口における蒸気流れの旋回方向の接線方向が鉛直上向きとなる周方向角度位置を0度とする前記旋回方向に沿った角度座標系において0度以上90度以下の角度範囲に、前記フローガイドの前記内表面の前記長さが最小値となる角度位置、または、前記フローガイドの前記下流端と前記ケーシングの前記内壁面との間の前記距離が最大値となる角度位置が含まれることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の蒸気タービン。
- 前記フローガイドの前記下流端の前記軸方向における位置の分布が、前記フローガイドの前記中心軸を通る鉛直線に関して非線対称であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の蒸気タービン。
- 前記ケーシングの前記内壁面は、少なくとも前記フローガイドに対向する領域が前記軸方向に直交する平面に沿って設けられることを特徴とする請求項5に記載の蒸気タービン。
- 前記ケーシング内において前記フローガイドの内周側に設けられ、前記ケーシングの前記内壁面に接続される下流端を有するベアリングコーンをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の蒸気タービン。
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