JP2018084611A - 案内システムおよび案内プログラム - Google Patents

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直和 尾崎
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Abstract

【課題】地図に関する案内内容を自動で変更可能な技術を提供する。
【解決手段】表示部に地図を表示する地図表示部21bと、利用者が入力した前記地図の方向で前記地図を表示させる地図方向調整部21cと、前記利用者が利用した前記地図の方向に応じた案内内容で前記地図に関する案内を行う案内部21dと、を備える案内システムを構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、案内システムおよび案内プログラムに関する。
従来、地図に関する案内を行う技術が知られている。例えば、特許文献1には、ナビゲーションシステムにおいて、ユーザがスイッチ操作で案内レベルを選択できる技術が開示されている。
特開2001−304900号公報
従来の技術においてユーザは、案内レベルの選択だけのためにスイッチ操作をする必要があり、煩雑であった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、地図に関する案内内容を自動で変更可能な技術の提供を目的とする。
上記の目的を達成するため、案内システムは、表示部に地図を表示する地図表示部と、利用者が入力した地図の方向で地図を表示させる地図方向調整部と、利用者が利用した地図の方向に応じた案内内容で地図に関する案内を行う案内部と、を備える。
さらに、上記の目的を達成するため、案内プログラムは、コンピュータを、表示部に地図を表示する地図表示部、利用者が入力した地図の方向で地図を表示させる地図方向調整部、利用者が利用した地図の方向に応じた案内内容で地図に関する案内を行う案内部、として機能させる。
すなわち、利用者は地図の方向を入力し、所望の方向に設定することができる。このように地図の方向が利用者によって設定可能な状況において、地図に関する案内が行われる際には利用者が利用した地図の方向に応じて案内内容が決定される。このため、利用者は、案内内容を変化させるだけのために操作をする必要はなく、地図の方向によって案内内容が自動的に変化する状況で地図に関する案内の提供を受けることができる。また、地図の方向は、地図を熟知している度合いを反映して決定されることが多いため、地図の方向に応じて地図に関する案内内容が変化することにより、利用者が地図を熟知している度合いに対応した案内内容で案内を行える可能性を高めることができる。
案内システムのブロック図である。 地点案内処理を示すフローチャートである。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)案内システムの構成:
(2)案内内容決定処理:
(3)他の実施形態:
(1)案内システムの構成:
図1は、本発明の一実施形態である案内システムとして機能するナビゲーションシステム10の構成を示すブロック図である。ナビゲーションシステム10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20を備えており、制御部20は、当該ROMや記録媒体30に記録された種々のプログラムを実行することができる。本実施形態においては、このプログラムの一つとして案内プログラム21を実行可能である。
制御部20は、案内プログラム21の処理により、出発地としての現在地から目的地まで到達するための経路を探索し、探索された経路に沿って車両を誘導する案内を実行することができる。
記録媒体30には地図情報30aが予め記録されている。地図情報30aは、道路区間の端点に対応するノードの位置、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ、ノード同士の連結を示すリンクデータ、施設の位置および属性を示す施設データ等を含んでいる。なお、本実施形態において、施設には、目的地となり得る商業施設等の施設の他、速度検出器(オービス:登録商標)が含まれている。ノードデータの一部には、ノードが示す交差点とその周辺の拡大地図を表示するための情報が対応づけられている。リンクデータには、道路区間の距離等によって特定された道路区間毎のコストを示す情報が対応づけられている。
ナビゲーションシステム10は、GPS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43とユーザI/F部44と通信部45とを備えている。GPS受信部41は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在地を算出するための信号を出力する。車速センサ42は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ43は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。制御部20は、車速センサ42およびジャイロセンサ43等の出力信号に基づいて車両の走行軌跡を特定することで車両の現在地を取得する。GPS受信部41の出力信号は、車速センサ42およびジャイロセンサ43等から特定される車両の現在地を補正するなどのために利用される。
ユーザI/F部44は、利用者の指示を入力し、また利用者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネル方式のディスプレイ(表示部)や音を出力する出力部(スピーカー等)を備えている。また、タッチパネル方式のディスプレイは入力部としても機能する。
通信部45は、図示しない外部の交通情報管理システムと通信を行う回路を備えている。制御部20は、通信部45を介して交通情報管理システムから各種の交通情報(例えば、渋滞情報やコーション情報(注意すべき地点と原因とを示す情報)等)を取得することができる。なお、交通情報は、予め決められたタイミングで取得されても良いし、利用者や制御部20が交通情報を必要とするタイミングで取得されてもよい。
本実施形態における案内プログラム21は、ユーザI/F部44の表示部に地図を表示させ、地図の方向に応じた案内内容で経路案内を行う。当該経路探索を実行するため、案内プログラム21は、経路取得部21aと地図表示部21bと地図方向調整部21cと案内部21dとを備えている。経路取得部21aは、現在地から目的地までの経路を取得する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。
すなわち、制御部20は、経路取得部21aの処理により、GPS受信部41,車速センサ42,ジャイロセンサ43の出力信号に基づいて車両の現在地を取得する。また、制御部20は、ユーザI/F部44に対して制御信号を出力し、利用者が指示する目的地を受け付ける。そして、制御部20は、地図情報30aが示す道路区間毎のコストを参照し、経路探索アルゴリズムを利用して現在地から目的地までの経路を取得する。経路が取得されると、制御部20は、経路を示す情報30bを記録媒体30に記録する。
地図表示部21bは、ユーザI/F部44の表示部に地図を表示する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、地図表示部21bの処理により、図示しない地図情報30aを参照し、表示部に対して制御信号を出力することにより、表示部に地図を表示させる。なお、本実施形態において制御部20は、表示部に表示すべき地図の表示内容を地図の方向と現在地と縮尺とに基づいて特定する。
本実施形態において地図の方向は、複数の種類から選択可能であり、地図の方向が異なると、ユーザI/F部44の表示部の固定方向に一致する方向が異なる。本実施形態においては表示部の固定方向が上方向であり、利用者の進行方向と地図上の北とのいずれかが表示部の上方向と一致する。ここでは、利用者の進行方向が表示部において固定方向となる場合に、当該地図の方向を第1方向と呼ぶ。また、地図上の北が表示部において固定方向となる場合に、当該地図の方向を第2方向とよぶ。むろん、地図の方向は3種類以上に設定可能であっても良い。
本実施形態において当該地図の方向は、図示しないRAMに記録されている。また、本実施形態において利用者は、ユーザI/F部44の入力部によって地図の縮尺を指定することが可能であり、指定された縮尺はRAMに記録される。
地図表示の更新タイミングにおいて制御部20は、当該RAMを参照して地図の方向および縮尺を特定する。また、制御部20は、GPS受信部41,車速センサ42,ジャイロセンサ43の出力信号に基づいて車両の現在地を取得する。制御部20は、当該縮尺と現在地とに基づいて、ユーザI/F部44の表示部に地図を表示するために必要な地図の描画範囲を特定する。そして、制御部20は、地図情報30aを参照し、当該描画範囲の地図を構成する要素(POIや道路等)を特定し、指定された地図の方向となるように地図の画像を描画する。地図の画像が描画されると、制御部20は、ユーザI/F部44の表示部に対して出力することによって地図を表示させる。
地図方向調整部21cは、利用者が入力した地図の方向で地図を表示させる機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、利用者は、任意のタイミングでユーザI/F部44の入力部を操作し、地図の方向を入力することができる。利用者が地図の方向を入力すると、当該入力された地図の方向はRAMに記録される。制御部20は、地図表示部21bの処理によって当該RAMを参照して地図の方向を特定する。滋賀って、地図方向調整部21cの処理により、ユーザI/F部44の表示部上の地図の方向が調整されることになる。
案内部21dは、利用者が利用した地図の方向に応じた案内内容で地図に関する案内を行う機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。本実施形態において、地図に関する案内は、経路の案内である。すなわち、制御部20は、GPS受信部41,車速センサ42,ジャイロセンサ43の出力信号に基づいて車両の現在地を取得する。また、制御部20は、経路取得部21aの処理によって取得された経路に沿って現在地の前方の経路を走行するための案内内容を特定する。
表1は、実行可能な案内内容の例を示している。
Figure 2018084611
表1において、音声案内は言葉によって利用者を誘導する案内であり、本実施形態においては、現在地の前方に存在する最も近い案内地点(交差点)に関する音声案内である。具体的には、案内地点に関する音声案内としては、交差点での進行方向、現在地から交差点までの距離、交差点の名称、目標となる目印の音声案内が挙げられる。
交差点拡大表示は、現在地の前方に存在する最も近い交差点の周辺を表示部で拡大表示する案内である。オートズームは、現在地が既定の位置(例えば、細街路)に存在する場合に、自動的に縮尺を狭域表示のための縮尺に変更する案内である。コーション表示は、交通情報に含まれるコーション情報を表示部に表示する案内である。速度検出器案内は、地図情報30aの施設データに含まれる速度検出器を表示部に表示する案内である。
残距離表示は、現在地から目的地までの残距離を表示部に表示する案内である。所要時間表示は、現在地から目的地までの所要時間を表示部に表示する案内である。渋滞情報表示は、交通情報に含まれる渋滞情報を表示部に表示する案内である。POI表示は、地図情報30aの施設データが示す店舗等の施設を表示部に表示する案内である。本実施形態において制御部20は、経路案内の過程で表1に示す案内内容の案内を実行可能である。
本実施形態において制御部20は、案内部21dの処理により、地図の方向に応じて案内内容の詳細度を変化させる。詳細度は、案内が詳細である度合いを示す指標であり、種々の要素を変化させることによって調整可能である。本実施形態においては、実行される案内の種類の多寡によって詳細度が調整される。また、本実施形態においては、詳細度が2段階に調整され、地図の方向が第1方向である場合、第2方向である場合よりも詳細に案内が行われる。
すなわち、地図の方向が第1方向である場合、進行方向が常に表示部の上を向いている状態になるため、当該地図を視認する利用者は現在の進行中の方角にかかわらず、前方の地物が地図上で上方に存在すると判断することが可能である。一方、地図の方向が第2方向である場合、北が常に表示部の上を向いている状態になるため、当該地図を視認する利用者は現在進行中の方角を把握し、当該方角と地図上での方角を照らし合わせることで現実の風景と地図とを比較することが可能になる。
従って、一般的には、地図の方向を第1方向に設定した利用者より、地図の方向を第2方向に設定した利用者の方が、現在地の周辺を熟知しているなどの事情により、詳細な案内を必要としてない可能性が高い。そこで、本実施形態においては、地図の方向が第1方向である場合、制御部20は、経路案内中に表1に示す案内内容の全てを実行する。音声案内については、複数個の項目の音声案内の全てについて実行する。地図の方向が第2方向である場合、制御部20は、経路案内中に表1において×で示す項目の案内は実行せず、○で示す項目の案内を実行する。
具体的には、地図の方向が第1方向である場合、音声案内が実行される。この場合、制御部20は、GPS受信部41、車速センサ42、ジャイロセンサ43の出力に基づいて現在地を特定し、経路取得部21aの処理によって取得された経路を参照し、現在地における進行方向を特定する。また、制御部20は、地図情報30aを参照して現在地の前方に存在する最も近い交差点を特定する。さらに、制御部20は、地図情報30aおよび経路に基づいて、経路に沿って走行するために当該交差点でとるべき進行方向を取得する。さらに、制御部20は、地図情報30aを参照して経路に沿って現在地から当該交差点まで走行する際の距離を取得し、当該交差点の名称を取得する。当該交差点の周囲に目印となる施設が存在する場合当該施設の名称を特定する。そして、制御部20は、交差点における進行方向、交差点までの距離、交差点の名称、目標となる施設の名称の読みを示す音声情報を生成し、予め決められたタイミングでユーザI/F部44の出力部に出力させる。この結果、ユーザI/F部44の出力部からは、案内対象の交差点についての音声案内が実行される。
交差点拡大表示は、予め登録された交差点において実行される。すなわち、地図の方向が第1方向である場合、制御部20は、地図情報30aを参照し、現在地の前方に存在する最も近い交差点が拡大対象の交差点として地図情報30aに登録されているか否かを判定する。地図情報30aに登録されている場合、制御部20は、当該交差点が現在地の前方の所定範囲内になった段階で、地図情報30aを参照して当該交差点の周辺を拡大表示するための画像情報を生成し、ユーザI/F部44の表示部に表示させる。
オートズームは、現在地が既定の位置(例えば、細街路)に存在する場合に実行される。すなわち、地図の方向が第1方向である場合、制御部20は、地図情報30aを参照し、現在地がオートズームの実行対象位置であるか否かを判定する。現在地がオートズームの実行対象位置である場合、制御部20は、縮尺を狭域表示のための縮尺に設定し、地図情報30aを参照して地図の画像を描画する。そして、制御部20は、当該地図の画像情報をユーザI/F部44の表示部に表示させる。なお、現在地がオートズームの実行対象位置外になった場合、制御部20はオートズーム実行開始前の縮尺に戻してユーザI/F部44の表示部に地図を表示させる。
また、地図の方向が第1方向である場合、制御部20は、交通情報を参照し、現在地の前方の既定範囲内の経路上に、当該経路上の位置が対応づけられたコーション情報が存在するか否かを判定する。コーション情報が存在する場合、制御部20は、当該コーション情報が示す注意すべき地点を特定し、地図上の当該地点に注意原因を示すアイコンを描画させるための信号をユーザI/F部44の表示部に出力する。この結果、ユーザI/F部44の表示部にコーション情報が表示される。
さらに、地図の方向が第1方向または第2方向である場合、制御部20は、地図情報30aの施設データを参照し、現在地の前方の既定範囲内の経路上に、当該経路上の位置が対応づけられた速度検出器が存在するか否かを判定する。速度検出器が存在する場合、制御部20は、当該速度検出器の位置を特定し、地図上の当該位置に速度検出器を示すアイコンを描画させるための信号をユーザI/F部44の表示部に出力する。この結果、ユーザI/F部44の表示部に速度検出器が表示される。
さらに、地図の方向が第1方向または第2方向である場合、制御部20は、現在地以後の経路を取得し、地図情報30aを参照して目的地までの残距離および所要時間を取得する。なお、所要時間は、残距離を車速で除することによって取得され、車速は既定値であっても良いし、道路種別毎に取得されても良いし、交通情報に基づいて特定されてもよい。そして、制御部20は、当該残距離および所要時間を示す数値やアイコン等を描画させるための信号をユーザI/F部44の表示部に出力する。この結果、ユーザI/F部44の表示部に目的地までの残距離および所要時間が表示される。
さらに、地図の方向が第1方向または第2方向である場合、制御部20は、交通情報を参照し、現在地の前方の既定範囲内の経路上の渋滞情報を取得する。そして、制御部20は、当該経路上に渋滞情報を描画させるための信号をユーザI/F部44の表示部に出力する。この結果、ユーザI/F部44の表示部に渋滞情報が表示される。
さらに、地図の方向が第1方向または第2方向である場合、制御部20は、地図情報30aを参照し、表示対象の縮尺における地図の描画範囲を特定する。また、制御部20は、当該描画範囲に存在する施設であって、表示対象として利用者等によって予め決められた施設の情報を取得する。そして、制御部20は、当該施設の位置に施設を示すアイコンを描画させるための信号をユーザI/F部44の表示部に出力する。この結果、ユーザI/F部44の表示部に施設を示すアイコンが表示される。なお、表1においては、地図の方向として、第1方向および第2方向以外の態様(地図方向の自動切替)が記述されているが、当該記述は他の実施形態についての記述である。
以上のような本実施形態によれば、利用者が地図の方向を入力すると、当該地図の方向に応じて案内内容が変化する。このため、利用者は、案内内容を変化させるだけのために操作をする必要はなく、地図の方向によって地図に関する案内内容を自動で変更させることができる。また、地図の方向は、地図を熟知している度合いを反映して決定されることが多く、地図を熟知している利用者は第2方向、他の利用者は第1方向を選択する可能性が高い。そして、第1方向においては第2方向よりも詳細な案内が行われる。従って、利用者が地図を熟知している度合いに対応した案内内容で案内を行える可能性を高めることができる。
(2)案内内容決定処理:
次に、案内内容決定処理について詳細に説明する。図2は、案内内容決定処理のフローチャートである。制御部20は、経路取得部21aの処理によって経路を取得し、地図表示部21bの処理によってユーザI/F部44の表示部に地図を表示し、案内部21dによって経路案内を実行している状況において、一定期間(例えば、100ms等)毎に案内内容決定処理を実行する。
案内内容決定処理において、制御部20は、地図方向調整部21cの処理により、地図方向の変更指示があったか否かを判定する(ステップS100)。すなわち、ユーザI/F部44の入力部によって利用者が地図の方向を変更する指示を行った場合、制御部20は、ステップS100において地図方向の変更指示があったと判定する。ステップS100において、地図方向の変更指示があったと判定された場合、制御部20は、地図方向調整部21cの処理により、地図方向を更新する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、変更後の地図の方向を示す情報でRAMを更新する。
ステップS100において、地図方向の変更指示があったと判定されない場合、制御部20は、ステップS105をスキップする。すなわち、制御部20は、RAMを更新せず、地図の方向を示す情報を維持する。なお、ナビゲーションシステム10が起動された段階でRAMには、地図の方向を示す初期情報(予め決められた方向や前回電源オフされた段階での地図の方向等)が記録されるため、案内内容決定処理の初回実行時であってもRAMには地図の方向を示す情報が記録されている。
従って、ステップS100、S105が実行されるとRAMには地図の方向が第1方向、第2方向のいずれであるのかを示す情報が記録されている状態となる。また、利用者が地図の方向を選択した場合、選択された方向を示す情報がRAMに記録されている状態となる。地図の方向を示す情報がRAMに記録されている状態で、制御部20が地図表示部21bの処理によってユーザI/F部44の表示部に地図を表示させると、RAMに記録された情報が示す方向の地図が表示部に表示される。
次に、制御部20は、案内部21dの処理により、地図方向を判定する(ステップS110)。すなわち、制御部20は、RAMを参照し、地図の方向を示す情報に基づいて、現在の地図の方向が第1方向、第2方向のいずれであるのかを判定する。ステップS110において、地図方向が第1方向であると判定された場合、制御部20は、案内部21dの処理により、経路案内を詳細案内で実行するように設定する(ステップS115)。一方、ステップS110において、地図方向が第2方向であると判定された場合、制御部20は、案内部21dの処理により、経路案内を簡易案内で実行するように設定する(ステップS115)。
詳細案内に設定されている場合、制御部20は、案内部21dの処理によって経路案内をする際に、表1に示す案内内容の全てを実行する。一方、簡易案内に設定されている場合、制御部20は、案内部21dの処理によって経路案内をする際に、表1において×が付された案内内容(音声案内、交差点拡大表示、オートズーム、コーション表示)を案内せず、○が付された案内内容(速度検出器表示、残距離表示、所要時間表示、渋滞情報表示、POI表示)を案内する。このため、地図を熟知していない可能性が高い利用者に詳細な案内を行うことができ、当該利用者が迷うことなく経路に沿って走行できる可能性を高めることができる。また、地図を熟知している可能性が高い利用者に簡易な案内を行うことができ、当該利用者が煩わしいと感じる可能性を低減することができる。
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、地図の方向に応じて案内内容を変化させる限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、ナビゲーションシステム10は、可搬型の装置であってもよい。また、案内システムを構成する手段が複数の装置(例えば、クライアントとサーバ)に分かれて存在していても良い。さらに、案内システムは、ナビゲーションシステム10以外の装置に備えられていても良い。
さらに、案内システムを構成する経路取得部21a、地図表示部21b、地図方向調整部21c、案内部21dの少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在していても良い。むろん、上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。例えば、経路取得部21aは省略されてもよい。この場合、案内システムは経路案内以外の案内に関する案内内容を地図方向に基づいて決定する構成となる。
地図表示部は、表示部に地図を表示することができればよい。すなわち、表示部に地図が表示された状態で当該地図に関する案内が行われることで、利用者所望の情報を提示することができればよい。従って、地図は、案内内容に関する情報(例えば、経路や施設等)を含んでいることが好ましい。この構成であれば、利用者は案内部における案内に関する情報を地図上で視認することができる。
地図方向調整部は、利用者が入力した地図の方向で表示部に地図を表示させることができればよい。すなわち、利用者は、地図の方向を示す入力を行うことが可能であり、当該入力の結果、表示部上で地図の方向が切り替えられる。地図の方向は、地図を回転させた場合に地図の回転角を一意に決定づける要素であれば良く、例えば、地図上での特定の方向が表示部において固定方向となる場合には地図は特定の方向を向いている。なお、地図の回転は2次元平面上で実行されてもよいし、3次元モデルによって描画された地図が3次元空間内で回転されてもよい。
地図の方向は、段階的に変化させることが可能であっても良いし、連続的に変化させることが可能であっても良いし、予め決められた複数の選択肢から選択可能であっても良い。地図の方向の入力は、アイコンへのタッチ等によって地図の方向が順次きり変わる構成であっても良いし、地図の方向が選択肢として表示されて利用者による選択が受け付けられる構成であっても良く、種々の構成が採用可能である。
地図の方向は、利用者が入力した単一の方向で固定されても良いし、地図の方向が可変であることが利用者によって入力されてもよい。後者としては、例えば、交差点等の案内対象地点の付近に現在地が存在する場合と、案内対象地点の付近に現在地が存在しない場合とで地図の方向が変化する構成が挙げられる。より具体的には、案内対象地点の付近に現在地が存在する場合に第1方向の地図が表示され、案内対象地点の付近に現在地が存在しない場合に第2方向の地図が表示されるように、制御部20が地図の方向を自動切替する構成等が挙げられる。
案内部は、利用者が利用した地図の方向に応じた案内内容で地図に関する案内を行うことができればよい。すなわち、案内部は、異なる方向の地図が利用された場合に異なる案内内容で地図に関する案内を行うことができればよい。異なる案内内容は、種々の態様で実現されて良く、上述の構成のように地図の方向に応じて案内内容の詳細度が変化する構成であっても良いし、案内の表現法が変化する構成であっても良く、種々の構成が採用可能である。後者としては、例えば、交差点を非直進方向に進行する際の方向案内において、利用者視点での表現(右折、左折等)と、基準座標系による表現(東への進行、西への進行等)とが変化する構成等が挙げられる。この場合、例えば、地図の方向が第1方向なら利用者視点での表現が採用され、地図の方向が第2方向なら基準座標系による表現が採用される構成等を採用可能である。
さらに、案内内容は利用者が利用した地図の方向に応じて変化すれば良く、上述のように、現在の地図の方向に応じて案内内容が変化する構成以外にも種々の構成が採用可能である。例えば、利用者の入力に応じて地図の方向が変化する構成において、利用者が特定の方向の地図を利用した時間に応じて案内内容が変化してもよい。具体的には、制御部20が各方向で地図が表示されていた時間を計測し、当該表示されていた時間に応じて(例えば、表示されていた時間が長い方の方向に基づいて)案内内容を決定する構成が採用されてもよい。この構成によれば、普段特定の方向の地図を利用している利用者が、一時的に地図の方向を変更した場合であっても、普段の地図の方向に応じた案内内容で案内が行われる。
なお、この構成において、案内内容は段階的に変化してもよい。例えば、表示時間の長さに応じて案内内容の詳細度が変化する構成等が採用されてもよい。また、地図が表示されている時間が計測される際には、種々の条件が考慮されてよい。例えば、探索された経路に沿って走行している際の地図の方向毎に表示時間が計測されても良いし、経路の有無にかかわらず地図の方向毎に表示時間が計測されてもよい。
案内は地図に関する案内であれば良い。従って、地図上に存在し得る各種の情報に関連する案内であれば、案内部の案内となり得る。むろん、案内部においては、地図に関する案内以外の案内の案内内容を地図の方向に依存させても良い。例えば、天候情報の案内の有無や天候情報の表現(風向等)を地図の方向に依存させても良い。
さらに、経路取得部は、現在地から目的地までの経路を取得することができればよく、経路の目的地は利用者が入力した地点に限定されない。例えば、利用者の走行履歴等に基づいて同一時間帯で日常的に利用されている目的地が今回の目的地として決定されても良い。また、明示的な目的地が確定されていない状態で経路が特定されても良い。例えば、主要道路や利用者が良く利用する道路を通る経路が取得されても良い。この場合、当該道路の先の地点が目的地と推定される。
さらに、案内内容の詳細度は、案内が詳細であるほど詳細度が高くなるように設定されればよく、上述の態様の他、同種の案内における情報量の多寡等によって調整されても良い。また、詳細度は、上述のように2段階でなくてもよい。例えば、表1においては、第1方向と第2方向の他に地図の方向が自動切替される場合の案内内容の例が示されている。この例においては、地図の方向が自動切替される場合に、第1方向よりも詳細度が低く、第2方向よりも詳細度が高くなる例が示されている。すなわち、音声案内については、全項目ではなく一部の項目のみ(例えば、進行方向と残距離)が案内される例が示されている。
さらに、上述の実施形態において、第2方向は地図上の北が表示部において上を向く方向であったが、地図上の方角は北に限定されない。例えば、地図上の南が表示部において上を向く構成であっても良い。
さらに、本発明のように、地図の方向に応じて案内内容を変化させる手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
10…ナビゲーションシステム、20…制御部、21…案内プログラム、21a…経路取得部、21b…地図表示部、21c…地図方向調整部、21d…案内部、30…記録媒体、30a…地図情報、30b…情報、41…GPS受信部、42…車速センサ、43…ジャイロセンサ、44…ユーザI/F部、45…通信部

Claims (6)

  1. 表示部に地図を表示する地図表示部と、
    利用者が入力した前記地図の方向で前記地図を表示させる地図方向調整部と、
    前記利用者が利用した前記地図の方向に応じた案内内容で前記地図に関する案内を行う案内部と、
    を備える案内システム。
  2. 現在地から目的地までの経路を取得する経路取得部を備え、
    前記地図に関する案内は、
    前記経路の案内である、
    請求項1に記載の案内システム。
  3. 前記案内部は、
    前記地図の方向に応じて前記案内内容の詳細度を変化させる、
    請求項1または請求項2に記載の案内システム。
  4. 前記利用者は、前記地図の方向として少なくとも、
    前記利用者の進行方向が前記表示部において固定方向となる第1方向と、
    前記地図上の特定の方角が前記表示部において固定方向となる第2方向と、を入力可能であり、
    前記案内部は、
    前記地図の方向が前記第1方向である場合、前記第2方向である場合よりも詳細に案内を行う、
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の案内システム。
  5. 前記案内内容は、
    前記利用者が特定の方向の前記地図を利用した時間に応じて変化する、
    請求項1〜請求項4のいずれかに記載の案内システム。
  6. コンピュータを、
    表示部に地図を表示する地図表示部、
    利用者が入力した前記地図の方向で前記地図を表示させる地図方向調整部、
    前記利用者が利用した前記地図の方向に応じた案内内容で前記地図に関する案内を行う案内部、
    として機能させる案内プログラム。
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