JP2018082975A - 状態推定装置、方法およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 呼吸統制を行うことなく、正確に状態を判別することができるようにする。【解決手段】 本発明の一態様は、状態推定装置において、被験者の心電を計測する心電計測手段から出力される信号に基づいて心拍変動の高周波成分を算出する算出手段と、前記算出された心拍変動の高周波成分に基づいて呼吸特徴量を推定する推定手段と、前記推定された呼吸特徴量に基づいて前記被験者の状態を判別する判別手段と、を備えるようにしたものである。【選択図】図1

Description

本発明は、被験者の生体情報に基づいて被験者の状態を推定する技術に関する。
自律神経には、交感神経と迷走神経の2つがある。交感神経および迷走神経は、各臓器などに広く分布し、循環や代謝をはじめとする不随意な身体機能を制御する。多くの場合、交感神経および迷走神経が1つの臓器を拮抗的に支配すると言われている。
自律神経活動の1つである交感神経活動は、暗算負荷などのストレス刺激によって亢進することが知られている(非特許文献1を参照)。本明細書では、暗算負荷実行時と同様の交感神経活動が誘発されていると考えられるストレス状態を「タスク状態」と呼ぶ。
一方、もうひとつの自律神経活動である迷走神経活動は、迷走神経が各臓器において主に副交換性の神経活動を担うことから、副交感神経活動と同等に理解されることも多い。なお、迷走神経とは、厳密には脳神経のひとつである第X神経の名称であり、脳から各臓器などに至る当該神経すべてを指す。このため、例えば心臓迷走神経のように、支配対象となっている臓器の名称を付記することで、対象臓器における副交感神経活動を示す場合がある。
自律神経が支配する臓器のひとつに心臓がある。心拍数は交感神経および迷走神経によって拮抗的に支配されており、交感神経活動と迷走神経活動の静的なバランスを反映すると言われている(引用文献2を参照)。特に、図6に示すような隣接する2つのR波の間隔である瞬時心拍(RRI:R-R interval)のゆらぎは交感神経活動と迷走神経活動の両方によって変化することが知られている。なお、R波とは、心電図計測によって得られる心電波形のひとつであり、心臓の脱分極活動を反映している(非特許文献3を参照)。
実環境で自律神経活動を推定する手法として、瞬時心拍変動の周波数スペクトル解析がある。この手法によれば、不等間隔である瞬時心拍を周波数スペクトル解析した際の低周波成分(以降、HRVLFと記載する)は交感神経活動と心臓迷走神経活動の両方、高周波成分(以降、HRVHFと記載する)は心臓迷走神経活動を反映する指標として解釈される(非特許文献1および非特許文献2を参照)。
また、HRVLFおよびHRVHFは、それぞれ他の器官の影響を反映するとも言われている。この解釈によると、HRVLFは血管の圧受容反射によるMayer波、HRVHFは呼吸性洞性不整脈の成分を含むと言われている(非特許文献4を参照)。すなわち、瞬時心拍変動と呼吸には関係があり、少なくともHRVHFは呼吸成分を含む。
実環境で適切なストレスマネジメントを行うためには、タスク状態の判別と、タスク状態中に受けたストレス負荷を把握する必要がある。従来手法では、HRVLFとHRVHFの比であるHRVLF/HFを用いたタスク状態の判別などが行われている(非特許文献1および非特許文献5を参照)。この手法では、タスク状態におけるHRVLF/HFが休憩状態におけるHRVLF/HFよりも高いと想定する。瞬時心拍変動を周波数スペクトル解析して得たHRVLFおよびHRVHFからHRVLF/HFを算出し、その値を基にサポートベクターマシン(SVM:Support Vector Machine)などの手法で状態判別を行う。この時に使用するHRVLF/HFの算出式を式(1)に示す。
山口勝機,「心拍変動による精神負荷ストレスの分析」,志學館大学人間関係学部研究紀要,Vol.31,No.1,pp.1-10,2010 井上博,「循環器疾患と自律神経機能 第2版」,医学書院,2001 奥出潤,「これならわかる!かんたんポイント心電図 第2版」,医学書院,2011 吉田豊、外1名,「心拍変動時系列からの呼吸関連パラメータの推定」,生体医工学,Vol.43,No.3,pp.456-460,2005 井出裕人、外6名,「生理指標の多変量解析に基づく個人に依らないストレス推定手法の研究」,情報処理学会創立50周年記念(第72回)全国大会論文集,pp.561-562,2010
心拍変動は自律神経活動だけでなく、呼吸によっても変化する。特に、HRVHFは呼吸数および換気量によって変化するため、タスク状態におけるHRVLF/HFが休憩状態におけるHRVLF/HFよりも常に高いとは言えない。このため、従来手法によるタスク状態の推定は適切に行えない場合がある。
上記問題の回避手法として、呼吸数および換気量を意図的に調節する(以降、呼吸統制と呼ぶ)ことが考えられる。しかしながら、実環境において毎分呼吸数と換気量を常に一定に保つことは極めて困難であり、日常的なサービスに呼吸統制を組み込むことはほぼ不可能に近い。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、呼吸統制を行うことなく、より正確に被験者の状態を判別することができる状態推定装置、状態推定方法およびプログラムを提供することである。
本発明の第1の態様は、状態推定装置において、被験者の心電を計測する心電計測手段から出力される信号に基づいて心拍変動の高周波成分を算出する算出手段と、前記算出された心拍変動の高周波成分に基づいて呼吸特徴量を推定する推定手段と、前記推定された呼吸特徴量に基づいて前記被験者の状態を判別する判別手段と、を備えるようにしたものである。
本発明の第2の態様は、前記推定手段が、単回帰分析によって、前記算出された心拍変動の高周波成分から前記呼吸特徴量を算出するようにしたものである。
本発明の第3の態様は、前記算出手段が、前記信号に基づいて心拍変動の低周波成分をさらに算出し、前記推定手段が、前記算出された心拍変動の低周波成分および高周波成分に基づいて前記呼吸特徴量を推定するようにしたものである。
本発明の第4の態様は、前記推定手段が、重回帰分析によって、前記算出された心拍変動の低周波成分および高周波成分から前記呼吸特徴量を算出するようにしたものである。
前記呼吸特徴量は、例えば、呼吸数、換気量、またはこれらの両方に基づくものであり得る。呼吸特徴量は、例えば、換気量における低周波成分の割合に基づくものであり得る。
本発明によれば、呼吸統制を行うことなく、より正確に状態を判別することが可能になる。
第1の実施形態に係る状態推定装置の構成例を示すブロック図。 図1に示した呼吸特徴量推定用データ記録部に格納されるデータを生成するシステムの一例を示すブロック図。 図1に示した状態判別用データ記録部に格納されるデータを生成するシステムの一例を示すブロック図。 図1に示した状態判別用データ記録部に格納されるデータを生成するシステムの他の例を示すブロック図。 第1の実施形態に係る状態判別処理の手順例を示すフローチャート。 瞬時心拍(RRI)を示す図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る状態判別手法は、心拍変動(HRV:Heart Rate Variability)における低周波成分HRVLFおよび高周波成分HRVHFから呼吸特徴量を推定し、呼吸特徴量の推定値に基づいて状態判別を行うものである。本実施形態では、一例として、換気量(例えば1回換気量)における低周波成分の割合(以降、RVV(LF,n)と呼ぶ)を呼吸特徴量として用いる場合について説明する。
(構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る状態推定装置の構成例を示す。図1に示す状態推定装置10は、心電計測部11および状態推定部12を備える。一例として、状態推定装置10は、心電計測部11を被験者(ユーザ)に装着可能なウェアラブルデバイスとし、状態推定部12をスマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ(PC)などのコンピュータデバイスとしたシステムにより実現される。例えば、コンピュータデバイスは、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、プロセッサに接続されるメモリと、心電計測部11と(例えば無線で)通信するための通信インタフェースと、を備える。なお、状態推定装置10の実現形態は、この例に限定されるものではない。例えば、状態推定装置10は1つのデバイスとして実現されてもよい。また、心電計測部11は状態推定装置10の外部に設けられてもよい。言い換えると、状態推定装置10は、心電計測部11に相当する外部の心電計測装置から被験者の心電を計測した結果を取得してもよい。
心電計測部11は、被験者の心電を計測し、計測結果を状態推定部12に送る。心電は、循環器系の生体信号であり、例えば、心室の収縮と同期した周期的な信号を含む。心電計測部11は、少なくとも2極の電極によって心電の計測を行う。計測結果は、心電図におけるR波相当の心電を抽出可能なデータを含む。例えば、計測結果は心電図のデータを含む。心電計測部11は、R波相当の心電を計測することができればよく、その実現形態は問わない。例えば、心電計測部11はホルター心電計からなる。
状態推定部12は、心電計測部11から計測結果を受け取り、受け取った計測結果に基づいて被験者の状態を推定する。例えば、状態推定部12は、心拍特徴量算出部121、呼吸特徴量推定部122、状態判別部123、呼吸特徴量推定用データ記録部124、および状態判別用データ記録部125を備える。心拍特徴量算出部121、呼吸特徴量推定部122、状態判別部123、呼吸特徴量推定用データ記録部124、および状態判別用データ記録部125の機能は、例えば、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。なお、これらの機能の一部または全部は、特定用途向け集積回路(ASIC)などの回路によって実現されてもよい。
心拍特徴量算出部121は、心電計測部11からの計測結果に基づいて、心拍特徴量であるHRVLFおよびHRVHFを算出する。例えば、心拍特徴量算出部121は、計測結果からR波を抽出し、隣接するR波間の間隔である瞬時心拍(RRI)を算出し、それにより、RRIの時系列データを生成する。続いて、心拍特徴量算出部121は、RRIの時系列データを周波数スペクトル解析し、HRVLFおよびHRVHFを算出する。HRVLFおよびHRVHFの算出精度を上げるために、異常値の除外などの処理を心拍特徴量の算出前に実行してもよい。また、周波数スペクトル解析で用いる演算手法としては、HRVLFおよびHRVHFの算出に用いる解析手法が同じであれば、ピリオドグラムや自己回帰モデルなどのいかなる手法を用いてもよい。一例として、心拍特徴量算出部121は、自己回帰モデルを用いてパワースペクトル密度を計算し、0.05Hzから0.15Hzまでの周波数領域にわたるパワーの積分値をHRVLFとして算出し、0.15Hzから0.40Hzまでの周波数領域にわたるパワーの積分値をHRVHFとして算出する。
呼吸特徴量推定部122は、心拍特徴量算出部121によって算出された心拍特徴量に基づいて呼吸特徴量を推定する。例えば、呼吸特徴量推定部122は、呼吸特徴量推定用データ記録部124から呼吸特徴量を推定するために必要なデータ(呼吸特徴量推定用データ)を受け取り、呼吸特徴量推定用データを用いて心拍特徴量から呼吸特徴量を推定する。呼吸特徴量推定部122による処理は、心拍特徴量から呼吸特徴量を推定することができれば、いかなるものであってもよい。一例として、呼吸特徴量推定部122は、式(2)を用いて重回帰分析を行うことで呼吸特徴量RVV(LF,n)を算出する。
この例では、α、β、γが呼吸特徴量推定用データに相当する。
状態判別部123は、呼吸特徴量推定部122によって算出された呼吸特徴量に基づいて被験者のタスク状態を判別する。例えば、状態判別部123は、状態判別用データ記録部125から状態判別に必要なデータ(状態判別用データ)を受け取り、状態判別用データを用いて呼吸特徴量からタスク状態を判別する。状態判別用データは、例えば、SVMなどのパターン認識モデルであり得る。状態判別部123は、被験者が複数種類のタスク状態のうちのいずれの状態であるかを判別するものであってもよく、被験者がタスク状態にあるか否か(具体的には、ストレス状態と休憩状態のようなリラックス状態とのいずれであるか)を判別するものであってもよい。
(動作)
次に、本実施形態に係る状態推定装置10による状態推定動作について説明する。
本実施形態に係る状態推定処理は、学習フェーズと運用フェーズの2つからなる。学習フェーズは、呼吸特徴量推定用データ記録部124および状態判別用データ記録部125に記録するデータを生成するものである。運用フェーズは、学習フェーズで生成されたデータを用いて呼吸特徴量の推定および状態推定を行うものである。
本実施形態と同じ手法を用いる場合は、運用フェーズの実行前に学習フェーズを実施しておく必要がある。なお、本実施形態では、学習フェーズで作成する呼吸特徴量推定用データ記録部124および状態判別用データ記録部125に保持する値の更新頻度を規定しない。はじめに実施した学習フェーズで求まった値を継続して用いてもよいし、運用フェーズ実行後に適切な学習データを用いて学習フェーズを再実施してもよい。
<学習フェーズ>
学習フェーズでは、心拍特徴量から呼吸特徴量を推定する際に使用する呼吸特徴量推定用データと、呼吸特徴量からタスク状態を判別する際に使用する状態判別用データと、を生成する。本実施形態では、一例として、呼吸特徴量推定部122で重回帰分析を用い、状態判別部123でサポートベクターマシンを用いる。
(A)呼吸特徴量推定用データの生成
本処理では、心拍特徴量から呼吸特徴量を推定する際に使用する重回帰式の係数および切片を決める。このため、本処理の実施にあたっては、正解値となる呼吸特徴量と心拍特徴量のデータ対が複数必要となる。本処理に用いるシステムの一例を図2に示す。図2に示す呼吸特徴量推定用データ生成システムは、心電計測部21、心拍特徴量算出部22、呼吸計測部23、呼吸特徴量算出部24、呼吸特徴量推定用データ作成部25、および呼吸特徴量推定用データ記録部26を備える。
心電計測部21は、サンプルである被験者の心電を計測する。心拍特徴量算出部22は、心電計測部21による計測の結果に基づいて心拍特徴量であるHRVLFおよびHRVHFを算出する。心電計測部21および心拍特徴量算出部22はそれぞれ、図1に示した心電計測部11および心拍特徴量算出部121と同様の処理を行うものとすることができる。このため、心電計測部21および心拍特徴量算出部22についての詳細な説明は省略する。
呼吸計測部23は、心電計測の対象と同じ被験者の呼吸を計測し、呼吸曲線のデータを生成する。呼吸計測部23は、吸気と呼気の換気量に相当する特徴量を取得できればよく、その実現形態は問わない。例えば、呼吸計測部23は、ピエゾセンサ、熱線型呼吸流量計、ニューモタコグラフなどを用いることができる。
呼吸特徴量算出部24は、呼吸計測部23で得られた呼吸曲線を解析して呼吸特徴量を算出する。一例として、換気量に関連する特徴量を呼吸特徴量として用いる場合について説明する。呼吸特徴量算出部24は、呼吸曲線から換気量の時系列データを抽出し、心拍特徴量算出部22と同じ手法で周波数スペクトルを算出する。ここで、算出された換気量の低周波成分をRRVLF、高周波成分をRRVHFと呼ぶ。重回帰分析の目的変数とするRRV(LF,n)は、式(3)に従って算出される。
呼吸特徴量推定用データ作成部25は、説明変数をHRVLFおよびHRVHF、目的変数をRRV(LF,n)として、心拍特徴量から呼吸特徴量を推定する重回帰式の係数および切片を求める。本実施形態では、上記の式(2)を重回帰式として仮定する。心電計測部21、心拍特徴量算出部22、呼吸計測部23、および呼吸特徴量算出部24を用いてRRV(LF,n)とこれに対応するHRVLFおよびHRVHFのデータ対を複数用意し、呼吸特徴量推定用データ作成部25は、これらのデータ対を基に式(2)中の係数αおよびβならびに切片γを求め、求めた係数αおよびβならびに切片γを呼吸特徴量推定用データ記録部26に保存する。呼吸特徴量推定用データ記録部26に保存されるものと同じデータが図1に示した呼吸特徴量推定用データ記録部124に保存される。
(B)状態判別用データの生成
本処理では、タスク状態の判別に用いる判別器を構築する。このため、本処理の実施にあたっては、正解値となる状態ラベルと呼吸特徴量のデータ対が複数必要となる。本処理に用いるシステムの一例を図3に示す。図3に示す状態判別用データ生成システムは、呼吸計測部31、呼吸特徴量算出部32、状態判別器作成部33、状態ラベル記録部34、および状態判別用データ記録部35を備える。
呼吸計測部31は、サンプルである被験者の呼吸を計測し、呼吸曲線のデータを生成する。呼吸特徴量算出部24は、呼吸計測部23で得られた呼吸曲線を解析して呼吸特徴量RVV(LF,n)を算出する。呼吸計測部31および呼吸特徴量算出部32はそれぞれ、図2に示した呼吸計測部23および呼吸特徴量算出部24と同様の処理を行うものとすることができる。このため、呼吸計測部31および呼吸特徴量算出部32についての詳細な説明は省略する。
状態ラベル記録部34は、呼吸特徴量を計測している時間における被験者のタスク状態を示す状態ラベルを保持する。状態判別器作成部33は、呼吸特徴量算出部32によって算出された呼吸特徴量とそれに対応するタスク状態のラベルとを基に、呼吸特徴量からタスク状態を推定する際に必要な判別器を作成する。具体的には、様々なタスク状態でRVV(LF,n)を算出し、RVV(LF,n)をタスク状態でラベル付けしたデータを多数用意する。状態判別器作成部33が、RVV(LF,n)によってタスク状態を判別するSVMを作成し、状態判別用データ記録部35に保存する。状態判別用データ記録部35に保存されるものと同じデータが図1に示した状態判別用データ記録部125に保存される。
なお、状態判別器作成部33で使用する呼吸特徴量については、推定値を用いてもよい。例えば、呼吸特徴量は、上述した処理(A)で作成した呼吸特徴量推定用データを用いて推定したものであってもよい。呼吸特徴量の推定値を用いる場合のシステムの一例を図4に示す。図4に示す状態判別用データ生成システムは、心電計測部41、心拍特徴量算出部42、呼吸特徴量推定部43、呼吸特徴量推定用データ記録部44、状態判別器作成部33、状態ラベル記録部34、および状態判別用データ記録部35を備える。図4において、図3と同じ部分については同じ参照符号を付して、それらについての説明は省略する。
呼吸特徴量推定用データ記録部44は、上述した処理(A)で作成された呼吸特徴量推定用データを保持する。心電計測部41は、サンプルである被験者の心電を計測する。心拍特徴量算出部42は、心電計測部41からの計測結果に基づいて心拍特徴量を算出する。呼吸特徴量推定部43は、呼吸特徴量推定用データ記録部44に保持されている呼吸特徴量推定用データを用いて、心拍特徴量算出部42によって算出された心拍特徴量から呼吸特徴量を推定し、呼吸特徴量の推定値を状態判別器作成部33に出力する。心電計測部41、心拍特徴量算出部42、および呼吸特徴量推定部43はそれぞれ、図1に示した心電計測部11、心拍特徴量算出部121、および呼吸特徴量推定部122と同様の動作を行うものとすることができる。このため、心電計測部41、心拍特徴量算出部42、および呼吸特徴量推定部43についての詳細な説明は省略する。
<運用フェーズ>
運用フェーズでは、図1に示した状態推定装置10によって、心拍特徴量から呼吸特徴量を推定し、推定結果を用いて状態判別を行う。
図5は、本実施形態に係る状態判別処理の手順の一例を示す。
図5のステップS501において、心電計測部11は、被験者の心電を計測する。ステップS502において、心拍特徴量算出部121は、心電計測部11による計測の結果に基づいて、心拍変動の低周波成分HRVLFおよび高周波成分HRVHFを算出する。例えば、心拍特徴量算出部121は、心電計測部11から出力された心電信号からR波を抽出し、隣接する2つのR波からRRIを算出し、RRI列の周波数スペクトルを自己回帰モデルによって解析し、HRVLFおよびHRVHFを算出する。
ステップS503において、呼吸特徴量推定部122は、呼吸特徴量推定用データ記録部124に保持されているデータを用いて、算出されたHRVLFおよびHRVHFから呼吸特徴量の推定値RVV(LF,n)を算出する。例えば、呼吸特徴量推定部122は、HRVLFおよびHRVHFを説明変数とする重回帰式である上記の式(2)に従ってRVV(LF,n)を算出する。
ステップS504において、状態判別部123は、状態判別用データ記録部125に保持されているデータを用いて、呼吸特徴量の推定値RVV(LF,n)から被験者のタスク状態を判別する。
(効果)
以上のように、本実施形態では、心拍特徴量と呼吸特徴量との関係、ならびに、呼吸特徴量とタスク状態との関係を事前に学習しておき、心拍特徴量から呼吸特徴量を推定し、推定した呼吸特徴量からタスク状態を判別する。これにより、呼吸の心拍変動への影響を反映した状態推定が可能となる。この結果、呼吸統制をすることなく、高い精度での状態推定が可能となる。さらに、心拍特徴量から呼吸特徴量を推定するので、運用フェーズにおいては、呼吸特徴量を計測するための機器を導入する必要がない。
[他の実施形態]
本発明は、上述した第1の実施形態に限定されるものではない。例えば、呼吸特徴量として、RVV(LF,n)に限らず、呼吸に関連する他の指標を用いてもよい。例えば、呼吸特徴量は、呼吸数に基づくものであってもよく、換気量と呼吸数の両方に基づくものであってもよい。
また、呼吸特徴量は、心拍変動の低周波成分HRVLFを用いることなしに、心拍変動の高周波成分HRVHFに基づいて推定されてもよい。これは、心拍変動の高周波成分の寄与率のほうが高いためであり、精度低下を許容できる場合などにおいて有効である。一例として、呼吸特徴量RVV(LF,n)は、式(4)に示す単回帰分析によって心拍変動の高周波成分HRVHFから算出することができる。
この例では、β、γが呼吸特徴量推定用データに相当する。
要するに本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
10…状態推定装置、11…心電計測部、12…状態推定部、121…心拍特徴量算出部、122…呼吸特徴量推定部、123…状態判別部、124…呼吸特徴量推定用データ記録部、125…状態判別用データ記録部、21…心電計測部、22…心拍特徴量算出部、23…呼吸計測部、24…呼吸特徴量算出部、25…呼吸特徴量推定用データ作成部、26…呼吸特徴量推定用データ記録部、31…呼吸計測部、32…呼吸特徴量算出部、33…状態判別器作成部、34…状態ラベル記録部、35…状態判別用データ記録部、41…心電計測部、42…心拍特徴量算出部、43…呼吸特徴量推定部、44…呼吸特徴量推定用データ記録部。

Claims (8)

  1. 被験者の心電を計測する心電計測手段から出力される信号に基づいて心拍変動の高周波成分を算出する算出手段と、
    前記算出された心拍変動の高周波成分に基づいて呼吸特徴量を推定する推定手段と、
    前記推定された呼吸特徴量に基づいて前記被験者の状態を判別する判別手段と、
    を備える状態推定装置。
  2. 前記推定手段は、単回帰分析によって、前記算出された心拍変動の高周波成分から前記呼吸特徴量を算出する、請求項1に記載の状態推定装置。
  3. 前記算出手段は、前記信号に基づいて心拍変動の低周波成分をさらに算出し、
    前記推定手段は、前記算出された心拍変動の低周波成分および高周波成分に基づいて前記呼吸特徴量を推定する、請求項1に記載の状態推定装置。
  4. 前記推定手段は、重回帰分析によって、前記算出された心拍変動の低周波成分および高周波成分から前記呼吸特徴量を算出する、請求項3に記載の状態推定装置。
  5. 前記呼吸特徴量は、呼吸数、換気量、またはこれらの両方に基づく、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の状態推定装置。
  6. 前記呼吸特徴量は、換気量における低周波成分の割合に基づく、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の状態推定装置。
  7. 被験者の心電を計測した信号に基づいて心拍変動の高周波成分を算出することと、
    前記算出された心拍変動の高周波成分に基づいて呼吸特徴量を推定することと、
    前記推定された呼吸特徴量に基づいて前記被験者の状態を判別することと、
    を備える状態推定方法。
  8. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の状態推定装置が備える各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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