JP2018082680A - 乳酸菌の抗菌性培養物 - Google Patents
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Abstract
【課題】病原細菌の増殖を抑制し、特に大腸菌等のグラム陰性菌に対する抗菌作用を有する培養物(抗菌性培養物)を提供する。
【解決手段】ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum) L44株(受領番号NITE AP−02369)を、グルコースと、天然培地成分である酵母エキス及びペプトンとを含む培地を用いて培養することにより得られる、グラム陰性菌に対する抗菌性培養物。
【選択図】なし
【解決手段】ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum) L44株(受領番号NITE AP−02369)を、グルコースと、天然培地成分である酵母エキス及びペプトンとを含む培地を用いて培養することにより得られる、グラム陰性菌に対する抗菌性培養物。
【選択図】なし
Description
本発明は、乳酸菌(ラクトバチルス・プランタラム L44株)の抗菌性培養物に関する。
乳酸菌は、乳製品(例えば、ヨーグルト)や漬物類等の加工食品において、味や風味を付与することや、食品の保存性を改善すること等の目的で利用されてきた。また、乳酸菌は腸内環境を整えること等の人体に有用な効能をもたらすことが知られており、健康食品等にも利用されてきた。
この中でも、ラクトバチルス・プランタラムは植物に由来する発酵物から主として分離される乳酸菌であり、耐塩性を有することから、漬物類等の塩分濃度が高い食品に用いられている。これらのラクトバチルス・プランタラムの菌株には、その培養物が一般細菌に対する抗菌作用を有するものが報告されている(特許文献1)。
通常、ラクトバチルス・プランタラムは大腸菌等のグラム陰性菌に対する抗菌作用を有さないため、例えば、漬物類を製造する際は大腸菌等の有害な細菌の繁殖を抑えるために低温にすることや、適切なpHにすることが必要であった。しかし、この様な環境下では、ラクトバチルス・プランタラムそのものの繁殖も抑えられ、場合によっては死滅することもあった。
また、ラクトバチルス・プランタラム等の乳酸菌を培養する際は一般的にMRS培地等の合成培地が用いられるものの、MRS培地には日本において食品添加物として認められていない成分(例えば、酢酸マンガン四水和物、クエン酸三アンモニウム等)が含まれているため、この様な培地を用いて得られる培養物は、食品や薬剤として用いることはできなかった。
また、日本において食品添加物として認められているバクテリオシンとしてナイシンが知られているが、ナイシンはグラム陽性菌に対する抗菌作用を有するものの、グラム陰性菌に対する抗菌作用は有していなかった。
これらの問題から、大腸菌等のグラム陰性菌に対する抗菌作用を有するとともに、食品や薬剤として用いることのできる培養物を見出すことが課題であった。
したがって、本発明の目的は、グラム陽性菌に対する抗菌作用を有するだけでなく、大腸菌等のグラム陰性菌に対する抗菌作用をも有する培養物(抗菌性培養物)を提供することである。また、本発明の他の目的は、食品や薬剤に対して使用することが可能な抗菌性培養物を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum) L44株を特定の培地で培養した際に得られる培養物が、グラム陰性菌の増殖を効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明では、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum) L44株(受領番号NITE AP−02369)を、グルコースと、天然培地成分である酵母エキス及びペプトンとを含む培地を用いて培養することにより得られる、グラム陰性菌に対する抗菌性培養物を提供する。
なお、培地の固形分として、グルコースと天然培地成分以外の成分が実質的に含まれていないことが好ましい。
また、グラム陰性菌が大腸菌であることが好ましい。
また、本発明では、前記の抗菌性培養物を含む食品添加剤についても提供する。
また、本発明では、前記の抗菌性培養物を含む食品についても提供する。
また、本発明では、前記の抗菌性培養物を含む薬剤についても提供する。
また、本発明では、前記の抗菌性培養物を用いた食品の保存方法についても提供する。
本発明の培養物は、グラム陰性菌(特に、大腸菌)の増殖を効果的に抑制することができる。また、本発明の培養物は、培地(固形分)として、グルコースと、天然培地成分とを含み、その他の成分を実質的に含まないことにより、食品添加剤、食品、及び薬剤に使用することが可能である。
本発明の培養物は、特定の培地を用いてラクトバチルス・プランタラム L44株(単に「乳酸菌」、又は「L44株」と称することがある)を培養することを特徴とする。
[乳酸菌株]
本発明の乳酸菌の菌株は、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum) L44株(受領番号NITE AP−02369)である。この菌株は独立行政法人 製品評価技術基盤機構 292−0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8に寄託済みである(受託日:2016年10月5日)。
本発明の乳酸菌の菌株は、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum) L44株(受領番号NITE AP−02369)である。この菌株は独立行政法人 製品評価技術基盤機構 292−0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8に寄託済みである(受託日:2016年10月5日)。
L44株の形態、及び特性を以下に示す。
形態 桿菌
カタラーゼ −
グルコースからのガス生成 −
シュクロースからのデキストラン生成 −
15℃での生育 +
45℃での生育 −
生成乳酸の光学異性 DL
7.5%食塩での生育 +
10%食塩での生育 −
糖類の資化性
D−フルクトース +
ラクトース +
マルトース +
スクロース +
トレハロース +
デンプン −
形態 桿菌
カタラーゼ −
グルコースからのガス生成 −
シュクロースからのデキストラン生成 −
15℃での生育 +
45℃での生育 −
生成乳酸の光学異性 DL
7.5%食塩での生育 +
10%食塩での生育 −
糖類の資化性
D−フルクトース +
ラクトース +
マルトース +
スクロース +
トレハロース +
デンプン −
[乳酸菌の抗菌性培養物]
本発明の培養物は、ラクトバチルス・プランタラム L44株を、グルコースと、天然培地成分である酵母エキス及びペプトンとを含む培地を用いて培養することにより得られることを特徴とする。培養条件としては、培地のpH、培養温度、及び培養時間等が挙げられるが、特に限定されない。
本発明の培養物は、ラクトバチルス・プランタラム L44株を、グルコースと、天然培地成分である酵母エキス及びペプトンとを含む培地を用いて培養することにより得られることを特徴とする。培養条件としては、培地のpH、培養温度、及び培養時間等が挙げられるが、特に限定されない。
なお、「培養物」とは、培養物に含まれる乳酸菌の菌体そのもの、菌を増殖させた培養液、及びこれらの混合物を指す。なお、前記の培養液中には乳酸菌の産生物(例えば発酵産生物であるバクテリオシン、乳酸菌等)が含まれ得る。また、培養物は濃縮して用いることもできるし、加熱滅菌して用いることもできる。また、精製を行ったものを用いることもできる。
本発明の培養物は、その培養方法によって特定され得る。これは、出願時において前記培養物をその構造又は特性により直接特定することが不可能であるか、またはおよそ実際的でないという事情(不可能・非実際的事情)が存在するためである。一般的に乳酸菌が産生し得る培養物は、その培養条件により物性(例えば特定の菌に対する抗菌作用)が異なることが一般的である。この理由は明らかではないが、乳酸菌の増殖過程において、周囲の環境に適応するためにバクテリオシン等を産生することがその一因であると考えられる。なお、バクテリオシンとは、主として他の細菌類に対する抗菌活性をもったタンパク質やペプチドの総称である。
酵母エキスは、酵母の有効成分を自己消化法、酵素分解法、熱水抽出法等の方法により抽出したものである。酵母エキスとしては、食品用(食品添加用)に用いられているものであれば特に限定されないが、例えば、パン酵母、ビール酵母、トルラ酵母等が挙げられる。
酵母エキスは市販品を使用することができ、例えば、スーパー酵母エキス(味の素株式会社製);酵母エキスSA−R、酵母エキスSA−M、酵母エキスS、酵母エキスFR、酵味(ペースト)、酵味(粉末)、酵母エキスSL−W、酵母エキスBY−G、酵母エキスHR(以上、MCフードスペシャリティーズ株式会社製);酵母エキスH(協和発酵キリン株式会社製);酵母エキスサンライク、酵母エキスRN−1(以上、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)等が挙げられる。
ペプトンとは、タンパク質を酵素等により加水分解することによって得られる、アミノ酸やペプチド、及びその混合物を指す。ペプトンとしては、食品用(食品添加用)に用いられているものであれば特に限定されないが、カゼインペプトン、大豆ペプトン、魚肉ペプトン、獣肉ペプトン、小麦ペプトン、大麦ペプトン等が挙げられる。
ペプトンは市販品を使用することができ、例えば、A−1000(味の素株式会社製);プロテオースペプトン(和光純薬工業(株)製、ソイミールペプトン(メルク(株)製)等が挙げられる。
培地の固形分におけるグルコース及び天然培地成分の含有量は特に限定されないが、培地の固形分100重量%に対して99.0重量%以上(例えば、99.0〜100重量%)であることが好ましく、99.9重量%以上(例えば、99.9〜100重量%)であることがより好ましく、99.99重量%以上(例えば、99.99〜100重量%)であることがさらに好ましい。グルコースの含有量は特に限定されないが、培地の固形分100重量%に対して5.0〜90.0重量%であることが好ましく、10.0〜80.0重量%であることがより好ましく、20.0〜70.0重量%であることがさらに好ましい。また、酵母エキスの含有量は特に限定されないが、培地の固形分100重量%に対して1.0〜60.0重量%であることが好ましく、3.0〜50.0重量%であることがより好ましく、5.0〜40.0重量%であることがさらに好ましい。また、ペプトンの含有量は特に限定されないが、培地の固形分100重量%に対して3.0〜60.0重量%であることが好ましく、5.0〜50.0重量%であることがより好ましく、8.0〜40.0重量%であることがさらに好ましい。
本発明において用いられる培地は、グルコースと、天然培地成分である酵母エキス及びペプトンとを含む限り特に限定されないが、培地の固形分として、グルコースと天然培地成分以外の成分が実質的に含まれていないことが望ましい。つまり、培地の固形分におけるグルコース及び天然培地成分以外の成分の含有量は、培地の固形分100重量%に対して1.0重量%以下であることが好ましく、0.1重量%以下であることがより好ましく、0.01重量%以下であることがさらに好ましく、0.001重量%以下であることが特に好ましい。また、発明において用いられる培地は、食用に認められている成分のみを使用することが好ましい。つまり、食品添加物として認められていない界面活性剤(例えば、合成界面活性剤等)や金属化合物(例えば、硫酸マンガン等)は培地に添加されていないことが好ましい。
天然培地成分としては、酵母エキス及びペプトン以外の成分(以下、「その他の天然培地成分」と称する)を含んでいても良いし、含まなくても良い。その他の天然培地成分としては天然物由来であって、且つ乳酸菌の培養に用いられる培地成分であれば特に限定されないが、例えば、トリプトン、肉エキス、麦芽エキス等が挙げられる。
培地の水素イオン指数(pH)は、乳酸菌が死滅する等の悪影響を及ぼさない限り特に限定されないが、例えば、培養温度が20〜50℃において4.0〜9.5であることが好ましく、より好ましくは4.5〜9.0、さらに好ましくは5.0〜8.0である。培地のpHを上記範囲とすることで、乳酸菌が効率良く増殖すると共に、培養物の抗菌効果がより上昇する傾向がある。
本発明の培養方法における培養温度は特に限定されないが、例えば、10〜45℃であることが好ましく、より好ましくは20〜40℃である。また、培養時間(前培養と本培養との合計時間)は特に限定されないが、例えば、6時間〜10日間であることが好ましく、より好ましく12時間〜6日間である。
本発明の培養物は、食品添加剤、食品、薬剤等に用いることができる。つまり、前記の培養物を含む食品添加剤、前記の培養物を含む食品、及び前記の培養物を含む薬剤として、培養物を用いることができる(以下、それぞれ「本発明の食品添加剤」、「本発明の食品」、「本発明の薬剤」と称することがある)。
本発明の食品添加剤は、本発明の培養物を含むことを特徴とする。つまり、乳酸菌の菌体そのもの、菌を増殖させた培養液、及びこれらの混合物の何れか1つを少なくとも含むことを特徴とする。なお、食品添加剤は、さらにその他の添加物とともに液状または固形状の製剤としてもよい。液剤とする場合は、例えば、緩衝剤、増粘剤等とともに製剤化することができる。また、固形剤とする場合は、食品に通常用いられる賦形剤とともに錠剤、顆粒剤、散剤、粉剤、カプセル剤等の剤形に製剤化すればよい。賦形剤としては、シロップ、アラビアゴム、ショ糖、乳糖、粉末還元麦芽糖、セルロース糖、マンニトール、マルチトール、デキストラン、デンプン類、ゼラチン、ソルビット、トラガント、ポリビニルピロリドンのような結合剤;ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ポリエチレングリコールのような潤沢剤;ジャガイモ澱粉のような崩壊剤;ラウリル硫酸ナトリウムのような湿潤剤等が挙げられる。
本発明の食品は、前記の培養物を含むことを特徴とする。つまり、前記の乳酸菌の菌体そのもの、菌を増殖させた培養液、及びこれらの混合物の何れか1つを少なくとも含むことを特徴とする。前記食品としては、例えば、漬け物;米飯;パン類;麺類;味噌、醤油、ソース、味醂、酢等の調味料;竹輪、蒲鉾、はんぺんのような魚練り製品;ハム、ソーセージのような食肉加工品;バター、チーズ、ヨーグルトのような乳製品;和菓子、ケーキ、クッキー、飴のような菓子類;茶飲料、果汁飲料、乳飲料、スポーツドリンクのような飲料等が挙げられる。この中でも、漬け物が好ましい。
本発明の薬剤は、前記の培養物を含むことを特徴とする。つまり、前記の乳酸菌の菌体そのもの、菌を増殖させた培養液、及びこれらの混合物の何れか1つを少なくとも含むことを特徴とする。薬剤としての前記の培養物の使用量は、所望の効果を考慮して適宜定めることができる。
[食品の保存方法]
本発明の食品の保存方法は、前記の培養物を用いることを特徴とした食品を保存する方法である。食品の種類は特に限定されず、本発明の食品にて例示したものと同様の食品が挙げられる。また、前記の培養物の使用量、及び食品の保存期間は、食品の種類に応じて、所望の保存効果が得られる量、及び期間を適宜定めることができる。
本発明の食品の保存方法は、前記の培養物を用いることを特徴とした食品を保存する方法である。食品の種類は特に限定されず、本発明の食品にて例示したものと同様の食品が挙げられる。また、前記の培養物の使用量、及び食品の保存期間は、食品の種類に応じて、所望の保存効果が得られる量、及び期間を適宜定めることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[乳酸菌の取得]
市販の漬け物を細かく刻み、生理食塩水と混合した。この混合物を、予めオートクレーブ滅菌したMRS培地(1.5w/v%寒天含有)に混釈して、滅菌済みプレートに流し込み、固めた。次いで、指標菌を含む軟寒天(1.5w/v%寒天含有)を重層し、30℃でインキュベートを開始し、1〜2日後に、寒天培地に形成したコロニーのハローから釣菌することによりラクトバチルス・プランタラム L44株を得た。本菌株の性質については、前述した通りである。
市販の漬け物を細かく刻み、生理食塩水と混合した。この混合物を、予めオートクレーブ滅菌したMRS培地(1.5w/v%寒天含有)に混釈して、滅菌済みプレートに流し込み、固めた。次いで、指標菌を含む軟寒天(1.5w/v%寒天含有)を重層し、30℃でインキュベートを開始し、1〜2日後に、寒天培地に形成したコロニーのハローから釣菌することによりラクトバチルス・プランタラム L44株を得た。本菌株の性質については、前述した通りである。
(ペーパーディスクの作製)
それぞれ10gのグルコース(フジクリスター;加藤化学株式会社製)、酵母エキス(スーパー酵母エキス:味の素株式会社製)、及びペプトン(A−1000:味の素株式会社製)を水1Lに溶解してGYP培地を作製した。ラクトバチルス・プランタラム L44株を5mlのGYP培地に植菌し、30℃で12時間、静置することにより前培養を行った。前培養により得られた培養液を25μl採取し、50mlのGYP培地に加え、30℃で4日間、静置することにより本培養を行った。本培養により得られた培養液を熱殺菌(オートクレーブ:121℃、15分間)し、遠心(8000rpm、10分間)後、上清を回収することにより培養物を作製した。次に、培養物を60μl分取して滅菌ペーパーディスク(直径0.8cm)に浸み込ませて乾燥させ、評価用ペーパーディスクを作製した。
それぞれ10gのグルコース(フジクリスター;加藤化学株式会社製)、酵母エキス(スーパー酵母エキス:味の素株式会社製)、及びペプトン(A−1000:味の素株式会社製)を水1Lに溶解してGYP培地を作製した。ラクトバチルス・プランタラム L44株を5mlのGYP培地に植菌し、30℃で12時間、静置することにより前培養を行った。前培養により得られた培養液を25μl採取し、50mlのGYP培地に加え、30℃で4日間、静置することにより本培養を行った。本培養により得られた培養液を熱殺菌(オートクレーブ:121℃、15分間)し、遠心(8000rpm、10分間)後、上清を回収することにより培養物を作製した。次に、培養物を60μl分取して滅菌ペーパーディスク(直径0.8cm)に浸み込ませて乾燥させ、評価用ペーパーディスクを作製した。
(評価用寒天培地1の作製)
対象菌液として、枯草菌(Bacillus subtilis NBRC 3134)を5mlの標準培地にて35℃、12時間振盪することにより前培養を行った。その後、前培養の培養液を1/200量植菌し、5mlの標準培地にて35℃、振盪で一晩培養した。得られた培養液を、生理食塩水を用い、OD600が0.135となるように調製して調製培養液を得た。次に、シャーレ(内径90mm、容量25ml)に、厚さが約4mmとなるように、標準寒天培地(日本水産(株)製、pH5.5)を注いで固化した後、前記の調製培養液を寒天表面に均等に塗布して、評価用寒天培地1を得た。
対象菌液として、枯草菌(Bacillus subtilis NBRC 3134)を5mlの標準培地にて35℃、12時間振盪することにより前培養を行った。その後、前培養の培養液を1/200量植菌し、5mlの標準培地にて35℃、振盪で一晩培養した。得られた培養液を、生理食塩水を用い、OD600が0.135となるように調製して調製培養液を得た。次に、シャーレ(内径90mm、容量25ml)に、厚さが約4mmとなるように、標準寒天培地(日本水産(株)製、pH5.5)を注いで固化した後、前記の調製培養液を寒天表面に均等に塗布して、評価用寒天培地1を得た。
(評価用寒天培地2の作製)
対象菌液として、大腸菌(Escherichia coli)を使用したこと以外は(評価用寒天培地1の作製)と同様の操作を行い、評価用寒天培地2を作製した。
対象菌液として、大腸菌(Escherichia coli)を使用したこと以外は(評価用寒天培地1の作製)と同様の操作を行い、評価用寒天培地2を作製した。
[実施例]
評価用寒天培地1及び2のそれぞれの表面に、前述の評価用ペーパーディスクをピンセットで置き、35℃で48時間静置した後にペーパーディスクの縁に阻止円が生じているか否かを確認した。結果を図1(評価用寒天培地1を用いたもの)及び図2(評価用寒天培地2を用いたもの)に示す。
評価用寒天培地1及び2のそれぞれの表面に、前述の評価用ペーパーディスクをピンセットで置き、35℃で48時間静置した後にペーパーディスクの縁に阻止円が生じているか否かを確認した。結果を図1(評価用寒天培地1を用いたもの)及び図2(評価用寒天培地2を用いたもの)に示す。
図1及び2を見ても明らかな通り、評価用寒天培地1及び2のペーパーディスクの縁には阻止円が生じていた。ここから、本発明の培養物は特定の培地を用いることにより枯草菌等のグラム陽性菌だけではなく、大腸菌等のグラム陰性菌に対する抗菌作用を有することが明らかとなった。
Claims (7)
- ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum) L44株(受領番号NITE AP−02369)を、グルコースと、天然培地成分である酵母エキス及びペプトンとを含む培地を用いて培養することにより得られる、グラム陰性菌に対する抗菌性培養物。
- 培地の固形分として、グルコースと天然培地成分以外の成分が実質的に含まれていない請求項1に記載の抗菌性培養物。
- グラム陰性菌が大腸菌である請求項1又は2に記載の抗菌性培養物。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の抗菌性培養物を含む食品添加剤。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の抗菌性培養物を含む食品。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の抗菌性培養物を含む薬剤。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の抗菌性培養物を用いた食品の保存方法。
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