JP2018081130A - 顕微鏡システムおよび標本観察方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】標本の画像を生成してサンプル間の比較や解剖学的領域ごとの解析を行う実験の処理能力を向上させる。
【解決手段】所定の距離間隔の第1ピッチで標本Sの深さ方向に異なる複数のレジストレーション用画像を取得するとともに、第1ピッチよりも細かい距離間隔の第2ピッチで標本Sの深さ方向に異なる複数の解析用画像を取得するカメラ21と、カメラ21による解析用画像の取得と並行して、カメラ21により取得されたレジストレーション用画像を標本Sに対する基準となる比較対象物の情報に位置合わせするための変換パラメータを算出するレジストレーション処理を施す画像処理部27とを備える顕微鏡システム1を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】所定の距離間隔の第1ピッチで標本Sの深さ方向に異なる複数のレジストレーション用画像を取得するとともに、第1ピッチよりも細かい距離間隔の第2ピッチで標本Sの深さ方向に異なる複数の解析用画像を取得するカメラ21と、カメラ21による解析用画像の取得と並行して、カメラ21により取得されたレジストレーション用画像を標本Sに対する基準となる比較対象物の情報に位置合わせするための変換パラメータを算出するレジストレーション処理を施す画像処理部27とを備える顕微鏡システム1を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、顕微鏡システムおよび標本観察方法に関するものである。
従来、脳や肝臓等の臓器の全体を撮像し、サンプル間の比較や解剖学的領域ごとの解析を行う研究が行われている。サンプル間の比較や解剖学的領域ごとの解析を行うために、画像処理(レジストレーション処理)により、取得した画像をサンプルもしくは臓器アトラスの位置や形状に合わせ込む画像処理装置が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
例えば、顕微鏡によりマウスの脳の深さ方向に複数枚のスライス像を取得して脳全体の画像を生成し、生成した脳全体の画像にレジストレーション処理を施した後、サンプル間で比較および脳領域ごとに計測・解析するという流れで実験が行われる。
しかしながら、解析に適当な解像度で臓器全体の画像を取得するには長い時間を要し、また、レジストレーション処理も臓器全体の画像を取得する場合と同程度もしくはそれ以上に長い時間を要するため、作業全体の所要時間が長くなるという問題がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、標本の画像を生成してサンプル間の比較や解剖学的領域ごとの解析を行う実験の処理能力を向上させることができる顕微鏡システムおよび標本観察方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の第1態様は、所定の距離間隔の第1ピッチで標本の深さ方向に異なる複数のレジストレーション用画像を取得するとともに、前記第1ピッチよりも細かい距離間隔の第2ピッチで前記標本の深さ方向に異なる複数の解析用画像を取得する画像取得部と、該画像取得部による前記解析用画像の取得と並行して、前記画像取得部により取得された前記レジストレーション用画像を前記標本に対する基準となる比較対象物の情報に位置合わせするための変換パラメータを算出するレジストレーション処理を施す画像処理部とを備える顕微鏡システムである。
本発明の第1態様は、所定の距離間隔の第1ピッチで標本の深さ方向に異なる複数のレジストレーション用画像を取得するとともに、前記第1ピッチよりも細かい距離間隔の第2ピッチで前記標本の深さ方向に異なる複数の解析用画像を取得する画像取得部と、該画像取得部による前記解析用画像の取得と並行して、前記画像取得部により取得された前記レジストレーション用画像を前記標本に対する基準となる比較対象物の情報に位置合わせするための変換パラメータを算出するレジストレーション処理を施す画像処理部とを備える顕微鏡システムである。
本態様によれば、画像取得部により、同一の標本に対して、第1ピッチで複数のレジストレーション用画像が取得されるとともに、第1ピッチよりも距離間隔が細かい第2ピッチで複数の解析用画像が取得される。また、画像取得部により取得された標本の複数のレジストレーション用画像が、画像処理部によりレジストレーション処理されて変換パラメータが算出される。したがって、画像取得部により取得された標本の複数の解析用画像に画像処理部により算出された変換パラメータを適用すれば、解析用画像を精度よく解析することができる。
この場合において、レジストレーション処理では、組織全体の位置・方向・形状等が分かればよく、比較的粗い距離間隔で取得された画像を用いても十分な精度の変換パラメータを算出することができる。したがって、処理時間が掛かるレジストレーション処理による変換パラメータの算出は、粗い距離間隔の第1ピッチで時間を掛けずに取得できるレジストレーション用画像を用いて行い、時間が掛かる細かい距離間隔の第2ピッチでの標本の複数の解析用画像の取得とレジストレーション処理とを並行して行うことで、従来のように、時間が掛かる細かい距離間隔で標本の深さ方向に異なる複数の観察画像を取得して、その観察画像に処理時間が掛かるレジストレーション処理を施していく場合と比較して、作業全体の所要時間を短縮することができる。これにより、標本の画像を生成してサンプル間の比較や解剖学的領域ごとの解析を行う実験の処理能力を向上させることができる。
上記態様においては、前記画像取得部が、前記標本の種類と該標本の種類に応じた前記第1ピッチの前記距離間隔とが対応付けられたテーブルに基づいて、前記レジストレーション用画像を取得することとしてもよい。
このように構成することで、テーブルを参照するだけ簡易な作業により、観察対象の標本に適した第1ピッチでレジストレーション用画像を取得することができる。
このように構成することで、テーブルを参照するだけ簡易な作業により、観察対象の標本に適した第1ピッチでレジストレーション用画像を取得することができる。
上記態様においては、前記画像取得部が、前記レジストレーション用画像を取得する場合に所定の第1蛍光色素を励起させる波長の励起光を前記標本に照射し、前記解析用画像を取得する場合に前記所定の第1蛍光色素とは異なる所定の第2蛍光色素を励起させる波長の励起光を前記標本に照射することとしてもよい。
このように構成することで、所定の第1蛍光色素と所定の第2蛍光色素とで標本を多重染色しておけば、レジストレーション用画像を取得する場合と解析用画像を取得する場合とで無駄な励起光を標本に照射せずに済み、蛍光の褪色を抑えることができる。また、励起光の波長を切り替えてレジストレーション用画像と解析用画像とを順次取得する場合に、画像取得の時間を削減することができる。
上記態様においては、前記画像取得部が、前記レジストレーション用画像が取得されている深さ位置の前記解析用画像の取得を省略し、省略した前記深さ位置の前記解析用画像の代わりにその深さ位置の前記レジストレーション用画像を用いることとしてもよい。
このように構成することで、標本における同じ深さ位置の画像が重複して取得される無駄を省き、画像取得の所要時間を削減することができる。
このように構成することで、標本における同じ深さ位置の画像が重複して取得される無駄を省き、画像取得の所要時間を削減することができる。
上記態様においては、前記標本に照射される励起光の光路上に択一的に配置可能に設けられた倍率が異なる複数の対物レンズと、前記標本が載置され、かつ、前記対物レンズの対物光軸に交差する方向に移動可能な可動ステージとを備え、前記画像取得部が、前記レジストレーション用画像を取得する場合は、前記解析用画像を取得する場合よりも低倍率の前記対物レンズを使用し、前記解析用画像を取得する場合は、前記標本における同一の深さ位置で前記第2ピッチごとに前記可動ステージを移動させて、前記対物光軸に交差する方向に異なる複数の前記解析用画像を取得することとしてもよい。
このように構成することで、高倍率の対物レンズを使って取得した対物光軸に交差する方向に異なる複数の解析用画像を貼り合わせることにより、解析用に対物光軸に交差する方向に分解能が高い画像を生成することができる。この場合において、レジストレーション用画像は低倍率の対物レンズを使用することで、レジストレーション用の画像取得の所要時間を削減し、全体の所要時間を短縮することができる。
上記態様においては、前記標本上で励起光を走査させる走査部を備え、前記画像取得部が、前記解析用画像を取得する場合よりも少ない画素数で前記レジストレーション用画像を取得することとしてもよい。
画像の画素数により、走査部によって1フレームを走査するのに掛かる時間が決まるので、このように構成することで、画素数を減らす分だけレジストレーション用画像の取得に要する時間を削減して、全体の所要時間を短縮することができる。
画像の画素数により、走査部によって1フレームを走査するのに掛かる時間が決まるので、このように構成することで、画素数を減らす分だけレジストレーション用画像の取得に要する時間を削減して、全体の所要時間を短縮することができる。
上記態様においては、前記画像取得部が、前記レジストレーション用画像を取得する場合は、前記走査部により1走査ライン以上間引いて走査し、補間して前記レジストレーション用画像を構築することとしてもよい。
このように構成することで、走査ラインを間引く分だけレジストレーション用画像の取得に要する時間を削減し、全体の所要時間を短縮することができる。
このように構成することで、走査ラインを間引く分だけレジストレーション用画像の取得に要する時間を削減し、全体の所要時間を短縮することができる。
上記態様においては、前記標本上で励起光を走査させる走査部を備え、前記画像取得部が、前記レジストレーション用画像を取得する場合は、前記走査部により1走査ライン以上間引いて走査し、補間して前記レジストレーション用画像を構築することとしてもよい。
このように構成することで、走査ラインを間引く分だけレジストレーション用画像の取得に要する時間を削減し、全体の所要時間を短縮することができる。
このように構成することで、走査ラインを間引く分だけレジストレーション用画像の取得に要する時間を削減し、全体の所要時間を短縮することができる。
本発明の第2態様は、所定の距離間隔の第1ピッチで標本の深さ方向に異なる複数のレジストレーション用画像を取得する第1取得ステップと、前記第1ピッチよりも細かい距離間隔の第2ピッチで前記標本の深さ方向に異なる複数の解析用画像を取得する第2取得ステップと、該第2取得ステップによる前記解析用画像の取得と並行して、前記第1取得ステップにより取得された前記レジストレーション用画像を前記標本に対する基準となる比較対象物の情報に位置合わせするための変換パラメータを算出するレジストレーション処理を施すレジストレーション処理ステップとを含む標本観察方法である。
本態様によれば、第1取得ステップにより、第1ピッチで標本の複数のレジストレーション用画像が取得され、第2取得ステップにより第1ピッチよりも距離間隔が細かい第2ピッチで標本の複数の解析用画像が取得される。そして、第1ピッチで取得された標本の複数のレジストレーション用画像が、レジストレーション処理ステップによりレジストレーション処理されて変換パラメータが算出される。したがって、第2取得ステップにより取得された解析用画像にレジストレーション処理ステップにより算出された変換パラメータを適用すれば、解析用画像を精度よく解析することができる。
この場合において、処理時間が掛かるレジストレーション処理による変換パラメータの算出は、粗い距離間隔の第1ピッチで時間を掛けずに取得できるレジストレーション用画像を用いて行い、時間が掛かる細かい距離間隔の第2ピッチでの標本の複数の解析用画像の取得とレジストレーション処理とを並行して行うことで、従来と比較して、作業全体の所要時間を短縮することができる。これにより、標本の画像を生成してサンプル間の比較や解剖学的領域ごとの解析を行う実験の処理能力を向上させることができる。
上記態様においては、前記第1取得ステップが、前記標本の種類と該標本の種類に応じた前記第1ピッチの前記距離間隔とが対応付けられたテーブルに基づいて、前記レジストレーション用画像を取得することとしてもよい。
このように構成することで、テーブルを参照するだけの簡易な作業により、観察対象の標本に適した第1ピッチでレジストレーション用画像を取得することができる。
このように構成することで、テーブルを参照するだけの簡易な作業により、観察対象の標本に適した第1ピッチでレジストレーション用画像を取得することができる。
上記態様においては、前記第1取得ステップが、所定の第1蛍光色素を励起させる波長の励起光を前記標本に照射し、前記第2取得ステップが、前記所定の第1蛍光色素とは異なる所定の第2蛍光色素を励起させる波長の励起光を前記標本に照射することとしてもよい。
このように構成することで、所定の第1蛍光色素と所定の第2蛍光色素とで標本を多重染色しておけば、第1取得ステップと第2取得ステップとで無駄な励起光を標本に照射せずに済み、蛍光の褪色を抑えることができる。
上記態様においては、前記第2取得ステップが、前記第1取得ステップにより前記レジストレーション用画像が取得されている深さ位置の前記解析用画像の取得を省略し、省略した前記深さ位置の前記解析用画像の代わりにその深さ位置の前記レジストレーション用画像を用いることとしてもよい。
このように構成することで、標本における同じ深さ位置の画像が重複して取得される無駄を省き、画像取得の所要時間を削減することができる。
このように構成することで、標本における同じ深さ位置の画像が重複して取得される無駄を省き、画像取得の所要時間を削減することができる。
上記態様においては、前記第1取得ステップが、前記第2取得ステップよりも低倍率の対物レンズを用いて前記レジストレーション用画像を取得し、前記第2取得ステップが、前記標本における同一の深さ位置で前記第2ピッチごとに前記対物レンズの光軸に交差する方向に異なる複数の前記解析用画像を取得することとしてもよい。
このように構成することで、高倍率の対物レンズを使って取得した対物レンズの光軸に交差する方向に異なる複数の解析用画像を貼り合わせることにより、解析用に対物レンズの光軸に交差する方向に分解能が高い画像を生成することができる。この場合において、レジストレーション用画像は低倍率の対物レンズを使用することで、レジストレーション用画像の取得に要する時間を削減し、全体の所要時間を短縮することができる。
上記態様においては、前記第1取得ステップが、前記標本上で励起光を走査させて、前記第2取得ステップにより前記解析用画像を取得する場合よりも少ない画素数で前記レジストレーション用画像を取得することとしてもよい。
画像の画素数により、1フレームを走査するのに掛かる時間が決まるので、このように構成することで、画素数を減らす分だけレジストレーション用の画像取得の所要時間を削減して、全体の所要時間を短縮することができる。
上記態様においては、前記第1取得ステップが、前記標本上で励起光を1走査ライン以上間引いて走査し、補間して前記レジストレーション用画像を構築することとしてもよい。
このように構成することで、走査ラインを間引く分だけレジストレーション用の画像取得の所要時間を削減し、全体の所要時間を短縮することができる。
このように構成することで、走査ラインを間引く分だけレジストレーション用の画像取得の所要時間を削減し、全体の所要時間を短縮することができる。
上記態様においては、前記レジストレーション処理ステップにより算出された前記変換パラメータに基づいて、前記第2取得ステップにより取得された前記解析用画像を変換して解析する画像解析ステップを含むこととしてもよい。
このように構成することで、レジストレーション処理ステップにより、基準となる比較対象物の情報に解析用画像が位置合わせされるので、解析用画像を精度よく解析することができる。
このように構成することで、レジストレーション処理ステップにより、基準となる比較対象物の情報に解析用画像が位置合わせされるので、解析用画像を精度よく解析することができる。
本発明によれば、標本の画像を生成してサンプル間の比較や解剖学的領域ごとの解析を行う実験の処理能力を向上させることができるという効果を奏する。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係る顕微鏡システムおよび標本観察方法について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る顕微鏡システム1は、標本Sの画像を取得する蛍光顕微鏡3と、蛍光顕微鏡3を制御したり蛍光顕微鏡3により取得された画像を処理したりするPC(Personal Computer)5とを備えている。
本発明の第1実施形態に係る顕微鏡システムおよび標本観察方法について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る顕微鏡システム1は、標本Sの画像を取得する蛍光顕微鏡3と、蛍光顕微鏡3を制御したり蛍光顕微鏡3により取得された画像を処理したりするPC(Personal Computer)5とを備えている。
蛍光顕微鏡3は、例えば、共焦点レーザ顕微鏡、多光子励起顕微鏡またはシート照明顕微鏡等であり、標本Sの深さ方向に交差する2次元的なスライス像を取得することができるようになっている。
標本Sは、例えば、組織全体が蛍光色素により染色されている。
標本Sは、例えば、組織全体が蛍光色素により染色されている。
この蛍光顕微鏡3は、標本Sを載置する可動ステージ7と、励起光を発生する光源9と、光源9から発せられた所定の波長域の励起光を通過させる励起フィルタ11と、励起フィルタ11を通過した励起光を可動ステージ7上の標本Sに照射する一方、標本Sにおいて発生した蛍光を集光する対物レンズ13と、倍率が異なる複数の対物レンズ13を切り替え可能に保持するレボルバ15と、対物レンズ13により集光された標本Sからの蛍光を励起光の光路から分岐させるダイクロイックミラー17と、ダイクロイックミラー17により分岐された蛍光のみを通過させる蛍光フィルタ19と、蛍光フィルタ19を通過した蛍光を撮影するCCD(Charge Coupled Device)等のカメラ(画像取得部)21とを備えている。
可動ステージ7は、対物レンズ13の対物光軸に沿う方向(Z方向)および対物光軸に交差する方向(X方向およびY方向)に移動することができるようになっている。
レボルバ15は、対物レンズ13をレーザ光の光路上に択一的に配置することができるようになっている。
レボルバ15は、対物レンズ13をレーザ光の光路上に択一的に配置することができるようになっている。
ダイクロイックミラー17は、光源9から発せられた励起光を対物レンズ13に向けて反射する一方、対物レンズ13により集光された蛍光を蛍光フィルタ19に向けて透過させるようになっている。
蛍光フィルタ19は、蛍光と共に入射する励起光等を除去するようになっている。
蛍光フィルタ19は、蛍光と共に入射する励起光等を除去するようになっている。
PC5は、蛍光顕微鏡3を制御する画像取得制御部(画像取得部)23と、カメラ21により取得された画像を保持する画像保持部25と、画像保持部25により保持されている画像を処理する画像処理部27とを備えている。
これら画像取得制御部23、画像保持部25および画像処理部27は、それぞれソフトウェアで実現されるようになっている。
これら画像取得制御部23、画像保持部25および画像処理部27は、それぞれソフトウェアで実現されるようになっている。
画像取得制御部23は、可動ステージ7を所定のピッチでZ方向に移動させて、カメラ21により、標本Sの深さ方向(Z方向)に異なる複数のZスタック画像(スライス像)を取得させるようになっている。具体的には、画像取得制御部23は、カメラ21により、図2(a)に示すような粗い距離間隔の第1ピッチで複数のZスタック画像(以下、「レジストレーション用画像」という。)と、第1ピッチよりも細かい距離間隔の図2(b)に示すような第2ピッチで複数のZスタック画像(以下、「解析用画像」という。)とを取得させるようになっている。
また、画像取得制御部23は、例えば、図3に示すように、標本Sの種類とその種類に応じた第1ピッチの距離間隔とが対応付けられたテーブルTを有している。この画像取得制御部23は、レジストレーション用画像を取得する場合に、テーブルTを参照して、観察対象の標本Sに対応した距離間隔の第1ピッチで可動ステージ7をZ方向に移動させるようになっている。
画像処理部27は、標本Sに対する基準となる比較対象物の情報に対して、カメラ21により取得されたレジストレーション用画像を位置合わせするための変換パラメータを算出するレジストレーション処理を実行するようになっている。また、画像処理部27は、このレジストレーション処理をカメラ21による解析用画像の取得と並行して行うようになっている。レジストレーション処理では、組織全体の位置・方向・形状等が分かればよく、比較的粗い距離間隔で取得されたZスタック画像を用いても十分な精度の変換パラメータを算出することができる。
標本Sに対する基準となる比較対象物の情報としては、例えば、図4に示すような異なる条件下で飼育したサンプルの画像や、脳アトラス等が用いられる。脳アトラスは、一般に公開されているアトラスデータを用いることとしてもよいし、ユーザ自身で構築したアトラスデータを用いることとしてもよい。
変換パラメータとしては、図5(a)に示すようにレジストレーション用画像を移動したり、図5(b)に示すようにレジストレーション用画像を回転したりする剛体変換のパラメータ、図5(c)に示すようにレジストレーション用画像を縮小または拡大したり、図5(d)に示すようにレジストレーション用画像をせん断したりするアフィン変換のパラメータ、図6に示すようにレジストレーション用画像を非線形的に複雑に変換する非線形変換のパラメータ等が挙げられる。
この画像処理部27は、上記いずれかの変換パラメータによりレジストレーション用画像を変換して、変換後のレジストレーション用画像と標本Sに対する基準となる比較対象物の情報とを比較し、例えば正規化相互相関を用いて、変換後のレジストレーション用画像と標本Sに対する基準となる比較対象物の情報との類似度を算出するようになっている。
そして、画像処理部27は、変換パラメータを変更して、変換パラメータごとにレジストレーション用画像の変換および変換後のレジストレーション用画像と標本Sに対する基準となる比較対象物の情報との類似度の算出を行い、例えば最急降下法により、類似度が最大となる変換パラメータを算出するようになっている。なお、レジストレーション処理を施す場合は、例えば、レジストレーション用画像をグレースケール1chのデータ(目的の臓器の例えば脳と、脳以外とが区別されるデータ等)または1bitデータに変換しておくことが好ましい。
また、画像処理部27は、算出した変換パラメータをユーザが指定した解析用画像に適用して、解析用画像を標本Sに対する基準となる比較対象物の情報の座標系に合わせ込むようになっている。
次に、本実施形態に係る標本観察方法について、図7のフローチャートを参照して説明する。
本実施形態に係る標本観察方法は、所定の距離間隔の第1ピッチで標本SのZ方向に異なる複数のレジストレーション用画像を取得する第1取得ステップSA1と、第1ピッチよりも細かい距離間隔の第2ピッチで標本SのZ方向に異なる複数の解析用画像を取得する第2取得ステップSA2と、第2取得ステップSA2による解析用画像の取得と並行して、第1取得ステップSA1により取得されたレジストレーション用画像を標本Sに対する基準となる比較対象物の情報に位置合わせするための変換パラメータを算出するレジストレーション処理を施すレジストレーション処理ステップSA3と、レジストレーション処理ステップSA3により算出された変換パラメータに基づいて、第2取得ステップSA2により取得された解析用画像を変換して解析する画像解析ステップSA4とを含んでいる。
本実施形態に係る標本観察方法は、所定の距離間隔の第1ピッチで標本SのZ方向に異なる複数のレジストレーション用画像を取得する第1取得ステップSA1と、第1ピッチよりも細かい距離間隔の第2ピッチで標本SのZ方向に異なる複数の解析用画像を取得する第2取得ステップSA2と、第2取得ステップSA2による解析用画像の取得と並行して、第1取得ステップSA1により取得されたレジストレーション用画像を標本Sに対する基準となる比較対象物の情報に位置合わせするための変換パラメータを算出するレジストレーション処理を施すレジストレーション処理ステップSA3と、レジストレーション処理ステップSA3により算出された変換パラメータに基づいて、第2取得ステップSA2により取得された解析用画像を変換して解析する画像解析ステップSA4とを含んでいる。
第1取得ステップSA1は、標本Sの種類と標本Sの種類に応じた第1ピッチの距離間隔とが対応付けられた図3に示すようなテーブルTに基づいて、レジストレーション用画像を取得するようになっている。
このように構成された本実施形態に係る顕微鏡システム1および標本観察方法の作用について説明する。
最初に、テーブルTの作成方法について、図8のフローチャートを参照して説明する。
まず、観察対象の標本Sについて、カメラ21により、できる限り細かい距離間隔で標本SのZ方向に異なる複数の仮Zスタック画像を取得する(ステップSB1)。これとは別に、同じ種類の標本Sの基準となる基準Zスタック画像を予め用意しておく。
最初に、テーブルTの作成方法について、図8のフローチャートを参照して説明する。
まず、観察対象の標本Sについて、カメラ21により、できる限り細かい距離間隔で標本SのZ方向に異なる複数の仮Zスタック画像を取得する(ステップSB1)。これとは別に、同じ種類の標本Sの基準となる基準Zスタック画像を予め用意しておく。
次いで、画像処理部27により、仮Zスタック画像を基準Zスタック画像に位置合わせするレジストレーション処理を施し、変換パラメータを算出する(ステップSB2)。
次に、仮Zスタック画像を任意の量だけZ方向に間引きし(ステップSB3)、残りの仮Zスタック画像を基準Zスタック画像に位置合わせるレジストレーション処理を施して、変換パラメータを算出する(ステップSB4)。
次に、間引く量を変えながら、ステップSB3およびステップSB4を繰り返す(ステップSB5)。例えば、間引く量を仮Zスタック画像の全枚数の1/2、1/4、1/8、1/16のように変更する。
続いて、ステップSB2で算出された間引きしていない場合の変換パラメータと、ステップSB4で算出された間引きした場合の変換パラメータとの誤差が所定の閾値内になる最大の間引き量を算出し、得られた最大の間引き量をその標本Sに対する第1ピッチの距離間隔値とする(ステップSB6)。
次いで、標本Sの種類ごとにステップSB1〜ステップSB6を繰り返し(ステップSB7)、標本Sの種類ごとに対応する第1ピッチの距離間隔値を関連付けてテーブルTを完成する。
次に、本観察について、図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、ユーザは、標本Sに対する基準となる比較対象物の情報として、あらかじめ用意してある比較対象のZスタック画像を指定し、画像保持部25によりこれを保持させる。比較対象のZスタック画像としては、例えば、異なる条件下で飼育したサンプルや、脳アトラス等を用いることができる。
まず、ユーザは、標本Sに対する基準となる比較対象物の情報として、あらかじめ用意してある比較対象のZスタック画像を指定し、画像保持部25によりこれを保持させる。比較対象のZスタック画像としては、例えば、異なる条件下で飼育したサンプルや、脳アトラス等を用いることができる。
次いで、ユーザは、例えば、マウスの脳等、観察対象の標本Sの種類を指定する。ユーザが観察対象の標本Sの種類を指定すると、画像取得制御部23により、テーブルTが参照されて、観察対象の標本Sの種類に対応付けられた距離間隔の第1ピッチが読み出される。
次いで、画像取得制御部23により蛍光顕微鏡3が制御され、テーブルTから読み出された所定の距離間隔の第1ピッチで標本SのZ方向に異なる複数のレジストレーション用画像がカメラ21により取得される(第1取得ステップSA1)。
続いて、画像取得制御部23により蛍光顕微鏡3が制御され、第1ピッチよりも細かい距離間隔の第2ピッチで標本SのZ方向に異なる複数の解析用画像がカメラ21により取得される(第2取得ステップSA2)。
また、この第2取得ステップSA2と並行して、画像処理部27により、画像保持部25によって保持されている比較対象のZスタック画像に対して、第1取得ステップSA1でカメラ21によって取得されたレジストレーション用画像を位置合わせするための変換パラメータを算出するレジストレーション処理が施される(レジストレーション処理ステップSA3)。
次に、画像処理部27により、第2取得ステップSA2でカメラ21によって取得された解析用画像に対して、レジストレーション処理ステップSA3で算出された変換パラメータが適用され、解析用画像が比較対象のZスタック画像の座標系に合わせ込まれる。ユーザは、位置合わせされたこれら解析用画像と比較対象のZスタック画像について、比較閲覧や解析を行う(画像解析ステップSA4)。
以上説明したように、本実施形態に係る顕微鏡システム1および標本観察方法によれば、処理時間が掛かるレジストレーション処理による変換パラメータの算出は、粗い距離間隔の第1ピッチで時間を掛けずに取得できるレジストレーション用画像を用いて行い、時間が掛かる細かい距離間隔の第2ピッチでの標本Sの複数の解析用画像の取得とレジストレーション処理とを並行して行うことで、時間が掛かる解析用画像の取得後にレジストレーション処理を行う従来と比較して、作業全体の所要時間を短縮することができる。
これにより、標本Sの画像を生成してサンプル間の比較や解剖学的領域ごとの解析を行う実験の処理能力を向上させることができる。また、画像処理部27により、比較対象のZスタック画像(基準となる比較対象物の情報)に解析用画像が位置合わせされるので、画像解析ステップSA4において、解析用画像を精度よく解析することができる。
ここで、本実施形態と従来との処理時間の差の一例を説明する。
例えば、標本SのZ方向の大きさを10mm、レジストレーション用画像を取得する第1ピッチの距離間隔を100μm、解析用画像を取得する第2ピッチの距離間隔を10μmとする。また、Zスタック画像を1枚取得するのに要する時間を3秒、レジストレーション処理に要する時間を60分、解析に要する時間を10分とする。この場合、レジストレーション用画像の取得には、3(秒)×(10(mm)/100(μm))/60(分)で5分要し、解析用画像の取得には、3(秒)×(10(mm)/10(μm))/60(分)で50分要することになる。
例えば、標本SのZ方向の大きさを10mm、レジストレーション用画像を取得する第1ピッチの距離間隔を100μm、解析用画像を取得する第2ピッチの距離間隔を10μmとする。また、Zスタック画像を1枚取得するのに要する時間を3秒、レジストレーション処理に要する時間を60分、解析に要する時間を10分とする。この場合、レジストレーション用画像の取得には、3(秒)×(10(mm)/100(μm))/60(分)で5分要し、解析用画像の取得には、3(秒)×(10(mm)/10(μm))/60(分)で50分要することになる。
解析用画像の取得後にレジストレーション処理を行う従来の画像処理システムおよび標本観察方法では、図9に示すように、解析用画像の取得に掛かる50分と、レジストレーション処理に掛かる60分と、解析に掛かる10分で、合計120分要する。
これに対し、解析用画像の取得とレジストレーション処理とを並行して行う本実施形態に係る顕微鏡システム1および標本観察方法では、図9に示すように、レジストレーション用画像の取得に掛かる5分と、解析用画像の取得に掛かる時間とレジストレーション処理に掛かる時間の長い方である60分と、解析に掛かる10分で、合計75分で済む。
したがって、この一例では、従来と比較して45分の短縮となる。
したがって、この一例では、従来と比較して45分の短縮となる。
本実施形態は以下のように変形することができる。
第1変形例としては、例えば、組織全体を染色する第1蛍光色素と、解析対象を染色する他の第2蛍光色素とで、標本Sを多重染色しておくこととしてもよい。そして、画像取得制御部23により蛍光顕微鏡3を制御し、第1取得ステップSA1でレジストレーション用画像を取得する場合は、第1蛍光色素を励起させる波長の励起光を標本Sに照射し、第2取得ステップSA2で解析用画像を取得する場合は、第2蛍光色素を励起させる波長の励起光を標本Sに照射させることとしてもよい。
第1変形例としては、例えば、組織全体を染色する第1蛍光色素と、解析対象を染色する他の第2蛍光色素とで、標本Sを多重染色しておくこととしてもよい。そして、画像取得制御部23により蛍光顕微鏡3を制御し、第1取得ステップSA1でレジストレーション用画像を取得する場合は、第1蛍光色素を励起させる波長の励起光を標本Sに照射し、第2取得ステップSA2で解析用画像を取得する場合は、第2蛍光色素を励起させる波長の励起光を標本Sに照射させることとしてもよい。
標本Sの組織全体を染色する蛍光色素としては、例えば、図10に示すようなPI(Propidium iodide)染色を用いることとし、標本Sの解析対象を染色する蛍光色素としては、例えば、図11に示すような神経活動に紐付かせたArc−dVenusを用いることとしてもよい。
また、レジストレーション用画像を取得する場合は、励起フィルタ11として、PI染色の蛍光色素を励起させる励起光を通過させる特性のものを設定し、ダイクロイックミラー17として、PI染色の蛍光色素を励起させる励起光を反射する一方、PI染色の波長を透過させる特性のものを設定し、蛍光フィルタ19として、PI染色の波長を通過させる特性のものを設定することとすればよい。そして、画像取得制御部23により、光源9からPI染色の蛍光色素を励起させる励起光を発生させて、標本SからのPI染色の波長に基づいてレジストレーション用画像を取得することとすればよい。
また、レジストレーション用画像を取得する場合は、励起フィルタ11として、Arc−dVenusの蛍光色素を励起させる励起光を通過させる特性のものを設定し、ダイクロイックミラー17として、Arc−dVenusの蛍光色素を励起させる励起光を反射する一方、Arc−dVenusの波長を透過させる特性のものを設定し、蛍光フィルタ19として、Arc−dVenusの波長を通過させる特性のものを設定することとすればよい。そして、画像取得制御部23により、光源9からArc−dVenusの蛍光色素を励起させる励起光を発生させて、標本SからのArc−dVenusの波長に基づいて解析用画像を取得することとすればよい。
このようにすることで、レジストレーション用画像を取得する場合と解析用画像を取得する場合とで無駄な励起光を標本Sに照射せずに済み、蛍光の褪色を抑えることができる。
第2変形例としては、画像取得制御部23により蛍光顕微鏡3を制御し、第2取得ステップSA2において、第1取得ステップSA1でレジストレーション用画像が既に取得されている標本Sの深さ位置の解析用画像の取得を省略することとしてもよい。そして、画像取得制御部23により、省略した深さ位置の解析用画像の代わりに、第1取得ステップSA1で取得した標本Sのその深さ位置のレジストレーション用画像を用いることとしてもよい。
このようにすることで、標本Sにおける同じ深さ位置の画像が重複して取得される無駄を省き、画像取得の所要時間を削減することができる。
第3変形例としては、画像取得制御部23によりレボルバ15を制御し、第1取得ステップSA1でレジストレーション用画像を取得する場合は低倍率の対物レンズ13を使用し、第2取得ステップSA2で解析用画像を取得する場合は、第1取得ステップSA1よりも高倍率の対物レンズ13を使用することとしてもよい。
また、第2取得ステップSA2で解析用画像を取得する場合は、画像取得制御部23により、標本Sにおける同一の深さ位置で第2ピッチごとに可動ステージ7をX方向およびY方向に移動させて、カメラ21によりX方向およびY方向に異なる複数の仮解析用画像を取得することとしてもよい。そして、画像処理部27により、高倍率の対物レンズ13を使って取得したX方向およびY方向に異なる複数の仮解析用画像を貼り合わせて、1枚の解析用画像を生成することとしてもよい。
このようにすることで、解析用にX方向およびY方向に分解能が高い解析用画像を生成することができる。この場合において、レジストレーション用画像は低倍率の対物レンズ13を使用することで、1度に広範囲が撮影されるので、仮解析用画像のように張り合わせる必要がない。したがって、レジストレーション用の画像取得の所要時間を削減し、全体の所要時間を短縮することができる。
なお、レジストレーション用画像を取得する場合も、例えば、標本Sが大きい場合などは、可動ステージ7をX方向およびY方向に移動させながら、X方向およびY方向に異なる複数の仮解析用画像を取得し、これらを貼り合わせて1枚のレジストレーション用画像を生成することとしてもよい。この場合、低倍率の対物レンズ13を使用することで、高倍率の対物レンズ13を使用して解析用画像を取得する場合よりも、1枚のレジストレーション用画像を生成するための画像の枚数が少なくて済む。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る顕微鏡システムおよび標本観察方法について説明する。
本実施形態に係る顕微鏡システム31は、図12に示すように、蛍光顕微鏡3に代えて、標本S上で励起光を走査させるガルバノスキャナ等のスキャナ(画像取得部、走査部)33を備えるレーザ走査型顕微鏡35を採用し、画像取得制御部(画像取得部)23が、解析用画像を取得する場合よりも少ない画素数でレジストレーション用画像を取得するようにレーザ走査型顕微鏡35を制御する点で第1実施形態と異なる。
以下、第1実施形態に係る顕微鏡システム1と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
次に、本発明の第2実施形態に係る顕微鏡システムおよび標本観察方法について説明する。
本実施形態に係る顕微鏡システム31は、図12に示すように、蛍光顕微鏡3に代えて、標本S上で励起光を走査させるガルバノスキャナ等のスキャナ(画像取得部、走査部)33を備えるレーザ走査型顕微鏡35を採用し、画像取得制御部(画像取得部)23が、解析用画像を取得する場合よりも少ない画素数でレジストレーション用画像を取得するようにレーザ走査型顕微鏡35を制御する点で第1実施形態と異なる。
以下、第1実施形態に係る顕微鏡システム1と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
レーザ走査型顕微鏡35は、光源9に代えてレーザ光を発生するレーザ光源37と、カメラ21に代えて光電子増倍管等の検出器(画像取得部)39とを備えている。検出器39とスキャナ33は、標本Sの2次元的な走査画像を生成する画像取得部を構成するようになっている。
画像取得制御部23は、第1実施形態と同様に、検出部39により、図2(a)に示すような粗い距離間隔の第1ピッチで複数のレジストレーション用画像を取得させるとともに、第1ピッチよりも細かい距離間隔の図2(b)に示すような第2ピッチで複数の解析用画像を取得させるようになっている。
また、画像取得制御部23は、スキャナ33と検出器39を制御し、例えば、第1取得ステップSA1ではレジストレーション用画像を256×256の画像サイズで取得し、第2取得ステップSA2では解析用画像を1024×1024の画像サイズで取得するようになっている。
画像の画素数により、スキャナ33によって1フレームを走査するのに掛かる時間が決まるので、本実施形態に係る顕微鏡システム31および標本観察方法によれば、解析用画像と比較して、画素数を減らす分だけレジストレーション用画像の取得に要する時間を削減して、全体の所要時間を短縮することができる。
本実施形態は以下のように変形することができる。
例えば、第1取得ステップSA1でレジストレーション用画像を取得する場合において、画像取得制御部23がスキャナ33と検出器39を制御して、1走査ライン以上間引いてレーザ光を走査させることとしてもよい。また、画像取得制御部23が、走査ラインを間引いた分の輝度情報を補間してレジストレーション用画像を構築することとしてもよい。
例えば、第1取得ステップSA1でレジストレーション用画像を取得する場合において、画像取得制御部23がスキャナ33と検出器39を制御して、1走査ライン以上間引いてレーザ光を走査させることとしてもよい。また、画像取得制御部23が、走査ラインを間引いた分の輝度情報を補間してレジストレーション用画像を構築することとしてもよい。
この場合、例えば、1,3,5,7・・・というように、奇数の走査ラインだけレーザ光を走査させ、偶数の走査ラインは奇数の走査ラインの輝度情報を使用してレジストレーション用画像を構築することとしてもよい。
また、画像取得制御部23は、解析用画像を取得する場合は間引かずに全走査ラインを走査させ、全走査ラインの輝度情報を使用して解析用画像を構築することとすればよい。
また、画像取得制御部23は、解析用画像を取得する場合は間引かずに全走査ラインを走査させ、全走査ラインの輝度情報を使用して解析用画像を構築することとすればよい。
このようにすることで、第1取得ステップSA1において走査ラインを間引く分だけレジストレーション用画像の取得に要する時間を削減し、全体の所要時間を短縮することができる。
なお、奇数の走査ラインに代えて偶数の走査ラインのみを走査させることとしてもよいし、2走査ライン以上間引いて走査させることとしてもよい。
なお、奇数の走査ラインに代えて偶数の走査ラインのみを走査させることとしてもよいし、2走査ライン以上間引いて走査させることとしてもよい。
本変形例においては、画像取得制御部23が、解析用画像を取得する場合よりも少ない画素数でレジストレーション用画像を取得することとしてもよいし、これら解析用画像とレジストレーション用画像とを互いに同じ画素数で取得することとしてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本発明を上記実施形態および変形例に適用したものに限定されることなく、これらの実施形態および変形例を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定されるものではない。
また、標本Sに対する基準となる比較対象物の情報として、3次元的なモデルを採用することとしてもよい。この場合、レジストレーション処理では、3次元的なモデルから複数の2次元的なZスタック画像を抽出して、これらに2次元的なレジストレーション用画像を位置合わせするための変換パラメータを算出することとしてもよい。また、複数の2次元的なレジストレーション用画像により3次元的なレジストレーション用画像を生成して、3次元的なレジストレーション用画像を3次元的なモデルに位置合わせするための変換パラメータを算出することとしてもよい。
1,31 顕微鏡システム
7 可動ステージ
13 対物レンズ
23 画像取得制御部(画像取得部)
21 カメラ(画像取得部)
27 画像処理部
33 スキャナ(画像取得部、走査部)
39 検出器(画像取得部)
S 標本
SA1 第1取得ステップ
SA2 第2取得ステップ
SA3 レジストレーション処理ステップ
SA4 画像解析ステップ
7 可動ステージ
13 対物レンズ
23 画像取得制御部(画像取得部)
21 カメラ(画像取得部)
27 画像処理部
33 スキャナ(画像取得部、走査部)
39 検出器(画像取得部)
S 標本
SA1 第1取得ステップ
SA2 第2取得ステップ
SA3 レジストレーション処理ステップ
SA4 画像解析ステップ
Claims (16)
- 所定の距離間隔の第1ピッチで標本の深さ方向に異なる複数のレジストレーション用画像を取得するとともに、前記第1ピッチよりも細かい距離間隔の第2ピッチで前記標本の深さ方向に異なる複数の解析用画像を取得する画像取得部と、
該画像取得部による前記解析用画像の取得と並行して、前記画像取得部により取得された前記レジストレーション用画像を前記標本に対する基準となる比較対象物の情報に位置合わせするための変換パラメータを算出するレジストレーション処理を施す画像処理部とを備える顕微鏡システム。 - 前記画像取得部が、前記標本の種類と該標本の種類に応じた前記第1ピッチの前記距離間隔とが対応付けられたテーブルに基づいて、前記レジストレーション用画像を取得する請求項1に記載の顕微鏡システム。
- 前記画像取得部が、前記レジストレーション用画像を取得する場合に所定の第1蛍光色素を励起させる波長の励起光を前記標本に照射し、前記解析用画像を取得する場合に前記所定の第1蛍光色素とは異なる所定の第2蛍光色素を励起させる波長の励起光を前記標本に照射する請求項1または請求項2に記載の顕微鏡システム。
- 前記画像取得部が、前記レジストレーション用画像が取得されている深さ位置の前記解析用画像の取得を省略し、省略した前記深さ位置の前記解析用画像の代わりにその深さ位置の前記レジストレーション用画像を用いる請求項1から請求項3のいずれかに記載の顕微鏡システム。
- 前記標本に照射される励起光の光路上に択一的に配置可能に設けられた倍率が異なる複数の対物レンズと、
前記標本が載置され、かつ、前記対物レンズの対物光軸に交差する方向に移動可能な可動ステージとを備え、
前記画像取得部が、前記レジストレーション用画像を取得する場合は、前記解析用画像を取得する場合よりも低倍率の前記対物レンズを使用し、前記解析用画像を取得する場合は、前記標本における同一の深さ位置で前記第2ピッチごとに前記可動ステージを移動させて、前記対物光軸に交差する方向に異なる複数の前記解析用画像を取得する請求項1から請求項4のいずれかに記載の顕微鏡システム。 - 前記標本上で励起光を走査させる走査部を備え、
前記画像取得部が、前記解析用画像を取得する場合よりも少ない画素数で前記レジストレーション用画像を取得する請求項1から請求項5のいずれかに記載の顕微鏡システム。 - 前記画像取得部が、前記レジストレーション用画像を取得する場合は、前記走査部により1走査ライン以上間引いて走査し、補間して前記レジストレーション用画像を構築する請求項6のいずれかに記載の顕微鏡システム。
- 前記標本上で励起光を走査させる走査部を備え、
前記画像取得部が、前記レジストレーション用画像を取得する場合は、前記走査部により1走査ライン以上間引いて走査し、補間して前記レジストレーション用画像を構築する請求項1から請求項5のいずれかに記載の顕微鏡システム。 - 所定の距離間隔の第1ピッチで標本の深さ方向に異なる複数のレジストレーション用画像を取得する第1取得ステップと、
前記第1ピッチよりも細かい距離間隔の第2ピッチで前記標本の深さ方向に異なる複数の解析用画像を取得する第2取得ステップと、
該第2取得ステップによる前記解析用画像の取得と並行して、前記第1取得ステップにより取得された前記レジストレーション用画像を前記標本に対する基準となる比較対象物の情報に位置合わせするための変換パラメータを算出するレジストレーション処理を施すレジストレーション処理ステップとを含む標本観察方法。 - 前記第1取得ステップが、前記標本の種類と該標本の種類に応じた前記第1ピッチの前記距離間隔とが対応付けられたテーブルに基づいて、前記レジストレーション用画像を取得する請求項9に記載の標本観察方法。
- 前記第1取得ステップが、所定の第1蛍光色素を励起させる波長の励起光を前記標本に照射し、
前記第2取得ステップが、前記所定の第1蛍光色素とは異なる所定の第2蛍光色素を励起させる波長の励起光を前記標本に照射する請求項9または請求項10に記載の標本観察方法。 - 前記第2取得ステップが、前記第1取得ステップにより前記レジストレーション用画像が取得されている深さ位置の前記解析用画像の取得を省略し、省略した前記深さ位置の前記解析用画像の代わりにその深さ位置の前記レジストレーション用画像を用いる請求項9から請求項11のいずれかに記載の標本観察方法。
- 前記第1取得ステップが、前記第2取得ステップよりも低倍率の対物レンズを用いて前記レジストレーション用画像を取得し、
前記第2取得ステップが、前記標本における同一の深さ位置で前記第2ピッチごとに前記対物レンズの光軸に交差する方向に異なる複数の前記解析用画像を取得する請求項9から請求項12のいずれかに記載の標本観察方法。 - 前記第1取得ステップが、前記標本上で励起光を走査させて、前記第2取得ステップにより前記解析用画像を取得する場合よりも少ない画素数で前記レジストレーション用画像を取得する請求項9から請求項13のいずれかに記載の標本観察方法。
- 前記第1取得ステップが、前記標本上で励起光を1走査ライン以上間引いて走査し、補間して前記レジストレーション用画像を構築する請求項9から請求項14のいずれかに記載の標本観察方法。
- 前記レジストレーション処理ステップにより算出された前記変換パラメータに基づいて、前記第2取得ステップにより取得された前記解析用画像を変換して解析する画像解析ステップを含む請求項9から請求項15のいずれかに記載の標本観察方法。
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CN113125434A (zh) * | 2019-12-31 | 2021-07-16 | 深圳迈瑞生物医疗电子股份有限公司 | 图像分析系统和控制拍摄样本图像的方法 |
-
2016
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