JP2018080544A - ガスハイドレート回収装置およびガスハイドレート回収方法 - Google Patents

ガスハイドレート回収装置およびガスハイドレート回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガスハイドレートを効率的に回収するガスハイドレート回収装置およびガスハイドレート回収方法を提供する。
【解決手段】塊状のガスハイドレートmと土砂とを水底2の水とともにガス化タンク5の中に供給して、塊状のガスハイドレートmと土砂とを比重差により分離させて、ガス化タンク5の内部のガスgを取り出して回収して、ガス化タンク5に形成される排出口12から土砂を外部に排出するとともに、排出口12の近傍からガス化タンク5の内部に向かって水を噴射して排出口12の近傍に堆積する土砂を除去する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガスハイドレートを融解してメタン等のガスを外部に取り出して回収することを目的に水底の塊状のガスハイドレートを水底の水とともに揚収して回収するガスハイドレート回収装置およびガスハイドレート回収方法に関するものであり、詳しくはガスハイドレートを効率的に回収するガスハイドレート回収装置およびガスハイドレート回収方法に関するものである。
海底や湖の底(以下、水底ということがある)に存在するメタンガスハイドレートを回収するガスハイドレート回収装置が種々提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1は、水底の水とともに塊状のガスハイドレートを水上設備に移動させて、塊状のガスハイドレートを融解させて発生したガスを回収するガスハイドレート回収装置を提案する。セパレータでは、回収した塊状のガスハイドレートと表層水を混合させて、ガスハイドレートの融解にともない発生したガスを回収していた。
セパレータには塊状のガスハイドレートとともに水底の土砂が流れ込む。この土砂がセパレータの底部に堆積して、セパレータの底部に形成されている通路が閉塞してしまう不具合が生じる。セパレータの底部の通路が土砂で閉塞する度に、ガスハイドレートの回収作業を中断してセパレータの内部の清掃等を行なわなくてはならないことが予想される。そのためガスハイドレートの回収を長時間連続して行なうことが困難になる。
またセパレータの中に土砂が堆積することにより、セパレータの容量が圧迫されてしまっていた。これによりセパレータに供給できるスラリーの流量が制限され、ガスハイドレートの回収を効率的に行なえない不具合が予想される。
特開2015−31097号公報
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的はガスハイドレートを効率的に回収するガスハイドレート回収装置およびガスハイドレート回収方法を提供することである。
上記の目的を達成するためのガスハイドレート回収装置は、水底の水とともに前記水底から採取された塊状のガスハイドレートを回収するガス化タンクを備えるガスハイドレート回収装置において、前記ガス化タンクが、前記水底の水とともに塊状の前記ガスハイドレートを前記ガス化タンクの内部に導く供給口と、前記ガス化タンクの中のガスを外部に取り出すガス回収部と、前記ガス化タンクの底部に配置されていて前記水底の水とともに回収される土砂を外部に排出する排出口と、この排出口の近傍に設置されていて前記ガス化タンクの内部から前記排出口に至る流れの方向に対して逆方向に水を噴射する噴射機構とを備えることを特徴とする。
上記の目的を達成するためのガスハイドレート回収方法は、水底の水とともに前記水底
から塊状のガスハイドレートをガス化タンクに回収して、塊状の前記ガスハイドレートの融解により発生したガスを回収するガス回収方法において、塊状の前記ガスハイドレートと土砂とを前記水底の水とともにガス化タンクの中に供給する供給工程と、塊状の前記ガスハイドレートと前記土砂とを比重差により分離させる分離工程と、前記ガス化タンクの内部のガスを外部に取り出して回収する回収工程と、前記分離工程で分離する前記土砂を前記ガス化タンクに形成される排出口から前記ガス化タンクの外部に排出する排出工程と、前記排出口の近傍から前記ガス化タンクの内部に向かって水を噴射して、前記排出口の近傍に堆積する前記土砂を除去する閉塞防止工程とを備えることを特徴とする。
本発明のガスハイドレート回収装置およびガスハイドレート回収方法によれば、ガス化タンクの中の排出口が土砂の堆積により閉塞することを抑制できる。ガスハイドレートの回収作業が中断される不具合を回避できるので、ガスハイドレートを効率的に回収するには有利である。
本発明のガスハイドレート回収装置を例示する説明図である。 図1のガス化タンクを例示する説明図である。 図2のガス化タンクをAA矢視で例示する説明図である。 図2のガス化タンクの変形例を例示する説明図である。 図4のガス化タンクの変形例を例示する説明図である。 図5のガス化タンクの変形例を例示する説明図である。
以下、本発明のガスハイドレート回収装置およびガスハイドレート回収方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1に例示するように本発明のガスハイドレート回収装置1は、海や湖の底である水底2に存在するメタンガスハイドレートmを掘削して塊状のガスハイドレートmを捕集する掘削機構3と、掘削機構3で捕集されたガスハイドレートmを水底2の近傍から上方に向かって搬送するライザー管4とを備えている。
掘削機構3は、例えばドリルビットや水中重機で構成することができる。掘削機構3の構成はこれに限らず、水底2を掘削して塊状のガスハイドレートmをライザー管4の下端の回収口4aに送る構成を有していればよい。
ライザー管4は、例えば上下方向に延在する筒状体で構成することができる。ライザー管4の下端の回収口4aは水底2の近傍に配置される。
ライザー管4の上端はガス化タンク5に直接または間接に連結されている。水面近傍に配置される船舶や浮体等の構造物6にガス化タンク5は設置される。ガス化タンク5が設置される構造物6は水面近傍に配置される船舶等に限らず、陸上の建造物や水中に配置される浮体等で構成してもよい。
ガス化タンク5は塊状のガスハイドレートmをガス化する機能を有している。ガス化タンク5は、内部のガスgを外部に取り出すガス回収部7と、ガス回収部7に一端を連結されるガス供給ライン8とを備えている。ガス供給ライン8の他端にはガスgを貯留する貯留タンクやガスgを輸送する装置やガスgを消費地まで搬送するパイプラインを連結することができる。ガス供給ライン8に連続的にガスgを供給するために、ガス化タンク5が所定量以上のガスハイドレートmを貯留する機能を有していてもよい。
ガス化タンク5には水底2に向かって延設される排出管9が直接または間接に連結されている。排出管9は例えば筒状体で構成されていて、下端部9aは水底2の近傍に配置されている。本明細書において水底近傍とは水底2から上方に10m程度までの領域をいう。水底近傍の範囲は上記に限らず適宜設定することができる。水底近傍の範囲は、例えば水底2から上方に2mまでの範囲としてもよく、水底2から上方に50mまでの範囲としてもよい。
水底2で掘削機構3により掘削され捕集される塊状のガスハイドレートmは、ライザー管4の下端の回収口4aに送られる。ガスハイドレートmはメタンガス等のガス資源を内包していて比較的比重が小さいため、浮力によりライザー管4の中を上方に移動していく。
水面に近づくほど水圧が小さくなり温度が高くなるため、ライザー管4の中を上昇するガスハイドレートmが融解して、ガスgの気泡を発生させることがある。ライザー管4の上端に近づくほど気泡の量が増えるので、ライザー管4の中の流体の密度は上端に近いほど小さくなる。
ライザー管4の回収口4aと上端との比重差が大きくなるので、この比重差によりライザー管4の中に上昇流が発生する。いわゆるエアリフトポンプと同様の効果が発生する。この上昇流により塊状のガスハイドレートmとともに水底2の近傍の水や土砂(以下、スラリーと総称することがある)がライザー管4により吸い上げられて、ガス化タンク5に回収される。ライザー管4にポンプ等の動力源を設置したり、ライザー管4の内部に気体を吹き込んで気泡を発生させたりして、ライザー管4の中に上昇流を能動的に発生させる構成にしてもよい。
ライザー管4の内部に気体を吹き込む場合には、ガス化タンク5またはガス供給ライン8からメタン等のガスgを回収して、このガスgをライザー管4の内部に供給するガスリフト機構を設置することが望ましい。このガスリフト機構によりガス供給ライン8を経由して回収されるガスgに空気など他の気体が混ざらないため、回収されるガスgの品質を一定に維持し易くなる。また燃焼や爆発などの災害を回避することができる。
またガスリフト機構がライザー管4の途中部分であって水深が300mよりも浅く300mを含む位置からガスgを供給する構成にすることが望ましい。ライザー管4の内部に供給するガスgがガスハイドレートを再生成してしまう不具合を回避するには有利である。ライザー管4の内壁面に再生成したガスハイドレートが付着して、流路を閉塞させたり、上昇流を妨げたりする不具合を回避することができる。
またライザー管4の内部に供給するガスgを水底近傍で吹き込むよりもガスgを低圧にすることができる。吹き込むガスgが低圧となるため、ライザー管4の内部でガスgの気泡が過剰に大きくなり揚収を妨げることを回避できる。
ガスハイドレートmが存在する水底2は、例えば水深400m以上であり水底2の水の水温は5℃以下となる。これに対して船舶等の構造物6に設置されるガス化タンク5の周囲は例えば20℃程度となる。水底2に比べてガス化タンク5の中の温度は比較的高くなるため、ガス化タンク5の中ではガスハイドレートmが融解してガスgが発生する。またライザー管4の中を流れる途中でガスハイドレートmの融解により発生するガスgがガス化タンク5に回収される。
ガス化タンク5の中のメタン等のガスgは、ガス回収部7からガス化タンク5の外部と
なるガス供給ライン8に取り出される。ガス回収部7は例えばガス化タンク5の内部から外部へのみガスの移動を可能とする逆止弁で構成することができる。
ガス化タンク5の内部の土砂は排出管9を介して外部に排出される。そのためガス化タンク5の内部に土砂が堆積することを抑制できる。ガス化タンク5の内部に土砂が堆積して閉塞させたり、土砂の堆積によりガス化タンク5の容量が圧迫されることを抑制できるので、ガス化タンク5の長時間の連続運転が可能となる。ガスハイドレートmを効率的に融解させるには有利である。本明細書において土砂とは、水底2からガスハイドレートmとともに回収される礫や砂泥などの固体をいう。
ガス化タンク5の内部に土砂が堆積し難いため、ライザー管4によるガスハイドレートmの揚収が長時間連続して行われ、ガス化タンク5でのガス化と並行して排出管9による土砂の排出を連続的に行なうことができる。つまりガスハイドレートmの回収を長時間連続して行なうことが可能となる。
本発明においてガス化タンク5に塊状のガスハイドレートmを供給する構成はライザー管4に限定されない。ガス化タンク5に水底2の塊状のガスハイドレートmを供給できる構成を有していればよく、例えばバケットなどで構成してもよい。
図2および図3に例示するようにガス化タンク5は、水平方向の長辺の長さに比べて上下方向の長さが短く設定されている横型タンクで構成されている。なお図中ではガス化タンク5の内部におけるスラリーの流れる流れ方向を矢印x、この流れ方向xと水平面内で交差する交差方向を矢印y、上下方向を矢印zで示している。図2および図3の実施形態ではガス化タンク5の流れ方向xの長さが長辺となり、交差方向yの長さが短辺となる。
ガス化タンク5は水底2の水とともに塊状のガスハイドレートmをガス化タンク5の内部に導く供給口10を有している。供給口10はガス化タンク5の側面の比較的上方となる位置に形成されている。供給口10はガス化タンク5の中の水の平均水位WLよりも高い位置に形成されることが望ましい。
ガス化タンク5の内部であって供給口10の延長線上に、バッフル板11を設置してもよい。バッフル板11は、供給口10からガス化タンク5の内部に供給されるスラリーおよびガスハイドレートmが衝突可能な位置に設置されている。
ガス化タンク5は、ガス化タンク5の内部のガスgを外部に取り出すガス回収部7を有している。ガス回収部7はガス化タンク5の例えば上面に形成されている。
ガス化タンク5は、ガス化タンク5の内部の水や底部に堆積する土砂を外部に排出する排出口12を有している。排出口12はガス化タンク5の底面に形成されている。この排出口12には排出管9が連結されている。排出口12から排出される水の流量を調整することにより、ガス化タンク5の内部の水の水位を調整する構成にしてもよい。
図2に例示するようにガス化タンク5は、底面に形成されていて流れ方向xに沿って下り傾斜となる第一傾斜部13を有している。第一傾斜部13の下端近傍に排出口12が配置されている。図3に例示するようにガス化タンク5は、側面に形成されていて交差方向yにおいて排出口12に向かって下り傾斜となる第二傾斜部14を有している。
第一傾斜部13および第二傾斜部14は、ガス化タンク5の内部の土砂を堆積させることなく排出口12に導き易くする構成を有している。本発明において第一傾斜部13および第二傾斜部14は必須要件ではない。ガス化タンク5の底面や側面を湾曲した曲面など
他の形状に構成してもよい。
図2に例示するようにガス化タンク5に、ガス化タンク5の内部のガスハイドレートmに熱を供給する加熱機構15を設置してもよい。この実施形態では加熱機構15は、ガス化タンク5の側面に形成されていて内部の水を回収して外部に取り出す取水口16と、取水口16で回収する水を加熱する加熱器17と、加熱器17で加熱される水をガス化タンク5の中の上部から供給するノズル部18とを有している。取水口16とノズル部18とを連通する配管の途中にはポンプを設置してもよい。
この実施形態では加熱器17はガス化タンク5の外部に設置されているが、本発明はこの構成に限定されない。加熱器17をガス化タンク5の内部に設置して、取水口16で回収する水を加熱してノズル部18に供給する構成にしてもよい。
本明細書において、ガス化タンク5の中の上部とは、ガス化タンク5の内部であって平均水位WLの上方となる位置をいう。ノズル部18はガス化タンク5の内部であって水没しない位置に設置されている。
取水口16の近傍には塊状のガスハイドレートmなどの固体の流入を阻止するためのスクリーン19を設置してもよい。スクリーン19は固体の通過を阻止しつつ、水を通過させる構成を有していればよい。例えば金網などで構成することができる。
加熱器17は例えば電気の供給により通過する水を加熱するヒータや、比較的温度の高い表層水を熱媒として循環させることにより配管内を通過する水を加熱する熱交換器等で構成することができる。加熱器17の構成は上記に限らず、取水口16で回収した水を加熱できる構成を有していればよい。
ノズル部18は、例えば配管に複数の開口部を形成してこの開口部から加熱された水をガス化タンク5の中の上方から下方に向かって供給する構成を有している。ノズル部18が一つの開口部のみを有する構成にしてもよい。この実施形態ではガス化タンク5の内部に流れ方向に沿って互いに間隔をあけた状態で複数のノズル部18が配置されている。加熱器17から各ノズル部18に至る配管にはそれぞれ流量制御弁20が設置されている。
ノズル部18の開口部の延長線上にバッフル板を設置する構成にしてもよい。ノズル部18の開口部から供給される加熱された水は、バッフル板に衝突して液滴の大きさが小さくなった状態でガス化タンク5の内部の水面に落下する。この構成によりガス化タンク5の内部における水の上下方向zの動きを比較的緩慢にすることができる。
ガス化タンク5の内部における水の上下方向zの動きを緩慢にすることにより、水中のガスハイドレートmを水面に浮上させ易くなる。つまり比重差によるガスハイドレートmの分離を促進することができる。具体的には比重0.91、直径1mm以上のガスハイドレートmの浮上を促すために、ガス化タンク5の上下方向zの流速が毎秒1cm以下となる状態とすることが望ましい。
ノズル部18の開口部の延長線上に配置されるバッフル板は、例えば平板、穴あき板、羽板(ルーバー)または金網等で構成することができる。ノズル部18が複数の開口部を有する場合には、全ての開口部から供給される加熱された水がバッフル板に衝突可能な状態に、バッフル板を配置することが望ましい。
加熱機構15の構成は上記に限らない。各ノズル部18に至る配管にそれぞれ加熱器17を設置する構成にしてもよい。つまりノズル部18ごとに供給する水の温度を変更できる構成にしてもよい。またガス化タンク5に設置するノズル部18を一つとしてもよい。
ガス化タンク5の内部における塊状のガスハイドレートmの状態を監視する監視機構21をガス化タンク5に設置する構成にしてもよい。監視機構21は例えばガス化タンク5の内部に設置されるカメラと、このカメラで取得する画像を処理する画像処理機で構成することができる。この監視機構21は、ガス化タンク5の内部で水に浮いている塊状のガスハイドレートmの位置や大きさや分布を測定することができる。
監視機構21は上記の構成に限らず、流れ方向xおよび交差方向yにおけるガスハイドレートmの位置や大きさを測定できる構成を有していればよい。監視機構21は例えばガス化タンク5の内部に設置されガスハイドレートmに向かってレーザ光を照射して距離を測定するレーザスキャナや、超音波により距離を測定する超音波測定装置や、ガス化タンク5の外部に設置してX線によりガスハイドレートmの位置等を測定するX線機器で構成することができる。
監視機構21から得られるガスハイドレートmの状態に応じて、流量制御弁20を制御する制御機構22をガス化タンク5に設置する構成にしてもよい。流量制御弁20の開度を制御することにより、あるノズル部18から噴射される温水の流量を増加させたり、他のノズル部から噴射される温水の流量を減少させたりすることができる。
また監視機構21から得られるガスハイドレートmの状態に応じて、加熱器17により温水の温度を調整してもよい。監視機構21から得られるガスハイドレートmの状態に応じて、流量制御弁20と加熱器17とをともに制御することで、ノズル部18から噴射される温水の流量と温度とを制御することができる。制御機構22は、監視機構21および流量制御弁20と有線または無線の信号線で接続されている。図2において説明のため信号線を一点鎖線で示している。
本発明において監視機構21と制御機構22とは必須要件ではない。ガス化タンク5に監視機構21と制御機構22とを設置しない構成にしてもよい。
ガス化タンク5の底面に設置されていて、排出口12に向かって水流を発生させる第一噴射機構23をガス化タンク5が備える構成にしてもよい。ガス化タンク5が第一傾斜部13を有している場合には、この第一傾斜部13の上端の近傍に第一噴射機構23を設置することができる。第一噴射機構23は噴射する水が排出口12に向かう水流を発生させる構成を有していればよく、例えばガス化タンク5の底面から上方に移動させた位置に設置してもよい。ガス化タンク5に設置する第一噴射機構23の数は、一つでもよく複数でもよい。
ガス化タンク5の排出口12の近傍に、排出口12とは逆方向に向かって水流を発生させる第二噴射機構24をガス化タンク5が備える構成にしてもよい。第二噴射機構24は例えば上方に向かって水流を発生させる状態にガス化タンク5の底面に設置することができる。ガス化タンク5に設置する第二噴射機構24の数は、一つでもよく複数でもよい。
第一噴射機構23および第二噴射機構24は、例えば取水口16から回収される水を噴射することができる。第一噴射機構23および第二噴射機構24と取水口16とを連通する配管の途中にポンプを設置してもよい。第一噴射機構23および第二噴射機構24は、周囲の水を取り込んで噴射する構成にしてもよい。なお図2および図3において第一噴射機構23および第二噴射機構による水の噴射方向を説明のため白抜き矢印で示している。
排出管9の途中部分にスラリーポンプ25を設置する構成にしてもよい。このスラリー
ポンプ25により、ガス化タンク5の内部の土砂を水とともに外部に排出し易くなる。ガス化タンク5の内部の水および土砂を排出管9により水底2に戻すことができる。水底2から回収する水および土砂を水底2に戻すことができるので、土砂等の移動による水中環境の変化を抑制するには有利である。
ガスハイドレート回収装置1によりガスハイドレートmを回収する際には、まず水底2の水と塊状のガスハイドレートmと土砂とからなるスラリーが供給口10からガス化タンク5の中に供給される(供給工程)。
バッフル板11が設置されている場合には、塊状のガスハイドレートmがバッフル板11と衝突する。バッフル板11に衝突させることにより、塊状のガスハイドレートmを破壊させて小さくすることができる。これによりガスハイドレートmが融解し易くなる。
またスラリーをバッフル板11に衝突させることにより、ガスハイドレートmがガス化タンク5の中に広がるので、融解させ易くなる。スラリーはバッフル板11に衝突して液滴の大きさが小さくなった状態でガス化タンク5の内部の水面に落下する。そのためガス化タンク5の内部における水の上下方向zの動きを比較的緩慢にすることができる。
ガス化タンク5の中に供給されるスラリーは比重差により分離される(分離工程)。ガスハイドレートmは水よりも比重が小さいため、水面近傍に浮上していく。ガス化タンク5の内部ではスラリーの供給により流れ方向xに沿って流れが発生する。そのため水面に浮上したガスハイドレートmは供給口10から遠い位置に集まり易くなる。図2においてガスハイドレートmは、図2の右方に集まり易くなる。
土砂は水より比重が大きいためガス化タンク5の底部に沈殿していく。ガス化タンク5が第一傾斜部13または第二傾斜部14の少なくとも一方を備えている場合には、土砂は排出口12に向かって移動していく。
ガス化タンク5の中の水は取水口16から加熱器17に送られる。加熱器17で加熱された水はノズル部18から水面に浮上したガスハイドレートmに噴射される。ガスハイドレートmは加熱された水により融解して水とガスgとに分解される(融解工程)。
ガスハイドレートmはガス化タンク5の中で水面に浮上した状態で存在し、上部から供給される水により融解する。上部から供給される水およびガスハイドレートmの周囲の水からガスハイドレートmの融解にともない熱が奪われるものの、水面に浮いているガスハイドレートmよりも低い位置にある取水口16から水が回収されるため、ガスハイドレートmとの熱交換が終了した水を取水することができる。つまり加熱機構15はガス化タンク5の中の水の全量を加熱する必要がなく、ガスハイドレートmおよびガスハイドレートmが存在する周囲の水のみを加熱しつつ循環させて使用する。そのためガスハイドレートmを融解させる際の熱効率を向上することができる。
加熱機構15は、ガス化タンク5の中の水を循環させる構成であり、表層水など外部の水を利用しない構成である。そのため水底2の水に表層水などが混ざることを回避できる。微生物の移動など水底2の環境変化を抑制するには有利である。
ガスハイドレート回収装置1が複数のノズル部18と流量制御弁20とを有している場合には、流量制御弁20の制御により、ガス化タンク5の中において加熱された水を供給する位置を調整することができる。ガスハイドレートmは供給口10から流れ方向xに沿って移動するため、供給口10から遠い位置ほど水面に浮かぶガスハイドレートmの量が多くなる。
そのため例えば流れ方向xに沿って供給口10から遠い位置に設置されるノズル部18ほど噴射する水の量が多くなる状態に制御することができる。ガス化タンク5の内部の流れ方向xにおける位置ごとに供給する熱の量を調整できるので、ガスハイドレートmを効率的に融解させるには有利である。
ガスハイドレート回収装置1が制御機構22を備えている場合には、例えば所定時間経過ごとに各ノズル部18から噴射する水の量を変更する制御を制御機構22により行なうことができる。また水底2の掘削機構3による掘削状況に応じて制御機構22により噴射する水の量を調整する構成にしてもよい。
具体的には掘削機構3により回収するガスハイドレートmの量がそれほど多くないときはノズル部18から噴射する水の量を抑制して、回収するガスハイドレートmの量が増えるに応じて噴射する水の量を増加させる制御を行なってもよい。ガス化タンク5の内部における熱効率を向上するには有利である。
ガスハイドレート回収装置1が監視機構21を備えている場合には、ガス化タンク5の内部のガスハイドレートmの分布状態等に応じて、ノズル部18から供給する水の流量を適宜変更することができる。つまりガスハイドレートmの分布状態等に応じて、供給する熱量の分布を適宜変更することができる。例えば水面に浮かぶガスハイドレートmの量が多い場所に加熱された水を多く噴射する制御を行なうことができる。ガスハイドレートmの融解を効率的に行なうにはさらに有利である。
ガスハイドレート回収装置1が各ノズル部18に至る配管にそれぞれ配置される複数の加熱器17を備えている場合には、ノズル部18ごとに供給する水の温度を適宜変更することができる。ガス化タンク5の内部に供給する熱量の分布を制御することができるので、ガスハイドレートmの融解を効率的に行なうことができる。ノズル部18から供給される水の流量と温度の両方を制御してもよく、一方を制御する構成にしてもよい。
ガス化タンク5の内部のガスgはガス回収部7から回収される(回収工程)。このガスgは、ガス化タンク5の中で融解するガスハイドレートmから発生するガスgの他に、ライザー管4の途中部分でガスハイドレートmが融解して発生するガスgも含まれる。またスラリーの水の中に溶解していたガスgが、ガス化タンク5の内部で時間の経過とともに気相側に移動したものも含まれる。
ガス化タンク5の内部で沈殿する土砂は水とともに排出口12から外部に排出される(排出工程)。排出口12には例えば開閉バルブを設置することができる。ガス化タンク5は排出口12を備えているため、土砂がガス化タンク5の中に堆積して閉塞等を引き起こす不具合を回避できる。土砂の排出は連続的に行なってもよく、間欠的に行なってもよい。例えば所定時間ごとに排出口12の開放と閉止とを切り替える構成にすることができる。
ガス化タンク5が第一傾斜部13または第二傾斜部14の少なくとも一方を備えている場合には、土砂はガス化タンク5の底部に堆積する際に排出口12の近傍まで移動するため、土砂を効率的に排出口12から排出することができる。土砂による閉塞等を回避するには有利である。
ガス化タンク5が第一噴射機構23を備えている場合には、第一噴射機構23から水を噴射することにより底面に堆積する土砂を排出口12まで強制的に移動させることができる。第一噴射機構23による水の噴射は連続的に行なってもよく、間欠的に行なってもよ
い。ガス化タンク5の内部における土砂の堆積を抑制するには有利である。土砂を取り除くための清掃等がほとんど不要となるため、ガスハイドレート回収装置1を長時間連続して運転することが可能となる。
ガス化タンク5が第二噴射機構24を備えている場合には、第二噴射機構24から水を噴射することにより排出口12の近傍に堆積する土砂を取り除くことができる(閉塞防止工程)。第二噴射機構24による水の噴射は連続的に行なってもよく、間欠的に行なってもよい。排出口12が土砂で閉塞する不具合を抑制するには有利である。
また第二噴射機構24から噴射される水が上方に向かって噴射される構成である場合には、ガス化タンク5の中のスラリーを撹拌することができる。例えば周囲の水を冷やして再凍結するとともに互いに集合して大きな塊となったガスハイドレートmを撹拌により破砕することができる。ガスハイドレートmが細かく破砕されることにより表面積が多くなるため、ガスハイドレートmを効率的に融解させるには有利である。
排出管9に設置されるスラリーポンプ25の回転方向を制御機構22により制御する構成にしてもよい。つまり制御機構22により、スラリーポンプ25の回転方向である正転と逆転とを切り替える構成にすることができる。土砂を排出する際にはスラリーポンプ25を正転させて、排出口12から排出管9に向かう流れをスラリーポンプ25により実現する(正転制御)。
これに対してスラリーポンプ25の回転方向を逆転させると、排出管9からガス化タンク5に向かって水が流れる(逆転制御)。この流れにより第二噴射機構24と同様に、排出口12に堆積した土砂を取り除いたり、ガス化タンク5の中のスラリーを撹拌することができる(閉塞防止工程)。
ガス化タンク5の内部における土砂の状態を監視する土砂監視機構26をガス化タンク5に設置する構成にしてもよい。土砂監視機構26は例えばガス化タンク5の底面に設置されるカメラと、このカメラで取得する画像を処理する画像処理機で構成することができる。この土砂監視機構26は、ガス化タンク5の底面に堆積している土砂の位置や量や分布を測定することができる。
土砂監視機構26は上記の構成に限らず、ガス化タンク5の底面における土砂の堆積量などを測定できる構成を有していればよい。土砂監視機構26は例えばガス化タンク5の底面に設置され土砂に向かってレーザ光を照射して距離を測定するレーザスキャナや、ガス化タンク5の外部に設置してX線により土砂の位置等を測定するX線機器で構成することができる。土砂監視機構26はガスハイドレートmの状態を測定する監視機構21と共用してもよい。つまり監視機構21でガスハイドレートmの状態および土砂の状態の両方を測定する構成にしてもよい。
土砂監視機構26から得られる土砂の状態に応じて、第一噴射機構23または第二噴射機構24の少なくとも一方の水の噴射および噴射の停止を制御する土砂制御機構27をガス化タンク5に設置する構成にしてもよい。土砂の堆積量が所定以上になったときに土砂制御機構27が、例えば第一噴射機構23から水を噴射させて、土砂を積極的に排出口12に移動させる構成にすることができる。
排出口12における土砂の堆積が土砂監視機構26により測定された場合には、土砂制御機構27が第二噴射機構24から水を噴射させて排出口12の近傍の土砂を除去することができる。スラリーポンプ25の回転方向の制御を、土砂監視機構26から得られる土砂の状態に応じて土砂制御機構27が制御する構成にしてもよい。
土砂の状態に応じて第一噴射機構23等を制御するので、ガス化タンク5の内部から外部に土砂を効率的に排出し易くなる。また排出口12が土砂により閉塞する不具合を回避するには有利である。
土砂制御機構27は、土砂監視機構26と第一噴射機構23と第二噴射機構24とスラリーポンプ25と、有線または無線の信号線で接続されている。図2において説明のため信号線を一点鎖線で示している。
土砂制御機構27は制御機構22と共用してもよい。つまり制御機構22で流量制御弁20等と第一噴射機構23等を制御する構成にしてもよい。
本発明において土砂監視機構26と土砂制御機構27とは必須要件ではない。ガス化タンク5に土砂監視機構26と土砂制御機構27を設置しない構成にしてもよい。
図4に例示するようにガス化タンク5の底部に、土砂に含まれる礫の通過を阻止する礫せき止め板28を設置する構成にしてもよい。礫せき止め板28はガス化タンク5の底部から上方に立設されている。
この実施形態ではガス化タンク5は、礫せき止め板28により通過を阻止される礫をガス化タンク5の外部に排出する第一排出口12aと、この第一排出口12aと排出管9との間の管路の途中に設置されるスラリーポンプ25aとを有している。供給口10と礫せき止め板28との間に位置する底面には、第一排出口12aに向かって下り傾斜となる第一傾斜部13が形成されている。
ガス化タンク5は、礫せき止め板28を通過する砂泥をガス化タンク5の外部に排出する第二排出口12bと、この第二排出口12bと排出管9との間の管路の途中に設置されるスラリーポンプ25bとを有している。礫せき止め板28と第二排出口12bとの間に位置する底面には、第二排出口12bに向かって下り傾斜となる第一傾斜部13が形成されている。礫せき止め板28および排出口12の設置数は上記に限定されない。複数の礫せき止め板28や複数の排出口12をガス化タンク5に設置する構成にしてもよい。複数の排出口12が設置される場合には、各排出口12に向かってそれぞれ下り傾斜となる複数の第一傾斜部13が形成される構成にしてもよい。
本明細書において礫とは粒径が2mm以上の破砕物をいい、砂泥とは粒径が2mmより小さい破砕物をいう。そのため礫せき止め板28は、例えば目開きが2mmの金網で構成することができる。礫せき止め板28の目開きの大きさは適宜変更することができる。例えば目開きが1mmの金網で構成してもよい。
この構成によれば第一排出口12aからは粒径が2mm以上の礫が排出され(礫処理工程)、第二排出口12bからは粒径が2mmより小さい砂泥のみが排出される(砂泥処理工程)。第一排出口12aおよび第二排出口12bを通過するそれぞれのスラリーの性状が安定するため、それぞれに対応するスラリーポンプ25a、25bを最適化し易くなる。ガス化タンク5の内部から土砂を効率的に排出するには有利である。なお礫処理工程と砂泥処理工程とは互いに独立する状態で行うことができる。
礫せき止め板28の設置により、ガス化タンク5の内部における水の揺動を抑制してスロッシングの発生を抑制できる。スロッシングの抑制にともない、ガス化タンク5の中の上下方向zの水の動きを比較的緩慢にすることができる。ガス化タンク5の強度を補強する部材として礫せき止め板28を利用することができる。
ガス化タンク5の内部の圧力が所定以上になったときに内部のガスを外部に放出する安全弁29を設置する構成にしてもよい。安全弁29はガス化タンク5の上面または上面の近傍に設置することができる。スラリーとともに大量のガスが供給口10からガス化タンク5の内部に供給される不具合が発生した場合であっても、ガス化タンク5の内部の圧力を安全弁29により下げることができる。ガス化タンク5の破損等を回避するには有利である。
加熱機構15は、例えばガス化タンク5の外周面に設置するジャケット15aで構成してもよい。ジャケット15aによりガス化タンク5の内部のスラリーを加熱することができる。ジャケット15aがガス化タンク5の内周面に設置される構成にしてもよい。ノズル部18を有する加熱機構15とジャケット15aとを組み合わせて設置する構成にしてもよい。ノズル部18を有する加熱機構15でガスハイドレートmを効果的に融解させつつ、ジャケット15aによりガスハイドレートmがガス化タンク5の内壁面に付着して氷を成長させる不具合の発生を抑制することができる。
ジャケット15aは、表層水などの熱媒を循環させる構成にすることができる。ジャケット15aを電気の供給により昇温するヒータで構成してもよい。
図5に例示するようにガス化タンク5を水平方向の長さに比べて上下方向zの長さが長く設定されている縦型タンクで構成してもよい。この実施形態ではガス化タンク5の上部が円筒形状に形成され、下部が下方に向かって直径が小さくなる円錐台形に形成されている。この構成によればガス化タンク5の底面全体が傾斜部で構成されるため、土砂の堆積を抑制するには有利である。
ガス化タンク5を縦型タンクで構成する場合であっても排出口12の近傍に第二噴射機構24を設置することができる。排出管9の閉塞を抑制するには有利である。この実施形態では二つの第二噴射機構24がガス化タンク5の底面であり、排出口12の近傍に配置されている。
この実施形態では水平方向における水の移動を阻止する消波板30が、供給口10の下方に配置されている。消波板30は例えば上下方向zに延在して、平面視で格子状に組み合わされる板状部材で構成することができる。消波板30は例えば多孔板や金網など水は通過できるが、波の衝撃を緩和できる構造にしてもよい。ガス化タンク5の内部における水の揺動を抑制することができるので、波により揺動し易い船舶にガス化タンク5が設置される場合であっても、ガスハイドレートmや土砂の比重差による分離を安定的に行なうことができる。また比較的大型な構造物となるガス化タンク5の強度を消波板30により補強することができる。
平均水位WLは消波板30の上端より上方となる状態に維持される。そのため水に浮くガスハイドレートmは供給口10から離れた位置に流れて集合する。このガスハイドレートmが集合する位置の上方には一つのノズル部18が配置されている。このノズル部18が複数配置される構成にしてもよい。
ガス回収部7からガスgを取り出す際に、ガス化タンク5の内部の圧力が外部の圧力(大気圧)よりも高い状態に維持することが望ましい。ガス化タンク5の内部に大気が流入して、ガスgに空気等が混合してガスgの品質が不安定になることを抑制するには有利である。
図6に例示するようにガス化タンク5を二つの縦型タンクで構成してもよい。この実施
形態ではガス化タンク5が、分離部5aを構成するタンクと融解部5bを構成するタンクとからなる。分離部5aはスラリーが供給される供給口10と、外部に土砂を排出する排出口12とを有している。分離部5aに消波板30を設置してもよい。
融解部5bは加熱機構15を構成する取水口16と加熱器17とノズル部18とを有している。融解部5bの上面には、内部で発生したガスgを外部に取り出すガス回収部7が配置されている。融解部5bは、分離部5aで分離しきれなかった土砂を沈殿させて外部に排出する排出口12を底面に有していてもよい。水底2からのガスハイドレートmの回収が短時間途絶えた場合でも、ガス供給ライン8へガスgを連続的に供給するために、所定量以上のガスハイドレートmを貯留可能な大きさに融解部5bを構成してもよい。つまりガスハイドレートmを貯留する機能を融解部5bが有する構成にしてもよい。図6の実施形態において分離部5aと融解部5bとの各排出口12の近傍に第二噴射機構24を設置してもよい。
分離部5aと融解部5bとの間にはオーバーフロー管31が配置されている。オーバーフロー管31は、一端が分離部5aの平均水位WLの近傍に連結され、他端が融解部5bの平均水位WLよりも上方に連結されている。オーバーフロー管31は、分離部5aの側の端部の方が、融解部5bの側の端部よりも高い位置となる状態に配置されていて、分離部5aにおけるオーバーフローによりガスハイドレートmが融解部5bに流れ込む構成を有している。例えば分離部5aと融解部5bとのそれぞれの排出口12から排出される水の流量を調整することにより、分離部5aと融解部5bとのそれぞれの水位を調整する構成にしてもよい。
分離部5aでは供給口10から供給されるスラリーを比重差で分離する構成を有している。分離部5aで水面に浮いたガスハイドレートmは水とともに、オーバーフロー管31を経由して融解部5bに移動する。供給口10から供給されるスラリーの流れにより、ガスハイドレートmは分離部5aからオーバーフロー管31に移動していく。
スクレーパ等で機械的に分離部5aからオーバーフロー管31にガスハイドレートmを移動させる構成にしてもよい。分離部5aにおいてもスラリーに溶解していたガスgやガスハイドレートmの融解により発生するガスgが上部に溜まるため、上面にガス回収部7を形成することが望ましい。
ガスハイドレートmとともに融解部5bに移動する水は、取水口16から回収され加熱されてノズル部18からガスハイドレートmに噴射される。取水口16とノズル部18とを連通する配管の途中にはポンプを設置してもよい。
融解部5bを分離部5aと異なるタンクで構成したため、ノズル部18から供給される水の熱が、分離部5aのスラリーに移動することがない。加熱機構15から供給される熱を効率よくガスハイドレートmに付与するには有利である。
一つのガス化タンク5の内部に上下方向に延在する隔離壁を配置して、分離部5aと融解部5bとに分離する構成にしてもよい。この場合、隔離壁には分離部5aから融解部5bにガスハイドレートmが移動するための開口部を形成することができる。また分離部5aと融解部5bとの底面にそれぞれ排出口12を配置して、各排出口12から排出される水の流量を調整することにより、分離部5aと融解部5bとの水位を調整する構成にしてもよい。この構成により分離部5aの水位を上昇させて隔離壁の上部から融解部5bにオーバーフローさせて、ガスハイドレートmを融解部5bに移動させることができる。
1 ガスハイドレート回収装置
2 水底
3 掘削機構
4 ライザー管
4a 回収口
5 ガス化タンク
5a 分離部
5b 融解部
6 構造物
7 ガス回収部
8 ガス供給ライン
9 排出管
9a 下端部
10 供給口
11 バッフル板
12 排出口
12a 第一排出口
12b 第二排出口
13 第一傾斜部
14 第二傾斜部
15 加熱機構
15a ジャケット
16 取水口
17 加熱器
18 ノズル部
19 スクリーン
20 流量制御弁
21 監視機構
22 制御機構
23 第一噴射機構
24 第二噴射機構
25 スラリーポンプ
25a スラリーポンプ
25b スラリーポンプ
26 土砂監視機構
27 土砂制御機構
28 礫せき止め板
29 安全弁
30 消波板
31 オーバーフロー管
m ガスハイドレート
g ガス
x 流れ方向
y 交差方向
z 上下方向
WL 平均水位

Claims (9)

  1. 水底の水とともに前記水底から採取された塊状のガスハイドレートを回収するガス化タンクを備えるガスハイドレート回収装置において、
    前記ガス化タンクが、前記水底の水とともに塊状の前記ガスハイドレートを前記ガス化タンクの内部に導く供給口と、前記ガス化タンクの中のガスを外部に取り出すガス回収部と、前記ガス化タンクの底部に配置されていて前記水底の水とともに回収される土砂を外部に排出する排出口と、この排出口の近傍に設置されていて前記ガス化タンクの内部から前記排出口に至る流れの方向に対して逆方向に水を噴射する噴射機構とを備えることを特徴とするガスハイドレート回収装置。
  2. 前記排出口に向かって水を噴射する構成を有していて前記噴射機構とは異なる噴射機構を備える請求項1に記載のガスハイドレート回収装置。
  3. 前記排出口に連結されて前記ガス化タンクの外部に延設される排出管と、この排出管の途中部分に設置されるスラリーポンプと、このスラリーポンプの回転方向を制御する土砂制御機構とを備えていて、
    前記土砂制御機構が、前記ガス化タンクの内部の流体を外部に移動させる方向に前記スラリーポンプを回転させる正転制御と、前記排出管の内部の流体を前記ガス化タンクに移動させる方向に前記スラリーポンプを回転させる逆転制御とを切り替える構成を備える請求項1または2に記載のガスハイドレート回収装置。
  4. 前記ガス化タンクの前記底部に設置され前記土砂のうち所定の大きさ以上のものの通過を阻止する礫せき止め板と、この礫せき止め板で通過を阻止される礫を前記ガス化タンクの外部に排出する第一排出口と、前記礫せき止め板を通過する砂泥を前記ガス化タンクの外部に排出する第二排出口とを備える請求項1〜3のいずれかに記載のガスハイドレート回収装置。
  5. 前記ガス化タンクの前記底部における前記土砂の状態を監視する土砂監視機構と、この土砂監視機構から得られる前記土砂の状態に応じて前記噴射機構を制御する土砂制御機構とを備える請求項1〜4のいずれかに記載のガスハイドレート回収装置。
  6. 前記ガス化タンクが水平方向の長さに比べて上下方向の長さの方が長く設定されている縦型タンクで構成される請求項1に記載のガスハイドレート回収装置。
  7. 水底の水とともに前記水底から塊状のガスハイドレートをガス化タンクに回収して、塊状の前記ガスハイドレートの融解により発生したガスを回収するガス回収方法において、
    塊状の前記ガスハイドレートと土砂とを前記水底の水とともにガス化タンクの中に供給する供給工程と、
    塊状の前記ガスハイドレートと前記土砂とを比重差により分離させる分離工程と、
    前記ガス化タンクの内部のガスを外部に取り出して回収する回収工程と、
    前記分離工程で分離する前記土砂を前記ガス化タンクに形成される排出口から前記ガス化タンクの外部に排出する排出工程と、
    前記排出口の近傍から前記ガス化タンクの内部に向かって水を噴射して、前記排出口の近傍に堆積する前記土砂を除去する閉塞防止工程とを備えることを特徴とするガス回収方法。
  8. 前記排出工程で、前記ガス化タンクの底部に堆積する前記土砂に水を噴射して、前記排出口に前記土砂を移動させる請求項7に記載のガス回収方法。
  9. 前記土砂のうち所定の大きさ以上のものの通過を阻止する礫せき止め板を前記ガス化タンクの前記底部に設置して、
    前記排出工程が、前記礫せき止め板で通過を阻止される礫を前記ガス化タンクの外部に排出する礫処理工程と、前記礫せき止め板を通過する砂泥を前記ガス化タンクの外部に排出する砂泥処理工程とを互いに独立する状態で行う請求項7または8に記載のガス回収方法。
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