JP2018080495A - アンカー固定金具 - Google Patents
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Abstract
【課題】アンカーの向きに限定されることなく、アンカー材をアンカー孔の中心部に固定することを可能とした、アンカー固定金具を提案する。【解決手段】アンカー材2に装着されて、アンカー材2をアンカー孔11に固定するアンカー固定金具4であって、アンカー材2の外径以下の挿通孔40を有する本体部41と、アンカー孔11の内壁面に係止可能となるように本体部41から張り出す羽根状の係止部42とを備えており、挿通孔40の拡径が可能となるようにスリット45が形成されている。【選択図】図3
Description
本発明は、あと施工アンカーをアンカー孔内に固定するためのアンカー固定金具に関する。
既設構造物の耐震補強、補修または増設工事等では、コンクリート構造物に植設したあと施工アンカーを利用する場合がある。あと施工アンカーは、既設構造物にアンカー孔を削孔した後、このアンカー孔内にアンカー材を挿入するとともに充填材を充填することにより施工する。
あと施工アンカーと既設構造物との一体化を図るためには、アンカー材がアンカー孔に対して偏心したり傾斜したりすることがなく、かつ、アンカー材の外面と孔壁の内面との間に充填材が介設されるようにアンカー孔の中心部にアンカー材を挿入するのが望ましい。
そのため、特許文献1には、アンカー材を挿通する内径の貫通孔を中心部に有し、先端側の外径がアンカー孔の内径よりも小さく、後端側の外径がアンカー孔の内径よりも大きな固定部材が開示されている。アンカー材の基端部に固定部材を装着しておけば、固定部材の先端部分がアンカー孔の孔口に挿入された状態でアンカー孔の孔口に固定部材が係止されるため、アンカー材の基端部をアンカー孔の中心部に固定することができる。
また、特許文献2には、先端部に拡張部が形成されたアンカー材をアンカー孔に挿入した状態で、当該拡張部を拡張させることで、アンカー材をアンカー孔に固定する固定方法が開示されている。このアンカー材の基端部をアンカー孔の孔口において固定すれば、より確実にアンカー材を所望の位置に配置することができる。
特許文献1の固定部材は、アンカー材の基端部のみを固定しているため、アンカー材がアンカー孔の内部において傾斜してしまうおそれがある。また、横向きや上向きのあと施工アンカーの場合には、重力によりアンカー材が傾斜するおそれがある。そのため、より確実に施工を行うためには、アンカー材を保持するための治具が別途必要となる。
特許文献2のアンカー材は、先端部に拡張部が形成された複雑な構造なため、製造コストが高くなり、全体工事費の低減化の妨げになってしまう。
特許文献2のアンカー材は、先端部に拡張部が形成された複雑な構造なため、製造コストが高くなり、全体工事費の低減化の妨げになってしまう。
このような観点から、本発明は、アンカー孔の向きに限定されることなく、簡易かつ安価にアンカー材をアンカー孔の中心部に固定することを可能とした、アンカー固定金具を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、アンカー材に装着されて、前記アンカー材をアンカー孔に固定するアンカー固定金具である。このようなアンカー固定金具は、アンカー材を挿通可能な挿通孔と、前記アンカー孔の内壁面に係止可能な係止部とが形成されていることを特徴としている。
かかるアンカー固定金具は、アンカー孔内において係止部がアンカー孔の内壁面に係止されることで、アンカー材をアンカー孔の所定の位置(中心付近)に固定することができる。また、複数のアンカー固定金具をアンカー材に装着しておくか、アンカー固定金具に加えて孔口においてアンカー材の基端部を固定すれば、アンカー材がアンカー孔に対して傾斜することを防止できる。そのため、アンカー固定金具によりアンカー材が固定(仮止め)され、充填材が固化するまでの間にアンカー材が傾斜したり抜け落ちたりすることが無く、ひいては、高品質施工が可能となる。また、アンカー固定金具は、簡易な構成なため、製造コストが安く、経済的である。
なお、アンカー固定金具に、前記挿通孔の拡径が可能となるように、スリットが形成されているのが望ましい。このようにすれば、挿通孔の内径がアンカー材の外径以下である場合や、アンカー材が外面に凹凸を有した異形鉄筋等からなる場合であっても、挿通孔を拡径させることでアンカー材の所望の位置にアンカー固定金具を装着することができる。
また、前記アンカー固定金具は、中央部に前記挿通孔が形成された本体部と、前記本体部の外縁部から前記挿通孔と反対側に延びる係止部とを備えているのが望ましい。かかるアンカー固定金具によれば、本体部とアンカー孔の孔壁との間に形成された隙間を利用して、アンカー孔内へのグラウト等の充填材の充填を簡易かつ確実の行うことができる。
前記本体部が、前記アンカー材の外面に対して交差する方向に沿った面を有する環状の第一片と、前記アンカー材の外面に沿った面を有する第二片とが一体に形成されてなるものであれば、アンカー材に装着する際や、加工時(製造時)等において本体部に必要な強度(断面寸法)を確保できる。
前記第一片の高さが異形鉄筋からなる前記アンカー材の横節の高さ以下であり、前記第二片の長さが前記横節同士の間隔以下であるのが望ましい。かかるアンカー固定金具によれば、第二片が横節同士の間に係合されるため、より確実にアンカー材を固定することができる。また、本体部が横節よりも外側(孔壁側)に突出しないため、アンカー固定金具によって充填材の充填性が低下することもない。
異形鉄筋からなる前記アンカー材の縦節の形状に応じて一対の凹溝が前記本体部に形成されていれば、アンカー固定金具がアンカー材の周方向に対して回転することを防止することができ、アンカー材の固定度がより高くなる。
なお、アンカー固定金具は、4つの前記係止部が前記本体部から放射状に張り出しており、前記4つの係止部のうちの2つは、前記凹溝の外側に形成されているのが望ましい。このアンカー固定金具によれば、凹溝を形成することにより部材厚や幅が小さくなる部分に係止部が形成されているため、必要な部材厚や幅を確保することができ、ひいてはアンカー固定金具として必要な強度を確保することができる。
本発明のアンカー固定金具によれば、アンカー孔の向きに限定されることなく、アンカー孔の中心部にアンカー材を固定することを可能となる。
本実施形態では、一例として、図1に示すように、既設のコンクリート部材1に対して、上向き(鉛直)にアンカー材2を設置する場合について説明する。アンカー材2は、コンクリート部材1を上向きに形成されたアンカー孔11内に挿入する。アンカー材2とアンカー孔11との隙間には、無収縮モルタル等の充填材3を充填する。なお、充填材3を構成する材料は限定されるものではなく、例えばグラウト等の無機系材料、エポキシ樹脂等の発泡樹脂、または、アクリルやウレタン等であってもよい。
アンカー孔11は、断面円形に形成されている(図3(c)参照)。アンカー孔11の内径および長さ(深さ)は、アンカー材2の寸法(鉄筋径や長さ等)に応じて適宜決定する。また、アンカー孔11の向きは、アンカー材2の設置方向に応じて適宜決定される。また、アンカー孔11の断面形状は円形に限定されるものではなく、例えば、矩形であってもよい。さらに、本実施形態のアンカー孔11は有底であるが、アンカー孔11はコンクリート部材1を貫通していてもよい。
本実施形態のアンカー材2は、異形鉄筋により構成されている。アンカー材2は、アンカー材2に装着されたアンカー固定金具4によりアンカー孔11内に係止されるとともに、アンカー孔11内に充填された充填材3が硬化することで、コンクリート部材1に一体に固定される。なお、アンカー材2を構成する材料は異形鉄筋に限定されるものではなく、例えば、鋼棒、ネジ鉄筋、鋼より線等を使用してもよい。また、アンカー材2の向きは上向きに限定されるものではなく、例えば、横向きや下向きであってもよい。さらに、アンカー材2(アンカー孔11)は、鉛直または水平に対して傾斜していてもよい。
アンカー材2の基端部(図1において下端部)の外面にはネジ加工が施されていて、ナット5の螺合が可能となっている。なお、アンカー材2の基端部のネジ加工は必要に応じて行えばよい。例えば、ナット5を使用しない場合には、アンカー材2のネジ加工は省略してもよい。
アンカー固定金具4は、アンカー材2に装着する。アンカー固定金具4が装着されたアンカー材2は、アンカー固定金具4を介してアンカー孔11に固定される。本実施形態では、一例として、アンカー材2の上部(先端部)と下部(基端部)に1個ずつ(計2個の)アンカー固定金具4を装着する。なお、1本のアンカー材2に装着されるアンカー固定金具4の数は限定されるものではなく、例えば、3個以上装着してもよい。
図2(a)〜(c)に示すように、アンカー固定金具4は、本体部41と、アンカー孔11の内壁面に係止される係止部42とを備えている。本実施形態のアンカー固定金具4は、例えば、0.3〜0.7mm厚、好ましくは0.5mm厚の特殊鋼のバネ板を加工することにより形成されている。なお、アンカー固定金具4を構成する材料および板厚は限定されるものではない。例えば、アンカー固定金具4を鋼板により形成してもよいし、金属板以外の板材により構成してもよい。また、アンカー固定金具4を構成する板材の厚みは、当該板材の強度等に応じて適宜決定すればよい。
本体部41は、第一片43と第二片44とが一体に形成されていることにより、断面視L字状を呈している。
第一片43は、図2(a)または(b)に示すように、環状の板状部分である。第一片43の中央部には、挿通孔40が形成されている。本実施形態の第一片43の板面は、挿通孔40の径方向と平行(アンカー材2の外面に対して直角)である。第一片43の高さは、横節21の高さ以下である。すなわち、第一片43は、図3(b)に示すように、アンカー固定金具4をアンカー材2に装着した状態で、第一片43の端面が横節21の先端よりも外側に突出することのないように形成されている。なお、第一片43の高さは限定されるものではなく、アンカー孔11内において第一片43の端面とアンカー孔11の内壁面との間に充填材3を充填することが可能な隙間を確保できるように形成されていればよい。また、第一片43は、必ずしも、アンカー材2の外面に対して直角な板面を有している必要はなく、挿通孔40の径方向に対して傾斜した面(アンカー材2の外面に対して交差する方向に沿った面)を有する円錐台状部材であってもよい。
第一片43は、図2(a)または(b)に示すように、環状の板状部分である。第一片43の中央部には、挿通孔40が形成されている。本実施形態の第一片43の板面は、挿通孔40の径方向と平行(アンカー材2の外面に対して直角)である。第一片43の高さは、横節21の高さ以下である。すなわち、第一片43は、図3(b)に示すように、アンカー固定金具4をアンカー材2に装着した状態で、第一片43の端面が横節21の先端よりも外側に突出することのないように形成されている。なお、第一片43の高さは限定されるものではなく、アンカー孔11内において第一片43の端面とアンカー孔11の内壁面との間に充填材3を充填することが可能な隙間を確保できるように形成されていればよい。また、第一片43は、必ずしも、アンカー材2の外面に対して直角な板面を有している必要はなく、挿通孔40の径方向に対して傾斜した面(アンカー材2の外面に対して交差する方向に沿った面)を有する円錐台状部材であってもよい。
第二片44は、第一片43の一方の面からアンカー材2の外面に沿って延びる筒状部分である。すなわち、第二片44は、第一片43の板面から、アンカー材2の軸方向に沿って延設されている。本実施形態では、第一片43と第二片44との内角が略90°となるように形成されているが、第一片43と第二片44との角度は限定されるものではない。筒状の第二片44は、アンカー材2の外径以下の内径(挿通孔40)を有している。第二片44は、アンカー材2の横節(アンカー材2の周方向に沿って形成された節)21同士の間隔以下の長さ(図2(b)において左右方向の大きさ)を有している。すなわち、アンカー固定金具4は、図3(b)に示すように、アンカー材2に装着する際に、横節21同士の間に収まるような形状を有している。なお、第二片44の長さは限定されるものではなく、適宜決定すればよい。また、本実施形態では、アンカー材2の縦節22の一方(図3(b)において上側)に配設された横節21と縦節22の反対側(図3(b)において下側)に配設された横節21とが、アンカー材2の軸方向にずれた位置に形成されているが、異形鉄筋の節の形状はこれに限定されるものではない。
係止部42は、図2(c)に示すように、第一片43(本体部41)の外縁から外向き(挿通孔40と反対側)に放射状に張り出すように形成(延設)された羽根状部材である。本実施形態では、4つの係止部42が第一片43の端面に沿って等間隔に形成されている。すなわち、本実施形態のアンカー固定金具4は、第二片44を挟んで対向する一対の係止部42を二組備えている。二組のうちの一方の一対の係止部42は、他方の一対の係止部42よりも大きな幅(周方向の長さ)を有している。
係止部42の先端から、挿通孔40の中心軸の延長線までの距離は、アンカー孔11の半径よりも大きい。すなわち、対向する一対の係止部42の先端同士の離隔距離は、アンカー孔11の直径よりも大きい。各係止部42は、矩形状を呈していて、その先端の角部は弧状に面取り加工が施されている。なお、係止部42の形状は限定されるものではなく、例えば、三角形状であってもよいし、先端部に角部を有していてもよい。また、全ての係止部42が同じ形状を有していてもよい。また、係止部42の数は限定されるものではない。さらに、係止部42には、必要に応じて貫通孔が形成されていてもよい。当該貫通孔は、例えば、充填材3を充填する際の注入管またはエア抜き管を挿通する際に使用すればよい。
アンカー固定金具4には、スリット45が形成されていて、第二片44の拡径が可能に構成されている。スリット45は、4つの係止部42のうちの1つを二分するように形成されている。なお、スリット45は、本体部41の拡径が可能となるように形成されていればよく、必ずしも係止部42の位置に対応して形成する必要はない。
本体部41には、一対の凹溝46が形成されている。凹溝46は、異形鉄筋からなるアンカー材2の縦節(異形鉄筋の軸方向に沿って延びるように形成された節)22の形状に応じて、縦節22を収納可能な形状を有している。本実施形態の凹溝46は、本体部41の一部を切欠くことにより形成されている。すなわち、第一片43および第二片44は、凹溝46により、間欠的なリングまたは筒を呈している。一対の凹溝46は、二組のうちの一方の一対の係止部42(幅が太い係止部42)の内側に形成されている。すなわち、4つの係止部42のうちの2つの係止部42は、凹溝46の外側から張り出している。当該係止部42は、凹溝46の幅よりも大きな幅を有していて、本体部41の切欠き部分に横架されている。係止部42の位置に対応して凹溝46が形成されているため、凹溝46の周囲に十分な幅(第一片43の高さ以上の幅)を確保することができる。そのため、凹溝46の形成箇所が弱部となって、アンカー固定金具4を製造する際等に破損が生じることを防止することができる。
アンカー固定金具4の製造は、以下の手順により行う。まず、図4(a)に示すように、平板(バネ板)から所定の形状の板材4aを切り出す。板材4aの中央部には、アンカー材2の外径よりも小さな内径の挿通孔40aが形成されている。また、板材4aには、所定の位置に係止部42および凹溝46が形成されている。なお、切り出された状態の板材4aは、図4(b)に示すように、平板である。
次に、図4(c)に示すように、板材4aの挿通孔40aの縁部分をプレス曲げ加工によりL字状に折り曲げることで、第二片44を形成する。
そして、図4(d)に示すように、第一片43の外縁において第二片44を形成した際とは反対側に係止部42をプレス曲げ加工により折り曲げることで、アンカー固定金具4が形成される。
そして、図4(d)に示すように、第一片43の外縁において第二片44を形成した際とは反対側に係止部42をプレス曲げ加工により折り曲げることで、アンカー固定金具4が形成される。
アンカー固定金具4をアンカー材2に装着する際には、図3(a)に示すように、スリット45の幅を広げることでアンカー固定金具4(本体部41)を拡径させるとともに、第二片44の挿通孔40にアンカー材2を挿入する。そして、アンカー固定金具4をアンカー材2の軸方向に沿って所定の位置まで移動させたら、スリット45の拡幅を解除し、アンカー固定金具4(本体部41)を縮径させる。こうすることで、アンカー固定金具4は、図3(b)および(c)に示すように、第二片44がアンカー材2の外面に密着して、アンカー材2に装着される。このとき、アンカー固定金具4を、アンカー材2の軸方向に沿って互い違いに配設された前後の横節21同士の間に装着することで、前後方向のずれが防止されている。また、アンカー固定金具4の凹溝46に縦節22が入り込むようにアンカー固定金具4を装着することで、アンカー固定金具4がアンカー材2に対して回転することが防止されている。
アンカー材2は、アンカー固定金具4を装着した状態で、アンカー孔11に挿入する。アンカー材2をアンカー孔11に挿入したら、アンカー孔11の内壁面とアンカー材2の外面との間に形成された隙間を充填材3により充填する(図1参照)。なお、充填材3は、アンカー材2を挿入する前に、予めアンカー孔11内に注入しておいてもよい。
本実施形態のアンカー固定金具4によれば、アンカー材2をアンカー孔11内に固定するため、充填材3が固化するまでにアンカー材2がアンカー孔11内でずれることやアンカー孔11から落下することを防止できる。アンカー固定金具4は、均等に配設された4つの係止部42がアンカー孔11の内壁面に係止されるため、アンカー材2をアンカー孔11の中心部に配置する。
アンカー固定金具4は、簡易な構成で、かつ、比較的に容易に製造することが可能なため、安価である。
アンカー固定金具4は、簡易な構成で、かつ、比較的に容易に製造することが可能なため、安価である。
また、本実施形態では、アンカー材2の軸方向に沿って2つのアンカー固定金具4が配設されているため、アンカー材2がアンカー孔11に対して傾斜することが防止されている。そのため、上向きにアンカー材2を設置する場合であっても、高品質に施工することができる。
また、アンカー材2は、アンカー固定金具4によって、アンカー孔11のほぼ中心に配置されるため、アンカー材2の周囲には充填材3が均等に行き渡り、高品質施工が可能となる。
また、アンカー材2は、アンカー固定金具4によって、アンカー孔11のほぼ中心に配置されるため、アンカー材2の周囲には充填材3が均等に行き渡り、高品質施工が可能となる。
また、係止部42は、アンカー材2の先端から基端に向うに従ってアンカー材2から離れるように傾斜しているため、挿入時に係止部42が孔壁に食い込んでアンカー材2の挿入を妨げることがなく、かつ、挿入後はアンカー孔11の孔口に向うに従って広がるように形成された係止部42が孔壁に食い込むことでアンカー材2の抜け出しが防止される。
アンカー固定金具4は、横節21および縦節22に係合されるため、アンカー材2をアンカー孔11内に挿入する際や、充填材3を注入する際にずれることが無い。そのため、アンカー材2をアンカー孔11内に確実に固定することができる。また、第一片43は、アンカー材2の横節21から突出しない高さに形成されているため、第一片43が充填材3の充填を妨げることはない。
以上、本発明の実施形態について説明したが本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、本体部41の一部を切欠くことにより凹溝46が形成されている場合について説明したが、凹溝46は、図5(a)および(b)に示すように、本体部41に形成された窪みであってもよく、凹溝46の形状は限定されるものではない。また、凹溝46は、必ずしも係止部42の内側に形成されている必要はなく、例えば、図5(a)および(b)に示すように、隣り合う係止部42同士の中間付近に形成されていてもよい。さらに、凹溝46は、アンカー材を構成する材料によっては省略してもよい。
例えば、前記実施形態では、本体部41の一部を切欠くことにより凹溝46が形成されている場合について説明したが、凹溝46は、図5(a)および(b)に示すように、本体部41に形成された窪みであってもよく、凹溝46の形状は限定されるものではない。また、凹溝46は、必ずしも係止部42の内側に形成されている必要はなく、例えば、図5(a)および(b)に示すように、隣り合う係止部42同士の中間付近に形成されていてもよい。さらに、凹溝46は、アンカー材を構成する材料によっては省略してもよい。
また、前記実施形態では、本体部41が第一片43と第二片44とにより断面視L字状に形成されている場合について説明したが、本体部41には必ずしも断面L字状である必要はない。例えば、図5(a)および(b)に示すように、筒状の本体部41(第二片44)の一方の端部に係止部42が直接形成されていてもよい。また、図5(c)および(d)に示すように、本体部41が環状に形成された板材(第一片43)のみにより構成されていてもよい。
前記実施形態では、アンカー固定金具4が4つの係止部42を有している場合について説明したが、係止部42の数は限定されるものではない。例えば、図6(a)に示すように、係止部42は1つであってもよい。この場合には、図6(a)および(b)に示すように、3つ以上のアンカー固定金具4を利用して、各アンカー固定金具4の係止部42が異なる位置になるように配置する必要がある。また、図7(a)および(b)に示すように、係止部42が2つ形成されたアンカー固定金具4を利用する場合には、アンカー固定金具4を2つ以上利用する必要がある。
また、アンカー固定金具4は、アンカー材2を挿通可能な挿通孔40と、アンカー孔11の内壁面に係止可能な係止部42とを備えたものであれば、その構成は限定されるものではない。例えば、図8(a)および(b)に示すように、挿通孔40が形成された矩形状や三角形状の板材であってもよい。かかるアンカー固定金具4は、板材の角部を係止部42として、アンカー孔11の内壁面に係止させることで、アンカー材2を固定する。
また、前記実施形態では、本体部41にスリット45を形成しておき、本体部41を拡径させることでアンカー固定金具4をアンカー材2に装着する場合について説明したが、スリット45は必要に応じて形成すればよい。例えば、アンカー固定金具4を可撓性の材料により形成し、図8(b)および(d)に示すように、アンカー材2の外径よりも小さな直径の挿通孔40にアンカー材2を圧入することで、アンカー材2にアンカー固定金具4を装着するようにしてもよい。この場合において、挿通孔40の周囲に予め切り込み47を入れておけば、挿通孔40にアンカー材2を挿入しやすい。
アンカー固定金具4に形成された複数の係止部42は、必ずしもアンカー孔11の孔口に向うに従って広がるように傾斜している必要はない。
前記実施形態では、1枚の板材を加工することによりアンカー固定金具4を形成する場合について説明したが、アンカー固定金具4は複数の部材を組み合わせることにより形成してもよく、その製造方法は限定されるものではない。
前記実施形態では、1枚の板材を加工することによりアンカー固定金具4を形成する場合について説明したが、アンカー固定金具4は複数の部材を組み合わせることにより形成してもよく、その製造方法は限定されるものではない。
1 コンクリート部材
11 アンカー孔
2 アンカー材
21 横節
22 縦節
3 充填材
4 アンカー固定金具
40 挿通孔
41 本体部
42 係止部
43 第一片
44 第二片
45 スリット
46 凹溝
11 アンカー孔
2 アンカー材
21 横節
22 縦節
3 充填材
4 アンカー固定金具
40 挿通孔
41 本体部
42 係止部
43 第一片
44 第二片
45 スリット
46 凹溝
Claims (7)
- アンカー材に装着されて、前記アンカー材をアンカー孔に固定するアンカー固定金具であって、
前記アンカー材を挿通可能な挿通孔と、前記アンカー孔の内壁面に係止可能な係止部とが形成されていることを特徴とする、アンカー固定金具。 - 前記挿通孔の拡径が可能となるように、スリットが形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のアンカー固定金具。
- 中央部に前記挿通孔が形成された本体部と、前記本体部の外縁部から前記挿通孔と反対側に延びる係止部とを備えていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のアンカー固定金具。
- 前記本体部が、前記アンカー材の外面に対して交差する方向に沿った面を有する環状の第一片と、前記アンカー材の外面に沿った面を有する第二片とが一体に形成されてなることを特徴とする、請求項3に記載のアンカー固定金具。
- 前記第一片の高さは、異形鉄筋からなる前記アンカー材の横節の高さ以下であり、
前記第二片の長さは、前記横節同士の間隔以下であることを特徴とする、請求項4に記載のアンカー固定金具。 - 異形鉄筋からなる前記アンカー材の縦節の形状に応じて一対の凹溝が前記本体部に形成されていることを特徴とする、請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載のアンカー固定金具。
- 4つの前記係止部が前記本体部から放射状に張り出しており、
前記4つの係止部のうちの2つは、前記凹溝の外側に形成されていることを特徴とする、請求項6に記載のアンカー固定金具。
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Cited By (2)
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JP2020105894A (ja) * | 2018-12-27 | 2020-07-09 | コスモケミカル株式会社 | 視線誘導装置 |
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2016
- 2016-11-16 JP JP2016222884A patent/JP2018080495A/ja active Pending
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