JP2018080211A - 熱可塑性樹脂フィルム、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法及び液晶表示装置 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルム、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、高いリターデーション値を有し、波長分散性が抑制された熱可塑性樹脂フィルムとその製造方法と、熱可塑性樹脂フィルムを具備した液晶表示装置を提供することである。
【解決手段】本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、主樹脂として酸素原子含有率が35質量%以下である熱可塑性樹脂と、芳香族基含有率が30質量%以上であるポリエステル系添加剤を含有する熱可塑性樹脂フィルムであって、フィルム中における前記主樹脂の配向度fが、0.1〜0.5の範囲内に調整されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂フィルムとその製造方法、及びそれを用いた液晶表示装置に関する。更に詳しくは、ポリエステル系添加剤を用い、高い位相差と、波長分散性を抑制した熱可塑性樹脂フィルムとその製造方法、及びそれを用いた液晶表示装置に関する。
セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン等の樹脂フィルムが光学用として知られており、主に液晶表示装置用の光学補償フィルムに用いられている。その中でも、セルロースエステルを含有する熱可塑性樹脂フィルム(以下、単にセルロースエステルフィルムともいう。)は、偏光子に用いられるポリビニルアルコールへの貼合性が優れていることから、現在、広く用いられている。
近年、薄型軽量ノートパソコンや薄型で大画面のTVの開発が進み、それに伴って、液晶表示装置を構成する光学補償フィルムに対しても、光学特性、例えば、位相差の上昇等、高性能化への要求が強くなってきている。
光学補償フィルムの光学特性においては、フィルムを構成する樹脂材料の配向特性が重要になってくる。フィルム中における樹脂成分の配向度を高めることにより、光学補償フィルムとしての位相差値(以下、リターデーション値ともいう。)の上昇などを、得ることができる。
しかしながら、樹脂成分の配向度を直接変化させることは、技術的難易度が高いため、従来は、主に、位相差(以下、リターデーションともいう。)調整剤等の添加剤を用いることにより、位相差の調整を行ってきた。例えば、視野角補償フィルムの位相差を上昇させようとする場合、添加剤が相互作用等の力で、樹脂成分と共に移行し、その添加剤が位相差を発現することにより、フィルムとしての位相差を上昇させる方法が知られている。
例えば、セルロースエステルフィルムは、光学補償フィルムに必須な複屈折性が十分ではない為、セルロースエステルフィルムに複屈折性を付与することを目的として様々な添加剤の検討がなされている。
一つの方法としては、光安定性に優れたポリエステル系材料を添加剤として用いる方法が提案されている。
例えば、特開2008−69225号公報では、セルロースエステルフィルムにおいて、末端が芳香族エステル基であるジエステル化合物と末端が芳香族エステル基であるポリエステルオリゴマーの2種を添加することにより、位相差(リターデーション)を発現させる方法が提案されている。しかし、この方法で作製した光学補償フィルムは、位相差(リターデーション)の発現性が十分でなく、かつ波長分散性も劣化している。
また、樹脂材料としてセルロースエステルを用い、この樹脂材料に対し、可塑剤としてジカルボン酸とジオールから構成される繰り返し単位を有するポリエステル系の高分子可塑剤を用いるセルロースエステルフィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1で開示されている方法によれば、透湿度を低下させ、光学特性の制御が容易であるとされているが、当該方法で用いられているポリエステル系添加剤は、一部で脂肪族ジカルボン酸を含み、リターデーション上昇剤として用いられているものではないため、実施例において実証されている位相差値(リターデーション値)も極めて低い。
また、光学補償フィルムにおいては、近年の透明性、薄膜化に伴う機械的強度や耐湿性の向上、及びより高い光学特性の要望に対し、樹脂材料として、位相差が低く、波長分散性の大きなセルロースエステルに代えて、シクロオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂等を用いた光学補償フィルムが検討されている。これらの光学補償フィルムにおいても、上記と同様に、複屈折性を付与することを目的として、様々な添加剤の検討がなされている。
例えば、シクロオレフィン樹脂に対し、ポリエステル系添加剤として、脂環式ポリエステルを用い、高い光透過性と大きな位相差を実現する透明フィルムが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、特許文献2で開示されている方法では、添加剤として脂環式ポリエステルを使用しているため、複屈折の発現性が十分でなく、位相差の増加率が低いとともに、ポリエステルを原料とするフルオレンを用いた場合には、波長分散性が増大するという問題を抱えている。
したがって、更なる位相差の上昇性能を有するとともに、波長分散性を増大させない添加剤を用いる光学補償フィルムの開発が望まれている。
特開2009−155454号公報 特開2013−194186号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、高い位相差値を有し、波長分散性の劣化が抑制された熱可塑性樹脂フィルムとその製造方法を提供することである。更には、該熱可塑性樹脂フィルムを具備した液晶表示装置を提供することである。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を進めた結果、主樹脂として酸素含有率が35質量%以下の熱可塑性樹脂と、芳香族基含有率が30質量%以上であるポリエステル系添加剤を含有し、フィルム中における前記主樹脂の配向度fを、特定の条件範囲内に調整されている熱可塑性樹脂フィルムにより、高い位相差(リターデーション)を発現し、波長分散性に優れた熱可塑性樹脂フィルムを実現することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の上記課題は、下記の手段により解決される。
1.主樹脂として酸素原子含有率が35質量%以下である熱可塑性樹脂と、芳香族基含有率が30質量%以上であるポリエステル系添加剤を含有する熱可塑性樹脂フィルムであって、
フィルム中における前記主樹脂の配向度fが、0.1〜0.5の範囲内に調整されていることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルム。
2.成膜後の前記ポリエステル系添加剤を構成する分子の立体構造におけるアスペクト比が、1.7以下であることを特徴とする第1項に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
3.前記熱可塑性樹脂として、シクロオレフィンポリマーを含有することを特徴とする第1項又は第2項に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
4.温度23℃、湿度55%RHの環境下、光波長590nmで測定した、下式(1)で表されるフィルム面内の位相差値Ro(590)が、70〜300nmの範囲内であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
式(1)
Ro(λ)=(n−n)×d
〔式中、λは測定に用いた光波長(nm)を表し、n及びnは、それぞれ温度23℃、湿度55%RHの環境下で測定され、nはフィルムの面内の最大の屈折率(遅相軸方向の屈折率)を表し、nはフィルム面内で遅相軸に直交する方向の屈折率を表し、dはフィルムの厚さ(nm)を表す。〕
5.前記ポリエステル系添加剤が、少なくとも下記芳香族ジカルボン酸群から選ばれる少なくとも一種の芳香族ジカルボン酸を用いて合成されていることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
芳香族ジカルボン酸群:フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,8−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、2,2′−ビフェニルジカルボン酸
6.前記ポリエステル系添加剤の含有量が、1.0〜30質量%の範囲内であることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
7.前記ポリエステル系添加剤の含有量が、3.0〜10質量%の範囲内であることを特徴とする第6項に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
8.主樹脂として酸素含有率が35質量%以下である熱可塑性樹脂と、芳香族基含有率が30質量%以上であるポリエステル系添加剤を用いて製造する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法であって、
前記熱可塑性樹脂と前記ポリエステル系添加剤との混合物を支持体上に流延してウェブを形成した後、延伸工程における延伸倍率が1.03〜2.00の範囲内で延伸処理を施すことを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
9.前記熱可塑性樹脂として、シクロオレフィンポリマーを用いることを特徴とする第8項に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
10.第1項から第7項までのいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂フィルムを具備していることを特徴とする液晶表示装置。
本発明によれば、高い位相差値(リターデーション値)を有し、波長分散性に優れた熱可塑性樹脂フィルムとその製造方法を提供することにある。更には、該熱可塑性樹脂フィルムを具備した液晶表示装置を提供することができる。
本発明で規定する構成により、上記問題を解決することができた本発明の効果の発現機構、作用機構については明確にはなっていないが、以下のように推察される。
本発明者らは、前述の光学補償フィルムにおける位相差の上昇性能の発現と共に、波長分散性の劣化を抑制するため、主には、添加剤による改良技術について詳細な検討を進めた。その検討過程で、上記目的を達成するための手段として、適用する添加剤が、光学補償フィルムを構成する主樹脂(例えば、熱可塑性樹脂)との相互作用を生じることなく主樹脂中に存在していることが重要な要因であると考えた。加えて、適用する添加剤としては、主樹脂の配向のみを促進させる効果を有することが必要であると推測した。
そのためには、添加剤の構造としては、添加剤自身で会合し、分子内でCH−π相互作用するための芳香族基を有し、それらが柔軟に作用して会合することが、目的達成のためには有効であると推測した。
上記の課題達成ための技術的な思想に従い、更に検討を進めた結果、第1の構成要素として、主樹脂として、酸素原子含有率が小さく、使用する位相差値の上昇を目的とする添加剤との相互作用体を形成しにくい熱可塑性樹脂を用いること。第2の構成要素として、化合物自身で会合体を形成する作用の強い特定のポリエステル系添加剤を導入することにより、当該ポリエステル系添加剤が、例えば、球形の会合体を形成することにより、添加剤自身は大きく配向することがなく、主樹脂である熱可塑性樹脂の配向を促進することができることを見出したものである。
すなわち、特定の比率で芳香族基を有する芳香族性のポリエステル系添加剤は、フィルム中で配向することがなく、かつ主樹脂の配向を促進し、その結果、波長分散等の光学特性を低下することなく、位相差の上昇が可能となったものと推測している。
熱可塑性樹脂フィルムの製造方法に適用可能な斜め延伸機のレールパターンの一例を示した概略図 長尺フィルム原反ローラーから繰り出してから斜め延伸する延伸方法の一例を示す概略図 長尺フィルム原反を巻き取らずに連続的に斜め延伸する延伸方法の一例を示す概略図
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、主樹脂として酸素原子含有率が35質量%以下である熱可塑性樹脂と、芳香族基含有率が30質量%以上であるポリエステル系添加剤を含有する熱可塑性樹脂フィルムであって、フィルム中における前記主樹脂の配向度fが、0.1〜0.5の範囲内に調整されていることを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項10に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の目的とする上記効果をより発現できる観点から、成膜後のポリエステル系添加剤を構成する分子の立体構造におけるアスペクト比が、1.7以下であることが、添加剤自身の配向が弱まり、熱可塑性樹脂の配向をより促進させることができる観点から好ましい。
また、熱可塑性樹脂として、シクロオレフィンポリマーを含有することが、本発明の目的効果をより発現させることができる観点から好ましい。
また、温度23℃、湿度55%RHの環境下、光波長590nmで測定した、前記式(1)で表されるフィルム面内の位相差値Ro(590)が、70〜300nmの範囲内であることが、優れた光学補償フィルムを発現でき、液晶表示装置に具備した際に優れた視認性を発現させることができる観点から好ましい。
また、ポリエステル系添加剤が、少なくとも特定の構造を有する芳香族ジカルボン酸群から選ばれる少なくとも一種の芳香族ジカルボン酸を用いて合成されている添加剤を用いることが、本発明の目的効果である添加剤による主樹脂である熱可塑性樹脂の配向を促進することができる観点から好ましい。
また、熱可塑性樹脂フィルム中におけるポリエステル系添加剤の含有量が、1.0〜30質量%の範囲内、更には3.0〜10質量%の範囲内であることが、ポリエステル系添加剤の効果を有効に発揮させることができる観点から好ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法としては、主樹脂として酸素含有率が35質量%以下である熱可塑性樹脂と、芳香族基含有率が30質量%以上であるポリエステル系添加剤を用い、前記熱可塑性樹脂と前記ポリエステル系添加剤との混合物を支持体上に流延してウェブを形成した後、延伸工程における延伸倍率が1.03〜2.00の範囲内で延伸処理を施して製造することを特徴とし、この製造方法を用いることにより、フィルム中における主樹脂の配向度fを、0.1〜0.5の範囲内に調整することができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本発明において示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《熱可塑性樹脂フィルム》
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、主樹脂として酸素原子含有率が35質量%以下である熱可塑性樹脂と、芳香族基含有率が30質量%以上であるポリエステル系添加剤を含有し、フィルム中における前記主樹脂の配向度fが、0.1〜0.5の範囲内に調整されていることを特徴とする。
本発明でいう主樹脂とは、熱可塑性樹脂フィルムを構成する全樹脂成分の内、60質量%以上を占める樹脂であり、好ましくは80質量%、さらに好ましくは90質量%以上を占める樹脂成分をいう。
《熱可塑性樹脂フィルムの構成要素》
〔熱可塑性樹脂〕
本発明に適用可能な熱可塑性樹脂としては、主樹脂として酸素含有率が35質量%以下である熱可塑性樹脂であれば特に制限されることはなく、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリオレフィン等を用いることができる。また、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホン、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂(AS樹脂)等を用いてもよい。
本発明に係る熱可塑性樹脂において、酸素原子含有率とは、下式(1)に従って求めることができる。
式(1)
酸素原子含有率(質量%)=(単位ユニット中の酸素原子数×16)/(単位ユニットの分子量)×100
本発明に係る酸素含有率が35質量%以下である熱可塑性樹脂と、本発明外となる代表例として、従来、熱可塑性樹脂フィルムとして広く用いられてきたトリアセチルセルロース(略称:TAC)を、以下に示す。
本発明に係る酸素原子含有率が35質量%以下である熱可塑性樹脂としては、
熱可塑性樹脂1:ARTON(JSR社製、シクロオレフィンポリマー、酸素原子含有率=15.3質量%)
熱可塑性樹脂2:Zeonor(日本ゼオン社製、シクロオレフィンポリマー、酸素原子含有率=0質量%)
熱可塑性樹脂3:ポリメチルメタクリレート(略称:PMMA、酸素原子含有率=32.0質量%)
熱可塑性樹脂4:ポリカーボネート(略称:PC、酸素原子含有率=18.9質量%)
熱可塑性樹脂5:ポリエチレンテレフタレート(略称:PET、酸素原子含有率=33.3質量%)
上記で例示した構造に対し、トリアセチルセルロース(略称:TAC)は、単位ユニット中の酸素原子含有率が、46.8質量%であり、本発明外の熱可塑性樹脂となる。
(シクロオレフィンポリマー)
本発明に係る熱可塑性樹脂としては、シクロオレフィンポリマーを含有することが好ましい態様である。
シクロオレフィンポリマーとしては、種々のシクロオレフィン単量体のポリマーを用いることができるが、ノルボルネン骨格を有するシクロオレフィン単量体を単独重合又は共重合して得られるポリマーを用いることが好ましい。
以下において、本発明で好適に用いることができるシクロオレフィンポリマーを構成するシクロオレフィン単量体について説明する。
本発明に係るシクロオレフィンポリマーは、下記で示される一般式(A−1)及び(A−2)で表されるシクロオレフィン単量体から単独重合又は共重合して得られる重合体である。
一般式(A−1)で表される構造を有するシクロオレフィン単量体を説明する。
上記一般式(A−1)において、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、酸素、窒素、イオウ又はケイ素を含む連結基を有していてもよい置換又は非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基、又は極性基を表す。pは、0〜2の自然数を表す。
上記極性基としては、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基などが挙げられ、これら極性基はメチレン基などの連結基を介して結合していてもよい。また、カルボニル基、エーテル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基など極性を有する2価の有機基が連結基となって結合している炭化水素基なども極性基として挙げられる。これらの中では、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基又はアリロキシカルボニル基が好ましく、特にアルコキシカルボニル基又はアリロキシカルボニル基であることが、溶液製膜時の溶解性を確保する観点で好ましい。
次に、一般式(A−2)で表されるシクロオレフィン単量体を説明する。
上記一般式(A−2)において、Rは、独立に水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基、又は炭素数1〜5のアルキル基を有するアルキルシリル基を表す。Rは、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表す。pは、0〜2の整数を表す。
本発明においては、一般式(A−2)で表されるように、置換基R及びRが片側炭素に置換されたシクロオレフィン単量体を用いることで、分子の対称性が崩れたためか溶媒揮発時の樹脂と添加剤同士の拡散運動を促進し、それに伴い添加剤の製膜フィルム表面への移動を促すことから、添加剤の偏在の観点から好ましい。
は、炭素数1〜3の炭化水素基、Rは、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基又はアリロキシカルボニル基が好ましく、特にアルコキシカルボニル基又はアリロキシカルボニル基であることが、溶液製膜時の溶解性を確保する観点でも好ましい。
以下に、一般式(A−1)及び(A−2)で表される単量体の具体的に示すが、以下の具体例によって限定されるものではない。
シクロオレフィンポリマーとしては、ノルボルネン骨格を有する前記一般式(A−1)及び(A−2)で表される構造を有するシクロオレフィン単量体を単独重合又は共重合して得られる重合体であり、例えば以下のものが挙げられ、(1)〜(3)が好ましく、その中でも、(3)がより好ましい。
(1)シクロオレフィン単量体の開環重合体
(2)シクロオレフィン単量体と共重合性単量体との開環共重合体
(3)上記(1)又は(2)の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体
(4)上記(1)又は(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した(共)重合体
(5)シクロオレフィン単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和重合体
(6)シクロオレフィン系単量体の付加型(共)重合体及びその水素添加(共)重合体
(7)シクロオレフィン系単量体とメタクリレート、又はアクリレートとの交互共重合体
本発明に係る好ましいシクロオレフィンポリマーとしては、下記一般式(B−1)及び一般式(B−2)で表される構造単位を有するものが挙げられる。このようなシクロオレフィンポリマーは、一般式(B−1)で表される構造単位のみ、一般式(B−2)で表される構造単位のみ、一般式(B−1)と一般式(B−2)のそれぞれの構造単位を含む共重合体でもよい。
好ましくは、一般式(B−2)の構造体のみ、又は一般式(B−1)と一般式(B−2)の両者の構造単位を含む共重合体の樹脂である。得られるシクロオレフィン重合体のガラス転移温度が高くかつ透過率の高い優れたものとなる点で好ましい。
上記一般式(B−1)において、Xは、−CH=CH−で表される基、又は式:−CHCH−で表される基である。R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、酸素、窒素、イオウ若しくはケイ素を含む連結基を有していてもよい置換若しくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基、又は極性基を表す。pは、0〜2の自然数を表す。)
一般式(B−2)において、Xは、−CH=CH−で表される基、又は式:−CHCH−で表される基である。Rは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基、又は炭素数1〜5のアルキル基を有するアルキルシリル基を表す。Rは、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表す。pは、0〜2の整数を表す。
本発明に係るシクロオレフィンポリマーの製造方法等については、特開2008−107534号公報の記載を援用するものとし、その説明を省略する。
本発明に係るシクロポリオレフィンポリマーの好ましい分子量は、固有粘度〔η〕inhで0.2〜5cm/gの範囲内であり、さらに好ましくは0.3〜3cm/gの範囲内であり、特に好ましくは0.4〜1.5cm/gの範囲内でありであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、8000〜100000の範囲内であり、さらに好ましくは10000〜80000の範囲内であり、特に好ましくは12000〜50000の範囲内であり、重量平均分子量(Mw)は20000〜300000の範囲内であり、さらに好ましくは30000〜250000の範囲内であり、特に好ましくは40000〜200000の範囲内のものが好適である。
固有粘度〔η〕inh、数平均分子量及び重量平均分子量が上記範囲にあることによって、シクロポリオレフィンポリマーの耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性と、本発明の熱可塑性樹脂フィルムとしての成形加工性が良好となる。
本発明に係るシクロポリオレフィンポリマーのガラス転移温度(Tg)としては、通常、110℃以上、好ましくは110〜350℃の範囲内であり、さらに好ましくは120〜250℃の範囲内であり、特に好ましくは120〜220℃の範囲内である。Tgが110℃以上であれば、高温条件下での使用、又はコーティング、印刷などの二次加工により変形を防止することができる。一方、Tgが350℃以下であれば、成形加工が容易となり、また成形加工時の熱によって樹脂の劣化を防止できる。
以上説明したシクロポリオレフィン樹脂は、市販品を好ましく用いることができ、市販品の例としては、JSR(株)からアートン(Arton)G、アートンF、アートンR、及びアートンRXという商品名で発売されており、また日本ゼオン(株)からゼオノア(Zeonor)ZF14、ZF16、ゼオネックス(Zeonex)250又はゼオネックス280という商品名で市販されており、これらを使用することができる。
〔ポリエステル系添加剤〕
本発明で適用可能なポリエステル系添加剤は、芳香族二塩基酸とグリコールとの脱水縮合反応、芳香族無水二塩基酸へのグリコールの付加および脱水縮合反応、又は芳香族二塩基酸のエステル化物とグリコールとの脱アルコールによる縮合反応により得ることができる。
本発明に係るポリエステル系添加剤では、全質量に対する芳香族基含有率が30質量%以上であることを特徴とし、好ましくは、30〜70質量%の範囲内であり、更に好ましくは、40〜60質量%の範囲内である。
芳香族基としては、例えば、例えば、フェニル基、ナフチル基、インダニル基、インデニル基、フルオレニル基、アントラセニル基又はアズレニニル基などの芳香族炭化水素基;チエニル基、フリル基、ピリジル基、ピリミジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基又はベンゾトリアゾリル基などの芳香族複素環基;などが挙げられる。
本発明に係るポリエステル系添加剤では、全質量に対する分子内でCH−π相互作用するための芳香族基含有率を30質量%以上とし、更に、それらが柔軟に作用して会合するために、自由度の高い脂肪族基をある程度の比率で有する構造とすることにより、主樹脂として、酸素原子含有率が小さい熱可塑性樹脂に対し、化合物自身として会合体を形成する作用の強い芳香族基比率を30質量%以上のポリエステル系添加剤を併用することにより、添加剤自身は大きく配向することがなく、主樹脂である熱可塑性樹脂の配向を促進することができ、高い位相差特性を得ることができる。
前記芳香族二塩基酸(以下、芳香族ジガルボン酸ともいう。)又はこれらのエステル形成性誘導体としては、例えば、ベンゼン環構造、ナフタレン環構造、アントラセン環構造等の芳香族環式構造を有するジカルボン酸やそのエステル形成性誘導体を使用することができる。
本発明に適用可能な芳香族二塩基酸としては、例えば、
1)フタル酸、
2)イソフタル酸、
3)テレフタル酸、
4)無水フタル酸、
5)1,5−ナフタレンジカルボン酸、
6)1,4−ナフタレンジカルボン酸、
7)2,3−ナフタレンジカルボン酸、
8)2,6−ナフタレンジカルボン酸、
9)2,7−ナフタレンジカルボン酸、
10)1,8−ナフタレンジカルボン酸、
11)2,8−ナフタレンジカルボン酸、
12)2,6−アントラセンジカルボン酸、
13)4,4′−ビフェニルジカルボン酸、
14)3,3′−ビフェニルジカルボン酸、
15)2,2′−ビフェニルジカルボン酸、
等やこれらのエステル化物、及び酸塩化物、1,8−ナフタレンジカルボン酸の酸無水物等を挙げることができる。
本発明においては、芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,8−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、2,2′−ビフェニルジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
これらは芳香族環に置換基を有していても良く、これらを単独で使用又は2種以上併用できる。
また、合成後の芳香族基の含有量が30質量%以上になるならば、併用する二塩基酸は脂肪族でもよい。特に限定はされないが、併用できる脂肪族二塩基酸として、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸などの脂肪族二塩基酸が挙げられる。
本発明に適用可能なグリコール又は芳香族環含有グリコールについて説明する。
芳香族環含有グリコールとしては、
A)1,4−キシリレングリコール、
B)4,4′−ビフェニルジオール、
C)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
D)ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、
E)ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸
などの芳香族グリコールが用いられる。
また、合成後のポリエステル系添加剤として、芳香族基含有量が30質量%以上である限り、グリコール成分として、脂肪族グリコールを用いることもできる。例えば、
F)エチレングリコール、
G)ジエチレングリコール、
H)トリエチレングリコール、
I)1,2−プロピレングリコール、
J)1,3−プロパンジオール、
K)2−メチル1,3−プロパンジオール、
L)1,2−ブタンジオール、
M)1,3−ブタンジオール、
N)1,4−ブタンジオール、
O)2,3−ブタンジオール、
P)1,5−ペンタンジオール、Q)ネオペンチルグリコール、
R)1,2−シクロペンタンジオール、
S)1,3−シクロペンタンジオール、
T)1,4−シクロヘキサンジオール、
等を単独で使用又は2種以上併用することができ、中でも、F)エチレングリコール、G)ジエチレングリコール、I)1,2−プロピレングリコール、K)2−メチル1,3−プロパンジオール、L)1,2−ブタンジオールが好ましい。
また、グリコールは、2種以上を併用しても良く、好ましい組み合わせとしては、エチレングリコールと1,2−プロピレングリコールの組み合わせ、エチレングリコールと1,2−ブタンジオールの組み合わせ、1,2−プロピレングリコールと1,2−ブタンジオールの組み合わせを挙げることができ、更に好ましくは、エチレングリコールと1,2−プロピレングリコールの組み合わせである。
本発明においては、ポリエステルを構成する成分として、会合の取りやすさの観点から上記説明した芳香族ジカルボン酸とジオールの組み合わせが好ましく、さらには芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールの組み合わせが好ましく、特には、前記1〜15の芳香族ジカルボン酸と前記F〜Tの脂肪族ジオールの組み合わせが好ましく、最も好ましくは、芳香族ジガルボン酸としてフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、又は2,3−ナフタレンジカルボン酸と、脂肪族ジオールとしてエチレングリコール、1,2プロピレングリコール、又は1,3−ブチレングリコールの組み合わせである。
本発明に係るポリエステル系添加剤は、前記二塩基酸又はそれらのエステル形成性誘導体とグリコールを必要に応じてエステル化触媒の存在下で、例えば180〜250℃の温度範囲内で、10〜25時間、周知慣用の方法でエステル化反応させることによって製造することができる。
エステル化反応を行う際に、トルエン、キシレン等の溶媒を用いても良いが、無溶媒若しくは原料として使用するグリコールを溶媒として用いる方法が好ましい。
前記エステル化触媒としては、例えばテトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、p−トルエンスルホン酸、ジブチル錫オキサイド等を使用することができる。前記エステル化触媒は、二塩基酸又はそれらのエステル形成性誘導体の全量100質量部に対して0.01〜0.5質量部使用することが好ましい。
二塩基酸又はそれらのエステル形成性誘導体とグリコールを反応させる際のモル比は、ポリエステルの末端基が水酸基となるモル比でなければならず、そのため二塩基酸又はそれらのエステル形成性誘導体1モルに対してグリコールは1.1〜10モルである。好ましくは、二塩基酸又はそれらのエステル形成性誘導体1モルに対して、グリコールが1.5〜7モルであり、更に好ましくは、二塩基酸又はそれらのエステル形成性誘導体1モルに対して、グリコールが2〜5モルである。
本発明に係るポリエステル系添加剤の使用量は、熱可塑性樹脂フィルム全質量の1.0〜30質量%の範囲内であることが好ましく、更には、3.0〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
前記ポリエステル系添加剤は、300〜3000の範囲内の重量平均分子量を有することが好ましく、350〜2000の重量平均分子量を有することがより好ましい。
また、本発明に係るポリエステル系添加剤の分子量の分散度(Mw/Mn)は1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることが更に好ましい。分散度が上記範囲以内であれば、セルロースエステルとの相溶性に優れたポリエステル系添加剤を得ることができる。
また、前記ポリエステル系添加剤は、重量平均分子量が300〜1800の成分を50%以上含有することが好ましい。重量平均分子量を前記範囲とすることにより、相溶性を大幅に向上させることができる。
ポリエステル系添加剤の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、測定することができる。当該測定の一例を以下に示す。
ポリエステル系添加剤の重量平均分子量(Mw)を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、下記の測定条件で測定した。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=500〜2800000の範囲にある13サンプルによる校正曲線を使用した。
(ポリエステル系添加剤の例示化合物)
二塩基酸とグリコールにより形成される芳香族基の含有量が30質量%以上であるポリエステル系添加剤の例示化合物1〜16を、以下に示す。具体的な合成方法については、実施例に記載する。表示は、二塩基酸/グリコールで示す。
1:フタル酸/エチレングリコール
2:イソフタル酸/エチレングリコール
3:テレフタル酸/エチレングリコール
4:コハク・テレフタル酸(2:8)/エチレングリコール
5:2,6−ナフタレンジカルボン酸/エチレングリコール
6:2,6−ナフタレンジカルボン酸/1,2−プロピレングリコール
7:2,6−ナフタレンジカルボン酸/1,3−ブチレングリコール
8:2,6−ナフタレンジカルボン酸/1,4−キシレングリコール
9:1,5−ナフタレンジカルボン酸/エチレングリコール
10:1,4−ナフタレンジカルボン酸/エチレングリコール
11:1,8−ナフタレンジカルボン酸/エチレングリコール
12:2,3−ナフタレンジカルボン酸/1,4−キシレングリコール
13:2,8−ナフタレンジカルボン酸/エチレングリコール
14:4,4′−ビフェニルジカルボン酸/エチレングリコール
15:2,2′−ビフェニルジカルボン酸/エチレングリコール
16:コハク酸/4,4′−ビフェニルジオール
〔その他の添加剤〕
本発明の熱可塑性樹脂フィルムには、前記ポリエステル系添加剤に加えて、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で、糖エステル化合物、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、微粒子等をの少なくとも1つを添加しても良い。
(糖エステル化合物)
糖エステル化合物としては、例えば、ピラノース構造またはフラノース構造の少なくとも1種を1個以上12個以下有しその構造のOH基のすべてもしくは一部をエステル化したエステル化合物が挙げられる。
エステル化の割合としては、ピラノース構造またはフラノース構造内に存在するOH基の70%以上であることが好ましい。
前記糖エステル化合物の合成原料の糖の例としては、例えば以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロース、あるいはアラビノース、ラクトース、スクロース、ニストース、1F−フラクトシルニストース、スタキオース、マルチトール、ラクチトール、ラクチュロース、セロビオース、マルトース、セロトリオース、マルトトリオース、ラフィノースあるいはケストース挙げられる。
この他、ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオース、キシロトリオース、ガラクトシルスクロースなども挙げられる。
(可塑剤)
本発明に適用可能な可塑剤としては、グリコレート系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤(例えば、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジシクロヘキシルテレフタレート等)、クエン酸エステル系可塑剤(例えば、クエン酸アセチルトリメチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル等)、脂肪酸エステル系可塑剤(例えば、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル等)、リン酸エステル系可塑剤(例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等)が挙げられる。
(紫外線吸収剤)
前記熱可塑性樹脂フィルムは、紫外線吸収剤を含有することもできる。紫外線吸収剤は400nm以下の紫外線を吸収することで、耐久性を向上させることを目的としており、特に波長370nmでの透過率が10%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下、更に好ましくは2%以下である。
前記紫外線吸収剤は特に限定されないが、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体等が挙げられる。
例えば、5−クロロ−2−(3,5−ジ−sec−ブチル−2−ヒドロキシルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、(2−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖および側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4−ベンジルオキシベンゾフェノン等があり、また、チヌビン109、チヌビン171、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328、チヌビン928等のチヌビン類があり、これらはいずれもBASFジャパン社製の市販品であり好ましく使用できる。
本発明で好ましく用いられる紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤であり、特に好ましくはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、である。
この他、1,3,5−トリアジン環を有する化合物等の円盤状化合物も紫外線吸収剤として好ましく用いられる。
前記熱可塑性樹脂フィルムは紫外線吸収剤を2種以上含有することが好ましい。また、紫外線吸収剤としては高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることができ、特に特開平6−148430号公報記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
紫外線吸収剤の添加方法は、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコールやメチレンクロライド、酢酸メチル、アセトン、ジオキソラン等の有機溶媒あるいはこれらの混合溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。
無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル中にディゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。
紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤の種類、使用条件等により一様ではないが、偏光板保護フィルムの乾燥膜厚が30〜200μmの場合は、偏光板保護フィルムに対して0.5〜10質量%が好ましく、0.6〜4質量%が更に好ましい。
(酸化防止剤)
酸化防止剤は劣化防止剤ともいわれる。高湿高温の状態に液晶画像表示装置などが置かれた場合には、熱可塑性樹脂フィルムの劣化が起こる場合がある。
酸化防止剤は、例えば、熱可塑性樹脂フィルム中の残留溶媒量のハロゲンやリン酸系可塑剤のリン酸等により熱可塑性樹脂フィルムが分解するのを遅らせたり、防いだりする役割を有するので、前記熱可塑性樹脂フィルム中に含有させるのが好ましい。
このような酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等を挙げることができる。
特に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また、例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。
これらの化合物の添加量は、使用する樹脂に対して質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmが更に好ましい。
(微粒子)
前記熱可塑性樹脂フィルムは、微粒子を含有することが好ましい。
該微粒子としては、無機化合物の例として、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウムを挙げることができる。また、有機化合物の微粒子も好ましく使用することができる。有機化合物の例としてはポリテトラフルオロエチレン、セルロースアセテート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプピルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチレンカーボネート、アクリルスチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリオレフィン系粉末、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、あるいはポリ弗化エチレン系樹脂、澱粉等の有機高分子化合物の粉砕分級物もあげられる。あるいは又懸濁重合法で合成した高分子化合物、スプレードライ法あるいは分散法等により球型にした高分子化合物、または無機化合物を用いることができる。
微粒子は珪素を含むものが、濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。
微粒子の一次粒子の平均粒径は5〜400nmが好ましく、更に好ましいのは10〜300nmである。
これらは主に粒径0.05〜0.3μmの二次凝集体として含有されていてもよく、平均粒径100〜400nmの粒子であれば凝集せずに一次粒子として含まれていることも好ましい。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上、日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976およびR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
ポリマーの例として、シリコーン樹脂、フッ素樹脂およびアクリル樹脂を挙げることができる。シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120および同240(以上東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
〔各特性値〕
(配向度f)
本発明の熱可塑性樹脂フィルムにおいては、フィルム中における前記主樹脂の配向度fが、0.1〜0.5の範囲内に調整されていることを特徴とする。
本発明でいう主樹脂の配向度fとは、熱可塑性樹脂フィルムの延伸方向をx軸とし、主鎖となる分子鎖の炭素−炭素結合とx軸とが形成する角度をφとした時、下式(2)により求められる値fを配向度fとする。詳細については、特開2011−60558号公報の段落番号(0042)等に記載されている内容を参照することができる。
式(2)
本発明では、本発明で規定する配向度fは、下記の方法により計算して求めた。
〈計算ソフト〉
Materials Studio(accelrys社製)
〈計算の手順〉
(1)Materials Studioを起動して、モノマー構造を作成する
(2)モノマー構造に対し、力場を振り当てる
(3)熱可塑性樹脂とポリエステル系添加剤を構造最適化する
(4)分子動力学(MD)計算を用いて緩和させる
(5)得られたセル中の熱可塑性樹脂のφ(角度)を解析して、式(2)に従って、配向度fを求める。なお、本発明でいう「セル」とは、規定のポリマー数を含んだ単位ユニットをさす。
本発明で規定する主樹脂の配向度を得るための方法としては、主樹脂として酸素原子含有率が35質量%以下である熱可塑性樹脂を適用することに加え、熱可塑性樹脂フィルムを製造する際、熱可塑性樹脂と前記ポリエステル系添加剤との混合物を支持体上に流延してウェブを形成した後、延伸倍率が1.03〜2.00の範囲内で延伸処理を施すことが有効な方法である。
(ポリエステル系添加剤のアスペクト比)
本発明に係るポリエステ系添加剤を構成する分子の立体構造におけるアスペクト比は、下記の方法により求めることができる。
上記計算ソフト:Materials Studio(accelrys社製)を用いた配向度fの計算において、作成したセル中のポリエステル系添加剤について、添加剤の軸方向に対し、その軸の中央部において、軸と垂直な面の断面部の円面積相当径の直径をDとし、軸方向における添加剤の長さをLとしたとき、L/Dを求め、これをアスペクト比とした。
〈計算ソフト〉
Winmostar(accelrys社製)
Winmostarは、分子モデリングから量子化学計算・分子動力学計算の実行、及び計算結果の表示を簡易に行うことができるソフトウェアである。
〈算出手順〉
上記方法で配向度fを計算した後、セル中のポリエステル系添加剤を選択し、Winmostarにインストールする。ついで上記方法で、直径Dと長さLを求め、ポリエステル系添加剤のアスペクト比(L/D)を計算する。
(熱可塑性樹脂フィルムの面内リターデーション値Ro及び厚さ方向リターデーション値Rt)
熱可塑性樹脂フィルムは、下記式(3)で表される面内リターデーション値Roが、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmにおいて70〜300nmの範囲内であることが好ましましく、更には70〜200nmの範囲内であることが好まししい。また、下式(4)で表される厚さ方向のリターデーション値Rtは、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmにおいて、30〜300nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは、30〜150nmの範囲内である。
式(3)
Ro=(n−n)×d
式(4)
Rt={(n+n)/2−n}×d
上記式(3)及び(4)において、nは、熱可塑性樹脂フィルムの面内方向において屈折率が最大になる方向xにおける屈折率を表し、nは熱可塑性樹脂フィルムの面内方向において、前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を表し、nは、熱可塑性樹脂フィルムの厚さ方向zにおける屈折率を表し、d(nm)は熱可塑性樹脂フィルムの厚さを表す。
これらのリターデーション値は自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器社製)を用いて測定することができる。
《熱可塑性樹脂フィルムの製造方法》
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの成形方法としては、例えば、溶融押出法、溶液キャスト法(溶液流延法)、カレンダー法、圧縮成形法など公知の方法が挙げられる。
溶液流延法に用いられる溶剤としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタンなどの塩素系溶剤;トルエン、キシレン、ベンゼン、及びこれらの混合溶剤などの芳香族系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノールなどのアルコール系溶剤;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル、ジエチルエーテル;などが挙げられる。これら溶剤は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
溶液流延法にて熱可塑性樹脂フィルムを成形する場合は、ドープ中の熱可塑性樹脂の濃度は、濃度が高い方が金属支持体に流延した後の乾燥負荷が低減できて好ましいが、熱可塑性樹脂の濃度が高すぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これらを両立する濃度としては、10〜35質量%が好ましく、さらに好ましくは、15〜25質量%である。流延(キャスト)工程における金属支持体は、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、金属支持体としては、ステンレススティールベルト又は鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムが好ましく用いられる。
キャストの幅は1〜4mとすることができる。流延工程の金属支持体の表面温度は−50℃〜が沸騰して発泡しない温度以下に設定される。温度が高い方がウェブの乾燥速度が速くできるので好ましいが、余り高すぎるとウェブが発泡したり、平面性が劣化したりする場合がある。
好ましい支持体温度としては0〜100℃で適宜決定され、5〜30℃がさらに好ましい。又は、冷却することによってウェブをゲル化させて残留溶剤を多く含んだ状態でドラムから剥離することも好ましい方法である。金属支持体の温度を制御する方法は特に制限されないが、温風又は冷風を吹きかける方法や、温水を金属支持体の裏側に接触させる方法がある。温水を用いる方が熱の伝達が効率的に行われるため、金属支持体の温度が一定になるまでの時間が短く好ましい。
温風を用いる場合は溶剤の蒸発潜熱によるウェブの温度低下を考慮して、溶剤の沸点以上の温風を使用しつつ、発泡も防ぎながら目的の温度よりも高い温度の風を使う場合がある。
特に、流延から剥離するまでの間で支持体の温度及び乾燥風の温度を変更し、効率的に乾燥を行うことが好ましい。
熱可塑性樹脂フィルムが良好な平面性を示すためには、金属支持体からウェブを剥離する際の残留溶剤量は10〜150質量%が好ましく、さらに好ましくは20〜40質量%又は60〜130質量%であり、特に好ましくは、20〜30質量%又は70〜120質量%である。
残留溶剤量は下記式で定義される。
残留溶剤量(質量%)={(M−N)/N}×100
なお、Mはウェブ又はフィルムを製造中又は製造後の任意の時点で採取した試料の質量で、NはMを115℃で1時間の加熱後の質量である。
また、熱可塑性樹脂フィルムの乾燥工程においては、ウェブを金属支持体より剥離し、さらに乾燥し、残留溶剤量を1質量%以下にすることが好ましく、さらに好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0〜0.01質量%以下である。
フィルム乾燥工程では一般にローラー乾燥方式(上下に配置した多数のローラーにウェブを交互に通し乾燥させる方式)やテンター方式でウェブを搬送させながら乾燥する方式が採られる。
(延伸工程)
本発明の熱可塑性樹脂フィルムでは、主樹脂である熱可塑性樹脂の配向度fが、0.1〜0.5の範囲内に調整するための有効な手段として、延伸工程を設ける。
化合物が樹脂間の自由体積に入り込む又は樹脂と結合することで、延伸時に樹脂が引張られると同時に化合物が延伸方向に、化合物面を揃えて配向、延伸倍率や延伸温度により樹脂への応力の掛かり方や樹脂硬さを調整することで、熱可塑性樹脂の配向を制御することができる。
延伸する方法には特に限定はない。例えば、複数のローラーに周速差をつけ、その間でローラー周速差を利用して縦方向に延伸する方法、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を進行方向に広げて縦方向に延伸する方法、同様に横方向に広げて横方向に延伸する方法、又は縦横同時に広げて縦横両方向に延伸する方法等が挙げられる。もちろんこれ等の方法は、組み合わせて用いても良い。すなわち、製膜方向に対して横方向に延伸しても、縦方向に延伸しても、両方向に延伸しても良く、さらに両方向に延伸する場合は同時延伸であっても、逐次延伸であっても良い。なお、いわゆるテンター法の場合、リニアドライブ方式でクリップ部分を駆動すると滑らかな延伸が行うことができ、破断等の危険性が減少できるので好ましい。本発明においては、その中でも、二軸同時の斜め延伸方法が好ましい。
本発明においては、特に、延伸はフィルム搬送ローラーの周速差を利用して搬送方向に行うか、又は搬送方向と直交方向(幅手方向又はTD方向ともいう。)にウェブの両端をクリップ等で把持するテンター方式で行うことが好ましく、さらに左右把持手段によってウェブの把持長(把持開始から把持終了までの距離)を左右で独立に制御できるテンターを用いることも好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法においては、延伸工程における延伸倍率として、1.03〜2.00倍の範囲内で延伸処理を施すことを特徴とする。
延伸方法としては、一方方向のみに延伸する一軸延伸であっても、縦方向(MD方向)及び横方向(TD)方向に、逐次あるいは同時延伸する二軸延伸であってもよい。
本発明においては、延伸方法として、MD方向やTD方向のみならず、斜め方向に延伸する斜め延伸方法を用いることができ、特に、延伸工程においては、斜め延伸方法を用いて、斜め方向に1.03〜2.00倍に延伸する方法が好ましい。
フィルムを斜め延伸するときの温度は、前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとすると、好ましくはTg−30℃からTg+60℃の間、より好ましくはTg−10℃からTg+50℃の温度範囲である。
フィルムを斜め延伸するときの配向角は、幅方向に対して20〜70°であり、好ましくは30〜60°、さらに好ましくは、40〜50°である。このような配向角にすることによって、フィルムの面内のリターデーション値Roを好適にすることができる。
本発明の(乾燥後)の熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、使用目的によって異なるが、通常5〜500μmの範囲であり、10〜150μmの範囲が好ましく、液晶表示装置用には20〜110μmであることが好ましく、最近の薄型化を考慮すると40μm以下であることが、特に好ましい。
フィルム厚さの調製は、所望の厚さ及び本発明に厚さ分布になるように、ドープ中に含まれる固形分濃度、ダイの口金のスリット間隙、ダイからの押し出し圧力、金属支持体速度等を調節すればよい。以上のようにして得られた透明樹脂フィルムの幅は0.5〜4mの範囲が好ましく、より好ましくは0.6〜3mの範囲、さらに好ましくは0.8〜2.5mである。長さは1ロールあたり100〜10000mの範囲で巻き取るのが好ましく、より好ましくは500〜9000mの範囲であり、さらに好ましくは1000〜8000mの範囲である。
次いで、本発明に適用可能な延伸工程の内、斜め延伸工程について、図を交えて説明する。
本発明に係る熱可塑性樹脂フィルムの製造方法において、熱可塑性樹脂フィルムに配向性を付与する方法として、斜め延伸装置を用いることが好ましい。
本発明に適用可能な斜め延伸装置としては、レールパターンを多様に変化させることにより、フィルムの配向角を自在に設定でき、フィルムの配向軸をフィルム幅方向にわたって左右均等に高精度に配向させることができ、かつ、高精度でフィルム厚さやリターデーションを制御できるフィルム延伸装置であることが好ましい。
図1は、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製造に適用可能な斜め延伸装置のレールパターンの一例を示した概略図である。なお、ここに示す図1は一例であって、本発明にて適用可能な延伸装置はこれに限定されるものではない。
一般的に、斜め延伸装置においては、図1に示されるように、長尺のフィルム原反の繰出方向D1は、延伸後の延伸フィルムの巻取方向D2と異なっており、繰出角度θiをなしている。繰出角度θiは、0°を超え90°未満の範囲で、所望の角度に任意に設定することができる。
なお、本明細書において、長尺とは、フィルムの幅に対し、少なくとも5倍程度以上の長さを有するものをいい、好ましくは10倍又はそれ以上の長さを有するものをいう。
長尺のフィルム原反は、斜め延伸装置入口(図中Aの位置)において、その両端を左右の把持具(テンター)によって把持され、把持具の走行に伴い走行される。左右の把持具は、斜め延伸装置入口(図中Aの位置)で、フィルムの進行方向(繰出方向D1)に対して略垂直な方向に相対している左右の把持具Ci、Coは、左右非対称なレールRi、Ro上を走行し、延伸終了時の位置(図中Bの位置)で、テンターで把持したフィルムを解放する。
このとき、斜め延伸装置入口(図中Aの位置)で相対していた左右の把持具は、左右非対称なレールRi、Ro上を走行するにつれて、Ri側を走行する把持具Ciは、Ro側を走行する把持具Coに対して進行する位置関係となる。
すなわち、斜め延伸装置入口(フィルムの把持具による把持開始位置)Aで、フィルムの繰出方向D1に対してほぼ垂直な方向に相対していた把持具Ci、Coが、フィルムの延伸終了時の位置Bにある状態で、該把持具Ci、Coを結んだ直線がフィルムの巻取方向D2に対してほぼ垂直な方向に対して角度θLだけ傾斜している。
以上の方法に従って、フィルム原反が斜め延伸されることとなる。ここでほぼ垂直とは、90±1°の範囲にあることを示す。
本発明において適用可能な斜め延伸方法としては、上記図1に示した方法のほかに、図2の(a)〜(c)、図3の(a)及び(b)に示す延伸方法を挙げることができる。
図2は、本発明に適用可能な製造方法の一例(長尺フィルム原反ローラーから繰り出してから斜め延伸する例)を示す概略図であり、一旦ロール状に巻き取られた長尺フィルム原反を繰り出して斜め延伸するパターンを示す。
図3は、本発明に適用可能な他の製造方法の一例(長尺フィルム原反を巻き取らずに連続的に斜め延伸する例)を示す概略図であり、長尺フィルム原反を巻き取ることなく連続的に斜め延伸工程を行うパターンを示す。
図2及び図3において、符号25は斜め延伸装置、符号26はフィルム繰り出し装置、符号27は搬送方向変更装置、符号28は巻取装置、符号29は成膜装置を示している。それぞれの図において、同じものを示す符号については省略している場合がある。
フィルム繰り出し装置26は、斜め延伸装置入口に対して所定角度でフィルムを送り出せるように、スライド及び旋回可能となっているか、スライド可能となっており搬送方向変更装置27により斜め延伸装置入口にフィルムを送り出せるようになっていることが好ましい。
図2の(a)〜(c)は、フィルム繰り出し装置26及び搬送方向変更装置27の配置をそれぞれ変更したパターンを示している。
図3の(a)及び(b)は、成膜装置29により成膜されたフィルムを直接延伸装置25に繰り出すパターンを示している。
フィルム繰り出し装置26及び搬送方向変更装置27をこのような構成とすることにより、より製造装置全体の幅を狭くすることが可能となるほか、フィルムの送り出し位置及び角度を細かく制御することが可能となり、膜厚、光学値のバラツキが小さい長尺延伸フィルムを得ることが可能となる。また、フィルム繰り出し装置26及び搬送方向変更装置27を移動可能とすることにより、左右のクリップのフィルムへの噛込み不良を有効に防止することができる。
巻取装置28は、斜め延伸装置出口に対して所定角度でフィルムを引き取れるように配置することにより、フィルムの引取り位置及び角度を細かく制御することが可能となり、膜厚、光学値のバラツキが小さい長尺延伸フィルムを得ることが可能となる。そのため、フィルムのシワの発生を有効に防止することができるとともに、フィルムの巻取性が向上するため、フィルムを長尺で巻き取ることが可能となる。
本発明において、延伸後のフィルムの引取り張力T(N/m)は、100N/m<T<300N/m、好ましくは150N/m<T<250N/mの範囲内で調整することが好ましい。
《液晶表示装置》
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを、偏光板保護フィルムとした偏光板、それを用いた前記液晶表示装置に使用することができる。
本発明の液晶表示装置は、液晶セルの両方の面に、前記偏光板が粘着層を介して貼り合わされたものであることが好ましい。
前記偏光板は一般的な方法で作製することができる。本発明の熱可塑性樹脂フィルムの偏光子に貼合する側をアルカリ鹸化処理し、偏光子(ヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した)の少なくとも一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。もう一方の面には他の偏光板保護フィルムを貼合することができる。前記熱可塑性樹脂フィルムは液晶表示装置とされた際に、偏光子の液晶セル側に設けられることが好ましく、偏光子の外側のフィルムは従来の偏光板保護フィルムを用いることができる。
例えば、従来の偏光板保護フィルムとしては、市販のセルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタタック KC8UX、KC5UX、KC8UCR3、KC8UCR4、KC8UCR5、KC8UY、KC6UY、KC4UY、KC4UE、KC8UE、KC8UY−HA、KC8UX−RHA、KC8UXW−RHA−C、KC8UXW−RHA−NC、KC4UXW−RHA−NC、以上、コニカミノルタ(株)製)が好ましく用いられる。
表示装置の表面側に用いられる偏光板保護フィルムには、防眩層あるいはクリアハードコート層のほか、反射防止層、帯電防止層、防汚層、バックコート層を有することが好ましい。
偏光板の主たる構成要素である偏光子とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光子は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがある。
偏光子は、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。偏光子の膜厚は5〜30μmが好ましく、特に10〜20μmであることが好ましい。
熱可塑性樹脂フィルムを用いた偏光板を液晶表示装置に用いることによって、種々の視認性に優れた前記液晶表示装置を作製することができる。
熱可塑性樹脂フィルム、偏光板はSTN、TN、OCB、HAN、VA(MVA、PVA)、IPS、OCBなどの各種駆動方式の液晶表示装置に用いることができる。
特にVA(MVA、PVA)型液晶表示装置に用いられることが好ましい。
特に画面が30型以上の大画面の液晶表示装置であっても、光漏れによる黒表示時の着色を低減し、正面コントラストなど視認性に優れた液晶表示装置を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
《ポリエステル系添加剤の準備》
表1に記載のポリエステル系添加剤PE−1〜PE−18を、下記の方法に従って合成して、準備した。
〔ポリエステル系添加剤の合成〕
〈例示化合物PE−1の合成:合成例1)
窒素雰囲気下、フタル酸ジメチルの19.2g、エチレングリコールの18.6g、テトライソプロピルチタネートの30mgを混合し、生成するメタノールを留去しながら、165℃で1時間攪拌を行った。更に、185℃で1時間攪拌を行った後、195℃に昇温して18時間攪拌を行った。次に、170℃まで降温し、未反応物のエチレングリコールを減圧留去することにより、例示化合物PE−1を得た。
(例示化合物PE−2の合成:合成例2)
上記合成例1で得られた例示化合物PE−1の両末端のOH基にブタン酸メチルを反応させて封止して、末端にブチルエステルを有する例示化合物PE−2を得た。
(例示化合物PE−3の合成:合成例3)
上記合成例1に記載の例示化合物PE−1の合成において、フタル酸ジメチルを同量のイソフタル酸ジメチルに変更した以外は同様にして、例示化合物PE−3を得た。
(例示化合物PE−4の合成:合成例4)
上記合成例1に記載の例示化合物PE−1の合成において、フタル酸ジメチルを同量のテレフタル酸ジメチルに変更した以外は同様にして、例示化合物PE−4を得た。
(例示化合物PE−5の合成:合成例5)
上記合成例1に記載の例示化合物PE−1の合成において、19.4gのフタル酸ジメチルを、15.5gのテレフタル酸ジメチルに変更した以外は同様にして、例示化合物PE−5を得た。
(例示化合物PE−6の合成:合成例6)
上記合成例1に記載の例示化合物PE−1の合成において、19.4gのフタル酸ジメチルを、24.4gの2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルに変更した以外は同様にして、例示化合物PE−6を得た。
(例示化合物PE−7の合成:合成例7)
上記合成例6に記載の例示化合物PE−6の合成において、18.6gのエチレングリコールを、22.8gの1,2−プロピレングリコールに変更した以外は同様にして、例示化合物PE−7を得た。
(例示化合物PE−8の合成:合成例8)
上記合成例6に記載の例示化合物PE−6の合成において、18.6gのエチレングリコールを、27.0gの1,3−ブチレングリコールに変更した以外は同様にして、例示化合物PE−8を得た。
(例示化合物PE−9の合成:合成例9)
上記合成例6に記載の例示化合物PE−6の合成において、18.6gのエチレングリコールを、41.4gの1,4−キシレングリコールに変更した以外は同様にして、例示化合物PE−9を得た。
(例示化合物PE−10の合成:合成例10)
上記合成例6に記載の例示化合物PE−6の合成において、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルを、同量の1,5−ナフタレンジカルボン酸ジメチルに変更した以外は同様にして、例示化合物PE−10を得た。
(例示化合物PE−11の合成:合成例11)
上記合成例6に記載の例示化合物PE−6の合成において、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルを、同量の1,4−ナフタレンジカルボン酸ジメチルに変更した以外は同様にして、例示化合物PE−11を得た。
(例示化合物PE−12の合成:合成例12)
上記合成例6に記載の例示化合物PE−6の合成において、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルを、同量の1,8−ナフタレンジカルボン酸ジメチルに変更した以外は同様にして、例示化合物PE−12を得た。
(例示化合物PE−13の合成:合成例13)
上記合成例6に記載の例示化合物PE−6の合成において、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルを、同量の2,3−ナフタレンジカルボン酸ジメチルに変更した以外は同様にして、例示化合物PE−13を得た。
(例示化合物PE−14の合成:合成例14)
上記合成例13に記載の例示化合物PE−13の合成において、18.6gのエチレングリコールを、41.4gの1,4−キシレングリコールに変更した以外は同様にして、例示化合物PE−14を得た。
(例示化合物PE−15の合成:合成例15)
上記合成例6に記載の例示化合物PE−6の合成において、24.4gの2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルを、27.0gの4,4′−ビフェニルジカルボン酸ジメチルに変更した以外は同様にして、例示化合物PE−15を得た。
(例示化合物PE−16の合成:合成例16)
上記合成例6に記載の例示化合物PE−6の合成において、24.4gの2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルを、27.0gの2,2′−ビフェニルジカルボン酸ジメチルに変更した以外は同様にして、例示化合物PE−16を得た。
(例示化合物PE−17の合成:合成例17)
上記合成例1に記載の例示化合物PE−1の合成において、19.4gのフタル酸ジメチルを、14.6gのコハク酸ジメチルに変更し、かつ18.6gのエチレングリコールを、55.9gの4,4′−ビフェニルジオールに変更した以外は同様にして、例示化合物PE−17を得た。
(例示化合物PE−18の合成:合成例18)
上記合成例1に記載の例示化合物PE−1の合成において、19.4gのフタル酸ジメチルを、14.6gのコハク酸ジメチルに変更した以外は同様にして、芳香族基を含まない比較の例示化合物PE−18を得た。
(重量平均分子量の測定)
上記合成した各ポリエステル系添加剤の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、下記の測定条件で測定した。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=500〜2800000の範囲にある13サンプルによる校正曲線を使用した。
(芳香族基含有率の計算)
上記例示化合物PE−1〜PE−18について、二塩基酸成分の質量、グリコール成分の質量及び芳香族基の質量より、計算により、全質量に対する芳香族基質量率(質量%)を計算した。
以上により合成した例示化合物PE1〜PE18の詳細を、表1に示す。
《熱可塑性樹脂フィルムの作製》
〔熱可塑性樹脂フィルム1の作製〕
(微粒子添加液の調製)
11.3質量部の微粒子(アエロジル R972V、日本アエロジル(株)製)と、84質量部のエタノールとを、ディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散した。
溶解タンク中の十分攪拌されているジクロロメタン(100質量部)に、5質量部の微粒子分散液を、ゆっくりと添加した。さらに、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFでろ過し、微粒子添加液を調製した。
(主ドープの調製)
下記組成の主ドープを調製した。まず加圧溶解タンクにジクロロメタンとエタノールを添加した。ジクロロメタンとエタノールの混合溶液の入った加圧溶解タンクに、主樹脂としてシクロオレフィン樹脂であるARTON G7810と、ポリエステル系添加剤である例示化合物PE1と紫外線吸収剤と微粒子添加液を攪拌しながら投入した。これを加熱し、攪拌しながら、完全に溶解し、これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用してろ過し、主ドープを調製した。
主樹脂:シクロオレフィン樹脂(ARTON G7810、JSR(株)製)
100質量部
溶剤1:ジクロロメタン 200質量部
溶剤2:エタノール 10質量部
ポリエステル系添加剤:PE1 3.33質量部
紫外線吸収剤:チヌビン928、BASFジャパン社製 4質量部
微粒子添加液 3質量部
以上の成分を密閉容器に投入し、攪拌しながら溶解して主ドープを調製した。次いで、無端ベルト流延装置を用い、ドープを温度31℃、1800mm幅でステンレスベルト支持体上に均一に流延した。ステンレスベルトの温度は28℃に制御した。
ステンレスベルト支持体上で、流延(キャスト)したフィルム中の残留溶剤量が30%になるまで溶剤を蒸発させた。次いで、剥離張力128N/mで、ステンレスベルト支持体上から剥離した。剥離したフィルムを、160℃の条件下で幅方向に1.15倍延伸した。延伸開始時の残留溶剤は5質量%であった。次いで、乾燥ゾーンを多数のローラーで搬送させながら乾燥を終了させ、テンタークリップで挟んだ端部をレーザーカッターでスリットし、その後、巻き取り、原反フィルムとした。
得られた原反フィルムをさらに、図1及び図2に記載の斜め延伸装置を用いて、温度条件を200℃として、延伸工程における斜め延伸倍率として1.80倍で、延伸方向と長手方向が45°となるように斜め延伸し、熱可塑性樹脂フィルム1を得た。
〔熱可塑性樹脂フィルム2〜38の作製〕
上記熱可塑性樹脂フィルム1の作製において、熱可塑性樹脂である主樹脂の種類、ポリエステル系添加剤の種類と添加量(質量%)、及び成膜時の延伸倍率を、表2に記載の組み合わせに変更した以外は同様にして、熱可塑性樹脂フィルム2〜38を作製した。
表2に記載の主樹脂の詳細は以下の通りである。
ARTON:シクロオレフィンポリマー、JSR社製 G7810、酸素原子含有率=15.3質量%
Zeonor:シクロオレフィンポリマー、日本ゼオン社製 ZF14、酸素原子含有率=0質量%
PC:ポリカーボネート、帝人化成社製 パンライト L−1225LM、酸素原子含有率=18.9質量%
PET:ポリエチレンテレフタレート、東洋紡績社製 東洋紡エステルフィルムE7002、酸素原子含有率=33.3質量%
《各特性値の測定》
〔配向度fの計算〕
主樹脂の配向度fを下記の方法により求めた。
〈計算ソフト〉
Materials Studio(accelrys社製)
〈計算の手順〉
(1)Materials Studioを起動して、モノマー構造を作成した
(2)モノマー構造に対し、力場を振り当てた
(3)熱可塑性樹脂とポリエステル系添加剤の構造を最適化した
(4)分子動力学(MD)計算を用いて緩和させた
(5)得られたセル中の熱可塑性樹脂のφ(角度)を解析して、前記式(2)に従って、配向度fを求めた。
〔アスペクト比の計算〕
上記配向度fの計算と同様にして、計算ソフト:Materials Studio(accelrys社製)を用い、作成したセル中のポリエステル系添加剤について、添加剤の軸方向に対し、その軸の中央部において、軸と垂直な面の断面部の円面積相当径の直径をDとし、軸方向における添加剤の長さをLとしたとき、L/Dを求め、これをアスペクト比として求めた。
具体的には、計算ソフト:Materials Studio(accelrys社製)を用いて、配向度fを計算した後、計算ソフトとして、Winmostar(accelrys社製)を用い、セル中のポリエステル系添加剤を選択し、Winmostarにインストールした。次いで、上記方法に従って、直径Dと長さLを求め、ポリエステル系添加剤を構成する分子の立体構造におけるアスペクト比(L/D)を計算した。
〔面内リターデーション値Ro及び厚さ方向リターデーション値Rtの測定〕
上記作製した熱可塑性樹脂フィルム1〜38について、フィルムの幅手方向の中央部におけるリターデーション値Ro及びRtを測定した。
23℃、55%RHの環境下で、各フィルムを2時間調湿した後、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器社製)を用いて、波長590nmにおける3次元複屈折率測定を行い、下記に従って、面内リターデーション値Ro及び厚さ方向リターデーション値Rtを求めた。
式(3)
Ro=(n−n)×d
式(4)
Rt={(n+n)/2−n}×d
上記式(3)及び(4)において、nは、熱可塑性樹脂フィルムの面内方向において屈折率が最大になる方向xにおける屈折率を表し、nは熱可塑性樹脂フィルムの面内方向において、前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を表し、nは、熱可塑性樹脂フィルムの厚さ方向zにおける屈折率を表し、d(nm)は熱可塑性樹脂フィルムの厚さを表す。
〔DSP変化巾の測定〕
下記の方法に従って、添加剤による波長分散性(DSP)への影響を評価した。
(添加剤含有によるDSP1の測定)
上記作製した熱可塑性樹脂フィルム1〜38について、上記と同様の方法による3次元複屈折率測定で、波長450nmにおける面内リターデーション値Ro1(450)と、波長650nmにおける面内リターデーション値Ro1(650)を測定し、下式に従って、DSP1を求めた。
DSP1=Ro1(450)/Ro1(650)
(添加剤未添加によるDSP2の測定)
上記熱可塑性樹脂フィルム1〜38の作製において、ポリエステル系添加剤を除いた以外は同様にして、熱可塑性樹脂フィルム1A〜38Aを作製した。ただし、熱可塑性樹脂フィルム35と熱可塑性樹脂フィルム35Aは同一のフィルムである。
次いで、DSP1の測定と同様にして、熱可塑性樹脂フィルム1A〜38Aについて、上記と同様の方法による3次元複屈折率測定で、波長450nmにおける面内リターデーション値Ro2(450)と、波長650nmにおける面内リターデーション値Ro2(650)を測定し、下式に従って、DSP2を求めた。
DSP2=Ro2(450)/Ro2(650)
(添加剤の有無によるDSP変化巾の測定)
次いで、上記測定したDSP1とDSP2の差の絶対値を求め、これをDSP変化巾とした。
以上により得られた結果を、表3に示す。
表3に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する酸素原子含有量の熱可塑性樹脂と、芳香族基含有量のポリエステル系添加剤により構成される熱可塑性樹脂フィルムは、比較例に対し、面内リターデーションRoに優れた効果を発現し、ポリエステル系添加剤を組み入れても、波長分散の劣化巾が小さく、リターデーションと波長分散性の両立が図られていることが分かる。
加えて、本発明の熱可塑性フィルムは、特定のポリエステル化合物の効果により高い配向性を有し、かつ酸素原子含有率が低い熱可塑性樹脂を用いることが特徴であり、上記でその効果を実証した光学フィルムの他に、様々な分野での樹脂基材としても好適に使用できる。光学フィルム以外の用途としては、例えば、ガスバリアー性フィルム(酸素バリアーフィルムや水蒸気バリアーフィルム、農業用フィルム等)、耐傷性フィルム(加飾フィルム、太陽熱発電用フィルム、タブレット端末用保護フィルム等)、難燃性フィルム、として用いることができる。
A 熱可塑性樹脂フィルムA
21 延伸方向(TD方向)
22 延伸方向
23 搬送方向(MD方向)
24 遅相軸
25 斜め延伸装置
26 フィルム繰り出し装置
27 搬送方向変更装置
28 巻取装置
29 成膜装置
D1 フィルム原反の繰出方向
D2 延伸フィルムの巻取方向
θ1 繰出角度
Ci、Co 把持具
Ri、Ro レール

Claims (10)

  1. 主樹脂として酸素原子含有率が35質量%以下である熱可塑性樹脂と、芳香族基含有率が30質量%以上であるポリエステル系添加剤を含有する熱可塑性樹脂フィルムであって、
    フィルム中における前記主樹脂の配向度fが、0.1〜0.5の範囲内に調整されていることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルム。
  2. 成膜後の前記ポリエステル系添加剤を構成する分子の立体構造におけるアスペクト比が、1.7以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  3. 前記熱可塑性樹脂として、シクロオレフィンポリマーを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  4. 温度23℃、湿度55%RHの環境下、光波長590nmで測定した、下式(1)で表されるフィルム面内の位相差値Ro(590)が、70〜300nmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
    式(1)
    Ro(λ)=(n−n)×d
    〔式中、λは測定に用いた光波長(nm)を表し、n及びnは、それぞれ温度23℃、湿度55%RHの環境下で測定され、nはフィルムの面内の最大の屈折率(遅相軸方向の屈折率)を表し、nはフィルム面内で遅相軸に直交する方向の屈折率を表し、dはフィルムの厚さ(nm)を表す。〕
  5. 前記ポリエステル系添加剤が、少なくとも下記芳香族ジカルボン酸群から選ばれる少なくとも一種の芳香族ジカルボン酸を用いて合成されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
    芳香族ジカルボン酸群:フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,8−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、2,2′−ビフェニルジカルボン酸
  6. 前記ポリエステル系添加剤の含有量が、1.0〜30質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  7. 前記ポリエステル系添加剤の含有量が、3.0〜10質量%の範囲内であることを特徴とする請求項6に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  8. 主樹脂として酸素含有率が35質量%以下である熱可塑性樹脂と、芳香族基含有率が30質量%以上であるポリエステル系添加剤を用いて製造する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法であって、
    前記熱可塑性樹脂と前記ポリエステル系添加剤との混合物を支持体上に流延してウェブを形成した後、延伸工程における延伸倍率が1.03〜2.00の範囲内で延伸処理を施すことを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  9. 前記熱可塑性樹脂として、シクロオレフィンポリマーを用いることを特徴とする請求項8に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  10. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂フィルムを具備していることを特徴とする液晶表示装置。
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