JP2018080180A - (2s,5r)−7−オキソ−6−スルホオキシ−2−[((3r)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン - Google Patents

(2s,5r)−7−オキソ−6−スルホオキシ−2−[((3r)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン Download PDF

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Abstract

【課題】結晶形態の(2S,5R)−7−オキソ−6−スルホオキシ−2−[((3R)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンの提供。【解決手段】7.03(±0.2)、9.17(±0.2)、13.52(±0.2)、15.19(±0.2)、16.28(±0.2)、16.92(±0.2)、18.30(±0.2)、19.10(±0.2)、20.49(±0.2)、21.62(±0.2)、22.01(±0.2)、22.77(±0.2)、23.72(±0.2)、25.05(±0.2)、25.64(±0.2)、27.04(±0.2)等のピークを含むX線粉末回折パターンを有する該化合物。【選択図】図1

Description

関連特許出願
本出願は、2013年3月8日に出願され、その開示があたかも本明細書に完全に書き換えられたかのように全体として参照により本明細書に組み込まれているインド特許出願第717/MUM/2013号の利益を主張する。その明細書に引用されている特許、特許出願、及び文献を含めた全ての参考文献は、明確にそれら全体として参照により本明細書に組み込まれている。
本発明は、(2S,5R)−7−オキソ−6−スルホオキシ−2−[((3R)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンの調製のためのプロセスに関する。
(2S,5R)−7−オキソ−6−スルホオキシ−2−[((3R)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンの調製のためのプロセスとして化学的に知られている式(I)の化合物は、抗細菌性を有しており、PCT国際特許出願第PCT/IB2012/054290号に開示されている。
Figure 2018080180
1つの一般的態様において、式(I)
Figure 2018080180
の化合物の調製のためのプロセスであって、
(a)式(II)の化合物を式(III)の化合物と反応させて式(IV)の化合物を得るステップと、
Figure 2018080180
(b)式(IV)の化合物を水素化分解して式(V)の化合物を得るステップと、
Figure 2018080180
(c)式(V)の化合物をスルホン化して式(VI)の化合物を得るステップと、
Figure 2018080180
(d)式(VI)の化合物を式(I)の化合物に変換するステップと、
を含む、上記プロセスが提供される。
本発明の1つ又は複数の実施形態の詳細が、以下の記述の中に示されている。本発明のその他の特徴、目的及び有利な点は、特許請求の範囲を含めた以下の記述から明らかとなろう。
X線粉末回折パターン
例示的な実施形態に対する言及がこれからなされ、特定の言葉がその実施形態を説明するために本明細書では使用される。それにもかかわらず、それにより本発明の範囲の限定が意図されることはないことが理解されるべきである。従来の技術に熟達している者及びこの開示の所有権を有している者には心に浮かぶであろう本明細書に説明されている本発明の特徴の変更及びさらなる修正、並びに本明細書で説明されているような本発明の原理のさらなる応用は、本発明の範囲内と考えられるべきである。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、その文脈が別なふうにはっきりと指示していない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。本明細書に引用されている特許、特許出願、及び文献を含めた全ての参考文献は、あたかも本明細書に完全に書き換えられたかのように明確にそれら全体として参照により本明細書に組み込まれている。
用語「HOBt」は、本明細書で使用されるとき、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを指す。
用語「EDC」は、本明細書で使用されるとき、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを指す。
1つの一般的態様において、式(I)
Figure 2018080180
の化合物の調製のためのプロセスであって、
(a)式(II)の化合物を式(III)の化合物と反応させて式(IV)の化合物を得るステップと、
Figure 2018080180
(b)式(IV)の化合物を水素化分解して式(V)の化合物を得るステップと、
Figure 2018080180
(c)式(V)の化合物をスルホン化して式(VI)の化合物を得るステップと、
Figure 2018080180
(d)式(VI)の化合物を式(I)の化合物に変換するステップと、
を含む、上記プロセスが提供される。
式(IV)の化合物は、式(II)の化合物を式(III)の化合物と反応させることによって得られる。いくつかの実施形態において、この反応は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下で行われる。いくつかの他の実施形態において、式(IV)の化合物は、式(II)の化合物を式(III)の化合物と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリドの存在下で反応させることによって得られる。いくつかの実施形態において、この反応は、反応溶媒としての水の中で行われる。
式(V)の化合物は、式(IV)の化合物の水素化分解によって得られる。その水素化分解反応は、適切な水素化分解剤を使用して行うことができる。いくつかの実施形態において、式(V)の化合物を得るための式(IV)の化合物の水素化分解は、遷移金属触媒及び水素源の存在下で行われる。いくつかの他の実施形態において、遷移金属触媒は、パラジウム炭素であり、水素源は水素ガスである。いくつかの他の実施形態において、その水素化分解反応は、アルコール(例えば、メタノール)のような適切な溶媒の存在下で行われる。いくつかの実施形態において、式(V)の化合物を得るための式(IV)の化合物の水素化分解は、溶媒としてのメタノール中、水素ガスの存在下で10%のパラジウム炭素触媒を使用して行われる。
式(VI)の化合物は、式(V)の化合物をスルホン化することによって得られる。そのスルホン化反応は適切な溶媒の存在下で行うことができる。いくつかの実施形態において、式(VI)の化合物を得るための式(V)の化合物のスルホン化は、式(V)の化合物を三酸化硫黄−ピリジン錯体と反応させ、その後硫酸水素テトラブチルアンモニウムにより処理することによって行われる。
式(VI)の化合物は、適切な試薬の存在下で式(I)の化合物に変換される。いくつかの実施形態において、式(VI)の化合物は、式(VI)の化合物をトリフルオロ酢酸と反応させることによって式(I)の化合物に変換される。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、スキーム1に記載されているプロセスを使用して調製される。
Figure 2018080180
スキーム-1
いくつかの実施形態において、結晶形態の式(I)の化合物が提供される。
いくつかの他の実施形態において、10.28(±0.2)、10.57(±0.2)、12.53(±0.2)、13.82(±0.2)、15.62(±0.2)、18.16(±0.2)、18.49(±0.2)、20.35(±0.2)、20.64(±0.2)、21.33(±0.2)、22.99(±0.2)、23.18(±0.2)、24.27(±0.2)、24.81(±0.2)、25.45(±0.2)、29.85(±0.2)、30.45(±0.2)、32.39(±0.2)、及び36.84(±0.2)°2θからなる群から選択されるピークを含むX線粉末回折パターンを有する、結晶形態の式(I)の化合物が提供される。
いくつかの他の実施形態においては、10.28(±0.2)、10.57(±0.2)、12.53(±0.2)、13.82(±0.2)、15.62(±0.2)、18.16(±0.2)、18.49(±0.2)、20.35(±0.2)、20.64(±0.2)、21.33(±0.2)、24.27(±0.2)、24.81(±0.2)、及び25.45(±0.2)°2θからなる群から選択されるピークを含むX線粉末回折パターンを有する、結晶形態の式(I)の化合物が提供される。
いくつかの他の実施形態においては、図1に示されているのと実質的に同じX線粉末回折パターンを有する、結晶形態の式(I)の化合物が提供される。
いくつかの実施形態において、式(II)
Figure 2018080180
の化合物の調製のためのプロセスであって、
(a)式(VII)の化合物を式(VIII)の化合物にエステル化するステップと、
Figure 2018080180
(b)式(VIII)の化合物を式(II)の化合物に変換するステップと、
を含む、上記プロセスが提供される。
一般に、式(VII)の化合物の式(VIII)の化合物へのエステル化は、適切なエステル化剤を使用して行うことができる。適切なエステル化剤の代表例としては、炭酸カリウムの存在下でのヨウ化エチルが挙げられる。エステル化された式(VIII)の化合物は、その後ヒドラジン水和物のような適切な試薬を使用して化合物式(II)に変換される。式(II)の化合物の合成についての概略図は、スキーム−2に示されている。
Figure 2018080180
スキーム-2
さまざまな置き換え及び修正が、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく本明細書に開示される本発明になされ得ることは当業者には容易にわかるであろう。例えば、当業者であれば、本発明は記載された一般的記述の範囲内のさまざまな異なる化合物を使用して実施され得ることがわかるであろう。
以下の例は、現在最もよく知られた本発明の実施形態を説明する。しかしながら、以下は本発明の原理の例示的な又は説明のための適用にすぎないことを理解されるべきである。多数の修正及び代替の組成物、方法、並びに系が、当業者により本発明の精神及び範囲から逸脱することなく考案され得る。添付の特許請求の範囲はそのような修正及び処理の範囲にわたることが意図されている。かくして、本発明は特殊性と共に上に記載されているが、以下の例は、最も現実的で好ましい本発明の実施形態であると現在考えられることに関連してさらなる詳細を提供している。
(例1)
(R)−N−Boc−ピペリジン−3−カルボン酸ヒドラジド(II)の調製:
ステップ−1:(R)−エチル−N−Boc−ピペリジン−3−カルボキシレート(VIII)の調製
N,N−ジメチルアセトアミド(3L)中の(R)−N−Boc−ピペリジン−3−カルボン酸(1kg、4.36mol)の溶液に、機械的撹拌下で炭酸カリウム(0.664kg、4.80mol)を仕込み、得られた懸濁液を30分間室温で撹拌した。その反応塊にヨウ化エチル(0.75kg、4.80mol)を添加ロートにより仕込み、その反応塊を、室温で15分間、続いて50℃で1時間撹拌した。その反応は、TLC(酢酸エチル:ヘキサンが1:1)を使用してモニタリングした。その反応が完了した後、その反応塊をそのまま室温まで冷却し、酢酸エチル(5L)で希釈した。その懸濁液を、吸引下で濾過し、そのウェットケーキを酢酸エチル(5L)で洗浄した。その濾液を容積当たり5重量%のチオ硫酸ナトリウム(15L)と共に撹拌し、層を分離した。その水性層を、さらなる酢酸エチル(5L)で再び抽出した。合わせた有機層を、水(5L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。その有機層を真空下で蒸発させ、1.1kgの量で99.5%の収率の(R)−エチル−N−Boc−ピペリジン−3−カルボキシレートとして存在する際には固化する半固体を得た。
分析:
NMR: (CDCl3): 4.63 (q, 2H), 3.90 (d, 1H), 2.87-2.95 (m, 2H), 2.73 (td, 1H), 2.32-2.39 (m, 1H), 1.66-2.01 (m, 2H), 1.52-1.68 (m, 2H), 1.39 (s, 9H), 1.19 (t, 3H).
質量: (M+1): 258.1(C13H23NO4);
ステップ−2:(R)−N−Boc−ピペリジン−3−カルボン酸ヒドラジド(II)の調製:
(R)−N−Boc−ピペリジン−3−カルボキシレート(1.1kg、4.28mol)を、加温により液化し、丸底フラスコ(10L)に移し、これにヒドラジン水和物(0.470kg、9.41mol)を仕込み、そして撹拌を開始した。その反応混合物を、約120℃〜125℃で5時間撹拌した。TLC(クロロホルム:メタノールが9:1)が、反応の完了を示すと、その反応混合物を室温まで冷却し、水(5.5L)で、続いてジクロロメタン(11L)で希釈し、20分間撹拌した。層を分離し、水性層をさらなるジクロロメタン(5.5L)で抽出した。合わせた有機層を、水(2.75L)で洗浄した。その有機層を、硫酸ナトリウムで脱水し、真空下で蒸発させ粘稠なゲルを得、それは、シクロヘキサン(5.5L)の存在下で撹拌及びシード添加すると白色固体を得た。
その懸濁液を濾過し、ウェットケーキを新鮮なシクロヘキサン(0.5L)で洗浄した。
そのケーキを、真空下35℃で乾燥し、0.90kgの量の87%の収率で白色固体として(R)−N−Boc−ピペリジン−3−カルボン酸ヒドラジドを得た。
分析
NMR: (CDCl3): 7.42 (br s, 1H), 3.92 (d, 1H), 3.88 (s, 2H), 3.54-3.65 (br s, 1H), 3.17 (br t, 1H), 2.98 (br s, 1H), 2.22-2.32 (br s, 1H), 1.82-1.90 (br m, 2H), 1.76 (s, 1H), 1.60-1.70 (m, 1H), 1.45 (s, 9H).
質量 (M+1): 244.1(C11H21N3O3).
比旋光度:[α]25 D=−53.5°(c0.5、メタノール)。
HPLC純度:99%
(例2)
(2S,5R)−7−オキソ−6−スルホオキシ−2−[((3R)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン(I)の調製
ステップ−1:(2S,5R)−6−ベンジルオキシ−7−オキソ−2−[((3R)−N−Boc−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン(IV)の調製:
(2S,5R)−7−オキソ−6−ベンジルオキシ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボン酸ナトリウム(III、200g、0.67mol;インド特許出願第699/MUM/2013号に開示されている方法を使用して調製された)を、水(2.8L)中に溶解し、室温での撹拌下で透明な溶液を得た。その透明な溶液に、(R)−N−Boc−ピペリジン−3−カルボン酸ヒドラジド(171g、0.70mol)、EDCヒドロクロリド(193g、1.01mol)、及びHOBt(90.6g、0.67mol)を順次添加し、続いて撹拌下35℃で水(0.56L)を添加した。その反応混合物を、35℃で20時間撹拌した。最大の沈殿が達せられたとき、TLC(アセトン:ヘキサンが35:65)は、反応の完了を示した。その懸濁液を吸引下で濾過し、そのウェットケーキを、さらなる水(2L)で洗浄した。そのウェットケーキを温水(10L)中に懸濁し、5時間撹拌した。それを吸引下で濾過し、真空下45℃で乾燥し、270gの量の87%の収率で白色粉末として(2S,5R)−6−ベンジルオキシ−7−オキソ−2−[((3R)−N−Boc−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン(IV)を得た。
分析
NMR: (CDCl3): 8.40 (br s, 1H), 7.34-7.44 (m, 5H), 5.05 (d, 1H), 4.90 (d, 1H), 4.00 (br d, 1H), 3.82 (br s, 1H), 3.30 (br s, 1H), 3.16-3.21 (m, 1H), 3.06 (br d, 1H), 2.42 (br s, 1H), 2.29-2.34 (m, 1H), 1.18-2.02 (m, 4H), 1.60-1.75 (m, 4H), 1.45-1.55 (m, 2H),1.44 (s, 9H).
質量: (M+1) = 502.1(C25H35N5O6)
HPLC純度:98.4%
ステップ−2:(2S,5R)−6−ヒドロキシ−7−オキソ−2−[((3R)−N−Boc−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン(V)の調製:
(2S,5R)−6−ベンジルオキシ−7−オキソ−2−[((3R)−N−Boc−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノ−カルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン(153g、0.305mol)を、メタノール(1.23L)中に溶解し透明な溶液を得た。この溶液に、10%Pd−C(15.3g、50%湿潤)触媒を添加した。この懸濁液を、100psiの水素雰囲気下35℃で3時間撹拌した。
反応がTLC(TLC系メタノール:クロロホルムが10:90)に基づいて完了を示したとき、その触媒を、吸引下でセライトで濾過した。その触媒を、さらなるメタノール(600ml)で洗浄した。その濾液を、40℃未満の真空下で蒸発させ、粗製残渣を得た。その残渣を、シクロヘキサン(1.23L)と共に1時間撹拌した。その固体を吸引濾過し、そのウェットケーキを、さらなるシクロヘキサン(0.25L)で洗浄し、固体として125gの量の定量的収率で、(2S,5R)−6−ヒドロキシ−7−オキソ−2−[((3R)−N−Boc−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン(V)を得た。不安定であるその生成物は、次の反応のためにすぐに使用した。
分析
NMR: (CDCl3): 9.0 (br s, 2H), 4.01 (br d, 2H), 3.80 (br s, 1H), 3.74 (br s, 1H), 3.48 (s, 1H), 3.13-3.26 (m, 3H), 2.96 (br s, 1H), 2.47 (br s, 1H), 2.28-2.32 ( br dd, 1H), 2.08 (br s, 1H), 1.90-2.0 (m, 3H),1.65-1.80 (m, 3H) 1.44 (s, 9H). 質量: (M-1): 410.3(C18H29N5O6)
HPLC純度:96.34%
ステップ−3:(2S,5R)−6−ヒドロキシ−7−オキソ−2−[((3R)−N−Boc−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンのテトラブチルアンモニウム塩(VI)の調製:
(2S,5R)−6−ヒドロキシ−7−オキソ−2−[((3R)−N−Boc−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン(113g、0.274mol)のジクロロメタン(1.13L)中の溶液に、撹拌下でトリエチルアミン(77ml、0.548mol)を仕込み、透明な溶液を得た。この透明な溶液に、三酸化硫黄−ピリジン錯体(57g、0.356mol)を、撹拌下35℃で添加した。その反応混合物を3時間撹拌した。その反応混合物に、0.5Mのリン酸二水素カリウム水溶液(1.13L)を添加し、続いて酢酸エチル(2.26L)を添加することによって徐々に拡大させ、その二相混合物を35℃で15分間撹拌した。層を分離した。水性層は、ジクロロメタン酢酸エチル混合物で再度抽出した(1:2容積比、2.26L2回)。層を分離した。その水性層に、固体の硫酸水素テトラブチルアンモニウム(84g、0.247mol)を添加し、室温で3時間撹拌を続けた。
ジクロロメタン(1.13L)を、その反応混合物に添加した。層を分離した。その水性層を、さらなるジクロロメタン(0.565L)で再度抽出した。層を分離した。合わせた有機層に、シリカゲル(226g)を添加し、その懸濁液を1時間撹拌した。懸濁液を濾過し、シリカゲルをジクロロメタン(1L)で洗浄した。その合わせた濾液を、真空下で蒸発させ、固体素材を得た。その固体素材にシクロヘキサン(0.9L)を添加し、完全な固化が起こるまで撹拌した(約1〜2時間)。その懸濁液を、吸引下で濾過し、そのウェットケーキを40℃未満の真空下で乾燥し、白色固体として(2S,5R)−6−ヒドロキシ−7−オキソ−2−[((3R)−N−Boc−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンのテトラブチルアンモニウム塩(VI)を122g量の60%の収率で得た。
分析
NMR: (CDCl3): 8.50 (br s, 2H), 4.32 (br s, 1H), 3.97 (d, 2H), 3.15-3.37 (m, 12H), 2.43 (br s, 1H), 2.33 (d, 1H), 2.10-2.2 (br m, 1H), 1.84-1.95 (m, 3H), 1.60-1.73 (m, 13H), 1.39-1.48 (m, 19H), 0.98 (t, 12H).
質量:(M−1):490.4(遊離のスルホン酸としてのC18H28N5O9S.N(C4H9)4);
HPLC純度:96.3%
ステップ−4:(2S,5R)−6−スルホオキシ−7−オキソ−2−[((3R)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン(I)の合成:
(2S,5R)−6−スルホオキシ−7−オキソ−2−[((3R)−N−Boc−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンのテトラブチルアンモニウム塩(113g、0.154mol)を、ジクロロメタン(280ml)中に溶解し、その透明な溶液にトリフルオロ酢酸(280ml)を0〜5℃の間でゆっくり添加した。その反応混合物を、0〜5℃の間で1時間撹拌した。その溶媒及び過剰のトリフルオロ酢酸を、40℃未満の真空下でその元の容積のほぼ1/3まで蒸発させ、淡黄色の油状の残渣を得た。その油状の残渣を、ジエチルエーテル(2.25L)と1時間撹拌し、懸濁液を得た。その沈殿物を、吸引下で濾過し、丸底フラスコに移し、それにジエチルエーテル(1.1L)を撹拌下で添加した。その懸濁液を30分間撹拌し、吸引下で濾過して固体を得た。その固体を、丸底フラスコに仕込み、それにはアセトン(1.130L)を添加した。その懸濁液のpHは、2−エチルヘキサン酸ナトリウムのアセトン中の10%溶液を注意深く添加することによって4.5〜5.5に調整した。得られた懸濁液を、吸引下で濾過し、そのウェットケーキはアセトン(550ml)で洗浄し粗製の固体を得た。その得られた固体は、40℃未満の真空下で乾燥し、65gの粗製素材を得た。その粗製素材を撹拌下水(65ml)中に溶解し、その透明な溶液にはイソプロピルアルコール(455ml)を添加した。その懸濁液を、24時間撹拌し、そして吸引下で濾過した。そのウェットケーキを、イソプロピルアルコール(225ml)で洗浄し、40℃未満の真空下で乾燥し、不純物のない結晶質の(2S,5R)−6−スルホオキシ−7−オキソ−2−[((3R)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン(I)を48gの量の80%の収率で得た。
分析
NMR: (DMSO-d6) = 9.97 (d, 2H), 8.32 (br s, 2H), 4.00 (br s, 1H), 3.81 (d, 1H), 3.10-3.22 (m, 3H), 2.97-3.02 (m, 2H), 2.86-2.91 (m, 1H), 2.65-2.66 (m, 1H), 1.97-2.03 (m, 1H), 1.57-1.88 (m, 7H).
質量: (M-1): 390.3(C13H21N5O7S)
HPLC純度:95.78%
比旋光度:[α]25 D: −32.6°(c 0.5、水)
(2θ値)でピークを構成しているX線粉末回折パターン:10.28(±0.2)、10.57(±0.2)、12.53(±0.2)、13.82(±0.2)、15.62(±0.2)、18.16(±0.2)、18.49(±0.2)、20.35(±0.2)、20.64(±0.2)、21.33(±0.2)、22.99(±0.2)、23.18(±0.2)、24.27(±0.2)、24.81(±0.2)、25.45(±0.2)、29.85(±0.2)、30.45(±0.2)、32.39(±0.2)、36.84(±0.2)。
典型的なX線分析は、以下のようにして実施した。試験物質を、ふるい#100BSSに通すか、又は乳鉢と乳棒でそれを優しくこすり回してすりつぶす。その試験物質を一面に空洞表面を有する試料保持器上に均一に置き、その試料を押圧し、スライドガラスを使用して試料の表面が平らでむらがないように薄い均一なフィルムに切断する。X線回折図を以下の装置パラメーターを使用して記録する。
Figure 2018080180
Figure 2018080180
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕式(I)
Figure 2018080180

の化合物の調製のためのプロセスであって、
(a)式(II)の化合物を式(III)の化合物と反応させて式(IV)の化合物を得るステップと、
Figure 2018080180
(b)式(IV)の化合物を水素化分解して式(V)の化合物を得るステップと、
Figure 2018080180

(c)式(V)の化合物をスルホン化して式(VI)の化合物を得るステップと、
Figure 2018080180

(d)式(VI)の化合物を式(I)の化合物に変換するステップと、
を含む、前記プロセス。
〔2〕式(IV)の化合物を得るための式(II)の化合物の式(III)の化合物との反応が、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリドの存在下で行われる前記〔1〕に記載のプロセス。
〔3〕式(IV)の化合物を得るための式(II)の化合物の式(III)の化合物との反応が、溶媒としての水の存在下で行われる前記〔1〕に記載のプロセス。
〔4〕式(V)の化合物を得るための式(IV)の化合物の水素化分解が、遷移金属触媒及び水素源の存在下で行われる前記〔1〕に記載のプロセス。
〔5〕遷移金属触媒が、パラジウム炭素であり、水素源が、水素ガスである前記〔4〕に記載のプロセス。
〔6〕式(VI)の化合物を得るための式(V)の化合物のスルホン化が、式(V)の化合物を三酸化硫黄−ピリジン錯体と反応させ、その後硫酸水素テトラブチルアンモニウムにより処理することによって行われる前記〔1〕に記載のプロセス。
〔7〕式(VI)の化合物が、式(VI)の化合物をトリフルオロ酢酸と反応させることによって式(I)の化合物に変換される前記〔1〕に記載のプロセス。
〔8〕結晶形態の式(I)の化合物。
〔9〕10.28(±0.2)、10.57(±0.2)、12.53(±0.2)、13.82(±0.2)、15.62(±0.2)、18.16(±0.2)、18.49(±0.2)、20.35(±0.2)、20.64(±0.2)、21.33(±0.2)、22.99(±0.2)、23.18(±0.2)、24.27(±0.2)、24.81(±0.2)、25.45(±0.2)、29.85(±0.2)、30.45(±0.2)、32.39(±0.2)、及び36.84(±0.2)°2θからなる群から選択されるピークを含むX線粉末回折パターンを有する前記〔8〕に記載の式(I)の化合物。
〔10〕10.28(±0.2)、10.57(±0.2)、12.53(±0.2)、13.82(±0.2)、15.62(±0.2)、18.16(±0.2)、18.49(±0.2)、20.35(±0.2)、20.64(±0.2)、21.33(±0.2)、24.27(±0.2)、24.81(±0.2)、及び25.45(±0.2)°2θからなる群から選択されるピークを含むX線粉末回折パターンを有する前記〔8〕に記載の式(I)の化合物。
〔11〕図1に示されているのと実質的に同じX線粉末回折パターンを有する前記〔8〕に記載の式(I)の化合物。

Claims (11)

  1. 式(I)
    Figure 2018080180
    の化合物の調製のためのプロセスであって、
    (a)式(II)の化合物を式(III)の化合物と反応させて式(IV)の化合物を得るステップと、
    Figure 2018080180
    (b)式(IV)の化合物を水素化分解して式(V)の化合物を得るステップと、
    Figure 2018080180
    (c)式(V)の化合物をスルホン化して式(VI)の化合物を得るステップと、
    Figure 2018080180
    (d)式(VI)の化合物を式(I)の化合物に変換するステップと、
    を含む、前記プロセス。
  2. 式(IV)の化合物を得るための式(II)の化合物の式(III)の化合物との反応が、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリドの存在下で行われる請求項1に記載のプロセス。
  3. 式(IV)の化合物を得るための式(II)の化合物の式(III)の化合物との反応が、溶媒としての水の存在下で行われる請求項1に記載のプロセス。
  4. 式(V)の化合物を得るための式(IV)の化合物の水素化分解が、遷移金属触媒及び水素源の存在下で行われる請求項1に記載のプロセス。
  5. 遷移金属触媒が、パラジウム炭素であり、水素源が、水素ガスである請求項4に記載のプロセス。
  6. 式(VI)の化合物を得るための式(V)の化合物のスルホン化が、式(V)の化合物を三酸化硫黄−ピリジン錯体と反応させ、その後硫酸水素テトラブチルアンモニウムにより処理することによって行われる請求項1に記載のプロセス。
  7. 式(VI)の化合物が、式(VI)の化合物をトリフルオロ酢酸と反応させることによって式(I)の化合物に変換される請求項1に記載のプロセス。
  8. 結晶形態の式(I)の化合物。
  9. 10.28(±0.2)、10.57(±0.2)、12.53(±0.2)、13.82(±0.2)、15.62(±0.2)、18.16(±0.2)、18.49(±0.2)、20.35(±0.2)、20.64(±0.2)、21.33(±0.2)、22.99(±0.2)、23.18(±0.2)、24.27(±0.2)、24.81(±0.2)、25.45(±0.2)、29.85(±0.2)、30.45(±0.2)、32.39(±0.2)、及び36.84(±0.2)°2θからなる群から選択されるピークを含むX線粉末回折パターンを有する請求項8に記載の式(I)の化合物。
  10. 10.28(±0.2)、10.57(±0.2)、12.53(±0.2)、13.82(±0.2)、15.62(±0.2)、18.16(±0.2)、18.49(±0.2)、20.35(±0.2)、20.64(±0.2)、21.33(±0.2)、24.27(±0.2)、24.81(±0.2)、及び25.45(±0.2)°2θからなる群から選択されるピークを含むX線粉末回折パターンを有する請求項8に記載の式(I)の化合物。
  11. 図1に示されているのと実質的に同じX線粉末回折パターンを有する請求項8に記載の式(I)の化合物。
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