JP2018080131A - Drd1由来のタグペプチド及びdrd1を認識する抗体 - Google Patents

Drd1由来のタグペプチド及びdrd1を認識する抗体 Download PDF

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浩之 竹田
Hiroyuki Takeda
浩之 竹田
澤崎 達也
Tatsuya Sawazaki
達也 澤崎
龍彦 小澤
Tatsuhiko Ozawa
龍彦 小澤
裕幸 岸
Hiroyuki Kishi
裕幸 岸
篤 村口
Atsushi Muraguchi
篤 村口
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Abstract

【課題】DRD1を認識する抗体及び該抗体のエピトープ由来のペプチドを用いたタンパク質の精製方法等を提供すること。
【解決手段】DRD1のプロテオリポソームを抗原として作製し、該抗原を基にして抗体を作製した。次に、該抗体のエピトープの配列を基にして、該抗体のエピトープ由来のペプチド配列を決定した。そして、DRD1を認識する抗体及び該抗体のエピトープ由来のペプチドを用いたタンパク質の精製方法を確立した。
【選択図】なし

Description

本発明は、ドーパミンD1受容体(dopamine receptor D1、DRD1)を認識する抗体、該抗体のエピトープ由来のペプチド、並びに、それらを用いたタンパク質の精製方法に関する。
(抗膜タンパク質抗体)
膜タンパク質は、重要な創薬ターゲットであるが、特異性や親和性の高い抗膜タンパク質抗体は市場にほとんどない。これは、膜タンパク質の発現系の構築、さらには該膜タンパク質の精製が非常に困難であることによる。
近年、愛媛大学プロテオサイエンスセンターにおいてコムギ無細胞タンパク質合成系を用いた膜タンパク質合成系が開発された。これにより、無細胞合成した膜タンパク質を抗原として用いることで高品質な抗体が作製することができている(参照:非特許文献1:http://www.pros.ehime-u.ac.jp/introduce/outline.html)。
加えて、マイクロチップを用いて抗体産生細胞を単離し、該抗体遺伝子を得るISAAC(Immunospot-array assay on a chip)技術が知られている。ISAAC技術は、従来作成が困難であったウサギモノクローナル抗体の生産を容易にした(参照:非特許文献2、特許文献1)。
(タンパク質精製用タグ)
タンパク質精製用タグは、タンパク質の生化学的・細胞生物学的研究において利用されており、可溶性タンパク質、膜タンパク質の精製に重要である。特に、エピトープタグは、PCRなどで簡単に付加でき、特異性、親和性が高いなどの優位性がある。しかし、既存のエピトープタグ(FLAG、V5、HAなど)では、バリエーションが不足しており、低感度や非特異的検出等の問題がある。
(アフィニティタグシステム)
アフィニティタグシステムは、一般に、エピトープタグとそれを特異的に認識する抗体により構成され、エピトープタグとその抗体の親和性を利用する。エピトープタグを融合したターゲットタンパク質について、イムノブロッティングや免疫蛍光染色などによる検出、目的タンパク質の精製などに用いられ、生命科学における必須のツールである。
よって、数種類のアフィニティタグが広く使われている。しかし、既存のタグは検出感度や特異性があまり高くなく、いずれもリン酸化やユビキチン化などの翻訳後修飾を受けるアミノ酸残基を含んでいるため、シグナル伝達研究に適していないなど、改良すべき点がある。
さらに、免疫染色や免疫沈降などにおける同時検出のためには、多種類のタグが必要とされるなど、高性能な新規タグの必要性は高い。
特開2014-73100号公報
http://www.pros.ehime-u.ac.jp/introduce/outline.html Nature Med, 15:1088-1092, 2009.
膜タンパク質等の精製に最適なタグペプチドを提供することを課題とする。本発明者らは、「DRD1は、発現部位が限定されており、かつ膜タンパク質であることから通常の細胞抽出法では検出されない。よって、DRD1を認識する抗体及び該抗体のエピトープ由来のペプチドを用いれば、膜タンパク質等を高感度かつ特異的に精製できる」との着想を得た。さらに、DRD1を認識する抗体及び該抗体のエピトープ由来のペプチドを用いたタンパク質の精製方法(アフィニティタグシステム)は、報告されていない。
よって、本発明は、DRD1を認識する抗体及び該抗体のエピトープ由来のペプチドを用いたタンパク質の精製方法等を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者は、DRD1のプロテオリポソームを抗原として作製し、該抗原を基にして抗体を作製した。次に、該抗体のエピトープの配列を基にして、該抗体のエピトープ由来のペプチド配列を決定した。そして、DRD1を認識する抗体及び該抗体のエピトープ由来のペプチドを用いたタンパク質の精製方法を確立した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.下記式(I);
Gly−Gln−His−X−Thr (I)
(式中、Xは、疎水性アミノ酸を示す)で表わされるアミノ酸配列、Gln−His−Pro−Thrで表されるアミノ酸配列、又はHis−Pro−Thrで表されるアミノ酸配列を含むタグペプチド又はタグペプチド溶離用ペプチド。
2.Xが、Pro、Val、Trp、Gly、Leu、Phe又はMetである前項1に記載のタグペプチド又はタグペプチド溶離用ペプチド。
3.Xが、Pro又はValである前項1又は2に記載のタグペプチド又はタグペプチド溶離用ペプチド。
4.さらに、タグペプチド溶離用ペプチドのN末端側に、Thr−Ser−Gln−Asnのアミノ酸配列を有する前項1〜3のいずれか1に記載のタグペプチド又はタグペプチド溶離用ペプチド。
5.前項1〜4のいずれかに記載のタグペプチドが融合したタグペプチド融合タンパク質。
6.以下の工程を含む、タンパク質の精製方法。
(1)前項1〜4のいずれか1に記載のタグペプチドが融合したタンパク質又は前項5に記載のタグペプチド融合タンパク質を含む溶液を、DRD1を認識する抗体又は抗体断片に接触させる工程
(2)タグペプチドの溶離液を添加する工程
7.前記タグペプチドの溶離液は、前項1〜4のいずれか1に記載のタグペプチド溶離用ペプチドを含む前項6に記載のタンパク質の精製方法。
8.Xが、Pro、Val、Trp、Gly、Leu、Phe又はMetである前項7に記載のタンパク質の精製方法。
9.前記タグペプチド溶離用ペプチドは、さらに、N末端側に、Thr−Ser−Gln−Asnのアミノ酸配列を有する前項7又は8に記載のタンパク質の精製方法。
10.前記タグペプチド溶離用ペプチドは、前記タグペプチドと比較して、DRD1を認識する抗体又は抗体断片に対して結合親和性が高い前項7〜9のいずれか1に記載のタンパク質の精製方法。
11.前記タグペプチドと前記タグペプチド溶離用ペプチドの組合せは以下の通りである前項7〜10のいずれか1に記載のタンパク質の精製方法。
(1)タグペプチドがGQHVT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
(2)タグペプチドがGQHVT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
(3)タグペプチドがGQHWT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
(4)タグペプチドがGQHWT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
(5)タグペプチドがGQHGT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
(6)タグペプチドがGQHGT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
(7)タグペプチドがGQHLT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
(8)タグペプチドがGQHLT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
(9)タグペプチドがGQHFT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
(10)タグペプチドがGQHFT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
(11)タグペプチドがGQHMT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
(12)タグペプチドがGQHMT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
(13)タグペプチドがQHPT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
(14)タグペプチドがQHPT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
(15)タグペプチドがHPT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
(16)タグペプチドがHPT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
12.以下の工程を含む、タンパク質の製造方法。
(1)前項1〜4のいずれか1に記載のタグペプチドが融合したタンパク質又は前項5に記載のタグペプチド融合タンパク質を無細胞タンパク質合成液で製造する工程、
(2)該タグペプチド融合タンパク質を含む無細胞タンパク質合成液を、DRD1を認識する抗体又は抗体断片に接触させる工程、及び、
(3)タグペプチドの溶離液を添加する工程
13.前記タンパク質は、膜タンパク質である前項12に記載のタンパク質の製造方法。
14.前記タグペプチドの溶離液は、前項1〜4のいずれか1に記載のタグペプチド溶離用ペプチドを含む前項12又は13に記載のタンパク質の製造方法。
15.Xが、Pro、Val、Trp、Gly、Leu、Phe又はMetである前項14に記載のタンパク質の製造方法。
16.前記タグペプチド溶離用ペプチドは、さらに、N末端側に、Thr−Ser−Gln−Asnのアミノ酸配列を有する前項14又は15に記載のタンパク質の製造方法。
17.前記タグペプチド溶離用ペプチドは、前記タグペプチドと比較して、DRD1を認識する抗体又は抗体断片に対して結合親和性が高い前項14〜16のいずれか1に記載のタンパク質の製造方法。
18.前記タグペプチドと前記タグペプチド溶離用ペプチドの組合せは以下の通りである前項14〜17のいずれか1に記載のタンパク質の製造方法。
(1)タグペプチドがGQHVT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
(2)タグペプチドがGQHVT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
(3)タグペプチドがGQHWT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
(4)タグペプチドがGQHWT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
(5)タグペプチドがGQHGT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
(6)タグペプチドがGQHGT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
(7)タグペプチドがGQHLT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
(8)タグペプチドがGQHLT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
(9)タグペプチドがGQHFT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
(10)タグペプチドがGQHFT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
(11)タグペプチドがGQHMT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
(12)タグペプチドがGQHMT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
(13)タグペプチドがQHPT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
(14)タグペプチドがQHPT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
(15)タグペプチドがHPT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
(16)タグペプチドがHPT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
本発明では、少なくとも以下のいずれか1の効果を有する。また、本発明では、下記の効果に限定されない。
(1)本発明のタンパク質の精製方法では、組織内因性が低いDRD1由来のペプチド(DRD1を認識する抗体のエピトープ由来のペプチド)を使用しているので、バックグラウンドが低い(実施例1)。
(2)本発明のDRD1を認識する抗体は、DRD1以外のサブタイプには、結合親和性を示さない(実施例2)。
(3)本発明のDRD1を認識する抗体は、DRD1に対して高親和性抗体である(実施例3)。
(4)本発明のタグペプチドは、公知のHisタグ(6〜10残基)よりも短い。5残基という短さのため、PCRなどで容易に目的タンパク質に挿入できる。また、タグのサイズが小さいため、融合したタンパク質の構造に干渉しない(実施例6)。
(5)本発明のタンパク質の精製方法では、タグペプチドが融合したタンパク質をone-stepで高純度に精製できる(実施例7)。
(6)本発明のタンパク質の精製方法では、固定化した抗体は過酷な解離条件下で洗浄可能であり、さらに容易に再生することができる(実施例8)。
(7)本発明のタンパク質の精製方法では、タグ融合タンパク質を高純度に精製することができる(実施例10)。
(8)本発明のタンパク質の精製方法では、蛍光活性を維持した蛍光タンパク質を高純度に精製することができる(実施例11)。
(9)本発明のタンパク質の精製方法は、酵素活性を維持した酵素を高純度に精製することができる(実施例12)。
(10)本発明のタンパク質の精製方法は、膜タンパク質構造を維持した状態の膜タンパク質を高純度に精製をすることができる(実施例13)。
(11)本発明のタンパク質の製造方法は、細胞膜から膜タンパク質を高純度で精製することができる(実施例14)。
ヒトDRD1遺伝子の発現パターン解析結果{出典:COXPRESdb(coxpresdb.jp/)}。 Ra48抗体とRa62抗体のサブタイプの特異性の確認。 A:Ra48抗体とDRD1のC末端領域間の結合親和性の確認。B:Ra62とD1CE配列の親和性の確認。C:Ra62とCP5配列の親和性の確認。 AlphaScreenを用いたRa48抗体又はRa62抗体とDRD1スワップ変異体との結合検出の結果を示す。 AlphaScreenを用いたRa48抗体又はRa62抗体とビオチン化融合タンパク質との結合検出の結果を示す。 Ra62抗体のエピトープ配列の決定。A:アラニン置換した変異体を用いたエピトープマッピング。B:欠失変異体を用いたエピトープマッピング。A及びBにおいて、上段は、Ra62抗体による検出結果を示す。下段は、抗GEP抗体による検出結果(ポジティブコントロール)を示す。図中の「Venus」は、Venus蛍光タンパク質を意味し、「Q(グルタミン)」、「N(アスパラギン)」、「G(グリシン)」、「H(ヒスチジン)」、「P(プロリン)」、「T(トレオニン)」、「A(アラニン)」は、融合したDRD1のC末端領域のアミノ酸残基を示す。C:ヒトDRD1、マウスDRD1及びウサギDRD1のアミノ酸配列。図6Cにヒト、マウス及びウサギのDRD1アミノ酸配列におけるD1CE配列の位置を示す。 Ra62抗体の特異性の確認。HeLa、Hek293T、MCF7、Huh7、Jurkat、H1299及びU2OSの各種培養細胞の抽出液について、Ra62抗体を用いたウェスタンブロッティングを行った。その結果、ノイズが低く、抗体の特異性が高いことを確認した。 A:D1CE配列を含むDRD1のC末端領域を融合したタンパク質の設計図。B:FLAG-GST-DRD1 C末領域融合タンパク質のうち、D1CE配列のC末端アミノ酸3残基を1残基ずつ変換した変異体のRa62抗体による検出結果。D1CE配列(GQHPT)のうち、「H」、「P」又は「T」について、「R」、「K」、「G」、「V」、「L」、「F」、「M」、「I」、「W」、「D」、「E」、「S」、「N」、「Q」、「Y」又は「C」に変換したコンストラクトを用いた。上段は、Ra62抗体を用いた検出結果を示し、下段は、タンパク合成量の確認のための抗FLAG抗体を用いた検出結果を示す。C:D1CE配列のアミノ酸置換変異体16種とRa62抗体とのBiacore解析結果。図の右側にBiacore解析結果の一部を拡大した図を示す。 CP5タグのクローニングの概念図。図の左側にCP5タグをコードする塩基配列示す。この塩基配列を基に、図の右側に示すようにプライマーを設計し、クローニングした。 CP5タグを用いたGSTタンパク質の精製。精製過程の各サンプルのCBB染色像を示す。白矢尻は、CP5タグを有するGST融合タンパク質のバンドを示す。 CP5タグを用いたVenusタンパク質の精製。精製過程の各サンプルのCBB染色像を示す。白矢尻は、CP5タグを付加したVenusタンパク質のバンドの位置を示す。 CP5タグを用いたDRD1タンパク質の精製。A:精製過程の各サンプルのCBB染色像を示す。黒矢尻は、CP5タグを付加したDRD1タンパク質、レジン画分に含まれるRa62抗体の重鎖及び軽鎖のバンドの位置を示す。白矢尻は、脂質を示す。B:精製過程の各画分の吸光度(280 nm波長)。 CP5タグを用いたCLDN1タンパク質の精製。A:精製過程の各サンプルのCBB染色像を示す。白矢尻は、CP5タグを付加したCLDN1タンパク質の2量体及び単量体のバンドの位置を示す。B:精製過程の各画分の吸光度(280 nm波長)。 CP5タグを用いたM2タンパク質の精製。A:精製過程の各サンプルのCBB染色像を示す。白矢尻は、CP5タグを付加したM2タンパク質のバンドの位置を示す。
(本明細書の用語)
本明細書におけるポリヌクレオチド(DNA分子)とは、2本鎖DNAのみならず、それを構成するセンス鎖及びアンチセンス鎖の1本鎖DNAを包含し、その長さに制限されるものではない。
また、本明細書におけるポリヌクレオチド(DNA分子)は、機能領域の別を問うものではなく、発現抑制領域、コード領域、リーダー配列、エキソン及びイントロンのいずれか少なくともひとつを含むことができる。また、ポリヌクレオチドには、RNA及びDNAが含まれる。
また、ポリヌクレオチドの変異体(変異体DNA)には、天然に存在するアレル変異体、天然に存在しない変異体、欠失、置換、付加及び挿入がなされた変異体などが含まれる。ただし、これらの変異体は、変異前のポリヌクレオチドがコードするポリペプチドの機能と実質的に同じ機能を有するポリペプチドをコードするものとする。
(ドーパミンD1受容体)
ドーパミンD1受容体(dopamine receptor D1、DRD1)は、1341塩基のオープンリーディングフレーム(ORF)を有しており、446のアミノ酸残基よりなる推定50kDaのタンパク質である。
DRD1は、GPCR(Gタンパク質共役受容体)と呼ばれる膜タンパク質ファミリーに属するドーパミン受容体(dopamine receptor)の1つである。リガンド分子であるドーパミンが結合することで、ドーパミンの作用を細胞内に伝達する。
ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの相同性は、FASTAプログラムを使用した測定{Clustal, V., Methods Mol. Biol., 25, 307-318(1994)}によって解析することができる。
相同性解析の最も好ましく且つ簡便な方法としては、下記の既知の配列データベースを利用することができる。
・DNA Database of Japan(DDBJ)(http://www.ddbj.nig.ac.jp/)
・Genebank(http://www.ncbi.nlm. nih.gov/web/Genebank/Index.htlm)
・the European Molecular Biology Laboratory Nucleic Acid SequenceDatabase(EMBL)(http://www.ebi.ac.uk/ebidocs/embl db.html)
相同性解析には多数の検索アルゴリズムが利用可能である。その一例としては、BLASTプログラムと称されるプログラムが挙げられる。
(本発明の抗体)
本発明の抗体は、下記実施例で得られた2つの抗体(Ra48抗体、Ra62抗体)を対象とする。本発明のRa48抗体は、分子量約15万ダルトンであり、IgGである。本発明のRa62抗体は、分子量約15万ダルトンであり、IgGである。
(本発明のRa48抗体)
下記の群より選択されるポリペプチドを重鎖可変領域配列として抗原認識部位に含む、DRD1を認識する抗体又は抗体断片。
(1)配列番号3に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(2)配列番号3に記載の塩基配列において1若しくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換又は付加された塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(3)配列番号3に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドと95%以上の相同性を有する塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(4)配列番号3に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(5)配列番号1に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(6)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換又は付加されたアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(7)配列番号1に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと95%以上の相同性を有するポリペプチド
下記の群より選択されるポリペプチドを重鎖配列として抗原認識部位に含む、DRD1を認識する抗体又は抗体断片。
(1)配列番号4に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(2)配列番号4に記載の塩基配列において1若しくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換又は付加された塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(3)配列番号4に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドと95%以上の相同性を有する塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(4)配列番号4に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(5)配列番号2に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(6)配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換又は付加されたアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(7)配列番号2に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと95%以上の相同性を有するポリペプチド
下記の群より選択されるポリペプチドを軽鎖可変領域配列として抗原認識部位に含む、DRD1を認識する抗体又は抗体断片。
(1)配列番号7に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(2)配列番号7に記載の塩基配列において1若しくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換又は付加された塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(3)配列番号7に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドと95%以上の相同性を有する塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(4)配列番号7に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(5)配列番号5に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(6)配列番号5に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換又は付加されたアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(7)配列番号5に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと95%以上の相同性を有するポリペプチド
下記の群より選択されるポリペプチドを軽鎖配列として抗原認識部位に含む、DRD1を認識する抗体又は抗体断片。
(1)配列番号8に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(2)配列番号8に記載の塩基配列において1若しくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換又は付加された塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(3)配列番号8に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドと95%以上の相同性を有する塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(4)配列番号8に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(5)配列番号6に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(6)配列番号6に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換又は付加されたアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(7)配列番号6に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと95%以上の相同性を有するポリペプチド
下記の(1)〜(14)より選択されるポリペプチドを重鎖可変領域配列又は重鎖配列として並びに下記の(15)〜(28)より選択されるポリペプチドを軽鎖可変領域配列又は軽鎖配列として抗原認識部位に含む、DRD1を認識する抗体又は抗体断片。
(1)配列番号3に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(2)配列番号3に記載の塩基配列において1若しくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換又は付加された塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(3)配列番号3に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドと95%以上の相同性を有する塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(4)配列番号3に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(5)配列番号1に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(6)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換又は付加されたアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(7)配列番号1に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと95%以上の相同性を有するポリペプチド
(8)配列番号4に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(9)配列番号4に記載の塩基配列において1若しくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換又は付加された塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(10)配列番号4に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドと95%以上の相同性を有する塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(11)配列番号4に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(12)配列番号2に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(13)配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換又は付加されたアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(14)配列番号2に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと95%以上の相同性を有するポリペプチド
(15)配列番号7に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(16)配列番号7に記載の塩基配列において1若しくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換又は付加された塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(17)配列番号7に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドと95%以上の相同性を有する塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(18)配列番号7に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(19)配列番号5に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(20)配列番号5に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換又は付加されたアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(21)配列番号5に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと95%以上の相同性を有するポリペプチド
(22)配列番号8に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(23)配列番号8に記載の塩基配列において1若しくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換又は付加された塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(24)配列番号8に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドと95%以上の相同性を有する塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(25)配列番号8に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(26)配列番号6に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(27)配列番号6に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換又は付加されたアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(28)配列番号6に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと95%以上の相同性を有するポリペプチド
(本発明のRa62抗体)
下記の群より選択されるポリペプチドを重鎖可変領域配列として抗原認識部位に含む、DRD1を認識する抗体又は抗体断片。
(1)配列番号11に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(2)配列番号11に記載の塩基配列において1若しくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換又は付加された塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(3)配列番号11に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドと95%以上の相同性を有する塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(4)配列番号11に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(5)配列番号9に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(6)配列番号9に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換又は付加されたアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(7)配列番号9に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと95%以上の相同性を有するポリペプチド
下記の群より選択されるポリペプチドを重鎖配列として抗原認識部位に含む、DRD1を認識する抗体又は抗体断片。
(1)配列番号12に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(2)配列番号12に記載の塩基配列において1若しくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換又は付加された塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(3)配列番号12に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドと95%以上の相同性を有する塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(4)配列番号12に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(5)配列番号10に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(6)配列番号10に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換又は付加されたアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(7)配列番号10に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと95%以上の相同性を有するポリペプチド
下記の群より選択されるポリペプチドを軽鎖可変領域配列として抗原認識部位に含む、DRD1を認識する抗体又は抗体断片。
(1)配列番号15に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(2)配列番号15に記載の塩基配列において1若しくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換又は付加された塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(3)配列番号15に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドと95%以上の相同性を有する塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(4)配列番号15に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(5)配列番号13に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(6)配列番号13に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換又は付加されたアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(7)配列番号13に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと95%以上の相同性を有するポリペプチド
下記の群より選択されるポリペプチドを軽鎖配列として抗原認識部位に含む、DRD1を認識する抗体又は抗体断片。
(1)配列番号16に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(2)配列番号16に記載の塩基配列において1若しくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換又は付加された塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(3)配列番号16に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドと95%以上の相同性を有する塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(4)配列番号16に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(5)配列番号14に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(6)配列番号14に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換又は付加されたアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(7)配列番号14に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと95%以上の相同性を有するポリペプチド
下記の(1)〜(14)より選択されるポリペプチドを重鎖可変領域配列又は重鎖配列として並びに下記の(15)〜(28)より選択されるポリペプチドを軽鎖可変領域配列又は軽鎖配列として抗原認識部位に含む、DRD1を認識する抗体又は抗体断片。
(1)配列番号11に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(2)配列番号11に記載の塩基配列において1若しくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換又は付加された塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(3)配列番号11に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドと95%以上の相同性を有する塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(4)配列番号11に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(5)配列番号9に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(6)配列番号9に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換又は付加されたアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(7)配列番号9に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと95%以上の相同性を有するポリペプチド
(8)配列番号12に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(9)配列番号12に記載の塩基配列において1若しくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換又は付加された塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(10)配列番号12に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドと95%以上の相同性を有する塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(11)配列番号12に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(12)配列番号10に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(13)配列番号10に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換又は付加されたアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(14)配列番号10に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと95%以上の相同性を有するポリペプチド
(15)配列番号15に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(16)配列番号15に記載の塩基配列において1若しくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換又は付加された塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(17)配列番号15に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドと95%以上の相同性を有する塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(18)配列番号15に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(19)配列番号13に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(20)配列番号13に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換又は付加されたアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(21)配列番号13に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと95%以上の相同性を有するポリペプチド
(22)配列番号16に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(23)配列番号16に記載の塩基配列において1若しくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換又は付加された塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(24)配列番号16に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドと95%以上の相同性を有する塩基配列で表されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(25)配列番号16に記載の塩基配列で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
(26)配列番号14に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(27)配列番号14に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換又は付加されたアミノ酸配列で表されるポリペプチド
(28)配列番号14に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと95%以上の相同性を有するポリペプチド
本Ra48抗体は、ヒト化抗体若しくはヒト化抗体断片、一本鎖抗体若しくは一本鎖抗体断片、又はFab抗体若しくはFab抗体断片を含むものである。さらに、前記抗体は、自体公知の方法により、ヒト化抗体にすることができる。
本発明において、「複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換または付加された」とは、2個以上から20個以下のアミノ酸が欠失、挿入、置換または付加されたことをいう。この複数個のアミノ酸は、好ましくは2個以上から10個以下、より好ましくは2個以上から7個以下、更により好ましくは2個以上から5個以下である。また、この改変されたアミノ酸配列は、配列番号に記載のアミノ酸配列との相同性が、例えば約80%以上、好ましくは約90%以上、より好ましくは約95%以上、更により好ましくは約98%以上であるのがよい。
欠失、置換、付加又は挿入等の変異を導入する手段は自体公知であり、例えばウルマー(Ulmer)の技術(K. M. Ulmer,「Science」1983年, 第219巻,p.666-671)を利用できる。このような変異の導入において、該改変されたアミノ酸を含むポリペプチドの基本的な性質(物性、機能又は免疫学的活性等)を変化させないという観点から、例えば、同族アミノ酸(極性アミノ酸、非極性アミノ酸、疎水性アミノ酸、親水性アミノ酸、陽性荷電アミノ酸、陰性荷電アミノ酸及び芳香族アミノ酸等)の間での相互置換は容易に想定される。さらに、これら利用できるポリペプチドは、その構成アミノ基又はカルボキシル基等を、例えばアミド化修飾する等、機能の著しい変更を伴わない程度に改変が可能である。
本発明において、「複数個の塩基が欠失、挿入、置換または付加された」とは、2個以上から20個以下の塩基が欠失、挿入、置換または付加されたことをいう。この複数個の塩基は、好ましくは2個以上から20個以下、より好ましくは2個以上から10個以下、更により好ましくは2個以上から5個以下である。また、この改変された塩基配列は、配列番号に記載の塩基配列との相同性が、例えば約80%以上、好ましくは約90%以上、より好ましくは約95%以上、更により好ましくは約98%以上であるのがよい。
ここで「ストリンジェントな条件」としては、0.1%SDSを含む2×SSC中、50℃でハイブリダイズし、0.1%SDSを含む1×SSC中、60℃での洗浄によっても脱離しない条件を挙げることができる。
{本発明のRa48抗体及びRa62抗体作製に使用する免疫原(抗原)}
本発明のRa48抗体及びRa62抗体を産生させるための免疫原として、DRD1のアミノ酸配列の全部又は一部を含むペプチドを含むDRD1(又はDRD1断片)のプロテオリポソーム(proteoliposome)を用いることができる。
好ましくは、DRD1は、自体公知のコムギ胚芽無細胞タンパク質合成系、特に、膜タンパク質をプロテオリポソームとして合成できる合成系(参照:ProteoLiposome ExpressionKit(製造販売:株式会社セルフリーサイエンス))で合成する。
なお、免疫抗原のプロテオリポソームの作製は、遺伝子工学的手法、化学合成、及び無細胞タンパク質合成等により実施できる。プロテオリポソームに含まれる人工脂質小胞(リポソーム)は、Nozawa et al. 2011(BMCBiotechnol. 2011 Apr 11;11:35. doi:10.1186/1472-6750-11-35.)及びTakeda et al. 2015(ScientificReports 2015:http://www.nature.com/articles/srep11333)の記載に従い、作製できる。プロテオリポソームは、作製された後に、さらに精製して用いることができる。
また、プロテオリポソームの精製及び/または分離は、その物理的性質、化学的性質等を利用した各種分離操作方法により実施できる。分離操作方法として、硫酸アンモニウム沈殿、限外ろ過、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー及び透析法等の公知の方法を例示できる。これら方法は、単独でまたは適宜組合せて使用できる。
(免疫方法)
上記記載の免疫原となる精製したプロテオリポソームを、リン酸緩衝液(PBS)などの適当な緩衝液中に溶解又は懸濁したものを抗原液として使用する。また、プロテオリポソーム単独だけでは抗原性が低い場合には、アルブミンやキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)などの適当なキャリアータンパク質に架橋して用いることができる。
当該抗原で免疫感作する動物(被免疫動物)は、マウス、ラット、ハムスター、ウマ、ヤギ、ウサギなどが例示される。好ましくはウサギである。
上記被免疫動物の抗原への応答性を高めるため、前記抗原溶液をアジュバントと混合して投与することができる。ここで使用可能なアジュバントは、フロイント完全アジュバント(FCA)、フロイント不完全アジュバント(FIA)、Ribi(MPL)、Ribi(TDM)、Ribi(MPL+TDM)。百日咳ワクチン(Boredetella pertussis vaccine)、ムラミルジペプチド(MDP)、アルミニウムアジュバント(ALUM)、及びこれらの組合せが例示されるが、初回免疫時にFCA、追加免疫時にFIAやRibiアジュバントを使用する組合せが特に好ましい。
免疫方法は、使用する抗原の種類やアジュバント混合の有無などにより、注射部位、スケジュールなどを適宜変化させることができるが、例えば、被免疫動物としてウサギを用いる場合は、フロイントの完全アジュバントと抗原(HELもしくはKLHコンジュゲートリン酸化DRD1プロテオリポソーム)のカクテルを作製し、該カクテルをウサギの腹腔内、皮下、筋肉内または(尾)静脈内に注射する。初回免疫の2、4、6週後にフロイントの不完全アジュバンドと抗原のカクテルを作製し、同様に皮下に注射する。最終免疫の1週後にウサギを屠殺する。
(ISAAC法による特異的抗体分泌細胞の取得)
本発明の抗体の取得方法において、ISAAC法を用いることが好ましい。ISAAC技術は、従来作成が困難であったウサギモノクローナル抗体の生産を容易に行うことができる(参照:特許文献1)。
詳しくは、DRD1プロテオリポソームを免疫したウサギから得たIgG+細胞を抗ウサギIgG抗体でコートされたチップに配列し、ビオチン化DRD1プロテオリポソーム及びCy3コンジュゲートストレプトアビジンを用いてDRD1特異的抗体分泌細胞を検出する。
(抗体cDNA導入CHO細胞によるモノクローナル抗体の作製)
DRD1特異的抗体分泌細胞を検出したチップより単一のウサギリンパ球を回収する。ウサギ-ISAACシステム中のDRD1特異的IgGのイムノスポットを生み出した単一細胞を回収し、免疫グロブリン重(H)及び軽(L)鎖可変領域のcDNAを増幅するために、個々の細胞を別々のマイクロチューブの中に移す。
マイクロチューブ中の単一のウサギリンパ球から、抗体重鎖(H鎖)及び軽鎖(L鎖)の可変領域のcDNAを単一細胞5'-RACE法により増幅する。取得した抗体重鎖及び軽鎖のcDNAをH鎖及びL鎖の発現ベクターにそれぞれ組み込み、CHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣組織由来細胞)に遺伝子導入し、抗体タンパク質を産生させる。
(その他のモノクローナル抗体の作製方法)
上記の他、モノクローナル抗体(以下、「mAb」と略する場合がある)は、自体公知の方法、例えばケーラーとミルシュタインの方法(Kohler G, Milstein C. (1975) Continuous cultures of fused cells secretingantibody of predefined specificity. Nature 256, 495−497.)にしたがって作製することもできる。
例えば、免疫動物から抗体産生細胞を含む組織(例えば、脾臓又はリンパ節)を回収し、該抗体産生細胞と自体公知の腫瘍細胞(例えば、骨腫瘍細胞)とを融合させることによってハイブリドーマを作製し、次いでハイブリドーマをクローン化した後、所望の抗体を産生しているハイブリドーマを選別し、このハイブリドーマの培養液から抗体を回収する。
骨髄腫細胞として、マウス、ラット、ヒトなど由来のものが使用され、例えばマウスミエローマP3X63-Ag8、P3X63-Ag8-U1、P3NS1-Ag4、SP2/o-Ag14、P3X63-Ag8・653などの株化骨髄腫細胞が例示される。骨髄腫細胞には免疫グロブリン軽鎖を産生しているものがあり、これを融合対象として用いると、抗体産生細胞が産生する免疫グロブリン重鎖と軽鎖とがランダムに結合することがあるので、特に免疫グロブリン軽鎖を産生しない骨髄腫細胞、例えばP3X63-Ag8・653やSP2/o-Ag14などを用いることが好ましい。
抗体産生細胞と骨髄腫細胞とは、同種動物、特に同系統の動物由来であることが好ましい。骨髄腫細胞の保存方法は、自体公知の手法に従って行えばよく、例えばウマ、ウサギもしくはウシ胎児血清を添加した一般的な培地で継代培養したものについて凍結により保存される。また細胞融合には対数増殖期の細胞を用いるのが好ましい。
(ハイブリドーマの作製)
抗体産生細胞と骨髄腫細胞とを融合させてハイブリドーマを作製する方法は、ポリエチレングリコール(PEG)を用いる方法、センダイウイルスを用いる方法、電気融合装置を用いる方法などが例示される。例えばPEG法の場合、約30〜60%のPEG(平均分子量1,000〜6,000)を含む適当な培地または緩衝液中に脾細胞と骨髄腫細胞を1〜10:1、好ましくは5〜10:1の混合比で懸濁し、温度約25〜37℃、pH6〜8の条件下で、約30秒〜3分間程度反応させればよい。反応終了後、細胞を洗浄し、PEG溶液を除いて培地に再懸濁し、マイクロタイタープレート中に播種して培養を続ける。
融合操作後の細胞は選択培地で培養して、ハイブリドーマの選択を行う。選択培地は、親細胞株を死滅させ、融合細胞のみが増殖し得る培地であり、通常ヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジン(HAT)培地が使用される。ハイブリドーマの選択は、通常融合操作の1〜7日後に、培地の一部、好ましくは約半量を選択培地と交換し、さらに2、3日毎に同様の培地交換を繰り返しながら培養することにより行う。顕微鏡観察によりハイブリドーマのコロニーが生育しているウェルを確認する。
生育しているハイブリドーマが所望の抗体を産生しているかどうかを知るには、培養上清を採取して抗体価アッセイを自体公知の方法により行えばよい。
さらに限界希釈法、軟寒天法、蛍光励起セルソーターを用いた方法などにより単一クローンを分離する。
ハイブリドーマが産生する抗体の免疫グロブリンサブクラスは、該ハイブリドーマを一般的な条件で培養し、その培養上清中に分泌された抗体を市販の抗体クラス・サブクラス判定用キットなどを用いて分析することにより知ることができる。
(ハイブリドーマからのmAbの取得方法)
ハイブリドーマからのmAbの取得方法は、必要量やハイブリドーマの性状などによって適宜選択することができる。例えば、該ハイブリドーマを移植したマウス腹水から取得する方法、細胞培養により培養上清から取得する方法などが例示される。マウス腹腔内で増殖可能なハイブリドーマであれば、腹水から数mg/mLの高濃度のmAbを得ることができる。インビボで増殖できないハイブリドーマの場合は、細胞培養の培養上清からmAbを取得する。
細胞培養によるmAbの取得は、mAb産生量はインビボより低いが、マウス腹腔内に含まれる免疫グロブリンや他の夾雑物質の混入が少なく、精製が容易であるという利点がある。
mAbを、ハイブリドーマを移植したマウス腹腔内から取得する場合、例えば、予めプリスタン(2, 6, 10, 14-テトラメチルペンタデカン)などの免疫抑制作用を有する物質を投与したBALB/cマウスの腹腔内へハイブリドーマ(約106個以上)を移植し、約1〜3週間後に貯留した腹水を採取する。異種ハイブリドーマ(例えばマウスとラット)の場合には、ヌードマウス、放射線処理マウスを使用することが好ましい。
細胞培養上清からmAbを取得する場合、例えば、細胞維持に用いられる静置培養法の他に、高密度培養方法又はスピンナーフラスコ培養方法などの培養法を用い、当該ハイブリドーマを培養し、mAbを含有する培養上清を得る。
腹水や培養上清からのmAbの精製は、自体公知の方法により行うことができる。例えば、免疫グロブリンの精製法として従来既知の硫酸アンモニウムや硫酸ナトリウムを用いた塩析による分画法、ポリエチレングリコール分画法、エタノール分画法、DEAEイオン交換クロマトグラフィー法、ゲル濾過法などを応用することで、容易に達成される。
さらに、mAbが、マウスIgGである場合には、プロテインA結合担体又は抗マウスイムノグロブリン結合担体を用いたアフィニティークロマトグラフィー法により精製することが可能であり、簡便である。
(本発明のペプチド)
本発明のペプチドは、タグペプチド及び/又はタグペプチド溶離用ペプチドの両方を対象とする。
本発明のタグペプチドは、発現(標的・目的)タンパク質に融合するペプチド(好ましくは、C末端に導入されるペプチド配列)である。より詳しくは、タグペプチドは、DRD1を認識する抗体又は抗体断片に結合する作用を有する。
本発明のタグペプチド溶離用ペプチドは、タグペプチドをDRD1を認識する抗体又は抗体断片から遊離させる作用を有する。
本発明のタグペプチド及び/又はタグペプチド溶離用ペプチドは、下記式(I)で表わされるアミノ酸配列、Gln−His−Pro−Thrで表されるアミノ酸配列、又はHis−Pro−Thrで表されるアミノ酸配列を含む又はからなる。
(I)Gly−Gln−His−X−Thr(式中、Xは、疎水性アミノ酸を示す)
式中、Xは、疎水性アミノ酸を示し、好ましくは、Pro、Val、Trp、Gly、Leu、Phe又はMetであり、より好ましくはPro又はValである。
加えて、DRD1のC末端カルボキシル基を含む5残基(GQHPT-COOH)をDRD1 C-Terminus Epitope(D1CE)配列と名付けた。加えて、D1CE配列のC末端から2残基目のプロリンをバリンに置換した変異体配列(GQHVT-COOH)をC-terminus Peptide 5(CP5)配列と名付けた。
また、タグペプチド溶離用ペプチドにおいて、N末端側に、可溶性及び/又は電荷調整のために1〜10個程度の任意のアミノ酸配列(例:Thr−Ser−Gln−Asn)を付加しても良い。
本発明のタグペプチド及びタグペプチド溶離用ペプチドの組合せは、好ましくは、タグペプチド溶離用ペプチドは、タグペプチドと比較して、DRD1を認識する抗体又は抗体断片に対して結合親和性が高いが、特に限定されず、下記を例示することができる(左:タグペプチド、右:タグペプチド溶離用ペプチド)。
(1)GQHVT-COOHとGQHPT-COOH
(2)GQHVT-COOHとTSQNGQHPT-COOH
(3)GQHWT-COOHとGQHPT-COOH
(4)GQHWT-COOHとTSQNGQHPT-COOH
(5)GQHGT-COOHとGQHPT-COOH
(6)GQHGT-COOHとTSQNGQHPT-COOH
(7)GQHLT-COOHとGQHPT-COOH
(8)GQHLT-COOHとTSQNGQHPT-COOH
(9)GQHFT-COOHとGQHPT-COOH
(10)GQHFT-COOHとTSQNGQHPT-COOH
(11)GQHMT-COOHとGQHPT-COOH
(12)GQHMT-COOHとTSQNGQHPT-COOH
(13)QHPT-COOHとGQHPT-COOH
(14)QHPT-COOHとTSQNGQHPT-COOH
(15)HPT-COOHとGQHPT-COOH
(16)HPT-COOHとTSQNGQHPT-COOH
なお、本発明において、「DRD1を認識する抗体又は抗体断片に対する結合親和性」は、自体公知の方法によって測定・算出される解離定数(Kd)で表すことができる。例えば、D1CE配列を含むペプチドは、CP5配列を含むペプチドと比較して、DRD1を認識する抗体又は抗体断片に対する結合親和性が高い。よって、タグペプチド及びタグペプチド溶離用ペプチドの組合せは、好ましくは、CP5配列を含むペプチドはタグペプチド、D1CE配列を含むペプチドはタグペプチド溶離用ペプチドとなる。
(タグペプチド融合タンパク質)
本発明のタグペプチドは、自体公知の方法により、発現(標的・目的)タンパク質と結合させて融合タンパク質とすることができる。タグペプチドは、発現タンパク質のC末端又はN末端のいずれにも結合させることができるが、好ましくはC末端である。
加えて、タグペプチド融合タンパク質は、タグペプチド溶離用ペプチド並びにDRD1を認識する抗体又は抗体断片を用いれば、one-stepで高純度に精製することができる。
さらに、タグペプチド融合タンパク質(特に、タグペプチド融合膜タンパク質)は、自体公知のコムギ胚芽無細胞タンパク質合成系(特に、膜タンパク質をプロテオリポソームとして合成できる合成系)、タグペプチド溶離用ペプチド並びにDRD1を認識する抗体又は抗体断片を用いれば、one-stepでタグペプチド融合タンパク質(特に、タグペプチド融合膜タンパク質)を製造・精製することができる。
本発明のタグペプチド融合タンパク質は、公知の方法により、製造することができる。例えば、発現タンパク質に、化学的結合・物理的吸着によりタグペプチドを付加しても良い。
また、発現タンパク質をコードするDNAの3’末端又は5’末端に、タグペプチドをコードするDNAを連結したタグペプチド融合タンパク質をコードするDNAを公知のタンパク質発現・合成系に添加することによって、タグペプチド融合タンパク質を製造することができる。なお、タグペプチドと発現タンパク質間に、自体公知のスペーサーペプチドが含まれていても良い。スペーサーペプチドは、DRD1を認識する抗体又は抗体断片との結合に影響を与えなければ特に限定されず、自体公知のスペーサー(例:グリシンの繰り返し配列)でも良いが、プロテアーゼ切断配列を有するペプチド配列等でも良い。
より詳しくは、タグペプチド融合タンパク質をコードするDNAを、必要に応じて、公知の発現ベクターに挿入する。そして、タグペプチド融合タンパク質をコードするDNAを担持した発現ベクターを公知のタンパク質合成系(無細胞・細胞合成系)に導入する。細胞合成系では、特に限定されないが、大腸菌、酵母等の微生物、昆虫細胞等の動物細胞を利用することができる。
また、無細胞タンパク質合成系(コムギ、大腸菌由来の合成系)、特に、コムギ胚芽無細胞タンパク質合成系(参照:コムギ無細胞タンパク質合成キット、製造販売:株式会社セルフリーサイエンス)を利用することが好ましい。
(タグペプチド融合タンパク質の精製用DRD1を認識する抗体又は抗体断片)
本発明のタグペプチド融合タンパク質の精製用DRD1を認識する抗体又は抗体断片は、タグペプチド融合タンパク質のタグペプチドと結合することができれば特に限定されないが、上記で述べたRa48抗体、Ra62抗体を例示することができ、特に好ましくはRa62抗体である。
(本発明のタンパク質の精製方法)
本発明のタンパク質の精製方法は、少なくとも以下の工程を含む。
(1)タグペプチド融合タンパク質を含む溶液を、DRD1を認識する抗体又は抗体断片に接触させる工程
(2)タグペプチドの溶離液を添加する工程
上記工程(1)において、タグペプチド融合タンパク質を含む溶液は、特に限定されないが、タンパク質を精製することを考慮すると、該タンパク質を合成したタンパク質合成液等を意味する。接触させる工程により、タグペプチド融合タンパク質とDRD1を認識する抗体又は抗体断片が結合する。
加えて、DRD1を認識する抗体又は抗体断片は、担体等に固定化しても良いし、ビーズ等に付着・固定させても良い。
抗体を固定する担体としては、特に限定されず、公知の担体を用いることができる。例えば、セファロース、アフィゲル等を例示することができる。好ましい例示として、本発明のRa62抗体をNHS-セファロースにアミンカップリングにより固定化し、アフィニティ樹脂を作成することができる。
また、本発明のDRD1を認識する抗体又は抗体断片を公知のビーズ(例:磁気ビーズ)等に固定化又は付着させることにより、DRD1を認識する抗体又は抗体断片結合ビーズ(抗体結合ビーズ)を作成することができる。
本発明のタンパク質の精製方法においては、上記固定化抗体をカラムに充填して使用するカラム法、抗体結合ビーズとタグペプチド融合タンパク質を含む溶液を混合するバッチ法等を例示することができる。
カラム法では、固定化抗体をカラムに充填し、タグペプチド融合タンパク質を含む溶液を該カラムに流して、タグペプチド融合タンパク質を抗体又は抗体断片に結合させる。
バッチ法では、抗体又は抗体断片が結合したビーズを、タグペプチド融合タンパク質を含む溶液に添加して、穏やかに混和し、タグペプチド融合タンパク質を抗体又は抗体断片に結合させ、そして、該ビーズを回収する。
上記工程(2)において、カラム法では、タグペプチドの溶離液をカラムに流して、タグペプチド融合タンパク質を抗体又は抗体断片から遊離させる。これにより、タグペプチド融合タンパク質は、タグペプチドの溶離液に含まれて、さらに、カラムから回収される。
バッチ法では、タグペプチドの溶離液を回収したビーズを含む溶液に添加して、タグペプチド融合タンパク質を抗体又は抗体断片から遊離させる。これにより、タグペプチド融合タンパク質は、タグペプチドの溶離液に含まれる。
本発明のタグペプチドの溶離液は、タグペプチド融合タンパク質を抗体又は抗体断片から遊離させることができれば特に限定されないが、例えば、本発明のタグペプチド溶離用ペプチドを含む溶液、親水性の有機溶媒、チオシアン酸ナトリウム等を例示することができる。
本発明のタグペプチド溶離用ペプチドを含む溶液をタグペプチドの溶離液とする場合には、水、緩衝液等中にタグペプチド溶離用ペプチドを150μM程度含有することが好ましい。
(本発明のタンパク質の製造方法)
本発明のタンパク質の製造方法は、少なくとも以下の工程を含む。
(1)タグペプチド融合タンパク質を無細胞タンパク質合成液で製造する工程
(2)タグペプチド融合タンパク質を含む無細胞タンパク質合成液を、DRD1を認識する抗体又は抗体断片に接触させる工程
(3)タグペプチドの溶離液を添加する工程
本発明のタンパク質の製造方法では、下記実施例の結果より、one-stepで細胞膜から膜タンパク質を直接製造・精製することができることを確認している。よって、本発明のタンパク質の製造方法では、特に膜タンパク質の製造方法に適している。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<DRD1の発現パターン解析>
ヒトDRD1遺伝子のヒト組織における発現パターンを以下の通り解析した。
DRD1遺伝子のマイクロアレイデータはBioGPS(http://biogps.org/)から取得した。データセットにはGeneAtlas U133A、プローブセットには214652_atを用い、データの標準化にはGCRMAを用いた。マイクロアレイの結果から、DRD1のmRNAの発現レベルは、いずれの組織においても低く、この結果、下記実施例で作製した抗体(Ra62抗体)を用いてタグシステムを構築した場合、内在のDRD1に反応する恐れが低い(バックグラウンドが低い)ことを確認した(図1)。
<DRD1を認識する抗体の作製>
コムギ無細胞タンパク質合成系を用いたGPCR抗原の大量合成法により、DRD1のプロテオリポソームを合成した。詳しくは、以下の通りである。
コムギ無細胞タンパク質合成系に人工脂質小胞であるリポソームを添加し、翻訳反応を行うと、GPCRを始めとする膜タンパク質をプロテオリポソームとして安定に合成できることが知られている(Nozawa et al. 2011, Takeda et al. Scientific Reports 2015)。
本実施例では、透析カップ内で基質液と反応液を重層し、さらに透析カップを基質液に浸す透析重層法(参照:Takeda et al. Scientific Reports 2015)を用いて、DRD1のプロテオリポソームを生産した。
次に、DRD1のプロテオリポソームを抗原として、ISAAC法(参照:非特許文献1)を用いて、抗DRD1抗体を作製した(参照:Takeda et al. Scientific Reports 2015)。より詳細には、無細胞合成した1mgのDRD1を含むプロテオリポソームをフロイントアジュバントと混合し、ウサギに免疫した。5回の免疫の後、ウサギ血液、脾臓及び骨髄組織からリンパ球細胞を取得した。ISAACによる特異抗体分泌細胞の単離は、特許文献1に記載の方法を一部改変して行った。
具体的には、抗ウサギ抗体を固定化したマイクロウェルチップにリンパ球細胞を播種し、数時間静置して細胞から分泌される抗体をキャプチャーした。その後、無細胞合成したビオチン化DRD1プロテオリポソームと蛍光標識したストレプトアビジンでそれぞれ処理した。蛍光顕微鏡観察下で抗DRD1抗体分泌細胞を特定し、マイクロキャピラリーで当該細胞を採取した。採取した細胞からRT-PCRにより重鎖及び軽鎖抗体遺伝子をそれぞれ単離し、培養細胞発現用ベクターに組み替えた。抗体の発現はExpi293F細胞を用いて一過的に行い、得られた抗体はProtein Gセファロースを用いて精製した。最終的に、2つのユニークな配列を持つ特異抗体を取得した。
本実施例において、得られた抗DRD1モノクローナル抗体のRa62抗体及Ra48抗体を以下の実施例で使用した。
さらに、Ra48抗体とRa62抗体の結合親和性はヒトDRD1ホモログを発現させたビオチン化プロテオリポソームを用いたAlphaScreenによって解析した。両抗体ともヒトDRD1、マウスDrd1以外のサブタイプには結合親和性を示さなかった(図2)。
加えて、以下の2つの抗体の重鎖配列、重鎖可変領域配列、軽鎖配列及び軽鎖可変領域配列を決定した。
(Ra48の抗体の重鎖配列、重鎖可変領域配列、軽鎖配列及び軽鎖可変領域配列)
Ra48の抗体の重鎖アミノ酸配列:配列番号2
Ra48の抗体の重鎖塩基配列:配列番号4
Ra48の抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列:配列番号1
Ra48の抗体の重鎖可変領域塩基配列:配列番号3
Ra48の抗体の軽鎖アミノ酸配列:配列番号6
Ra48の抗体の軽鎖塩基配列:配列番号8
Ra48の抗体の軽鎖可変領域アミノ酸配列:配列番号5
Ra48の抗体の軽鎖可変領域塩基配列:配列番号7
(Ra62の抗体の重鎖配列、重鎖可変領域配列、軽鎖配列及び軽鎖可変領域配列)
Ra62の抗体の重鎖アミノ酸配列:配列番号10
Ra62の抗体の重鎖塩基配列:配列番号12
Ra62の抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列:配列番号9
Ra62の抗体の重鎖可変領域塩基配列:配列番号11
Ra62の抗体の軽鎖アミノ酸配列:配列番号14
Ra62の抗体の軽鎖塩基配列:配列番号16
Ra62の抗体の軽鎖可変領域アミノ酸配列:配列番号13
Ra62の抗体の軽鎖可変領域塩基配列:配列番号15
<抗体の結合親和性>
○Ra48抗体とDRD1のC末端領域間の結合親和性の確認
Ra48抗体とDRD1のC末端領域間の結合親和性の確認はBiacoreにより解析した。FLAG-GST-DRD1 C末端領域は、融合タンパク質としてコムギ無細胞系を用いて合成し、グルタチオンセファロースを用いて精製した。精製FLAG-GST-DRD1 C末端領域融合タンパク質の濃度はアミノ酸配列から求めた280 nmにおけるモル吸光係数により求めた。BiacoreX100を用いて以下の実験を行った。センサーチップCM5にアミンカップリングを用いてProtein Gを固定化した。Ra48抗体を約100 RUキャプチャーし、ついで様々な濃度のFLAG-GST-DRD1 C末端領域融合タンパク質を流した。カーブフィッティングにより速度パラメーターを求めた結果、Ra48抗体とDRD1のC末端領域間の結合親和性をKD値 = 4.90 × 10-9M(Ka = 3.18 × 104 1/Ms, Kd = 1.56 × 10-41/s)と決定した(図3A)。
○Ra62とD1CE配列の親和性の確認
Ra62とD1CE配列の親和性はBiacoreにより解析した。FLAG-GST-D1CE融合タンパク質は、コムギ無細胞系を用いて合成し、グルタチオンセファロースを用いて精製した。精製FLAG-GST-D1CE融合タンパク質の濃度は、モル吸光係数により求めた。Protein Gを固定化したセンサーチップCM5を用い、Ra62抗体を約200 RUキャプチャーし、ついで様々な濃度のFLAG-GST-D1CE融合タンパク質を流した。カーブフィッティングにより速度パラメーターを求めた結果、Ra62抗体とFLAG-GST-D1CEの結合親和性をKD値 = 1.00 × 10-8M(Ka = 3.65 × 104 1/Ms, Kd = 3.65× 10-41/s)と決定した(図3B)。
○Ra62とCP5配列の親和性の確認
Ra62とCP5配列の親和性はBiacoreにより解析した。FLAG-GST-CP5融合タンパク質は、コムギ無細胞系を用いて合成し、グルタチオンセファロースを用いて精製した。精製FLAG-GST-CP5融合タンパク質の濃度は、モル吸光係数により求めた。Protein Gを固定化したセンサーチップCM5を用い、Ra62抗体を約200 RUキャプチャーし、ついで様々な濃度のFLAG-GST-CP5融合タンパク質を流した。カーブフィッティングにより速度パラメーターを求めた結果、Ra62抗体とFLAG-GST-CP5との結合親和性をKD値 = 1.46 × 10-7M(Ka = 1.28 × 104 1/Ms, Kd = 1.87× 10-31/s)と決定した(図3C)。
FLAG-GST-D1CEとの結合と比較して、FLAG-GST-CP5とRa62抗体の結合は、結合速度は大きく変化していなかったが、解離速度が上昇していた。
<スワップ変異体とBiLIA法を用いたRa48抗体及びRa62抗体結合部位の決定>
Ra48抗体及びRa62抗体結合部位を決定し、さらにRa48抗体及びRa62抗体を用いたタグシステムを構築するため、当該抗体のエピトープ領域はスワップ変異体を使用して決定した。詳しくは、DRD1のループ領域あるいは末端領域をADRB2の相同領域に置換した変異体(スワップ変異体)の無細胞系発現プラスミドを作製し、さらに、該プラスミドを用いて無細胞タンパク質合成系により、DRD1スワップ変異体をビオチン化プロテオリポソームとして合成した。
次に、DRD1スワップ変異体とRa48抗体又はRa62抗体を反応させ、相互作用をBiLIA法で検出した(参照:Takedaet al. Scientific Reports 2015)。DRD1のC末端領域をスワップした変異体でのみ、抗体の結合が見られなくなった(図4)。
この結果から、Ra48抗体及びRa62抗体は、DRD1のC末端(337-447)領域に結合することを確認した。
<C末端領域でのRa48抗体及びRa62抗体結合部位の決定>
DRD1は、比較的長いC末端細胞内領域を持つ。DRD1のC末端領域(337-447)のうち、Ra48抗体及びRa62抗体がどこに結合しているのかを決定するため、当該領域を分割して抗体との結合をAlphaScreenで確認した。詳しくは、SrtAタンパク質のN末にビオチンリガーゼ認識部位であるbls.をC末にDRD1のC末端領域(337-447)の全長あるいは一部の配列を融合し、ビオチン化融合タンパク質を無細胞タンパク質合成系で合成した(参照:文献Sawasaki et al.2007: FEBS Lett. 2008 Jan 23;582(2):221-8.)。次に、ビオチン化融合タンパク質とRa62抗体間の結合は、AlphaScreenを用いて検出した(参照:Takedaet al. Scientific Reports 2015)。
Ra62抗体は、当該領域のC末端側1/3の領域(411-447)に結合することを確認した。ヒトDRD1の当該領域の配列をマウスやウサギの相同領域と比較したところ、C末端領域が特に保存されていないことから、Ra62抗体は、DRD1のC末端を認識していることが予想された。実際に、Ra62抗体は、C末端7残基(441-447)を融合した融合タンパク質と結合した(図5)。
Ra48抗体は、C末端側の領域(374-413)に結合することを確認した(図5)。
<Ra62抗体のエピトープ配列決定>
Ra62抗体のエピトープ配列を決定するために、アラニン変異体を用いたエピトープマッピングを行った。詳細なエピトープ配列を決定するため、DRD1のC末端領域7残基をVenus蛍光タンパク質(改変GFPタンパク質)と融合し、一残基ずつアラニン置換した変異体を作製した。変異体を無細胞タンパク質合成系で合成し、ウェスタンブロッティングでRa62抗体の結合を確認した(図6A)。VenusのC末端に融合したタンパク質において、末端3残基(HPT)をアラニン置換した変異体には、Ra62抗体は結合せず、抗体の認識にこれらの残基が重要であることが判明した。また、C末端のスレオニン残基を削除した変異体(Venus−QNGQHP)やDRD1のC末端領域7残基をVenusのN末端に融合したタンパク質(QNGQHPT−Venus)には、Ra62抗体は結合しなかった。そのため、C末端カルボキシル基を含む末端3アミノ酸が抗体の認識に重要であることを確認した。
さらに、最小エピトープ配列を決定した。より詳しくは、Venus-QNGQHPTについて、DRD1のC末端配列(QNGQHPT)をN末端側から1残基ずつ削った欠失変異体を作製した。融合タンパク質を、コムギ無細胞タンパク質合成系を用いて合成し、Ra62抗体との結合をウェスタンブロッティングで確認した(図6B)。末端3残基(HPT-COOH)あるいは4残基(QHPT-COOH)の融合のみでも、抗体は結合した。さらに、末端5残基(GQHPT-COOH)を融合した場合(Venus-GQHPT)は抗体結合力が高く、さらにシグナルの低下は見られなかった。
これらの結果からRa62抗体の最小エピトープは、DRD1のC末端カルボキシル基を含む3残基と決定した。さらに、DRD1のC末端カルボキシル基を含む5残基をD1CE(DRD1 C-Terminus Epitope)配列と名付けた。
これらの結果により、本発明のタグは、公知のHisタグ(6〜10残基)よりも短い。3〜5残基という短さのため、PCRなどで容易に目的タンパク質に挿入できる。また、本発明のタグは、タグサイズが小さいため、融合したタンパク質の構造に干渉しない。
<Ra62抗体の特異性>
一般的な培養細胞を用いて、内在タンパク質とRa62抗体が反応するかどうかを確認した。詳しくは、各種の培養細胞とSDS-PAGEサンプルバッファーを混和し、得られた細胞抽出液をSDS-PAGEにかけ、ウェスタンブロッティングを行った。Ra62抗体を一次抗体に用い、二次抗体には、抗ウサギIgG-HRP抗体を用いた。その結果、40〜50 kDaと予想されるDRD1に該当するバンドは検出されず、内在タンパク質との非特異的な結合もごくわずかであった(図7)。なお、ノイズの程度は、同サンプルをFLAG M2抗体を用いて検出した場合よりは、明らかに低くかった。
これらの結果より、本発明のRa62抗体とタグを用いて、タグペプチドが融合したタンパク質をone-stepで高純度に精製できる。さらに、本発明のRa62抗体とタグを用いて、タグペプチドが融合したタンパク質を特異的かつ高感度に検出できる。
<改変D1CEとRa62抗体との結合親和性の解析>
FLAG-GSTタンパク質のC末端に、D1CE配列を含む、DRD1のC末端110残基を融合したタンパク質(図8A)に関し、D1CE配列のC末端3残基を1残基ずつ変換したコンストラクトを13種作製し、さらに、コムギ無細胞タンパク質合成系を用いて合成した。SDS-PAGE及びCBB染色の結果、D1CE配列のC末端部分のアミノ酸置換により、親和性が低下することを確認した(図8B)。
次に、D1CE配列アミノ酸置換により、Ra62抗体との結合親和性を解析した。Ra62抗体は、D1CE配列に強力に結合するため、そのままではFLAG抗体のようにペプチドとの競合による溶出は、困難である。よって、抗体とD1CE配列間の結合親和性を適度に低下させるため、D1CE配列にアミノ酸置換を導入した。すなわち、抗体の結合に重要であるD1CE配列の末端3残基を比較的構造の近いアミノ酸に変換した。
具体的には、Venus-D1CEタンパク質のD1CE配列のC末3残基を1残基ずつ変換したコンストラクトを16種作製し、コムギ無細胞系を用いて合成した。合成した各アミノ酸置換体について、抗体との結合親和性をBiacoreで解析した。Biacore解析は、Biacore X100を用いて実施した。アミンカップリングを用い、BiacoreのセンサーチップCM5上にProtein Gを6,000 RU固定化した。Protein Gを固定化したチップにRa62抗体を1,500 RUキャプチャーした。その後、野生型あるいはアミノ酸置換したD1CE配列を持つVenus-D1CEのいずれかを120秒間添加した。抗体からの解離を300秒間観察した後、10 mM NaOHと500 mMのチオシアン酸ナトリウムを含む再生溶液で30秒間処理することでセンサーチップの再生を行った。Biacoreアッセイの結果、アミノ酸置換されたD1CE配列の多くはRa62抗体に結合しなかった。また、結合能を失わなかった変異についても1つを除き、解離速度は変化しなかった。唯一、末端から2残基目のプロリン残基をバリンに置換した変異体(GQHVT)においてわずかに解離速度の上昇が認められた(図8C中の「P445V」)。
これらの結果により、D1CE(GQHPT-COOH)のPをVal、Trp、Gly、Leu、Phe又はMetに置換した配列においても、Ra抗体との結合能力を有することを確認した。すなわち、GQHGT-COOH、GQHVT-COOH、GQHLT-COOH、GQHFT-COOH、GQHWT-COOH及びGQHMT-COOHは、タグペプチド又はタグペプチド溶離用ペプチドと利用することができる。
さらに、以下のタンパク質の精製方法を確立した。
1)解離速度の比較的早いCP5タグを目的タンパク質のC末端に融合する、2)CP5タグ融合タンパク質をRa62抗体に結合させ、バッファー等で洗浄する、3)Ra62抗体に対しより結合親和性の高いD1CE配列を含むペプチドを添加する、及び4)CP5タグとD1CE配列ペプチドの交換反応によりCP5タグ融合タンパク質を遊離させ、回収する。
加えて、上記タンパク質の精製方法では、固定化した抗体は過酷な解離条件下で洗浄可能であり、さらに容易に再生することができる。
<CP5タグのクローニング>
CP5タグは、5残基と非常に短いため、任意の発現ベクターに組み込まれた標的タンパク質に、インバースPCRと大腸菌内での連結を利用して容易に挿入することが可能である。公知のキット{PrimeSTAR Max DNA Polymerase(タカラバイオ):http://catalog.takara-bio.co.jp/product/basic_info.php?unitid=U100005117}を使用してCP5タグのクローニングをした。
CP5をコードする15塩基の配列を目的ORFのC末端に挿入するために、プライマーを図9のように設計した。目的タンパク質の終止コドンの直前を境に、フォワード方向及びリバース方向のプライマーを設計し、末端位置にCP5をコードした配列を追加した。PrimeStar Maxのような正確性の高いPfu系のPCR酵素を用いてインバースPCRを行い、両末端にCP5配列を持った直鎖DNAを作製した。鋳型プラスミドDNAをDpnIなどを用いて消化し、カラム精製後、大腸菌に形質転換した。大腸菌内で直鎖DNAは、図9のように環状化した。形質転換後は定法に従い、プラスミドのクローニングを行い、CP5配列の挿入をシーケンシングにより確認した。
<タグ融合タンパク質の精製>
上記の実施例8において合成した、FLAG-GSTタンパク質C末端にDRD1のC末端110残基を融合した融合タンパク質のうち、C末端から2残基目のプロリン残基をバリンに置換した変異体(FLAG-GST-DRD1_Cterminal変異体)の精製を行った。すなわち、該変異体は、C末端にGQHVT-COOH(CP5タグ)を有する。アフィニティ精製を行うため、Ra62抗体をNHS-セファロースにアミンカップリングで固定化した{抗Ra62モノクローナル抗体(mAb)セファロース}。精製は、スピンカラムを用いたバッチ法で行った。100 μLのRa62抗体共有結合セファロースに4 mL のFLAG-GST-CP5合成液を添加し、ローテーターを用いて、4℃で1時間転倒混和した。スラリーを2000 ×g, 2分間遠心してレジンを沈殿させ、少量の液を残し非結合画分を除いた。残った液でレジンを再懸濁し、空のMicroSpinカラム(GE healthcare)に移し、卓上遠心機を用いた10秒間の遠心操作によりフロースルー画分を回収した。PBSバッファーを600 μL添加し、卓上遠心機を用いた10秒間の遠心操作により洗浄画分を回収する操作を5回繰り返した。その後、200 μLの溶出バッファー{150μM D1CEペプチド(TSQNGQHPT)含有PBSバッファー}を添加し、ローテーターを用いて、室温で2時間転倒混和した。15,000 rpm、1分間の遠心により溶出画分1を回収した。次に、200 μLの溶出バッファー{150μM D1CEペプチド(TSQNGQHPT)及びMg2+含有PBSバッファー}を添加し、ローテーターを用いて、室温で2時間転倒混和し、遠心により溶出画分2を回収した。さらに、200 μLの溶出バッファー{150μM D1CEペプチド(TSQNGQHPT)、Mg2+含有0.1 M酢酸バッファー pH4.0}を添加し、室温で5分間振とうし、遠心により溶出画分3を回収した。最後に400 μLのSDS-PAGEサンプルバッファーを添加し、カラムに残ったタンパク質を溶出した(レジン画分)。最終的にSDS-PAGEとCBB染色で純度を確認した(図10)。大部分のFLAG-GST-DRD1_Cterminal変異体(図10の白矢尻)が、溶出画分1で溶出された。よって、FLAG-GST-DRD1_Cterminal変異体は、150 μMのD1CEペプチドのみの添加により抗体から解離し、溶出されたことを確認した。
以上により、本発明のタンパク質の精製方法は、タグ融合タンパク質(特に、抗体)を精製することができる。
<蛍光タンパク質の精製>
本実施例では、蛍光タンパク質であるVenus蛍光タンパク質にCP5タグを融合したGP5融合タンパク質の精製を行った。詳しくは、アフィニティ精製を行うため、Ra62抗体をNHS-セファロースにアミンカップリングで固定化した(抗Ra62 mAbセファロース)。VenusのC末端にCP5タグを融合した無細胞タンパク質合成用発現プラスミドを作製し、コムギ無細胞タンパク質合成系を用いて合成した(Venus-CP5タンパク質)。精製は、オープンカラムと自然落下によるカラム法で行った。200 μLの抗Ra62 mAbセファロースに600 μLのVenus-CP5を添加し、ローテーターを用いて4℃で1時間転倒混和した。オープンカラムにスラリーを添加し、自然落下でフロースルー画分を回収した。洗浄バッファー(50mM Hepes-NaOH, pH7.5, 750 mM NaCl)を500 μLずつ5回添加し、カラムを洗浄した。洗浄液は、画分ごとに回収し、洗浄画分とした。その後、溶出バッファー{50mM Hepes-NaOH, pH7.5, 150 mM NaCl, D1CEペプチド(TSQNGQHPT)}を100 μLずつ15回添加し、溶出を行った(溶出画分)。回収した各画分は280 nmの吸光度を測定し、青色光下で蛍光を観察した。最終的にSDS-PAGEとCBB染色で純度を確認した(図11)。Venus-CP5は、750 mMのNaClを含む洗浄バッファーによる洗浄ではほとんど解離せず、CP5タグとRa62抗体が強固に結合していることを示している。一方で、150 μMのD1CEペプチドの添加によりVenus-CP5は抗体から解離し溶出された。わずか数画分でVenus-CP5の溶出が完了したことは、単にD1CE配列のRa62抗体に対する親和性がCP5タグよりも高いことだけではなく、D1CE配列とRa62抗体の親和性が6.91 × 10−10 Mと非常に強固であることが貢献している。つまり、CP5タグと入れ替わったD1CEペプチドが解離せず不可逆的にRa62抗体に結合するため、遊離したVenus-CP5は再びRa62抗体に捕捉されることなく溶出された。溶出されたVenus-CP5は、ほぼ単一のバンドとして観察され、コムギ無細胞タンパク質合成系の内在タンパク質とRa62抗体が交差反応しなかったこと、また高濃度の塩を含む洗浄バッファーによりイオン結合などで非特異的に結合する夾雑タンパク質が効果的に除去されたことを示している。また、溶出されたVenus-CP5は、強い蛍光を発したことから、Venusタンパク質が活性を維持したまま精製されたことを確認している。
以上により、本発明のタンパク質の精製方法は、蛍光活性を維持した蛍光タンパク質の精製をすることができる。
<酵素の精製>
CP5タグによるアフィニティ精製は、低濃度のペプチドを用いて生理的条件で溶出するため、精製過程でタンパク質の変性が起きにくい効果があると考えられる。それにより、酵素や受容体などの機能性タンパク質の精製に適していると考えられる。機能性タンパク質である酵素の一例として、脱ユビキチン化酵素であるヒトCYLDにCP5タグを付加し、精製を試みた。
スピンカラムを用いたバッチ法で精製した。200 μLの抗Ra62 mAbセファロースに3 mLのコムギ無細胞合成したCYLD-CP5を添加し、ローテーターを用いて4℃で1時間転倒混和した。スラリーをスピンカラムに移し、2000 rpm、30秒間の遠心によりフロースルー画分を回収した。レジンに洗浄バッファー(50 mMHepes-NaOH, pH 7.5, 500 mM NaCl, 1 mM DTT)を500 μL添加し、2000 rpm、30秒間の遠心により洗浄画分を回収する操作を4回繰り返し、レジンを洗浄した。その後、100μLの溶出液(50mM Hepes-NaOH, pH 7.5, 150 mM NaCl , 1mM DTT, 150 μM D1CEペプチド)を添加し、5分静置し、15,000 rpm、1分間の遠心により溶出画分を回収した。溶出操作は、4回繰り返し行った。SDS-PAGE及びCBB染色の結果、CYLDタンパク質は、130 kDaと比較的大きい酵素であるが、CP5精製により良好に精製された。バッチ法を用いたために、最初の溶出画分にほとんどのCYLD-CP5は溶出されていることを確認した。
次に、溶出された精製CYLD-CP5を用いて脱ユビキチン化アッセイを行った。CP5精製した100 nM CYLD-CP5を1 μMの4量体直鎖ユビキチン鎖と混合し、30℃で3時間静置した。ネガティブコントロールとしてD1CEペプチド、またはCP5精製したVenus-CP5を用いて同様にユビキチン鎖と混合し反応させた。反応液は、SDS-PAGEにかけ、SYPRO Ruby染色によってユビキチン鎖の分解を確認した。精製CYLD-CP5と反応させた場合のみ、ユビキチン鎖の分解産物である単量体、2量体及び3量体ユビキチンが観察された。この結果から、CYLD-CP5は、CP5精製後も活性を維持しており、CP5精製が酵素の精製に適していることを確認した。また、コムギ無細胞タンパク質合成系に用いる小麦胚芽抽出液には、脱ユビキチン酵素が多く含まれるが、CP5精製したVenus-CP5は、脱ユビキチン活性を示さなかった。このことは、CP5精製により、小麦胚芽抽出液内在の脱ユビキチン化酵素が完全に除去されたことを示している。
以上により、本発明のタンパク質の精製方法は、酵素活性を維持した酵素を精製することができる。
<膜タンパク質の精製>
CP5タグを用いて、無細胞タンパク質合成系で合成したDRD1タンパク質の精製を行った。Ra62抗体は、ウサギ高親和性抗体である。ウサギ抗体は、一般に強固な構造を持っているため、界面活性剤存在下のような厳しい条件においても結合能を維持できる。これにより、CP5精製が界面活性剤で可溶化した膜タンパク質の精製に適していると考えた。よって、DRD1の末端配列であるD1CE配列に1アミノ酸置換を導入したCP5配列を持つ、DRD1コンストラクト(DRD1-CP5)を作成した。コムギ無細胞タンパク質合成系を用いてDRD1-CP5をプロテオリポソームとして合成した(Takeda et al. Scientific Reports 2015)。遠心操作とバッファー洗浄で、プロテオリポソームを精製後、界面活性剤としてDDMを含む可溶化液(150 mM炭酸バッファー, 750 mM NaCl,4% (w/v) DDM, 10%グリセロール, 1 mM DTT)でDRD1-CP5を可溶化した(可溶化DRD1)。CP5精製操作は、スピンカラムを用いたバッチ法で行った。500 μLの可溶化DRD1-CP5を洗浄液(50 mM Hepes-NaOH, pH 7.5, 750 mM NaCl, 2%Glycerol, 0.1% DDM, 0.02% CHS)で4倍希釈し(DDM濃度1%)、200 μLの抗Ra62 mAbセファロースに添加し、ローテーターを用いて4℃で1時間転倒混和した。スラリーをスピンカラムに移し、2000 rpm、30秒間の遠心操作によりフロースルー画分を回収した。洗浄液を500 μL添加し2000 rpm、30秒間の遠心により洗浄画分を回収する操作を6回繰り返した。その後、100 μLの溶出液(50 mM Hepes-NaOH, pH 7.5, 750 mM NaCl, 2%Glycerol, 0.1% DDM, 0.02% CHS, 150 μM D1CEペプチド)を添加し、5分静置し、15,000 rpm、1分間の遠心により溶出画分を回収した。溶出操作は、5回繰り返し行った。最後に100 μLのSDS-PAGEサンプルバッファーを添加しカラムに残ったタンパク質を溶出した(レジン画分)。SDS-PAGE及びCBB染色の結果、可溶化したDRD1-CP5は、良好に抗Ra62 mAbセファロースに結合し、フロースルー画分には、DRD1のバンドは確認されなかった(図13A)。図13Bに各画分の吸光度(280nm波長)を示す。D1CEペプチドによる競合的な溶出は、良好に行われ、100 μL×3画分でほぼすべてのDRD1-CP5が溶出された。精製により、目的タンパク質以外のバンドは減少した。また、可溶化画分で見られるリポソーム由来の脂質による泳動像の歪み(図13Aの白矢尻)が、精製後は認められず、CP5精製により脂質が除かれたことが確認された。また、精製後のセファロース(レジン画分)には、DRD1-CP5の残存は認められなかった。
<CLDN1タンパク質の精製>
別の膜タンパク質の精製例として、4回膜貫通タンパク質でタイトジャンクションの構成タンパク質であるCLDN1の精製を試みた。CLDN1のC末端にCP5タグを挿入し(CLDN1-CP5)、コムギ無細胞系でプロテオリポソームとして合成した(未精製画分)。遠心操作とバッファー洗浄でプロテオリポソームを精製し(遠心精製画分)、可溶化液(150 mM炭酸バッファー, 750 mM NaCl, 4% (w/v) DDM, 10%グリセロール, 1 mM DTT)でCLDN1-CP5を可溶化した(可溶化画分)。CP5精製操作は、オープンカラムと自然落下によるカラム法で行った。洗浄液(50 mM Hepes-NaOH, pH 7.5, 750 mM NaCl, 2% Glycerol, 0.1% DDM, 0.02%CHS)で平衡化した200 μLの抗Ra62 mAbセファロースをオープンカラムに詰め、500 μLの可溶化CLDN1-CP5を添加した。自然落下でフロースルー画分を回収後、洗浄液を500μLずつ4回添加し、洗浄画分として回収した。その後、溶出液(50 mM Hepes-NaOH, pH 7.5, 750 mM NaCl, 2% Glycerol, 0.1% DDM, 0.02%CHS, 150 μM D1CEペプチド)を100 μLずつ12回添加し、溶出画分を回収した。最後に、100 μLの10mM NaOHを6回添加しカラムに残ったタンパク質を溶出した(NaOH画分)。SDS-PAGE及びCBB染色の結果、CLDN1-CP5の良好な精製が確認された(図14A)。図14Bに示した280 nmの吸光度より、溶出された標的タンパク質は、溶出画分のフラクション3〜5の3画分にほぼ集中している。これは、ペプチド溶出が効率的に行われたことを示している。ペプチド溶出後、10 mMのNaOHで洗浄するとわずかに残存のCLDN1-CP5が溶出したが、ペプチド溶出されたタンパク質に対してごくわずかな量で、ほとんどのCLDN1-CP5はペプチド溶出されたことを確認した。
<MARCH3タンパク質の精製>
MARCH3のC末端にCP5タグを挿入し(MARCH3-CP5)、コムギ無細胞タンパク質合成系でプロテオリポソーム(膜タンパク質)として合成した(未精製)。遠心操作とバッファー洗浄でプロテオリポソームを精製し、可溶化液(150 mM炭酸バッファー, 750 mM NaCl, 4% (w/v) DDM, 10%グリセロール, 1 mM DTT)でMARCH3-CP5を可溶化した。CP5精製操作は、オープンカラムと自然落下によるカラム法で行った。洗浄液(50 mM Hepes-NaOH, pH 7.4, 750 mM NaCl, 2% Glycerol, 0.1% DDM, 1mMDTT)で平衡化した100 μLの抗Ra62 mAbセファロースを、500 μLの可溶化MARCH3-CP5に添加し、1時間回転混和した。混合液をオープンカラムに注入し、自然落下でフロースルー画分を回収した。洗浄液を500 μLずつ4回添加し、洗浄画分として回収した。その後、溶出液(50 mM Hepes-NaOH, pH 7.4, 750 mM NaCl, 2% Glycerol, 0.1% DDM, 1mMDTT, 150 μM D1CEペプチド)を100 μLずつ6回添加し、溶出画分を回収した。コントロールのBSAとともに、SDS-PAGE及びCBB染色を行い、MARCH3の溶出精製を確認した。最もMARCH3濃度が濃い溶出画分を用いてMARCH3のE3ユビキチンリガーゼ活性評価を行った。
E3ユビキチンリガーゼ活性評価手順は、次の通りである。5 μLのCP5精製したMARCH3−CP5あるいはVenus-CP5を、4 μM組換えHA-ユビキチン(Boston Biochem)、3 mM ATP、 40 nM組換えE1(Boston Biochem)、及び300 nM組換えE2(UbcH6、Enzo Life Sciences)と混合した。30℃で3時間反応させた後、反応液をSDS-PAGEおよびウエスタンブロッティングにかけ、MARCH3-CP5の自己ユビキチン化を確認した。ウエスタンブロッティングは、HRPをコンジュゲートした抗HA抗体を用いた化学発光で検出した。その結果、HA-ユビキチン、E1、E2及びMARCH3-CP5の全てを混合した時のみ、ユビキチン化したMARCH3-CP5のラダー状のバンドが40 kDaから300 kDaの範囲に検出された。しかし、上記のいずれかのタンパク質を欠いた場合は、ラダーバンドが観察されなかった。
以上より、精製後のMARCH3-CP5が、E3ユビキチンリガーゼ活性を有することを確認した。
以上により、本発明のタンパク質の精製方法は、膜タンパク質活性を維持した状態で膜タンパク質の精製をすることができる。
<細胞膜からの膜タンパク質の製造>
昆虫培養細胞の細胞膜に大量発現した膜タンパク質について、CP5タグで精製できることを下記の通り確認した。GPCRであるムスカリン性アセチルコリン受容体M2のC末にCP5を融合し(M2−CP5)、バキュロウィルスを用いて昆虫培養細胞Sf9に導入し、M2-CP5を細胞膜に過剰発現させた。細胞を回収、破砕後、バッファーで洗浄し、細胞膜画分を精製した。DDMを含む可溶化バッファー(50 mM Hepes-NaOH, pH 7.5, 750 mM NaCl, 4% Glycerol, 0.1 μM アトロピン, 1% DDM, 0.2%CHS)に膜画分を懸濁し、5分間の超音波処理後、15000 rpm, 10分間、4℃の遠心にかけ、可溶化M2-CP5を含む上清を回収した(可溶化細胞膜画分)。CP5精製操作はバッチ法で行った。200 μLの抗Ra62 mAbセファロースに15 mLの可溶化M2-CP5を添加し、ローテーターを用いて4℃で1時間転倒混和した。5000 rpm、5分間の遠心操作により上清とレジンを分離し、上清をフロースルー画分として回収した。続いて、10mLの洗浄バッファー(50 mM Hepes-NaOH, pH 7.5, 750 mM NaCl, 2% Glycerol, 0.1 μM アトロピン, 0.1% DDM,0.02% CHS)とレジンを混和し、5000 rpm、5分間の遠心にかけて洗浄画分を回収する操作を9回繰り返し、レジンを洗浄した。その後、レジンをスピンカラムに移し、100 μLの溶出バッファー(50 mM Hepes-NaOH, pH 7.5, 750 mM NaCl, 2% Glycerol, 0.1 μMアトロピン, 0.1% DDM,0.02% CHS, 150 μM D1CEペプチド)を添加し、5分静置し、15,000 rpm, 1分間の遠心により溶出画分を回収した。溶出操作は5回繰り返し行った。最後に300 μLのSDS-PAGEサンプルバッファーを添加しカラムに残ったタンパク質を溶出した(レジン画分)。SDS-PAGE及びCBB染色の結果から、CP5精製により、可溶化細胞膜画分に含まれるほとんどの夾雑タンパク質と脂質が除かれ、M2-CP5が良好に精製できた(図16)。レジン画分にはM2-CP5のバンドは認められず、非常に効率良くM2-CP5が溶出されたことを確認した(図16の白矢尻)。本発明のタンパク質の製造方法は、one-stepの精製で純度の高い目的膜タンパク質が得られたことから、結晶化や生化学的な解析に用いる膜タンパク質の製造に有効であることを確認した。
以上により、本発明のタンパク質の製造方法は、細胞膜から膜タンパク質を製造することができる。
本発明は、DRD1を認識する抗体及び該抗体のエピトープ由来のペプチドを用いたタンパク質の精製方法を提供することができる。

Claims (18)

  1. 下記式(I);
    Gly−Gln−His−X−Thr (I)
    (式中、Xは、疎水性アミノ酸を示す)で表わされるアミノ酸配列、Gln−His−Pro−Thrで表されるアミノ酸配列、又はHis−Pro−Thrで表されるアミノ酸配列を含むタグペプチド又はタグペプチド溶離用ペプチド。
  2. Xが、Pro、Val、Trp、Gly、Leu、Phe又はMetである請求項1に記載のタグペプチド又はタグペプチド溶離用ペプチド。
  3. Xが、Pro又はValである請求項1又は2に記載のタグペプチド又はタグペプチド溶離用ペプチド。
  4. さらに、タグペプチド溶離用ペプチドのN末端側に、Thr−Ser−Gln−Asnのアミノ酸配列を有する請求項1〜3のいずれか1に記載のタグペプチド又はタグペプチド溶離用ペプチド。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のタグペプチドが融合したタグペプチド融合タンパク質。
  6. 以下の工程を含む、タンパク質の精製方法。
    (1)請求項1〜4のいずれか1に記載のタグペプチドが融合したタンパク質又は請求項5に記載のタグペプチド融合タンパク質を含む溶液を、DRD1を認識する抗体又は抗体断片に接触させる工程
    (2)タグペプチドの溶離液を添加する工程
  7. 前記タグペプチドの溶離液は、請求項1〜4のいずれか1に記載のタグペプチド溶離用ペプチドを含む請求項6に記載のタンパク質の精製方法。
  8. Xが、Pro、Val、Trp、Gly、Leu、Phe又はMetである請求項7に記載のタンパク質の精製方法。
  9. 前記タグペプチド溶離用ペプチドは、さらに、N末端側に、Thr−Ser−Gln−Asnのアミノ酸配列を有する請求項7又は8に記載のタンパク質の精製方法。
  10. 前記タグペプチド溶離用ペプチドは、前記タグペプチドと比較して、DRD1を認識する抗体又は抗体断片に対して結合親和性が高い請求項7〜9のいずれか1に記載のタンパク質の精製方法。
  11. 前記タグペプチドと前記タグペプチド溶離用ペプチドの組合せは以下の通りである請求項7〜10のいずれか1に記載のタンパク質の精製方法。
    (1)タグペプチドがGQHVT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
    (2)タグペプチドがGQHVT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
    (3)タグペプチドがGQHWT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
    (4)タグペプチドがGQHWT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
    (5)タグペプチドがGQHGT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
    (6)タグペプチドがGQHGT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
    (7)タグペプチドがGQHLT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
    (8)タグペプチドがGQHLT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
    (9)タグペプチドがGQHFT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
    (10)タグペプチドがGQHFT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
    (11)タグペプチドがGQHMT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
    (12)タグペプチドがGQHMT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
    (13)タグペプチドがQHPT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
    (14)タグペプチドがQHPT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
    (15)タグペプチドがHPT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
    (16)タグペプチドがHPT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
  12. 以下の工程を含む、タンパク質の製造方法。
    (1)請求項1〜4のいずれか1に記載のタグペプチドが融合したタンパク質又は請求項5に記載のタグペプチド融合タンパク質を無細胞タンパク質合成液で製造する工程、
    (2)該タグペプチド融合タンパク質を含む無細胞タンパク質合成液を、DRD1を認識する抗体又は抗体断片に接触させる工程、及び、
    (3)タグペプチドの溶離液を添加する工程
  13. 前記タンパク質は、膜タンパク質である請求項12に記載のタンパク質の製造方法。
  14. 前記タグペプチドの溶離液は、請求項1〜4のいずれか1に記載のタグペプチド溶離用ペプチドを含む請求項12又は13に記載のタンパク質の製造方法。
  15. Xが、Pro、Val、Trp、Gly、Leu、Phe又はMetである請求項14に記載のタンパク質の製造方法。
  16. 前記タグペプチド溶離用ペプチドは、さらに、N末端側に、Thr−Ser−Gln−Asnのアミノ酸配列を有する請求項14又は15に記載のタンパク質の製造方法。
  17. 前記タグペプチド溶離用ペプチドは、前記タグペプチドと比較して、DRD1を認識する抗体又は抗体断片に対して結合親和性が高い請求項14〜16のいずれか1に記載のタンパク質の製造方法。
  18. 前記タグペプチドと前記タグペプチド溶離用ペプチドの組合せは以下の通りである請求項14〜17のいずれか1に記載のタンパク質の製造方法。
    (1)タグペプチドがGQHVT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
    (2)タグペプチドがGQHVT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
    (3)タグペプチドがGQHWT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
    (4)タグペプチドがGQHWT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
    (5)タグペプチドがGQHGT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
    (6)タグペプチドがGQHGT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
    (7)タグペプチドがGQHLT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
    (8)タグペプチドがGQHLT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
    (9)タグペプチドがGQHFT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
    (10)タグペプチドがGQHFT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
    (11)タグペプチドがGQHMT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
    (12)タグペプチドがGQHMT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
    (13)タグペプチドがQHPT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
    (14)タグペプチドがQHPT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
    (15)タグペプチドがHPT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがGQHPT-COOHである
    (16)タグペプチドがHPT-COOHであり、タグペプチド溶離用ペプチドがTSQNGQHPT-COOHである
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