JP2018079622A - タンクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タンクの破裂部位の位置を制御する。
【解決手段】タンクの製造方法であって、タンクの基材であるライナに繊維を巻き付けることにより、ライナの外表面に繊維からなる複数の繊維層を順次積層する繊維巻き付け工程を備え、繊維巻き付け工程は、(a)複数の繊維層のうち少なくとも一つの繊維層である対象繊維層における一部の領域に繊維を巻き付ける際に、対象繊維層における該一部の領域を除く他の領域に繊維を巻き付ける際に繊維に加える張力よりも低い張力を、繊維に加えて繊維を巻き付ける工程と、(b)対象繊維層の上に繊維を巻き付けて繊維層をさらに形成する工程と、を含む、タンクの製造方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、タンクの製造方法に関する。
高圧流体用タンクの製造方法として、タンクの基材であるライナに、予め熱硬化性樹脂を含浸させたカーボン繊維を幾重にも巻き付けた後に熱により硬化させ、ライナの外表面に高強度の繊維強化樹脂層を形成する、いわゆるフィラメントワインディング法(以下、「FW法」と呼ぶ)が知られている。FW法では、カーボン繊維から成る繊維層が、ライナ表面に近い側から遠い側へと順次積層して形成される。このとき、カーボン繊維には所定の張力が加えられ、ライナ表面上または既に積層された繊維層に重ねて巻き付けられる。特許文献1には、上述のFW法による繊維の巻き付け装置が開示されている。
特開2011−245780号公報
熱硬化性樹脂は、熱硬化する前に、一旦、粘度が低下して、流動性が高くなる。このため、熱硬化性樹脂の加熱時に、繊維強化樹脂層における内層側の流動性が高くなった熱硬化性樹脂が、カーボン繊維に加えられた張力によって外層側に染み出す。これにより、内層側に空隙が形成される。このとき、かかる空隙にカーボン繊維が入り込むことにより、カーボン繊維にうねりや、屈曲が生じて、カーボン繊維の配向性、すなわち予定されていた向き通りにカーボン繊維が巻かれる性能が他の部分と比べて低下する。
タンクにおけるカーボン繊維の配向性が他の部分と比べて低い部分は、繊維強化樹脂層において、強度が最も低い部分となるため、タンクの破裂部位となり得る。しかし、カーボン繊維の配向性は、熱硬化性樹脂の加熱時における繊維強化樹脂層の内層側の空隙の形成状態に応じて変化するので、タンクの破裂部位を特定の位置の部位となるように制御することは困難である。このような課題は、高圧流体用タンクに限らず、他の任意の用途で用いられるタンクにおいても共通する。そこで、タンクの破裂部位の位置を制御する技術が望まれている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一実施形態によれば、タンクの製造方法が提供される。このタンクの製造方法は、前記タンクの基材であるライナに繊維を巻き付けることにより、前記ライナの外表面に前記繊維からなる複数の繊維層を順次積層する繊維巻き付け工程を備え;前記繊維巻き付け工程は、(a)前記複数の繊維層のうち少なくとも一つの繊維層である対象繊維層における一部の領域に前記繊維を巻き付ける際に、前記対象繊維層における該一部の領域を除く他の領域に前記繊維を巻き付ける際に前記繊維に加える張力よりも低い張力を、前記繊維に加えて前記繊維を巻き付ける工程と;(b)前記対象繊維層の上に前記繊維を巻き付けて繊維層をさらに形成する工程と;を含む。
この形態のタンクの製造方法によれば、複数の繊維層を順次積層する繊維巻き付け工程において、対象繊維層における一部の領域に繊維を巻き付ける際に、対象繊維層における該一部の領域を除く他の領域に繊維を巻き付ける際に繊維に加える張力よりも低い張力を、繊維に加えて繊維を巻き付けた後、対象繊維層の上に繊維層をさらに形成するので、低い張力で繊維を巻き付けた領域の繊維の配向性が低下するため、対象繊維層における一部の領域の強度が他の領域に比べて低くなり、かかる領域をタンクの破裂部位にできる。このため、上述の一部の領域の位置を制御して、タンクの破裂部位の位置を制御することができる。
本発明は、種々の形態で実現することも可能である。例えば、タンクに繊維を巻き付ける方法や、タンクの製造装置等の形態においても実現できる。
本発明の実施形態におけるタンクの製造方法により製造されたタンクの構成を示す断面図である。 図1に示す領域における繊維強化樹脂層の構成を拡大して示す説明図である。 本実施形態におけるタンクの製造方法が適用されるフィラメントワインディング装置の概略構成を示す説明図である。 本実施形態におけるタンクの製造方法を示す工程図である。 繊維巻き付け工程(P110)の詳細手順を示す工程図である。 ダンサーシリンダーの圧力および繊維束の張力とFW開始のタイミングを模式的に示すタイミングチャートである。
A.実施形態:
A1.タンクの構成:
図1は、本発明の実施形態におけるタンクの製造方法により製造されたタンクの構成を示す断面図である。本実施形態の製造方法により製造されるタンク10は、タンク10の基材であるライナ(後述のライナ20)にカーボン繊維を巻き付けた構成を有する。タンク10は、燃料電池システムにおいて、燃料ガスとしての水素ガスを貯蔵するために用いられる。図1では、タンク10の軸線CXに沿った断面を示している。
タンク10は、ライナ20と、2つの口金部30と、繊維強化樹脂層40とを備える。ライナ20は、高いガスバリア性を有する樹脂製の容器である。ライナ20は、例えば、ポリアミド、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレン等の樹脂により形成されている。なお、樹脂に代えて、アルミニウム合金などの金属により形成されていてもよい。ライナ20は、略円筒状の胴体部21と、胴体部21を挟んで配置される凸曲面形状の2つのドーム部22と、を有する。図1において、中心軸CXは、胴体部21の中心軸を表わす。タンク10の長手方向とは、中心軸CXに沿った方向である。
2つの口金部30は、それぞれドーム部22の頂点部分に取り付けられている。図1に示すように、口金部30は、ライナ20における長手方向の両端部に装着されている。口金部30は、口金部30の中心軸と、ライナ20の中心軸CXとが一致するように取り付けられている。一方の口金部30は、ライナ20の内部と連通し、かかる口金部30には、水素ガス供給用の配管が接続される。
繊維強化樹脂層40は、ライナ20の外表面を覆うように形成されている。繊維強化樹脂層40は、耐圧性を有し、ライナ20の強度を高めるために用いられる。繊維強化樹脂層40は、フィラメントワインディング法により形成される。具体的には、ライナ20の外表面に、予め熱硬化性樹脂を含浸させたカーボン繊維(後述のカーボン繊維100)の繊維束(後述の繊維束W)が幾重にも巻き付けられ、かかる繊維束Wからなる層(以下、「繊維層」と呼ぶ)が複数積層される。その後、繊維束Wに含まれる熱硬化性樹脂を加熱して硬化させることにより形成される。本実施形態では、カーボン繊維として、ポリアクリロニトリル(PAN)系カーボン繊維を用いる。なお、ポリアクリロニトリル(PAN)系カーボン繊維に代えて、レーヨン系カーボン繊維や、ピッチ系カーボン繊維など、他の任意のカーボン繊維を用いてもよいし、カーボン繊維の補強を目的として、ガラス繊維やアラミド繊維を含んでもよい。また、カーボン繊維に含浸される熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂を用いる。なお、エポキシ樹脂に代えて、ポリエステル樹脂や、ポリアミド樹脂など、熱硬化性を有する他の任意の樹脂を用いてもよい。
A2.繊維強化樹脂層の構成:
図2は、図1に示す領域Ar1における繊維強化樹脂層40の構成を拡大して示す説明図である。領域Ar1は、ライナ20の胴体部21における中心部近傍を含む領域である。以降では、繊維強化樹脂層40を、ライナ20から近い側から遠い側に向かって順番に第1層、第2層、第3層、・・・第N層と呼ぶ。図2では、第1層L1、第2層L2、第3層L3、第4層L4および第5層L5を含む部分を模式的に表わしている。図2において、X軸は、軸線CXと平行であり、Y軸およびZ軸は、X軸と垂直な方向である。
第1層L1は、ライナ20の外周表面に多数の周回分の繊維断面がX軸と略平行に並ぶようにライナ20の外周面に巻き付けられている。第2層L2は、第1層L1に接して第1層L1の上側(+Z方向側)に配置されている。第2層L2も、第1層L1と同様に、多数の周回分の繊維断面がX軸と略平行に並ぶように第1層L1の外周面に巻き付けられている。第3層L3〜第5層L5も、第2層L2と同様に、多数の周回分の繊維断面がX軸と略平行に並ぶように内側に隣接する繊維層の外周面に巻き付けられている。
図2に示すように、第3層L3における胴体部21の中心部の一部の領域には、低張力部43が形成されている。詳細な説明は後述するが、低張力部43は、繊維束Wを巻き付ける際に、かかる一部の領域を除く他の領域に繊維束Wを巻き付ける際に繊維束Wに加える張力よりも低い張力を加えることにより形成される。以降の説明では、第3層L3のように、繊維層における一部の領域に低張力部43が形成された繊維層を「対象繊維層」と呼ぶ。本実施形態では、繊維強化樹脂層40は、対象繊維層L3における一部の領域に低張力部43が形成され、対象繊維層L3の上に繊維層がさらに形成された構成を有する。
A3.タンクの製造装置の構成:
図3は、本実施形態におけるタンクの製造方法が適用されるフィラメントワインディング装置の概略構成を示す説明図である。図3では、フィラメントワインディング装置500に加えて、製造途中のタンク10が表わされている。フィラメントワインディング装置500は、フィラメントワインディング法によってライナ20に繊維束Wを巻き付ける装置である。フィラメントワインディング装置500は、4つのボビン211、212、213および214と、4つの第1搬送ローラ201、202、203および204と、結束ローラ230と、ダンサー300と、アクティブダンサー310と、3つの第2搬送ローラ205、206および207と、繊維案内装置320と、ライナ回転装置330と、制御装置340と、を備える。
4つのボビン211、212、213および214は、筒状の外観形状を有し、それぞれ、カーボン繊維100が巻きつけられている。カーボン繊維100は、例えば、ポリアクリロニトリルの原糸を約3000℃で焼成した糸を約24000本程度撚って集め、バインダ樹脂によって軽く接着させた、厚さ約200μm、幅4mmから5mm程度の扁平なシートを例示することができる。
4つの第1搬送ローラ201、202、203および204は、各ボビン211〜214に対応して設けられており、各ボビン211〜214から繰り出された各カーボン繊維100を結束ローラ230へ搬送する。
結束ローラ230は、各ボビン211〜214からそれぞれ繰り出されたカーボン繊維100を揃えて繊維束Wとして搬送する。
ダンサー300は、ライナ20に繊維束Wを巻き付ける際の繊維束Wに与える張力を制御する。ダンサー300は、ダンサーシリンダー301を備える。繊維束Wに与える張力の制御は、ダンサーシリンダー301の圧力を制御することにより行う。具体的には、ダンサーシリンダー301の圧力が予め設定された所定の圧力となるように、ダンサーシリンダー301にエアー圧が加えられる(以下、「昇圧」と呼ぶ)。本実施形態において、ダンサーシリンダー301の圧力は、繊維層の各層ごとに設定される。
アクティブダンサー310は、繊維束Wの張力を調整する。具体的には、アクティブダンサー310は、ボビン軸311を備え、ダンサー300が水平となるようにボビン軸311を移動させることにより繊維束Wの張力を調整する。
3つの第2搬送ローラ205、206および207は、所望の張力が付与された状態の繊維束Wを繊維案内装置320へ搬送する。
繊維案内装置320は、繊維束Wをライナ20の外表面に案内する。繊維案内装置320は、制御装置340と電気的に接続しており、制御部(後述の制御部341)からの指示に応じて、自身の位置をライナ20の長手方向に移動させながら、ライナ20の外表面に繊維束Wを案内する。
ライナ回転装置330は、ライナ20の中心軸CXに沿った両端を保持し、ライナ20を中心軸CXを軸線として回転させる。ライナ回転装置330は、制御装置340と電気的に接続しており、制御部(後述の制御部341)からの指示に応じて、ライナ20の回転と停止を行う。
制御装置340は、フィラメントワインディング装置500全体を制御する。本実施形態では、制御装置340は、コンピュータにより構成されている。制御装置340のCPUは、制御装置340内のメモリに予め格納されている制御プログラムを実行することにより、制御部341として機能する。
制御部341は、上述のダンサー300、繊維案内装置320、ライナ回転装置330等をそれぞれ制御して、繊維束Wに与える張力を制御してライナ20への繊維束Wの巻き付けを実行する。
A4.タンクの製造方法:
図4は、本実施形態におけるタンクの製造方法を示す工程図である。図4に示すように、まず準備工程が実行される(工程P105)。準備工程(P105)では、上述のライナ20や、カーボン繊維100など、タンク10の製造にあたって必要となる材料を準備し、フィラメントワインディング装置500に取り付ける。準備工程(工程P105)が完了すると、繊維巻き付け工程(P110)が実行される(工程P110)。繊維巻き付け工程(P110)では、ライナ20の外表面に繊維束Wを巻き付けて、繊維束Wからなる複数の繊維層を順次積層する。
図5は、繊維巻き付け工程(P110)の詳細手順を示す工程図である。図5では、第1層L1および第2層L2の繊維巻き付け工程と、第3層L3以降の繊維層の繊維巻き付け工程とのそれぞれの繊維巻き付け工程における詳細手順を表している。繊維巻き付け工程(P110)が実行されると、まず第1層L1および第2層L2の繊維巻き付け工程が実行される。制御部341は、ダンサーシリンダー301の圧力の昇圧を開始する(工程P101)。このとき、制御部341は、ダンサーシリンダー301の圧力が予め設定した所定の圧力となるようにダンサーシリンダー301にエアー圧を加える。工程P101が完了すると、制御部341は、ダンサーシリンダー301の圧力の昇圧を完了する(工程P102)。上述のように、繊維束Wに加えられる張力は、ダンサーシリンダー301の圧力により制御されるので、繊維束Wに加えられる張力は、ダンサーシリンダー301の圧力の昇圧の完了とともに一定となる。
工程P102が完了すると、制御部341は、張力一定のまま繊維束Wを巻き付ける(工程P103)。工程P103では、第1層L1、第2層L2の繊維束Wの巻き付けが順次行われる。本実施形態では、第1層L1はヘリカル巻きにより繊維束Wが巻き付けられ、第2層L2はフープ巻きにより繊維束Wが巻き付けられる。したがって、本実施形態における繊維強化樹脂層40は、ヘリカル巻きにより繊維束Wが巻き付けられた繊維層と、フープ巻きにより繊維束Wが巻き付けられた繊維層とがそれぞれ別層の繊維層として形成される構成を有する。ヘリカル巻きとは、軸線CXに対して、例えば10°〜60°の角度(繊維配向)を付けてライナ20に対して繊維束Wを巻き付ける方法である。フープ巻きとは、上述の角度(繊維配向)を90°に近似させて繊維束Wをライナ20の周方向に揃えてライナ20に対して繊維束Wを巻き付ける方法である。以下、繊維束Wのライナ20への巻き付け処理を簡単に説明する。
繊維案内装置320は、制御部341からの繊維束Wの案内開始を指示する制御信号を受信すると、ライナ20の胴体部21の中心部まで移動し、その後、ライナ20に対して繊維束Wの案内を開始する。また、ライナ回転装置330は、制御部341からのライナ20の回転開始を指示する制御信号を受信すると、ライナ20の回転を開始する。そして、まずヘリカル巻きが実行されて第1層L1の繊維束Wが巻き付けられる。第1層L1の繊維束Wの巻き付けが完了すると、ヘリカル巻きからフープ巻きへと移行するためにコンビネーション巻きが実行される。コンビネーション巻きとは、軸線CXに対する繊維束Wの角度がヘリカル巻きにおける角度(10°〜60°)からフープ巻きにおける角度(90°)となるように、繊維束Wの角度を起こしながらライナ20に対して繊維束Wを巻き付ける方法である。コンビネーション巻きでは、ヘリカル巻きや、フープ巻きにおいて繊維束Wに加える張力よりも低い張力を繊維束Wに加えて繊維束Wが巻き付けられる。コンビネーション巻きが完了した後、フープ巻きが実行されて第2層L2の繊維束Wが巻き付けられる。
工程P103が完了すると、制御部341は、ダンサーシリンダー301の圧力を低減する(工程P104)。制御部341は、工程P101において昇圧したダンサーシリンダー301の圧力を減圧する。
工程P104が完了すると、繊維案内装置320は、ライナ20に対して繊維束Wの案内を停止して、制御部341に対して繊維束Wの案内完了の制御信号を送信する。また、ライナ回転装置330は、ライナ20の回転を停止して、制御部341に対してライナ20の回転停止の制御信号を送信する。
第1層L1、第2層L2の繊維巻き付け工程が完了した後、第3層L3以降の繊維層の繊維束Wの巻き付け工程が実行される。制御部341は、ダンサーシリンダー301の圧力の昇圧を開始する(工程P201)。工程P201では、上述の工程P101と同様に、ダンサーシリンダー301の圧力が予め設定した所定の圧力となるようにダンサーシリンダー301の昇圧が行われる。ダンサーシリンダー301の昇圧が開始された後、制御部341は、繊維束Wの巻き付けを開始する(工程P202)。繊維束Wの巻き付けが開始されると(工程P202)、上述の工程P103と同様に、繊維案内装置320によりライナ20に対して繊維束Wの案内が開始され、ライナ回転装置330によりライナ20の回転が開始される。そして、第2層L2の繊維束Wの巻き付けと同様に、フープ巻きが実行されて、第3層L3の繊維束Wの巻き付けが開始される。
第3層L3の繊維束Wの巻き付けが開始された後(工程P202の後)、制御部341は、ダンサーシリンダー301の圧力の昇圧を完了する(工程P203)。上述のように、繊維束Wに加えられる張力は、ダンサーシリンダー301の圧力により制御されるので、繊維束Wに加えられる張力は、ダンサーシリンダー301の圧力の昇圧の開始時が最も低く、昇圧の完了とともに一定となる。したがって、工程P202から工程P203において繊維束Wが巻き付けられた一部の領域は、第3層L3において低張力部43として形成される。
工程P203が完了すると、制御部341は、張力一定のまま繊維束Wを巻き付ける(工程P204)。工程P204では、第3層L3の一部の領域を除く他の領域の繊維束Wの巻き付けが行われ、第4層L4以降の繊維層の繊維束Wの巻き付けが行われる。そして、予め定めた所定数分の繊維層の繊維束Wの巻き付けが完了すると、第3層L3以降の繊維層の繊維巻き付け工程が完了し、繊維巻き付け工程(P110)は完了する。
図4に示すように、繊維巻き付け工程(P110)が完了すると、熱硬化工程が実行される(工程P115)。熱硬化工程(P115)では、ライナ20全体を加熱する。これにより、ライナ20の外周面に巻き付けられたカーボン繊維100に含まれる熱硬化性樹脂が硬化し、ライナ20の外表面を覆う繊維強化樹脂層40が形成される。このようにして、繊維強化樹脂層40を有するタンク10が得られる。
図6は、ダンサーシリンダー301の圧力および繊維束Wの張力とFW開始のタイミングを模式的に示すタイミングチャートである。図6において、横軸は時間を示し、縦軸はダンサーシリンダー301の圧力およびFW速度および繊維束Wの張力を示す。図6において、ダンサーシリンダー301は実線で表している。FW速度は一点鎖線で、繊維束Wの張力は二点鎖線で、それぞれ表している。図6では、時刻t0において第2層L2の繊維束Wの巻き付け工程が完了し、時刻t1において第3層L3の繊維束Wの巻き付け工程を開始する状態を示している。
時刻t1において、ダンサーシリンダー301の圧力の昇圧が開始される(工程P201)。時刻t2において、繊維束Wの巻き付けが開始される(工程P202)。時刻t3において、ダンサーシリンダー301の圧力の昇圧が完了する(工程P203)。したがって、ダンサーシリンダー301の圧力は、時刻t1から時刻t3にかけて徐々に上昇している。また、FW速度は、時刻t0から時刻t2にかけて0であったが、時刻t2での繊維束Wの巻き付け開始とともに、徐々に上昇している。上述のように、繊維束Wの張力は、ダンサーシリンダー301に圧力を加えることにより付与されるので、ダンサーシリンダー301の圧力の上昇に少し遅れて時刻t2付近から上昇している。
上述のように、時刻t3においてダンサーシリンダー301の圧力の昇圧が完了すると(工程P203)、図6に示すように、ダンサーシリンダー301の圧力は一定に保たれる。これにより、繊維束Wの張力も緩やかに上昇して、時刻t4においてはほぼ変化がなく一定の張力となっている。したがって、図6に示すように、第3層L3の繊維束Wの張力は、FW開始時が最も低く、それ以降はFW開始時に比べて高い。このため、第3層L3においてFW開始時の一部の領域に低張力部43が形成されることになる。
以上説明した、本実施形態のタンクの製造方法によれば、複数の繊維層を順次積層する繊維巻き付け工程(P110)において、対象繊維層L3における一部の領域に繊維束Wを巻き付ける際に、対象繊維層L3における該一部の領域を除く他の領域に繊維束Wを巻き付ける際に繊維束Wに加える張力よりも低い張力を、繊維束Wに加えて繊維束Wを巻き付けた後、対象繊維層L3の上に繊維層をさらに形成するので、対象繊維層L3における一部の領域の強度を他の領域に比べて低くして、かかる領域をタンク10の破裂部位にできる。このため、上述の一部の領域の位置を制御して、タンク10の破裂部位の位置を制御することができる。
B.変形例:
B1.変形例1:
上記実施形態において、低張力部43は、対象繊維層L3を形成する際の繊維束Wの巻き付け開始時に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、低張力部43は、対象繊維層L3における繊維束Wの巻き付け途中の一部の領域に形成されてもよいし、対象繊維層L3における繊維束Wの巻き付け終了の一部の領域に形成されてもよい。すなわち、低張力部43が対象繊維層L3における一部の領域に形成される構成であれば、本実施形態と同様の効果を奏する。
B2.変形例2:
上記実施形態において、低張力部43が形成される対象繊維層は、第3層L3に限定されない。例えば、第4層L4、第5層L5などのフープ巻きが実行されて繊維束Wが巻き付けられる繊維層であれば他の任意の層であってもよい。この場合、低張力部43を形成したい繊維層の繊維巻き付け工程の実行開始前に、図5に示す工程P104を追加して実行する。例えば、第4層L4のフープ巻きによる繊維束Wの巻き付けが完了した後、ダンサーシリンダーの圧力の低減(工程P104)を実行し、ダンサーシリンダーの圧力の昇圧開始(工程P201)、第5層L5を形成するため繊維束Wの巻き付けの開始(工程P202)、ダンサーシリンダーの圧力の昇圧完了(工程P203)の各工程をこの順番に実行することにより、上述のように、工程P202から工程P203において繊維束Wが巻き付けられた第5層L5の一部の領域を低張力部43として形成できる。したがって、このような構成においても、上記実施形態と同様な効果を奏する。
B3.変形例3:
上記実施形態において、図5に示す工程P104を省略してもよい。この場合、例えば、第1層L1および第2層L2の繊維層の繊維束Wの巻き付けをヘリカル巻きにより実行し、第3層L3以降の繊維層の繊維束Wの巻き付けをフープ巻きにより実行することで、第3層L3の繊維束Wの巻き始めの領域を低張力部43として形成できる。
具体的には、図5に示すように、第1層L1、第2層L2の繊維巻き付け工程において、ダンサーシリンダーの圧力の昇圧が完了されると(工程P102)、ヘリカル巻きが実行されて第1層L1の繊維束Wが巻き付けられる(工程P103)。第1層L1の繊維束Wの巻き付けが完了すると、引き続きヘリカル巻きが実行されて第2層L2の繊維束Wが巻き付けられる(工程P103)。上述のように、本変形例において第3層L3以降の繊維層は、フープ巻きにより繊維束Wが巻き付けられるので、第2層L2の繊維束Wの巻き付けが完了すると、上述のコンビネーション巻きが実行される。
コンビネーション巻き実行後、第3層L3以降の繊維層の繊維巻き付け工程が実行される。第3層L3以降の繊維層の繊維巻き付け工程では、上述のように、まずダンサーシリンダー301の昇圧が行われる(工程P201)。ダンサーシリンダー301の昇圧が開始された後、フープ巻きが実行されて第3層L3の繊維束Wの巻き付けが開始される(工程P202)。そして、工程P202が完了すると、ダンサーシリンダー301の圧力の昇圧が完了される(工程P203)。
第2層L2の繊維束Wの巻き付け実行後、第3層L3の繊維束Wを巻き付け開始前にコンビネーション巻きを実行することにより、繊維束Wに加えられる張力は低下している。このため、第3層L3以降の繊維層の繊維巻き付け工程において、繊維束Wに加えられる張力は、上述のように、昇圧の開始(工程P201)時が最も低く、次第に上昇して、昇圧の完了(工程P203)とともに一定となる。したがって、工程P202から工程P203において繊維束Wが巻き付けられた一部の領域、すなわち、第3層L3の繊維束Wの巻き始めの領域は、低張力部43として形成される。
以上説明した変形例3の構成においても、上記実施形態と同様の効果を奏する。加えて、工程P104を省略することにより、図4に示す繊維巻き付け工程(P110)に要する時間を短縮できる。
B4.変形例4:
上記実施形態において、カーボン繊維100として、熱硬化性樹脂を含浸させたカーボン繊維を用いていたが、本発明はこれに限定されない。熱硬化性樹脂に代えて、紫外線硬化性樹脂を含浸させてもよい。その場合、熱硬化工程(工程P115)において紫外線を照射させて樹脂を硬化させてもよい。このような構成においても、本実施形態と同様の効果を奏する。
B5.変形例5:
上記実施形態において、4つの巻出しボビン211〜214には、それぞれ、予め熱硬化性樹脂を含浸させたカーボン繊維100が巻き付けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、予め熱硬化性樹脂が含浸されていないカーボン繊維を巻き付けてもよい。この場合、フィラメントワインディング装置500において、4つの巻出しボビン211〜214から繊維案内装置320までの搬送経路中に熱硬化性樹脂槽を設けて、4つの巻出しボビン211〜214から搬送されてきたカーボン繊維をかかる熱硬化性樹脂槽に浸すことにより熱硬化性樹脂を含浸させてもよい。このような構成においても、本実施形態と同様の効果を奏する。
B6.変形例6:
上記実施形態において、ライナ20は、高圧流体を貯蔵するためのタンク用のライナであったが、本発明はこれに限定されない。高圧流体貯蔵用のタンクに限らず、他の任意の用途で用いられるタンク用のライナであってもよい。このような構成においても、本実施形態と同様の効果を奏する。
本発明は、上述の実施形態および変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…タンク
20…ライナ
21…胴体部
22…ドーム部
30…口金部
40…繊維強化樹脂層
43…低張力部
100…カーボン繊維
201、202、203、204…第1搬送ローラ
205、206、207…第2搬送ローラ
211、212、213、214…ボビン
230…結束ローラ
300…ダンサー
301…ダンサーシリンダー
310…アクティブダンサー
311…ボビン軸
320…繊維案内装置
330…ライナ回転装置
340…制御装置
341…制御部
500…フィラメントワインディング装置
Ar1…領域
CX…軸線
CX…中心軸
L1…第1層
L2…第2層
L3…第3層、対象繊維層
L4…第4層
L5…第5層
W…繊維束

Claims (1)

  1. タンクの製造方法であって、
    前記タンクの基材であるライナに繊維を巻き付けることにより、前記ライナの外表面に前記繊維からなる複数の繊維層を順次積層する繊維巻き付け工程を備え、
    前記繊維巻き付け工程は、
    (a)前記複数の繊維層のうち少なくとも一つの繊維層である対象繊維層における一部の領域に前記繊維を巻き付ける際に、前記対象繊維層における該一部の領域を除く他の領域に前記繊維を巻き付ける際に前記繊維に加える張力よりも低い張力を、前記繊維に加えて前記繊維を巻き付ける工程と、
    (b)前記対象繊維層の上に前記繊維を巻き付けて繊維層をさらに形成する工程と、
    を含む、タンクの製造方法。
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