JP2018079583A - ポリプロピレン系延伸シーラントフィルム及びこれを用いたフィルム積層体 - Google Patents

ポリプロピレン系延伸シーラントフィルム及びこれを用いたフィルム積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】シーラントフィルムの樹脂原料と配合を改良して、自動包装適性、易引裂き性、及び強度に優れたポリプロピレン系延伸シーラントフィルム及びフィルム積層体を提供する。【解決手段】基材層10とシーラント層20を備え一軸方向の延伸倍率が3〜10倍であるポリプロピレン系延伸シーラントフィルム1の基材層は、ポリプロピレン系樹脂(A)を50〜85重量%と、熱可塑性エラストマー(B)を15〜50重量%含有し、ポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体等を含有し、熱可塑性エラストマー(B)は、その密度が0.860〜0.895g/cm3、メルトフローレートが0.5〜10g/10min、α−オレフィンとのランダム共重合体であるオレフィン系エラストマー樹脂、もしくは、スチレン系エラストマー樹脂のいずれかである。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリプロピレン系延伸シーラントフィルム及びこれを用いたフィルム積層体に関し、特に自動包装適性、易引き裂き性、及び強度に優れたポリプロピレン系延伸シーラントフィルム及びこれを用いたフィルム積層体に関する。
現在、物品の包装にあっては、自動包装機により、フィルムと物品が供給され充填、包装、封止は連続して行われる。このような包装用フィルムに要求される性能は、フィルムの供給や加工、さらには流通時に十分な耐久性や強度である。特に、フィルムは包装袋の形態に加工されて流通される。この包装袋とした際に耐破袋性と称される適切なフィルムの強度が必要となる。一般的に耐破袋性を向上させる場合、延伸ポリプロピレンフィルム、延伸ポリエステルフィルム、延伸ポリアミドフィルム等の基材フィルムと、無延伸シーラントフィルムが積層される。さらに、耐破袋性を付与する場合、無延伸シーラントフィルムに熱可塑性エラストマーを添加したポリプロピレン系フィルムが開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、易引き裂き性が低下する問題がある。
シーラントフィルムに易引き裂き性を付与する技術として、延伸シーラントフィルムが提案されており、基材層とシール層の間にエチレン−酢酸ビニル共重合体のグラフト変性物等からなる中間接着層が設けられることにより、ヒートシール強度を向上させたヒートシーラブル積層延伸ポリプロピレンフィルムが開示されている(特許文献2参照)。また、プロピレン系樹脂を含有してなる上層と、低密度ポリエチレン及び/または直鎖状低密度ポリエチレンを含有してなるシール層の間にプロピレン系樹脂とエチレン系樹脂を含有してなる中間層が設けられることにより、ヒートシール強度を向上させた多層延伸フィルムが開示されている(特許文献3参照)。
特許文献2及び3に開示のフィルムはいずれも高いヒートシール強度を備えるものの、耐破袋性については満足できる水準には達していなかった。そこで、耐破袋性を改良したレトルト用の包装材として、エチレン−プロピレンインパクトコポリマーとメタロセン触媒プロピレン−ブテンエラストマーとを含むヒートシール性層を有する縦一軸延伸のフィルムが開示されている(特許文献4参照)。しかしながら、特許文献4のフィルムであっても、他の基材フィルムと積層した際の積層体の耐破袋性は依然として満足できる水準には至っていない。
シーラントフィルムと他の基材フィルムを積層した積層フィルム(ラミネートフィルム)を使用した袋において、破袋はシーラントフィルム同士のヒートシールによる融着部位付近で多く発生する。つまり、ヒートシールの融着部位付近には各種の応力が集中するため、強度の低い部分から破壊に至る。積層フィルムにおいて、延伸シーラントフィルムのシール強度、層間強度、またはラミネート強度は弱く、無延伸シーラントフィルムと比較して破袋しやすい傾向にある。このことから、延伸シーラントフィルムにおける耐破袋性の向上が求められるに至った。
特開平7−309985号公報 特許第3934181号公報 特開2002−347192号公報 特許第5411935号公報
本発明は、上記状況に鑑み提案されたものであり、ポリプロピレン系延伸シーラントフィルムを組成する樹脂原料及びその配合を改良することにより、自動包装適性、易引き裂き性、及び強度に優れたポリプロピレン系延伸シーラントフィルム及びこれを用いたフィルム積層体を提供する。
すなわち、請求項1の発明は、基材層と、前記基材層の一側にヒートシール可能なシーラント層を備え、一軸方向の延伸倍率が3〜10倍であるポリプロピレン系延伸シーラントフィルムであって、前記基材層は、ポリプロピレン系樹脂を50〜85重量%と、熱可塑性エラストマーを15〜50重量%含有してなり、前記ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体、またはプロピレン−エチレンブロック共重合体のいずれかを含有し、前記熱可塑性エラストマーは、下記の(b1)ないし(b3)の関係を充足するエラストマー樹脂を含有し、(b1):前記エラストマー樹脂の密度が0.860〜0.895g/cm3であり、(b2):前記エラストマー樹脂のメルトフローレート(190℃、2.16kg荷重)が0.5〜10g/10minであり、(b3):前記エラストマー樹脂が、エチレン、プロピレン、または1−ブテンのいずれかと、炭素数2〜8(同種のモノマーを除く)のα−オレフィンとのランダム共重合体であるオレフィン系エラストマー樹脂、もしくは、スチレン含有量が30重量%以下であるスチレン系エラストマー樹脂のいずれかであり、前記シーラント層は、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体、またはプロピレン−エチレンブロック共重合体のいずれかを含有してなることを特徴とするポリプロピレン系延伸シーラントフィルムに係る。
請求項2の発明は、請求項1に記載の前記ポリプロピレン系延伸シーラントフィルムの前記基材層に被積層フィルム部が備えられたことを特徴とするフィルム積層体に係る。
請求項3の発明は、前記被積層フィルム部に金属層部が備えられる請求項2に記載のフィルム積層体に係る。
請求項4の発明は、前記フィルム積層体における前記ポリプロピレン系延伸シーラントフィルムの破壊エネルギーが、下記の測定(I)において0.1J/1.5cm2以上である請求項2または3に記載のフィルム積層体に係る。
前記の測定(I)は、前記フィルム積層体のシーラント層側同士を巻き取り方向にヒートシール部位を剥離できるようにヒートシールして中央にヒートシール部位を配し、その両端に非ヒートシール部位を備えて側面視逆Y字状とするとともに、前記ヒートシール部位を中央に残しつつJIS K 7160(1996)の規格に記載の3形に準じて試験片に切り取り、同規格に記載のつかみ具により試験片の一端側を固定し、他端側を15gのクロスヘッドにより固定してクロスヘッド支持台に載置する。ストライカを位置エネルギーが2Jとなる150°まで持ち上げてから前記ストライカを振り下ろし、前記ストライカが前記試験片の一端側を固定した前記クロスヘッドに衝突して前記試験片を破断させて当該クロスヘッドを弾き飛ばして振り上げた時点の前記ストライカの角度を読み取る。そして、JIS K 7110(1999)及び同7111−1(2012)に記載の位置エネルギーによる簡易補正方法による補正式(fi)に基づいて破壊エネルギー(D)を算出した。ここで、クロスヘッドの塑性変形及び運動エネルギー補正はJIS K 7160(1996)の附属書Cに記載の補正式により算出した。
WR:ストライカの回転軸周りモーメント(N・m)
α:ストライカの持ち上げ角度(°)
α´:試験片を装着しなかったときのストライカの振り上げ角度(°)
β:試験片を破断したときのストライカの振り上げ角度(°)
Figure 2018079583
請求項1の発明に係るポリプロピレン系延伸シーラントフィルムによると、基材層と、前記基材層の一側にヒートシール可能なシーラント層を備え、一軸方向の延伸倍率が3〜10倍であるポリプロピレン系延伸シーラントフィルムであって、前記基材層は、ポリプロピレン系樹脂を50〜85重量%と、熱可塑性エラストマーを15〜50重量%含有してなり、前記ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体、またはプロピレン−エチレンブロック共重合体のいずれかを含有し、前記熱可塑性エラストマーは、下記の(b1)ないし(b3)の関係を充足するエラストマー樹脂を含有し、(b1):前記エラストマー樹脂の密度が0.860〜0.895g/cm3であり、(b2):前記エラストマー樹脂のメルトフローレート(190℃、2.16kg荷重)が0.5〜10g/10minであり、(b3):前記エラストマー樹脂が、エチレン、プロピレン、または1−ブテンのいずれかと、炭素数2〜8(同種のモノマーを除く)のα−オレフィンとのランダム共重合体であるオレフィン系エラストマー樹脂、もしくは、スチレン含有量が30重量%以下であるスチレン系エラストマー樹脂のいずれかであり、前記シーラント層は、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体、またはプロピレン−エチレンブロック共重合体のいずれかを含有してなるため、自動包装適性、易引き裂き性、及び強度に優れたポリプロピレン系延伸シーラントフィルムを得ることができる。
請求項2の発明に係るフィルム積層体によると、請求項1に記載の前記ポリプロピレン系延伸シーラントフィルムの前記基材層に被積層フィルム部が備えられたため、易引き裂き性と耐破袋性を兼ね備えた各種の資材として有効に活用できる。
請求項3の発明に係るフィルム積層体によると、請求項2の発明において、前記被積層フィルム部に金属層部が備えられるため、出来上がるフィルムのバリア性、遮光性が高まる。
請求項4の発明に係るフィルム積層体によると、請求項2または3の発明において、前記フィルム積層体における前記ポリプロピレン系延伸シーラントフィルムの破壊エネルギーが、0.1J/1.5cm2以上であるため、耐久性と耐破袋性が好転し、資材の用途が広がる。
本発明のポリプロピレン系延伸シーラントフィルムの概略断面模式図である。 第1実施形態のフィルム積層体の概略断面模式図である。 第2実施形態のフィルム積層体の概略断面模式図である。 フィルム積層体の試験片の測定時の様子を示す第1概要図である。 フィルム積層体の試験片の測定時の様子を示す第2概要図である。 負荷が加わった試験片の拡大断面模式図である。
図1はポリプロピレン系延伸シーラントフィルム1の概略断面図を示す。同シーラントフィルム1の主体となる基材層10と、基材層10の一側(第1面11)にヒートシール可能なシーラント層20が備えられる。ポリプロピレン系延伸シーラントフィルム1は、実質的に一軸方向に3ないし10倍の延伸により製膜される。符号12は、基材層10の第2面である。
ポリプロピレン系延伸シーラントフィルム1の製膜に際しては、各層に該当する原料樹脂が溶融され、Tダイ等から所定の厚さ割合とするべく吐出される。その後、一軸方向に延伸される。基材層10とシーラント層20の厚さ割合は厳密ではなく、概ね1:15ないし15:1の適宜の範囲である。
一般に樹脂フィルムの延伸方向は、巻き取り方向(MD)の延伸と、横幅方向(TD)の延伸の2通りである。いずれか一方向への延伸を伴う製膜は一軸延伸であり、両方向への延伸を伴う製膜は二軸延伸である。延伸方法は、公知のロール間延伸またはテンターにて行われる延伸等が挙げられる。本発明のポリプロピレン系延伸シーラントフィルム1では、ロール間延伸による巻き取り方向(MD)への延伸が好ましい。以降、本明細書及び実施例における一軸延伸の方向(フィルムの延伸方向)とは、巻き取り方向(MD)への延伸であるとして説明する。
基材層10は、ポリプロピレン系樹脂(A)を50ないし85重量%と、熱可塑性エラストマー(B)を15ないし50重量%とを含有する組成である。従って、基材層の樹脂組成に熱可塑性エラストマーに起因する柔軟性等が付加され耐破袋性が増す。
ここで、ポリプロピレン系樹脂(A)が50重量%を下回る場合(熱可塑性エラストマー(B)が50重量%を上回る場合)、低融点側の成分が増加する。それゆえ、外観不良やブロッキングが生じやすくなる。また、融点の低下から成形性も低下しやすくなる。加えて、ポリプロピレン系樹脂(A)が85重量%を上回る場合(熱可塑性エラストマー(B)が15重量%を下回る場合)、熱可塑性エラストマー(B)の添加量が少ないため、柔軟性が不足して所望の耐破袋性を発揮することが困難となる。
ポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体、またはプロピレン−エチレンブロック共重合体のいずれかを含有する。むろん、選択される樹脂は1種類または複数種類の混合としてもよい。
熱可塑性エラストマー(B)は、次の(b1)ないし(b3)の関係を充足するエラストマー樹脂(E)を含有する。1つ目の(b1)では、エラストマー樹脂(E)の密度は0.860ないし0.895g/cm3である。エラストマー樹脂(E)の密度が当該範囲を下回る場合、融点の低下からブロッキングが生じやすい。逆に、当該範囲を上回る密度のエラストマー樹脂(E)では耐破袋性が十分ではない。
2つ目の(b2)では、エラストマー樹脂(E)のメルトフローレート(MFR)(190℃、2.16kg荷重)は0.5ないし10g/10minの範囲である。当該範囲は製膜の都合から必要とされる範囲である。メルトフローレートが低下すると、外観不良や成形性の悪化につながる。また、高くなりすぎると、ブロッキングや成形性の悪化につながる。そこで、前記の範囲が好ましく、さらには、2ないし5g/10minの範囲がより好ましい。
3つ目の(b3)として、エラストマー樹脂(E)は、オレフィン系エラストマー樹脂(E1)またはスチレン系エラストマー樹脂(E2)のいずれかである。両方のエラストマー樹脂(E1とE2)にも対応可能である。
オレフィン系エラストマー樹脂(E1)は、エチレン、プロピレン、または1−ブテンのいずれかと、炭素数2ないし8(同種のモノマーを除く)のα−オレフィンとのランダム共重合体である。オレフィン系エラストマー樹脂(E1)のα−オレフィンにおけるコモノマーの数は、導入可能なアルケンに依存する。例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等が導入され、複数の種類でも構わない。ここで、コモノマーの炭素数が2未満(つまり1)となるコモノマーを備えた樹脂は存在しない。また、コモノマーの炭素数が9以上のコモノマーを備えた樹脂の入手はほぼ困難である。そのため、現実的に入手可能であり適切な性能を勘案すると、コモノマーの炭素数の適当な範囲は2ないし8である。
スチレン系エラストマー樹脂(E2)については、スチレン含有量は30重量%以下である。スチレン含有量が過大では相溶性が低下しやすく、外観不良になりやすい。そこで、現実的に入手可能であり性能を勘案すると、スチレン含有量は30重量%以下であることが好ましい。
シーラント層20は、当該ポリプロピレン系延伸シーラントフィルム1におけるヒートシール融着等を担う部位である。そこで、シーラント層20の構成樹脂には、一般に使用されるオレフィン系樹脂が用いられる。具体的には、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体、またはプロピレン−エチレンブロック共重合体等である。これらの樹脂は、単独または2種類以上の混合としてもよい。従って、基材層10の構成樹脂であるポリプロピレン系樹脂(A)との相溶性は高く、基材層10とシーラント層20との層間強度も担保される。
ポリプロピレン系延伸シーラントフィルム1の基材層10及びシーラント層20には、前述の樹脂に加えて必要により、適宜の添加剤が添加される。例えば、ラウリルジエタノールアミン、ミリスチルジエタノールアミン、オレイルジエタノールアミン等の脂肪族アミン化合物、ラウリルジエタノールアミド、ミリスチルジエタノールアミド、オレイルジエタノールアミド等の脂肪族アミド化合物、多価アルコール等をはじめ各種の帯電防止剤が適度に添加されている。さらに、アンチブロッキング剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤が含有されてもよい。
ポリプロピレン系延伸シーラントフィルム1は、図2の概略断面模式図のとおり、被積層フィルム部30と積層(ラミネート)され、フィルム積層体50が形成される。被積層フィルム部30はポリプロピレン系延伸シーラントフィルム1の基材層10の第2面12側に積層される。積層の方法は限定されず、ドライラミネート、押出しラミネート、またはホットメルトラミネート等の公知の方法が目的に応じて採用される。被積層フィルム部30には、一般的な樹脂種のフィルムが使用される。例えば、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムまたはポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム(ナイロンフィルム)等が挙げられる。
被積層フィルム部30の樹脂には、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、中和剤、着色剤等の添加剤が必要に応じて添加される。
図2(a)は単層の被積層フィルム部30を積層したフィルム積層体50である。加えて、図2(b)は多層(図示では2層)の被積層フィルム部30を積層したフィルム積層体50である。図中の符号31は第1被積層フィルム、32は第2被積層フィルムである。このように、被積層フィルム部の層数や材質の選択には、最終的に出来上がるフィルムの用途、機能、耐久性等を勘案して最適な構造が選択され、易引き裂き性と耐破袋性を兼ね備えた各種の資材として有効に活用される。
さらに、図3の概略断面模式図に開示のフィルム積層体50Aのとおり、被積層フィルム部30には金属層部40が備えられる。被積層フィルム部30の層数や材質は適宜であり、被積層フィルム部30における金属層部40の配置位置も自由である。図示では、被積層フィルム部30の最下部に金属層部40が配置され、ポリプロピレン系延伸シーラントフィルム1の基材層10の第2面12側と金属層部40が積層される。金属層部40はアルミニウム等の金属箔から形成される他、アルミニウム等の金属の蒸着によっても形成可能である。金属層部が備えられることにより、最終的に出来上がるフィルムのバリア性、遮光性が高まる。例えば、長期保存用のレトルト食品の包装用途に適する。
ポリプロピレン系延伸シーラントフィルム1またはフィルム積層体50(50A)は、適宜の形状、大きさに裁断後、シーラント層20同士のヒートシールにより袋状に加工される用途が最も多い。そうすると、出来上がる袋状物において、脆弱となりやすい箇所はヒートシールされた部位とされていない部位の境界といえる。そこで、袋状に加工されたときの熱融着部位の丈夫さ、すなわち耐破袋性の評価が必要となる。
特に、フィルム積層体50(50A)の場合、破袋はシーラントフィルム同士のヒートシールによる融着部位付近で多く発生する。つまり、ヒートシールの融着部位付近には各種の応力が瞬間的に集中する。従って、耐破袋性を向上させるためには、基材層10を柔軟化し、応力を吸収させることが重要である。このような応力が瞬間的に集中する耐破袋性の評価として破壊エネルギーの測定が効果的である。
そこで、フィルム積層体50(50A)におけるポリプロピレン系延伸シーラントフィルム1の破壊エネルギーは次の測定(I)のとおり計測される。そして、当該測定に基づく破壊エネルギーは、後述の実施例に開示のとおり、0.1J/1.5cm2以上である。この数値を超えると耐久性や耐破袋性が好転し、易引き裂き性、耐破袋性を兼ね備えた資材としての用途が広がると考えられる。破壊エネルギーの数値については高いほど好ましい。ただし、概ね現状の樹脂組成等から勘案すると、1.0J/1.5cm2が上限と考えられる。
測定(I)として、フィルム積層体50(50A)のシーラント層20側同士は巻き取り方向(いわゆるMD)にヒートシール部位を剥離できるようにヒートシールされて中央にヒートシール部位HSを配し、その両端に非ヒートシール部位を備えた側面視逆Y字状の試験片55が形成される(図4,5の概要図参照)。図中、符号58,58はヒートシールのための熱板(15mm幅)である。試験片55のヒートシール部位HSを中央に残しつつ、JIS K 7160(1996)の規格に記載の3形に準じて当該試験片55は切り取られる。試験片のヒートシール部位HSの面積は1.5cm2である。
同規格に記載のつかみ具により試験片55の一端側(ヒートシールされていない側の一端)は治具60に固定され、同試験片55の他端側は15gのクロスヘッド61により固定され、クロスヘッド支持台62に載置される。クロスヘッド61を弾き飛ばすストライカ65(ハンマー)は位置エナルギーが2Jとなる150°まで持ち上げられ、同位置から円弧運動によりストライカ65は振り下ろされる。ストライカの振り下ろしの様子についてはJIS K 7160(1996)が参照される。
ストライカ65は試験片55の一端側を固定したクロスヘッド61に衝突するとともに、試験片55のヒートシール部位HSは衝撃により破壊され当該クロスヘッド61ごと弾き飛ばされる。そして、クロスヘッド61を弾き飛ばして振り上がった時点のストライカ65の角度が読み取られる。この結果はJIS K 7110(1999)及び同7111−1(2012)に記載の位置エネルギーによる簡易補正方法による補正式(fi)に代入され破壊エネルギー(D)は算出される(J/1.5cm2)。なお、クロスヘッドの塑性変形及び運動エネルギー補正はJIS K 7160(1996)の附属書Cに記載の補正式により算出した。
Figure 2018079583
ここで、式(fi)の記号は以下のとおりである。
WR:ストライカの回転軸周りモーメント(N・m)
α:ストライカの持ち上げ角度(°)
α´:試験片を装着しなかったときのストライカの振り上げ角度(°)
β:試験片を破断したときのストライカの振り上げ角度(°)
図6は負荷が加わった試験片55のヒートシール部位HS付近を示す拡大模式図(予想図)である。試験片55に見られるフィルム積層体50において、衝撃時に発生する応力は、ヒートシールされたシーラント層20のシールされている部位とされていない部位の境界に集中すると想定される。図中のSは瞬間的に集中した応力による破断箇所である。従って、試験片55に衝撃が加わると、ポリプロピレン系延伸シーラントフィルム1の基材層10自体に十分な柔軟性、変形への追従性等がなければ、ヒートシールされた部位の付近は瞬間的に集中した応力による変形に追従できずに降伏(破壊)することになり、当該部位に破断箇所Sが生じてしまう。結果として、製袋品の耐破袋性は下がることになる。
そこで、ポリプロピレン系延伸シーラントフィルム1の基材層10を形成する樹脂組成には、ポリプロピレン系樹脂(A)のみでは不足しがちな柔軟性を高める目的から熱可塑性エラストマー(B)も配合される。両樹脂の配合量の均衡によりポリプロピレン系延伸シーラントフィルム1の基材層10の強度及び変形耐性は高められると考えられる。
後記の実施例の結果のとおり、破壊エネルギーが0.1J/1.5cm2を下回る場合、既存のシーラントフィルム等との差異が少なく本発明の所望の目的を達し得ない。破壊エネルギーが大きいほど耐破袋性は高く望ましい。しかしながら、現実的には概ね1.0J/1.5cm2が上限と考えられる。なお、破壊エネルギーの多少と基材層10の層厚さとは必ずしも相関せず、むしろ、基材層10を構成する樹脂種の影響が大きいと考えられる。
[ポリプロピレン系延伸シーラントフィルムの作製]
実施例1ないし11及び比較例1ないし5のポリプロピレン系延伸シーラントフィルムについて、後出の表1ないし表4に示した各層の樹脂組成とその割合に基づき、原料となる樹脂を溶融、混練して共押出しTダイフィルム成形機を用いてシートを作製し、ロール間延伸機により巻き取り方向(MD)に一軸延伸して製膜した。実施例及び比較例の延伸倍率はいずれも5倍とした。また、当該ポリプロピレン系延伸シーラントフィルムにおける基材層とシーラント層の層厚さは表中の比率とした。さらに、作製した各実施例及び比較例のシーラントフィルムに対して後出の被積層フィルム部をドライラミネートにより積層してフィルム積層体とした。
[使用原料]
〈ポリプロピレン系樹脂(A)〉
基材層を形成するポリプロピレン系樹脂(A)として、次の原料を使用した。なお、MFRをメルトフローレートとして表記する(以下同様)。
(原料01) プロピレン単独重合体:日本ポリプロ株式会社製,商品名「ノバテックFY6」,MFR(230℃,2.16kg荷重)2.5g/10min,密度0.90g/cm3
(原料02) プロピレン−エチレンランダム共重合体:日本ポリプロ株式会社製,商品名「ウィンテックWFW4」,MFR(230℃,2.16kg荷重)7.0g/10min,密度0.90g/cm3
(原料03) プロピレン−エチレンブロック共重合体:日本ポリプロ株式会社製,商品名「ノバテックBC6CB」,MFR(230℃,2.16kg荷重)2.5g/10min,密度0.90g/cm3
〈熱可塑性エラストマー(B)〉
同基材層を形成する熱可塑性エラストマー(B)として、次の原料を使用した。原料04ないし09はオレフィン系エラストマー樹脂(E1)であり、原料10はスチレン系エラストマー樹脂(E2)である。
(原料04) 三井化学株式会社製,製品名「タフマーP−0280」,MFR(190℃,2.16kg荷重)2.9g/10min,密度0.870g/cm3
(原料05) 三井化学株式会社製,製品名「タフマーA−4085S」,MFR(190℃,2.16kg荷重)3.6g/10min,密度0.885g/cm3
(原料06) 日本ポリエチレン株式会社製,製品名「カーネルKS340T」,MFR(190℃,2.16kg荷重)3.5g/10min,密度0.880g/cm3
(原料07) ダウ ケミカル社製,製品名「AFFINITY KC8852G」,MFR(190℃,2.16kg荷重)3.0g/10min,密度0.875g/cm3
(原料08) ダウ ケミカル社製,製品名「VERSIFY 3200」,MFR(190℃,2.16kg荷重)3.9/10min,密度0.876/cm3
(原料09) 三井化学株式会社製,製品名「タフマーBL2481」,MFR(190℃,2.16kg荷重)4.0g/10min,密度0.900g/cm3
(原料10) クレイトンポリマージャパン株式会社製,製品名「クレイトンG1657MS」,MFR(190℃,2.16kg荷重)2.0g/10min,密度0.890g/cm3,スチレン含有量13重量%
シーラント層を形成するポリプロピレン系樹脂(A)は、基材層を形成するポリプロピレン系樹脂(A)と同様の原料01,02,03の樹脂を使用した。
その他の配合成分として以下の原料も使用した。
アンチブロッキング剤として、粉末合成シリカ(富士シリシア化学株式会社製,商品名「サイリシア430」)を使用した。なお、アンチブロッキング剤については、微量であるため表中に記していない。
〈被積層フィルム部〉
各実施例及び比較例のシーラントフィルムに積層する被積層フィルム部については、次の4種類(FL1ないしFL4)を使用した。
(フィルムFL1) 二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと二軸延伸ポリアミドフィルムの2層よりなるフィルムとした。
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは、フタムラ化学株式会社製,製品名「FE2001」,厚さ12μmである。
二軸延伸ポリアミドフィルム(ナイロンフィルム)は、ユニチカ株式会社製,製品名「エンブレムNX」,厚さ15μmである。
(フィルムFL2) 二軸延伸ポリアミドフィルム(ユニチカ株式会社製,製品名「エンブレムON」,厚さ15μm)の1層のフィルムとした。
(フィルムFL3) 二軸延伸ポリアミドフィルム(ユニチカ株式会社製,製品名「エンブレムONM」,厚さ15μm)の1層のフィルムとした。
(フィルムFL4) 二軸延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学株式会社製,商品名「FOR」,厚さ20μm)の1層のフィルムとした。
〈接着剤〉
フィルム同士を積層する接着剤(ドライラミネート接着剤)は、主剤(東洋モートン株式会社製,TM−329)を17.2重量%、硬化剤(同社製,CAT−8B)を17.2重量%、及び酢酸エチル65.6重量%を混合して調製した。
[フィルム積層体の作製]
〈FL1を使用した被積層フィルム部〉
実施例1ないし11及び比較例1ないし5のポリプロピレン系延伸シーラントフィルムとFL1を使用した被積層フィルム部の作製に際し、まず、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと二軸延伸ポリアミドフィルムを前出の接着剤により貼り合わせて2層の積層体を形成した。このときの前記調製の接着剤(固形分)の塗布量は4g/m2とした。続いて、当該積層体の二軸延伸ポリアミドフィルムの表面に同接着剤(固形分)を4g/m2として塗布し、80℃、30秒間乾燥の後、各実施例及び比較例のシーラントフィルムを貼着した。
〈FL2,3,4を使用した被積層フィルム部〉
FL2,3,4の各被積層フィルム部の表面に前記調製の接着剤(固形分)を4g/m2として塗布し、80℃、30秒間乾燥の後、各実施例及び比較例のシーラントフィルムを貼着した。
[物性測定]
〈厚さと各層の厚さ比率〉
各実施例及び比較例のポリプロピレン系延伸シーラントフィルムの厚さは、JIS K 7130(1999)に準拠してそれぞれ測定した。また、ポリプロピレン系延伸シーラントフィルムにおける基材層とシーラント層の層厚さはTダイからの吐出量により調整し、延伸後のシーラントフィルムを測定して得た厚さを設定割合により按分し比率(層比)を求めた。
〈ヘーズ〉
各実施例及び比較例のポリプロピレン系延伸シーラントフィルムのヘーズは、JIS K 7136(2000)に準拠し、日本電色工業株式会社製,NDH−5000を使用して測定した。なお、ヘーズは外観の良否の指標として採用した。
〈ラミネート強度〉
ラミネート強度は、JIS K 6854−3(1999)に準拠しつつ、次のとおりとした。前述の貼着により作製したフィルム積層体(各実施例及び比較例のシーラントフィルムを含む)から、15mm×200mmの短冊状に切り出し試験片とした。この試験片のうち、予め長手方向の50mm分の積層(ラミネート)を剥がして側面視T字状に開いた。部分剥離した試験片のシーラントフィルム側と、被積層フィルム部側を180°の対向位置に開き、引張試験機(株式会社島津製作所製,EZ−SX)のチャックにそれぞれを固定した。試験速度200mm/minで上下方向に引張して残存の積層部分(ラミネート接着部分)を剥離した。100mm剥離し、その間の最大剥離荷重を当該試験片のラミネート強度(N/15mm)とした。
〈シール強度〉
前述の貼着により作製したフィルム積層体(各実施例及び比較例のシーラントフィルムを含む)において、それぞれのポリプロピレン系延伸シーラントフィルムのシーラント層同士を重ね、加熱温度コントロール電動シーラー(富士インパルス株式会社製,OPL−350−MD NP)を用い、各表中のシール温度、加熱時間は1.0secの条件により巻き取り方向(MD)にヒートシール部位を剥離できるようにヒートシールし、15mm幅で切り出し試験片とした。この試験片において、ヒートシールされていない端部側を180°の対向位置に開き、JIS Z 0238(1998)の「袋のヒートシール強さ試験」に準拠し、ヒートシール強さ(N/15mm)を測定した。
〈引裂強度〉
引裂強度は、JIS K 7128−1(1998)に準拠しつつ、次のとおりとした。前述の貼着により作製したフィルム積層体(各実施例及び比較例のシーラントフィルムを含む)について、それぞれの巻き取り方向(MD)を長辺、横幅方向(TD)を短辺とする150×50mmの長方形の試験片に切り出した。短辺の中点から長手方向に沿って75mmの切れ込みを入れた。両切れ込みの端部を上下180°の対向位置に開き、引張試験機(株式会社島津製作所製,オートグラフAG−1)のチャックにそれぞれ端部を固定した。これを上下に引張して試験片を引き裂き、引き裂き量が20mmを越えた位置の数値を当該試験片の引裂強度(N)とした。
〈破壊エネルギー〉
測定(I)並びに図4及び5にて述べたとおり、前述の貼着により作製したフィルム積層体(各実施例及び比較例のシーラントフィルムを含む)のシーラント層側同士を巻き取り方向(MD)にヒートシール部位を剥離できるようにヒートシールして中央にヒートシール部位を配し、その両端に非ヒートシール部位を備えた側面視逆Y字状の試験片を作成した。ヒートシール条件は前掲の「シール強度」の測定の条件に準じた。当該ヒートシールに際して使用した熱板は15mm幅とした。試験片のヒートシール部位を中央に残しつつ、JIS K 7160(1996)の規格に記載の3形に準じて試験片を切り取った。当該試験片のヒートシール部位の面積は1.5cm2である。
試験片の一端側(ヒートシールされていない側の一端)を同規格に準拠した試験機(株式会社安田精機製作所製,No.285−L低温槽付引張衝撃試験機)の治具に固定し、同試験片の他端側を15gのクロスヘッドに固定した。クロスヘッドをクロスヘッド支持台に載置した。クロスヘッドを弾き飛ばすストライカを位置エネルギーが2Jとなる150°まで持ち上げ、ストッパーを外して同位置から円弧運動によりストライカを振り下ろした。
ストライカを試験片の一端側を固定したクロスヘッドに衝突させて、当該クロスヘッドごと弾き飛ばして振り上がった時点のストライカの角度を読み取った。自明ながらストライカとクロスヘッドへの衝突時の衝撃から、試験片のヒートシール部位は破壊される。そして、JIS K 7110(1999)及び同7111−1(2012)に記載の位置エネルギーによる簡易補正方法による補正式(fi)に代入して、各実施例及び比較例のシーラントフィルムを用いたフィルム積層体における破壊エネルギー(D)を算出した。ここで、クロスヘッドの塑性変形及び運動エネルギー補正はJIS K 7160(1996)の附属書Cに記載の補正式により算出した。なお、式(fi)中の記号は前記同様、以下のとおりである。
WR:ストライカの回転軸周りモーメント(N・m)
α:ストライカの持ち上げ角度(°)
α´:試験片を装着しなかったときのストライカの振り上げ角度(°)
β:試験片を破断したときのストライカの振り上げ角度(°)
Figure 2018079583
表1ないし4に開示の実施例1ないし11及び比較例1ないし5のポリプロピレン系延伸シーラントフィルムに対し、何れも被積層フィルム部にフィルムFL1を使用した。表中、上から順に、基材層(10)の原料樹脂種類とその配合割合(重量%)、シーラント層(20)の原料樹脂種類とその配合割合(重量%)、実施例及び比較例のポリプロピレン系延伸シーラントフィルムの厚さ(μm)及びヘーズ(%)、基材層とシーラント層の厚さの層比、フィルム積層体に加工した際のラミネート強度(N/15mm)、引裂強度(N)、シール温度(℃)、シール強度(N/15mm)、破壊エネルギー(J/1.5cm2)を示す。なお、表中のwt%は重量%を示す。
併せて、表1ないし4の実施例及び比較例について、各指標の結果と、製造上の支障、実需要上の観点を総合的に加味して次の3段階の総合評価を下した。良品は評価「A」と「B」であり、不可品は評価「F」である。
・評価「A」:「全ての指標において特に優れている。」
・評価「B」:「概ね優れている。」
・評価「F」:「製品としてふさわしくない。」
表5,6,及び7は、総合評価が「A」の実施例2,8と、同評価「F」の比較例1のポリプロピレン系延伸シーラントフィルムに対し、被積層フィルム部にフィルムFL2,FL3,及びFL4を使用してフィルム積層体に加工した際の物性を表1等と同様に示す。
Figure 2018079583
Figure 2018079583
Figure 2018079583
Figure 2018079583
Figure 2018079583
Figure 2018079583
Figure 2018079583
[結果・考察]
実施例1ないし11は何れも「A」と「B」の良好な評価であった。AとBの評価の差は破壊エネルギーの高低、外観の程度を加味した結果である。ポリプロピレン系延伸シーラントフィルム内の各層の層比の結果より、基材層とシーラント層の間の層比の自由度は高い。実施例9を除きヘーズの値も安定して低く外観上も透明性が保たれている。なお、実施例9は、ポリプロピレン系樹脂(A)にプロピレン−エチレンブロック共重合体を使用しているため、一様なマット調(つや消し調)を呈してヘーズ値は高くなるものの外観上の問題点はない。さらに、高いシール強度から、アルミニウム箔等を含むレトルト用途に適する。
〈基材層の樹脂組成割合〉
基材層の樹脂組成割合に着目すると、比較例1,4,5の熱可塑性エラストマー(B)を含有しない組成では、破壊エネルギーは低い数値に留まった。そこで、実施例4と比較例2との比較から破壊エネルギーの数値の改善のためには熱可塑性エラストマー(B)は15重量%以上の配合が必要と判明した。次に、比較例3の熱可塑性エラストマー(B)が半分を超過した例によると、破壊エネルギーの数値の向上に貢献するものの、エラストマー成分の増大に伴い延伸工程においてフィルムの外観が悪化したため実用上不適当である。従って、実施例8の配合量との間が境界と判断した。以上より、基材層におけるポリプロピレン系樹脂(A)と熱可塑性エラストマー(B)の好ましい配合量割合は50ないし85重量%と15ないし50重量%とする範囲であり、より好ましくは60ないし80重量%と40ないし20重量%の範囲である。
さらに、シーラントフィルム内の熱可塑性エラストマー(B)が同量である実施例7と比較例4との比較から、基材層に熱可塑性エラストマー(B)を含有することにより破壊エネルギーの数値は向上した。このことから、熱可塑性エラストマー(B)の添加は、基材層であるべきことを示した。
基材層に含有されるポリプロピレン系樹脂(A)については、実施例からわかるように各種形態のポリプロピレン系樹脂を使用しても良好な結果を得ることができた。また、シーラント層のポリプロピレン系樹脂も選択自由である。従って、本発明のポリプロピレン系延伸シーラントフィルムの作製に際し、両層のポリプロピレン系樹脂の選択の自由度は高い。そのため、用途、目的を勘案して最適な樹脂を選ぶことができる。
基材層に含有される熱可塑性エラストマー(B)に着目すると、原料04ないし10のエラストマー樹脂の密度は0.869ないし0.890g/cm3の範囲であり、いずれの実施例も良好な結果を示した。そこで、好ましいエラストマー樹脂の密度は0.860ないし0.895g/cm3の範囲をすることができる。
次に、原料04ないし10のエラストマー樹脂のメルトフローレート(190℃、2.16kg荷重)についても2.0ないし4.0g/10minの範囲であり、いずれの実施例も良好な結果を示した。そこで、妥当な範囲を勘案して0.5ないし10g/10minとした。
また、熱可塑性エラストマー(B)自体は、オレフィン系(原料04ないし09)もスチレン系(原料10)も両方とも良好であったことから、いずれの使用も可能である。
実施例のポリプロピレン系延伸シーラントフィルムは、被積層フィルム部をフィルムFL1,FL2,FL3,FL4と変更しても安定して良好な破壊エネルギーを示すフィルム積層体に仕上がった。従って、対応可能な被積層フィルム部の種類は広く、用途に応じて使い分けることもでき、易引き裂き性、耐破袋性を兼ね備えた資材としての利便性は極めて高い。
本発明のポリプロピレン系延伸シーラントフィルム及びフィルム積層体は、その構成中の基材層部分の樹脂組成の改善により自動包装適性、易引き裂き性、及び強度に優れたポリプロピレン系延伸シーラントフィルム及びこれを用いたフィルム積層体となるため、包装資材等の用途により好適となる。
1 ポリプロピレン系延伸シーラントフィルム
10 基材層
11 基材層の第1面
12 基材層の第2面
20 シーラント層
30 被積層フィルム
40 金属層部
50,50A フィルム積層体
55 試験片
HS ヒートシール部位

Claims (4)

  1. 基材層(10)と、前記基材層(10)の一側にヒートシール可能なシーラント層(20)を備え、一軸方向の延伸倍率が3〜10倍であるポリプロピレン系延伸シーラントフィルム(1)であって、
    前記基材層(10)は、ポリプロピレン系樹脂(A)を50〜85重量%と、熱可塑性エラストマー(B)を15〜50重量%含有してなり、
    前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体、またはプロピレン−エチレンブロック共重合体のいずれかを含有し、
    前記熱可塑性エラストマー(B)は、下記の(b1)ないし(b3)の関係を充足するエラストマー樹脂(E)を含有し、
    (b1):前記エラストマー樹脂(E)の密度が0.860〜0.895g/cm3であり、
    (b2):前記エラストマー樹脂(E)のメルトフローレート(190℃、2.16kg荷重)が0.5〜10g/10minであり、
    (b3):前記エラストマー樹脂(E)が、エチレン、プロピレン、または1−ブテンのいずれかと、炭素数2〜8(同種のモノマーを除く)のα−オレフィンとのランダム共重合体であるオレフィン系エラストマー樹脂(E1)、もしくは、スチレン含有量が30重量%以下であるスチレン系エラストマー樹脂(E2)のいずれかであり、
    前記シーラント層(20)は、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体、またはプロピレン−エチレンブロック共重合体のいずれかを含有してなる
    ことを特徴とするポリプロピレン系延伸シーラントフィルム。
  2. 請求項1に記載の前記ポリプロピレン系延伸シーラントフィルム(1)の前記基材層(10)に被積層フィルム部(30)が備えられたことを特徴とするフィルム積層体(50)。
  3. 前記被積層フィルム部(30)に金属層部(40)が備えられる請求項2に記載のフィルム積層体。
  4. 前記フィルム積層体(50)における前記ポリプロピレン系延伸シーラントフィルム(1)の破壊エネルギーが、下記の測定(I)において0.1J/1.5cm2以上である請求項2または3に記載のフィルム積層体。
    測定(I):前記フィルム積層体(50)のシーラント層(20)側同士を巻き取り方向にヒートシール部位を剥離できるようにヒートシールして中央にヒートシール部位を配し、その両端に非ヒートシール部位を備えて側面視逆Y字状とするとともに、前記ヒートシール部位を中央に残しつつJIS K 7160(1996)の規格に記載の3形に準じて試験片に切り取り、同規格に記載のつかみ具により試験片の一端側を固定し、他端側を15gのクロスヘッドにより固定してクロスヘッド支持台に載置する。ストライカを位置エネルギーが2Jとなる150°まで持ち上げてから前記ストライカを振り下ろし、前記ストライカが前記試験片の一端側を固定した前記クロスヘッドに衝突して前記試験片を破断させて当該クロスヘッドを弾き飛ばして振り上げた時点の前記ストライカの角度を読み取る。そして、JIS K 7110(1999)及び同7111−1(2012)に記載の位置エネルギーによる簡易補正方法による補正式(fi)に基づいて破壊エネルギー(D)を算出した。ここで、クロスヘッドの塑性変形及び運動エネルギー補正はJIS K 7160(1996)の附属書Cに記載の補正式により算出した。
    WR:ストライカの回転軸周りモーメント(N・m)
    α:ストライカの持ち上げ角度(°)
    α´:試験片を装着しなかったときのストライカの振り上げ角度(°)
    β:試験片を破断したときのストライカの振り上げ角度(°)
    Figure 2018079583
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