はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、本実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置(ハンドル装置41)を遊技機本体(遊技機主部13)の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(基部151)と、
前記ハンドル装置の前面側を構成する前面カバー(前面カバー152)と、
前記基部と前記前面カバーとの間に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作される操作部(操作部153)と、
を備え、前記基部と前記前面カバーとは第1固定構造により固定されており、
前記前面カバーは、
不透明性材料により形成された内側カバー部材(内側カバー部材181)と、
当該内側カバー部材の表面を外側から覆うようにして設けられ、前記内側カバー部材が視認可能なように透明性材料又は半透明性材料により形成された外側カバー部材(外側カバー部材191)と、
を備え、前記内側カバー部材と前記外側カバー部材とは第2固定構造により固定されており、
前記第2固定構造は、
前記外側カバー部材において前記操作部により外側から覆われる部位に形成された付勢受け部(開口部212)と、
前記内側カバー部材の裏面に固定され、一部が前記付勢受け部にて受けられる固定部材(弾性固定部材201)と、
を備えており、前記固定部材は前記内側カバー部材に固定された状態で弾性変形し、この弾性変形によって生じる付勢力が前記付勢受け部により受けられていることで、前記外側カバー部材と前記内側カバー部材とが相互に近付くように付勢されており、
前記第1固定構造は、
前記内側カバー部材の裏面側に形成された固定受け部(カバー側ボス186)と、
前記基部側から前記固定受け部に受けられ、当該固定受け部に受けられることで前記基部に前記内側カバー部材を固定する固定具(ネジ216)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、ハンドル装置の前面カバーが内側カバー部材と外側カバー部材とを備えており、内側カバー部材は不透明性材料により形成されているとともに外側カバー部材は内側カバー部材が視認可能なように透明性材料又は半透明性材料により形成されている。これにより、前面カバーのデザインが良好なものとなっている。
この場合に、内側カバー部材と外側カバー部材とは、内側カバー部材の裏面に固定された固定部材が弾性変形し、その弾性変形によって生じる付勢力が付勢受け部により受けられていることで相互に固定されている。そして、付勢受け部は、外側カバー部材において操作部により外側から覆われた部位に形成されている。つまり、ハンドル装置の外観上、視認困難な領域に内側カバー部材と外側カバー部材との固定に関する構成を集約することが可能である。
また、内側カバー部材の裏面側に形成された固定受け部に基部側から固定具が受けられており、当該固定具が固定受け部に受けられていることで基部に内側カバー部材が固定されている。つまり、ハンドル装置の外観上、視認困難な領域に前面カバーと基部との固定に関する構成を集約することが可能である。
以上より、前面カバーを内側カバー部材と外側カバー部材との内外複数層構造とした構成において、内側カバー部材と外側カバー部材との固定に関する構成及び前面カバーと基部との固定に関する構成を、ハンドル装置の外観上、視認不可なものとすることが可能となる。よって、ハンドル装置のデザイン性を良好に高めることができる。
また、上記構成において、付勢受け部にて固定部材の付勢力を受けていることにより、外側カバー部材と内側カバー部材とが相互に近付くように付勢されている。これにより、内側カバー部材と外側カバー部材との固定の緩みを解消することが可能となる。固定の緩みが十分に解消されていないと、外側カバー部材と操作部との間を容易に広げることが可能となってしまい、コイン等により操作部を無理に仮固定する行為が懸念される。これに対して、上記のとおり内側カバー部材と外側カバー部材との固定の緩みを解消することが可能となるため、上記仮固定の行為を抑制することが可能となる。
手段2.手段1において、前記第2固定構造は、前記内側カバー部材と前記外側カバー部材との固定を、前記前面カバーの周縁における少なくとも上部において行うものであることを特徴とする遊技機。
コイン等により操作部を無理に仮固定しようとする場合、前面カバーの周縁における上部に対しては他の部位に比して大きな力を加えることができるものと考えられ、当該上部は上記仮固定が行われ易い箇所であると考えられる。この場合に、手段2によれば、第2固定構造による内側カバー部材と外側カバー部材との固定が前面カバーの周縁における少なくとも上部において行われているため、内側カバー部材と外側カバー部材との固定の緩みが前面カバーの周縁における上部において直接解消されている。これにより、上記仮固定の行為を直接的に抑制することが可能となる。
手段3.手段1又は2において、前記第2固定構造は、前記内側カバー部材と前記外側カバー部材との固定を、前記前面カバーの周縁における複数箇所において行うものであることを特徴とする遊技機。
手段3によれば、第2固定構造による内側カバー部材と外側カバー部材との固定が前面カバーの周縁における複数箇所において行われているため、内側カバー部材と外側カバー部材とを相互に近付ける付勢力を前面カバーの周縁において均等に加えることが可能となる。上記付勢力が前面カバーの周縁における1箇所に集中する場合を想定すると、内側カバー部材に対する外側カバー部材の相対位置が設計のものと異なってしまうおそれがあるが、本構成によれば、このような不都合の発生を抑制することが可能となる。特に、内側カバー部材と外側カバー部材との内外複数層構造はハンドル装置のデザイン性を良好に高めるためのものであるため、両者の位置合わせは正確に行われることが好ましく、本構成によれば当該位置合わせを正確に行うことが可能となる。
なお、複数箇所として、前面カバーの周縁において等間隔で固定する構成とする、又は前面カバーの周縁における少なくとも対向する2カ所を固定する構成とすることが好ましい。この場合、上記付勢力をより均等に加えることが可能となる。
手段4.手段1乃至3のいずれか1において、前記固定部材が前記付勢受け部に受けられていることにより、前記操作部の回動方向への前記外側カバー部材の回動が規制されていることを特徴とする遊技機。
上記のように前面カバーが内外複数層構造となった構成においては、操作部の回動操作に際して外側カバー部材が操作部の回動方向へ回動してしまうおそれがある。この場合に、手段4によれば、固定部材が付勢受け部に受けられていることにより、操作部の回動方向への外側カバー部材の回動が規制されている。これにより、上記不都合の発生を防止することができる。また、本構成においては、固定部材と付勢受け部とが回動規制機能をも有することとなり、固定部材及び付勢受け部の多機能化が図られる。
手段5.手段1乃至4のいずれか1において、前記内側カバー部材に形成された内側規制部(位置決め用突起187)と、前記外側カバー部材に形成された外側規制部(位置決め用溝196)と、を備えており、
前記内側規制部と前記外側規制部との当接により、前記操作部の回動方向への前記外側カバー部材の回動が規制されていることを特徴とする遊技機。
上記のように前面カバーが内外複数層構造となった構成においては、操作部の回動操作に際して外側カバー部材が操作部の回動方向へ回動してしまうおそれがある。この場合に、手段5によれば、内側規制部と外側規制部とが設けられていることにより、上記不都合の発生を防止することができる。
手段6.手段5において、前記内側規制部又は前記外側規制部のうち一方は、前記操作部の回動軸方向に延びる溝部であり、他方は、当該溝部に入り込む突部であることを特徴とする遊技機。
手段6によれば、内側規制部又は外側規制部のうち一方は操作部の回動軸方向に延びる溝部であり、他方は当該溝部に入り込む突部であるため、上記のように外側カバー部材の回動を規制する機能が果たされる。また、本構成においては、溝部と突部とを内側カバー部材と外側カバー部材との固定を行う際の位置決め用として用いることが可能となる。これにより、内側規制部及び外側規制部の多機能化が図られる。
手段7.手段5又は6において、前記内側規制部及び前記外側規制部は共に、前記操作部により外側から覆われる位置に形成されていることを特徴とする遊技機。
手段7によれば、内側規制部と外側規制部とはハンドル装置の外観上、視認困難なものとすることが可能となる。これにより、ハンドル装置のデザイン性を低下させることなく、内側規制部と外側規制部とを設けることができる。
手段8.手段1乃至7のいずれか1において、前記操作部は当該操作部の外周部分を構成する外環部を備えているとともに、前記外側カバー部材は前記外環部の前側端部の全周と前後に対向する対向壁部(環状段差部195)を備えており、
前記付勢受け部は、前記外側カバー部材において前記対向壁部よりも前記基部側であって前記外環部により外側から覆われた部位に形成されており、
さらに、前記固定具は、前記対向壁部を前記外環部の前側端部に向けて引寄せる方向に前記内側カバー部材に力を加えて当該内側カバー部材を前記基部に固定するものであることを特徴とする遊技機。
手段8によれば、外側カバー部材の対向壁部と外環部の前側端部との間の距離を極力小さくすることが可能となる。よって、外側カバー部材と操作部との間にコイン等を無理に挿し込むことを行いづらくすることが可能となり、操作部を無理に仮固定する行為を抑制することが可能となる。
手段9.手段8において、前記基部は、前記外環部の後側端部の全周又は略全周と前後に対向する基部側対向壁部(環状段差部166)を備えていることを特徴とする遊技機。
手段9によれば、前面カバーと操作部との間の隙間だけでなく、基部と操作部との間の隙間にコイン等を挿し込むことを困難なものとすることが可能となる。
なお、上記各手段によれば以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種であるパチンコ機は、遊技機本体の前面部にハンドル装置を備えており、当該ハンドル装置が操作されることで発射装置が動作し、遊技領域の上部に遊技球が発射される。
従来のハンドル装置351は、図23に示すように、遊技機本体352に固定された基部353と、ハンドル装置351の前面部を構成する前面カバー354と、これら基部353及び前面カバー354の間において回動自在に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作される操作レバー355と、を備えている。遊技者は、操作レバー355の回動量を調節し、所望の飛距離となる回動位置に操作レバー355を保持した姿勢を維持して遊技を行う。
上記ハンドル装置351では、前面カバー354の基端側の周縁部を外側から覆うようにして操作レバー355が設けられており、両者の間には隙間356が生じている。当該構成においては、操作レバー355の回動位置の保持を手動によらずに行うようにすべく、前面カバー354と操作レバー355との間の隙間356にコイン357等を差し込んで操作レバー355を回動位置に固定する行為が行われていた。この場合、ハンドル装置351の損傷や故障の原因となるおそれがあった。
一方で、ハンドル装置は上記のとおり、前面部に設置されるものであるため、デザインをより良好なものとすることが好ましい。これに対して、本件発明者は、前面カバーを内外に複数層構造として、さらに外層のカバー部材を透明性材料により形成するとともに、内側のカバー部材を不透明性材料により形成する構成を考え出した。
しかしながら、上記複数層構造の前面カバーでは、外層のカバー部材が透明性材料であることに起因して、外層のカバー部材の固定をどのように行うかが問題となる。例えば、外層のカバー部材をその内側のカバー部材又はハンドル装置の基部に固定すべく、外層のカバー部材の裏面にボスなどといった固定部を形成する構成が考えられるが、この場合、外層のカバー部材が透明性材料により形成されていることで、固定部がハンドル装置の外観において視認可能となってしまい、デザイン上好ましくない。一方、外層のカバー部材の固定が強固に行われないと、外層のカバー部材と操作レバーとの上記隙間を少なくすることが困難なものとなってしまう。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機主部12は、ベース体としての本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1〜図3を参照する。
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにしてハンドル装置41が設けられている。ハンドル装置41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。このハンドル装置41の構成については、後に詳細に説明する。
次に、本体枠13について詳細に説明する。図5は本体枠13の正面図である。
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース51を主体に構成されている。樹脂ベース51の中央部には略楕円形状の窓孔52が形成されている。樹脂ベース51には遊技盤61が着脱可能に取り付けられている。遊技盤61は合板よりなり、遊技盤61の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース51の窓孔52を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤61の構成を図6に基づいて説明する。遊技盤61には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口62,可変入賞装置63,作動口64,スルーゲート65及び可変表示ユニット66等がそれぞれ設けられている。一般入賞口62は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口62、可変入賞装置63及び作動口64に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤61の最下部にはアウト口67が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口67を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤61には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘68が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット66には、作動口64への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置71が設けられている。また、可変表示ユニット66には、図柄表示装置71を囲むようにしてセンターフレーム72が配設されている。センターフレーム72の上部には、第1特定ランプ部73及び第2特定ランプ部74が設けられている。また、センターフレーム72の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部75,76が設けられている。下側の保留ランプ部75は、図柄表示装置71及び第1特定ランプ部73に対応しており、遊技球が作動口64を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部75の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部76は、第2特定ランプ部74に対応しており、遊技球がスルーゲート65を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部76の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置71は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置71には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部73では、作動口64への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部74では、遊技球のスルーゲート65の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
可変入賞装置63は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置63の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置63が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤61には、内レール部53と外レール部54とが取り付けられており、これら内レール部53と外レール部54とにより誘導レールが構成され、後述する遊技球発射機構から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構80は、図5に示すように、樹脂ベース51における窓孔52の下方に取り付けられている。遊技球発射機構80は、電磁式のソレノイド81と、発射レール82と、球送り機構83とからなり、ソレノイド81への電気的な信号の入力により当該ソレノイド81の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構83によって発射レール82上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。なお、遊技球発射機構80の電動アクチュエータはソレノイド81に限定されることはなく、発射モータなどを用いてもよい。
次に、遊技盤61の背面の構成を説明する。図7は遊技盤61を後方より見た斜視図である。遊技盤61の背面には、主制御装置ユニット90及び音声ランプ制御装置ユニット100が搭載されている。
主制御装置ユニット90は、合成樹脂製の取付台91を有し、取付台91に主制御装置92が搭載されている。主制御装置92は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス93に収容されて構成されている。
音声ランプ制御装置ユニット100は、音声ランプ制御装置101と、取付台102とを具備する構成となっており、取付台102上に音声ランプ制御装置101が装着されている。音声ランプ制御装置101は、主制御装置92からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス103に収容されて構成されている。
次に、裏パックユニット15について図3及び図4を参照して説明する。
裏パックユニット15は、裏パック111を備えており、当該裏パック111に対して、払出機構部112及び制御装置集合ユニット113が取り付けられている。裏パック111は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部112などが取り付けられるベース部121と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部122とを有する。
ベース部121には、その右上部に外部端子板123が設けられている。外部端子板123には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。
ベース部121には、保護カバー部122を迂回するようにして払出機構部112が配設されている。すなわち、裏パック111の最上部には上方に開口したタンク131が設けられており、タンク131には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク131の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール132が連結され、タンクレール132の下流側には上下方向に延びるケースレール133が連結されている。ケースレール133の最下流部には払出装置134が設けられている。払出装置134より払い出された遊技球は、当該払出装置134の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿33又は下皿34に排出される。
払出機構部112には、裏パック基板135が設置されている。裏パック基板135には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ135aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部121の下端部には、制御装置集合ユニット113が取り付けられている。制御装置集合ユニット113は、横長形状をなす取付台141を有し、取付台141に払出制御装置142と電源及び発射制御装置143とが搭載されている。これら払出制御装置142と電源及び発射制御装置143とは、払出制御装置142がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置142は、基板ボックス144内に払出装置134を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置142から払出装置134への払出指令の信号は上述した裏パック基板135により中継される。また、払出制御装置142には状態復帰スイッチ145が設けられている。例えば、払出装置134における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ145が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置143は、基板ボックス146内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置143にはRAM消去スイッチ147が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
次に、ハンドル装置41の構成について説明する。図8はハンドル装置41を前方から見た斜視図、図9はハンドル装置41を後方から見た斜視図、図10はハンドル装置41の側面図、図11はハンドル装置41の分解斜視図である。
ハンドル装置41は、前扉枠14に固定される基部151と、ハンドル装置41の前面側を構成する前面カバー152と、基部151と前面カバー152との間に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作される操作部153と、を備えている。
基部151は、ABS樹脂などの不透明な材料により筒状に形成されており、図11に示すように、一方の開口側はその内径及び外径が共に拡径されている。当該拡径領域161には、操作部153の回動操作量を検知するためのギア部品162,163と、操作部153を回動操作した状態において遊技球の発射を停止させるために操作される発射止めスイッチ164と、発射止めスイッチ164が操作されていることを検知するプッシュセンサ165と、が設置されている。
ギア部品162,163は基部151に内蔵されている可変抵抗器と接続されており、ギア部品162,163の回転に応じて可変抵抗器の抵抗値が変化し、その抵抗値が電源及び発射制御装置143に出力されることで、当該電源及び発射制御装置143にて操作部153の回動操作量が把握される。また、プッシュセンサ165の検知信号が電源及び発射制御装置143に出力されることで、当該電源及び発射制御装置143にて発射止めスイッチ164が操作されているか否かが把握される。さらには、基部151には操作部153が実際に手で触れられていることを検知するタッチセンサが内蔵されており、このタッチセンサの検知信号が電源及び発射制御装置143に出力されることで、当該電源及び発射制御装置143にて操作部153が手で触れられているか否かが把握される。
拡径領域161を構成する周壁部には、先端側を絞るようにして環状段差部166が形成されている。環状段差部166は、操作部153の後側端部と対峙している。拡径領域161には、軸線方向に延びる基部側ボス167が複数形成されている。当該基部側ボス167については後に説明する。
操作部153は、ABS樹脂により形成されており、その周面全体に金属膜がメッキされている。つまり、操作部153は全体として不透明性を有している。なお、操作部153を、金属により形成してもよい。
操作部153は、図11に示すように、二重環形状をなしている。操作部153の軸線は基部151の軸線と同一直線上にある。操作部153の中央には、軸線方向に延びる軸部171が設けられており、当該軸部171は基部151に形成された図示しない軸孔部及び前面カバー152に形成された軸孔部172のそれぞれに対して遊挿されている。操作部153は当該軸部171を回動中心として回動可能となっている。また、操作部153の外周面には外方に起立した指掛け部173が複数形成されている。操作部153が回動操作される場合にはこれら指掛け部173に指を掛けることで、当該回動操作を容易に行うことができる。操作部153の前方に前面カバー152が設置されている。
ちなみに、操作部153は、軸部171が設けられた内環部174と指掛け部173が形成された外環部175とを備えており、これら内環部174と外環部175とが連結部176により連結された形状をなしている。この場合、連結部176は、操作部153の初期位置及び最大回動位置の各位置を規定するように形成されている。言い換えると、連結部176は、操作部153の回動操作範囲内において当該回動操作を阻害しないように形成されている。
前面カバー152は、全体としてドーム形状をなしており、複数層構造となっている。具体的には、内側カバー部材181及び外側カバー部材191を備えた2層構造となっており、これら内側カバー部材181及び外側カバー部材191が固定されて一体化されている。
ここで、前面カバー152の構成について詳細に説明する。図12は前面カバー152を後方から見た斜視図、図13は前面カバー152の背面図、図14は前面カバー152の分解斜視図、図15(a)は内側カバー部材181の背面図、図15(b)は内側カバー部材181の側面図、図16(a)は外側カバー部材191の背面図、図16(b)は外側カバー部材191の側面図である。
内側カバー部材181は、ABS樹脂などにより形成されており、全体が不透明となっている。具体的には、白色不透明(有色不透明)となっている。但し、内側カバー部材181は白色不透明なものに限定されることはなく、内側カバー部材181の表面に有色のメッキなどを施したものとしてもよく、さらにまた、ベースとなる材料をポリカーボネートなどの透明性を有する合成樹脂材料とし、それに不透明な材料を添加したものにより形成することで、不透明なものとしてもよい。なお、内側カバー部材181はその全体が不透明であることは必須ではなく、少なくとも操作部153よりも前方に位置する領域の表面が不透明であればよい。
内側カバー部材181は、図12や図15(b)等に示すように、ドーム形状をなしている。内側カバー部材181の曲面形状をなす内側曲面部182には滑らかな曲線を描くように内側デザイン溝183が形成されており、この内側デザイン溝183により内側曲面部182のデザイン性が高められている。なお、この内側デザイン溝183は、内側曲面部182の表面及び裏面のいずれにおいても凹凸が生じるように形成されているが、表面のみに凹凸が生じるように形成してもよい。また、内側カバー部材181は、内側曲面部182における開放先端の全周から軸線方向に延出した内側環状壁部184が一体形成されている。
内側カバー部材181の裏面には、図15(a)に示すように、操作部153の軸部171が遊挿される上述した軸孔部172が一体形成されている。軸孔部172は、当該裏面を基端として操作部153側に延びている。また、内側カバー部材181の裏面には、当該裏面を基端として操作部153に向けて軸線方向に延びるカバー側ボス185,186が一体形成されている。カバー側ボス185,186は複数形成されており、そのうちの一部のカバー側ボス185は内側カバー部材181と外側カバー部材191とを固定する場合に用いられ、他のカバー側ボス186は前面カバー152を基部151に固定する場合に用いられる。これらの固定に関する構成については後に説明する。軸孔部172及びカバー側ボス185,186は、内側カバー部材181の表面の形状に影響を与えないようにして形成されている。
外側カバー部材191は、ポリカーボネートなどといった透明性を有する合成樹脂材料により形成されており、内側カバー部材181よりも1回り大きいドーム形状となっている。外側カバー部材191の曲面形状をなす外側曲面部192には内側カバー部材181の内側曲面部182に形成された内側デザイン溝183に対応させて外側デザイン溝193が形成されており、この外側デザイン溝193により外側曲面部192のデザイン性が高められている。なお、この外側デザイン溝193は、外側曲面部192の表面及び裏面のいずれにおいても凹凸が生じるように形成されているが、表面のみに凹凸が生じるように形成してもよい。
外側カバー部材191には、外側曲面部192の開放先端の全周から軸線方向に延出させて外側環状壁部194が一体形成されている。外側環状壁部194と外側曲面部192との境界部分には、外側曲面部192の開放先端に対して外側環状壁部194が内側となるように環状段差部195が形成されている。ちなみに、上記のとおり内側カバー部材181の裏面には軸孔部172やカバー側ボス185,186が形成されていたが、外側カバー部材191の裏面にはこれら軸孔部172やカバー側ボス185,186は形成されていない。つまり、外側カバー部材191には、内側カバー部材181、操作部153及び基部151に対する固定や支持において用いられる突起は形成されていない。また、外側曲面部192と環状段差部195との境界部分は、縦断面で曲線状となるように形成されている。
外側環状壁部194には、その開放先端から外側曲面部192側に凹ませるようにして複数の位置決め用溝196が複数(具体的には3個)形成されている。これら位置決め用溝196は、外側環状壁部194の周方向に等間隔で形成されている。位置決め用溝(キー溝)196に1対1で対応させて、内側カバー部材181の内側環状壁部184には外方に突出させて位置決め用突起(キー)187が一体形成されている。そして、各位置決め用溝196内に各位置決め用突起187が入り込むようにして、外側カバー部材191の内側に内側カバー部材181が嵌め込まれている。この場合、各位置決め用突起187は、図12に示すように、入り込んだ位置決め用溝196の反開放側の壁部に対して当接又は僅かに離間された状態となっているとともに、位置決め用溝196の側壁部に対して当接又は僅かに離間された状態となっている。
この嵌め込まれた状態において、内側カバー部材181の表面は位置決め用突起187を除いてその全体が外側カバー部材191により覆われている。つまり、外側曲面部192は内側曲面部182に沿った状態となっており、内側曲面部182の表面に対して外側曲面部192の裏面が当接している。この場合、外側デザイン溝193と内側デザイン溝183とは内外に重なり合っている。また、外側環状壁部194は内側環状壁部184に沿った状態となっており、内側環状壁部184の表面に対して外側環状壁部194の裏面が当接している。なお、内側曲面部182の表面に対して外側曲面部192の裏面が僅かに離間された状態であってもよく、内側環状壁部184の表面に対して外側環状壁部194の裏面が僅かに離間された状態であってもよい。外側環状壁部194は内側環状壁部184よりも操作部153側に延出している。
内側カバー部材181と外側カバー部材191とは弾性固定部材201を用いて相互に固定されている。ここで、この両カバー部材181,191の固定に関する構成について説明する。図17(a)は弾性固定部材201の斜視図、図17(b)は弾性固定部材201の側面図、図18は内側カバー部材181と外側カバー部材191との固定構造を説明するための前面カバー152の縦断面図である。
弾性固定部材201は、ポリカーボネートにより形成されている。なお、ポリカーボネートに限定されることはなく、ABS樹脂などの他の合成樹脂材料により形成してもよい。弾性固定部材201は、厚み方向に貫通した固定用孔202と位置決め用孔203とが並設されたベース板部204と、当該ベース板部204の一端に一体形成された爪部205とを備えている。ベース板部204と爪部205との境界部分には段差部206が形成されており、弾性固定部材201は全体として段差形状となっている。ベース板部204及び爪部205はそれぞれ薄肉に形成されており、上記厚み方向に弾性変形可能となっている。固定用孔202は、ベース板部204において上記段差部206側の端部に形成されている。なお、ベース板部204と爪部205とを連結するようにしてリブ207が形成されている。
弾性固定部材201は複数設けられており、これら複数の弾性固定部材201により内側カバー部材181と外側カバー部材191とが相互に固定されている。詳細には、上記のとおり内側カバー部材181の裏面には複数のカバー側ボス185,186が形成されており、そのうち、内側カバー部材181の上部及び下部に形成されたカバー側ボス185には、図15(a)に示すように、弾性固定部材201の固定用孔202に対応させてネジ穴185aが形成されている。また、各カバー側ボス185に対しては、内側カバー部材181の周壁部と連結するようにリブ188が形成されているとともに、中央側にもリブ189が形成されている。これら中央側のリブ189にはその先端に、弾性固定部材201の位置決め用孔203に対応させて位置決めピン189aが一体形成されている。
また、内側カバー部材181の内側環状壁部184には、図14や図15(a)に示すように、その上部及び下部に、先端から凹ませて凹部211が形成されている。つまり、凹部211は各カバー側ボス185に1対1で対応させて形成されている。この凹部211に1対1で対応させて、外側カバー部材191の外側環状壁部194には、図14に示すように、内外に貫通する開口部212が形成されている。開口部212は対応する凹部211と内外に重なり合っている。
これら凹部211と開口部212との位置合わせについて、上記のとおり、内側カバー部材181には位置決め用突起187が形成されており、これに対応させて外側カバー部材191には位置決め用溝196が形成されている。そして、外側カバー部材191に内側カバー部材181を嵌め込む際に各位置決め用溝196内に位置決め用突起187が入り込むようにすることで、凹部211と開口部212との位置合わせを良好に行うことができる。
弾性固定部材201は、内外に重ね合わせた凹部211及び開口部212内に爪部205を挿入した状態でカバー側ボス185にネジ止めされている。この弾性固定部材201による固定について、図18を用い、前面カバー152の上部における固定を例に挙げて説明する。なお、前面カバー152の下部における固定は上部における固定と同様である。
内側カバー部材181と外側カバー部材191との固定に際して、弾性固定部材201は、爪部205が内外に重ね合わせた凹部211及び開口部212内に挿入され、ベース板部204に形成された位置決め用孔203内に内側カバー部材181の位置決めピン189aが挿入され、さらにベース板部204に形成された固定用孔202とカバー側ボス185のネジ穴185aとが連通されるように設置される。この場合、固定用孔202は一方の開口側が拡径されており、その拡径された大径部202a内にはカバー側ボス185の先端が挿入されている。
上記のように弾性固定部材201が設置された状態において、固定用孔202の小径部202b側からネジ215が挿通され、当該ネジ215がカバー側ボス185のネジ穴185aに対して螺着されている。これにより、弾性固定部材201がカバー側ボス185に、すなわち、内側カバー部材181に固定されている。この場合、弾性固定部材201は、ネジ215の螺着が完了する前の段階では、図18において二点鎖線で示す状態にある。つまり、弾性固定部材201の爪部205は内側カバー部材181における凹部211周縁の前側壁部に接しているものの、爪部205の先端は外側カバー部材191における開口部212周縁の後側壁部に接していない。その後、ネジ215の螺着が完了することで弾性固定部材201の全体がカバー側ボス185側(前側)に移動し、その際、爪部205は凹部211と接した部位を支点として後側に弾性変形する。これにより、爪部205の先端が開口部212の後側壁部に接するとともに、当該後側壁部に対して爪部205から後方に向けた力が付加される。これにより、内側カバー部材181と外側カバー部材191とが相互に固定されるとともに、外側カバー部材191が内側カバー部材181に向けて付勢される。
なお、ネジ215の螺着が完了する前の段階で、爪部205の先端が開口部212周縁の後側壁部に接しており、さらにネジ215の螺着が完了することで爪部205が弾性変形し、当該爪部205の先端が開口部212の後側壁部を後方に押し込む構成としてもよい。当該構成であっても、内側カバー部材181と外側カバー部材191とが相互に固定されるとともに、外側カバー部材191が内側カバー部材181に向けて付勢される。
相互に固定された内側カバー部材181と外側カバー部材191とは、両者の軸線が同一直線上にある。この場合、内側カバー部材181と外側カバー部材191とは、上記軸線を中心として相互に回動しないように回動規制構造が設けられている。そこで、この回動規制構造について、図19を用いて説明する。図19は、前面カバー152の構成を示す平面図である。
上記のとおり、内側カバー部材181には位置決め用突起187が形成されており、外側カバー部材191には位置決め用溝196が形成されている。これら位置決め用突起187と位置決め用溝196とは1対1で対応しており、外側カバー部材191に対して内側カバー部材181が嵌め込まれた状態では、各位置決め用溝196に各位置決め用突起187が入り込んでいる。この場合、入り込んだ位置決め用溝196の側壁部に対して位置決め用突起187は当接又は僅かに離間された状態となっている。したがって、上記軸線を中心として、内側カバー部材181と外側カバー部材191とが相互に回動しようとしても、位置決め用溝196の側壁部に位置決め用突起187が当接し、その回動が阻止されることとなる。なお、入り込んだ位置決め用溝196の側壁部に対して位置決め用突起187が当接した状態とすることで、上記回動の阻止が確実に行われる。
また、図19に示すように、外側カバー部材191の外側環状壁部194に形成された開口部212において、左右の側壁部212aは前後方向の途中位置から後側壁部212bに向けて開口幅が狭くなるようにテーパ状をなしている。これに対応させて、弾性固定部材201における爪部205の先端も先細りとなるようにその左右両側がテーパ状となっている。そして、開口部212のテーパ部分と爪部205のテーパ部分とは接している。これにより、上記軸線を中心として、内側カバー部材181と外側カバー部材191とが相互に回動しようとしても、開口部212の側壁部212aと爪部205との当接により、その回動が阻止されることとなる。
次に、基部151に対する前面カバー152の固定に関する構成について説明する。
弾性固定部材201を介して内側カバー部材181と外側カバー部材191とが一体化されてなる前面カバー152は、基部151にネジ止めされている。詳細には、内側カバー部材181の裏面に形成されたカバー側ボス185,186のうち、内側カバー部材181と外側カバー部材191との固定に用いられないカバー側ボス186には、図12に示すように、軸線方向に延び、先端に開放されたネジ穴186aが形成されている。ちなみに、これらカバー側ボス186は、内側カバー部材181の上部側及び下部側のそれぞれに形成されており、さらに上部側の方が下部側よりもその数が多くなっている。なお、上部側の数と下部側の数とを同数としてもよく、上部側の方が下部側よりもその数を少なくしてもよい。また、カバー側ボス186は、内側環状壁部184の先端よりも後方にあり外側環状壁部194の先端よりも前方にあるが、これは任意である。
カバー側ボス186に1対1で対応させて基部151には、上記のとおり基部側ボス167が形成されている。基部側ボス167は、図9に示すように、基部151における拡径領域161の周壁部を内外に貫通した管形状をなしている。これら基部側ボス167は拡径領域161の前方に設置された操作部153を軸線方向に貫通している。
上記構成において、前面カバー152を基部151に固定する場合には、カバー側ボス186のネジ穴186aとそれに対応する基部側ボス167の貫通孔167aとが連通するように、前面カバー152が基部151に対して設置される。この際、基部側ボス167の貫通孔167aはその先端側が拡径されており、この拡径された先端部に対してカバー側ボス186の先端が挿入されている。なお、この挿入関係が、基部側ボス167とカバー側ボス186とで逆であってもよい。そして、図11に示すように、基部151の後方から基部側ボス167の貫通孔167a内にネジ216が挿通され、当該ネジ216がカバー側ボス186のネジ穴186aに螺着されている。これにより、基部151に対して前面カバー152が固定されている。
以上のように基部151に対して前面カバー152が固定された状態において、基部151と前面カバー152との間には、操作部153が設置されている。この場合、図10に示すように、操作部153における外環部175よりも内側に、基部151における環状段差部166よりも先端側が入り込んでいるとともに、前面カバー152における外側環状壁部194が入り込んでおり、外環部175は基部151の環状段差部(基部側対向壁部)166と前面カバー152の環状段差部(カバー側対向壁部)195との間に位置している。つまり、外環部175の後側端部は基部151の環状段差部166と対峙しており、外環部175の前側端部は前面カバー152の環状段差部195と対峙している。また、前後の環状段差部166,195間の距離は外環部175の前後方向寸法よりも大きくなっており、外環部175は前後の環状段差部166,195により挟持されていないが、外環部175と前側の環状段差部166との間や外環部175と後側の環状段差部195との間にコインや硬貨を差し込むことができないように、外環部175の前後方向寸法に対する前後の環状段差部166,195間の距離が設定されている。ちなみに、外環部175と前後の環状段差部166,195との間の隙間は、0.1mm以上1mm未満となっている。なお、外環部175と前後の環状段差部166,195との間の隙間が生じないようにしてもよい。
上記構成であることにより、操作部153と前面カバー152との間、又は操作部153と基部151との間にコインや硬貨を差し込み、操作部153を無理に仮固定しようとしても、それが困難又は不可能となっている。つまり、操作部153の外環部175が前後の環状段差部166,195間に位置していることにより、外環部175と基部151において外環部175内側に入り込んだ領域との間や、外環部175と前面カバー152において外環部175内側に入り込んだ領域との間にコインや硬貨を差し込もうとしても、それが困難又は不可能となっている。また、外環部175の前後方向方向寸法に対する前後の環状段差部166,195間の距離が上記のように設定されており、さらには、前面カバー152は上記のとおり内側カバー部材181と外側カバー部材191との二重構造となっているが、外側カバー部材191が内側カバー部材181側(後方)に向けて付勢された状態で固定されているとともに、内側カバー部材181はネジ216を介して基部151に対して強固に固定されている。したがって、外環部175と基部151の環状段差部166との間や、外環部175と前面カバー152の環状段差部195との間にコインや硬貨を差し込もうとしても、それが困難又は不可能となっている。以上より、従来のように操作部153の仮固定が無理に行われハンドル装置41が破損等してしまうことが防止されている。
上記のように操作部153における外環部175よりも内側に前面カバー152の外側環状壁部194が入り込んでいることにより、内側カバー部材181と外側カバー部材191との固定箇所、具体的には、外側カバー部材191の開口部212に対する弾性固定部材201の爪部205の引掛け箇所が、外環部175により外側から覆われている。ここで、上記のとおり、内側カバー部材181の裏面にカバー側ボス185が形成されており、このカバー側ボス185に対して弾性固定部材201が固定されている。つまり、内側カバー部材181と外側カバー部材191との固定箇所はその全体が、内側カバー部材181、操作部153及び基部151により覆われた空間内にある。そして、内側カバー部材181、操作部153及び基部151は不透明性材料により形成されているため、内側カバー部材181と外側カバー部材191との固定箇所は、ハンドル装置41の外観上、視認不可能となっている。
また、上記のとおり、内側カバー部材181の裏面に形成されたカバー側ボス186を介して、前面カバー152と基部151とが固定されている。つまり、前面カバー152と基部151との固定箇所はその全体が、内側カバー部材、操作部153及び基部151により覆われた空間内にあり、ハンドル装置41の外観上、視認不可能となっている。
また、内側カバー部材181と外側カバー部材191との回動規制箇所(回動方向の位置決め箇所)、具体的には、外側カバー部材191の位置決め用溝196に対する内側カバー部材181の位置決め用突起187の入り込み箇所が、外環部175により外側から覆われている。これにより、内側カバー部材181と外側カバー部材191との回動規制箇所は、ハンドル装置41の外観上、視認不可能となっている。
ハンドル装置41の操作部153が回動操作される場合、回動操作力が前面カバー152の外側カバー部材191に付加されることがある。この場合に、上記のとおり、内側カバー部材181と外側カバー部材191との相互の回動が規制されていることにより、上記のように回動操作力が付加されたとしても、外側カバー部材191が回動してしまうことが防止されている。なお、上記のとおり基部側ボス167に対してカバー側ボス186の先端が挿入されているため、上記回動操作力により基部151に対する前面カバー152の回動が規制されている。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図20のブロック図に基づいて説明する。図20では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置92に設けられた主制御基板301には、主制御回路302と停電監視回路303(電断監視回路)とが内蔵されている。主制御回路302には、CPU311が搭載されている。
CPU311には、当該CPU311により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM312(不揮発性情報記憶手段)と、そのROM312内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM313(揮発性情報記憶手段)と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM313は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置143に設けられた電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
CPU311には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPU311の入力側には、主制御基板301に設けられた停電監視回路303、払出制御装置142に設けられた払出制御基板322及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路303には電源及び発射制御基板321が接続されており、CPU311(主制御回路302)には停電監視回路303を介して電力が供給される。
一方、CPU311の出力側には、停電監視回路303、払出制御基板322及び中継端子板323が接続されている。払出制御基板322には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板323を介して主制御回路302から音声ランプ制御装置101に設けられた音声ランプ制御基板324に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路303は、主制御回路302と電源及び発射制御基板321とを中継し、また電源及び発射制御基板321から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御基板322は、払出装置134により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU331は、そのCPU331により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM332と、ワークメモリ等として使用されるRAM333とを備えている。
払出制御基板322のRAM333は、主制御回路302のRAM313と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板322のCPU331には、入出力ポートが設けられている。CPU331の入力側には、主制御回路302、電源及び発射制御基板321、及び裏パック基板135が接続されている。また、CPU331の出力側には、主制御回路302及び裏パック基板135が接続されている。
電源及び発射制御基板321は、電源部321aと発射制御部321bとを備えている。電源部321aは、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路302や払出制御基板322等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路302や払出制御基板322等に対して供給する。その概要としては、電源部321aは、裏パック接続基板229を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電力、ロジック用の+5V電力などを生成し、これら+12V電力、+5V電力を主制御回路302や払出制御基板322等に対して供給する。
発射制御部321bは、遊技者によるハンドル装置41の操作にしたがって遊技球発射機構80の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構80は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
また、電源及び発射制御基板321には、データ記憶保持用コンデンサ321cが搭載されている。データ記憶保持用コンデンサ321cは、電源部321aが接続されており、パチンコ機10の電源がON状態の場合には蓄電される。また、データ記憶保持用コンデンサ321cは主制御回路302におけるCPU311のVBB端子に接続されており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時等といった電源遮断状態では、データ記憶保持用コンデンサ321cから放電されRAM313に対してデータ記憶保持用電力が供給される。よって、かかる状況であっても、データ記憶保持用コンデンサ321cからデータ記憶保持用電力が供給されている間はRAM313に記憶されたデータが消去されることなく保持される。
音声ランプ制御基板324は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26、及び表示制御装置325を制御するものである。演算装置であるCPU341は、そのCPU341により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM342と、ワークメモリ等として使用されるRAM343とを備えている。
音声ランプ制御基板324のCPU341には入出力ポートが設けられている。CPU341の入力側には中継端子板323に中継されて主制御回路302が接続されており、主制御回路302から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26、及び表示制御装置325を制御する。表示制御装置325は、音声ランプ制御基板324から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置71を制御する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ハンドル装置41において、前面カバー152を内側カバー部材181と外側カバー部材191とを備えた内外二重構造とし、内側カバー部材181を不透明性材料により形成するとともに外側カバー部材191を透明性材料によりした。これにより、前面カバー152のデザイン性が高められ、それに伴ってハンドル装置41のデザイン性が高められる。
上記構成において、内側カバー部材181と外側カバー部材191とは、内側カバー部材181の裏面に固定された弾性固定部材201が弾性変形し、その弾性変形によって生じる付勢力が外側カバー部材191の開口部212により受けられていることで相互に固定されている。そして、弾性固定部材201や開口部212といった内側カバー部材181と外側カバー部材191との固定箇所はその全体が、内側カバー部材181、操作部153及び基部151により覆われた空間内にある。これら内側カバー部材181、操作部153及び基部151は不透明性材料により形成されているため、内側カバー部材181と外側カバー部材191との固定箇所は、ハンドル装置41の外観上、視認不可能となっている。
また、上記のとおり、内側カバー部材181の裏面に形成されたカバー側ボス186を介して、前面カバー152と基部151とが固定されている。つまり、前面カバー152と基部151との固定箇所はその全体が、内側カバー部材181、操作部153及び基部151により覆われた空間内にあり、ハンドル装置41の外観上、視認不可能となっている。
以上より、前面カバー152を内側カバー部材181と外側カバー部材191との内外二重構造とした構成において、内側カバー部材181と外側カバー部材191との固定に関する構成及び前面カバー152と基部151との固定に関する構成を、ハンドル装置41の外観上、視認不可なものとすることが可能となる。よって、ハンドル装置41のデザイン性を良好に高めることができる。
上記構成において、操作部153の外環部175が基部151の環状段差部166と前面カバー152の環状段差部195との間に位置していることにより、外環部175と基部151において外環部175内側に入り込んだ領域との間や、外環部175と前面カバー152において外環部175内側に入り込んだ領域との間にコインや硬貨を差し込もうとしても、それが困難又は不可能となっている。また、外環部175の前後方向寸法に対する前後の環状段差部166,195間の距離がコイン等の厚み寸法よりも小さく設定されており、さらには、前面カバー152は上記のとおり内側カバー部材181と外側カバー部材191との二重構造となっているが、外側カバー部材191が内側カバー部材181側(後方)に向けて付勢された状態で固定されているとともに、内側カバー部材181はネジ216を介して基部151に対して強固に固定されている。したがって、外環部175と基部151の環状段差部166との間や、外環部175と前面カバー152の環状段差部195との間にコインや硬貨を差し込もうとしても、それが困難又は不可能となっている。以上より、従来のように操作部153の仮固定が無理に行われることに起因したハンドル装置41における破損等の発生が防止されている。
また、弾性固定部材201を用いた内側カバー部材181と外側カバー部材191との固定を、前面カバー152周縁における少なくとも上部において行うようにした。コイン等により操作部153を無理に仮固定しようとする行為は一般的に前面カバー152の周縁における上部において行われる。これに対して、本構成によれば、内側カバー部材181と外側カバー部材191との固定の緩みが前面カバー152の周縁における上部において直接解消されているため、上記仮固定の行為を直接的に抑制することが可能となる。また、弾性固定部材201を用いた内側カバー部材181と外側カバー部材191との固定を、前面カバー152周縁における複数箇所において行うようにした。これにより、内側カバー部材181と外側カバー部材191との固定の緩みが前面カバー152周縁における全周において解消することが可能となる。よって、コイン等による仮固定の行為を効果的に抑制することが可能となる。
上記のように前面カバー部材152を内外二重構造とした構成においては、操作部153の回動操作に際して外側カバー部材191が操作部153の回動方向へ回動してしまうおそれがある。これに対して、弾性固定部材201と開口部212との当接により、外側カバー部材191の回動を規制するようにした。これにより、上記不都合の発生を防止することができる。また、本構成においては、弾性固定部材201と開口部212とが回動規制機能をも有することとなり、弾性固定部材201及び開口部212の多機能化が図られる。
内側カバー部材181に位置決め用突起187を形成するとともに外側カバー部材191に位置決め用溝196を形成した。そして、位置決め用溝196に位置決め用突起187が入り込むことで、外側カバー部材191の回動を規制するようにした。これにより、操作部153の回動操作に際して外側カバー部材191が操作部153の回動方向へ回動してしまうことを防止することができる。また、本構成においては、外側カバー部材191に内側カバー部材181を嵌め込む際の位置決め機能を有する位置決め用突起187及び位置決め用溝196により、上記回動規制機能が果たされる。つまり、位置決め用突起187及び位置決め用溝196の多機能化が図られている。
また、位置決め用溝196に対する位置決め用突起187の入り込み箇所が、外環部175により外側から覆われており、上記入り込み箇所は、ハンドル装置41の外観上、視認不可能となっている。よって、位置決め用突起187及び位置決め用溝196を設けた構成において、ハンドル装置41のデザイン性が低下しないようにすることができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)ハンドル装置41における前面カバー152の変形例を図21及び図22に示す。
(1−1)図21に示す変形例では、弾性固定部材201の爪部205は、その左右の端部が共に開口部212の左右の側壁部212aに当接していない。つまり、本構成では、弾性固定部材201は内側カバー部材181と外側カバー部材191との相互の回動を規制する機能を有していない。本構成であっても、内側カバー部材181に突起187が形成されているとともに、外側カバー部材191に溝196が形成されていることにより、内側カバー部材181と外側カバー部材191との相互の回動が規制されている。
(1−2)図22に示す変形例では、弾性固定部材201の爪部205には、その先端に凹部221が形成されており、当該凹部221に対応させて開口部212の後側壁部212bには凸部222が形成されている。そして、爪部205の先端が開口部212の後側壁部212bに当接した状態では、凹部221内に凸部222が入り込んでいる。このように凹部221内に凸部222が入り込んでいることにより、内側カバー部材181と外側カバー部材191との相互の回動が規制されている。なお、本構成では、上記凹部221と凸部222とにより回動規制機能が十分に果たされるため、内側カバー部材181に対して突起187は形成されておらず、これに対応して、外側カバー部材191に溝196は形成されていない。
(2)上記実施の形態では、外側カバー部材191を透明性材料により形成したが、当該外側カバー部材191を内側カバー部材181の視認性を確保する範囲内において反透明性材料により形成してもよい。当該構成であっても、前面カバー152のデザイン性を従来よりも高めることができる。
(3)上記実施の形態では、前面カバー152を内側カバー部材181と外側カバー部材191との二重構造としたが、三重又は四重以上の複数層構造としてもよい。例えば、内側カバー部材181と外側カバー部材191との間に中間カバー部材を介在させ、内外三層構造としてもよい。この場合、中間カバー部材を内側カバー部材181と外側カバー部材191とで挟持することで、中間カバー部材について特別な固定構造を設ける必要はなくなる。
(4)上記実施の形態において、位置決め用突起187と位置決め用溝196とを、両者の位置合わせにより、内側カバー部材181の凹部211と外側カバー部材191の開口部212とが確実に重なり合うように形成してもよい。具体的には、位置決め用突起187と位置決め用溝196との組合せを1組のみ形成する構成や、複数組形成する構成においてはそれら各組の間隔を等間隔とならないようにする構成が考えられる。本構成によれば、外側カバー部材191に内側カバー部材181を嵌め込む際における、凹部211と開口部212との位置合わせが確実に自ずと行われることとなる。
(5)上記実施の形態では、弾性固定部材201を段差状としたが、段差状であることは必須ではなく、弾性変形可能であれば、その形状は任意である。
(6)内側カバー部材181と外側カバー部材191とが相互に近付くように付勢されて固定されるのであれば、弾性固定部材201を用いた内側カバー部材181と外側カバー部材191との固定に関する構成を、上記実施の形態のものとは異ならせてもよい。例えば、内側カバー181の表面側に外側カバー部材191を配置した状態では外側カバー部材191の裏面の一部に内側カバー部材181の表面の一部が接することで、両者が完全には重なり合わないようにする。そして、この状態では、内側カバー部材181の凹部211と外側カバー部材の開口部212の位置関係を、凹部211と開口部212とが内外に重なり合うものの、これら凹部211及び開口部212内に爪部205が挿入されるようにカバー側ボス185に対して弾性固定部材201を配置した際に、爪部205の先端が開口部212の後側壁部に接することで、当該弾性固定部材201がカバー側ボス185を中心として外側部分が前方に倒れ傾いた状態となるように設定する。当該構成であっても、ネジ215によるカバー側ボス185に対する弾性固定部材201の固定を完了することで、当該弾性固定部材201はカバー側ボス185を中心として傾いた状態から内外に釣り合った状態に向けて移動し、それに伴って弾性固定部材201の爪部205が開口部212の後側壁部を後方へ押し込む。これにより、開口部212の後側壁部に対して爪部205から後方に向けた力が付加され、内側カバー部材181と外側カバー部材191とが相互に固定されるとともに、内側カバー部材181と外側カバー部材191とが相互に近付くように付勢されて固定される。
(7)上記実施の形態では、外側カバー部材191には付勢受け部として開口部212を設けたが、これに代えて、外側カバー部材191の外側環状壁部194の裏面に有底の穴部を形成し、この穴部にて弾性固定部材201の爪部205を受ける構成としてもよい。
(8)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。