以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は右側面図である。また、図4は、内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。但し、図4では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137などを省略して示している。
図1乃至図4に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、例えば木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。
外枠11には、その左辺部において上ヒンジ81及び下ヒンジ82が設けられている。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能に支持される。さらに、外枠11下部には、樹脂製の幕板飾り85が取着されている。
内枠12の開閉軸線は、上述したようにパチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす青色の樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には、前扉としての前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられ、下皿15の左方には、灰皿26が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段が設けられている。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射装置(以下、単に発射装置という)70の方へ案内する球受皿である。なお、上皿19から溢れる遊技球は下皿15へ案内されるようになっている。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技場等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、中央電飾部103の左右側方には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。また、各エラー表示ランプ104に隣接してスピーカSPが設けられるとともに、当該スピーカSPの前側にスピーカカバー24が取着されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対を為して別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。本実施形態では、ガラスユニット137が透明部材を構成する。
次に、内枠12(樹脂ベース38)について説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側に遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、後側へ膨出した膨出部40が形成されている。この膨出部40の前面右側には、発射装置70が取付けられている。本実施形態では、発射装置70としてソレノイド式発射装置を採用している。また、膨出部40には、後述する払出機構部352から上記下皿15の排出口16へ繋がる排出球通路71が設けられている。また、発射装置70の発射レール70aと後述するレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置70から発射された遊技球が後述する戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72及び排出球通路71を介して下皿15に排出される。また、排出球通路71の下側にはハーネスカバー74が設けられている。これにより中継基板75と発射装置70とを接続するハーネス(図示略)をまとめている。
次に、遊技盤30の構成について図5を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット(作動口)33、第2契機対応口34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33に遊技球が入球(入賞)すると、それぞれに対応して設けられた検出スイッチの出力により、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞部(一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33)に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過をトリガとして変動表示する普通図柄表示装置41と、第1契機対応ユニット33への入賞をトリガとして変動表示する特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて変動表示する可変表示装置としての装飾図柄表示装置42とが設けられている。
普通図柄表示装置41は複数の発光手段(LED)を内蔵しており、遊技球が第2契機対応口34を通過する毎に点灯表示態様が切換表示(変動表示)され、その変動表示が特定の点灯態様で数秒間停止した場合に第1契機対応ユニット33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応口34を通過した場合には、その分の普通図柄の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
特別表示装置43は、普通図柄表示装置41の側方に設けられた複数の発光部により構成され、遊技球が第1契機対応ユニット33を通過する毎に点灯する発光部の組合せが切換えられる(変動表示される)。そして、変動表示が停止したときに点灯している発光部の組合わせにより、大当たりか否かが確定的に表示される。この特別表示装置43についても、主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。また、特別表示装置43の変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。また、大当たり状態中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述するサブ制御装置262によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、特別表示装置43にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして装飾図柄表示装置42に変動表示され、その後、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に停止表示される。
また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の上部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成され、装飾図柄表示装置42の側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後ステージ153の中央奥側に形成されたポケット154に入球したりする。尚、ポケット154は、第1契機対応ユニット33の直上方の遊技領域へと通じる案内通路155と連通しており、該ポケット154に入球した遊技球は、比較的高い確率で第1契機対応ユニット33に入球するようになっている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞しやすい開状態とされる。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数(所定ラウンド数)繰り返し開放される。
また、遊技盤30には、発射装置70から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレール50を通じて、遊技盤面上(遊技盤30とガラスユニット137との間の空間)に形成された遊技領域内に案内される。レール50は内レール構成部51と外レール構成部52とからなる。
内レール構成部51の先端部分(図5の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。
次に、パチンコ機10の背面の構成を図6に基づいて説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合において、主基板とサブ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
なお、第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で工具等を用いずとも着脱できるよう構成されており、さらに、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。上述したように遊技盤30の中央にはルータ加工によって形成された貫通穴に対して可変表示装置ユニット35が配設されている。この可変表示装置ユニット35に対し、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。さらに、フレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板などが配設されている。
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして図示しない裏枠セットが取付けられている。この裏枠セットは、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成形品であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている。また、内枠12には、裏枠セット(遊技盤30)の下方位置において排出通路盤217が取付けられており、該排出通路盤217には排出球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート218が形成されている。従って、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セットの球回収機構を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出シュート218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出シュート218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュート218を介してパチンコ機10外部に排出される。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出する入賞感知機構(検出スイッチ)などが設けられている。入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板(主制御装置261)に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。本実施形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる。
第1制御基板ユニット201は、主制御装置261と、サブ制御装置262とを具備している。主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニットによって連結されており、基板ボックス263が開封された場合には、封印ユニットにおいて所定の痕跡が残るよう構成されている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、サブ制御装置262は、主制御装置261(主基板)からの指示に従い各種演出制御を司るCPUや、各種プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含むサブ制御基板を具備しており、このサブ制御基板についても当該サブ制御基板に対応する基板ボックスに収容されて構成されている。
第2制御基板ユニット202は、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314を具備している。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者によるハンドル18の操作に従い発射装置等の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。
上記払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313についても、それぞれに対応する基板ボックス315、316、317に収容されて構成されている。但し、発射制御装置312(基板ボックス316)は、電源装置313(基板ボックス317)の裏側に配置されている。また、払出制御装置311が収容される基板ボックス315には、前述した主制御装置261と同様に封印ユニットが設けられ、基板ボックス315の開封した痕跡が残るようになっている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技場の営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部354を有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、前述のサブ制御装置262及び主制御装置261の一部も合わせて囲む構成となっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図6では右上部)には外部中継端子板240が設けられており、外部中継端子板240に設けられた各出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して遊技状態等に関する信号が出力される構成となっている。
また、払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。また、ケースレール357の最下流部には、払出モータや払出(球)検出スイッチ等を備える払出装置358が設けられており、賞球や貸球の発生に対応した数分の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は上記上皿19等に供給される。また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するバイブレータ360が取り付けられており、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりの解消が図られる。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
尚、本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14及び裏パックユニット203は内枠12に対し施錠される。これらの施錠機構は単一の施錠装置600によって具現化されており、内枠12の右側辺部(図6左側)に沿って取付けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方側に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方側に回動操作することで前面枠セット14及び裏パックユニット203を解錠できるようになっている。尚、裏パックユニット203の施錠機構を省略することとしてもよい。
さて、本実施形態では、入球手段としての第1契機対応ユニット33の上方において通過規制手段としての通過規制役物401が設けられている(図5参照)。以下、通過規制役物401について図面を参照しつつ説明する。尚、図8は遊技盤30に取付けられた通過規制役物401を示す正面図である。図9は通過規制役物401の斜視図であり、図10は遊技盤30に取付けられた通過規制役物401の模式断面図である。図11は通過規制役物401の背面図である。尚、図10では、便宜上、規制突起403のハッチングを省略するとともに、遊技領域に配置される釘等の各種役物や遊技盤30の背面側の構成等の図示を省略する。
図9、図10等に示すように、通過規制役物401は、透明な樹脂素材により一体的に形成され、遊技盤30に固定される役物本体402(本体部)と、磁場の中におかれたときだけ磁石としての性質を持つ純鉄、軟鉄、ケイ素鋼、ソフトフェライト等の軟磁性体によって構成され、役物本体402に対してスライド可能に設けられる可動部材としての規制突起403とを備えている。役物本体402は、略鉛直方向に沿って延びる遊技盤30の前面に対して当接状態で固定される平板状の基部405と、該基部405の背面から(遊技盤30に形成された挿通孔431を介して)後方に延び、内側に規制突起403が挿通される四角筒状の収容部406とを備えている。
図10(a)、図11等に示すように、収容部406は、基部405の背面と直交する方向(基部405の背面と直交する方向)に延びる上壁部411と、上壁部411の左右側縁部から下方に延びる左側壁部412及び右側壁部413と、左右側壁部412、413の下縁部間を連結する下壁部414とを備えている。左右側壁部412、413の内面は、互いに平行している上、鉛直方向に延びている。また、図9、図10(b)等に示すように、左右側壁部412、413には、相対向して一対のガイド孔416が形成されている。ガイド孔416は基部405の背面に直交する方向に延びる長孔として構成される。また、図10に示すように、本実施形態では、下壁部414は収容部406の前端部付近にしか形成されておらず、収容部406のうち下壁部414よりも後方の部位は下方に開口している。
図9等に示すように、基部405には、収容部406に挿通された規制突起403を前方に突出可能とするべく、収容部406(収容部406の内側に形成される中空部)に対応して前後に貫通する開口部421が形成されている。また、基部405には、開口部421の左右2箇所にねじ孔422が形成されている。さらに、図11に示すように、基部405の背面には、収容部406の上方及び左側のねじ孔422の左方(図11では右側のねじ孔422の右方)において、後方に突出する位置決め突起423が形成されている。
そして、図10(a)に示すように、第1契機対応ユニット33の上方位置において遊技盤30に予め形成されている挿通孔431に対し、遊技盤30の前方から収容部406を挿通し、基部405の背面を遊技盤30の前面に当接させる。このとき、位置決め突起423を遊技盤30前面に予め形成されている留め穴432に嵌め込んで位置決めする。それから、図8に示すように、ねじ孔422にねじ433を螺着する。以上のようにして、通過規制役物401が遊技盤30に取付けられる。また、通過規制役物401の取付状態においては、ガイド孔416は遊技盤30前面に直交する方向(すなわち略水平方向)に沿って延びている。尚、ねじ孔422は後方に向けて先細るテーパ状になっており、通過規制役物401の取付状態においては、ねじ孔422に螺着されたねじ433(皿ねじ)の頭部が基部405の前面と略面一となる。
また、基部405の周縁部は、前面側が面取り加工されることで、外周方向に向けて後方傾斜する傾斜面となっている。これにより、遊技盤30の前方に突設される基部405の周縁部に遊技球が接触することに起因して遊技球の流下経路が大きく変更されてしまうといったおそれを抑制することができ、遊技盤30に沿って流下してきた遊技球をスムースに基部405前方の遊技領域へと案内することができる。
尚、図8に示すように、一般に第1契機対応ユニット33の上方には左右一対の釘(いわゆる命釘441、442)が配設され、当該一対の命釘441、442の間を通過した遊技球が第1契機対応ユニット33へと入球する構成となっている。ちなみに、各命釘441、442と第1契機対応ユニット33との間の距離は遊技球の直径よりも小さくなっている。
本実施形態では、一対の命釘441、442と第1契機対応ユニット33とで囲まれる領域に収容部406を挿通可能な挿通孔431が形成されている。従って、第1契機対応ユニット33(入球口33a)に入球する遊技球は、規制突起403に対して必ず上方から近付くこととなる。本実施形態では、命釘441、442(命釘441、442及び入球口33aの上端部)により、規制突起403前方の遊技領域における遊技球の移動方向が略鉛直方向に限定されることから、命釘441、442(命釘441、442及び入球口33aの上端部)が進路限定手段を構成する。
また、図9に示すように、基部405には、命釘441、442の配設位置に対応して釘孔424が形成されており、釘孔424を命釘441、442に挿通させるとともに、遊技盤30に形成された挿通孔431に収容部406を挿通させ、基部405を遊技盤30の前面に当接させた状態で、ねじ433により通過規制役物401を遊技盤30に固定する。尚、本実施形態の第1契機対応ユニット33は、上下に並ぶ2つの入球口33a,33bを備えているが、通過規制役物401は、第2契機対応口34の通過を契機とする抽選で当選した場合に一対の羽根部材443が開いて入球可能となる下側の入球口33bではなく、常時入球可能な上側の入球口33aに対応して設けられている(図8参照)。
図10等に示すように、規制突起403は、略長板状の突起本体451と、突起本体451の両側面から突出する一対のガイド突起452とを備え、軟磁性体により一体的に形成されている。一対のガイド突起452は、左右側壁部412、413に形成されたガイド孔416にそれぞれ挿通されている。これにより、規制突起403はガイド孔416に沿ってスライド可能となっている。尚、収容部406の内側に形成される中空部の上下幅は、規制突起403の上下幅とほぼ同じであり、規制突起403と上壁部411及び下壁部414との間にはほとんど隙間がない。
さて、図9(b)、図10(a)等に示すように、規制突起403には、前端部上側がL字状に切り欠かれるようにして段差部461が形成されている。段差部461は、規制突起403の上辺部の前端部から下方に向けて略鉛直方向に沿って延びる縦辺部462(縦面部)と、縦辺部462の下端部から前方に向けて略水平方向に沿って延びる横辺部463(横面部)とから構成されている。以下、規制突起403の上辺部と縦辺部462の上端部との境界部を第1角状部465と称し、横辺部463の前端部と規制突起403の前辺部との境界部を第2角状部466と称する。本実施形態では、第1角状部465が引導部に相当し、第2角状部466が支持部に相当する。
縦辺部462及び横辺部463は、それぞれ遊技球の半径と同じ長さとなっている。さらに、規制突起403が最も前方に突出した状態(図10(b)参照)においては、第1角状部465とガラスユニット137との距離が、遊技球の直径以下、かつ、遊技球の半径よりも長くなっている。つまり、規制突起403は、第2角状部466とガラスユニット137との距離が遊技球の半径以下となるまで、第2角状部466とガラスユニット137とが接触しない程度に前方へと突出可能に構成されている。
ちなみに、透明部材としてのガラスユニット137は、窓部101の形状にほぼ対応して略円形状をなし、遊技盤30の前面と略平行して延びる前後一対の板ガラス137a、137bと、板ガラス137a、137bの周縁を囲むようにして設けられた保持フレーム137cとを備えている(図10(a)参照)。板ガラス137a、137bは、保持フレーム137cによって、板ガラス137a、137b間に所定の間隙が形成された状態で保持されている。保持フレーム137cは、複数箇所において外方に突出する取付部(図示略)を備え、当該取付部が前面枠セット14の背面側に設けられた被取付部(図示略)に取着されることで、ガラスユニット137が前面枠セット14に取付けられている。従って、規制突起403が最も前方に突出した状態においては、第1角状部465と板ガラス137bとの距離が遊技球の直径以下となり、第2角状部466と板ガラス137bとの距離が遊技球の半径以下となる。また、縦辺部462は板ガラス137bの背面と平行して延び、横辺部463は板ガラス137b背面に直交する方向に沿って延びている。
尚、上記のように、下壁部414を収容部406の前側のみに形成し、収容部406のうち下壁部414よりも後方の部位を下方に開口させることによって、収容部406の後下部において左右側壁部412、413を互いに離間させるようにして若干押し広げつつ、規制突起403を収容部406に挿通して(ガイド突起452をガイド孔416に挿通して)組付けることができる。このため、例えば、左右側壁部412、413が別パーツとして構成され、規制突起403を挟み込むようにして両側壁部412、413を取付固定するといった構成に比べ、作業性の向上、コストの削減等が図られる。
さらに、図10、図11に示すように、左右側壁部412、413の内面には、ストッパー部417よりも若干前方において上下方向に延びる段差部418が形成されており、段差部418よりも前側の部位が後側の部位よりも収容部406の内側に向けて1段高くなっている。このため、収容部406のうち段差部418よりも前側の部位においては、両側壁部412、413間の距離、すなわち、収容部406の内側に形成される空間の横幅が狭く、収容部406に挿通される規制突起403と両側壁部412、413との間に形成される隙間も小さくなっている。従って、ガイド孔416からガイド突起452が脱落してしまうといったおそれを防止できる上、規制突起403の左右方向への傾動(がたつき)を規制することができる。
その一方で、収容部406のうち段差部418よりも後側の部位においては、両側壁部412、413間の距離、すなわち、収容部406の内側に形成される空間の横幅が広くなっている。例えば、左右側壁部412、413間の距離が小さい場合には、規制突起403を役物本体402に組付ける際に、左右側壁部412、413を比較的大きく押し広げる(変形させる)必要が生じてしまい、これに起因する不具合(作業性の低下、収容部406の破損等)を招くおそれがある。この点、本実施形態では、収容部406のうち段差部418よりも後側の部位においては、両側壁部412、413間の距離が大きくなっていることから、組付けに際して両側壁部412、413を押し広げる量を小さくすることができる。しかも、当該部位の各側壁部412、413は薄肉であることから、比較的容易に押し広げることができる。従って、組付作業性の向上等を図ることができる。
また、左右側壁部412、413の内面には、ガイド孔416の後縁部から後方に向けて延びる案内溝419が形成されている。そして、規制突起403の役物本体402への組付けに際しては、ガイド突起452を案内溝419の内側に沿わせて規制突起403を前方へと押し込むだけで、ガイド突起452が案内溝419に案内されてスムースにガイド孔416へと挿通される。さらに、案内溝419の形成部位においては、左右側壁部412、413間の距離がより広くなっているため、左右側壁部412、413の押し広げ量をより小さくすることができる。結果として、案内溝419の存在により、組付け作業性を一層向上させることができる。
次に、規制突起403の動作について図面を参照しつつ説明する。図9(a)は規制突起403が遊技領域に突出していないときの通過規制役物401を示し、図9(b)は規制突起403が遊技領域に突出したときの通過規制役物401を示す斜視図である。図10(a)は規制突起403が遊技領域に突出していないときの通過規制役物401を示し、図10(b)は規制突起403が、直上方に位置する磁化された遊技球に引き付けられて遊技領域に突出したときの通過規制役物401を示し、図10(c)は規制突起403の第2角状部466と磁化された遊技球とが当接したときの通過規制役物401を示す模式断面図である。
遊技が行われる通常の状態においては、図9(a)、図10(a)に示すように、ガイド突起452がガイド孔416の後縁部に当接しており、規制突起403によって遊技球の流下が阻害されないように、規制突起403の前端部が基部405の前面よりも後方に位置している。本実施形態では、基部405前方の遊技領域に突出していない規制突起403の状態が第2の状態に相当する。
さて、遊技球は鉄製であるため、図10(b)に示すように、ガラスユニット137(前側の板ガラス137a)の前面に強力な磁力を有する磁石Mがあてがわれる(近付けられる)と、遊技領域を流下する遊技球がガラスユニット137越しに磁石Mに引き付けられて、後側の板ガラス137bの背面に当接状態とされる。このように磁石Mに引き付けられた遊技球は、板ガラス137aに沿って動かされる磁石Mに誘導されて、板ガラス137bの背面に摺接しながら遊技領域を移動することとなる。
また、遊技球を第1契機対応ユニット33(入球口33a)へと入球させるためには、一対の命釘441、442間において遊技球を下方に移動させなければいけない。従って、第1契機対応ユニット33(入球口33a)への不正入球を企む不正行為者は、まず、磁石Mを動かして、遊技球を一対の命釘441、442の上方へと誘導することとなる。
ところで、磁石Mに引き付けられている遊技球は磁化されているため、当該磁化された遊技球が一対の命釘441、442間の領域(通過規制手段401)に近付くと、軟磁性体である規制突起403がかかる遊技球に引き付けられ、図9(b)に示すように、基部405の前方に突出する。より詳しくは、図9(a)、図10(a)の状態(第2の状態)にある規制突起403は、磁化された遊技球が規制突起403の前方に位置するまでその状態を保っているわけではなく、磁化された遊技球が規制突起403の上方に接近してくる段階で前方に突出し始める。
上記のように、本実施形態では、第1角状部465とガラスユニット137との距離が遊技球の直径以下となるまで、規制突起403が略水平方向に沿って前方に突出可能である上、縦辺部462及び横辺部463の長さがそれぞれ遊技球の半径と同じ長さに構成され、第2角状部466が第1角状部465よりも下方に位置している。このため、第2角状部466は前記磁化された遊技球に対してある程度まで近付くと、第1角状部465程には遊技球に近付くことができなくなり、それ以降は、第1角状部465が遊技球に近付くようにして規制突起403が変位(突出)することとなる。従って、磁化された遊技球に引き付けられて前方に突出する規制突起403は、図10(b)の実線で示すように、磁化された遊技球が規制突起403の直上方に位置する頃には、第1角状部465が当該遊技球に対して最も近接し得る部位となり、当該遊技球に対して第1角状部465が可能な限り近接した状態となるまで(ガイド突起452がガイド孔416の前縁部に当接するまで)前方に突出する。
尚、上記の通り規制突起403は軟磁性体により構成されるため、磁石が前方に近付けば、当該磁石に引き付けられて遊技領域に突出する。つまり、磁石Mの磁性の強さにもよるが、規制突起403は、磁石M(例えば永久磁石)に引き付けられた遊技球(当該遊技球は一時磁石となっている)が近付けられなくても、磁石Mが近付けられれば当該磁石Mに引き付けられて遊技領域に突出することとなる。また、本実施形態では、便宜上、規制突起403が磁石Mに引き付けられて磁化された遊技球に引き付けられると記載しているが、場合によっては、規制突起403が磁石M及び当該磁石Mに引き付けられて磁化された遊技球の両方に引き付けられる。
磁化された遊技球が、図10(b)の実線で示す位置からさらに下方の図10(b)の二点鎖線で示す位置へと移動すると、第1角状部465とガラスユニット137(板ガラス137b)との距離が遊技球の直径以下となっているため、磁化された遊技球と第1角状部465とが当接する。この時点で、遊技球の下方への移動が一応規制される。しかしながら、遊技球の第1角状部465との当接部位は、遊技球の下面(遊技球の表面のうち遊技球を鉛直方向において上下2つの半球に分ける中心線よりも下側の部位)ではあるものの、前後方向において遊技球の中心よりも後側(遊技盤30側)の部位となっている。このため、磁化された遊技球を第1角状部465に押付けると、第1角状部465には下方へと向かう力だけでなく、後方へと向かう力が作用する。従って、場合によっては、規制突起403が後方へと変位させられてしまい、磁化された遊技球が第1角状部465及びガラスユニット137(板ガラス137b)に摺接しつつ下方へと移動してしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態の規制突起403は、縦辺部462の下端部から前方に延びる横辺部463を備えている。このため、図10(c)に示すように、縦辺部462とガラスユニット137との間の距離を押し広げるようにして下方に移動する磁化された遊技球は、横辺部463に当接して支持されることとなる。
特に、縦辺部462が板ガラス137bと平行して上下方向に延び、横辺部463が板ガラス137bの背面と直交する方向に延び、横辺部463の長さが遊技球の半径と同じ長さであり、規制突起403が、第2角状部466とガラスユニット137との距離が遊技球の半径以下となるまで前方に突出可能であることから、第2角状部466が遊技球の最下点と当接することとなる。
尚、本実施形態では、第2角状部466とガラスユニット137との距離が遊技球の半径以下であるときの規制突起403の状態が第1の状態に相当する。加えて、遊技領域に突出した状態(第1の状態)にある規制突起403を後方に引っ込めて遊技領域に突出しない状態(第2の状態)とするためには、前面枠セット14を開放してから、後方に押し込む必要がある。
以上詳述したように、本実施形態では、第1契機対応ユニット33(入球口33a)の直上方において、遊技領域に出没可能な規制突起403を有する通過規制役物401が設けられている。規制突起403は軟磁性体により構成されているため、第1契機対応ユニット33(入球口33a)の上方に磁石Mによって磁化された遊技球が近付くと、規制突起403がかかる遊技球に引き付けられて遊技領域へと突出する。本実施形態では、規制突起403は、ガラスユニット137との間の距離が遊技球の直径以下となるまで遊技領域に突出することから、規制突起403の前方における遊技球の通過、すなわち、第1契機対応ユニット33への入球が規制される。結果として、磁石を用いて遊技球を第1契機対応ユニット33へと誘導し、入球させてしまうといった不正行為を防止することができる。
さらに、第1契機対応ユニット33への不正入球を未然に防止することができるため、不正入球に起因して遊技ホールに所定の不利益(賞球、場合によっては大当たり状態の発生)が生じてしまうといった事態を回避することができる。結果として、不正入球に基づくパチンコ機10の動作(賞球、大当たり状態等)を無効にする等といった措置を取らなくて済むため、上記不正行為発生後の対処を比較的スムースに行うことができる。尚、不正入球に基づくパチンコ機10の動作(賞球、大当たり状態等)を無効にしたり、遊技の続行を断ったりする場合、不正行為があったとして主張する遊技ホール関係者と、不正行為を行っていないとして主張する遊技者(不正行為者)との間にトラブルが発生してしまうおそれがある。さらに、いざ上記不正行為を立証するとなれば、警察への通報を行った上で、遊技ホールに設置されたビデオカメラの記録を確認したり、不正行為者の身体検査等を行って磁石を発見したりする必要がある。従って、かかる不正行為の確認に伴って多大な労力を要してしまい、その他の業務に支障をきたしてしまうおそれがある。この点、上記のように、第1契機対応ユニット33への不正入球を未然に防止することにより、上記不具合を回避することができるのである。
また、本実施形態によれば、規制突起403は、前端部上側に段差部461が形成されることで、板ガラス137bの背面に摺接しつつ当該規制突起403の上方に近接した磁化された遊技球に引き付けられて前方に突出したときに、磁化された遊技球に対して最も近接する部位である第1角状部465と、第1角状部465よりも前方に位置する第2角状部466とを備えている。これにより、規制突起403の直上方に位置する磁化された遊技球に対して第1角状部465が可能な限り近接するまで規制突起403が前方に突出したときには、横辺部463(第2角状部466)において磁化された遊技球の下面を受けて支持できる状態となっている。従って、磁化された遊技球の下面のうち遊技盤30側の部位と第1角状部465とが当接した状態から、磁化された遊技球を第1角状部465に押付けることで規制突起403を後方に変位させ、第1角状部465及び板ガラス137bに摺接させつつ下方に移動させたとしても、当該遊技球を横辺部463において確実に受け止めることができる。
さらに、本実施形態では、挿通孔431を命釘441、442の間に形成することで、磁石Mに誘導される遊技球が規制突起403に近付く方向を上方に絞っている。このため、磁化された遊技球の近付く方向によっては、第1角状部465が磁化された遊技球に最も近接し得る部位とならず、これに起因して、上記作用効果が奏されなくなってしまうといった事態を回避することができる。
その上、磁石Mにより、第1契機対応ユニット33(入球口33a)に向けて、一対の命釘441、442間を下方へと誘導される磁化された遊技球の最下点に対し、第2角状部466が当接することとなるため、磁化された遊技球によって当該遊技球を支持する第2角状部466を下方に押圧したとしても、第2角状部466には後方へと向かう力が作用することがない。従って、規制特記403が前方に突出したにもかかわらず、遊技球に押圧されることで後方へと変位させられ、磁化された遊技球の第1契機対応ユニット33への入球を許容してしまうといった事態を防止することができる。結果として、磁石を用いて遊技球を第1契機対応ユニット33へと誘導し、入球させてしまうといった不正行為をより確実に防止することができる。加えて、遊技領域に突出した規制突起403を視認することで、磁石を用いて遊技球を誘導するといった不正が行われたことを把握することができる。
また、縦辺部462が板ガラス137bの延在方向に沿って延び、横辺部463が板ガラス137bの背面と直交する方向に延びることにより、第2角状部466が磁化された遊技球に当接した状態においては、規制突起403の第2角状部466以外の部位が、磁化された遊技球の下面に当接することがない。このため、第2角状部466が磁化された遊技球に当接した状態において、磁化された遊技球を規制突起403に上方から押付けることで、規制突起403に対して後方へと向かう力が作用してしまうといった事態を回避することができる。結果として、規制突起403が後方に変位してしまい、第2角状部466が磁化された遊技球の最下点を支持できなくなってしまうといった事態を回避することができる。
尚、第2角状部466が遊技球の最下点と当接したときには、第1角状部465が遊技球のうち最も遊技盤30側に位置する部位(遊技球を上下2つの半球に分ける中心線上の部位)と当接するが、もちろん、磁石Mを下方に動かすことで磁化された遊技球を規制突起403に押付けても、第1角状部465には規制突起403を後方へと動かすような力は作用しない。
加えて、規制突起403が軟磁性体により一体的に形成され、役物本体402が樹脂により一体的に形成されていることから、例えば、規制突起403や役物本体402を複数のパーツから構成する場合に比べ、製造作業性の向上等を図ることができる。また、例えば、規制突起403の前端部が非磁性体より構成される場合に比べ、規制突起403に接近する磁化された遊技球がより上方に位置している段階で規制突起403が突出し始めることができる。このため、磁化された遊技球が規制突起403の前方を通過する前に(磁化された遊技球の最下部が第2角状部466よりも下方に位置する前に)、より確実に規制突起403を第2角状部466とガラスユニット137との距離が遊技球の半径以下となるまで前方に突出させることができる。
また、本実施形態の構成以外にも、遊技領域に突出していない状態における規制突起403の前方へのスライドは許容するが、第2角状部466と磁化された遊技球とが当接した状態における規制突起403の後方へのスライドは規制するといった構成を実現することは可能である。例えば、磁気センサ、ソレノイド、及びこれらと制御装置(主制御装置261等)とを接続する配線等を設け、磁気センサの検出に基づいてソレノイドのプランジャーを突出させて、磁化された遊技球に引き付けられて突出した規制突起403の後辺部を支持し、規制突起403の後方への移動を規制することも考えられる。しかしながら、この場合、著しい構成の複雑化を招くおそれがある。また、例えば、収容部406の内側に出没可能な規制部材と、規制部材に対して収容部406の内側に突出する方向に力を加えるばねとを設け、引っ込んだ状態(第2の状態)の規制突起403の側面に対して規制部材の突出方向先端部を当接させておき、規制突起403が磁化された遊技球に引き付けられて突出すると(第1の状態となると)規制部材が収容部406の内側に突出し、規制突起403の後辺部を支持するといった構成も考えられる。しかしながら、この場合、規制部材から受ける応力により規制突起403の突出が阻害されてしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態では、規制突起403の前側上端部に段差部461を形成するだけで、規制突起403の後方へのスライドを防止できるため、別途ソレノイド等の駆動手段、駆動手段を制御装置に接続するための配線を設けたり、駆動手段を駆動させる制御処理等を設定したりする必要がなく、構成の複雑化やコストの増大等を防止することができる。さらに、規制突起403の前方へのスライドを阻害するような部材はなく、規制突起403をスムースに突出させることができる。また、磁石を用いた不正行為への対策として磁気センサを採用する場合に比べ、コストの削減を図ることができる上、磁気センサと制御装置との間を接続する配線が切断されたり、磁気センサの反応値の設定が上手く行われていなかったりした場合に機能しなくなってしまうといった事態を回避することができる。
加えて、一対の板ガラス137a、137bがユニット化されて(ガラスユニット137として)前面枠セット14に取付けられるため、板ガラス137bのがたつき(前後方向へのずれ)等を防止することができる。これにより、後側の板ガラス137bと遊技盤30との距離、すなわち遊技領域の前後幅に製造誤差が生じてしまい、通過規制役物401が上手く機能しなくなってしまうといった事態を抑制することができる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、通常処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、特別表示装置43、普通図柄表示装置41、その他図示しないスイッチ等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43および普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置43にて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43の表示に合わせた表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358(払出モータ)を駆動制御し、賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。また、作業エリアには、払出すべき遊技球の球数を記憶する払出個数記憶エリアが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358(払出モータ、払出検出スイッチ)がそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射装置70による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置70は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射装置70が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行なう。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、縦辺部462及び横辺部463がともに遊技球の半径と同じ長さに構成されているが、規制突起403によって磁化された遊技球の下面のうち、最下点、又は、最下点よりも前方の部位を支持できるようになっていればよい。つまり、上記実施形態のように、縦辺部462が板ガラス137bの延在方向である略鉛直方向に沿って延び、横辺部463が板ガラス137bの背面と直交する方向である略水平方向に沿って延びる場合には、横辺部463の長さが遊技球の半径以上となっていればよい。また、縦辺部462は横辺部463と長さが異なっていてもよい。但し、上方に近接する磁化された遊技球に対し、第1角状部465を第2角状部466よりも確実に近接させるためには、縦辺部462の長さを横辺部463の長さ以上とし、横辺部463の長さを遊技球の直径以下とすることが望ましい。また、縦辺部462を長くしすぎた場合には、通過規制役物401の大型化を招くおそれがあるため、縦辺部462の長さは遊技球の直径以下とするのが望ましく、横辺部463の長さと同程度とするのがより望ましい。
さらに、規制突起403が最も前方に突出した状態において、第1角状部465とガラスユニット137との距離が遊技球の直径以上あり、磁化された遊技球が第1角状部465に当接しない構成としてもよい。但し、第2角状部466とガラスユニット137との距離は遊技球の半径以下とする。
また、上記実施形態では、第1角状部465と第2角状部466との間の部位が、略鉛直方向に沿って延びる縦辺部462及び略水平方向に沿って延びる横辺部463により構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、図12に示すように、縦辺部462及び横辺部463の境界部付近を曲線状に構成したり、図13に示すように、第1角状部465と第2角状部466との間の部位を、両角状部465、466間を湾曲しつつ連結する円弧状の辺部により構成したりしてもよい。このような構成を採用する場合、第1角状部465と第2角状部466との境界部付近の強度を向上させることができる。但し、磁化された遊技球の最下点が第2角状部466に当接した状態において、規制突起403の第2角状部466以外の部位は、遊技球の下面のうち最下点よりも後側の部位には接触できない構成とするのが望ましい。この場合、第2角状部466が遊技球を支持した状態において、磁化された遊技球を規制突起403に上方から押付けることで、規制突起403に後方への応力が作用してしまうといった事態を回避することができる。
また、例えば、図14に示すように、横辺部463を前方に向けて上方傾斜させ、磁化された遊技球のうち、最下点よりも前方に位置する下面を支持する構成としてもよい。尚、図14では、第2角状部466よりも若干後方に位置する部位が磁化された遊技球に当接しており、当該当接部位が支持部に相当する。さらに、図15に示すように、縦辺部462を上方に向けて前方傾斜させてもよい。この場合、第1角状部465を規制突起403の直上方に位置する磁化された遊技球により近接させることができる。但し、第2角状部466において磁化された遊技球の下面のうち最下点又は最下点よりも前側の部位を支持できるように、縦辺部465の傾斜角度や横辺部466の長さ等を考慮する必要がある。また、図15では、略水平方向における第1角状部465と第2角状部466との距離が遊技球の半径よりも短い。このため、第1角状部465に当接した磁化された遊技球を無知やり下方に素早く移動させることで、第2角状部466と板ガラス137との距離が遊技球の半径以下となるまで規制突起401が前方に突出する前に、第2角状部466が磁化された遊技球の下面のうち最下点よりも後方に当接してしまうといった事態を防止するべく、略水平方向における第1角状部465と第2角状部466との距離を遊技球の半径以上としたり、縦辺部462の長さを長くしたりすることが望ましい。加えて、図16に示すように、横辺部463を遊技球の外周形状に沿って円弧状に構成してもよい。図14や図16のように、磁化された遊技球の下面のうち最下点よりも前側の部位に横辺部463(支持部)が当接する構成の場合、当該当接状態において、さらに、磁化された遊技球の下面のうち最下点よりも後側の部位に規制突起403が当接し、規制突起403に対して後方へと向かう力が作用する場合であっても、かかる後方へと向かう力を打ち消す方向に力が作用するため、規制突起403の後方への移動を抑止することができる。
(b)上記実施形態では、規制突起403が前後にスライドするだけであったが、規制突起403が遊技領域に突出し、第1角状部465とガラスユニット137との距離が遊技球の直径以下(第2角状部466とガラスユニット137との距離が遊技球の半径以下)となった状態において傾動可能に構成してもよい。以下、当該構成を採用した通過規制役物701について、変更点を中心に図17を参照しつつ説明する。尚、図17の通過規制役物701についても、上記実施形態の通過規制役物401と同様に、遊技盤30の前面に当接状態で固定される基部705及び基部705から後方に延びる筒状の収容部706を具備する役物本体702と、収容部706に挿通される規制突起703とを備える。また、規制突起703の前側上端部には、上記実施形態の通過規制役物401と同様に、縦辺部762と横辺部763とから構成される段差部761が形成されており、段差部761の上側の角状部が第1角状部765を構成し、段差部761の下側の角状部が第2角状部766を構成する。
図17に示すように、規制突起703の両側面にそれぞれ形成されたガイド突起752を、それぞれ同径の円柱状とした上で、両者の軸心が同一線上に延びるように配置する。これにより、規制突起703がガイド突起752を軸心に回動可能となる。
また、収容部706の両側壁部712に形成されたガイド孔716は、前方に向けて上方傾斜する(例えば基部705の背面と直交する方向に対して10度程度)長孔として構成されている。これにより、前端部が基部705の前面よりも後方に位置する状態(第2の状態)にある規制突起703に対し、磁化された遊技球が上方に近接すると、規制突起703は前方に向けて斜め上方にスライドすることとなる。
加えて、ガイド突起752は、規制突起703の長手方向中間位置よりも後側に形成されており、規制突起703の重心は、ガイド突起752よりも前側に位置している。従って、一対のガイド突起752を軸支すると、規制突起703は前端部が下方に向かうようにして傾動することとなる。さらに、規制突起703は、後端部から前端部に向けて、長手方向中間位置よりも若干前側の部位までは上辺部と下辺部とが略平行して延びているが、かかる部位よりも前方の部位においては、下辺部が上辺部から離間するようにして下方傾斜しており、上下幅が大きくなっている。また、前端部が基部705の前面よりも後方に位置する状態(第2の状態)にある規制突起703は、下辺部の前側が収容部706の下壁部714の上面に当接しており、前方に向けて上方傾斜した姿勢をとっている。尚、規制突起703が図17の時計回りに回転しようとしても、第1角状部765が収容部706の上壁部711に当接し、かかる回動が規制される。また、上壁部711の前端部や開口部721の上縁部は、規制突起703の突出を阻害しないように面取り加工されている。また、収容部706の上壁部711には、下方に突出するストッパー部717が設けられている。
尚、図12(b)、図13(b)の状態(遊技領域に突出した規制突起403が前方に向けて上方傾斜している状態)から磁石Mを遠ざけて規制突起403を自由にした場合であっても、規制突起403は、重心がガイド突起452よりも前側に位置しているため、自重により自然と前端部が下方に向かうようにして傾動する。尚、磁石M(当該磁石Mに引き付けられた遊技球)をいかなる方向に動かしたとしても、規制突起403を後側に変位させることは不可能であり、磁石Mを規制突起403から遠ざける方向によらず、規制突起403は自重により前側に傾動することとなる。遊技領域に突出した状態(第1の状態)にある規制突起403を後方に引っ込めて遊技領域に突出しない状態(第2の状態)とするためには、前面枠セット14を開放し、前方に向けて下方傾斜した姿勢(第1の位置)にある規制突起403を前方に向けて上方傾斜する姿勢(第2の位置)としてから、後方に押し込む必要がある。
さて、図17(b)に示すように、前側の板ガラス137aにあてがわれた磁石Mに引き付けられて磁化された遊技球が、板ガラス137bの背面に摺接しつつ規制突起703の上方に近付くと、規制突起703がかかる遊技球に引き付けられ、収容部706に対応して基部705に形成された開口部721の上縁部に摺接しつつ、前斜め上方にスライドする。ガイド突起752がガイド孔716の前縁部に当接するまで規制突起703が基部705の前方に突出すると、規制突起703の第1角状部765とガラスユニット137(板ガラス137b)との距離が遊技球の直径以下となり、第2角状部766とガラスユニット137との距離が遊技球の半径以下となる。このように、第2角状部766とガラスユニット137との距離が遊技球の半径以下となった規制突起703の状態が第1の状態に相当する。
また、規制突起703の上方に位置する磁化された遊技球に引き付けられて突出したときの規制突起703は、前方に向けて上方傾斜した姿勢(第1の姿勢)をとる。尚、この状態においては、ガイド突起752が下壁部714の上方に位置し、かつ、規制突起703と下壁部714とが離間し、かつ、後端部がストッパー部717よりも若干前方に位置しているため、規制突起703は、前端部が下方に向かう方向に回動可能となっている。
図17(b)の状態から磁石Mを下方に動かすと、磁石Mに誘導される遊技球によって規制突起703の前端部が下方に押され、規制突起703はガイド突起752を軸心にして前端部が下方に傾動する。そして、図17(c)に示すように、規制突起703は、下辺部が開口部721の下縁部に当接して支持されるとともに、上辺部の後端部がストッパー部717近傍の上壁部711に当接して支持され、前方に若干下方傾斜した姿勢となって静止する。
この状態においては、縦辺部762が略鉛直方向に沿って延び、横辺部763が略水平方向に沿って延びている。また、第2角状部766とガラスユニット137との距離が遊技球の半径以下となる上、横辺部763は遊技球の半径と同じ長さであることから、第2角状部766が磁化された遊技球の最下点に当接する。
さらに、上記のように前方に突出した規制突起703が前方に向けて下方傾斜した姿勢となると、規制突起703の後辺部とストッパー部717の前面とが対向し、かつ、略当接した状態となる。このように、規制突起703の後辺部とストッパー部717とが前後に重なると、規制突起703を後方に押したとしても、規制突起703の後辺部がストッパー部717の前面に当接して支持され、規制突起703の後方への移動が規制される。尚、規制突起703の後辺部とストッパー部717の前面とが当接した状態においても、規制突起703とガラスユニット137との距離は遊技球の直径以下となっている。
以上のような構成を採用した場合にも、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。また、遊技領域に突出していない状態の規制突起703は、ガイド孔716と下壁部714とに支持されて、前方に向けて上方傾斜した姿勢とされる。さらに、ガイド孔716が前方に向けて上方傾斜している。これらの構成により、規制突起703は、斜め上方にスライドしなければ前方に突出することができない。従って、遊技球を磁石Mに引き付けて誘導するといった不正行為が発生していないのにもかかわらず、パチンコ機10の振動等に起因して規制突起403が遊技領域に突出してしまうといった事態を防止することができる。このため、規制突起703により遊技球の流下が阻害され、善意の遊技者に不利益が生じてしまうといった事態を回避することができる。
さらに、磁化された遊技球に引き付けられて遊技領域に突出した規制突起703は、磁化された遊技球に上方から押圧されると、前端部が下方に向けて傾動する。従って、例えば、規制突起703が同じ姿勢を保持したまま前後にスライドするだけの構成の場合、前方に向けて上方傾斜する規制突起703の前端部を下方に押圧することで、規制突起703に対して後方へと向かう力が作用してしまい、規制突起703が後方に変位してしまうおそれがあるが、かかるおそれを防止することができる。
加えて、規制突起703の重心は、ガイド突起752よりも前側に位置しているため、磁化された遊技球に引き付けられて遊技領域に突出した規制突起703は、磁石Mが遠ざけられて自由になったとしても、前方に向けて下方傾斜した姿勢をとる。つまり、磁化された遊技球に引き付けられて遊技領域に突出した規制突起703は、外力を加えなければ後方に引っ込むことはない。従って、規制突起703を視認することで、磁石を使用した不正行為の有無を確実に把握することができる。
また、規制突起703を斜め上方に向けて突出可能とすることで、上方から近付く磁化された遊技球に対し、規制突起703を比較的スムースに突出させることができる。さらに、規制突起703の突出方向が斜め上方であることにより、例えば規制突起703が水平方向に突出する場合に比べ、上方から近付く遊技球に対してより早い段階で(より上方に位置している段階で)、遊技領域に突出し始めることができる。このため、磁石に誘導されて命釘441、442間を移動する遊技球が規制突起703の前方を通過する前に、規制突起703をガラスユニット137との距離が遊技球の直径以下(第1の状態)となるまでより確実に突出させることができる。
尚、上記実施形態のように、規制突起403が前後にスライドするだけの構成の場合であっても、「前端部が基部405の前面よりも後方に位置する状態にある規制突起403の姿勢を前方に向けて上方傾斜した姿勢にするとともに、前方に突出する際には、前方に向けて斜め上方にスライドする」といった構成を採用してもよい。つまり、前方に上方傾斜する規制突起403の傾きがそれ程大きくなければ、規制突起403の前端部(第1角状部465や第2角状部466)を下方に押したとしても、基本的に規制突起403を、ガイド突起452を軸心に回動させるような力となるだけであり、規制突起403と収容部406との間に働く摩擦力や、磁化された遊技球に引き付けられる力等により、規制突起403の後方への移動が規制される。また、第1角状部465が第2角状部466よりも磁化された遊技球に対してより確実に近接位置をとり得るように構成するといった観点からしても、傾きは小さい方が望ましい。
また、ストッパー部717の存在により、磁化された遊技球を上方から規制突起703に押付けることで当該規制突起703が後方に変位してしまうといった事態をより確実に防止することができる。尚、規制突起703の先端部に形成された段差部761によって、規制突起703の後方への変位を規制することができることから、ストッパー部717を省略することも可能である。
(c)上記実施形態では、通過規制役物401が第1契機対応ユニット33(入球口33a)に対応して設けられているが、通過規制役物401の設置位置は特に限定されるものではなく、例えば、その他の入球手段(一般入賞口31、第2契機対応口34、可変入賞装置32等の入球手段)に対応して設けたり、センターフレーム47の入球口151に対応して設けたりしてもよい。もちろん、規制突起403が対応する入球手段の近傍に出没する構成でなくても、発射装置70によって発射された遊技球が入球手段へと至る流下経路上に規制突起403を配置することで、入球手段への不正入球を防止することも可能である。また、例えば、内外レール構成部51,52の並行部分(案内通路)の終端部付近(戻り球防止部材53近傍)に規制突起403を出没させる場合、案内通路において磁石に引き付けられた遊技球が、内レール構成部51内側の遊技領域へと流入してしまうといった事態を防止することができる。
また、上記実施形態では、規制突起403の前端部を収容部406の内側に収容可能に構成されているが、規制突起403を引っ込めた状態において、遊技球の第1契機対応ユニット33(入球口33a)への入球が許容される構成となっていればよく、例えば、規制突起403を引っ込めて最大限後方に変位させたとしても(規制突起403が第2の状態にあっても)規制突起403の前端部が遊技領域に突出するといった構成を採用してもよい。加えて、基部405を遊技盤30の前面から前方に突出しないように(遊技盤30に没入するように)、遊技盤30の前面に対して基部405の形状に対応する凹部を形成してもよい。
尚、上記実施形態では、挿通孔431が一対の命釘441、442と入球口33aとで囲まれる領域に形成されているため、命釘441、442(命釘441、442及び入球口33aの上端部)によって進路限定手段が構成されている。このように、遊技盤30前面に設けられた釘や役物を利用して進路限定手段を構成してもよいし、例えば、規制突起403の側方において基部405から前方に突出する壁部によって進路限定手段を構成してもよい。また、進路限定手段はなくてもよく、規制突起403に対して多方向から遊技球が近付き得る構成を採用してもよい。
(d)役物本体402及び規制突起403の形状や大きさ等は特に限定されるものではなく、磁石(磁石によって磁化された遊技球)が近付くことで、規制突起403が遊技領域に突出し、遊技球の移動を規制できる構成となっていればよい。
例えば、上記実施形態では、役物本体402は樹脂により一体的に構成されているが、収容部406の左右側壁部412、413を別パーツとして構成しておき、後で規制突起403を挟むようにして両者を固定(ねじ固定、係止機構、接着剤、熱溶着等)してもよい。
また、通過規制役物401と第1契機対応ユニット33(第1契機対応口33のうち遊技盤30の前面に当接固定される基部)とを一体的に形成してもよいし、通過規制役物401を第1契機対応ユニット33に取付固定してもよい。この場合、製造誤差(取付け位置のずれ)により、通過規制役物401と第1契機対応ユニット33との位置関係にずれが生じてしまうといったおそれを防止することができる。
さらに、上記実施形態では、通過規制役物401は収容部405の前端部に設けられた基部405が遊技盤30の前面に当接してねじ固定されているが、例えば、収容部406の前端部から遊技盤30の厚み程度後方に離れた部位から収容部406の外周方向に延びるようにして基部を設け、遊技盤30の背面側から収容部406の前側を挿通孔431に挿通し、基部の前面を遊技盤30の背面に当接させた状態でねじ固定してもよい。尚、遊技盤30の前面や背面に当接する基部(405)を省略し、遊技盤30に形成した挿通孔に収容部を嵌合させるだけで通過規制役物401を遊技盤30に取付けることも考えられるが、この場合、前後方向における通過規制役物401の位置決めができず、規制突起403の突出長にばらつきが生じるおそれがある。このため、遊技盤30の前面や背面に当接する基部(405)を設けることが望ましい。
また、規制突起403は全体が軟磁性体によって構成される必要はなく、規制突起403は、少なくとも一部が磁性体により構成され、磁石(磁石によって磁化された遊技球)が近付くことで、磁石に引き付けられて遊技領域に突出可能になっていればよい。尚、規制突起403の少なくとも一部を硬磁性体で構成することとしてもよい。但し、磁石を用いた不正行為が行われていないのにもかかわらず、遊技球が規制突起403に引き寄せられたり、規制突起403が遊技球につられて前方に突出したりすることがないように、極力磁性の弱い硬磁性体を採用したり、規制突起403全体を硬磁性体で構成するのではなく一部にとどめたり、硬磁性体をその他の素材(樹脂等)で覆ったりすることが望ましい。また、例えば、規制突起403を硬磁性体とその他の素材とで構成する場合には、硬磁性体の占める割合を小さくすることとしてもよい。また、役物本体402の素材についても特に限定されるものではなく、例えば磁性の弱い金属により構成してもよい。
加えて、規制突起403の突出方向についても特に限定されるものではなく、例えば、遊技盤30の前面と直交する方向に突出してもよいし、遊技盤30の前面と直交する方向に対して左右に傾いていてもよいし、遊技盤30の前面と平行して(左右方向に)突出してもよい。例えば、例えば、内外レール構成部51,52の並行部分(案内通路)の終端部付近(戻り球防止部材53近傍)において規制突起403を外レール構成部52から案内通路に突出させる場合には、第2角状部466が第1角状部465よりも案内通路先端側(戻り球防止部材53側)に位置し、磁化された遊技球に引き付けられて突出した(第1の状態にある)規制突起403の第2角状部466と内レール構成部51との距離が遊技球の半径以下となるように設定する。もちろん、磁化された遊技球の進行方向前側の面のうち、進行方向最先端部、又は当該最先端部よりも外レール構成部52側の部位に対し、第2角状部466を当接可能に構成する。但し、磁石を用いて遊技球を入球手段に誘導して入球させるといった不正行為の際には、ガラスユニット137の前面に磁石をあてがうことが予想されるため、規制突起403の突出をスムースなものとするべく、規制突起403は前方に突出する構成であることが望ましい。
また、上記実施形態では、遊技が行われる通常時においては、規制突起403が基部405の前面よりも後側に位置しているが、通常時において第1契機対応ユニット33への入球が許容されるのであれば規制突起403が遊技領域に突出していてもよい。例えば、規制突起を左右にスライド可能に構成し、通常時(第2の状態)は図8左側の命釘441と上下に並ぶように配置されているが、命釘441、442間に磁石が近付くと、規制突起が図8の右側にスライドして命釘441、442間に位置する(第1の状態)といった構成を採用してもよい。この場合、規制突起の右方上側に段差部が形成することで、上辺部の右端部に第1角状部を形成するとともに、第1角状部よりも右方に第2角状部を形成し、突出状態においては第2角状部と図8の右側の命釘442との距離が遊技球の直径以下となるように構成することが望ましい。
さらに、上記実施形態では、収容部406(左右側壁部412、413)にガイド孔416が形成され、規制突起403(突起本体451)にガイド突起452が形成されているが、収容部406にガイド突起を形成するとともに、規制突起403にガイド孔(長孔)を形成することとしてもよい。当該構成を採用する場合においても、規制突起403が磁化された遊技球に引き付けられて遊技領域に突出した状態(収容部406に形成されたガイド突起が規制突起403に形成されたガイド孔の後端縁に当接した状態)において、規制突起403の重心位置が、ガイド突起よりも前方に位置するようにしておくことで、磁石Mが遠ざかり、遊技領域に突出した規制突起403が自由になった場合に、自然と前端部が下方に向けて傾動する構成とすることができる。
(e)上記実施形態において、規制突起403が遊技領域に突出したこと(第2の状態から第1の状態へと変位したこと)を検知可能な検知手段を設け、前記検知手段の検知に基づいて、遊技を中断させたり、ランプや音声による報知を行ったり、ホールコンピュータへの通報を行ったりしてもよい。例えば、収容部406に対して発光部と受光部とを備えるフォトセンサを設け、規制突起403が収容部406に収容された状態(突出していない状態)においては、規制突起403によって発光部から受光部に至る光が遮られ、規制突起403が遊技領域に突出すると、発光部からの光が一対のガイド孔416を介して受光部で検知されるよう構成し、受光部が発光部からの光を検知した場合に、当該検知信号が主制御装置261に出力されるとともに、主制御装置261が前記検知信号に対応する信号を、外部中継端子板240を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に送信するといった構成を採用してもよい。当該構成を採用することで、不正行為への対処をより迅速に行うことができる。
(f)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機などとして実施してもよい。例えば、遊技盤に始動口及び可変入賞装置ユニットが設けられ、始動口へ遊技球が入球することに基づき可変入賞装置ユニットが一時的に開放状態とされ、この開放状態時において可変入賞装置の内部領域へ入球した遊技球が、当該可変入賞装置の内部領域に設けられた特定入球部に入球すると、特別遊技状態が発生して可変入賞装置ユニットの開閉が繰り返し行われ、多くの遊技球が入球可能となる遊技機においては、作動口、可変入賞装置の内部領域、特別入賞口等への不正入球を防止するべく、作動口、可変入賞装置の内部領域への入球を可能とする入球口、特別入賞口等に対応して規制突起403が出没可能に設けられることとしてもよい。
10…パチンコ機、11…外枠、12…内枠、14…前面枠セット、15…下皿、19…上皿、30…遊技盤、33…入球手段としての第1契機対応ユニット、137…透明部材としてのガラスユニット、261…主制御装置、311…払出制御装置、401…通過規制手段としての通過規制役物、402…役物本体、403…可動部材としての規制突起、405…基部、406…収容部、416…ガイド孔、452…ガイド突起、461…段差部、462…縦辺部、463…横辺部、465…引導部としての第1角状部、466…支持部としての第2角状部。