JP2018079014A - 石膏注入用治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】咬合印象法により印象採取を行った印象体を用い、容易に高精度な歯列模型を製作可能な石膏注入用治具を提供する。【解決手段】表面から裏面に貫通する配置用孔、及び該配置用孔内部に設けられた少なくとも一つ以上の支持棚、を具備する本体部と、前記表面及び前記裏面に当接させて前記配置用孔を閉じる略板状の2枚の蓋と、を有し、前記支持棚によって、印象採取後の印象体を支持した印象用トレーを、前記配置用孔内において中空に支持しつつ、前記配置用孔内に石膏を注入して歯列模型を製作するための石膏注入用治具。【選択図】図1
Description
本発明は、歯科治療に用いる歯列模型を容易かつ高精度に製作可能な石膏注入用治具に関する。
歯科治療では、特定の歯や該特定の歯を含む歯列にインレー(詰め物)やクラウン(被せもの)等の修復物を装着させて修復するケースが多い。当該修復物の製作は、患者の口腔を開けさせて、対象の歯と、対合歯と、における歯型(印象)を個別に採取した後、歯列模型を製作する必要があり、必要な処置(う蝕部の除去等)を施した後に印象用トレーと、歯型を採取させる印象体と、を用いて印象採取を行い、該印象に合わせて石膏を硬化させ、更に種々の調整及び仕上げを施して歯列模型を製作していた。
所が、開口状態のまま、対象の歯と対合歯(上顎と下顎)についてそれぞれ個別に印象採取を行うと、下顎骨の歪や修復物の試適時における歯の変位等によって製作した修復物が予定より高くなってしまい、当該修復物を装着した後にその高さを口腔内で調整するため、別途時間と手間が必要である。このため、対象の歯と対合歯を閉口状態で同時に印象採取可能な咬合印象法および咬合印象用トレーが提案されており、当該咬合印象法を用いることにより通常印象と比してより正確な修復物の製作が可能となっている。
しかしながら、咬合印象トレーの場合上顎歯列の印象を採取した側と、下顎歯列の印象を採取した側と、に対して順番に石膏を注入することになり、部分的に石膏の硬化に時間差が発生する。このため、当該石膏の硬化に伴う膨張で採取した印象が変形し、歯列模型の精度が低下してしまう問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みて、咬合印象法により印象採取を行った印象体を用い、上下印象に同時に石膏を注入し硬化させることによって容易に高精度な歯列模型を製作可能な石膏注入用治具を提供することを目的とする。
上記の課題を解決すべく、本発明は、
表面から裏面に貫通する配置用孔、及び該配置用孔内部に設けられた少なくとも一つ以上の支持棚、を具備する本体部と、
前記表面及び前記裏面に当接させて前記配置用孔を閉じる略板状の2枚の蓋と、
を有し、
前記支持棚によって、印象採取後の印象体を支持した印象用トレーを、前記配置用孔内において中空に支持しつつ、前記配置用孔内に石膏を注入して歯列模型を製作するための石膏注入用治具を提供する。
表面から裏面に貫通する配置用孔、及び該配置用孔内部に設けられた少なくとも一つ以上の支持棚、を具備する本体部と、
前記表面及び前記裏面に当接させて前記配置用孔を閉じる略板状の2枚の蓋と、
を有し、
前記支持棚によって、印象採取後の印象体を支持した印象用トレーを、前記配置用孔内において中空に支持しつつ、前記配置用孔内に石膏を注入して歯列模型を製作するための石膏注入用治具を提供する。
このような構成を有する本発明の石膏注入用治具では、本体部に歯列の印象採取を行った後の印象体及び該印象体を支持した印象用トレーを配置可能な配置用孔が設けられており、当該印象用トレーを配置用孔の所定の位置に対して中空に支持することができる。また、2枚の蓋を用いて配置用孔を本体部の表面及び裏面から閉鎖することで当該配置用孔の空間形状が限定され、当該空間形状のみに石膏を注入して充填することができる。また、本発明の石膏注入用治具は、上記のとおり印象用トレーを中空に支持して配置し、全体的に、表面及び裏面から略同時に石膏を注入することができるため、咬合印象法により歯列の印象採取を行った印象体及び該印象体を支持する印象用トレーを用いて歯列模型を製作する際には、上顎側と下顎側とにおける石膏の硬化時間に差が発生しないため、当該硬化時の膨張が偏らず、高精度な歯列模型を製作することができる。更に、上顎歯列と下顎歯列とにおける相互の位置合わせが不要なため、高精度での石膏硬化が可能で、種々の調整及び仕上げ作業を省略し、短時間で咬合器に設置することが可能である。
また、上記の本発明の石膏注入用治具においては、
前記配置用孔の正面視形状が、前記印象用トレーの正面視形状と略同形状であることが望ましい。
前記配置用孔の正面視形状が、前記印象用トレーの正面視形状と略同形状であることが望ましい。
このような構成を有する本発明の石膏注入用治具では、配置用孔の正面視形状と使用する印象用トレーの正面視形状とを略同形状とすることで、当該配置用孔の内部における所定の位置に印象用トレーを確実に配置することができる。また、石膏の注入時及び該石膏の硬化時に伴う膨張で印象用トレー及び印象体が移動することを防止することが可能となる。
また、上記の本発明の石膏注入用治具においては、
前記配置用孔の一部が前記本体部の表面及び裏面以外の面から外部と連通することが望ましい。
前記配置用孔の一部が前記本体部の表面及び裏面以外の面から外部と連通することが望ましい。
このような構成を有する本発明の石膏注入用治具では、印象用トレーの把持部を配置用孔から隔離することができ、当該把持部に対する石膏の付着を抑制可能となる。
また、上記の本発明の石膏注入用治具においては、
前記配置用孔が前記印象用トレーの把持部を支持する把持部棚を具備することが望ましい。
前記配置用孔が前記印象用トレーの把持部を支持する把持部棚を具備することが望ましい。
このような構成を有する本発明の石膏注入用治具では、把持部棚により把持部を支持することができ、印象用トレー全体を更に安定させることが可能となる。
また、上記の本発明の石膏注入用治具においては、
前記蓋が透明性を有する材料で形成されることが望ましい。
前記蓋が透明性を有する材料で形成されることが望ましい。
このような構成を有する本発明の石膏注入用治具では、使用者が配置用孔の内部を目視で確認しつつ石膏を注入できるため、石膏の充填状況を把握し、更に空隙の発生を防止することが可能となる。
以下、本発明に係る石膏注入用治具1の代表的な実施形態を、図1〜図7を参照しながら詳細に説明する。但し、本発明は図示されるものに限られるものではなく、各図面は本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために必要に応じて比や数を誇張又は簡略化して表している場合もある。更に、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
1.石膏注入用治具1の概要
図1を用いて本実施形態の石膏注入用治具1の概要を説明する。図1は本実施形態の石膏注入用治具1の概要を示す模式図である。本実施形態の石膏注入用治具1は、歯科治療に用いる歯列模型を製作するためのものであって、咬合印象法を用いて歯列の印象採取を行った印象体23と、該印象体23を支持する印象用トレー21と、を本石膏注入用治具1内部に配置して囲繞し、石膏27を所望の範囲に限定して注入及び硬化させることができる治具である。
図1を用いて本実施形態の石膏注入用治具1の概要を説明する。図1は本実施形態の石膏注入用治具1の概要を示す模式図である。本実施形態の石膏注入用治具1は、歯科治療に用いる歯列模型を製作するためのものであって、咬合印象法を用いて歯列の印象採取を行った印象体23と、該印象体23を支持する印象用トレー21と、を本石膏注入用治具1内部に配置して囲繞し、石膏27を所望の範囲に限定して注入及び硬化させることができる治具である。
2.石膏注入用治具1の構造
<部品構成>
図1に示すとおり、本実施形態の石膏注入用治具1は、概ね印象用トレー21及び印象体23を内部に配置する本体部3と、該本体部3の表面及び裏面に当接させる2枚の蓋5と、から構成されている。
<部品構成>
図1に示すとおり、本実施形態の石膏注入用治具1は、概ね印象用トレー21及び印象体23を内部に配置する本体部3と、該本体部3の表面及び裏面に当接させる2枚の蓋5と、から構成されている。
<本体部3>
次に、図2〜図4を用いて本体部3の構造を詳細に説明する。図2は、図1に示す本体部3の平面図であり、図3は、図2に示す矢視Aの側面図であり、図4は、図2に示す矢視Bの断面図である。図2に示すとおり、本体部3は、所定の硬度を有する金属や樹脂等を用いて形成された立方体である。当該本体部3には、対向する2面(表面15及び裏面17)を貫通する配置用孔7が備わっており、該配置用孔7に印象採取後の印象用トレー21及び印象体23を挿入して本体部3内部に配置することができる。
次に、図2〜図4を用いて本体部3の構造を詳細に説明する。図2は、図1に示す本体部3の平面図であり、図3は、図2に示す矢視Aの側面図であり、図4は、図2に示す矢視Bの断面図である。図2に示すとおり、本体部3は、所定の硬度を有する金属や樹脂等を用いて形成された立方体である。当該本体部3には、対向する2面(表面15及び裏面17)を貫通する配置用孔7が備わっており、該配置用孔7に印象採取後の印象用トレー21及び印象体23を挿入して本体部3内部に配置することができる。
また、配置用孔7の正面視形状は印象用トレー21の正面視形状と略同形状に形成しており、更に配置用孔7内部における側面には印象用トレー21を中空に支持するための支持棚9(特に図4参照)が備わっていることから、印象用トレー21を本体部3内で所定の場所に位置決めして配置することができる。これにより、石膏27の注入時及び該石膏27の硬化時に伴う膨張で印象用トレー21及び印象体23が移動することを好適に防止可能となる。
また、印象用トレー21を配置用孔7内部で中空に支持すること(即ち、周囲に接することなく支持すること)で、当該印象用トレー21の枠部(印象体23を支持するフレーム)における表面側と裏面側との双方に石膏注入スペースを確保することができるため、咬合印象法を用いて印象採取を行った印象用トレー21に対応することができる。更に、咬合印象法を用いて印象採取を行った印象用トレー21は、枠部の表面側及び裏面側に対して略同時に石膏27を注入することができるため、従来の様な表面側と裏面側とにおける石膏27の硬化時間の差による膨張の影響を好適に抑制することができる。
なお、本実施形態の石膏注入用治具1では、支持棚9を配置用孔7内部における略全周に配設しているが、例えば部分的に突起等を配設して同様の効果を得られるようにしたものであってもよい。
図3に示すとおり、配置用孔7は、印象用トレー21の把持部25が配置される部分を、本体部3の天面19側から外部に連通させており、当該部分には印象用トレー21の把持部25を支持するための略板状の把持部棚13を備えている。該把持部棚13によって、本体部3内部に印象用トレー21をより安定して固定することができる。
また、図5に示すとおり、配置用孔7は本体部3の裏面17から表面15に向かって拡幅する勾配が設けられており、当該勾配によって印象用トレー21を本体部3内部に容易に挿入及び抜去を行うことが可能となる。なお、使用する印象用トレーの形状等により上記勾配のない配置用孔7としてもよい。
<蓋5>
次に図6(a)及び(b)を用いて蓋5の構造を詳細に説明する。図6(a)及び(b)は、図1に示す蓋5の構造を説明する図であって、図6(a)は、蓋5の平面図であり、図6(b)は、蓋5の側面図である。図6(a)及び(b)に示すとおり、蓋5は透明性を有する樹脂を用いて形成された所定の厚さを有する略四角形の板である。上述したとおり、本実施形態の石膏注入用治具1は当該蓋5を2枚備えており、本体部3の表面15と裏面17とのそれぞれの面に当接させて該表面15及び裏面17に配設された配置用孔7の開口を閉鎖する。
次に図6(a)及び(b)を用いて蓋5の構造を詳細に説明する。図6(a)及び(b)は、図1に示す蓋5の構造を説明する図であって、図6(a)は、蓋5の平面図であり、図6(b)は、蓋5の側面図である。図6(a)及び(b)に示すとおり、蓋5は透明性を有する樹脂を用いて形成された所定の厚さを有する略四角形の板である。上述したとおり、本実施形態の石膏注入用治具1は当該蓋5を2枚備えており、本体部3の表面15と裏面17とのそれぞれの面に当接させて該表面15及び裏面17に配設された配置用孔7の開口を閉鎖する。
これにより、配置用孔7内に石膏27を注入した際、該石膏27を配置用孔7内部に留め、外部への漏出を防止することができる。また、上述のとおり蓋5は透明性を有するため、使用者は当該蓋5を本体部3の表面15及び裏面17に当接させた状態で配置用孔7内部を目視することができ、石膏27の注入時に充填状況を確認しつつ作業を行うことが可能になる。これにより、閉鎖された本体部3内部での作業でありながら確実な歯列模型製作を達成することができる。
また、当該蓋5の対向する一組の辺長は、もちろんこれに限定されるわけではないが、図2に示す高さH1(底面20と、該底面20から配置用孔7の略最遠位置と、の離間距離)と略同寸法とすることが好ましい。これにより、蓋5を本体部3の表面15及び裏面17に当接させた際、当該蓋5と、配置用孔7と把持部25の接続部近傍と、に隙間11を確保することができ、作業者は容易に石膏27を配置用孔7内部に注入することができる。なお、本実施形態の石膏注入用治具1では、上記の様に蓋5の寸法を規定した例を説明しているが、例えば蓋5の所定の位置に孔や切り欠きを設けて石膏27の注入口を形成したものであってもよい。
3.石膏注入用治具1を用いた歯列模型の製作手順
次に、図7(a)(b)(c)を用いて本実施形態の石膏注入用治具1を用いた歯列模型の製作手順を詳細に説明する。図7(a)(b)(c)は、本実施形態の石膏注入用治具1を用いた歯列模型の製作手順を説明する図であって、図7(a)は、配置用孔7内部に印象体23を把持した印象用トレー21を配置する手順を示す模式図であって、図7(b)は、本体部3の表面15及び裏面17に蓋5を当接する手順を示す模式図であって、図7(c)は、配置用孔7に石膏27を注入する手順を示す模式図である。
なお、当該説明では、咬合印象法により歯列の印象採取を行った印象体23及び印象用トレー21を用いて歯列模型を製作する例を代表して説明する。
次に、図7(a)(b)(c)を用いて本実施形態の石膏注入用治具1を用いた歯列模型の製作手順を詳細に説明する。図7(a)(b)(c)は、本実施形態の石膏注入用治具1を用いた歯列模型の製作手順を説明する図であって、図7(a)は、配置用孔7内部に印象体23を把持した印象用トレー21を配置する手順を示す模式図であって、図7(b)は、本体部3の表面15及び裏面17に蓋5を当接する手順を示す模式図であって、図7(c)は、配置用孔7に石膏27を注入する手順を示す模式図である。
なお、当該説明では、咬合印象法により歯列の印象採取を行った印象体23及び印象用トレー21を用いて歯列模型を製作する例を代表して説明する。
<印象体23を支持した印象用トレー21の配置>
図7(a)に示すとおり、印象体23を支持した印象用トレー21を配置用孔7内部に配置する。具体的には、例えば使用者は印象用トレー21の把持部25を把持した状態で、把持部棚13を作業面(作業を行う机等の天面)と略平行な状態にしつつ本体部3を当該作業面に配置する。
図7(a)に示すとおり、印象体23を支持した印象用トレー21を配置用孔7内部に配置する。具体的には、例えば使用者は印象用トレー21の把持部25を把持した状態で、把持部棚13を作業面(作業を行う机等の天面)と略平行な状態にしつつ本体部3を当該作業面に配置する。
次に、印象用トレー21及び本体部3の角度を調整し、印象用トレー21の枠部の形状と、配置用孔7の形状と、を合わせて該印象用トレー21を配置用孔7内部に挿入する。このとき、作業者は印象用トレー21の枠部を配置用孔7に配設された支持棚9に当接させ、当該印象用トレー21と、配置用孔7と、における相互の位置関係を慎重に決定することが望ましい。なお、把持部25は本体部3の把持部棚13に当接させて配置を行う。
印象用トレー21の配置が完了した後、表面15又は裏面17のいずれの面に向けてでもよいが、配置用孔7内部に石膏27を注入する(当該説明では表面15側に注入したことにする)。ただし、当該手順では石膏27の仮注入であるため、印象体23に採取された印象(歯型)の凹凸が隠れる程度に留めることが重要である。
<蓋5の当接>
次に、図7(b)に示すとおり、本体部3の表面15及び裏面17の双方に蓋5を当接させる。まず、上記手順で印象体23を仮注入した表面15に対して、該表面15の形状に合わせて蓋5を当接させる。この時、本体部3の底面20側に蓋5を寄せ、上述において説明したとおり、印象用トレー21と把持部25との接続部近傍に隙間11ができるよう配置を行うことが重要である。
次に、図7(b)に示すとおり、本体部3の表面15及び裏面17の双方に蓋5を当接させる。まず、上記手順で印象体23を仮注入した表面15に対して、該表面15の形状に合わせて蓋5を当接させる。この時、本体部3の底面20側に蓋5を寄せ、上述において説明したとおり、印象用トレー21と把持部25との接続部近傍に隙間11ができるよう配置を行うことが重要である。
上記手順で本体部3の表面15に蓋5の当接が完了した後、当該本体部3と蓋5との当接が解除されないよう確実に把持しつつ、裏面17が上方に位置するよう、本体部3及び蓋5の上下位置を回転させて作業面に再配置させる。続いて、上記手順と同様に裏面17から配置用孔7内部に石膏27を仮注入したうえで当該裏面17にも蓋5を当接させる。
<石膏27の注入>
続いて、図7(c)に示すとおり、注入口を兼ねる隙間11から配置用孔7内部に石膏27の本注入を行う。まず、使用者は上記手順を完了した本体部3と2枚の蓋5とを把持し、当該本体部3の底面20が作業面と対向するよう回転させて再配置させる。この時、本体部3と2枚の蓋5との当接が解除されないよう注意し、例えば別途帯やゴムバンド(図示せず)等を用いて2枚の蓋5を本体部3側に押圧しつつ包括して巻き付け、固定させてもよい。
続いて、図7(c)に示すとおり、注入口を兼ねる隙間11から配置用孔7内部に石膏27の本注入を行う。まず、使用者は上記手順を完了した本体部3と2枚の蓋5とを把持し、当該本体部3の底面20が作業面と対向するよう回転させて再配置させる。この時、本体部3と2枚の蓋5との当接が解除されないよう注意し、例えば別途帯やゴムバンド(図示せず)等を用いて2枚の蓋5を本体部3側に押圧しつつ包括して巻き付け、固定させてもよい。
次に、隙間11から配置用孔7内部に石膏27を注入し、当該配置用孔7内部の空間全域に石膏27を充填させる。石膏27は、隙間11から配置用孔7内部に侵入し、該配置用孔7の上方(天面19側)を通過して下方(底面20側)に到達する。徐々に下方から上方に嵩を上げつつ配置用孔7と、印象体23及び印象用トレー21と、の間における空間全域に充填される。この時、特に底面20側(配置用孔7下部近傍)に充填不備による空隙が発生しやすいため、石膏27の注入は蓋5の透明性を利用して配置用孔7内部の状況を目視で慎重に確認しつつ行うことが望ましい。
上記手順により、表面15及び裏面17双方から配置用孔7内部に対して石膏27を注入し終えると、本実施形態の石膏注入用治具1を用いた歯列模型の製作手順が完了することになる。
上記手順により、表面15及び裏面17双方から配置用孔7内部に対して石膏27を注入し終えると、本実施形態の石膏注入用治具1を用いた歯列模型の製作手順が完了することになる。
なお、上記手順の後は、注入した石膏27が硬化するまで待機し、硬化後に2枚の蓋5と本体部3との当接を解除し、配置用孔7から印象用トレー21と硬化した石膏27とを抜去して上顎の歯列模型と下顎の歯列模型との位置関係を決定するための咬合器(図示せず)に移し、種々の調整及び仕上げ作業に移行することになる。本実施形態の石膏注入用治具1は、上顎歯列及び下顎歯列における相互の位置合わせが不要で、更に、配置用孔7及び2枚の蓋5によって硬化後における石膏27の外形が矯正されるため、従来必要だった外形の加工(咬合器に設置するための調整)を省略することもできる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明してきたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の精神及び教示を逸脱しない範囲でその他の改良例や変形例が存在する。そして、かかる改良例や変形例は全て本発明の技術的範囲に含まれることは、当業者にとっては容易に理解されるところである。
本実施形態の石膏注入用治具1は、咬合印象法により印象採取を行った印象体を用い、容易に高精度な歯列模型を製作するものである。
1 石膏注入用治具
3 本体部
5 蓋
7 配置用孔
9 支持棚
11 隙間
13 把持部棚
15 表面
17 裏面
19 天面
20 底面
21 印象用トレー
23 印象体
25 把持部
27 石膏
H1 高さ
H2 寸法
3 本体部
5 蓋
7 配置用孔
9 支持棚
11 隙間
13 把持部棚
15 表面
17 裏面
19 天面
20 底面
21 印象用トレー
23 印象体
25 把持部
27 石膏
H1 高さ
H2 寸法
Claims (5)
- 表面から裏面に貫通する配置用孔、及び該配置用孔内部に設けられた少なくとも一つ以上の支持棚、を具備する本体部と、
前記表面及び前記裏面に当接させて前記配置用孔を閉じる略板状の2枚の蓋と、
を有し、
前記支持棚によって、印象採取後の印象体を支持した印象用トレーを、前記配置用孔内において中空に支持しつつ、前記配置用孔内に石膏を注入して歯列模型を製作するための石膏注入用治具。 - 前記配置用孔の正面視形状が、前記印象用トレーの正面視形状と略同形状であること、
を特徴とする請求項1に記載の石膏注入用治具。 - 前記配置用孔の一部が前記本体部の表面及び裏面以外の面から外部と連通すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の石膏注入用治具。 - 前記配置用孔が前記印象用トレーの把持部を支持する把持部棚を具備すること、
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の石膏注入用治具。 - 前記蓋が透明性を有する材料で形成されること、
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の石膏注入用治具。
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A80 | Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80 Effective date: 20161212 |