[スロットマシンの構成]
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下の実施の形態では、本発明がスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域51aを有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である。これにより、表示領域51aで所定の演出を実行可能とするとともに、表示領域51aのうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。リール2L〜2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53、54が設けられている。
また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L〜2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(例えば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L〜2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(いわゆるばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L〜2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L〜8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
スロットマシン1の内部には、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板、電気部品の駆動電源を生成する電源基板、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板などが設けられている。
遊技制御基板は、各種の操作手段や検出手段などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板は、リールセンサからの信号に基づき、リールモータを駆動制御する。
遊技制御基板には、メイン制御部などの回路構成が搭載されている。メイン制御部は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
演出制御基板は、演出用スイッチ56が接続され、また液晶表示器51などの演出装置を駆動制御する。演出制御基板には、サブ制御部などの回路構成が搭載されている。サブ制御部は、遊技制御基板から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。サブ制御部の回路構成には、たとえば、日および時刻のうちの少なくともいずれか一方を計時するための時計装置(以下では、RTCともいう)を含む。サブ制御部は、たとえば、RTCにより計時された日および時刻のうちの少なくともいずれか一方の値や、演出用スイッチ56からの検出信号などに応じて演出制御を実行可能である。
[ゲーム処理]
スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L〜2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L〜2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
メイン制御部は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、所定の乱数回路から乱数値を抽出し、当該抽出した乱数値に基づいて入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理が行われる。乱数回路は、所定の数値範囲(0〜65535)内の数値を所定の更新規則にしたがって更新する。メイン制御部は、スタートスイッチ7が操作されたときに乱数回路が更新している数値を乱数値として抽出する。内部抽選において抽選対象役に当選したときには、当該抽選対象役に含まれる入賞役の当選フラグがRAMの所定領域に設定される。入賞役には、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別役であるボーナス、メダルなどの遊技用価値の付与を伴う小役(たとえば、ベル、チェリー、スイカなど)、遊技用価値を用いずにゲームを行うことが可能な再遊技の付与を伴う再遊技役であるリプレイなどがある。ボーナス中においては、操作タイミングに関わらず入賞を発生し得る所定の小役(たとえば、ベル)が抽選対象役に設定されており、極めて高い確率で当選するように定められている。ボーナスは、予め定められた枚数以上のメダルが払出されることにより終了する。たとえば、ボーナスに当選したときには、ボーナス当選フラグが設定され、所定の小役に当選したときには、所定の小役の当選フラグが設定される。ボーナス当選フラグについては、当選したボーナスに入賞するまで持ち越される一方、ボーナス以外の入賞役に対応する当選フラグは、入賞の発生の有無にかかわらず、当選したゲームが終了したときに消去される。
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から予め定められた時間(例えば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L〜2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる。リール回転処理では、所定のフリーズ条件が成立しているときに、ゲームの進行を所定期間にわたって遅延(ストップスイッチ8L〜8R各々の停止操作の有効化を遅延)させるフリーズ演出を実行するためのフリーズ演出処理を実行した後に、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化して通常ゲームに移行させる。
リール2L〜2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理が行われる。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役・再遊技役等の当選フラグ)の消去など)が行われる。また、ボーナスに入賞したと判定されたときには、入賞したボーナスの当選フラグを消去する。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。たとえば、所定図柄(所定種類のリプレイなど)の導出やボーナス当選やボーナス入賞やボーナス終了などの状態移行の条件が成立したときには、遊技状態を、所定確率でリプレイが当選する複数のRTのうちのいずれかに設定する。ボーナスに入賞したときには遊技状態をボーナスに設定する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
[ATに関する処理について]
メイン制御部は、ボーナスや遊技者にとって有利なRTなどの有利な状態に加えて、AT(アシストタイム)に制御可能である。メイン制御部は、特定のAT抽選対象役が当選した場合に、ATに制御するか否かのAT抽選処理を実行する。また、メイン制御部は、AT抽選でATに制御すると決定した場合にATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行するための処理を実行する。
AT抽選処理は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。
ATの継続回数は、AT当選時やAT開始時に決定され、AT中やAT終了時に抽選で追加されるようにしてもよい。本実施の形態においては、ATの継続回数はナビストック数で示す。たとえば、1ナビストックで、50ゲームのATに制御させる。以下では、ナビストックが付与されない(付与されるナビストック数が0に決定された)ことを「AT非当選」といい、1以上のナビストック数が付与されることを「AT当選」という。また、ATに制御されている状態を「AT中」といい、ATに制御されていない状態を「非AT中」という。AT中であるときには、ATであることを特定可能なATフラグが、メイン制御部のRAMおよびサブ制御部のRAMに格納される。非AT中であるときには、該ATフラグは、メイン制御部のRAMおよびサブ制御部のRAMのうちのいずれにも格納されない。また、AT中では、AT中であることを遊技者に認識させるための楽曲である「AT中楽曲」がスピーカ53、54から出力される。AT中に、AT中楽曲が出力されることで、AT中での遊技者の気分を高揚させることができる。
付与することが決定されたナビストック数は、メイン制御部のRAMの所定領域において記憶する。また、メイン制御部は、ATを開始するタイミングを抽選する。メイン制御部は、たとえば、AT当選ゲームから0〜32ゲーム経過でATを開始すること(ATを開始するタイミング)を乱数値の抽選により決定する。
AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度やATに制御するときに決定されるナビストック数の期待値(獲得する平均ゲーム数)は、特定の抽選対象役の種類に応じて異なるように定められている。
[サブ制御部により実行される演出および制御について]
次に、図10、図11を用いて、サブ制御部により実行される演出および制御について説明する。サブ制御部は、ボタン演出、チャンス演出、停止促進報知、および音出力停止制御などを実行可能である。
ボタン演出は、図10(ア)に示すように、演出用スイッチ56を模倣したスイッチ(ボタン)の画像と、「PUSH!」といった文字を液晶表示器51に表示する演出である。ボタン演出は所定のボタン演出実行条件が成立したときに実行される演出である。ここで、ボタン演出実行条件は、AT抽選対象役が当選したときに所定確率で発生するといった条件としてもよい。所定確率は、100%としてもよく、他の確率(たとえば、50%)としてもよい。なお、所定のボタン演出実行条件は、AT抽選対象役が当選することに限らず、他の特定役が当選することにより成立する条件としてもよいし、他の特定役が入賞することにより成立する条件としてもよいし、所定ゲーム数を消化することにより成立する条件としてもよい。
ボタン演出を実行することにより、演出用スイッチ56を操作することを遊技者に促進するとともに、AT抽選対象役が当選したことによりAT当選したのではないかといった期待感を遊技者に抱かせることができる。また、サブ制御部は、ボタン演出を開始するときには、該ボタン演出が実行されていることを特定可能なボタン演出フラグをサブ制御部のRAMに格納する。サブ制御部は、ボタン演出を終了させるときには、該ボタン演出フラグを消去する。
また、非AT中であるかAT中であるかに関わらず、ボタン演出実行中には、ボタン演出楽曲がスピーカ53、54から継続して出力される。ボタン演出が実行されるときには、出力されていた楽曲が停止するとともにボタン演出楽曲が出力される(出力されていた楽曲からボタン演出楽曲に切替えられる)。このように、ボタン演出実行中に、ボタン演出楽曲が出力されることで、ボタン演出実行中での遊技者の気分を高揚させることができる。なお、図11(ア)の例では、ボタン演出楽曲が出力されていることを示している。また、図10(ア)の例では、ボタン演出楽曲が出力されていることを省略しているが、実際は、ボタン演出楽曲は出力されている。
チャンス演出は、図10(イ)に示すように、「CHANCE」といった文字を液晶表示器51に表示する演出である。チャンス演出は、ボタン演出が実行されているときにおいて、演出用スイッチ56が操作されることによりボタン演出が終了すると共に、実行される演出である。つまり、ボタン演出実行中に、演出用スイッチ56が操作されると、該ボタン演出からチャンス演出に切替えられる。
チャンス演出は、AT当選したのではないかといった期待感を遊技者に抱かせることができる。チャンス演出は予め定められた時間(たとえば、5秒間)実行され、チャンス演出が終了すると、付与されたナビストック数(0も含む)が液晶表示器51に表示される。たとえば、AT当選して2ナビストック数が付与されている場合には、「おめでとう!2ナビストック獲得!」といった文字が液晶表示器51に表示される。また、AT非当選した場合には「残念!」といった文字が液晶表示器51に表示される。
サブ制御部は、チャンス演出を開始するときには、該チャンス演出が実行されていることを特定可能なチャンス演出フラグをサブ制御部のRAMに格納する。サブ制御部は、チャンス演出を終了させるときには、該チャンス演出フラグを消去する。
また、非AT中であるかAT中であるかに関わらず、チャンス演出実行中には、チャンス演出楽曲が出力される。チャンス演出が実行されるときには、出力されていたボタン演出楽曲が停止することによりチャンス演出楽曲が出力される(出力されていたボタン演出楽曲からチャンス演出楽曲に切替えられる)。このように、チャンス演出実行中に、チャンス演出楽曲が出力されることで、チャンス演出実行中での遊技者の気分を高揚させることができる。なお、図11(イ)の例では、チャンス演出楽曲が出力されていることを示している。また、図10(イ)の例では、チャンス演出楽曲が出力されていることを省略しているが、実際は、チャンス演出楽曲は出力されている。
停止促進報知および音出力停止制御はいずれも、レバーオン操作された時から、ストップスイッチが操作されずに所定時間経過した時に実行される。ここで、レバーオン操作とは、「賭数が設定された状態でのスタートスイッチへの操作」をいう。つまり、停止促進報知および音出力停止制御は、3つのリールが回転している時間が所定期間に到達した時に実行される。本実施形態では、所定時間を「3分」とするが、他の時間、たとえば、4分などとしてもよい。本実施形態では、停止促進報知は非AT中で実行され、音出力停止制御はAT中で実行される。また、停止促進報知および音出力停止制御はいずれもストップスイッチが操作されることにより終了する。
停止促進報知は、図10(ウ)に示すように、液晶表示器51に「リールを停止してください」といった文字を表示することである。このような文字を液晶表示器51に表示することにより、リール停止させること(ストップスイッチを操作させること)を遊技者に促進させることができ、リールが回転している状態で長時間放置されることを極力防止できる。また、サブ制御部は、停止促進報知を開始するときには、該停止促進報知が実行されていることを特定可能な停止促進報知フラグをサブ制御部のRAMに格納する。サブ制御部は、停止促進報知を終了させるときには、該停止促進報知フラグを消去する。
音出力停止制御は、スピーカ53、54から出力されている音(楽曲、効果音など)の出力を停止する(音量をゼロにする)制御である。音出力停止制御はAT中に実行される。AT中に、レバーオン操作からストップスイッチが操作されずに所定時間経過した時には、音出力停止制御が実行されることにより、出力されていたAT中楽曲を停止する。このように、音出力停止制御を実行することにより、リール停止させること(ストップスイッチを操作させること)を遊技者に間接的に促進させることができ、リールが回転している状態で長時間放置されることを極力防止できる。また、サブ制御部は、音出力停止制御を開始するときには、該音出力停止制御が実行されていることを特定可能な音出力停止制御フラグをサブ制御部のRAMに格納する。サブ制御部は、音出力停止制御を終了させるときには、該音出力停止制御フラグを消去する。
また、停止促進報知および音出力停止制御は、ボタン演出実行中にも実行可能である。図10(エ)は、停止促進報知と、ボタン演出の双方が実行されていることを示す図である。図10(エ)に示すように、ボタン画像と、「リールを停止してください」という文字とが重畳して表示される。図11(エ)は、ボタン演出実行中に、音出力停止制御が実行されていることを示す図である。つまり、ボタン演出楽曲の出力が停止されることになる。
また、停止促進報知を実行することにより表示される「リールを停止してください」という文字は、ボタン演出が実行されているか否かに関わらず、液晶表示器51の表示領域内の同一の座標に表示される。したがって、ボタン演出が実行されているときと、ボタン演出が実行されていないときとで、「リールを停止してください」という文字が異なる座標に表示されるスロットマシンと比較して、本実施形態のスロットマシンは、該文字を表示させる処理の負担を軽減できる。
なお、変形例として、ボタン演出が実行されていないときには、「リールを停止してください」という文字を液晶表示器51の表示領域内の中央部に表示させる一方、ボタン演出が実行されているときには、該ボタン演出で表示される画像(ボタンの画像とPUSHの文字画像)と重複しない位置に、「リールを停止してください」という文字を表示させるようにしてもよい。これにより、ボタン演出が実行されているか否かに関わらず、「リールを停止してください」という文字を遊技者に明確に把握させることができる。また、ボタン演出により表示される画像を、該文字により阻害させないようにすることができる。
[非AT中の演出関連処理について]
次に、図2を用いて、非AT中の演出関連処理について説明する。該演出関連処理は、非AT中に、ボタン演出が実行されているときにおいて、サブ制御部により実行される処理である。また、該演出関連処理は、所定周期ごと(たとえば、0.56msごと)に実行されるタイマ割込み処理である。
まず、S2において、停止促進報知が実行されているか否かが判断される。該判断については、サブ制御部のRAMに停止促進報知フラグが格納されているか否かを判断すればよい。具体的には、RAMに停止促進報知フラグが格納されている場合には、停止促進報知が実行されていると判断する。一方、RAMに停止促進報知フラグが格納されてない場合には、停止促進報知が実行されていないと判断する。
S2において、停止促進報知が実行されていると判断された場合には(S2のYES)、S8に進み、停止促進報知が実行されていないと判断された場合には(S2のNO)、S4に進む。
S4において、レバーオン操作された時から、ストップスイッチが操作されずに3分間経過したか否かが判断される。ここで、S4の判断の手法の一例について説明する。メイン制御部は、遊技者によりレバーオン操作がされることにより、3つのリールの回転を開始させる。これとともに、メイン制御部は、該3つのリールの回転が開始したことを特定可能なリール回転開始コマンドをサブ制御部に対して送信する。サブ制御部は、該リール停止開始コマンドを受信した時から、RTCの計時を開始させる。リールの回転が開始した時(RTCの計時を開始させた時)から、ストップスイッチ8L〜8Rのうちのいずれかが操作されたときには、メイン制御部は、該操作されたストップスイッチに対応するリールを停止するとともに、サブ制御部は、RTCの計時をリセットする(初期値に戻す)。
次に、サブ制御部が、ストップスイッチ8L〜8Rのうちのいずれかが操作されたか否かを判断する手法について説明する。遊技者により、ストップスイッチ8L〜8Rのうちのいずれかが操作されたときには、メイン制御部は、該操作されたストップスイッチを特定可能なストップスイッチコマンドをサブ制御部に対して送信する。サブ制御部は、該ストップスイッチコマンドを受信したときに、該ストップスイッチコマンドから特定されるストップスイッチが操作されたことを特定する。
S4では、RTCの計時結果が3分間に到達したと判断されたときには、レバーオン操作された時からストップスイッチが操作されずに3分間経過した(S4のYES)と判断され、S6に進む。一方、S4において、レバーオン操作された時から、3分間経過していないと判断された(S4のNO)ときには、S8に進む。
S6において、停止促進報知(図10の(ウ)参照)を実行する。また、S6においては、ボタン演出(図10(ア)参照)が実行されているか否かに関わらず、停止促進報知を実行する。つまり、ボタン演出が実行されていない場合には、停止促進報知のみを実行する。一方、ボタン演出が実行されている場合には、該ボタン演出の実行を継続させつつ、停止促進報知も実行する(図10(エ)の状態となる)。S6の処理が終了すると、演出関連処理は終了する。
S8において、演出用スイッチ56への操作を検出したか否かを判断する。ここで、S8の判断の手法の一例について説明する。演出用スイッチ56が操作されたときに、スイッチ回路は、演出用スイッチ56が操作されたことを特定可能な検出信号をサブ制御部に対して送信する。このように、サブ制御部は、スイッチ回路からの検出信号を受信することにより、演出用スイッチ56への操作を検出する。S8において、演出用スイッチ56への操作が検出されたと判断された場合には(S8のYES)、S9に進み、演出用スイッチ56への操作が検出されなかったと判断された場合には(S8のNO)、S16に進む。
S9において、ボタン演出が実行されているか否かが判断される。該判断については、サブ制御部のRAMにボタン演出フラグが格納されているか否かを判断すればよい。具体的には、RAMにボタン演出フラグが格納されている場合には、ボタン演出が実行されていると判断する。一方、RAMにボタン演出フラグが格納されてない場合には、ボタン演出が実行されていないと判断する。
S9において、ボタン演出が実行されていないと判断された場合には(S9のNO)、演出関連処理を終了する。また、S9において、ボタン演出が実行されていると判断された場合には(S9のYES)、S10に進む。
S10において、停止促進報知が実行されているか否かが判断される。S10において、停止促進報知が実行されていないと判断された場合には(S10のNO)、S12に進む。また、S10において、停止促進報知が実行されていると判断された場合には(S10のYES)、S14に進む。
S12において、S9において実行されていると判断されたボタン演出を終了させるとともに、チャンス演出を実行させる。つまり、S12においては、ボタン演出からチャンス演出に切替える。S12の処理が終了すると、演出関連処理は終了する。
S14において、S9において実行されていると判断されたボタン演出を終了させるとともに、チャンス演出を実行させる。これとともに、S10において実行されていると判断された停止促進報知を終了させる。
S16において、ストップスイッチ8L〜8Rのいずれかが操作されたか否かが判断される。S16において、ストップスイッチ8L〜8Rのいずれかが操作されたと判断されたときには(S16のYES)、S18に進み、ストップスイッチ8L〜8Rのいずれかが操作されていないと判断されたときには(S16のNO)、演出関連処理を終了する。
S18において、停止促進報知が実行されているか否かが判断される。S18において、停止促進報知が実行されていると判断された場合には(S18のYES)、S20に進み、停止促進報知が実行されていないと判断された場合には(S18のNO)、演出関連処理を終了させる。
S20において、S18において実行されていると判断された停止促進報知を終了させる。
[非AT中の演出の遷移]
次に、図3を用いて、非AT中の主な演出の遷移について説明する。図3(ア)に示すように、ボタン演出が実行されているときにおいて、ストップスイッチが操作されずに3分間経過すると(図2のS4のYES)、図3(イ)に示すように、該ボタン演出の実行を継続すると共に、停止促進報知を実行する(S6)。ボタン演出と停止促進報知の双方が実行されている状態において(S9のYESかつS10のYES)、演出用スイッチが操作されたときには(S8のYES)、図3(ウ)に示すように、ボタン演出からチャンス演出に切替えると共に、停止促進報知を終了させる(図2のS14)。これにより、停止促進報知により、チャンス演出が阻害されることを防止できる。
[AT中の演出関連処理について]
次に、図4を用いてAT中の演出関連処理について説明する。図4と図2とを比較すると、図4は、図2の「停止促進報知」が「音出力停止制御」に代替されている点、および図4のステップ番号は図2のステップ番号に100を加算した値である点で、両図面は異なり、他の箇所については同一である。
該演出関連処理は、AT中に、ボタン演出が実行されているときにおいて、サブ制御部により実行される処理である。また、該演出関連処理は、所定周期ごと(たとえば、0.56msごと)に実行されるタイマ割込み処理である。
まず、S102において、音出力停止制御が実行されているか否かが判断される。該判断については、サブ制御部のRAMに音出力停止制御フラグが格納されているか否かを判断すればよい。具体的には、RAMに音出力停止制御フラグが格納されている場合には、音出力停止制御が実行されていると判断する。一方、RAMに音出力停止制御フラグが格納されてない場合には、音出力停止制御が実行されていないと判断する。
S102において、音出力停止制御が実行されていると判断された場合には(S102のYES)、S108に進み、音出力停止制御が実行されていないと判断された場合には(S102のNO)、S104に進む。
S104において、レバーオン操作された時から、ストップスイッチが操作されずに3分間経過したか否かが判断される。S104において、レバーオン操作された時から、ストップスイッチが操作されずに3分間経過したと判断された場合には(S104のYES)、S106に進む。一方、レバーオン操作された時から3分間経過していないと判断された場合には(S104のNO)、S108に進む。
S106において、音出力停止制御(図10の(ウ)参照)を実行する。また、S106においては、ボタン演出(図10(ア)参照)が実行されているか否かに関わらず、音出力停止制御を実行する。つまり、ボタン演出が実行されていない場合には、音出力停止制御のみを実行する。一方、ボタン演出が実行されている場合には、該ボタン演出の実行を継続させつつ、音出力停止制御も実行する(図11(エ)の状態となる)。S106の処理が終了すると、演出関連処理は終了する。
S108において、演出用スイッチ56への操作を検出したか否かを判断する。S108において、演出用スイッチ56への操作が検出されたと判断された場合には(S108のYES)、S109に進み、演出用スイッチ56への操作が検出されなかったと判断された場合には(S108のNO)、S116に進む。
S109において、ボタン演出が実行されているか否かが判断される。S109において、ボタン演出が実行されていないと判断された場合には(S109のNO)、演出関連処理を終了する。また、S109において、ボタン演出が実行されていると判断された場合には(S109のYES)、S110に進む。
S110において、音出力停止制御が実行されているか否かが判断される。S110において、音出力停止制御が実行されていないと判断された場合には(S110のNO)、S112に進む。また、S110において、音出力停止制御が実行されていると判断された場合には(S110のYES)、S114に進む。
S112において、S109において実行されていると判断されたボタン演出を終了させるとともに、チャンス演出を実行させる。つまり、S112においては、ボタン演出からチャンス演出に切替える。S112の処理が終了すると、演出関連処理は終了する。
S114において、S109において実行されていると判断されたボタン演出を終了させるとともに、チャンス演出を実行させる。これとともに、S110において実行されていると判断された音出力停止制御を終了させる。
S116において、ストップスイッチ8L〜8Rのいずれかが操作されたか否かが判断される。S116において、ストップスイッチ8L〜8Rのいずれかが操作されたと判断されたときには(S116のYES)、S118に進み、ストップスイッチ8L〜8Rのいずれかが操作されていないと判断されたときには(S116のNO)、演出関連処理を終了する。
S118において、音出力停止制御が実行されているか否かが判断される。S118において、音出力停止制御が実行されていると判断された場合には(S118のYES)、S120に進み、音出力停止制御が実行されていないと判断された場合には(S118のNO)、演出関連処理を終了させる。
S120において、S118において実行されていると判断された音出力停止制御を終了させる。
[AT中の演出の遷移]
次に、図5を用いて、AT中の主な演出の遷移について説明する。図5(ア)に示すように、ボタン演出が実行されているときにおいて、ストップスイッチが操作されずに3分間経過すると(図4のS104のYES)、図5(イ)に示すように、該ボタン演出の実行を継続すると共に、ボタン演出楽曲の出力を停止させる音出力停止制御を実行する(S106)。ボタン演出と音出力停止制御の双方が実行されている状態において(S109のYESかつS110のYES)、演出用スイッチが操作されたときには(S108のYES)、図5(ウ)に示すように、ボタン演出からチャンス演出に切替えると共に、音出力停止制御を終了させる(チャンス演出楽曲を出力する、図2のS14)。これにより、音出力停止制御により、チャンス演出(チャンス演出楽曲の出力)が阻害されることを防止できる。
[停止促進報知演出処理]
前述したように、ボタン演出が実行されているときには、ストップスイッチが操作されずに所定時間が経過したときに図2から図5で説明したように演出を実行するようにした。ボタン演出などの所定演出が実行されていないときには、以下で説明するように、前述した停止促進報知とともに、連動演出を実行するようにする。この連動演出は、ストップスイッチの操作に連動して内容を進行させるようにする。連動演出は、リールが所定時間にわたって停止されないときのみ開始される演出であり、スロットマシン1で実行される他の演出とは異なる演出である。
図6は、停止促進報知演出処理を説明するための図である。図6を参照して、停止促進報知演出処理は、所定周期(たとえば、0.56ms)ごとに実行されるタイマ割込み処理のサブルーチンとして、サブ制御部によって実行される。
まず、サブ制御部は、停止促進報知と連動演出とを含む停止促進報知演出が実行中であるか否かを判断する(S201)。この判断は、たとえば、停止促進報知演出の実行中であることを示すフラグがオン状態とされているか否かによって行われる。
停止促進報知演出が実行中でない(S201でNO)と判断した場合、サブ制御部は、レバーオン操作に応じた変動開始、1つ目のリールに対応するストップスイッチによる停止(第1停止)、および、2つ目のリールに対応するストップスイッチによる停止(第2停止)のうち直近の契機から、所定時間(たとえば、3分)が経過したか否かを判断する(S202)。
この判断は、たとえば、次のように行われる。メイン制御部は、遊技者によりレバーオン操作がされることにより、3つのリールの回転を開始し、その旨を特定可能なリール回転開始コマンドをサブ制御部に送信する。また、メイン制御部は、リール回転中にストップスイッチが操作されることにより、操作されたストップスイッチに対応するリールを停止し、その旨を特定可能なストップスイッチコマンドをサブ制御部に送信する。サブ制御部は、リール回転開始コマンドおよびストップスイッチコマンドを受信したときからタイマによって計時を開始し、タイマで計時されている時間が所定時間を超えたか否かを判断する。サブ制御部は、ストップスイッチコマンドを受信したときに、タイマを0にリセットする。
タイマとしては、タイマ割込みごとにカウント値をカウントアップすることでカウント値により計時するカウントアップタイマであってもよいし、RTCによって計時開始時刻と現在時刻とを特定することでそれらの差で計時するタイマであってもよい。
変動開始、第1停止および第2停止のうち直近の契機から所定時間が経過していない(S202でNO)と判断した場合、サブ制御部は、実行する処理をこの停止促進報知演出処理の呼出元に戻す。所定時間が経過した(S202でYES)と判断した場合、サブ制御部は、所定演出を実行中であるか否かを判断する(S203)。所定演出は、たとえば、図10(イ)のチャンス演出、ボーナス当選やAT当選を煽るために複数回のゲームにわたって実行される連続演出、および、当選している小役を示唆する小役ナビ演出などの、遊技者が見逃したくない演出または遊技者に見せたい演出である。
所定演出を実行中である(S203でYES)と判断した場合、サブ制御部は、実行する処理をこの停止促進報知演出処理の呼出元に戻す。所定演出を実行中でない(S203でNO)と判断した場合、サブ制御部は、停止促進報知演出として停止促進報知および連動演出の最初の段階の実行を開始する(S204)。その後、サブ制御部は、実行する処理をこの停止促進報知演出処理の呼出元に戻す。
一方、停止促進報知演出を実行中である(S201でYES)と判断した場合、サブ制御部は、ストップスイッチの操作が有ったか否かを判断する(S205)。この判断は、たとえば、次のように行われる。メイン制御部は、リール回転中にストップスイッチが操作されることにより、操作されたストップスイッチに対応するリールを停止し、その旨を特定可能なストップスイッチコマンドをサブ制御部に送信する。サブ制御部は、ストップスイッチコマンドを受信したことによってストップスイッチの操作が有ったと判断する。
ストップスイッチの操作が無い(S205でNO)と判断した場合、サブ制御部は、実行する処理をこの停止促進報知演出処理の呼出元に戻す。ストップスイッチの操作が有った(S205でYES)と判断した場合、サブ制御部は、停止促進報知演出として停止促進報知および連動演出の、前の段階から当該操作に応じた段階までの実行を開始する(S206)。その後、サブ制御部は、実行する処理をこの停止促進報知演出処理の呼出元に戻す。
図7は、停止促進報知演出の遷移を説明するための第1の図である。図7を参照して、図7(A)で示すように、リール2L,2C,2Rが回転しているときに、液晶表示器51で特に演出が実行されず、通常背景である場合がある。
このような状況で、図7(B)で示すように、所定時間、ストップスイッチが操作されないと、図6のS204で説明したように、停止促進報知と連動演出とを含む停止促進報知演出の実行が開始される。
停止促進報知は、本実施の形態では「リールを停止してください」との表示である。連動演出は、本実施の形態では、2人の女の子のキャラクタを表示する演出、および、連動演出の状況を説明する音声を出力する演出である。
図7(B)で示す連動演出の第1段階では、2人のキャラクタの画像が全く完成していない状態(全体的に遊技者が視認し難い状態)の画像が表示され、「リールを止めると画像が完成するよ♪」といった、演出を説明する音声が出力される。
図7(C)で示すように、ストップスイッチ8Lが操作されると、第1停止(ここでは、リール2Lが停止)される。この第1停止に応じて、図6のS206で説明したように、前の段階(図7(B)で示した第1段階)から当該操作に応じた段階(ここでは、第2段階)までの停止促進報知演出の実行が開始される。
図7(C)で示す連動演出の第2段階では、2人のキャラクタの画像の下の一部が完成した状態(下の一部が遊技者に視認可能な状態)の画像が表示され、「あと2つ!」といった、連動演出の段階の残り数を報知する音声が出力される。
図7(D)で示すように、ストップスイッチ8Cが操作されると、第2停止(ここでは、リール2Cが停止)される。この第2停止に応じて、図6のS206で説明したように、前の段階(図7(C)で示した第2段階)から当該操作に応じた段階(ここでは、第3段階)までの停止促進報知演出の実行が開始される。
図7(D)で示す連動演出の第3段階では、2人のキャラクタの画像の下の一部に加えて上の一部が完成した状態(下の一部に加えて上の一部が遊技者に視認可能な状態)の画像が表示され、「あと1つ!」といった、連動演出の段階の残り数を報知する音声が出力される。
図7(E)で示すように、ストップスイッチ8Rが操作されると、第3停止(ここでは、リール2Rが停止)される。これにより、すべてのリールが停止される。この第3停止に応じて、図6のS206で説明したように、前の段階(図7(D)で示した第3段階)から当該操作に応じた段階(ここでは、第4段階)までの停止促進報知演出の実行が開始される。
図7(E)で示す連動演出の第4段階では、2人のキャラクタの画像の全部が完成した状態(全部が遊技者に視認可能な状態)の画像が表示されるとともに、「Excellent」といった表示および「よくできました!」といった音声で、連動演出が終了したことを遊技者に認識させる報知が実行される。
図8は、停止促進報知演出の遷移を説明するための第2の図である。図8を参照して、図8(A)で示すように、ストップスイッチ8Lが操作されることでリール2Lが停止され、リール2C,2Rが回転しているときに、液晶表示器51で特に演出が実行されず、通常背景である場合がある。
このような状況で、図8(B1)で示すように、所定時間、ストップスイッチが操作されないと、図6のS204で説明したように、図7と同様の停止促進報知と連動演出とを含む停止促進報知演出の実行が開始される。ここでは、図7(B)で示した第1段階の連動演出の実行が開始される。
図8(C1)で示すように、ストップスイッチ8Cが操作されると、第2停止(ここでは、リール2Cが停止)される。この第2停止に応じて、図6のS206で説明したように、前の段階(図8(B1)で示した第1段階)から当該操作に応じた段階(ここでは、第3段階)までの停止促進報知演出の実行が開始される。
図8(C1)で示す連動演出では、図7(B)から図7(D)で示した第1段階から第3段階までの連動演出が、順次、実行されることによって、2人のキャラクタの画像が全く完成していない状態(全体的に遊技者が視認し難い状態)の画像から、2人のキャラクタの画像の下の一部が完成した状態(下の一部が遊技者に視認可能な状態)の画像を経て、2人のキャラクタの画像の下の一部に加えて上の一部が完成した状態(下の一部に加えて上の一部が遊技者に視認可能な状態)の画像が表示される。これとともに図7(B)から図7(D)で示した音声による報知が、順次、実行される。
これにより、途中までストップスイッチの操作が終わった段階で、所定時間、ストップスイッチの操作がされない場合であっても、ストップスイッチの操作がされたときに連動演出の未実行部分が実行されるため、遊技者が連動演出の一部を見逃さないようにすることができる。
図8(D)については、図7(E)と同様であるので重複する説明は繰返さない。
なお、図8(B1)および図8(C1)に替えて、図8(B2)および図8(C2)のようにしてもよい。図8(A)の状況で、図8(B2)で示すように、所定時間、ストップスイッチが操作されないと、図7と同様の停止促進報知と連動演出とを含む停止促進報知演出の実行が開始される。図8(B1)においては、第1段階の連動演出の実行が開始されるようにしたが、図8(B2)においては、操作済みのストップスイッチ8Lに対応した第2段階の連動演出まで進行した状態で、連動演出の実行が開始される。
これにより、連動演出が途中から開始されるため、ストップスイッチの操作が途中まで済んでいることを遊技者に分かり易く伝えることができる。
図8(C2)については、図7(D)と同様であるので重複する説明は繰返さない。
図9は、停止促進報知演出の遷移を説明するための第3の図である。図9を参照して、図9(A)で示すように、リール2L,2C,2Rが回転しているときに、液晶表示器51で図6のS203で示した所定演出が実行されている場合がある。
このような状況で、所定時間、ストップスイッチが操作されないことにより、図6のS204で説明したように、停止促進報知と連動演出とを含む停止促進報知演出の実行が開始される場合、図9(B1)で示すように、停止促進報知および連動演出を遊技者が視認可能なように、所定演出をワイプ画面(縮小画面)で表示するようにする。
なお、図9(B1)に替えて、図9(B2)のようにしてもよい。すなわち、図9(A)の状況で、所定時間、ストップスイッチが操作されないことにより、図6のS204で説明したように、停止促進報知と連動演出とを含む停止促進報知演出の実行が開始される場合、図9(B2)で示すように、所定演出を遊技者が視認可能なように、停止促進報知および連動演出をワイプ画面(縮小画面)で表示するようにしてもよい。
[バックアップ処理について]
次に、バックアップ処理について説明する。本実施形態では、メイン制御部およびサブ制御部ともに、所定周期(たとえば、0.56ms)ごとにバックアップ処理を実行する。バックアップ処理は、メイン制御部のRAMに格納されている全ての情報をメイン制御部用のバックアップ領域に退避させるとともに、サブ制御部のRAMに格納されている全ての情報を、サブ制御部用のバックアップ領域に退避させる処理である。
メイン制御部のRAMに格納される情報は、たとえば、内部抽選が実行されたときには内部当選した役を特定可能な当選フラグ、3つのリールそれぞれについて該リールが回転しているか否かを特定可能なリールフラグ、ATに制御されていることを特定可能なATフラグ、制御されているRT状態を特定可能なRTフラグなどを含む。
また、サブ制御部のRAMに格納される情報は、たとえば、チャンス演出が実行されていることを特定可能なチャンス演出フラグ、ボタン演出が実行されていることを特定可能なボタン演出フラグ、停止促進報知が実行されていることを特定可能な停止促進報知フラグ、音出力停止制御が実行されていることを特定可能な音出力停止制御フラグ、ATフラグ、RTフラグ、および実行されているその他の演出を特定可能な演出フラグなどを含む。
なお、RT状態は、メイン制御部によって制御されるものであるが、メイン制御部は、RT状態が変更される度に、該変更後のRT状態を特定可能なRTコマンドをサブ制御部に対して送信する。したがって、サブ制御部は、メイン制御部によって制御されているRT状態を特定することができる。
また、ATは、メイン制御部によって制御されるものであるが、メイン制御部は、ATに制御したときに、該ATに制御されたこと特定可能なATコマンドをサブ制御部に対して送信する。また、メイン制御部は、ATへの制御が終了して非ATに制御されたときには、該非ATに制御されたこと特定可能な非ATコマンドをサブ制御部に対して送信する。したがって、サブ制御部は、ATであるか非ATであるかを特定することができる。
また、メイン制御部用のバックアップ領域は、メイン制御部のRAMの領域の一部としてもよいし、メイン制御部のRAMとは別の領域としてもよい。また、サブ制御部用のバックアップ領域は、サブ制御部のRAMの領域の一部としてもよいし、サブ制御部のRAMとは別の領域としてもよい。
このように、バックアップ処理を実行することにより、突然の電断(たとえば、停電)が発生しても、メイン制御部のRAMに格納されている情報と、サブ制御部のRAMに格納されている情報などを保護できる。
また、本実施形態のスロットマシン1は、バックアップ電源を有している。電断が発生した場合であっても、バックアップ電源がメイン制御部およびサブ制御部に供給されることにより、所定期間、バックアップ領域に記憶されている情報を保持できる。
このように、メイン制御部およびサブ制御部は、電断から復帰したときには、バックアップ領域に退避された情報およびフラグに基づいて、後述するように、停止促進報知の実行および音出停止制御以外について電断発生前と同様の状態に制御可能である。なお、電断からの復帰は、たとえば、電源が再投入されることで実行される。
[非AT中の電断復帰時処理について]
次に、図10を用いて、非AT中において、電断(たとえば、停電)が発生して、電断から復帰したときにサブ制御部による実行される電断復帰時処理について説明する。図10(ア)〜(エ)は、それぞれ、ボタン演出、チャンス演出、停止促進報知(停止促進報知+連動演出を含む)、停止促進報知およびボタン演出(以下では、「停止促進報知+ボタン演出」と示す場合もある)が実行されていることを示す図である。
これらの演出または報知のいずれが実行されているかに関わらず、図10(オ)に示すように、サブ制御部は、電断復帰時処理として、液晶表示器51の表示について共通の状態(以下、「共通表示状態」という。)に制御する。ここで、共通表示状態とは、ボタン演出、チャンス演出、停止促進報知のうちのいずれもが実行されていない状態である。本実施形態では、共通表示状態は、何ら演出が実行されていない状態とし、後述する背景画像のみが表示された状態とする。ここで、背景画像は、第1レイヤー(図示せず)に表示される。演出画像は第1レイヤーの前面側の第2レイヤーに表示される。演出画像とは、サブ制御部により実行される演出で表示される画像であり、たとえば、バトル演出で表示される味方キャラクタや敵キャラクタなどである。このように、背景画像は、演出画像とは独立した画像となる。
なお、変形例として、背景画像は、演出画像に含まれる画像としてもよい。また、変形例として、共通表示状態は、背景画像の他に、所定の画像(たとえば、所定のキャラ)が表示されている状態としてもよい。
また、特に図示しないが、これらの演出または報知のいずれも実行されていないときに電断が発生した場合において該電断から復帰したときにも、共通表示状態に制御するようにしてもよい。
背景画像は、対応画像と、風景画像とを含む。まず、対応画像から説明する。対応画像は、電断前に制御されていたRT状態と、1対1で対応した画像である(図10(オ)の※1印参照)。本実施形態では、RT状態としてRT0からRT4の複数のRT状態がある。RT0からRT4のそれぞれに対応した対応画像は、「雲」、「太陽」、「三日月」、「夕焼け」および「雪」であり、ボーナスに対応した対応画像は、「雷」である。
ここで、バックアップ領域に格納されているRTフラグに基づいて、電断復帰後は、電断前(電断発生直前)のRT状態と同一のRT状態に制御される。つまり、電断前のRT状態と電断復帰後のRT状態とは同一となる。したがって、遊技者は、電断復帰時において、背景画像に含まれた対応画像を視認することにより、電断復帰後に制御されているRT状態(=電断前に制御されていたRT状態)を把握できる。また、対応画像は、図10(キ)でも説明するように、電断復帰したゲームから3ゲーム後に消去される。
風景画像は、山の風景画像、川の風景画像、家の風景画像、城の風景画像などを含む。風景画像は、遊技の進行に応じて変更する画像である。たとえば、風景画像は、RT状態の移行に応じて変更される画像である。ただ、風景画像は、対応画像とは異なり、RT状態と1対1対応していない。具体的には、RT3、RT1、またはRT0のときには、山の風景画像が通常背景として表示され、RT0またはRT2のときには、川の風景画像が表示され、RT2またはRT4のときには、家の風景画像が表示される。ボーナスのときには、城の風景画像が表示される。また、風景画像は、対応画像とは異なり、液晶表示器51に常時表示されている画像である。したがって、遊技者は、対応画像が表示されていないときには、風景画像からはRT状態を確実に特定することはできないが、予想することはできる。
図10(オ)の例では、電断前には、山の風景画像が表示されており(図10(ア)〜(エ)では該山の風景画像の記載は省略している)、かつRT1に制御されていたことから、電断復帰後には、「山の風景画像514」、および「太陽の対応画像512」を含む背景画像が表示されている。
次に、図10(カ)について説明する。ところで、図10(ア)〜(エ)に示すように、3つのリールの全ての回転中に電断が発生したときにおいて、該電断から復帰したときでも、図10(オ)に示すように、該3つのリールが回転している状態で復帰する。これは、[バックアップ処理について]の欄でも説明したように、バックアップ領域に退避させる情報に、3つのリールそれぞれについて該リールが回転しているか否かを特定可能なリールフラグが含まれており、電断復帰時には、メイン制御部は、バックアップ領域に格納されているリールフラグに基づいて、リール制御を行うことに基づく。
なお、3つのリールのうちの1つのリールが回転している状態において電断が発生し、該電断から復帰した場合には、該1のリールが回転している状態で復帰される。また、3つのリールのうちの2つのリールが回転している状態において電断が発生し、該電断から復帰した場合には、該2つのリールが回転している状態で復帰される。また、3つのリールの全てが停止している状態において電断が発生し、該電断から復帰した場合には、全てのリールが停止している状態で復帰される。
図10(カ)の※2印に示すように、3つのリール全てが回転している状態で電断から復帰したゲームであって、該電断復帰したタイミング(たとえば、ストップスイッチの操作が有効となったタイミング)から、ストップスイッチの操作がされずに3分間経過したとしても、停止促進報知は実行されずに共通表示状態(図10(カ)の例では、山の風景画像と太陽の対応画像とが表示された状態)が維持される。
次に、図10(キ)について説明する。対応画像は、電断復帰したゲームから所定期間は、風景画像とともに表示される。所定期間経過後は、図10(キ)に示すように、対応画像は表示されなくなる一方、風景画像(図10の例では、山の風景画像)の表示は維持される。図10の例では、所定期間は、電断復帰したゲームを含めて3ゲームの間とする。具体的には、電断復帰したゲームを含めて3ゲームを消化し、4ゲーム目のレバーオン操作時に対応画像の表示は終了する。なお、変形例として、該所定期間は他のゲーム数(たとえば、5ゲーム)の期間としてもよい。また、所定期間は、ゲーム数に基づくものではなく、時間に基づくもの(たとえば、5分間)などとしてもよい。
[AT中の電断復帰時処理について]
次に、図11を用いて、AT中において、電断(たとえば、停電)が発生して、電断から復帰したときにサブ制御部により実行される電断復帰時処理について説明する。図11(ア)〜(エ)は、それぞれ、ボタン演出、チャンス演出、音出力停止制御、音出力停止制御およびボタン演出(以下では、「音出力停止制御+ボタン演出」と示す場合もある)が実行されていることを示す図である。
これらの演出または報知のいずれが実行されているかに関わらず、図11(オ)に示すように、サブ制御部は、電断復帰時処理として、液晶表示器51の状態について共通表示状態に制御する。また、AT中の共通表示状態では、対応画像が表示されるとともに、電断前に制御されていたRT状態に1対1で対応した対応楽曲が出力される(図11(オ)の※1印参照)。
本実施形態では、RT0、RT1、RT2、RT3、RT4、ボーナスそれぞれに対応した対応楽曲は、RT0楽曲、RT1楽曲、RT2楽曲、RT3楽曲、RT4楽曲、ボーナス楽曲である。遊技者は、電断復帰時において、出力される対応楽曲を聴くこと、および背景画像に含まれた対応画像を視認することのうちの少なくとも一方で、電断前に制御されていたRT状態、つまり電断復帰後に制御されているRT状態を把握することができる。また、対応楽曲の出力および対応画像の表示は、図11(キ)でも説明するように、電断復帰したゲームから3ゲーム後に停止される。
なお、図11(オ)の共通表示状態では、電断前には、家の風景画像が表示されており(図11(ア)〜(エ)では該家の風景画像の記載は省略している)、かつRT2に制御されていたことから、電断復帰後には、「家の風景画像518」、および「三日月の対応画像516」を含む背景画像が表示されている。
次に、図11(カ)について説明する。図11(カ)の※2印に示すように、3つのリール全てが回転している状態で電断から復帰したゲームであって、該電断復帰したタイミング(たとえば、ストップスイッチの操作が有効となったタイミング)から、ストップスイッチの操作がされずに3分間経過したとしても、音出力停止制御を実行しない。これとともに、RT2楽曲の出力が維持されるとともに、共通表示状態(図11(カ)の例では、家の風景画像と太陽の対応画像とが表示された状態)も維持される。
次に、図11(キ)について説明する。対応楽曲の出力および対応画像の表示は、電断復帰したゲームから所定期間(図11の例では3ゲーム)は、風景画像とともに維持される。所定期間経過後は、図11(キ)に示すように、対応楽曲の出力および対応画像の表示は終了する一方、風景画像(図11の例では、家の風景画像)の表示は維持される。
[本実施形態により得られる主な効果]
次に、本実施形態により得られる主な効果を説明する。
(1−1) 図1で示したように、表示結果を導出させるために操作されるストップスイッチ8L,8C,8Rを備える。図6のS202,S204,S206、図7(B)〜(E)、図8(B1),(C1),(B2),(C2),(D)で示したように、サブ制御部によって、リール2L,2C,2Rが所定時間にわたって停止されないときに、ストップスイッチの操作を促す停止促進報知、および、連動演出が実行される。図6のS205,S206、図7,図8で示したように、サブ制御部によって、ストップスイッチの操作に連動して連動演出の内容が進行される。
これにより、停止促進報知を実行するときにストップスイッチの操作に連動させて連動演出の内容を進行させることによって、遊技の興趣を向上させることができる。
(1−2) 連動演出は、リールが所定時間にわたって停止されないときのみ開始される演出である。
これにより、連動演出は停止促進報知が実行されるときの専用の演出となり、停止操作をしない限り連動演出を進行させることができないので、連動演出を見るために停止操作をするといった動機付けを遊技者に与えることができるため、停止操作を促進することができるとともに、遊技の興趣を向上させることができる。
(1−3) 図10(イ)で示したように、サブ制御部によって、所定演出が実行される。図6のS203,S204で示したように、所定演出が実行されているときは、リールが所定時間にわたって停止されないときであっても、連動演出を実行しない。図6のS203,S204で示したように、所定演出が実行されておらず、図7(A)で示したような通常背景のときは、リールが所定時間にわたって停止されないときに、連動演出を実行する。
これにより、演出が実行されていないときは連動演出が実行され、所定演出が実行されているときは連動演出が実行されないようにすることによって、所定演出を遊技者が見ることができないことを防止できる。
(1−4) 図6のS202,S204で示したように、いずれかのリールが停止されていない状況で、変動開始、第1停止または第2停止から、所定時間にわたってストップスイッチが操作されないときに、停止促進報知および連動演出を実行する。
これにより、遊技者がいずれかのリールを停止させ忘れることを防止できる。
(1−5) 図8(B2)で示したように、連動演出を開始するときに、操作済みのストップスイッチに対応した段階まで進行した状態で連動演出を実行する。
これにより、連動演出が途中から開始されるため、リールの操作が途中まで済んでいることを遊技者に分かり易く伝えることができる。
(1−6) 図6のS204、図8(B1)で示したように、連動演出を開始するとき、すでに停止されたリールに対応するストップスイッチの操作に対応した内容まで進行していない状態で、連動演出を開始する。その後、図6のS206、図8(C1)で示したように、リールが操作されたときに、当該操作に対応した内容まで進行するように連動演出を実行する。
これにより、ストップスイッチが操作されたときに連動演出の未実行部分が実行されるため、遊技者が連動演出を見逃さないようにすることができる。
(1−7) 図9(A)で示したように、サブ制御部によって、所定の画像を表示する所定演出が実行される。図9(B1)で示したように、停止促進報知が実行されるときは、サブ制御部によって、停止促進報知を遊技者が視認可能なように所定演出の画像が小さくされて表示される。
これにより、所定演出を遊技者に伝えつつ停止促進報知を実行することができるので、停止促進報知を実行するときであっても、所定演出によって遊技の興趣を向上させることができる。
(1−8) 図9(A)で示したように、サブ制御部によって、所定の画像を表示する所定演出が実行される。図9(B2)で示したように、所定演出が実行されるときは、サブ制御部によって、所定演出を遊技者が視認可能なように、停止促進報知および連動演出の画像が小さくされて表示される。
これにより、所定演出を遊技者に伝えつつ停止促進報知および連動演出を実行することができるので、停止促進報知および連動演出を実行するときであっても、所定演出によって遊技の興趣を向上させることができる。
(1−9) 図6のS205,S206、図7,図8で示したように、サブ制御部によって、すべてのストップスイッチの操作に連動して連動演出の内容が進行される。
これにより、連動演出を複数段階に分けることができ、すべてのストップスイッチの操作に応じて連動演出が進行するので、すべての操作に対する動機付けを与えることができる。
(1−10) 図7(C),(D)で示したように、サブ制御部によって、ストップスイッチの最終停止操作以外の操作に連動して、最終停止操作までに必要な操作の回数を示す報知が実行される。図7(E)で示したように、サブ制御部によって、ストップスイッチの最終停止操作に連動して、連動演出が終了したことを遊技者に認識させる報知が実行される。
これにより、連動演出の進行が残り何段階であるか、および、連動演出の進行が終了したことを、分かり易く遊技者に認識させることができる。
(2−1) 本実施形態によれば、図10(エ)に示すように、非AT中においては、停止促進報知とボタン演出の双方を実行可能である。したがって、たとえば、図3(ア)に示すように、ボタン演出の実行中に、レバーオン操作がされた時からストップスイッチが操作されずに3分間経過した場合にも停止促進報知を実行可能である。これにより、遊技を進行させる操作とは異なる操作(演出用スイッチ56への操作)を促すと共に、リールを停止させることも促すことができる。
また、図3(イ)に示すように、停止促進報知とボタン演出の双方が実行されている場合において(S9およびS10の双方でYES)、演出用スイッチが操作されたときには(S8のYES)、図3(ウ)に示すように、ボタン演出からチャンス演出に切替えられるとともに、停止促進報知を終了させる(S14)。
これにより、チャンス演出が停止促進報知により阻害されることを防止できることから、チャンス演出が阻害されたことに起因する不満を遊技者に抱かせることを防止できる。
(2−2) また、図10(イ)、(ウ)に示すように、電断前にチャンス演出および停止促進報知のうちのいずれを実行していたときであっても、電断が発生し、該電断から復帰したときには、チャンス演出および停止促進報知のうちのいずれも実行されていない共通表示状態(図10(オ)参照)に制御する。したがって、たとえば、電断前にチャンス演出を実行していた場合に復帰したときと、電断前に停止促進報知を実行していた場合に復帰したときとで、異なる表示状態に制御するスロットマシンと比較して、電断復帰時の処理負担を軽減できる。
(2−3) また、図10(ウ)、(エ)に示すように、電断前に停止促進報知、および停止促進報知+ボタン演出のうちのいずれを実行していたときであっても、電断が発生し、該電断から復帰したときには、チャンス演出および停止促進報知のうちのいずれも実行されていない共通表示状態(図10(オ)参照)に制御する。したがって、たとえば、電断前に停止促進報知を実行していた場合に復帰したときと、電断前に停止促進報知+ボタン演出を実行していた場合に復帰したときとで、異なる表示状態に制御するスロットマシンと比較して、電断復帰時の処理負担を軽減できる。
(2−4) また、図10(ア)、(イ)に示すように、電断前にボタン演出、およびチャンス演出のうちのいずれを実行していたときであっても、電断が発生し、該電断から復帰したときには、チャンス演出およびボタン演出のうちのいずれも実行されていない共通表示状態(図10(オ)参照)に制御する。したがって、たとえば、電断前にボタン演出を実行していた場合に復帰したときと、電断前にチャンス演出を実行していた場合に復帰したときとで、異なる表示状態に制御するスロットマシンと比較して、電断復帰時の処理負担を軽減できる。
(2−5) また、図10(ア)、(ウ)に示すように、ボタン演出および停止促進報知の双方は、共通して液晶表示器51を用いて実行される。したがって、ボタン演出および停止促進報知を実行する手段(ハードウェア)の部品点数を削減できる。
(2−6) また、図10(イ)、(ウ)に示すように、チャンス演出および停止促進報知の双方は、共通して液晶表示器51を用いて実行される。したがって、チャンス演出および停止促進報知を実行する手段(ハードウェア)を共通化できることにより部品点数を削減できる。また、チャンス演出および停止促進報知を実行する手段(ハードウェア)を共通化したとしても、チャンス演出が停止促進報知により阻害されないようにすることができる。
(2−7) また、図11(エ)に示すように、AT中においては、音出力停止制御とボタン演出の双方を実行可能である。したがって、たとえば、図5(ア)に示すように、ボタン演出の実行中に、レバーオン操作がされた時からストップスイッチが操作されずに3分間経過した場合にも音出力停止制御を実行可能である。これにより、遊技を進行させる操作とは異なる操作(演出用スイッチ56への操作)を促すと共に、リールを停止させることも促すことができる。
また、図5(イ)に示すように、音出力停止制御とボタン演出の双方が実行されている場合において(S109およびS110の双方でYES)、演出用スイッチが操作されたときには(S108のYES)、図5(ウ)に示すように、ボタン演出からチャンス演出に切替えられるとともに、音出力停止制御を終了させる(S114)。
これにより、チャンス演出(チャンス演出中に出力されるチャンス演出楽曲の出力)が音出力停止制御により阻害されることを防止できることから、チャンス演出が阻害されたことに起因する不満を遊技者に抱かせることを防止できる。
(2−8) また、図11(ア)、(ウ)に示すように、ボタン演出は、スピーカ53、54を用いてボタン演出楽曲を出力することにより実行される。したがって、ボタン演出および音出力停止制御を実行する手段(ハードウェア)の部品点数を削減できる。
(2−9) また、図11(イ)、(ウ)に示すように、チャンス演出は、スピーカ53、54を用いてチャンス演出楽曲を出力することにより実行される。したがって、チャンス演出および音出力停止制御を実行する手段(ハードウェア)を共通化できることにより部品点数を削減できる。また、チャンス演出および音出力停止制御を実行する手段(ハードウェア)を共通化したとしても、チャンス演出(チャンス演出楽曲の出力)が音出力停止制御により阻害されないようにすることができる。
(2−10) また、図11(ア)、(イ)に示すように、電断前にボタン演出、およびチャンス演出のうちのいずれを実行していたときであっても、該電断から復帰したときには、チャンス演出およびボタン演出のうちのいずれも実行されていない共通表示状態(図11(オ)参照)に制御する。したがって、たとえば、電断前にボタン演出を実行していた場合に復帰したときと、電断前にチャンス演出を実行していた場合に復帰したときとで、異なる表示状態に制御するスロットマシンと比較して、電断復帰時の処理負担を軽減できる。
(2−11) また、図11(ウ)に示すように、電断前に音出力停止制御を実行していたときであっても、該電断から復帰したときには、音出力停止制御が実行されていない状態に制御する(図11(オ)参照)。仮に、音出力停止制御が実行されていたときに電断が発生した場合において、電断から復帰したときに、音出力停止制御が実行された状態に制御すると、音出力停止制御が実行された状態で電断復帰することに起因する遊技者の困惑を招く虞がある。該困惑とは、たとえば、「電断から復帰したもののAT中楽曲が出力されていないので、故障したのではないか」といったものである。また、電断が発生することにより余儀なく遊技が中止された上に、該電断復帰したときにリールの停止を促す音出力停止制御が実行されたのでは、遊技者に不快感を抱かせる場合もある。
これに対し、本実施形態では、電断から復帰したときには、音出力停止制御が実行されていない状態に制御する。したがって、このような困惑や不快感を遊技者に抱かせることを防止できる。
(2−12) また、図10(ウ)に示すように、電断前に停止促進報知を実行していたときであっても、該電断から復帰したときには、停止促進報知が実行されていない状態に制御する。仮に、停止促進報知が実行されていたときに電断が発生した場合において、電断から復帰したときに、停止促進報知が実行された状態に制御すると、停止促進報知が実行された状態で電断復帰することに起因する遊技者の困惑を招く虞がある。該困惑とは、たとえば、「電断から復帰したものの、「リールを停止してください」といった文字が表示されているので、故障したのではないか」といったものである。また、電断が発生することにより余儀なく遊技が中止された上に、該電断復帰したときにリールの停止を促す停止促進報知が実行されたのでは、遊技者に不快感を抱かせる場合もある。
これに対し、本実施形態では、電断から復帰したときには、停止促進報知が実行されていない状態に制御する。したがって、このような困惑や不快感を遊技者に抱かせることを防止できる。
(2−13) また、メイン制御部およびサブ制御部は、突然の電断などに備えて、タイマ割込み処理により、バックアップ処理を実行する。該バックアップ処理により、メイン制御部のRAMに格納されている全ての情報、およびサブ制御部のRAMに格納されている全ての情報を所定のバックアップ領域に退避させる。ここで、サブ制御部のRAMに格納されている全ての情報には、停止促進報知が実行されていることを特定可能な停止促進報知フラグなどが含まれている。このように、バックアップ処理では、メイン制御部のRAMおよびサブ制御部のRAMに格納されている情報を選別せずに、バックアップ領域に格納させる。したがって、本実施形態のスロットマシンでは、メイン制御部のRAMおよびサブ制御部のRAMに格納されている情報を選別する処理を削減できることから、メイン制御部のRAMおよびサブ制御部のRAMに格納されている情報を選別してバックアップ領域に格納させるスロットマシンと比較して、バックアップ処理の処理負担を軽減できる。
また、本実施形態では、バックアップ領域に停止促進報知フラグが格納されているが、電断復帰時には、停止促進報知を実行しない状態に制御する(図10の(ウ)、(オ)参照)。したがって、前述のような困惑や不快感を遊技者に抱かせることを防止できる。なお、バックアップ領域に格納されている停止促進報知フラグは用いられることはない。
(2−14) バックアップ領域に格納される情報には、制御されているRT状態を特定可能なRTフラグも含まれる。また、電断から復帰する場合には、該RTフラグから特定されるRT状態に制御させる。したがって、電断が発生して該電断から復帰した場合であっても、電断前のRT状態での遊技を提供できる。
図10(オ)、(カ)に示すように、電断復帰時には、電断復帰前に制御されていたRT状態に対応する対応画像を含む背景画像が表示される。ここで、この対応画像は、停電などの電断が発生したときから所定期間(本実施形態では、3ゲーム)の間のみ表示されるものであり、通常では、表示されない情報である。また、遊技中に、突然の電断(停電など)が発生することにより、液晶表示器51の表示が真っ黒になったり回転しているリールが停止したりする。したがって、該電断が復帰したことにより、遊技が続行できるようになったとしても、遊技者は不信感を抱く場合がある。
そこで、電断が復帰したときに、通常は表示されることのない対応画像を表示することにより、電断発生前には把握できなかったRT状態、つまり電断復帰以後のRT状態を遊技者に把握させることができるという特典を遊技者に付与することができる。この特典は、電断が発生したことに対するお詫びの特典であるといえる。
(2−15) また、図10(カ)に示すように、3つのリールが回転された状態で電断から復帰したゲームでは、該復帰したタイミングからストップスイッチが操作されぬまま3分間経過したとしても停止促進報知を実行させない。このように、停止促進報知を実行させない理由について説明する。電断から復帰したゲームにおいては、遊技者は、「遊技が適切に進行するのか」といった不安感を抱く場合がある。この不安感とは、たとえば、「電断から復帰したゲームでは、3つのリールを停止させて何らかの役が入賞したとしても、該入賞に応じた制御が実行されないのではないか」といったものである。なお、「入賞に応じた制御」とは、たとえば、小役が入賞したときには、該小役に応じたメダルの払出処理を実行する制御であり、リプレイが入賞したときには、メダルを消費することなく遊技可能な再遊技を付与する制御であり、ボーナスが入賞したときにはボーナス状態に移行させる制御である。
遊技者がこのような不安感を抱いている場合には、3つのリールが回転していたとしても、ストップスイッチを操作することに関して躊躇してしまい、その結果、電断復帰したタイミングから、ストップスイッチが操作されぬまま3分間経過する場合がある。このような場合にまで、停止促進報知を実行してしまうと、遊技者を困惑させてしまう場合がある。
そこで、3つのリール全てが回転している状態で電断から復帰したゲームでは、サブ制御部は、ストップスイッチの操作がされずに3分間経過したとしても、停止促進報知を実行させない。これにより、遊技者を困惑させてしまうことを防止できる。
(2−16) また、図11(ウ)に示すように、電断前に音出力停止制御を実行していたときであっても、該電断から復帰したときには、音出力停止制御が実行されていない状態に制御する。仮に、音出力停止制御が実行されていたときに電断が発生した場合において、電断から復帰したときに、音出力停止制御が実行された状態に制御すると、音出力停止制御が実行された状態で電断復帰することに起因する遊技者の困惑を招く虞がある。該困惑とは、たとえば、「電断から復帰したものの、AT中楽曲が出力されていないので、故障したのではないか」といったものである。また、電断が発生することにより余儀なく遊技が中止された上に、該電断復帰したときにリールの停止を促す音出力停止制御が実行されたのでは、遊技者に不快感を抱かせる場合もある。
これに対し、本実施形態では、電断から復帰したときには、音出力停止制御が実行されていない状態に制御する。したがって、このような困惑や不快感を遊技者に抱かせることを防止できる。
(2−17) また、メイン制御部およびサブ制御部は、突然の電断などに備えて、タイマ割込み処理により、バックアップ処理を実行する。該バックアップ処理により、メイン制御部のRAMに格納されている全ての情報、およびサブ制御部のRAMに格納されている全ての情報を所定のバックアップ領域に退避させる。ここで、サブ制御部のRAMに格納されている全ての情報には、音出力停止が実行されていることを特定可能な音出力停止フラグなどが含まれている。このように、バックアップ処理では、メイン制御部のRAMおよびサブ制御部のRAMに格納されている情報を選別せずに、バックアップ領域に格納させる。したがって、本実施形態のスロットマシンでは、メイン制御部のRAMおよびサブ制御部のRAMに格納されている情報を選別する処理を削減できることから、メイン制御部のRAMおよびサブ制御部のRAMに格納されている情報を選別してバックアップ領域に格納させるスロットマシンと比較して、バックアップ処理の処理負担を軽減できる。
また、本実施形態では、バックアップ領域に音出力停止フラグが格納されているが、電断復帰時には、音出力停止を実行しない状態に制御する(図11の(ウ)、(オ)参照)。したがって、前述のような困惑や不快感を遊技者に抱かせることを防止できる。なお、バックアップ領域に格納された音出力停止フラグは用いられることはない。
(2−18) バックアップ領域に格納される情報には、制御されているRT状態を特定可能なRTフラグも含まれる。また、電断から復帰する場合には、該RTフラグから特定されるRT状態に制御させる。したがって、電断が発生して該電断から復帰した場合であっても、電断前のRT状態での遊技を提供できる。
また、図11(オ)、(カ)に示すように、電断復帰時には、電断復帰前に制御されていたRT状態に対応する対応楽曲が出力される。ここで、この対応楽曲は、停電などの電断が発生したときから所定期間の間のみ出力されるものであり、通常では、出力されない情報である。遊技中に、突然の電断(停電など)が発生することにより、液晶表示器51の表示が真っ黒になったり回転しているリールが停止したりする。該電断が復帰したことにより、遊技が続行できるようになったとしても、遊技者は不信感を抱く場合がある。
そこで、電断が復帰したときに、対応楽曲を出力することにより、電断発生前には把握できなかったRT状態、つまり電断復帰以後のRT状態を遊技者に把握させることができるという特典を遊技者に付与することができる。この特典は、電断が発生したことに対するお詫びの特典であるといえる。
(2−19) また、図11(カ)に示すように、3つのリールが回転された状態で電断から復帰したゲームでは、該復帰したタイミングからストップスイッチが操作されぬまま3分間経過したとしても音出力停止制御を実行させない。このように、音出力停止制御を実行させない理由について説明する。電断から復帰したゲームにおいては、遊技者は、「遊技が適切に進行するのか」といった不安感を抱く場合がある。この不安感とは、たとえば、「電断から復帰したゲームでは、3つのリールを停止させて何らかの役が入賞したとしても、該入賞に応じた制御が実行されないのではないか」といったものである。なお、「入賞に応じた制御」とは、たとえば、小役が入賞したときには、該小役に応じたメダルの払出処理を実行する制御であり、リプレイが入賞したときには、メダルを消費することなく遊技可能な再遊技を付与する制御であり、ボーナスが入賞したときにはボーナス状態に移行させる制御である。
遊技者がこのような不安感を抱いている場合には、3つのリールが回転していたとしても、ストップスイッチを操作することに関して躊躇してしまい、その結果、電断復帰したタイミングから、ストップスイッチが操作されぬまま3分間経過する場合がある。このような場合にまで、音出力停止制御を実行してしまうと、遊技者を困惑させてしまう場合がある。
そこで、3つのリール全てが回転している状態で電断から復帰したゲームでは、サブ制御部は、ストップスイッチの操作がされずに3分間経過したとしても、音出力停止制御を実行させない。これにより、遊技者を困惑させてしまうことを防止できる。
[変形例について]
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。本発明は、上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例などについて説明する。また、前述した本実施形態で説明した技術事項、および、以下の変形例で説明する技術事項のうち少なくとも2つを組み合わせて実施するようにしてもよく、前述した本実施形態で説明した技術事項を以下の変形例で説明する技術事項に置換して実施するようにしてもよく、当該置換したものに対して、以下の変形例で説明する技術事項をさらに組み合わせて実施するようにしてもよい。以下では、主にスロットマシンの変形例について説明する。
前述した実施の形態では、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能なリールを複数備え、リールを変動表示した後、リールの変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数のリールの表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであれば、3つのリールを備えるものに限らず、1のリールしか備えないものや、3以外の複数のリールを備えるスロットマシンであってもよい。
[停止促進報知演出処理の変形例について]
(1) 前述した実施の形態においては、図6のS203,S204で示したように、所定演出が実行されているときには、停止促進報知および連動演出を実行しないようにした。これにより、所定演出が実行されているときは停止促進報知および連動演出が実行されないようにすることによって、所定演出を遊技者が見ることができないことを防止できる。しかし、これに限定されず、所定演出が実行されているときに、所定演出を切替えて、停止促進報知およびリールが所定時間にわたって停止されないときのみ開始される連動演出を実行するようにしてもよい。
これにより、リールが所定時間にわたって停止されないときに所定演出に替えて連動演出が実行され、連動演出は停止促進報知が実行されるときの専用の演出となり、停止操作をしない限り連動演出を進行させることができないので、連動演出を見るために停止操作をするといった動機付けを遊技者に与えることができるため、停止操作を促進することができるとともに、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前述した実施の形態においては、停止促進報知および連動演出が異なるものとして説明した。しかし、これに限定されず、停止促進報知および連動演出が明確に異なるものでないようにしてもよい。たとえば、連動演出のキャラクタのセリフの吹き出し表示で停止促進報知をするようにしてもよい。また、連動演出自体が停止促進報知であってもよい。たとえば、連動演出が、その演出のキャラクタがストップスイッチを操作している映像の演出であってもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、停止促進報知は、図7等で示したように、表示による報知であることとした。しかし、これに限定されず、音声による報知であってもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、図6のS204,S206、図8(B1),(C1)で示したように、連動演出を開始するとき、すでに停止されたリールに対応するストップスイッチの操作に対応した内容まで進行していない状態で、連動演出を開始し、その後、リールが操作されたときに、当該操作に対応した内容まで進行するように連動演出を実行するようにした。
しかし、これに限定されず、連動演出を開始するとき、すでに停止されたリールに対応するストップスイッチの操作に対応した内容まで進行していない状態で、連動演出を開始し、その後、リールが操作されたときに、当該操作に対応した内容から連動演出を実行するようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、図7(E)で示したように、連動演出が終了したことを遊技者に認識させる報知として、「Excellent」との表示および「よくできました♪」との音声を出力するようにした。しかし、これに限定されず、連動演出が終了したことを遊技者に認識させる報知としては、祝福する内容の報知(たとえば、「おめでとう」との表示または音声)であってもよいし、連動演出の終了の報知(たとえば、「完成」,「Complete」との表示または音声)であってもよい。
(6) 前述した実施の形態においては、図7(C),(D)で示したように、最終停止操作までに必要な操作の回数を示唆する報知として、数を直接示す報知(「あと2つ!」,「あと1つ!」との音声の出力)を実行するようにした。しかし、これに限定されず、最終停止操作までに必要な操作の回数を示唆する報知としては、数を直接示さない報知(たとえば、「まだまだ」,「もう少し」の表示または音声)であってもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、図7等で示したように、予め定められた連動演出が実行されるようにした。しかし、これに限定されず、スロットマシン1における遊技演出のカスタマイズ機能を備えるようにして、カスタマイズに応じた連動演出が実行されるようにしてもよい。たとえば、スロットマシン1における遊技演出に登場するキャラクタをカスタマイズ機能で選択した場合、当該キャラクタが連動演出に登場するようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態においては、連動演出が、2人のキャラクタが登場する演出であることとした。しかし、これに限定されず、連動演出は、リールの停止が促進されるときの専用の演出であれば、他の演出であってもよい。たとえば、実際のリール2L,2C,2Rに対応したリールの画像であってもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、図6等で示したように、すべてのストップスイッチの操作に連動して連動演出の内容が進行されるようにした。しかし、これに限定されず、いずれかのストップスイッチの操作に連動して連動演出の内容が進行されるようにしてもよい。たとえば、ストップスイッチの操作がされずに所定時間が経過した後の最初のストップスイッチの操作のみに連動して連動演出の内容が進行されるようにしてもよい。最初のストップスイッチが操作されると、その他のストップスイッチの操作も行われることが多いと考えられるので、このようにしても、すべてのストップスイッチの操作に連動する場合と同様に、ストップスイッチの操作を促進することができる。
(10) 前述した実施の形態においては、図9で示したように、(B2)で示したように、停止促進報知および連動演出の両方をワイプ画面で表示するようにした。しかし、これに限定されず、連動演出をワイプ画面で表示して、停止促進報知(たとえば、「リールを停止してください」といったリールの停止を促進する表示)を所定演出の前面で実行するようにしてもよい。
[サブ制御部により実行される演出および制御について]
(1) 図12は、本変形例の非AT中の演出関連処理を説明するための図である。図12では、図2のフローチャート図と比較すると、図2のS4とS6の間に、S5が追加されており、図2のS10、S14が削除されている。
S5は、S4の処理においてYESと判定された場合に実行される。S5では、ボタン演出が実行中であるか否かが判断される。S5において、ボタン演出が実行されていないと判断された場合には(S5のNO)、S6に進む。S6では、停止促進報知を実行する。また、S5において、ボタン演出が実行されていると判断された場合には(S5のYES)、演出関連処理を終了する。
本実施形態では、停止促進報知は、ボタン演出とともに実行可能であるとして説明した(図10(エ)参照)。しかしながら、図12に示す本変形例のように、ボタン演出が実行された状態では(S5のYES)、停止促進報知を実行しない構成(実行不可能な構成)としてもよい。このような構成によれば、停止促進報知によりボタン演出が阻害されないようにすることができる。
(2) 図13は、本変形例のAT中の演出関連処理を説明するための図である。図13では、図4のフローチャート図と比較すると、図2のS104とS106の間に、S105が追加されており、図2のS110、S114が削除されている。
S105は、S104の処理においてYESと判定された場合に実行される。S105では、ボタン演出が実行中であるか否かが判断される。S105において、ボタン演出が実行されていないと判断された場合には(S105のNO)、S106に進む。S106では、音出力停止制御を実行する。また、S105において、ボタン演出が実行されていると判断された場合には(S105のYES)、演出関連処理を終了する。
本実施形態では、音出力停止制御は、ボタン演出とともに実行可能であるとして説明した(図11(エ)参照)。しかしながら、図13に示す本変形例のように、ボタン演出が実行された状態では(S105のYES)、音出力停止制御を実行しない構成(実行不可能な構成)としてもよい。このような構成によれば、音出力停止制御により、ボタン演出(ボタン演出楽曲の出力)が阻害されないようにすることができる。
(3) 本実施形態では、ボタン演出および停止促進報知の双方は、共通して液晶表示器51を用いて実行される、として説明した。しかしながら、ボタン演出の実行に用いられる手段と、停止促進報知の実行に用いられる手段とは、少なくとも一部が共通していればよい。たとえば、ボタン演出の実行では液晶表示器51と演出効果LED52とが用いられ、停止促進報知の実行では、液晶表示器51とスピーカ53、54とが用いられるようにしてもよい。このような構成であれば、ボタン演出の実行に用いられる手段と、停止促進報知の実行に用いられる手段とは、少なくとも液晶表示器51が共通することになる。したがって、ボタン演出および停止促進報知を実行する手段(ハードウェア)の部品点数を極力削減できる。
(4) 本実施形態では、チャンス演出および停止促進報知の双方は、共通して液晶表示器51を用いて実行される、として説明した。しかしながら、チャンス演出の実行に用いられる手段と、停止促進報知の実行に用いられる手段とは、少なくとも一部が共通していればよい。たとえば、チャンス演出の実行では液晶表示器51と演出効果LED52とが用いられ、停止促進報知の実行では、液晶表示器51とスピーカ53、54とが用いられるようにしてもよい。このような構成であれば、チャンス演出の実行に用いられる手段と、停止促進報知の実行に用いられる手段とは、少なくとも液晶表示器51が共通することになる。したがって、チャンス演出および停止促進報知を実行する手段(ハードウェア)の部品点数を極力削減できる。
(5) 本実施形態では、ボタン演出は、液晶表示器51およびスピーカ53、54を用いて実行するとして説明した。しかしながら、ボタン演出は、スピーカ53、54のみを用いて実行し、他の手段(液晶表示器51や演出効果LED52など)を用いずに実行するようにしてもよい。このような場合には、ボタン演出の実行の処理負担を軽減できる。また、ボタン演出は、スピーカ53、54のみを用いて実行する構成であっても、ボタン演出(ボタン演出楽曲の出力)が、停止促進報知または音出力停止制御により阻害されることを防止できる。
また、ボタン演出は、スピーカ53、54を用いていれば、液晶表示器51とは異なる演出手段、たとえば、演出効果LED52などを用いて実行してもよい。
(6) 本実施形態では、チャンス演出は、液晶表示器51およびスピーカ53、54を用いて実行するとして説明した。しかしながら、チャンス演出は、スピーカ53、54のみを用いて実行し、他の手段(液晶表示器51や演出効果LED52など)を用いずに実行するようにしてもよい。このような場合には、チャンス演出の実行の処理負担を軽減できる。また、チャンス演出は、スピーカ53、54のみを用いて実行する構成であっても、チャンス演出(チャンス演出楽曲の出力)が停止促進報知または音出力停止制御により阻害されることを防止できる。
また、チャンス演出は、スピーカ53、54を用いていれば、液晶表示器51とは異なる演出手段、たとえば、演出効果LED52などを用いて実行してもよい。
(7) 本実施形態では、サブ制御部は、ボタン演出、チャンス演出、停止促進報知、音出力停止制御などを実行可能であるとして説明した。サブ制御部は、その他の演出(以下、「特定演出」という。)を実行可能である。特定演出は、1ゲームで完結するものであってもよく、複数ゲームにわたって実行される演出であってもよい。特定演出の実行条件は、たとえば、特定役が当選することにより成立する条件としてもよく、特定役が入賞することにより成立する条件としてもよく、所定ゲーム数消化することにより成立する条件としてもよい。
1ゲームで完結する特定演出の一例として、たとえば、内部抽選結果に応じたキャラを表示させる演出としてもよい。この特定演出は、ベルが当選したタイミングで、ベルを想起させる黄色のキャラクタを表示させる演出としてもよい。また、複数ゲームにわたって実行される特定演出の一例として、バトル演出としてもよい。バトル演出は、味方キャラと敵キャラとがバトルを実行し、味方キャラが勝利した場合には、ナビストックなどの特典が付与され、敵キャラが勝利した場合には、該特典が付与されないといったものである。
また、非AT中であるかAT中であるかに関わらず、電断前に特定演出を実行していたときであっても、電断が発生し、該電断から復帰したときには、電断前に実行されていた特定演出が実行されていない共通表示状態(図10(オ)参照)に制御することが好ましい。したがって、たとえば、電断前に停止促進報知を実行していた場合に復帰したときと、電断前に特定演出を実行していた場合に復帰したときとで、異なる表示状態に制御するスロットマシンと比較して、電断復帰時の処理負担を軽減できる。
(8) 本実施形態では、リールの停止を促進させるリール停止促進制御として、停止促進報知、および音出力停止制御を説明した。しかしながら、リール停止促進制御は以下のようなものであってもよい。
第1のリール停止促進制御として、音出力停止制御のように出力されていた(たとえば、AT中楽曲)の音量をゼロにするのではなく、通常時よりも、AT中楽曲の音量を低下させる音量低下制御を実行するようにしてもよい。ここで、通常時とは、音量低下制御が実行されていないときである。このように、リール停止促進制御として音量低下制御を実行しても、リールを停止させることを遊技者に促進させることができる。
また、第2のリール停止促進制御として、スピーカ53、54を用いて、「リールを停止してください」といった音声を出力する促進音声出力制御を実行してもよい。リール停止促進制御として促進音声出力制御を実行しても、リールを停止させることを遊技者に促進させることができる。
また、第1のリール停止促進制御および第2のリール停止促進制御のうちの少なくとも一方(以下、「所定のリール停止促進制御」という。)は、ボタン演出とともに実行可能としてもよい。所定のリール停止促進制御と、ボタン演出との双方が実行されている場合において、演出用スイッチ56が操作されたときには、実行されていた所定のリール停止促進制御を終了させるようにしてもよい。これにより、チャンス演出(チャンス演出楽曲の出力)は、所定のリール停止促進制御により阻害されないようにすることができる。
また、ボタン演出が実行されている状態では、所定のリール停止促進制御を実行しない構成(実行不可能な構成)としてもよい。このような構成によれば、所定のリール停止促進制御により、ボタン演出(ボタン演出楽曲の出力)が阻害されないようにすることができる。
(9) また、リール停止促進制御として以下のような制御を実行可能である。第3のリール停止促進制御として、演出効果LED52、およびリールLED55のうちの少なくとも一方のLED(以下、「所定のLED」という。)の発光量を通常時よりも低下させる発光低下制御を実行するようにしてもよい。リール停止促進制御として発光低下制御を実行しても、リールを停止させることを遊技者に促進させることができる。
また、第4のリール停止促進制御として、LED(演出効果LED52、およびリールLED55のうちの少なくとも一方のLED)の発光を停止させる発光停止制御を実行するようにしてもよい。リール停止促進制御として発光停止制御を実行しても、リールを停止させることを遊技者に促進させることができる。以下では、第3のリール停止促進制御と第4のリール停止促進制御のうちの少なくとも一方のリール停止促進制御を「特定のリール停止促進制御」という。
また、スロットマシンは、チャンス演出を所定のLEDを特定態様で発光させることにより実行し、かつボタン演出および特定の停止促進報知制御の双方を実行するようにしてもよい。仮に、チャンス演出を実行している状態で、特定のリール停止促進制御を実行すると、チャンス演出(チャンス演出中の所定のLEDの発光)を阻害してしまう。そこで、本変形例では、ボタン演出および特定の停止促進報知制御の双方を実行している場合において、演出用スイッチ56が操作されたときに、ボタン演出からチャンス演出に切替えるとともに、特定の停止促進報知制御を終了させる。このような構成によれば、特定のリール停止促進制御により、チャンス演出(チャンス演出中の発光)が阻害されないようにすることができる。
また、スロットマシンは、ボタン演出を所定のLEDを特定態様で発光させることにより実行し、かつボタン演出が実行されている状態では、特定のリール停止促進制御を実行しない構成(実行不可能な構成)としてもよい。このような構成によれば、特定のリール停止促進制御により、ボタン演出(ボタン演出中の発光)が阻害されないようにすることができる。
(10) 本実施形態では、リール停止促進制御として、非AT中では停止促進報知を実行し、AT中では音出力停止制御を実行するとして説明した。しかしながら、非AT中に音出力停止制御を実行するようにしてもよい。また、AT中に、停止促進報知を実行するようにしてもよい。なお、本実施形態では、非AT中に音出力停止制御を実行しない理由は、非AT中は、楽曲が出力される頻度が少ないため、該音出力停止制御を実行したとしても、遊技者にリールを停止させることを効果的に促進できない場合があるからである。
一般的に、非AT中は、常時、楽曲が出力されることはないが、特定演出などが実行される場合があり、該特定演出の実行中には、特定演出楽曲が出力される。非AT中に、音出力停止制御を実行可能な構成においては、該特定演出を実行しているときなどに、音出力停止制御を実行することで、特定演出楽曲の出力を停止させることができ、リールを停止させることを遊技者に促進させることができる。
また、非AT中およびAT中のうちの少なくとも一方において、リール停止促進制御として、停止促進報知および音出力停止制御の双方を実行するようにしてもよい。また、レバーオン操作されたときから、ストップスイッチが操作されずに、所定時間(たとえば、3分間)経過した第1タイミングで、停止促進報知および音出力停止制御のうちのいずれか一方を実行し、該第1タイミングからストップスイッチが操作されずにさらに特定時間(たとえば、2分間)経過した第1タイミングで、他方を実行するようにしてもよい。このような構成によれば、レバーオン操作されたときから、第1タイミングと第2タイミングとで、リール停止促進制御の態様を変更することができ、リールを停止させることをさらに強く遊技者に促進させることができる。
(11) 本実施形態のリール停止促進制御が実行される実行契機は、「レバーオン操作されたタイミングから、ストップスイッチが操作されずに3分間経過したこと(以下、「第1実行契機」という。」であるとして説明した(図2のS4、および図4のS104など参照)。しかしながら、たとえば、本実施形態のように、リールを複数(本実施形態ではの3個)備えるスロットマシンの場合には、リール停止促進制御が実行される実行契機は、第1実行契機の他に、以下の第2実行契機を含むものであってもよい。以下では、N個(Nは2以上の整数)のリールを備えるスロットマシンにおいて、レバーオン操作されることによりN個のリール全ての回転が開始してから、最初にリールを停止させる操作を「第1停止操作」といい、2番目にリールを停止させる操作を「第2停止操作」といい、N−1番目にリールを停止させる操作を「第N−1停止操作」といい、N番目にリールを停止させる操作を「第N停止操作」という。
第2実行契機は、「N個のリールのうちの2以上のリールが回転している状態で、リールを停止させる操作が実行されたタイミングから、他の回転しているリールを停止させる操作が実行されずに、所定時間(たとえば、3分間)経過したこと」である。リール停止促進制御が実行される実行契機にこのような第2実行契機を含ませることにより、たとえば、第1停止操作が実行されたタイミングから、第2停止操作が実行されることなく、所定時間経過したときに、サブ制御部は、リール停止促進制御を実行する。これにより、実行された第1停止操作により停止したリール以外のリールが回転している状態で長時間放置されることを防止できる。
同様に、第n停止操作(1≦n<Nを満たす整数)が実行されたタイミングから、第n+1停止操作が実行されずに、所定時間経過したときに、サブ制御部はリール停止促進制御を実行する。これにより、実行された第n停止操作により停止したリール以外のリールが回転している状態で長時間放置されることを防止できる。
(12) 本実施形態では、サブ制御部は、チャンス演出を予め定められた時間(本実施形態では、5秒間)実行した後に、付与されたナビストック数(0を含む)を表示するとして説明した。しかしながら、チャンス演出中に、付与されたナビストック数を表示するようにしてもよい。また、チャンス演出は、「CHANCE」という文字を表示するものに限らず、他の情報を表示する演出であってもよい。たとえば、チャンス演出は、所定のキャラを表示させる演出としてもよい。
(13) 本実施形態では、操作要求演出として、演出用スイッチ56への操作を遊技者に対して要求するボタン演出を説明した。しかしながら、操作要求演出は、他の操作手段への操作を要求する演出であってもよい。たとえば、他の手段への操作は「遊技を進行させる操作(たとえば、賭数を設定する操作、レバーオン操作、リールを停止させる操作など)以外の操作」であることが好ましい。たとえば、「他の手段への操作」は、「既に賭数が設定されている状態での賭数を設定するための操作手段(本実施形態では、MAXBETスイッチ6)への操作」としてもよい。この場合には、操作要求演出は、たとえば、液晶表示器51に「MAXBETスイッチを押せ」などの文字を表示する演出となる。
また、スロットマシン1が、遊技者の体の一部(たとえば、手)の接触を検出可能な接触検出部(たとえば、タッチパネル)を備える場合には、操作要求演出は、たとえば、該接触検出部への接触を遊技者に要求する演出としてもよい。なお、接触検出部は、液晶表示器51と兼用してもよいし、他の箇所としてもよい。接触検出部が液晶表示器51と兼用されている構成の場合には、操作要求演出は、液晶表示器51に「液晶表示器をタッチしろ」などの文字を表示する演出となる。
また、所定の操作手段への操作を遊技者に要求する操作要求演出ではなく、「所定の動作」を遊技者に要求する動作要求演出を実行するようにしてもよい。たとえば、スロットマシン1が、遊技者が発声した音声を認識可能な音声認識手段を備える場合には、動作要求演出は、遊技者に対して「発声動作」を要求する演出としてもよい。具体的には、「発声動作」を要求する動作要求演出は、液晶表示器51に「大声を出せ」などといった文字を表示する演出となる。
また、スロットマシン1が、遊技者の体の一部(たとえば、手)を検出するセンサを備える場合には、動作要求演出は、遊技者に対して「センサに遊技者の体の一部を検出させる動作」を要求する演出としてもよい。具体的には、「センサに遊技者の体の一部を検出させる動作」を要求する動作要求演出は、液晶表示器51に「センサに手をかざせ」などといった文字を表示する演出となる。
(14) 本実施形態では、ATであるときに、音出力停止制御を実行可能であるとして説明した。しかしながら、音出力停止制御が実行可能な期間は、ATに限らず、他の期間としてもよい。他の期間とは、楽曲が出力される頻度が多い期間とすることが好ましい。何故ならば、楽曲が出力される頻度が多い期間で、音出力停止制御を実行すると、リールの停止を促進していることを遊技者に明確に認識させることができるからである。楽曲が出力される頻度が多い期間とは、たとえば、ボーナス状態に制御されている期間である。
(15) 本実施形態では、ボタン演出実行中には、ボタン演出楽曲がスピーカ53、54から継続して出力される、として説明した。しかしながら、ボタン演出実行中には、ボタン演出楽曲を継続して出力しない構成としてもよい。このような構成を採用した場合には、たとえば、ボタン演出が開始される際には、該ボタン演出が実行される前から出力されている楽曲(以下、「実行前楽曲」という。)の出力を継続すると共に、ボタン演出の開始タイミングで、短時間(たとえば、3秒間)、ボタン演出楽曲を出力するようにしてもよい。このように、短時間出力されるボタン演出楽曲は、効果音(以下、「ボタン演出開始効果音」という。)であるともいえる。該ボタン演出開始効果音は、たとえば、「ジャジャーン」などである。また、該ボタン演出開始効果音が出力されている間も、実行前楽曲の出力は継続し、該ボタン演出開始効果音の出力が終了した後でも(3秒間、ボタン演出開始効果音を出力した後でも)、実行前楽曲の出力は継続される。
つまり、ボタン演出の実行が開始されるときには、ボタン演出開始効果音を予め定められた時間、出力すると共に、実行前楽曲を継続して出力する。また、ボタン演出開始効果音の出力中も、実行前楽曲の出力は継続する(ボタン演出開始効果音と実行前楽曲との双方が出力される)。このように、実行前楽曲を継続して出力するとともに、ボタン演出の開始タイミングで、ボタン演出開始効果音を出力することにより、ボタン演出の開始を遊技者に強く印象付けることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、ボタン演出がこのような演出である場合において、該ボタン演出と、音出力停止制御との関係を説明する。音出力停止制御を実行可能な期間中に(本実施形態ではAT中)、レバーオン操作された時から、ストップスイッチが操作されずに所定時間(3分間)経過した時に、ボタン演出開始効果音と実行前楽曲との双方が出力されているときには、音出力停止制御を実行することにより、ボタン演出開始効果音と実行前楽曲との双方の出力を停止させる。また、レバーオン操作された時から、ストップスイッチが操作されずに所定時間(3分間)経過した時に、ボタン演出開始効果音の出力が終了して実行前楽曲のみが出力されているときには、実行前楽曲の出力を停止させる。
このような音出力停止を実行したとしても、リール停止させること(ストップスイッチを操作させること)を遊技者に間接的に促進させることができ、リールが回転している状態で長時間放置されることを極力防止できる。
また、本変形例のようなボタン演出と音出力停止制御との双方が実行されている場合において、演出用スイッチが操作されたときには、ボタン演出からチャンス演出に切替えられるとともに、音出力停止制御を終了させる。これにより、チャンス演出(チャンス演出中に出力されるチャンス演出楽曲の出力)が音出力停止制御により阻害されることを防止できることから、チャンス演出が阻害されたことに起因する不満を遊技者に抱かせることを防止できる。
また、本変形例のようなボタン演出が実行された状態では、音出力停止制御を実行しない構成(実行不可能な構成)としてもよい(図13参照)。このような構成によれば、音出力停止制御により、ボタン演出(ボタン演出楽曲の出力)が阻害されないようにすることができる。
[バックアップ処理について]
(1) 本実施形態では、バックアップ処理は、サブ制御部のRAMに格納されている情報の全てをバックアップ領域に格納する処理である、つまり、停止促進報知を実行していることを特定可能な停止促進報知フラグもバックアップ領域に格納するとして説明した。しかしながら、バックアップ処理として、停止促進報知フラグは、バックアップ領域に格納しない構成としてもよい。このような構成によれば、停止促進報知を実行している状態で、電断が発生したときにおいて、該電断から復旧したときには停止促進報知が実行されていない状態に確実に制御させることができる。さらに、バックアップ処理の負担の削減、およびバックアップ領域の容量の削減を図ることができる。
(2) 本実施形態では、バックアップ処理は、サブ制御部のRAMに格納されている情報の全てをバックアップ領域に格納する処理である、つまり、音出力停止制御を実行していることを特定可能な音出力停止制御フラグもバックアップ領域に格納するとして説明した。しかしながら、バックアップ処理として、音出力停止制御フラグは、バックアップ領域に格納しない構成としてもよい。このような構成によれば、音出力停止制御を実行している状態で、電断が発生したときにおいて、該電断から復旧したときには音出力停止制御が実行されていない状態に確実に制御させることができる。さらに、バックアップ処理の負担の削減、およびバックアップ領域の容量の削減を図ることができる。
(3) 本実施形態では、バックアップ処理はタイマ割込み処理であるとして説明した。しかしながら、バックアップ処理はタイマ割込み処理ではなく、以下のような処理を実行するようにしてもよい。たとえば、電断が発生したタイミングで、メイン制御部は、メイン制御部のRAMに格納されていた情報をメイン制御部のバックアップ領域に格納する。これとともに、メイン制御部は、電断が発生したことを特定可能な電断コマンドをサブ制御部に対して送信する。サブ制御部は、該電断コマンドを受信したときにサブ制御部のRAMに格納されていた情報を、サブ制御部用のバックアップ領域に格納する。
また、電断が発生したときには、メイン制御部およびサブ制御部にはバックアップ電源が供給されることから、電断が発生したタイミングで、バックアップ処理を実行することができる。このような構成によれば、バックアップ処理をタイマ割込み処理で行う必要がないことから、タイマ割込み処理の負担を軽減できる。
[電断復帰時処理について]
(1) 本実施形態では、電断前のRT状態は、該電断前には(対応画像が表示されていないときには)、風景画像により遊技者により予想できる状態であるものの、確実に特定できない状態であるとして説明した。しかしながら、電断前のRT状態は、遊技者により確実に特定できる状態であってもよい。たとえば、本実施形態では、常時表示される風景画像は、制御されているRT状態と1対1対応していないとして説明したが、該風景画像は、制御されているRT状態と1対1対応している構成とすればよい。つまり、風景画像および対応画像のいずれもが、制御されているRT状態と1対1対応することになる。
このような構成によれば、電断復帰時には、対応画像および風景画像の双方を表示することにより、電断前の制御されていたRT状態(遊技者により特定されていた状態)を遊技者に再確認させることができる。また、風景画像は、制御されているRT状態と1対1対応している構成とした場合には、電断復帰時は、背景画像として対応画像を表示せず風景画像のみを表示する構成としてもよい。このような構成によれば、風景画像のみの表示で、電断前に制御されていたRT状態を遊技者に再確認させることができるとともに、対応画像の表示処理の負担を削減できる。
(2) 本実施形態では、図10(オ)、および図11(オ)に示すように、「対応画像の表示および対応楽曲の出力により遊技者に把握させる電断前の状態」は、RT状態とした。しかしながら、「対応画像の表示および対応楽曲の出力により遊技者に把握させる電断前の状態」は他の状態としてもよい。たとえば、該他の状態は、非ATおよびAT状態のうちのいずれかの状態としてもよい。なお、非ATのときには、ナビ演出が実行されず、ATのときには、ナビ演出は実行されない。したがって、遊技者は、少なくともナビ演出の有無により非ATであるかATであるかを特定できる。よって、「対応画像の表示および対応楽曲の出力」により、電断前に非ATに制御されていたかATに制御されていたかを遊技者は再確認できる。
(3) また、「対応画像の表示および対応楽曲の出力により遊技者に把握させる情報」は、たとえば、設定されている設定値としてもよい。ここで、設定値とは、内部抽選における当選確率を特定する値である。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も遊技者にとっての有利度合いが高く(メダル払出率が高く)、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度合いは低くなる(メダル払出率が低くなる)。すなわち、設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、設定値は1、3、6や、1、4、H(High)等の3段階や、1〜7の7段階で設定してもよく、6段階に限定する必要はない。また、通常時は、設定されている設定値は遊技者には特定させないようになっている。
このような構成の場合には、電断復帰時処理として、電断前に設定されていた設定値に1対1で対応している対応画像を表示する。これにより、電断が発生したことに対するお詫びの特典として、電断前の設定値を遊技者に把握させることができる。
また、対応画像は、電断前に設定されていた設定値とは完全に1対1で対応していなくてもよい。たとえば、電断前に設定されていた設定値が1〜3である場合には、対応画像として、「雨」を表示し、電断前に設定されていた設定値が4〜6である場合には、対応画像として、「太陽」を表示するようにしてもよい。このような構成によれば、電断復帰時処理により表示された対応画像から、電断前の設定値を遊技者に予想させることができる。
(4) また、図10(カ)および図11(カ)に示すように、3つのリール全てが回転している状態で電断から復帰したゲームであって、該電断復帰したタイミング(たとえば、ストップスイッチの操作が有効となったタイミング)から、ストップスイッチの操作がされずに3分間経過した状況においては、停止促進報知または音出力停止制御は実行しない、として説明した。しかしながら、このような状況において、停止促進報知および音出力停止制御のうちの少なくとも一方を実行するようにしてもよい。
具体的な制御として、サブ制御部は、該電断復帰したタイミング(たとえば、ストップスイッチの操作が有効となったタイミング)から、RTCの計時を開始させる。その後、ストップスイッチが操作されずに、RTCの計時結果が3分間に到達したと判断されたときには、停止促進報知または音出力停止制御は実行すればよい。
このような構成によれば、電断復帰したゲームにおいて、リールが回転している状態で長時間放置されることを極力防止できる。
(5) 本実施形態では、リールが回転している状況で電断が発生したときにおいて、電断から復帰したときには、リールの回転は維持された状態に制御するとして説明した(図10、および図11参照)。しかしながら、リールが回転している状況で電断が発生したときにおいて、電断から復帰したときには、リールの回転は維持されていない状態(つまり、リールが停止している状態)に制御するようにしてもよい。このような構成によれば、バックアップ処理において、リールフラグについてはバックアップ領域に格納させないようにすることができるので、バックアップ処理の負担の削減、およびバックアップ領域の容量の削減を図ることができる。
(6) また、リールが停止している状態で電断が発生したときにおいて、該電断から復帰したときには、リールが停止している状態で復帰する。電断から復帰したゲームにおいて、停止しているリールをレバーオン操作により回転させたとする。該レバーオン操作から、ストップスイッチが操作されずに3分間経過したときにはリール停止促進制御を実行しないようにしてもよい。このように、リール停止促進制御を実行しない理由は以下の通りである。電断から復帰したゲームにおいては、遊技者は、「遊技が適切に進行するのか」といった不安感を抱く場合があり、この場合には、3つのリールが回転していたとしても、ストップスイッチを操作することに関して躊躇してしまい、その結果、電断復帰したタイミングから、ストップスイッチが操作されぬまま3分間経過する場合がある。このような場合にまで、停止促進報知を実行してしまうと、遊技者を困惑させてしまう場合がある。そこで、電断から復帰したゲームにおいて、遊技者のレバーオン操作によりリールを回転させて、ストップスイッチが操作されずに3分間経過しても、停止促進報知をしないことにより、遊技者を困惑させてしまうことを防止できる。
(7) 図10(オ)、および図11(オ)に示すように、ボタン演出、チャンス演出、停止促進報知、および音出力停止制御のいずれが実行されているときであっても、電断復帰時処理として、共通表示状態に制御するとして説明した。しかしながら、電断前に特定の情報が報知されているときに電断が発生した場合には、特定の情報が報知されている状態で、電断復帰させるようにしてもよい。ここで、特定の情報とは、たとえば、遊技者にとって有益な情報であることが好ましい。有益な情報とは、たとえば、「付与されたナビストック数を特定可能な情報」、「ナビ演出により報知された操作手順を特定可能な情報」である。このような構成によれば、「電断が発生したことにより、有益な情報を遊技者が認識し損なうこと」を防止できる。
たとえば、付与されたナビストック数が液晶表示器51に表示されている状態で、電断が発生したとする。この場合において、該電断から復帰したときには、該付与された付与されたナビストック数が液晶表示器51に表示されている状態で、復帰する。これにより、電断が発生したとしても、電断復帰後に、付与されたナビストック数を遊技者に認識させることができる。
(8) 本実施形態では、共通表示状態において表示される背景画像は、電断前に制御されていたRT状態に対応する対応画像を含んだ画像であるとして説明した。しかしながら、共通表示状態において、対応画像を含まない背景画像を表示するようにしてもよい。つまり、共通表示状態において、電断前に制御されていたRT状態に関わらず、同一の背景画像を表示するようにしてもよい。このような構成によれば、電断復帰時に背景画像を表示する処理の負担を軽減できる。
(9) 本実施形態では、非AT中に電断復帰したときには、電断前のRT状態に応じた対応画像を表示するとして説明した(図10(オ)参照)。しかしながら、非AT中に電断復帰したときには、「電断前のRT状態に応じた対応画像の表示」、および「電断前のRT状態に応じた楽曲の出力」の少なくとも一方を実行するようにしてもよい。
また、本実施形態では、AT中に電断復帰したときには、「電断前のRT状態に応じた対応画像の表示」、および「電断前のRT状態に応じた楽曲の出力」の双方を実行するとして説明した(図10(カ)参照)。しかしながら、「電断前のRT状態に応じた対応画像の表示」、および「電断前のRT状態に応じた楽曲の出力」のいずれか一方を実行するようにしてもよい。
(10) 本実施形態では、図10(オ)および図11(オ)に示すように、3つのリールが回転している状態で電断復帰したゲームでは、リール停止促進制御を実行しないとして説明した。しかしながら、1つまたは2つのリールが回転している状態で電断復帰したゲームでは、電断復帰したタイミングから、回転しているリールを停止させる停止操作が実行されずに3分間経過してもリール停止促進制御を実行しないようにしてもよい。
また、さらなる変形例として、1つまたは2つのリールが回転している状態で電断復帰したゲームでは、電断復帰したタイミングから、回転しているリールを停止させる停止操作が実行されずに3分間経過したときにリール停止促進制御を実行するようにしてもよい。
(11) 本実施形態では、バックアップ処理において、メイン制御部用のバックアップ領域、およびサブ制御部用のバックアップ領域に、RTフラグが格納されるとして説明した。しかしながら、バックアップ処理において、RTフラグを格納させないようにしてもよい。この場合には、電断前のRT状態に関わらず、電断復帰後には、同一のRT状態に制御される。このように、電断復帰後に同一のRT状態に制御される構成であっても、該RT状態を特定可能な背景画像が表示されている状態で電断復帰させる。本変形例の構成によれば、バックアップ処理において、RTフラグを格納させる処理を実行する必要がないことから、該処理の負担を軽減できる。
[特典について]
本実施形態では、特典として、メダルやパチンコ玉の払出率に直接影響を及ぼすナビストック数を例示した。しかし、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
また、特典の一例としてナビストック数を例示したが、ATに関する特典としては、これに限らず、たとえば、ATゲーム数を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行う場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。
[有利状態について]
前述した例では、有利状態として、スロットマシンについては小役の当選確率が所定状態であるときよりも高確率となるビッグボーナス(BB)やATを例示したが、遊技者にとって有利な状態であればこれに限るものではなく、以下においてスロットマシンの例を説明する。
有利状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス(RB)やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(たとえば50ゲーム消化するまでの間)にわたって報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、例えば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部が実行する例について説明したが、メイン制御部が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間に例えば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部が行うことが挙げられる。
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部がナビ演出を実行するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部が実行する場合には、メイン制御部の処理を、メイン制御部に従属し、メイン制御部の下位となる制御部に実行させることが好ましい。例えば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのメイン制御部のROMやメイン制御部のRAMの容量不足やメイン制御部のメインCPUの処理能力不足を防止することができる。
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部が実行するようにしたが、サブ制御部が実行するようにしてもよい。サブ制御部は、たとえば、メイン制御部からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にメイン制御部のRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行するようにしてもよい。また、設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部のRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
[スロットマシンの変形例について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。