JP2018077990A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】発電出力が増大した際におけるS/Cの一時的低下を抑えることができる燃料電池システムを提供する。【解決手段】燃料電池システムは、改質用水を気化するための気化器2と、気化器2に改質用水を供給するための水供給ポンプ80と、燃料ガスを水蒸気改質するための改質器4と、改質器に燃料ガスを供給するための燃料ガスポンプ32と、改質器4にて改質された改質燃料ガス及び酸化材の酸化及び還元によって発電を行うセルスタック6と、を備え、気化器2及び改質器4がセルスタック6の上方に配設される。水供給ポンプ80は、改質用水をパルス状に送給するパルス状定量ポンプから構成される。パルス状定量ポンプは、駆動電流のパルス数によって送給流量が制御される。また、気化器2内の上部には、供給された改質用水が噴出して飛散するための飛散空間が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、固体酸化物形のセルスタックを備えた燃料電池システムに関する。
セルスタックとして固体酸化物形のものを用いた燃料電池システムが提案され実用に供されている。この燃料電池システムでは、酸化物イオンを伝導する膜として固体電解質が用いられ、この固体電解質の片側に燃料極が設けられ、その他側に酸素極(空気極)が設けられる。固体電解質としてイットリアをドープしたジルコニアが用いられ、この固体電解質の一方側には燃料ガスを酸化するための燃料極が設けられ、約700〜1000℃の高温状態で、燃料ガス(改質燃料ガス)中の水素、一酸化炭素、炭化水素と酸化材ガス(空気)中の酸素とを電気化学反応させて発電が行われる。
この固体酸化物形燃料電池システムの適用先として、数十kW級以上の業務用、産業用の分野と1kW級の家庭用の分野とがある。この家庭用(小型)の固体酸化物形燃料電池システムでは、接続される電力負荷が時間とともに大きく変動し、この電力負荷の変動に追従して定格出力からその1/10程度まで発電出力が変動するように制御される。
このような固体酸化物形燃料電池システムでは、一般的に、燃料ガスとして炭化水素(例えば、都市ガス)が用いられ、この炭化水素が水蒸気改質された後にセルスタックの燃料極側に送給される。燃料ガスを水蒸気改質する場合、改質用水を気化させるための気化器と、気化された水蒸気を用いて燃料ガスを水蒸気改質するための改質器が用いられ、これら気化器及び改質器がセルスタックの上方に設置される(例えば、特許文献1参照)。セルスタックの燃料極側を通して反応燃料ガス(残余燃料ガスを含む)が流れ、その酸素極側を通して反応酸化材ガス(残余酸化材ガスを含む)が流れ、セルスタックの上側の燃焼域にて反応燃焼ガスと反応酸化材ガスとが混合して燃焼し、この燃焼ガスにより気化器及び改質器が加熱され、かかる加熱作用により、気化器での気化反応及び改質器での改質反応が進行する。
この固体酸化物形燃料電池システムでは、例えば、気化器及び改質器が気化・改質ユニットとして構成され、この気化・改質ユニットは、例えば図10に示す通りに構成されている。図10において、従来の気化・改質ユニット202は、箱状のユニットハウジング203を備え、このユニットハウジング203の上流側部(図10において右側部)に気化部204(気化器として機能する)が設けられ、その下流側部(図10において左側部)に改質部205(改質器として機能する)が設けられている。気化部204内には、伝熱促進及び混合促進用の充填材206が充填され、また改質部205内には、改質促進用の触媒材207(改質触媒を担持した部材)が充填されている。燃料ガス供給管208は、ユニットハウジング202の上流端壁209に接続され、水供給管210は、燃料ガス供給管208内を通して気化部204の流入部(充填材206が充填された部位の上流側端部)に延びている。また、改質燃料ガス送給管211はユニットハウジング202の下流端壁212に接続されている。
この燃料電池システムでは、改質用水を供給するための水供給ポンプは、回転数によって送給流量を制御する形態のものから構成され、その回転数が少ないときには改質用水の供給量が少なく、その回転数が多くなると改質用水の供給量が多くなる。
このような気化・改質ユニット202を備えた燃料電池システムでは、改質用水は水供給管210を通して気化部204(気化器)内に供給され、この気化部204内で気化されて水蒸気となる。また、燃料ガスは燃料ガス供給管208を通して気化部204内に供給され、この気化部204内で加熱されるとともに気化した水蒸気と混合され、この混合燃料ガス(燃料ガスと水蒸気とが混合したもの)が改質部205に送給される。改質部205では混合燃料ガスが水蒸気改質され、このように水蒸気改質された改質燃料ガスが改質燃料ガス送給管211を通してセルスタックの燃料極側に送給される。
また、蒸気発生装置(気化器)として複数の蒸気発生流路(蒸気発生管)を備えた蒸気発生装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この蒸気発生装置では、蒸気発生ユニット内に複数の蒸気発生管が並列的に配設され、これら蒸気発生管内で水の気化が行われて水蒸気が発生し、発生した水蒸気が下流側に送給される。この蒸気発生装置では、容器発生ユニット内に複数の蒸気発生管が設けられているので、各蒸気発生管を流れる水の量が少なく、これによって、蒸発による各蒸気発生管内における圧力変動を緩和することができる。
特開2005−285340号公報 特表2009−501891号公報
しかしながら、この気化・改質ユニット202を備えた燃料電池システムでは、次の通りの問題がある。水供給管210を通して供給される改質用水が気化部204内に滴下され、滴下された改質用水が充填材206などの作用によって蒸発するようになる。一方、燃料電池システムの発電出力は大きく変動する、例えば定格出力からその1/10程度まで変動するために、この変動に対応して、改質処理すべき燃料ガスのガス量及び気化処理すべき改質用水の水量も例えば100%から25%まで変動するようになり、このように気化処理すべき水量が変動するということは、気化部204において気化・ユニットハウジング203の底面と改質用水との接触面積(「蒸発接触面積」という)が発電出力状態によって大きく変わることになる。
この蒸発接触面積の変化度合いは、例えば、発電出力が大きい(例えば、定格出力)ときには、燃料ガス及び改質用水の供給量が100%となるために、蒸発接触面積が大きくなり(長くなる)、発電出力が低下すると、蒸発接触面積が小さくなる。そして、発電出力が大きくなるときには、この蒸発接触面積が大きくなるが、この蒸発接触面積が大きくなる間において改質用水の一部が蒸発せずに拡がるようになるために、改質用水の気化が充分に行われず、水蒸気/炭素の比率(S/C)が一時的に低下する傾向になる。
このようにしてS/Cの値が低くなり過ぎると、改質部205から改質燃料ガス送給管211を通して送給される改質燃料ガス中の一酸化炭素の濃度が高くなり、この改質燃料ガスがセルスタックの燃料極側に送給されることでその流入部で炭素析出が生じるおそれがある。固体酸化物形のセルスタックでは、例えば、多孔質の燃料極が緻密な電解質膜の基板となっており、それ故に、燃料極で炭素析出が生じると、この燃料極の膨張が起き、更に電解質割れという現象が生じ、セルスタックの破損に至るおそれがある。
また、複数の蒸気発生管を備えた蒸気発生装置では、蒸気発生ユニット内に複数の蒸気発生管を並列的に配設しなければならず、その構造が複雑になるとともに製造コストが高くなる。
また、上述の技術的事項を気化・改質ユニット202に適用し、水供給管の先端部を二つに分岐し、一方の分岐先端部を気化部204の流入部に配置し、他方の分岐先端部を気化部204の内部に配置することも考えられる。このように構成した場合、水供給管210を通して供給される改質用水の一部は、一方の分岐先端部を通して気化部204の流入部に滴下され、その残部は、他方の分岐先端部を通して気化部204の内部に滴下される。
しかし、このような構成では、この他方の分岐先端部が気化部204の内部まで延び、その受熱面積が大きくなるために、この他方の分岐先端部内で蒸気発生が起こりやすくなり、このような蒸気発生が起きた場合、この他方の分岐先端部内での蒸発により圧力変動が大きくなり、結果的にS/Cの変動が不安定になりやすいという問題が生じる。また、水供給管210の先端部を分岐するということは、この分岐先端部(これにより規定される分岐流路)が細くなり、このように細くした場合、長期にわたって稼働運転させたときに分岐先端部(分岐流路)内、またその先端ノズル部においてスケール詰まりが生じるおそれがある。改質用水として用いる水の純度は管理されているが、このようなスケール詰まりのおそれがある場合、長期間の使用におけるスケール成分の蓄積を考慮しなければならなくなる。
本発明の目的は、発電出力が増大した際におけるS/Cの一時的低下を抑えることができる燃料電池システムを提供することである。
本発明の請求項1に記載の燃料電池システムは、改質用水を気化するための気化器と、前記気化器に改質用水を供給するための水供給手段と、燃料ガスを水蒸気改質するための改質器と、前記改質器に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給手段と、前記改質器にて改質された改質燃料ガス及び酸化材の酸化及び還元によって発電を行う固体酸化物形のセルスタックと、を備え、前記気化器及び前記改質器が前記セルスタックの上方に配設され、前記セルスタックから排出される反応燃料ガス及び反応酸化材の燃焼によって前記気化器及び前記改質器が加熱される燃料電池システムであって、
前記水供給手段は、改質用水を供給するための水供給ポンプと、前記水供給ポンプからの改質用水を前記気化器に導くための水供給管とを備え、前記水供給管の先端部が前記気化器内に挿入されており、
前記水供給ポンプは、改質用水をパルス状に送給するパルス状定量ポンプから構成され、前記パルス状定量ポンプは、駆動電流のパルス数によって送給流量が制御されるように構成されており、
また、前記気化器内の上部には、前記水供給管の先端部から噴出された改質用水が飛散するための飛散空間が設けられ、前記気化器内の下部には、伝熱促進のための充填物及び/又は伝熱フィンが設けられており、
前記水供給管からの改質用水は、前記気化器内の前記充填物及び/又は前記伝熱フィンに向けて噴出されることを特徴とする燃料電池システム。
また、本発明の請求項2に記載の燃料電池システムでは、前記水供給管の先端部は少なくとも二つに分岐されており、一方の分岐ノズル部は前記気化器内の第1領域に向けて改質用水を噴出し、他方の分岐ノズル部は前記気化器内における前記第1領域よりも遠い第2領域に向けて改質用水を噴出することを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の燃料電池システムでは、前記水供給管の前記他方の分岐ノズル部に関連して、前記他方の分岐ノズル部から前記気化器内の前記第2領域に向けて延びる水案内管が設けられ、前記水案内管の内径は、前記水供給管の前記他方の分岐ノズル部の外径よりも大きく、前記他方の分岐ノズル部から噴出された改質用水を前記第2領域に案内することを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の燃料電池システムでは、前記水案内管の先端部には、前記気化器内の前記第2領域に対応して排出スリットが設けられ、前記他方の分岐ノズル部から前記水案内管内に噴出された改質用水は、前記排出スリットを通して前記第2領域に送給されることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の燃料電池システムでは、前記気化器及び前記改質器は気化・改質ユニットとして構成され、前記燃料ガス供給手段からの燃料ガス及び前記水供給手段からの改質用水が前記気化器に供給され、前記気化器にて前記改質用水が水蒸気に気化されるとともに燃料ガスが加熱され、燃料ガスに水蒸気が混合された混合燃料ガスが改質器に送給されることを特徴とする。
更に、本発明の請求項7に記載の燃料電池システムでは、前記気化器と前記改質器との間に混合器が設けられ、前記混合器に混合促進用の充填材が充填され、前記燃料ガス供給手段からの燃料ガスは前記気化器又は前記混合器に送給され、前記混合器において燃料ガスと前記気化器にて気化された水蒸気とが加熱混合されることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の燃料電池システムによれば、気化器に改質用水を供給する水供給手段は、改質用水を供給するための水供給ポンプと、水供給ポンプからの改質用水を気化器に導くための水供給管とを備え、水供給管の先端部が気化器内に挿入され、この水供給ポンプが改質用水をパルス状に送給するパルス状定量ポンプから構成されているので、パルス状定量ポンプからの改質用水は、水供給管を通してその先端部から気化器内に噴出される。このパルス状定量ポンプは、駆動パルス数によって供給量を制御するために、改質用水の供給量が多くても少なくても1パルス毎の噴出量及び噴出状態(噴出勢いなど)はほとんど同じとなる。従って、気化器内に噴出された改質用水は、セルスタックから排出される反応燃料ガス及び反応酸化材の燃焼による熱によって速やかに気化され、気化された水蒸気が改質器に送給される。
また、気化器内の上部に改質用水が飛散するための飛散空間が設けられているので、水供給管からの改質用水は飛散空間に噴出されて飛散され、改質用水が多くても少なくても気化器内に広く飛散され、これにより、飛散された改質用水を速やかに気化することができる。また、気化器内の下部に伝熱促進のための充填物及び/又は伝熱フィンが設けられているので、飛散空間に噴出されて飛散した改質用水は充填物及び/又は伝熱フィンの作用によりすぐに気化して水蒸気となる。また、改質用水の供給量に関係なく広い領域に飛散して気化するために、改質用水の供給量が急激に増えたときにおいてもその一部が蒸発せずに拡がる時間がほとんどなくなり、その結果、S/Cの一時的な低下を緩和することができる。更に、このようなパルス状定量ポンプは、供給量が緩やかに変動するポンプに比して、一般的にコスト的に安価であり、コストダウンを図ることができる。
また、本発明の請求項2に記載の燃料電池システムによれば、水供給管の先端部は少なくとも二つに分岐されており、一方の分岐ノズル部は気化器内の第1領域に向けて改質用水を噴出し、他方の分岐ノズル部は気化器内における第1領域よりも遠い第2領域に向けて改質用水を噴出するので、改質用水を気化器内に噴出させて広範囲に飛散することができ、特に発電出力が増大して改質用水の送給流量が急激に増えた場合であても効果的に気化させて水蒸気をすぐに下流側の改質器に送給することができる。
また、本発明の請求項3に記載の燃料電池システムによれば、水供給管の他方の分岐ノズル部に関連して、他方の分岐ノズル部から気化器内の第2領域に向けて延びる水案内管が設けられているので、他方の分岐ノズル部から噴出された改質用水を第2領域に向けて案内することができ、これによって、気化器内における改質用水の気化を効果的に行うことができる。また、この水案内管の内径を他方の分岐ノズル部の外径よりも大きくすることによって、この水案内管内に比較的大きな内部空間を確保することができ、水案内管におけるスケール詰まりを抑えることができる。
また、本発明の請求項4に記載の燃料電池システムによれば、水案内管の先端部に気化器内の第2領域に対応して排出スリットが設けられているので、他方の分岐ノズル部から水案内管内に噴出されて流れる改質用水は、この排出スリットを通して第2領域に送給され、例えば改質用水の送給流量が多くなった場合、第2領域の広範囲にわたって改質用水を送給することができる。
また、本発明の請求項5に記載の燃料電池システムによれば、気化器及び改質器は気化・改質ユニットとして構成され、燃料ガス供給手段からの燃料ガス及び水供給手段からの改質用水が気化器に供給されるので、気化器にて改質用水が水蒸気に気化されるとともに燃料ガスが加熱され、燃料ガスに水蒸気が混合された混合燃料ガスが改質器に送給されるようになる。
更に、本発明の請求項6に記載の燃料電池システムによれば、気化器と改質器との間に混合器が設けられ、この混合器に混合促進用の充填材が充填され、燃料ガス供給手段からの燃料ガスは気化器(又は混合器)に送給されるので、この混合器において燃料ガスと気化器にて気化された水蒸気とが加熱混合され、加熱混合された混合燃料ガスが改質器に送給されるようになる。
本発明に従う燃料電池システムの一実施形態を簡略的に示す全体図。 図1の燃料電池システムにおける気化・改質ユニットを上方から見た断面図。 図2の気化・改質ユニットを正面側から見た断面図。 図1の気化・改質ユニットの気化部に改質用水を噴出させる領域を説明するための簡略説明図。 変形形態の気化・改質ユニットを上方から見た断面図。 図5の気化・改質ユニットを正面側から見た断面図。 燃料電池システムの他の実施形態の一部を示す簡略図。 気化器単体評価装置を簡略的に示す断面図。 S/Cを測定するための評価装置を簡略的に示す断面図。 従来の気化・改質ユニットを上方から見た断面図。
以下、図1〜図4を参照して、本発明に従う燃料電池システムの一実施形態について説明する。図1において、図示の燃料電池システム2は、改質用水を気化するための気化器2と、燃料ガスとしての炭化水素ガス(例えば、天然ガス)を改質するための改質器4と、改質器4にて水蒸気改質された改質燃料ガス及び酸化材としての空気の酸化及び還元によって発電を行う固体酸化物形のセルスタック6と、を備えている。この実施形態では、気化器2と改質器4とが図3及び図4に示すように、気化・改質ユニット8として一体的に構成されているが、図1に示すように、気化器2と改質器4とを別個に独立した形態に構成するようにすることもできる。尚、気化・改質ユニット8については、後述する。
固体酸化物形のセルスタック6は、電気化学反応によって発電を行うための複数の固体酸化物形のセルを積層状態に配列して構成されている。このセルスタック6は、複数の断熱材10から構成される電池ハウジング12を備え、電池ハウジング12(断熱材10)により高温空間14が規定され、この高温空間14内にセルスタック6が配設されているとともに、気化器2及び改質器4が収容されている。固体酸化物形のセルは、酸素イオンを伝導する固体電解質18と、固体電解質18の片側に設けられた燃料極20と、固体電解質18の他方側に設けられた酸素極22とを備えており、固体電解質18として例えばイットリアをドープしたジルコニアが用いられる。
セルスタック6の燃料極20の導入側は、改質燃料ガス送給流路28を介して気化・改質ユニット8(改質器4)に接続され、この気化・改質ユニット8(気化器2)は、燃料ガス供給流路30を介して燃料ガスを供給するための燃料ガス供給源32(例えば、埋設管や貯蔵タンクなど)に接続されている。また、燃料ガス供給流路30には、燃料ガスを供給するための燃料ガスポンプ34が配設されている。燃料ガスポンプ34は、その回転数を変えることによって燃料ガスの供給流量を制御し、燃料ガスの供給流量を制御するための流量制御手段としても機能し、燃料ガス供給流路30及び燃料ガスポンプ34が、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給手段として機能する。尚、燃料ガスの供給流量については、燃料ガス流量制御弁(図示せず)を設けて制御するようにしてもよい。
また、セルスタック6の酸素極22の導入側は、空気送給流路38を介して空気を予熱するための空気予熱器40に接続され、この空気予熱器40は、空気供給流路42を介して送風装置43に接続され、送風装置43、空気供給流路42、空気余熱器40及び空気送給流路38が、酸化材としての空気を供給するための空気供給手段として機能する。
セルスタック6の燃料極20及び酸素極22の各排出側には燃焼域44が設けられ、燃料極20側から排出された反応燃料ガス(残余燃料ガスを含む)と酸素極22側から排出された反応空気(酸素を含む)とがこの燃焼域44に送給されて燃焼される。この燃焼域44は排気ガス排出流路46を通して排熱回収用の熱交換器54に接続され、燃焼域44からの排気ガスは、熱交換器54及び排気ガス排出流路46を通して外部に排出される。
この燃料電池システム2では、燃焼域44からの排気ガスに含まれる水蒸気を回収するための凝縮回収手段50が設けられている。この凝縮回収手段50は、熱交換器54にて凝縮された水を純水に精製するための純水精製手段56と、精製された純水を溜めるための水回収タンク51とを備え、熱交換器54が水回収流路58を通して純水精製手段56に接続されている。この純水精製手段56は、イオン交換により不純物を除去して純水を精製するイオン交換樹脂を備えている。
この燃料電池システムでは、凝縮回収手段50により回収された凝縮水が改質用水として利用するように構成されている。凝縮回収手段50に関連して、水回収タンク51に回収された凝縮水を改質用水として供給するための水供給手段52が設けられ、この水供給手段52は、水回収タンク51内の水(純水)を気化・改質ユニット8(気化器2)に供給するための水供給流路78と、水供給流路78を通して改質用水を供給するための水供給ポンプ80から構成されている。この水供給ポンプ80及びこれを用いた改質用水の供給については、後述する。
また、セルスタック6からの排気ガスの熱を温水として蓄熱するための貯湯システム60が設けられ、この貯湯システム60は温水として貯湯するための貯湯タンク64を備え、この貯湯タンク64からの循環流路66が熱交換器54に接続されている。この循環流路66には循環ポンプ68が設けられており、循環ポンプ68は貯湯タンク64に貯められた水を循環流路66を通して循環する。この貯湯タンク64の底部には水供給流路72が接続され、水(例えば、水道水)が水供給流路72を通して供給される。また、貯湯タンク64の上部には温水給湯流路76が接続され、貯湯タンク64内の温水が温水給湯流路76を通して出湯される。
次に、主として図2〜図4を参照して、気化・改質ユニット8及びこれに関連する構成について説明する。図示の気化・改質ユニット8はユニットハウジング82を備え、このユニットハウジング82がセルスタック6の上方に配設され、燃焼域44での燃焼(即ち、セルスタック6から排出される反応燃焼ガス及び空気による燃焼)によってユニットハウジング82の全体が加熱されるように構成されている。
ユニットハウジング82は細長い箱状であり、このユニットハウジング82内に長手方向に間隔をおいて三つの仕切りプレート84,86,88が配設され、これら仕切りプレート84,86,88は、多数の孔90が設けられたプレート、例えばパンチングプレートから構成される。上流側の仕切りプレート84は、ユニットハウジング82の上流端壁92の内側に配設され、改質用水を供給する水供給管94(水供給流路78を規定する)の先端部(即ち、先端ノズル部96)がこの仕切りプレート84を貫通して内側に幾分突出している。この仕切りプレート84と先端ノズル部96の外周面との間には少しの間隙が存在し、このように間隙を設けることによって、改質用水を噴出する際に先端ノズル部96の振れが許容される。下流側の仕切りプレート88は、ユニットハウジング82の下流端壁98の内側に配設されている。また。仕切りプレート84,88の間に配設された仕切りプレート86は、ユニットハウジング82の長手方向中間部に配設されている。
この形態では、上流側の一対の仕切りプレート84,86は第1空間100を規定し、かかる第1空間100に伝熱促進及び混合促進のための充填物102が充填され、この充填物102は、例えばアルミナボールなどから構成することができ、これら仕切りプレート84,84間の部位が、改質用水を気化させるための気化部104(気化器2として作用する)として機能する。この充填物102は、図3に示すように、気化部104の下部に充填し、その上部に飛散空間106が存在するように構成される。
また、下流側の一対の仕切りプレート86,88は第2空間108を規定し、かかる第2空間108に改質促進及び伝熱促進のための触媒材110が充填され、この触媒材110は、例えばアルミナボールに改質触媒を担持させたものなどから構成することができ、これら仕切りプレート86,88間の部位が、燃料ガスを水蒸気改質するための改質部112(改質器4として作用する)として機能する。この触媒材110は、改質部112の全体を満たすように充填される。
このユニットハウジング82の上流端壁92には、燃料ガス供給管114(燃料ガス供給流路30を規定する)が接続され、またその下流端壁98には、改質燃料ガス送給管116(改質燃料ガス送給流路28を規定する)が接続される。この形態では、図2及び図3に示すように、水供給管94は、燃料ガス供給管114の内部を通して仕切りプレート84まで延びているが、燃料ガス供給管114の内部を通らず、ユニットハウジング82の上流端壁92を貫通して仕切りプレート84まで延びるように構成することもできる。
この気化・改質ハウジング8に関連して、水供給ポンプ80は、改質用水をパルス状に送給するパルス状定量ポンプ(例えば、プランジャーポンプ)から構成される。このパルス状定量ポンプは、作動時間と休止時間とで供給制御の1サイクルを構成し、作動時間においてはポンプが作動して所定供給量の改質用水を供給し、休止期間においてはポンプの作動が休止して改質用水の供給を停止する。このパルス状定量ポンプでは、1サイクルにおける改質用水の供給流量は一定であり、その供給流量は駆動電流のパルス数によって制御され、駆動電流のパルス数が高くなる(又は低くなる)と、改質用水の供給量は増大(又は減少)する。
上述した気化・改質ユニット8にこの水供給ポンプ80(パルス状定量ポンプ)を組み合わせた燃料電池システムでは、次の通りの特徴を有する。水供給ポンプ80からの改質用水はパルス状に供給され、この改質用水は水供給管94の先端ノズル部96から気化・改質ユニット8の気化部104に噴出されるようになる。このとき、気化部104の上部に飛散空間106が存在するので、この先端ノズル部96から噴出した改質用水は飛散空間106内に飛散されるようになる。尚、このように改質用水を噴出ので、水供給管94の先端ノズル部96を第1空間100の上部(換言すると、飛散空間106の上部)に配設するのが望ましい。
このパルス状定量ポンプでは、1パルス毎の改質用水の噴出量がほぼ同量となり、改質用水の供給量が多いときでも少ないときでもその噴出状態(噴出勢いなど)はほぼ同様のパルス状となり、それ故に、その噴出の際には、水供給管94の先端ノズル部96が僅かに上下に振れるようになり、このように振れる先端ノズル部96の動き及びパルス状の水噴出と相まって、改質用水は、図4に一点鎖線122で示すように気化部104の飛散空間106内に広く飛散される。従って、改質用水の供給量が少ないときから多いときまで飛散空間106の広い領域(一点鎖線122で示す領域)に改質用水を飛散させ、この広い領域で噴出された改質用水が拡がるようになる。
そして、このように拡がった改質用水は、この広い領域においてユニットハウジング82及び充填部102からの熱を受け、これによって、噴出した改質用水をすぐに気化させることができ、気化された水蒸気は、燃料ガス供給管114を通して供給される燃料ガスと混合された後に仕切りプレート86の孔90を通して112に送給される。
従来では、改質用水の供給量が急激に増えた際に蒸発接触面積が大きくなる間において改質用水の一部が蒸発せずに拡がる時間が長くなり、その間においてS/Cが一時的に低下する問題があったが、この気化・改質ユニット8を備えた燃料電池システムでは、改質用水の供給量に関係なく広い領域に飛散して気化するために、改質用水の供給量が急激に増えたときにおいてもその一部が蒸発せずに拡がる時間がほとんどなくなり、その結果、S/Cの一時的な低下を緩和することができる。
尚、パルス状定量ポンプによる改質用水の噴出状態は、1パルス毎の噴出量及び作動時間(ON時間)によって調整され、また水供給管94の先端ノズル部96の振れは、この先端ノズル部96の材質、サイズ(肉厚など)、支持部位からの長さ、1パルスの噴出量などによって調整される。
上述した実施形態では、ユニットハウジング82の上流端壁92の内側に仕切りプレート84を、またその下流端壁98の内側に仕切りプレート88を配設しているが、これら仕切りプレート84,88のいずれか一方又は双方を省略することもできる。
また、上述した実施形態では、気化部104の下部に伝熱促進のための充填物102を充填しているが、このような充填物102に代えて、またはこの充填物102とともに、伝熱促進用の伝熱フィンを設けるようにしてもよく、この場合、伝熱フィンをユニットハウジング82の底壁に間隔をおいて複数設けることができる。
次に、図5及び図6を参照して、気化・改質ユニットの変形形態について説明する。この変形形態では、水供給管の先端部が二つに分岐されている。図5及び図6において、図示の気化・改質ユニット8Aでは、水供給管94Aの先端側は、燃料ガス供給管114内を通してユニットハウジング82内に延び、その上流端壁92と上流側の仕切りプレート84との間の上流側空間132内にて二つに分岐され、片方の分岐ノズル部134は、仕切りプレート84の片側部(図6において下側部)に配置され、これを貫通して第1空間106内に幾分突出している。尚、この片方の分岐ノズル部134は、仕切りプレート84に当接乃至近接させ、この分岐ノズル部134から噴出させる改質用水を仕切りプレート84に当てて滴下するようにしてもよい。また、他方の分岐ノズル部136は、この仕切りプレート84の他側部(図6において上側部)に配置され、これを貫通して第1空間106内に幾分突出している。
この変形形態では、ユニットハウジング82Aの第1空間106の全域に伝熱促進用の充填物102が充填される。そして、水供給管94Aの他方の分岐ノズル部136に関連して、この分岐ノズル部136から噴出した改質用水を中間の仕切りプレート86に向けて導くための水案内管138が配設されている。水案内管138一端部は、この他方の分岐ノズル部136の先端部(即ち、仕切りプレート84から突出する部位)を覆うように仕切りプレート84の内面に固定され、その他端側は、改質用水が他端に向けて流下するように幾分下方に傾斜し、第1空間106の長手方向中央部を超えて後述する第2領域144に延びている。
この水案内管138の内径は、他方の分岐ノズル部136の外径よりも大きく、このように構成することによって、水案内管138の内部に比較的大きな内部空間(飛散空間として機能する)を確保することができる。水案内管138の底部には、先端に向けて延びる排水スリット140が設けられ、水案内管138内を先端側に流れる改質用水は、この排水スリット138を通して気化部104内に流下する。この気化・改質ユニット8Aのその他の構成は、上述した実施形態の気化・改質ユニットと実質上同一である。
この気化・改質ユニット8Aを用いた場合、水供給管94Aを通して供給される改質用水の一部は、片方の分岐ノズル部134から第1空間106の第1領域142(仕切りプレート84に近い上流側空間)に向けて噴出され、その残部は、他方の分岐ノズル部136から水案内管138の内部空間に向けて噴出される。片方の分岐ノズル部134から噴出された改質用水は、この第1領域142の熱(ユニットハウジング82及び充填物102からの熱)により気化され、その供給量が多くなると、第1領域142に拡がるようになって気化される。また、他方の分岐ノズル部136から噴出された改質用水は、この水案内管138の内部空間に噴出されて飛散され、飛散された改質用水は、水案内管138内を先端側に流れ、排出スリット140を通して第1空間106の第2領域144に流下し、この流下した改質用水は、この第2領域144の熱(ユニットハウジング82及び充填物102からの熱)により気化され、その供給量が多くなると、この第2領域144を拡がって気化される。
このように、この変形形態においては、水供給管94Aの片方の分岐ノズル部134から噴出される改質用水は、上流側の第1領域142において気化され、またその他方の分岐ノズル部136から噴出される改質用水は、水案内管138を通して下流側の第2領域144(即ち、第1領域142よりも下流側に位置する領域)において気化され、このように気化部104の比較的広い領域において改質用水の気化が行われるので、上述した実施形態と同様に、水供給管94Aの一対の分岐ノズル部134,136から噴出した改質用水はすぐに気化して水蒸気になり、上述したと同様の効果が達成される。
次に、図7を参照して、燃料電池システムの他の実施形態について説明する。この他の実施形態では、気化器及び改質器が別個に構成され、これら気化器と改質器との間に混合器が配設される。図7において、この燃料電池システムでは、水供給管94(水供給流路78)は気化器2に接続され、水供給ポンプからの改質用水は、水供給管94を通して気化器2に供給される。また、燃料ガス供給管114(燃料ガス供給流路30)は混合器152に接続され、燃料ガスポンプからの燃料ガスは、燃料ガス供給管114を通して混合器152に供給される。
この場合、気化器2、混合器152及び改質器4は、セルスタック6の上方に配設される。また、気化器2には伝熱促進用の充填物(図示せず)が充填され、また混合器152には混合促進用及び伝熱促進用の充填物(図示せず)が充填され、これら充填物は、上述した実施形態と同様のものでよい。尚、改質器4には、改質促進及び伝熱促進用の触媒材(図示せず)が充填される。
このような燃料電池システムでは、改質用水は気化器2にて上述したようにして気化されて水蒸気となり、この水蒸気が水蒸気送給流路154を通して混合器152に送給される。また、混合器152では、充填物(図示せず)などによって、燃料ガス供給流路30を通して供給される燃料ガスが加熱されるとともに、この加熱された燃料ガスに水蒸気が混合され、混合燃料ガスが混合ガス送給流路156を通して改質器4に送給される。改質器4では、改質材(図示せず)によって混合燃料ガスが水蒸気改質され、水蒸気改質された改質燃料ガスが改質燃料ガス送給流路28を通してセルスタック6に送給され、このような構成の燃料電池システムでも上述したと同様の作用効果を達成することができる。
この実施形態では、気化器2、混合器152及び改質器4が別個独立したものとして構成されているが、このような構成に代えて、気化器2と混合器152とを一つのユニット、即ち気化・混合ユニットとして構成するようにしてもよく、混合器152と改質器4とを一つのユニット、即ち混合・改質ユニットとして構成してもよく、或いは気化器2、混合器152及び改質器4を一つのユニット、即ち気化・混合・改質ユニットとして構成するようにしてもよい。
[実施例及び比較例]
この燃料電池システムにおける気化器の単体評価を行うために、図8に示す気化器単体評価装置を製作した。固体酸化物形のセルスタック161を設置するためのスタック台162を設け、これらセルスタック161及びスタック台162を断熱材163で覆うとともに、セルスタック161の上方に気化器164を設置する構成とした。セルスタック161と気化器164については、実際の燃料電池システムにおける位置関係を保って再現する構成とした。
そして、セルスタック161に空気を供給することができるように空気流路165を設け、この空気流路165に空気ブロア166及び空気流量計167を設置した。空気ブロア167からの空気は、空気流路165内を矢印で示すように流れ、セルスタック161の酸素極側を下から上に流れる構成とした。また、セルスタック161の燃料極側には別途水素を供給する構成とした。実際の燃料電池システムでは、セルスタックで発電させた後の反応燃料ガスをセルスタックの上方で燃焼させているが、この評価装置では、燃焼させずに、空気と水素の混合ガスを矢印で示すようにセルスタック161の上端から気化器164に流し、この混合ガスの熱を気化器164が受熱するようにした。この評価装置は電気炉(図示せず)内に設置して評価試験が行われ、この気化器164の周囲を流れた混合ガスは、矢印で示すように流れて電気炉内に排出されるようにした。
気化器164には燃料ガス(都市ガス13A)と改質用水を供給するように構成し、気化器164に入る前に燃料ガス及び改質用水が電気炉内で過熱されるのを防ぐために、気化器単体評価装置を電気炉の端壁部に設置するとともに、電気炉の端壁部に設けた燃料ガス用のガス供給孔と改質用水用の水供給孔との距離を短くするとともに、改質用水及び燃料ガスが電気炉に導入される部分を空気により冷却する構成とした。気化器単体評価装置をこのように構成するとともに、その電気炉内の設置を上述したようにすることにより、現実の燃料電池システムにおける気化器の挙動をほぼ模擬することができた。
この気化器単体評価装置を用いた気化・改質ユニットの評価試験に先立ち、図9に示す評価装置を用いてS/C値のリスク度について調べた。この評価装置では、気化器172の両側に電気ヒータ173を配設して加熱し、気化器172の出口温度(改質部の出口温度)が約650℃となるようにした。この気化器172の下流側に模擬燃料電池体173を配設し、この模擬燃料電池体173を電気炉174内に設置した、模擬燃料電池体173は、中空の筒状ハウジング174を備え、この筒状ハウジング174の上流側に改質触媒175を充填し、その下流側にセルの燃料極(Ni−YSZサーメット)を破砕した燃料極片176を充填し、この燃料極片176の入口温度を約600℃に保った。改質触媒173としてアルミナにルテニウムを担持した直径3mmのボール状部材を用い、100g充填した。
S/Cのリスク度の確認試験では、S/Cを変えて燃料ガス(都市ガス13A)を供給し、燃料ガス及び改質用水の変動のない状態で5時間流し、このときのガス流量は1NL/minであった。このS/Cのリスク度試験で燃料極片176の炭素析出有無の範囲を調べることができ、その試験結果は、次の通りであった。S/C=2.0では炭素析出は生じないが、S/C=1.5では炭素がわずかに析出し、S/C=1.2では炭素が多量に析出した。このことから、S/C=1.5以上であれば炭素析出によるセルスタックの破損リスクが少ないことが判ったので、S/Cが一時的に1.5未満になる程度と継続時間でもって評価するようにした。
水供給ポンプを含む気化器(気化・改質ユニット)を評価するために、図8に示す気化器単体評価装置を用いて次の通りに評価実験を行った。実施例1として図2及び図3に示す気化・改質ユニットを気化器として用い、水供給ポンプとしてパルス状定量ポンプ(所謂、プランジャーポンプ)を用いた。このパルス状定量ポンプにおける1回当たりの作動時間(ON時間)は15msec、1回当たりの噴出量(吐出量)は約60μgであった。
水供給管の先端ノズル部を気化部の底面から16mmの高さに位置付け、この先端ノズル部から改質用水を噴出させた。先端ノズル部の外径は3.0mm、その内径は1.0mmであった。気化部の第1空間の長さは128mm、その幅は幅35mm、その高さは23mmであり、この第1空間の高さ9mmまで充填物(アルミナボール)を充填させた。
この気化・改質ユニットの気化部に改質用水を供給し、改質用水の供給流量を最小出力時の供給流量(1.51cc/nim)から定格出力時の供給流量(4.35cc/min)にステップ状に変動させた前後の水蒸気分圧実測値の変化より気化部の出口のS/Cを求めた。尚、この供給時においては、改質用水は水供給管の先端ノズル部から噴出して飛散し、下流側に向けて分散滴下されることを確認した。
実施例1では、この評価実験を5回行い、S/C=1.5より小さい状態が10秒超えた回数、S/C=1.5より小さい状態が30秒を超える回数及びS/C=1.0より小さい状態が2秒を超える回数を調べ、その評価結果を表1に示す。
実施例2として、図5及び図6に示す気化・改質ユニットを気化器として用い、水供給ポンプとしてパルス状定量ポンプ(所謂、プランジャーポンプ)を用いた。水供給管の先端ノズル部を二つに分岐し、これら分岐ノズル部を気化部の底面から16mmの高さに位置付けた。これら分岐ノズル部の外径は3.0mm、その内径は1.0mmであった。気化部の第1空間の大きさは実施例1と同様であり、この第1空間の全体に充填物(アルミナボール)を充填させた。この気化・改質ユニットの気化部に改質用水を供給し、実施例1と同様に、改質用水の供給流量を最小出力時の供給流量(1.51cc/nim)から定格出力時の供給流量(4.35cc/min)にステップ状に変動させた前後の水蒸気分圧実測値の変化より気化部の出口のS/Cを求めた。この第2実施例では、片方の分岐ノズル部か噴出させた改質用水は、仕切りプレートに当てて滴下させ、他方の分岐ノズル部からの改質用水は、水案内管(内径9.2mm)の内周上部に向けて噴出させ、第1空間の2/3の領域に滴下させた。
実施例2においても、この評価実験を5回行い、S/C=1.5より小さい状態が10秒超えた回数、S/C=1.5より小さい状態が30秒を超える回数及びS/C=1.0より小さい状態が2秒を超える回数を調べ、その評価結果を表1に示す。
更に、比較例として、図10に示す気化・改質ユニットを気化器として用い、水供給ポンプとして従来形態の水供給ポンプを用いた。水供給管の先端ノズル部を気化部の底面から16mmの高さに位置付け、この先端ノズル部から改質用水を噴出させた。先端ノズル部の外径は3.0mm、その内径は1.2mmであった。気化部の第1空間の大きさは、実施例1と同様であり、この第1空間の全体に充填物(アルミナボール)を充填させた。
この気化・改質ユニットの気化部に改質用水を供給し、改質用水の供給流量を最小出力時の供給流量(1.51cc/nim)から定格出力時の供給流量(4.35cc/min)にステップ状に変動させた前後の水蒸気分圧実測値の変化より求めた気化部の出口のS/Cを求めた。この供給時においては、先端ノズル部から噴出させた改質用水は、仕切りプレートに当てて滴下させた。
比較例でも、この評価実験を5回行い、S/C=1.5より小さい状態が10秒超えた回数、S/C=1.5より小さい状態が30秒を超える回数及びS/C=1.0より小さい状態が2秒を超える回数を調べ、その評価結果を表1に示す。
Figure 2018077990
この表1から明らかなように、実施例1及び2においては、S/C=1.5より小さくなる状態が10秒を超えることが1回もなかったが、比較例では、全ての実験においてS/C=1.5より小さくなる状態が10秒を超えており、30秒を超えることが4回もあり、更にS/C=1.0より小さくなる状態が2秒を超えることが2回もあった。このことから、実施例1及び2の気化・改質ユニット(気化部)を用いることにより、S/Cの低下によるセルスタックの炭素析出破損という重故障リスクを抑えることができることが確認できた。
2 気化器
4 改質器
6 セルスタック
8,8A 気化・改質ユニット
82 ユニットハウジング
94,94A 水供給管
96 先端ノズル部
104 気化部
106 改質部
100 第1空間
102 充填物
108 第2空間
110 改質材
134,136 先端ノズル部
138 水案内管
140 排出スリット





Claims (6)

  1. 改質用水を気化するための気化器と、前記気化器に改質用水を供給するための水供給手段と、燃料ガスを水蒸気改質するための改質器と、前記改質器に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給手段と、前記改質器にて改質された改質燃料ガス及び酸化材の酸化及び還元によって発電を行う固体酸化物形のセルスタックと、を備え、前記気化器及び前記改質器が前記セルスタックの上方に配設され、前記セルスタックから排出される反応燃料ガス及び反応酸化材の燃焼によって前記気化器及び前記改質器が加熱される燃料電池システムであって、
    前記水供給手段は、改質用水を供給するための水供給ポンプと、前記水供給ポンプからの改質用水を前記気化器に導くための水供給管とを備え、前記水供給管の先端部が前記気化器内に挿入されており、
    前記水供給ポンプは、改質用水をパルス状に送給するパルス状定量ポンプから構成され、前記パルス状定量ポンプは、駆動電流のパルス数によって送給流量が制御されるように構成されており、
    また、前記気化器内の上部には、前記水供給管の先端部から噴出された改質用水が飛散するための飛散空間が設けられ、前記気化器内の下部には、伝熱促進のための充填物及び/又は伝熱フィンが設けられており、
    前記水供給管から噴出された改質用水は、前記気化器内の前記充填物及び/又は前記伝熱フィンに向けて飛散されることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記水供給管の先端部は少なくとも二つに分岐されており、一方の分岐ノズル部は前記気化器内の第1領域に向けて改質用水を噴出し、他方の分岐ノズル部は前記気化器内における前記第1領域よりも遠い第2領域に向けて改質用水を噴出することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記水供給管の前記他方の分岐ノズル部に関連して、前記他方の分岐ノズル部から前記気化器内の前記第2領域に向けて延びる水案内管が設けられ、前記水案内管の内径は、前記水供給管の前記他方の分岐ノズル部の外径よりも大きく、前記他方の分岐ノズル部から噴出された改質用水を前記第2領域に案内することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記水案内管の先端部には、前記気化器内の前記第2領域に対応して排出スリットが設けられ、前記他方の分岐ノズル部から前記水案内管内に噴出された改質用水は、前記排出スリットを通して前記第2領域に送給されることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記気化器及び前記改質器は気化・改質ユニットとして構成され、前記燃料ガス供給手段からの燃料ガス及び前記水供給手段からの改質用水が前記気化器に供給され、前記気化器にて前記改質用水が水蒸気に気化されるとともに燃料ガスが加熱され、燃料ガスに水蒸気が混合された混合燃料ガスが改質器に送給されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池システム。
  6. 前記気化器と前記改質器との間に混合器が設けられ、前記混合器に混合促進用の充填材が充填され、前記燃料ガス供給手段からの燃料ガスは前記気化器又は前記混合器に送給され、前記混合器において燃料ガスと前記気化器にて気化された水蒸気とが加熱混合されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池システム。
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