JP2018077216A - ダイナミックバランサ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤのアンバランス状態の位置および量を適切に特定できるダイナミックバランサを提供する。【解決手段】支持フレーム12と、フレームプレート18とを備え、少なくとも1つのフォースセンサ120が、センサプレート18とスピンドルアセンブリ30との間に連結され、スピンドルシャフト58が回転するとそれらの間の力の変動を検出する。タイヤのバランス状態を検出するための関連する方法において、複数のフォースセンサ120をタイヤの回転に対して略水平面に維持して設け、タイヤをチャックして膨らませ、タイヤを所定の速度まで回転させ、複数のフォースセンサ120からフォースデータを生成し、フォースデータからアンバランス状態を算出し、アンバランス状態がしきい値を超えると、タイヤのアンバランス箇所にマーキングする。【選択図】図1

Description

本発明は、ダイナミックバランサに関する。特に、本発明は、ダイナミックバランサによって回転させたタイヤのバランス状態(balance condition)を判定するためのダイナミックバランサに関する。
一般に、製造されたタイヤは、市場に流通させる前に一定の検査にかけられる。このような検査には、タイヤを高速回転させてタイヤのバランスを測定する検査がある。タイヤのバランス測定に用いるマシンでは、タイヤを所定位置に固定して膨らませた後、タイヤを高速回転させながらタイヤの回転中の力を検出する必要がある。
通常、従来の装置では、タイヤの回転に対して軸方向の関係にある力を検出するロードセルが利用されている。これらは上述した目的に有効ではあるが、より高精度のバランス状態判定値を得ることが可能であると考えられている。したがって、当該技術分野において、タイヤの回転に対して水平面の力を検出する改良されたタイヤバランサが必要とされている。また、有意な方法で検出された力を収集、処理して、タイヤのアンバランス状態の位置および量を適切に特定することも必要とされている。
上記に鑑み、本発明の第1の態様は、ダイナミックバランサを提供することである。
本発明のさらなる態様は、支持フレームと、支持フレームに保持され、スピンドル孔が貫通して設けられたフレームプレートと、回転可能なスピンドルシャフトを有し、支持フレームに受け入れられ、スピンドル孔を通って延伸するスピンドルアセンブリと、少なくとも支持フレームに連結されたセンサプレートと、センサプレートとスピンドルアセンブリとの間に連結され、回転可能なスピンドルシャフトが回転すると、センサプレートとスピンドルアセンブリとの間の力の変動を検出する少なくとも1つのフォースセンサとを備えるダイナミックバランサを提供することである。
本発明のさらなる態様は、支持フレームと、タイヤを回転させる回転可能なシャフトを有し、支持フレームに受け入れられるスピンドルアセンブリと、支持フレームとスピンドルアセンブリとの間で略水平面上に配置され、タイヤのバランス状態を決定するためにフォース信号をそれぞれが生成する複数のフォースセンサとを備えるダイナミックバランサを提供することである。
本発明のさらなる態様は、複数のフォースセンサをタイヤの回転に対して略水平面に維持して設け、タイヤをチャックして(chuck)膨らませ、タイヤを所定の速度まで回転させ、複数のフォースセンサからフォースデータを生成し、フォースデータからアンバランス状態を算出し、アンバランス状態がしきい値を超えると、タイヤのアンバランス箇所にマーキングする、タイヤのバランス状態の検出方法を提供することである。
本発明の上記および他の特徴および利点は、以下の記載、添付の特許請求の範囲および添付の図面からさらに深く理解されよう。
本発明の概念によるダイナミックバランサの斜視図である。 本発明の概念によるダイナミックバランサの側面図である。 本発明の概念によるダイナミックバランスの平面図である。 本発明の概念によるダイナミックバランサにおいて利用されるセンサプレートの平面図である。 本発明の概念によるダイナミックバランサの動作に利用される制御システムの概略図である。 本発明の概念によるダイナミックバランサにおいて利用され、センサプレートとフォースプレートとの間に配置される複数のフォースセンサの概略図である。 本発明の概念によるダイナミックバランサの動作において利用される制御システムの詳細を示す概略図である。 本発明の概念によるダイナミックバランサを利用してタイヤ重量を取得する工程を示す動作フローチャートである。 本発明の概念による、モータによるタイヤの回転に伴い、静アンバランス量、偶アンバランス量および修正量を取得するダイナミックバランサの動作工程を示す動作フローチャートである。 本発明の概念による、タイヤの所定速度での自由回転に伴い、静アンバランス量、偶アンバランス量および修正量を取得するダイナミックバランサの動作工程を示す動作フローチャートである。
タイヤやその他の環状体のバランスを測定するためのダイナミックバランサが、図1から図4に参照番号10で概して示されている。以下に詳細に記載するように、ダイナミックバランサ10は、アンバランスの位置、アンバランス量(weight of imbalance)、アンバランス偶力(coupling force of imbalance)および関連するデータ等のアンバランス特性を求めるためにタイヤ等の環状体の検査を行う。一般には、タイヤをバランサに載せ、ロック機構によってバランサに固定する。そして、タイヤを膨らませ、比較的速い速度、例えば400rpmの速度で回転させる。また、力測定用にタイヤの回転に対して水平面にフォースセンサが設けられてもよい。フォースセンサからのデータや他の入力値がコントローラに送られて、アンバランス特性を決定し、被検査タイヤへのマーキングやさらなる処理を施すための報告や機械命令を生成するようにしてもよい。
ダイナミックバランサは、床やその他の静止表面に固定された支持フレーム12を含む。支持フレーム12は、直立脚部14を含んでもよく、直立脚部14は、フレーム横材16によって上端部および下端部またはそれらの付近で相互接続されてもよい。必要に応じて、さらなるフレーム横材が採用されてもよい。上側フレーム横材によってフレームプレート18が支持されてもよい。図2および図5に最良に示すように、フレームプレート18にはスピンドル孔22が貫通して設けられており、このスピンドル孔22は、フレームプレート18の概して中央に位置づけられるものであってもよい。複数のロックダウン孔24がフレームプレート18を貫通し、スピンドル孔22の外周の周りに位置づけられる。図示した実施形態では、4つのロックダウン孔24が設けられ、スピンドル孔22を中心にそれぞれ実質的に等しい角度間隔を空けて配置される。なお、他の実施形態では、異なる数のロックダウン孔24が採用されてもよい。また、ロックダウン孔24の周囲に設けられるスピンドル孔22の角度間隔は、一定のものであっても異なるものであってもよい。本実施形態において、ロックダウン孔24は、固定用ボルト等を受け入れるように雌ねじが形成されている。以下の記載から分かるように、他の固定機構がロックダウン孔24に受け入れられてもよい。
支持フレーム12にはスピンドルアセンブリ30が固定されずに受け入れられ、スピンドルアセンブリ30の外側部分が、支持フレームによって支持され保持されて、以下に記載するスピンドルが外側部分内で回転可能となる。なお、以下に続く詳細な説明から分かるように、スピンドルアセンブリ内で回転可能なスピンドルによってタイヤが回転している間に観察される力がスピンドルアセンブリの支持態様に影響を受けることがないようにスピンドルアセンブリが支持される。
モータアセンブリ34がスピンドルアセンブリ30によって保持されてもよく、モータアセンブリ34は、スピンドルアセンブリに装着されたタイヤを適切な速度で回転させるために適切な構成の変速機35に連結される。モータアセンブリ34は、スピンドルアセンブリ30の回転可能な部分に連結された接続ベルト36を変速機35を介して回転させる。モータアセンブリ34は、以下に記載するように、システムコントローラから、大文字Aで示すモータ信号38を受信する。なお、当業者であれば、システムコントローラが、信号線38を介してフィードバックおよび/またはモータアセンブリの動作性能を受信するものであってもよいことは明らかであろう。
スピンドルアセンブリ30は、スピンドル孔22を通って延伸する主ハウジング44(または外側部分)を含む。主ハウジング44から半径方向に、複数のガセット48によって互いに接続されたものであってもよい外側ハウジングプレート46が延伸する。スピンドルアセンブリを支持フレーム12内に維持しやすいように、フレームプレート18の下側および/またはフレーム横材16および/または脚部14と、主ハウジング44とにカウンタバランスブラケット50が取り付けられてもよい。カウンタバランスブラケット50は、スピンドルアセンブリを支持フレーム12に対して支持しやすいようにするために、圧縮ばねを介してねじ付きボルトを受け入れるようにしてもよい。換言すれば、カウンタバランスブラケット50は、モータアセンブリ34、変速機35および関連する構成部品の重さの釣り合いをとり、支持フレーム12に対するスピンドルアセンブリの最適な角度配向を確保するために用いられてもよい。また、主ハウジング44の部分を変速機35および/またはモータアセンブリ34に連結するために取付ブラケット51が採用されてもよい。
ベルト36によって主ハウジング内において回転させられる回転可能なスピンドルシャフト58が、主ハウジング44の両端から延伸する。本実施形態において、スピンドルシャフトは、装着されたタイヤへの空気の出し入れを行いやすいように、中空構造のものか、少なくとも空気の通路が貫通して設けられたものである。なお、当業者であれば、スピンドルシャフトを所望の速度で回転させることができるように、回転可能なスピンドルシャフト58と主ハウジング44との間に適切な軸受が設けられることは明らかであろう。スピンドルシャフト58にはエンコーダ60が連結され、本実施形態では、エンコーダは、ベルト36の下方に取り付けられる。エンコーダは、スピンドルシャフトの角度位置をモニタしてエンコーダ信号62を生成し、ここでは大文字Bで示されているエンコーダ信号62は、以下に記載するようにシステムコントローラに送信される。一実施形態において、エンコーダは、スピンドルシャフトの角度位置に基づいて位置0〜1999の値を報告する2000位置タイプのリニアインクリメンタルエンコーダである。もちろん、必要に応じて採用する位置の個数は異なるものであってもよい。
ロータリユニオン64がエンコーダの下方に位置づけられ、スピンドルシャフト58に連結される。ロータリユニオン64は、必要に応じて装着したタイヤを膨らませる加圧空気供給部66にさらに接続され、加圧空気供給部66は、システムコントローラによって受信される大文字Cで示した圧力信号68を生成する。圧力信号68は、タイヤがスピンドルアセンブリ30に固定されると、タイヤの膨張圧をモニタするために利用される。
スピンドルシャフト58の上端部には下側タイヤリム70が固定され、下側タイヤリム70は、さまざまな直径サイズのタイヤを受け入れるように構成され、特に、大文字Tで示すタイヤのビードを受け入れるように構成される。タイヤがダイナミックバランサに装着されると、対応する上側タイヤリム76を有するロック部材74がスピンドルシャフト58に受け入れられる。ロック部材74は、釣り合い試験の間、タイヤを適所に保持するように機能する。例示的なバランサに係る例示的なロック機構の詳細な動作については、2016年5月27日に出願された「Apparatus For Holding A Tire In A Tire Balancing Machine」という発明の名称の米国特許出願第15/166,456号明細書に開示されており、同明細書の内容全体は、参照により本明細書に援用されたものとする。もちろん、タイヤの固定および回転についての他の実施形態が、本願に開示された本発明の概念とともに採用されてもよい。当業者であれば、空気供給やそれに伴う加圧空気が、検査前や検査中に、ロータリユニオン64、スピンドル58の中空シャフトを通って、タイヤ内に入ることは明らかであろう。
複数の横方向調整機構80が、フレームプレート18に取り付けられてもよく、以下に記載するように、フォースセンサの位置を高精度に定めるために使用される。図示した実施形態において、各横方向調整機構は、フレームプレートの両側であってフレームプレートの各側の両角付近に取り付けられる。各横方向調整機構80は、一対のねじ付き固定具84によってフレームプレートの各側に固定された調整プレート82を含んでもよい。もちろん、調整プレートをフレームプレートに固定する方法については、必要に応じて他の方法が採用されてもよい。各調整プレートは、調節可能なソケットヘッドキャップねじ86等が調整プレート82に対して軸方向に移動できるようにしてもよい。
図3および図4に最良に示すように、フレームプレート18にセンサプレート100が位置づけられてもよい。また、センサプレート100にはセンサプレート孔101が設けられ、センサプレート孔101を貫通してスピンドルアセンブリ30が受け入れられる。センサプレート100は、それぞれ接続された外縁部102と、フレームプレート18の反対側にある上面104とを有する。センサプレート100は、センサプレート100を貫通して延伸する複数のボルト孔105を有し、各ボルト孔105は、フレームプレート18を貫通するそれぞれに対応するロックダウン孔24と概して整列した位置にある。少なくとも各ボルト孔105にロックダウンワッシャ106が対応付けられてもよい。ボルト孔105にはロックダウンボルト110が受け入れ可能であり、ロックダウンボルト110は、ロックダウンワッシャとともにセンサプレート100をフレームプレート18に固定するように機能する。なお、当業者であれば、各ロックダウンボルト110の外径は、受け入れられるボルト孔105の直径より小さいものであることは明らかであろう。このように、センサプレート100は、横方向調整機構80と関連させてソケットヘッドキャップねじ86を動かし調整することでセンサプレートの横方向の位置を定めることができるようにフレームプレート上を移動可能である。具体的には、センサプレート100の外縁部は、ねじ86により移動可能であり、所望の位置が取得されれば、センサプレート100が地面に固定されるか、またはフレームプレート18に対して固定されるように、ロックダウンボルト110および関連するロックダウンワッシャ106がフレームプレートの下方にある適切な固定具に締め付けられる。
それぞれ異なるアルファベットA、B、…の接尾文字を参照符号に付した複数のフォースセンサ120がセンサプレート100、特に、上面104に取り付けられる。また、フォースセンサ120は、外側ハウジングプレート46の下面と接触する。換言すれば、フォースセンサは、センサプレート100と外側ハウジングプレート46との間に設けられる。その結果、スピンドルアセンブリの全重量がフォースセンサによって支持される。このようにして、タイヤの回転によりかかる力やその力に生じた変化はすべて、スピンドルアセンブリ30および外側ハウジングプレートを通じてフォースセンサ120によって検出される。当業者であれば、ロードセルとも呼ばれるこのようなフォースセンサは、印加された力や力の変化を検出して対応する電気信号を生成する任意のタイプのものであってもよいことは明らかであろう。フォースセンサは、ひずみゲージや圧電型素子の形態のものであってもよい。各フォースセンサ120は、それぞれ対応するアルファベットの接尾文字を参照符号に付したセンサ信号122を生成し、これらのセンサ信号122はさらに、大文字Dと対応する下付き文字(1,2,3,x)で示されている。このように、各「センサ信号」122は、多分力値のすべてを表す複数の信号を含むものであってもよい。センサ信号122はすべて、以下に記載するシステムコントローラによって受信される。各フォースセンサは、x方向、y方向およびz方向の分力値を含む信号を生成するものであってもよい。フォースセンサ120は、センサプレートに対して、それぞれ等間隔に、スピンドルアセンブリ30の主ハウジング44を中心にした位置関係で配置される。図示した実施形態において、フォースセンサは、スピンドルシャフトの回転軸を中心に互いに約90°間隔で位置づけられる。そして、図4から分かるように、各フォースセンサからのx成分の力およびy成分の力はそれぞれ同じ方向を向いている。z成分の力は紙面奥側に向かう方向を向いている。各フォースセンサは、さらなる解析のためにそれぞれのフォースセンサによって生成された少なくとも1つ以上の力を検出する。いずれにせよ、複数のフォースセンサのうち他に比べてスピンドルアセンブリの中心からの距離が長いものがないように、スピンドルアセンブリの中心軸から等距離に各フォースセンサが位置づけられればよい。これは、センサプレートをフレームプレートに対して適切に位置づけて、横方向調整機構について上述したように、センサプレートを適所にロックすることで達成される。このようにして、各フォースセンサは、釣り合い試験中、タイヤが回転されるとタイヤのアンバランス部分を適切に検出するように同様の信号を生成する。
ここで、図5を参照すると、ダイナミックバランサの制御システムが概して参照番号150で示されていることが分かる。制御システム150は、ダイナミックバランサ10の構成部品からの種々の入力およびユーザからの入力を受信するとともに、被検査タイヤのバランス状態の判定についての作業者支援となる出力を生成するために必要なハードウェア、ソフトウェアおよびメモリを備えるシステムコントローラ152を含む。
システムコントローラ152は、回転中のタイヤの圧力を示す、加圧空気供給部66からの入力、検査中のタイヤの角度位置を判定するエンコーダ60からの入力、スピンドルシャフト58によるタイヤの回転に伴い生成される力および/または力の変化をそれぞれが検出する複数のフォースセンサからの入力を受信する。換言すれば、タイヤが回転すると、タイヤは、スピンドルシャフト、スピンドルシャフト58と主ハウジング44との間にある軸受を通って、外側ハウジングプレート46へと伝達される力を生じる。その結果、力は、スピンドルアセンブリによってフレームプレートへとそれらの間にあるフォースセンサ120を通って伝達され、タイヤのバランス状態を示すものとなる。そして、システムコントローラ152は、フォースセンサから受信した信号を処理し、タイヤのバランス読取値156を生成する。なお、システムコントローラ152が受信するデータ信号の解析に関するフィルタリングおよび/または調整を行えるように、システムコントローラ152にユーザ入力154が供給されてもよい。バランス読取値の報告を利用することで、被検査タイヤに対し、使用可能な合格品としてのマーキングやその他のマーキングを適切に施すことができる。
ここで、図6を参照すると、ダイナミックバランサ10において利用されるフォースセンサのレイアウトの一例が示されている。図から分かるように、フォースセンサは、水平面上において、スピンドル軸の中心点周りに90°間隔でそれぞれ中心から等距離の位置に配置される。フォースセンサは、LC12、LC3、LC6およびLC9として識別しているが、これらの数字は、時計の文字盤の数字を表したものであり、フォースセンサ120A〜Dに相当する。当業者であれば、各フォースセンサが、3方向、すなわち、X方向、Y方向およびZ方向の力を測定することは明らかであろう。各軸の値には、特定の方向におけるフォースセンサの伸縮のいずれかを表す正値および負値がある。また、各フォースセンサは互いに位置の調整がなされていることで、測定される3軸のそれぞれがすべて同じ方向を向いたものとなる。図2を参照すると分かるように、被検査タイヤTが、一組のリム70および76にチャックされ、リム70および76は、フォースプレートとセンサプレートとの間に設けられたフォースセンサを含む水平面から一定距離上方に位置している。また、タイヤの重量により、4つのロードセルすべてに正の(+Z)方向の荷重がかかる。このようにして、任意の3つの測定値を与えると、軸に対するモーメントを算出することができる。このような式では、ロードセル間の所与の軸上の距離に相当する定数aおよびbを考慮する。定数cは、被検査タイヤとロードセルとの間の高さの負数である。
アンバランスの位置および量を取得するために、バランサマシン10は、静アンバランス量(static imbalance)と、偶アンバランス量(couple imbalance)と、静アンバランス量および偶アンバランス量のそれぞれの修正量とを算出する。静アンバランス量とその修正量を求めるには、Y方向の力の総和(Fy=Fy12+Fy+Fy+Fy)が必要となる。偶アンバランス量とその修正量を求めるには、以下の式、
Figure 2018077216
で与えられるX軸に対するモーメント(Mx)が必要となる。式中、Fz12は、フォースセンサLC12によって検出されるZ軸方向の力を表し、以下同様である。したがって、ここで図7を参照すると、システムコントローラ152は、複数成分に分かれたセンサ信号122A〜Dを受信する。詳細には、フォースセンサ120A、120B、120Cおよび120Dは、チャージアンプ180と、加算モジュール182および186とに接続される。本実施形態において、チャージアンプ180は、フォースセンサにおいて維持されるものである圧電素子(一般には石英等)の電荷を維持する役割を担うものである。このような圧電素子が伸縮すると、電荷に微量の変化が生じる。このような変化はチャージアンプによってピコクローン単位で測定される。チャージアンプは、この測定値を、アナログ回路を介して±10Vの範囲の電圧に変換する。一定時間が経過すると、フォースセンサに残る電荷がフォースセンサへの物理的変化を検知できなくなるレベルまで消失する。したがって、各フォースセンサは周期的に充電される必要がある。また、充電毎に測定レベルがゼロ調整される。このように、バランサマシンは、タイヤをバランサにチャックして膨らませて回転させた後にフォースセンサを充電するため、タイヤの回転によりフォースセンサにかかる力の変動のみが測定されることになる。
チャージアンプは、フォースセンサ120A〜DからZ軸方向のフォース信号をすべて直接受信する。加算モジュールY182は、フォースセンサ120A〜DからY軸方向のフォース信号をすべて受信する。同様に、加算モジュールX186は、フォースセンサ120A〜DからX軸方向のフォース信号をすべて受信する。加算モジュールY182は、チャージアンプ180によって受信される加算信号184を生成し、同様に、加算モジュールX186は、チャージアンプ180によって受信される加算信号188を生成する。チャージアンプ180には、データ取得モジュール190が接続される。データ取得モジュール190は、エンコーダ60によって生成されたエンコーダ信号62も受信する。
動作中、データ取得モジュール190は、チャージアンプ180で発生された電圧をサンプリングする。一実施形態において、データ取得モジュール190は、チャージアンプ180から13,333回/秒のレートで受信したすべての信号をサンプリングする。そして、このデータレートで、データ取得モジュール190は、エンコーダ60の状態を2,000回サンプリングする。このように、タイヤがバランサマシンにおいて、例えば400RPMの回転速度で回転しているとき、およそ2,000データ点/回転を得ることができる(13333Hz÷(400RPM/60秒)=2000サンプル数/回転)。そして、システムコントローラは、着目する信号のそれぞれから回転毎に2,000データ点をサンプリングし、これらのサンプリングデータを個別の波形に変換する。本実施形態では、波形の各データ点についてX軸に対するモーメントを求める式を計算する。各波形に離散フーリエ変換を施し、その波形の基本波ハイポイント角度を求める。Y軸方向信号(Fy)の総和の基本波ハイポイント角度を用いて、静アンバランス量とその修正量とを算出する。同様に、X軸に対するモーメント(Mx)の基本波ハイポイント角度を用いて、偶アンバランス量とその修正量とを算出する。
ここで、図8から図10を参照すると、タイヤ重量と、種々のアンバランス値およびそれらの修正量を取得する動作ステップが図示されている。
図8には、タイヤの重量を取得するために利用される方法が示されているが、このタイヤ重量取得方法については、他の目的のために利用されることもあれば、完全に省略されることもある。このタイヤ計量方法は、概して、参照番号200で表されている。最初のステップとして、ステップ202において、(前述したように)チャージアンプ180によってフォースセンサを充電する。次に、ステップ204において、タイヤをバランサマシンに載せてチャックする。所定の待機時間、例えば1秒経過後、データ取得モジュール190は、Z軸方向のフォース信号(Fz)をすべて加算して、タイヤの全重量を取得する。そして、上記方法は、ステップ208において、図9または図10のいずれかに示すようなタイヤアンバランス値の取得を開始してもよい。
図9は、概して参照番号220で示す、タイヤアンバランス値を取得するための一連のステップを示す。ステップ222において、タイヤをバランサに設置して適所にチャックした後、タイヤを膨らませる。次に、ステップ224において、タイヤをモータアセンブリによって所定の速度まで回転させる。本実施形態では回転速度を400RPMに設定しているが、当業者であれば、他の速度が用いられてもよいことは明らかであろう。そして、ステップ226において、測定値をゼロ調整するようにフォースセンサが充電される。ステップ228において、フォースセンサからタイヤの一回転分のデータが収集される。必要に応じて、さらなる解析用にさらなる回転分のデータが収集されてもよい。次に、ステップ230において、ステップ228で収集されたデータを利用して、タイヤの静アンバランス量および偶アンバランス量と、それぞれの修正量とを算出する。そして、システムコントローラからのデータを利用して、アンバランスが最も大きな箇所をマーキングするための位置でモータアセンブリによってタイヤを停止させる。最後に、タイヤの空気を抜いてチャックから取り外した後、次のステップへと進み、所定のしきい値を超過していれば、タイヤへのマーキングを行ってもよい。
ここで、図10を参照すると、自由回転法を利用して偶アンバランス量とその修正量とを求める手順が、概して参照番号240で表されている。本実施形態においても、ステップ242において、タイヤをチャックして膨らませる。次に、ステップ244において、タイヤを回転させ、回転速度を所定の速度にその速度の所定割合の速度を足した速度まで上げる。例えば、タイヤの回転速度を、前述した方法で提示した公称値より10パーセント高い440PRMの回転速度まで上げてもよい。次に、ステップ246において、フォースセンサは、測定値をゼロ調整するように充電される。そして、ステップ248において、モータとスピンドルシャフトとの係合を解除し、タイヤをスピンドルシャフト上で自由回転状態にする。
タイヤの速度が落ち、所定の速度値、例えば400RPMに差し掛かるタイミングで、データ取得モジュールは、その所定の速度値を跨いでタイヤの速度が落ちるときの1回転分のデータを収集する。次に、ステップ252において、静アンバランス量および偶アンバランス量と、それらの修正量とを算出する。そして、前述した実施形態と同様に、ステップ254において、アンバランスが最も大きな箇所をマーキングするための位置でタイヤを停止させ、ステップ256において、タイヤの空気を抜いてチャックから取り外した後、次のステップへと進み、所定のしきい値が超過されるとタイヤへのマーキングを行ってもよい。
なお、当業者であれば、上記で参照した静アンバランス値および偶アンバランス値から、タイヤの上面および下面の両方のダイナミックアンバランス測定量が算出されてもよいことは明らかであろう。ダイナミックアンバランス量は、静アンバランス量および偶アンバランス量を各バランス平面においてベクトル合成したものである。したがって、被検査タイヤの純静アンバランス量およびその対偶(または純動アンバランス量)を求めることによって、動アンバランス状態を求めることができる。
本明細書に開示したダイナミックバランサおよび関連するデータ収集方法は、ロードバランス状態をより正確に得ることができるという点で好ましいものであると考えられる。また、フォースセンサを、スピンドルの回転軸を中心にした半径方向の位置に配置するのではなく、タイヤの回転面に平行な水平面に配置することによって、タイヤのバランス状態の評価をより高い信頼性で求めることができると考えられる。
以上のことから、本発明の目的は、上述した構造およびその使用方法により満たされることが分かる。特許法に従い、最良の形態および好ましい実施形態のみを提示し詳細に記載してきたが、本発明はこれらに限定されるものではないことを理解されたい。したがって、本発明の真の趣旨および範囲を把握するためには、以下の特許請求の範囲を参照すべきである。

Claims (17)

  1. 支持フレームと、
    前記支持フレームに保持され、スピンドル孔が貫通して設けられたフレームプレートと、
    回転可能なスピンドルシャフトを有し、前記支持フレームに受け入れられ、前記スピンドル孔を通って延伸するスピンドルアセンブリと、
    少なくとも前記支持フレームに連結されたセンサプレートと、
    前記センサプレートと前記スピンドルアセンブリとの間に連結され、前記回転可能なスピンドルシャフトが回転すると、前記センサプレートと前記スピンドルアセンブリとの間の力の変動を検出する少なくとも1つのフォースセンサと、
    を備えるダイナミックバランサ。
  2. 複数の横方向調整機構をさらに備え、前記複数の横方向調整機構は、前記フレームプレートに固定された調整プレートをそれぞれ有し、前記センサプレートと係合可能である調節可能なねじが前記調整プレートに通された、請求項1に記載のダイナミックバランサ。
  3. 前記スピンドルアセンブリから半径方向に延伸する外側ハウジングプレートをさらに備え、前記外側ハウジングプレートと前記センサプレートとの間に、前記少なくとも1つのフォースセンサが配置される、請求項1に記載のダイナミックバランサ。
  4. 前記回転可能なスピンドルシャフトに連結され、前記回転可能なスピンドルシャフトの角度位置を検出するエンコーダをさらに備える、請求項3に記載のダイナミックバランサ。
  5. 中空構造を有する前記回転可能なスピンドルシャフトに連結された空気供給部をさらに備え、タイヤが、前記回転可能なスピンドルシャフトに取り付けられ、かつ、前記空気供給部を介して前記回転可能なスピンドルシャフトを通して膨らませられる、請求項4に記載のダイナミックバランサ。
  6. 前記タイヤの回転中に前記タイヤのバランス特性を決定するために、前記少なくとも1つのフォースセンサ、前記エンコーダおよび前記空気供給部から信号を受信するコントローラをさらに備える、請求項5に記載のダイナミックバランサ。
  7. 複数の前記フォースセンサは、前記回転可能なスピンドルの回転軸を中心に互いに約90°間隔で位置づけられ、少なくとも2つの力成分をそれぞれ検出する、請求項6に記載のダイナミックバランサ。
  8. 前記複数のフォースセンサは、前記回転可能なスピンドルの回転軸に対して等距離の位置に設けられる、請求項7に記載のダイナミックバランサ。
  9. 前記複数のフォースセンサは、x軸、y軸およびz軸の力成分をそれぞれ検出する、請求項7に記載のダイナミックバランサ。
  10. 支持フレームと、
    タイヤを回転させる回転可能なシャフトを有し、前記支持フレームに受け入れられるスピンドルアセンブリと、
    前記支持フレームと前記スピンドルアセンブリとの間で略水平面上に配置され、前記タイヤのバランス状態を決定するためにフォース信号をそれぞれが生成する複数のフォースセンサと、
    を備えるダイナミックバランサ。
  11. 前記複数のフォースセンサは、3方向の力をそれぞれ測定し、前記複数のフォースセンサがそれぞれ有する3つの測定対象軸がそれぞれ同じ方向を向くように、前記複数のフォースセンサは互いに位置の調整がなされている、請求項10に記載のダイナミックバランサ。
  12. 前記複数のフォースセンサのそれぞれからY軸方向の信号を受信して加算信号を生成する加算モジュールと、
    前記加算信号を受信するとともに、前記複数のフォースセンサのそれぞれからZ軸方向の信号を受信し、それぞれに対応する増幅信号を生成するチャージアンプと、
    をさらに備える請求項11に記載のダイナミックバランサ。
  13. 前記回転可能なシャフトに連結され、角度位置信号を生成するデータエンコーダと、
    静アンバランス量と、偶アンバランス量と、前記静アンバランス量および前記偶アンバランス量の修正量とを決定するために、前記増幅信号と前記角度位置信号とを受信するデータ取得モジュールとを備える、請求項12に記載のダイナミックバランサ。
  14. タイヤのバランス状態の検出方法であって、
    複数のフォースセンサを前記タイヤの回転に対して略水平面に維持して設け、
    前記タイヤをチャックして膨らませ、
    前記タイヤを所定の速度まで回転させ、
    前記複数のフォースセンサからフォースデータを生成し、
    前記フォースデータからアンバランス状態を算出し、
    前記アンバランス状態がしきい値を超えると、前記タイヤのアンバランス箇所にマーキングする、
    ことを含む、タイヤのバランス状態の検出方法。
  15. 前記所定の速度に達すると、前記タイヤを回転させているモータとの係合を解除し、
    前記タイヤが第2の所定の速度に達すると、前記複数のフォースセンサからフォースデータを生成する、
    ことをさらに含む、請求項14に記載のタイヤのバランス状態の検出方法。
  16. 前記複数のフォースセンサがそれぞれ有する3つの測定対象軸がそれぞれ同じ方向を向くように、前記複数のフォースセンサの位置をそれぞれ調整する、
    ことをさらに含む、請求項14に記載のタイヤのバランス状態の検出方法。
  17. 前記タイヤの回転中に角度位置信号を生成し、
    前記複数のフォースセンサのそれぞれからのY軸方向の信号を加算して、加算信号を生成し、
    前記角度位置信号、前記加算信号および前記複数のフォースセンサのそれぞれからのZ軸方向の信号から、静アンバランス量と、偶アンバランス量と、前記静アンバランス量および前記偶アンバランス量の修正量とを算出する、
    ことをさらに含む、請求項16に記載のタイヤのバランス状態の検出方法。
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