JP2018077144A - ノイズ源探査システムおよびノイズ源探査方法 - Google Patents

ノイズ源探査システムおよびノイズ源探査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】同じ周波数の信号出力源が近接位置に複数設けられていても、ノイズ源となっている信号の出力源を明確に識別できるノイズ源探査システムを提供する。【解決手段】ノイズ探査システム1は、放射ノイズ検知手段10にて検知する放射ノイズの発生源である被測定基板100に高調波リターン経路短縮化モジュール50を設け、着目した放射ノイズの周波数に対応する高調波を信号線111と送信側IC131との接続部位近傍からGND面120へショートカットさせたとき、放射ノイズの振幅レベルが狭くなれば、その信号線111に信号を出力している送信側IC131の出力信号がノイズ源であると判定でき、放射ノイズの振幅レベルが変わらなければ、送信側IC131の出力信号はノイズ源ではないと判定できる。【選択図】図1

Description

本発明は、EMC試験の放射エミッション試験において問題となる放射ノイズのノイズ源を探査するためのノイズ源探査システムおよびノイズ源探査方法に関する。
高密度・高速通信基板では、通信信号の高速化による高調波ノイズ(信号周波数の整数倍の周波数となるノイズ)が放射エミッション試験において大きな問題となる。基板からの放射ノイズが規制値をオーバーしていると、当該製品を出荷できないため、この問題を迅速にクリアすることは非常に重要である。
ノイズ対策で問題が起きた時にノイズ源を探査する場合、一般的には、以下の手順を踏んでゆく。(1)ノイズ源となる信号出力源(ICなど)を特定し、(2)ノイズの伝搬経路およびアンテナを特定し、(3)ノイズ発生源を特定し、(4)ノイズ発生源に適切な対策を施し、(5)放射ノイズの再測定を行う。手順(5)にて規制値を十分にクリアできてない場合は、手順(1)、(2)もしくは(3)へ戻り、改めて手順(4)、(5)を行わなければならない。
ノイズ源を探査する既存技術としては、2チャンネル測定を用いた位相比較により、各測定座標における電磁界分布を算出してマッピングし、ノイズ源を探査する装置(例えば、特許文献1を参照)、振幅特徴量算出(統計解析)により電磁環境の特徴を識別し、識別された電磁干渉の発生状況からノイズ源を探査する装置(例えば、特許文献2を参照)、回路ブロック毎にリセット可能な機器を個別にリセットさせて、ノイズ発生の有無からノイズ源となっている回路ブロックを特定し、ノイズ源を探査する方法(例えば、特許文献3を参照)などがある。
特開2011−17718号公報 特開2012−47724号公報 特開2014−16195号公報
しかしながら、近年の電子基板では、同じ周波数の信号出力源(通信クロックICなど)が近接位置に複数設けられる場合が多く、特許文献1や特許文献2に記載されたノイズ源探査装置では、同じ周波数の信号出力源が近接位置に複数設けられていると、ノイズ源となっている信号の出力源を明確に識別できない。
一方、特許文献3に記載のノイズ源探査方法では、リセット可能な回路ブロックが分かれていれば、同じ周波数の信号出力源が近接位置に複数設けられていても、ノイズ源となっている信号の出力源か否かを識別できる可能性がある。しかしながら、特許文献3に記載のノイズ探査方法では、リセット可能な回路ブロックに分けて設計されている機器でなければ有効に機能しない。加えて、強制的なリセットにより機器が誤動作すると、機器本来の放射ノイズを取得できない可能性もあるため、必ずしもノイズ発生源を特定できるとはいえない。
そこで、本発明は、同じ周波数の信号出力源が近接位置に複数設けられていても、ノイズ源となっている信号の出力源を明確に識別できると共に、ノイズ発生要因となっている部位を簡便かつ効率良く特定できるノイズ源探査システムおよびノイズ源探査方法を提供する。
前記課題を解決するために、請求項1に係るノイズ源探査システムは、ノイズ源の探査対象である被測定基板を動作させたときに、空間へ放射される放射ノイズを検知する放射ノイズ検知手段と、前記放射ノイズ検知手段により検知されたノイズ成分のうち、任意のノイズ周波数における振幅変化を時系列に抽出可能なノイズ波形取得手段と、前記被測定基板に設けられる信号出力源の周波数に基づき、前記ノイズ波形取得手段が取得対象としたノイズ周波数に対応する高調波が流れる可能性のある信号線を選定し、該信号線の任意箇所である検査対象部位に設けることで、ノイズ周波数に対応する高調波のリターン経路を短縮化する高調波リターン経路短縮化手段と、前記高調波リターン経路短縮化手段によって高調波のリターン経路を短縮化したときの短縮時ノイズ波形と、前記高調波リターン経路短縮化手段によって高調波のリターン経路を短縮化せずに通常のリターン経路としたときの通常時ノイズ波形とに、予め定めた判定レベル以上の振幅変化が生じているか否かを判定するレベル変化判定手段と、を備え、前記レベル変化判定手段により得られた判定結果からノイズ発生要因を探査してゆくようにしたことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載のノイズ源探査システムにおいて、前記高調波リターン経路短縮化手段は、前記信号出力源から信号線へ出力される信号のうちノイズ周波数の成分を信号線から導入するフィルタ回路と、前記フィルタ回路の出力側から接地へ至る線路を開閉するスイッチ素子と、前記スイッチ素子をONにして高調波のリターン経路を短縮化するリターン経路短縮化期間と、前記スイッチ素子をOFFにして高調波を通常のリターン経路とするリターン経路通常期間とを交互に計時し、前記スイッチ素子のON/OFFを制御するタイマ回路と、を備えることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、前記請求項1又は請求項2に記載のノイズ源探査システムにおいて、前記レベル変化判定手段は、放射ノイズの振幅が狭くなるリターン経路短縮化期間と、放射ノイズの振幅が狭くなっていないリターン経路通常期間とを、任意の時間領域の範囲で、各期間の振幅レベルをそれぞれ平均し、平均した各期間で高速フーリエ変換を行い、リターン経路短縮化期間におけるノイズ周波数成分のレベルと、リターン経路通常期間におけるノイズ周波数成分のレベルとの差が、予め定めた判定基準値以上であるときに、判定レベル以上の振幅変化が生じていると判定するようにしたことを特徴とする。
前記課題を解決するために、請求項4に係るノイズ源探査方法は、ノイズ源の探査対象である被測定基板を動作させる被測定基板動作ステップと、前記被測定基板の動作時に空間へ放射される放射ノイズを検知する放射ノイズ検知ステップと、前記放射ノイズ検知ステップにより検知されたノイズ成分のうち、任意のノイズ周波数における振幅変化を時系列に抽出するノイズ波形取得ステップと、前記被測定基板に設けられる信号出力源の周波数に基づき、前記ノイズ波形取得手段が取得対象としたノイズ周波数に対応する高調波が流れる可能性のある信号線を選定し、該信号線の任意箇所を検査対象部位に設定する検査対象部位設定ステップと、前記検査対象部位において、ノイズ周波数に対応する高調波のリターン経路を短縮化するリターン経路短縮化期間と、ノイズ周波数に対応する高調波が通常のリターン経路を通るリターン経路通常期間とを、交互に繰り返す高調波リターン経路切り替えステップと、前記ノイズ周波数に対応する高調波のリターン経路を短縮化したときの短縮時ノイズ波形と、前記ノイズ周波数に対応する高調波のリターン経路が通常であるときの通常時ノイズ波形とに、予め定めた判定レベル以上の振幅変化が生じているか否かを判定するレベル変化判定ステップと、前記レベル変化判定ステップで得られた判定結果からノイズ発生要因を探査するノイズ発生要因探査ステップと、を行うことを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、前記請求項4に記載のノイズ源探査方法において、前記高調波リターン経路切り替えステップは、信号出力源と信号線とが接続される部位近傍を検査対象部位に設定して、リターン経路短縮化期間とリターン経路通常期間とを交互に繰り返し、前記ノイズ発生要因探査ステップは、前記レベル変化判定ステップで判定レベル以上の振幅変化が生じていると判定された場合には、当該信号出力源が発生ノイズの信号源であると特定し、逆に判定レベル以上の振幅変化が生じていないと判定された場合には、当該信号出力源は発生ノイズの信号源ではないと特定する、ことを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、前記請求項5に記載のノイズ源探査方法において、前記高調波リターン経路切り替えステップは、発生ノイズの信号源と特定した信号出力源が接続される信号線に対して、信号出力源から遠ざかるように検査対象部位を順次設定して行い、前記ノイズ発生要因探査ステップは、判定レベル以上の振幅変化が生じていないと判定されたときの検査対象部位と、判定レベル以上の振幅変化が生じていると判定されたときの検査対象部位との間に、ノイズ発生要因があると特定する、ことを特徴とする。
本発明によれば、同じ周波数の信号出力源が近接位置に複数設けられていても、ノイズ源となっている信号の出力源を明確に識別できると共に、ノイズ発生要因となっている部位を簡便かつ効率良く特定できる。
本発明の実施形態に係るノイズ源探査システムを示す概略構成図である。 高調波リターン経路短縮化モジュールの概略構成図である。 高調波リターン経路短縮化モジュールの動作機能を示し、(a)は高調波リターン経路短縮化モジュールがOFFであるときの除去対象高調波信号の電流経路およびリターン電流経路の概略図、(b)は高調波リターン経路短縮化モジュールがONであるときの除去対象高調波信号の電流経路およびリターン電流経路の概略図である。 ノイズ源探査システムの原理説明図である。 同じ周波数の信号出力源が複数ある中から、ノイズ源となっている信号の出力源を特定するための探査手法の説明図である。 図5の探査手法により第1〜第3被測定基板より得られた周波数特性を示し、(a)は第1被測定基板の高調波リターン経路短縮化モジュールのみを動作させた時の周波数特性図、(b)は第2被測定基板の高調波リターン経路短縮化モジュールのみを動作させた時の周波数特性図、(c)は第3被測定基板の高調波リターン経路短縮化モジュールのみを動作させた時の周波数特性図である。 ノイズ源となっている信号の出力源があると特定された第1被測定基板の信号線からノイズ発生要因となっている部位を特定するための探査手法の説明図である。 図7の探査手法により第1被測定基板の各検査対象部位に高調波リターン経路短縮化モジュールを設けて得られた周波数特性を示し、(1)は高調波リターン経路短縮化モジュールを検査対象部位A1に設けたときの周波数特性図、(2)は高調波リターン経路短縮化モジュールを検査対象部位A2に設けたときの周波数特性図、(3)は高調波リターン経路短縮化モジュールを検査対象部位A3に設けたときの周波数特性図である。
次に、添付図面に基づいて、本発明に係るノイズ探査システムおよびノイズ探査方法の実施形態につき説明する。
図1は、本発明に係るノイズ探査システム1の実施形態を示す。このノイズ探査システム1は、被測定基板100から空間へ放射される放射ノイズのノイズ源を探査するもので、例えば、放射ノイズ検知手段10、増幅手段20、受信波形観測手段30、演算処理手段40、高調波リターン経路短縮化モジュール50より成る。なお、被測定基板100および放射ノイズ検知手段10は、シールドケース200(図1中、二点鎖線で示す)内に置くなどして、外来ノイズの影響を受けないようにすることが望ましい。
放射ノイズ検知手段10は、小型ループアンテナや電流プローブ等で構成され、動作中の被測定基板100から空間へ放射される放射ノイズをアナログ電気信号として取得するものである。増幅手段20は、S/N比の良い増幅装置等で構成され、放射ノイズ検知手段10からの電気信号を増幅するものである。受信波形観測手段30は、受信信号をA/D変換してデジタルデータとして処理できるデジタルオシロスコープ等で構成され、放射ノイズ検知手段10により検知されたノイズ波形(任意のノイズ周波数における振幅変化を時系列に表示した波形)をリアルタイムで確認でき、ノイズ波形取得手段としての機能を備えるものである。演算処理手段40は、パーソナルコンピュータ等で構成され、受信波形観測手段30よりデジタルデータとしてノイズ信号を受け取り、データ加工・表示・判定等の処理を行う。具体的な処理内容については後述する。
ノイズ源を探査する対象である被測定基板100は、基板本体110の一方の面に信号線111を、他方の面に導電性のGND面120を設け、信号出力源である送信側IC131から所定周波数の信号が出力され、信号線111を通って受信側IC132へ入力される。信号線111に信号が流れると、GND面120をリターン電流が逆向き(受信側IC132から送信側IC131へ戻る向き)に流れる。なお、GND面120には、信号線111を跨ぐようにGNDスリット121が設けられているため、基本周波数の信号およびその高調波のリターン経路(リターン電流が流れてゆく経路)は、信号線111を通る信号経路とは大きく異なってしまう。
高調波リターン経路短縮化モジュール50は、信号線111に導通される第1導線部51と、その近傍にてGND面120に導通される第2導線部52とを備え、送信側IC131から信号線111を通って受信側IC132へ流れる信号に含まれる任意の高調波を、第1導線部51から第2導線部52へ経てGND面120へショートカットさせることができる。すなわち、高調波リターン経路短縮化モジュール50を適宜な部位に設けると、対象周波数の高調波の一部は、受信側IC132を経ずに、高調波リターン経路短縮化モジュール50の第2導線部52よりGND面120へ至るので、リターン経路を短縮化できるのである。
上記高調波リターン経路短縮化モジュール50の回路構成例を図2に示す。信号線111に接続される第1導線部51には、フィルタ回路53に接続され、信号出力源である送信側IC131から信号線111へ出力される信号のうちノイズ周波数の成分を信号線111から導入する。通常、放射ノイズのノイズ源となるのは、基本周波数の整数倍の高調波であり、例えば、放射ノイズ検知手段10により検知された放射ノイズの波形を受信波形観測手段30で表示させるときに、問題となっているノイズ周波数がわかるので、このノイズ周波数を含む帯域を透過させる特性のフィルタ回路53を構成すれば良い。なお、フィルタ回路53を理想的なコイルLとコンデンサCのみで構成すれば、電力消費がないので、リターン電流の減衰を抑制できるという利点がある。
また、本構成例の高調波リターン経路短縮化モジュール50では、フィルタ回路53の出力側から接地へ至る線路(GND面120に接続される第2導線部52への線路)を開閉するスイッチ素子54と、このスイッチ素子54のON/OFFを制御するタイマ回路55とを設け、高調波リターン経路短縮化モジュール50を取り付けたり取り外したりしなくても、高調波リターン経路短縮化モジュール50を取り付けた状態と、高調波リターン経路短縮化モジュール50を取り外した状態を自在に切り替えることができる。
すなわち、高調波リターン経路短縮化モジュール50のタイマ回路55は、ON時間(スイッチ素子54をONにして高調波のリターン経路を短縮化するリターン経路短縮化期間)と、OFF時間(スイッチ素子54をOFFにして高調波を通常のリターン経路とするリターン経路通常期間)とを交互に計時し、時間経過に応じてスイッチ素子54のON/OFFを制御する。なお、ON時間とOFF時間は、少なくとも、除去対象として着目する高調波の周期よりも長く設定する必要があり、スイッチ素子54のON/OFF直後の振幅変動の影響が無視できる程度に十分な時間長に設定しておくことが望ましい。例えば、送信側IC131から出力される信号の基本周波数が100MHzで、問題となっている高調波(除去対象高調波)が6次高調波(600MHz)である場合、ON時間は3.3μsに、OFF時間は2.6μsに設定する。また、タイマ回路55によるスイッチ素子54の制御タイミングは、任意に行っても構わないが、例えば、タイマ回路55で除外対象高調波をモニタリングしておき、除外対象高調波の振幅が0になるタイミングで、スイッチ素子54のON/OFF制御を行うようにしても良い。
上述した高調波リターン経路短縮化モジュール50を設けた被測定基板100において、高調波リターン経路短縮化モジュール50を動作させない場合(OFF)の除去対象高調波信号の電流経路およびリターン電流経路の概略を図3(a)に、高調波リターン経路短縮化モジュール50を動作させた場合(ON)の除去対象高調波信号の電流経路およびリターン電流経路の概略を図3(b)に示す。
高調波リターン経路短縮化モジュール50がOFFであれば、除去対象高調波信号の電流経路HNは、送信側IC131から信号線111を通って受信側IC132へ向かう状態となり、GND面120を流れる除去対象高調波信号のリターン電流経路Rhnは、基本的に信号線111に近接して流れるものの、GNDスリット121を迂回せざるを得ないため、除去対象高調波信号の電流経路HNと除去対象高調波信号のリターン電流経路Rhnは非対象となり、これが放射ノイズの発生要因となることがある。
被測定基板100において、信号線111を流れる信号電流とGND面120を流れるリターン電流とで擬似的なループアンテナが形成され、信号電流の経路とループ電流の経路がほぼ同一形状であれば、信号電流により生じる磁界の向きとループ電流により生じる磁界の向きが逆になって概ね相殺されるので、空間への電磁放射は生じない。しかしながら、信号電流の経路とループ電流の経路が異なっていると、電磁放射が生じる可能性があり、その放射強度が規制値以上であれば、対処すべき放射ノイズとなるのである。
したがって、高調波リターン経路短縮化モジュール50がOFFのとき、送信側IC131からの基本周波数信号により生じた除去対象高調波信号は、全て受信側IC132へ到達し、それに応じた強さのリターン電流がGNDスリット121を避けてGND面120を流れることとなる。かくして、除去対象高調波と同じ周波数の放射ノイズが空間へ放射されてしまうのである。
一方、高調波リターン経路短縮化モジュール50がONであれば、除去対象高調波信号の一部は、第1導線部51から第2導線部52を経てGND面120へ至り、送信側IC131へ戻るようにショートカットされる。すなわち、除去対象高調波信号の一部は、ほぼ対称である電流経路HN′とリターン電流経路Rhn′を流れるので、空間への電磁放射に寄与しなくなる。無論、高調波リターン経路短縮化モジュール50によってリターン経路を短縮化されなかった除去対象高調波信号は、前述したと同様の電流経路HNとリターン電流経路Rhnを通るため、経路の不均衡から空間への電磁放射に寄与することとなるが、その放射強度は弱まり、放射ノイズの振幅は小さくなる。
上述した高調波リターン経路短縮化モジュール50のリターン経路短縮化機能を用いたノイズ源探査システム1の原理を、図4に基づき説明する。
動作中の被測定基板100から放射ノイズが発生しているとき、高調波リターン経路短縮化モジュール50をタイマ動作によるモジュールON(リターン経路短縮化)と、モジュールOFF(通常のリターン経路)とを交互に生じさせると、放射ノイズ検知手段10を介して取得された6次高調波の波形は、振幅レベルが弱まった短縮時ノイズ波形と、振幅レベルが通常の通常時ノイズ波形とが交互に繰り返される状態となる。なお、高調波リターン経路短縮化モジュール50によるリターン電流経路の短縮化が放射ノイズ低減に寄与していない場合は、高調波リターン経路短縮化モジュール50のON/OFFに関係なく、通常時ノイズ波形が継続した状態となる。
そして、高調波リターン経路短縮化手段50によって高調波のリターン経路を短縮化したときの短縮時ノイズ波形と、高調波リターン経路短縮化手段50によって高調波のリターン経路を短縮化せずに通常のリターン経路としたときの通常時ノイズ波形とに、予め定めた判定レベル(例えば、3dB)以上の振幅変化が生じていれば、高調波リターン経路短縮化モジュール50によるリターン経路短縮化が放射ノイズ低減効果を発揮していると判定する。これは、高調波リターン経路短縮化モジュール50のON時に、除去対象高調波が高調波リターン経路短縮化モジュール50内を通過する過程で減衰し、放射ノイズの振幅が狭くなった場合など、誤差程度のレベル変化を排除する上で有効となる。
なお、高調波リターン経路短縮化モジュール50によるリターン経路短縮化が放射ノイズ低減に十分寄与していれば、受信波形観測手段30にてノイズ波形を表示することで、短縮時ノイズ波形と通常時ノイズ波形の振幅レベル変化を目視確認できるが、より正確に判断するためには、演算処理手段40をレベル変化判定手段として用いることが望ましい。
演算処理手段40により行うレベル変化判定手法は特に限定されるものではないが、一例を示す。取得した放射ノイズの波形データから、放射ノイズの振幅が狭くなるリターン経路短縮化期間と、放射ノイズの振幅が狭くなっていないリターン経路通常期間とを、任意の時間領域の範囲(例えば、高調波リターン経路短縮化モジュール50がON/OFFする周期の数倍程度)で、各期間の振幅レベルをそれぞれ平均し、平均した各期間で高速フーリエ変換を行い、リターン経路短縮化期間におけるノイズ周波数成分のレベルと、リターン経路通常期間におけるノイズ周波数成分のレベルとの差が、予め定めた判定基準値以上であるときに、判定レベル以上の振幅変化が生じていると判定する。
このように、演算処理手段40によって判定レベル以上の振幅変化が生じていると判定された場合には、送信側IC131と高調波リターン経路短縮化モジュール50を設けた検査対象部位との間には、放射ノイズの発生要因(例えば、リターン経路を歪ませているGNDスリット121)は無いものと判断できる。このことは、高調波リターン経路短縮化モジュール50を設けた検査対象部位よりも受信側IC132の側に放射ノイズの発生要因があると意味するので、検査対象部位を受信側IC132へ近づけてゆき、演算処理手段40によって判定レベル以上の振幅変化が生じていないと判定された場合、すなわち、高調波リターン経路短縮化モジュール50により短縮化されたリターン経路でも放射ノイズの発生に寄与してしまったと考えられる場合には、その検査対象部位よりも送信側IC131に近いところに放射ノイズの発生要因があると判断できる。したがって、本実施形態に係るノイズ探査システム1を用いれば、高調波リターン経路短縮化モジュール50を設ける検査対象部位を適切に設定してゆくことで、放射ノイズの発生要因となっている箇所を明確に特定できる。
加えて、本実施形態に係るノイズ探査システム1で用いる高調波リターン経路短縮化モジュール50は、放射ノイズの信号源となっている高調波のリターン経路のみを短縮化できるので、基本周波数の信号に著しい減衰を生じさせることはなく、100MHzの高速信号でも、クロック波形の立ち上がりエッジや立ち下がりエッジが鈍り過ぎることはなく(図4中、受信側IC132への入力波形を参照)、“1”と“0”を正しく判断でき、被測定基板100を誤動作させることはない。
また、本実施形態に係るノイズ探査システム1で用いる高調波リターン経路短縮化モジュール50は、スイッチ素子54とタイマ回路55によって、リターン経路短縮化機能のON/OFFを自動で切り替えることができるので、高調波リターン経路短縮化モジュール50を設けない状態で被測定基板100のノイズ計測を行った後、被測定基板100を取り出して高調波リターン経路短縮化モジュール50を取り付け、改めて被測定基板100のノイズ計測を行うような手間がなく、効率的に計測作業を行うことができる。
しかも、高調波リターン経路短縮化モジュール50を取り付けたり、取り外したりするために、被測定基板100をシールドケース200から出し入れする必要が無いので、被測定基板100の配設位置やケーブル類の引き回し位置を変えることなく、高調波リターン経路短縮化モジュール50の無い状態と高調波リターン経路短縮化モジュール50を設けた状態の計測を行う事が可能になる。被測定基板100の配設位置やケーブル類の引き回し位置が変わると、振幅レベルが3dB以上ずれてしまうこともあるので、高調波リターン経路短縮化モジュール50の無い状態と高調波リターン経路短縮化モジュール50を設けた状態の計測を同じ条件で行えることは、非常に重要である。
また、複数の回路基板をワイヤハーネス等の基板対基板接続コネクタで接続している場合、コネクタによりノイズが発生する事があり、このようにして発生したノイズが基板上の回路や筐体を経由して電源ラインや基板接続ケーブル等に伝搬すると、ケーブル自体がアンテナとなって空間へ放射され、放射ノイズとして検知されることもある。このように、放射ノイズが被測定基板100に接続されたケーブル等から空間へ放射されている場合でも、高調波リターン経路短縮化モジュール50を用いて、ノイズ源となる信号の高調波を短縮化したリターン経路で戻す部位を変えてゆけば、放射ノイズ検知手段10により検知される放射ノイズのレベル変化から、ノイズの発生源を特定することが可能である。したがって、本発明に係るノイズ源探査システムおよびノイズ源探査方法によれば、被測定基板100の動作時に被測定基板100から直接放射される放射ノイズだけでなく、被測定基板100に接続されたケーブル等から放射される放射ノイズであっても、ノイズ源の探査が可能であり、適用範囲が広く有用性の高いものとなる。
次に、図5〜図8に基づき、ノイズ源探査方法によるノイズ源探査の一例を説明する。
図5は、第1信号出力源131aから信号線111aに基本周波数100MHzの信号が出力されている第1基板100aと、第2信号出力源131bから信号線111bに基本周波数100MHzの信号が出力されている第2基板100bと、第3信号出力源131cから信号線111cに基本周波数100MHzの信号が出力されている第3基板100cを示し、これら第1〜第3基板100a〜100cの何れか1つ若しくは複数の基板から600MHzの放射ノイズが放射ノイズ検知手段10を介して検出されている場合を示す。これは、第1〜第3信号出力源131a〜131cの何れも基本周波数100MHzの信号を出力しているので、検出された放射ノイズの周波数600MHzは、第1〜第3信号出力源131a〜131cの出力信号の6次高調波と考えられることから、ノイズ源となっている信号の出力源を第1〜第3信号出力源131a〜131cの中から特定する必要がある。
まずは、ノイズ源の探査対象である第1〜第3被測定基板100a〜100cを動作させる。第1〜第3被測定基板100a〜100cから空間へ放射される放射ノイズを放射ノイズ検知手段10により検知する。放射ノイズ検知手段10により検知されたノイズ成分のうち、任意のノイズ周波数における振幅変化を時系列に抽出した波形(例えば、600MHzにおけるノイズ波形)を受信波形観測手段30に表示する。
第1〜第3被測定基板100a〜100cに設けられる第1〜第3信号出力源131a〜131cの周波数(100MHz)に基づき、受信波形観測手段30に表示したノイズ波形の周波数(600MHz)に対応する高調波が流れる可能性のある信号線111a〜111cを検査部位に選定する。第1被測定基板100aにおいては、第1信号出力源131aと信号線111aとが接続される部位近傍のA点を検査対象部位に選定し、第2被測定基板100bにおいては、第2信号出力源131bと信号線111bとが接続される部位近傍のB点を検査対象部位に選定し、第3被測定基板100cにおいては、第3信号出力源131cと信号線111cとが接続される部位近傍のC点を検査対象部位に選定する。各検査対象部位A〜Cには、各々高調波リターン経路短縮化モジュール50を設ける。
次に、第1〜第3被測定基板100a〜100cを同時に動作させつつ、第1被測定基板100aのA点に設けた高調波リターン経路短縮化モジュール50のみを動作させ、ノイズ周波数に対応する高調波のリターン経路を短縮化するリターン経路短縮化期間と、ノイズ周波数に対応する高調波が通常のリターン経路を通るリターン経路通常期間とを、交互に繰り返す。かくして得られた波形データを処理して、図6(a)に示す周波数特性図を得た。600MHzに着目すると、高調波リターン経路短縮化モジュール50がONであるリターン経路短縮化期間(3.3μs)の放射ノイズレベルは、概ね−118dBであり、高調波リターン経路短縮化モジュール50がOFFであるリターン経路通常期間(2.6μs)の放射ノイズレベルは、概ね−114dBである。したがって、短縮時ノイズ波形と通常時ノイズ波形との差は約4dBであり、予め定めた判定レベル(例えば、3dB)以上の振幅変化が生じていると判定できる。
同様に、第1〜第3被測定基板100a〜100cを同時に動作させつつ、第2被測定基板100bのB点に設けた高調波リターン経路短縮化モジュール50のみを動作させ、ノイズ周波数に対応する高調波のリターン経路を短縮化するリターン経路短縮化期間と、ノイズ周波数に対応する高調波が通常のリターン経路を通るリターン経路通常期間とを、交互に繰り返す。かくして得られた波形データを処理して、図6(b)に示す周波数特性図を得た。600MHzに着目すると、高調波リターン経路短縮化モジュール50がONであるリターン経路短縮化期間(3.3μs)の放射ノイズレベルは、概ね−114dBであり、高調波リターン経路短縮化モジュール50がOFFであるリターン経路通常期間(2.6μs)の放射ノイズレベルは、概ね−114dBである。したがって、短縮時ノイズ波形と通常時ノイズ波形との差は無く、予め定めた判定レベル(例えば、3dB)以上の振幅変化は生じていないと判定できる。
同様に、第1〜第3被測定基板100a〜100cを同時に動作させつつ、第3被測定基板100cのC点に設けた高調波リターン経路短縮化モジュール50のみを動作させ、ノイズ周波数に対応する高調波のリターン経路を短縮化するリターン経路短縮化期間と、ノイズ周波数に対応する高調波が通常のリターン経路を通るリターン経路通常期間とを、交互に繰り返す。かくして得られた波形データを処理して、図6(c)に示す周波数特性図を得た。600MHzに着目すると、高調波リターン経路短縮化モジュール50がONであるリターン経路短縮化期間(3.3μs)の放射ノイズレベルは、概ね−114dBであり、高調波リターン経路短縮化モジュール50がOFFであるリターン経路通常期間(2.6μs)の放射ノイズレベルは、概ね−114dBである。したがって、短縮時ノイズ波形と通常時ノイズ波形との差は無く、予め定めた判定レベル(例えば、3dB)以上の振幅変化は生じていないと判定できる。
以上の結果から、判定レベル以上の振幅変化が生じていると判定された第1被測定基板100aの第1信号出力源131aが発生ノイズの信号源であると特定できる。また、判定レベル以上の振幅変化が生じていないと判定された第2被測定基板100bの第2信号出力源131bおよび第2被測定基板100cの第3信号出力源131cは発生ノイズの信号源ではないと特定できる。
上記のようにして発生ノイズの信号源であると特定された第1信号出力源131aが接続されている信号線111aに対して、第1信号出力源131aから遠ざかるように検査対象部位を順次設定して検査を行う場合を図7に示す。例えば、第1信号出力源131aと信号線111aとの接続部近傍のA1点(例えば、図5のA点と同位置)、GNDスリット121の手前であるA2点、GNDスリット121を越えた先であるA3点をそれぞれ検査対象部位に選定し、各々高調波リターン経路短縮化モジュール50を設ける。
次に、第1被測定基板100aを動作させつつ、A1点に設けた高調波リターン経路短縮化モジュール50のみを動作させ、ノイズ周波数に対応する高調波のリターン経路を短縮化するリターン経路短縮化期間と、ノイズ周波数に対応する高調波が通常のリターン経路を通るリターン経路通常期間とを、交互に繰り返す。かくして得られた波形データを処理して、図8(1)に示す周波数特性図を得た。600MHzに着目すると、高調波リターン経路短縮化モジュール50がONであるリターン経路短縮化期間(3.3μs)の放射ノイズレベルは、概ね−120dBであり、高調波リターン経路短縮化モジュール50がOFFであるリターン経路通常期間(2.6μs)の放射ノイズレベルは、概ね−116dBである。したがって、短縮時ノイズ波形と通常時ノイズ波形との差は約4dBであり、予め定めた判定レベル(例えば、3dB)以上の振幅変化が生じていると判定できる。
同様に、第1被測定基板100aを動作させつつ、A2点に設けた高調波リターン経路短縮化モジュール50のみを動作させ、ノイズ周波数に対応する高調波のリターン経路を短縮化するリターン経路短縮化期間と、ノイズ周波数に対応する高調波が通常のリターン経路を通るリターン経路通常期間とを、交互に繰り返す。かくして得られた波形データを処理して、図8(2)に示す周波数特性図を得た。600MHzに着目すると、高調波リターン経路短縮化モジュール50がONであるリターン経路短縮化期間(3.3μs)の放射ノイズレベルは、概ね−125dBであり、高調波リターン経路短縮化モジュール50がOFFであるリターン経路通常期間(2.6μs)の放射ノイズレベルは、概ね−119dBである。したがって、短縮時ノイズ波形と通常時ノイズ波形との差は約4dBであり、予め定めた判定レベル(例えば、3dB)以上の振幅変化が生じていると判定できる。
同様に、第1被測定基板100aを動作させつつ、A3点に設けた高調波リターン経路短縮化モジュール50のみを動作させ、ノイズ周波数に対応する高調波のリターン経路を短縮化するリターン経路短縮化期間と、ノイズ周波数に対応する高調波が通常のリターン経路を通るリターン経路通常期間とを、交互に繰り返す。かくして得られた波形データを処理して、図8(3)に示す周波数特性図を得た。600MHzに着目すると、高調波リターン経路短縮化モジュール50がONであるリターン経路短縮化期間(3.3μs)の放射ノイズレベルは、概ね−116dBであり、高調波リターン経路短縮化モジュール50がOFFであるリターン経路通常期間(2.6μs)の放射ノイズレベルも、概ね−116dBである。したがって、短縮時ノイズ波形と通常時ノイズ波形との差は無く、予め定めた判定レベル(例えば、3dB)以上の振幅変化は生じていないと判定できる。
以上の結果から、判定レベル以上の振幅変化が生じていないと判定されたときの検査対象部位A3と、判定レベル以上の振幅変化が生じていると判定されたときの検査対象部位A2との間に、ノイズ発生要因(例えば、GNDスリット121)があると特定できる。そして、GNDスリット121を避ける経路のリターン電流が電磁界の空間放射を生じさせているので、この6次高調波のリターン電流がノイズ発生源と推測でき、その対策としては、6次高調波のリターン電流を減衰させて電磁界の空間放射を抑制したり、GNDスリット121が信号線111aを跨がないように基板設計を変更したりする対処法が考えられる。
以上、本発明に係るノイズ探査システムおよびノイズ探査方法を実施形態に基づき説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りにおいて実現可能な全てのノイズ探査システムおよびノイズ探査方法を権利範囲として包摂するものである。
1 ノイズ探査システム
10 放射ノイズ検知手段
20 増幅手段
30 受信波形観測手段
40 演算処理手段
50 高調波リターン経路短縮化モジュール
100 被測定基板
111 信号線
120 GND面
121 GNDスリット
131 送信側IC

Claims (6)

  1. ノイズ源の探査対象である被測定基板を動作させたときに、空間へ放射される放射ノイズを検知する放射ノイズ検知手段と、
    前記放射ノイズ検知手段により検知されたノイズ成分のうち、任意のノイズ周波数における振幅変化を時系列に抽出可能なノイズ波形取得手段と、
    前記被測定基板に設けられる信号出力源の周波数に基づき、前記ノイズ波形取得手段が取得対象としたノイズ周波数に対応する高調波が流れる可能性のある信号線を選定し、該信号線の任意箇所である検査対象部位に設けることで、ノイズ周波数に対応する高調波のリターン経路を短縮化する高調波リターン経路短縮化手段と、
    前記高調波リターン経路短縮化手段によって高調波のリターン経路を短縮化したときの短縮時ノイズ波形と、前記高調波リターン経路短縮化手段によって高調波のリターン経路を短縮化せずに通常のリターン経路としたときの通常時ノイズ波形とに、予め定めた判定レベル以上の振幅変化が生じているか否かを判定するレベル変化判定手段と、
    を備え、
    前記レベル変化判定手段により得られた判定結果からノイズ発生要因を探査してゆくようにしたことを特徴とするノイズ源探査システム。
  2. 前記高調波リターン経路短縮化手段は、
    前記信号出力源から信号線へ出力される信号のうちノイズ周波数の成分を信号線から導入するフィルタ回路と、
    前記フィルタ回路の出力側から接地へ至る線路を開閉するスイッチ素子と、
    前記スイッチ素子をONにして高調波のリターン経路を短縮化するリターン経路短縮化期間と、前記スイッチ素子をOFFにして高調波を通常のリターン経路とするリターン経路通常期間とを交互に計時し、前記スイッチ素子のON/OFFを制御するタイマ回路と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のノイズ源探査システム。
  3. 前記レベル変化判定手段は、放射ノイズの振幅が狭くなるリターン経路短縮化期間と、放射ノイズの振幅が狭くなっていないリターン経路通常期間とを、任意の時間領域の範囲で、各期間の振幅レベルをそれぞれ平均し、平均した各期間で高速フーリエ変換を行い、リターン経路短縮化期間におけるノイズ周波数成分のレベルと、リターン経路通常期間におけるノイズ周波数成分のレベルとの差が、予め定めた判定基準値以上であるときに、判定レベル以上の振幅変化が生じていると判定するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のノイズ源探査システム。
  4. ノイズ源の探査対象である被測定基板を動作させる被測定基板動作ステップと、
    前記被測定基板の動作時に空間へ放射される放射ノイズを検知する放射ノイズ検知ステップと、
    前記放射ノイズ検知ステップにより検知されたノイズ成分のうち、任意のノイズ周波数における振幅変化を時系列に抽出するノイズ波形取得ステップと、
    前記被測定基板に設けられる信号出力源の周波数に基づき、前記ノイズ波形取得手段が取得対象としたノイズ周波数に対応する高調波が流れる可能性のある信号線を選定し、該信号線の任意箇所を検査対象部位に設定する検査対象部位設定ステップと、
    前記検査対象部位において、ノイズ周波数に対応する高調波のリターン経路を短縮化するリターン経路短縮化期間と、ノイズ周波数に対応する高調波が通常のリターン経路を通るリターン経路通常期間とを、交互に繰り返す高調波リターン経路切り替えステップと、
    前記ノイズ周波数に対応する高調波のリターン経路を短縮化したときの短縮時ノイズ波形と、前記ノイズ周波数に対応する高調波のリターン経路が通常であるときの通常時ノイズ波形とに、予め定めた判定レベル以上の振幅変化が生じているか否かを判定するレベル変化判定ステップと、
    前記レベル変化判定ステップで得られた判定結果からノイズ発生要因を探査するノイズ発生要因探査ステップと、
    を行うことを特徴とするノイズ源探査方法。
  5. 前記高調波リターン経路切り替えステップは、信号出力源と信号線とが接続される部位近傍を検査対象部位に設定して、リターン経路短縮化期間とリターン経路通常期間とを交互に繰り返し、
    前記ノイズ発生要因探査ステップは、前記レベル変化判定ステップで判定レベル以上の振幅変化が生じていると判定された場合には、当該信号出力源が発生ノイズの信号源であると特定し、逆に判定レベル以上の振幅変化が生じていないと判定された場合には、当該信号出力源は発生ノイズの信号源ではないと特定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載のノイズ源探査方法。
  6. 前記高調波リターン経路切り替えステップは、発生ノイズの信号源と特定した信号出力源が接続される信号線に対して、信号出力源から遠ざかるように検査対象部位を順次設定して行い、
    前記ノイズ発生要因探査ステップは、判定レベル以上の振幅変化が生じていないと判定されたときの検査対象部位と、判定レベル以上の振幅変化が生じていると判定されたときの検査対象部位との間に、ノイズ発生要因があると特定する、
    ことを特徴とする請求項5に記載のノイズ源探査方法。
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