JP2018077097A - 超音波探傷方法および超音波探傷装置 - Google Patents

超音波探傷方法および超音波探傷装置 Download PDF

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Abstract

【課題】断面が正方形状である長尺な鋼材内部の欠陥を2パス以下で効率良く正確に検出できる超音波探傷方法などを提供する。【解決手段】熱間圧延により断面が正方形状に成形された長尺な鋼材TPにおける中心軸付近の検査領域EAの欠陥dを検出する超音波探傷方法であって、前記検査領域EAを、上記鋼材TPで隣接する2つの表面ごとから個別に且つ時差を付けて垂直探傷するに際し、上記検査領域EAを上記2つの表面ごとからの深さ方向に沿って複数の探傷領域a1〜a3,a4〜a6に区分すると共に、前記2つの表面ごとに、中心軸に直交する方向に沿って複数の探触子4を直線状に配列したリニアアレイ探触子5を配置し、前記探触子4ごとから送信される複数の超音波の焦点位置f1〜f3を複数の探傷領域a1〜a3,a4〜a6ごとに変化させる、超音波探傷方法。【選択図】 図2

Description

本発明は、熱間圧延により断面が正方形状に成形された長尺な鋼材内部の空隙や非金属介在物などの欠陥の有無を検査する超音波探傷方法、およびこれに用いる超音波探傷装置に関する。
例えば、ボリュームフォーカス探傷法によって角ビレットの内部探傷を行うに際し、前記角ビレットの四辺ごとに水を挟んで4個のアレイプローブ(リニアアレイ探触子)を個別に配設し、該アレイプローブごとから垂直探傷法および斜角探傷法による超音波を入射させ、前記アレイプローブにおける複数の振動子による1回の振動によって、上記垂直探傷法により入射した超音波を入射辺と対向する対向辺に到達させる超音波探傷方法とその装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記超音波探傷方法では、前記角ビレットの内部に入射した超音波の現実の焦点を設定していない。
しかしながら、前記のような超音波探傷方法とその装置による場合、前記角ビレットの四辺ごとに前記リニアアレイ探触子と、該リニアアレイ探触子ごとに用いる倣い機構とが4組ずつ必要となり、超音波探傷装置の構造が複雑になると共に、設備コストが増大する、という問題点があった。
更に、1組の前記リニアアレイ探触子と倣い機構とによって前記角ビレットの内部を超音波探傷する場合、欠陥の異方性(欠陥の形状に基づく方向ごとの感度)を考慮すると、1パスごとに探傷領域を角ビレットの中心付近から対向する底面に設定しているので、辺別に4パスで行うことが必要となっていた。
特開2013−148597号公報(第1〜31頁、図1〜12)
本発明は、背景技術で説明した問題点を解決し、断面が正方形状で且つ長尺な鋼材内部の欠陥を2パス以下で効率良く正確に検出できる超音波探傷方法と、係る超音波探傷方法に用いられ、表層不感帯の影響を受けにくく比較的構造が簡素で且つ低コストで製作可能な超音波探傷装置とを提供する、ことを課題とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明は、前記課題を解決するため、空隙などの欠陥が偏析し易い中心軸付近の検査領域を、リニアアレイ探触子からの送信方向に沿って複数の探傷領域に区分し、且つ該探傷領域ごとに上記探触子から送信される複数の超音波の焦点位置を設定する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の超音波探傷方法(請求項1)は、熱間圧延により断面が正方形状に成形された長尺な鋼材における中心軸付近の検査領域の欠陥を検出する超音波探傷方法であって、前記検査領域を、上記鋼材で隣接する2つの表面ごとから、個別に且つ時差を付けて垂直探傷するに際し、上記検査領域を上記2つの表面ごとからの深さ方向に沿って複数の探傷領域に区分すると共に、上記2つの表面ごとに、上記中心軸に直交する方向に沿って複数の探触子を直線状に配列したリニアアレイ探触子を配置し、前記探触子ごとから送信される複数の超音波の焦点位置を上記複数の探傷領域ごとに変化させる、ことを特徴とする。
前記超音波探傷方法によれば、以下の効果(1)〜(3)を奏せられる。
(1)熱間圧延により断面が正方形状に成形された鋼材の中心軸付近に偏析し易い空隙などの欠陥を2パスあるいは1パスにより正確に検出することができる。
(2)断面形状および全体形状が特定の方向に長い異方性を有する欠陥であっても、比較的高いSN比(例えば、4以上)により確実に検出することができる。
(3)前記鋼材の四辺ごとの比較的表面側で生じ易い表面反射ノイズ(表層不感帯)による悪影響を可及的に抑制できるので、前記欠陥の検出を精度良く行うことができる。
尚、前記正方形状とは、正方形の四隅のコーナーごとにアールを有している。
また、前記鋼材における中心軸付近の検査領域は、四辺の表面側に比べて空隙や非金属介在物が偏析し易い領域であり、例えば、上記鋼材の全断面積に対し、該鋼材の中心軸を中心とした約20〜80%の領域である。
更に、前記探触子は、圧電素子であり、前記リニアアレイ探触子は、複数の探触子を前記鋼材の中心軸と直交する方向に沿って直線状に配列したものてある。
また、前記複数の探傷領域は、互いに隣接する形態の他、隣接する一部同士が違いに重複する形態として設定しても良い。
加えて、前記複数の探触子と前記鋼材の表面との間には、水が常時供給され、かかる水膜を透過して超音波が上記鋼材の内部に送信される。
また、本発明には、前記焦点位置は、前記探傷領域ごとの前記鋼材の表面からの深さ方向における中間位置、前記表面側の区分位置、あるいは、上記鋼材の表面と反対側の区分位置の何れかである、超音波探傷方法(請求項2)も含まれる。
これによれば、前記焦点位置が、複数の探傷領域ごとにおける前記鋼材の表面からの深さ方向における中間位置、前記表面側の区分位置、あるいは、上記鋼材の表面と反対側の区分位置の何れかに設定されているので、前記効果(2),(3)を一層確実に奏することが可能となる。
更に、本発明には、前記リニアアレイ探触子における複数の探触子から送信される超音波は、前記複数の探傷領域のうち、前記鋼材の表面側の探傷領域には、上記複数の探触子における中央側の比較的少ない探触子から送信され、上記表面から離れた探傷領域には、上記表面側の探傷領域の探触子よりも多い探触子から送信される、超音波探傷方法(請求項3)も含まれる。
これによれば、前記鋼材における表面からの探傷領域ごとの深さに応じて、前記リニアアレイ探触子から超音波を送信する探触子を、上記表面側の探傷領域では比較的少なくし、且つ深くなるに連れて比較的多くしているので、前記表面反射ノイズ(表層不感帯)による悪影響を確実に抑制できる。従って、前記効果(3)を一層顕著に奏することが可能となる。
一方、本発明の超音波探傷装置(請求項4)は、熱間圧延により断面が四角形状に成形された長尺な鋼材における中心軸付近の領域の欠陥を検出する超音波探傷装置であって、上記鋼材における1つの表面に配設され、該鋼材の中心軸と直交する方向に沿って直線状に複数の探触子を配列したリニアアレイ探触子を内設したプローブホルダと、上記プローブホルダの一端から上記鋼材の表面に隣接する表面に沿って直角に延在する支持片と、上記隣接する表面に対して相対的に接近および離間可能に上記支持片に支持され、且つ上記隣接する表面に周面が転動する複数のローラと、含む、ことを特徴とする。
これによれば、前記鋼材における1つの表面に前記リニアアレイ探触子を内設するプローブホルダを配置し、且つ隣接する表面に前記複数のローラを該表面に接近および離間可能にして転動させる支持片を有している。そのため、上記鋼材における中心軸付近の検査領域に位置する欠陥を2パスにより正確に検出できるので、前記効果(1)を確実に奏することが可能となる。
しかも、比較的は簡素な構造と比較的少ない部材構成からなるので、低コストで製作可能することも容易となる(効果(4))。
尚、前記超音波探傷装置を鋼材における2つの表面ごとの長手方向に沿って移動させる手段は、人手でも良く、あるいは、後述するスライド機構などによって自動化しても良い。
また、本発明には、前記プローブホルダを、前記鋼材で互いに隣接する2つの表面ごとに配設し、該2つのプローブホルダの他端同士を上記鋼材の中心軸に沿った連結片で連結すると共に、上記2つのプローブホルダの一端側ごとに前記支持片および複数のローラを個別に受けてなる、超音波探傷装置(請求項5)も含まれる。
これによれば、前記鋼材において隣接する2つの表面の長手方向で異なる位置ごとに、リニアアレイ探触子を内設する2つのプローブホルダを個別に配置し、これらの外側ごとに前記複数のローラを支持する支持片が配設されている。そのため、上記鋼材における中心軸付近の領域の欠陥を1パスにより正確に検出できるので、前記効果(1)を一層確実に奏することが可能となる。
尚、前記連結片の長さは、前記鋼材において隣接する2つの表面ごとから発信される超音波が互いに干渉しない(一方の超音波が減衰する)時間差に対応して設定される。
更に、本発明には、前記プローブホルダ、支持片、および複数のローラからなる1組または2組の探傷ユニットは、前記長尺な鋼材における中心軸に沿って駆動可能とされたリニアモーター機構またはスライディング機構によって移動可能とされている、超音波探傷装置(請求項6)も含まれる。
これによれば、1組または2組の上記探傷ユニットを、リニアモーター機構またはスライディング機構により、前記鋼材の長手方向に沿って自動的に移動させられるので、超音波探傷の検査効率を確実に高められる(効果(5))。
尚、前記スライディング機構には、ボールネジ、チェーンとスプロケット、ピニオンとラック、ベルトまたはワイヤーロープとプーリーなどが含まれる。
(A)、(B)は本発明の超音波探傷方法の一形態を示す概略図。 (A)〜(C)は上記超音波探傷方法の具体的な態様を示す概略図。 (A)、(B)は異なる鋼種の欠陥エコーなどを示すグラフ。 (A)は一形態の超音波探傷装置を示す概略図、(B)は(A)中の部分拡大図。 (A)は応用形態の超音波探傷装置を示す概略図、(B)はその平面図。
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
図1(A),(B)は、本発明の超音波探傷方法の一形態を示す概略図である。
上記超音波探傷方法は、図1(A),(B)に示すように、断面が正方形状で且つ長手方向(図示の前後方向)に沿って長尺な鋼材(被検体)TPにおける中心軸(図示せず)付近に生成し易い欠陥dの有無および位置を検出する。上記鋼材TPは、熱感圧延によって断面が正方形状に圧縮成形されており、例えば、断面の一辺Lが約150mmで且つ長手方向が約10〜12mのサイズを有する。
また、上記欠陥dは、例えば、空隙やアルミナなどの非金属介在物であり、溶鋼の原料を鋳造して鋳片とした際に、前記非金属介在物は、前記鋳片の中心軸付近に析出する傾向を有している。更に、上記空隙は、前記鋳片を熱感圧延して断面を正方形状に圧縮成形した際に、得られた鋼材TPの中心軸付近に残留していることが多い。尚、上記欠陥dは、図示のように、特定の方向に沿って長く且つ他の方向に沿って短い不規則な形状である異方性を呈する場合がある。
そのため、本発明の超音波探傷方法では、図1(A),(B)に示すように、先ず、一辺の長さがLである前記鋼材TPの断面において、例えば、該断面の中心軸を中心として、全断面積(約L2)の4分の1(約1/4×L2)乃至6分の1(約1/6×L2)に相当する検査領域EAを設定する。
次に、図1(A)に示すように、前記鋼材TPの上面(表面)に本発明の超音波探傷装置1を配置し、該超音波探傷装置1に内設されたリニアアレイ探触子5の送信方向(図中の白抜き矢印の方向)に沿って、上記検査領域EAを複数(3つ)の探傷領域a1〜a3に区分(3分割)する。尚、これらの探傷領域a1〜a3は、図示のように、上・下辺(一部)が互いに重複している方が望ましい。
次いで、図1(B)に示すように、前記鋼材TPの上面に隣接する右辺(表面)に上記超音波探傷装置1を配置し、リニアアレイ探触子5の発信方向(図中の白抜き矢印の方向)に沿って、上記検査領域EAを複数(3つ)の探傷領域a4〜a6に区分(3分割)する。尚、これらの探傷領域a4〜a6も、図示のように、左右の辺(一部)が互いに重複している方が望ましい。
即ち、本発明の超音波探傷方法は、前記鋼材TPで隣接する2つの辺の表面ごとから、時差を付けて個別に垂直探傷法を2パス以下によって行うものである。
前記超音波探傷装置1は、図1(A),(B)に示すように、全体が板状のプローブホルダ2に設けたアレイプローブ6の底面側に細長い凹部3が形成され、該凹部3に複数の探触子(圧電素子)4を有するリニアアレイ探触子5が、前記鋼材TPの中心軸と直交する幅方向に沿って内設されている。上記リニアアレイ探触子5は、32個、64個、あるいは128個の探触子4を直線状に有している。また、上記リニアアレイ探触子5と鋼材TPの表面との間には、水wが常時供給されており、係る水wは、水膜となってプローブホルダ2の底面に沿って外側に溢流する。尚、図1(A),(B)中の符号Rは、電源接続ケーブルを示す。
更に、図2(A)〜(C)に従って、前記鋼材TPの上面(表面)に前記超音波探傷装置1を配置した際における前記超音波探傷について説明する。
先ず、図2(A)に示すように、鋼材TPの上面に最接近する探傷領域a1内の欠陥dを検出するため、リニアアレイ探触子5のうち、比較的その中央側に位置する少数(例えば、総数が64個のうちの32個)の探触子4から、即ち、狭い開口幅g1から、例えば、周波数1MHzの超音波を順次鋼材TPの内部に向けて順次送信する。そのため、リニアアレイ探触子5の開口幅g1を比較的狭くしている。
図2(A)中の細い実線のうち、左右の実線は、各探触子4から発信された超音波の放射範囲と、左右両端での集束位置とを示し、中央の実線は、各探触子4から送信された超音波が中央で集束したことを例示している。図示のように、前記探傷領域a1の上辺と同じ深さの位置で複数の超音波が集束するように、焦点位置f1が予め設定されている。この場合、図示のように、欠陥dは、探傷領域a1内にはないので、欠陥エコーは検出されにくい。
次に、図2(B)に示すように、鋼材TPの断面における中心軸付近に位置する中層の探傷領域a1内の欠陥dを検出するため、リニアアレイ探触子5の全探触子4から、前記と同じ周波数の超音波を順次鋼材TPの内部に向けて送信する。そのため、リニアアレイ探触子5の開口幅g2を比較的広くしている。尚、図2(B)中の細い実線は、前記の場合と同じことを示す。
図示のように、前記探傷領域a2の中間深さの位置に複数の超音波が集束するように、焦点位置f2が予め設定されている。この場合、図示のように、欠陥dは、探傷領域a2内にあるので、後述する欠陥エコーが確実に検出される。
更に、図2(C)に示すように、鋼材TPの上面に最も離れた探傷領域a3内の欠陥dを検出するため、リニアアレイ探触子5の全探触子4から、前記と同じ周波数の超音波を順次鋼材TPの内部に向けて発信する。この場合も、リニアアレイ探触子4の開口幅g2を比較的広くしている。尚、図2(C)中の細い実線も、前記の場合と同じことを示す。
図示のように、前記探傷領域a3の下辺において複数の超音波が集束するように、焦点位置f3が予め設定されている。この場合、図示のように、欠陥dは、探傷領域a3内にはないので、欠陥エコーは検出されにくい。
以上のような探傷領域a1〜a3についての超音波探傷を、前記鋼材TPの長手方向に沿って、前記超音波探傷装置1を当該鋼材TPの同じ表面に沿って移動させることによって、想定される圧延方向の長さ当たりにおける欠陥dの大きさよりも小さい間隔(例えば、約10mmピッチ)ごとで複数回(約1200回)を連続して行う。
引き続いて、前記図1(B)で示したように、前記鋼材TPの右辺(表面)に前記超音波探傷装置1を配置し、前記探傷領域a4〜a6についても、前述した図2(A)〜(C)の場合と同様の超音波探傷を順次行う。この際、前記探傷領域a5内にも、前記欠陥dが位置しているが、当該欠陥dの形状が超音波の送信方向とほぼ平行な異方性であるため、欠陥エコーとして検出されにくいか、不鮮明なエコーになり易い。
以上のような探傷領域a1〜a3,a4〜a6について、個別に行った前記超音波探傷方法の結果を、前記鋼材TPにおける送信深さと、送信パルスT、欠陥エコーF、底面エコーB、およびノイズの各強度との関係を示すグラフとして、図3(A)、(B)のグラフに示す。
図3(A)、(B)は、横軸に前記鋼材TPにおける送信深さ(距離、mm)を示し、縦軸に送信パルスT、欠陥エコーF、底面エコーB、およびノイズの相対的な強度を示す。後者は、送信パルスTを100%とした場合の比を示す。
図3(A)は、金属組織が超音波の透過が比較的容易な鋼種(例えば、構造用鋼)を鋼材TPとし、且つ前記探傷領域a2における送信パルスTおよび全ての反射エコーを示したもの、あるいは、前記探傷領域a1〜a3における送信パルスTと、全ての反射エコーとを合成して示したものである。
図示のように、送信パルスTと底面エコーBとの間に、前記欠陥dに起因する欠陥エコーFが明瞭に出現していた。尚、前記探傷領域a4〜a6の場合は、何れも欠陥エコーFが不明瞭であった。
一方、図3(B)は、金属組織が超音波の減衰(粗大な結晶粒界による散乱反射)を生じ易い鋼種(例えば、フェライト系ステンレス鋼)を鋼材TPとし、且つ前記探傷領域a2における送信パルスTおよび全ての反射エコーを示したもの、あるいは、前記探傷領域a1〜a3における送信パルスTと、全ての反射エコーとを合成して示したものである。
図示のように、送信深さの全体において、表層不感帯や、超音波の減衰によるノイズが分布していたが、前記同様に、発信パルスTと底面エコーBとの間に、前記欠陥dに起因する欠陥エコーFが明瞭に出現していた。尚、前記探傷領域a4〜a6の場合では、何れも欠陥エコーFが上記ノイズの影響で一層不明瞭となっていた。
以上において説明した本発明の超音波探傷方法によれば、前記効果(1)〜(3)を奏し得ることが容易に理解されよう。
図4(A)は、前記超音波探傷方法で用いた超音波探傷装置1を示す概略図、図4(B)は、図4(A)中の部分拡大図である。
上記超音波探傷装置1は、図4(A)に示すように、前記鋼材TPをその一対の対角線が水平あるいは垂直となる姿勢に、図示しない保持手段上で保持し、該鋼材TPの左上の表面に、前記リニアアレイ探触子5およびアレイプローブ6を含むプローブホルダ2に配置する。この際、上記鋼材TPの表面と前記プローブホルダ2の凹部3との間には、アレイプローブ6の前後に位置する複数の給水管7から、水wが連続して供給されて水膜を形成されている。かかる水wは、プローブホルダー2の外側に上記鋼材TPの表面上に順次溢れ出している。
尚、上記給水管7ごとには、図示しない給水ホースが個別に接続されている。
図4(A),(B)に示すように、前記プローブホルダ2の右端(一端)には、前記鋼材TPにおいて前記左上の表面に隣接する右上の表面に沿った支持片8が直角に延在し、かかる支持片8と上記鋼材TPの表面との間には、図示の前後方向に沿って一対(複数)のローラ10を回転自在に支持する回転軸11を取り付けた可動片9が配置されている。該可動片9の外側面には、ボルト12の基端部が垂直に固定され、該ボルト12は、上記支持片8に穿孔した貫通孔(図示せず)を貫通し、且つ該支持片8の外側面においてナット13とネジ結合している。
更に、図4(B)で拡大して示すように、上記可動片9と支持片8との間における上記ボルト12の周囲には、コイルバネ14が軸方向に沿って圧縮された状態で巻装されている。尚、該コイルバネ14に替えて、上記可動片9と支持片8との間に板バネを圧縮させつつ挟み込んでも良い。
そのため、前記ナット13を回すことで、前記コイルバネ14のバネ圧に抗して、ボルト12、可動片9、および一対のローラ10を、前記鋼材TPの表面に対し、接近あるいは離間可能としている。従って、上記一対のローラ10は、図示のように、前記鋼材TPの左上の表面を、その長手方向に沿って転動する。
尚、前記鋼材TPの右上の表面にも、前記超音波探傷装置1を反対向きにして配置することで、臨接する2つの表面における超音波探傷を2パスにより行える。
更に、図4(A)中の一点鎖線で示すように、前記支持片8の上端から外側に水平に延び且つ先端に断面ほぼT字形状を呈する磁気スライダ15が取り付けられている。該磁気スライダ15は、図示の前後方向および前記鋼材TPの長手方向に沿ったリニア磁気路16にスライド可能に保持されている。尚、該リニア磁気路16と上記磁気スライダ15とは、リニアモータ機構を構成している。
そのため、前記磁気スライダ15を、リニア磁気路16の長手方向に沿って、磁気浮上させつつスライドさせることで、前記超音波探傷装置1を前記鋼材TPにおいて互いに隣接する表面ごとに沿って、自動的に移動させることができる。その結果、鋼材TPに対する前記超音波探傷方法を、2パスで自動的に行うことが可能となる。但し、前記超音波探傷装置1を、人手により移動させても良い。
以上のような超音波探傷装置1によれば、前記効果(1)〜(3)の効果を奏する前記超音波探傷方法が確実に行えると共に、前記効果(4),(5)を奏することも容易に理解される。
尚、前記リニアモータ機構に替えて、例えば、ボールネジ、チェーンとスプロケット、ピニオンとラック、ベルトまたはワイヤーロープとプーリーなどからなるスライディング機構により、前記超音波探傷装置1を移動可能としても良い。
図5(A)は、前記超音波探傷装置1の応用形態である超音波探傷装置20の概略図、図5(B)は、その平面図である。
上記超音波探傷装置20は、図5(A),(B)に示すように、前記鋼材TPを前記同様の姿勢で保持させ、該鋼材TPの左上の表面に前記超音波探傷装置1と同様の探傷ユニット1aを配置し、上記鋼材TPの右上で且つ長手方向にずれた位置の表面に前記同様の探傷ユニット1bを、上記探傷ユニット1aと側面視で互いに対称に配置している。これら2つの探傷ユニット1a,1bは、両者の上端部同士を、上記鋼材TPの長手方向に沿った連結片18により連結されている。かかる連結片18の長さは、上記2つの探傷ユニット1a,1bから個別に送信される超音波が互いに干渉せず、双方の超音波がそれぞれ減衰する距離(時間差)と同じか、それよりも長く設定されている。
図5(B)に示すように、2つの探傷ユニット1a,1bの上端部ごとの外側には、軸支金具22を介して前記鋼材TPの上端側に位置する稜線状のコーナー部を転動する前後一対の鼓型ローラ21が対称に取り付けられている。
以上のような超音波探傷装置20は、前記連結片18の中間部分を手で掴み人手より、前記鋼材TPの長手方向に沿って移動させても良い。あるいは、上記連結片18の中間部分において、前記リニアモータ機構15,16により移動可能に支持したり、あるいは前記スライディング機構により移動可能に支持しても良い。即ち、超音波探傷装置20は、前記鋼材TPに対する前記超音波探傷方法を、1パスで人手により、あるいは自動的に行うことが可能となる。
以上のような超音波探傷装置20によっても、前記効果(1)〜(3)の効果を奏する前記超音波探傷方法が確実に行えると共に、前記効果(4),(5)を発揮することも容易に理解されよう。
尚、探傷ユニット1a,1bにおける前記プローブホルダ2と支持片8との間は、ロック機構を併設したヒンジにより接続した形態としても良い。
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記鋼材TPの検査領域EAは、該鋼材TPの中心軸を中心とするほぼ正方形または長方形を呈し、且つ当該鋼材TPの断面積の約2分の1乃至約8分の1の範囲で適宜設定することができる。
また、前記探傷領域a1〜nは、前記鋼材TPにおいて隣接する2つの表面ごとからそれらの深さ方向ごとに沿って、前記検査領域EAを2分割、あるいは4分割以上の区分したものでも良い。
更に、前記リニアアレイ探触子5において、所望とする複数の探触子4から超音波を発信するための前記開口幅gxは、電気的方法あるいは物理的手段によって、任意数の探触子4を選択できるようにしても良い。
加えて、前記超音波探傷装置1,20は、これらを位置固定し、且つ前記鋼材TPをその長手方向に沿って移動可能に構成した形態としても良い。
本発明によれば、断面が正方形状である長尺な鋼材内部の欠陥を2パス以下で効率良く正確に検出できる超音波探傷方法と、かかる超音波探傷方法に用いられ、表層不感帯などの影響を受けにくく比較的構造が簡素で低コストで製作可能な超音波探傷装置とを確実に提供できる。
1,20……超音波探傷装置
1a,1b…探傷ユニット
2……………プローブホルダ
4……………探触子
5……………リニアアレイ探触子
8……………支持片
10…………ローラ
15,16…リニアモーター機構
18…………連結片
TP…………鋼材(被検体)
EA…………検査領域
a1〜a6…探傷領域
d……………欠陥
f1〜f3…焦点位置

Claims (6)

  1. 熱間圧延により断面が正方形状に成形された長尺な鋼材における中心軸付近の検査領域の欠陥を検出する超音波探傷方法であって、
    上記検査領域を、上記鋼材で隣接する2つの表面ごとから、個別に且つ時差を付けて垂直探傷するに際し、
    上記検査領域を上記2つの表面ごとからの深さ方向に沿って複数の探傷領域に区分すると共に、
    上記2つの表面ごとに、上記中心軸に直交する方向に沿って複数の探触子を直線状に配列したリニアアレイ探触子を配置し、前記探触子ごとから送信される複数の超音波の焦点位置を上記複数の探傷領域ごとに変化させる、
    ことを特徴とする超音波探傷方法。
  2. 前記焦点位置は、前記探傷領域ごとの前記鋼材の表面からの深さ方向における中間位置、前記表面側の区分位置、あるいは、上記鋼材の表面と反対側の区分位置の何れかである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波探傷方法。
  3. 前記リニアアレイ探触子における複数の探触子から送信される超音波は、前記複数の探傷領域のうち、前記鋼材の表面側の探傷領域には、上記複数の探触子における中央側の比較的少ない探触子から送信され、上記表面から離れた探傷領域には、上記表面側の探傷領域の探触子よりも多い探触子から送信される、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の超音波探傷方法。
  4. 熱間圧延により断面が四角形状に成形された長尺な鋼材における中心軸付近の領域の欠陥を検出する超音波探傷装置であって、
    上記鋼材における1つの表面に配設され、該鋼材の中心軸と直交する方向に沿って直線状に複数の探触子を配列したリニアアレイ探触子を内設したプローブホルダと、
    上記プローブホルダの一端から上記鋼材の表面に隣接する表面に沿って直角に延在する支持片と、
    上記隣接する表面に対して相対的に接近および離間可能に上記支持片に支持され、且つ上記隣接する表面に周面が転動する複数のローラと、含む、
    ことを特徴とする超音波探傷装置。
  5. 前記プローブホルダを、前記鋼材で互いに隣接する2つの表面ごとに配設し、該2つのプローブホルダの他端同士を上記鋼材の中心軸に沿った連結片で連結すると共に、上記2つのプローブホルダの一端側ごとに前記支持片および複数のローラを個別に受けてなる、
    ことを特徴とする請求項4に記載の超音波探傷装置。
  6. 前記プローブホルダ、支持片、および複数のローラからなる1組または2組の探傷ユニットは、前記長尺な鋼材における中心軸に沿って駆動可能とされたリニアモーター機構またはスライディング機構によって移動可能とされている、
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の超音波探傷装置。
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