JP2018077010A - 温度制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数系統の温度制御対象に対して別個に冷却または加熱の温度制御を行うとともにエネルギー効率を向上させることができる温度制御装置を提供する。【解決手段】冷媒を圧縮する圧縮機2と、冷媒を冷却して液化する凝縮器3と、複数系統の熱媒体に対して熱交換を行う複数の熱交換器61〜63と、冷媒を絞り膨脹させ複数の熱交換器に供給する複数の膨張弁131〜133と、圧縮機で圧縮された高温の冷媒を複数の熱交換器に供給するための複数の冷媒制御弁151〜153と、冷却動作を行う熱交換器から出力された冷媒を圧縮機の入力側に戻すとともに加熱動作を行う熱交換器から出力された冷媒を凝縮器の出力側に戻すように冷媒の循環路を切り替える冷媒循環路切替弁141〜143,161〜163と、冷媒の循環路を切り替えるとともにその供給量を制御して複数系統の熱媒体の温度を目標温度に制御する温度制御部11とを有する。【選択図】図1

Description

この発明は、工作機械等の産業機械などの温度制御対象をヒートポンプを使用して冷却・加熱し目標温度に維持制御するための温度制御装置に関し、さらに詳しくは、1台の圧縮機によって同時に複数の温度制御対象の温度制御を行うことができる温度制御装置に関する。
工作機械や半導体製造装置をはじめとする産業機械は、製品の高精度化や高生産性を目的として高度に精密な温度管理が必要となってきている。このためには水、油、空気などの熱媒体を冷却または加熱して高精度の温度制御を行う温度制御装置が必要である。また、このような温度制御装置には、温度制御の高精度化だけでなく、地球環境保護の観点から高いエネルギー効率(低エネルギー消費)も求められている。高効率の温度制御を実現する温度制御装置としては、従来から冷凍サイクル(ヒートポンプ)を利用した冷却装置があった。
従来の温度制御装置では、熱媒体の冷却には冷凍サイクルを利用しているが、熱媒体の加熱には電気ヒーターによって直接加熱するものが多かった。しかし、このような電気ヒーターによる加熱は冷凍サイクル(ヒートポンプ)を利用した温度制御に比べてエネルギー効率が低下することが知られている。
また、工作機械などの産業機械の複雑化、高機能化に伴い、産業機械の複数の熱源に対して、それぞれ別個の温度制御を行う必要が出てきている。例えば、工作機械では、複合加工を行うものが増加しており、制御軸数もますます増加する傾向にある。これに伴って工作機械の熱源の数も増加している。そして、それぞれ発熱量の異なるこれらの複数の熱源に対して、それぞれ最適な温度制御を行うことが求められている。
このような場合、従来は複数の熱源に対して、それぞれ最適な温度制御を行う別々の温度制御装置を複数台設置することが行われていた。しかし、複数の熱源のそれぞれに対応して複数台の温度制御装置を設置することは、温度制御装置の設置コストを大幅に上昇させるばかりか、温度制御装置の消費エネルギーも大幅に上昇させることになり、産業機械全体としてのエネルギー効率を低下させてしまう。さらに、温度制御装置の設置スペースも大幅に増大することになるため、設置スペースの確保も問題となる。
これに対して、下記の特許文献1のような温度制御装置が公知である。特許文献1には、複数系統の温度制御対象に対してそれぞれ冷却および加熱の温度制御を行うことのできる冷凍装置が記載されている。特許文献1のような温度制御装置を使用すれば、複数系統の温度制御対象に対して、それぞれ別々の温度制御を行うことができる。
しかし、特許文献1の温度制御装置では、熱媒体(ブライン)の冷却に関しては冷凍サイクルを利用して行っているが、熱媒体の加熱は電気ヒーター(31)によって行っている。このため、熱媒体の加熱時のエネルギー効率は冷却時に比べて低下せざるを得なかった。また、複数系統の温度制御対象に対する温度制御のために冷媒の供給量もそれだけ増大させる必要があるので、熱媒体の冷却時のエネルギー効率についてもさらなる向上が求められていた。
一方、熱媒体の冷却および加熱の温度制御を行う温度制御装置であって、冷却および加熱の両方を冷凍サイクルを利用して行うものも公知である。下記の特許文献2には、冷凍サイクルを利用して冷却と加熱の両方の温度制御を連続的に行う加熱・冷却温度制御装置が記載されている。この特許文献2の温度制御装置では、冷媒の加熱も冷凍サイクルを利用して行っているので、電気ヒーターでの加熱に比べると加熱時のエネルギー効率は向上している。ただし、この特許文献2の温度制御装置では、複数系統の温度制御対象に対して、それぞれ別々の温度制御を行うことはできない。
特開2004−198001号公報 特許第5286324号公報
前述のように、複数系統の温度制御対象に対してそれぞれ冷却および加熱の温度制御を行うことのできる温度制御装置は公知であったが、エネルギー効率の観点からはまだまだ改善の余地が残されているものであった。また、特許文献2の温度制御装置は、冷媒の冷却時に加えて加熱時も冷凍サイクルを利用して行っているので、エネルギー効率に関してかなりの向上が期待できる。ただし、特許文献2の温度制御装置は1系統のみの温度制御対象に対して温度制御を行うものであるので、複数系統の温度制御を同時に行うことはできない。
また、複数系統の温度制御対象の温度制御を同時に行う温度制御装置では、複数系統の温度制御対象に対応して冷媒の供給量もそれだけ増大させざるを得ないが、そのような多量の冷媒供給にも対応でき、エネルギー効率をさらに向上させることのできる温度制御装置の実現が求められていた。
そこで、本発明は、複数系統の温度制御対象に対してそれぞれ別個の温度制御を行うことのできる温度制御装置であって、冷却および加熱のいずれの温度制御に対してもエネルギー効率を向上させることのできる温度制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の温度制御装置は、冷媒を圧縮するための圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された前記冷媒を冷却して液化するための凝縮器と、温度制御対象である複数系統の熱媒体に対してそれぞれ熱交換を行う複数の熱交換器と、前記凝縮器によって液化された前記冷媒を絞り膨脹させて温度を低下させ、低温の当該冷媒を複数の前記熱交換器のそれぞれに対して供給し、その供給量を調整制御するための複数の膨張弁と、前記圧縮機で圧縮された高温の冷媒を複数の前記熱交換器のそれぞれに対して供給し、その供給量を調整制御するための複数の冷媒制御弁と、前記熱交換器のいずれかに低温の冷媒を供給する場合に当該熱交換器から出力された冷媒を前記圧縮機の入力側に戻すように冷媒の循環路を切り替えるとともに、前記熱交換器のいずれかに高温の冷媒を供給する場合に当該熱交換器から出力された冷媒を前記凝縮器の出力側に戻すように冷媒の循環路を切り替える冷媒循環路切替弁と、冷媒の循環路を切り替えてそれぞれの前記熱交換器に対して高温の冷媒と低温の冷媒のいずれかを供給するとともに、その供給量を制御して複数系統の熱媒体の温度を目標温度に制御する温度制御部とを有するものである。
また、上記の温度制御装置において、前記凝縮器における前記冷媒の冷却量を調整するための冷却量調整手段と、前記圧縮機の入力側の冷媒の圧力を検出する第1圧力検出器と、前記凝縮器の出力側の冷媒の圧力を検出する第2圧力検出器と、前記圧縮機の回転速度を調整して前記第1圧力検出器の検出圧力が第1の目標圧力となるように制御するとともに、前記冷却量調整手段により前記冷媒の冷却量を調整して前記第2圧力検出器の検出圧力が第2の目標圧力となるように制御する圧力制御部とを有することが好ましい。
また、上記の温度制御装置において、前記冷媒制御弁から供給され前記熱交換器を通過した冷媒を熱交換によって昇温するための昇温用熱交換器を有することが好ましい。
また、上記の温度制御装置において、前記圧縮機の出力側の冷媒の圧力を検出する第3圧力検出器と、前記圧縮機の出力側と前記凝縮器の入力側との間に設けられ、前記第3圧力検出器の検出圧力を前記第2圧力検出器の検出圧力よりも大きくなるようにする差圧発生手段とを有することが好ましい。
また、上記の温度制御装置において、前記圧縮機で圧縮された高温の冷媒を前記圧縮機の入力側にバイパスさせる第1バイパス路と、前記第1バイパス路を通過する冷媒のバイパス量を調整制御するための第1バイパス量制御弁とを有することが好ましい。
また、上記の温度制御装置において、前記凝縮器から出力された冷媒を前記圧縮機の入力側にバイパスさせる第2バイパス路と、前記第2バイパス路を通過する冷媒のバイパス量を調整制御するための第2バイパス量制御弁とを有することが好ましい。
本発明は、以上のように構成されているので、以下のような効果を奏する。
本発明の温度制御装置によって、複数の系統の熱媒体をそれぞれ独立に温度制御することができ、それぞれの系統の熱媒体の温度制御は冷却だけでなく加熱することも可能である。そして、温度制御装置における各系統の冷却動作および加熱動作は、冷凍サイクルを利用して行っているのでエネルギー効率が大幅に向上する。
また、複数系統の温度制御を行う熱交換器のいずれかが加熱動作を行う場合、加熱動作を行っている熱交換器を通過して冷却された冷媒が、凝縮器によって冷却された冷媒に合流し、その合流した冷媒が他の熱交換器による冷却動作に利用されるため、温度制御装置全体としてのエネルギー効率がさらに向上するとともに、凝縮器に必要な冷却水の流量を低減することができる。
さらに、圧縮機の入力側の冷媒圧力と、圧縮機の出力側の冷媒圧力とを、それぞれ異なる所定の目標値に制御することによって、温度制御装置の冷凍サイクルのエネルギー効率を大幅に向上させることができる。
さらに、昇温用熱交換器を設けた場合は、その昇温用熱交換器によって冷媒を昇温することによって、温度制御装置全体として加熱動作の熱量が増加しても、全体の温度制御動作が可能となる。特に、複数の系統の全てで加熱動作を行うような温度制御も可能となる。
また、本発明の温度制御装置では、圧縮機および凝縮器を系統数に関係なくそれぞれ1つずつ設置すればよい。このため、温度制御装置全体の重量、設置面積、設置コストを大幅に低減することができる。そして、昇温用熱交換器を含まない構成とした場合は、温度制御装置全体の重量、設置面積、設置コストをさらに低減することができる。
図1は、本発明の温度制御装置1の構成を示す図である。 図2は、他の形態の温度制御装置1aの構成を示す図である。 図3は、さらに別の形態の温度制御装置1bの構成を示す図である。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の温度制御装置1の全体構成を示す図である。温度制御装置1は、複数の系統中を流通する水、油、空気などの熱媒体の温度を所定の目標値に制御するための装置である。ここでは、温度制御対象である熱媒体は、3つの流通系統としての系統1〜3を流通するものとしている。ただし、系統の数は3に限定されることはなく2以上の任意の数とすることができる。
ここで実例として、温度制御装置1が工作機械の温度制御を行うものとして説明する。系統1を流通する熱媒体としては切削液、研削液などとし、系統2,3を流通する熱媒体は工作機械各部(例えば、主軸、リニアモーター、ボールねじ等)を冷却する冷却液とすることができる。系統1を流通する熱媒体は、工作機械から回収されて第1受液槽81に貯留される。熱媒体は、第1受液槽81内で第1熱交換器61によって所定の目標温度に温度制御される。温度制御された熱媒体は、ポンプ71によって工作機械側に圧送供給される。
このようにして、系統1の熱媒体は温度制御されるとともに工作機械側に循環供給される。なお、第1受液槽81内の熱媒体の温度は温度検出器111によって検出されており、この検出温度が所定の目標温度になるようにPID制御等によってフィードバック制御されている。また、第1受液槽81内の熱媒体は攪拌機811によって撹拌され温度が均一化されている。
系統2を流通する熱媒体は、工作機械から回収されて第2受液槽82に貯留される。熱媒体は、ポンプ72によって第2受液槽82から第2熱交換器62に圧送供給され、第2熱交換器62によって所定の目標温度に温度制御されて工作機械各部に供給される。系統2の熱媒体の温度は温度検出器112によって回収側の温度が検出され、温度検出器113によって供給側の温度が検出されている。これらの検出温度により、熱媒体の供給側の温度が所定の目標温度となるようにPID制御等によってフィードバック制御されている。
系統3を流通する熱媒体も、系統2の熱媒体とほぼ同様に循環される。ここでは系統3の熱媒体が系統2の熱媒体と同種のものであるとして、両者の熱媒体を同じ第2受液槽82に貯留する構成としている。系統3を流通する熱媒体も、工作機械から回収されて第2受液槽82に貯留される。なお、系統2と系統3の熱媒体を異種のものとする場合には、それぞれの熱媒体に対して別々の受液槽を設置する必要がある。
系統3の熱媒体は、ポンプ72によって第2受液槽82から第3熱交換器63に圧送供給され、第3熱交換器63によって所定の目標温度に温度制御されて工作機械各部に供給される。系統3の熱媒体の温度は温度検出器114によって回収側の温度が検出され、温度検出器115によって供給側の温度が検出されている。これらの検出温度により、熱媒体の供給側の温度が所定の目標温度となるようにPID制御等によってフィードバック制御されている。
このように、温度制御装置1によって複数の系統の熱媒体をそれぞれ独立に温度制御することができる。なお、ここでは系統の数を3としているが、系統の数は3に限定されることはなく2以上の任意の数とすることができる。それぞれの系統の熱媒体の温度制御は冷却だけでなく加熱することも可能である。それぞれの熱媒体の温度制御を行うための第1熱交換器61から第3熱交換器63には、温度制御のための冷媒が供給されている。熱媒体を冷却する場合は熱交換器に低温の冷媒が供給されるが、熱媒体を加熱する場合は熱交換器に高温の冷媒が供給される。
冷媒は、圧縮機2の入力側(図の下方)から矢印で示すように圧縮機2に流入する。圧縮機2入力側の冷媒の圧力は第1圧力検出器121によって検出され、冷媒の温度は温度検出器118によって検出される。冷媒は圧縮機2によって圧縮されて温度上昇した高温の冷媒ガスとなり、矢印で示すように圧縮機2の出力側(図の上方)に流出する。圧縮機2出力側の冷媒の圧力は第2圧力検出器122によって検出される。
圧縮機2の出力側は、流量制御弁21が配置された冷媒流通路により凝縮器3の入力側に接続されている。凝縮器3の入力側からは、第1バイパス路が分岐しており、高温の冷媒を第1バイパス路を通して圧縮機2の入力側にバイパスさせることが可能となっている。また、この第1バイパス路には第1バイパス量制御弁22が配置されており、バイパス路の閉鎖およびバイパス量の調整が可能となっている。この第1バイパス量制御弁22によるバイパス量の調整機能に関しては後に説明する。
圧縮機2から出力された高温の冷媒は、凝縮器3に入力されて冷却され、一部の冷媒ガスが液化されて凝縮器3から出力される。凝縮器3には冷媒を冷却するための冷却水が流通しており、この冷却水の流量は流量制御弁31によって制御される。凝縮器3から出力された冷媒は、いったん受液器4に貯留され、受液器4の出力側から第1熱交換器61、第2熱交換器62および第3熱交換器63に供給可能となっている。
受液器4は、温度制御装置1の動作状態に応じて変化する循環路中の冷媒量を調整するためのものである。第1熱交換器61、第2熱交換器62、第3熱交換器63は、冷却動作と加熱動作においてその内部に充填される冷媒の量が変化する。そのため、循環路中の過剰となった冷媒は受液器4に貯留され、冷媒が不足する場合は受液器4から循環路に冷媒が供給される。
受液器4の出力側から第1熱交換器61の入力側への冷媒流通路には膨張弁131が配置され、受液器4の出力側から第2熱交換器62の入力側への冷媒流通路には膨張弁132が配置され、受液器4の出力側から第3熱交換器63の入力側への冷媒流通路には膨張弁133が配置されている。第1熱交換器61、第2熱交換器62、第3熱交換器63のいずれかにおいて冷却動作が行われる場合には、膨張弁131,132,133の中の冷却動作の熱交換器に対応した膨張弁が開かれる。
第1熱交換器61、第2熱交換器62、第3熱交換器63の出力側の冷媒流通路には、冷媒循環路切替弁141〜143および冷媒循環路切替弁161〜163が設けられており、それぞれの熱交換器の冷却動作、加熱動作に応じて冷媒の循環路を切り替えるようになっている。なお、冷媒循環路切替弁141〜143,161〜163は電磁開閉弁からなるものである。具体的な循環路の切り替えに関しては後に説明する。
一方、圧縮機2から出力された高温の冷媒は、高温冷媒供給用の冷媒流通路によって、第1熱交換器61、第2熱交換器62、第3熱交換器63のそれぞれに供給可能となっている。また、それぞれの冷媒流通路には高温冷媒の供給量を調整制御するための冷媒制御弁151〜153が配置されている。冷媒制御弁151〜153はそれぞれ流量制御弁からなるものである。
このように、第1熱交換器61、第2熱交換器62、第3熱交換器63のそれぞれには、熱交換器の冷却動作、加熱動作に応じて、低温の冷媒あるいは高温の冷媒のいずれかが供給可能となっている。それぞれ熱交換器の冷却動作の強度は膨張弁131〜133の開度で調整され、加熱動作の強度は冷媒制御弁151〜153の開度で調整される。
例えば、第1熱交換器61が冷却動作を行う場合、冷媒循環路切替弁141が開状態とされ、冷媒循環路切替弁161が閉状態とされる。そして、冷媒制御弁151を全閉状態とし、膨張弁131を所定の開度として、第1熱交換器61に低温の冷媒を供給する。第1熱交換器61で冷却動作を終えた冷媒は冷媒循環路切替弁141を通って圧縮機2の入力側に戻される。
第1熱交換器61が加熱動作を行う場合、冷媒循環路切替弁141が閉状態とされ、冷媒循環路切替弁161が開状態とされる。そして、膨張弁131を全閉状態とし、冷媒制御弁151を所定の開度として、第1熱交換器61に高温の冷媒を供給する。第1熱交換器61で加熱動作を終えた冷媒は冷媒循環路切替弁161を通って凝縮器3の出力側(ここでは受液器4の出力側)に戻される。
このように、例えば、第1熱交換器61が加熱動作を行う場合、第1熱交換器61を通過して冷却された冷媒が、凝縮器3によって冷却された冷媒と合流され、その合流した冷媒が他の熱交換器による冷却動作に利用可能となっている。このため、温度制御装置1全体としてのエネルギー効率が向上するとともに、凝縮器3に必要な冷却水の流量を低減することができる。
上記の第1熱交換器61の冷却・加熱動作の切り替えは、第2熱交換器62、第3熱交換器63でも同様である。第2熱交換器62が冷却動作を行う場合、冷媒循環路切替弁142を開状態、冷媒循環路切替弁162を閉状態とし、冷媒制御弁152を全閉状態、膨張弁132を所定の開度として、第2熱交換器62に低温の冷媒を供給する。第2熱交換器62で冷却動作を終えた冷媒は冷媒循環路切替弁142を通って圧縮機2の入力側に戻される。
第2熱交換器62が加熱動作を行う場合、冷媒循環路切替弁142を閉状態、冷媒循環路切替弁162を開状態とし、膨張弁132を全閉状態、冷媒制御弁152を所定の開度として、第2熱交換器62に高温の冷媒を供給する。第2熱交換器62で加熱動作を終えた冷媒は冷媒循環路切替弁162を通って凝縮器3の出力側(ここでは受液器4の出力側)に戻される。
同様に、第3熱交換器63が冷却動作を行う場合、冷媒循環路切替弁143を開状態、冷媒循環路切替弁163を閉状態とし、冷媒制御弁153を全閉状態、膨張弁133を所定の開度として、第3熱交換器63に低温の冷媒を供給する。第3熱交換器63で冷却動作を終えた冷媒は冷媒循環路切替弁143を通って圧縮機2の入力側に戻される。
第3熱交換器63が加熱動作を行う場合、冷媒循環路切替弁143を閉状態、冷媒循環路切替弁163を開状態とし、膨張弁133を全閉状態、冷媒制御弁153を所定の開度として、第3熱交換器63に高温の冷媒を供給する。第3熱交換器63で加熱動作を終えた冷媒は冷媒循環路切替弁163を通って凝縮器3の出力側(ここでは受液器4の出力側)に戻される。
次に、凝縮器3における冷媒の冷却制御について説明する。凝縮器3の出力側の圧力は第2圧力検出器122によって検出されている。第2圧力検出器122によって検出される圧力は、圧縮機2の出力側の圧力にほぼ等しい。一方、圧縮機2の入力側の圧力は第1圧力検出器121によって検出されている。
一般的に、冷媒の相変化を伴う冷凍サイクルのエネルギー効率は、圧縮機2の入力側の圧力と出力側の圧力に大きく影響される。通常では、両者の差圧が小さいほどエネルギー効率が向上する。そこで、本発明の温度制御装置1では、圧縮機2の入力側の圧力と出力側の圧力を所定の目標値に制御するようにして、温度制御のための冷凍サイクルのエネルギー効率を向上させるようにしている。
第2圧力検出器122の検出圧力は、凝縮器3による冷媒の冷却熱量に依存する。凝縮器3における冷却熱量に応じて冷媒の液化量が変化するためである。凝縮器3に流入する冷却水の流量は流量制御弁31の開度によって増減調整できる。冷却水の流量を増加させれば冷媒がより冷却されて第2圧力検出器122の検出圧力は減少する。逆に、冷却水の流量を減少させれば第2圧力検出器122の検出圧力は増加する。
このように、流量制御弁31の開度を変更制御することにより第2圧力検出器122の検出圧力を所定の目標値に制御することができる。この場合、流量制御弁31が凝縮器3における冷媒の冷却量を調整する冷却量調整手段として機能している。
なお、ここでは凝縮器3において冷却水によって冷媒を冷却する場合について説明したが、凝縮器3において冷媒を空冷で冷却する場合も同様の制御が可能である。空冷の場合は、空冷ファンの回転速度を変更制御することにより、凝縮器3の出力側の圧力を所定の目標値に制御することができる。この場合は、空冷ファンの回転速度を変更可能な駆動部が冷却量調整手段となる。
また、圧縮機2の入力側の冷媒の圧力は第1圧力検出器121によって検出されており、この圧縮機2入力側の冷媒の圧力も所定の目標値に制御されている。ただし、凝縮器3のこの入力側圧力の目標値と前述の出力側圧力の目標値とは異なる値である。ここで、圧縮機2の入力側圧力の目標値を第1の目標圧力とし、出力側圧力の目標値を第2の目標圧力とする。第1の目標圧力と第2の目標圧力は、温度制御装置1の冷凍サイクルのエネルギー効率ができるだけ向上するような値に設定される。
この入力側圧力は、圧縮機2の回転速度に依存する。圧縮機2の回転速度を増加させると冷媒吸引量が増加して入力側圧力が低下し、回転速度を減少させると冷媒吸引量も減少して入力側圧力が増加する。このように、圧縮機2の回転速度を変更制御することにより第1圧力検出器121の検出圧力を所定の目標値に制御することができる。
以上のように、圧縮機2の入力側の冷媒圧力すなわち第1圧力検出器121の検出圧力と、圧縮機2の出力側の冷媒圧力すなわち第2圧力検出器122の検出圧力とを、それぞれ異なる所定の目標値に制御することによって、温度制御装置1の冷凍サイクルのエネルギー効率を大幅に向上させることができる。
上述のように、圧縮機2の入力側の冷媒圧力は、圧縮機2の回転速度を変更調整することによって所定の目標値に制御することができる。この圧縮機2はインバーター駆動されており、インバーターの駆動周波数によって回転速度を変更制御することができる。ただし、圧縮機2の性能上の制約があり、圧縮機2が安定的に動作する回転速度の範囲には限界がある。実用的な温度制御を行うためには、圧縮機2の回転速度を所定の下限値以上に保っておかなければならない。
したがって、圧縮機2の入力側の冷媒圧力を第1の目標圧力に保つために、圧縮機2の回転速度が低下して下限値に達した場合、このままでは入力側の冷媒圧力を第1の目標圧力に保つことができなくなる。その場合は、流量制御弁からなる第1バイパス量制御弁22の開度を調整し、圧縮機2の出力側から高温の冷媒を圧縮機2の入力側にバイパスさせる。冷媒のバイパス量が多くなるほど入力側の冷媒圧力は大きくなる。このようにすれば、圧縮機2の回転速度が下限値に達した場合でも入力側の冷媒圧力を第1の目標圧力に保つことができる。
なお、圧縮機2の入力側の冷媒圧力を第1の目標圧力に保つために、圧縮機2の回転速度を変更する代わりに、第1バイパス量制御弁22による高温冷媒のバイパス量を変更して制御を行うことも考えられる。ただし、高温冷媒をバイパスさせることは、圧縮機2の出力する冷媒の一部を熱交換器による温度制御以外の用途に使用することとなり、温度制御装置1の冷凍サイクルのエネルギー効率は低下することになる。このため、本発明のように、圧縮機2の回転速度が下限値に達した場合に限り、第1バイパス量制御弁22を開いて高温冷媒をバイパスさせるようにすることが好ましい。
また、高温冷媒をバイパスさせた場合に、圧縮機2の入力側に高温の冷媒が混入されるため、入力側の冷媒温度が上昇して圧縮機2が過熱状態となってしまうおそれがある。このような事態を防止するために、圧縮機2の入力側の冷媒流通路には温度検出器118が設けられている。さらに、凝縮器3で冷却した低温の冷媒を圧縮機2の入力側にバイパスさせるための第2バイパス路と第2バイパス量制御弁23が設けられている。
圧縮機2の入力側の冷媒の温度すなわち温度検出器118の検出温度が所定の上限温度を超えないように、流量制御弁からなる第2バイパス量制御弁23の開度を調整して低温の冷媒を圧縮機2の入力側にバイパスさせる。圧縮機2の入力側の冷媒に低温の冷媒が混入されることにより、温度検出器118の検出温度を上限温度以下に保つことができ、圧縮機2が過熱状態となってしまうことを防止することができる。
次に、温度制御装置1に設けられている昇温用熱交換器5について説明する。昇温用熱交換器5には、第1熱交換器61から第3熱交換器63の中の加熱動作を行っている熱交換器から流出した冷媒が流入可能となっている。また、第1熱交換器61から第3熱交換器63のいずれかが加熱動作を行っている場合、加熱動作を行っている熱交換器から流出した冷媒は、凝縮器3から出力され受液器4を通った冷媒に合流している。
これらの合流した冷媒が昇温用熱交換器5に流入する量は流量制御弁53の開度により調整される。昇温用熱交換器5は、第1熱交換器61から第3熱交換器63のいずれかが加熱動作を行っている場合の、ヒートポンプ動作の相手側の熱交換器となりうるものであり、加熱動作を行っている熱交換器で冷却された冷媒が昇温用熱交換器5で吸熱し昇温される。
また、温度制御装置1を循環する冷媒に出入りする熱量に過不足が生じないように、昇温用熱交換器5において冷媒に熱量が移動する。凝縮器3においては冷媒の冷却のみが可能であり、冷媒を加熱することはできない。温度制御装置1を循環する冷媒に入る熱量に不足が生じると、凝縮器3における熱量の出入りを加熱にする必要が出てくるが、それは不可能である。そこで、昇温用熱交換器5における冷媒への吸熱量を調整することにより、凝縮器3における熱量の出入りを常に冷却側に維持することができる。
ただし、昇温用熱交換器5における冷媒への吸熱量を必要以上に増加すると、凝縮器3における冷却熱量も増加し、圧縮機2の回転速度や消費電力も増加して、温度制御装置1全体のエネルギー効率は低下してしまう。そこで、流量制御弁53の開度を調整して昇温用熱交換器5に流入する冷媒の流量を調整し、冷媒への吸熱量を調整するようにしている。
具体的には、流量制御弁31の開度が所定の目標値となるように流量制御弁53の開度を調整制御している。流量制御弁31は凝縮器3における冷却熱量を調整するためのものであり、凝縮器3における冷却熱量を必要最小限とすれば、温度制御装置1全体のエネルギー効率を向上させることができる。本発明の温度制御装置1では、流量制御弁53の開度を調整制御して、凝縮器3における冷却熱量が必要最小限となるように流量制御弁31の開度を目標値に保ち、温度制御装置1全体のエネルギー効率を向上させている。
また、昇温用熱交換器5には凝縮器3に供給される冷却水の一部が分岐して供給される。なお、この冷却水は、凝縮器3においては冷媒を冷却する機能を奏しているが、昇温用熱交換器5においては冷媒に熱を奪われて冷媒を昇温する機能を奏するものである。昇温用熱交換器5への冷却水の供給路には流量計52と流量制御弁51が設けられている。また、昇温用熱交換器5に対する冷却水の入力側と出力側にはそれぞれ温度検出器116,117が配置されている。
昇温用熱交換器5に流入する冷却水の流量が過度に減少すると、熱交換効率が低下したり、熱交換器の凍結などの異常状態が発生したりするおそれがある。そこで、流量計52により冷却水の流量を検出し、その流量が所定の下限値を下回らないようにする。また、冷却水の供給量の増大は温度制御装置1のランニングコストの増大を招くので、供給量をなるべく減少させるように流量制御弁51によって調整している。
具体的には、温度検出器116,117のそれぞれの検出温度が所定の温度差となるように流量制御弁51の開度を調整制御している。その際、流量計52によって検出される冷却水の流量が所定の下限値を下回らないように、流量制御弁51の開度を調整制御するものである。これにより、冷却水の供給量を減少させてランニングコストを低減するとともに、昇温用熱交換器5の熱交換効率を良好な範囲内に保ち、また、凍結などの異常状態を防止することができる。
次に、圧縮機2の出力側と凝縮器3の入力側との間に設けられている流量制御弁21の機能について説明する。圧縮機2の出力側と凝縮器3の入力側との間の冷媒流通路には流量制御弁21が設けられており、また、圧縮機2の出力側には第3圧力検出器123が設けられている。
第1熱交換器61、第2熱交換器62、第3熱交換器63の中で加熱動作を行う熱交換器の数が多くなったり、各熱交換器での加熱量が増加した場合、圧縮機2の冷媒出力が多分岐することになり、各熱交換器への高温冷媒の供給量が不足するおそれがある。このような高温冷媒の供給量不足を防止するために、流量制御弁21の両側に所定の差圧が生じるように流量制御弁21の開度を調整制御している。
具体的には、第2圧力検出器122の検出圧力よりも、第3圧力検出器123の検出圧力が所定値だけ大きくなるように流量制御弁21の開度を調整制御して、高温冷媒の供給量不足を防止している。なお、この差圧が大きいと冷凍サイクルの効率が低下してしまうため、この差圧は最小限の値とすることが望ましい。ここでは、流量制御弁21が差圧発生手段として機能しているが、流量制御弁以外でも両端に差圧を発生可能な任意の手段が使用できる。
温度制御装置1における以上のような制御は、制御部10によって実行されている。特に、系統1〜3の熱媒体の温度制御に関しては温度制御部11によって制御が実行され、第1圧力検出器121の検出圧力と第2圧力検出器122の検出圧力とをそれぞれ所定の目標圧力とする制御に関しては圧力制御部12によって制御が実行されている。その他の流量制御弁の制御等は制御部10の他の部分で制御が実行されている。
この制御部10には、流量計52、温度検出器111〜118、第1圧力検出器121、第2圧力検出器122および第3圧力検出器123の検出値が入力されている。温度制御部11は系統1〜3の熱媒体の検出温度が所定の目標値となるように膨張弁131〜133、冷媒制御弁151〜153の開度を制御する。さらに、温度制御部11は、第1熱交換器61、第2熱交換器62および第3熱交換器63の動作状態(冷却動作あるいは加熱動作)に応じて、前述のように冷媒循環路切替弁141〜143および冷媒循環路切替弁161〜163の開閉状態を切り替えて冷媒の循環経路を切り替えている。
また、圧力制御部12は、第1圧力検出器121の検出圧力と第2圧力検出器122の検出圧力とをそれぞれ所定の目標圧力とするように、圧縮機2の回転速度を制御するとともに流量制御弁31の開度を制御している。その他の前述したような種々の制御も、制御部10の他の部分で制御が実行されている。なお、各種の検出値を所定の目標値に保つ制御はPID制御等によるフィードバック制御が利用されている。
以上に説明した温度制御装置1により、複数の系統の熱媒体をそれぞれ独立に温度制御することができ、それぞれの系統の熱媒体の温度制御は冷却だけでなく加熱することも可能である。そして、温度制御装置1における各系統の冷却動作および加熱動作は、冷凍サイクルを利用して行っているのでエネルギー効率が大幅に向上する。
また、第1熱交換器61から第3熱交換器63のいずれかが加熱動作を行う場合、加熱動作を行っている熱交換器を通過して冷却された冷媒が、凝縮器3によって冷却された冷媒に合流し、その合流した冷媒が他の熱交換器による冷却動作に利用されるため、温度制御装置1全体としてのエネルギー効率がさらに向上するとともに、凝縮器3に必要な冷却水の流量を低減することができる。
それに加えて、圧縮機2の入力側の冷媒圧力すなわち第1圧力検出器121の検出圧力と、圧縮機2の出力側の冷媒圧力すなわち第2圧力検出器122の検出圧力とを、それぞれ異なる所定の目標値に制御することによって、温度制御装置1の冷凍サイクルのエネルギー効率を大幅に向上させることができる。
さらに、昇温用熱交換器5を設け、その昇温用熱交換器5によって冷媒を昇温することによって、温度制御装置1全体として加熱動作の熱量が増加しても、全体の温度制御動作が可能となる。特に、第1熱交換器61から第3熱交換器63の全てで加熱動作を行うような温度制御も可能となる。
また、温度制御装置1では、第1熱交換器61から第3熱交換器63の熱交換器は複数の系統の系統数だけ必要ではあるが、圧縮機2、凝縮器3および昇温用熱交換器5は系統数に関係なくそれぞれ1つずつ設置すればよい。このため、温度制御装置1全体の重量、設置面積、設置コストを大幅に低減することができる。
なお、以上に説明した温度制御装置1は昇温用熱交換器5を備えているので、上記のように加熱動作の熱量が増大した場合でも全体の温度制御動作が可能となるのであるが、昇温用熱交換器5は本発明にとって必須の構成要素というわけではない。昇温用熱交換器を含まない温度制御装置を構成することも可能である。
工作機械等の産業機器に利用される温度制御装置の場合、冷媒のほとんどは冷却動作に使用され、加熱動作に使用される冷媒の量は比較的少ないのが一般的である。加熱動作を行うための冷媒の流量が冷却動作を行うための冷媒の流量に比べて少量の場合、加熱動作を行った後の冷媒は全て冷却動作を行う冷媒として利用できるため、昇温用熱交換器5が無くても温度制御装置全体の動作が可能である。
次に、本発明の他の形態として、上記のような、昇温用熱交換器5を含まない温度制御装置について説明する。図2は、本発明の他の形態の温度制御装置1aの構成を示す図である。温度制御装置1aは、図1の温度制御装置1と比較すると、昇温用熱交換器5およびそれに関係する構成が省略されている点が異なっている。
すなわち、温度制御装置1aでは、図1における昇温用熱交換器5、流量制御弁53およびこれらを接続する冷媒流通路が取り除かれており、さらに、昇温用熱交換器5に冷却水を供給するための冷却水流通路、流量計52、流量制御弁51、温度検出器116,117が取り除かれている。それ以外の構成は、図1の温度制御装置1と同様であるため、各構成要素の説明は省略する。
一般的な工作機械等の産業機器における温度制御のように、加熱動作を行うための冷媒の流量が冷却動作を行うための冷媒の流量に比べて少量の場合、温度制御装置1aのような構成でも冷却および加熱の温度制御が複数系統で可能である。この温度制御装置1aでも、複数の系統の熱媒体をそれぞれ独立に温度制御することができ、それぞれの系統の熱媒体の温度制御は冷却だけでなく加熱することも可能である。そして、温度制御装置1aにおける各系統の冷却動作および加熱動作は、冷凍サイクルを利用して行っているのでエネルギー効率が大幅に向上する。
第1熱交換器61から第3熱交換器63のいずれかが加熱動作を行う場合、加熱動作を行っている熱交換器を通過して冷却された冷媒が、凝縮器3によって冷却された冷媒に合流し、その合流した冷媒が他の熱交換器による冷却動作に利用されるため、温度制御装置1全体としてのエネルギー効率が向上するとともに、凝縮器3に必要な冷却水の流量を低減することができる。
このように、温度制御装置1aは、図1の温度制御装置1とほぼ同様の作用効果を奏し、さらに、昇温用熱交換器5およびそれに関係する構成を含まないため、温度制御装置1a全体の重量、設置面積、設置コストをさらに低減することができる。
次に、本発明のさらに別の形態の温度制御装置1bについて説明する。図3は、本発明のさらに別の形態の温度制御装置1bの構成を示す図である。温度制御装置1bは、温度制御装置1aと同様に、昇温用熱交換器5およびそれに関係する構成を含まないものである。温度制御装置1bは、温度制御装置1aと比較すると、冷媒制御弁151〜153、冷媒循環路切替弁141〜143,161〜163および冷媒流通路の接続状態が異なっている。また、温度制御装置1bでは受液器4が省略されている。
温度制御装置1bでは、冷媒循環路切替弁141〜143,161〜163等の配置が温度制御装置1,1aとは異なっているが、冷却動作および加熱動作における冷媒循環路切替弁141〜143,161〜163の切替制御は温度制御装置1と同様である。
例えば、第1熱交換器61が冷却動作を行う場合、冷媒循環路切替弁141が開状態とされ、冷媒循環路切替弁161が閉状態とされる。そして、冷媒制御弁151を全閉状態とし、膨張弁131を所定の開度として、第1熱交換器61に低温の冷媒を供給する。第1熱交換器61で冷却動作を終えた冷媒は冷媒循環路切替弁141を通って圧縮機2の入力側に戻される。
第1熱交換器61が加熱動作を行う場合、冷媒循環路切替弁141が閉状態とされ、冷媒循環路切替弁161が開状態とされる。そして、膨張弁131を全閉状態とし、冷媒制御弁151を所定の開度として、第1熱交換器61に高温の冷媒を供給する。第1熱交換器61で加熱動作を終えた冷媒は冷媒循環路切替弁161を通って凝縮器3の出力側に戻される。第2熱交換器62、第3熱交換器63でも同様である。
このように温度制御装置1bでも、複数の系統の熱媒体をそれぞれ独立に温度制御することができ、それぞれの系統の熱媒体の温度制御は冷却だけでなく加熱することも可能である。そして、温度制御装置1bにおける各系統の冷却動作および加熱動作は、冷凍サイクルを利用して行っているのでエネルギー効率が大幅に向上する。
このように、温度制御装置1bは、温度制御装置1,1aとほぼ同様の作用効果を奏する。さらに、温度制御装置1bは、温度制御装置1aと同様に、昇温用熱交換器5およびそれに関係する構成を含まないため、温度制御装置全体の重量、設置面積、設置コストをさらに低減することができる。
以上のように、本発明の温度制御装置1,1a,1bによって、複数の系統の熱媒体をそれぞれ独立に温度制御することができ、それぞれの系統の熱媒体の温度制御は冷却だけでなく加熱することも可能である。そして、温度制御装置1,1a,1bにおける各系統の冷却動作および加熱動作は、冷凍サイクルを利用して行っているのでエネルギー効率が大幅に向上する。
また、第1熱交換器61から第3熱交換器63のいずれかが加熱動作を行う場合、加熱動作を行っている熱交換器を通過して冷却された冷媒が、凝縮器3によって冷却された冷媒に合流し、その合流した冷媒が他の熱交換器による冷却動作に利用されるため、温度制御装置全体としてのエネルギー効率がさらに向上するとともに、凝縮器3に必要な冷却水の流量を低減することができる。
それに加えて、圧縮機2の入力側の冷媒圧力すなわち第1圧力検出器121の検出圧力と、圧縮機2の出力側の冷媒圧力すなわち第2圧力検出器122の検出圧力とを、それぞれ異なる所定の目標値に制御することによって、温度制御装置の冷凍サイクルのエネルギー効率を大幅に向上させることができる。
さらに、昇温用熱交換器5を設けた場合は、その昇温用熱交換器5によって冷媒を昇温することによって、温度制御装置1全体として加熱動作の熱量が増加しても、全体の温度制御動作が可能となる。特に、第1熱交換器61から第3熱交換器63の全てで加熱動作を行うような温度制御も可能となる。
また、本発明の温度制御装置1,1a,1bでは、圧縮機2および凝縮器3を系統数に関係なくそれぞれ1つずつ設置すればよい。このため、温度制御装置全体の重量、設置面積、設置コストを大幅に低減することができる。そして、温度制御装置1a,1bのように昇温用熱交換器5を含まない構成とすれば、温度制御装置全体の重量、設置面積、設置コストをさらに低減することができる。
本発明によれば、複数の系統の熱媒体をそれぞれ独立に冷却または加熱して温度制御することが可能な温度制御装置を提供することができる。そして、この温度制御装置における各系統の冷却動作および加熱動作は、冷凍サイクルを利用しておりエネルギー効率が大幅に向上している。
1,1a,1b 温度制御装置
2 圧縮機
3 凝縮器
4 受液器
5 昇温用熱交換器
10 制御部
11 温度制御部
12 圧力制御部
21 流量制御弁
22 第1バイパス量制御弁
23 第2バイパス量制御弁
31 流量制御弁
51 流量制御弁
52 流量計
53 流量制御弁
61 第1熱交換器
62 第2熱交換器
63 第3熱交換器
71,72 ポンプ
81 第1受液槽
82 第2受液槽
111〜117 温度検出器
121 第1圧力検出器
122 第2圧力検出器
123 第3圧力検出器
131〜133 膨張弁
141〜143,161〜163 冷媒循環路切替弁
151〜153 冷媒制御弁
811 攪拌機

Claims (6)

  1. 冷媒を圧縮するための圧縮機(2)と、
    前記圧縮機(2)で圧縮された前記冷媒を冷却して液化するための凝縮器(3)と、
    温度制御対象である複数系統の熱媒体に対してそれぞれ熱交換を行う複数の熱交換器(61〜63)と、
    前記凝縮器(3)によって液化された前記冷媒を絞り膨脹させて温度を低下させ、低温の当該冷媒を複数の前記熱交換器のそれぞれに対して供給し、その供給量を調整制御するための複数の膨張弁(131〜133)と、
    前記圧縮機(2)で圧縮された高温の冷媒を複数の前記熱交換器(61〜63)のそれぞれに対して供給し、その供給量を調整制御するための複数の冷媒制御弁(151〜153)と、
    前記熱交換器(61〜63)のいずれかに低温の冷媒を供給する場合に当該熱交換器(61〜63)から出力された冷媒を前記圧縮機(2)の入力側に戻すように冷媒の循環路を切り替えるとともに、前記熱交換器(61〜63)のいずれかに高温の冷媒を供給する場合に当該熱交換器(61〜63)から出力された冷媒を前記凝縮器(3)の出力側に戻すように冷媒の循環路を切り替える冷媒循環路切替弁(141〜143,161〜163)と、
    冷媒の循環路を切り替えてそれぞれの前記熱交換器(61〜63)に対して高温の冷媒と低温の冷媒のいずれかを供給するとともに、その供給量を制御して複数系統の熱媒体の温度を目標温度に制御する温度制御部(11)とを有する温度制御装置。
  2. 請求項1に記載した温度制御装置であって、
    前記凝縮器(3)における前記冷媒の冷却量を調整するための冷却量調整手段(31)と、
    前記圧縮機(2)の入力側の冷媒の圧力を検出する第1圧力検出器(121)と、
    前記凝縮器(3)の出力側の冷媒の圧力を検出する第2圧力検出器(122)と、
    前記圧縮機(2)の回転速度を調整して前記第1圧力検出器(121)の検出圧力が第1の目標圧力となるように制御するとともに、前記冷却量調整手段(31)により前記冷媒の冷却量を調整して前記第2圧力検出器(122)の検出圧力が第2の目標圧力となるように制御する圧力制御部(12)とを有する温度制御装置。
  3. 請求項2に記載した温度制御装置であって、
    前記冷媒制御弁(151〜153)から供給され前記熱交換器(61〜63)を通過した冷媒を熱交換によって昇温するための昇温用熱交換器(5)を有する温度制御装置。
  4. 請求項2,3のいずれか1項に記載した温度制御装置であって、
    前記圧縮機(2)の出力側の冷媒の圧力を検出する第3圧力検出器(123)と、
    前記圧縮機(2)の出力側と前記凝縮器(2)の入力側との間に設けられ、前記第3圧力検出器(123)の検出圧力を前記第2圧力検出器(122)の検出圧力よりも大きくなるようにする差圧発生手段(21)とを有する温度制御装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載した温度制御装置であって、
    前記圧縮機(2)で圧縮された高温の冷媒を前記圧縮機(2)の入力側にバイパスさせる第1バイパス路と、
    前記第1バイパス路を通過する冷媒のバイパス量を調整制御するための第1バイパス量制御弁(22)とを有する温度制御装置。
  6. 請求項5に記載した温度制御装置であって、
    前記凝縮器(3)から出力された冷媒を前記圧縮機(2)の入力側にバイパスさせる第2バイパス路と、
    前記第2バイパス路を通過する冷媒のバイパス量を調整制御するための第2バイパス量制御弁(23)とを有する温度制御装置。
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