JP2018076907A - シフトピストン装置 - Google Patents

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祐一 日高
Yuichi Hidaka
祐一 日高
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Abstract

【課題】応答性よく作動するとともに、大きな駆動力を発揮することが可能なシフトピストン装置を提供する。
【解決手段】シフトピストン装置10は、シリンダ部20と、小径部41と大径部42とを有するピストン40と、ピストン40に対し軸方向に相対移動可能に配置され、一端部がシフトフォーク7に当接するピン50と、を備え、小径部41の端面に面し、油圧源から作動油が供給される油室11が形成されるとともに、大径部42の端面に面して油室12が形成され、ピストン40には、油室11と油室12とを連通する貫通孔45,46が設けられ、ピン50の端部に当接し、油室11に作用する油圧力に応じて貫通孔45を開閉するチェックボール60をさらに備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、変速機用のシフト部材を駆動するシフトピストン装置に関する。
従来より、奇数変速段用および偶数変速段用の一対のクラッチを有する変速機において、クラッチ解放時の引きずりトルクを推定し、その引きずりトルクに基づいて算出されたシフト力で油圧シリンダのピストンを駆動することで、シフトフォークを駆動するようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1記載の装置では、油圧供給装置を介して油圧シリンダの油室に圧油を供給し、ピストンに作用する油圧力に応じてピストンを駆動する。
特開2014−163468号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の装置では、引きずりトルクに基づいて算出された比較的大きな力でピストンが駆動されるようにピストン径が設定される。このため、ピストン径が大きくなり、大きな駆動力が必要ない場合に、ピストンを応答性よく駆動することが困難である。
本発明の一態様は、変速用のシフト部材を駆動するシフトピストン装置であって、シリンダと、シリンダの内部に軸方向に移動可能に配置され、小径部と大径部とを有するピストンと、ピストンに対し軸方向に相対移動可能に配置され、一端部がシフト部材に当接するピンと、を備え、ピストンの小径部の軸方向端面に面し、油圧源から作動油が供給される第1油室が形成されるとともに、ピストンの大径部の軸方向端面に面して第2油室が形成され、ピストンには、第1油室と第2油室とを連通する連通部が設けられ、ピンの他端部に当接し、第1油室に作用する油圧力に応じて連通部を開閉する弁体をさらに備えることを特徴とする。
本発明によれば、ピストンの小径部の端面に面する第1油室とピストンの大径部の端面に面する第2油室とを連通部を介して連通させるとともに、第1油室に作用する油圧力に応じて弁体により連通部を開閉するようにしたので、大きな駆動力が必要ない場合のシフトピストン装置の作動の応答性を高めるとともに、必要に応じて大きな駆動力を発揮することが可能となる。
本発明の実施形態に係るシフトピストン装置が適用される変速機の概略構成を示すスケルトン図。 図1の同期機構の構成を示す図。 図2の同期機構の動作の一例を示す図。 本発明の実施形態に係るシフトピストン装置の構成を示す断面図。 図4の要部構成を拡大して示す図。 本発明の実施形態に係るシフトピストン装置の動作の一例を示す図。 図6Aに続く動作の一例を示す図。 図6Bに続く動作の一例を示す図。 シフトフォークが中立位置からインギヤ位置まで移動するときのシフトストロークとフォーク反力との関係を図。 図5の変形例を示す図。
以下、図1〜図8を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るシフトピストン装置が適用される変速機100の概略構成を示すスケルトン図である。この変速機100は、奇数変速段用および偶数変速段用の一対のクラッチを有するデュアルクラッチ変速機であり、車両に搭載される。まず、変速機100の構成について説明する。
図1に示すように、エンジン101のトルクは、トルクコンバータ102を介して第1主入力軸104に入力される。第1主入力軸104と一体に設けられたギヤ105は、図示しないアイドル軸に一体に設けられたギヤを介して、第2主入力軸106と一体に設けられたギヤ107に噛合され、エンジン101のトルクは、トルクコンバータ102を介して第2主入力軸106にも入力される。第1主入力軸104の周囲には、略円筒形状の第1副入力軸108が第1主入力軸104と同軸かつ第1主入力軸104に対し相対回転可能に配置される。第2主入力軸106の周囲には、略円筒形状の第2副入力軸109が第2主入力軸106と同軸かつ第2主入力軸106に対し相対回転可能に配置される。
第1主入力軸104のトルクは、偶数変速段用の第1クラッチ110を介して第1副入力軸108に入力される。第1副入力軸108の外周面には、2速駆動ギヤ111と4速駆動ギヤ112と6速駆動ギヤ113と8速駆動ギヤ114とが、第1副入力軸108に対し相対回転可能に支持される。第2主入力軸106のトルクは、奇数変速段用の第2クラッチ115を介して第2副入力軸109に入力される。第2副入力軸109の外周面には、1速駆動ギヤ116と3速駆動ギヤ117と5速駆動ギヤ118と7速駆動ギヤ119とが、第2副入力軸109に対し相対回転可能に支持される。第1クラッチ110および第2クラッチ115は、それぞれ湿式クラッチにより構成される。
第1主入力軸104と第2主入力軸106と平行に、出力軸120が配置される。出力軸120には、1速駆動ギヤ116と2速駆動ギヤ111とに常時噛合する1−2速従動ギヤ121と、3速駆動ギヤ117と4速駆動ギヤ112とに常時噛合する3−4速従動ギヤ122と、5速駆動ギヤ118と6速駆動ギヤ113とに常時噛合する5−6速従動ギヤ123と、7速駆動ギヤ119と8速駆動ギヤ114とに常時噛合する7−8速従動ギヤ124とが、出力軸120と一体に設けられる。なお、駆動ギヤ111〜114,116〜119および従動ギヤ121〜124は例えばヘリカルギヤにより構成される。
1速駆動ギヤ116および3速駆動ギヤ117は、1−3速同期機構131を介して第2副入力軸109に選択的に結合される。5速駆動ギヤ118および7速駆動ギヤ119は、5−7速同期機構132を介して第2副入力軸109に選択的に結合される。これにより第2副入力軸109のトルクは、1−3速同期機構131または5−7速同期機構132を介して奇数段のいずれかの駆動ギヤ116〜119に伝達され、駆動ギヤ116〜119と従動ギヤ121〜124とのギヤ比に応じて出力軸120が回転される。
2速駆動ギヤ111および4速駆動ギヤ112は、2−4速同期機構133を介して第1副入力軸108に選択的に結合される。6速駆動ギヤ113および8速駆動ギヤ114は、6−8速同期機構134を介して第1副入力軸108に選択的に結合される。これにより第1副入力軸108のトルクは、2−4速同期機構133または6−8速同期機構134を介して偶数段のいずれかの駆動ギヤ111〜114に伝達され、駆動ギヤ111〜114と従動ギヤ121〜124とのギヤ比に応じて出力軸120が回転される。出力軸120の回転は、ギヤ125を介して走行軸126および駆動輪127に伝達され、これにより車両が走行する。
同期機構131〜134の構成について説明する。図2は、6−8速同期機構134の要部構成を示す図である。なお、同期機構131〜134の構成は実質的に互いに同一であり、ここでは他の同期機構131〜133の図示を省略する。図2では、出力軸120の従動ギヤ123,124に噛合する6速駆動ギヤ113および8速駆動ギヤ114の歯部の図示を省略する。
図2に示すように、6−8速同期機構134は、6速駆動ギヤ113と8速駆動ギヤ114との間に配置され、第1副入力軸108に固定されたハブ1と、ハブ1の周囲に配置された略円筒形状のスリーブ2とを有し、全体が対称(図2では左右対称)に構成される。ハブ1と6速駆動ギヤ113および8速駆動ギヤ114との間には、それぞれ断面が略L字形状で全体が略円環状のシンクロリング3,4が配置される。6速駆動ギヤ113の外周面とこれに対向するシンクロリング3の内周面とには、互いに平行にテーパコーン面113t,3tがそれぞれ形成される。8速駆動ギヤ114の外周面とこれに対向するシンクロリング4の内周面とには、互いに平行にテーパコーン面114t,4tがそれぞれ形成される。ハブ1と各シンクロリング3,4との間には、それぞれ径方向に拡縮可能な略円形状のシンクロスプリング5,6が配置される。
ハブ1の外周面およびスリーブ2の内周面にはそれぞれドグ歯(スプライン)1a,2aが形成される。ドグ歯1a,2aは互いに噛合し、スリーブ2は、ドグ歯1a,2aを介しハブ1の外周面に沿って軸方向に移動可能である。6速駆動ギヤ113のハブ1側の端部および8速駆動ギヤ114のハブ1側の端部と、シンクロリング3,4の外周面とには、それぞれスリーブ2のドグ歯2aに噛合可能なドグ歯(一部をチャンファとも呼ぶ)113a,114a,3a,4aが形成される。
スリーブ2は、シフトフォーク7を介して、後述するシフトピストン装置に接続される。シフトフォーク7は、シフトフォーク7のボス部7aを貫通して延在するシフトシャフト8に沿って軸方向に移動可能であり、これによりスリーブ2がシフトフォーク7とともに軸方向に移動する。すなわち、図2の中立位置から矢印A方向の6速インギヤ位置または矢印B方向の8速インギヤ位置に移動する。
スリーブ2が6速インギヤ位置または8速インギヤ位置に移動された状態では、ハブ1(第1副入力軸108)と駆動ギヤ113または114とがスリーブ2を介して連結され、これによりハブ1と駆動ギヤ113または114とが一体に回転する。一方、スリーブ2が中立位置に移動すると、ハブ1から駆動ギヤ113,114へのトルク伝達経路が遮断され、駆動ギヤ113,114はハブ1に対し相対回転可能となる。
図3は、図2の6−8速同期機構134の動作の一例を示す図であり、特にスリーブ2が中立位置から8速インギヤ位置へ移動するときの動作を示す図である。なお、図示は省略するが、スリーブ2が中立位置から6速インギヤ位置へ移動する場合の動作も図3と同様である。
シフトフォーク7を介してスリーブ2が、図3(a)に示す中立位置から矢印B方向に移動すると、図3(b)に示すように、スリーブ2の端部がシンクロスプリング6に接触する。これにより、シンクロリング4がシンクロスプリング6を介して8速駆動ギヤ114側に付勢される。スリーブ2がさらにB方向に移動すると、図3(c)に示すように、スリーブ2のドグ歯2aがシンクロリング4のドグ歯4aに当接するとともに、シンクロリング4のテーパコーン面4tと8速駆動ギヤ114のテーパコーン面114tとが互いに当接し、摩擦力によるトルクが発生する(ボーク)。
スリーブ2がさらにB方向に移動すると、摩擦力によってスリーブ2と8速駆動ギヤ114との回転が同期し、図3(d)に示すように、スリーブ2のドグ歯2aがシンクロリング4のドグ歯4aを掻き分けて進む。スリーブ2と8速駆動ギヤ114との回転が同期して発生トルクが消滅した状態で、スリーブ2がさらにB方向に移動すると、図3(e)に示すように、スリーブ2が8速駆動ギヤ114のドグ歯114aと接触し、その後、図3(f)に示すように、スリーブ2のドグ歯2aがドグ歯114aを掻き分けて進む。スリーブ2が8速インギヤ位置まで移動すると、図3(g)に示すように、スリーブ2のドグ歯2aと8速駆動ギヤ114のドグ歯114aとが係合し、両者は一体に結合される。
このような変速機100の構成において、車両を奇数段(例えば1速段)で走行させる場合には、図1の第1クラッチ110を遮断(解放)するとともに、第2クラッチ115を接続(締結)する。さらに、1−3速同期機構131のスリーブ2を1速インギヤ位置へ移動し、スリーブ2を介して第2副入力軸109と1速駆動ギヤ116とを結合する。これによりエンジン101のトルクが第1主入力軸104、第2主入力軸106、第2クラッチ115、第2副入力軸109、1速駆動ギヤ116、出力軸120および走行軸126へと順次伝達され、車両が1速段で走行する。
車両を偶数段(例えば2速段)で走行させる場合には、第1クラッチ110を接続するとともに、第2クラッチ115を遮断する。さらに、2−4速同期機構133のスリーブ2を2速インギヤ位置へ移動し、スリーブ2を介して第1副入力軸108と2速駆動ギヤ111とを結合する。これによりエンジン101のトルクが第1主入力軸104、第1クラッチ110、第1副入力軸108、2速駆動ギヤ111、出力軸120および走行軸126へと順次伝達され、車両が2速段で走行する。
本実施形態の変速機100は、奇数段および偶数段の一方の変速段が確立しているときに、車速やアクセルペダルの操作等により算出された要求駆動力に応じて他方の変速段を選択する、いわゆるプレシフトを実行する。例えば奇数変速段で走行しているとき、要求駆動力に応じた偶数変速段の駆動ギヤがインギヤされ、偶数変速段で走行しているとき、要求駆動力に応じた奇数変速段の駆動ギヤがインギヤされる。これにより迅速な変速動作を実現できる。
ところで、本実施形態の第1クラッチ110および第2クラッチ115は、湿式クラッチにより構成されるため、一方のクラッチ(例えば第1クラッチ110)が遮断(解放)された状態において、そのクラッチ110の主入力軸104の回転に、作動油を介して副入力軸108が連れ回り、引きずりトルクが発生する。この引きずりトルクは、作動油の温度が低いほど大きくなり、引きずりトルクが大きいほど、スリーブ2を移動させる際の抵抗が大きくなる。このため、例えば低油温時にプレシフトを行う場合、すなわち同期機構131〜134を作動してインギヤ状態とする場合には、スリーブ2を軸方向に移動するための比較的大きなシフト力が必要となる。
シフト力は、シフトフォーク7(図2)を介したシフトピストン装置(不図示)による軸方向の駆動力により得られる。この場合、シフトピストン装置のピストン径を大きくすれば、大きなシフト力が得られる。しかしながら、単にピストン径を大きくしたのでは、引きずりトルクが小さい場合等、大きなシフト力を必要としない場合に、ピストンの作動の応答性が低下するおそれがあり、大容量のピストンを作動させるために油圧が低下するおそれもある。
そこで、本実施形態では、大きなシフト力を必要としない場合のピストンの作動の応答性を高めるとともに、必要に応じて大きなシフト力を発生することが可能なようにシフトピストン装置を構成する。以下、本実施形態に係るシフトピストン装置の構成について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係るシフトピストン装置10の構成を示す断面図である。なお、このシフトピストン装置10の構成は、各同期機構131〜134で共通である。図4に示すように、シフトピストン装置10は、スリーブ2の移動方向と平行な軸線CLを中心とした略円筒形状のシリンダ部20と、シリンダ部20の内部に配置された一対のピストン部30とを有する。
シリンダ部20は、両端部が開放された大径シリンダ21と、一端部が開放され、他端部が閉塞された大径シリンダ21よりも小径の一対の小径シリンダ22とを有する。大径シリンダ21の軸方向端部の内周面には、シール部材23(例えばOリング)を介して小径シリンダ22の一端部が嵌合される。大径シリンダ21には、軸方向に沿って切り欠き24が設けられ、切り欠き24を介してシフトフォーク7の先端部がシリンダ部20内に挿入される。一対のピストン部30は、シフトフォーク7を挟んで対称に配置される。すなわち、シフトピストン装置10全体は、軸線CL1に垂直なシフトフォーク7の中心線CL2を中心として対称に構成される。
シフトフォーク7は、例えばシフトシャフト8が貫通するボス部7a(図2)に設けられた図示しないディテント機構により、その中心線CL2が位置L0,L1,L2のいずれかに位置決めされる。図4は、スリーブ2が中立位置にある状態(図2)を示しており、このときシフトフォーク7の中心線CL2はL0に位置する。シフトフォーク7の中心線CL2がL1まで移動すると、スリーブ2が一方のインギヤ位置まで移動し、スリーブ2のドグ歯2aとスリーブ側方の一方の駆動ギヤ(例えば6速駆動ギヤ113)のドグ歯とがインギヤする。シフトフォーク7の中心線CL2がL2まで移動すると、スリーブ2が他方のインギヤ位置まで移動し、スリーブ2のドグ歯2aとスリーブ側方の他方の駆動ギヤ(例えば8速駆動ギヤ114)のドグ歯とがインギヤする。なお、以下では、シフトフォーク7の位置L0を中立位置、位置L1,L2をそれぞれインギヤ位置と呼ぶこともある。
図5は、図4の要部構成を拡大して示す図(中心線CL2よりも左側の拡大図)である。なお、図5では、中心線CL2よりも右側の図示を省略する。図5に示すように、ピストン部30は、シリンダ部20の内部に軸方向に移動可能に配置されたピストン40と、ピストン40に対し軸方向に相対移動可能に配置されたピン50とを有する。
ピストン40は、軸線CL1を中心とした円筒形状の外周面41aを有する小径部41と、小径部41よりも大径に構成され、軸線CL1を中心とした円筒形状の外周面42aを有する大径部42とを有し、全体が段付き状に形成される。小径部41の外周面41aは、シール部材31を介して小径シリンダ22の内周面に摺動可能に嵌合され、大径部42の外周面42aは、シール部材32を介して大径シリンダ21の内周面に摺動可能に嵌合される。
小径シリンダ22の内部には、ピストン40の小径部41の軸方向端面41bに面して油室11が形成され、大径シリンダ21の内部には、ピストン40の大径部42の軸方向一端面42bに面して油室12が形成される。油室11には、管路13および図示しない制御弁を介して油圧源(油圧ポンプ等)が接続され、制御弁の切換に応じて油室11に圧油を供給可能である。
ピストン40の小径部41には、軸方向端面41bから軸線CL1に沿って所定深さの収容孔43が穿設される。大径部42には、軸方向他端面42cから軸線CL1に沿って所定深さの収容孔44が穿設される。収容孔43の内側空間と収容孔44の内側空間とは、軸線CL1に沿って穿設された貫通孔45を介して連通する。小径部41には、さらに大径部42の近傍の外周面41aから、軸線CL1に向けて周方向複数の貫通孔46が穿設される。貫通孔46は貫通孔45に連通し、油室11と油室12とは、収容孔43および貫通孔45,46を介して連通する。
収容孔43の底部には弁座43aが形成され、収容孔43には、弁座43aに面して球状のチェックボール60が配置される。さらに収容孔43には、チェックボール60に隣接してコイルばね61が収容される。コイルばね61の一端部はチェックボール60に当接し、他端部は略リング形状のばね受け62に当接する。ばね受け62の軸方向の位置は、収容孔43の周面に係止されたスナップリング63により規制される。これによりチェックボール60にコイルばね61の付勢力が作用し、図示のようにチェックボール60が弁座43aに当接して、貫通孔45が閉塞される。
ピン50は、軸線CL1に沿って延在する略円柱形状の大径部51と、大径部51の軸方向一端部および他端部からそれぞれ軸線CL1に沿って突出する大径部51より小径の略円柱形状の突出部52,53とを有し、全体が段付き状に形成される。大径部51は、ピストン40の大径部42の収容孔44に収容される。突出部52は、ピストン40の中央の貫通孔45に収容され、その先端部はチェックボール60に当接する。突出部53は、ピストン40の側端面42cから突出し、その先端部はシフトフォーク7に当接する。
ピン50の大径部51の外周面と突出部52の外周面とは、大径部51から突出部52にかけて縮径するテーパ面51aにより接続される。ピストン40の収容孔44の端部には、テーパ面51aに対向し、テーパ面51aと略平行にシール面44aが形成される。図5に示すようにチェックボール60が弁座43aに当接した状態では、ピン50がシール面44aから離間し、テーパ面51aとシール面44aとの間に隙間14が生じる。
なお、収容孔44の周面には、シール面44aの途中から軸方向の端面42cにかけて切り欠き溝47が設けられる。このため、隙間14が生じた状態では、油室12は、貫通孔46、隙間14および切り欠き溝47を介してピストン40の端面42cに面した空間15に連通する。
ピン50の大径部51の外周面と突出部53の外周面とは、軸線CL1に垂直な端面51bを介して接続される。収容孔44の周面にはスナップリング64が係止され、ピストン40に対するピン50のシフトフォーク7側への移動は、端面51bがスナップリング64に当接することで制限される。
次に、本発明の実施形態に係るシフトピストン装置10の主要な動作について説明する。図6A〜図6Cは、それぞれシフトフォーク7が中立位置L0からインギヤ位置L2まで移動する状態を示す図であり、図7は、そのときのシフトフォーク7のストローク量(シフトストロークS)とシフトフォーク7に作用する反力(フォーク反力F)との関係を示す図である。なお、シフトストロークSはスリーブ2の軸方向の移動量に相当し、フォーク反力Fはスリーブ2に作用する反力に相当する。中立位置L0におけるシフトストロークSは0であり、インギヤ位置L2におけるシフトストロークSはS2である。
図6Aに示すように、シフトフォーク7が中立位置L0にあり、チェックボール60がコイルばね61の付勢力により弁座43aに当接して貫通孔45が閉塞された状態において、管路13を介して油室11に圧油が供給されると、小径部41の側端面41bに油圧力が作用する。これにより、ピストン40は、小径部41の側端面41bに作用する油圧力によりインギヤ位置L2に向けて移動し、ピン50に、ボール60およびコイルばね61を介して押圧力が作用する。その結果、シフトフォーク7がピン50を介して押動される。このとき、図7に示すように、シフトストロークSが小さい初期状態においては、フォーク反力Fが小さい。このため、チェックボール60を弁座43aに当接させたまま、シフトフォーク7を素早く、すなわち応答性よく移動させることができる。
シフトストロークSが図7のS3まで増加し、図3(c)に示すようにスリーブ2と駆動ギヤとの同期が開始されると、フォーク反力Fが増加する。このため、図6Bに示すように、油室11の圧力が増加してピストン40がチェックボール60よりも押し込まれ、ピン50のテーパ面51aがピストン40の収容孔44のシール面44aに当接するとともに、チェックボール60が弁座43aから離間する。これにより収容孔44の端部がシールされるとともに、油室11の圧油がチェックボール60と弁座43aとの隙間および貫通孔45,46を介して油室12に導かれる。その結果、ピストン40の大径部42の側端面42bに油圧力が作用し、ピストン40の駆動力が増加するとともに、ピン50には、コイルばね61の付勢力に加え、シール面44aとテーパ面51aとの当接部から軸方向に押圧力が作用するようになる。このため、フォーク反力Fに抗してシフトフォーク7を容易にインギヤ位置L2にむけて移動させることができる。
その後、シフトストロークSが図7のS4まで増加してスリーブ2と駆動ギヤとの同期が完了すると、フォーク反力Fが低下する。これにより、図6Cに示すように、チェックボール60がコイルばね61の付勢力により弁座43aに当接し、貫通孔45が閉塞される。なお、チェックボール60が弁座43aに当接した状態では、油室12の圧油は、貫通孔46,貫通孔45,隙間14および切り欠き溝47を介してシリンダ部20の外部の空間15に排出される。以降、シフトストロークSは図7のS2まで増加し、シフトフォーク7がインギヤ位置L2に移動する。シフトフォーク7がインギヤ位置L2に移動すると、制御弁の切換により油室11への圧油の供給が停止される。
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)シフトピストン装置10は、変速用のシフトフォーク7を駆動するように構成され、シリンダ部20と、シリンダ部20の内部に軸方向に移動可能に配置され、小径部41と大径部42とを有するピストン40と、ピストン40に対し軸方向に相対移動可能に配置され、一端部がシフトフォーク7に当接するピン50と、を備える(図5)。シフトピストン装置10には、ピストン40の小径部41の軸方向端面41bに面し、油圧源から作動油が供給される油室11が形成されるとともに、ピストン40の大径部42の軸方向端面42bに面して油室12が形成され、ピストン40には、油室11と油室12とを連通する収容孔43および貫通孔45,46が設けられる(図5)。シフトピストン装置10は、ピン50の他端部に当接し、油室11に作用する油圧力に応じて貫通孔45を開閉するチェックボール60をさらに備える(図5)。
この構成により、フォーク反力Fが小さい場合には、ピストン40の小径部41に作用する油圧力によりシフトフォーク7が駆動されるため、シフトフォーク7を中立位置L0からインギヤ位置L1,L2へ向けて移動開始させた直後の初期状態や、スリーブ2と駆動ギヤとの同期完了後等において、シフトフォーク7を応答性よく駆動することができる。また、フォーク反力Fが大きい場合には、チェックボール60が貫通孔45を開放し、貫通孔45を介して供給された油圧力がピストン40の大径部42に作用するようになるため、ピン50を介してシフトフォーク7を大きな力で駆動することができ、スリーブ2と駆動ギヤとの同期等のインギヤ動作が容易である。
(2)シフトピストン装置10は、収容孔43に設けられた弁座43aに向けてチェックボール60を付勢するコイルばね61をさらに備える(図5)。これによりコイルばね61を介してピストン40からピン50に押圧力を付与しつつ、ピン50に対するピストン40の相対移動が可能となり、油室11に作用する油圧力に応じてチェックボール60を開閉可能となる。また、油室11に圧油が供給されていない状態であっても、チェックボール60を所定の押圧力で弁座43aに当接させることができ、シフトピストン装置10の安定した動作を実現できる。
(3)ピストン40は、貫通孔65に連通し、ピン50を移動可能に収容する収容孔44と、ピストン40に対するピン50の相対移動によりチェックボール60が押動されて貫通孔65が開放されたときに、収容孔44とピン50との間の隙間14をシールするシール面44aとを有する(図5)。これにより、ピストン40の収容孔44とピン50との間の隙間14を介して油が漏れることを防ぐことができ、貫通孔45,46を介して油室11から油室12に素早く圧油を供給することができる。また、シール面44aを介してピストン40からピン50に直接荷重を付加することができ、ピン50に作用する押圧力を大幅に高めることができる。
図8は、図5の変形例を示す図である。図5では、ピン50に大径部51を設けたが、図8では、大径部51の代わりにピン50の外周面に沿って軸方向に相対移動可能にシール部材55を設ける。図8に示すように、シール部材55は、全体が略円筒形状を呈し、その一端面に収容孔44のシール面44aと略平行にテーパ面55aが形成される。シール部材55の内周面には凹部55bが形成され、凹部55bにコイルばね56が収容される。コイルばね56の一端部は、ピン50の突出部52と突出部53とを接続する端面54に当接し、他端部は凹部55bの軸方向端部55cに当接する。
これにより、シール部材55がコイルばね56によりシール面44a側に付勢され、シール面44aとテーパ面55aとの間の隙間14を塞ぐことができる。このため、隙間14を介した油室11または油室12から空間15への油の漏れを確実に防ぐことができる。なお、ピン50の外周面にはストッパーリング57が取り付けられ、シール部材55の先端部がストッパーリング57に当接することで、コイルばね56の付勢力によるシール部材55の最大移動が規制される。
なお、上記実施形態では、シフトピストン装置10によりシフトフォーク7を駆動するようにしたが、中立位置とインギヤ位置との間で駆動する変速用のシフト部材の構成はこれに限らない。シリンダの内部に軸方向に移動可能に配置され、小径部と大径部とを有するのであれば、ピストン40の構成は上述したものに限らない。ピストンに対し軸方向に相対移動可能に配置され、一端部がシフト部材に当接するのであれば、ピンの構成は上述したものに限らない。
上記実施形態では、ピストン40の小径部41の端面41bに面して油室11(第1油室)が形成されるとともに、大径部42の端面42bに面して油室12(第2油室)が形成され、さらにピストン40に油室11と油室12とを連通する収容孔43および貫通孔45,46(連通部)が穿設されるようにしたが、第1油室、第2油室および連通部の構成は上述したものに限らない。上記実施形態では、ピン50の端部に当接するとともに、油室11に作用する油圧力に応じて貫通孔45を開閉するチェックボール60を設けるようにしたが、弁体をボールではなく、例えば円錐状に構成してもよい。
上記実施形態では、コイルばね61によりチェックボール60を弁座43aに付勢するようにしたが、付勢部材の構成はこれに限らない。上記実施形態では、ピストン40の収容孔44(収容部)にピン50を移動可能に収容するとともに、チェックボール60が貫通孔45を開放したときに、収容孔44のシール面44a(シール部)とピン50のテーパ面51aとを当接させて隙間14を塞ぐようにしたが、ピストンに設けられる収容部とシール部の構成は上述したものに限らない。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能である。
7 シフトフォーク、10 シフトピストン装置、11,12 油室、40 ピストン、41 小径部、42 大径部、44 収容孔、44a シール面、45,46 貫通孔、50 ピン、60 チェックボール、61 コイルばね

Claims (3)

  1. 変速用のシフト部材を駆動するシフトピストン装置であって、
    シリンダと、
    前記シリンダの内部に軸方向に移動可能に配置され、小径部と大径部とを有するピストンと、
    前記ピストンに対し軸方向に相対移動可能に配置され、一端部が前記シフト部材に当接するピンと、を備え、
    前記ピストンの前記小径部の軸方向端面に面し、油圧源から作動油が供給される第1油室が形成されるとともに、前記ピストンの前記大径部の軸方向端面に面して第2油室が形成され、
    前記ピストンには、前記第1油室と前記第2油室とを連通する連通部が設けられ、
    前記ピンの他端部に当接し、前記第1油室に作用する油圧力に応じて前記連通部を開閉する弁体をさらに備えることを特徴とするシフトピストン装置。
  2. 請求項1に記載のシフトピストン装置において、
    前記連通部に設けられた弁座に向けて前記弁体を付勢する付勢部材をさらに備えることをシフトピストン装置。
  3. 請求項1または2に記載のシフトピストン装置において、
    前記ピストンは、
    前記連通部に連通し、前記ピンを移動可能に収容する収容部と、
    前記ピストンに対する前記ピンの相対移動により前記弁体が押動されて前記連通部が開放されたときに、前記収容部と前記ピンとの間の隙間をシールするシール部と、を有することを特徴とするシフトピストン装置。
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