以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下では、特許請求の範囲における「コージェネレーション装置」は燃料電池装置であるものとして説明するが、これに限定されない。コージェネレーション装置は、ガスを主な駆動源として電力及び熱を生成する装置であればよく、例えば、ガスタービン発電機等であってもよい。
(第1の実施形態)
図1に、第1の実施形態に係る熱電供給システム1の概略構成を示す。なお、図1において、実線はガスライン及び電力ライン等を示し、破線は制御ライン及び情報伝達ラインを示す。熱電供給システム1は、需要家施設に設置され、商用電力系統2及び商用ガス系統3に接続される。熱電供給システム1が設置される需要家施設は、例えば、一般家庭、オフィスビル、飲食店及び商業施設等である。なお、需要家施設がオールガス化を採用している場合、熱電供給システム1は、商用電力系統2に接続されていなくてもよい。
熱電供給システム1は、電力負荷4に、電力を供給する。電力負荷4は、需要家施設に設置される電気機器等であり、電力を消費する。また、熱電供給システム1は、給湯負荷5に、お湯を供給する。給湯負荷5は、需要家施設のお風呂及び温水式床暖房等であり、お湯を消費する。
熱電供給システム1は、蓄電装置10と、燃料電池装置(コージェネレーション装置)11と、貯湯槽11Aと、電力変換装置20と、分電盤21と、エネルギー管理装置30とを備える。なお、蓄電装置10の定格容量は10kWhであるものとする。また、燃料電池装置11の定格出力電力は9kWであるものとする。
蓄電装置10は、例えば、リチウムイオン蓄電池を含む。蓄電装置10は、燃料電池装置11の出力電力によって充電される。なお、蓄電装置10を、商用電力系統2からの電力によって充電することも可能である。蓄電装置10は、充電された電力を放電することで、直流電力を、電力変換装置20に供給する。
燃料電池装置11は、商用ガス系統3から供給されるガスによって、電力及び熱を生成する。燃料電池装置11は、例えば、SOFC(Solid Oxide Fuel Cell)又はPEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)等である。
燃料電池装置11は、商用ガス系統3から供給されるガスを用いた電気化学反応によって、直流電力を発電する。燃料電池装置11は、発電した直流電力を、蓄電装置10及び電力変換装置20の少なくとも1つに供給する。また、燃料電池装置11は、発電に伴って発生した排熱によってお湯を生成し、生成したお湯を貯湯槽11Aに貯めておく。
貯湯槽11Aには、燃料電池装置11の排熱を回収して生成されたお湯が貯められる。貯湯槽11Aに貯められたお湯は、給湯負荷5に供給される。
電力変換装置20は、蓄電装置10及び燃料電池装置11の少なくとも1つから供給される直流電力を交流電力に変換する。電力変換装置20は、変換後の交流電力を、分電盤21を介して、電力負荷4に供給する。
また、電力変換装置20は、蓄電装置10を商用電力系統2からの電力によって充電するとき、まず、商用電力系統2から供給される交流電力を直流電力に変換する。次に、電力変換装置20は、変換後の直流電力を蓄電装置10に供給する。
分電盤21は、電力変換装置20から供給される電力を、電力負荷4に分配する。また、分電盤21は、商用電力系統2から供給される電力を、電力負荷4に分配することもできる。
エネルギー管理装置30は、蓄電装置10及び燃料電池装置11を管理する。なお、本実施形態では、需要家施設に設置されるエネルギー管理装置30によって蓄電装置10等を制御する例を説明するが、外部のサーバによって蓄電装置10等を制御することも可能である。エネルギー管理装置30は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備える。
通信部31は、蓄電装置10、燃料電池装置11及び電力変換装置20と通信する。また、通信部31は、ネットワークを介して、外部のサーバと通信可能である。
記憶部32は、エネルギー管理装置30の処理に必要な情報及びエネルギー管理装置30の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを記憶している。記憶部32は、例えば、後述の電力需要情報、熱需要情報及びガス供給情報等を記憶している。
制御部33は、エネルギー管理装置30全体を制御及び管理するものである。制御部33は、例えば、各機能の処理を実行させるソフトウェアを読込んだ汎用のCPU(中央処理装置)等の任意のプロセッサによって構成されてもよい。又は、制御部33は、例えば、各機能の処理特化した専用のプロセッサによって構成されてもよい。
本実施形態では、制御部33は、需要家施設の消費電力が所定値を下回る第1時間帯に、燃料電池装置11の出力電力によって、蓄電装置10を充電するよう制御する。制御部33は、例えば、この処理を行う前日に、第1時間帯を抽出する。以下、前日に第1時間帯を抽出するときの制御部33の処理の一例について説明する。
制御部33は、翌日の、需要家施設の電力需要情報を取得する。電力需要情報には、例えば、1日における電力負荷4の消費電力の情報が含まれる。
例えば、制御部33は、電力需要情報を予測値として取得してもよい。この場合、制御部33は、予め、記憶部32に、1日における電力負荷4の消費電力を時刻に対応付けて記憶させておく。そして、制御部33は、記憶部32に予め記憶されている、電力負荷4の消費電力を取得することで、予測値としての電力需要情報を取得する。このとき、制御部33は、翌日の気温と同程度の気温であった過去日における電力需要情報を、記憶部32から読み出し、電力需要情報の予測値として取得してもよい。また、制御部33は、電力需要情報の1週間分の平均値を、電力需要情報の予測値として取得してもよい。
制御部33は、需要家施設の電力需要情報に基づき、需要家施設の消費電力が所定値を下回る第1時間帯を抽出する。以下では、所定値は、燃料電池装置11の定格出力電力(9kW)であるものとするが、これに限定されない。所定値は、例えば、燃料電池装置11の定格出力電力から所定のマージン値を減算した値であってもよい。
図2に、需要家施設の1日における消費電力及び消費熱量の一例を示す。消費熱量とは、給湯負荷5が消費するお湯を生成するときに必要な熱量である。なお、図2に示す時刻は、その時刻から、その時刻の1時間後の時刻までの時間帯を示すものとする。例えば、図2に示す1時は、1時から2時までの時間帯を示すものとする。これは、後述の図3〜図8についても同様とする。
図2には、オフィスビルのような需要家施設の1日における消費電力及び消費熱量が示されている。オフィスビルのような需要家施設では、図2に示すように、昼間の時間帯における消費電力の方が、夜間の時間帯における消費電力よりも大きくなる。図2の例では、夜間から朝方に掛けての時間帯である1時〜8時の時間帯に、需要家施設の消費電力が燃料電池装置11の定格出力電力(9kW)を下回る。このため、制御部33は、1時〜8時の時間帯を、第1時間帯として抽出する。
さらに、制御部33は、需要家施設の熱需要情報又はガス供給情報に基づき、抽出した第1時間帯において、燃料電池装置11を、第1運転モード又は第2運転モードで運転させる。第1運転モードとは、燃料電池装置11が、電力負荷4に供給する電力を生成しつつ、第1時間帯にわたって、蓄電装置10を充電するための電力を生成する運転モードである。また、第2運転モードとは、燃料電池装置11が、電力負荷4に供給する電力を生成しつつ、第2時間帯に、蓄電装置10を充電するための電力を生成する運転モードである。なお、第2時間帯とは、第1時間帯の一部の時間帯である。
以下、制御部33が、需要家施設の熱需要情報に基づき、燃料電池装置11を、第1運転モード又は第2運転モードで運転させるときの処理の詳細について説明する。
<熱需要情報に基づく処理>
制御部33は、翌日の、需要家施設の熱需要情報を取得する。熱需要情報には、例えば、1日における給湯負荷5の消費熱量の情報が含まれる。
例えば、制御部33は、熱需要情報を予測値として取得してもよい。この場合、制御部33は、予め、記憶部32に、1日における給湯負荷5の消費熱量を時刻に対応付けて記憶させておく。そして、制御部33は、記憶部32に予め記憶されている、給湯負荷5の消費熱量を取得することで、予測値としての熱需要情報を取得する。このとき、制御部33は、翌日の気温と同程度の気温であった過去日における熱需要情報を、記憶部32から読み出し、熱需要情報の予測値として取得してもよい。また、制御部33は、熱需要情報の1週間分の平均値を、熱需要情報の予測値として取得してもよい。
ここで、本実施形態では、需要家施設の熱需要情報に含まれる1日当たりの消費熱量が小さいとき、燃料電池装置11を第1運転モードで運転させる。これは、詳しくは後述するが、燃料電池装置11を第1運転モードで運転させた方が、燃料電池装置11を第2運転モードで運転させるよりも、ガス消費量が小さくなるためである。一方、本実施形態では、需要家施設の熱需要情報に含まれる1日当たりの消費熱量が大きいとき、燃料電池装置11を第2運転モードで運転させる。これは、詳しくは後述するが、燃料電池装置11を第2運転モードで運転させた方が、燃料電池装置11を第1運転モードで運転させるよりも、燃料電池装置11の排熱量が増加するためである。燃料電池装置11の排熱量が増加すれば、燃料電池装置11の排熱によって生成されるお湯の量も増加する。以下、この処理の詳細について説明する。なお、本実施形態では、1日当たりの消費熱量で判定する場合を例として説明しているが、判定する期間は1日に限るものではなく、予め定めた所定期間であってよい。
制御部33は、上述の1日当たりの消費熱量が大きいか否かの判定のため、1日当たりの消費熱量が第1閾値を上回るか否か判定する。
制御部33は、1日当たりの消費熱量が第1閾値以下になると判定したとき、第1時間帯において、燃料電池装置11を、第1運転モードで運転させる。第1運転モードとは、上述のように、燃料電池装置11が、電力負荷4に供給する電力を生成しつつ、第1時間帯にわたって、蓄電装置10を充電するための電力を生成する運転モードである。
例えば、第1運転モードにおいて、制御部33は、需要家施設の消費電力と第1電力とを足し合わせた値の電力を、燃料電池装置11に生成させる。第1電力とは、蓄電装置10を充電するための電力である。第1電力は、蓄電装置10の空き容量を第1時間帯の時間で除算することで算出される。空き容量とは、例えば、蓄電装置10の定格容量から蓄電装置10の蓄電量を減算したものである。このように制御したときの燃料電池装置11の出力電力の一例を図3に示す。
図3には、図2に示す1時〜8時の第1時間帯に燃料電池装置11を第1運転モードで運転させたときの燃料電池装置11の出力電力の一例が示されている。図2の例では、第1時間帯の時間は、1時から8時までの7時間である。また、蓄電装置10の空き容量は10kWhであるものとする。このとき、第1電力は、蓄電装置10の空き容量10kWhを第1時間帯の時間である7時間で除算した値、すなわち、1.43kW(=10kWh÷7時間)と算出される。従って、1時〜8時の第1時間帯において、燃料電池装置11の出力電力は、図2に示す消費電力(電力負荷4の消費電力)と、1.43kWとを足し合わせた値になる。
さらに、制御部33は、第1時間帯に、すなわち、燃料電池装置11が第1運転モードで運転しているときに、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電するよう制御する。図3に示す1時〜8時の第1時間帯に、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電するときの蓄電装置10の充電量の様子を、図4に示す。
図4には、図3に示す1時〜8時の第1時間帯に、蓄電装置10を充電したときの蓄電装置10の充電量の一例が示されている。図4の例では、蓄電装置10は、8時には、満充電になっている。なお、満充電とは、例えば、蓄電装置10の蓄電量が、蓄電装置10の予め設定された使用可能な蓄電量(例えば、定格容量)の上限値に達した状態である。
このように第1運転モードで運転させると、燃料電池装置11の出力電力は、図3に示すように、例えば第2運転モードで運転させる(図6参照)よりも、第1時間帯にわたり均一性が増す。第1時間帯にわたり均一性が増すことで、燃料電池装置11の出力電力が(例えば定格出力電力の50%(4.5kW)よりも)小さくなる時間帯が、増加する。
ここで、燃料電池装置では、燃料電池装置の負荷率と、燃料電池装置のガス消費量との関係は、非線形になる(なお、燃料電池装置の負荷率は、定格出力電力に対する出力電力の割合であり、負荷率=出力電力/定格出力電力で与えられる)。燃料電池装置の負荷率が所定割合を下回るとき、負荷率が増加しても、ガス消費量はそれほど増加しない(なお、所定割合は、燃料電池装置の固有の特性等によって定まるものであり、燃料電池装置11では、50%程度であるものとする)。一方で、燃料電池装置の負荷率が所定割合以上であるとき、負荷率にほぼ比例して、ガス消費量は増加する。つまり、燃料電池装置では、燃料電池装置の負荷率が所定割合を下回るとき、負荷率が増加してもガス消費量はそれほど増加しないため、ガス消費量を効率よく低減させることができる。
従って、本実施形態では、燃料電池装置11を第1運転モードで運転させることで、燃料電池装置11の負荷率が所定割合50%を下回る時間帯を増加させ、燃料電池装置のガス消費量を低減させる。図5に、図3に示す第1運転モードで燃料電池装置11を運転させたときの燃料電池装置11のガス消費量の一例を示す。図5の例では、燃料電池装置11の第1時間帯(1時〜8時)におけるガス消費量は6.60m3であり、図8に示す第2運転モードで燃料電池装置11を運転させたときの燃料電池装置11のガス消費量よりも、小さくなる。
このように、本実施形態では、制御部33によって、1日当たりの消費熱量が第1閾値以下になると判定したとき、燃料電池装置11を第1運転モードで運転させる。これにより、燃料電池装置11のガス消費量を低減させつつ、商用電力系統2から買電することなく、蓄電装置10を充電することができる。
なお、制御部33は、第1時間帯に、燃料電池装置11を負荷追従運転させ、蓄電装置10を第1電力で充電するように制御してもよい。こうすると、第1時間帯において、燃料電池装置11に対する負荷は、需要家施設の消費電力と、蓄電装置10への第1電力とを足し合わせた値となる。従って、燃料電池装置11は、需要家施設の消費電力と、蓄電装置10への第1電力とを足し合わせた値に、追従するように運転する。つまり、燃料電池装置11の出力電力は、需要家施設の消費電力と、第1電力とを足し合わせた値となる。
一方、制御部33は、1日当たりの消費熱量が第1閾値を上回ると判定したとき、第1時間帯において、燃料電池装置11を、第2運転モードで運転させる。第2運転モードとは、上述のように、燃料電池装置11が、電力負荷4に供給する電力を供給しつつ、第2時間帯に、蓄電装置10を充電するための電力を生成する運転モードである。第2時間帯とは、上述のように、第1時間帯の一部の時間帯である。
例えば、第2運転モードにおいて、制御部33は、第2時間帯を除く第1時間帯では、需要家施設の消費電力と同等の電力を、燃料電池装置11に生成させる。さらに、制御部33は、第2時間帯では、需要家施設の消費電力と、第2電力とを足し合わせた値の電力を、燃料電池装置11に生成させる。第2電力とは、蓄電装置10を充電するための電力である。制御部33は、燃料電池装置11の定格出力電力と、需要家施設の消費電力と、蓄電装置10の空き容量とに基づき、第2電力を設定する。さらに、制御部33は、第2電力の設定に基づき、第2時間帯を設定する。このように制御したときの燃料電池装置11の出力電力の一例を図6に示す。
図6には、図2に示す1時〜8時の第1時間帯に燃料電池装置11を第2運転モードで運転させたときの燃料電池装置11の出力電力の一例が示されている。なお、図6では、第2時間帯が、1時〜3時の時間帯に設定されている。制御部33は、燃料電池装置11の定格出力電力9kWと、図2に示す需要家施設の消費電力と、蓄電装置10の空き容量10kWhとに基づき、第2時間帯のうち1時〜2時の時間帯において、第2電力を6kWに設定している。さらに、制御部33は、第2時間帯のうち2時〜3時の時間帯において、第2電力を4kWに設定している。
以下、第2電力及び第2時間帯を設定するときの制御部33の処理等の一例について説明する。
<第2電力及び第2時間帯を設定する処理>
例えば、制御部33は、燃料電池装置11の定格出力電力から、第1時間帯の最初の1時間(以下「第1時間」という)における需要家施設の消費電力を減算して、第1値を算出する。図6の例では、制御部33は、燃料電池装置11の定格出力電力9kWから、1時〜2時の第1時間における需要家施設の消費電力を減算して、第1値を6kWと算出する。さらに、制御部33は、算出した第1値が蓄電装置10の空き容量よりも大きいか否か判定する。
制御部33は、第1値が蓄電装置10の空き容量よりも大きいと判定したとき、第1時間における第2電力を蓄電装置10の空き容量と同じ値に設定する。次に、制御部33は、第2電力の設定に基づき第2時間帯を設定する。この場合、制御部33は、第1時間を、第2時間帯に設定する。
一方、制御部33は、第1値が蓄電装置10の空き容量よりも小さいと判定したとき、第1時間における第2電力を第1値に設定する。図6の例では、制御部33は、算出した第1値である6kWが蓄電装置10の空き容量10kWよりも小さいため、1時〜2時の第1時間における第2電力を6kWに設定する。その後、制御部33は、燃料電池装置11の定格出力電力から、第1時間の次の1時間(以下「第2時間」という)における需要家施設の消費電力を減算して、第2値を算出する。図6の例では、制御部33は、燃料電池装置11の定格出力電力9kWから、2時〜3時の第2時間における需要家施設の消費電力を減算して、第3値を6kWと算出する。さらに、制御部33は、第2値が、蓄電装置10の空き容量から第1値を減算した値よりも、大きいか否か判定する。
制御部33は、第2値が、蓄電装置10の空き容量から第1値を減算した値よりも、大きいと判定したとき、第2時間における第2電力を、蓄電装置10の空き容量から第1値を減算した値に設定する。さらに、制御部33は、第1時間と第2時間とを合わせた時間帯を、第2時間帯に設定する。図6の例では、算出した第2値である6kWが、蓄電装置10の空き容量から第1値(6kW)を減算した値である4kWよりも、大きい。そのため、制御部33は、2時〜3時の第2時間における第2電力を、蓄電装置10の空き容量から第1値(6kW)を減算した値である4kWに設定する。次に、制御部33は、第2電力の設定に基づき第2時間帯を設定する。この場合、制御部33は、1時〜2時の第1時間と、2時〜3時の第2時間とを合わせた1時〜3時の時間帯を、第2時間帯に設定する。
一方、制御部33は、第2値が、蓄電装置10の空き容量から第1値を減算した値よりも、小さいと判定したとき、第2時間における第2電力を第2値に設定する。その後、制御部33は、燃料電池装置11の定格出力電力から、第2時間の次の1時間(以下「第3時間」という)における需要家施設の消費電力を減算して、第3値を算出する。制御部33は、第3値を用いて、上述の第2値と同様の処理を繰り返し行う。
以上で、第2電力及び第2時間帯を設定するときの制御部33の処理の一例についての説明を終える。
さらに、制御部33は、第2時間帯に、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電するように制御する。図6に示す1時〜3時の第2時間帯に、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電するときの蓄電装置10の充電量の様子を、図7に示す。
図7には、図6に示す1時〜3時の第2時間帯に、蓄電装置10を充電したときの蓄電装置10の充電量の一例が示されている。図7の例では、蓄電装置10は、3時には満充電になっている。
このように第2運転モードで運転させると、第2時間帯における燃料電池装置11の出力電力は、図6に示すように、第1運転モードで運転させたとき(図3参照)よりも、大きくなる。
ここで、燃料電池装置では、燃料電池装置の負荷率と、燃料電池装置の排熱量との関係は、非線形になる。燃料電池装置の負荷率が所定割合を下回るとき、負荷率が増加しても、排熱量はそれほど増加しない。一方で、燃料電池装置の負荷率が所定割合以上となるとき、負荷率にほぼ比例して、排熱量は増加する。つまり、燃料電池装置では、燃料電池装置の負荷率が所定割合以上となるとき、負荷率にほぼ比例して排熱量は増加するため、排熱量を効率よく増加させることができる。
従って、本実施形態では、燃料電池装置11を第2運転モードで運転させることで、燃料電池装置11の負荷率が所定割合(50%)以上となる時間帯を増加させる。これにより、本実施形態では、燃料電池装置11の排熱量を増加させる。図8に、図6に示す第2運転モードで燃料電池装置11を運転させたときの燃料電池装置11のガス消費量の一例を示す。図8の例では、燃料電池装置11の排熱量は41.6kWhである。従って、第2運転モードで燃料電池装置11を運転させたときの排熱量は、図5に示す第1運転モードで燃料電池装置11を運転させたときよりも、増加する。
このように、本実施形態では、制御部33によって、1日当たりの消費熱量が第1閾値を上回ると判定したとき、燃料電池装置11を第2運転モードで運転させる。これにより、燃料電池装置11の排熱量を増加させつつ、商用電力系統2から買電することなく、蓄電装置10を充電することができる。燃料電池装置11の排熱量を増加させることで、燃料電池装置11の排熱によってお湯をより多く生成することが可能になる。
なお、制御部33は、第1時間帯に燃料電池装置11を負荷追従運転させ、第2時間帯に蓄電装置10を第2電力で充電するように制御してもよい。こうすると、第2時間帯において、燃料電池装置11に対する負荷は、需要家施設の消費電力と、蓄電装置10への第2電力とを足し合わせた値となる。従って、燃料電池装置11は、需要家施設の消費電力と、蓄電装置10への第2電力とを足し合わせた値に、追従するように運転する。つまり、燃料電池装置11の出力電力は、第2時間帯において、需要家施設の消費電力と、第2電力とを足し合わせた値となる。
ところで、近々、ガス自由化が実地される。このガス自由化によって、ガス会社によるガスの需要調整が実施されると想定される。ガスの需要調整では、ガス会社から需要家施設へガスDR(デマンドレスポンス)の要請が発動されたり、時間帯によって異なるガス料金が設定されたりすることが想定される。そこで、本実施形態では、これらの事情を考慮した制御部33の処理について説明する。以下、制御部33が、需要家施設のガス供給情報に基づき、燃料電池装置11を、第1運転モード又は第2運転モードで運転させるときの処理の詳細について説明する。
<ガス供給情報に基づく処理>
制御部33は、定期的に、需要家施設のガス供給情報を、外部のサーバから通信部31を介して取得する。ガス供給情報には、例えば、ガス会社(商用ガス系統3)からのガスDRの要請、ガス料金の情報等が含まれる。
制御部33は、ガス供給情報に基づき、ガスDRの要請を取得したか否か判定する。
制御部33は、ガスDRの要請を取得していないと判定したとき、第1時間帯において、燃料電池装置11を、第1運転モードで運転させる(図3参照)。さらに、制御部33は、燃料電池装置11が第1運転モードで運転しているときに、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電するように制御する(図4参照)。
上述のように第1運転モードで運転させると、燃料電池装置11の出力電力は、図3に示すように、例えば第2運転モードで運転させる(図6参照)よりも、第1時間帯にわたり均一性が増す。第1時間帯にわたり均一性が増すことで、燃料電池装置11の出力電力(例えば定格出力電力の50%(4.5kW)よりも)小さくなる時間帯が、増加する。これにより、上述のように、本実施形態では、ガス消費量を低減させることができる。
なお、制御部33は、上述と同様に、第1時間帯に、燃料電池装置11を負荷追従運転させ、蓄電装置10を第1電力で充電するように制御してもよい。
一方、制御部33は、ガスDRの要請を取得したと判定したとき、さらに、ガスDRの要請によってガス消費を低減させるように要請されている時間帯が第1時間帯に含まれるか否か判定する。
制御部33は、ガス消費を低減させるように要請されている時間帯が第1時間帯に含まれないと判定したとき、ガスDRの要請を取得していないと判定したときと同様の処理を行う。
制御部33は、ガス消費を低減させるように要請されている時間帯が第1時間帯に含まれると判定したとき、第1時間帯において、ガス消費の低減を要請されている時間帯と重ならないように第2時間帯を設定して、燃料電池装置11を、第2運転モードで運転させる。さらに、制御部33は、ガス消費を低減させるように要請されていない時間帯を、第2時間帯に設定する。例えば、第1時間帯が図2に示す1時〜8時の時間帯であり、1時〜3時の時間帯がガス消費を低減させるように要請されていない時間帯であるとする。この場合、制御部33は、1時〜3時の時間帯を第2時間帯に設定する(図6参照)。
加えて、制御部33は、蓄電装置10の空き容量と、設定した第2時間帯とに基づき、第2電力を設定する。例えば、制御部33は、設定した第2時間帯における第2電力の積分値が蓄電装置10の空き容量の値と同一となるように、第2電力を設定する。
さらに、制御部33は、第2時間帯に、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電するように制御する(図7参照)。
このように第2運転モードで運転させると、ガス消費を低減させるように要請されていない第2時間帯(図8の例では、1時〜3時の時間帯)に蓄電装置10を充電することが可能になる。言い換えれば、ガスDRの要請によってガス消費を低減させるように要請されている時間帯では、燃料電池装置11のガス消費量を抑えることが可能になる。
なお、制御部33は、上述と同様に、第1時間帯に燃料電池装置11を負荷追従運転させ、第2時間帯に蓄電装置10を第2電力で充電するように制御してもよい。
なお、制御部33は、ガスDRの要請を取得したか否か判定する代わりに、時間帯によってガス料金が異なるか否か判定してもよい。さらに、制御部33は、時間帯によってガス料金が異なると判定しないときに、燃料電池装置11の運転モードを、第1運転モードに決定してもよい。また、制御部33は、時間帯によってガス料金が異なると判定したときに、燃料電池装置11の運転モードを、第2運転モードに決定してもよい。この場合、制御部33は、ガス料金が安くなる時間帯を第2時間帯として設定する。
以上のように、本実施形態では、制御部33は、需要家施設の消費電力が小さくなる時間帯を第1時間帯として抽出する。さらに、制御部33は、上記の<熱需要情報に基づく処理>及び<ガス供給情報に基づく処理>で説明したように、抽出した第1時間帯に、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電しておく。これにより、第1時間帯以外の時間帯は、蓄電装置10からの放電電力(又は燃料電池装置11の出力電力)によって、電力負荷4に電力を供給することが可能になる。つまり、第1時間帯に蓄電装置10を充電しておくことで、商用電力系統2からの買電電力を低減させることが可能になる。図2の例では、制御部33は、0時〜1時及び8時〜23時の時間帯、商用電力系統2からの買電電力を低減させることが可能になる。
<熱需要情報に基づく動作>
エネルギー管理装置30が、需要家施設の熱需要情報に基づき、蓄電装置10及び燃料電池装置11を制御するときの動作を、図9を参照して説明する。なお、図9に示す処理は、前日に行われるものとする。
まず、制御部33は、翌日の、需要家施設の電力需要情報及び熱需要情報を取得する(ステップS101)。制御部33は、需要家施設の電力需要情報に基づき、需要家施設の消費電力が所定値を下回る第1時間帯を抽出する(ステップS102)。制御部33は、図2において、所定値が燃料電池装置11の定格出力電力(9kW)である場合、1時〜8時の時間帯を、第1時間帯として抽出する。
このようなステップS101,S102の処理によって、需要家施設の消費電力が大きくなく、燃料電池装置11の出力電力に余裕がある時間帯が第1時間帯として抽出される。言い換えれば、商用電力系統2から買電することなく、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電することができる時間帯が第1時間帯として抽出される。
制御部33は、1日当たりの消費熱量が第1閾値を上回るか否か判定する(ステップS103)。制御部33は、1日当たりの消費熱量が第1閾値以下になると判定したとき(ステップS103:No)、ステップS104の処理に進む。一方、制御部33は、1日当たりの消費熱量が第1閾値を上回ると判定したとき(ステップS103:Yes)、ステップS106の処理に進む。
ステップS104の処理では、制御部33は、ステップS102の処理で抽出した第1時間帯における燃料電池装置11の運転モードを、第1運転モードに決定する。従って、制御部33は、翌日の第1時間帯において、燃料電池装置11を第1運転モードで運転させる(図3参照)。
ステップS105の処理では、制御部33は、蓄電装置10を充電する時間帯を、第1時間帯に決定する。従って、制御部33は、翌日の第1時間帯に、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電するよう制御する(図4参照)。
このようなステップS105等の処理によって、給湯負荷5が消費する給湯量が小さく、1日当たりの消費熱量が第1閾値以下となるとき、燃料電池装置11は、第1運転モードで運転する。これにより、本実施形態では、燃料電池装置11のガス消費量を低減させつつ、蓄電装置10を充電することが可能になる。
ステップS106の処理では、制御部33は、ステップS102の処理で抽出した第1時間帯における燃料電池装置11の運転モードを、第2運転モードに決定する。従って、制御部33は、翌日の第1時間帯において、燃料電池装置11を第2運転モードで運転させる(図6参照)。
ステップS107の処理では、制御部33は、蓄電装置10を充電する時間帯を、第2時間帯に決定する。従って、制御部33は、翌日の第2時間帯に、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電するよう制御する(図7参照)。
このようなステップS107等の処理によって、給湯負荷5が消費する給湯量が大きく、1日当たりの消費熱量が第1閾値以上となるとき、燃料電池装置11は、第2運転モードで運転する。これにより、燃料電池装置11の排熱量を増加させつつ、蓄電装置10を充電することが可能になる。燃料電池装置11の排熱量を増加させることで、燃料電池装置11の排熱によってお湯をより多く生成することが可能になる。
<ガス供給情報に基づく動作>
エネルギー管理装置30が、需要家施設のガス供給情報に基づき、蓄電装置10及び燃料電池装置11を制御するときの動作を、図10を参照して説明する。なお、図10に示す処理は、前日に行われるものとする。
まず、制御部33は、翌日の、需要家施設の電力需要情報を取得する(ステップS201)。さらに、制御部33は、図9に示すステップS102の処理と同様にして、ステップ202の処理を行う。
次に、制御部33は、ガス会社(商用ガス系統3)から、ガスDRの要請を取得したか否か判定する(ステップS203)。制御部33は、ガス会社からガスDRの要請を取得しないと判定したとき(ステップS203:No)、ステップS205の処理に進む。一方、制御部33は、ガス会社からガスDRの要請を取得したと判定したとき(ステップS203:Yes)、ステップS204の処理に進む。
ステップS204の処理では、制御部33は、ガスDRの要請によってガス消費を低減させるように要請されている時間帯が第1時間帯に含まれるか否か判定する。制御部33は、ガス消費を低減させるように要請されている時間帯が第1時間帯に含まれると判定したとき(ステップS204:Yes)、ステップS207の処理に進む。一方、制御部33は、ガス消費を低減させるように要請されている時間帯が第1時間帯に含まれないと判定したとき(ステップS204:No)、ステップS205の処理に進む。
制御部33は、図9に示すステップS104,S105の処理と同様にして、ステップS205,S206の処理を行う。
このようなステップS203〜S206の処理によって、ガス会社がガスDRの要請を発動していないとき等、制御部33は、燃料電池装置11を第1運転モードで運転させる。これにより、本実施形態では、燃料電池装置11のガス消費量を低減させつつ、蓄電装置10を充電することが可能になる。
ステップS207の処理では、制御部33は、ステップS202の処理で抽出した第1時間帯における燃料電池装置11の運転モードを、第2運転モードに決定する。さらに、ステップS207の処理では、制御部33は、ガスDRの要請によってガス消費を低減させるように要請されていない時間帯を第2時間帯に設定する。従って、制御部33は、翌日の第1時間帯において燃料電池装置11を第2運転モードで運転させる。
ステップS208の処理では、蓄電装置10を充電する時間帯を、ステップS207の処理によって設定した第2時間帯に決定する。従って、制御部33は、翌日の第2時間帯に、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電するよう制御する(図7参照)。
このようなステップS207等の処理によって、ガス会社がガスDRの要請を発動しているとき等では、ガス消費を低減させるように要請されていない時間帯が第2時間帯に設定される。これにより、ガス消費を低減させるように要請されていない第2時間帯に、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電することが可能になる。さらに、ガスDRの要請によってガスを低減させるように要請されている時間帯では、燃料電池装置11のガス消費量を抑えることが可能になる。
なお、ステップS203の処理において、制御部33は、ガスDRの要請を取得したか否か判定する代わりに、時間帯によってガス料金が異なるか否か判定してもよい。さらに、制御部33は、時間帯によってガス料金が異なると判定しないときに、ステップS205の処理によって燃料電池装置11の運転モードを、第1運転モードに決定してもよい。また、制御部33は、時間帯によってガス料金が異なると判定したときに、ステップS207の処理によって、燃料電池装置11の運転モードを、第2運転モードに決定してもよい。この場合、制御部33は、ガス料金が安くなる時間帯を第2時間帯として設定する。
以上のように、第1の実施形態では、需要家施設の消費電力が小さくなる第1時間帯に、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10が充電される。これにより、本実施形態では、第1時間帯以外の時間帯は、蓄電装置10からの放電電力(又は燃料電池装置11の出力電力)によって、電力負荷4に電力を供給することが可能になる。つまり、第1時間帯に蓄電装置10を充電しておくことで、商用電力系統2からの買電電力を低減させることが可能になる。従って、本実施形態では、燃料電池装置及び蓄電装置といった、多様な電源装置を効率よく制御することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る熱電供給システム1aについて説明する。以下では、第1の実施形態に係る熱電供給システム1との相違点を主に説明する。
図11に、第2の実施形態に係る熱電供給システム1aの概略構成を示す。なお、図11に示す構成要素において、図1に示す構成要素と同一の構成要素には、同一符号を付し、その説明を省略する。
熱電供給システム1aは、蓄電装置10と、燃料電池装置11と、貯湯槽11Aと、太陽光発電装置12と、電力変換装置20と、分電盤21と、エネルギー管理装置30とを備える。蓄電装置10の定格容量は10kWhであるものとする。また、燃料電池装置11の定格出力電力は9kWであるものとする。また、太陽光発電装置12の定格出力電力は5kWであるものとする。
蓄電装置10は、燃料電池装置11の出力電力によって充電される。さらに、第2の実施形態では、蓄電装置10を、太陽光発電装置12の発電電力によって充電することも可能である。
太陽光発電装置12は、例えば、需要家施設の屋根等に設置される。太陽光発電装置12は、太陽光のエネルギーから電力を発電する。太陽光発電装置12は、発電した電力を、蓄電装置10に供給する。太陽光発電装置12は、発電した直流電力を、蓄電装置10及び電力変換装置20の少なくとも1つに供給する。
なお、需要家施設が電力会社(商用電力系統2)と売電契約をしている場合、太陽光発電装置12の発電電力を商用電力系統2へ逆潮流させて売電することも可能である。
第2の実施形態では、電力変換装置20は、蓄電装置10、燃料電池装置11及び太陽光発電装置12の少なくとも1つから供給される直流電力を交流電力に変換する。電力変換装置20は、変換後の交流電力を、分電盤21を介して、電力負荷4に供給する。
制御部33は、需要家施設の消費電力が所定値を下回る第1時間帯に、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電するように制御する。さらに、第2の実施形態では、制御部33は、第1時間帯に、燃料電池装置11の出力電力と、太陽光発電装置12の発電電力とによって、蓄電装置10を充電することも可能である。以下、前日に第1時間帯を抽出するときの制御部33の処理の一例について説明する。
制御部33は、第1の実施形態と同様に、翌日の、需要家施設の電力情報を取得する。さらに、第2の実施形態では、制御部33は、太陽光発電装置12の発電量の情報を取得する。
例えば、制御部33は、太陽光発電装置12の発電量の情報を、予測値として取得してもよい。この場合、制御部33は、予め、記憶部32に、1日における太陽光発電装置12の発電電力を時刻に対応付けて記憶させておく。そして、制御部33は、記憶部32に予め記憶されている、太陽光発電装置12の発電電力を取得することで、予測値としての太陽光発電装置12の発電量の情報を取得する。このとき、制御部33は、翌日の気温と同程度の気温であった過去日における太陽光発電装置12の発電電力を、記憶部32から読み出してもよい。そして、制御部33は、その読み出した過去日における太陽光発電装置12の発電電力を、太陽光発電装置12の発電量の情報の予測値として取得してもよい。また、制御部33は、太陽光発電装置12の発電電力の1週間分の平均値を、太陽光発電装置12の発電量の情報の予測値として取得してもよい。
制御部33は、第1の実施形態と同様に、需要家施設の電力需要情報に基づき、需要家施設の消費電力が所定値を下回る第1時間帯を抽出する。以下では、所定値は、燃料電池装置11の定格出力電力(9kW)であるものとするが、これに限定されない。所定値は、例えば、燃料電池装置11の定格出力電力から所定のマージン値を減算した値であってもよい。また、所定値は、例えば、燃料電池装置11の定格出力電力と、太陽光発電装置12の発電量の情報とに基づき設定される値であってもよい。
図12に、需要家施設の1日における消費電力及び消費熱量、及び、太陽光発電装置12の発電電力の一例を示す。なお、図12に示す時刻は、その時刻から、その時刻の1時間後の時刻までの時間帯を示すものとする。例えば、図12に示す1時は、1時から2時までの時間帯を示すものとする。これは、後述の図13〜図18についても同様とする。
図12には、一般家庭のような需要家施設の1日における消費電力等が示されている。一般家庭のような需要家施設では、図12に示すように、夜間の時間帯における消費電力の方が、昼間の時間帯における消費電力よりも大きい。図12の例では、昼間の時間帯である9時〜17時の時間帯に、需要家施設の消費電力が燃料電池装置11の定格出力電力(9kW)を下回る。このため、制御部33は、9時〜17時の時間帯を、第1時間帯として抽出する。
制御部33は、需要家施設の熱需要情報又はガス供給情報に基づき、抽出した第1時間帯において、燃料電池装置11を、第1運転モード又は第2運転モードで運転させる。
以下、制御部33が、需要家施設の熱需要情報に基づき、燃料電池装置11を、第1運転モード又は第2運転モードで運転させるときの処理の詳細について説明する。
<熱需要情報に基づく処理>
制御部33は、第1の実施形態と同様に、翌日の、需要家施設の熱需要情報を取得する。制御部33は、取得した需要家施設の熱需要情報に基づき、1日当たりの消費熱量が第1閾値を上回るか否か判定する。
制御部33は、1日当たりの消費熱量が第1閾値以下になると判定したとき、第1時間帯において、燃料電池装置11を、第1運転モードで運転させる。
例えば、第1運転モードにおいて、制御部33は、需要家施設の消費電力から太陽光発電装置12の発電電力を減算した値と、第1電力とを足し合わせた値の電力を、燃料電池装置11に生成させる。この場合、太陽光発電装置12の発電電力は、電力負荷4に供給される。また、この例では、蓄電装置10は、燃料電池装置11の出力電力のみによって充電される。このように制御したときの燃料電池装置11の出力電力の様子を、図13に示す。
図13には、図12に示す9時〜17時の第1時間帯に、燃料電池装置11を第1運転モードで運転させたときの燃料電池装置11の出力電力、及び、太陽光発電装置12の発電電力の一例が示されている。図12の例では、第1時間帯の時間は8時間である。また、蓄電装置10の空き容量は10kWhであるものとする。このとき、第1電力は、1.25kW(=10kWh÷8h)と算出される。従って、図13に示すように、9時〜17時の第1時間帯において、燃料電池装置11の出力電力は、図12に示す消費電力から、太陽光発電装置12の発電電力を減算した値と、1.25kWとを足し合わせた値になる。
なお、例えば、第1運転モードにおいて、制御部33は、需要家施設の消費電力と、第3電力とを足し合わせた値の電力を、燃料電池装置11に生成させてもよい。第3電力とは、蓄電装置10を充電するための電力であり、燃料電池装置11から蓄電装置10に供給される電力である。第3電力は、蓄電装置10の空き容量から、第1時間帯における太陽光発電装置12の発電電力量を減算して算出される値を、第1時間帯で除算することで算出される。この例では、蓄電装置10は、燃料電池装置11の出力電力及び太陽光発電装置12の発電電力の両方によって、充電される。
また、例えば、第1運転モードにおいて、制御部33は、第1の実施形態と同様に、需要家施設の消費電力と、第1電力とを足し合わせた値の電力を、燃料電池装置11に生成させてもよい。この場合、太陽光発電装置12の発電電力を、商用電力系統2へ逆潮流させて売電してもよい。また、この例では、蓄電装置10は、燃料電池装置11の出力電力のみによって充電される。
制御部33は、第1時間帯、すなわち、燃料電池装置11が第1運転モードで運転しているときに、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電するよう制御する。図13に示す9時〜17時の第1時間帯に、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電するときの蓄電装置10の充電量の様子を、図14に示す。
図14には、図13に示す9時〜17時の第1時間帯に、蓄電装置10を充電したときの蓄電装置10の充電量の一例が示されている。図14の例では、蓄電装置10は、17時には満充電になっている。
このように第1運転モードで運転させると、燃料電池装置11の出力電力は、図13に示すように、例えば第2運転モードで運転させる(図16参照)よりも、第1時間帯にわたり均一性が増す。第1時間帯にわたり均一性が増すことで、燃料電池装置11の出力電力が(例えば定格出力電力の50%(4.5kW)よりも)小さくなる時間帯が、増加する。
ここで、第1の実施形態で説明したように、燃料電池装置では、燃料電池装置の負荷率が所定割合(50%)を下回るとき、ガス消費量を効率よく低減させることができる。従って、本実施形態では、燃料電池装置11を第1運転モードで運転させることで、燃料電池装置11の負荷率が所定割合を下回る時間帯を増加させ、燃料電池装置のガス消費量を低減させる。図15に、図13に示す第1運転モードで燃料電池装置11を運転させたときの燃料電池装置11のガス消費量の一例を示す。図15の例では、燃料電池装置11の第1時間帯(1時〜8時)におけるガス消費量は5.17m3であり、図18に示す第2運転モードで燃料電池装置11を運転させたときの燃料電池装置11のガス消費量よりも、小さくなる。
このように、本実施形態では、制御部33によって、1日当たりの消費熱量が第1閾値以下になると判定したとき、燃料電池装置11を第1運転モードで運転させる。これにより、燃料電池装置11のガス消費量を低減させつつ、商用電力系統2から買電することなく、蓄電装置10を充電することができる。
なお、制御部33は、上述の第1電力を用いる場合、第1の実施形態と同様に、第1時間帯に、燃料電池装置11を負荷追従運転させ、蓄電装置10を第1電力で充電するように制御してもよい。
また、制御部33は、上述の第3電力を用いる場合、第1時間帯に、燃料電池装置11を負荷追従運転させ、蓄電装置10を第3電力で充電するように制御してもよい。こうすると、第1時間帯において、燃料電池装置11に対する負荷は、需要家施設の消費電力と、蓄電装置10への第3電力とを足し合わせた値となる。従って、燃料電池装置は、需要家施設の消費電力と、蓄電装置10への第3電力とを足し合わせた値に、追従するように運転する。つまり、燃料電池装置11の出力電力は、需要家施設の消費電力と、第3電力とを足し合わせた値となる。
一方、制御部33は、1日当たりの消費熱量が第1閾値を上回ると判定したとき、第1時間帯において、燃料電池装置11を、第2運転モードで運転させる。
例えば、第2運転モードにおいて、制御部33は、第2時間帯を除く第1時間帯では、需要家施設の消費電力から太陽光発電装置12の発電電力を減算した値と同等の電力を、燃料電池装置11に生成させる。さらに、制御部33は、第2時間帯では、需要家施設の消費電力と、第2電力とを足し合わせた値の電力を、燃料電池装置11に生成させる。
第2の実施形態では、制御部33は、燃料電池装置11の定格出力電力と、需要家施設の消費電力と、太陽光発電装置12の発電電力と、蓄電装置10の定格容量とに基づき、第2電力を設定する。さらに、制御部33は、第2電力の設定に基づき、第2時間帯を設定する。
例えば、制御部33は、第1の実施形態の<第2電力及び第2時間帯を設定する処理>で説明したようにして、第2電力及び第2時間帯を設定することができる。この場合に、例えば、第1値を算出するとき、制御部33は、まず、燃料電池装置11の定格出力電力から、第1時間における需要家施設の消費電力を減算して、減算値を算出する。次に、制御部33は、算出した減算値から、第1時間における太陽光発電装置12の発電電力を減算して、第1値を算出する。第2値等についても同様である。この例では、蓄電装置10は、燃料電池装置11の出力電力及び太陽光発電装置12の発電電力の両方によって、充電される。このように制御したときの燃料電池装置11の出力電力の様子を、図16に示す。
図16には、図12に示す9時〜17時の第1時間帯に、燃料電池装置11を第2運転モードで運転させたときの燃料電池装置11の出力電力の一例が示されている。なお、図16では、第2時間帯が、9時〜12時の時間帯に設定されている。制御部33は、燃料電池装置11の定格出力電力と、図12に示す需要家施設の消費電力及び太陽光発電装置12の発電電力と、蓄電装置10の空き容量10kWhとに基づき、第2時間帯のうち9時〜10時の時間帯において、第2電力を3kWに設定している。また、制御部33は、第2時間帯のうち10時〜11時の時間帯において、第2電力を4kWに設定している。また、制御部33は、第2時間帯のうち11時から12時の時間帯において、第2電力を3kWに設定している。なお、矢印Aで示す部分の電力は、太陽光発電装置12の余剰発電電力である。この余剰発電電力を、商用電力系統2へ逆潮流させて売電してもよい。
なお、制御部33は、第1の実施形態と同様に、燃料電池装置11の定格出力電力と、需要家施設の消費電力と、蓄電装置10の空き容量とに基づき、第2電力及び第2時間帯を設定してもよい。つまり、制御部33は、第1の実施形態の<第2電力及び第2時間帯を設定する処理>と同様にして、第2電力及び第2時間帯を設定してもよい。この場合、太陽光発電装置12の発電電力を、商用電力系統2へ逆潮流させて売電してもよい。また、この例では、蓄電装置10は、燃料電池装置11の出力電力のみによって充電される。
なお、制御部33は、第2時間帯では、需要家施設の消費電力から太陽光発電装置123の発電電力を減算した値と、第2電力とを足し合わせた値の電力を、燃料電池装置11に生成させてもよい。この場合、制御部33は、第1の実施形態と同様に、燃料電池装置11の定格出力電力と、需要家施設の消費電力と、蓄電装置10の空き容量とに基づき、第2電力及び第2時間帯を設定してもよい。つまり、制御部33は、第1の実施形態の<第2電力及び第2時間帯を設定する処理>と同様にして、第2電力及び第2時間帯を設定してもよい。この例では、太陽光発電装置12の発電電力は、電力負荷4に供給される。さらに、この例では、蓄電装置10は、燃料電池装置11の出力電力のみによって充電される。
加えて、制御部33は、第2時間帯に、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電するように制御する。図16に示す9時〜12時の第2時間帯に、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電するときの蓄電装置10の充電量の様子を、図17に示す。
図17には、図16に示す9時〜12時の第2時間帯に、蓄電装置10を充電したときの蓄電装置10の充電量の一例が示されている。図17の例では、蓄電装置10は、12時には満充電になっている。
このように第2運転モードで運転させると、第2時間帯における燃料電池装置11の出力電力は、図16に示すように、第1運転モードで運転させたとき(図13参照)よりも、大きくなる。
ここで、第1の実施形態で説明したように、燃料電池装置では、燃料電池装置の負荷率が所定割合(50%)以上となるとき、排熱量を効率よく増加させることができる。従って、本実施形態では、燃料電池装置11を第2運転モードで運転させることで、燃料電池装置11の負荷率が所定割合以上となる時間帯を増加させ、燃料電池装置11の排熱量を増加させる。図18に、図16に示す第2運転モードで燃料電池装置11を運転させたときの燃料電池装置11のガス消費量の一例を示す。図18の例では、燃料電池装置11の排熱量は38.7kWhである。第2運転モードで燃料電池装置11を運転させたときの排熱量は、図15に示す第1運転モードで燃料電池装置11を運転させたときよりも、増加する。
このように、本実施形態では、制御部33によって、1日当たりの消費熱量が第1閾値を上回ると判定したとき、燃料電池装置11を第2運転モードで運転させる。これにより、燃料電池装置11の排熱量を増加させつつ、商用電力系統2から買電することなく、蓄電装置10を充電することができる。燃料電池装置11の排熱量を増加させることで、燃料電池装置11の排熱によってお湯をより多く生成することが可能になる。
なお、制御部33は、第1の実施形態で説明したように、第1時間帯に燃料電池装置11を負荷追従運転させ、第2時間帯に蓄電装置10を第2電力で充電するように制御してもよい。
次に、制御部33が、需要家施設のガス供給情報に基づき、燃料電池装置11を、第1運転モード又は第2運転モードで運転させるときの処理の詳細について説明する。
<ガス供給情報に基づく処理>
制御部33は、第1の実施形態と同様に、定期的に、需要家施設のガス供給情報を、外部のサーバから通信部31を介して取得する。
制御部33は、ガス供給情報に基づき、ガスDRの要請を取得したか否か判定する。
制御部33は、ガスDRの要請を取得していないと判定したとき、第1時間帯において、燃料電池装置11を、第1運転モードで運転させる(図13参照)。さらに、制御部33は、燃料電池装置11が第1運転モードで運転しているときに、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電するように制御する(図14参照)。
上述のように第1運転モードで運転させると、燃料電池装置11の出力電力は、図13に示すように、例えば第2運転モードで運転させる(図16参照)よりも、第1時間帯にわたり均一性が増す。第1時間帯にわたり均一性が増すことで、燃料電池装置11の出力電力が(例えば定格出力電力の50%(4.5kW)よりも)小さくなる時間帯が、増加する。これにより、上述のように、本実施形態では、ガス消費量を低減させることができる。
なお、制御部33は、第3電力を用いる場合、上述のように、第1時間帯に、燃料電池装置11を負荷追従運転させ、蓄電装置10を第3電力で充電するように制御してもよい。また、制御部33は、第1電力を用いる場合、第1の実施形態で説明したように、第1時間帯に、燃料電池装置11を負荷追従運転させ、蓄電装置10を第1電力で充電するように制御してもよい。
一方、制御部33は、ガスDRの要請を取得したと判定したとき、さらに、ガスDRの要請によってガス消費を低減させるように要請されている時間帯が第1時間帯に含まれるか否か判定する。
制御部33は、ガス消費を低減させるように要請されている時間帯が第1時間帯に含まれないと判定したとき、ガスDRの要請を取得していないと判定したときと同様の処理を行う。
制御部33は、ガス消費を低減させるように要請されている時間帯が第1時間帯に含まれると判定したとき、第1時間帯において、燃料電池装置11を、第2運転モード運転させる。さらに、制御部33は、ガスDRの要請によってガス消費を低減させるように要請されていない時間帯を、第2時間帯に設定する。例えば、第1時間帯が図12に示す9時〜17時の時間帯であり、9時〜12時の時間帯がガス消費を低減させるように要請されていない時間帯であるとする。この場合、制御部33は、9時〜12時の時間帯を第2時間帯に設定する(図16参照)。
加えて、制御部33は、太陽光発電装置12の発電電力と、蓄電装置10の空き容量と、設定した第2時間帯とに基づき、第2電力を設定する。
例えば、制御部33は、設定した第2時間帯における第2電力の積分値と、設定した第2時間帯における太陽光発電装置12の発電電力が蓄電装置10の空き容量の値と同一となるように、第2電力を設定する。この例では、太陽光発電装置12の発電電力と、燃料電池装置11の出力電力とによって、蓄電装置10が充電される。
なお、制御部33は、第1の実施形態と同様に、蓄電装置10の空き容量と、設定した第2時間帯とに基づき、第2電力を設定してもよい。このとき、制御部33は、第1の実施形態と同様に、例えば、設定した第2時間帯における第2電力の積分値が蓄電装置10の空き容量の値と同一となるように、第2電力を設定する。この場合、太陽光発電装置12の発電電力を、商用電力系統2へ逆潮流させて売電してもよい。この例では、燃料電池装置11の出力電力によってのみ蓄電装置10が充電される。
さらに、制御部33は、第2時間帯に、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電するように制御する(図17参照)。
このように第2運転モードで運転させると、ガス消費を低減させるように要請されていない第2時間帯(図16の例では、9時〜12時の時間帯)に蓄電装置10を充電することが可能になる。さらに、ガスDRの要請によってガス消費を低減させるように要請されている時間帯では、燃料電池装置11のガス消費量を抑えることが可能になる。
なお、制御部33は、第1の実施形態で説明したように、第1時間帯に燃料電池装置11を負荷追従運転させ、第2時間帯に蓄電装置10を第2電力で充電するように制御してもよい。
また、制御部33は、ガスDRの要請を取得したか否か判定する代わりに、時間帯によってガス料金が異なるか否か判定してもよい。さらに、制御部33は、時間帯によってガス料金が異なると判定しないときに、燃料電池装置11の運転モードを、第1運転モードに決定してもよい。また、制御部33は、時間帯によってガス料金が異なると判定したときに、燃料電池装置11の運転モードを、第2運転モードに決定してもよい。この場合、制御部33は、ガス料金が安くなる時間帯を第2時間帯として設定する。
以上のように、本実施形態では、制御部33は、需要家施設の消費電力が小さくなる時間帯を第1時間帯として抽出する。さらに、制御部33は、上記の<熱需要情報に基づく処理>及び<ガス供給情報に基づく処理>において説明したように、抽出した第1時間帯に、燃料電池装置11の出力電力によって蓄電装置10を充電しておく。これにより、第1時間帯以外の時間帯は、蓄電装置10からの放電電力(又は燃料電池装置11の出力電力)によって、電力負荷4に電力を供給することが可能になる。つまり、第1時間帯に蓄電装置10を充電しておくことで、商用電力系統2からの買電電力を低減させることが可能になる。図12の例では、制御部33は、0時〜8時及び18時〜23時の時間帯、商用電力系統2からの買電電力を低減させることが可能になる。
さらに、第2の実施形態では、燃料電池装置11の出力電力に加えて、太陽光発電装置12の発電電力によっても、蓄電装置10を充電することが可能である。さらに、太陽光発電装置12の発電電力を売電することも可能である。
<熱需要情報に基づく動作>
エネルギー管理装置30が、需要家施設の熱需要情報に基づき、蓄電装置10等を制御するときの動作を、図19を参照して説明する。なお、図19に示す処理は、前日に行われるものとする。
制御部33は、翌日の、需要家施設の電力需要情報及び熱需要情報と、太陽光発電装置12の発電量の情報を取得する(ステップS301)。
ステップS302〜S307の処理は、図9に示すステップS102〜S107の処理と同様であるため、説明を省略する。
<ガス供給情報に基づく動作>
エネルギー管理装置30が、需要家施設のガス供給情報に基づき、蓄電装置10等を制御するときのエネルギー管理装置30の動作を、図20を参照して説明する。なお、図20に示す処理は、前日に行われるものとする。
制御部33は、翌日の、需要家施設の電力需要情報と、太陽光発電装置12の発電量の情報を取得する(ステップS401)。
ステップS402〜S408の処理は、図10に示すステップS202〜S208の処理と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、第2の実施形態では、燃料電池装置11の出力電力に加えて、太陽光発電装置12の発電電力によっても、蓄電装置10を充電することが可能である。さらに、太陽光発電装置12の発電電力を売電することも可能である。従って、第2の実施形態では、燃料電池装置、蓄電装置及び太陽光発電装置といった、多様な電源装置を効率よく制御することができる。
第2の実施形態に係る熱電供給システム1aにおいて、その他の効果及び機能は、第1の実施形態に係る熱電供給システム1と同様である。
なお第2の実施形態においては、燃料電池装置11による発電電力を蓄電装置10の充電に優先的に用い、太陽光発電装置12の発電電力は優先的に売電していたが、将来的に太陽光発電及びガスのコストが変動した場合はこれに限られない。例えば、コストによっては、太陽光発電装置12による発電電力を蓄電装置10の充電に優先的に用い、燃料電池装置11の発電電力を優先的に売電してもよい。
(他の実施例)
なお、電力負荷4に電気式の給湯装置が含まれる場合に、抽出した第1時間帯に熱消費量が増加する時間帯が含まれるとき、太陽光発電装置12の余剰発電電力及び燃料電池装置11の出力電力を、電気式の給湯装置に供給してもよい。
図21に、図12と同一の需要家施設の1日における消費電力及び消費熱量、及び、太陽光発電装置の発電電力の一例を示す。図21でも、9時〜17時の時間帯が第1時間帯として抽出される。図21の例では、上述の処理によって、制御部33は、第1時間帯に、燃料電池装置11を第1運転モードで運転させる。このときの燃料電池装置11の出力電力の様子を図22に示す。
図22には、図12に示す9時〜17時の第1時間帯に、燃料電池装置11を第1運転モードで運転させたときの燃料電池装置11の出力電力、及び、太陽光発電装置12の発電電力の一例が示されている。
ここで、図21の例では、図12の例と比較すると、11時〜13時の時間帯の消費熱量が多い。さらに、図22に示すように、11時〜13時の時間帯では、太陽光発電装置12の余剰発電電力が生じている。この場合、この余剰発電電力によって、電力負荷4に電気式の給湯装置を駆動させてもよい。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、本発明について装置を中心に説明してきた。しかしながら、本発明は装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム、又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものである。従って、これらも、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。