JP2018073994A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細化または高集積化が可能な半導体装置を提供する。【解決手段】第1の酸化物と、第1の酸化物上の第2の酸化物と、第2の酸化物上の第1の絶縁体と、第1の絶縁体上の第1の導電体と、第1の導電体上の第2の導電体と、第1の絶縁体の側面および第1の導電体の側面に接して配置されたサイドウォール絶縁体と、第1の酸化物の側面、第2の酸化物の側面、第2の酸化物の上面と接する領域を有し、かつ、サイドウォール絶縁体の側面と接する領域を有する第2の絶縁体と、を有し、サイドウォール絶縁体の上面および第2の絶縁体の最上面は、第1の導電体の最上面および第2の導電体の最上面と略一致し、第1の導電体は、第2の導電体の底面および側面に接するように配置されている半導体装置。【選択図】図1

Description

本発明の一態様は、半導体装置、ならびに半導体装置の駆動方法に関する。または、本発明の一態様は、半導体ウエハ、モジュールおよび電子機器に関する。
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。トランジスタなどの半導体素子をはじめ、半導体回路、演算装置、記憶装置は、半導体装置の一態様である。表示装置(液晶表示装置、発光表示装置など)、投影装置、照明装置、電気光学装置、蓄電装置、記憶装置、半導体回路、撮像装置および電子機器などは、半導体装置を有すると言える場合がある。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。
半導体薄膜を用いてトランジスタを構成する技術が注目されている。該トランジスタは集積回路(IC)や画像表示装置(単に表示装置とも表記する)等の電子デバイスに広く応用されている。トランジスタに適用可能な半導体薄膜としてシリコン系半導体材料が広く知られているが、その他の材料として酸化物半導体が注目されている。
例えば、酸化物半導体として、酸化亜鉛、又はIn−Ga−Zn系酸化物を活性層とするトランジスタを用いて、表示装置を作製する技術が開示されている(特許文献1及び特許文献2参照)。
さらに近年、酸化物半導体を有するトランジスタを用いて、記憶装置の集積回路を作製する技術が公開されている(特許文献3参照)。また、記憶装置だけでなく、演算装置等も、酸化物半導体を有するトランジスタによって作製されてきている。
特開2007−123861号公報 特開2007−96055号公報 特開2011−119674号公報
ところで、電子機器の高性能化、小型化、軽量化に伴い、集積回路は高集積化され、トランジスタのサイズは微細化している。これに従って、トランジスタ作製のプロセスルールも、45nm、32nm、22nmと年々小さくなっている。これに伴い、酸化物半導体を有するトランジスタも、微細な構造において、設計通り良好な電気特性を有するものが求められている。
本発明の一態様は、微細化または高集積化が可能な半導体装置を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一態様は、良好な電気特性を有する半導体装置を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一態様は、オフ電流の小さい半導体装置を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、オン電流の大きいトランジスタを提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、信頼性の高い半導体装置を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一態様は、消費電力が低減された半導体装置を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一態様は、生産性の高い半導体装置を提供することを課題の一つとする。
本発明の一態様は、長期間においてデータの保持が可能な半導体装置を提供することを課題の一つとする。本発明の一態様には、情報の書き込み速度が速い半導体装置を提供することを課題の一つとする。本発明の一態様は、設計自由度が高い半導体装置を提供することを課題の一つとする。本発明の一態様は、消費電力を抑えることができる半導体装置を提供することを課題の一つとする。本発明の一態様は、新規な半導体装置を提供することを課題の一つとする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、酸化物半導体を用いたトランジスタであり、ゲート電極およびゲート絶縁体の側面に接して、サイドウォール絶縁体が配置されている。なお、該サイドウォール絶縁体は、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法で成膜されると好ましい。サイドウォール絶縁体をALD法で成膜することで被覆性が良好な膜、あるいは緻密な膜からなるサイドウォール絶縁体が得られる。ゲート絶縁膜の側面に接してこのような絶縁体を設けることで、ゲート絶縁膜中の酸素が外部に拡散することを防ぎ、水または水素などの不純物がゲート絶縁膜中に混入することを防ぐことができる。該トランジスタのソース領域およびドレイン領域を形成する際に、該サイドウォール絶縁体を形成しておくことにより、酸化物半導体の該ゲート電極と重畳する領域は低抵抗化されにくくなる。これにより、微細化されたトランジスタにおいても、ソース領域およびドレイン領域が必要以上にゲート側に拡張することを防ぎ、該トランジスタに良好な電気特性を与えることができる。
本発明の一態様は、第1の酸化物と、第1の酸化物上の第2の酸化物と、第2の酸化物上の第1の絶縁体と、第1の絶縁体上の第1の導電体と、第1の導電体上の第2の導電体と、第1の絶縁体の側面および第1の導電体の側面に接して配置されたサイドウォール絶縁体と、第2の酸化物の上面と接する領域を有し、かつ、サイドウォール絶縁体の側面と接する領域を有する第2の絶縁体と、を有し、サイドウォール絶縁体の上面および第2の絶縁体の最上面は、第1の導電体の最上面および第2の導電体の最上面と略一致している半導体装置である。
また、第1の導電体は、第2の導電体の底面および側面に接するように配置されている半導体装置である。
また、第1の酸化物および第2の酸化物は、それぞれ、Inと、元素M(MはAl、Ga、Y、またはSn)と、Znと、を含む半導体装置である。
また、本発明の一態様は、第1の酸化物と、第1の酸化物上の第2の酸化物と、第2の酸化物上の第3の酸化物と、第3の酸化物上の第1の絶縁体と、第1の絶縁体上の第1の導電体と、第1の導電体上の第2の導電体と、第1の絶縁体の側面および第1の導電体の側面に接して配置されたサイドウォール絶縁体と、第3の酸化物の上面と接する領域を有し、かつ、サイドウォール絶縁体の側面と接する領域を有する第2の絶縁体と、を有し、サイドウォール絶縁体の上面および第2の絶縁体の最上面は、第1の導電体の最上面および第2の導電体の最上面と略一致している半導体装置である。
また、第3の酸化物の側面がサイドウォール絶縁体に接し、第2の絶縁体が第2の酸化物の上面と接する領域を有する半導体装置である。
また、第1の酸化物乃至第3の酸化物は、それぞれ、Inと、元素M(MはAl、Ga、Y、またはSn)と、Znと、を含む半導体装置である。
また、第2の酸化物の第2の絶縁体と重なる領域は、第2の酸化物と第1の絶縁体と重なる領域の中央近傍より、水素および窒素の少なくとも一方の濃度が大きい半導体装置である。
または、第2の酸化物の第2の絶縁体およびサイドウォール絶縁体と重なる領域は、第2の酸化物の第1の絶縁体と重なる領域の中央近傍より、水素および窒素の少なくとも一方の濃度が大きい半導体装置である。
または、第2の酸化物の第2の絶縁体、サイドウォール絶縁体、および第1の絶縁体の両端部近傍と重なる領域は、第2の酸化物の第1の絶縁体と重なる領域の中央近傍より、水素および窒素の少なくとも一方の濃度が大きい半導体装置である。
また、サイドウォール絶縁体の膜厚は、1nm以上10nm以下である半導体装置である。
また、サイドウォール絶縁体は、酸化アルミニウムまたは酸化ハフニウムのいずれかを有する半導体装置である。
また、第1の導電体は、導電性酸化物を有する半導体装置である。
また、第3の絶縁体は、水素および窒素のいずれか一方または両方を有する半導体装置である。
また、半導体装置が有する第1の絶縁体は、昇温脱離ガス分析において、膜の表面温度が100℃以上700℃以下、または100℃以上500℃以下の範囲で、酸素分子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1014molecules/cm以上であることが好ましい。
また、本発明の一態様は、第1の酸化膜、および第2の酸化膜を順に成膜し、第1の酸化膜および第2の酸化膜を島状に加工して、第1の酸化物および第2の酸化物を形成し、第2の酸化物の上に、第1の絶縁膜およびダミーゲート膜を順に成膜し、第1の絶縁膜およびダミーゲート膜エッチングして、第1の絶縁体およびダミーゲート層を形成し、第1の酸化物、第2の酸化物、第1の絶縁体およびダミーゲート層を覆って、ALD法を用いて第2の絶縁膜を成膜し、第2の絶縁膜にドライエッチング処理を行って、第1の絶縁体およびダミーゲート層の側面に接して、第1のサイドウォール絶縁体を形成し、第1の酸化物、第2の酸化物、第1のサイドウォール絶縁体およびダミーゲート層を覆って、CVD法を用いて第3の絶縁膜を成膜し、第3の絶縁膜の上に第4の絶縁膜を成膜し、第1のCMP処理を行うことによって、ダミーゲート層、第1のサイドウォール絶縁体、第3の絶縁膜、および第4の絶縁膜の一部を、ダミーゲート層の一部が露出するまで除去し、ダミーゲート層をエッチングすることによって、第1の絶縁体を露出させ、第1の絶縁体を介して第2の酸化物に酸素を注入し、第1の導電体膜および第2の導電膜を順に成膜し、第2のCMP処理を行うことによって、第1の導電体膜の一部および第2の導電体膜の一部を、第4の絶縁膜が露出するまで除去して、導電体層を形成する半導体装置の作製方法である。
また、第3の絶縁膜の成膜は、窒素を含む雰囲気で行う半導体装置の作製方法である。
また、本発明の一態様は、第1の酸化膜、および第2の酸化膜を順に成膜し、第1の酸化膜および第2の酸化膜を島状に加工して、第1の酸化物および第2の酸化物を形成し、第2の酸化物の上に、第1の絶縁膜およびダミーゲート膜を順に成膜し、第1の絶縁膜およびダミーゲート膜エッチングして、第1の絶縁体およびダミーゲート層を形成し、第1の酸化物、第2の酸化物、第1の絶縁体およびダミーゲート層を覆って、CVD法を用いて第2の絶縁膜を成膜し、第2の絶縁膜の上に第3の絶縁膜を成膜し、第1のCMP処理を行うことによって、ダミーゲート層、第2の絶縁膜、および第3の絶縁膜の一部を、ダミーゲート層の一部が露出するまで除去し、ダミーゲート層をエッチングすることによって、第1の絶縁体を露出させ、第1の絶縁体を介して第2の酸化物に酸素を注入し、第1の導電体膜および第2の導電膜を順に成膜し、第2のCMP処理を行うことによって、第1の導電体膜の一部および第2の導電体膜の一部を、第3の絶縁膜が露出するまで除去して、導電体層を形成する半導体装置の作製方法である。
また、第2の絶縁膜の成膜は、窒素を含む雰囲気で行う半導体装置の作製方法である。
また、酸素の注入は、酸素を含むプラズマ処理によって行う半導体装置の作製方法である。
また、酸素の注入は、酸素イオンを注入することによって行う半導体装置の作製方法である。
また、第1の導電膜の成膜を、酸素を含む雰囲気で、スパッタリング処理を用いて行う半導体装置の作製方法。
本発明の一態様により、微細化または高集積化が可能な半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、良好な電気特性を有する半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、オフ電流の小さい半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、オン電流の大きいトランジスタを提供することができる。または、本発明の一態様により、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、消費電力が低減された半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、生産性の高い半導体装置を提供することができる。
または、長期間においてデータの保持が可能な半導体装置を提供することができる。または、情報の書き込み速度が速い半導体装置を提供することができる。または、設計自由度が高い半導体装置を提供することができる。または、消費電力を抑えることができる半導体装置を提供することができる。または、新規な半導体装置を提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面構造を説明する図。 本発明の一態様に係る半導体装置の断面構造を説明する図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す上面図および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す上面図および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す上面図および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す上面図および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す上面図および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す上面図および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す上面図および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す上面図および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す上面図および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す上面図および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す上面図および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す上面図および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面構造を説明する図。 本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面構造を説明する図。 本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面構造を説明する図。 本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面構造を説明する図。 本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面構造を説明する図。 本発明の一態様に係る記憶装置の構成を示す断面図。 本発明の一態様に係る記憶装置の構成を示す断面図。 本発明の一態様に係る記憶装置の構成を示す断面図。 本発明の一態様に係る記憶装置の構成を示す断面図。 本発明の一態様に係る記憶装置の構成を示す断面図。 本発明の一態様に係る記憶装置の構成を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体ウエハの上面図。 電子部品の作製工程例を説明するフローチャートおよび斜視模式図。 本発明の一態様に係る電子機器を示す図。 本発明に係る金属酸化物の原子数比の範囲を説明する図。 本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面構造を説明する図。 本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面構造を説明する図。
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、実際の製造工程において、エッチングなどの処理により層やレジストマスクなどが意図せずに目減りすることがあるが、理解を容易とするために省略して示すことがある。また、図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
また、特に上面図(「平面図」ともいう。)や斜視図などにおいて、発明の理解を容易とするため、一部の構成要素の記載を省略する場合がある。また、一部の隠れ線などの記載を省略する場合がある。
また、本明細書などにおいて、第1、第2等として付される序数詞は便宜上用いるものであり、工程順又は積層順を示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
また、本明細書において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。また、構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。従って、明細書で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、本明細書等において、半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。トランジスタなどの半導体素子をはじめ、半導体回路、演算装置、記憶装置は、半導体装置の一態様である。撮像装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、電気光学装置、発電装置(薄膜太陽電池、有機薄膜太陽電池等を含む)、および電子機器は、半導体装置を有する場合がある。
また、本明細書等において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域またはドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域またはソース電極)の間にチャネル領域を有しており、ドレインとチャネル領域とソースとを介して電流を流すことができるものである。なお、本明細書等において、チャネル領域とは、電流が主として流れる領域をいう。
また、ソースやドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができる場合がある。
なお、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソース(ソース領域またはソース電極)とドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)との間の距離をいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。尚、ゲート電極のチャネル長方向の幅のことをゲート線幅と呼ぶことができる。
チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャネル幅(以下、「実効的なチャネル幅」ともいう。)と、トランジスタの上面図において示されるチャネル幅(以下、「見かけ上のチャネル幅」ともいう。)と、が異なる場合がある。例えば、ゲート電極が半導体の側面を覆う場合、実効的なチャネル幅が、見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくなる場合がある。例えば、微細かつゲート電極が半導体の側面を覆うトランジスタでは、半導体の側面に形成されるチャネル形成領域の割合が大きくなる場合がある。その場合は、見かけ上のチャネル幅よりも、実効的なチャネル幅の方が大きくなる。
このような場合、実効的なチャネル幅の、実測による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見積もるためには、半導体の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体の形状が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である。
そこで、本明細書では、見かけ上のチャネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Channel Width)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、囲い込みチャネル幅または見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。または、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合がある。なお、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲い込みチャネル幅などは、断面TEM像などを解析することなどによって、値を決定することができる。
なお、半導体の不純物とは、例えば、半導体を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が0.1原子%未満の元素は不純物と言える。不純物が含まれることにより、例えば、半導体のDOS(Density of States)が高くなることや、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素、および酸化物半導体の主成分以外の遷移金属などがあり、例えば、水素、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リン、炭素、窒素などがある。酸化物半導体の場合、水も不純物として機能する場合がある。また、酸化物半導体の場合、例えば不純物の混入によって酸素欠損を形成する場合がある。また、半導体がシリコンである場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第13族元素、第15族元素などがある。
なお、本明細書等において、酸化窒化シリコン膜とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものである。例えば、好ましくは酸素が55原子%以上65原子%以下、窒素が1原子%以上20原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が0.1原子%以上10原子%以下の濃度範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化シリコン膜とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものでる。例えば、好ましくは窒素が55原子%以上65原子%以下、酸素が1原子%以上20原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が0.1原子%以上10原子%以下の濃度範囲で含まれるものをいう。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
また、本明細書等において、「絶縁体」という用語を、絶縁膜または絶縁層と言い換えることができる。また、「導電体」という用語を、導電膜または導電層と言い換えることができる。また、「半導体」という用語を、半導体膜または半導体層と言い換えることができる。
また、本明細書等に示すトランジスタは、明示されている場合を除き、電界効果トランジスタとする。また、本明細書等に示すトランジスタは、明示されている場合を除き、nチャネル型のトランジスタとする。よって、そのしきい値電圧(「Vth」ともいう。)は、明示されている場合を除き、0Vよりも大きいものとする。
また、本明細書等において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」とは、二つの直線が−30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」とは、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
なお、本明細書において、バリア膜とは、水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する膜のことであり、該バリア膜に導電性を有する場合は、導電性バリア膜と呼ぶことがある。
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、OS FETと記載する場合においては、酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
(実施の形態1)
<半導体装置の構成例1>
以下では、本発明の一態様に係るトランジスタ1000を有する半導体装置の一例について説明する。
図1(A)は、トランジスタ1000を有する半導体装置の上面図である。また、図1(B)は、図1(A)にA1−A2の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ1000のチャネル長方向の断面図でもある。また、図1(C)は、図1(A)にA3−A4の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ1000のチャネル幅方向の断面図でもある。図1(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
本発明の一態様の半導体装置は、基板400と、基板400上の絶縁体401と、絶縁体401上のトランジスタ1000と、トランジスタ1000上の、絶縁体410と、絶縁体410上の絶縁体415と、絶縁体415上の絶縁体420と、を有する。
トランジスタ1000は、絶縁体401上の導電体310および絶縁体301と、導電体310上および絶縁体301上の絶縁体302と、絶縁体302上の絶縁体303と、絶縁体303上の絶縁体402と、絶縁体402上の酸化物406aと、酸化物406a上の酸化物406bと、酸化物406bの上面と接する領域を有する絶縁体412と、酸化物406bの上面と絶縁体412を介して互いに重なる領域を有する導電体404と、絶縁体412の側面および導電体404の側面と接する領域を有するサイドウォール絶縁体418と、絶縁体402上、酸化物406aの側面、酸化物406bの側面、酸化物406bの上面およびサイドウォール絶縁体418と重なる領域を有する絶縁体409と、を有する。また、酸化物406bの上面と、絶縁体409と、は接する領域を有する。導電体404は、導電体404aおよび導電体404bを有し、導電体404bの底面および側面を包むように導電体404aが配置される。ここで、図1(B)に示すように、サイドウォール絶縁体418の上面および絶縁体409の最上面は、導電体404aの最上面および導電体404bの最上面と略一致することが好ましい。
導電体310は、絶縁体301の開口の内壁に接して導電体310aが形成され、さらに内側に導電体310bが形成されている。ここで、導電体310aおよび導電体310bの上面の高さと、絶縁体301の上面の高さは同程度にできる。なお、トランジスタ1000では、導電体310aおよび導電体310bを積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体310bのみを設ける構成にしてもよい。
以下において、酸化物406aと酸化物406bをまとめて酸化物406という場合がある。なお、トランジスタ1000では、酸化物406aおよび酸化物406bを積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、酸化物406bのみを設ける構成にしてもよい。また、導電体404aと導電体404bをまとめて導電体404という場合がある。なお、トランジスタ1000では、導電体404aおよび導電体404bを積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体404bのみを設ける構成にしてもよい。
導電体404は、トップゲートとして機能でき、導電体310は、バックゲートとして機能できる。バックゲートの電位は、トップゲートと同電位としてもよいし、接地電位や、任意の電位としてもよい。また、バックゲートの電位をトップゲートと連動させず独立して変化させることで、トランジスタのしきい値電圧を変化させることができる。
ここで、導電体310aは、水または水素などの不純物の透過を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。例えば、タンタル、窒化タンタル、ルテニウムまたは酸化ルテニウムなどを用いることが好ましく、単層または積層とすればよい。これにより、絶縁体401より下層から水素、水などの不純物が導電体310を通じて上層に拡散するのを抑制することができる。なお、導電体310aは、水素原子、水素分子、水分子、酸素原子、酸素分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(NO、NO、NOなど)、銅原子などの不純物または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子など)の少なくとも一が透過しにくいことが好ましい。また、以下において、不純物の透過を抑制する機能を有する導電性材料について記載する場合も同様である。導電体310aが酸素の透過を抑制する機能を持つことにより、導電体310bが酸化して導電率が低下することを防ぐことができる。
絶縁体401は、下層から水または水素などの不純物がトランジスタに混入するのを防ぐバリア絶縁膜として機能できる。絶縁体401は、水または水素などの不純物の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることが好ましく、例えば、酸化アルミニウムなどを用いることが好ましい。これにより、水素、水などの不純物が絶縁体401より上層に拡散するのを抑制することができる。なお、絶縁体401は、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(NO、NO、NOなど)、銅原子などの不純物の少なくとも一が透過しにくいことが好ましい。また、以下において、不純物の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料について記載する場合も同様である。
また、絶縁体401は、酸素(例えば、酸素原子または酸素分子など)の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることが好ましい。これにより、絶縁体402などに含まれる酸素が下方拡散するのを抑制することができる。
また、絶縁体303は、水または水素などの不純物、および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることが好ましく、例えば、酸化アルミニウムまたは酸化ハフニウムなどを用いることが好ましい。これにより、絶縁体303より下層から水素、水などの不純物が絶縁体303より上層に拡散するのを抑制することができる。さらに、絶縁体402などに含まれる酸素が下方拡散するのを抑制することができる。
また、絶縁体402中の水、水素または窒素酸化物などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。例えば、絶縁体402の水素の脱離量は、昇温脱離ガス分析法(TDS(Thermal Desorption Spectroscopy))において、50℃から500℃の範囲において、水素分子に換算した脱離量が、絶縁体402の面積当たりに換算して、2×1015molecules/cm以下、好ましくは1×1015molecules/cm以下、より好ましくは5×1014molecules/cm以下であればよい。また、絶縁体402は、加熱により酸素が放出される絶縁体を用いて形成することが好ましい。
絶縁体412は、第1のゲート絶縁膜として機能でき、絶縁体302、絶縁体303、および絶縁体402は、第2のゲート絶縁膜として機能できる。なお、トランジスタ1000では、絶縁体302、絶縁体303、および絶縁体402を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、絶縁体302、絶縁体303、および絶縁体402のうちいずれか2層を積層した構造にしてもよいし、いずれか1層を用いる構造にしてもよい。
酸化物406は、酸化物半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう)を用いることが好ましい。金属酸化物としては、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、エネルギーギャップの広い金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
酸化物半導体を用いたトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流が小さいため、低消費電力の半導体装置が提供できる。また、酸化物半導体は、スパッタリング法などを用いて成膜できるため、高集積型の半導体装置を構成するトランジスタに用いることができる。
酸化物半導体は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどが含まれていることが好ましい。また、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
ここでは、酸化物半導体が、インジウム、元素Mおよび亜鉛を有するIn−M−Zn酸化物である場合を考える。なお、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウムなどがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。
なお、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
ここで、酸化物406aに用いる金属酸化物において、構成元素中の元素Mの原子数比が、酸化物406bに用いる金属酸化物における、構成元素中の元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物406aに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物406bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。
以上のような金属酸化物を酸化物406aとして用いて、酸化物406aの伝導帯下端のエネルギーが、酸化物406bの伝導帯下端のエネルギーが低い領域における、伝導帯下端のエネルギーより高くなることが好ましい。また、言い換えると、酸化物406aの電子親和力が、酸化物406bの伝導帯下端のエネルギーが低い領域における電子親和力より小さいことが好ましい。
ここで、酸化物406aおよび酸化物406bにおいて、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。換言すると、連続的に変化または連続接合するともいうことができる。このようにするためには、酸化物406aと酸化物406bとの界面において形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
具体的には、酸化物406aと酸化物406bが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物406bがIn−Ga−Zn酸化物の場合、酸化物406aとして、In−Ga−Zn酸化物、Ga−Zn酸化物、酸化ガリウムなどを用いるとよい。
このとき、キャリアの主たる経路は酸化物406bに形成されるナローギャップ部分となる。酸化物406aと酸化物406bとの界面における欠陥準位密度を低くすることができるため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さく、高いオン電流が得られる。
また、酸化物406は、領域426a、領域426b、および領域426cを有する。領域426aは、図1(B)に示すように、領域426bと領域426cに挟まれる。領域426bおよび領域426cは、絶縁体409の成膜により低抵抗化された領域であり、領域426aより導電性が高い領域となる。領域426bおよび領域426cは、絶縁体409の成膜雰囲気に含まれる、水素または窒素などの不純物元素が添加される。これにより、酸化物406bの絶縁体409と重なる領域を中心に、添加された不純物元素により酸素欠損が形成され、さらに当該不純物元素が酸素欠損に入り込むことで、キャリア密度が高くなり、低抵抗化される。
よって、領域426bおよび領域426cは、領域426aより、水素および窒素の少なくとも一方の濃度が大きくなることが好ましい。水素または窒素の濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)などを用いて測定すればよい。ここで、領域426aの水素または窒素の濃度としては、酸化物406bの絶縁体412と重なる領域の中央近傍(例えば、酸化物406bの絶縁体412のチャネル長方向の両側面からの距離が概略等しい部分)の水素または窒素の濃度を測定すればよい。
なお、領域426bおよび領域426cは、酸素欠損を形成する元素、または酸素欠損と結合する元素を添加されることで低抵抗化される。このような元素としては、代表的には水素、ホウ素、炭素、窒素、フッ素、リン、硫黄、塩素、チタン、希ガス等が挙げられる。また、希ガス元素の代表例としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及びキセノン等がある。よって、領域426bおよび領域426cは、上記元素の一つまたは複数を含む構成にすればよい。
図1(B)に示す領域426a近傍の拡大図を、図2(A)に示す。図2(A)に示すように、領域426bおよび領域426cは、酸化物406の少なくとも絶縁体409と重なる領域に形成される。ここで、酸化物406bの領域426bおよび領域426cの一方は、ソース領域として機能でき、他方はドレイン領域として機能できる。また、酸化物406bの領域426aはチャネル形成領域として機能できる。
なお、図1(B)および図2(A)では、領域426a、領域426b、および領域426cが、酸化物406bおよび酸化物406aに形成されているが、これらの領域は少なくとも酸化物406bに形成されていればよい。また、図1(B)などでは、領域426aと領域426bの境界、および領域426aと領域426cの境界を酸化物406の上面に対して略垂直に表示しているが、本実施の形態はこれに限られるものではない。例えば、領域426bおよび領域426cが酸化物406bの表面近傍では導電体404側に張り出し、酸化物406aの下面近傍では、絶縁体409側に後退する形状になる場合がある。
トランジスタ1000では、図2(A)に示すように、領域426bおよび領域426cが、酸化物406の絶縁体409およびサイドウォール絶縁体418と重なる領域に形成される。しかし、本実施の形態に示す半導体装置はこれに限られるものではない。
例えば、図2(B)に示すように、領域426bおよび領域426cが、酸化物406の絶縁体409、サイドウォール絶縁体418、および絶縁体412の両端部近傍と重なる領域に形成される構成にしてもよい。このとき、領域426bおよび領域426cの導電体404と重なる部分は、所謂オーバーラップ領域(Lov領域ともいう)として機能する。Lov領域を有する構造とすることで、酸化物406のチャネル形成領域と、ソース領域およびドレイン領域との間に高抵抗領域が形成されないため、トランジスタのオン電流を大きくすることができる。
また、例えば、図2(C)に示すように、領域426bおよび領域426cが、酸化物406の絶縁体409と重なる領域に形成される構成にしてもよい。このとき、領域426aの導電体404と重ならない部分は、所謂オフセット領域(Loff領域ともいう)として機能する。Loff領域を有する構造とすることで、酸化物406のチャネル形成領域と、ソース領域およびドレイン領域との間に高抵抗領域が形成されるため、トランジスタのオフ電流を小さくすることができる。
このように、領域126bおよび領域126cの範囲を適宜選択することにより、回路設計に合わせて、要求に見合う電気特性を有するトランジスタを容易に提供することができる。
絶縁体412は、酸化物406bの上面に接して配置されることが好ましい。絶縁体412は、加熱により酸素が放出される絶縁体を用いて形成することが好ましい。このような絶縁体412を酸化物406bの上面に接して設けることにより、酸化物406bに効果的に酸素を供給することができる。また、絶縁体402と同様に、絶縁体412中の水または水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。絶縁体412の膜厚は、1nm以上20nm以下とするのが好ましく、例えば、1nm程度の膜厚にすればよい。
絶縁体412は過剰な酸素を含むことが好ましい。例えば、昇温脱離ガス分光法分析(TDS分析)にて、100℃以上700℃以下または100℃以上500℃以下の表面温度の範囲で、酸素分子の脱離量を絶縁体412の面積当たりに換算して、1×1014molecules/cm以上、好ましくは2×1014molecules/cm以上、より好ましくは4×1014molecules/cm以上であればよい。
絶縁体412および導電体404は、酸化物406bと重なる領域を有する。また、絶縁体412および導電体404aの側面は略一致することが好ましい。
導電体404aとして、導電性酸化物を用いることが好ましい。例えば、酸化物406aまたは酸化物406bとして用いることができる金属酸化物を用いることができる。特に、In−Ga−Zn系酸化物のうち、導電性が高い、金属の原子数比が[In]:[Ga]:[Zn]=4:2:3から4.1、およびその近傍値のものを用いることが好ましい。このような導電体404aを設けることで、導電体404bへの酸素の透過を抑制し、酸化によって導電体404bの電気抵抗値が増加することを防ぐことができる。
また、このような導電性酸化物を、スパッタリング法を用いて成膜することで、絶縁体412に酸素を添加し、酸化物406bに酸素を供給することが可能となる。これにより、酸化物406の領域126aの酸素欠損を低減することができる。
導電体404bは、例えばタングステンなどの金属を用いることができる。また、導電体404bとして、導電体404aに窒素などの不純物を添加して導電体404aの導電性を向上できる導電体を用いてもよい。例えば導電体404bは、窒化チタンなどを用いることが好ましい。また、導電体404bを、窒化チタンなどの金属窒化物と、その上にタングステンなどの金属を積層した構造にしてもよい。
ここで、ゲート電極の機能を有する導電体404が、絶縁体412を介して、酸化物406bの領域426a近傍の上面及びチャネル幅方向の側面を覆うように設けられる。従って、ゲート電極としての機能を有する導電体404の電界によって、酸化物406bの領域426a近傍の上面及びチャネル幅方向の側面を電気的に取り囲むことができる。導電体404の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(s−channel)構造とよぶ。そのため、酸化物406bの領域426a近傍の上面及びチャネル幅方向の側面にチャネルを形成することができるので、ソース−ドレイン間に大電流を流すことができ、導通時の電流(オン電流)を大きくすることができる。また、酸化物406bの領域426a近傍の上面及びチャネル幅方向の側面が、導電体404の電界によって取り囲まれていることから、非導通時のリーク電流(オフ電流)を小さくすることができる。
サイドウォール絶縁体418は、絶縁体412および導電体404の側面に接して設けられる。サイドウォール絶縁体418は、ALD法を用いて成膜することが好ましい。これにより、サイドウォール絶縁体の膜厚を1nm以上20nm以下程度、例えば1nmで成膜することができる。なお、ALD法で用いるプリカーサには炭素などの不純物を含むものが多い。このため、サイドウォール絶縁体418は、炭素などの不純物を含む場合がある。例えば、サイドウォール絶縁体418と絶縁体401を酸化アルミニウムで成膜しても、サイドウォール絶縁体418に含まれる炭素などの不純物が絶縁体401より多い場合がある。なお、不純物の定量は、X線光電子分光法(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)を用いて行うことができる。
上記の通り、酸化物406の領域426bおよび領域426cは、絶縁体409の成膜で添加された不純物元素によって形成される。トランジスタが微細化され、チャネル長が10nm乃至30nm程度に形成されている場合、ソース領域またはドレイン領域に含まれる不純物元素が拡散し、ソース領域とドレイン領域が電気的に導通する恐れがある。これに対して、本実施の形態に示すように、サイドウォール絶縁体418を形成することにより、酸化物406の絶縁体409と接する領域どうしの間の距離を大きくすることができるので、ソース領域とドレイン領域が電気的に導通することを防ぐことができる。さらに、ALD法を用いて、サイドウォール絶縁体418を形成することで、微細化されたチャネル長と同程度以下の膜厚にし、必要以上にソース領域とドレイン領域の距離が広がって、抵抗が増大することをふせぐことができる。
また、ALD法を用いて、サイドウォール絶縁体418の膜厚を調整することにより、領域426b及び領域426cの範囲を選択することができる。サイドウォール絶縁体418の膜厚を厚くすることで、図2(A)などに示すように、導電体404と領域426bおよび領域426cが重ならないようにして、オフ電流の低減を図ることができる。また、サイドウォール絶縁体418の膜厚を薄くすることで、図2(B)などに示すように、導電体404と領域426bおよび領域426cが重なるようにして、オン電流の増大を図ることができる。
また、サイドウォール絶縁体418は、水または水素などの不純物の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることが好ましく、例えば、酸化アルミニウムまたは酸化ハフニウムなどを用いることが好ましい。これにより、絶縁体412中の酸素が外部に拡散することを防ぐことができる。また、絶縁体412の端部などから酸化物406に水素、水などの不純物が浸入するのを抑制することができる。
絶縁体409は、酸化物406および絶縁体402を覆って設けられる。また、絶縁体409は、サイドウォール絶縁体418の側面に接して設けられる。絶縁体409は、上述の通り、水素または窒素などの不純物を酸化物406に添加して、領域426bおよび領域426cを形成する。このため、絶縁体409は、水素および窒素の少なくとも一方を有することが好ましい。
また、絶縁体409は、水または水素などの不純物、および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることが好ましい。例えば、絶縁体409として、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムなどを用いることが好ましい。このような絶縁体409を形成することで、絶縁体409を透過して酸素が浸入し、領域426bおよび領域426cの酸素欠損に酸素を供給して、キャリア密度が低下するのを防ぐことができる。また、絶縁体409を透過して水または水素などの不純物が浸入し、領域426bおよび領域426cが過剰に領域126a側に拡張するのを防ぐことができる。
絶縁体409の上に絶縁体410が設けられていることが好ましい。絶縁体410、絶縁体409、サイドウォール絶縁体418、ダミーゲート405、および導電体404bは、同じ工程、例えば、化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)処理をして上面を平坦化するので、これらの最上面は略一致する。また、絶縁体410の上に絶縁体415を設けることが好ましい。また、絶縁体410および絶縁体415は、絶縁体402などと同様に、膜中の水または水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
さらに、絶縁体415の上に絶縁体420が設けられていることが好ましい。絶縁体420は、上層から水または水素などの不純物がトランジスタなどに混入するのを防ぐバリア絶縁膜として機能できる。絶縁体420は、絶縁体301と同様に、水、水素などの不純物、および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料、例えば酸化アルミニウムなどを用いることが好ましい。
また、絶縁体420の上または下に積層して、サイドウォール絶縁体418と同様の、ALD法を用いて成膜された酸化物絶縁体を設けてもよい。
次に、トランジスタ1000の構成材料について説明する。
<基板>
基板400としては、例えば、絶縁体基板、半導体基板または導電体基板を用いればよい。絶縁体基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化ジルコニア基板(イットリア安定化ジルコニア基板など)、樹脂基板などがある。また、半導体基板としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの単体半導体基板、または炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムからなる化合物半導体基板などがある。さらには、前述の半導体基板内部に絶縁体領域を有する半導体基板、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板などがある。導電体基板としては、黒鉛基板、金属基板、合金基板、導電性樹脂基板などがある。または、金属の窒化物を有する基板、金属の酸化物を有する基板などがある。さらには、絶縁体基板に導電体または半導体が設けられた基板、半導体基板に導電体または絶縁体が設けられた基板、導電体基板に半導体または絶縁体が設けられた基板などがある。または、これらの基板に素子が設けられたものを用いてもよい。基板に設けられる素子としては、容量素子、抵抗素子、スイッチ素子、発光素子、記憶素子などがある。
また、基板400として、可とう性基板を用いてもよい。なお、可とう性基板上にトランジスタを設ける方法としては、非可とう性の基板上にトランジスタを作製した後、トランジスタを剥離し、可とう性基板である基板400に転置する方法もある。その場合には、非可とう性基板とトランジスタとの間に剥離層を設けるとよい。なお、基板400として、繊維を編みこんだシート、フィルムまたは箔などを用いてもよい。また、基板400が伸縮性を有してもよい。また、基板400は、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有してもよい。または、元の形状に戻らない性質を有してもよい。基板400は、例えば、5μm以上700μm以下、好ましくは10μm以上500μm以下、さらに好ましくは15μm以上300μm以下の厚さとなる領域を有する。基板400を薄くすると、トランジスタを有する半導体装置を軽量化することができる。また、基板400を薄くすることで、ガラスなどを用いた場合にも伸縮性を有する場合や、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有する場合がある。そのため、落下などによって基板400上の半導体装置に加わる衝撃などを緩和することができる。即ち、丈夫な半導体装置を提供することができる。
可とう性基板である基板400としては、例えば、金属、合金、樹脂もしくはガラス、またはそれらの繊維などを用いることができる。可とう性基板である基板400は、線膨張率が低いほど環境による変形が抑制されて好ましい。可とう性基板である基板400としては、例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、5×10−5/K以下、または1×10−5/K以下である材質を用いればよい。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリルなどがある。特に、アラミドは、線膨張率が低いため、可とう性基板である基板400として好適である。
<絶縁体>
絶縁体としては、絶縁性を有する酸化物、窒化物、酸化窒化物、窒化酸化物、金属酸化物、金属酸化窒化物、金属窒化酸化物などがある。
トランジスタを、水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体で囲うことによって、トランジスタの電気特性を安定にすることができる。例えば、絶縁体303、絶縁体401、および絶縁体420として、水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体を用いればよい。
水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。
また、例えば、絶縁体303、絶縁体401、および絶縁体420としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムまたは酸化タンタルなどの金属酸化物、窒化酸化シリコンまたは窒化シリコンなどを用いればよい。なお、絶縁体303、絶縁体401、および絶縁体420は、酸化アルミニウムまたは酸化ハフニウムなどを有することが好ましい。
また、例えば、絶縁体420をスパッタリング法によって、酸素を含むプラズマを用いて成膜すると該酸化物の下地層となる絶縁体へ酸素を添加することができる。
絶縁体301、絶縁体302、絶縁体402および絶縁体412としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、絶縁体301、絶縁体302、絶縁体402および絶縁体412としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは、窒化シリコンを有することが好ましい。
絶縁体302、絶縁体303、絶縁体402、および/または絶縁体412は、比誘電率の高い絶縁体を有することが好ましい。例えば、絶縁体302、絶縁体303、絶縁体402、および/または絶縁体412は、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化物、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化窒化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化窒化物またはシリコンおよびハフニウムを有する窒化物などを有することが好ましい。または、絶縁体302、絶縁体303、絶縁体402、および/または絶縁体412は、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンと、比誘電率の高い絶縁体と、の積層構造を有することが好ましい。酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、比誘電率の高い絶縁体と組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。例えば、絶縁体402および絶縁体412において、酸化アルミニウム、酸化ガリウムまたは酸化ハフニウムを酸化物406と接する構造とすることで、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンに含まれるシリコンが、酸化物406に混入することを抑制することができる。また、例えば、絶縁体402および絶縁体412において、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを酸化物406と接する構造とすることで、酸化アルミニウム、酸化ガリウムまたは酸化ハフニウムと、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンと、の界面にトラップセンターが形成される場合がある。該トラップセンターは、電子を捕獲することでトランジスタのしきい値電圧をプラス方向に変動させることができる場合がある。
絶縁体410および絶縁体415は、比誘電率の低い絶縁体を有することが好ましい。例えば、絶縁体410および絶縁体415は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンまたは樹脂などを有することが好ましい。または、絶縁体410および絶縁体415は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコンまたは空孔を有する酸化シリコンと、樹脂と、の積層構造を有することが好ましい。酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、樹脂と組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の低い積層構造とすることができる。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリルなどがある。
サイドウォール絶縁体418としては、水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体を用いればよい。サイドウォール絶縁体418としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジムまたは酸化タンタルなどの金属酸化物、窒化酸化シリコンまたは窒化シリコンなどを用いればよい。
<導電体>
導電体404a、導電体404b、導電体310a、および導電体310bとしては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウムなどから選ばれた金属元素を1種以上含む材料を用いることができる。また、リン等の不純物元素を含有させた多結晶シリコンに代表される、電気伝導度が高い半導体、ニッケルシリサイドなどのシリサイドを用いてもよい。
また、上記導電体、特に導電体404aおよび導電体310aとして、酸化物406に適用可能な金属酸化物に含まれる金属元素および酸素を含む導電性材料を用いてもよい。また、前述した金属元素および窒素を含む導電性材料を用いてもよい。例えば、窒化チタン、窒化タンタルなどの窒素を含む導電性材料を用いてもよい。また、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、シリコンを添加したインジウム錫酸化物を用いてもよい。また、窒素を含むインジウムガリウム亜鉛酸化物を用いてもよい。このような材料を用いることで、酸化物406に含まれる水素を捕獲することができる場合がある。または、外方の絶縁体などから混入する水素を捕獲することができる場合がある。
また、上記の材料で形成される導電層を複数積層して用いてもよい。例えば、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。また、前述した金属元素を含む材料と、窒素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。また、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、窒素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。
なお、トランジスタのチャネル形成領域に酸化物を用いる場合は、ゲート電極として前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造を用いることが好ましい。この場合は、酸素を含む導電性材料をチャネル形成領域側に設けるとよい。酸素を含む導電性材料をチャネル形成領域側に設けることで、当該導電性材料から離脱した酸素がチャネル形成領域に供給されやすくなる。
<酸化物406に適用可能な金属酸化物>
以下に、本発明に係る酸化物406について説明する。酸化物406として、酸化物半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう)を用いることが好ましい。
酸化物半導体は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどが含まれていることが好ましい。また、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
ここでは、酸化物半導体が、インジウム、元素Mおよび亜鉛を有するInMZnOである場合を考える。なお、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウムなどがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。
なお、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
ここで、金属酸化物が、インジウム、元素M及び亜鉛を有する場合を考える。なお、金属酸化物が有するインジウム、元素M、及び亜鉛の原子数比のそれぞれの項を[In]、[M]、および[Zn]とする。
以下に、図31(A)、図31(B)、および図31(C)を用いて、酸化物406aおよび酸化物406bに用いることができる金属酸化物が有するインジウム、元素Mおよび亜鉛の原子数比の好ましい範囲について説明する。なお、図31(A)、図31(B)、および図31(C)には、酸素の原子数比については記載しない。また、金属酸化物が有するインジウム、元素M、および亜鉛の原子数比のそれぞれの項を[In]、[M]、および[Zn]とする。
図31(A)、図31(B)、および図31(C)において、破線は、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):1の原子数比(−1≦α≦1)となるライン、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):2の原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):3の原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):4の原子数比となるライン、および[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):5の原子数比となるラインを表す。
また、一点鎖線は、[In]:[M]:[Zn]=5:1:βの原子数比(β≧0)となるライン、[In]:[M]:[Zn]=2:1:βの原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=1:1:βの原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=1:2:βの原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=1:3:βの原子数比となるライン、および[In]:[M]:[Zn]=1:4:βの原子数比となるラインを表す。
また、図31(A)、図31(B)、および図31(C)に示す、[In]:[M]:[Zn]=0:2:1の原子数比、およびその近傍値の金属酸化物は、スピネル型の結晶構造をとりやすい。
また、金属酸化物中に複数の相が共存する場合がある(二相共存、三相共存など)。例えば、原子数比が[In]:[M]:[Zn]=0:2:1の近傍値である場合、スピネル型の結晶構造と層状の結晶構造との二相が共存しやすい。また、原子数比が[In]:[M]:[Zn]=1:0:0の近傍値である場合、ビックスバイト型の結晶構造と層状の結晶構造との二相が共存しやすい。金属酸化物中に複数の相が共存する場合、異なる結晶構造の間において、結晶粒界が形成される場合がある。
図31(A)に示す領域Aは、金属酸化物が有する、インジウム、元素M、および亜鉛の原子数比の好ましい範囲の一例について示している。
金属酸化物は、インジウムの含有率を高くすることで、金属酸化物のキャリア移動度(電子移動度)を高くすることができる。従って、インジウムの含有率が高い金属酸化物はインジウムの含有率が低い金属酸化物と比較してキャリア移動度が高くなる。
一方、金属酸化物中のインジウムおよび亜鉛の含有率が低くなると、キャリア移動度が低くなる。従って、原子数比が[In]:[M]:[Zn]=0:1:0、およびその近傍値である場合(例えば図31(C)に示す領域C)は、絶縁性が高くなる。
例えば、酸化物406bに用いる金属酸化物は、キャリア移動度が高い、図31(A)の領域Aで示される原子数比を有することが好ましい。一方、酸化物406aに用いる金属酸化物は、絶縁性が比較的高い、図31(C)の領域Cで示される原子数比を有することが好ましい。
特に、図31(B)に示す領域Bでは、領域Aの中でも、キャリア移動度が高く、信頼性が高い優れた金属酸化物が得られる。
なお、領域Bは、[In]:[M]:[Zn]=4:2:3から4.1、およびその近傍値を含む。近傍値には、例えば、[In]:[M]:[Zn]=5:3:4が含まれる。また、領域Bは、[In]:[M]:[Zn]=5:1:6、およびその近傍値、および[In]:[M]:[Zn]=5:1:7、およびその近傍値を含む。
また、金属酸化物として、In−M−Zn酸化物を用いる場合、スパッタリングターゲットとしては、多結晶のIn−M−Zn酸化物を含むターゲットを用いると好ましい。なお、成膜される金属酸化物の原子数比は、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。例えば、金属酸化物に用いるスパッタリングターゲットの組成がIn:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]の場合、成膜される金属酸化物の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]の近傍となる場合がある。また、金属酸化物に用いるスパッタリングターゲットの組成がIn:Ga:Zn=5:1:7[原子数比]の場合、成膜される金属酸化物の組成は、In:Ga:Zn=5:1:6[原子数比]の近傍となる場合がある。
なお、金属酸化物が有する性質は、原子数比によって一義的に定まらない。同じ原子数比であっても、形成条件により、金属酸化物の性質が異なる場合がある。例えば、金属酸化物をスパッタリング装置にて成膜する場合、ターゲットの原子数比からずれた原子数比の膜が形成される。また、成膜時の基板温度によっては、ターゲットの[Zn]よりも、膜の[Zn]が小さくなる場合がある。従って、図示する領域は、金属酸化物が特定の特性を有する傾向がある原子数比を示す領域であり、領域A乃至領域Cの境界は厳密ではない。
<金属酸化物の構成>
以下では、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができるCAC(Cloud−Aligned Composite)−OSの構成について説明する。
なお、本明細書等において、CAAC(c−axis aligned crystal)、及びCAC(Cloud−Aligned Composite)と記載する場合がある。なお、CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能、または材料の構成の一例を表す。
CAC−OSまたはCAC−metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC−OSまたはCAC−metal oxideを、トランジスタの活性層に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC−OSまたはCAC−metal oxideに付与することができる。CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC−OSまたはCAC−metal oxideをトランジスタのチャネル領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
すなわち、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
<金属酸化物の構造>
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、CAAC−OS(c−axis aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc−OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a−like OS:amorphous−like oxide semiconductor)および非晶質酸化物半導体などがある。
CAAC−OSは、c軸配向性を有し、かつa−b面方向において複数のナノ結晶が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。なお、歪みとは、複数のナノ結晶が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。
ナノ結晶は、六角形を基本とするが、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合がある。また、歪みにおいて、五角形、および七角形などの格子配列を有する場合がある。なお、CAAC−OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリーともいう)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC−OSが、a−b面方向において原子配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
また、CAAC−OSは、インジウム、および酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛、および酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能であり、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換した場合、(In,M,Zn)層と表すこともできる。また、In層のインジウムが元素Mと置換した場合、(In,M)層と表すこともできる。
CAAC−OSは結晶性の高い酸化物半導体である。一方、CAAC−OSは、明確な結晶粒界を確認することはできないため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、酸化物半導体の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC−OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。従って、CAAC−OSを有する酸化物半導体は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC−OSを有する酸化物半導体は熱に強く、信頼性が高い。
nc−OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OSは、分析方法によっては、a−like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
a−like OSは、nc−OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。a−like OSは、鬆または低密度領域を有する。即ち、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて、結晶性が低い。
酸化物半導体は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a−like OS、nc−OS、CAAC−OSのうち、二種以上を有していてもよい。
<酸化物半導体を有するトランジスタ>
続いて、上記酸化物半導体をトランジスタに用いる場合について説明する。
なお、上記酸化物半導体をトランジスタに用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
また、トランジスタには、酸化物406bの領域126aにおけるキャリア密度の低いことが好ましい。酸化物半導体膜のキャリア密度を低くする場合においては、酸化物半導体膜中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性または実質的に高純度真性と言う。例えば、酸化物406bの領域126aにおけるキャリア密度が8×1011/cm未満、好ましくは1×1011/cm未満、さらに好ましくは1×1010/cm未満であり、1×10−9/cm以上とすればよい。
また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、酸化物半導体のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体にチャネル領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
従って、トランジスタの電気特性を安定にするためには、酸化物406bの領域126a中の不純物濃度を低減することが有効である。また、酸化物406bの領域126a中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
<不純物>
ここで、酸化物半導体中における各不純物の影響について説明する。
酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸化物半導体において欠陥準位が形成される。このため、酸化物406bの領域126aにおけるシリコンや炭素の濃度(SIMSにより得られる濃度)を、2×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1017atoms/cm以下とする。
また、酸化物半導体にアルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。従って、アルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物406bの領域126aにおいて、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を低減することが好ましい。具体的には、SIMSにより得られる酸化物406bの領域126a中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1016atoms/cm以下にする。
また、酸化物半導体において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、酸化物406bの領域126aに窒素が含まれているトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。従って、酸化物406bの領域126aにおいて、窒素はできる限り低減されていることが好ましい、例えば、酸化物406bの領域126a中の窒素濃度は、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm以下、より好ましくは1×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm以下とする。
また、酸化物半導体に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、酸化物406bの領域126aに水素が多く含まれているトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物406bの領域126a中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm未満、好ましくは1×1019atoms/cm未満、より好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm未満とする。
酸化物406bの領域126a中の不純物を十分に低減することで、トランジスタに安定した電気特性を付与することができる。
<半導体装置の作製方法>
次に、本発明に係るトランジスタ1000を有する半導体装置の作製方法を図1および図3から図12を用いて説明する。また、図1および図3から図10において、各図の(A)は、上面図である。各図の(B)は各図の(A)にA1−A2の一点鎖線で示す部位の断面図である。また、各図の(C)は、各図の(A)にA3−A4の一点鎖線で示す部位の断面図である。
まず、基板400を準備する。
次に、絶縁体401を成膜する。絶縁体401の成膜は、スパッタリング法、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、パルスレーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法またはALD法などを用いて行うことができる。
なお、CVD法は、プラズマを利用するプラズマCVD(PECVD:Plasma Enhanced CVD)法、熱を利用する熱CVD(TCVD:Thermal CVD)法、光を利用する光CVD(Photo CVD)法などに分類できる。さらに用いる原料ガスによって金属CVD(MCVD:Metal CVD)法、有機金属CVD(MOCVD:Metal Organic CVD)法に分けることができる。
プラズマCVD法は、比較的低温で高品質の膜が得られる。また、熱CVD法は、プラズマを用いないため、被処理物へのプラズマダメージを小さくすることが可能な成膜方法である。例えば、半導体装置に含まれる配線、電極、素子(トランジスタ、容量素子など)などは、プラズマから電荷を受け取ることでチャージアップする場合がある。このとき、蓄積した電荷によって、半導体装置に含まれる配線、電極、素子などが破壊される場合がある。一方、プラズマを用いない熱CVD法の場合、こういったプラズマダメージが生じないため、半導体装置の歩留まりを高くすることができる。また、熱CVD法では、成膜中のプラズマダメージが生じないため、欠陥の少ない膜が得られる。
また、ALD法も、被処理物へのプラズマダメージを小さくすることが可能な成膜方法である。また、ALD法も、成膜中のプラズマダメージが生じないため、欠陥の少ない膜が得られる。
CVD法およびALD法は、ターゲットなどから放出される粒子が堆積する成膜方法とは異なり、被処理物の表面における反応により膜が形成される成膜方法である。したがって、被処理物の形状の影響を受けにくく、良好な段差被覆性を有する成膜方法である。特に、ALD法は、優れた段差被覆性と、優れた厚さの均一性を有するため、アスペクト比の高い開口部の表面を被覆する場合などに好適である。ただし、ALD法は、比較的成膜速度が遅いため、成膜速度の速いCVD法などの他の成膜方法と組み合わせて用いることが好ましい場合もある。
CVD法およびALD法は、原料ガスの流量比によって、得られる膜の組成を制御することができる。例えば、CVD法およびALD法では、原料ガスの流量比によって、任意の組成の膜を成膜することができる。また、例えば、CVD法およびALD法では、成膜しながら原料ガスの流量比を変化させることによって、組成が連続的に変化した膜を成膜することができる。原料ガスの流量比を変化させながら成膜する場合、複数の成膜室を用いて成膜する場合と比べて、搬送や圧力調整に掛かる時間の分、成膜に掛かる時間を短くすることができる。したがって、半導体装置の生産性を高めることができる場合がある。
絶縁体401は、多層構造としてもよい。例えばスパッタリング法によって酸化アルミニウムを成膜し、該酸化アルミニウム上にALD法によって酸化アルミニウムを成膜する構造としてもよい。または、ALD法によって酸化アルミニウムを成膜し、該酸化アルミニウム上に、スパッタリング法によって酸化アルミニウムを成膜する構造としてもよい。
次に絶縁体401上に絶縁体301を成膜する。絶縁体301の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。
次に、絶縁体301に絶縁体401に達する溝を形成する。溝とは、たとえば穴や開口部なども含まれる。溝の形成はウェットエッチングを用いてもよいが、ドライエッチングを用いるほうが微細加工には好ましい。また、絶縁体401は、絶縁体301をエッチングして溝を形成する際のエッチングストッパ膜として機能する絶縁体を選択することが好ましい。例えば、溝を形成する絶縁体301に酸化シリコン膜を用いた場合は、絶縁体401は窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜を用いるとよい。
本実施の形態では、絶縁体401として、スパッタリング法によって酸化アルミニウムを成膜し、該酸化アルミニウム上に、ALD法によって酸化アルミニウムを成膜する。また、絶縁体301として、CVD法によって酸化シリコンを成膜する。
溝の形成後に、導電体310aとなる導電体を成膜する。導電体310aとなる導電体は、酸素の透過を抑制する機能を有する導電体を含むことが望ましい。たとえば、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタンなどを用いることができる。またはタンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、モリブデンタングステン合金との積層膜とすることができる。導電体310となる導電体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。
本実施の形態では、導電体310aとなる導電体として、スパッタリング法によって窒化タンタルを成膜する。
次に、導電体310aとなる導電体上に、導電体310bとなる導電体を成膜する。導電体310bとなる導電体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。
本実施の形態では、導電体310bとなる導電体として、CVD法によって窒化チタンを成膜し、該窒化チタン上にCVD法によってタングステンを成膜する。
次に、CMP処理を行うことで、絶縁体301上の導電体310aとなる導電体および導電体310bとなる導電体を除去する。その結果、溝部のみに、導電体310aとなる導電体および導電体310bとなる導電体が残存することで上面が平坦な導電体310aおよび導電体310bを含む導電体310を形成することができる。
次に、絶縁体301上および導電体310上に絶縁体302を成膜する。絶縁体302の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。
次に、絶縁体302上に絶縁体303を成膜する。絶縁体303の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。
次に、絶縁体303上に絶縁体402を成膜する。絶縁体402の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。
次に、第1の加熱処理を行うと好ましい。第1の加熱処理は、250℃以上650℃以下、好ましくは300℃以上500℃以下、さらに好ましくは320℃以上450℃以下で行えばよい。第1の加熱処理は、窒素または不活性ガス雰囲気、または酸化性ガスを10ppm以上、1%以上もしくは10%以上含む雰囲気で行う。第1の加熱処理は減圧状態で行ってもよい。または、第1の加熱処理は、窒素または不活性ガス雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガスを10ppm以上、1%以上または10%以上含む雰囲気で加熱処理を行ってもよい。第1の加熱処理によって、絶縁体402に含まれる水素や水などの不純物を除去することなどができる。または、第1の加熱処理において、減圧状態で酸素を含むプラズマ処理を行ってもよい。酸素を含むプラズマ処理は、例えばマイクロ波を用いた高密度プラズマを発生させる電源を有する装置を用いることが好ましい。または、基板側にRF(Radio Frequency)を印加する電源を有してもよい。高密度プラズマを用いることより高密度の酸素ラジカルを生成することができ、基板側にRFを印加することで高密度プラズマによって生成された酸素ラジカルを効率よく絶縁体402内に導くことができる。または、この装置を用いて不活性ガスを含むプラズマ処理を行った後に脱離した酸素を補うために酸素を含むプラズマ処理を行ってもよい。尚、第1の加熱処理は行わなくても良い場合がある。
また、該加熱処理は、絶縁体302成膜後、絶縁体303の成膜後および絶縁体402の成膜後それぞれに行うこともできる。該加熱処理は、第1の加熱処理条件を用いることができるが、絶縁体302成膜後の加熱処理は、窒素を含む雰囲気中で行うことが好ましい。
本実施の形態では、第1の加熱処理として、絶縁体402成膜後に窒素雰囲気にて400℃の温度で1時間の処理を行なった後に、連続して酸素雰囲気にて400℃の温度で1時間の処理を行う。
次に、絶縁体402上に酸化膜406aAと酸化膜406bAを順に成膜する(図3(A)、(B)および(C)参照。)。なお、酸化膜406aAと酸化膜406bAは、大気環境にさらさずに連続して成膜することが好ましい。この様に成膜することで、酸化膜406aA上に大気環境からの不純物または水分が付着することを防ぐことができ、酸化膜406aAと、酸化膜406bA、との界面近傍を清浄に保つことができる。
酸化膜406aAと酸化膜406bAの成膜はスパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。
例えば、酸化膜406aAと酸化膜406bAの成膜をスパッタリング法によって成膜する場合は、スパッタリングガスとして酸素、または、酸素と希ガスの混合ガスを用いる。スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を高めることで、成膜される酸化膜中の過剰酸素を増やすことができる。また、酸化膜406aAと酸化膜406bAの成膜をスパッタリング法によって成膜する場合は、上記のIn−M−Zn酸化物ターゲットを用いることができる。
特に、酸化膜406aAの成膜時に、スパッタリングガスに含まれる酸素の一部が絶縁体402に供給される場合がある。
なお、酸化膜406aAのスパッタリングガスに含まれる酸素の割合は70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは100%とすればよい。
続いて、酸化膜406bAをスパッタリング法で形成する。この時、スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を1%以上30%以下、好ましくは5%以上20%以下として成膜すると、酸素欠乏型の酸化物半導体が形成される。酸素欠乏型の酸化物半導体を用いたトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られる。
酸化膜406bAに酸素欠乏型の酸化物半導体を用いる場合は、酸化膜406aAに過剰酸素を含む酸化膜を用いることが好ましい。また、酸化膜406bAの成膜後に酸素ドープ処理を行ってもよい。
本実施の形態では、酸化膜406aAとして、スパッタリング法によって、In:Ga:Zn=1:3:4[原子数比]のターゲットを用いて成膜し、酸化膜406bAとして、スパッタリング法によって、In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]のターゲットを用いて成膜する。
次に、第2の加熱処理を行ってもよい。第2の加熱処理は、第1の加熱処理条件を用いることができる。第2の加熱処理によって、酸化膜406aAおよび酸化膜406bA中の水素や水などの不純物を除去することなどができる。本実施の形態では、窒素雰囲気にて400℃の温度で1時間の処理を行なった後に、連続して酸素雰囲気にて400℃の温度で1時間の処理を行う。
次に、酸化膜406aAおよび酸化膜406bAを島状に加工して、酸化物406aおよび酸化物406bを形成する(図4(A)、(B)および(C)参照。)。ここで、酸化物406aおよび酸化物406bは、少なくとも一部が導電体310と重なるように形成する。酸化膜406aAおよび酸化膜406bAの加工はリソグラフィー法を用いて行えばよい。該加工においては、酸化物406aおよび酸化物406bの断面形状がテーパー形状を有することが好ましい。該テーパー角度は、基板底面と平行な面に対して、30度以上75度未満、好ましくは30度以上70度未満とする。このようなテーパー角度を有することによって、以降の成膜工程における膜の被覆性が向上する。また、該加工はドライエッチング法を用いることが好ましい。ドライエッチング法による加工は微細加工および上述のテーパー形状の加工に適している。
なお、リソグラフィー法では、まず、マスクを介してレジストを露光する。次に、露光された領域を、現像液を用いて除去または残存させてレジストマスクを形成する。次に、当該レジストマスクを介してエッチング処理することで導電体、半導体または絶縁体などを所望の形状に加工することができる。例えば、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、EUV(Extreme Ultraviolet)光などを用いて、レジストを露光することでレジストマスクを形成すればよい。また、基板と投影レンズとの間に液体(例えば水)を満たして露光する、液浸技術を用いてもよい。また、前述した光に代えて、電子ビームやイオンビームを用いてもよい。なお、電子ビームやイオンビームを用いる場合には、マスクは不要となる。なお、レジストマスクの除去には、アッシングなどのドライエッチング処理を行う、ウェットエッチング処理を行う、ドライエッチング処理後にウェットエッチング処理を行う、またはウェットエッチング処理後にドライエッチング処理を行うことができる。
ドライエッチング装置としては、平行平板型電極を有する容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)エッチング装置を用いることができる。平行平板型電極を有する容量結合型プラズマエッチング装置は、平行平板型電極の一方の電極に高周波電源を印加する構成でもよい。または平行平板型電極の一方の電極に複数の異なった高周波電源を印加する構成でもよい。または平行平板型電極それぞれに同じ周波数の高周波電源を印加する構成でもよい。または平行平板型電極それぞれに周波数の異なる高周波電源を印加する構成でもよい。または高密度プラズマ源を有するドライエッチング装置を用いることができる。高密度プラズマ源を有するドライエッチング装置は、例えば、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)エッチング装置などを用いることができる。
これまでのドライエッチングなどの処理を行うことによって、エッチングガスなどに起因した不純物が酸化物406aおよび酸化物406bなどの表面または内部に付着または拡散することがある。不純物としては、例えば、フッ素または塩素などがある。
上記の不純物などを除去するために、洗浄を行う。洗浄方法としては、洗浄液など用いたウェット洗浄、プラズマを用いたプラズマ処理または、熱処理による洗浄などがあり、上記洗浄を適宜組み合わせて行ってもよい。
ウェット洗浄としては、シュウ酸、リン酸またはフッ化水素酸などを炭酸水または純水で希釈した水溶液を用いて洗浄処理を行ってもよい。または、純水または炭酸水を用いた超音波洗浄を行ってもよい。本実施の形態では、純水または炭酸水を用いた超音波洗浄を行う。
次に、第3の加熱処理を行っても良い。加熱処理の条件は、上述の第1の加熱処理の条件を用いることができる。なお、第3の加熱処理は行わなくてもよい場合がある。本実施の形態では、第3の加熱処理は行わない。
次に、絶縁体402および酸化物406の上に、絶縁膜412A、ダミーゲート膜405Aを、順に成膜する(図5(A)、(B)および(C)参照。)。
絶縁膜412Aの成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。
ここで、第4の加熱処理を行うことができる。加熱処理は、第1の加熱処理条件を用いることができる。該加熱処理によって、絶縁膜412A中の水分濃度および水素濃度を低減させることができる。なお、第4の加熱処理は行わなくてもよい場合がある。
ダミーゲート膜405Aは、加工してダミーゲートとして使用する。ダミーゲートとは、仮のゲート電極のことである。つまり、ダミーゲート膜405Aを加工することで、仮のゲート電極を形成し、後の工程において該ダミーゲートを除去し、代わりに導電膜等によるゲート電極を形成する。従って、ダミーゲート膜405Aは微細加工が容易であり、かつ、除去も容易な膜を用いることが好ましい。
ダミーゲート膜405Aの成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。または、塗布法を用いて、樹脂膜を形成しても良い。例えば、フォトレジスト、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリルなどがある。樹脂膜を塗布法によって形成することで、ダミーゲート膜405Aの表面を平坦にすることができる。このように、ダミーゲート膜405Aの表面を平坦にすることで、微細加工が容易となり、さらに、除去も容易である。
また、ダミーゲート膜405Aは、異なる膜種を用いて多層膜とすることもできる。例えば、ダミーゲート膜405Aを導電膜と該導電膜上に樹脂膜を形成する2層構造の膜とすることができる。ダミーゲート膜をこのような構造とすることで、例えば、後のCMP工程において、該導電膜がCMP処理のストッパ膜として機能する場合がある。または、CMP処理の終点検出が可能となる場合があり、加工ばらつきの低減が可能となる場合がある。
次に、リソグラフィー法によって、絶縁膜412Aおよびダミーゲート膜405Aをエッチングし、絶縁体412およびダミーゲート層405Bを形成する(図6(A)、(B)および(C)参照。)。絶縁体412およびダミーゲート層405Bは、少なくとも一部が、導電体310および酸化物406を重なるように形成する。
ここで、リソグラフィー法によって、絶縁膜412Aのエッチングは行わずに、ダミーゲート膜405Aのみをエッチングしてもよい。これにより、酸化物406全体を絶縁体412で覆われた構造とすることができる。このように作製するトランジスタ1000dを有する半導体装置の完成図を図33(A)、(B)および(C)に示す。
ここで、絶縁体412およびダミーゲート層405Bの断面形状が、可能な限りテーパー形状を有しないことが好ましい。これにより、後の工程でサイドウォール絶縁体418を形成する際、サイドウォール絶縁体418を残存させやすくなる。
また、該エッチングにより、酸化物406bの絶縁体412と重ならない領域の上部がエッチングされる場合がある。この場合、酸化物406bの絶縁体412と重なる領域の膜厚が、絶縁体412と重ならない領域の膜厚より厚くなる。
次に、絶縁体402、酸化物406、絶縁体412、ダミーゲート層405Bを覆って、ALD法を用いて、絶縁膜418Aを成膜する(図7(A)、(B)および(C)参照。)。絶縁膜418Aを、ALD法を用いて成膜することで、膜厚を1nm以上20nm以下程度、例えば1nm程度にすることができる。さらに、絶縁体412およびダミーゲート層405Bからなる構造体のアスペクト比が非常に大きくても、該構造体の上面および側面に、ピンホールが少なく、かつ膜厚が均一に成膜することができる。本実施の形態では、絶縁膜418Aとして、ALD法によって酸化アルミニウムを成膜する。
次に、絶縁膜418Aに異方性のエッチング処理を行って、絶縁体412およびダミーゲート層405Bの側面に接して、サイドウォール絶縁体418Bを形成する(図8(A)、(B)および(C)参照。)。異方性のエッチング処理としては、ドライエッチング処理を行うことが好ましい。これにより、基板400に略平行な面に成膜された絶縁膜418Aを除去して、サイドウォール絶縁体418Bを自己整合的に形成することができる。
また、リソグラフィー法によって、レジストマスクをエッチングマスクとして用いて、絶縁膜418Aの加工を行ってもよい。絶縁膜418Aのエッチングには、ウェットエッチングやドライエッチングを用いることができる。絶縁膜418Aのエッチングは、下地となる酸化物406がエッチングされにくい条件で行われることが好ましい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Tetramethylammonium hydroxide:TMAH)を用いて絶縁膜418Aのエッチングを行うことができる。
ここで、ダミーゲート層405Bの膜厚を酸化物406の膜厚より厚くし、例えば、10nm以上100nm以下にしておくことで、該エッチング処理でサイドウォール絶縁体418Bの上部が除去されても、サイドウォール絶縁体418Bの絶縁体412およびダミーゲート層404Bと接する部分は残存させることができる。さらに、酸化物406の端部をテーパー形状とすることにより、酸化物406の側面に接して成膜された絶縁膜418Aを除去するための時間が短縮され、より容易にサイドウォール絶縁体418Bを形成することができる。
また、酸化物406の側面に接してサイドウォール絶縁体が残存する場合もある。当該サイドウォール絶縁体を酸化物406の側面に接して設けることで、酸化物406に混入する水または水素などの不純物を低減し、酸化物406から酸素が外方拡散するのを防ぐことができる場合がある。
次に、絶縁体402、酸化物406、サイドウォール絶縁体418B、およびダミーゲート層405Bを覆って、絶縁膜409Aを成膜する(図9(A)、(B)および(C)参照。)。絶縁膜409Aの成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができ、例えば、PECVD法を用いることが好ましい。
絶縁膜409Aの成膜は、窒素または水素の少なくとも一方を含む雰囲気で行うことが好ましい。このような雰囲気で成膜を行うことで、酸化物406bの絶縁体412と重ならない領域を中心に、酸素欠損を形成し、当該酸素欠損と窒素または水素などの不純物元素を結合させて、キャリア密度を高くすることができる。このようにして、低抵抗化された、領域426b及び領域426cを形成することができる。絶縁膜409Aとして、例えばCVD法を用いて、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコンを用いることができる。本実施の形態では、絶縁膜409Aとして、窒化酸化シリコンを用いる。
このように、本実施の形態に示す半導体装置の作製方法では、チャネル長が10nmから30nm程度に微細化されたトランジスタでも、絶縁膜409Aの成膜により、ソース領域およびドレイン領域を自己整合的に形成することができる。よって、微細化または高集積化された半導体装置も、歩留まり良く製造することができる。
また、絶縁膜409Aを成膜する前にプラズマ処理を行ってもよい。当該プラズマ処理は、例えば、上述の酸素欠損を形成する元素、または酸素欠損と結合する元素を含む雰囲気で行えばよい。
なお、プラズマ処理のみで酸化物406に領域426bおよび領域426を形成する構成にしてもよい。ただし、酸化物406に領域426bおよび領域426cを形成した後で、絶縁体409などと同様の、水または水素などの不純物、および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることが好ましい。領域426bおよび領域426cの上にこのような絶縁体を設けることにより、水または水素などの不純物、や酸素が領域426bおよび領域426cに侵入して、キャリア密度が変化することを防ぐことができる。
次に、絶縁膜409Aの上に、絶縁体410となる絶縁膜を成膜する。絶縁体410となる絶縁膜の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。
次に、絶縁体410となる絶縁膜、ダミーゲート層405B、サイドウォール絶縁体418B、および絶縁膜409Aの一部を除去し、絶縁体410、ダミーゲート405、サイドウォール絶縁体418、および絶縁体409を形成する(図10(A)、(B)および(C)参照。)。絶縁体410、ダミーゲート405、サイドウォール絶縁体418、および絶縁体409の形成にはCMP処理を用いることが好ましい。
また、上述のようにダミーゲート膜405Aを、例えば、導電膜と該導電膜上に樹脂膜を形成する2層構造の膜とすることで、CMP工程において、該導電膜がCMP処理のストッパ膜として機能する場合がある。または、該導電膜がCMP処理の終点検出が可能となる場合があり、ダミーゲート405の高さのばらつきの低減が可能となる場合がある。図10(B)(C)に示すように、ダミーゲート405の最上面と、サイドウォール絶縁体418、絶縁体409および絶縁体410の最上面が略一致する。
次に、ダミーゲート405を除去する。ダミーゲート405の除去は、ウェットエッチング、ドライエッチング、またはアッシングなどを用いて行うことができる。または、適宜、上記の処理を複数組み合わせて行ってもよい。例えば、アッシング処理の後に、ウェットエッチング処理を行うなどがある。ダミーゲート405を除去することにより、絶縁体412の表面が露出する(図11(A)、(B)および(C)参照。)。
次に、絶縁体412の表面が露出しているところから、酸素を絶縁体412へ注入する処理を行う。酸素を注入する処理としては、酸素を含むガスを用いたプラズマ処理、イオン注入装置を用いて酸素イオンを注入する処理などがある。例えば、高密度プラズマ源を有する装置を用いて、酸素を含むガスによるプラズマを照射することによって、酸素を絶縁体412へ注入することができる。または、イオン注入装置を用いて酸素イオンを絶縁体412へ注入することができる。以上のような方法によって絶縁体412に酸素を添加し、酸化物406bに酸素を供給することが可能となる。これにより、酸化物406の領域126aの酸素欠損を低減することができる(図12(A)、(B)および(C)参照。)。
または、導電性酸化物407を成膜することでも酸素を絶縁体412へ注入することができる。例えば、酸化物406aまたは酸化物406bとして用いることができる金属酸化物を用いることができる。特に、In−Ga−Zn系酸化物のうち、導電性が高い、金属の原子数比が[In]:[Ga]:[Zn]=4:2:3から4.1、およびその近傍値のものを用いることが好ましい。このような導電性酸化物407を、スパッタリング法を用いて成膜することで、絶縁体412に酸素を添加し、酸化物406bに酸素を供給することが可能となる。これにより、酸化物406の領域126aの酸素欠損を低減することができる(図13(A)、(B)および(C)参照。)。
本実施の形態では、高密度プラズマ源を有する装置を用いて、酸素を含むガスによるプラズマを照射することによって、酸素を絶縁体412へ注入する。絶縁体412に酸素を入れることでソース領域またはドレイン領域としての機能を有する領域426bまたは領域426cから、チャネル形成領域を有する領域426aへ酸素欠損が拡散してきた場合でも、直ちに消失させることができる。したがって、実効チャネル長が短くなることを抑制できる。即ち、チャネル長が極短い場合でもオンオフの取れた、良好な電気特性のトランジスタを作製することができる。
次に、導電体404aAおよび導電体404bAを成膜する。導電体404aAおよび導電体404bAの成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。例えば、CVD法を用いることが好ましい。本実施の形態では、ALD法を用いて、導電体404aAを成膜し、CVD法を用いて導電体404bAを成膜する(図14(A)、(B)および(C)参照。)。
次に、CMP処理によって、導電体404aAおよび導電体404bAを絶縁体410が露出するまで研磨することによって、導電体404aおよび導電体404bを有する導電体404を形成する(図15(A)、(B)および(C)参照。)。
ここで、第5の加熱処理を行うことができる。加熱処理は、第1の加熱処理条件を用いることができる。なお、第5の加熱処理は行わなくてもよい場合がある。
次に、絶縁体415を成膜する。絶縁体415の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。または、スピンコート法、ディップ法、液滴吐出法(インクジェット法など)、印刷法(スクリーン印刷、オフセット印刷など)、ドクターナイフ法、ロールコーター法またはカーテンコーター法などを用いて行うことができる。
なお、絶縁体415を成膜する前に絶縁体425を成膜してもよい。絶縁体425の成膜は、金属酸化物を用いることが好ましく、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。絶縁体425としては、水または水素などの不純物、および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることが好ましく、例えば、酸化アルミニウムまたは酸化ハフニウムなどを用いることが好ましい。
このような絶縁体425を設けることにより、酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体425とサイドウォール絶縁体418で導電体404の上面と側面を覆うことができる。これにより、導電体404の酸化に周囲の過剰酸素が用いられることを防ぐことができる。このように、サイドウォール絶縁体418と絶縁体425はゲートを保護するゲートキャップとしての機能を有する。例えば、酸化アルミニウムを用いることができる。酸化アルミニウムを用いることで、導電体404の酸化を防ぐことができて好ましい(図17(A)、(B)および(C)参照。)。
次に、絶縁体415上に、絶縁体420を成膜する。絶縁体420の成膜は、金属酸化物を用いることが好ましく、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。
絶縁体420としては、酸素プラズマを用いたスパッタリング法によって酸化アルミニウムを成膜することで、酸素を絶縁体410に添加することができる。添加された酸素は絶縁体410中で過剰酸素となる。
絶縁体420は、多層構造としてもよい。例えばスパッタリング法によって酸化アルミニウムを成膜し、該酸化アルミニウム上にALD法によって酸化アルミニウムを成膜する構造としてもよい。または、ALD法によって酸化アルミニウムを成膜し、該酸化アルミニウム上に、スパッタリング法によって酸化アルミニウムを成膜する構造としてもよい。
ここで、第6の加熱処理を行うことができる。加熱処理は、第1の加熱処理条件を用いることができる。なお、第6の加熱処理は行わなくてもよい場合がある。
以上により、トランジスタ1000を有する半導体装置を作製することができる(図1参照。)。
上記の半導体装置の作製方法においては、酸化物406に接して絶縁膜409Aを成膜することにより、領域426bおよび領域426cを形成したが、本実施の形態に係る半導体装置の作製方法はこれに限られるものではない。例えば、図16(A)に示すように、ドーパントを添加することで、領域426bおよび領域426cを形成してもよい。
図16(A)に示す工程は、図8に示すサイドウォール絶縁体418Bの形成の次に行う。図16(A)に示すように、絶縁体412、ダミーゲート層405B、およびサイドウォール絶縁体418Bをマスクとして、酸化物406にドーパント422を添加する。
ドーパント422の添加方法としては、イオン化された原料ガスを質量分離して添加するイオン注入法、イオン化された原料ガスを質量分離せずに添加するイオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いることができる。質量分離を行う場合、添加するイオン種およびその濃度を厳密に制御することができる。一方、質量分離を行わない場合、短時間で高濃度のイオンを添加することができる。また、原子または分子のクラスターを生成してイオン化するイオンドーピング法を用いてもよい。なお、ドーパントを、イオン、ドナー、アクセプター、不純物または元素などと言い換えてもよい。
ドーパント422としては、上述の酸素欠損を形成する元素、または酸素欠損と結合する元素などを用いればよい。
また、図16(A)では、ドーパント422を基板400の上面に略垂直に添加しているが、これに限られず、ドーパント422の添加を基板400の上面に対して傾斜させて行ってもよい。
このようにして、酸化物406に領域426bおよび領域426cを形成した後で、絶縁体409などと同様の、水または水素などの不純物、および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることが好ましい。領域426bおよび領域426cの上にこのような絶縁体を設けることにより、水または水素などの不純物、や酸素が領域426bおよび領域426cに混入して、キャリア密度が変化することを防ぐことができる。
また、図9に示す絶縁膜409Aの成膜を行った後で、図16(B)に示すように、さらにドーパント422を添加する構成にしてもよい。
<変形例>
本実施の形態に示す半導体装置は図1に示すものに限られるものではない。以下では、図18乃至図21および図32を用いて、本実施の形態に示すトランジスタの変形例について説明する。
まず、図18に示すトランジスタ1000aについて説明する。図18(A)は、トランジスタ1000aを有する半導体装置の上面図である。また、図18(B)は、図18(A)にA1−A2の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ1000aのチャネル長方向の断面図でもある。また、図18(C)は、図18(A)にA3−A4の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ1000aのチャネル幅方向の断面図でもある。図18(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。以下、図18乃至図21についても同様に、上面図および断面図を示す。
トランジスタ1000aは、酸化物406bの上に酸化物406cが配置されている点において、トランジスタ1000と異なる。その他の構成については、トランジスタ1000の記載を参酌することができる。酸化物406cの上に絶縁体412が配置され、酸化物406cの側面はサイドウォール絶縁体418に接する。酸化物406cは、絶縁体412および導電体404と重ねて形成されており、酸化物406cの側面は、絶縁体412および導電体404の側面と略一致する。ここで、絶縁体409は、酸化物406bの上面に接しており、酸化物406cとは接しない。なお、以下において、酸化物406aと酸化物406bと酸化物406cをまとめて酸化物406という場合がある。
酸化物406cは、酸化物406aまたは酸化物406bに用いることができる金属酸化物を、用いることができる。
酸化物406cとして酸化物406aに用いることができる金属酸化物を用いる場合、酸化物406cの伝導帯下端のエネルギーが、酸化物406bの伝導帯下端のエネルギーが低い領域における、伝導帯下端のエネルギーより高くなることが好ましい。また、言い換えると、酸化物406cの電子親和力が、酸化物406bの伝導帯下端のエネルギーが低い領域における電子親和力より小さいことが好ましい。
ここで、酸化物406a、酸化物406b及び酸化物406cにおいて、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。換言すると、連続的に変化または連続接合するともいうことができる。このようにするためには、酸化物406aと酸化物406bとの界面、または酸化物406bと酸化物406cとの界面において形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
具体的には、酸化物406aと酸化物406b、酸化物406bと酸化物406cが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物406bがIn−Ga−Zn酸化物の場合、酸化物406a、酸化物406cとして、In−Ga−Zn酸化物、Ga−Zn酸化物、酸化ガリウムなどを用いるとよい。
このとき、キャリアの主たる経路は酸化物406bに形成されるナローギャップ部分となる。酸化物406aと酸化物406bとの界面、および酸化物406bと酸化物406cとの界面における欠陥準位密度を低くすることができるため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さく、高いオン電流が得られる。
トランジスタ1000aを作製する場合、図5に示す絶縁膜412Aを成膜する工程の前に、酸化物406cとなる酸化膜を成膜すればよい。以降の工程では、該酸化膜を絶縁膜412Aと同様にパターン形成していけばよい。
次に、図19(A)、(B)、および(C)に示すトランジスタ1000bについて説明する。トランジスタ1000bは、酸化物406bの上に酸化物406cが配置されている点において、トランジスタ1000と異なる。その他の構成については、トランジスタ1000の記載を参酌することができる。酸化物406cの下に酸化物406bが配置され、酸化物406cの側面は酸化物406bの側面と略一致する。酸化物406cは、酸化物406aおよび酸化物406bと重ねて形成されている。ここで、絶縁体409は、酸化物406cの上面に接しているため、酸化物406cも酸化物406bと同様に領域426a、領域426b、および領域426cが形成される。なお、以下において、酸化物406aと酸化物406bと酸化物406cをまとめて酸化物406という場合がある。
トランジスタ1000aと同様に、トランジスタ1000bの酸化物406cは、酸化物406aまたは酸化物406bに用いることができる金属酸化物を、用いることができる。
トランジスタ1000bを作製する場合、図3に示す酸化膜406bAを成膜する工程の後で、酸化物406cとなる酸化膜を成膜すればよい。以降の工程では、該酸化膜を酸化膜406bAと同様にパターン形成していけばよい。
次に、図32(A)、(B)、および(C)に示すトランジスタ1000cについて説明する。トランジスタ1000cは、サイドウォール絶縁体418が無い構造である。トランジスタ1000cは、トランジスタ1000の作製方法にて、ダミーゲート層405Bを形成した後に、絶縁膜418Aの成膜およびサイドウォール絶縁体418の形成を行わないことで作製することができる。
次に、図20(A)、(B)、および(C)に示すトランジスタ2000について説明する。トランジスタ2000は、上記のトランジスタ1000、トランジスタ1000a、トランジスタ1000b、およびトランジスタ1000cなどと並行して作製することができるトランジスタである。特にトランジスタ1000aと並行してトランジスタ2000を作製する場合、余計な工程を増やすことなく、作製することができる。
トランジスタ2000は、基板400の上に配置された絶縁体401と、絶縁体401の上に配置された絶縁体301と、絶縁体301の開口に埋め込まれた導電体310aおよび導電体310bと、絶縁体301および導電体310の上に配置された絶縁体302と、絶縁体302の上に配置された絶縁体303と、絶縁体303の上に配置された絶縁体402と、絶縁体402の上に互いに離間して配置された酸化物406a1および酸化物406a2と、酸化物406a1の上面に接して配置された酸化物406b1と、酸化物406a2の上面に接して配置された酸化物406b2と、絶縁体402の上面、酸化物406a1および酸化物406a2の側面、並びに酸化物406b1および酸化物406b2の側面と上面に接して配置された酸化物406cと、酸化物406cの上に配置された絶縁体412と、絶縁体412の上に配置された導電体404aと、導電体404aの上に配置された導電体404bと、酸化物406c、絶縁体412、導電体404a、および導電体404bの側面に接して配置されたサイドウォール絶縁体418と、酸化物406b1および酸化物406b2の上面と側面に接し、かつサイドウォール絶縁体418の側面に接して配置された絶縁体409と、を有する。
図20(B)に示すように、酸化物406c、絶縁体412、導電体404の一部は、酸化物406a1および酸化物406a2、または酸化物406b1および酸化物406b2に重なる。
また、絶縁体409の上に絶縁体410を配置し、絶縁体410の上に絶縁体415を配置し、絶縁体415の上に絶縁体420を配置することが好ましい。
なお、トランジスタ1000aと同一の符号を付した構成については、トランジスタ1000aの記載を参酌することができる。
酸化物406a1および酸化物406a2、ならびに酸化物406b1および酸化物406b2は、それぞれ、トランジスタ1000aの酸化物406a、および酸化物406bと同様の材料を用いて形成することができる。酸化物406a1および酸化物406b1と、酸化物406a2および酸化物406b2は、導電体310、酸化物406c、絶縁体412、および導電体404を挟んで対向して形成される。
酸化物406a1および酸化物406b1、ならびに酸化物406a2および酸化物406b2は、絶縁体409と重なる領域を有し、該領域およびその近傍は、トランジスタ1000aの領域426bおよび領域426cと同様に、低抵抗化されている。よって、酸化物406a1および酸化物406b1、または酸化物406a2および酸化物406b2は、トランジスタ2000のソース領域またはドレイン領域のいずれかとして機能できる。
トランジスタ2000の酸化物406cは、トランジスタ1000aの酸化物406cと同様の材料を用いて形成することができる。酸化物406cの、酸化物406a1および酸化物406a2と、酸化物406b1および酸化物406b2に挟まれる領域は、チャネル形成領域として機能する。
トランジスタ2000の活性層として機能する酸化物406cは、トランジスタ1000aの酸化物406cなどと同様に、酸素欠損が低減され、水素または水などの不純物が低減されている。これにより、トランジスタ2000のしきい値電圧を0Vより大きくし、オフ電流を低減し、Icutを非常に小さくすることができる。ここで、Icutとは、バックゲート電圧及びトップゲート電圧が0Vのときのドレイン電流のことを指す。
トランジスタ2000は、トランジスタ1000aなどのバックゲート電圧を制御することができる。例えば、トランジスタ2000のトップゲート及びバックゲートをソースとダイオード接続し、トランジスタ2000のソースとトランジスタ1000aのバックゲートを接続する構成とする。この構成でトランジスタ1000aのバックゲートの負電位を保持するとき、トランジスタ2000のトップゲート−ソース間の電圧、およびバックゲート−ソース間の電圧は、0Vになる。トランジスタ2000のIcutは非常に小さいので、この構成とすることにより、トランジスタ1000aおよびトランジスタ2000に電源供給をしなくてもトランジスタ1000aのバックゲートの負電位を長時間維持することができる。
次に、図21(A)、(B)、および(C)に示すトランジスタ2000aについて説明する。トランジスタ2000aは、導電体310と同じ層に導電体308および導電体309が配置されており、絶縁体302、絶縁体303、および絶縁体402に形成された開口を介して酸化物406cが導電体308および導電体309と接しており、酸化物406a1、酸化物406a2、酸化物406b1、および酸化物406b2、が設けられていない点において、トランジスタ2000と異なる。その他の構成については、トランジスタ2000の記載を参酌することができる。
導電体308および導電体309は、導電体310を挟んで対向して設けられる。導電体308または導電体309は、ソース電極又はドレイン電極のいずれかとして機能できる。
導電体308は、導電体310と同様に、絶縁体301の開口の内壁に接して導電体308aが形成され、さらに内側に導電体308bが形成されている。また、導電体309も、導電体310および導電体308と同様に、導電体309aおよび導電体309bが形成されている。酸化物406cは、導電体308bおよび導電体309bと接することが好ましい。導電体308aおよび導電体309aは、導電体310aと同様の導電体を用いることができ、導電体308bおよび導電体309bは、導電体310bと同様の導電体を用いることができる。
トランジスタ2000aの活性層として機能する酸化物406cは、トランジスタ1000aの酸化物406cなどと同様に、酸素欠損が低減され、水素または水などの不純物が低減されている。これにより、トランジスタ2000aのしきい値電圧を0Vより大きくし、オフ電流を低減し、Icutを非常に小さくすることができる。
トランジスタ2000aは、トランジスタ2000と同様に、トランジスタ1000aなどのバックゲート電圧を制御することができる。例えば、トランジスタ2000aのトップゲート及びバックゲートをソースとダイオード接続し、トランジスタ2000aのソースとトランジスタ1000aのバックゲートを接続する構成とする。この構成でトランジスタ1000aのバックゲートの負電位を保持するとき、トランジスタ2000aのトップゲート−ソース間の電圧、およびバックゲート−ソース間の電圧は、0Vになる。トランジスタ2000aのIcutは非常に小さいので、この構成とすることにより、トランジスタ1000aおよびトランジスタ2000aに電源供給をしなくてもトランジスタ1000aのバックゲートの負電位を長時間維持することができる。
また、トランジスタ2000aは、トランジスタ2000と同様に、トランジスタ1000aとほぼ並行して作製することができるトランジスタである。
以上のように、本発明の一態様により、微細化または高集積化が可能な半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、良好な電気特性を有する半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、オフ電流の小さい半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、オン電流の大きいトランジスタを提供することができる。または、本発明の一態様により、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、消費電力が低減された半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、生産性の高い半導体装置を提供することができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、半導体装置の一形態を、図22乃至図27を用いて説明する。
[記憶装置1]
図22および図23に示す半導体装置は、トランジスタ300と、トランジスタ200、および容量素子100を有している。
トランジスタ200は、酸化物半導体を有する半導体層にチャネルが形成されるトランジスタであり、上記実施の形態に示すトランジスタを用いることができる。上記実施の形態に示すトランジスタは、微細化しても歩留まり良く形成できるので、トランジスタ200の微細化を図ることができる。このようなトランジスタを記憶装置に用いることで、記憶装置の微細化または高集積化を図ることができる。上記実施の形態に示すトランジスタは、オフ電流が小さいため、これを記憶装置に用いることにより長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、あるいは、リフレッシュ動作の頻度が極めて少ないため、記憶装置の消費電力を十分に低減することができる。
図22および図23に示すにおいて、配線3001はトランジスタ300のソースと電気的に接続され、配線3002はトランジスタ300のドレインと電気的に接続されている。また、配線3003はトランジスタ200のソースおよびドレインの一方と電気的に接続され、配線3004はトランジスタ200の第1のゲートと電気的に接続され、配線3006はトランジスタ200の第2のゲートと電気的に接続されている。そして、トランジスタ300のゲート、およびトランジスタ200のソースおよびドレインの他方は、容量素子100の電極の一方と電気的に接続され、配線3005は容量素子100の電極の他方と電気的に接続されている。
図22および図23に示す半導体装置は、トランジスタ300のゲートの電位が保持可能という特性を有することで、以下に示すように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、第4の配線3004の電位を、トランジスタ200が導通状態となる電位にして、トランジスタ200を導通状態とする。これにより、第3の配線3003の電位が、トランジスタ300のゲート、および容量素子100の電極の一方と電気的に接続するノードFGに与えられる。即ち、トランジスタ300のゲートには、所定の電荷が与えられる(書き込み)。ここでは、異なる二つの電位レベルを与える電荷(以下Lowレベル電荷、Highレベル電荷という。)のどちらかが与えられるものとする。その後、第4の配線3004の電位を、トランジスタ200が非導通状態となる電位にして、トランジスタ200を非導通状態とすることにより、ノードFGに電荷が保持される(保持)。
トランジスタ200のオフ電流が小さい場合、ノードFGの電荷は長期間にわたって保持される。
次に情報の読み出しについて説明する。第1の配線3001に所定の電位(定電位)を与えた状態で、第5の配線3005に適切な電位(読み出し電位)を与えると、第2の配線3002は、ノードFGに保持された電荷量に応じた電位をとる。これは、トランジスタ300をnチャネル型とすると、トランジスタ300のゲートにHighレベル電荷が与えられている場合の見かけ上のしきい値電圧Vth_Hは、トランジスタ300のゲートにLowレベル電荷が与えられている場合の見かけ上のしきい値電圧Vth_Lより低くなるためである。ここで、見かけ上のしきい値電圧とは、トランジスタ300を「導通状態」とするために必要な第5の配線3005の電位をいうものとする。したがって、第5の配線3005の電位をVth_HとVth_Lの間の電位Vとすることにより、ノードFGに与えられた電荷を判別できる。例えば、書き込みにおいて、ノードFGにHighレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV(>Vth_H)となれば、トランジスタ300は「導通状態」となる。一方、ノードFGにLowレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV(<Vth_L)となっても、トランジスタ300は「非導通状態」のままである。このため、第2の配線3002の電位を判別することで、ノードFGに保持されている情報を読み出すことができる。
<半導体装置1の構造>
本発明の一態様の半導体装置は、図22に示すようにトランジスタ300、トランジスタ200、容量素子100を有する。トランジスタ200はトランジスタ300の上方に設けられ、容量素子100はトランジスタ300、およびトランジスタ200の上方に設けられている。
トランジスタ300は、基板311上に設けられ、導電体316、絶縁体315、基板311の一部からなる半導体領域313、およびソース領域またはドレイン領域として機能する低抵抗領域314a、および低抵抗領域314bを有する。
トランジスタ300は、pチャネル型、あるいはnチャネル型のいずれでもよい。
半導体領域313のチャネルが形成される領域、その近傍の領域、ソース領域、またはドレイン領域となる低抵抗領域314a、および低抵抗領域314bなどにおいて、シリコン系半導体などの半導体を含むことが好ましく、単結晶シリコンを含むことが好ましい。または、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、GaAlAs(ガリウムアルミニウムヒ素)などを有する材料で形成してもよい。結晶格子に応力を与え、格子間隔を変化させることで有効質量を制御したシリコンを用いた構成としてもよい。またはGaAsとGaAlAs等を用いることで、トランジスタ300をHEMT(High Electron Mobility Transistor)としてもよい。
低抵抗領域314a、および低抵抗領域314bは、半導体領域313に適用される半導体材料に加え、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、またはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含む。
ゲート電極として機能する導電体316は、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、もしくはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含むシリコンなどの半導体材料、金属材料、合金材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。
なお、導電体の材料により、仕事関数を定めることで、しきい値電圧を調整することができる。具体的には、導電体に窒化チタンや窒化タンタルなどの材料を用いることが好ましい。さらに導電性と埋め込み性を両立するために導電体にタングステンやアルミニウムなどの金属材料を積層として用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが耐熱性の点で好ましい。
なお、図22に示すトランジスタ300は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。
トランジスタ300を覆って、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、および絶縁体326が順に積層して設けられている。
絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、および絶縁体326として、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよい。
絶縁体322は、その下方に設けられるトランジスタ300などによって生じる段差を平坦化する平坦化膜として機能を有していてもよい。例えば、絶縁体322の上面は、平坦性を高めるために化学機械研磨(CMP)法等を用いた平坦化処理により平坦化されていてもよい。
また、絶縁体324には、基板311、またはトランジスタ300などから、トランジスタ200が設けられる領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、例えば、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ200等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、該半導体素子の特性が低下する場合がある。従って、トランジスタ200と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
水素の脱離量は、例えば、昇温脱離ガス分析法(TDS)などを用いて分析することができる。例えば、絶縁体324の水素の脱離量は、TDS分析において、50℃から500℃の範囲において、水素原子に換算した脱離量が、絶縁体324の面積当たりに換算して、10×1015atoms/cm以下、好ましくは5×1015atoms/cm以下であればよい。
なお、絶縁体326は、絶縁体324よりも誘電率が低いことが好ましい。例えば、絶縁体326の比誘電率は4未満が好ましく、3未満がより好ましい。また例えば、絶縁体324の比誘電率は、絶縁体326の比誘電率の0.7倍以下が好ましく、0.6倍以下がより好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
また、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、および絶縁体326には容量素子100、またはトランジスタ200と電気的に接続する導電体328、および導電体330等が埋め込まれている。なお、導電体328、および導電体330はプラグ、または配線として機能を有する。また、プラグまたは配線として機能を有する導電体は、複数の構造をまとめて同一の符号を付与する場合がある。また、本明細書等において、配線と、配線と電気的に接続するプラグとが一体物であってもよい。すなわち、導電体の一部が配線として機能する場合、および導電体の一部がプラグとして機能する場合もある。
各プラグ、および配線(導電体328、および導電体330等)の材料としては、金属材料、合金材料、金属窒化物材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を、単層または積層して用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、タングステンを用いることが好ましい。または、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
絶縁体326、および導電体330上に、配線層を設けてもよい。例えば、図22において、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354が順に積層して設けられている。また、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354には、導電体356が形成されている。導電体356は、プラグ、または配線として機能を有する。なお導電体356は、導電体328、および導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体350は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体356は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体350が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ200とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ200への水素の拡散を抑制することができる。
なお、水素に対するバリア性を有する導電体としては、例えば、窒化タンタル等を用いるとよい。また、窒化タンタルと導電性が高いタングステンを積層することで、配線としての導電性を保持したまま、トランジスタ300からの水素の拡散を抑制することができる。この場合、水素に対するバリア性を有する窒化タンタル層が、水素に対するバリア性を有する絶縁体350と接する構造であることが好ましい。
絶縁体354、および導電体356上に、配線層を設けてもよい。例えば、図22において、絶縁体360、絶縁体362、及び絶縁体364が順に積層して設けられている。また、絶縁体360、絶縁体362、及び絶縁体364には、導電体366が形成されている。導電体366は、プラグ、または配線として機能を有する。なお導電体366は、導電体328、および導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体360は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体366は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体360が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ200とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ200への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体364、および導電体366上に、配線層を設けてもよい。例えば、図22において、絶縁体370、絶縁体372、及び絶縁体374が順に積層して設けられている。また、絶縁体370、絶縁体372、及び絶縁体374には、導電体376が形成されている。導電体376は、プラグ、または配線として機能を有する。なお導電体376は、導電体328、および導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体370は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体376は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体370が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ200とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ200への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体374、および導電体376上に、配線層を設けてもよい。例えば、図22において、絶縁体380、絶縁体382、及び絶縁体384が順に積層して設けられている。また、絶縁体380、絶縁体382、及び絶縁体384には、導電体386が形成されている。導電体386は、プラグ、または配線として機能を有する。なお導電体386は、導電体328、および導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体380は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体386は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体380が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ200とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ200への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体384上には絶縁体210、絶縁体212、絶縁体214、および絶縁体216が、順に積層して設けられている。絶縁体210、絶縁体212、絶縁体214、および絶縁体216のいずれかは、酸素や水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。
例えば、絶縁体210、および絶縁体214には、例えば、基板311、またはトランジスタ300を設ける領域などから、トランジスタ200を設ける領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。従って、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ200等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、該半導体素子の特性が低下する場合がある。従って、トランジスタ200と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
また、水素に対するバリア性を有する膜として、例えば、絶縁体210、および絶縁体214には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、およびトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中および作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ200への混入を防止することができる。また、トランジスタ200を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ200に対する保護膜として用いることに適している。
また、例えば、絶縁体212、および絶縁体216には、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、当該絶縁膜に、比較的誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体212、および絶縁体216として、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体210、絶縁体212、絶縁体214、および絶縁体216には、導電体218、及びトランジスタ200を構成する導電体(導電体205)等が埋め込まれている。なお、導電体218は、容量素子100、またはトランジスタ300と電気的に接続するプラグ、または配線としての機能を有する。導電体218は、導電体328、および導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
特に、絶縁体210、および絶縁体214と接する領域の導電体218は、酸素、水素、および水に対するバリア性を有する導電体であることが好ましい。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ200とは、酸素、水素、および水に対するバリア性を有する層で、完全により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ200への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体216の上方には、トランジスタ200が設けられている。なお、トランジスタ200としては、先の実施の形態で説明した半導体装置が有するトランジスタを用いればよい。例えば、トランジスタ200としては、トランジスタ1000、トランジスタ1000a、およびトランジスタ1000bなどを用いることができる。図22では、トランジスタ200としてトランジスタ1000aを用いる例を示している。また、図22に示すトランジスタ200は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。
トランジスタ200の上方には、絶縁体280を設ける。絶縁体280には、過剰酸素領域が形成されていることが好ましい。特に、トランジスタ200に酸化物半導体を用いる場合、トランジスタ200近傍の層間膜などに、過剰酸素領域を有する絶縁体を設けることで、トランジスタ200が有する酸化物230の酸素欠損を低減することで、信頼性を向上させることができる。また、トランジスタ200を覆う絶縁体280は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。なお、絶縁体280は、トランジスタ200の上部に形成される絶縁体281と絶縁体225に接して設けられる。
過剰酸素領域を有する絶縁体として、具体的には、加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料を用いることが好ましい。加熱により酸素を脱離する酸化物とは、TDS分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm以上、好ましくは3.0×1020atoms/cm以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、または100℃以上500℃以下の範囲が好ましい。
例えばこのような材料として、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを含む材料を用いることが好ましい。または、金属酸化物を用いることもできる。なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
絶縁体280上には、絶縁体282が設けられている。絶縁体282は、酸素や水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。従って、絶縁体282には、絶縁体214と同様の材料を用いることができる。例えば、絶縁体282には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、およびトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中および作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ200への混入を防止することができる。また、トランジスタ200を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ200に対する保護膜として用いることに適している。
なお、トランジスタ200としてトランジスタ1000aを設ける場合、絶縁体214は絶縁体301に、導電体218は導電体310に、絶縁体216は絶縁体301に、絶縁体220は絶縁体302に、絶縁体222は絶縁体303に、絶縁体224は絶縁体402に、絶縁体225は絶縁体409に、絶縁体281は絶縁体410に、絶縁体280は絶縁体415に、絶縁体282は絶縁体420に対応する。よって、先の実施の形態に示す、対応する構成の記載を参酌することができる。
また、絶縁体282上には、絶縁体286が設けられている。絶縁体286は、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、当該絶縁膜に、比較的誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体286として、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224、絶縁体280絶縁体282、および絶縁体286には、導電体246、および導電体248等が埋め込まれている。
導電体246、および導電体248は、容量素子100、トランジスタ200、またはトランジスタ300と電気的に接続するプラグ、または配線として機能を有する。導電体246、および導電体248は、導電体328、および導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
続いて、トランジスタ200の上方には、容量素子100が設けられている。容量素子100は、導電体110と、導電体120、および絶縁体130とを有する。
また、導電体246、および導電体248上に、導電体112を設けてもよい。導電体112は、容量素子100、トランジスタ200、またはトランジスタ300と電気的に接続するプラグ、または配線として機能を有する。導電体110は、容量素子100の電極として機能を有する。なお、導電体112、および導電体110は、同時に形成することができる。
導電体112、および導電体110には、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化タンタル、窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。又は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。
図22では、導電体112、および導電体110は単層構造を示したが、当該構成に限定されず、2層以上の積層構造でもよい。例えば、バリア性を有する導電体と導電性が高い導電体との間に、バリア性を有する導電体、および導電性が高い導電体に対して密着性が高い導電体を形成してもよい。
また、導電体112、および導電体110上に、容量素子100の誘電体として、絶縁体130を設ける。絶縁体130は、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、窒化酸化ハフニウム、窒化ハフニウムなどを用いればよく、積層または単層で設けることができる。
例えば、絶縁体130には、酸化窒化シリコンなどの絶縁耐力が大きい材料を用いるとよい。当該構成により、容量素子100は、絶縁体130を有することで、絶縁耐力が向上し、容量素子100の静電破壊を抑制することができる。
絶縁体130上に、導電体110と重畳するように、導電体120を設ける。なお、導電体120は、金属材料、合金材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが好ましい。また、導電体などの他の構造と同時に形成する場合は、低抵抗金属材料であるCu(銅)やAl(アルミニウム)等を用いればよい。
導電体120、および絶縁体130上には、絶縁体150が設けられている。絶縁体150は、絶縁体320と同様の材料を用いて設けることができる。また、絶縁体150は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。
以上が構成例についての説明である。本構成を用いることで、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。または、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、消費電力を低減することができる。または、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、微細化または高集積化を図ることができる。または、微細化または高集積化された半導体装置を生産性良く提供することができる。
<記憶装置1の変形例1>
また、本実施の形態の変形例の一例を、図23に示す。図23は、図22と、トランジスタ300の構成が異なる。
図9に示すトランジスタ300はチャネルが形成される半導体領域313(基板311の一部)が凸形状を有する。また、半導体領域313の側面および上面を、絶縁体315を介して、導電体316が覆うように設けられている。なお、導電体316は仕事関数を調整する材料を用いてもよい。このようなトランジスタ300は半導体基板の凸部を利用していることからFIN型トランジスタとも呼ばれる。なお、凸部の上部に接して、凸部を形成するためのマスクとして機能する絶縁体を有していてもよい。また、ここでは半導体基板の一部を加工して凸部を形成する場合を示したが、SOI基板を加工して凸形状を有する半導体膜を形成してもよい。
以上が変形例についての説明である。本構成を用いることで、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。または、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、消費電力を低減することができる。または、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、微細化または高集積化を図ることができる。または、微細化または高集積化された半導体装置を生産性良く提供することができる。
<記憶装置1の変形例2>
また、本実施の形態の変形例の一例を、図24に示す。図24は、図23と、容量素子100の構成が異なる。
図24に示す記憶装置では、絶縁体286の上に絶縁体287が設けられ、導電体112が絶縁体287に埋め込まれ、絶縁体287の上に絶縁体155が設けられ、絶縁体155に形成された複数の開口に導電体110が設けられ、導電体110の上に絶縁体130が設けられ、絶縁体130の上に、導電体110と重なるように導電体120が設けられる。また、トランジスタ200と電気的に接続される導電体248と、トランジスタ300と電気的に接続される導電体248と、を接続するように導電体112を設け、当該導電体112に接して導電体110を設ければよい。また、絶縁体287、絶縁体155は、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。
図24に示す容量素子100において、絶縁体155に形成された開口の中で、導電体110と、絶縁体130と、導電体120が重なるので、導電体110、絶縁体130、および導電体120は被覆性の良好な膜にすることが好ましい。このため、導電体110、絶縁体130、および導電体120は、CVD法、ALD法などの良好な段差被覆性を有する成膜方法を用いて成膜することが好ましい。
容量素子100は、絶縁体155に設けられた開口の形状に沿って形成されるため、当該開口が深く形成されるほど静電容量を増加させることができる。また、当該開口の数を増やすほど静電容量を増加させることができる。このような容量素子100を形成することにより、容量素子100の上面積を増やすことなく、静電容量を増加させることができる。
以上が変形例についての説明である。本構成を用いることで、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。または、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、消費電力を低減することができる。または、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、微細化または高集積化を図ることができる。または、微細化または高集積化された半導体装置を生産性良く提供することができる。
<メモリセルアレイの構造>
本実施の形態のメモリセルアレイの一例を、図25に示す。図22および図23に示す記憶装置をメモリセルとして、マトリクス状に配置することで、メモリセルアレイを構成することができる。図25は、図22に示す記憶装置を、マトリクス状に配置した場合における、行の一部を抜き出した断面図である。
図25に示す記憶装置では、メモリセル600aとメモリセル600bが隣接して配置されている。メモリセル600aおよびメモリセル600bは、図22に示す記憶装置と同様に、トランジスタ300、トランジスタ200、および容量素子100を有し、配線3001、配線3002、配線3003、配線3004、配線3005、および配線3006と電気的に接続される。また、メモリセル600aおよびメモリセル600bにおいても、同様にトランジスタ300のゲートと、容量素子100の電極の一方と、が電気的に接続するノードを、ノードFGとする。なお、配線3002は隣接するメモリセル600aとメモリセル600bで共通の配線である。
メモリセルをアレイ状に配置する場合、読み出し時には、所望のメモリセルの情報を読み出さなくてはならない。例えば、メモリセルアレイがNOR型の構成の場合、情報を読み出さないメモリセルのトランジスタ300を非導通状態にすることで、所望のメモリセルの情報のみを読み出すことができる。この場合、ノードFGに与えられた電荷によらずトランジスタ300が「非導通状態」となるような電位、つまり、Vth_Hより低い電位を、情報を読み出さないメモリセルと接続される第5の配線3005に与えればよい。または、例えば、メモリセルアレイがNAND型の構成の場合、情報を読み出さないメモリセルのトランジスタ300を導通状態にすることで、所望のメモリセルの情報のみを読み出すことができる。この場合、ノードFGに与えられた電荷によらずトランジスタ300が「導通状態」となるような電位、つまり、Vth_Lより高い電位を、情報を読み出さないメモリセルと接続される第5の配線3005に与えればよい。
[記憶装置2]
本発明の一態様である半導体装置を使用した、記憶装置の一例を図26に示す。
図26に示す記憶装置は、図22で示したトランジスタ200、トランジスタ300、および容量素子100を有する半導体装置に加え、トランジスタ345を有している。
トランジスタ345としては、先の実施の形態で説明した半導体装置が有するトランジスタを用いればよい。例えば、トランジスタ345としては、トランジスタ2000およびトランジスタ2000aなどを用いることができる。図26では、トランジスタ200としてトランジスタ2000を用いる例を示している。また、図26に示すトランジスタ345は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。
トランジスタ345として、トランジスタ2000またはトランジスタ2000aを用いることで、トランジスタ345は、トランジスタ200の第2のゲート電圧を制御することができる。例えば、トランジスタ345の第1のゲート及び第2のゲートをソースとダイオード接続し、トランジスタ345のソースと、トランジスタ200の第2のゲートを接続する構成とする。当該構成でトランジスタ200の第2のゲートの負電位を保持するとき、トランジスタ345の第1のゲートーソース間の電圧および、第2のゲートーソース間の電圧は、0Vになる。トランジスタ345において、第2のゲート電圧及び第1のゲート電圧が0Vのときのドレイン電流が非常に小さいため、トランジスタ200およびトランジスタ345に電源供給をしなくても、トランジスタ200の第2のゲートの負電位を長時間維持することができる。これにより、トランジスタ200、およびトランジスタ345を有する記憶装置は、長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。
従って、図26において、配線3001はトランジスタ300のソースと電気的に接続され、配線3002はトランジスタ300のドレインと電気的に接続されている。また、配線3003はトランジスタ200のソースおよびドレインの一方と電気的に接続され、配線3004はトランジスタ200のゲートと電気的に接続され、配線3006はトランジスタ200のバックゲートと電気的に接続されている。そして、トランジスタ300のゲート、およびトランジスタ200のソースおよびドレインの他方は、容量素子100の電極の一方と電気的に接続され、配線3005は容量素子100の電極の他方と電気的に接続されている。配線3007はトランジスタ345のソースと電気的に接続され、配線3008はトランジスタ345のゲートと電気的に接続され、配線3009はトランジスタ345のバックゲートと電気的に接続され、配線3010はトランジスタ345のドレインと電気的に接続されている。ここで、配線3006、配線3007、配線3008、及び配線3009が電気的に接続されている。
図26に示す記憶装置は、トランジスタ300のゲートの電位が保持可能という特性を有することで、上述のように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
また、図26に示す記憶装置は、図22に示す記憶装置と同様に、マトリクス状に配置することで、メモリセルアレイを構成することができる。なお、1個のトランジスタ345は、複数のトランジスタ200の第2のゲート電圧を制御することができる。そのため、トランジスタ345は、トランジスタ200よりも、少ない個数を設けるとよい。
<記憶装置2の構造>
トランジスタ345は、トランジスタ200と同じ層に形成されており、並行して作製することができるトランジスタである。例えばトランジスタ345としてトランジスタ2000を用い、トランジスタ200としてトランジスタ1000aを用いた場合は、図26に示すように、図18に示すトランジスタ1000aと図21に示すトランジスタ2000の同一の符号の構成を同じ層に形成することができる。なお、トランジスタ2000の酸化物406a1および酸化物406a2はトランジスタ1000aの酸化物406aと同じ層に配置され、トランジスタ2000の酸化物406b1および酸化物406b2はトランジスタ1000aの酸化物406bと同じ層に配置される。
また、大面積基板を半導体素子ごとに分断することによって、複数の半導体装置をチップ状で取り出す場合に設けられるダイシングライン(スクライブライン、分断ライン、又は切断ラインと呼ぶ場合がある)について説明する。分断方法としては、例えば、まず、基板に半導体素子を分断するための溝(ダイシングライン)を形成した後、ダイシングラインにおいて切断し、複数の半導体装置に分断(分割)する場合がある。例えば、図16に示す構造500は、ダイシングライン近傍の断面図を示している。
例えば、構造500に示すように、トランジスタ200、またはトランジスタ345を有するメモリセルの外縁に設けられるダイシングラインと重なる領域近傍において、絶縁体280、絶縁体281、絶縁体225、絶縁体224、絶縁体222、絶縁体220、及び絶縁体216に開口を設ける。また、絶縁体280、絶縁体281、絶縁体225、絶縁体224、絶縁体222、絶縁体220、及び絶縁体216の側面を覆うように、絶縁体282を設ける。
つまり、該開口部において、絶縁体222、および絶縁体214と、絶縁体282とが接する。このとき、絶縁体222、絶縁体214の少なくとも一と、絶縁体282とを同材料及び同方法を用いて形成することで、密着性を高めることができる。例えば、酸化アルミニウムを用いることができる。
当該構造により、絶縁体214、絶縁体222、絶縁体282で、絶縁体280、トランジスタ200、およびトランジスタ345を包み込むことができる。絶縁体210、絶縁体222、絶縁体282は、酸素、水素、及び水の拡散を抑制する機能を有しているため、本実施の形態に示す半導体素子が形成された基板を複数有する回路領域ごとに、分断することにより、複数のチップに加工しても、分断した基板の側面方向から、水素又は水などの不純物が混入し、トランジスタ200、またはトランジスタ345に拡散することを防ぐことができる。
また、当該構造により、絶縁体280の過剰酸素が絶縁体282、および絶縁体222の外部に拡散することを防ぐことができる。従って、絶縁体280の過剰酸素は、効率的にトランジスタ200、またはトランジスタ345におけるチャネルが形成される酸化物に供給される。当該酸素により、トランジスタ200、またはトランジスタ345におけるチャネルが形成される酸化物の酸素欠損を低減することができる。これにより、トランジスタ200、またはトランジスタ345におけるチャネルが形成される酸化物を欠陥準位密度が低い、安定な特性を有する酸化物半導体とすることができる。つまり、トランジスタ200、またはトランジスタ345の電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。
また、図27に示すように、トランジスタ345として、上記実施の形態に示すトランジスタ2000aを設ける構成にしてもよい。
また、図27に示すように、容量素子100の上部電極として機能する導電体120が、容量素子100の下部電極として機能する導電体112の側面まで回り込むように設けてもよい。これにより、導電体112の側面も容量素子として機能するため、容量素子100の静電容量を増加させることができる。また、容量素子100を形成する誘電体膜を絶縁体130aと絶縁体130bの積層膜にしてもよい。例えば、絶縁体130aとして酸化アルミニウム、絶縁体130bとして酸化窒化シリコンなどを用いることができる。
以上が構成例についての説明である。本構成を用いることで、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。または、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、消費電力を低減することができる。または、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、微細化または高集積化を図ることができる。または、微細化または高集積化された半導体装置を生産性良く提供することができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、半導体装置の一形態を、図28、および図29を用いて説明する。
<半導体ウエハ、チップ>
図28(A)は、ダイシング処理が行なわれる前の基板711の上面図を示している。基板711としては、例えば、半導体基板(「半導体ウエハ」ともいう。)を用いることができる。基板711上には、複数の回路領域712が設けられている。回路領域712には、本発明の一態様に係る半導体装置などを設けることができる。
複数の回路領域712は、それぞれが分離領域713に囲まれている。分離領域713と重なる位置に分離線(「ダイシングライン」ともいう。)714が設定される。分離線714に沿って基板711を切断することで、回路領域712を含むチップ715を基板711から切り出すことができる。図28(B)にチップ715の拡大図を示す。
また、分離領域713に導電層、半導体層などを設けてもよい。分離領域713に導電層、半導体層などを設けることで、ダイシング工程時に生じうるESDを緩和し、ダイシング工程に起因する歩留まりの低下を防ぐことができる。また、一般にダイシング工程は、基板の冷却、削りくずの除去、帯電防止などを目的として、炭酸ガスなどを溶解させて比抵抗を下げた純水を切削部に供給しながら行なう。分離領域713に導電層、半導体層などを設けることで、当該純水の使用量を削減することができる。よって、半導体装置の生産コストを低減することができる。また、半導体装置の生産性を高めることができる。
<電子部品>
チップ715を用いた電子部品の一例について、図29(A)および図29(B)を用いて説明する。なお、電子部品は、半導体パッケージ、またはIC用パッケージともいう。電子部品は、端子取り出し方向、端子の形状などに応じて、複数の規格、名称などが存在する。
電子部品は、組み立て工程(後工程)において、上記実施の形態に示した半導体装置と該半導体装置以外の部品が組み合わされて完成する。
図29(A)に示すフローチャートを用いて、後工程について説明する。前工程において基板711に本発明の一態様に係る半導体装置などを形成した後、基板711の裏面(半導体装置などが形成されていない面)を研削する「裏面研削工程」を行なう(ステップS721)。研削により基板711を薄くすることで、電子部品の小型化を図ることができる。
次に、基板711を複数のチップ715に分離する「ダイシング工程」を行う(ステップS722)。そして、分離したチップ715を個々のリードフレーム上に接合する「ダイボンディング工程」を行う(ステップS723)。ダイボンディング工程におけるチップ715とリードフレームとの接合は、樹脂による接合、またはテープによる接合など、適宜製品に応じて適した方法を選択する。なお、リードフレームに代えてインターポーザ基板上にチップ715を接合してもよい。
次いで、リードフレームのリードとチップ715上の電極とを、金属の細線(ワイヤー)で電気的に接続する「ワイヤーボンディング工程」を行う(ステップS724)。金属の細線には、銀線、金線などを用いることができる。また、ワイヤーボンディングは、例えば、ボールボンディング、またはウェッジボンディングを用いることができる。
ワイヤーボンディングされたチップ715は、エポキシ樹脂などで封止される「封止工程(モールド工程)」が施される(ステップS725)。封止工程を行うことで電子部品の内部が樹脂で充填され、チップ715とリードを接続するワイヤーを機械的な外力から保護することができ、また水分、埃などによる特性の劣化(信頼性の低下)を低減することができる。
次いで、リードフレームのリードをめっき処理する「リードめっき工程」を行なう(ステップS726)。めっき処理によりリードの錆を防止し、後にプリント基板に実装する際のはんだ付けをより確実に行うことができる。次いで、リードを切断および成形加工する「成形工程」を行なう(ステップS727)。
次いで、パッケージの表面に印字処理(マーキング)を施す「マーキング工程」を行なう(ステップS728)。そして外観形状の良否、動作不良の有無などを調べる「検査工程」(ステップS729)を経て、電子部品が完成する。
また、完成した電子部品の斜視模式図を図29(B)に示す。図29(B)では、電子部品の一例として、QFP(Quad Flat Package)の斜視模式図を示している。図29(B)に示す電子部品750は、リード755およびチップ715を有する。電子部品750は、チップ715を複数有していてもよい。
図29(B)に示す電子部品750は、例えばプリント基板752に実装される。このような電子部品750が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板752上で電気的に接続されることで電子部品が実装された基板(実装基板754)が完成する。完成した実装基板754は、電子機器などに用いられる。
(実施の形態4)
<電子機器>
本発明の一態様に係る半導体装置は、様々な電子機器に用いることができる。図30に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いた電子機器の具体例を示す。
図30(A)は、自動車の一例を示す外観図である。自動車2980は、車体2981、車輪2982、ダッシュボード2983、およびライト2984等を有する。また、自動車2980は、アンテナ、バッテリなどを備える。
図30(B)に示す情報端末2910は、筐体2911に、表示部2912、マイク2917、スピーカ部2914、カメラ2913、外部接続部2916、および操作スイッチ2915等を有する。表示部2912には、可撓性基板が用いられた表示パネルおよびタッチスクリーンを備える。また、情報端末2910は、筐体2911の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。情報端末2910は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット型情報端末、タブレット型パーソナルコンピュータ、電子書籍端末等として用いることができる。
図30(C)に示すノート型パーソナルコンピュータ2920は、筐体2921、表示部2922、キーボード2923、およびポインティングデバイス2924等を有する。また、ノート型パーソナルコンピュータ2920は、筐体2921の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。
図30(D)に示すビデオカメラ2940は、筐体2941、筐体2942、表示部2943、操作スイッチ2944、レンズ2945、および接続部2946等を有する。操作スイッチ2944およびレンズ2945は筐体2941に設けられており、表示部2943は筐体2942に設けられている。また、ビデオカメラ2940は、筐体2941の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。そして、筐体2941と筐体2942は、接続部2946により接続されており、筐体2941と筐体2942の間の角度は、接続部2946により変えることが可能な構造となっている。筐体2941に対する筐体2942の角度によって、表示部2943に表示される画像の向きの変更や、画像の表示/非表示の切り換えを行うことができる。
図30(E)にバングル型の情報端末の一例を示す。情報端末2950は、筐体2951、および表示部2952等を有する。また、情報端末2950、筐体2951の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。表示部2952は、曲面を有する筐体2951に支持されている。表示部2952には、可撓性基板を用いた表示パネルを備えているため、フレキシブルかつ軽くて使い勝手の良い情報端末2950を提供することができる。
図30(F)に腕時計型の情報端末の一例を示す。情報端末2960は、筐体2961、表示部2962、バンド2963、バックル2964、操作スイッチ2965、入出力端子2966などを備える。また、情報端末2960、筐体2961の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。情報端末2960は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
表示部2962の表示面は湾曲しており、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、表示部2962はタッチセンサを備え、指やスタイラスなどで画面に触れることで操作することができる。例えば、表示部2962に表示されたアイコン2967に触れることで、アプリケーションを起動することができる。操作スイッチ2965は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を持たせることができる。例えば、情報端末2960に組み込まれたオペレーティングシステムにより、操作スイッチ2965の機能を設定することもできる。
また、情報端末2960は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、情報端末2960は入出力端子2966を備え、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子2966を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は入出力端子2966を介さずに無線給電により行ってもよい。
例えば、本発明の一態様の半導体装置を用いた記憶装置は、上述した電子機器の制御情報や、制御プログラムなどを長期間保持することができる。本発明の一態様に係る半導体装置を用いることで、信頼性の高い電子機器を実現することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
100 容量素子
110 導電体
112 導電体
120 導電体
126a 領域
126b 領域
126c 領域
130 絶縁体
130a 絶縁体
130b 絶縁体
150 絶縁体
155 絶縁体
200 トランジスタ
205 導電体
210 絶縁体
212 絶縁体
214 絶縁体
216 絶縁体
218 導電体
220 絶縁体
222 絶縁体
224 絶縁体
225 絶縁体
230 酸化物
246 導電体
248 導電体
280 絶縁体
281 絶縁体
282 絶縁体
286 絶縁体
287 絶縁体
300 トランジスタ
301 絶縁体
302 絶縁体
303 絶縁体
308 導電体
308a 導電体
308b 導電体
309 導電体
309a 導電体
309b 導電体
310 導電体
310a 導電体
310b 導電体
311 基板
313 半導体領域
314a 低抵抗領域
314b 低抵抗領域
315 絶縁体
316 導電体
320 絶縁体
322 絶縁体
324 絶縁体
326 絶縁体
328 導電体
330 導電体
345 トランジスタ
350 絶縁体
352 絶縁体
354 絶縁体
356 導電体
360 絶縁体
362 絶縁体
364 絶縁体
366 導電体
370 絶縁体
372 絶縁体
374 絶縁体
376 導電体
380 絶縁体
382 絶縁体
384 絶縁体
386 導電体
400 基板
401 絶縁体
402 絶縁体
404 導電体
404a 導電体
404aA 導電体
404b 導電体
404B ダミーゲート層
404bA 導電体
405 ダミーゲート
405A ダミーゲート膜
405B ダミーゲート層
406 酸化物
406a 酸化物
406a1 酸化物
406a2 酸化物
406aA 酸化膜
406b 酸化物
406b1 酸化物
406b2 酸化物
406bA 酸化膜
406c 酸化物
407 導電性酸化物
409 絶縁体
409A 絶縁膜
410 絶縁体
412 絶縁体
412A 絶縁膜
415 絶縁体
418 サイドウォール絶縁体
418A 絶縁膜
418B サイドウォール絶縁体
420 絶縁体
422 ドーパント
425 絶縁体
426 領域
426a 領域
426b 領域
426c 領域
500 構造
600a メモリセル
600b メモリセル
711 基板
712 回路領域
713 分離領域
714 分離線
715 チップ
750 電子部品
752 プリント基板
754 実装基板
755 リード
1000 トランジスタ
1000a トランジスタ
1000b トランジスタ
1000c トランジスタ
1000d トランジスタ
2000 トランジスタ
2000a トランジスタ
2910 情報端末
2911 筐体
2912 表示部
2913 カメラ
2914 スピーカ部
2915 操作スイッチ
2916 外部接続部
2917 マイク
2920 ノート型パーソナルコンピュータ
2921 筐体
2922 表示部
2923 キーボード
2924 ポインティングデバイス
2940 ビデオカメラ
2941 筐体
2942 筐体
2943 表示部
2944 操作スイッチ
2945 レンズ
2946 接続部
2950 情報端末
2951 筐体
2952 表示部
2960 情報端末
2961 筐体
2962 表示部
2963 バンド
2964 バックル
2965 操作スイッチ
2966 入出力端子
2967 アイコン
2980 自動車
2981 車体
2982 車輪
2983 ダッシュボード
2984 ライト
3001 配線
3002 配線
3003 配線
3004 配線
3005 配線
3006 配線
3007 配線
3008 配線
3009 配線
3010 配線

Claims (21)

  1. 第1の酸化物と、
    前記第1の酸化物上の第2の酸化物と、
    前記第2の酸化物上の第1の絶縁体と、
    前記第1の絶縁体上の第1の導電体と、
    前記第1の導電体上の第2の導電体と、
    前記第1の絶縁体の側面および前記第1の導電体の側面に接して配置されたサイドウォール絶縁体と、
    前記第2の酸化物の上面と接する領域を有し、かつ、前記サイドウォール絶縁体の側面と接する領域を有する第2の絶縁体と、を有し、
    前記サイドウォール絶縁体の上面および前記第2の絶縁体の最上面は、前記第1の導電体の最上面および第2の導電体の最上面と略一致することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1の導電体は、前記第2の導電体の底面および側面に接するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第1の酸化物および前記第2の酸化物は、それぞれ、Inと、元素M(MはAl、Ga、Y、またはSn)と、Znと、を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 第1の酸化物と、
    前記第1の酸化物上の第2の酸化物と、
    前記第2の酸化物上の第3の酸化物と、
    前記第3の酸化物上の第1の絶縁体と、
    前記第1の絶縁体上の第1の導電体と、
    前記第1の導電体上の第2の導電体と、
    前記第1の絶縁体の側面および前記第1の導電体の側面に接して配置されたサイドウォール絶縁体と、
    前記第3の酸化物の上面と接する領域を有し、かつ、前記サイドウォール絶縁体の側面と接する領域を有する第2の絶縁体と、を有し、
    前記サイドウォール絶縁体の上面および前記第2の絶縁体の最上面は、前記第1の導電体の最上面および第2の導電体の最上面と略一致することを特徴とする半導体装置。
  5. 前記第3の酸化物の側面がサイドウォール絶縁体に接し、
    前記第2の絶縁体が前記第2の酸化物の上面と接する領域を有することを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記第1の酸化物乃至前記第3の酸化物は、それぞれ、Inと、元素M(MはAl、Ga、Y、またはSn)と、Znと、を含む、ことを特徴とする請求項4または5に記載の半導体装置。
  7. 前記第2の酸化物の前記第2の絶縁体と重なる領域は、前記第2の酸化物と前記第1の絶縁体と重なる領域の中央近傍より、水素および窒素の少なくとも一方の濃度が大きいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の半導体装置。
  8. 前記第2の酸化物の前記第2の絶縁体および前記サイドウォール絶縁体と重なる領域は、前記第2の酸化物の前記第1の絶縁体と重なる領域の中央近傍より、水素および窒素の少なくとも一方の濃度が大きいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の半導体装置。
  9. 前記第2の酸化物の前記第2の絶縁体、前記サイドウォール絶縁体、および前記第1の絶縁体の両端部近傍と重なる領域は、前記第2の酸化物の前記第1の絶縁体と重なる領域の中央近傍より、水素および窒素の少なくとも一方の濃度が大きいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の半導体装置。
  10. 前記サイドウォール絶縁体の膜厚は、1nm以上10nm以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に記載の半導体装置。
  11. 前記サイドウォール絶縁体は、酸化アルミニウムまたは酸化ハフニウムのいずれかを有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載の半導体装置。
  12. 前記第1の導電体は、導電性酸化物を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一に記載の半導体装置。
  13. 前記第3の絶縁体は、水素および窒素のいずれか一方または両方を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一に記載の半導体装置。
  14. 前記第1の絶縁体は、昇温脱離ガス分析において、膜の表面温度が100℃以上700℃以下、または100℃以上500℃以下の範囲で、酸素分子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1014molecules/cm以上であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一に記載の半導体装置。
  15. 第1の酸化膜、および第2の酸化膜を順に成膜し、
    前記第1の酸化膜および前記第2の酸化膜を島状に加工して、第1の酸化物および第2の酸化物を形成し、
    前記第2の酸化物の上に、第1の絶縁膜およびダミーゲート膜を順に成膜し、
    前記第1の絶縁膜および前記ダミーゲート膜エッチングして、第1の絶縁体およびダミーゲート層を形成し、
    前記第1の酸化物、前記第2の酸化物、前記第1の絶縁体および前記ダミーゲート層を覆って、ALD法を用いて第2の絶縁膜を成膜し、
    前記第2の絶縁膜にドライエッチング処理を行って、前記第1の絶縁体および前記ダミーゲート層の側面に接して、第1のサイドウォール絶縁体を形成し、
    前記第1の酸化物、前記第2の酸化物、前記第1のサイドウォール絶縁体および前記ダミーゲート層を覆って、CVD法を用いて第3の絶縁膜を成膜し、
    前記第3の絶縁膜の上に第4の絶縁膜を成膜し、
    第1のCMP処理を行うことによって、前記ダミーゲート層、前記第1のサイドウォール絶縁体、前記第3の絶縁膜、および前記第4の絶縁膜の一部を、前記ダミーゲート層の一部が露出するまで除去し、
    前記ダミーゲート層をエッチングすることによって、前記第1の絶縁体を露出させ、
    前記第1の絶縁体を介して前記第2の酸化物に酸素を注入し、
    第1の導電体膜および第2の導電膜を順に成膜し、
    第2のCMP処理を行うことによって、前記第1の導電体膜の一部および前記第2の導電体膜の一部を、前記第4の絶縁膜が露出するまで除去して、導電体層を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  16. 前記第3の絶縁膜の成膜を、窒素を含む雰囲気で行うことを特徴とする請求項15に記載の半導体装置の作製方法。
  17. 第1の酸化膜、および第2の酸化膜を順に成膜し、
    前記第1の酸化膜および前記第2の酸化膜を島状に加工して、第1の酸化物および第2の酸化物を形成し、
    前記第2の酸化物の上に、第1の絶縁膜およびダミーゲート膜を順に成膜し、
    前記第1の絶縁膜および前記ダミーゲート膜エッチングして、第1の絶縁体およびダミーゲート層を形成し、
    前記第1の酸化物、前記第2の酸化物、前記第1の絶縁体および前記ダミーゲート層を覆って、CVD法を用いて第2の絶縁膜を成膜し、
    前記第2の絶縁膜の上に第3の絶縁膜を成膜し、
    第1のCMP処理を行うことによって、前記ダミーゲート層、前記第2の絶縁膜、および前記第3の絶縁膜の一部を、前記ダミーゲート層の一部が露出するまで除去し、
    前記ダミーゲート層をエッチングすることによって、前記第1の絶縁体を露出させ、
    前記第1の絶縁体を介して前記第2の酸化物に酸素を注入し、
    第1の導電体膜および第2の導電膜を順に成膜し、
    第2のCMP処理を行うことによって、前記第1の導電体膜の一部および前記第2の導電体膜の一部を、前記第3の絶縁膜が露出するまで除去して、導電体層を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  18. 前記第2の絶縁膜の成膜を、窒素を含む雰囲気で行うことを特徴とする請求項17に記載の半導体装置の作製方法。
  19. 前記酸素の注入は、酸素を含むプラズマ処理を行うことを特徴とする請求項15乃至18のいずれか一に記載の半導体装置の作製方法。
  20. 前記酸素の注入は、酸素イオンを注入することを特徴とする請求項15乃至19のいずれか一に記載の半導体装置の作製方法。
  21. 前記第1の導電膜の成膜を、酸素を含む雰囲気で、スパッタリング処理を用いて行うことを特徴とする請求項15乃至20のいずれか一に記載の半導体装置の作製方法。
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