JP2018072720A - 定着装置、画像形成装置、および方法 - Google Patents

定着装置、画像形成装置、および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも用紙がたわみにくい定着装置を提供することである。
【解決手段】定着装置(100)は、記録媒体の搬送経路(R1)上に配置されるとともに、互いの外周面が接するニップ領域(Ni)が形成されるように構成された第1および第2のローラー(110,120)と、第1および第2のローラーのうちいずれか一方を、加熱するための加熱部(130)と、第1および第2のローラーのうちいずれか一方を、他方に押し当てるための駆動部(140)と、搬送経路における搬送方向と直交する幅方向における第1および第2ローラーのうちいずれか一方のローラーの端部付近の温度を測定するための第1の温度センサ(180)と、第1の温度センサにより取得された第1の温度に応じて駆動部による押圧力を制御するための制御部(150)とを備える。
【選択図】図2

Description

この開示は、定着装置、定着装置を備える画像形成装置、および定着装置の制御方法に関し、より特定的には、定着部において用紙に印加される圧力を制御する技術に関する。
電子写真方式に従う画像形成装置は、用紙上に形成された未定着のトナー像を定着させるための定着装置を有する。この定着装置には、互いに圧接してニップ領域を形成する一対のローラー(例えば、加圧ローラーおよび加熱ローラー)などが設けられている。定着装置は、トナー像を担持した用紙がニップ領域を通過するときに、用紙を加熱および加圧することによって、用紙にトナー像を定着させる。この定着装置において、用紙にしわやカールが発生することがある。
このしわやカールの発生を抑制する技術に関し、例えば、特開2013−152292号公報(特許文献1)は、定着動作の開始に際して、サーミスターにより検知された時の加圧ローラーの温度が予め定められた閾値温度よりも高くなっていれば、定着ニップの加圧状態を半加圧状態に移行させる定着装置を開示している。
2013−152292号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるように定着装置を構成したとしても、印刷条件によっては、定着装置において用紙がたわみを生じ、たわんだ部分に形成される未定着のトナーが他のデバイスと触れることにより画像乱れが生じ得る。
本開示は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、従来よりも用紙がたわみにくい定着装置を提供することである。他の局面における目的は、従来よりも用紙がたわみにくい定着装置を搭載した画像形成装置を提供することである。
ある実施形態に従う定着装置は、記録媒体の搬送経路上に配置されるとともに、互いの外周面が接するニップ領域が形成されるように構成された第1および第2のローラーと、第1および第2のローラーのうちいずれか一方を、加熱するための加熱部と、第1および第2のローラーのうちいずれか一方を、他方に押し当てるための駆動部と、搬送経路における搬送方向と直交する幅方向における第1および第2ローラーのうちいずれか一方のローラーの端部付近の温度を測定するための第1の温度センサと、第1の温度センサにより取得された第1の温度に応じて駆動部による押圧力を制御するための制御部とを備える。
好ましくは、温度に応じた駆動部の押圧力を保持する第1テーブルを格納するための記憶装置をさらに備える。制御部は、第1テーブルを参照して第1の温度に応じた押圧力を駆動部の押圧力として設定するように構成される。
好ましくは、第1の押圧力における、温度とニップ領域の幅との関係を保持する記憶装置をさらに備える。制御部は、関係に基づく第1の温度に対応するニップ領域の幅が予め定められたしきい値よりも大きい場合に、駆動部の押圧力を第1の押圧力よりも低い第2の押圧力に設定する。
好ましくは、第1の温度センサにより温度を測定されるローラーの、幅方向における中央付近の温度を測定するための第2のセンサをさらに備える。制御部は、第1の温度から第2のセンサにより取得される第2の温度を差し引いた差分温度に応じて駆動部による押圧力を制御するように構成される。
さらに好ましくは、制御部は、差分温度が予め定められた温度を下回る場合に、駆動部の押圧力を第1の押圧力に設定し、差分温度が予め定められた温度以上の場合に、駆動部の押圧力を、第1の押圧力よりも低い第2の押圧力に設定するように構成される。
さらに好ましくは、差分温度に応じた駆動部の押圧力を保持する第1テーブルを格納するための記憶装置をさらに備える。制御部は、第1テーブルを参照して差分温度に応じた押圧力を駆動部の押圧力として設定するように構成される。
さらに好ましくは、制御部は、第1の押圧力に設定した場合のニップ領域を通過する記録媒体の通過速度よりも、第2の押圧力に設定した場合のニップ領域を通過する記録媒体の通過速度を遅く設定するように構成される。
好ましくは、第1の温度センサは、第1および第2ローラーのうちいずれか一方の、幅方向の長さが最も長い記録媒体の通紙領域の温度を測定するように配置される。
好ましくは、第1および第2のローラーは外周面に弾性層を含む。第1のローラーの弾性層は、第2のローラーの弾性層よりも厚く構成される。第1の温度センサは、第1のローラーの幅方向における端部付近の温度を測定するように構成される。
好ましくは、第1のローラーは加圧ローラーである。第1の温度センサは、加圧ローラーの幅方向における端部付近の温度を測定するように構成される。
他の実施形態に従う定着装置は、記録媒体の搬送経路上に配置されるとともに、互いの外周面が接するニップ領域が形成されるように構成された第1および第2のローラーと、第1および第2のローラーのうちいずれか一方を、加熱するための加熱部と、第1および第2のローラーのうちいずれか一方を、他方に押し当てるための駆動部と、駆動部による押圧力を制御するための制御部とを備える。制御部は、第1の記録媒体がニップ領域を通過するときの駆動部の押圧力を第1の押圧力に設定し、第1の記録媒体を所定枚数以上連続して定着した後に、搬送経路における搬送方向と直交する幅方向の長さが第1の記録媒体よりも長い第2の記録媒体がニップ領域を通過するときの駆動部の押圧力を、第1の押圧力よりも低い第2の押圧力に設定するように構成される。
好ましくは、第1の記録媒体の連続印字枚数に応じた、ニップ領域の搬送経路における搬送方向と直交する幅方向における端部付近の温度を記憶するための記憶装置をさらに備える。所定枚数は、連続印字枚数に応じた温度が予め定められた温度を超える枚数に設定される。
好ましくは、制御部は、第1の押圧力に設定した場合のニップ領域を通過する第1の記録媒体の通過速度よりも、第2の押圧力に設定した場合のニップ領域を通過する第2の記録媒体の通過速度を遅く設定するように構成される。
好ましくは、制御部は、第1の記録媒体を所定枚数以上連続して定着してから所定時間が経過する前に、第2の記録媒体がニップ領域を通過するときの駆動部の押圧力を、第2の押圧力に設定するように構成される。
他の局面に従う画像形成装置は、上記の定着装置と、トナー画像を記録媒体に形成するための画像形成部とを備える。
さらに他の局面に従うと、記録媒体の搬送経路上に配置されるとともに、互いの外周面が接するニップ領域が形成されるように構成された第1および第2のローラーを含む定着装置の制御方法が提供される。この制御方法は、第1および第2のローラーのうちいずれか一方を加熱し、搬送経路における搬送方向と直交する幅方向における第1および第2ローラーのうちいずれか一方のローラーの端部付近の温度を測定し、測定された温度に応じた押圧力で、第1および第2のローラーのうちいずれか一方を他方に押し当てる。
さらに他の局面に従うと、記録媒体の搬送経路上に配置されるとともに、互いの外周面が接するニップ領域が形成されるように構成された第1および第2のローラーを含む定着装置の制御方法が提供される。この制御方法は、第1および第2のローラーのうちいずれか一方を加熱し、第1の記録媒体がニップ領域を通過するときの、第1および第2のローラーのうちいずれか一方を他方に押し当てる力を第1の押圧力に設定し、第1の記録媒体を所定枚数以上連続して定着した後に、搬送経路における搬送方向と直交する幅方向の長さが第1の記録媒体よりも長い第2の記録媒体を定着するか否かを判断し、第1の記録媒体を所定枚数以上連続して定着した後に、第2の記録媒体を定着すると判断した場合に、第2の記録媒体がニップ領域を通過するときの、第1および第2のローラーのうちいずれか一方を他方に押し当てる力を、第1の押圧力よりも低い第2の押圧力に設定する。
ある実施形態に従う定着装置は、従来に比して定着の際の用紙のたわみを抑制し得る。
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
ある実施形態に従う定着装置をYZ方向から見た斜視図である。 図1の定着装置および周辺デバイスをY方向から見た図である。 画像形成装置の構成例を説明する図である。 ある実施形態に従う定着装置をY方向から見た図である。 図3の定着装置をZ方向から見た図である。 制御部のハードウェア構成例を説明する図である。 ニップ幅と、画像汚れと、定着性との関係を説明する図である。 ニップ幅の位置依存性を説明する図である。 ある実施形態に従う押圧力テーブルを説明する図である。 定着装置100を用いた用紙のたわみを抑制する制御の流れを説明するフローチャートである。 ある実施形態に従う定着装置の構成例を説明する図である。 定着装置1100を用いた用紙のたわみを抑制する制御の流れを説明するフローチャートである。 押圧力テーブルを説明する図である。 ある実施形態に従う定着装置の構成例を説明する図である。 定着装置1400を用いた用紙のたわみを抑制する制御の流れを説明するフローチャートである。 ニップ領域Niにおける通紙速度と、画像汚れと、定着性との関係を説明する図である。 温度とニップ幅との関係を説明する図である。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
[技術思想]
図1は、ある実施形態に従う定着装置100をYZ方向から見た斜視図である。図2は、図1の定着装置100および周辺デバイスをY方向から見た図である。図1を参照して、定着装置100は、加圧ローラー110と、加熱ローラー120と、磁束発生装置130と、駆動部140(例えば、モーター)と、制御部150と、温度センサ180とを備える。図2を参照して、定着装置100は、加熱ローラー120を支えるとともにその一部をカバーするフレーム210をさらに備える。なお、定着装置100は、加圧ローラー110を支えるフレームもさらに備えるが、図2では省略している。
図1および図2を参照して、加圧ローラー110と加熱ローラー120とは、互いの外周面が接するニップ領域Niを形成するように配置される。磁束発生装置130は、加熱ローラー120を貫く磁束を発生させることにより、加熱ローラー120を誘導加熱する加熱部として機能する。駆動部140は、加圧ローラー110を加熱ローラー120に押し当てる。制御部150は、駆動部140が加圧ローラー110を加熱ローラー120に押し付ける力(押圧力)を制御することより、ニップ領域Niで用紙に印加される圧力を制御する。温度センサ180は、用紙の搬送方向(Z方向)と直交する幅方向(Y方向)における加圧ローラー110の端部付近の温度を測定する。なお、定着装置100は、加熱ローラー120の加熱温度を検出する温度センサ1201を備えており、温度センサ1201の出力に基づいて磁束発生装置130による加熱ローラー120の誘導加熱温度を制御するが、温度センサ1201の出力は、後述する加圧力の調整には用いられない。
定着装置100は、ニップ領域Niにおいて用紙に圧力と熱を加えることによって、未定着のトナーを用紙に定着する。
図1を参照して、定着装置100が幅方向(Y方向)の長さL1の用紙(以下、「小サイズ用紙」とも称する)を定着する場合について説明する。この場合、ニップ領域Niにおいて小サイズ用紙が通過する領域は、用紙に熱を奪われるが、小サイズ用紙が通過しない領域170は、用紙に熱を奪われない。そのため、小サイズ用紙が通過した後の領域170の温度は、小サイズ用紙が通過する領域の温度よりも高くなる。このように、小サイズ用紙が通過した後のニップ領域Niにおいて温度ムラが生じる。
次に、図1および図2を参照して、小サイズ用紙を定着した直後に、幅方向の長さがL1よりも長いL2の用紙(以下、「大サイズ用紙」とも称する)Pa2を定着する場合について説明する。
加圧ローラー110は、シリコーンゴム等の弾性ゴムで被覆されている。小サイズ用紙が通過した後のこの弾性ゴムの熱膨張の度合いは、領域170が大きく、小サイズ用紙が通過する領域が小さい。そのため、領域170において大サイズ用紙Pa2に加わる圧力は、小サイズ用紙が通過する領域において大サイズ用紙Pa2に加わる圧力よりも大きくなる。このように、大サイズ用紙Pa2に加わる圧力が幅方向においてばらつくことにより、大サイズ用紙Pa2の後部250がたわむ。より具体的には、後部250が駆動ローラー8と2次転写ローラー9とが形成する圧接領域を通過した後に、まず後部250の幅方向(Y方向)の端部がたわみ、このたわみが後部250の中央にも伝搬する。
たわんだ後部250は、用紙の搬送経路R1から外れてフレーム210などの周辺デバイスに接触し得る。その場合、後部250に形成される未定着トナーが乱れてしまい、画像不良が生じ得る。
ある実施形態に従う定着装置100は、大サイズ用紙Pa2に過剰な圧力がかからないように、ニップ領域Niの幅方向における端部付近の温度を測定し、当該温度に応じて駆動部140の押圧力を制御する。本発明者の検討によれば、このように制御することにより、定着装置100は、加圧ローラー110及び加熱ローラー120の中央部付近の押圧力を適切に保ちつつ、端部付近で過剰な圧力がかかることを防止して、たわみによる画像不良を抑制し得る。以下に、定着装置の具体的な構成および制御について説明する。
[実施形態1]
(画像形成装置300)
図3は、画像形成装置300の構成例を説明する図である。画像形成装置300は、レーザプリンタやLEDプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置である。図3に示されるように、画像形成装置300は、内部の略中央部にベルト部材として中間転写ベルト1を備えている。中間転写ベルト1の下部水平部の下には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色にそれぞれ対応する4つの作像ユニット2Y、2M、2C、2Kが中間転写ベルト1に沿って並んで配置され、感光体ドラム3Y、3M、3C、3Kをそれぞれ有している。
各感光体ドラム3Y、3M、3C、3Kの周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電器4Y、4M、4C、4Kと、プリントヘッド部5Y、5M、5C、5Kと、現像器6Y、6M、6C、6Kと、中間転写ベルト1を挟んで各感光体ドラム3Y、3M、3C、3Kと対向する1次転写ローラー7Y、7M、7C、7Kがそれぞれ配置されている。
中間転写ベルト1の駆動ローラー8で支持された部分には、2次転写ローラー9が圧接されており、当該圧接領域で2次転写が行なわれる。2次転写領域の下流位置には、定着装置100が配置されている。上記の各感光体ドラム、各プリントヘッド部、各現像器、中間転写ベルト、1次及び2次転写ローラー等により、トナー画像を用紙に形成するための画像形成部が構成される。
画像形成装置300の下部には、複数の給紙カセットを含む給紙装置30が着脱可能に配置されている。複数の給紙カセットのうち1つには小サイズ用紙Pa1(幅方向の長さがL1)が収容され、他の給紙カセットには大サイズ用紙Pa2(幅方向の長さがL1より長いL2)が収容される。給紙装置30内に積載収容された用紙は、各給紙カセットに対応する給紙ローラー31の回転によって最上部の用紙から1枚ずつ搬送経路R1に送り出される。
なお、図3に示される例において、画像形成装置300は、一例として、複数の作像ユニット(2Y、2M、2C、2K)を有する中間転写方式を採用しているがこれに限定されるものではない。画像形成装置は、電子写真方式であって定着装置を備えていればよい。具体的には、画像形成装置は、単一の作像ユニットを備えていてもよいし、ロータリー方式であってもよい。
(画像形成装置300の概略動作)
次に、以上の構成からなる画像形成装置300の概略動作について説明する。画像形成装置300の動作を制御する制御部150は、外部装置(たとえば、パソコン等)から画像信号を入力されると、この画像信号をイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックに色変換したデジタル画像信号を作成し、入力されたデジタル信号に基づいて、各作像ユニット2Y、2M、2C、2Kの各プリントヘッド部5Y、5M、5C、5Kを発光させて露光を行なう。
これにより、各感光体ドラム3Y、3M、3C、3K上に形成された静電潜像は、各現像器6Y、6M、6C、6Kによりそれぞれ現像されて各色のトナー画像となる。各色のトナー画像は、各1次転写ローラー7Y、7M、7C、7Kの作用により、図1中の矢印A方向に移動する中間転写ベルト1上に順次重ね合わせて1次転写される。
このようにして中間転写ベルト1上に形成されたトナー画像は、2次転写ローラー9の作用により、用紙に一括して2次転写される。
用紙に2次転写されたトナー画像は、定着装置100に到達する。未定着のトナー画像は、定着装置100よって用紙に定着される。トナー画像が定着された用紙は、排紙ローラー50を介して排紙トレイ60に排出される。以下、この定着装置100の構成および制御について説明する。
(定着装置100の構成)
図1および2を用いて定着装置100の構成を説明したが、図3および4を用いてより詳細に説明する。図4は、ある実施形態に従う定着装置100をY方向から見た図である。図5は、図3の定着装置100をZ方向から見た図である。なお、図4,5において、図1,2と同一符号を付している部分については同じであるため、その部分についての説明は繰り返さない。
定着装置100は、ガイド410と、分離爪420,430と、磁性コア440と、フレーム520(図4では不図示)をさらに備える。ガイド410は、2次転写領域を通過した用紙をニップ領域Niに導く。分離爪420は、ニップ領域Niを通過した用紙を加熱ローラー120から剥離させて搬送経路R1に導く。分離爪430は、ニップ領域Niを通過した用紙を加圧ローラー110から剥離させて搬送経路R1に導く。磁性コア440は、磁束発生装置130によって生じる磁束を加熱ローラー120の表面へと導くことにより、加熱ローラー120の発熱効率を高める。フレーム520は、加圧ローラー110を支える。
加圧ローラー110は、金属製(例えば、鉄,ステンレス鋼,アルミ)の芯金462を有する。芯金462の外側には弾性ゴム層464(例えば、シリコーンゴム)、トナーに対する離型性を確保するためのフッ素系樹脂層466(例えば、PFA:ポリテトラフルオロエチレン)が順に形成される。なお、フッ素系樹脂層466は、イオン導電性の特性を有するものであってもよい。他の局面において、フッ素系樹脂層466は、PFAとPTFE(パーフルオロアルキルビニルエーテル)との共重合体を弾性ゴム層464に塗布して焼成することにより形成される。
加熱ローラー120は、金属製の中空芯金452を有する。この芯金452の外側にはトナーに対する離型性を確保するためのフッ素系樹脂層454が形成される。なお、他の局面において、加熱ローラー120は、加圧ローラー110と同様に芯金452とフッ素系樹脂層454との間に弾性ゴム層を有する構成であってもよい。
このように、ある局面において、加圧ローラー110および加熱ローラー120は外周面に弾性層を含む。この場合、加圧ローラー110の弾性ゴム層464の厚みは、加熱ローラー120の弾性ゴム層の厚みよりも厚く構成され得る。
図5を参照して、加圧ローラー110の芯金462にはギア510が設けられている。制御部150は、ギア510に接続されるモーター(図示しない)を制御することにより、加圧ローラー110を回転させる。これにより、加圧ローラー110に接する加熱ローラー120は、摩擦により回転する。
フレーム210は、加熱ローラー120の芯金452に接続される。フレーム520は、加圧ローラー110の芯金462に接続される。
駆動部140は、フレーム520に接続されるバネに力を加えることにより、加圧ローラー110を加熱ローラー120に押し付ける。
ある局面において、幅方向(Y方向)に長さL2を有する大サイズ用紙Pa2は、画像形成装置300が印刷できる用紙のうち、幅方向の長さが最も長い用紙であるとする。温度センサ180は、加圧ローラー110の幅方向(Y方向)における端部付近であって、かつ、大サイズ用紙Pa2の通紙領域の温度を測定するように配置される。
(制御部150のハードウェア構成)
図6は、制御部150のハードウェア構成例を説明する図である。制御部150は、CPU(Central Processing Unit)610と、ROM(Read Only Memory)620と、RAM(Random Access Memory)630と、インターフェイス(I/F)640とを備える。
CPU610は、ROM620に格納される制御プログラムを読み出して実行することにより、定着装置100を含む画像形成装置300の動作を制御する。
ROM620は、典型的には、フラッシュメモリなどであり、CPU610が実行する制御プログラムや、定着装置100の動作に係る各種設定情報を格納し得る。
RAM630は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などであって、CPU610が制御プログラムを実行するために必要なデータを一時的に記憶するワーキングメモリ(記憶装置)として機能する。
I/F640は、磁束発生装置130,温度センサ180,および駆動部140と電気的に接続される。制御部150は、I/F640を介して、これらのデバイスと各種信号を送受信する。
(画像汚れが生じる条件)
次に、具体例を用いて画像汚れが生じる条件について説明する。図7は、ニップ幅と、画像汚れと、定着性との関係を説明する図である。なお、具体的な数値を用いて説明を行うが、これらはあくまでも本発明の実施例であり、本発明は以下の実施例に限られるものではない。
「ニップ幅」とは、搬送経路R1におけるニップ領域Niの長さである。ニップ幅は、主に温度と圧力に依存して変化する。より具体的には、ニップ幅は、駆動部140が加圧ローラー110を加熱ローラー120に押し当てる力(押圧力)が強いほど広くなり、ニップ領域Niの温度が高くなるほど広くなる。
ニップ幅の測定方法の一例について説明する。OHP(Over Head Projector)フィルムがニップ領域Niを通過するタイミングで、OHPフィルムの搬送を停止する。これにより、OHPフィルムのうち、ニップ領域Niに固定される部分が熱によって変形する。その後、排紙されたOHPフィルムの変形している部分の長さを測定することにより、ニップ幅を求めることができる。
「画像汚れ」は、大サイズ用紙Pa2の後端部の画像が乱れているか否かを示す。換言すれば、「画像汚れ」は、大サイズ用紙Pa2にたわみが生じているか否かを示す。
「定着性」は、定着装置100を通過した用紙にトナーが定着しているか否かを定性的に示す指標である。図7において、「○」は、定着装置100を通過した用紙にトナーが定着していることを表し、「×」は定着装置100を通過した用紙にトナーが十分に定着していないことを表す。
図7を参照して、ニップ幅が10.5mmおよび9.5mmの場合、画像汚れ(すなわち、たわみ)が生じている。ニップ幅が6.5mmの場合、大サイズ用紙Pa2に十分な圧力が印加されなかった結果、定着不良が生じている。ニップ幅が7.5mmおよび8.5mmの場合、画像汚れも生じず、かつ、定着性も良い。
上記のように、ニップ幅は、適切な範囲に設定される必要がある。ある実施形態において、適切なニップ幅の範囲をNth2〜Nth1(Nth1>Nth2)と定義する。ニップ幅Nth1は、用紙のたわみが生じない最大のニップ幅であって、ニップ幅Nth2は、画像乱れが生じない最大のニップ幅である。
ところで、図1および図2を用いて説明した通り、小サイズ用紙Pa1を連続通紙した後において、ニップ領域Niの温度は、幅方向(Y方向)における端部の温度が高くなり、中央の温度が低くなる。そのため、小サイズ用紙Pa1を連続通紙した後は、図8に示されるように、ニップ幅の測定位置が中央位置から端部側に移るにつれて、ニップ幅が広くなる。
ここで、上記説明した用紙のたわみは、用紙の幅方向(Y方向)における端部のニップ幅が広いほど(端部に印加される圧力が大きいほど)、生じやすい。そのため、用紙のたわみを抑制するためには、用紙搬送方向に垂直な幅方向(Y方向)における端部側の位置Yendにおけるニップ幅Nendが適切なニップ幅の範囲(Nth2〜Nth1)に設定されることが特に求められる。そこで、ある実施形態に従う定着装置100は、温度センサ180が測定するニップ領域Niの幅方向における端部の温度に応じて、駆動部140の押圧力を適切に設定する。
図9は、ある実施形態に従う押圧力テーブル900を説明する図である。押圧力テーブル900は、温度センサ180が測定する温度T1と駆動部140の押圧力とを互いに関連付けて保持する。押圧力テーブル900は、ROM620に格納され得る。
ある実施形態において、駆動部140は、500N,460N,および420Nの3つの押圧力を切り替え可能に構成される。制御部150は、温度センサ180が検出する温度T1が160℃未満の場合は、駆動部140の押圧力(加圧ローラー110を加熱ローラー120に押し付ける力)を500Nに設定する。制御部150は、温度T1が160℃以上200℃未満の場合は、駆動部140の押圧力を460Nに設定する。制御部150は、温度T1が200℃以上の場合は、駆動部140の押圧力を420Nに設定する。このように、制御部150は、温度T1が高くなるほど、駆動部140の押圧力を低く設定する。これにより、定着装置100は、幅方向(Y方向)における端部付近のニップ幅を適切な範囲に調節できるため、用紙のたわみを抑制するとともに、定着性を確保し得る。
(用紙のたわみを抑制する制御の流れ)
図10は、上記一連の用紙のたわみを抑制する制御の流れを説明するフローチャートである。図10に示される処理は、CPU610がROM620に格納される制御プログラムを実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子その他のハードウェアによって実行されてもよい。これらの条件は、後述する図12および図15に示されるフローチャートにおいても同様とする。
ステップS1005において、CPU610にプリントジョブ1が入力される。プリントジョブは、画像形成装置300に搭載される操作パネル(不図示)または通信可能に構成される外部装置(不図示)からCPU610に入力され得る。
ステップS1010において、CPU610は、入力されたプリントジョブ1に基づいて、このプリントジョブ1で使用される用紙の幅方向(Y方向)の長さである横幅W1を取得してRAM630に一時的に保持する。
ステップS1015において、CPU610は、入力されたプリントジョブ1に従い印刷を実行する。これにより、CPU610は、プリントジョブ1を終了する。
ステップS1020において、CPU610にプリントジョブ2が入力される。ステップS1030において、CPU610は、入力されたプリントジョブ2に基づいて、このプリントジョブ2で使用される用紙の幅方向の長さである横幅W2を取得する。
ステップS1035において、CPU610は、横幅W2が横幅W1よりも大きいか否かを判断する。CPU610は、横幅W2が横幅W1よりも大きいと判断した場合(ステップS1035においてYES)、処理をステップS1040に進める。そうでない場合(ステップS1035においてNO)、CPU610は、駆動部140の押圧力を通常時(温度に応じて駆動部140の押圧力を制御しないとき)の500Nに設定してプリントジョブ2に従う印刷を実行する(ステップS1070)。
ステップS1040において、CPU610は、温度センサ180から温度T1(ニップ領域Niの幅方向における端部付近の温度)を取得する。
ステップS1045〜1060において、CPU610は、ROM620に格納される押圧力テーブル900を参照して、温度T1の範囲に応じて駆動部140の押圧力を設定する。
より具体的には、CPU610は、温度T1が160℃未満である場合に、駆動部140の押圧力を通常時と同じ500Nに設定する(ステップS1050)。CPU610は、温度T1が160℃以上200℃未満である場合に、駆動部140の押圧力を460Nに設定する(ステップS1055)。CPU610は、温度T1が200℃以上である場合に、駆動部140の押圧力を420Nに設定する(ステップS1060)。
ステップS1062において、CPU610は、プリントジョブ2に従い1枚だけ印刷を実行する。なお、他の局面において、CPU610は、ステップS1062において予め定められた枚数だけ印刷を実行するように構成されてもよい。
ステップS1065において、CPU610は、プリントジョブ2に従う印刷を終了したか否かを判断する。CPU610は、プリントジョブ2に従う印刷を終了したと判断した場合は、一連の処理を終了する。そうでない場合(ステップS1065においてNO)、CPU610は、処理をステップS1040に戻す。
上記によれば、ある実施形態に従う定着装置100は、ニップ領域Niの幅方向における端部付近の温度に応じてニップ領域Niにおいて用紙に印加される圧力を制御する。これにより、定着装置100は、小サイズ用紙を印刷した後に大サイズ用紙を印刷する場合に生じる用紙のたわみを抑制するとともに、大サイズ用紙へのトナーの定着性も確保し得る。
なお、他の局面において、CPU610は、ステップS1020からステップS1040の間に、プリントジョブ1が終了してから予め定められた時間(例えば、1分)が経過しているか否かを判断する処理を実行してもよい。CPU610は、プリントジョブ1が終了してから予め定められた時間が経過していると判断した場合、ニップ領域Niの温度が十分に低くなっていると判断し、ステップS1070に進める。そうでない場合、CPU610は、温度T1に応じた駆動部140の押圧力制御を実行する。当該構成によれば、CPU610の処理負担を軽減し得る。
[実施形態2]
上記説明したように、用紙のたわみは、ニップ領域Niの温度が幅方向(Y方向)において異なることによって生じ得る。この用紙のたわみを抑制するために、実施形態1に従う定着装置100は、ニップ領域Niの端部付近の温度に応じてニップ領域Niで用紙に印加される圧力を制御する構成であった。これに対し、実施形態2に従う定着装置100は、ニップ領域Niの中央部温度と、端部付近の温度との差分(温度ムラ)に応じて、ニップ領域Niで用紙に印加される圧力を制御する。これにより、実施形態2に従う定着装置100は、用紙のたわみの発生をより抑制し得る。
(定着装置1100)
図11は、ある実施形態に従う定着装置1100の構成例を説明する図である。定着装置1100の構成は、図5で説明した定着装置100と略同じであるため、相違する点についてのみ説明する。定着装置1100は、温度センサ1110をさらに備える点において、図5に示される定着装置100と相違する。
温度センサ1110は、加圧ローラー110の幅方向(Y方向)における中央付近の温度を測定する。温度センサ1110は、制御部150と電気的に接続され、測定した温度T2を制御部150に出力するように構成される。
(用紙のたわみを抑制する制御の流れ)
図12は、定着装置1100を用いた用紙のたわみを抑制する制御の流れを説明するフローチャートである。なお、図10と同一符号を付している処理については同じ処理であるため、その部分についての説明は繰り返さない。
ステップS1210において、CPU610は、横幅W2が横幅W1よりも長いことを受けて、温度T1(ニップ領域Niの幅方向における端部付近の温度)から温度T2(ニップ領域Niの幅方向における中央付近の温度)を差し引いた差分温度ΔTを算出する。
ステップS1220〜S1250において、CPU610は、押圧力テーブル1300を参照して、差分温度ΔTの範囲に応じて駆動部140の押圧力を設定する。
図13は、押圧力テーブル1300を説明する図である。押圧力テーブル1300は差分温度ΔTと駆動部140の押圧力とを互いに関連付けて保持する。押圧力テーブル1300は、ROM620に格納され得る。
図12を再び参照して、CPU610は、差分温度ΔTが5℃未満である場合に、駆動部140の押圧力を通常時と同じ500Nに設定する(ステップS1230)。CPU610は、差分温度ΔTが5℃以上10℃未満である場合に、駆動部140の押圧力を460Nに設定する(ステップS1240)。CPU610は、差分温度ΔTが10℃以上である場合に、駆動部140の押圧力を420Nに設定する(ステップS1250)。
上記によれば、ある実施形態に従う定着装置1100は、ニップ領域Niの幅方向における温度ムラに応じてニップ領域Niにおいて用紙に印加される圧力を制御する。これにより、定着装置1100は、実施形態1に従う定着装置100に比して、より精度よく大サイズ用紙のたわみを抑制し得る。
[実施形態3]
上記の実施形態に従う定着装置は、ニップ領域Niの温度(加圧ローラー110の温度)を実際に測定することによって、駆動部140の押圧力を制御する構成であった。ある実施形態に従う定着装置は、温度センサを搭載せず、印刷条件からニップ領域Niの温度を推定することによって、駆動部140の押圧力を制御する。
図14は、ある実施形態に従う定着装置1400の構成例を説明する図である。定着装置1400の構成は、図5で説明した定着装置100と略同じであるため、相違する点についてのみ説明する。定着装置1400は、温度センサ180を有さない点において、図5に示される定着装置100と相違する。すなわち、定着装置1400は、ニップ領域Niの温度(加圧ローラー110の温度)を測定するための物理的なデバイスを有さない。
図15は、定着装置1400を用いた用紙のたわみを抑制する制御の流れを説明するフローチャートである。なお、図10と同一符号を付している処理については同じ処理であるため、その部分についての説明は繰り返さない。
ステップS1510において、CPU610は、横幅W2が横幅W1よりも長いことを受けて、先に実行されたプリントジョブ1の印字枚数N1を取得する。印字枚数N1は、プリントジョブ1における連続印字枚数を示す。
ステップS1520〜S1550において、CPU610は、印字枚数N1に応じて、駆動部140の押圧力を設定する。CPU610は、印字枚数N1が10枚未満である場合に、ニップ領域Niの端部付近の温度があまり高くない(例えば、160℃未満)と判断し、駆動部140の押圧力を通常時と同じ500Nに設定する(ステップS1530)。
CPU610は、印字枚数N1が10枚以上20枚未満である場合に、ニップ領域Niの端部付近の温度が少し高い(例えば、160℃以上200℃未満)と判断し、駆動部140の押圧力を460Nに設定する(ステップS1540)。CPU610は、印字枚数N1が20枚以上である場合に、ニップ領域Niの端部付近の温度が高い(例えば、200℃以上)と判断し、駆動部140の押圧力を420Nに設定する(ステップS1550)。
なお、図15のステップS1520〜ステップS1550における数値は一例である。ある局面において、定着装置1400を搭載した画像形成装置のユーザ(製造者)は、印字枚数N1とニップ領域Niの端部付近の温度との関係を実験により予め取得し、取得された結果に基づいて印字枚数N1に対する駆動部140の押圧力が設定し得る。また、印字枚数N1は、プリントジョブ1に用いられる用紙の搬送方向の長さに応じて変更される構成であってもよい。用紙の搬送方向の長さが長いほど、1枚印字することによるニップ領域Niの端部付近の温度上昇の度合いが大きくなるためである。
ステップS1560において、CPU610は、プリントジョブ2に従い印字(プリント)を実行する。
上記によれば、ある実施形態に従う定着装置1400は、温度センサを搭載することなく、先の印刷時における小サイズ用紙の連続印字枚数に基づいて、大サイズ用紙のたわみを抑制し得る。そのため、定着装置1400は、上記の定着装置100および1100に比して、小型化および低コスト化を実現し得る。
なお、他の局面において、CPU610は、ステップS1020からステップS1510の間に、プリントジョブ1が終了してから予め定められた時間(例えば、1分)が経過しているか否かを判断する処理を実行してもよい。CPU610は、プリントジョブ1が終了してから予め定められた時間が経過していると判断した場合、ニップ領域Niの温度が十分に低くなっていると判断し、ステップS1070に進める。そうでない場合、CPU610は、温度T1に応じた駆動部140の押圧力制御を実行する。当該構成によれば、CPU610の処理負担を軽減し得る。
[他の構成]
(通紙速度の制御)
上記の実施形態に従う定着装置は、ニップ領域Niの端部付近の温度(加圧ローラー110の端部付近の温度)が高い場合に、駆動部140の押圧力を通常時よりも低く設定することによって、大サイズ用紙のたわみを抑制する構成であった。
上記説明した通り、駆動部140の押圧力(ニップ領域Niで用紙に印加される圧力)が低くなると、トナーの用紙への定着性が低下する。ある実施形態に従う定着装置は、駆動部140の押圧力を低く設定した場合にも、用紙に対するトナーの定着性を確保するために、ニップ領域Niにおける用紙の通過速度(通紙速度)を遅く設定し得る。
図16は、ニップ領域Niにおける通紙速度と、画像汚れと、定着性との関係を説明する図である。ある局面において、駆動部140の押圧力が420Nに、ニップ領域Niにおける用紙の通紙速度(すなわち、加圧ローラー110の回転速度)が325mm/secにそれぞれ設定された場合、用紙にトナーが十分に定着していない。一方、駆動部140の押圧力が同じ420Nに設定された場合であっても、用紙の通紙速度が265mm/secまたは108mm/secに設定された場合、用紙にトナーが十分に定着されている。このように、ニップ領域Niにおける用紙の通紙速度が遅いほど、用紙に対するトナーの定着性は向上する。
ある実施形態に従う定着装置は、この特性を利用して、通常時(温度に応じて駆動部140の押圧力を制御しないとき)の押圧力(例えば、500N)よりも駆動部の押圧力を低く設定する場合に、ニップ領域Niにおける用紙の通紙速度(プロセス速度)を通常時よりも低くなるように設定する。これにより、ある実施形態に従う定着装置は、用紙のたわみを抑制するとともに、トナーの定着性不足も抑制し得る。
(他の駆動部140の制御方法)
上記説明したように、ニップ幅は、ニップ領域Niの温度と押圧力に依存する。そのため、ある局面において、画像形成装置は、ニップ領域Niの端部付近の温度に応じたニップ幅が、適切な範囲に設定されるように、駆動部140の押圧力を設定する。
図17は、温度とニップ幅との関係を説明する図である。一例として、図17に示される温度とニップ幅との関係は、駆動部140の押圧力を通常時の圧力(例えば、500N)に設定した場合のものであるとする。図17に示される関係(例えば、数式、ルックアップテーブル)は、ROM620に格納され得る。
ある局面において、CPU610は、ニップ領域Niの端部付近の温度を温度センサ180から取得または印字枚数N1から推定する。CPU610は、図17に示される関係に基づいて、得られた温度に応じたニップ幅を算出する。CPU610は、算出したニップ幅が、用紙のたわみが生じないと想定される最大のニップ幅Nth1を上回る場合、駆動部140の押圧力を通常時の圧力よりも低く(例えば、460N)設定する。このような構成によっても、CPU610は、用紙のたわみを抑制し得る。
(温度センサ、駆動部の配置)
上記の例において、温度センサは加圧ローラー110の温度を測定し、駆動部140は、加圧ローラー110を加熱ローラー120に押し付ける構成であった。他の局面において、温度センサは、加熱ローラー120の温度を測定してもよい。また、駆動部140は、加熱ローラー120を加圧ローラー110に押し付ける構成であってもよい。
上記に示される例において、各種処理は、1つのCPU610によって実現されるものとしてあるが、これに限られない。これらの各種機能は、少なくとも1つのプロセッサのような半導体集積回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのDSP(Digital Signal Processor)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、および/またはその他の演算機能を有する回路を含む回路によって実装され得る。
これらの回路は、有形の読取可能な少なくとも1つの媒体から、1以上の命令を読み出すことにより図10,13,15等に示される各種機能を実現しうる。
このような媒体は、磁気媒体(たとえば、ハードディスク)、光学媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)、DVD)、揮発性メモリ、不揮発性メモリの任意のタイプのメモリなどの形態をとるが、これらの形態に限定されるものではない。
揮発性メモリはDRAM(Dynamic Random Access Memory)およびSRAM(Static Random Access Memory)を含み得る。不揮発性メモリは、ROM、NVRAMを含み得る。半導体メモリは、少なくとも1つのプロセッサとともに半導体回路の1部分であり得る。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 中間転写ベルト、2Y 作像ユニット、3Y 感光体ドラム、4Y 帯電器、5Y プリントヘッド部、6Y 現像器、7Y 1次転写ローラー、8 駆動ローラー、9 2次転写ローラー、30 給紙装置、31 給紙ローラー、50 排紙ローラー、60 排紙トレイ、100,1100,1400 定着装置、110 加圧ローラー、120 加熱ローラー、130 磁束発生装置、140 駆動部、150 制御部、170 領域、180,1110 温度センサ、210,520 フレーム、250 後部、300 画像形成装置、410 ガイド、420,430 分離爪、440 磁性コア、452,462 芯金、454,466 フッ素系樹脂層、464 弾性ゴム層、510 ギア、620 ROM、630 RAM、900,1300 押圧力テーブル。

Claims (17)

  1. 記録媒体の搬送経路上に配置されるとともに、互いの外周面が接するニップ領域が形成されるように構成された第1および第2のローラーと、
    前記第1および第2のローラーのうちいずれか一方を、加熱するための加熱部と、
    前記第1および第2のローラーのうちいずれか一方を、他方に押し当てるための駆動部と、
    前記搬送経路における搬送方向と直交する幅方向における前記第1および第2ローラーのうちいずれか一方のローラーの端部付近の温度を測定するための第1の温度センサと、
    前記第1の温度センサにより取得された第1の温度に応じて前記駆動部による押圧力を制御するための制御部とを備える、定着装置。
  2. 温度に応じた前記駆動部の押圧力を保持する第1テーブルを格納するための記憶装置をさらに備え、
    前記制御部は、前記第1テーブルを参照して前記第1の温度に応じた押圧力を前記駆動部の押圧力として設定するように構成される、請求項1に記載の定着装置。
  3. 第1の押圧力における、温度と前記ニップ領域の幅との関係を保持する記憶装置をさらに備え、
    前記制御部は、前記関係に基づく前記第1の温度に対応する前記ニップ領域の幅が予め定められたしきい値よりも大きい場合に、前記駆動部の押圧力を前記第1の押圧力よりも低い第2の押圧力に設定する、請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記第1の温度センサにより温度を測定されるローラーの、前記幅方向における中央付近の温度を測定するための第2のセンサをさらに備え、
    前記制御部は、前記第1の温度から前記第2のセンサにより取得される第2の温度を差し引いた差分温度に応じて前記駆動部による押圧力を制御するように構成される、請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記制御部は、
    前記差分温度が予め定められた温度を下回る場合に、前記駆動部の押圧力を第1の押圧力に設定し、
    前記差分温度が前記予め定められた温度以上の場合に、前記駆動部の押圧力を、前記第1の押圧力よりも低い第2の押圧力に設定するように構成される、請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記差分温度に応じた前記駆動部の押圧力を保持する第1テーブルを格納するための記憶装置をさらに備え、
    前記制御部は、前記第1テーブルを参照して前記差分温度に応じた押圧力を前記駆動部の押圧力として設定するように構成される、請求項4に記載の定着装置。
  7. 前記制御部は、前記第1の押圧力に設定した場合の前記ニップ領域を通過する記録媒体の通過速度よりも、前記第2の押圧力に設定した場合の前記ニップ領域を通過する記録媒体の通過速度を遅く設定するように構成される、請求項5に記載の定着装置。
  8. 前記第1の温度センサは、第1および第2ローラーのうちいずれか一方の、前記幅方向の長さが最も長い記録媒体の通紙領域の温度を測定するように配置される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 前記第1および第2のローラーは外周面に弾性層を含み、
    前記第1のローラーの弾性層は、前記第2のローラーの弾性層よりも厚く構成され、
    前記第1の温度センサは、前記第1のローラーの前記幅方向における端部付近の温度を測定するように構成される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の定着装置。
  10. 前記第1のローラーは加圧ローラーであって、
    前記第1の温度センサは、前記加圧ローラーの前記幅方向における端部付近の温度を測定するように構成される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の定着装置。
  11. 記録媒体の搬送経路上に配置されるとともに、互いの外周面が接するニップ領域が形成されるように構成された第1および第2のローラーと、
    前記第1および第2のローラーのうちいずれか一方を、加熱するための加熱部と、
    前記第1および第2のローラーのうちいずれか一方を、他方に押し当てるための駆動部と、
    前記駆動部による押圧力を制御するための制御部とを備え、
    前記制御部は、
    第1の記録媒体が前記ニップ領域を通過するときの前記駆動部の押圧力を第1の押圧力に設定し、
    前記第1の記録媒体を所定枚数以上連続して定着した後に、前記搬送経路における搬送方向と直交する幅方向の長さが前記第1の記録媒体よりも長い第2の記録媒体が前記ニップ領域を通過するときの前記駆動部の押圧力を、前記第1の押圧力よりも低い第2の押圧力に設定するように構成される、定着装置。
  12. 前記第1の記録媒体の連続印字枚数に応じた、前記ニップ領域の前記搬送経路における搬送方向と直交する幅方向における端部付近の温度を記憶するための記憶装置をさらに備え、
    前記所定枚数は、前記連続印字枚数に応じた温度が予め定められた温度を超える枚数に設定される、請求項11に記載の定着装置。
  13. 前記制御部は、前記第1の押圧力に設定した場合の前記ニップ領域を通過する第1の記録媒体の通過速度よりも、前記第2の押圧力に設定した場合の前記ニップ領域を通過する第2の記録媒体の通過速度を遅く設定するように構成される、請求項11または12に記載の定着装置。
  14. 前記制御部は、前記第1の記録媒体を所定枚数以上連続して定着してから所定時間が経過する前に、前記第2の記録媒体が前記ニップ領域を通過するときの前記駆動部の押圧力を、前記第2の押圧力に設定するように構成される、請求項11〜13のいずれか1項に記載の定着装置。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の定着装置と、
    トナー画像を記録媒体に形成するための画像形成部とを備える、画像形成装置。
  16. 記録媒体の搬送経路上に配置されるとともに、互いの外周面が接するニップ領域が形成されるように構成された第1および第2のローラーを含む定着装置の制御方法であって、
    前記第1および第2のローラーのうちいずれか一方を加熱し、
    前記搬送経路における搬送方向と直交する幅方向における前記第1および第2ローラーのうちいずれか一方のローラーの端部付近の温度を測定し、
    前記測定された温度に応じた押圧力で、前記第1および第2のローラーのうちいずれか一方を他方に押し当てる、定着装置の制御方法。
  17. 記録媒体の搬送経路上に配置されるとともに、互いの外周面が接するニップ領域が形成されるように構成された第1および第2のローラーを含む定着装置の制御方法であって、
    前記第1および第2のローラーのうちいずれか一方を加熱し、
    第1の記録媒体が前記ニップ領域を通過するときの、前記第1および第2のローラーのうちいずれか一方を他方に押し当てる力を第1の押圧力に設定し、
    前記第1の記録媒体を所定枚数以上連続して定着した後に、前記搬送経路における搬送方向と直交する幅方向の長さが前記第1の記録媒体よりも長い第2の記録媒体を定着するか否かを判断し、
    前記第1の記録媒体を所定枚数以上連続して定着した後に、前記第2の記録媒体を定着すると判断した場合に、前記第2の記録媒体が前記ニップ領域を通過するときの、前記第1および第2のローラーのうちいずれか一方を他方に押し当てる力を、前記第1の押圧力よりも低い第2の押圧力に設定する、定着装置の制御方法。
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