JP2018072214A - 金属材料の結晶粒径評価方法 - Google Patents
金属材料の結晶粒径評価方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018072214A JP2018072214A JP2016213550A JP2016213550A JP2018072214A JP 2018072214 A JP2018072214 A JP 2018072214A JP 2016213550 A JP2016213550 A JP 2016213550A JP 2016213550 A JP2016213550 A JP 2016213550A JP 2018072214 A JP2018072214 A JP 2018072214A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- grain size
- crystal grain
- debye
- standard deviation
- ray diffraction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
Abstract
Description
(a)前記評価対象について、X線回折像としてデバイ・シェラーリングを得るステップと、
(b)前記評価対象について、前記(a)のステップで得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求めるステップと、
(c)前記(b)のステップで求めた前記評価対象の標準偏差と、予め求められた結晶粒径と標準偏差との関係を示すマスターカーブとから、前記評価対象の結晶粒径を求めるステップと、
を備える。
(d)金属材料からなるモデル材について、異なる状態ごとに、平均結晶粒径を求めるとともに、X線回折像としてデバイ・シェラーリングを得るステップと、
(e)前記(d)のステップで前記異なる状態ごとに得た前記デバイ・シェラーリングについて、前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求めるステップと、
(f)前記(d)および(e)のステップで前記異なる状態ごとに求めた前記モデル材の前記平均結晶粒径および前記標準偏差に基づいて、前記マスターカーブを得るステップと、
を備えていてもよい。
前記(e)のステップでは、前記(d)のステップで得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布からバックグラウンドを除去して得られるデータに基づいて標準偏差を求めてもよい。
前記(d)のステップにおいて前記モデル材についてデバイ・シェラーリングを得る際に、前記モデル材の表面におけるX線の照射領域を前記モデル材の表面に垂直な方向から見た場合に、X線の入射方向における長さが、前記入射方向に直交する方向における長さよりも大きくなるように、前記モデル材の表面にX線を照射してもよい。
前記(e)のステップでは、前記複数の面指数のなかから選択した一つの面指数について、前記(d)のステップで前記異なる状態ごとに得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求め、
前記(b)のステップでは、前記(e)のステップで選択した前記一つの面指数について、前記(a)のステップで得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求めてもよい。
本発明の一実施形態に係る結晶粒径評価方法(以下、単に評価方法という。)は、例えば、高温環境下において使用されている金属材料の結晶粒径を評価する際に好適に用いられる。なお、本実施形態において高温環境とは、例えば、通常の火力発電ボイラーまたは石油精製機器等の使用温度である500℃以上の環境を意味する。
ステップA:評価対象である金属材料について、X線回折像としてデバイ・シェラーリングを得る。
ステップB:評価対象について、上記Aのステップで得たデバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求める。
ステップC:上記Bのステップで求めた評価対象のX線回折強度分布の標準偏差と、予め求められた結晶粒径と標準偏差との関係を示すマスターカーブとから、評価対象の結晶粒径を求める。
ステップD:金属材料からなるモデル材について、異なる状態ごとに、平均結晶粒径を求めるとともに、X線回折像としてデバイ・シェラーリングを得る。
ステップE:上記Dのステップで異なる状態ごとに得たデバイ・シェラーリングについて、デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求める。
ステップF:上記DおよびEのステップで異なる状態ごとに求めたモデル材の平均結晶粒径および標準偏差に基づいて、マスターカーブを作成する。
以下、ステップD〜Fについて具体的に説明する。
ステップDでは、モデル材として、例えば、評価対象の金属材料と同一の結晶系の金属材料が用いられる。また、本実施形態では、ステップDにおいて、互いに異なる状態の複数のモデル材が準備される。具体的には、例えば、異なる熱処理を実施することによって結晶粒径を変えた複数のモデル材を準備する。そして、各モデル材について、平均結晶粒径を求めるとともに、デバイ・シェラーリングを得る。
ステップEでは、複数のモデル材についてそれぞれ、上記のステップDで得たデバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求める。具体的には、まず、複数のデバイ・シェラーリングのうち、いずれかの面指数(例えば、図3の(112)面)のデバイ・シェラーリングを選択する。デバイ・シェラーリングの選択方法については後述する。
ステップFでは、複数のモデル材ごとに求めた平均結晶粒径および標準偏差に基づいて、結晶粒径と標準偏差との関係を示すマスターカーブを作成する。本実施形態では、図7に示すような、平均結晶粒径と相対標準偏差RSDとの関係を示すマスターカーブが作成される。本実施形態では、このようにして得られたマスターカーブを用いて、以下のステップA〜Cの処理を実行して、評価対象の結晶粒径を求めることができる。
ステップAでは、評価対象について、モデル材と同様に、X線回折像として、複数のデバイ・シェラーリングを得る。なお、デバイ・シェラーリングを得る方法は、上述のステップDにおいて説明した方法と同様であるので、説明は省略する。
ステップBでは、上記のステップAで得たデバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求める。本実施形態では、ステップBにおいて、ステップEで選択されたデバイ・シェラーリングと同じ面指数のデバイ・シェラーリングを選択する。さらに、求めた標準偏差から、相対標準偏差を求める。なお、標準偏差および相対標準偏差を求める方法は、上述のステップEにおいて説明した方法と同様であるので、説明は省略する。
最後に、上記のようにして求めた評価対象の標準偏差(本実施形態では、相対標準偏差)と、上述のマスターカーブ(図7参照)とから、評価対象の結晶粒径を求める。
以下、本実施形態にかかる評価方法の作用効果を説明する。図8〜10は、評価対象の金属材料を900℃、800℃および700℃に設定して、各設定温度で測定したX線回折強度分布を示す図である。また、図8〜10には、それぞれ、X線回折強度分布の相対標準偏差(RSD)を示している。
以下、上述のステップBおよびEにおけるデバイ・シェラーリングの選択方法の一例について説明する。
上述の実施形態では、平均結晶粒径と相対標準偏差との関係を示すマスターカーブを作成し、評価対象のX線回折強度分布の相対標準偏差に基づいて、評価対象の結晶粒径を評価する場合について説明した。しかしながら、X線回折強度分布の偏差を示す指標として標準偏差などを用いてもよい。この場合、平均結晶粒径と標準偏差などとの関係を示すマスターカーブを作成し、評価対象のX線回折強度分布の標準偏差などに基づいて、評価対象の結晶粒径を評価してもよい。
実施例1では、Fe−0.1mass%Si合金をベースとして微量元素を変えた6つの金属材料について、上述の評価方法によって相対標準偏差を求めるとともに、結晶粒径を評価した。また、光学顕微鏡を用いた観察によって、各金属材料の平均結晶粒径を求めた。その結果を、下記の表1に示す。
上述したように、本発明を利用したその場観察(例えば、温度を変化させながら)によって、金属材料の結晶粒径の変化の過程の評価を行うことができる。そこで、実施例2では、2種類の合金(合金1:Fe-0.2mass%Si-0.5mass%Mo-0.01mass%B,合金2:Fe-0.2mass%Si-0.5mass%Mo)について、上述の評価方法を利用したその場観察を行い、結晶粒径の変化の過程を評価した。評価結果を下記の表2に示す。表2に示すように、本発明を利用したその場観察によって、Bを含有する合金1では、Bによるピニング効果によって、結晶粒径が粗大化しにくいことを容易に確認することができる。
Claims (6)
- 金属材料からなる評価対象のX線回折像に基づいて、前記評価対象の結晶粒径を評価する結晶粒径評価方法であって、
(a)前記評価対象について、X線回折像としてデバイ・シェラーリングを得るステップと、
(b)前記評価対象について、前記(a)のステップで得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求めるステップと、
(c)前記(b)のステップで求めた前記評価対象の標準偏差と、予め求められた結晶粒径と標準偏差との関係を示すマスターカーブとから、前記評価対象の結晶粒径を求めるステップと、
を備える、結晶粒径評価方法。 - (d)金属材料からなるモデル材について、異なる状態ごとに、平均結晶粒径を求めるとともに、X線回折像としてデバイ・シェラーリングを得るステップと、
(e)前記(d)のステップで前記異なる状態ごとに得た前記デバイ・シェラーリングについて、前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求めるステップと、
(f)前記(d)および(e)のステップで前記異なる状態ごとに求めた前記モデル材の前記平均結晶粒径および前記標準偏差に基づいて、前記マスターカーブを得るステップと、
をさらに備える、請求項1に記載の結晶粒径評価方法。 - 前記(b)のステップでは、前記(a)のステップで得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布からバックグラウンドを除去して得られるデータに基づいて標準偏差を求め、
前記(e)のステップでは、前記(d)のステップで得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布からバックグラウンドを除去して得られるデータに基づいて標準偏差を求める、
請求項2に記載の結晶粒径評価方法。 - 前記(a)のステップにおいて前記評価対象についてデバイ・シェラーリングを得る際に、前記評価対象の表面におけるX線の照射領域を前記評価対象の表面に垂直な方向から見た場合に、X線の入射方向における長さが、前記入射方向に直交する方向における長さよりも大きくなるように、前記評価対象の表面にX線を照射し、
前記(d)のステップにおいて前記モデル材についてデバイ・シェラーリングを得る際に、前記モデル材の表面におけるX線の照射領域を前記モデル材の表面に垂直な方向から見た場合に、X線の入射方向ににおける長さが、前記入射方向に直交する方向における長さよりも大きくなるように、前記モデル材の表面にX線を照射する、
請求項2または3に記載の結晶粒径評価方法。 - 前記(a)および(d)のステップでは、複数の面指数ごとにデバイ・シェラーリングを得て、
前記(e)のステップでは、前記複数の面指数のなかから選択した一つの面指数について、前記(d)のステップで前記異なる状態ごとに得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求め、
前記(b)のステップでは、前記(e)のステップで選択した前記一つの面指数について、前記(a)のステップで得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求める、
請求項2から4のいずれかに記載の結晶粒径評価方法。 - 前記モデル材は、前記評価対象と同一の結晶系の金属材料からなる、
請求項2から5のいずれかに記載の結晶粒径評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016213550A JP2018072214A (ja) | 2016-10-31 | 2016-10-31 | 金属材料の結晶粒径評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016213550A JP2018072214A (ja) | 2016-10-31 | 2016-10-31 | 金属材料の結晶粒径評価方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018072214A true JP2018072214A (ja) | 2018-05-10 |
Family
ID=62115227
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016213550A Withdrawn JP2018072214A (ja) | 2016-10-31 | 2016-10-31 | 金属材料の結晶粒径評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018072214A (ja) |
-
2016
- 2016-10-31 JP JP2016213550A patent/JP2018072214A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
McDonald et al. | Non-destructive mapping of grain orientations in 3D by laboratory X-ray microscopy | |
JP6696412B2 (ja) | 金属材料の余寿命評価方法 | |
JP2016197080A (ja) | 切欠き係数推定方法、切欠き係数推定システム及び切欠き係数推定装置 | |
JP2017146224A (ja) | 合金材料の評価方法 | |
EP3712601B1 (en) | Method for measuring degree of recrystallization of zirconium alloy cladding tube for nuclear fuel by using ebsd pattern quality | |
JP6299380B2 (ja) | 金属材料のgn転位密度算出方法 | |
JP2018059763A (ja) | ステンレス鋼材使用温度推定方法及びステンレス鋼材寿命算出方法 | |
JP2018072214A (ja) | 金属材料の結晶粒径評価方法 | |
JP2012073126A (ja) | 金属材料のき裂進展速度評価方法および装置 | |
Almousa et al. | On the use of non-destructive, gigahertz ultrasonics to rapidly screen irradiated steels for swelling resistance | |
Le et al. | Metal temperature estimation and microstructure evaluation of long-term service-exposed Super304H steel boiler tubes | |
JP5876260B2 (ja) | クリープ損傷を受ける金属の余寿命診断装置 | |
Charpagne et al. | Tuning strain localization in polycrystalline nickel-based superalloys by thermomechanical processing | |
JP6657788B2 (ja) | 金属材料の余寿命予測方法 | |
Zhang et al. | Boundary migration during recrystallization: experimental observations | |
JPH07113769A (ja) | クリープ寿命予測方法 | |
JP2018091720A (ja) | 金属材料のクリープ損傷を評価する評価方法及び評価装置 | |
JP2016183899A (ja) | 耐熱部材の使用温度推定方法 | |
Rollett et al. | Orientation mapping | |
JP2016045037A (ja) | 粒界型応力腐食割れ発生感受性の評価方法および粒界型応力腐食割れ発生感受性評価装置 | |
Sinha et al. | Quantitative characterization of microscale fracture features in titanium alloys | |
Fu et al. | Analysis and calibration of stage axial vibration for synchrotron radiation nanoscale computed tomography | |
JP2015165187A (ja) | 二相ステンレス鋼の安全性評価方法 | |
Zhai et al. | Grain Boundary Damage Evolution and SCC Initiation of Cold-Worked Alloy 690 in Simulated PWR Primary Water | |
Dash et al. | Five-Parameter Grain Boundary Determination in Annealed Ferrite Structure Using Electron Backscatter Diffraction and Serial Sectioning Technique |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190605 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200131 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200225 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200423 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20200709 |