JP2018072214A - 金属材料の結晶粒径評価方法 - Google Patents

金属材料の結晶粒径評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属材料の結晶粒径を簡単な処理で評価することができる、金属材料の結晶粒径評価方法を提供する。【解決手段】評価対象の金属材料の結晶粒径を評価する方法であって、(a)前記評価対象について、X線回折像としてデバイ・シェラーリングを得るステップと、(b)前記評価対象について、前記(a)のステップで得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求めるステップと、(c)前記(b)のステップで求めた前記評価対象の標準偏差と、予め求められた結晶粒径と標準偏差との関係を示すマスターカーブとから、前記評価対象の結晶粒径を求めるステップと、を備える。【選択図】 図7

Description

本発明は、金属材料の結晶粒径を評価する方法に関する。
従来、火力発電プラント等において高温環境下で使用されている金属材料(鋼管等)の余寿命を予測するための方法が検討されている。また、このような余寿命予測方法の一つとして、金属材料の結晶粒径に基づいて余寿命を予想する方法が提案されている。
例えば、特開2007−248390号公報(特許文献1)に開示された破壊寿命評価装置では、評価対象物に電子線を照射することによって形成される電子後方散乱回折像が撮影される。そして、撮影した回折像を画像処理することによって結晶粒界分布が生成され、生成された結晶粒界分布に基づいて平均結晶粒径が算出される。さらに、算出した平均結晶粒径と、事前に求められた平均結晶粒径と評価対象物の破壊寿命との関係を示す特性曲線とに基づいて、評価対象物の破壊寿命が判定される。
特開2007−248390号公報
ところで、上述したように、特許文献1に開示された装置では、評価対象物の平均結晶粒径を求めるために、回折像を画像処理することによって結晶粒界分布を生成しなければならない。さらに、生成した結晶粒界分布に基づいて平均結晶粒径を算出しなければならない。すなわち、特許文献1に開示された装置では、平均結晶粒径を算出するために煩雑な処理が必要になる。また、このような煩雑な処理を行うことによって、誤差が大きくなるおそれがある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、金属材料の結晶粒径を簡単な処理で評価することができる、金属材料の結晶粒径評価方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態にかかる結晶粒径評価方法は、金属材料からなる評価対象のX線回折像に基づいて、前記評価対象の結晶粒径を評価する結晶粒径評価方法であって、
(a)前記評価対象について、X線回折像としてデバイ・シェラーリングを得るステップと、
(b)前記評価対象について、前記(a)のステップで得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求めるステップと、
(c)前記(b)のステップで求めた前記評価対象の標準偏差と、予め求められた結晶粒径と標準偏差との関係を示すマスターカーブとから、前記評価対象の結晶粒径を求めるステップと、
を備える。
前記結晶粒径評価方法は、さらに、
(d)金属材料からなるモデル材について、異なる状態ごとに、平均結晶粒径を求めるとともに、X線回折像としてデバイ・シェラーリングを得るステップと、
(e)前記(d)のステップで前記異なる状態ごとに得た前記デバイ・シェラーリングについて、前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求めるステップと、
(f)前記(d)および(e)のステップで前記異なる状態ごとに求めた前記モデル材の前記平均結晶粒径および前記標準偏差に基づいて、前記マスターカーブを得るステップと、
を備えていてもよい。
前記(b)のステップでは、前記(a)のステップで得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布からバックグラウンドを除去して得られるデータに基づいて標準偏差を求め、
前記(e)のステップでは、前記(d)のステップで得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布からバックグラウンドを除去して得られるデータに基づいて標準偏差を求めてもよい。
前記(a)のステップにおいて前記評価対象についてデバイ・シェラーリングを得る際に、前記評価対象の表面におけるX線の照射領域を前記評価対象の表面に垂直な方向から見た場合に、X線の入射方向における長さが、前記入射方向に直交する方向における長さよりも大きくなるように、前記評価対象の表面にX線を照射し、
前記(d)のステップにおいて前記モデル材についてデバイ・シェラーリングを得る際に、前記モデル材の表面におけるX線の照射領域を前記モデル材の表面に垂直な方向から見た場合に、X線の入射方向における長さが、前記入射方向に直交する方向における長さよりも大きくなるように、前記モデル材の表面にX線を照射してもよい。
前記(a)および(d)のステップでは、複数の面指数ごとにデバイ・シェラーリングを得て、
前記(e)のステップでは、前記複数の面指数のなかから選択した一つの面指数について、前記(d)のステップで前記異なる状態ごとに得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求め、
前記(b)のステップでは、前記(e)のステップで選択した前記一つの面指数について、前記(a)のステップで得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求めてもよい。
前記モデル材は、前記評価対象と同一の結晶系の金属材料からなっていてもよい。
本発明によれば、金属材料の結晶粒径を簡単な処理で評価することができる。
図1は、X線回折像の測定方法を説明するための図である。 図2は、X線回折像を示す図である。 図3は、2次元検出器を用いて得られたX線回折像を示す図である。 図4は、X線の照射領域と回折線との関係を示す図である。 図5は、X線の照射領域と回折線との関係を示す図である。 図6は、X線回折強度分布の一例を示す図である。 図7は、結晶粒径と相対標準偏差との関係を示すマスターカーブの一例を示す図である。 図8は、900℃の金属材料のX線回折強度分布を示す図である。 図9は、800℃の金属材料のX線回折強度分布を示す図である。 図10は、700℃の金属材料のX線回折強度分布を示す図である。 図11は、αFeの(110)面、(200)面、および(211)面の回折線のX線回折強度分布の相対標準偏差を示す図である。
本発明者は、金属材料の結晶粒径を評価するために種々の検討を行った。この検討のなかで、本発明者は、金属材料のX線回折像と結晶粒径との関係を詳細に調べた。その結果、X線回折像として得られるデバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布が、結晶粒径の変化に応じて変化することを見出した。より具体的には、上記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差と、結晶粒径とに相関があることを見出した。本発明は、このような知見に基づいてなされた発明である。以下、本発明の一実施形態に係る結晶粒径評価方法について説明する。
(結晶粒径評価方法の概要)
本発明の一実施形態に係る結晶粒径評価方法(以下、単に評価方法という。)は、例えば、高温環境下において使用されている金属材料の結晶粒径を評価する際に好適に用いられる。なお、本実施形態において高温環境とは、例えば、通常の火力発電ボイラーまたは石油精製機器等の使用温度である500℃以上の環境を意味する。
本実施形態に係る評価方法は、下記のステップA〜Cを備える。
ステップA:評価対象である金属材料について、X線回折像としてデバイ・シェラーリングを得る。
ステップB:評価対象について、上記Aのステップで得たデバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求める。
ステップC:上記Bのステップで求めた評価対象のX線回折強度分布の標準偏差と、予め求められた結晶粒径と標準偏差との関係を示すマスターカーブとから、評価対象の結晶粒径を求める。
以下、ステップA〜Cについて具体的に説明する前に、まず、マスターカーブについて説明する。本実施形態では、下記のD〜Fのステップを実行することによって、予めマスターカーブを作成する。
ステップD:金属材料からなるモデル材について、異なる状態ごとに、平均結晶粒径を求めるとともに、X線回折像としてデバイ・シェラーリングを得る。
ステップE:上記Dのステップで異なる状態ごとに得たデバイ・シェラーリングについて、デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求める。
ステップF:上記DおよびEのステップで異なる状態ごとに求めたモデル材の平均結晶粒径および標準偏差に基づいて、マスターカーブを作成する。
以下、ステップD〜Fについて具体的に説明する。
(ステップD)
ステップDでは、モデル材として、例えば、評価対象の金属材料と同一の結晶系の金属材料が用いられる。また、本実施形態では、ステップDにおいて、互いに異なる状態の複数のモデル材が準備される。具体的には、例えば、異なる熱処理を実施することによって結晶粒径を変えた複数のモデル材を準備する。そして、各モデル材について、平均結晶粒径を求めるとともに、デバイ・シェラーリングを得る。
平均結晶粒径は、例えば、モデル材の表面を鏡面研磨し、エッチングした後、粒界を明確にして測定する。平均結晶粒径は、光学顕微鏡を用いた観察によって測定してもよく、EBSD(Electron Back Scatter Diffraction Patterns)法によって測定してもよい。具体的には、例えば、JIS G0551:2013に従って平均結晶粒径を測定してもよい。なお、平均結晶粒径は、公知の種々の方法によって測定できるので、詳細な説明は省略する。
X線回折像は、図1に示すように、モデル材の表面にX線を入射させて求める。本実施形態では、X線回折像として、図2に示すような複数のデバイ・シェラーリングが得られる。デバイ・シェラーリングは、複数の面指数ごとに得られる。なお、図1においては、モデル材の表面に垂直な方向を矢印b(以下、垂直方向bともいう。)で示し、垂直方向bから見た場合におけるX線の入射方向を矢印a(以下、入射方向aともいう。)で示している。また、入射方向aおよび垂直方向bに直交する方向を矢印cで示している。なお、デバイ・シェラーリングは、公知の方法によって得られるので、詳細な説明は省略する。
図1を参照して、本実施形態では、2次元検出器を用いてX線回折像が得られる。図3は、2次元検出器で得られるX線回折像の一例を示す図である。図3においては、一例として、αFeの(011)面、(002)面、(112)面、および(022)面の回折線(デバイ・シェラーリング)の一部が示されている。なお、図3において破線で囲まれた範囲は、各回折線の周方向(以下、β方向ともいう。)における同一の角度の範囲(図3の例では30°の範囲)に相当する。
図4(a)を参照して、本実施形態では、モデル材の表面におけるX線の照射領域をモデル材の表面に垂直な方向(図1の矢印b参照)から見た場合に、X線の入射方向aにおける長さが、入射方向aに直交する方向c(以下、直交方向cともいう。)における長さよりも大きい。このようにX線を照射することによって、図4(b)に示すように、2次元検出器において、一様な幅の回折線を検出することができる。これにより、詳細を後述するステップEにおいて、X線回折強度をより正確に求めることができる。モデル材の表面におけるX線の照射領域の入射方向aにおける長さは、例えば、0.3〜10.0mmであり、直交方向cにおける長さは、例えば、0.1〜0.8mmである。
なお、図5(a)に示すように、X線の照射領域の直交方向cにおける長さが、入射方向aにおける長さよりも大きくてもよい。ただし、この場合には、図5(b)に示すように、2次元検出器において検出される回折線は、両端部の幅が中央部の幅よりも広くなるので、測定精度が低下するおそれがある。
(ステップE)
ステップEでは、複数のモデル材についてそれぞれ、上記のステップDで得たデバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求める。具体的には、まず、複数のデバイ・シェラーリングのうち、いずれかの面指数(例えば、図3の(112)面)のデバイ・シェラーリングを選択する。デバイ・シェラーリングの選択方法については後述する。
次に、選択したデバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布を求める。本実施形態では、図6(a)に示すように、β方向における所定範囲(例えば、30°の範囲:図3において破線で囲まれた範囲)のX線回折強度分布を求める。また、求めたX線回折強度分布から得られる回折強度Iおよびその平均値μに基づいて、下記式から標準偏差σを求める。
Figure 2018072214
本実施形態では、さらに、上記のようにして求めた標準偏差σを平均値μで除することによって、相対標準偏差RSDを求める。なお、上記においては、母集団の標準偏差を求めているが、標本の標準偏差を求めてもよい。また、例えば、X線回折強度分布からバックグラウンドを除去した後に、標準偏差を求めてもよい。例えば、バックグラウンドは、図6(a),(b)に示すように、バックグラウンドの形状および測定条件等に応じて適切な近似曲線を用いて除去することができる。なお、バックグラウンドの除去方法としては、公知の種々の方法を利用できるので、詳細な説明は省略する。
(ステップF)
ステップFでは、複数のモデル材ごとに求めた平均結晶粒径および標準偏差に基づいて、結晶粒径と標準偏差との関係を示すマスターカーブを作成する。本実施形態では、図7に示すような、平均結晶粒径と相対標準偏差RSDとの関係を示すマスターカーブが作成される。本実施形態では、このようにして得られたマスターカーブを用いて、以下のステップA〜Cの処理を実行して、評価対象の結晶粒径を求めることができる。
(ステップA)
ステップAでは、評価対象について、モデル材と同様に、X線回折像として、複数のデバイ・シェラーリングを得る。なお、デバイ・シェラーリングを得る方法は、上述のステップDにおいて説明した方法と同様であるので、説明は省略する。
(ステップB)
ステップBでは、上記のステップAで得たデバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求める。本実施形態では、ステップBにおいて、ステップEで選択されたデバイ・シェラーリングと同じ面指数のデバイ・シェラーリングを選択する。さらに、求めた標準偏差から、相対標準偏差を求める。なお、標準偏差および相対標準偏差を求める方法は、上述のステップEにおいて説明した方法と同様であるので、説明は省略する。
(ステップC)
最後に、上記のようにして求めた評価対象の標準偏差(本実施形態では、相対標準偏差)と、上述のマスターカーブ(図7参照)とから、評価対象の結晶粒径を求める。
(作用効果)
以下、本実施形態にかかる評価方法の作用効果を説明する。図8〜10は、評価対象の金属材料を900℃、800℃および700℃に設定して、各設定温度で測定したX線回折強度分布を示す図である。また、図8〜10には、それぞれ、X線回折強度分布の相対標準偏差(RSD)を示している。
図8〜10に示すように、相対標準偏差(RSD)の値は、評価対象となる金属材料の状態によって変化する。図8〜10に示した例からは、評価対象の温度が変わることによって、相対標準偏差の値が変化することが分かる。これは、評価対象となる金属材料の結晶粒径が変化することによって、X線回折強度分布が変化するからである。本発明者は、この関係に注目して、評価対象の相対標準偏差に基づいて結晶粒径を評価する方法を見出した。例えば、図8に示した例では、相対標準偏差が約55であるので、図7のマスターカーブから、平均結晶粒径が約13μmであると評価することができる。このように、本実施形態によれば、X線回折強度分布から求められる標準偏差(相対標準偏差)に基づいて、煩雑な処理を行うことなく、簡単に結晶粒径を評価することができる。
本実施形態に係る評価方法によれば、例えば、マルテンサイトや、ベイナイトなどの複雑な組織を有する合金の結晶粒径も評価することができる。また、その場観察(例えば、温度を変化させながらRSDを求める。)によって、結晶粒径の変化の過程(再結晶による粒成長、相変態等)の評価を行うことも可能になる。
(デバイ・シェラーリングの選択方法について)
以下、上述のステップBおよびEにおけるデバイ・シェラーリングの選択方法の一例について説明する。
X線の照射面積は、高回折角度になるほど小さくなる。このため,高回折角度になるほど、結晶粒径の変化に対して、RSDはより敏感に変化する。一方、評価対象となる金属材料が不均一な組織を有する場合、X線の照射面積が小さくなると統計精度が低下する。したがって、金属材料に応じて適切な回折線(デバイ・シェラーリング)を選定する必要がある。以下、一例を挙げて説明する。
図11は、αFeの(110)面、(200)面、および(211)面の回折線のX線回折強度分布の相対標準偏差を示す図である。なお、図11においては、各回折線の相対標準偏差を、αFeが30℃のときの相対標準偏差を1として規格化し、規格化RSDとして示している。
図11に示した例では、600℃以下の領域では、(110)面、(200)面、および(211)面の回折線の相対標準偏差に大きな差は無い。しかし、600℃を超えた領域では、(211)面の回折線の相対標準偏差が最も大きく変化している。この場合、(211)面の回折線の相対標準偏差に基づいて結晶粒径を評価することによって、より高精度に結晶粒径を求めることができる。このように、金属材料に応じて適切な回折線(デバイ・シェラーリング)を選択することによって、結晶粒径を精度よく評価することが可能になる。
(変形例)
上述の実施形態では、平均結晶粒径と相対標準偏差との関係を示すマスターカーブを作成し、評価対象のX線回折強度分布の相対標準偏差に基づいて、評価対象の結晶粒径を評価する場合について説明した。しかしながら、X線回折強度分布の偏差を示す指標として標準偏差などを用いてもよい。この場合、平均結晶粒径と標準偏差などとの関係を示すマスターカーブを作成し、評価対象のX線回折強度分布の標準偏差などに基づいて、評価対象の結晶粒径を評価してもよい。
(実施例1)
実施例1では、Fe−0.1mass%Si合金をベースとして微量元素を変えた6つの金属材料について、上述の評価方法によって相対標準偏差を求めるとともに、結晶粒径を評価した。また、光学顕微鏡を用いた観察によって、各金属材料の平均結晶粒径を求めた。その結果を、下記の表1に示す。
Figure 2018072214
表1に示すように、本実施形態に係る評価方法によって予測した結晶粒径は、実測値と大きな差が無かった。この結果から、本実施形態に係る評価方法によれば、金属材料の結晶粒径を簡単にかつ高精度で予測できることが分かる。
(実施例2)
上述したように、本発明を利用したその場観察(例えば、温度を変化させながら)によって、金属材料の結晶粒径の変化の過程の評価を行うことができる。そこで、実施例2では、2種類の合金(合金1:Fe-0.2mass%Si-0.5mass%Mo-0.01mass%B,合金2:Fe-0.2mass%Si-0.5mass%Mo)について、上述の評価方法を利用したその場観察を行い、結晶粒径の変化の過程を評価した。評価結果を下記の表2に示す。表2に示すように、本発明を利用したその場観察によって、Bを含有する合金1では、Bによるピニング効果によって、結晶粒径が粗大化しにくいことを容易に確認することができる。
Figure 2018072214
本発明によれば、金属材料の結晶粒径を簡単な処理で評価することができる。本発明は、例えば、炭素鋼、ステンレス鋼、Ni基合金、Fe−Ni基合金等の種々の金属材料の結晶粒径の評価に好適に利用できる。また、本発明は、例えば、平均結晶粒径が5〜100μm程度の金属材料の評価に好適に利用できる。

Claims (6)

  1. 金属材料からなる評価対象のX線回折像に基づいて、前記評価対象の結晶粒径を評価する結晶粒径評価方法であって、
    (a)前記評価対象について、X線回折像としてデバイ・シェラーリングを得るステップと、
    (b)前記評価対象について、前記(a)のステップで得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求めるステップと、
    (c)前記(b)のステップで求めた前記評価対象の標準偏差と、予め求められた結晶粒径と標準偏差との関係を示すマスターカーブとから、前記評価対象の結晶粒径を求めるステップと、
    を備える、結晶粒径評価方法。
  2. (d)金属材料からなるモデル材について、異なる状態ごとに、平均結晶粒径を求めるとともに、X線回折像としてデバイ・シェラーリングを得るステップと、
    (e)前記(d)のステップで前記異なる状態ごとに得た前記デバイ・シェラーリングについて、前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求めるステップと、
    (f)前記(d)および(e)のステップで前記異なる状態ごとに求めた前記モデル材の前記平均結晶粒径および前記標準偏差に基づいて、前記マスターカーブを得るステップと、
    をさらに備える、請求項1に記載の結晶粒径評価方法。
  3. 前記(b)のステップでは、前記(a)のステップで得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布からバックグラウンドを除去して得られるデータに基づいて標準偏差を求め、
    前記(e)のステップでは、前記(d)のステップで得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布からバックグラウンドを除去して得られるデータに基づいて標準偏差を求める、
    請求項2に記載の結晶粒径評価方法。
  4. 前記(a)のステップにおいて前記評価対象についてデバイ・シェラーリングを得る際に、前記評価対象の表面におけるX線の照射領域を前記評価対象の表面に垂直な方向から見た場合に、X線の入射方向における長さが、前記入射方向に直交する方向における長さよりも大きくなるように、前記評価対象の表面にX線を照射し、
    前記(d)のステップにおいて前記モデル材についてデバイ・シェラーリングを得る際に、前記モデル材の表面におけるX線の照射領域を前記モデル材の表面に垂直な方向から見た場合に、X線の入射方向ににおける長さが、前記入射方向に直交する方向における長さよりも大きくなるように、前記モデル材の表面にX線を照射する、
    請求項2または3に記載の結晶粒径評価方法。
  5. 前記(a)および(d)のステップでは、複数の面指数ごとにデバイ・シェラーリングを得て、
    前記(e)のステップでは、前記複数の面指数のなかから選択した一つの面指数について、前記(d)のステップで前記異なる状態ごとに得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求め、
    前記(b)のステップでは、前記(e)のステップで選択した前記一つの面指数について、前記(a)のステップで得た前記デバイ・シェラーリングの周方向におけるX線回折強度分布の標準偏差を求める、
    請求項2から4のいずれかに記載の結晶粒径評価方法。
  6. 前記モデル材は、前記評価対象と同一の結晶系の金属材料からなる、
    請求項2から5のいずれかに記載の結晶粒径評価方法。
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