JP2018071580A - 自動変速機制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦要素の焼き付きの抑制と、車両挙動の顕著な悪化の抑制とを両立する変速機制御装置を提供する。【解決手段】自動変速機制御装置は、複数の摩擦要素の係合及び解放を制御することにより、変速機の変速段を切り替える。自動変速機制御装置は、各摩擦要素の発熱量を、摩擦要素毎に推定する発熱量推定部と、発熱量推定部による各発熱量の推定演算において、異常が発生しているか否かを判定する異常判定部と、異常判定部により異常が発生したと判定された摩擦要素の係合が発生する変速段を禁止状態とする異常変速段禁止部と、各変速段のうち一部が禁止状態であり、かつ、変速要求が有る場合に、禁止状態以外の変速段の中から変速段を選択し、選択された変速段に切り替える選択切替部と、を備える。【選択図】図7

Description

本発明は、変速機の変速段を切り替える自動変速機制御装置に関する。
従来、複数の摩擦要素の係合及び解放を制御することにより、変速機の変速段を切り替える自動変速機制御装置に用いられる温度推定演算装置が知られている。特許文献1に開示の装置は、各摩擦要素の発熱量を、摩擦要素毎に推定するようになっている。そして発熱量に基づいて温度上昇を演算する。
また、特許文献2には、浮動小数演算において非数が発生した場合に、データを初期化する技術が開示されている。
特許第5922265号公報 特開2001−184192号
このような発熱量の推定演算において、例えばノイズによりRAM値が書き換わったり、浮動小数点演算に用いられる引数において非数が発生したりという、異常が発生することがある。こうした異常が発生した場合に、特許文献2のように、発熱量のデータを初期化してしまうと、実際の発熱量との乖離が看過できないものとなる。この乖離を完全に無視して、例えば通常の摩擦要素の制御を行なうと、係合した摩擦要素の焼き付きが懸念される。一方で、異常が発生した場合に、変速段の変速自体を全て禁止してしまうと、車両挙動が顕著に悪化することが懸念される。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、摩擦要素の焼き付きの抑制と、車両挙動の顕著な悪化の抑制とを両立する自動変速機制御装置を提供することにある。
開示される発明のひとつは、複数の摩擦要素(14)の係合及び解放を制御することにより、変速機(10)の変速段を切り替える自動変速機制御装置であって、
各摩擦要素の発熱量を、摩擦要素毎に推定する発熱量推定部(30)と、
発熱量推定部による各発熱量の推定演算において、異常が発生しているか否かを判定する異常判定部(34)と、
異常判定部により異常が発生したと判定された摩擦要素の係合が発生する変速段を禁止状態とする異常変速段禁止部(40)と、
各変速段のうち一部が禁止状態であり、かつ、変速要求が有る場合に、禁止状態以外の変速段の中から変速段を選択し、選択された変速段に切り替える選択切替部(42)と、を備える。
このような発明によると、摩擦要素毎の各発熱量の推定演算において異常が発生した場合、異常が発生した摩擦要素の係合が発生する変速段は、禁止状態とされる。こうした一部の変速段が禁止状態となっている状況下、変速要求が有る場合には、禁止状態以外の変速段の中から切り替え対象の変速段が選択される。故に、異常により実際の発熱量が推定されない場合であっても、異常に関わる変速段が切り替え対象から外されるため、その変速段の摩擦要素が係合制御されることが回避され、焼き付きを抑制することができる。そして、変速段の変速自体が禁止されるわけではなく、禁止状態以外の変速段の中から、現在の変速段よりも好ましい変速段へ切り替え可能となるので、車両挙動の顕著な悪化を抑制することができる。
加えて開示される発明のひとつは、異常判定部は、発熱量推定部により推定された発熱量に非数が発生しているか否かを判定する非数判定部である。
このような発明によると、非数の発生に起因する摩擦要素の焼き付きを抑制することができる。
加えて開示される発明のひとつは、非数が発生した摩擦要素の発熱量を初期化する発熱量初期化部(36)をさらに備える。
このような発明によると、初期化によって、非数が他の演算に伝播してしまうことが防止される一方、禁止状態以外の変速段の中から、現在の変速段よりも好ましい変速段へ切り替えることは引き続き可能となるので、自動変速機制御装置の効果は持続的に発揮され得る。
なお、括弧内の符号は、記載内容の理解を容易にすべく、後述する実施形態において対応する構成を例示するものに留まり、発明の内容を限定することを意図したものではない。
第1実施形態における自動変速機制御装置が車両に搭載された状態の構成を示すブロック図である。 図1の主変速機の構成をより詳細に示すブロック図である。 図1の自動変速機制御装置の構成をより詳細に示すブロック図である。 第1実施形態の具体例1−1,1−2における変速段と摩擦要素及びソレノイドとの組み合わせパターンを一部抜粋して示す表である。 第1実施形態の選択切替部による各ソレノイドへの出力を示すタイムチャートである。 第1実施形態の開放切替部による各ソレノイドへの出力を示すタイムチャートである。 第1実施形態の自動変速機制御装置によるフローチャートである。 第2実施形態の自動変速機制御装置によるフローチャートである。 第2実施形態の制御の具体例を説明するためのタイムチャートである。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による自動変速機制御装置100は、車両に搭載されている。車両は、図1に示すように、エンジンシステム1、副変速機2、主変速機10、入力軸回転数検出装置4、出力軸回転数検出装置6、及び自動変速機制御装置100を具備している。
エンジンシステム1は、例えばエンジン及びエンジン制御装置を有しており、エンジンがエンジン制御装置に制御されつつ、入力軸3に対して回転を出力する。副変速機2は、主変速機10がもつギヤ比の可変範囲を補うための補助的な変速機であって、エンジンシステム1のエンジンと主変速機10との間に設けられている。主変速機10は、図2にも示すように、複数の電磁弁12、複数の摩擦要素14、複数のギヤ等を有している。
主変速機10は、各摩擦要素14の係合と解放とを切り替え可能となっている。複数の摩擦要素14のうちの所定の組み合わせの摩擦要素14のみが係合状態となることにより、入力軸3と出力軸5との間に所定のギヤが締結され、所定のギヤ比を有する変速段(ギヤ段ともいう)が構成される。このような摩擦要素14の組み合わせが複数パターン設定されていることにより、互いにギヤ比が異なる複数の変速段が構成されている。本実施形態では、例えばDレンジにおいて1速から6速までの変速段が存在している。1速に近い方が低速側、6速に近い方が高速側である。こうして主変速機10は、入力軸3の回転数を変速して、出力軸5に出力する。摩擦要素14としては、クラッチ及びブレーキが挙げられる。
各摩擦要素14の係合と解放との切り替えは、各電磁弁12におけるオイルの圧力を個別に調整することにより行われる。具体的に、各電磁弁12は、ソレノイド12a及び可動弁12bを有し、ソレノイド12aが可動弁12bを駆動することにより、摩擦要素14に対応して設けられたピストンに印加するオイルの圧力を調整する。オイルの圧力により駆動されたピストンによって、摩擦要素14の係合及び解放が切り替わる。
入力軸回転数検出装置4は、副変速機2と主変速機10との間の入力軸3の回転数を検出する。検出された入力軸3の回転数は、電気信号として、自動変速機制御装置100へ出力される。出力軸回転数検出装置6は、出力軸5の回転数を検出する。検出された出力軸5の回転数は、電気信号として、自動変速機制御装置100へ出力される。
自動変速機制御装置100は、主変速機10における複数の摩擦要素14の係合及び解放を制御することにより、主変速機10の変速段を切り替える装置である。自動変速機制御装置100は、少なくとも1つのプロセッサ、RAM、ROM等のメモリ、入出力インターフェイス等が基板上に実装された電子回路を主体として構成されている。プロセッサは、例えばメモリに記憶されているコンピュータプログラムを実行することで、各種処理を実施可能となっている。また、自動変速機制御装置100は、主変速機10に加えて、入力軸回転数検出装置4、出力軸回転数検出装置6、及びその他の車両の装置と通信可能となっている。自動変速機制御装置100が電気信号により主変速機10の各電磁弁12のソレノイド12aを個別に制御することにより、変速段が切り替わるようになっている。
自動変速機制御装置100は、このような電子回路により構成されている機能ブロックとして、摩擦要素発熱量推定制御部20、AT摩擦要素保護制御部22、及びソレノイド出力指示部24を有している。図3に詳細を示すように、摩擦要素発熱量推定制御部20は、発熱量推定部30、完了判定部32、異常判定部34、及び発熱量初期化部36を有している。AT摩擦要素保護制御部22は、高発熱量変速段禁止部38、及び異常変速段禁止部40を有している。ソレノイド出力指示部24は、選択切替部42、及び解放切替部44を有している。
発熱量推定部30は、各摩擦要素14の発熱量を、摩擦要素14毎に推定する。具体的に、この発熱量をQとし、摩擦要素14のトルクをTとし、摩擦要素14の相対回転数をΔNとすると、Q=Σ(T×ΔN)の式により発熱量を推定演算することができる。すなわち、摩擦要素14のトルクと、摩擦要素14の相対回転数とを各々演算し、これらを乗じた値を、次々刻々足し合わせる積分処理によって発熱量が求められる。こうした発熱量の推定演算は、浮動小数点演算を使用するものとなっている。浮動小数点演算を使用すると、発熱量の推定精度が向上する。
完了判定部32は、各摩擦要素14毎に、推定された発熱量により得られた摩擦要素14の温度が、主変速機10の油温に収束しているか否かを判定する。収束している場合には、完了判定部32は、対象の摩擦要素14について発熱量の推定を完了したと判定する。
異常判定部34は、発熱量推定部30による各発熱量の推定演算において、異常が発生しているか否かを判定する。特に本実施形態では、異常判定部34は、発熱量推定部30により推定された発熱量に非数が発生しているか否かを判定する非数判定部になっている。こうした非数は、例えばノイズにより値が非数に書き換わったり、ノイズにより書き換わった値によりゼロ除算が行なわれることで発生し得る。
発熱量初期化部36は、異常判定部34により異常が発生した、すなわち非数が発生したと判定された摩擦要素14の発熱量を初期化する(例えば積分処理の値を0にリセットする)。これと共に、発熱量初期化部36は、初期化された発熱量の推定が未完了(すなわち推定中)であると判定する。
高発熱量変速段禁止部38は、完了判定部32が推定を完了と判定した摩擦要素14のうち、推定された発熱量が予め設定された閾値以上の摩擦要素14の係合が発生する変速段を、禁止状態とする。
異常変速段禁止部40は、異常判定部34により異常が発生したと判定された摩擦要素14、すなわち発熱量に非数が発生した摩擦要素14の係合が発生する変速段を、禁止状態とする。換言すると、発熱量初期化部36により発熱量の推定が未完了(すなわち推定中)であると判定された摩擦要素14の係合が発生する変速段は、全て禁止状態とされる。
本実施形態の自動変速機制御装置100では、高発熱量変速段禁止部38及び異常変速段禁止部40のうち少なくとも一方が設定した変速段の禁止状態に基づいて、変速要求の存在を契機として変速段の切り替えが実施される。ここで、変速要求は、自動変速機制御装置100に機能ブロックとして備えられた変速要求設定部が、車速及びエンジン回転数等に応じて設定するものであってもよいし、車両に設けられたレンジセレクタを車両の運転者が操作することにより設定されるものであってもよい。
選択切替部42は、各変速段のうち一部が禁止状態であり、かつ、変速要求が有る場合に、禁止状態以外の変速段の中から変速段を選択し、選択された変速段に切り替える。
ここで、選択切替部42の変速段の切り替えについて具体例1−1を用いてより詳細に説明する。選択切替部42により、例えば、4速から6速に変速段が切り替えられる場合を説明する。図4に示すように、具体例1において4速は、摩擦要素14としてのC1クラッチ及びC2クラッチの係合の組み合わせにより構成され、6速は、摩擦要素14としてのC1クラッチ及びC4クラッチの係合の組み合わせにより構成される。現在、C1クラッチ、C2クラッチ及びC4クラッチは禁止状態に設定されていないものとする。4速から6速への切り替えの前後において、C4クラッチは係合したままでよく、C1クラッチは係合から解放へ変更され、C2クラッチは解放から係合へ変更される必要がある。
ここで、C1クラッチは、ソレノイド12aのうちSL1ソレノイドへの出力指示(又は出力信号)がオンである場合に係合され、オフである場合に解放される。同様に、C2クラッチは、ソレノイド12aのうちSL2ソレノイドへの出力指示がオンである場合に係合され、オフである場合に解放される。C4クラッチは、ソレノイド12aのうちSL4ソレノイドへの出力指示がオンである場合に係合され、オフである場合に解放される。なお、図4では、説明に必要な組み合わせパターンのみが抜粋して示されている。
ここで、図5のタイムチャートに基づいて選択切替部42による各ソレノイドの出力信号について説明する。SL1ソレノイドの出力は、切り替え前にオンとなっており、時刻tn1から徐々に降圧し、時間Δtn後の時刻tn2でオフとなる。SL2ソレノイドの出力は、切り替え前にオフとなっており、時刻tn1から徐々に昇圧し、時間Δtn後の時刻tn2でオフとなる。SL4ソレノイドはオンの状態が継続されるので、時刻tn1から切り替えが開始され、時刻tn2で変速段の切り替えが完了する。時刻tn1と時刻tn2の間は、C1クラッチ及びC2クラッチは半クラッチの状態であり、多少の発熱量が生じるが、変速段の切り替えは円滑に行われる。
図3に示す解放切替部44は、各変速段のうち全部が禁止状態であり、かつ、変速要求が有る場合に、切り替えに伴って係合又は解放の状態が変更される摩擦要素14を一時的に解放状態とした後、禁止状態の変速段に切り替える。
ここで、解放切替部44の変速段の切り替えについて具体例1−2を用いてより詳細に説明する。具体例1−2において、変速段としての4速及び6速、C1クラッチ、C2クラッチ及びC4クラッチ、並びにSL1ソレノイド、SL2ソレノイド及びSL4ソレノイドとの対応関係は、具体例1−1と同様である。現在、C1クラッチ、C2クラッチ及びC4クラッチを含む全ての摩擦要素14の発熱量の推定演算により非数が発生し、全ての変速段が禁止状態に設定されているものとする。解放切替部44により、例えば、4速から6速に変速段が切り替えられる場合を説明する。
具体的に図6のタイムチャートに基づいて解放切替部44による各ソレノイドの出力信号について説明する。SL1ソレノイドの出力は、切り替え前にオンとなっており、時刻tp1において瞬時にオフとなる。SL2ソレノイドの出力は、切り替え前にオフとなっており、時刻tp1より時間Δtp後の時刻tp2において瞬時にオンとなる。SL4ソレノイドはオンの状態が継続されるので、時刻tp1から切り替えが開始され、時刻tp2で変速段の切り替えが完了する。時刻tp1と時刻tp2の間は、切り替えに伴って係合又は解放の状態が変更されるC1クラッチ及びC2クラッチが一時的に解放状態となり、ニュートラルの状態が一時的に構成される。
また、瞬時にSL1ソレノイド及びSL2ソレノイドのオン及びオフが切り替わるので、C1クラッチ及びC2クラッチを一時的に解放状態とする前後における解放及び係合の少なくとも一方(本具体例では両方)は、選択切替部42が変速段を切り替える場合の時間Δtnよりも遥かに短い時間で行われることとなる。
また、解放切替部44による切り替え完了までの時間Δtpは、選択切替部42による切り替え完了までの時間Δtnよりも長く設定されている。
このような自動変速機制御装置100により実施される制御フローのうち特に非数発生に関連する内容を中心に、図7のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS101では、摩擦要素14の発熱量の推定制御が実施される。具体的には、発熱量推定部30が上述のように、各摩擦要素14の発熱量を推定する。ステップS101の処理後、ステップS102へ移る。
ステップS102では、各発熱量の推定演算において非数が発生しているか否かを判定する。この判定は、摩擦要素14毎に行なわれ、各発熱量のうち1つでも非数が発生していれば、異常判定部34が肯定判定を下す。ステップS102において肯定判定が下された場合には、ステップS103へ移る。ステップS102において否定判定が下された場合には、ステップS104へ移る。
ステップS103では、発熱量初期化部36は、非数が発生した発熱量を初期化し、当該発熱量に対応する摩擦要素14について、発熱量の推定状態を“推定中”とする。ステップS103の処理後、ステップS104へ移る。
ステップS104では、推定状態が“推定中”である摩擦要素14が存在しているか否かを判定する。ステップS104において否定判定が下された場合、ステップS105へ移る。ステップS104において肯定判定が下された場合、ステップS106へ移る。
ステップS105では、摩擦要素14の保護制御が実施される。具体的には、上述のように、高発熱量変速段禁止部38が禁止状態を設定した後、選択切替部42が各変速段の禁止状態に応じて変速段を選択し、選択された変速段に切り替える。ステップS105を以って一連の処理を終了する。
一方、ステップS104にて“推定中”の摩擦要素14が存在していると判定された後のステップS106では、異常変速段禁止部40が上述のように当該摩擦要素14の係合が発生する変速段を禁止状態とする。ステップS106の処理後、ステップS107へ移る。
ステップS107では、全ての変速段が禁止状態であるか否かを判定する。ステップS107にて否定判定が下された場合、変速段のうち一部が禁止状態であるから、ステップS105に移り、変速要求が有る場合には、選択切替部42による変速段の切り替えが実施されることとなる。ステップS107にて肯定判定が下された場合、ステップS108へ移る。
ステップS108では、変速要求が有るか否かを判定する。ステップS108にて肯定判定が下された場合には、ステップS109へ移る。ステップS108にて否定判定が下された場合には、変速段の切り替えが必要ないため、一連の処理を終了する。
ステップS109では、変速段のうち全部が禁止状態であるから、解放切替部44による変速段の切り替えが実施される。解放切替部44が上述のように切り替えに伴って係合又は解放の状態が変更される摩擦要素14を一時的に解放状態とするので、発熱量の上昇は抑制される。ステップS109を以って一連の処理を終了する。
(作用効果)
以上説明した第1実施形態の作用効果を以下に説明する。
第1実施形態によると、摩擦要素14毎の各発熱量の推定演算において異常が発生した場合、異常が発生した摩擦要素14の係合が発生する変速段は、禁止状態とされる。こうした一部の変速段が禁止状態となっている状況下、変速要求が有る場合には、禁止状態以外の変速段の中から切り替え対象の変速段が選択される。故に、異常により実際の発熱量が推定されない場合であっても、異常に関わる変速段が切り替え対象から外されるため、その変速段の摩擦要素14が係合制御されることが回避され、当該摩擦要素14の焼き付きを抑制することができる。そして、変速段の変速自体が禁止されるわけではなく、禁止状態以外の変速段の中から、現在の変速段よりも好ましい変速段へ切り替え可能となるので、車両挙動の顕著な悪化を抑制することができる。
また、第1実施形態によると、発熱量の推定演算における異常の判定とは、発熱量推定部30により推定された発熱量に非数が発生しているか否かの判定である。非数の発生に起因する摩擦要素14の焼き付きを抑制することができる。
また、第1実施形態によると、非数が発生した摩擦要素14の発熱量が初期化されるようになっている。こうした初期化によって、非数が他の演算に伝播してしまうことが防止される一方、禁止状態以外の変速段の中から、現在の変速段よりも好ましい変速段へ切り替えることは引き続き可能となるので、自動変速機制御装置100による効果は持続的に発揮され得る。
また、第1実施形態によると、変速段のうち全部が禁止状態であり、かつ、変速要求が有る場合に、切り替えに伴って係合又は解放の状態が変更される摩擦要素14を一時的に解放状態とした後、禁止状態の変速段に切り替える。変速段を切り替えることで車両挙動の悪化を抑制しつつも、対象の摩擦要素14を一時的に解放状態することで発熱量を抑制し、焼き付きのリスクを減少させることができる。
また、第1実施形態によると、解放切替部44は、摩擦要素14を一時的に解放状態とする前後における解放及び係合の少なくとも一方を、選択切替部42が変速段を切り替える場合よりも短い時間で行なう。このようにすると、変速段を切り替えるまでの全体の時間の増加を抑制しつつも、摩擦要素14が解放状態となる時間をより長く確保することができるため、摩擦要素14の焼き付きの抑制と、車両挙動の顕著な悪化の抑制とが両立できる。
(第2実施形態)
図8,9に示すように、本発明の第2実施形態は第1実施形態の変形例である。第2実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第2実施形態の選択切替部42は、第1実施形態と同様に、各変速段のうち一部が禁止状態であり、かつ、変速要求が有る場合には、禁止状態以外の変速段の中から変速段を選択する。ただし、第2実施形態の選択切替部42は、変速要求がアップシフトである場合には、現在の変速段よりも高速側の変速段のうち、禁止状態以外の変速段の中から変速段を選択するようになっている。同様に、選択切替部42は、変速要求がダウンシフトである場合には、現在の変速段よりも低速側の変速段のうち、禁止状態以外の変速段の中から変速段を選択するようになっている。
このような自動変速機制御装置により実施される制御フローのうち特に非数発生に関連する内容を中心に、図8のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS201〜209の内容は、第1実施形態のステップS101〜109の内容と同様である。ただし、ステップS207で全ての変速段が禁止状態であるか否かを判定する際に、否定判定が下された場合、ステップS210へ移る。
ステップS210では、変速要求が有るか否かを判定する。ステップS210にて肯定判定が下された場合には、ステップS211へ移る。ステップS210にて否定判定が下された場合には、変速段の切り替えが必要ないため、一連の処理を終了する。
ステップS211では、変速要求がアップシフトであるかダウンシフトであるかに応じて、選択切替部42が上述のように変速段を選択する。ステップS211の処理後、ステップS205へ移る。
こうした制御について、図9のタイムチャートに示された具体例により説明する。時刻td1では、要求段が3速であり、出力段も3速となっている。時刻td2では、要求段が4速となり、出力段もこれに合わせて4速に切り替えられる。時刻td2と時刻td3との間で、C4クラッチの推定された発熱量が閾値を超え、少し遅れてC4クラッチの実発熱量も閾値を超える。ここで時刻td3にてC4クラッチの発熱量の推定演算において非数が発生したものとする。これに対応して、発熱量初期化部36が、推定演算による発熱量を初期化すると共に、C4クラッチの発熱量が完了状態から推定中に変更され、異常変速段禁止部40がC4クラッチの係合が発生する4速及び6速の変速段を禁止状態とする。
この後、時刻td4に変速要求により4速から6速へのアップシフトが要求されると、選択切替部42は、変速段を選択することとなる。禁止状態である4速及び6速を除くと1,2,3,5速が残るが、1,2,3速は現在の4段よりも低速側であるため、選択切替部42は、現在の変速段よりも高速側である5速を選択する。こうして出力段が5速に切り替えられる。その後時刻td5にC4クラッチの発熱量の推定演算が再び完了すると、4速及び6速の禁止状態の設定も解除される。
以上説明した第2実施形態によると、選択切替部42は、変速要求がアップシフトである場合には、現在の変速段よりも高速側の変速段のうち、禁止状態以外の変速段の中から変速段を選択し、変速要求がダウンシフトである場合には、現在の変速段よりも低速側の変速段のうち、禁止状態以外の変速段の中から変速段を選択する。このようにすると、通常とは逆方向に変速することがないので、車両挙動への違和感を低減することができる。また、燃費も向上させることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的に、変形例1としては、自動変速機制御装置100が搭載される車両の構成には、様々な構成を採用可能である。例えば車両は副変速機2を備えていなくてもよいし、エンジンシステムに加えて電動モータを動力源とした所謂ハイブリッド車であってもよい。
変形例2としては、異常判定部34は、発熱量推定部30により推定された発熱量に非数が発生しているか否かを判定する非数判定部に限られない。例えば、発熱量推定部30により推定された発熱量が、主変速機10の通常の作動を考慮して、明らかに異常な値を推定した場合、異常判定部34は、発熱量の推定演算において異常が発生していると判定してもよい。
変形例3としては、解放切替部44は、切り替えに伴って係合又は解放の状態が変更される摩擦要素14を一時的に解放状態とするものであれば、その前後における解放及び係合の少なくとも一方を、選択切替部42が変速段を切り替える場合と同等又はより長い時間で行ってもよい。
10 主変速機(変速機)、14 摩擦要素、30 発熱量推定部、34 異常判定部、36 発熱量初期化部、40 異常変速段禁止部、42 選択切替部、44 解放切替部

Claims (6)

  1. 複数の摩擦要素(14)の係合及び解放を制御することにより、変速機(10)の変速段を切り替える自動変速機制御装置であって、
    各前記摩擦要素の発熱量を、前記摩擦要素毎に推定する発熱量推定部(30)と、
    前記発熱量推定部による各前記発熱量の推定演算において、異常が発生しているか否かを判定する異常判定部(34)と、
    前記異常判定部により前記異常が発生したと判定された前記摩擦要素の係合が発生する前記変速段を禁止状態とする異常変速段禁止部(40)と、
    各前記変速段のうち一部が禁止状態であり、かつ、変速要求が有る場合に、禁止状態以外の前記変速段の中から前記変速段を選択し、選択された前記変速段に切り替える選択切替部(42)と、を備える自動変速機制御装置。
  2. 前記異常判定部は、前記発熱量推定部により推定された前記発熱量に非数が発生しているか否かを判定する非数判定部である請求項1に記載の自動変速機制御装置。
  3. 前記非数が発生した前記摩擦要素の発熱量を初期化する発熱量初期化部(36)をさらに備える請求項2に記載の自動変速機制御装置。
  4. 各前記変速段のうち全部が禁止状態であり、かつ、変速要求が有る場合に、切り替えに伴って係合又は解放の状態が変更される前記摩擦要素を一時的に解放状態とした後、禁止状態の前記変速段に切り替える解放切替部(44)をさらに備える請求項1から3のいずれか1項に記載の自動変速機制御装置。
  5. 前記解放切替部は、前記摩擦要素を一時的に解放状態とする前後における解放及び係合の少なくとも一方を、前記選択切替部が前記変速段を切り替える場合よりも短い時間で行なう請求項4に記載の自動変速機制御装置。
  6. 前記選択切替部は、
    前記変速要求がアップシフトである場合には、現在の前記変速段よりも高速側の前記変速段のうち、禁止状態以外の前記変速段の中から前記変速段を選択し、
    前記変速要求がダウンシフトである場合には、現在の前記変速段よりも低速側の前記変速段のうち、禁止状態以外の前記変速段の中から前記変速段を選択する請求項1から5のいずれか1項に記載の自動変速機制御装置。
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