JP2018070819A - 熱伝導性ゴム材料、画像形成装置用のベルト及び画像形成装置 - Google Patents

熱伝導性ゴム材料、画像形成装置用のベルト及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】柔軟性を有しかつ熱伝導率の向上を図れる熱伝導性ゴム材料、トナーの定着性に優れるベルト及び画像形成装置を提供する。【解決手段】シリコーンゴムとカーボンファイバーと球状黒鉛とを含む、熱伝導性ゴム材料。カーボンファイバーをさらに含み、前記カーボンファイバーの平均直径Dと、前記球状黒鉛の平均一次粒子径Rとが、[R/D]≦[1/2]を満たすことが好ましい。前記球状黒鉛の平均一次粒子径Rが1〜40μmであることが好ましい。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、熱伝導性ゴム材料、画像形成装置用のベルト及び画像形成装置に関する。
Multi Function Peripheral(以下「MFP」という。)及びプリンタ等の画像形成装置がある。
画像形成装置は、記録媒体上にトナー像を形成するプリンタ部と、形成されたトナー像を記録媒体上に定着させる定着器とを備える。定着器は、定着ベルトと、定着ベルトに対向するプレスローラとを備える。定着ベルトとプレスローラとが接触することにより、ニップ部が形成される。トナー像が形成された記録媒体は、ニップ部を通過して、加熱され加圧される。記録媒体上のトナー像は、ニップ部を通過する際に溶融して、記録媒体上に定着する。
カラー電子写真画像のトナー像は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等のトナーで多層化されている。多層化されたトナー像の加熱時間が短時間であると、トナーを充分に溶融できず、所望の色調を表しにくい。短時間の加熱でトナーを溶融するために、定着器の加熱温度を高めると、トナーが焦げ付き、オフセットを生じることがある。加熱時間を増加するために定着器のニップ部の幅を増加させると、定着器が大型化し、熱容量が増加して、省エネルギー化を図れない。
従来、定着器の定着ベルトにクッション層を設け、トナー像と定着ベルトとの接触面積を増やすことで、画像不良の抑制が図られている。
定着ベルトの熱伝導率を高めるために、クッション層にカーボンファイバー及び配向阻害剤を含む定着ベルトが知られている。しかし、カーボンファイバーをクッション層に配合すると、クッション層の柔軟性が損なわれやすい。
また、クッション層に熱伝導性フィラーとマイクロバルーンを含む定着ベルトが知られている。しかし、カーボンファイバー等の熱伝導性フィラーをクッション層に配合すると、クッション層の柔軟性が損なわれやすい。マイクロバルーンをクッション層に配合すると、クッション層の強度が損なわれやすい。
特許第4911674号公報 特開2015−038589号公報
本発明が解決しようとする課題は、柔軟性を有しかつ熱伝導率の向上を図れる、熱伝導性ゴム材料、トナーの定着性に優れるベルト及び画像形成装置を提供することである。
実施形態に係る熱伝導性ゴム材料は、シリコーンゴムと球状黒鉛とカーボンファイバーとを含む。前記カーボンファイバーの平均直径Dと、前記球状黒鉛の平均一次粒子径Rとが、下記(1)式を満たす。
[R/D]≦[1/2] ・・・・・(1)
実施形態に係る定着器の側面図。 実施形態に係る定着ベルトの断面図。
実施形態の熱伝導性ゴム材料(以下、単にゴム材料ということがある)は、シリコーンゴムと球状黒鉛とカーボンファイバーとを含む。
実施形態のゴム材料は、シリコーンゴム中に球状黒鉛及びカーボンファイバーが分散しているものである。
以下、シリコーンゴムについて説明する。
シリコーンゴムは、特に限定されず、ジメチルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム、フロロシリコーンゴム等が挙げられる。これらのシリコーンゴムは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
ゴム材料中のシリコーンゴムの含有量は、ゴム材料の用途等を勘案して適宜決定される。
ゴム材料の総量に対するシリコーンゴムの含有量は、例えば、62.5〜66.7質量%が好ましい。シリコーンゴムの含有量が上記下限値以上であれば、ゴム材料の強度のさらなる向上を図れる。シリコーンゴムの含有量が上記上限値以下であれば、後述する球状黒鉛の含有量を充分なものとして、ゴム材料の熱伝導性をより高められる。
以下、球状黒鉛について説明する。
球状黒鉛は、長径/短径で表されるアスペクト比が1.0〜1.5の粒子である。
球状黒鉛の平均一次粒子径Rは、特に限定されないが、例えば、1〜40μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。平均一次粒子径Rが上記下限値以上であれば、熱伝導性のさらなる向上を図れる。平均一次粒子径Rが上記上限値以下であれば、ゴム材料の柔軟性のさらなる向上を図れる。
球状黒鉛の平均一次粒子径Rは、例えば、以下の方法で測定される。任意の量の球状黒鉛の粒子群を電子顕微鏡で観察する(1,000〜5,000倍)。観察視野内の任意の100個の球状黒鉛の長径を測定する。測定された長径の平均を平均一次粒子径Rとする。
球状黒鉛の球状化率は、特に限定されないが、例えば、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、94%以上がさらに好ましく、100%でもよい。球状黒鉛の球状化率が上記下限値以上であれば、熱電導性のさらなる向上を図れる。加えて、球状黒鉛の球状化率が上記下限値以上であれば、柔軟性のさらなる向上を図れる。
球状黒鉛の球状化率は、JIS G5502に準じて測定された値である。
ゴム材料中の球状黒鉛の含有量は特に限定されない。シリコーンゴム100質量部に対する球状黒鉛の含有量は、5〜40質量部が好ましい。球状黒鉛の含有量が上記範囲内であれば、熱伝導率及び柔軟性をより高められる。シリコーンゴム100質量部に対する球状黒鉛の含有量は、10〜30質量部がより好ましい。球状黒鉛の含有量が10質量部以上であれば、ゴム材料の柔軟性、熱伝導性のさらなる向上を図れる。球状黒鉛の含有量が30質量部以下であれば、ゴム材料の強度のさらなる向上を図れる。
球状黒鉛としては、例えば、WF−15C(中越黒鉛工業所)、SG−BH8(伊藤黒鉛工業)、SG−BH(伊藤黒鉛工業)、SG−BL30(伊藤黒鉛工業)、SG−BL40(伊藤黒鉛工業)、ベルパール(エア・ウォーター・ベルパール)等が挙げられる。中でも、球状度の高いベルパールが好ましい。これらの球状黒鉛は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
以下、カーボンファイバーについて説明する。
カーボンファイバーにおける長さ/直径で表される比は、1.5超である。
カーボンファイバーの平均直径Dは、特に限定されないが、例えば、5〜30μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。平均直径Dが上記下限値以上であれば、配合する際に飛散しにくく、取り扱いが容易である。平均直径Dが上記上限値以下であれば、熱伝導性のさらなる向上を図れ、ゴム材料の柔軟性のさらなる向上を図れる。
カーボンファイバーの平均直径Dは、例えば、以下の方法で測定される。任意の量のカーボンファイバーを電子顕微鏡で観察する(1,000〜5,000倍)。観察視野内の任意の100個のカーボンファイバーの直径(幅)を測定する。測定された直径の平均をカーボンファイバーの平均直径とする。
平均粒子径Rと平均直径Dとは、下記(1)式を満たす。
[R/D]≦[1/2] ・・・(1)
[R/D]の上限値は、1/2以下である。[R/D]が上記上限値以下であれば、熱伝導性のさらなる向上を図れる。
[R/D]の下限値は、1/10以上が好ましい。[R/D]が上記下限値以上であれば、柔軟性のさらなる向上を図れる。
カーボンファイバーとしては、ピッチ系カーボンファイバー、PAN(ポリアクリロニトリル)系カーボンファイバーが挙げられる。
ピッチ系カーボンファイバーとしては、例えば、GRANOC(R)XN−10
0−05M、XN−100−15M(日本グラファイトファイバー)、ダイアリード(R
)K223QM、K6361M、K223HM(三菱樹脂)、ドナカーボ・ミドルS−2
404、S−249、S−241、SG−249(大阪ガスケミカル)等が挙げられる。
PAN系カーボンファイバーとしては、例えば、トレカ(R)ミルドファイバーMLD−30、MLD−300、MLD−1000(東レ)、パイロフィル(R)チョップドファイバー(三菱レイヨン)等が挙げられる。
これらのカーボンファイバーは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
ゴム材料中のカーボンファイバーの含有量は特に限定されない。シリコーンゴム100質量部に対するカーボンファイバーの含有量は、10〜60質量部が好ましく、20〜50質量部がより好ましい。カーボンファイバーの含有量が上記下限値以上であれば、伝導性のさらなる向上を図れる。カーボンファイバーの含有量が上記上限値以下であれば、ゴム材料の柔軟性のさらなる向上を図れる。
シリコーンゴム100質量部に対して、球状黒鉛とカーボンファイバーとの合計量は、40〜100質量部が好ましく、50〜70質量部がより好ましい。球状黒鉛とカーボンファイバーとの合計量が上記下限値以上であれば、ゴム材料の熱伝導性のさらなる向上を図れる。球状黒鉛とカーボンファイバーとの合計量が上記上限値以下であれば、ゴム材料の強度のさらなる向上を図れる。
[カーボンファイバーの含有量]/[球状黒鉛の含有量]で表される質量比は、例えば、1〜20が好ましく、1〜3がより好ましい。[カーボンファイバーの含有量]/[球状黒鉛の含有量]が上記下限値以上であれば、熱伝導性のさらなる向上を図れる。[カーボンファイバーの含有量]/[球状黒鉛の含有量]が上記上限値以下であれば、柔軟性のさらなる向上を図れる。
実施形態のゴム材料は、目的に応じて、シロキサン等のレベリング剤、鱗片状黒鉛、公知の架橋剤、充填剤、導電剤、ゴム、プラスチック材料用劣化防止剤、耐熱剤等の添加剤を含んでもよい。
ゴム材料の柔軟性は、例えば、JIS K6253に準拠のタイプAデュロメータで測定されるアスカー硬度(硬さ)により表される。例えば、厚さ2mmのゴム材料のアスカー硬度としては、60〜78が好ましく、65〜75がより好ましい。ゴム材料のアスカー硬度が上記下限値以上であれば、定着ベルトのクッション層として十分な柔軟性を有する。ゴム材料のアスカー硬度が上記上限値以下であれば、ゴム材料の強度を高められる。
ゴム材料の熱伝導率は、例えば、3W/mK以上が好ましく、4W/mK以上がより好ましい。ゴム材料の熱伝導率が上記下限値以上であれば、熱伝導性に優れる。
例えば、実施形態のゴム材料は、画像形成装置のベルトのクッション層として用いられる。また、例えば、実施形態のゴム材料は、画像形成装置のプレスローラの表層として用いられる。あるいは、例えば、実施形態のゴム材料は、放熱性が求められる封止材として用いられる。
以下、実施形態のベルトについて説明する。
実施形態のベルトは、基層とクッション層とを備える。クッション層は、前述の実施形態のゴム材料で形成されている。即ち、実施形態のベルトは、シリコーンゴムと球状黒鉛とカーボンファイバーとを含むクッション層を備える。
実施形態のベルトとしては、例えば、画像形成装置用の定着ベルト、転写ベルトが挙げられる。画像形成装置は、カラー電子写真画像用の画像形成装置、モノクロ電子写真画像用の画像形成装置が挙げられる。
実施形態の画像形成装置は、上述の実施形態における画像形成用のベルトを備える。画像形成装置は、シート等の記録媒体上にトナー像を形成するプリンタ部と、記録媒体にトナー像を定着する定着器とを備える。
以下、定着器の一例について説明する。
図1は、定着器34の側面図である。
図1の定着器34は、カラー電子写真画像用の画像形成装置の定着器である。
定着器34は、電磁誘導加熱コイルユニット52を備える。定着器34は、電磁誘導加熱(以下「IH」ともいう。)を利用した定着方式の装置である。定着器34としては、IH方式の定着器に限定されず、定着ベルト50の内周側に加熱用ランプを備えたランプ加熱方式でもよい。
図1に示すように、定着器34は、定着ベルト50、プレスローラ51、IHコイルユニット52及び発熱補助板69を備える。定着ベルト50は、筒状の無端状ベルトである。定着ベルト50の内周側には、ベルト内部機構55が配置される。ベルト内部機構55は、ニップパッド53、フレーム53d、温度センサー64、サーモスタット65及び発熱補助板69を含む。なお、本実施形態では、定着ベルト50と発熱補助板69とが接触している。
IHコイルユニット52は、メインコイル56を備える。
定着ベルト50は、内周部に発熱補助板69を備える。側面視で、発熱補助板69は、定着ベルト50の内周面に沿って円弧形状に形成される。発熱補助板69は、定着ベルト50を挟んでメインコイル56と対向する。
発熱補助板69は、円弧形状の両端を土台(不図示)に支持される。発熱補助板69の径方向外側面は、定着ベルト50の内周面に接触する。発熱補助板69は、円弧形状の両端をベルト内部機構55に支持される。発熱補助板69は、弾性的に支持される。発熱補助板69は、定着ベルト50に対して押圧されている。このため、発熱補助板69は定着ベルト50の内側に接する構造となっている。
図1に示すように、発熱補助板69の内周側には、シールド76が配置される。シールド76は、発熱補助板69と同様の円弧形状に形成される。シールド76は、円弧形状の両端を土台(不図示)に支持される。シールド76は、発熱補助板69を支持してもよい。例えば、シールド76は、アルミニウム及び銅等の非磁性材料により形成される。シールド76は、IHコイルユニット52からの磁束を遮蔽する。
定着ベルト50の内周側において、ニップパッド53は、定着ベルト50の内周面をプレスローラ51側に押圧する。定着ベルト50とプレスローラ51との間には、ニップ部54が形成される。ニップパッド53は、定着ベルト50とプレスローラ51との間にニップ部54を形成するニップ形成面53aを有する。ニップ形成面53aは、ベルト幅方向から見て、定着ベルト50の内周側に凸をなすように湾曲する。
例えば、ニップパッド53は、パッド本体53eと被覆層53bとを備える。
パッド本体53eは、シリコーンゴム及びフッ素ゴム等の弾性材料により形成される。パッド本体53eは、耐熱性樹脂により形成されてもよい。耐熱性樹脂としては、ポリイミド樹脂(PI)、ポリフェニレンサルファド樹脂(PPS)、ポリエーテルサルフォン樹脂(PES)、液晶ポリマ(LCP)及びフェノール樹脂(PF)等が挙げられる。
ニップパッド53における定着ベルト50と対向する面には、被覆層53bが形成されている。
定着ベルト50の内周側には、均熱化部材53cが設けられている。均熱化部材53cは、ニップパッド53に接している。均熱化部材53cは、定着ベルト50の幅方向に平行に配置されている。均熱化部材53cは、ニップパッド53に並列するフレーム53dと接触している。フレーム53dは、定着ベルト50の内周側に設けられ、均熱化部材53cを支持する。均熱化部材53cは、ニップパッド53とフレーム53dによって囲まれるとともに、固定されている。
均熱化部材53cとしては、ヒートパイプ等が挙げられる。
以下、実施形態の定着ベルトの一例について説明する。
図2は、定着ベルト50の断面図である。
図2の定着ベルト50は、基層50bと、発熱部である発熱層(導電層)50aと、クッション層50dと、離型層50cとをこの順で備える。
例えば、基層50bは、ポリイミド樹脂(PI)により形成されている。基層50bには、チタン(Ti)等の金属を分散させたポリイミド樹脂でもよい。基層50bに金属を分散させることによって、基層50bと、発熱層50aとの密着強度をさらに向上する。例えば、基層50bは、ポリイミド樹脂の他、被磁性のステンレス(SUS)により形成されてもよい。
基層50bの厚さは、例えば、50〜100μmとされる。
例えば、発熱層50aは、銅(Cu)、ニッケル、鉄(Fe)、ステンレス、アルミニウム(Al)及び銀(Ag)等により形成されてもよい。発熱層50aは、合金でもよいし用いてもよいし、2種類以上の金属を層状に重ねてもよい。
発熱層50aは、金属めっき層でもよいし、金属箔でもよい。
クッション層50dは、上述した実施形態のゴム材料で形成されている。即ち、クッション層50dは、シリコーンゴムと球状黒鉛とカーボンファイバーとを含むゴム材料で形成されている。クッション層50dに含まれるカーボンファイバーの平均直径Dと、クッション層50dに含まれる球状黒鉛の平均一次粒子径Rとは、下記(1)式を満たす。
[R/D]≦[1/2] ・・・・・(1)
クッション層50dの厚さは、例えば、100〜400μmとされる。上記下限値以上であれば、定着ベルト50の柔軟性が十分なものとなる。上記上限値以下であれば、定着ベルト50が過剰に厚くなるのを防止できる。
例えば、離型層50cは、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)等のフッ素樹脂により形成されている。
離型層50cの厚さは、例えば、5〜50μmとされる。
なお、モノクロの画像形成装置における定着ベルトの場合、離型層50cを備えなくてもよい。
発熱層50aの厚さは、例えば、10μm以下とされる。発熱層50aを10μm以下とすることで、定着ベルト50の熱容量を小さくできる。
定着ベルト50においては、発熱層50aを薄層化して熱容量を小さくする。発熱層50aを薄層化することで、ウォーミングアップに必要な時間を短縮し、消費エネルギーを節約する。
なお、定着器がランプ加熱方式である場合、定着ベルト50は発熱層50aを備えなくてもよい。
発熱層50aの両面には、ニッケル等の保護層50a1,50a2が設けられている。保護層50a1,50a2は、発熱層50aの酸化を抑制する。
なお、定着ベルト50は、保護層50a1ならびに保護層50a2の双方もしくはいずれか一方を備えなくてもよい。
以下、定着ベルト50の製造方法の一例について説明する。
基層50b上に、無電解ニッケルめっきにより保護層50a2を形成する。基層50bの表面は、サンドブラスト又は化学的なエッチングで粗らされてもよい。基層50bの表面を粗らすことによって、基層50bと、発熱層50aのニッケルめっきとの密着強度を機械的にさらに高められる。
次いで、保護層50a2の上に、電解銅めっきにより発熱層50aを形成する。無電解ニッケルめっきを施すことによって、基層50bと発熱層50aとの密着強度を高められる。
発熱層50a上に、電解ニッケルにより保護層50a1を形成する。
保護層50a1上に、実施形態のゴム材料からなるクッション層50dを形成する。クッション層50dを形成する方法としては、以下の形成方法が挙げられる。
第一の形成方法としては、例えば、シリコーンゴム、球状黒鉛及びカーボンファイバーが有機溶媒中に分散されたシリコーンゴム組成物を保護層50a1上に塗工する。次いで、シリコーンゴム組成物を任意の温度で加熱して硬化させて、クッション層50dを形成する。
第二の形成方法としては、シリコーンゴム、球状黒鉛及びカーボンファイバーを混練して、ゴム材料とする。次いで、シリコーンゴム混合物をシート状に成形する。ゴム材料をシート状に成形する。シート状のゴム材料を保護層50a1上に貼着する。
クッション層50d上に、離型層50cを形成する。離型層50cの形成方法としては、従来公知の形成方法が挙げられる。
定着器34の動作について説明する。
図1に示すように、定着器34のウォーミングアップ時、定着器34は、定着ベルト50を矢印u方向に回転する。
メインコイル56に、高周波電流が印加される。メインコイル56に高周波電流を流すことによって、メインコイル56の周囲には高周波磁界が発生する。発生した高周波磁界の磁束によって、定着ベルト50の発熱層50aには渦電流が生じる。渦電流と発熱層50aの電気抵抗とによって、発熱層50aにジュール熱が発生する。ジュール熱の発生によって、定着ベルト50が加熱される。
メインコイル56が発生させる磁束によって、発熱補助板69と定着ベルト50との間に磁束が発生する。発生した磁束によって、定着ベルト50が加熱される。
定着ベルト50が定着温度に達した後、プレスローラ51を定着ベルト50に当接させる。プレスローラ51が定着ベルト50に当接すると、プレスローラ51は矢印q方向に回転する。定着ベルト50を矢印u方向に従動的に回転させる。
画像形成装置にプリント要求があると、画像形成装置はプリント操作を開始する。画像形成装置は、プリンタ部でシートPにトナー像Tを形成する。シートPは、例えば、印刷用紙等である。
トナー像Tが形成されたシートPをニップ部54に通す。シートPがニップ部54を通過する際、トナー像Tを形成するトナーが定着ベルト50を介して加熱される。定着ベルト50で加熱されたトナーは、溶融する。これによりトナーがシートPに定着する。
実施形態の画像形成装置によれば、定着ベルトのクッション層の熱伝導率が高いため、ウォーミングアップの時間を短縮できる。
実施形態の画像形成装置によれば、定着ベルトのクッション層の熱伝導率が高く、かつクッション層の柔軟性が損なわれない。このため、実施形態の画像形成装置は、加熱温度を著しく高めなくても、短時間でトナーを充分に加熱できる。加えて、実施形態の画像形成装置は、多層化されたトナーを充分に融着できるため、所望の色調を得られ、オフセットの発生を防止できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
以下、実施例1−1〜1−4、2−1〜2−4及び比較例1−1〜1−9について説明する。
表1〜2に示す組成に従い、シリコーンゴムと、カーボンファイバー(平均長さ:50μm、平均直径15μm)と、球状黒鉛(表中に記載の平均一次粒子径)とを混合し、シリコーンゴム組成物を調製した。シリコーンゴム組成物を幅200mm、長さ200mm、深さ2mmの容器に充填した。シリコーンゴム組成物が充填された容器を180〜200℃で一次加硫と二次加硫とを行い、ゴム材料を得た。一次加硫の時間と二次加硫の時間との合計は、300分間であった。
得られたゴム材料について、熱伝導率及び硬さを測定した。得られた結果を表中に示す。
Figure 2018070819
Figure 2018070819
以下、熱伝導率の測定方法について説明する。
各例のゴム材料を幅100mm×長さ100mm×厚さ2mmに切り出し、サンプルとした。迅速熱伝導率計(QTM500、京都電子工業製)を用い、各サンプルの熱伝導率を測定した。
以下、ゴム材料の硬さの測定方法について説明する。
各例のゴム材料の硬さをタイプEデュロメータで測定した。
アスカーゴム硬度計E型(http://www.asker.co.jp/products/durometer/analog/e/)を用い、JIS K6253、ISO7619に規定されている方法で測定した。測定対象であるゴム材料の厚さは2mmである。
表1〜2に示すように、カーボンファイバーと球状黒鉛とを含み、R/Dが1/2以下である実施例1−1〜1−6、比較例2−1〜2−4は、いずれも熱伝導率が3.0W/mK以上であった。実施例1−1〜1−6、比較例2−1〜2−4は、いずれも硬さが75以下であった。
球状黒鉛を含まない比較例1−1〜1−3は、硬さが79以上であった。カーボンファイバーを含まない比較例1−4〜1−5、1−7〜1−9は、熱伝導率が2.2W/mK以下であった。カーボンファイバーを含まず、平均一次粒子径40μmの球状黒鉛を80質量部含む比較1−6は、熱伝導率が3.6W/mKであったが、硬さが81であった。
定着器 34;定着ベルト 50;基層 50b;クッション層 50d

Claims (5)

  1. シリコーンゴムとカーボンファイバーと球状黒鉛とを含み、
    前記カーボンファイバーの平均直径Dと、前記球状黒鉛の平均一次粒子径Rとが、下記(1)式を満たす、熱伝導性ゴム材料。
    [R/D]≦[1/2] ・・・・・(1)
  2. 前記球状黒鉛の平均一次粒子径Rが1〜40μmである、請求項1に記載の熱伝導性ゴム材料。
  3. [カーボンファイバーの含有量]/[球状黒鉛の含有量]で表される質量比は、1〜20である、請求項1又は2に記載の熱伝導性ゴム材料。
  4. 基層とクッション層とを備え、
    前記クッション層が請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱伝導性ゴム材料からなる、画像形成装置用のベルト。
  5. 請求項4に記載の画像形成装置用のベルトを備える、画像形成装置。
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